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特許7359865エラスタン含有布地を処理するための布地処理組成物において酸化防止剤を使用する方法
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  • 特許-エラスタン含有布地を処理するための布地処理組成物において酸化防止剤を使用する方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】エラスタン含有布地を処理するための布地処理組成物において酸化防止剤を使用する方法
(51)【国際特許分類】
   D06M 13/152 20060101AFI20231003BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20231003BHJP
   C11D 3/30 20060101ALI20231003BHJP
   C11D 1/835 20060101ALI20231003BHJP
   C11D 3/50 20060101ALI20231003BHJP
   C11D 3/43 20060101ALI20231003BHJP
   D06M 13/335 20060101ALI20231003BHJP
   D06M 101/38 20060101ALN20231003BHJP
【FI】
D06M13/152
C11D3/20
C11D3/30
C11D1/835
C11D3/50
C11D3/43
D06M13/335
D06M101:38
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021563087
(86)(22)【出願日】2020-05-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-07
(86)【国際出願番号】 US2020030895
(87)【国際公開番号】W WO2020227037
(87)【国際公開日】2020-11-12
【審査請求日】2021-10-22
(31)【優先権主張番号】19172542.3
(32)【優先日】2019-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】ミラクル、グレゴリー・スコット
(72)【発明者】
【氏名】ディチュリオ、ダニエル・デイル・ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ユエシ
【審査官】横山 敏志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2007/079831(WO,A1)
【文献】特開2011-168732(JP,A)
【文献】特表2016-516452(JP,A)
【文献】特開昭57-128283(JP,A)
【文献】国際公開第03/038183(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0190873(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 1/00-19/00
D06M13/00-15/715
D06M 101/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エラスタン含有布地を処理する方法であって、
a)非イオン性界面活性剤に酸化防止剤を溶解して酸化防止剤溶液を形成した後、前記酸化防止剤溶液を洗剤に添加して布地処理組成物を形成する工程と、
b)エラスタン含有布地を提供する工程と、
c)水の存在下で前記エラスタン含有布地を前記布地処理組成物と接触させる工程と、を含み、
前記布地処理組成物及び前記水は、少なくとも25ppbの酸化防止剤濃度、少なくとも10ppmの非イオン性界面活性剤濃度を有する処理液を形成し、処理液とエラスタン含有布地との比(w/w)は、0.1:1~100:1であり、
前記酸化防止剤の少なくとも一部分は、前記エラスタン含有布地上に堆積され
前記方法は、汚れの自動酸化から生成される悪臭種の形成を遅らせる、エラスタン含有布地を処理する方法。
【請求項2】
前記方法は、水の存在下で前記エラスタン含有布地を前記布地処理組成物と接触させる工程の後に、前記エラスタン含有布地をすすぐ工程を更に含む、請求項1に記載のエラスタン含有布地を処理する方法。
【請求項3】
水の存在下で前記エラスタン含有布地を前記布地処理組成物と接触させる工程の前に、前記エラスタン含有布地は、不飽和有機汚れを含む、請求項1又は2に記載のエラスタン含有布地を処理する方法。
【請求項4】
前記不飽和有機汚れは、皮脂を含む、請求項に記載のエラスタン含有布地を処理する方法。
【請求項5】
酸化防止剤の布地への堆積試験方法に従って測定されるときに、少なくとも1μg/gの前記酸化防止剤が、前記エラスタン含有布地に堆積される、請求項1~4のいずれか一項に記載のエラスタン含有布地を処理する方法。
【請求項6】
前記処理液は、少なくとも1ppmの銅を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のエラスタン含有布地を処理する方法。
【請求項7】
水の存在下で前記エラスタン含有布地を前記布地処理組成物と接触させる工程の前に、前記エラスタン含有布地は、少なくとも1ppmの銅を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のエラスタン含有布地を処理する方法。
【請求項8】
前記エラスタン含有布地は、ポリエステル、ナイロン、綿、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のエラスタン含有布地を処理する方法。
【請求項9】
前記エラスタン含有布地は、前記エラスタン含有布地の少なくとも50重量%のナイロンを含む、請求項8に記載のエラスタン含有布地を処理する方法。
【請求項10】
前記エラスタン含有布地は、前記エラスタン含有布地の少なくとも50重量%の綿を含む、請求項8に記載のエラスタン含有布地を処理する方法。
【請求項11】
前記酸化防止剤は、アルキル化フェノール、アリールアミン、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~10のいずれか一項に記載のエラスタン含有布地を処理する方法。
【請求項12】
前記アルキル化フェノールは、2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-メチル-フェノール、3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸のC1~C18の直鎖状又は分岐状アルキルエステル、及びこれらの混合物からなる群から選択されるヒンダードフェノールである、請求項11に記載のエラスタン含有布地を処理する方法。
【請求項13】
前記処理液は、少なくとも50ppmの非イオン性界面活性剤濃度を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載のエラスタン含有布地を処理する方法。
【請求項14】
前記布地処理組成物は、キレート剤、香料、構造化剤、塩素捕捉剤、溶媒、布地コンディショニング活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される補助成分を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載のエラスタン含有布地を処理する方法。
【請求項15】
前記補助成分は、キレート剤である、請求項14に記載のエラスタン含有布地を処理する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エラスタン含有布地を処理するための、特に、既に汚れているエラスタン含有布地を処理するための、かつまだ汚れていないエラスタン含有布地を処理するための、布地処理組成物において酸化防止剤を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
運動着としての使用が意図される衣類は、運動中以外での使用にも、より一般的になっている。このような衣類の布地は、エラストマー合成繊維、又は(スパンデックス及びLYCRA(登録商標)としても一般的に知られている)エラスタンを通常含有する。エラスタンは、伸張を可能にする機能のために使用され、制限されない可動域を提供し、その後、適所に元の状態に回復する。エラスタンはまた、通気性があり、湿気を逃がし、迅速に乾燥する。このような布地は典型的には、綿、ポリエステル、ナイロン、又はこれらのブレンドのいずれかを更に含む。これらの衣類が着用されると、汚れ及びヒト皮脂が布地に移行する。着用中、汚れ及び皮脂が布地に直接移行しない場合であっても、汚れ及び皮脂は、例えば、洗濯籠内で、又は洗浄環境で布地全体に汚れ及び皮脂が再分配されることによって直接接触して、布地から布地へと移行する場合がある。布地に残されたこのような汚れ及び皮脂は、自発的自動酸化によって悪臭物質の生成をもたらす。悪臭は、多くの場合、衣類が清潔でないことを消費者に示す。消費者は、衣類から汚れを除去し、衣類の匂いを心地よい匂いにする処理製品及び方法に常に関心を表している。消費者向けのクリーニング製品の製造業者は、悪臭抑制又は悪臭低減を向上させる処理組成物及び方法を提供することを常に求めている。
【0003】
多くの汚れは、処理方法の間中、界面活性剤によって布地から除去されるが、一部の汚れが布地に残る場合が多い。洗濯温度の低下、洗濯時間の短縮、界面活性剤などのクリーニング活性剤の濃度の低下などの布地処理組成物及び方法の現在の傾向、並びに、強力な化学物質が少ない布地処理組成物を使用する一般的な傾向によって、多くの布地処理組成物及び方法の効力が低下している。結果として、処理後に布地に残留する不完全に除去される汚れの度合いが増加している。
【0004】
更に、処理方法の間中、汚れ及び皮脂が布地から除去される場合であっても、又は衣類が真っ新であり、清潔であると考えられる場合であっても、衣類が着用されると、又は汚れた別の衣類と直接接触すると、悪臭が迅速に再出現する場合がある。消費者は、自身の衣類を処理して、悪臭を衣類から除去する必要がある頻度に対して不満を感じる場合がある。
【0005】
特定の酸化防止剤は、悪臭低減剤として布地処理組成物中で使用されることが知られている。このような酸化防止剤は、悪臭物質の形成の原因となる汚れ及び皮脂中の自動酸化事象を遅延させることによって、悪臭低減を促進することができる。悪臭を処理するための布地処理方法の間中、布地に酸化防止剤を堆積させることができるが、そのような酸化防止剤は、全般的に、多くの布地処理製品内に低濃度で組み込まれ、かつ/又は多くの種類の一般的な布地に堆積させることができない。衣類が洗濯され、その後、着用されるまでの間に、数日又は更には数週間等の相当量の時間が存在する場合があり、そのため、消費者は、処理製品を購入し、使用したときに得ることができるであろうと想定していた利益を享受できない場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、エラスタン含有布地が既に汚れているとき、及びエラスタン含有布地がまだ汚れていないときの悪臭に対する効果を提供するエラスタン含有布地を処理する改善された方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、エラスタン含有布地を処理する方法に関する。方法は、酸化防止剤及び界面活性剤を含む布地処理組成物を提供する工程と、エラスタン含有布地を提供する工程と、を含む。方法は、水の存在下でエラスタン含有布地を布地処理組成物と接触させる工程を更に含み、布地処理組成物及び水は、少なくとも25ppbの酸化防止剤濃度、少なくとも10ppmの界面活性剤濃度を有する処理液を形成し、処理液とエラスタン含有布地との比(w/w)は、0.1:1~100:1である。酸化防止剤の少なくとも一部分は、エラスタン含有布地上に堆積される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】エラスタンを含有する様々な布地及びエラスタンを含有しない様々な布地上の酸化防止剤の堆積を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示は、エラスタン含有布地を処理するための、特に、既に汚れているエラスタン含有布地を処理するための、かつまだ汚れていないエラスタン含有布地を処理するための、布地処理組成物において酸化防止剤を使用する方法に関する。出願人は、酸化防止剤を含む布地処理組成物でエラスタン含有布地を処理することにより、例えば、汚れの自動酸化から生成される悪臭種の形成を遅らせることなどの驚くべき悪臭に対する効果を提供することができることを見出した。
【0010】
布地表面に残されたヒト皮脂などの不飽和有機汚れは、自発的自動酸化を起こしやすい。汚れの酸化生成物へのかかる分解は、揮発性の悪臭化合物を放出する場合がある。汚れの自動酸化が伝播する段階の間に、汚れは、より小さい、すなわち、より低い分子量の揮発性アルデヒド種に分解される。アルキルラジカル又はペルオキシラジカルを非ラジカル種に変換することによる停止前に、伝播反応を何回も繰り返すことができる。ヒンダードフェノール及び第二級芳香族アミンなどの水素供与性酸化防止剤は、ペルオキシラジカルに対して有機基材と競合反応することによって酸化を抑制する。これにより、伝播反応の動力学的鎖長が短くなる。したがって、自動酸化は、減速又は停止される。
【0011】
悪臭種の形成を遅らせるために、酸化防止剤は、布地上に効果的に堆積しなければならない。既に汚れた布地については、酸化防止剤は、全般的には、自動酸化性汚れと反応して、自動酸化を減速又は停止させることとなる。しかしながら、多くの種類の布地については、酸化防止剤が自動酸化性汚れと反応し、清潔な布地となると、任意の残りの未反応の酸化防止剤は、清潔な布地の上に堆積することが概ね困難となる。衣類が新品であるか、又は既に清潔にされている場合など、汚れがほとんど存在しない場合も同様に、酸化防止剤は、これらの清潔な布地の上に堆積することが概ね困難である。
【0012】
驚くべきことに、出願人は、本開示の方法が、自動酸化性汚れが存在するとき、並びに汚れがほとんど存在しないか全く存在しないとき、あるいは布地が清潔なときに、高濃度の酸化防止剤をエラスタン含有布地に送達し、酸化防止剤が布地の上に効果的に堆積することを可能にすることを見出した。布地に酸化防止剤を蓄積することにより、酸化防止剤は、その後布地に添加される新たな汚れに対して作用することができ、それによって、悪臭種が形成されることを低減する。消費者は、自身の処理された布地が、より長い時間、悪臭が低減されていることに気付くことができる。
【0013】
本開示のエラスタン含有布地を処理する方法を以下に更に詳細に説明する。
【0014】
I.定義
本明細書で使用するとき、特許請求の範囲で使用される際の冠詞「a」及び「an」は、特許請求又は記載されているもののうちの1つ以上を意味すると理解される。本明細書で使用するとき、用語「含む(include)」、「含む(includes)」、及び「含んでいる(including)」は、非限定的であることを意味する。本開示の処理組成物は、本開示の成分/材料を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなることができる。
【0015】
本明細書で使用するとき、語句「布地処理組成物」は、衣類などの布地、又は他の織物の処理用に設計された組成物及び配合物を含む。このような組成物は、洗濯クリーニング組成物及び洗剤、布地柔軟化組成物、布地強化組成物、布地消臭組成物、予洗い用洗剤(laundry prewash)、洗濯前処理剤、洗濯添加剤、スプレー製品、ドライクリーニング剤又は組成物、洗濯用洗浄添加剤、すすぎ後布地処理剤、アイロン助剤、単位用量配合物、遅延送達配合物、多孔性基材若しくは不織布シート上又は中に含有される洗剤、及び本明細書の教示を考慮すると当業者に明白であり得るその他の好適な形態を含むが、これらに限定されない。このような組成物を、洗濯前処理剤、洗濯後処理剤として使用してもよく、又は洗濯操作の洗浄サイクル中に添加してもよい。
【0016】
本明細書で使用するとき、「液体」は、自由流動性液体、並びにペースト、ゲル、泡、及びムースを含む。液体の非限定的な例としては、ライトデューティ用及びヘビーデューティ用液体洗剤組成物、布地強化剤、洗濯で一般に使用される洗剤ジェル、漂白剤並びに洗濯添加剤が挙げられる。気体、例えば、懸濁気泡、又は固形物、例えば、粒子が、液体に含まれてもよい。
【0017】
本明細書で使用するとき、「粒剤」及び「粒子」は、有限質量を有する固形又は十分に固形の材料の体積を指す。粒剤及び粒子は、二次組成物内で自由流動してもよく、又は懸濁されてもよい。自由流動性粒子は、The Procter&Gamble Company(Cincinnati、Ohio、United States)から商標名UNSTOPABLES(登録商標)で市販されているものと同様であり得る。
【0018】
本明細書では、「実質的に含まない(substantially free of)」又は「実質的に含まない(substantially free from)」という用語を使用することがある。これは、指示される材料が最小限の量であり、組成物の一部を形成するように意図的にその組成物に添加されたものでないこと、又は好ましくは、分析的に検出可能な濃度で存在しないことを意味する。それは、指示される材料が意図的に含まれる他の材料のうちの1つの中に不純物としてのみ存在する組成物を含むことを意味する。指示される材料は、存在するとしても、組成物の0.1重量%未満、又は0.01重量%未満、又は更には0重量%の濃度で存在し得る。
【0019】
本明細書で使用するとき、語句「十分に固形」及び「固形」は、材料が、室温で自立させたときに、著しく変形せずにその形状を維持することができることを意味する。本明細書で使用するとき、「固形」としては、粒剤、粒子、粉末、凝集体、マイクロカプセル、フレーク、ヌードル、真珠光沢ボール、及びこれらの混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0020】
本明細書で使用するとき、語句「水溶性」、「水溶性材料」、「水溶性担体物質」は、材料又は担体物質が、水に可溶性であるか又は分散性であり、20マイクロメートルの最大孔径を有するガラスフィルタを用いる、以降、本明細書で示される方法によって測定されるときに、好ましくは少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、又は更には少なくとも95%の水溶性を有することを意味する。方法において、50グラム±0.1グラムの材料及び/又は担体物質を、予め計量された400mLのビーカーに加え、245mL±1mLの蒸留水を加える。これを、600rpmに設定した電磁撹拌器で30分間激しく撹拌する。次いで、混合物を、上記で定義した孔径(最大20マイクロメートル)の焼結ガラスフィルタにより濾過する。各工程は周囲条件で行う。本明細書で使用するとき、「周囲条件」とは、23℃±1.0℃及び相対湿度50%±2%を意味する。任意の従来の方法によって、回収した濾液から水を除いて乾燥させ、残った材料の重量を求める(これが溶解画分又は分散画分である)。次いで、溶解度又は分散率を計算することができる。
【0021】
別途記載のない限り、全ての成分/原料又は組成物の濃度は、当該成分/原料又は組成物の活性部分に関するものであり、かかる成分/原料又は組成物の市販の供給源に存在し得る不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0022】
本明細書における全ての温度は、別途記載のない限り、摂氏(℃)である。別途指示のない限り、本明細書における全ての測定は、20℃及び大気圧下で行われる。
【0023】
本開示の全ての実施形態において、全ての比率(%)は、特に記載のない限り、全組成物の重量に対するものである。特に記載のない限り、全ての比は重量比である。
【0024】
II.エラスタン含有布地を処理する方法
本開示は、酸化防止剤を含む布地処理組成物を用いて、エラスタン含有布地を処理する方法に関する。
【0025】
方法は、酸化防止剤及び界面活性剤を含む布地処理組成物を提供する工程と、エラスタン含有布地を提供する工程と、を含む。このような布地処理組成物及びエラスタン含有布地について以下に説明する。
【0026】
方法は、水の存在下でエラスタン含有布地を布地処理組成物と接触させる工程を更に含む。布地処理組成物及び水は共に処理液を形成する。布地処理組成物は、布地処理組成物とは別の水に希釈及び/又は溶解されて、処理液を形成してもよい。あるいは、布地処理組成物は、布地処理組成物が液体形態であり、濃縮物として適用される場合など、処理液を形成するのに十分な水を既に含んでもいてもよい。水の存在下でエラスタン含有布地を布地処理組成物と接触させる工程は、例えば、シンク、又は自動洗濯機(例えば、上段投入型洗濯機又は前面投入型洗濯機)などの任意の好適な容器で生じ得、布地処理組成物は、自動洗濯機のドラムに加えられる。水の存在下でエラスタン含有布地を布地処理組成物と接触させる工程は、自動洗濯機の洗浄サイクルの一部として生じ得る。濃縮物として適用される場合、水の存在下でエラスタン含有布地を布地処理組成物と接触させる工程は、単純に濃縮物をエラスタン含有布地上に直接噴霧又は塗布することなどによって容器の外側で生じ得る。所望により、布地処理組成物は、水の存在下でエラスタン含有布地を布地処理組成物と接触させる工程の前に、例えば、計量カップで事前に計量されてもよい。計量カップは、布地処理組成物が提供される容器とは別個であってもよく、又は容器、例えば、キャップで提供される場合、布地処理組成物が提供される容器の一部であってもよい。
【0027】
処理液は、少なくとも25ppb、好ましくは少なくとも100ppb、より好ましくは少なくとも250ppb、更により好ましくは少なくとも500ppb、更により好ましくは少なくとも1000ppbの酸化防止剤濃度を有する。処理液は、少なくとも10ppm、好ましくは少なくとも25ppm、より好ましくは少なくとも50ppm、更により好ましくは100ppm超の界面活性剤濃度を有する。出願人は、処理液における酸化防止剤及び界面活性剤のこのような濃度が、既に汚れているエラスタン含有布地及びまだ汚れていないエラスタン含有布地を処理するのに有効であることを見出した。
【0028】
処理液とエラスタン含有布地との比(w/w)は、0.1:1~100:1である。布地処理組成物が処理液を形成するのに十分な水を既に含み、濃縮物として塗布される場合、処理液とエラスタン含有布地との比(w/w)は、0.1:1~1:1又は0.25:1~0.75:1であってもよい。布地処理組成物が、布地処理組成物とは別の水に希釈及び/又は溶解されて、処理液を形成する場合、処理液とエラスタン含有布地との比(w/w)は、1:1~100:1、又は5:1~90:1、又は10:1~80:1であってもよい。出願人は、処理液とエラスタン含有布地とのこのような重量比により、エラスタン含有布地の上に堆積できる好適な濃度の酸化防止剤が提供され、エラスタン含有布地上の悪臭低減の長期間継続効果が提供されることを見出した。
【0029】
水の存在下でエラスタン含有布地を布地処理組成物と接触させると、酸化防止剤の少なくとも一部は、エラスタン含有布地の上に堆積される。例えば、酸化防止剤の布地への堆積試験方法(Deposition of Antioxidant onto Fabric Test Method)に従って測定されるときに、少なくとも1μg/g、好ましくは少なくとも2μg/g、より好ましくは少なくとも3μg/g、更により好ましくは少なくとも4μg/g、最も好ましくは少なくとも5μg/gの酸化防止剤がエラスタン含有布地の上に堆積されてもよい。好ましくは、これらの濃度の酸化防止剤は、エラスタン含有布地に少なくとも24時間、好ましくは少なくとも3日間、更により好ましくは少なくとも7日間残留する。
【0030】
方法は、水の存在下でエラスタン含有布地を布地処理組成物と接触させる工程の後に、エラスタン含有布地をすすぐ工程を更に含んでもよい。エラスタン含有布地をすすぐ工程により、布地処理組成物から、界面活性剤などのエラスタン含有布地に堆積された任意の残留物質を除去することができる。エラスタン含有布地をすすぐ工程は、例えば、シンク、又は自動洗濯機などの任意の好適な容器内で行ってもよい。エラスタン含有布地をすすぐ工程は、自動洗濯機のすすぎサイクルの一部として行ってもよい。水道水又は脱イオン水などの水を使用してエラスタン含有布地をすすいでもよい。出願人は、驚くべきことに、エラスタン含有布地について、有効濃度の酸化防止剤が布地をすすぐ工程後も引き続き布地の上に堆積したままであることとなることを見出した。
【0031】
方法は、水の存在下でエラスタン含有布地を布地処理組成物と接触させる工程の後に、エラスタン含有布地を乾燥させる工程を更に含んでもよい。エラスタン含有布地がまたすすがれると、すすぐ工程の後に、エラスタン含有布地を乾燥させる工程を行ってもよい。エラスタン含有布地は、風乾されてもよい、又は自動乾燥機などの乾燥装置を使用してく乾燥されてもよい。
【0032】
一態様では、エラスタン含有布地は、水の存在下でエラスタン含有布地を布地処理組成物と接触させる工程の前に、不飽和有機汚れを含んでもよい。エラスタン含有布地上に存在する汚れは、酸化防止剤の付着及び汚れとの反応を可能にし得る。不飽和有機汚れは皮脂であってもよい。
【0033】
一態様では、エラスタン含有布地は、水の存在下でエラスタン含有布地を布地処理組成物と接触させる工程の前に、不飽和有機汚れを実質的に含まなくてもよい。出願人は、驚くべきことに、本開示のもののような酸化防止剤は、大略的に、ほとんどの布地の上に堆積しないか、又はほとんどの布地の上に非常にわずかながら堆積するが、酸化防止剤は、エラスタン含有布地の上に選択的に堆積することを見出した。次に、エラスタン含有布地への酸化防止剤のかかる堆積は、後に布地が汚れと接触するときに悪臭種の形成を積極的に遅延させるのに有効であり得る。
【0034】
酸化防止剤は、エラスタン含有布地の上に堆積し得るが、酸化防止剤は、銅イオンなどの金属イオンが存在して、汚れの自動酸化プロセスを開始しない限り、汚れの酸化を阻害することはできない。一態様では、処理液は、少なくとも1ppmの銅を含み得る。銅は、布地処理組成物に添加される外部水由来の処理液中に存在してもよく、又は布地処理組成物由来であってもよい。別の態様では、エラスタン含有布地は、水の存在下でエラスタン含有布地を布地処理組成物と接触させる工程の前に、少なくとも1ppmの銅を含んでもよい。銅などの金属イオンは、汚れの中に存在してもよい。銅などの金属イオンは、皮脂中に概ね存在する。
【0035】
出願人が見出したように、全ての布地が本開示の酸化防止剤の堆積を可能にするものではない。酸化防止剤の効果的な堆積のために、エラスタン含有布地は、エラスタン含有布地の少なくとも1重量%、又は少なくとも2重量%、又は少なくとも3重量%、又は少なくとも4重量%、又は少なくとも5重量%のエラスタンを含んでもよい。ポリエステルを含む布地では、エラスタン含有布地は、エラスタン含有布地の少なくとも4重量%、又は少なくとも5重量%のエラスタンを含んでもよい。ナイロンを含む布地では、エラスタン含有布地は、エラスタン含有布地の少なくとも5重量%、又は少なくとも10重量%、又は少なくとも15重量%、又は少なくとも20重量%のエラスタンを含んでもよい。綿を含む布地では、エラスタン含有布地は、エラスタン含有布地の少なくとも5重量%、又は少なくとも6重量%、又は少なくとも7重量%、又は少なくとも8重量%のエラスタンを含んでもよい。水着などの衣類では、布地中のエラスタンの度合いは、エラスタン含有布地の最大約40重量%のエラスタンであってもよい。
【0036】
エラスタン含有布地は、ポリエステル、ナイロン、綿、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料を含んでもよい。ポリエステル、ナイロン、及び綿、並びにこれらの混合物は、概ねエラスタンが組み込まれた最も一般的な材料である。
【0037】
非限定的な例では、エラスタン含有布地は、エラスタン含有布地の少なくとも50重量%、又は少なくとも60重量%、又は少なくとも70重量%、又は少なくとも80重量%、又は少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%のポリエステルを含んでもよい。ポリエステルは、耐久性があり、収縮に抵抗性があり、丈夫であるが、軽量であり、速乾であり、非常に耐候性があるため、衣類及び織物において広範に使用されている。
【0038】
別の非限定的な例では、エラスタン含有布地は、エラスタン含有布地の少なくとも50重量%、又は少なくとも60重量%、又は少なくとも70重量%、又は少なくとも80重量%のナイロンを含んでもよい。ナイロンは、耐久性があり、丈夫であり、可撓性があるため、衣類及び織物において、特に運動着として使用される衣類において広く使用されている。
【0039】
更に別の非限定的な例では、エラスタン含有布地は、エラスタン含有布地の少なくとも50重量%、又は少なくとも60重量%、又は少なくとも70重量%、又は少なくとも80重量%、又は少なくとも90重量%、又は少なくとも92重量%の綿を含んでもよい。綿は、通気性、断熱性、耐久性があり、水分を制御するのに有利であるため、衣類及び織物において、特に運動着として使用される衣類において広く使用されている。
【0040】
III.布地処理組成物
本開示は、酸化防止剤を含む布地処理組成物に関する。このような布地処理組成物及びその構成成分について以下に説明する。
【0041】
かかる布地処理組成物としては、洗濯クリーニング組成物及び洗剤、布地柔軟化組成物、布地強化組成物、布地消臭組成物、予洗い用洗剤(laundry prewash)、洗濯前処理剤、洗濯添加剤、スプレー製品、ドライクリーニング剤又は組成物、洗濯すすぎ添加剤、洗浄添加剤、すすぎ後布地処理剤、アイロン助剤、単位用量配合物、遅延送達配合物、多孔性基材若しくは不織布シート上又は中に含有される洗剤、及び本明細書の教示を考慮すると当業者に明白であり得るその他の好適な形態が挙げられ得るが、これらに限定されない。かかる布地処理組成物は、洗濯前処理剤、洗濯後処理剤として使用されてもよく、又は洗濯動作のすすぎ若しくは洗浄サイクル中に、好ましくは洗浄サイクル中に添加されてもよい。かかる処理組成物はまた、ドライクリーニングの状況で使用されてもよい。
【0042】
布地処理組成物は、任意の好適な形態であってもよい。布地処理組成物は、液体、固体、又はこれらの組み合わせから選択された形態であってもよい。布地処理組成物は、液体中に懸濁された固形組成物の形態であってもよいことが想到される。
【0043】
布地処理組成物は、液体組成物の形態であってもよい。液体組成物は、組成物の約0重量%~約99重量%、又は約30重量%~約90重量%、又は約50重量%~約80重量%の水を含んでもよい。液体組成物は、非水性液体洗剤を含んでもよい。
【0044】
布地処理組成物は、固形組成物の形態であってもよい。固形組成物は、組成物の約20重量%~約98重量%の、固形組成物を形成するための水溶性担体を含んでもよい。非限定的であるが好ましい例では、固形組成物を形成するための水溶性担体は、ポリエチレングリコールであってもよい。ポリエチレングリコールの担体は、約2000~約20,000ダルトン、好ましくは約5000~約15,000ダルトン、より好ましくは約6000~約12,000ダルトンの重量平均分子量を有してもよい。固形組成物は、組成物の約20重量%未満、好ましくは約15重量%未満、より好ましくは約5重量%未満、更により好ましくは約1重量%未満の水を含んでもよい。好ましい例では、布地処理組成物は、粒剤又は粒子の形態である。粒剤及び粒子は、球状、半球状、圧縮半球状、扁豆(lentil)形状、楕円状、及びこれらの混合形状からなる群から選択される形状を有してもよい。当業者であれば、これらの形状が非限定的であり、粒剤及び粒子が、かかる粒剤及び粒子として当該技術分野において既知の任意の他の形状を有し得ることを認識し得る。粒剤は、約0.1mm~約2mmの最大寸法(すなわち、長さ、幅、高さ、直径)と、約0.05mm~約1.5mmの最小寸法(すなわち、長さ、幅、高さ、直径)と、を有してもよい。粒子は、約2mm~約10mmの最大寸法(すなわち、長さ、幅、高さ、直径)と、約1.5mm~約4mmの最小寸法(すなわち、長さ、幅、高さ、直径)と、を有してもよい。
【0045】
布地処理組成物は、流動性であってもよい。このような流動性の布地処理組成物は、消費者が容器を開け、所望量の布地処理組成物を簡単に投与することができるように容器内に包装されてもよい。容器は、布地処理組成物を収容するのに好適な当該技術分野において既知の任意の容器であってもよい。例えば、容器は、約50cm~約1500cmの容積を有していてもよい。容器は、食料雑貨店の棚に置くため、消費者の家の中に配置するため、又はセルフサービス式コインランドリーなどの商業施設内での使用のために好適な任意のサイズ及び形状であってもよい。
【0046】
布地処理組成物は、例えば、単一区画パウチ、多区画パウチ、溶解性シート、繊維状物品、錠剤、棒、又はこれらの混合形態などの一体型用量物品に組み込まれてもよいこともまた想到される。かかるパウチは、典型的には、布地処理組成物を少なくとも部分的に封入する水溶性フィルム、例えば、ポリビニルアルコール水溶性フィルムを含む。好適なフィルムとしては、MonoSol,LLC(Indiana、United States)から市販されているものが挙げられる。多区画パウチは、少なくとも2つ、少なくとも3つ、又は少なくとも4つの区画を含んでもよい。多区画パウチは、並べてかつ/又は重ねておかれた区画を含むことができる。パウチ又はその区画内に収容される布地処理組成物は、液体形態、固体形態、又はこれらの組み合わせの形態であってもよい。パウチ内に封入された布地処理組成物は、比較的少量の水、例えば、布地処理組成物の約20重量%未満、又は約15重量%未満、又は約12重量%未満、又は約10重量%未満、又は約8重量%未満の水を有してもよい。
【0047】
A.酸化防止剤
布地処理組成物は、酸化防止剤を含む。酸化防止剤は、Kirk-Othmer(第3巻、424ページ)及びUllmannのEncyclopedia(第3巻、91ページ)に記載されているような物質である。布地処理組成物は、処理液において、少なくとも25ppb、好ましくは少なくとも100ppb、より好ましくは少なくとも250ppb、更により好ましくは少なくとも500ppb、更により好ましくは少なくとも1000ppbの酸化防止剤濃度を提供するように十分な濃度の酸化防止剤を含む。酸化防止剤の濃度は、布地処理組成物の約0.001重量%~約50重量%であってもよい。
【0048】
酸化防止剤は、アルキル化フェノール、アリールアミン、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0049】
アルキル化フェノールは、以下の一般式:
【0050】
【化1】
を有することができ、式中、Rは、C~C分岐状アルキル、好ましくはtert-ブチルであり、xは、1又は2であり、Rは、C~C22直鎖状アルキル又はC~C22分岐状アルキルであり、それぞれ、(1)任意選択的に、内部に1つ以上のエステル(-CO-)結合又はエーテル(-O-)結合を有し、(2)任意選択的に、EO、PO、BO、及びこれらの混合物から、より好ましくはEO単独又はEO/PO混合物から選択されるアルキレンオキシ基又はポリアルキレンオキシ基を含む有機基によって置換されており、ある態様では、Rは、好ましくは、メチル又は分岐状C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、好ましくはメトキシである。
【0051】
アルキル化フェノールは、ヒンダードフェノールであってもよい。本明細書で使用するとき、「ヒンダードフェノール」という用語は、(a)少なくとも1つのフェノール-OH基に対してオルト位に結合している、少なくとも1つのC以上の分岐状アルキル、好ましくはC~C分岐状アルキル、好ましくはtert-ブチル、又は(b)少なくとも1つのフェノール-OH基に対して各々オルト位に結合している、C~Cアルコキシ、好ましくはメトキシ、C~C22直鎖状アルキル、若しくはC~C22分岐状アルキル、好ましくはメチル若しくは分岐状C~Cアルキル、又はこれらの混合物からなる群から独立して選択される置換基のいずれか一方を有する、フェノール基を含む化合物を指すために使用される。フェニル環が複数の-OH基を含む場合、化合物は、少なくとも1つのこのような-OH基が直前に記載されているように置換されている限りヒンダードフェノールである。
【0052】
本明細書での使用のための好適なヒンダードフェノールには、(ヒドロキシブチル化トルエン、すなわち、「BHT」としても知られている)2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-メチル-フェノール;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸、メチルエステル;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸、オクタデシルエステル;δ-トコフェロール;2,6-ビス(1-メチルプロピル)フェノール;2-(1,1-ジメチルエチル)-1,4-ベンゼンジオール;2,4-ビス(1,1-ジメチルエチル)-フェノール;2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-フェノール;2-(1,1-ジメチルエチル)-4-メチルフェノール;2-(1,1-ジメチルエチル)-4,6-ジメチル-フェノール;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸、1,1’-[2,2-ビス[[3-[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]-1-オキソプロポキシ]メチル]-1,3-プロパンジイル]エステル;2,2’-メチレンビス[6-(1,1-ジメチルエチル)-4-メチルフェノール;2-(1,1-ジメチルエチル)-フェノール;2,4,6-トリス(1,1-ジメチルエチル)-フェノール;4,4’-メチレンビス[2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-フェノール;4,4’,4’’-[(2,4,6-トリメチル-1,3,5-ベンゼントリイル)トリス(メチレン)]トリス[2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-フェノール];N,N’-1,6-ヘキサンジイルビス[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパンアミド;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ安息香酸、ヘキサデシルエステル;P-[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチルホスホン酸、ジエチルエステル;1,3,5-トリス[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸、2-[3-[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]-1-オキソプロピル]ヒドラジド;3-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-5-メチルベンゼンプロパン酸、1,1’-[1,2-エタンジイルビス(オキシ-2,1-エタンジイル)]エステル;4-[(ジメチルアミノ)メチル]-2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)フェノール;4-[[4,6-ビス(オクチルチオ)-1,3,5-トリアジン-2-イル]アミノ]-2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)フェノール;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸、1,1’-(チオジ-2,1-エタンジイル)エステル;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ安息香酸、2,4-ビス(1,1-ジメチルエチル)フェニルエステル;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸、1,1’-(1,6-ヘキサンジイル)エステル;3-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-5-メチルベンゼンプロパン酸、1,1’-[2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン-3,9-ジイルビス(2,2-ジメチル-2,1-エタンジイル)]エステル;3-(1,1-ジメチルエチル)-β-[3-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]-4-ヒドロキシ-β-メチルベンゼンプロパン酸、1,1’-(1,2-エタンジイル)エステル;2-[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]-2-ブチルプロパン二酸、1,3-ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)エステル;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸、1-[2-[3-[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]-1-オキソプロポキシ]エチル]-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニルエステル;3,4-ジヒドロ-2,5,7,8-テトラメチル-2-[(4R,8R)-4,8,12-トリメチルトリデシル]-(2R)-2H-1-ベンゾピラン-6-オール;2,6-ジメチルフェノール;2,3,5-トリメチル-1,4-ベンゼンジオール;2,4,6-トリメチルフェノール;2,3,6-トリメチルフェノール;4,4’-(1-メチルエチリデン)-ビス[2,6-ジメチルフェノール];1,3,5-トリス[[4-(1,1-ジメチルエチル)-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニル]メチル]-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H、3H、5H)-トリオン;4,4’-メチレンビス[2,6-ジメチルフェノール];2,6-ビス(1-メチルプロピル)フェノール;及びこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0053】
好ましくは、ヒンダードフェノールは、2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-メチル-フェノール、3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸のC~C18の直鎖状又は分岐状アルキルエステル、及びこれらの混合物からなる群から選択される。3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸のC~C18の直鎖状又は分岐状のアルキルエステルの好ましい例として、3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸、メチルエステル(Raschig USA(Arlington、Texas、United States)から商標名RALOX(登録商標)35で市販されている)、及び3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸、オクタデシルエステル、(BASF(Ludwigshafen、Germany)から商標名TINOGARD(登録商標)TSで市販されている)を挙げることができる。
【0054】
好ましい非限定的な例では、ヒンダードフェノールは、2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-メチル-フェノールであってもよい。
【0055】
追加のフェノール系酸化防止剤が用いられてもよい。好適なフェノール系酸化防止剤の例は、α-、β-、γ-トコフェロール;2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン;tert-ブチルヒドロキシアニソール;6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-カルボン酸;及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0056】
本開示の酸化防止剤として有用なアリールアミンの例は、エトキシキン(例えば、Raschig USA(Arlington、Texas、United States)から商標名RALUQUIN(商標)で市販されている1,2-ジヒドロ-6-エトキシ-2,2,4-トリメチルキノリン)である。アリールアミンは、ジアリールアミンであってもよい。本発明において有用なジアリールアミンは、一般式
【0057】
【化2】
で表すことができ、式中、Ar及びAr’は、芳香族アリールラジカル及びヘテロ芳香族アリールラジカルからそれぞれ独立して選択され、少なくとも1つのアリールラジカルが置換されている。好適なジアリールアミンとしては、(BASF(Ludwigshafen、Germany)から商標名IRGANOX(登録商標)5057で市販されている)4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-N-[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェニル]-ベンゼンアミン及び(Addivant(Danbury、Connecticut、United States)から商標名NAUGARD(登録商標)445で市販されている)4-(1-メチル-1-フェニルエチル)-N-[4-(1-メチル-1-フェニルエチル)フェニル]-ベンゼンアミンを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0058】
B.界面活性剤
布地処理組成物は、布地処理組成物の約0.1重量%~約80重量%の界面活性剤を含み得る。界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。布地処理組成物が洗濯クリーニング組成物又は洗剤である場合、アニオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤が典型的に用いられる。布地処理組成物が布地柔軟化組成物である場合、カチオン性界面活性剤が典型的に用いられる。界面活性剤は、エラスタン含有布地の上への酸化防止剤の堆積に悪影響を及ぼさない一方で、汚れを除去し、酸化防止剤の分散を補助することができる。
【0059】
好適な非イオン性界面活性剤としては、アルコキシル化脂肪アルコール(例えば、エトキシル化脂肪アルコール)、アルコキシル化アルキルフェノール、アルキルフェノール縮合物、中鎖分岐状アルコール、中鎖分岐状アルキルアルコキシレート、アルキル多糖類、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、エーテル末端保護ポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤、及びこれらの混合物が挙げられ得るが、これらに限定されない。アルコキシレート単位は、エチレンオキシ単位、プロピレンオキシ単位、又はこれらの混合物であってもよい。非イオン性界面活性剤は、直鎖状、分岐状(例えば、中鎖分岐状)、又はこれらの組み合わせであってもよい。好適な非イオン性界面活性剤の例としては、BASF(Ludwigshafen、Germany)から商標名PLURONIC(登録商標)で市販されているもの、Shell(The Hague、The Netherlands)から商標名NEODOL(登録商標)非イオン性で市販されているもの、Huntsman Corporation(The Woodlands、Texas、United States)から商標名SURFONIC(登録商標)で市販されているものが挙げられ得る。
【0060】
好適なアニオン性界面活性剤としては、サルフェート洗浄性界面活性剤(例えば、アルコキシル化アルキルサルフェート材料及び/又は非アルコキシル化アルキルサルフェート材料)、及び/又はスルホン酸系洗浄性界面活性剤(例えば、アルキルベンゼンスルホネート)が挙げられ得るが、これらに限定されない。アニオン性界面活性剤は、直鎖状、分岐状、又はこれらの組み合わせであってもよい。好ましいアニオン性界面活性剤としては、直鎖状アルキルベンゼンスルホネート(LAS)、アルキルエトキシル化サルフェート(AES)、アルキルサルフェート(AS)、及びこれらの混合物が挙げられ得るが、これらに限定されない。他の好適なアニオン性界面活性剤としては、分岐状修飾アルキルベンゼンスルホネート(MLAS)、メチルエステルスルホネート(MES)、及び/又はアルキルエトキシル化カルボキシレート(AEC)が挙げられ得る。アニオン性界面活性剤は、酸形態、塩形態、又はその混合形態で存在し得る。アニオン性界面活性剤は、部分的に又は全体的に、例えば、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)又はアミン(例えば、モノエタノールアミン)によって中和されてもよい。アニオン性界面活性剤は、好ましくはアルカリ金属、アルカリ土類金属、エタノールアミンなどのアミン、又はこれらの混合物で予め中和されてもよい。
【0061】
好適な両性界面活性剤としては、アミンオキシドなどの当業者に既知の任意の従来の両性界面活性剤を挙げることができる。好ましいアミンオキシドとしては、アルキルジメチルアミンオキシド又はアルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシド、より好ましくはアルキルジメチルアミンオキシド、及び更により好ましくはココジメチルアミノオキシドが挙げられ得る。アミンオキシドは、直鎖又は中鎖分岐状アルキル部分を有し得る。典型的な直鎖状アミンオキシドとしては、1つのR18アルキル部分と、Cアルキル基、Cヒドロキシアルキル基、及びこれらの混合物からなる群から選択される2つのR及びR部分と、を含む、水溶性アミンオキシド挙げられ得る。好ましくは、アミンオキシドは、式R-N(R)(R)O(式中、Rは、C18アルキルであり、R及びRは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、及び3-ヒドロキシプロピルからなる群から選択される)によって特徴付けられる。アミンオキシド界面活性剤は、直鎖状C10~C18アルキルジメチルアミンオキシド及び直鎖状C~C12アルコキシエチルジヒドロキシエチルアミンオキシドを含んでもよい。
【0062】
好適な両性イオン性界面活性剤としては、ベタイン、特にアルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミダゾリニウムベタイン、スルホベタイン、ヒドロキシベタイン、及びホスホベタインなどの、当業者に既知の任意の従来の両性イオン性界面活性剤を挙げることができる。好適なベタインの例としては、アルキルジメチルベタイン及びココジメチルアミドプロピルベタイン、N-アルキル-N,N-ジメチルアミノ-1-プロパンスルホネートを挙げることができ、アルキル基は、C~C18又はC10~C14であり得る。
【0063】
好適なカチオン性界面活性剤としては、アルキルピリジニウム化合物、アルキル第四級アンモニウム化合物、アルキル第四級ホスホニウム化合物、アルキル第三級スルホニウム化合物、及びこれらの混合物が挙げられ得るが、これらに限定されない。好ましいカチオン性界面活性剤は、一般式:(R)(R)(R)(R)N(式中、Rは直鎖状又は分岐状、置換又は非置換のC6~18アルキル部分又はアルケニル部分であり、R及びRは、独立して、メチル部分又はエチル部分から選択され、Rはヒドロキシル部分、ヒドロキシメチル部分、又はヒドロキシエチル部分であり、Xは電荷の中性を提供するアニオンであり、好ましいアニオンとしては、ハライド、好ましくはクロリド;サルフェート、及びスルホネートを含む)を有する第四級アンモニウム化合物である。本発明の目的に対して、カチオン性界面活性剤には、布地ケア効果をもたらすことができるものが挙げられる。有用なカチオン性界面活性剤の非限定的な例として、脂肪族アミン、イミダゾリン第四級物質及び第四級アンモニウム界面活性剤が挙げられ、好ましくは、N,N-ビス(ステアロイル-オキシ-エチル)N,N-ジメチルアンモニウムクロリド、N,N-ビス(タロウオイル-オキシ-エチル)N,N-ジメチルアンモニウムクロリド、N,N-ビス(ステアロイル-オキシ-エチル)N-(2ヒドロキシエチル)N-メチルアンモニウムメチルスルフェート;1,2ジ(ステアロイル-オキシ)3トリメチルアンモニウムプロパンクロリド;ジカノーラジメチルアンモニウムクロリド、ジ(ハード)タロウジメチルアンモニウムクロリド、ジカノーラジメチルアンモニウムメチルサルフェートなどのジアルキレンジメチルアンモニウム塩;1-メチル-1-ステアロイルアミドエチル-2-ステアロイルイミダゾリニウムメチルサルフェート;1-タロウイルアミドエチル-2-タロウイルイミダゾリン;N,N”-ジアルキルジエチレントリアミン;脂肪酸が、(水素添加)タロウ脂肪酸、パーム脂肪酸、水素添加パーム脂肪酸、オレイン酸、菜種脂肪酸、水素添菜種脂肪酸、及びこれらの混合物である脂肪酸でエステル化されたN-(2-ヒドロキシエチル)-1,2-エチレンジアミン又はN-(2-ヒドロキシイソプロピル)-1,2-エチレンジアミンとグリコール酸との反応生成物が挙げられる。
【0064】
C.補助成分
本開示の布地処理組成物は、追加の補助成分を含んでよい。かかる補助成分は、処理された布地に更なる処理効果をもたらすことができ、かつ/又は補助成分は、安定化助剤若しくは加工助剤として布地処理組成物に作用することができる。布地処理組成物は、キレート剤、香料、構造化剤、塩素捕捉剤、溶媒、布地コンディショニング活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される補助成分を含んでもよい。
【0065】
i.キレート剤
布地処理組成物は、布地処理組成物の約0.1重量%~約10重量%のキレート剤を含み得る。キレート剤は、追加の悪臭制御効果をもたらし得る。好適なキレート剤としては、エチレンジアミンテトラアセテート、N-(ヒドロキシエチル)-エチレン-ジアミン-トリアセテート、ニトリロトリアセテート、エチレンジアミンテトラプロプリオネート、トリエチレン-テトラアミン-ヘキサアセテート、ジエチレントリアミン-ペンタアセテート、エタノールジグリシン、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホネート)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)(DTPMP)、エチレンジアミンジスクシネート(EDDS)、ヒドロキシエタンジメチレンホスホン酸(HEDP)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、及び1,2-ジイドロキシベンゼン-3,5-ジスルホン酸(Tiron)、これらの塩、並びにこれらの混合物が挙げられ得るが、これらに限定されない。好適なキレート剤の他の非限定的な例は、(全てがThe Procter&Gamble Company(Cincinnati、Ohio、United States)に対する)米国特許第7,445,644号、同第7,585,376号及び米国特許出願公開第2009/0176684(A1)号において見出すことができる。好適なキレート剤の例としては、Italmatch Chemicals(Genoa、Italy)から商標名DEQUEST(登録商標)シリーズで市販されているもの、並びにMonsanto(St.Louis、Missouri、United States)、DuPont Chemical(Wilmington、Delaware、United States)、及びNalco Inc.(Naperville、Illinois、United States)から市販されているキレート剤が挙げられる。
【0066】
ii.香料
布地処理組成物は、布地処理組成物の約0.1重量%~約20重量%の香料を含み得る。香料は、布地処理組成物で処理された布地に香り効果を付与することができる。香料は、非カプセル封入香料、カプセル封入香料、又は別の香料送達技術によって提供された香料であってよい。香料は、(The Procter&Gamble Company(Cincinnati、Ohio、United States)に対して発行された)米国特許第7,186,680号に概ね記載されている。カプセル化香料は、シェル内に封入された香油を含む複数の香料マイクロカプセルとして提供され得る。香料マイクロカプセルは、破砕しやすい香料マイクロカプセルであってもよい。香料マイクロカプセルは、(The Procter&Gamble Company(Cincinnati、Ohio、United States)に対する)米国特許出願公開第2008/0305982号において記載されているものであってもよい。カプセル化香料は、特に酸化防止剤によってもたらされる悪臭の低減と組み合わせた場合に、消費者の感覚的経験を高めることができるので、カプセル化香料は、本開示の布地処理組成物において有益であり得る。
【0067】
例えば香料を含まない布地処理組成物が、香料に敏感であるか、又は香料が布地を処理することを望まない消費者に所望される場合、布地処理組成物は、香料を実質的に含まなくてもよい。
【0068】
場合によっては、布地処理組成物が比較的無香であることが所望される場合がある。このような場合、追加の香料は添加されず、布地処理組成物は香料を実質的に含まなくてもよい。
【0069】
iii.構造化剤
布地処理組成物は、特に布地処理組成物が液体形態であるとき、布地処理組成物の約0.1重量%~約10重量%の構造化剤を含んでもよい。構造化剤は、液体組成物に物理的安定性を提供することができる。好適な構造化剤としては、非ポリマー結晶性ヒドロキシ官能性構造化剤、及び/又はポリマー構造化剤が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0070】
非ポリマー結晶性ヒドロキシ官能性構造化剤は、最終布地処理組成物への分散を補助するために予め乳化することができる、結晶化可能なグリセリドを含んでよい。好適な結晶化可能なグリセリドとしては、液体布地処理組成物中で結晶化することができるという条件で、硬化ヒマシ油(「hydrogenated castor oil、HCO」)又はその誘導体を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0071】
ポリマー構造化剤は、天然由来の構造化剤及び/又は合成構造化剤を含んでよい。天然由来のポリマー構造化剤としては、ヒドロキシエチルセルロース、疎水変性ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、多糖誘導体、及びこれらの混合物が挙げられ得るが、これらに限定されない。好適な多糖誘導体としては、ペクチン、アルギン酸塩、アラビノガラクタン、カラギーナン、ジェランガム、キサンタンガム、グアーガム、及びこれらの混合物が挙げられ得るが、これらに限定されない。合成ポリマー構造化剤としては、ポリカルボキシレート、ポリアクリレート、疎水変性エトキシ化ウレタン、疎水変性非イオン性ポリオール、及びこれらの混合物が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0072】
iv.塩素捕捉剤
布地処理組成物は、布地処理組成物の約0.1重量%~約10重量%の塩素捕捉剤を含んでもよい。塩素は、処理液を形成するために提供される水中に存在し得、生じる次亜塩化物イオン(hypochloride ion)は、エラスタン繊維を分解する場合がある。好適な塩素補足剤としては、塩化アンモニウム、第一級アミン(モノエタノールアミンなど)、及び当業者に既知の他の塩素補足剤が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0073】
v.溶媒
布地処理組成物は、布地処理組成物の約0.1重量%~約40重量%の溶媒を含み得る。溶媒は、特に液体形態の場合に、担体として作用し、かつ/又は布地処理組成物の安定性を促進することができる。非水性溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、エチレングリコール、グリセリン、グリコールエーテル、炭化水素、及びこれらの混合物などの有機溶媒を挙げることができる。他の非水性溶媒としては、シロキサン又は他のシリコーンなどの親油性流体、炭化水素、全フッ素化アミン、全フッ素化及びハイドロフルオロエーテル溶媒、並びにこれらの混合物を挙げることができる。
【0074】
vi.布地コンディショニング活性剤
布地処理組成物は、布地処理組成物の約1重量%~約30重量%の布地コンディショニング活性剤を含み得る。布地コンディショニング活性剤は、処理された布地に柔軟性、しわ防止、コンディショニング、伸張防止、色、及び/又は外観効果を提供するのに有用であり得る。好適な布地コンディショニング活性剤としては、第四級アンモニウムエステル化合物、シリコーン、非エステル第四級アンモニウム化合物、アミン、脂肪酸エステル、ショ糖エステル、シリコーン、分散性ポリオレフィン、多糖類、脂肪酸、柔軟化又はコンディショニング油、ポリマーラテックス、及びこれらの混合物が挙げられ得るが、これらに限定されない。好適な第四級アンモニウムエステル化合物の非限定的な例は、Evonik(Essen、Germany)から商標名REWOQUAT(登録商標)WE18及びREWOQUAT(登録商標)WE20で市販されているもの、並びにStepan Company(Northfield、Illinois、United States)から商標名STEPANTEX(登録商標)GA90、STEPANTEX(登録商標)VK90、及びSTEPANTEX(登録商標)VL90Aで市販されているものである。
【0075】
IV.方法:酸化防止剤の布地への堆積試験方法
A.布地見本の調製方法
布地を4回(全て、およそ49℃でヘビーデューティサイクルに設定された標準的な洗濯機において、1.55g/Lの光沢剤非含有標準布地処理洗剤で2サイクル後、水だけで洗剤なしで2サイクル)洗浄することによって、ストリップ状に切断された4インチ×4インチの布地見本を試験のために調製する。次いで、布地を、中低温(Permanent Press)に設定された標準乾燥機を用いて乾燥させる。
【0076】
B.布地処理組成物と布地の接触
ストリップ状に切断された試験用布地見本は、布地見本の調製方法に従って調製される。試験用布地見本を共に秤量し、布地見本当たり1つの10mmガラス大理石と共に500mL三角フラスコに載置する。試験対象の布地処理組成物のアリコートを、25:1の処理液の布地(w/w)との比を提供するのに十分な量で三角フラスコに添加する。三角フラスコに1000gpgのストック硬度溶液を投入して、6gpgの最終処理液硬度(3:1のカルシウム:マグネシウム)を得る。
【0077】
三角フラスコを標準的な実験室用振盪機に入れ、最大設定で12分間撹拌した後、処理液を吸引によって除去する。除去された処理液の量に等しい体積のすすぎ水(0gpg)を三角フラスコに添加する。三角フラスコに1000gpgのストック硬度溶液を投入して、6gpgの最終すすぎ液硬度(3:1のカルシウム:マグネシウム)を得た後、最大設定で更に4分間撹拌する。すすぎ液を吸引により除去する。
【0078】
次いで、試験用布地見本を標準的な脱水機を使用して1分間脱水させた後、50℃に設定された食品脱水機に30分間載置する。その後、金属切断ダイ及び油圧プレスを使用して、直径25mmの寸法である試験用円を試験用布地見本から切断し、マイラーバッグに入れる。
【0079】
選択された酸化防止剤に従って紫外線(ultraviolet、UV)波長に設定されたHPLC装置を使用して、既知の濃度で使用される酸化防止剤について検量線を決定する。試験用布地見本を、抽出緩衝液(90/10のアセトニトリル/水、およそ1:8(w/w)の比の試験用布地見本と抽出緩衝液)で、室温(約23℃)で2時間ボルテックスして、試験用布地見本のそれぞれから堆積した酸化防止剤を抽出し、抽出酸化防止剤溶液を形成する。それぞれの抽出酸化防止剤溶液のアリコートを、別個のHPLCバイアルに添加する。ブランク溶媒(70/30のアセトニトリル/水)を抽出酸化防止剤溶液に添加して、希釈した抽出酸化防止剤溶液を形成して、検量線に適合させる。次に、希釈した抽出酸化防止剤溶液を測定し、前述の酸化防止剤検量線に対して定量化する。布地上の酸化防止剤の堆積の測定出力は、HPLCバイアル中の酸化防止剤(μg)/希釈した抽出酸化防止剤溶液(g)で与えられる。酸化防止剤(μg)/布地(g)に変換するために、以下の計算が行われる:
【0080】
【数1】
【実施例
【0081】
実施例1:エラスタンを含有する様々な布地及びエラスタンを含有しない様々な布地への酸化防止剤の堆積
様々な布地への酸化防止剤の堆積を評価するために、以下の条件下で布地見本の調製方法及び酸化防止剤の布地への堆積試験方法に従って、6つの布地見本(実施例1A、1B、2A、2B、3A、3C)を調製した:AATCC Research Triangle Park(North Carolina、United States)から入手した1.55g/Lの光沢剤非含有AATCC標準的基準高性能液体洗剤、アイテム#48805A;洗濯機:Kenmore 600 Series洗濯機;乾燥機:Maytag社製市販乾燥機;18gの非イオン性界面活性剤に2gの酸化防止剤を溶解して、10%酸化防止剤溶液を形成し、その後、10%酸化防止剤溶液1gを、99gの光沢剤非含有AATCC標準的基準高性能洗剤に添加して、0.1%酸化防止剤を有する布地処理組成物を形成することによって調製された0.1%酸化防止剤を有する布地処理組成物(0.1%酸化防止剤を有する布地処理組成物は、その後、1.55g/1.0Lで脱イオン水に添加される。この用量は、洗浄によって1.55ppm(1550ppb)の酸化防止剤濃度を提供する);選択された酸化防止剤は、ブチル化ヒドロキシトルエンである;非イオン性界面活性剤は、Huntsman Corporation(The Woodlands、Texas、United States)から商標名SURFONIC(登録商標)L24-9で市販されている;実験室用振盪機:Burrell Scientific(Pittsburgh、Pennsylvania、United States)から市販されているBurrell Scientific Wrist Action(商標)Model75;脱水機:The Laundry Alternative,Inc.,(Nashua、New Hampshire、United States)から市販されているMini Countertop Spin Dryer;食品脱水機:Nesco,Inc.(Two Rivers、Wisconsin、United States)から市販されているNesco American Harvest食品脱水機モデルFD-80; HPLC装置:Agilent(Santa Clara、California、United States)から市販されているAgilent 1260 Infinity Quaternary HPLC装置;紫外線(UV)波長設定:278nm; HPLCバイアルに添加した抽出酸化防止剤溶液のアリコート:1mL;希釈された抽出酸化防止剤溶液を形成するために抽出酸化防止剤溶液に添加されたブランク溶媒:0.2mLのブランク溶媒。
【0082】
各実験を三回実行して、平均及び標準偏差を得る。結果を以下の表1及び図1に示す。
【0083】
【表1】
ナイロン/エラスタン布地(WFL America,LLC(Rock Hill、South Carolina、United States)から市販されているスタイルNS、コード#19505)。
ナイロン布地(Testafabrics(West Pittston、Pennsylvania、United States)から市販されているスタイル#365)。
ポリエステル/エラスタン布地(WFL America,LLC(Rock Hill、South Carolina、United States)から市販されているスタイルPS、コード#19507)。
ポリエステル布地(WFL America,LLC(Rock Hill、South Carolina、United States)から市販されているスタイルPE、コード#19508)。
綿/エラスタン布地(Testafabrics(West Pittston、Pennsylvania、United States)から市販されているスタイル#4301)。
綿布地(Testafabrics(West Pittston、Pennsylvania、United States)から市販されているスタイル#403)。
【0084】
表1及び図1の結果によって示されるように、エラスタンを含む3つの布地のそれぞれは、対応する非エラスタン含有対応布地に対して酸化防止剤の堆積が向上している。実施例2A及び実施例2Bに示すように、エラスタンが布地に存在しない場合(実施例2B)、酸化防止剤は布地に堆積しない。低濃度であってもエラスタンが存在する場合(実施例2A)、布地への酸化防止剤の堆積レベルが高く、酸化防止剤の堆積を可能にしているのは、布地におけるエラスタンであることを示している。
【0085】
実施例2:酸化防止剤が堆積する布地からの悪臭の低減
この実施例は、酸化防止剤を含む組成物により水性洗浄溶液中に堆積した酸化防止剤を添加したエラスタン含有布地が自動酸化性汚れに曝露されるときに生じる得る悪臭低減効果を実証する。悪臭低減効果は、エラスタン含有布地が、自動酸化性汚れによって汚れているときに現れる。
【0086】
A.布地見本の調製
布地の見本(2インチ×2インチ; Testafabrics(West Pittston、PA)から入手したスタイル#4301、92%綿/8%エラスタン)を、布地を4回(全て、およそ49℃でヘビーデューティサイクルに設定された標準的な洗濯機において、1.55g/Lの光沢剤非含有標準AATCCヘビーデューティ液体洗剤で2サイクル後、水だけで洗剤なしで2サイクル)洗浄することによって、試験のために調製する。布地は、メッシュのランジェリー用ランドリーバッグ内に収容され、中低温に設定された標準乾燥機を使用して乾燥される。
【0087】
B.布地上の銅(II)の堆積
塩化銅二水和物塩(Alfa Aesar(Haverhill、MA))を使用して、脱イオン水中のCu2+のストック溶液を調製する。綿/エラスタンの見本を乾燥ラック上に載置し、個々に銅溶液を添加して、布地1グラム当たり10μgのCu2+を得た後、食品脱水機で乾燥させる(50℃で30分間)。
【0088】
C.身体汚れ組成物の調製
テフロン(登録商標)で裏打ちしたキャップを有する100mLのガラスジャー中のジプロピレングリコールモノメチルエーテル(DPGM; CAS#34590-94-8)に、人工的な身体汚れ(artificial body soil、ABS)及びスクアレン(CAS#111-02-4)を溶解させる。ABS(Accurate Product Development,Fairfield,OH 45014)を40℃で溶融させてから、ジャーに添加する。身体汚れ組成物は、それぞれ8重量%のABS及びスクアレンを含有する。
【0089】
D.汚れた試験布地(soiled test fabric、STF)の調製
洗浄後の汚れをシミュレートするために、0.45μmolの酸化防止剤/布地(g)を含有する綿/エラスタン布地を、上記工程Cで調製した90μLの身体汚れ組成物を適用することによって調製する。3つの異なる酸化防止剤(表A参照)を、酸化防止剤を含まない対照布地と共に試験した。見本を、50℃に設定された食品脱水機で10分間乾燥させる。個々の見本を10mLのガラスヘッドスペースバイアル瓶に載置し、Teflon(商標)セプタムを有する蓋(Restek(Bellefonte、PA))を適所で圧着させる。
【0090】
E.汚れた試験布地上の悪臭の分析的検出
ABS/スクアレン悪臭センサーを使用して、悪臭低減について、質量選択検出器(5977B)、Chemstation定量パッケージ、及び固相マイクロ抽出(SPME)プローブを備えたGerstel多目的サンプラーを備えた、Agilientガスクロマトグラフ7890Bを使用して、ガスクロマトグラフィ質量分析により定量的に求める。6-メチル-5-ヘプテン-2-オン(CAS110-93-0)、trans-2-ヘプテナール(18829-55-5)、及び3-メチル-2-ブテナール(107-86-8)の較正標準を、これらの材料の既知の重量を軽質鉱油(CAS8020-83-5)(各材料はSigma Aldrichから入手可能)に溶解することによって、調製する。バイアルを、分析4時間超前に平衡化する。以下の設定をオートサンプラーで使用する:80℃のインキュベーション温度、90分のインキュベーション時間、VT32-10サンプルトレータイプ、22mmのバイアル浸透、20分の抽出時間、54mmの注入浸透、及び300秒の脱着時間。以下の設定をFront Split/Splitless入口ヘリウムについて使用する:スプリットモード、250℃の温度、12psiの圧力、79.5mL/分の総流量、3mL/分のセプタムパージ流量、50:1のスプリット比、及び22.5分のGCラン時間。以下の設定をオーブンにて使用する:40℃の初期温度、12℃/分の加熱プログラム、250℃の温度、及び5分の保持時間。各成分の分配係数(K、80℃)に基づいて、6-メチル-5-ヘプテン-2-オン(K=3353)、トランス-2-ヘプテナール(K=3434)、及び3-メチル-2-ブテナール(K=1119)の総計nmol/リットルを計算する。これらの値の3つの測定値(nmol/L)を足して一つにし、所与の試験区分についての総計ABS/スクアレンマーカー(nmol/L)を得る。
【0091】
F.%酸化生成物残留の算出
%酸化生成物残留(%Oxidation Products Remaining、OPR)は、(酸化防止剤を含まない)基準布地と比較された酸化防止剤処理布地により提供されるように、検出された選択された悪臭マーカーの量を比較する百分率として提供される。値を、以下のように求める:
%酸化生成物残留=(マーカー試験/マーカー基準100
マーカー基準及びマーカー試験の値を、以下のように定義する。
マーカー基準=酸化防止剤を含まない配合物(例えば、基準又は対照配合物)が投入された布地の総ABS/スクアレンマーカー(nmol/L)
マーカー試験=試験された酸化防止剤を有する配合物が投入された布地の総ABS/スクアレンマーカー(nmol/L)
【0092】
G.結果
上記の実験の結果を表Aに示す。追加の酸化防止剤(ジアリールアミン又はヒンダードフェノールのいずれか)を含む全ての布地は、対照布地よりも有意に低い%OPRを有する。
【0093】
【表2】
【0094】
測定した酸化生成物は、典型的には悪臭であると考えられるため、組成物によってもたらされた%OPRが低くなるほど、処理した布地では悪臭が減少する可能性が高いと考えられる。したがって、より小さい値の%OPRが典型的に好ましい。本開示の組成物及びプロセスにより、約90%未満、又は約80%未満、又は約70%未満、又は約60%未満、又は約50%未満、又は約40%未満、又は約30%未満、又は約20%未満の%OPR値をもたらすことができる。
【0095】
VI.組み合わせ
A.エラスタン含有布地を処理する方法であって、
酸化防止剤及び界面活性剤を含む布地処理組成物を提供する工程と、
エラスタン含有布地を提供する工程と、
水の存在下でエラスタン含有布地を布地処理組成物と接触させる工程と、を含み、布地処理組成物及び水は、少なくとも25ppb、好ましくは少なくとも100ppb、より好ましくは少なくとも250ppb、更により好ましくは少なくとも500ppb、更により好ましくは少なくとも1000ppbの酸化防止剤濃度、少なくとも10ppm、好ましくは少なくとも25ppm、より好ましくは少なくとも50ppm、更により好ましくは少なくとも100ppmの界面活性剤濃度を有する処理液を形成し、処理液とエラスタン含有布地との比(w/w)は、0.1:1~100:1であり、
酸化防止剤の布地への堆積試験方法に従って測定されるときに、酸化防止剤の少なくとも一部分、好ましくは少なくとも1μg/g、より好ましくは少なくとも2μg/g、より好ましくは少なくとも3μg/g、更により好ましくは少なくとも4μg/g、最も好ましくは少なくとも5μg/gが、エラスタン含有布地の上に堆積される、エラスタン含有布地を処理する方法。
B.方法は、水の存在下でエラスタン含有布地を布地処理組成物と接触させる工程の後に、エラスタン含有布地をすすぐ工程を更に含む、段落Aに記載のエラスタン含有布地を処理する方法。
C.方法は、水の存在下でエラスタン含有布地を布地処理組成物と接触させる工程の後に、エラスタン含有布地を乾燥させる工程を更に含む、段落A又はBに記載のエラスタン含有布地を処理する方法。
D.水の存在下でエラスタン含有布地を布地処理組成物と接触させる工程の前に、エラスタン含有布地は、不飽和有機汚れを含み、好ましくは、不飽和有機汚れは、皮脂を含む、段落A~Cのいずれか1つに記載のエラスタン含有布地を処理する方法。
E.水の存在下でエラスタン含有布地を布地処理組成物と接触させる工程の前に、エラスタン含有布地は、不飽和有機汚れを実質的に含まない、段落A~Cのいずれか1つに記載のエラスタン含有布地を処理する方法。
F.処理液が少なくとも1ppmの銅を含む、段落A~Eのいずれか1つに記載のエラスタン含有布地を処理する方法。
G.水の存在下でエラスタン含有布地を布地処理組成物と接触させる工程の前に、エラスタン含有布地は、少なくとも1ppmの銅を含む、段落A~Fのいずれか1つに記載のエラスタン含有布地を処理する方法。
H.エラスタン含有布地は、エラスタン含有布地の少なくとも1重量%、又は少なくとも2重量%、又は少なくとも3重量%、又は少なくとも4重量%、又は少なくとも5重量%のエラスタンを含む、段落A~Gのいずれか1つに記載のエラスタン含有布地を処理する方法。
I.エラスタン含有布地は、ポリエステル、ナイロン、綿、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料を含む、段落A~Hのいずれか1つに記載のエラスタン含有布地を処理する方法。
J.エラスタン含有布地は、エラスタン含有布地の少なくとも50重量%、又は少なくとも60重量%、又は少なくとも70重量%、又は少なくとも80重量%、又は少なくとも90重量%のポリエステルを含む、段落Iに記載のエラスタン含有布地を処理する方法。
K.エラスタン含有布地は、エラスタン含有布地の少なくとも50重量%、又は少なくとも60重量%、又は少なくとも70重量%、又は少なくとも80重量%のナイロンを含む、段落Iに記載のエラスタン含有布地を処理する方法。
L.エラスタン含有布地は、エラスタン含有布地の少なくとも50重量%、又は少なくとも60重量%、又は少なくとも70重量%、又は少なくとも80重量%、又は少なくとも90重量%、又は少なくとも92重量%の綿を含む、段落Iに記載のエラスタン含有布地を処理する方法。
M.酸化防止剤は、アルキル化フェノール、アリールアミン、及びこれらの混合物からなる群から選択され、好ましくはアルキル化フェノールは、2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-メチル-フェノール、3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸のC~C18の直鎖状又は分岐状アルキルエステル、及びこれらの混合物からなる群から選択されるヒンダードフェノールであり、好ましくはヒンダードフェノールは、2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-メチル-フェノールである、段落A~Lのいずれか1つに記載のエラスタン含有布地を処理する方法。
N.界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、又はこれらの組み合わせを含む、段落A~Mのいずれか1つに記載のエラスタン含有布地を処理する方法。
O.布地処理組成物は、キレート剤、香料、構造化剤、塩素捕捉剤、溶媒、布地コンディショニング活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される補助成分を含み、好ましくは、補助成分は、界面活性剤及び/又はキレート剤である、段落A~Mのいずれか1つに記載のエラスタン含有布地を処理する方法。
【0096】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0097】
相互参照される又は関連する任意の特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとは見なされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとは見なされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0098】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
図1