(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】ポリオレフィン添加剤配合物
(51)【国際特許分類】
C08L 23/00 20060101AFI20231003BHJP
C08K 3/04 20060101ALI20231003BHJP
C08K 5/14 20060101ALI20231003BHJP
C08K 5/3435 20060101ALI20231003BHJP
C08K 5/375 20060101ALI20231003BHJP
H01B 3/44 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
C08L23/00
C08K3/04
C08K5/14
C08K5/3435
C08K5/375
H01B3/44 F
(21)【出願番号】P 2020556751
(86)(22)【出願日】2019-04-25
(86)【国際出願番号】 US2019029075
(87)【国際公開番号】W WO2019210040
(87)【国際公開日】2019-10-31
【審査請求日】2022-04-19
(32)【優先日】2018-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100128484
【氏名又は名称】井口 司
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】ハン、スチュン
(72)【発明者】
【氏名】クジェロクヴィスト、ジャーカー ビー.エル.
【審査官】宮内 弘剛
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第105015041(CN,A)
【文献】特表2018-527439(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0312662(US,A1)
【文献】特開2002-083516(JP,A)
【文献】特表2013-515134(JP,A)
【文献】特開2012-009436(JP,A)
【文献】特表2010-506985(JP,A)
【文献】特表2018-522985(JP,A)
【文献】特開平06-039976(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08K
C08L
H01B 3/44
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬化性ポリオレフィン添加剤配合物であって、構成物(A)~(D):70~99.7重量パーセント(重量%)の(A)メルトインデックス試験法に従って、190℃および2.16キログラムの負荷でASTM D1238-04に従って測定して、10分あたり0.1~50グラム(g/10分)のメルトインデックス(「I
2」)を有するポリオレフィンポリマーと、0.1~5重量%の(B)カーボンブラックと、0.2~5重量%の(C)トリアジニル官能性ヒンダードピペリジンと、0.1~1.00重量%の(D)式(I):HO(R
1)
xPh-S-Ph(R
2)
yOH(I)の硫黄含有ヒンダードビスフェノール(SCHBP)(式中、下付き文字xが、1~3の整数であり、HO(R
1)
xPhが、第1の一価ヒンダードフェノール基であり、各R
1が独立して、(C
1-C
7)アルキルであり、少なくとも1つのR
1が独立して(C
3-C
6)アルキルであり、かつ前記第1の一価ヒンダードフェノール基の前記ヒドロキシル(HO-)に対してオルトであり、下付き文字yが、1~3の整数であり、Ph(R
2)
yOHが、第2の一価ヒンダードフェノール基であり、各R
2が独立して、(C
1-C
7)アルキルであり、少なくとも1つのR
2が独立して、(C
3-C
6)アルキルであり、かつ前記第2の一価ヒンダードフェノール基の前記ヒドロキシル(-OH)に対してオルトである)と、を含む、硬化性ポリオレフィン添加剤配合物。
【請求項2】
前記(A)ポリオレフィンポリマーが、制限(i)~(xv):(i)エチレン系ポリマー、(ii)低密度ポリエチレン(LDPE)であるエチレン系ポリマー、(iii)線状低密度ポリエチレン(LLDPE)であるエチレン系ポリマー、(iv)中密度ポリエチレン(MDPE)であるエチレン系ポリマー、(v)高密度ポリエチレン(HDPE)であるエチレン系ポリマー、(vi)ポリ(エチレン-コ-アルファ-オレフィン)コポリマーであるエチレン系ポリマー、(vii)ポリプロピレンであるエチレン系ポリマー、(viii)エチレン/プロピレンコポリマーであるエチレン系ポリマー、(ix)少なくとも0.925g/cm
3の密度、かつポリエチレンであり、190℃/2.16kg負荷で0.1~20g/10分のメルトフローインデックス(I
2)を有する、(x)0.89~0.96g/cm
3の密度、かつポリプロピレンであり、230℃/2.16kg負荷で0.5~50g/10分のメルトフローレート(MFR)を有する、(xi)単峰性である分子量分布(MWD)、(xii)二峰性であるMWD、(xiii)(ii)および(ix)の組み合わせ、(xiv)(ii)、(ix)、および(xi)の組み合わせ、ならびに(xv)(ii)、(ix)、および(xii)の組み合わせのいずれか1つを特徴とする、請求項1に記載の硬化性ポリオレフィン添加剤配合物。
【請求項3】
前記(B)カーボンブラックが、制限(i)~(iii):(i)ASTM D3849-14aに従って測定した、15~40ナノメートル(nm)の粒径、(ii)、フタル酸ジブチル(DBP)を用いた手順A、ASTM D2414-17に従って測定した、100グラムあたり50~250ミリリットル(ml/100g)の油吸収数(OAN)、ならびに(iii)(i)および(ii)の両方のいずれか1つを特徴とする、
請求項1または2に記載の硬化性ポリオレフィン添加剤配合物。
【請求項4】
前記(C)トリアジニル官能性ヒンダードピペリジンが、(i)1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリアミン、N,N’-[1,2-エタンジイルビス[[[4,6-ビス[ブチル(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)アミノ]-1,3,5-トリアジン-2-イル]イミノ]-3,1プロパンジイル]]-ビス[N,N’-ジブチル-N,N’-ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)-、および4-ヒドロキシ-2,2,6,6,-テトラメチル-1-ピペリジンエタノールを有するコハク酸ジメチルポリマーの混合物、(ii)(ポリ[[6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル][[2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]]ヘキサメチレン(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]])、(iii)(1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリアミン-N,N’-[1,2-エタンジイルビス[[[4.6-ビス[ブチル(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ペペリジニル)アミノ]-1,3,5-トリアジン-2-イル]イミノ]-3,1-プロパンジイル]]-ビス[N,N’-ジブチル-N,N’-ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)、ならびに(iv)1,6-ヘキサンジアミン、N-ブチル-1-ブタンアミンを有する2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジンを有するN,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル)-ポリマー、およびN-ブチル-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジンアミンの反応生成物から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の硬化性ポリオレフィン添加剤配合物。
【請求項5】
前記(D)SCHBPが、制限(i)~(ix):(i)下付き文字xが、2または3である、(ii)少なくとも1つのR
1が、1,1-ジメチルエチルであり、かつ前記第1の一価ヒンダードフェノール基の前記ヒドロキシルに対してオルトである、(iii)下付き文字yが、2または3である、(iv)少なくとも1つのR
2が、1,1-ジメチルエチルであり、かつ前記第2の一価ヒンダードフェノール基の前記ヒドロキシルに対してオルトである、(v)少なくとも1つのR
1が、1,1-ジメチルエチルであり、かつ前記第1の一価ヒンダードフェノール基の前記ヒドロキシルに対してオルトであり、少なくとも1つのR
1が、メチルである、(vi)少なくとも1つのR
2が、1,1-ジメチルエチルであり、かつ前記第2の一価ヒンダードフェノール基の前記ヒドロキシルに対してオルトであり、少なくとも1つのR
2が、メチルである、(vii)下付き文字xが、2であり、1つのR
1が、1,1-ジメチルエチルであり、かつ前記第1の一価ヒンダードフェノール基の前記ヒドロキシルに対してオルトであり、1つのR
1が、メチルである、(viii)下付き文字yが、2であり、1つのR
2が、1,1-ジメチルエチルであり、かつ前記第2の一価ヒンダードフェノール基の前記ヒドロキシルに対してオルトであり、1つのR
2が、メチルである、および(ix)前記SCHBPが、4,4’-チオビス(2-(1,1-ジメチルエチル)-5-メチルフェノール)であるのいずれか1つを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の硬化性ポリオレフィン添加剤配合物。
【請求項6】
0.1~5重量%の(E)有機過酸化物、(F)式(I)とは異なる構造を有する抗酸化剤、(G)加工助剤、(H)着色剤、(I)金属不活性化剤、(J)オレフィン官能性加水分解性シラン、(K)腐食防止剤、(L)難燃剤、および(M)充填剤から選択される少なくとも1つの添加剤をさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の硬化性ポリオレフィン添加剤配合物。
【請求項7】
0.1~5重量%の(E)有機過酸化物および/または(J)オレフィン官能性加水分解性シランをさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の硬化性ポリオレフィン添加剤配合物。
【請求項8】
硬化性ポリオレフィン添加剤配合物を作製する方法であって、請求項1~5のいずれか一項に記載の前記構成物(A)~(D)、および任意で請求項6に記載の構成物(E)~(M)のいずれか1つ以上を混合して、混合物をもたらすことと、前記混合物を溶融するかまたは押出して、前記硬化性ポリオレフィン添加剤配合物を作製することと、を含む、方法。
【請求項9】
請求項1~7のいずれか一項に記載の硬化性ポリエチレン添加剤配合物の硬化の反応生成物を含む、架橋硬化性ポリオレフィン添加剤生成物。
【請求項10】
請求項9に記載の架橋ポリオレフィン添加剤生成物の成形体を含む、製品。
【請求項11】
導電性コアおよび前記導電性コアを少なくとも部分的に取り囲むポリマー層を備える被覆導体であって、前記ポリマー層の少なくとも一部分が、
請求項1~7のいずれか一項に記載の硬化性ポリオレフィン添加剤配合物、または
請求項9に記載の架橋硬化性ポリオレフィン添加剤生成物を含む、被覆導体。
【請求項12】
電気を伝導する方法であって、
請求項11に記載の被覆導体の前記導電性コア全体に電圧を印加して、前記導電性コアを通る電気の流れを発生させることを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ポリオレフィン添加剤配合物、生成物、物品、および関連する方法。
【0002】
この分野の特許には、CN103509239B、US5,380,591、US5,766,761、US6,468,583B1、およびUS6,656,986B2が含まれる。
【背景技術】
【0003】
絶縁導電体は、典型的には、絶縁層で覆われた導電性コアを備える。導電性コアは、中実または撚り合わされたもの(例えば、ワイヤの束)であってもよい。いくつかの絶縁導電体はまた、半導電性層(複数可)および/または保護ジャケット(例えば、巻線、テープ、もしくはシース)などの1つ以上の追加の要素を含有し得る。例は、低電圧(「LV」、0キロボルト(kV)超5kV未満)、中電圧(「MV」、5~69kV未満)、高電圧(「HV」、69~230kV)、および超高電圧(「EHV」、230kV超)の送電/配電用途に使用するものを含む、被覆金属ワイヤおよび電力ケーブルである。電力ケーブルの評価には、AEIC/ICEA規格および/またはIEC試験方法が使用され得る。動作使用中の現場では、電力ケーブルは、(例えば、日光からの)紫外線および(例えば、ケーブル内で発生する)最大90℃以上の熱の有害な影響に曝される。
【発明の概要】
【0004】
我々は、電力ケーブル内の絶縁層として使用するための新たな材料に対する必要性を発見した。この材料は、熱および紫外(UV)線の組み合わせに供されたときに向上した安定性を呈し、十分な誘電特性を有する。
【0005】
この問題に対する我々の技術的解決策は、十分な誘電特性を維持しながら、熱によって引き起こされる劣化およびUV光によって引き起こされる劣化を防止する。解決策には、ポリオレフィンポリマーと、カーボンブラックと、トリアジニル官能性ヒンダードピペリジンであるヒンダードアミン光安定剤と、硫黄含有ヒンダードビスフェノールである抗酸化剤と、を含む、硬化性ポリオレフィン添加剤配合物が含まれる。
【0006】
硬化性ポリオレフィン添加剤配合物を硬化させることによって作製された、架橋ポリオレフィン添加剤生成物もまた含まれる。
【0007】
それを作製および使用する方法、ならびにそれを含有するかまたはそれから作製された物品もまた含まれる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
概要および要約は、参照により本明細書に援用される。実施形態の例は、以下の番号付きの態様を含む。
【0009】
態様1.硬化性ポリオレフィン添加剤配合物であって、構成物(A)~(D):70~99.7重量パーセント(重量%)の(A)メルトインデックス試験法(後述)に従って、190℃および2.16キログラムの負荷でASTM D1238-04に従って測定して、10分あたり0.1~50グラム(g/10分)のメルトインデックス(「I2」)を有するポリオレフィンポリマーと、0.1~5重量%の(B)カーボンブラックと、0.2~5重量%、あるいは0.25~3.4重量%の(C)トリアジニル官能性ヒンダードピペリジンと、0.1~1.00重量%、あるいは0.1~0.90重量%、あるいは0.2~0.90重量%の(D)式(I):HO(R1)xPh-S-Ph(R2)yOH(I)の硫黄含有ヒンダードビスフェノール(SCHBP)(式中、下付き文字xが、1~3の整数であり、HO(R1)xPhが、第1の一価ヒンダードフェノール基であり、各R1が独立して、(C1-C7)アルキルであり、少なくとも1つのR1が独立して(C3-C6)アルキルであり、かつ第1の一価ヒンダードフェノール基のヒドロキシル(HO-)に対してオルトであり、下付き文字yが、1~3の整数であり、Ph(R2)yOHが、第2の一価ヒンダードフェノール基であり、各R2が独立して、(C1-C7)アルキルであり、少なくとも1つのR2が独立して、(C3-C6)アルキルであり、かつ第2の一価ヒンダードフェノール基のヒドロキシル(-OH)に対してオルトである)と、を含む、硬化性ポリオレフィン添加剤配合物。硬化性ポリオレフィン添加剤配合物の構成物のすべての重量%は、硬化性ポリオレフィン添加剤配合物の総重量に基づく。「ポリオレフィン添加剤配合物」および「ポリオレフィン-添加剤配合物」は、同じものを意味し、成分およびそれらの量の一覧に従って調製された材料または混合物である。例えば、態様1では、成分の一覧は、(A)ポリオレフィンポリマーおよび添加剤(B)~(D)を含み、それらの量は、それらのそれぞれの重量%である。ポリオレフィン添加剤配合物は、硬化性(例えば、態様1~6)または架橋されたもの(例えば、態様8)であり得る。「硬化性」は、形成すること、または架橋されることが可能であることを意味する。「架橋された」は、高分子とさらなる架橋が可能ないくつかの高分子との間にいくつかの架橋を有する、部分的に網目化された材料、または高分子間にさらなる架橋が形成され得ない完全に網目化された材料(定常状態の熱硬化性材料)であり得る。
【0010】
態様2.(A)ポリオレフィンポリマーが、制限(i)~(xv):(i)エチレン系ポリマー、(ii)低密度ポリエチレン(LDPE)であるエチレン系ポリマー、(iii)線状低密度ポリエチレン(LLDPE)であるエチレン系ポリマー、(iv)中密度ポリエチレン(MDPE)であるエチレン系ポリマー、(v)高密度ポリエチレン(HDPE)であるエチレン系ポリマー、(vi)ポリ(エチレン-コ-アルファ-オレフィン)コポリマーであるエチレン系ポリマー、(vii)ポリプロピレンであるエチレン系ポリマー、(viii)エチレン/プロピレンコポリマーであるエチレン系ポリマー、(ix)少なくとも0.925g/cm3の密度、かつポリエチレンであり、190℃/2.16kg負荷で0.1~20g/10分のメルトフローインデックス(I2)を有する、(x)0.89~0.96g/cm3の密度、かつポリプロピレンであり、230℃/2.16kg負荷で0.5~50g/10分のメルトフローレート(MFR)を有する、(xi)単峰性である分子量分布(MWD)、(xii)二峰性であるMWD、(xiii)(ii)および(ix)の組み合わせ、(xiv)(ii)、(ix)、および(xi)の組み合わせ、ならびに(xv)(ii)、(ix)、および(xii)の組み合わせのいずれか1つを特徴とする、態様1に記載の硬化性ポリオレフィン添加剤配合物。あるいは、(A)は、制限(xvi)(A)ポリオレフィンポリマーは、制限(i)~(xv)のいずれか14個から選択されるいずれか1つの制限を特徴とする、を特徴としてもよい。
【0011】
態様3.(B)カーボンブラックが、制限(i)~(iii):(i)ASTM D3849-14aに従って測定して、15~40ナノメートル(nm)、あるいは15~30nm、あるいは16~24nmの粒径、(ii)ASTM D2414-17、手順Aに従って、フタル酸ジブチル(DBP)を用いて測定して、100グラムあたり50~250ミリリットル(ml/100g)の油吸収数(OAN)、ならびに(iii)(i)および(ii)の両方のいずれか1つを特徴とする、態様1~3のいずれか一項に記載の硬化性ポリオレフィン添加剤配合物。
【0012】
態様4.(C)トリアジニル官能性ヒンダードピペリジンが、(i)1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリアミン、N,N’-[1,2-エタンジイルビス[[[4,6-ビス[ブチル(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)アミノ]-1,3,5-トリアジン-2-イル]イミノ]-3,1プロパンジイル]]-ビス[N,N’-ジブチル-N,N’-ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)-、および4-ヒドロキシ-2,2,6,6,-テトラメチル-1-ピペリジンエタノールを有するコハク酸ジメチルポリマーの混合物(例えば、Tinuvin111)、(ii)(ポリ[[6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル][[2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]]ヘキサメチレン(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]])(Chimassorb944)、(iii)(1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリアミン-N,N’-[1,2-エタンジイルビス[[[4.6-ビス[ブチル(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ペペリジニル)アミノ]-1,3,5-トリアジン-2-イル]イミノ]-3,1-プロパンジイル]]-ビス[N,N’-ジブチル-N,N’-ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)(Chimassorb119)、ならびに(iv)1,6-ヘキサンジアミン、N-ブチル-1-ブタンアミンを有する2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジンを有するN,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル)-ポリマー、およびN-ブチル-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジンアミン(Chimassorb2020、CAS192268-64-7)の反応生成物から選択される、態様1~3のいずれか一項に記載の硬化性ポリオレフィン添加剤配合物。あるいは、(C)は、(v)(i)~(iv)のいずれか2つの組み合わせ、および(vi)(i)~(iv)のいずれか3つから選択されるいずれか1つの制限の組み合わせから選択され得る。
【0013】
態様5.(D)SCHBPが、制限(i)~(ix):(i)下付き文字xが、2または3である、(ii)少なくとも1つのR1が、1,1-ジメチルエチルであり、かつ第1の一価ヒンダードフェノール基のヒドロキシルに対してオルトである、(iii)下付き文字yが、2または3である、(iv)少なくとも1つのR2が、1,1-ジメチルエチルであり、かつ第2の一価ヒンダードフェノール基のヒドロキシルに対してオルトである、(v)少なくとも1つのR1が、1,1-ジメチルエチルであり、かつ第1の一価ヒンダードフェノール基のヒドロキシルに対してオルトであり、少なくとも1つのR1が、メチルである、(vi)少なくとも1つのR2が、1,1-ジメチルエチルであり、かつ第2の一価ヒンダードフェノール基のヒドロキシルに対してオルトであり、少なくとも1つのR2が、メチルである、(vii)下付き文字xが、2であり、1つのR1が、1,1-ジメチルエチルであり、かつ第1の一価ヒンダードフェノール基のヒドロキシルに対してオルトであり、1つのR1が、メチルである、(viii)下付き文字yが、2であり、1つのR2が、1,1-ジメチルエチルであり、かつ第2の一価ヒンダードフェノール基のヒドロキシルに対してオルトであり、1つのR2が、メチルである、および(ix)SCHBPが、4,4’-チオビス(2-(1,1-ジメチルエチル)-5-メチルフェノール)であるのいずれか1つを特徴とする、態様1~4のいずれか一項に記載の硬化性ポリオレフィン添加剤配合物。
【0014】
態様6.0.1~5重量%の(E)有機過酸化物、(F)式(I)とは異なる構造を有する抗酸化剤、(G)加工助剤、(H)着色剤、(I)金属不活性化剤、(J)オレフィン官能性加水分解性シラン、(K)腐食防止剤、(L)難燃剤、および(M)充填剤から選択される少なくとも1つの添加剤をさらに含む、態様1~5のいずれか一項に記載の硬化性ポリオレフィン添加剤配合物。いくつかの請求項では、態様1~5のいずれか一項に記載の硬化性ポリオレフィン添加剤配合物は、0.1~5重量%の態様(E)有機過酸化物および/または(J)オレフィン官能性加水分解性シランをさらに含む。
【0015】
態様7.硬化性ポリオレフィン添加剤配合物を作製する方法であって、態様1~5のいずれか一項に記載の構成物(A)~(D)、および任意で態様6に記載の構成物(E)~(M)のいずれか1つ以上を混合して、混合物をもたらすことと、混合物を溶融するかまたは押出して、化性ポリオレフィン添加剤配合物を作製することと、を含む、方法。いくつかの態様では、この方法は、構成物(A)~(E)および任意で(J)を混合することをさらに含む。
【0016】
態様8.態様1~6のいずれか一項に記載の硬化性ポリオレフィン添加剤配合物の硬化の反応生成物を含む、架橋硬化性ポリオレフィン添加剤生成物。架橋ポリオレフィン添加剤生成物の構成物のすべての重量%は、架橋ポリオレフィン添加剤生成物の総重量に基づく。
【0017】
態様9.態様8に記載の架橋ポリオレフィン添加剤生成物の成形体を含む、製品。
【0018】
態様10.導電性コアおよび導電性コアを少なくとも部分的に取り囲むポリマー層を備える被覆導体であって、ポリマー層の少なくとも一部分が、態様1~6のいずれか1項に記載の硬化性ポリオレフィン添加剤配合物、または態様8に記載の架橋硬化性ポリオレフィン添加剤生成物を含む、被覆導体。
【0019】
態様11.電気を伝導する方法であって、態様10に記載の被覆導体の導電性コア全体に電圧を印加して、導電性コアを通る電気の流れを発生させることを含む、方法。
【0020】
いくつかの態様では、ポリオレフィン添加剤配合物は、制限(i)~(xii):(i)150℃で168時間熱老化させた後、9.0~50メガパスカル(MPa)の引張強度、(ii)150℃で168時間の熱老化させた後、300パーセント(%)以上、あるいは400%超の破断時伸び、(iii)1,000時間QUV老化させた後、18MPa以上の引張強度、(iv)1000時間QUV老化させた後、300%~1,000%、あるいは500%~1,000%の破断時伸び、(v)0.20~5ニュートンメーター(N-M)、あるいは0.30~5N-Mの、20分後、182℃での可動ダイレオメーター(MDR)最大測定トルク(MH)、(vi)23℃および1メガヘルツ(MHz)で2.40以下の誘電率、(vii)0.0010以下、あるいは0.0009以下、あるいは0.00010~0.00050の散逸率、(viii)(iii)または(iv)および(vi)または(vii)の組み合わせ、(ix)(iii)、(iv)、(vi)、および(vii)の組み合わせ、(x)(ii)または(iii)ならびに(vi)および(vii)の少なくとも1つの組み合わせ、(xi)(i)~(vii)のいずれかの6つの組み合わせ、ならびに(xii)(i)~(vii)の各々の組み合わせのいずれか1つを特徴とする。
【0021】
カーボンブラック凝集体:カーボンブラックの分散可能な最小単位である、別々の剛性コロイド実体。カーボンブラック凝集体は、広範に癒合した粒子で構成される。
【0022】
カーボンブラック凝集体サイズ:ASTM D3849-14aに従う複数の測定から計算した平均値である、分布特性。
【0023】
カーボンブラック粒子:カーボンブラック凝集体の小さな楕円体、準結晶で、別々ではない構成要素。カーボンブラック粒子は、破砕することによってカーボンブラック凝集体から分離することができる。
【0024】
カーボンブラック粒径:ASTM D3849-14aに従う複数の測定から計算した平均値である、分布特性。
【0025】
「架橋ポリオレフィン添加剤生成物」は、架橋ポリオレフィン構成物と、過酸化物以外の少なくとも1つの添加剤構成物と、を含む、材料を意味する。過酸化物以外の少なくとも1つの添加剤構成物には、(B)カーボンブラック、(C)トリアジニル官能性ヒンダードピペリジン、および(D)硫黄含有ヒンダードビスフェノール(SCHBP)、ならびに任意で構成物(F)~(M)などの任意の添加剤のいずれか1つ以上が含まれる。架橋ポリオレフィン添加剤生成物は、過酸化物硬化または照射硬化され得る。過酸化物硬化架橋ポリオレフィン添加剤生成物は、(E)有機過酸化物を含まなくてもよい。
【0026】
「硬化性ポリオレフィン添加剤配合物」は、硬化性ポリオレフィン構成物と、少なくとも1つの添加剤構成物と、を含む、材料を意味する。架橋性ポリオレフィン構成物とも称される硬化性ポリオレフィン構成物は、照射誘導または過酸化物/熱誘導架橋によって硬化することができ、したがって硬化性ポリオレフィン添加剤配合物は、(E)有機過酸化物を含まなくてもよく、あるいは(E)をさらに含んでもよい。少なくとも1つの添加剤構成物には、(B)カーボンブラック、(C)トリアジニル官能性ヒンダードピペリジン、および(D)硫黄含有ヒンダードビスフェノール(SCHBP)、ならびに任意で構成物(E)~(M)などの任意の添加剤のいずれか1つ以上が含まれる。
【0027】
「硬化すること」および「架橋すること」は、本明細書では互換的に使用されて、架橋生成物(網目構造ポリマー)を形成することを意味する。
【0028】
「(メタ)アクリレート」としては、アクリレート、メタクリレート、およびそれらの組み合わせが挙げられる。(メタ)アクリレートは、非置換であってもよい。
【0029】
「ポリマー」は、ホモポリマーまたはコポリマーを意味する。ホモポリマーは、1つのモノマーのみから誘導されたモノマー単位で構成される高分子であり、コモノマーはない。コポリマーは、モノマー単位およびコモノマー単位を有する高分子であり、モノマー単位は、第1のモノマーを重合することによって作製され、コモノマー単位は、コモノマーと称される、1つ以上の異なる第2のモノマーまたはそれ以上のモノマーを重合することによって作製される。ポリマーはまた、そのような高分子の集合も含む。モノマーおよびコモノマーは、重合性分子である。モノマー単位(monomer unit)または「マー」とも呼ばれるモノマー単位(monomeric unit)は、単一のモノマー分子によって高分子(複数可)の構造に寄与される(それから誘導される)最大の構成単位である。コモノマー単位(comonomer unit)または「コマー」とも呼ばれるコモノマー単位(comonomeric unit)は、単一のコモノマー分子によって高分子(複数可)の構造に寄与される(それから誘導される)最大の構成単位である。各単位は、典型的には二価である。「バイポリマー」は、モノマーおよび1つのコモノマーから作製されるコポリマーである。「ターポリマー」は、モノマーおよび2つの異なるコモノマーから作製されるコポリマーである。エチレン系コポリマーは、モノマー単位がモノマーエチレン(CH2=CH2)に由来し、1分子あたり平均して、高分子の少なくとも50重量パーセントを占め、コモノマー単位が本明細書に記載の1つ以上のコモノマーに由来し、1分子当たり平均して、高分子の0超~最大50重量パーセントを占めるようなコポリマーである。
【0030】
硬化性ポリエチレン添加剤配合物。硬化性ポリエチレン添加剤配合物は、すべて硬化性ポリエチレン添加剤配合物の総重量に基づいて、少なくとも55重量%、あるいは少なくとも70重量%、あるいは少なくとも80重量%、あるいは少なくとも90重量%の(A)ポリオレフィンポリマーを含有し得る。硬化性ポリエチレン添加剤配合物は、(i)分散剤、(ii)ポリプロピレンポリマー、(iii)(i)および(ii)の両方を含まなくてもよい。
【0031】
硬化性ポリエチレン添加剤配合物は、いくつかの異なる方法によって作製することができる。いくつかの態様では、硬化性ポリエチレン添加剤配合物は、(A)ポリオレフィンポリマーと(B)カーボンブラックとの溶融物と、(C)トリアジニル官能性ヒンダードピペリジンと、(D)式(I)の硫黄含有ヒンダードビスフェノール(SCHBP)と、いずれかの任意の構成物(例えば、なし、1つ、またはそれ以上の構成物(E)~(M))とを混合して、硬化性ポリエチレン添加剤配合物を、構成物(A)、(B)、(C)、(D)、およびなし、1つ、またはそれ以上の(E)~(M)の混合物としてもたらすことによって作製することができる。混合には、調合、混練、または押出が含まれ得る。混合を促進するために、1つ以上の構成物(例えば、(B)、(C)、(D)、(E)など)は、(A)の一部分中の添加剤マスターバッチの形態で、または(A)以外の非極性キャリア樹脂中の分散液として提供されてもよい。非極性キャリア樹脂は、ポリプロピレンポリマーであり得る。
【0032】
添加剤(E)~(M)などの1つ以上の任意の構成物を含有する硬化性ポリエチレン添加剤配合物を作製することができる別の方法は、ペレット形態などの(A)、(B)、(C)、および(D)からなる溶融していない形態の硬化性ポリエチレン添加剤配合物を作製し、この溶融していない形態を任意の構成物(複数可)と接触させることによる。接触には、浸漬、吸収、または注入が含まれ得る。接触は、約20℃~100℃の温度で0.1~100時間、例えば、60℃~80℃で0.1~24時間実行してもよい。
【0033】
硬化性ポリエチレン添加剤配合物は、一液型配合物、あるいは二液型配合物あるいは三液型配合物などの多液型配合物として調製することができる。一液型配合物は、硬化性ポリエチレン添加剤配合物の実施形態のすべての構成物を含有する。多液型配合物は、異なる部分に硬化性ポリエチレン添加剤配合物の実施形態の構成物の異なるものまたは量を有する複数の部分を含有する。所望により、多液型配合物の異なる部分を組み合わせて、一液型配合物をもたらしてもよい。構成物の任意の組み合わせをこれらの配合物の部分(複数可)に含めることができない固有の理由はない。
【0034】
硬化性ポリエチレン添加剤配合物は、分割固体形態であっても、連続形態であってもよい。分割固体形態は、顆粒、ペレット、粉末、またはそれらの任意の2つ以上の組み合わせを含んでもよい。連続形態は、成形部品(例えば、ブロー成形部品)、または押出部品(例えば、導電体デバイスの絶縁層)であり得る。硬化性ポリエチレン添加剤配合物は、照射硬化または有機過酸化物/熱硬化によって架橋可能であり得る。所望により、架橋性ポリオレフィン添加剤配合物を貯蔵温度(例えば、23℃)に冷却し、1時間、1週間、1ヶ月、またはそれ以上の期間にわたって貯蔵してもよい。
【0035】
架橋ポリオレフィン添加剤生成物。架橋ポリオレフィン添加剤生成物は、すべて架橋ポリオレフィン添加剤生成物の総重量に基づいて、少なくとも55重量%、あるいは少なくとも70重量%、あるいは少なくとも80重量%、あるいは少なくとも90重量%の(A)ポリオレフィンポリマーを含有し得る。架橋ポリオレフィン添加剤生成物は、(i)分散剤、(ii)ポリプロピレンポリマー、(iii)(i)および(ii)の両方を含まなくてもよい。
【0036】
架橋ポリオレフィン添加剤生成物は、分割固体形態であっても、連続形態であってもよい。分割固体形態は、顆粒、ペレット、粉末、またはそれらの任意の2つ以上の組み合わせを含んでもよい。連続形態は、成形部品(例えば、ブロー成形部品)、または押出部品(例えば、導電体デバイスの絶縁層)であり得る。所望により、架橋ポリオレフィン添加剤生成物は、周囲温度(例えば、23℃)で、1時間、1週間、1ヶ月、またはそれ以上の期間にわたって貯蔵してもよい。
【0037】
構成物(A)ポリオレフィンポリマー。(A)ポリオレフィンポリマーは、単一構成要素のポリオレフィンポリマー(単峰性分子量分布を有する)であっても、2つ以上のそのようなポリオレフィンポリマーのブレンドであってもよい。各ポリオレフィンポリマーは、架橋性または架橋(硬化)された単相または多相(例えば、非晶相および結晶相)材料であり得る。コポリマーは、バイポリマー、ターポリマーなどを含む。
【0038】
(A)ポリオレフィンポリマーは、99~100重量%のエチレンモノマー単位を含有するポリエチレンホモポリマーであり得る。ポリエチレンホモポリマーは、配位重合によって作製された高密度ポリエチレン(HDPE)ホモポリマーであっても、ラジカル重合によって作製された低密度ポリエチレン(LDPE)ホモポリマーであってもよい。
【0039】
あるいは、(A)ポリオレフィンポリマーは、50重量%~100重量%未満のエチレンモノマー単位と、50~0重量%の(C3-C20)アルファ-オレフィン由来コモノマー単位と、を含有する、エチレン/アルファ-オレフィンコポリマーであってもよい。(A)ポリオレフィンポリマーのエチレン/アルファ-オレフィンコポリマー実施形態は、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、または高密度ポリエチレン(HDPE)であってもよい。あるいは、ポリエチレンポリマーは、低密度ポリエチレン(LDPE)であってもよい。インターポリマーの全重量に基づいて、少なくとも1重量%、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、または少なくとも25重量%のα-オレフィン含量を有する、エチレン/アルファ-オレフィン(α-オレフィン)インターポリマー。これらのインターポリマーは、インターポリマーの全重量に基づいて、50重量%未満、45重量%未満、40重量%未満、または35重量%未満のアルファ-オレフィン含量を有してもよい。例示的なエチレン/α-オレフィンインターポリマーは、エチレン/プロピレン、エチレン/1-ブテン、エチレン/1-ヘキセン、エチレン/1-オクテン、20~1重量%のジエンコモノマー単位を含有するエチレン/ジエン、エチレン/プロピレン/1-オクテン、エチレン/プロピレン/1-ブテン、エチレン/1-ブテン/1-オクテン、50~100重量%のエチレンモノマー単位、49重量%~0重量%超のプロピレンコモノマー単位、および20~1重量%のジエンコモノマー単位を含有するエチレン/プロピレン/ジエン(EPDM)である。エチレン/ジエンコポリマー中またはEPDM中のジエンコモノマー単位を独立して作製するために使用されるジエンは独立して、1,3-ブタジエン、1,5-ヘキサジエン、1,7-オクタジエン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、ビニルノルボルネン、またはそれらのいずれか2つ以上の組み合わせであってもよい。
【0040】
(A)ポリオレフィンポリマーのエチレン/アルファ-オレフィンコポリマーの態様の(C3-C20)アルファ-オレフィンは、式(I)の化合物:H2C=C(H)-R (I)(式中、Rは、直鎖(C1-C18)アルキル基である)であってもよい。(C1-C18)アルキル基は、1~18個の炭素原子を有する一価非置換オレフィンである。Rの例は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、およびオクタデシルである。いくつかの実施形態では、(C3-C20)アルファ-オレフィンは、1-プロペン、1-ブテン、1-ヘキセン、または1-オクテン、あるいは1-ブテン、1-ヘキセン、または1-オクテン、あるいは1-ブテンまたは1-ヘキセン、あるいは1-ブテンまたは1-オクテン、あるいは1-ヘキセンまたは1-オクテン、あるいは1-ブテン、あるいは1-ヘキセン、あるいは1-オクテン、あるいは1-ブテン、1-ヘキセン、および1-オクテンのいずれか2つの組み合わせである。あるいは、アルファ-オレフィンは、3-シクロヘキシル-1-プロペン(アリルシクロヘキサン)およびビニルシクロヘキサンなどのα-オレフィンをもたらす、シクロヘキサンまたはシクロペンタンなどの環式構造を有し得る。(C3-C20)アルファ-オレフィンは、エチレンモノマーとのコモノマーとして使用され得る。
【0041】
あるいは、(A)ポリオレフィンポリマーは、エチレン/オレフィン官能性シランコポリマーであってもよい。エチレン/オレフィン官能性シランコポリマーを作製するために使用されるオレフィン官能性シランコポリマーは、ChaudharyによるWO2016/200600(A1)(2016年5月24日に出願されたPCT/US16/033879)の項[0019]、またはMeverdenらによるUS5,266,627の加水分解性シランコモノマーであり得る。オレフィン官能性加水分解性シランは、(A)のコポリマー実施形態にグラフト化(ポスト反応器)され得る。あるいは、オレフィン官能性加水分解性シランをエチレンおよびコモノマーと共重合させて、加水分解性シリル基を含有するコポリマー実施形態を直接作製してもよい。いくつかの態様では、オレフィン官能性加水分解性シランは、ビニルトリメトキシシラン(VTMS)、ビニルトリエトキシシラン(VTES)、ビニルトリアセトキシシラン、またはγ-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシランであり、加水分解性シリル基は、2-トリメトキシシリルエチル、2-トリエトキシシリルエチル、2-トリアセトキシエチル、または3-トリメトキシシリルプロピルオキシカルボニルエチルもしくは3-トリメトキシシリルプロピルオキシカルボニルプロピルである。
【0042】
(A)ポリオレフィンポリマーは、2つ以上の異なる(A)ポリオレフィンポリマーのブレンド、または2つ以上の異なる触媒との重合反応の反応器生成物であってもよい。(A)ポリオレフィンポリマーは、2つ以上の反応器内で作製されてもよい(The Dow Chemical CompanyのELITE(商標)ポリマーなど)。
【0043】
(A)ポリオレフィンポリマーは、その多くが既知である任意の好適なプロセスによって作製することができる。(A)を調製するために、ポリエチレンポリマーを生成するための任意の従来のまたは今後発見されるプロセスが使用され得る。典型的には、生成プロセスは、1つ以上の重合反応を含む。例えば、LDPEは、高圧重合プロセスを使用して調製され得る。あるいは、LDPEは、チーグラ-ナッタ、酸化クロム、メタロセン、ポストメタロセン触媒などの1つ以上の重合触媒を使用して行われる配位重合プロセスを使用して調製してもよい。好適な温度は、0℃~250℃、または30℃、または200℃である。好適な圧力は、大気圧(101kPa)~10,000気圧(約1,013メガパスカル(「MPa」))である。ほとんどの重合反応では、用いられる触媒対重合性オレフィン(モノマー/コモノマー)のモル比は、10-12:1~10-1:1、または10-9:1~10-5:1である。
【0044】
あるいは、(A)ポリオレフィンポリマーは、エチレンモノマー単位および不飽和カルボン酸エステル(または酸)コモノマー単位を含むエチレン/不飽和カルボン酸エステルコポリマーなどの、極性エチレン系ポリマーなどの極性有機ポリマーであり得る。極性エチレン系コポリマー中の不飽和カルボン酸エステルコモノマー単位の割合は、その重量に基づいて、5~40重量%、あるいは20~35重量%、あるいは25~31重量%であり得る。エチレン単位は、その重量の95~60重量%、あるいは80~65重量%、あるいは75~69重量%であり得る。各不飽和カルボン酸エステルコモノマーは独立して、水素原子および1分子あたり3~20個の炭素原子を有し得る、すなわち(C3-C20)不飽和カルボン酸エステルコモノマーであり得る。
【0045】
(A)の不飽和カルボン酸エステルコモノマー実施形態は、(C2-C8)カルボン酸ビニルであってもよく、エチレン/不飽和カルボン酸エステルコポリマーは、エチレン-(C2-C8)カルボン酸ビニルコポリマーである。いくつかの態様では、(C2-C8)カルボン酸ビニルは、2~8個の炭素原子、あるいは2~4個の炭素原子を有するカルボン酸陰イオンのビニルエステルである。カルボン酸ビニルエステルの例は、US7,767,910(B2)、第2欄、34~50行に記載されている。(C2-C8)カルボン酸ビニルは、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、またはブタン酸ビニルなどの(C2-C4)カルボン酸ビニルであってもよく、エチレン/不飽和カルボン酸エステルコポリマーは、エチレン-(C2-C4)カルボン酸ビニルバイポリマー、あるいはエチレン-酢酸ビニル(EVA)バイポリマー、あるいはエチレン-プロピオン酸ビニルバイポリマー、あるいはエチレン-ブタン酸ビニルバイポリマーであってもよい。EVAバイポリマーは、本質的にエチレン由来モノマー単位および酢酸ビニル由来コモノマー単位からなる。EVAバイポリマーの酢酸ビニルコモノマー単位含量は、EVAバイポリマーの重量に基づいて、5~40重量%、あるいは20~35重量%、あるいは25~31重量%であり得る。重量%値は、EVA1分子あたりの平均である。あるいはまたは加えて、EVAバイポリマーは、ASTM D1238-04に従って測定して、2~60g/10分、あるいは5~40g/10分のメルトインデックス(190℃、2.16kg)を有し得る。
【0046】
あるいは、(A)の不飽和カルボン酸エステルコモノマー実施形態は、メチルアクリレートおよびメチルメタクリレートなどの、(C1-C8)アルキル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレートであってもよい。(C1-C8)アルキル(メタ)アクリレートは、エチレン-(C1-C8)アルキル(メタ)アクリレートコポリマー(EAA)などの省略されたエチレン/不飽和カルボン酸エステルコポリマー中に見出すことができる。いくつかの態様では、(C1-C8)アルキルは、(C1-C4)アルキル、(C5-C8)アルキル、または(C2-C4)アルキルであり得る。EAAは、本質的に、エチレン由来モノマー単位、ならびにエチルアクリレートおよび/またはエチルメタクリレートコモノマー単位などの1つ以上の異なる種類の(C1-C8)アルキル(メタ)アクリレート由来コモノマー単位からなる。(C1-C8)アルキルは、メチル、エチル、1,1-ジメチルエチル、ブチル、または2-エチルヘキシルであり得る。(メタ)アクリレートは、アクリレート、メタクリレート、またはそれらの組み合わせであり得る。(C1-C8)アルキル(メタ)アクリレートは、エチルアクリレートであってもよく、EAAは、エチレン-エチルアクリレートコポリマー(EEA)であってもよく、または(C1-C8)アルキル(メタ)アクリレートは、エチルメタクリレートであってもよく、EAAは、エチレン-エチルメタクリレートコポリマー(EEMA)であってもよい。EEAまたはEEMAのエチルアクリレートまたはエチルメタクリレートコモノマー単位含量はそれぞれ独立して、EEAまたはEEMAバイポリマーの重量に基づいて、5~40重量%、あるいは20~35重量%、あるいは25~31重量%であり得る。
【0047】
(A)ポリオレフィンポリマーの量は、架橋性ポリオレフィン添加剤配合物の総重量の70~98.9重量%、あるいは80~95重量%、あるいは80~98重量%であり得る。
【0048】
構成物(B):カーボンブラック。(B)カーボンブラックは、電力ケーブルの絶縁層または半導電性層での使用に公的な任意のカーボンブラックであり得る。いくつかの態様では、(B)カーボンブラックは、Printex XE2カーボンブラック(DeGussa)、Black Pearls1000カーボンブラック(Cabot Corp.)、Vulcan XC 72カーボンブラック(Cabot Corp.)、Ketjenblack EC600JDカーボンブラック(Akzo)、Vulcan Pカーボンブラック(Cabot Corp.)、United120カーボンブラック(Cabot Corp.)、Denka Blackカーボンブラック(Denka)、Vulcan XC500カーボンブラック、またはAcetylene Black AB100%-01カーボンブラック(Soltex)であり得る。(B)カーボンブラックは、硬化性ポリオレフィン添加剤配合物の0.15~4.9重量%、あるいは0.2~4重量%、あるいは0.5~3重量%であり得る。
【0049】
構成物(C)トリアジニル官能性ヒンダードピペリジン。(C)トリアジニル官能性ヒンダードピペリジンは、連結基を介して、ヒンダードピペリジニル官能基に直接または間接的に共有結合したトリアジニル官能基(すなわち、1,3,5-トリアザフェニル)からなる任意の化合物、オリゴマー、またはポリマーであり得る。ヒンダードピペリジニル官能基は、2,6-ジアルキル置換ピペリジニル基、2,2,6-トリアルキル置換ピペリジニル基、または2,2,6,6-テトラアルキル置換ピペリジニル基である。ヒンダードピペリジニル官能基の各アルキル基は独立して、(C1-C4アルキル)、例えば、メチル、エチル、プロピル、1-メチルエチル、またはブチル、あるいはメチルである。(C)の例は、(i)1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリアミン、N,N’-[1,2-エタンジイルビス[[[4,6-ビス[ブチル(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)アミノ]-1,3,5-トリアジン-2-イル]イミノ]-3,1プロパンジイル]]-ビス[N,N’-ジブチル-N,N’-ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)-、および4-ヒドロキシ-2,2,6,6,-テトラメチル-1-ピペリジンエタノールを有するコハク酸ジメチルポリマーの混合物(例えば、Tinuvin111)、(ii)(ポリ[[6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル][[2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]]ヘキサメチレン(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]])(Chimassorb944)、(iii)(1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリアミン-N,N’-[1,2-エタンジイルビス[[[4.6-ビス[ブチル(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ペペリジニル)アミノ]-1,3,5-トリアジン-2-イル]イミノ]-3,1-プロパンジイル]]-ビス[N,N’-ジブチル-N,N’-ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)(Chimassorb119)、ならびに(iv)1,6-ヘキサンジアミン、N-ブチル-1-ブタンアミンを有する2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジンを有するN,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル)-ポリマー、およびN-ブチル-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジンアミン(Chimassorb2020、CAS192268-64-7)の反応生成物である。(C)トリアジニル官能性ヒンダードピペリジンは、硬化性ポリオレフィン添加剤配合物の0.15~4.9重量%、あるいは0.2~4重量%、あるいは0.5~3重量%であり得る。
【0050】
構成物(D)硫黄含有ヒンダードビスフェノール(SCHBP)抗酸化剤。SCHBPは、先に記載の式(I)の任意の化合物、または2つ以上のそのような化合物の組み合わせであり得る。SCHBPは、1,1-ジメチルエチル基がフェノールのヒドロキシル基に対してオルトである、チオビス(1,1-ジメチルエチル置換フェノール)、あるいは1,1-ジメチルエチル基がフェノールのヒドロキシル基に対してオルトである、チオビス(1,1-ジメチルエチル置換メチル置換フェノール)であり得る。SCHBPは、4,4’-チオビス(2-(1,1-ジメチルエチル)-5-メチルフェノール)(4,4’-チオビス(2-tert-ブチル-5-メチルフェノール)としても知られており、CAS番号96-69-5を有する)、または2,2’-チオビス(6-(1,1-ジメチルエチル)-4-メチルフェノール)であり、CAS番号90-66-4を有し得る。あるいは、SCHBPは、4,4’-チオビス(2-(1,1-ジメチルエチル)-5-メチルフェノール)であり得る。(D)SCHBP抗酸化剤は、硬化性ポリオレフィン添加剤配合物の0.10~0.94重量%、あるいは0.15~0.90重量%、あるいは0.2~0.84重量%であり得る。
【0051】
任意の構成物(E):有機過酸化物。炭素原子、水素原子、および2個以上の酸素原子を含有し、かつ少なくとも1つの-O-O-基を有する分子(ただし、2つ以上の-O-O-基がある場合、各-O-O-基は、1個以上の炭素原子を介して別の-O-O-基に間接的に結合する)、またはそのような分子の集合。(E)有機過酸化物は、架橋性ポリオレフィン添加剤配合物の硬化、特に構成物(A)~(D)、および(E)を含む架橋性ポリオレフィン添加剤配合物を、(E)有機過酸化物の分解温度以上の温度まで加熱することを含む硬化が所望される場合、架橋性ポリオレフィン添加剤配合物に添加され得る。(E)有機過酸化物は、式RO-O-O-ROのモノ過酸化物(式中、各ROは独立して、(C1-C20)アルキル基または(C6-C20)アリール基である)であり得る。各(C1-C20)アルキル基は独立して、非置換であるか、または1もしくは2つの(C6-C12)アリール基で置換されている。各(C6-C20)アリール基は、非置換であるか、または1~4つの(C1-C10)アルキル基で置換されている。あるいは、(E)は、式RO-O-O-R-O-O-ROのジ過酸化物(式中、Rは、(C2-C10)アルキレン、(C3-C10)シクロアルキレン、またはフェニレンなどの二価炭化水素基であり、各ROは、上記で定義した通りである)であり得る。(E)有機過酸化物は、ビス(1,1-ジメチルエチル)過酸化物;ビス(1,1-ジメチルプロピル)ペルオキシド;2,5-ジメチル-2,5-ビス(1,1-ジメチルエチルペルオキシ)ヘキサン;2,5-ジメチル-2,5-ビス(1,1-ジメチルエチルペルオキシ)ヘキシン;4,4-ビス(1,1-ジメチルエチルペルオキシ)吉草酸;ブチルエステル;1,1-ビス(1,1-ジメチルエチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン;過酸化ベンゾイル;過安息香酸tert-ブチル;ジ-tert-アミルペルオキシド(「DTAP」);ビス(アルファ-t-ブチル-ペルオキシイソプロピル)ベンゼン(「BIPB」);イソプロピルクミルt-ブチルペルオキシド;t-ブチルクミルペルオキシド;ジ-t-ブチルペルオキシド;2,5-ビス(t-ブチルペルオキシ)-2,5-ジメチルヘキサン;2,5-ビス(t-ブチルペルオキシ)-2,5-ジメチルヘキシン-3,1,1-ビス(t-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン;イソプロピルクミルクミルペルオキシド;4,4-ジ(tert-ブチルペルオキシ)吉草酸ブチル;または過酸化ジ(イソプロピルクミル);または過酸化ジクミルであってもよい。(E)有機過酸化物は、過酸化ジクミルであってもよい。いくつかの態様では、2つ以上の(E)有機過酸化物のブレンド、例えば、t-ブチルクミル過酸化物およびビス(t-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンの20:80(重量/重量)ブレンド(例えば、Arkemaから市販されているLUPEROX D446B)のみが使用される。いくつかの態様では、少なくとも1つ、あるいは各(E)有機過酸化物が、1つの-O-O-基を含有する。いくつかの態様では、架橋性ポリオレフィン添加剤配合物および架橋性ポリエチレン生成物は、(E)を含まない。存在する場合、(E)有機過酸化物は、架橋性ポリオレフィン添加剤配合物の0.05~3.0重量%、あるいは0.1~3重量%、あるいは0.5~2.5重量%であり得る。(D)SCHBP抗酸化剤および(E)有機過酸化物の重量/重量比は、2未満((D)/(E)(重量/重量)<2)である。
【0052】
任意の構成物(F)式(I)とは異なる構造を有する抗酸化剤。(F)は、架橋性ポリオレフィン添加剤配合物および/または架橋ポリオレフィン添加剤生成物に追加の抗酸化特性を提供するために使用されてもよい。好適な(F)の例は、ビス(4-(1-メチル-1-フェニルエチル)フェニル)アミン(例えば、NAUGARD445)、2,2’-メチレン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)(例えば、VANOX MBPC)、2,2’-チオビス(2-t-ブチル-5-メチルフェノール(CAS番号90-66-4、市販のLOWINOX TBM-6)、2,2’-チオビス(6-t-ブチル-4-メチルフェノール)(CAS番号90-66-4、市販のLOWINOX TBP-6)、トリス[(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニル)メチル]-1,3,5-トリアジン-2,4、6-トリオン(例えば、CYANOX1790)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-(3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート(例えば、IRGANOX1010、CAS番号6683-19-8)、3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸2,2’-チオジエタンジイルエステル(例えば、IRGANOX1035、CAS番号41484-35-9)、およびジステアリルチオジプロピオネート(「DSTDP」)である。いくつかの態様では、架橋性ポリオレフィン添加剤配合物および架橋ポリオレフィン添加剤生成物は、(F)を含まない。存在する場合、(F)は、架橋性ポリオレフィン添加剤配合物の0.01~1.5重量%、あるいは0.05~1.2重量%、あるいは0.1~1.0重量%であり得る。
【0053】
任意の構成物(G)加工助剤。添加剤(G)は、機械を通る架橋性ポリオレフィン添加剤配合物の溶融物の流れを改善することができる。(G)は、フルオロポリマーなどの有機加工助剤、またはポリオルガノシロキサンもしくはフルオロ官能化ポリオルガノシロキサンなどのシリコーン加工助剤であり得る。いくつかの態様では、架橋性ポリオレフィン添加剤配合物および架橋ポリオレフィン添加剤生成物は、(G)を含まない。存在する場合、添加剤(G)は、架橋性ポリオレフィン添加剤配合物の総重量に基づいて、1~20重量%、あるいは2~18重量%、あるいは3~15重量%の濃度で使用され得る。
【0054】
任意の構成物(H)着色剤。例えば、顔料または染料。例えば、カーボンブラックまたは二酸化チタン。カーボンブラックは、ポリ(1-ブテン-コ-エチレン)コポリマー(マスターバッチの総重量の95重量%以上~100重量%未満)、およびカーボンブラック(マスターバッチの総重量の0重量%超~5重量%以下の配合物であるカーボンブラックマスターバッチとして提供され得る。いくつかの態様では、架橋性ポリオレフィン添加剤配合物および架橋ポリオレフィン添加剤生成物は、(H)を含まない。存在する場合、(H)着色剤は、架橋性ポリオレフィン添加剤配合物の総重量に基づいて、0.1~35重量%、あるいは1~10重量%であり得る。
【0055】
任意の構成物(I)金属不活性化剤。例えば、オキサイリルビス(ベンジリデンヒドラジド)(OABH)。いくつかの態様では、架橋性ポリオレフィン添加剤配合物および架橋ポリオレフィン添加剤生成物は、(I)を含まない。存在する場合、添加剤(I)は、すべて架橋性ポリオレフィン添加剤配合物の総重量に基づいて、0.001~0.2重量%、あるいは0.01~0.15重量%、あるいは0.01~0.10重量%であり得る。
【0056】
任意の構成物(J)オレフィン官能性加水分解性シラン。添加剤(J)は、少なくとも1つ、あるいは少なくとも2つ、あるいは3つのオレフィン基と、最大3つ、あるいは最大2つ、あるいは1つの加水分解性基(例えば、アルコキシ基)と、を含有する、任意のモノシランであり得る。(J)の例は、ビニルトリメトキシシラン(VTMS)、ビニルトリエトキシシラン(VTES)、ビニルトリアセトキシシラン、またはγ-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシランであり、加水分解性シリル基は、2-トリメトキシシリルエチル、2-トリエトキシシリルエチル、2-トリアセトキシエチル、または3-トリメトキシシリルプロピルオキシカルボニルエチルもしくは3-トリメトキシシリルプロピルオキシカルボニルプロピである。いくつかの態様では、架橋性ポリオレフィン添加剤配合物および架橋ポリオレフィン添加剤生成物は、(J)を含まない。存在する場合、添加剤(J)は、すべて架橋性ポリオレフィン添加剤配合物の総重量に基づいて、0.1~2重量%、あるいは0.1~1.5重量%、あるいは0.1~1.0重量%であり得る。存在する場合、架橋性ポリオレフィン添加剤配合物は、触媒有効量の縮合触媒(ジラウリン酸ジブチルスズなど)をさらに含んでもよい。
【0057】
任意の構成物(K)腐食防止剤。例えば、硫酸スズ(II)。いくつかの態様では、架橋性ポリオレフィン添加剤配合物および架橋ポリオレフィン添加剤生成物は、(K)を含まない。存在する場合、添加剤(K)は、架橋性ポリオレフィン添加剤配合物の総重量に基づいて、0.00001~0.1重量%、あるいは0.0001~0.01重量%であり得る。
【0058】
任意の構成物(L)難燃剤。(L)難燃剤は、デカブロモジフェニルエーテル、デカブロモジフェニルエタン、臭素化有機ポリマー、三酸化アンチモン(難燃剤相乗剤)、三水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、N,N’-エチレンビス(3,4,5,6-テトラブロモフタルイミド)、難燃性シリコーン、またはそれらのいずれか2つ以上の組み合わせであってもよい。臭素化有機ポリマーの例は、臭素化ポリスチレン、臭素化ゴムポリ(臭素化ビニル)、ポリ(臭素化ビニリデン)、ポリ(臭素化アルキルアクリレート)、ポリ(アルキル臭素化アクリレート)、および臭素化ブタジエン-スチレンコポリマーである。臭素化ポリスチレンの例は、ポリ(4-ブロモスチレン)およびポリ(ブロモスチレン)である。臭素化ゴムの例は、臭素化天然ゴムおよび臭素化合成有機ゴムである。ポリ(臭素化アルキルアクリレート)の例は、ポリ(2-ブロモエチルメタクリレート)およびポリ(2,3-ジブロモプロピルメタクリレート)である。ポリ(アルキル臭素化アクリレート)の例は、ポリ(メチル-アルファ-ブロモアクリレート)である。難燃性シリコーンの例は、難燃性シリコーンゴム、DOW CORNING11-100添加剤、およびDOW CORNING4-7081樹脂改質剤である。あるいは、難燃剤マスターバッチ組成物は、HDPEを含まなくてもよい。難燃剤相乗剤は、鉱物系難燃剤の難燃特性を向上する(増加させる)添加剤である。難燃剤相乗剤は、ワイヤおよびケーブル絶縁配合物中での添加剤として有用である。いくつかの態様では、架橋性ポリオレフィン添加剤配合物および架橋ポリオレフィン添加剤生成物は、(L)を含まない。存在する場合、(L)は、架橋性ポリオレフィン添加剤配合物の総重量に基づいて、0.1~10重量%、あるいは0.5~8重量%、あるいは0.3~5重量%の濃度で使用され得る。
【0059】
任意の構成物(M)充填剤。(M)充填剤は、炭酸カルシウム、ホウ酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛、硫化亜鉛、タルク、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、または粘土であってもよい。いくつかの態様では、架橋性ポリオレフィン添加剤配合物および架橋ポリオレフィン添加剤生成物は、(M)を含まない。存在する場合、(M)は、架橋性ポリオレフィン添加剤配合物の総重量に基づいて、1~20重量%、あるいは2~18重量%、あるいは3~15重量%の濃度で使用され得る。
【0060】
架橋性ポリオレフィン添加剤配合物は、潤滑剤および粘着防止剤から選択される他の添加剤をさらに含み得る。
【0061】
任意の添加剤は、本発明の配合物および/または本発明の生成物に1つ以上の有益な特性を付与するために使用されてもよい。
【0062】
導電体デバイス:被覆金属ワイヤ、電気ケーブル、または低、中、高、および超高電圧の送電用途に使用するためのものなどの電力ケーブル。「ワイヤ」は、導電性材料、例えば、銅もしくはアルミニウムなどの導電性金属の1本の撚り合わせもしくはフィラメント、または光ファイバーの1本の撚り合わせもしくはフィラメントを意味する。「電力ケーブル」は、絶縁層と称され得る半導電性層および覆い内に配置される少なくとも1本のワイヤを含む。導電体デバイスは、中、高、および超高電圧の用途に使用するために設計および構成され得る。好適なケーブル設計の例は、US5,246,783、US6,496,629、およびUS6,714,707に示されている。
【0063】
導電体デバイスは、内側から外側へ、導電性コア、内部半導電性層、および任意で内部絶縁層を含有し得る。導電体デバイスの任意の絶縁態様は、外側半導電性層および外側絶縁層を含有し得る。導電性コアは、1本以上の金属ワイヤで構成されてもよい。導電性コアが「撚り合わされている」場合、それは、別々のワイヤ束に細分化され得る2本以上の金属ワイヤを含有する。導電性コア内の各ワイヤは、束ねられているか否かに関わらず、絶縁層で個別に被覆されてもよく、かつ/または別々の束が、絶縁層で被覆されてもよい。各絶縁層は独立して、単層または多層の覆い、被覆、またはシースであり得る。絶縁層(複数可)は主に、日光、水、熱、酸素、他の導電性材料(例えば、短絡を防止するため)、および/または腐食性材料(例えば、化学ヒューム)などの外部環境から導電性コアおよび半導電性層(複数可)を保護または絶縁するように機能する。
【0064】
ある絶縁された導電体デバイスから次への単層または多層の覆いは、それらそれぞれの意図された用途に応じて異なって構成され得る。例えば、断面で見ると、絶縁された導電体デバイスの多層の覆いは、その最内層からその最外層まで、以下の構成要素:内側半導電性層(導電性コアと物理的に接触している)、架橋ポリエチレン生成物(本発明の架橋生成物)を含む絶縁層、外側半導電性層、金属シールド、および保護シースで順次構成され得る。層およびシースは、円周方向および同軸方向(長手方向)に連続している。金属シールド(接地)は、同軸方向に連続しており、円周方向には連続(層)または不連続(テープもしくはワイヤ)のいずれかである。外側半導電性層は、存在する場合、絶縁層から剥離可能な過酸化物架橋半導電性生成物で構成されてもよい。
【0065】
電気の伝導方法。本発明の電気の伝導方法は、導電体デバイスを使用し得るか、または本発明の配合物もしくは生成物を含む異なる導電体デバイスを使用し得る。
【0066】
導電体デバイスは、データ送信用途、ならびに/または低、中、高、および超高電圧用途を含む送電用途に有用である。
【0067】
本発明の配合物および生成物は、容器、車両部品、および電子工学パッケージングを含む他の様々な用途に有用である。
【0068】
本明細書の任意の化合物は、天然存在形態および/または同位体濃縮形態を含むそのすべての同位体形態を含み、それらは、医療用途または偽造防止用途を有し得る。
【0069】
いくつかの態様では、本明細書の任意の化合物、組成物、配合物、材料、混合物、または反応生成物は、H、Li、Be、B、C、N、O、F、Na、Mg、Al、Si、P、S、Cl、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、As、Se、Br、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Te、I、Cs、Ba、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、ランタノイド、およびアクチノイドからなる群から選択される化学元素のうちのいずれか1つを含まなくてもよいが、ただし、化合物、組成物、配合物、材料、混合物、または反応生成物によって必要とされる化学元素(例えば、ポリエチレンによって必要とされるCおよびH、またはアルコールによって必要とされるC、H、およびO)は除く。
【0070】
特に示されない限り、以下を適用する。あるいは、異なる実施形態に先行する。ASTMは、標準化機構である、ASTM International、West Conshohocken,Pennsylvania,USAを意味する。IECは、国際電気標準会議、Geneva,Switzerlandの標準化機構を意味する。いずれの比較実施例も説明目的でのみ使用されており、先行技術ではない。含まないまたは欠いているは、完全に存在しないこと、あるいは検出不可能であることを意味する。IUPACは、国際純正応用化学連合(IUPAC Secretariat、Research Triangle Park,North Carolina,USA)である。してもよい(may)は、必須ではなく、選択の許容を付与する。機能的は、機能的に可能または有効であることを意味する。任意の(任意で)は、存在しない(または除外される)こと、あるいは存在する(または含まれる)ことを意味する。特性は、標準試験方法および測定条件(例えば、粘度:23℃および101.3kPa)を使用して測定される。範囲は、端点、部分範囲、およびそれらの中に包含される整数値および/または小数値を含むが、整数の範囲が小数値を含まない場合を除く。室温:23℃。±1℃
【0071】
カーボンブラック粒径試験方法:ASTM D3849-14a、電子顕微鏡を使用したカーボンブラックのカーボンブラック形態学的特性評価のための標準試験方法。カーボンブラックの形態学的特性評価は、粒径および形状を含み、透過型電子顕微鏡画像から得られ、これらを使用して、乾燥状態(製造時)のカーボンブラックの平均粒径および凝集体サイズを導出する。
【0072】
過酸化物を含まない架橋性ポリオレフィン添加剤配合物の調製方法。180℃および1分あたり30回転(rpm)で動作する300gサイズのBrabender混合機を使用して、構成物(A)を溶融し、それを構成物(B)~(D)および任意の構成物(F)~(M)(任意の構成物(E)有機過酸化物は含まない)と混合して、(E)を含まない架橋性ポリオレフィン添加剤配合物を得る。
【0073】
過酸化物含有架橋性ポリオレフィン添加剤配合物の調製方法:過酸化物を含まない架橋性ポリオレフィン添加剤配合物の調製方法で調製した、(E)を含まない架橋性ポリオレフィン添加剤配合物を、Brabender混合機内で100℃~110℃に冷却し、冷却した混合物に、(E)有機過酸化物を30rpmで10分間混合しながら添加して、構成物(A)~(E)および任意の構成物(F)~(M)を含有する架橋性ポリオレフィン添加剤配合物をもたらす。この配合物を50℃未満に冷却し、Brabender混合機から取り出して、構成物(A)~(E)および任意の構成物(F)~(M)を含有する過酸化物含有架橋性ポリオレフィン添加剤配合物を得る。
【0074】
圧縮成形プラーク調製法。上記で調製した、構成物(A)~(E)および任意の構成物(F)~(M)を含有する過酸化物含有架橋性ポリオレフィン添加剤配合物を、金型内で、120℃、13.8MPa(1平方インチ(psi)あたり2,000ポンド)の圧力で5分間加熱および圧縮し、次に金型内で、185℃および345MPa(1平方インチあたり25トン)で10分間架橋し、室温まで冷却し、金型から取り出して、1.905ミリメートル(mm、75ミル)の指定された厚さを有する架橋ポリオレフィン添加剤生成物の圧縮成形プラークを得る。
【0075】
架橋ポリオレフィン添加剤生成物の調製方法。上記で調製した、構成物(A)~(E)および任意の構成物(F)~(M)を含有する過酸化物含有架橋性ポリオレフィン添加剤配合物を、180℃で15分間加熱して、架橋ポリオレフィン添加剤生成物を得る。
【0076】
密度試験方法:ASTM D792-13、変位によるプラスチックの密度および比重(相対密度)の標準試験方法の方法Bに従って測定した(水以外の液体中、例えば、液体2-プロパノール中で固体プラスチックを試験するため)。結果は、1立方センチメートルあたりのグラム数(g/cm3)の単位で報告される。
【0077】
誘電率および散逸率の試験方法。以下の流体:Dow Corning CorporationのSilicone200Fluidを使用し、ASTM D1531-06、23℃および1メガヘルツMHzでの流体変位手順による比誘電率(誘電率)および散逸率の標準試験方法に従って、試験を行う。電力ケーブル内に使用される化合物では、所望の誘電率は、0超~2.8未満であり、所望の散逸率は、ASTM D1531-06に従って測定して、23Cおよび1MHzで0超~0.5未満である。
【0078】
あるいは、誘電率および散逸率は、ASTM D150-11、固体電気絶縁のAC喪失特性評価および誘電率(Permittivity)(誘電率(Dielectric Constant))の標準試験方法に従って、オーブン内に試験片ホルダーを含有する電極を有するShanghai Young Electrical Co.Ltd.の高精度高電圧キャパシタンスブリッジQS87にて50Hzで試験してもよく、高電圧電力は、Shanghai Young Electrical Co.Ltd.のYG8Qであった。試験片は、架橋ポリオレフィン生成物および圧縮成形プラーク調製方法1により調製した硬化(架橋)圧縮成形プラークである。70℃の真空オーブン内で24時間、大気圧下でプラークを脱気する。試験片を切り取り、厚さを試験し、電極温度が100℃に達した直後に110℃のオーブン内で2つの電極の間に挟む。電位を、フィルム全体で(すべて50ヘルツで)2.5キロボルト(kV)、5kV、7.5kV、10kV、7.5kV、5kV、および2.5kVに設定し、フィルム全体にわたる印加電圧をミリメートル(mm)でのフィルムの厚さで割ったものに等しいフィルムに対する電気的ストレスを計算し、散逸率(「DF」)および比誘電率(すなわち、誘電率εr)を試験する。典型的には5kV/mm~25kV/mmの範囲にわたってプロットされた、異なる電気的ストレス値での散逸率(DF)曲線を得る。この曲線から、16kV/mmに等しい電気的ストレスのDF値を計算する。
【0079】
破断時伸び試験方法。上記の架橋ポリオレフィン添加剤生成物の調製方法および後述の熱老化試験方法に従って調製した、5インチ(12.7センチメートル(cm))の長さの完全硬化および熱老化させた試験試料について、Instron機およびIEC60502に従って1分あたり10インチ(1分あたり25.4cm)を使用して測定し、パーセントで表した。IEC60502仕様に従う最小値は、200%である。
【0080】
熱老化試験方法(熱的老化試験方法)。試験試料は、先に記載の圧縮成形プラーク調製方法に従って調製した、1.905mmの厚さ(75ミルの厚さ)の圧縮成形プラークである。試験試料を150℃の熱対流式オーブン内に168時間置いて、熱老化した試験試料をもたらす。オーブンから熱老化した試験試料を取り出し、室温まで冷却する。
【0081】
メルトインデックス(190℃、2.16キログラム(kg)、「I2」)試験方法:非極性エチレン系ポリマーについて、ASTM D1238-04、押出式可塑度計による熱プラスチックのメルトフローレートの標準試験方法に従って、以前は「条件E」として、およびまたI2としても知られていた190℃/2.16キログラム(kg)の条件を使用して、測定する。結果は、10分あたりの溶出グラム数(g/10分)の単位で報告される。
【0082】
可動ダイレオメーター(MDR)試験方法(MDR:182℃でのML(N-m)、MDR:182℃でのMH-ML(N-m)):ASTM D5289-12、ローターレス硬化計を使用したゴム特性加硫の標準試験方法。以下の手順を使用して、6グラムのコールドプレス試験試料のトルクを測定する。トルクの変化を監視しながら、182℃、0.5度のアーク振動で20分間、可動ダイレオメーター(MDR)機器MDR2000(Alpha Technologies)内で、Brabender混合ボウルから直接得られた試験試料を加熱する。測定された最小トルク値をデシニュートンメートル(dN-m)で表される「ML」として指定する。硬化または架橋が進行すると、測定されたトルク値が増加し、最終的に最大トルク値に達する。最大または最高の測定トルク値をdN-mで表される「MH」として指定する。他のすべてが等しい場合、MHトルク値が大きいほど、架橋の程度が大きくなる。ポンド-インチ(lb.-in.)で測定され、ニュートン-メートル(N-m)に変換され、1.00lb.-in.=0.113N-mである。
【0083】
油吸収数(OAN)試験方法:フタル酸ジブチル(DBP)を用いて、ASTM D2414-17(カーボンブラック油吸収数(OAN)の標準試験方法)手順Aを使用する。mL/100g、または100グラムのカーボンブラックあたりに吸収されたDBPのミリリットルでの体積として表される。
【0084】
QUV老化試験方法。試験試料は、先に記載の圧縮成形プラーク調製方法に従って調製した、1.905mmの厚さ(75ミルの厚さ)の圧縮成形プラークである。自然な太陽光をシミュレートするための制御された人工光源を用いた屋内加速実験室試験。紫外線波長を中心とした照射スペクトルを提供するための蛍光ランプを含有する加熱QUV試験チャンバーを使用する。強制的な結露によって水分を提供し、ヒーターを使用して温度を制御する。試験試料を、(a)熱、紫外線照射、および水分への曝露、ならびに(b)紫外線照射ではなく、熱および水分への曝露の交互のサイクルに供する。各サイクル(a)は、70℃で20時間、および100%の相対湿度下での結露を介した水分曝露下、1ナノメートルのUV光の波長あたり1平方メートルの試験試料の表面積あたり0.89ワット(W/m2/nm)の強度で340nmのUV照射の波長で行う。水分への曝露は、結露によって行う。各サイクル(b)は、60℃の空気中100%の相対湿度下での結露を介した4時間の水分曝露で行う。サイクル(a)および(b)を、1,000時間にわたって交互に続け、これは、現実世界での長期間の適用をシミュレートする。
【0085】
引張強度試験方法。上記の架橋ポリオレフィン添加剤生成物の調製方法および熱老化試験方法に従って調製した、5インチ(12.7センチメートル(cm))の長さの完全硬化および熱老化させた試験試料について、Instron機およびIEC60502に従って1分あたり10インチ(1分あたり25.4cm)を使用して測定し、1平方インチあたりのポンド(psi)で表した。IEC60502仕様に従う最小値は、1,800psi(12,000キロパスカル(kPa))である。
【実施例】
【0086】
ポリオレフィンポリマー(A1):0.92g/cm3の密度および2g/10分のメルトインデックス(I2)を有する、低密度ポリエチレン(LDPE)ポリマー。The Dow Chemical Company、Midland,Michigan,USAから製品DXM-447として入手可能。
【0087】
カーボンブラック(B1):ASTM D3849-14aに従って透過型電子顕微鏡によって測定して、19ナノメートル(nm)の平均粒径、および100~110mL/100gの油吸収数(ASTM D2414-17)を有する。Cabot Corporation、Billerica,Massachusetts,USAから入手可能。
【0088】
トリアジニル官能性ヒンダードピペリジン(C1):(ポリ[[6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル][[2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]]ヘキサメチレン(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]])。BASF Corporation、Florham Park,New Jersey,USAからChimassorb944として入手可能。以下の構造を有する:
【化1】
(式中、下付き文字nは、(C1)が2,000~3,100g/molの重量平均分子量を有するように選択される有理数または無理数である)。(C1)は、CAS番号71878-19-8を有する。
【0089】
硫黄含有ヒンダードビスフェノール(D1):4,4’-チオビス(2-(1,1-ジメチルエチル)-5-メチルフェノール)。Addivant、Danbury,Connecticut,USAから入手可能。(D1)は、以下の構造を有する:
【化2】
。
【0090】
有機過酸化物(E1):過酸化ジクミル。AkzoNobel、Amsterdam,The Netherlandsから入手可能。
【0091】
比較実施例1~7(CE1~CE7):比較架橋性ポリオレフィン添加剤配合物。表1に後述の組成物および試験結果を参照されたい。
【0092】
本発明の実施例1~8(IE1~IE8):本発明の架橋性ポリオレフィン添加剤配合物。表2および3に後述の組成物および試験結果を参照されたい。
【0093】
【0094】
表1は、構成物(A)を含有するが、構成物(B)~(D)の1つまたは2つを欠いている比較複合材料のデータをまとめる。表1のデータによって示されるように、CE1~CE6、2重量%の構成物(C)トリアジニル官能性ヒンダードピペリジンを有し、構成物(B)カーボンブラックおよび(D)式(I)のSCHBPを欠いているCE1は、1,000時間のQUV老化後に低すぎる破断時伸び(300%未満)を有する。2重量%の構成物(B)カーボンブラックを有し、構成物(C)トリアジニル官能性ヒンダードピペリジンおよび(D)式(I)のSCHBPを欠いているCE2は、150℃で168時間の熱老化(熱的老化)後に低すぎる破断時伸び(大幅に300%未満)を有する。構成物(B)カーボンブラックおよび(C)トリアジニル官能性ヒンダードピペリジンを有し、構成物(D)式(I)のSCHBPを欠いているCE3は、150℃で168時間の熱老化(熱的老化)後に低すぎる破断時伸び(大幅に300%未満)を有する。構成物(B)カーボンブラックおよび(D)式(I)のSCHBPを有し、構成物(C)トリアジニル官能性ヒンダードピペリジンを欠いているCE4は、1,000時間のQUV老化後に低すぎる破断時伸び(300%未満)を有する。構成物(C)トリアジニル官能性ヒンダードピペリジンおよび(D)化学式(I)のSCHBPを有し、構成物(B)カーボンブラックを欠いているCE5は、150℃で168時間の熱老化(熱的老化)後に低すぎる破断時伸び(300%未満)、1,000時間のQUV老化後に低すぎる破断時伸び(大幅に300%未満)を有する。構成物(B)カーボンブラックおよび(D)式(I)のSCHBP(CE4と比較して増加した充填)のCE6を有し、構成物(C)トリアジニル官能性ヒンダードピペリジンを欠いているCE6は、150℃で168時間の熱老化(熱的老化)後に、改善されているが依然として低すぎる破断時伸び(300%未満)を有する。1重量%の構成物(D)化学式(I)のSCHBPを有し、構成物(B)カーボンブラックおよび(C)トリアジニル官能性ヒンダードピペリジンを欠いているCE7は、150℃で168時間の熱老化(熱的老化)後に脆性であり、これもまた1,000時間のQUV老化後に低すぎる破断時伸び(大幅に300%未満)を有する。
【0095】
【0096】
【0097】
表2および3では、構成物(A)および構成物(B)~(D)の各々を含有する発明の複合材料のデータをまとめ、このデータは、熱老化(熱的老化)および/またはQUV老化後の引張強度および/または破断時伸びの予想外の改善(増加)を示す。IE1~IE4は、150℃で168時間の熱老化(熱的老化)後の破断時伸び(300%超)の相乗的な改善(増加)、および1,000時間のQUV老化後の破断時伸び(400%超)の改善(増加)を示す。IE5は、0.1重量%の構成物(D)式(I)のSCHBPの充填を有するが、1,000時間のQUV老化後に改善された(増加した)破断時伸び(400%超)を示した。IE6は、1重量%の構成物(D)式(I)のSCHBPの充填を有するが、150℃で168時間の熱老化(熱的老化)後、かつ1,000時間のQUV老化後に、改善された(増加した)破断時伸び(300%超または400%超)を示した。IE7は、0.1重量%の構成物(C)トリアジニル官能性ヒンダードピペリジンの充填を有するが、1,000時間のQUV老化後に改善された(増加した)引張強度および改善された(増加した)破断時伸び(300%超)を有する。IE8は、150℃で168時間の熱老化(熱的老化)後に改善された(増加した)破断時伸び(500%超)、および1,000時間のQUV老化後に改善された(増加した)破断時伸び(400%超)を示した。
【0098】
理論によって拘束されることを望むものではないが、IE5は、構成物(D)式(I)のSCHBPの最低有効充填を示し、IE7は、構成物(C)トリアジニル官能性ヒンダードピペリジンの最低有効充填を示し、IE6は、構成物(D)式(I)のSCHBPの最高有効充填を示すと考えられる。IE6で使用されるものより高い、構成物(D)式(I)のSCHBPの充填は、0.1N-m未満のMDR MH(182℃)硬化値をもたらす可能性があり、望ましくない。1.0重量%未満または3.0重量%超の(B)カーボンブラックの充填が有用であり得るため、IE1~IE8の(B)カーボンブラックの充填はいずれも、最低または最高有効充填ではない。
【0099】
表1~表3のデータによって示されるように、本発明の配合物IE1~IE8における(B)カーボンブラック、(C)トリアジニル官能性ヒンダードピペリジン、および(D)硫黄含有ヒンダードビスフェノールの3構成物の組み合わせは、3つの構成物のうち2つのみを含有するCE1~CE7の比較配合物よりも良好な性能であった。本発明の配合物IE1~IE8は、同等の比較配合物CE1~CE7と比較して、QUV老化後に改善された性能の引張強度および破断時伸びを有した一方で、本発明の配合物IE1~IE8の誘電率および散逸率特性は、電力ケーブルの絶縁層における配合物の使用に十分なものである。例えば、本発明の配合物IE1~IE8は、QUV老化後に、同等の比較配合物CE1~CE7よりも脆性ではない。所与のレベルの引張強度または破断時伸びの性能で、本発明の配合物は、比較配合物中のカーボンブラックの充填と比較して、(B)カーボンブラックのより少ない充填を可能にし、それにより本発明の配合物の、その絶縁層のケーブルへの押出中を含む溶融調合および溶融押出などのより容易な溶融加工を可能にする。
本願発明には以下の態様が含まれる。
項1.
硬化性ポリオレフィン添加剤配合物であって、構成物(A)~(D):70~99.7重量パーセント(重量%)の(A)メルトインデックス試験法に従って、190℃および2.16キログラムの負荷でASTM D1238-04に従って測定して、10分あたり0.1~50グラム(g/10分)のメルトインデックス(「I2」)を有するポリオレフィンポリマーと、0.1~5重量%の(B)カーボンブラックと、0.2~5重量%の(C)トリアジニル官能性ヒンダードピペリジンと、0.1~1.00重量%の(D)式(I):HO(R1)xPh-S-Ph(R2)yOH(I)の硫黄含有ヒンダードビスフェノール(SCHBP)(式中、下付き文字xが、1~3の整数であり、HO(R1)xPhが、第1の一価ヒンダードフェノール基であり、各R1が独立して、(C1-C7)アルキルであり、少なくとも1つのR1が独立して(C3-C6)アルキルであり、かつ前記第1の一価ヒンダードフェノール基の前記ヒドロキシル(HO-)に対してオルトであり、下付き文字yが、1~3の整数であり、Ph(R2)yOHが、第2の一価ヒンダードフェノール基であり、各R2が独立して、(C1-C7)アルキルであり、少なくとも1つのR2が独立して、(C3-C6)アルキルであり、かつ前記第2の一価ヒンダードフェノール基の前記ヒドロキシル(-OH)に対してオルトである)と、を含む、硬化性ポリオレフィン添加剤配合物。
項2.
前記(A)ポリオレフィンポリマーが、制限(i)~(xv):(i)エチレン系ポリマー、(ii)低密度ポリエチレン(LDPE)であるエチレン系ポリマー、(iii)線状低密度ポリエチレン(LLDPE)であるエチレン系ポリマー、(iv)中密度ポリエチレン(MDPE)であるエチレン系ポリマー、(v)高密度ポリエチレン(HDPE)であるエチレン系ポリマー、(vi)ポリ(エチレン-コ-アルファ-オレフィン)コポリマーであるエチレン系ポリマー、(vii)ポリプロピレンであるエチレン系ポリマー、(viii)エチレン/プロピレンコポリマーであるエチレン系ポリマー、(ix)少なくとも0.925g/cm3の密度、かつポリエチレンであり、190℃/2.16kg負荷で0.1~20g/10分のメルトフローインデックス(I2)を有する、(x)0.89~0.96g/cm3の密度、かつポリプロピレンであり、230℃/2.16kg負荷で0.5~50g/10分のメルトフローレート(MFR)を有する、(xi)単峰性である分子量分布(MWD)、(xii)二峰性であるMWD、(xiii)(ii)および(ix)の組み合わせ、(xiv)(ii)、(ix)、および(xi)の組み合わせ、ならびに(xv)(ii)、(ix)、および(xii)の組み合わせのいずれか1つを特徴とする、項1に記載の硬化性ポリオレフィン添加剤配合物。
項3.
前記(B)カーボンブラックが、制限(i)~(iii):(i)ASTM D3849-14aに従って測定した、15~40ナノメートル(nm)の粒径、(ii)、フタル酸ジブチル(DBP)を用いた手順A、ASTM D2414-17に従って測定した、100グラムあたり50~250ミリリットル(ml/100g)の油吸収数(OAN)、ならびに(iii)(i)および(ii)の両方のいずれか1つを特徴とする、項1~3のいずれか一項に記載の硬化性ポリオレフィン添加剤配合物。
項4.
前記(C)トリアジニル官能性ヒンダードピペリジンが、(i)1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリアミン、N,N’-[1,2-エタンジイルビス[[[4,6-ビス[ブチル(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)アミノ]-1,3,5-トリアジン-2-イル]イミノ]-3,1プロパンジイル]]-ビス[N,N’-ジブチル-N,N’-ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)-、および4-ヒドロキシ-2,2,6,6,-テトラメチル-1-ピペリジンエタノールを有するコハク酸ジメチルポリマーの混合物、(ii)(ポリ[[6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル][[2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]]ヘキサメチレン(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]])、(iii)(1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリアミン-N,N’-[1,2-エタンジイルビス[[[4.6-ビス[ブチル(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ペペリジニル)アミノ]-1,3,5-トリアジン-2-イル]イミノ]-3,1-プロパンジイル]]-ビス[N,N’-ジブチル-N,N’-ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)、ならびに(iv)1,6-ヘキサンジアミン、N-ブチル-1-ブタンアミンを有する2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジンを有するN,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル)-ポリマー、およびN-ブチル-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジンアミンの反応生成物から選択される、項1~3のいずれか一項に記載の硬化性ポリオレフィン添加剤配合物。
項5.
前記(D)SCHBPが、制限(i)~(ix):(i)下付き文字xが、2または3である、(ii)少なくとも1つのR1が、1,1-ジメチルエチルであり、かつ前記第1の一価ヒンダードフェノール基の前記ヒドロキシルに対してオルトである、(iii)下付き文字yが、2または3である、(iv)少なくとも1つのR2が、1,1-ジメチルエチルであり、かつ前記第2の一価ヒンダードフェノール基の前記ヒドロキシルに対してオルトである、(v)少なくとも1つのR1が、1,1-ジメチルエチルであり、かつ前記第1の一価ヒンダードフェノール基の前記ヒドロキシルに対してオルトであり、少なくとも1つのR1が、メチルである、(vi)少なくとも1つのR2が、1,1-ジメチルエチルであり、かつ前記第2の一価ヒンダードフェノール基の前記ヒドロキシルに対してオルトであり、少なくとも1つのR2が、メチルである、(vii)下付き文字xが、2であり、1つのR1が、1,1-ジメチルエチルであり、かつ前記第1の一価ヒンダードフェノール基の前記ヒドロキシルに対してオルトであり、1つのR1が、メチルである、(viii)下付き文字yが、2であり、1つのR2が、1,1-ジメチルエチルであり、かつ前記第2の一価ヒンダードフェノール基の前記ヒドロキシルに対してオルトであり、1つのR2が、メチルである、および(ix)前記SCHBPが、4,4’-チオビス(2-(1,1-ジメチルエチル)-5-メチルフェノール)であるのいずれか1つを特徴とする、項1~4のいずれか一項に記載の硬化性ポリオレフィン添加剤配合物。
項6.
0.1~5重量%の(E)有機過酸化物、(F)式(I)とは異なる構造を有する抗酸化剤、(G)加工助剤、(H)着色剤、(I)金属不活性化剤、(J)オレフィン官能性加水分解性シラン、(K)腐食防止剤、(L)難燃剤、および(M)充填剤から選択される少なくとも1つの添加剤をさらに含む、項1~5のいずれか一項に記載の硬化性ポリオレフィン添加剤配合物。いくつかの項では、項1~5のいずれか一項に記載の硬化性ポリオレフィン添加剤配合物が、0.1~5重量%の前記(E)有機過酸化物および/または前記(J)オレフィン官能性加水分解性シランをさらに含む。
項7.
硬化性ポリオレフィン添加剤配合物を作製する方法であって、項1~5のいずれか一項に記載の前記構成物(A)~(D)、および任意で項6に記載の構成物(E)~(M)のいずれか1つ以上を混合して、混合物をもたらすことと、前記混合物を溶融するかまたは押出して、前記硬化性ポリオレフィン添加剤配合物を作製することと、を含む、方法。
項8.
項1~6のいずれか一項に記載の硬化性ポリエチレン添加剤配合物の硬化の反応生成物を含む、架橋硬化性ポリオレフィン添加剤生成物。
項9.
項8に記載の架橋ポリオレフィン添加剤生成物の成形体を含む、製品。
項10.
導電性コアおよび前記導電性コアを少なくとも部分的に取り囲むポリマー層を備える被覆導体であって、前記ポリマー層の少なくとも一部分が、項1~6のいずれか一項に記載の硬化性ポリオレフィン添加剤配合物、または項8に記載の架橋硬化性ポリオレフィン添加剤生成物を含む、被覆導体。
項11.
電気を伝導する方法であって、項10に記載の被覆導体の前記導電性コア全体に電圧を印加して、前記導電性コアを通る電気の流れを発生させることを含む、方法。