(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】部品管理装置および部品管理方法
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20231003BHJP
【FI】
H05K13/02 Z
(21)【出願番号】P 2021560833
(86)(22)【出願日】2019-11-27
(86)【国際出願番号】 JP2019046460
(87)【国際公開番号】W WO2021106119
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】弁理士法人 共立特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 浩二
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特許第4789857(JP,B2)
【文献】特開2017-224720(JP,A)
【文献】特開2009-010428(JP,A)
【文献】特許第7300593(JP,B2)
【文献】特許第4180381(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に装着する部品を収容しているキャビティを複数備えるキャリアテープから前記部品が順に供給されるときに、当該部品が収容されている前記キャビティの位置情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記キャビティの位置情報、および、前記キャリアテープが巻回されているリールを識別する識別情報を関連付けて記憶装置に記憶させる記憶部と、
を備え
、
前記記憶部は、前記部品の装着に使用された機器である装着ヘッドもしくは保持部材に関する機器情報、前記部品が前記保持部材によって採取され保持されているときの前記部品の保持状態に関する保持情報、および、前記部品が前記保持部材によって前記基板に装着されたときの前記部品の装着状態に関する装着情報のうちの少なくとも一つを、前記キャビティの位置情報および前記リールの識別情報と関連付けて前記記憶装置に記憶させる部品管理装置。
【請求項2】
前記取得部は、前記キャリアテープにおける前記部品の初期収容数と、前記キャリアテープに残存している前記部品の残存数とに基づいて、前記キャリアテープにおける前記キャビティの位置情報を取得する請求項1に記載の部品管理装置。
【請求項3】
前記取得部は、前記キャリアテープから前記部品を供給した前記部品の供給数に基づいて、前記キャリアテープにおける前記キャビティの位置情報を取得する請求項1に記載の部品管理装置。
【請求項4】
基板に装着する部品を収容しているキャビティを複数備えるキャリアテープから前記部品が順に供給されるときに、当該部品が収容されている前記キャビティの位置情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記キャビティの位置情報、および、前記キャリアテープが巻回されているリールを識別する識別情報を関連付けて記憶装置に記憶させる記憶部と、
を備え、
前記キャリアテープは、ウエハに配列されていた前記部品であるウエハ部品を収容し、
前記記憶部は、前記ウエハにおける前記ウエハ部品の配列情報と、前記キャリアテープにおいて前記ウエハ部品が収容されている前記キャビティの位置情報とを、前記部品を供給する前に予め関連付けて前記記憶装置に記憶させてお
く部品管理装置。
【請求項5】
前記ウエハ部品は、複数の前記キャリアテープにおいて前記ウエハにおける配列順序で収容されており、
前記記憶部は、前記ウエハを識別する識別情報と、前記キャリアテープが巻回されている複数の前記リールを識別する識別情報と、各前記キャリアテープに収容されている所定の前記ウエハ部品の前記ウエハにおける前記配列順序を含む前記配列情報とを、前記部品を供給する前に予め関連付けて前記記憶装置に記憶させておく請求項
4に記載の部品管理装置。
【請求項6】
前記キャリアテープは、前記ウエハに含まれる不良の前記ウエハ部品、品質が所定ランク以下の前記ウエハ部品、および、前記ウエハの基準位置を示す基準部材のうちの少なくとも一つである特定部材を収容予定の前記キャビティである特定キャビティに、前記ウエハにおける配列順序が前記特定部材より後続の前記ウエハ部品が繰り上げて収容されており、
前記記憶部は、前記特定キャビティの位置および個数を含む特定キャビティ情報を、前記部品を供給する前に予め前記記憶装置に記憶させておく請求項
4または請求項
5に記載の部品管理装置。
【請求項7】
前記キャリアテープは、前記ウエハに含まれる不良の前記ウエハ部品、品質が所定ランク以下の前記ウエハ部品、および、前記ウエハの基準位置を示す基準部材のうちの少なくとも一つである特定部材を収容予定の前記キャビティである特定キャビティが空キャビティに設定されており、
前記記憶部は、前記空キャビティの位置および個数を含む空キャビティ情報を、前記部品を供給する前に予め前記記憶装置に記憶させておく請求項
4または請求項
5に記載の部品管理装置。
【請求項8】
前記キャリアテープは、前記ウエハ部品を収容予定の所定の前記キャビティが空キャビティに設定されており、
前記記憶部は、前記空キャビティの位置および個数を含む空キャビティ情報を、前記部品を供給する前に予め前記記憶装置に記憶させておく請求項
4または請求項
5に記載の部品管理装置。
【請求項9】
前記キャリアテープをピッチ送りして前記部品を順に供給する部品供給装置が前記部品を供給しているときに検出された前記空キャビティ情報と、前記記憶装置に記憶されている前記空キャビティ情報とが一致するか否かを判別する判別部をさらに備える請求項
7または請求項
8に記載の部品管理装置。
【請求項10】
前記判別部は、前記空キャビティ情報が一致するときに、前記部品供給装置による前記部品の供給を継続させ、前記空キャビティ情報が一致しないときに、前記部品供給装置による前記部品の供給を停止させる請求項
9に記載の部品管理装置。
【請求項11】
基板に装着する部品を収容しているキャビティを複数備えるキャリアテープから前記部品が順に供給されるときに、当該部品が収容されている前記キャビティの位置情報を取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得された前記キャビティの位置情報、および、前記キャリアテープが巻回されているリールを識別する識別情報を関連付けて記憶装置に記憶させる記憶工程と、
を備え
、
前記記憶工程は、前記部品の装着に使用された機器である装着ヘッドもしくは保持部材に関する機器情報、前記部品が前記保持部材によって採取され保持されているときの前記部品の保持状態に関する保持情報、および、前記部品が前記保持部材によって前記基板に装着されたときの前記部品の装着状態に関する装着情報のうちの少なくとも一つを、前記キャビティの位置情報および前記リールの識別情報と関連付けて前記記憶装置に記憶させる部品管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、部品管理装置および部品管理方法に関する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の情報管理装置は、採取元情報取得手段と、実装先情報取得手段と、記憶手段とを備えている。採取元情報取得手段は、ウエハを識別するための識別情報と、ウエハにおける部品の採取位置に関する採取位置情報とを含む採取元情報を取得する。実装先情報取得手段は、基材を識別するための識別情報と、基材における部品の実装位置に関する実装位置情報とを含む実装先情報を取得する。記憶手段は、部品が基材に実装されるときに、実装された実装部品の採取元情報と、実装部品の実装先情報とを関連付けた実装実績情報を記憶する。
【0003】
特許文献2に記載の電子部品搬送装置は、搬送経路を形成する搬送テーブルと、電子部品の収容体を保持する収容体保持手段と、搬送経路内の電子部品を観察する観察手段と、搬送テーブルの周囲に配置される複数のキャリアテープ走行装置とを備えている。なお、収容体保持手段は、電子部品をアレイ状に並べたウエハリングを保持するウエハリング保持部、または、平面を格子状に仕切って電子部品をアレイ状に並べたトレイを保持するトレイ保持部である。
【0004】
また、特許文献2に記載の電子部品搬送装置は、ウエハリングの各電子部品を良品または良品以外に分類する。良品用のキャリアテープ走行装置は、キャリアテープをリールの搬送方向に走行させながら、キャリアテープのポケットに電子部品を収納し、シールテープで封止する。リールは、シールテープで封止されたキャリアテープを巻き取る。良品の電子部品のキャリアテープへの梱包が完了すると、良品以外と分類された電子部品は、再検査される。再検査では、観測装置で得られたデータを作業員がチェックして、良品以外と分類された電子部品を、良品と良品以外に再判定し直す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-056306号公報
【文献】特開2016-100394号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
部品の供給方法には、特許文献1に記載の発明のようにウエハから部品を供給するウエハ供給と、リールから部品を供給するリール供給とが含まれる。また、特許文献2に記載の発明のように、ウエハに配列されていた部品をリールに移して、リール供給を行うことも知られている。従来、リール供給では、リール単位で供給する部品の管理が行われており、トレーサビリティ情報として十分ではなかった。具体的には、トレース対象の部品を収容するリールから供給されたすべての部品についてトレースする必要があり、トレース作業が煩雑であった。
【0007】
このような事情に鑑みて、本明細書は、キャリアテープから部品が順に供給されるリール供給部品について、トレーサビリティを向上可能な部品管理装置および部品管理方法を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書は、取得部と、記憶部とを備える部品管理装置を開示する。前記取得部は、基板に装着する部品を収容しているキャビティを複数備えるキャリアテープから前記部品が順に供給されるときに、当該部品が収容されている前記キャビティの位置情報を取得する。前記記憶部は、前記取得部によって取得された前記キャビティの位置情報、および、前記キャリアテープが巻回されているリールを識別する識別情報を関連付けて記憶装置に記憶させる。
【0009】
また、本明細書は、取得工程と、記憶工程とを備える部品管理方法を開示する。前記取得工程は、基板に装着する部品を収容しているキャビティを複数備えるキャリアテープから前記部品が順に供給されるときに、当該部品が収容されている前記キャビティの位置情報を取得する。前記記憶工程は、前記取得工程によって取得された前記キャビティの位置情報、および、前記キャリアテープが巻回されているリールを識別する識別情報を関連付けて記憶装置に記憶させる。
【発明の効果】
【0010】
上記の部品管理装置によれば、取得部と、記憶部とを備えている。これにより、部品管理装置は、供給された部品が収容されていたキャビティの位置情報と、リールを識別する識別情報とを関連付けて記憶装置に記憶させることができる。よって、部品管理装置の利用者は、リールのキャリアテープから供給した部品の中から、キャビティの位置情報に基づいてトレース対象の部品を絞り込むことが容易であり、トレーサビリティが向上する。部品管理装置について上述されていることは、部品管理方法についても同様に言える。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】部品管理装置の制御ブロックの一例を示すブロック図である。
【
図3】部品管理装置の制御手順の一例を示すフローチャートである。
【
図5】記憶装置が記憶する情報の一例を示す模式図である。
【
図8】記憶装置が記憶する情報の他の一例を示す模式図である。
【
図9】キャビティ、特定キャビティおよび空キャビティの一例を示すキャリアテープの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
1.実施形態
1-1.部品装着機10の構成例
図1に示すように、部品装着機10は、基板搬送装置11、部品供給装置12、部品移載装置13、部品カメラ14、基板カメラ15および制御装置16を備えている。基板搬送装置11は、ベルトコンベアなどにより構成され、基板90を搬送方向(X軸方向)に搬送する。基板90は、回路基板であり、電子回路および電気回路のうちの少なくとも一方を形成する。基板搬送装置11は、部品装着機10の機内に基板90を搬入するとともに、機内の所定位置に基板90を位置決めする。基板搬送装置11は、部品装着機10による部品91の装着処理が終了した後に、基板90を部品装着機10の機外に搬出する。
【0013】
部品供給装置12は、基板90に装着する部品91を順に供給する。具体的には、部品供給装置12は、基板90の搬送方向(X軸方向)に沿って設けられる複数のフィーダ121を備えている。複数のフィーダ121の各々は、リールRL0を備えており、リールRL0には、キャリアテープ80が巻回されている。フィーダ121は、複数の部品91が収容されているキャリアテープ80をピッチ送りさせて、フィーダ121の先端側に設けられる採取位置PP1において、部品91を採取可能に供給する。
【0014】
部品移載装置13は、ヘッド駆動装置131および移動台132を備えている。ヘッド駆動装置131は、直動機構により移動台132を、X軸方向およびY軸方向に移動可能に構成されている。移動台132には、クランプ部材により装着ヘッド20が着脱可能に(交換可能に)設けられている。装着ヘッド20は、少なくとも一つの保持部材30を用いて、部品供給装置12によって供給された部品91を採取し保持して、基板搬送装置11によって位置決めされた基板90に部品91を装着する。保持部材30は、例えば、吸着ノズル、チャックなどを用いることができる。
【0015】
部品カメラ14および基板カメラ15は、公知の撮像装置を用いることができる。部品カメラ14は、光軸がZ軸方向の上向き(鉛直上方方向)になるように、部品装着機10の基台に固定されている。部品カメラ14は、保持部材30に保持されている部品91を下方から撮像することができる。基板カメラ15は、光軸がZ軸方向の下向き(鉛直下方方向)になるように、部品移載装置13の移動台132に設けられている。基板カメラ15は、基板90を上方から撮像することができる。
【0016】
また、基板カメラ15は、部品91の採取位置PP1において、部品91を上方から撮像することもできる。部品カメラ14および基板カメラ15は、制御装置16から送出される制御信号に基づいて撮像を行う。部品カメラ14および基板カメラ15によって撮像された画像データは、制御装置16に送信される。
【0017】
制御装置16は、公知の演算装置および記憶装置DS0を備えており、制御回路が構成されている。制御装置16には、部品装着機10に設けられる各種センサから出力される情報、画像データなどが入力される。制御装置16は、制御プログラムおよび予め設定されている所定の装着条件などに基づいて、各装置に対して制御信号を送出する。
【0018】
例えば、制御装置16は、基板搬送装置11によって位置決めされた基板90を基板カメラ15に撮像させる。制御装置16は、基板カメラ15によって撮像された画像を画像処理して、基板90の位置決め状態を認識する。また、制御装置16は、部品供給装置12によって供給された部品91を保持部材30に採取させ保持させて、保持部材30に保持されている部品91を部品カメラ14に撮像させる。制御装置16は、部品カメラ14によって撮像された画像を画像処理して、部品91の適否、部品91の保持姿勢を認識する。
【0019】
制御装置16は、制御プログラムなどによって予め設定される装着予定位置の上方に向かって、保持部材30を移動させる。また、制御装置16は、基板90の位置決め状態、部品91の保持姿勢などに基づいて、装着予定位置を補正して、実際に部品91を装着する装着位置を設定する。装着予定位置および装着位置は、位置(X座標およびY座標)の他に回転角度を含む。
【0020】
制御装置16は、装着位置に合わせて、保持部材30の目標位置(X座標およびY座標)および回転角度を補正する。制御装置16は、補正された目標位置において補正された回転角度で保持部材30を下降させて、基板90に部品91を装着する。制御装置16は、上記のピックアンドプレースサイクルを繰り返すことによって、基板90に複数の部品91を装着する装着処理を実行する。
【0021】
1-2.部品管理装置40の構成例
図2に示すように、本実施形態の部品管理装置40は、部品装着機10の制御装置16に設けられている。部品管理装置40は、例えば、複数の部品装着機10を備える基板生産ラインを管理するライン管理装置、複数の基板生産ラインを管理するホストコンピュータ、クラウド上などに形成することもできる。
【0022】
また、部品管理装置40は、制御ブロックとして捉えると、取得部41と、記憶部42とを備えている。部品管理装置40は、判別部43をさらに備えることもできる。
図2に示すように、本実施形態の部品管理装置40は、取得部41と、記憶部42と、判別部43とを備えている。さらに、部品管理装置40は、
図3に示すフローチャートに従って、制御プログラムを実行する。取得部41は、ステップS11に示す処理を行う。記憶部42は、ステップS12およびステップS13に示す処理を行う。判別部43は、ステップS14~ステップS16に示す判断および処理を行う。
【0023】
1-2-1.取得部41
取得部41は、基板90に装着する部品91を収容しているキャビティ81を複数備えるキャリアテープ80から部品91が順に供給されるときに、当該部品91が収容されているキャビティ81の位置情報を取得する(
図3に示すステップS11)。
【0024】
図4に示すように、キャリアテープ80は、複数のキャビティ81と、複数の送り孔82と、カバーテープ83とを備えている。複数のキャビティ81の各々は、部品91を収容している。複数の送り孔82は、キャリアテープ80の搬送方向(キャリアテープ80の長手方向)において、所定の間隔で形成されている。キャリアテープ80は、上面にカバーテープ83が接着されており、複数のキャビティ81の各々の開口部が閉塞されている。
【0025】
図1および
図4に示す採取位置PP1まで搬送されたキャリアテープ80は、保持部材30が部品91を採取可能にカバーテープ83が剥離される。具体的には、フィーダ121は、キャリアテープ80を搬送しつつ、カバーテープ83を剥離して、採取位置PP1において複数のキャビティ81を順に位置決めする。これにより、採取位置PP1に位置決めされたキャビティ81に収容されている部品91が保持部材30によって採取可能になり、当該部品91が供給可能になる。
【0026】
複数のキャビティ81は、キャリアテープ80の搬送方向において、所定の間隔で形成されている。キャビティ81の間隔T1は、収容する部品91の寸法などに応じて適宜設定される。
図4に示すように、本実施形態では、キャビティ81の間隔T1は、送り孔82の間隔T2の整数倍(同図では、二倍)に設定されている。フィーダ121がキャリアテープ80を所定量(同図の場合、送り孔82の間隔T2の二倍)、ピッチ送りするごとに、採取位置PP1にキャビティ81が位置決めされ部品91が一つ供給されて、キャリアテープ80に残存している部品91の残存数が一つ減少する。
【0027】
よって、取得部41は、キャリアテープ80から部品91を供給した部品91の供給数に基づいて、キャリアテープ80におけるキャビティ81の位置情報を取得することができる。部品91の供給数は、フィーダ121がキャリアテープ80をピッチ送りした送り量から取得することができる。例えば、キャリアテープ80の先頭(1番目)のキャビティ81が採取位置PP1に位置決めされ部品91が一つ供給されると、取得部41は、キャリアテープ80の先頭(1番目)のキャビティ81の位置を示す位置情報を取得する。
【0028】
フィーダ121がキャリアテープ80を上記所定量、ピッチ送りすると、キャリアテープ80の先頭から2番目のキャビティ81が採取位置PP1に位置決めされ部品91が一つ供給される。これにより、取得部41は、キャリアテープ80の先頭から2番目のキャビティ81の位置を示す位置情報を取得する。上述したことは、キャリアテープ80の先頭から3番目以降のキャビティ81の位置を示す位置情報についても、同様に言える。
【0029】
また、作業者は、キャリアテープ80が巻回されているリールRL0をフィーダ121に取り付けるときに、リールRL0に取り付けられている識別コードを読み取り装置を用いて読み取る。さらに、作業者は、フィーダ121を部品供給装置12のスロットに装備するときに、フィーダ121に取り付けられている識別コードを読み取り装置を用いて読み取る。
【0030】
フィーダ121は、スロットに装備されると、コネクタを介して部品装着機10から電力が供給され、部品装着機10との間で通信可能な状態になる。これにより、部品供給装置12のスロットと、当該スロットに装備されているフィーダ121の識別情報と、フィーダ121に取り付けられているリールRL0の識別情報とが関連付けられて、制御装置16の記憶装置DS0に記憶される。また、記憶装置DS0には、キャリアテープ80における部品91の初期収容数と、キャリアテープ80に残存している部品91の残存数とが記録される。
【0031】
そこで、取得部41は、キャリアテープ80における部品91の初期収容数と、キャリアテープ80に残存している部品91の残存数とに基づいて、キャリアテープ80におけるキャビティ81の位置情報を取得することもできる。例えば、部品91の初期収容数が5000点であり、部品91の残存数が5000点の場合、1(=5000-5000+1)点目の部品91の供給である。この場合、取得部41は、キャリアテープ80の先頭(1番目)のキャビティ81の位置を示す位置情報を取得する。
【0032】
部品91の初期収容数が5000点であり、部品91の残存数が4999点の場合、2(=5000-4999+1)点目の部品91の供給である。この場合、取得部41は、キャリアテープ80の先頭から2番目のキャビティ81の位置を示す位置情報を取得する。このように、部品91の初期収容数がNI0点であり、部品91の残存数がNR0点の場合、(NI0-NR0+1)点目の部品91の供給である。この場合、取得部41は、キャリアテープ80の先頭から(NI0-NR0+1)番目のキャビティ81の位置を示す位置情報を取得する。
【0033】
1-2-2.記憶部42
記憶部42は、取得部41によって取得されたキャビティ81の位置情報、および、キャリアテープ80が巻回されているリールRL0を識別する識別情報を関連付けて記憶装置DS0に記憶させる(
図3に示すステップS12)。
【0034】
既述したように、部品供給装置12のスロットと、当該スロットに装備されているフィーダ121の識別情報と、フィーダ121に取り付けられているリールRL0の識別情報とが関連付けられて、制御装置16の記憶装置DS0に記憶されている。よって、記憶部42は、取得部41によって取得されたキャビティ81の位置情報と、キャリアテープ80が巻回されているリールRL0を識別する識別情報とを関連付けて記憶装置DS0に記憶させることができる。
【0035】
また、記憶部42は、基板情報、機器情報、保持情報および装着情報のうちの少なくとも一つを、キャビティ81の位置情報およびリールRL0の識別情報と関連付けて記憶装置DS0に記憶させることができる(
図3に示すステップS13)。基板情報は、部品91が装着された基板90に関する情報をいう。例えば、基板情報には、基板90を識別する識別情報、基板90の種類、部品91が装着された装着位置を特定する情報(例えば、回路記号)などが含まれる。基板90の種類には、例えば、複数の基板90が分割可能に形成されている多面取り基板、基板90の表面および裏面のうちの一方の面のみに部品91が装着される片面装着基板、基板90の両面(表面および裏面)に部品91が装着される両面装着基板などが含まれる。
【0036】
機器情報は、部品91の装着に使用された機器DD0に関する情報をいう。例えば、機器DD0には、装着ヘッド20、保持部材30、フィーダ121などの部品装着機10に着脱可能に設けられる機器が含まれる。また、複数の部品装着機10を備える基板生産ラインでは、部品装着機10を識別する必要がある。この場合、機器DD0には、例えば、部品装着機10が含まれる。さらに、機器情報には、機器DD0を識別する識別情報、機器DD0の使用条件などが含まれる。
【0037】
保持情報は、部品91が保持部材30によって採取され保持されているときの部品91の保持状態に関する情報をいう。例えば、保持情報には、保持部材30によって採取され保持されている部品91の正規の保持位置に対するずれ量、正規の保持姿勢に対する回転角度、保持状態の判定結果、画像データの所在などが含まれる。保持状態の判定結果は、保持部材30によって採取され保持されている部品91の上記ずれ量および上記回転角度が許容範囲に含まれるか否かによって判定される。保持情報は、例えば、部品カメラ14によって撮像された画像を画像処理して取得することができる。
【0038】
装着情報は、部品91が保持部材30によって基板90に装着されたときの部品91の装着状態に関する情報をいう。例えば、装着情報には、基板90に装着された部品91の正規の装着位置に対するずれ量、正規の装着状態に対する回転角度、装着状態の判定結果、画像データの所在などが含まれる。装着状態の判定結果は、基板90に装着された部品91の上記ずれ量および上記回転角度が許容範囲に含まれるか否かによって判定される。装着情報は、例えば、基板90に装着された部品91を検査する外観検査機によって取得することができる。
【0039】
図5は、記憶装置DS0が記憶する情報の一例を模式的に示している。例えば、識別情報DID1のリールRL0に巻回されているキャリアテープ80のキャビティ81の位置情報は、キャリアテープ80の先頭から「1」、「2」、「3」で示されている。当該キャリアテープ80の先頭(1番目)のキャビティ81に収容されていた部品91は、識別情報BID1の基板90の回路記号R1で示される装着位置に装着されている。また、当該部品91は、ノズル番号NZ1で識別される保持部材30(吸着ノズル)によって採取(吸着)され保持されて基板90に装着されている。さらに、当該部品91の保持状態および装着状態の判定結果は、いずれも良好(OK)である。
【0040】
上述したことは、当該キャリアテープ80の先頭から2番目以降のキャビティ81に収容されていた部品91についても同様に言える。また、上述したことは、識別情報DID2のリールRL0に巻回されているキャリアテープ80に収容されていた部品91についても同様に言える。例えば、識別情報BID1の基板90の回路記号R10で示される装着位置に装着されている部品91は、保持状態および装着状態の判定結果が、いずれも不良(NG)である。
【0041】
リールRL0単位で供給する部品91の管理が行われ、部品91自体に不良の原因があると考えられる場合、作業者は、識別情報DID1のリールRL0に収容されているすべての部品91についてトレースする必要があり、トレース作業が煩雑である。これに対して、部品管理装置40の利用者は、
図5に示す情報に基づいて、判定結果が不良となった部品91が、識別情報DID1のリールRL0に巻回されているキャリアテープ80の先頭から2番目のキャビティ81に収容されていたことを知得することができる。
【0042】
よって、部品管理装置40の利用者は、識別情報DID1のリールRL0から供給した部品91の中から、キャビティ81の位置情報に基づいてトレース対象の部品91を絞り込むことが容易であり、トレーサビリティが向上する。また、例えば、判定結果が不良であった部品91が、キャリアテープ80の後尾側のキャビティ81に収容されていることが多いことが判明したとする。キャリアテープ80の後尾側のキャビティ81に収容されている部品91ほど、キャリアテープ80の使用を開始してからの経過時間が長くなる。
【0043】
そのため、部品91の不良の原因は、例えば、キャリアテープ80の保管状態の不良によるものと推定することができる。また、キャリアテープ80の後尾側のキャビティ81に収容されている部品91ほど、キャリアテープ80が巻回されているときのキャリアテープ80による圧力の影響を受け易い。そのため、部品91の不良の原因は、例えば、キャリアテープ80の巻回し状態の不良によるものと推定することもできる。
【0044】
部品91の供給方法には、ウエハWF0から部品91を供給するウエハ供給と、リールRL0から部品91を供給するリール供給とが含まれる。ウエハWF0は、製造工程上、部分的に不良となる箇所(洲)があり、所定の品質を満たさない箇所は、不良ダイ(Bad Die)として、マップで管理される。不良ダイは、事前に光学的検査などによって検知されるが、不良ダイと判定されなかったダイが後に不良ダイと判明する場合がある。このような検知漏れが生じた複数のダイについて、例えば、製造者がトレーサビリティ情報からウエハWF0における座標位置の分布を取得すると、当該ダイがウエハWF0の特定領域に集中している場合がある。この場合、製造者は、当該ダイを検知できるようにダイの良否を判定する判定条件を修正して、不良ダイの検知漏れの低減を図る。
【0045】
しかしながら、ウエハ供給に対応する部品供給装置は、リール供給に対応する部品供給装置12と比べて、一般に高価であり、供給可能な部品91の種類および供給数が少なく、部品91の補給作業も煩雑になり易い。そのため、ウエハWF0に配列されていた部品91をリールRL0に移して、リール供給を行うことが知られている。
【0046】
本実施形態のキャリアテープ80は、ウエハWF0に配列されていた部品91であるウエハ部品91Wを収容する。
図6に示すXW軸およびYW軸は、ウエハWF0における直交座標軸の一例を示している。ウエハ部品91Wは、例えば、直交座標軸の原点側の所定領域(配列順序が1)から、XW軸方向に所定数分、配列される。次に、ウエハ部品91Wは、当該所定領域よりYW軸の座標が一つ増加した領域から、XW軸方向に所定数分、配列される。ウエハWF0では、上述した配列が繰り返されており、上述した配列順序によって、ウエハWF0に配列されていた部品91(ウエハ部品91W)を特定することができる。
【0047】
図7に示すウエハ関連情報は、ウエハWF0の識別情報と、ウエハ部品91Wの配列情報(配列順序)と、ウエハ部品91Wの配列情報(座標情報)と、ウエハ部品情報とを含んでいる。例えば、上記所定領域(配列順序が1)に配列されていたウエハ部品91Wは、XW軸方向の座標が座標XW1で示され、YW軸方向の座標が座標YW1で示されている。当該ウエハ部品91Wは、例えば、品質が規定されていないウエハ部品91Wである。
【0048】
配列順序が1の領域とXW軸方向に隣接する領域(配列順序が2)に配列されていたウエハ部品91Wは、XW軸方向の座標が座標XW2で示され、YW軸方向の座標が座標YW1で示されている。当該ウエハ部品91Wは、例えば、ウエハWF0の基準位置を示す基準部材RM0である。基準部材RM0は、ウエハWF0の所定位置に設けられ、ウエハWF0からウエハ部品91Wを採取する際の基準位置を示す。基準部材RM0は、誤装着を防止するため、通常、キャリアテープ80には収容されない。
【0049】
配列順序が2の領域とXW軸方向に隣接する領域(配列順序が3)に配列されていたウエハ部品91Wは、XW軸方向の座標が座標XW3で示され、YW軸方向の座標が座標YW1で示されている。当該ウエハ部品91Wは、例えば、不良のウエハ部品91W(不良部品BM0)である。不良部品BM0は、ウエハ部品91Wの製造工程において発見されたものをいい、誤装着を防止するため、通常、キャリアテープ80には収容されない。
【0050】
同様に、配列順序が順序AJ1の領域に配列されていたウエハ部品91Wは、XW軸方向の座標が座標XWA1で示され、YW軸方向の座標が座標YWA1で示されている。当該ウエハ部品91Wは、例えば、品質がAランクのウエハ部品91WAである。また、配列順序が順序AJ2の領域に配列されていたウエハ部品91Wは、XW軸方向の座標が座標XWA2で示され、YW軸方向の座標が座標YWA2で示されている。当該ウエハ部品91Wは、例えば、品質がBランクのウエハ部品91WBである。
【0051】
さらに、配列順序が順序AJ3の領域に配列されていたウエハ部品91Wは、XW軸方向の座標が座標XWA3で示され、YW軸方向の座標が座標YWA3で示されている。当該ウエハ部品91Wは、例えば、品質がCランクのウエハ部品91WCである。なお、本明細書では、例えば、Aランクのウエハ部品91WA、Bランクのウエハ部品91WB、Cランクのウエハ部品91WCの順に、ウエハ部品91Wの品質が劣化するものとする。また、ウエハ部品91Wの品質の設定方法は、限定されない。
【0052】
このように、ウエハWF0には、種々のウエハ部品91Wが含まれる。そのため、ウエハ部品91Wを収容するキャリアテープ80を用いた部品91の供給では、ウエハWF0におけるウエハ部品91Wの配列情報を知得したいという要請がある。この場合、記憶部42は、ウエハWF0におけるウエハ部品91Wの配列情報と、キャリアテープ80においてウエハ部品91Wが収容されているキャビティ81の位置情報とを、部品91を供給する前に予め関連付けて記憶装置DS0に記憶させておくと良い。
【0053】
例えば、記憶部42は、配列順序が順序AJ1の領域に配列されていたウエハ部品91Wの配列情報と、当該ウエハ部品91Wが収容されているキャビティ81の位置情報と、当該ウエハ部品91Wが収容されているキャリアテープ80のリールRL0の識別情報とを関連付けて記憶装置DS0に記憶させておく。これにより、部品管理装置40の利用者は、供給された部品91がウエハ部品91Wであり、当該ウエハ部品91Wは、ウエハWF0において、XW軸方向の座標XWA1およびYW軸方向の座標YWA1の領域に配列されていたことを知得することができる。また、部品管理装置40の利用者は、当該ウエハ部品91Wの配列順序が順序AJ1であり、品質がAランクのウエハ部品91WAであることを知得することができる。
【0054】
上述したことは、他のウエハ部品91Wについても、同様に言える。このように、記憶部42は、
図7に示すウエハ関連情報において、ウエハ部品91Wが収容されているキャビティ81の位置情報と、当該ウエハ部品91Wが収容されているキャリアテープ80のリールRL0の識別情報とを、さらに関連付けて記憶装置DS0に記憶させることができる。
【0055】
なお、ウエハ部品91Wは、ウエハWF0において所定の順序で配列され、キャリアテープ80においてウエハWF0における配列順序で収容される。よって、記憶部42は、キャリアテープ80に収容されている所定のウエハ部品91Wについて、記憶装置DS0に記憶させておけば十分である。また、ウエハ部品91Wは、複数のキャリアテープ80においてウエハWF0における配列順序で収容される場合もある。
【0056】
そこで、記憶部42は、ウエハWF0を識別する識別情報と、キャリアテープ80が巻回されている複数のリールRL0を識別する識別情報と、所定の配列情報とを、部品91を供給する前に予め関連付けて記憶装置DS0に記憶させておくことができる。所定の配列情報は、各キャリアテープ80に収容されている所定のウエハ部品91WのウエハWF0における配列順序を含む配列情報をいう。
【0057】
図8に示すように、識別情報WID1のウエハWF0に配列されていたウエハ部品91Wは、例えば、複数(5つ)のリールRL0のキャリアテープ80に収容されている。よって、ウエハWF0の識別情報WID1と、複数(5つ)のリールRL0の識別情報DID1~識別情報DID5とが関連付けられて記憶装置DS0に記憶されている。また、例えば、識別情報DID1のリールRL0は、キャリアテープ80の先頭(1番目)のキャビティ81に収容されているウエハ部品91Wの配列順序が1であり、当該ウエハ部品91Wは、XW軸方向の座標が座標XW1で示され、YW軸方向の座標が座標YW1で示されている。
【0058】
識別情報DID2のリールRL0は、キャリアテープ80の先頭(1番目)のキャビティ81に収容されているウエハ部品91Wの配列順序が順序BJ1であり、当該ウエハ部品91Wは、XW軸方向の座標が座標XWB1で示され、YW軸方向の座標が座標YWB1で示されている。上記のウエハ部品91Wの配列順序から、識別情報DID1のリールRL0のキャリアテープ80には、(BJ1-1)個のウエハ部品91Wが収容されていることが分かる。
【0059】
識別情報DID3のリールRL0は、キャリアテープ80の先頭(1番目)のキャビティ81に収容されているウエハ部品91Wの配列順序が順序CJ1であり、当該ウエハ部品91Wは、XW軸方向の座標が座標XWC1で示され、YW軸方向の座標が座標YWC1で示されている。同様に、ウエハ部品91Wの配列順序から、識別情報DID2のリールRL0のキャリアテープ80には、(CJ1-BJ1)個のウエハ部品91Wが収容されていることが分かる。上述したことは、識別情報DID3~識別情報DID5のリールRL0についても、同様に言える。
【0060】
なお、同図に示す記憶方法では、識別情報DID5のリールRL0について、ウエハ部品91Wの収容数が不明である。そのため、記憶部42は、当該リールRL0についてウエハ部品91Wの収容数を別途、記憶装置DS0に記憶させておくと良い。また、記憶部42は、各キャリアテープ80の任意のキャビティ81に収容されているウエハ部品91Wの配列情報を記憶させることができる。さらに、記憶部42は、直前のキャリアテープ80までの累積のウエハ部品91Wの配列順序を含む配列情報を記憶させることもできる。この場合、最初のリールRL0である識別情報DID1のリールRL0は、累積のウエハ部品91Wの配列順序がゼロであり、配列情報を含まない。
【0061】
ここで、ウエハWF0に含まれる不良のウエハ部品91W(不良部品BM0)、品質が所定ランク以下のウエハ部品91W、および、ウエハWF0の基準位置を示す基準部材RM0のうちの少なくとも一つを特定部材SM0とする。既述したように、不良のウエハ部品91W(不良部品BM0)およびウエハWF0の基準位置を示す基準部材RM0は、誤装着を防止するため、通常、キャリアテープ80には収容されない。また、例えば、Bランク以上のウエハ部品91Wなど所定品質のウエハ部品91Wの供給が要求される場合、品質が所定ランク以下のウエハ部品91W(この場合、Cランクのウエハ部品91WC)は、誤装着を防止するため、キャリアテープ80に収容されない場合がある。
【0062】
そのため、キャリアテープ80には、特定部材SM0を収容予定のキャビティ81である特定キャビティ81Sに、ウエハWF0における配列順序が特定部材SM0より後続のウエハ部品91Wが繰り上げて収容されているキャリアテープ80が含まれる。例えば、
図9に示す3番のキャビティ81が特定キャビティ81Sであったとする。この場合、3番の特定キャビティ81Sには、4番のキャビティ81に収容予定のウエハ部品91Wが収容される。また、4番のキャビティ81には、5番のキャビティ81に収容予定のウエハ部品91Wが収容される。以下、同様であり、ウエハWF0における配列順序が特定部材SM0より後続のウエハ部品91Wが繰り上げてキャビティ81に収容される。
【0063】
この場合、記憶部42は、特定キャビティ81Sの位置および個数を含む特定キャビティ情報を、部品91を供給する前に予め記憶装置DS0に記憶させておくと良い。これにより、部品管理装置40は、ウエハWF0におけるウエハ部品91Wの配列情報と、キャリアテープ80においてウエハ部品91Wが収容されているキャビティ81の位置情報とを整合させることができる。上記の例では、特定キャビティ81Sの位置は、3番のキャビティ81であり、特定キャビティ81Sの個数は、一つである。
【0064】
また、キャリアテープ80には、特定部材SM0を収容予定の特定キャビティ81Sが空キャビティ81Eに設定されているキャリアテープ80が含まれる。例えば、
図9に示す3番のキャビティ81が特定キャビティ81Sであったとする。この場合、3番の特定キャビティ81Sは、空キャビティ81Eに設定される。空キャビティ81Eは、ウエハ部品91Wおよび特定部材SM0を収容していない未収容のキャビティ81である。この場合、例えば、4番のキャビティ81には、4番のキャビティ81に収容予定のウエハ部品91Wが収容される。以下、同様であり、上述したウエハ部品91Wの繰り上げ収容は行われない。
【0065】
この場合、記憶部42は、空キャビティ81Eの位置および個数を含む空キャビティ情報を、部品91を供給する前に予め記憶装置DS0に記憶させておくと良い。これにより、部品供給装置12は、ウエハ部品91Wが収容されているキャビティ81まで、キャリアテープ80をピッチ送りすることができ、ウエハ部品91Wを供給することができる。上記の例では、空キャビティ81Eの位置は、3番のキャビティ81であり、空キャビティ81Eの個数は、一つである。
【0066】
なお、リールRL0の取り付け不良などによって、キャリアテープ80をピッチ送りしても、キャリアテープ80が搬送されない場合がある。また、部品91の採取ミスなどが生じたときに、作業者がキャリアテープ80を巻き戻す可能性がある。これらの場合、ウエハWF0におけるウエハ部品91Wの配列情報と、キャリアテープ80においてウエハ部品91Wが収容されているキャビティ81の位置情報とが整合しなくなる。
【0067】
よって、キャリアテープ80には、ウエハ部品91Wを収容予定の所定のキャビティ81が空キャビティ81Eに設定されているキャリアテープ80が含まれる。この場合、空キャビティ81Eは、所定の周期で(例えば、所定数の部品91の供給ごとに)設定されていると良い。記憶部42は、空キャビティ81Eの位置および個数を含む空キャビティ情報を、部品91を供給する前に予め記憶装置DS0に記憶させておくと良い。
【0068】
これにより、部品管理装置40は、ウエハ部品91Wの配列情報と、キャリアテープ80においてウエハ部品91Wが収容されているキャビティ81の位置情報とが整合しているか否かを定期的に確認することができる。なお、この場合も、部品供給装置12は、ウエハ部品91Wが収容されているキャビティ81まで、キャリアテープ80をピッチ送りすることができ、ウエハ部品91Wを供給することができる。
【0069】
1-2-3.判別部43
判別部43は、キャリアテープ80をピッチ送りして部品91を順に供給する部品供給装置12が部品91を供給しているときに検出された空キャビティ情報と、記憶装置DS0に記憶されている空キャビティ情報とが一致するか否かを判別する。例えば、判別部43は、部品供給装置12が部品91を供給しているときに、基板カメラ15にキャビティ81を撮像させて、基板カメラ15によって撮像された画像に基づいて、キャビティ81が空キャビティ81Eであるか否かを判断することができる。具体的には、判別部43は、上記画像において部品91が撮像されていないときに、当該部品91を収容予定のキャビティ81が空キャビティ81Eであると判断する。
【0070】
判別部43は、空キャビティ情報が一致するときに、部品供給装置12による部品91の供給を継続させ、空キャビティ情報が一致しないときに、部品供給装置12による部品91の供給を停止させる。具体的には、判別部43は、空キャビティ情報が一致したか否かを判断する(
図3に示すステップS14)。空キャビティ情報が一致した場合(ステップS14でYesの場合)、判別部43は、部品供給装置12による部品91の供給を継続させる(ステップS15)。
【0071】
空キャビティ情報が一致しない場合(ステップS14でNoの場合)、判別部43は、部品供給装置12による部品91の供給を停止させる(ステップS16)。この場合、部品管理装置40は、ウエハ部品91Wの配列情報と、キャリアテープ80においてウエハ部品91Wが収容されているキャビティ81の位置情報とが整合していない旨を作業者に警告する。これにより、作業者は、キャリアテープ80の位置ずれを確認することができ、キャリアテープ80の位置ずれを修正することができる。
【0072】
また、部品供給装置12は、判別部43によって空キャビティ情報が一致しないと判断されたときに、直近の空キャビティ81Eが採取位置PP1に到達するように、キャリアテープ80を搬送することもできる。これにより、ウエハ部品91Wの配列情報と、キャリアテープ80においてウエハ部品91Wが収容されているキャビティ81の位置情報とが整合され、キャリアテープ80の位置ずれが修正される。
【0073】
なお、判別部43は、部品供給装置12が部品91を供給しているときに、部品カメラ14に保持部材30を撮像させて、部品カメラ14によって撮像された画像に基づいて、キャビティ81が空キャビティ81Eであるか否かを判断することもできる。具体的には、判別部43は、上記画像において部品91が撮像されていない(保持部材30が部品91を保持していない)ときに、当該部品91を収容予定のキャビティ81が空キャビティ81Eであると判断することができる。
【0074】
2.その他
誤装着を防止するため、実施形態のキャリアテープ80には、特定部材SM0が収容されていない。部品供給装置12は、特定部材SM0が収容されているキャリアテープ80からウエハ部品91Wを供給することもできる。この場合、部品供給装置12は、特定部材SM0が収容されているキャビティ81が検出されたときに、ウエハ部品91Wが収容されているキャビティ81まで、キャリアテープ80をピッチ送りして、ウエハ部品91Wを供給することができる。
【0075】
また、ウエハ部品91Wについて上述されていることは、同一の製造ロットで生産された部品91についても、適用することができる。具体的には、同一の製造ロットで生産された部品91が、複数のキャリアテープ80において生産順序で収容されている場合が想定される。この場合、記憶部42は、製造ロットを識別する識別情報と、キャリアテープ80が巻回されている複数のリールRL0を識別する識別情報と、所定の生産情報とを、部品91を供給する前に予め関連付けて記憶装置DS0に記憶させておくと良い。所定の生産情報には、各キャリアテープ80に収容されている所定の部品91の生産順序が含まれる。所定の部品91は、例えば、各キャリアテープ80の先頭(1番目)のキャビティ81に収容されている部品91とすることができる。
【0076】
さらに、キャリアテープ80は、部品91を収容予定の所定のキャビティ81が空キャビティ81Eに設定されていても良い。この場合、記憶部42は、空キャビティ81Eの位置および個数を含む空キャビティ情報を、部品91を供給する前に予め記憶装置DS0に記憶させておくことができる。そして、判別部43は、部品供給装置12が部品91を供給しているときに検出された空キャビティ情報と、記憶装置DS0に記憶されている空キャビティ情報とが一致するか否かを判別することもできる。また、判別部43は、空キャビティ情報が一致するときに、部品供給装置12による部品91の供給を継続させ、空キャビティ情報が一致しないときに、部品供給装置12による部品91の供給を停止させることもできる。
【0077】
3.部品管理方法
部品管理装置40について既述されていることは、部品管理方法についても同様に言える。具体的には、部品管理方法は、取得工程と、記憶工程とを備える。取得工程は、取得部41が行う制御に相当する。記憶工程は、記憶部42が行う制御に相当する。また、部品管理方法は、判別工程をさらに備えることができる。判別工程は、判別部43が行う制御に相当する。
【0078】
4.実施形態の効果の一例
部品管理装置40によれば、取得部41と、記憶部42とを備えている。これにより、部品管理装置40は、供給された部品91が収容されていたキャビティ81の位置情報と、リールRL0を識別する識別情報とを関連付けて記憶装置DS0に記憶させることができる。よって、部品管理装置40の利用者は、リールRL0のキャリアテープ80から供給した部品91の中から、キャビティ81の位置情報に基づいてトレース対象の部品91を絞り込むことが容易であり、トレーサビリティが向上する。部品管理装置40について上述されていることは、部品管理方法についても同様に言える。
【符号の説明】
【0079】
12:部品供給装置、30:保持部材、40:部品管理装置、
41:取得部、42:記憶部、43:判別部、80:キャリアテープ、
81:キャビティ、81S:特定キャビティ、81E:空キャビティ、
90:基板、91:部品、91W:ウエハ部品、DD0:機器、
DS0:記憶装置、RL0:リール、WF0:ウエハ、
RM0:基準部材、SM0:特定部材。