(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】電池およびそれを備えた電気機器
(51)【国際特許分類】
H01M 50/547 20210101AFI20231003BHJP
H01M 50/545 20210101ALI20231003BHJP
H01M 50/109 20210101ALI20231003BHJP
H01M 50/153 20210101ALI20231003BHJP
H01M 50/559 20210101ALI20231003BHJP
H01M 50/536 20210101ALI20231003BHJP
【FI】
H01M50/547
H01M50/545
H01M50/109
H01M50/153
H01M50/559
H01M50/536
(21)【出願番号】P 2021517625
(86)(22)【出願日】2020-07-14
(86)【国際出願番号】 CN2020101927
(87)【国際公開番号】W WO2022011558
(87)【国際公開日】2022-01-20
【審査請求日】2021-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】513054978
【氏名又は名称】寧徳新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Ningde Amperex Technology Limited
【住所又は居所原語表記】No.1 Xingang Road, Zhangwan Town, Jiaocheng District, Ningde City, Fujian Province, 352100, People’s Republic of China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】郭 培培
(72)【発明者】
【氏名】何 平
(72)【発明者】
【氏名】彭 業軍
【審査官】多田 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-046639(JP,A)
【文献】中国実用新案第204596909(CN,U)
【文献】国際公開第2020/037535(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第111403637(CN,A)
【文献】独国特許出願公開第102017219316(DE,A1)
【文献】中国特許出願公開第111009625(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第111129365(CN,A)
【文献】特開2020-95924(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M50/10-50/198
H01M50/50-50/598
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池セルと、前記電池セルを収容するハウジングアセンブリと、を備える電池であって、
前記電池セルは、第1タブを備え、前記ハウジングアセンブリは、第1ハウジングと、第2ハウジングとを備え、前記第1ハウジング及び第2ハウジングは、前記電池セルを収容する収容空間を規定し、
前記第1ハウジングおよび/または前記第2ハウジングは、絶縁材質の取付部と、導電材質の導電部とを含む複合材であり、前記導電部は、貫通孔が設けられた前記取付部を囲み、
前記第1ハウジングおよび/または前記第2ハウジングにおける前記貫通孔が設けられた領域において、前記導電部の外面は、前記取付部の外面と平面を共有し、前記導電部の内面は、前記取付部の内面と平面を共有し、
前記電池は、前記第1タブに電気的に接続された導電材をさらに備え、前記導電材は、前記ハウジングアセンブリの内面又は外面に設けられ、前記貫通孔の貫通方向において、少なくとも前記導電材の投影の一部が、前記貫通孔内に位置することを特徴とする電池。
【請求項2】
前記第1ハウジングは、底壁及び側壁を含み、前記側壁は、前記底壁の周縁に設けられ、且つ前記底壁とともに前記収容空間を形成され、前記貫通孔は、前記底壁、前記側壁、又は、前記第2ハウジングに位置することを特徴とする請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記側壁は、前記底壁に背向する第1面を含み、前記第1ハウジングは、第1凸部をさらに含み、前記第1凸部は、前記第1面に突出され、且つ前記第1面とともに収容溝を形成され、前記第2ハウジングは、第1面に設けられ、前記第2ハウジングの縁は、前記収容溝内に収容されることを特徴とする請求項2に記載の電池。
【請求項4】
前記第1ハウジングは、第2凸部をさらに含み、前記第2凸部は、第1凸部における第1面に位置する一端部の反対側の他端部から、前記電池の中心軸方向に向けて水平に延びて形成され、前記第2凸部と、前記第1凸部と、前記第1面とはともに前記収容溝を形成し、前記第2凸部は、前記第2ハウジングにおける前記電池セルに背向する面に接続されていることを特徴とする請求項3に記載の電池。
【請求項5】
前記導電材は、前記第2ハウジングにおける前記電池セルに背向する面、又は前記底壁における前記電池セルに背向する面、又は前記側壁の前記電池セルに背向する面に設けられることを特徴とする請求項2に記載の電池。
【請求項6】
前記導電材は、前記第2ハウジングにおける前記電池セル側に対向する面、又は前記底壁における前記電池セル側に対向する面、又は前記側壁における前記電池セル側に対向する面に設けられることを特徴とする請求項2に記載の電池。
【請求項7】
前記電池は、コネクタをさらに含み、前記コネクタは、前記導電材、前記第1タブに電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の電池。
【請求項8】
前記導電材の厚みは、0.01mm~2mmであることを特徴とする請求項1に記載の電池。
【請求項9】
前記電池セルは、第1極片と、第2極片、および前記第1タブとは極性の異なる第2タブをさらに備え、前記第1タブは、前記第1極片に電気的に接続され、前記第2タブは、前記第2極片に電気的に接続され、前記第1極片及び第2極片は、折り畳まれ、又は巻回されることにより、前記電池セルが形成され、前記第1ハウジングの材質は、導電材料であり、前記第2タブは、前記第1ハウジングに電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の電池。
【請求項10】
前記導電材は、前記貫通孔を完全に覆っていることを特徴とする請求項1に記載の電池。
【請求項11】
前記第1ハウジングおよび/または前記第2ハウジングは、前記導電部が前記取付部に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の電池。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の電池を含むことを特徴とする電気機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池およびそれを備えた電気機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電池は、その携帯性により携帯型電子機器等の分野に広く使われている。電池は、一般的に、ハウジング、トップカバー及び電池セル等を備える。前記電池セルは、前記ハウジングの内部に位置し、前記トップカバーは、前記ハウジングにおける上端の開口に位置する。前記トップカバーには、電池セルに電気的に接続されて外部に給電するポストが挿通される。
【0003】
しかしながら、従来のポストは、取り付けの要求を満たすため、「工」形状に設定する必要があり、ポスト本体と、当該ポスト本体の両側に位置するポストプレートとを備え、二つの前記ポストプレートは、それぞれ前記トップカバーの二つの表面に取り付けられている。前記ポストと前記トップカバーとの間を電気的に絶縁するために、前記トップカバーと二つの前記ポストプレートとの間にそれぞれ一層の絶縁パッドを設置する必要がある。したがって、前記トップカバーと垂直する方向において、前記トップカバーは前記ポストが設置された位置は、二層のポストプレート及び二層の絶縁パッドの4層分の厚みが厚くなったので、トップカバー全体の厚みが厚くなり、エネルギー密度が損なわれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、電池のエネルギー密度を向上させることができる電池を提供する必要がある。
【0005】
また、上記電池を有する電気機器を提供する必要もある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電池は、電池セルと、前記電池セルを収容するハウジングアセンブリと、を備える電池であって、前記電池セルは、第1タブを備え、前記ハウジングアセンブリは、第1ハウジングと、第2ハウジングとを備え、前記第1ハウジング及び第2ハウジングは、前記電池セルを収容する収容空間を規定し、
前記第1ハウジングおよび/または前記第2ハウジングは、貫通孔が設けられた取付部を含み、前記取付部の材質は絶縁材料であり、
前記電池は、前記第1タブに電気的に接続された導電材をさらに備え、前記導電材は、前記ハウジングアセンブリの内面又は外面に設けられ、前記貫通孔の貫通方向において、少なくとも前記導電材の投影の一部が、前記貫通孔内に位置する。
【0007】
本発明いくつかの実施形態では、前記第1ハウジングは、底壁及び側壁を含み、前記側壁は、前記底壁の周縁に設けられ、且つ前記底壁とともに前記収容空間を形成され、前記貫通孔は、前記底壁、前記側壁、又は、前記第2ハウジングに位置する。
【0008】
本発明いくつかの実施形態では、前記側壁は、前記底壁に背向する第1面を含み、前記第1ハウジングは、第1凸部をさらに含み、前記第1凸部は、前記第1面に突出され、且つ前記第1面とともに収容溝を形成され、前記第2ハウジングは第1面に設けられ、前記第2ハウジングの縁は前記収容溝内に収容されている。
【0009】
本発明いくつかの実施形態では、前記第1ハウジングは、第2凸部をさらに含み、前記第2凸部は、第1凸部における第1面から遠い方の端部が、前記電池の中心軸方向に向けて水平に延びて形成され、前記第2凸部と、前記第1凸部と、前記第1面とはともに前記収容溝を形成し、前記第2凸部は、前記第2ハウジングにおける前記電池セルに背向する面に接続されている。
【0010】
本発明いくつかの実施形態では、前記導電材は、前記第2ハウジングにおける前記電池セルに背向する面、又は前記底壁における前記電池セルに背向する面、又は前記側壁の前記電池セルに背向する面に設けられる。
【0011】
本発明いくつかの実施形態では、前記導電材は、前記第2ハウジングにおける前記電池セル側を向く面、又は前記底壁における前記電池セル側を向く面、又は前記側壁における前記電池セル側を向く面に設けられている。
【0012】
本発明いくつかの実施形態では、前記導電材は、前記第2ハウジングにおける前記電池セル側を向く面、又は前記底壁における前記電池セル側を向く面、又は前記側壁における前記電池セル側を向く面に設けられている。
【0013】
本発明いくつかの実施形態では、前記電池はコネクタをさらに含み、前記コネクタは、前記導電材、前記第1タブに電気的に接続されている。
【0014】
本発明いくつかの実施形態では、前記導電材の厚みは、0.01mm~2mmである。
【0015】
本発明いくつかの実施形態では、前記電池セルは、第1極片と、第2極片、および前記第1タブとは極性の異なる第2タブをさらに備え、前記第1タブは、前記第1極片に電気的に接続され、前記第2タブは、前記第2極片に電気的に接続され、前記第1極片及び第2極片は、折り畳まれ、又は巻回されることにより、前記電池セルが形成され、前記第1ハウジングの材質は、導電材料であり、前記第2タブは、前記第1ハウジングに電気的に接続されている。
【0016】
本発明いくつかの実施形態では、前記導電材料は、鋼合金、アルミニウム合金、鉄合金、銅合金、ニッケル合金、およびステンレス鋼の1種または2種以上である。
【0017】
本発明いくつかの実施形態では、前記導電材は、前記貫通孔を完全に覆っている。
【0018】
本発明いくつかの実施形態では、前記第1ハウジングおよび/または前記第2ハウジングは、前記取付部に接続された導電部をさらに備える。
【0019】
本発明いくつかの実施形態では、前記第1ハウジングおよび/または前記第2ハウジングの材質は、絶縁材料である。
【0020】
本発明に係る電気機器は、上記いずれか一項に記載の電池を含む。
【発明の効果】
【0021】
導電材を設け、前記第1タブと前記導電材とを電気的に接続することで、外部接続部材と前記導電材とを接続して第1タブの極性を引き出すことができる。また、第1ハウジングおよび/または第2ハウジングは、貫通孔が設けられた取付部を含み、取付部の材質は絶縁材料であり、導電材は、前記ハウジングアセンブリの内面又は外面に設けられ、貫通孔の貫通方向において、少なくとも導電材の投影の一部が、貫通孔内に位置するよ。このため、従来のポストの代わりに導電材を用いることができ、導電材と被搭載物(第1ハウジングまたは第2ハウジング)との間に絶縁部材を配置する必要もない。従来のポストを設けることにより、ハウジングアセンブリを別途4層厚くする必要がある場合と比較して、本発明のハウジングアセンブリは、導電材の厚さを増加させるだけでよく、即ち前記ハウジングアセンブリの厚さを減少させることにより、電池の全体体積が同じ場合には、前記電池のエネルギー密度の向上に寄与する。また、本願におけるポストなし設計の電池によれば、ポストによる電池内部への押圧による短絡や液漏れのリスクを効果的に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施形態に係る電池の断面模式図である。
【
図2】
図1に示すハウジングアセンブリおよび導電材の断面模式図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るハウジングアセンブリおよび導電材の断面模式図である。
【
図4】本発明の他の実施形態に係るハウジングアセンブリおよび導電材の断面模式図である。
【
図5】本発明の更に他の実施形態に係るハウジングアセンブリおよび導電材の断面模式図である。
【
図6】本発明の更に他の実施形態に係るハウジングアセンブリおよび導電材の断面模式図である。
【
図7】本発明の更に他の実施形態に係るハウジングアセンブリおよび導電材の断面模式図である。
【
図8】本発明の更に他の実施形態に係るハウジングアセンブリおよび導電材の断面模式図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係るハウジングアセンブリ、導電材、トランスファ及び接着材の導電およびの断面模式図である。
【
図10】本発明他の実施形態の電池の断面模式図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係る電気機器のブロック概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
上述した図面を併せて、以下の具体的実施形態に本願の発明を説明する。
以下では、本発明の実施形態の図面に関連して、本発明の実施形態における技術的な態様を明確にし、完全に説明するが、説明した実施形態は、全ての実施形態ではなく、本発明の一部の実施形態のみであることは明らかである。
【0024】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術及び科学用語は、本発明の技術分野に属する技術者が一般に理解する意味と同じである。本明細書では、本明細書で使用される用語は、具体的な実施形態を説明する目的だけであり、本発明を限定することを意味するものではない。
【0025】
以下、図面に関連して、本発明の幾つかの実施形態を詳細に説明する。衝突がない場合には、以下の実施形態及び実施形態における特徴は互いに組み合わされてもよい。
【0026】
図1を参照して、本発明は、電池100を提供する。前記電池100は、電池セル10、ハウジングアセンブリ20を備える。前記電池セル10は、第1タブ101を含む。前記ハウジングアセンブリ20は、第1ハウジング21、第2ハウジング22を含む。前記第1ハウジング21及び第2ハウジング22は、前記電池セル10を収容するための収容空間210を規定する。第1ハウジング21および/または第2ハウジング22は、貫通孔201が設けられた取付部(符号なし)を含み、取付部の材質は、絶縁材料である。前記電池100は、第1タブ101に電気的に接続された導電材30をさらに備える。前記導電材30は、前記ハウジングアセンブリ20の内面又は外面に設けられ、貫通孔201の貫通方向において、少なくとも導電材30の投影の一部が、貫通孔201内に位置される。本実施形態では、前記導電材30は、前記電池セル10が前記ハウジングアセンブリ20内に封止されるように、前記貫通孔201を完全に覆っている。ここで、前記貫通孔201が絶縁材料である取付部に位置することにより、前記導電材30は、前記ハウジングアセンブリ20の内面又は外面に設けられ、前記貫通孔201の貫通方向において、少なくとも導電材30の投影の一部が貫通孔201内に位置するときに、導電材30と第1ハウジング21又は第2ハウジング22との間の電気的な絶縁を実現する。
【0027】
一実施形態において、第2ハウジング22の材料が絶縁材質であると、貫通孔201が設けられた取付部は、第2ハウジング22の一部の領域に属する。当然ながら、第2ハウジングは、絶縁材質の取り付け部と導電材質の導電部とが複合されて形成されても良く、例えば、第2ハウジング22は、蓋体であり、蓋体は、中心に位置する取り付け部と、この取り付け部を囲む導電材質の導電部とを含む。貫通孔201は、第1ハウジング21に設けられてもよいし、第1ハウジング21の底壁211または側壁212に設けられていてもよいし、第1ハウジング21の底壁211または側壁212の材質が絶縁材質であってもよいし、絶縁材質の取付部と導電材質の導電部とが複合して形成されてもよい。貫通孔201は、第1ハウジング21に設けられていてもよく、第1ハウジング21の底壁211または側壁212に設けられていてもよく、第1ハウジング21の底壁211または側壁212の材質が絶縁材質であってもよいし、絶縁材質の取付部と導電材質の導電部とが複合していてもよい。
【0028】
一実施形態では、前記導電材30は、前記貫通孔201の一部を覆うものであり、これにより、別の封止材により前記電池セル10を前記ハウジングアセンブリ20内に封止する必要がある。当然ながら、導電材30は、貫通孔201の全体を覆ってもよい。
【0029】
本発明は、導電材30を設け、第1タブ101と導電材30とを電気的に接続することで、外部の電気的な接続体が導電材30に接続して第1タブ101の極性を引き出す。このため、従来のポストの代わりに、導電材30を用いてもよい。従来のポストを設けることにより、ハウジングアセンブリを別途4層分に厚くする場合と比較して、本発明のハウジングアセンブリ20には、導電材30の厚さのみを増加させるだけでよいし、即ち前記ハウジングアセンブリ20の厚さを減少して電池100の全体の体積が同じ場合には、前記電池100のエネルギー密度の向上に寄与する。一方、押圧試験時に前記ポストが電池100の極片に突き刺されることを回避し、短絡リスクを回避することができる。なお、本実施例では、電池セル10は積層の電池セルであり、他の実施例では、電池セルは、電池セルを巻回していてもよいし、ここでは説明を省略する。
図2を参照して、前記第1ハウジング21は、底壁211及び側壁212を含む。前記側壁212は、前記底壁211の周縁に設けられ、前記底壁211とともに前記収容空間210を形成する。貫通孔201は、底壁211、側壁212又は第2ハウジング22(
図1~
図10参照)に位置する。前記側壁212は、前記底壁211に対して背向する第1面2121を含む。
【0030】
一実施形態では、
図2に示すように、前記第1ハウジング21は、第1凸部213をさらに含む。前記第1凸部213は、前記第1面2121に(から?)突出し、前記第1面2121とともに収容溝214を形成する。前記第2ハウジング22は第1面2121に設けられ、前記第2ハウジング22の縁は前記収容溝214内に収容されている。ここで、前記第2ハウジング22は、前記第1ハウジング21に溶着または接着シールにより固定されており、これにより、第1ハウジング21と第2ハウジング22とをレーザー溶着による電池100の内部セパレータフィルム(図示せず)の収縮の問題(ハウジングアセンブリ20内部でセパレータフィルムがハウジングアセンブリ20のシール領域に比較的近づき、両ハウジングを溶着するシール方法であれば、途中の高温でセパレータフィルムの収縮が起こり、正負極タブの接触短絡が生じる)を回避でき、加工コストを低減する。
【0031】
他の実施形態では、
図3に示されるように、前記第1ハウジング21は、第2凸部215をさらに含む。前記第2凸部215は、第1凸部213における第1面2121から遠い方の端部により、前記電池100の中心軸Z方向に向けて水平に延びて形成されている。前記第2凸部215と前記第1凸部213とは、前記第1面2121とともに前記収容溝214を形成する。また、前記第2凸部215は、前記第2ハウジング22の前記電池セル10に対して背向する面に接続されてもよい。ここで、前記第2凸部215が設けられているため、前記第1ハウジング21と第2ハウジング22との間の接続をさらに補強して、前記ハウジングアセンブリ20の封止の信頼性を確保する。前記第2凸部215は、前記底壁211と平行である。
【0032】
前記第1ハウジング21の材質は、絶縁材料又は導電材料であってもよい。前記第1ハウジング21の厚みは、0.05~2mmである。あるいは、前記第1ハウジング21の厚さは、0.2mmである。
【0033】
前記第2ハウジング22の材質は、絶縁材料又は導電材料であってもよい。前記第2ハウジング22の厚みは、0.05~2mmである。あるいは、前記第1ハウジング21の厚さは、0.15mmである。
【0034】
ここで、前記絶縁材料は、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエステル(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリイミド(PI)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA)及びセラミックのうちの少なくとも1種に限定されない。前記導電材料は、鋼合金、アルミニウム合金、鉄合金、銅合金、ニッケル合金およびステンレスのうちの少なくとも1種に限定されない。
【0035】
前記導電材30は、前記第2ハウジング22に接着又は嵌まる。
【0036】
一実施形態では、図6~図8を参照して、前記導電材30は、前記第2ハウジング22の前記電池セル10対して背向する面、又は前記底壁211の前記電池セル10対して背向する面、又は前記側壁212の前記電池セル10対して背向する面に設けられている。つまり、前記導電材30は、前記ハウジングアセンブリ20の外に位置し、直接に外部接続用のポートとして使用できる。ここで、前記電池100は、通常動作時に前記ハウジングアセンブリ20の内部にガスが発生し、内部圧力が増大させる。内部圧力が所定値を超える場合、前記導電材30は、押し開かれかつ前記ハウジングアセンブリ20から分離され、圧力解放の目的を達成する、前記電池100の爆発を防止し、前記電池100の安全性を保証する役割を果たす。また、前記第1タブ101は、前記貫通孔201を介して前記導電材30に電気的に接続され、外部接続部材は、前記導電材30に接続されたことにより、前記第1タブ101の極性を前記ハウジングアセンブリに引き出す。
【0037】
また、他の実施形態では、図2~図5において、前記導電材30は、前記第2ハウジング22における、前記電池セル10側を向く面、または、前記底壁211における前記電池セル10側を向く面、または、前記側壁212における前記電池セル10側を向く面に設けられている。すなわち、前記導電材30は、前記ハウジングアセンブリ20内に位置している。これにより、前記ハウジングアセンブリ20の外形全体を平らにして、前記電池100の外形を規則的にし、前記導電材30と前記ハウジングアセンブリ20の天面との段差を設けることで、外短絡の発生を回避する。また、外部接続部材は、前記貫通孔201を介して前記導電材30を接続することにより、前記第1タブ101の極性を前記ハウジングアセンブリ20に引き出すことができる。
【0038】
図1を参照して、前記電池100は、さらにコネクタ31を含む。前記コネクタ31は、前記導電材30、複数の前記第1タブ101に電気的に接続されている。このように、複数の第1タブ101が、前記コネクタ31を介して前記導電材30に電気的に接続され、前記導電材30を介して前記ハウジングアセンブリが引き出される。本実施形態では、前記コネクタ31は、前記ハウジングアセンブリ20内に位置している。他の実施例では、電池セルが巻芯であってもよく、巻芯に1つの第1タブのみが設けられているが、コネクタ31を必要とせず、第1タブ101が導電材を直接電気的に接続する。
【0039】
図9を参照して、前記電池100は、外付部材40をさらに備える。前記外付部材40は、前記導電材30の前記電池セル10に対して背向する面に設けられている。前記外付部材40は、前記導電材30に溶接され、前記導電材30との電気的接続を実現する。このように、前記外付部材40を設けることにより、前記第1タブ101の極性が前記ハウジングアセンブリ20を引き出すことができる。
【0040】
具体的には、
図9に示されるように、前記外付部材40は、第1外付部材401と、第2外付部材402と、前記第1外付部材401と前記第2外付部材402との間に接続される第3外付部材403とを備える。前記第1外付部材401および前記第2外付部材402は、前記第2ハウジング22の前記電池セル10に対して背向する面に設けられている。第3外付部材403は、前記導電材30の前記電池セル10に対して背向する面に設けられている。前記第3外付部材403は、前記導電材30に溶接される。
【0041】
一実施形態では、前記外付部材40は、前記第2ハウジング22に溶着により固定されてもよい。
【0042】
また、
図9に示されるように、前記電池100は、接着材50をさらに備える。前記接着材50は、前記第1外付部材401と前記第2ハウジング22との間、および/または前記第2外付部材402と前記第2ハウジング22との間に設けられている。
【0043】
本実施の形態において、前記導電材30の材質は金属であってもよい。例えば、前記導電材30の材質は、鋼合金、アルミニウム合金、鉄合金、銅合金、ニッケル合金等であってもよい。あるいは、前記導電材30の材質はステンレスである。ここで、前記導電材30の厚みは、0.01mm~2mmである。あるいは、導電材30の厚みは、0.15であってもよい。
【0044】
前記導電材30の形状は、円形、方形、楕円形、三角形、多角形等の形状であってもよい。前記貫通孔201の形状は、円形、方形、楕円形、三角形、多角形等の形状であってもよい。前記導電材30の形状は、前記貫通孔201の形状と同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0045】
図1および
図10を参照すると、前記電池セル10は、前記第1タブ101とは極性の異なる第2タブ102をさらに備える。前記第1ハウジング21の材質が導電材である場合、前記第2タブ102は、前記第1ハウジング21と電気的に接続され、前記第1ハウジング21は、前記第2タブ102と同じ電極性を呈する。
前記第1タブ101が前記導電材30と電気的に接続されているため、前記導電材30は、前記第1タブ101と同じ電極性を呈する。前記導電材30と第2ハウジング22とは電気的に絶縁されているので、前記導電材30と第1ハウジング21とは逆の電極性を呈する。
【0046】
本実施形態では、前記第1タブ101は正極タブであり、前記第2タブ102は負極タブである。ここで、前記第2タブ102は、溶接処理により前記第1ハウジング21に電気的に接続され、前記第1タブ101は、溶接処理により前記導電材30に電気的に接続されていてもよい。
【0047】
図1および
図10を参照すると、前記電池セル10は、第1極片11および第2極片12をさらに備える。前記第1タブ101は、前記第1極片11に電気的に接続されている。前記第2タブ102は、前記第2極片12に電気的に接続されている。前記第1極片11及び第2極片12は、折り畳まれ、又は巻回されることにより、前記電池セル10を形成する。具体的には、前記第1極片11は、第1集電体と、前記第1集電体上に形成された第1活物質層とを備える。前記第2極片12は、第2集電体と、前記第2集電体上に形成された第2活物質層とを備える。前記第1タブ101および前記第2タブ102は、それぞれ、溶接により、前記第1集電体および前記第2集電体と電気的に接続されていてもよい。前記第1極片11及び第2極片12は、折り畳まれ、又は巻回されることにより、前記電池セル10を形成する。より具体的には、前記第1極片11と前記第2極片12との間にさらにセパレータ(図示せず)を設けてもよい。
【0048】
図11を参照すると、電気機器1は、上述した電池100を備える。なお、前記電気機器1は、スマートフォン等の消費型の電子製品であってもよい。他の実施形態では、前記電気機器1は、電動工具、エネルギー貯蔵装置、動力装置などであると理解できる。例えば、前記電気機器1は、電気自動車であってもよい。
【0049】
以下、本実施例に係る電池100について、より具体的に説明する。
【0050】
実施例1
図1を参照すると、前記電池100は、電池セル10と、前記電池セル10を収容するハウジングアセンブリ20と導電材30と、を備える。
【0051】
図1を参照すると、前記電池セル10は、第1極片11と、第2極片12と、第1タブ101と、第2タブ102とを備える。前記第1極片11と、前記第2極片12とは折り畳まれて前記電池セル10を形成する。第1タブ101は、第1極片11と電気的に接続され、第2タブ102は、第2極片12と電気的に接続されている。他の実施形態では、
図10を参照すると、前記電池セル10は、前記第1極片11及び前記第2極片12を巻回することによって形成され得る。
【0052】
図1を参照すると、前記ハウジングアセンブリ20は、第1ハウジング21及び第2ハウジング22を備える。ここで、前記第2ハウジング22の材質は絶縁材料である。
【0053】
図2を参照すると、前記第1ハウジング21は、底壁211と、側壁212と、第1凸部213と、を備える。前記側壁212は、前記底壁211の周縁に設けられ、前記底壁211とともに前記収容空間210を形成する。前記電池セル10は、前記収容空間210に収容されている。前記第2タブ102は、前記第1ハウジング21にも電気的に接続されている。
【0054】
図2を参照すると、前記第1凸部213は、前記第1面2121から突出し、且つ前記第1面2121とともに収容溝214を形成する。前記第2ハウジング22は第1面2121に設けられ、前記第2ハウジング22の縁は前記収容溝214内に収容されている。
【0055】
図1及び
図2を参照すると、前記第2ハウジング22には貫通孔201が設けられている。前記導電材30は、前記第2ハウジング22における前記電池セル10側の面に設けられ、前記貫通孔201を完全に覆うことにより、前記電池セル10を前記ハウジングアセンブリ20内に封止する。ここで、前記導電材30は、第1タブ101と電気的に接続されている。
【0056】
実施例1において、前記電池100は、ボタン電池である。
【0057】
実施例2
実施例2は、第1ハウジング21の構成が、実施例1と異なる。
【0058】
実施例2の第1ハウジング21は、実施例1と比較して、
図3を参照して、第2凸部215をさらに備える。前記第2凸部215は、第1凸部213における第1面2121から遠い方の端部が電池100の中心軸Z方向に向けて水平に延びて形成されている。前記第2凸部215と、第1凸部213と、前記第1面2121は、ともに前記収容溝214を形成する。なお、前記第2凸部215は、前記第2ハウジング22における前記電池セル10とは反対側の面に接続されていてもよい。前記第2凸部215は、前記底壁211と平行である。
【0059】
実施例3
実施例3は、貫通孔201および導電材30が設けられている位置が、実施例1と異なる。
【0060】
実施例3では、
図4を参照すると、貫通孔201が底壁211に位置している。ここで、前記第1ハウジング21の材質は、絶縁材料である。前記導電材30は、前記底壁211における前記電池セル10に対向する面に設けられ、前記貫通孔201を完全に覆う。
【0061】
実施例4
実施例4は、貫通孔201および導電材30が設けられている位置が、実施例3と異なる。
【0062】
実施例4では、
図5を参照すると、貫通孔201が側壁212に位置している。前記導電材30は、前記側壁212における前記電池セル10に対向する面に設けられ、前記貫通孔201を完全に覆う。
【0063】
実施例5
実施例5は、導電材30が設けられている位置が、実施例1と異なる。
【0064】
実施例5では、
図6を参照すると、前記導電材30は、前記第2ハウジング22における前記電池セル10とは反対側の面に設けられ、前記貫通孔201を完全に覆う。
【0065】
実施例6
実施例6は、導電材30が設けられている位置が、実施例3と異なる。
【0066】
実施例6では、
図7を参照すると、前記導電材30は、前記底壁211における前記電池セル10とは反対側の面に設けられ、前記貫通孔201を完全に覆う。
【0067】
実施例7
実施例7は、導電材30が設けられている位置が、実施例4と異なる。
【0068】
実施例7では、
図8を参照すると、前記導電材30は、前記側壁212における前記電池セル10とは反対側の面に設けられ、前記貫通孔201を完全に覆う。
【0069】
実施例8
実施例8は、実施例8に係る電池100は、さらに、外付部材40と、接着材50とを備える点が、実施例1と異なる。
【0070】
実施例8では、
図9を参照すると、前記外付部材40は、第1外付部材401と、第2外付部材402と、前記第1外付部材401と前記第2外付部材402との間に接続される第3外付部材403とを備える。前記第1外付部材401および前記第2外付部材402は、前記第2ハウジング22における前記電池セル10に対して背向する面に設けられている。ここで、前記第3外付部材403は、前記導電材30に溶接される。前記接着材50は、前記第1外付部材401と前記第2ハウジング22との間、及び前記第2外付部材402と前記第2ハウジング22との間に設けられている。
【0071】
以上は、本発明の好ましい実施の形態のみであり、本発明を限定するものではなく、本発明の精神及び原則の内のいずれの修正や、置き換え及び改良なども本出願の保護範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0072】
電気機器 1
電池 100
電池セル 10
第1タブ 101
第2タブ 102
第1極片 11
第2極片 12
ハウジングアセンブリ20
貫通孔201
第1ハウジング21
収容空間210
底壁211
側壁212
第1面2121
第1凸部213
収容溝214
第2凸部215
第2ハウジング22
導電材30
コネクタ31
外付部材40
第1外付部材401
第2外付部材402
第3外付部材403
接着材50
中心軸Z