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特許7359879結合された光活性化可能配合物アプリケータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】結合された光活性化可能配合物アプリケータ
(51)【国際特許分類】
   A45D 34/04 20060101AFI20231003BHJP
   B65D 83/00 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
A45D34/04 525Z
A45D34/04 540
B65D83/00 J
【請求項の数】 13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022000098
(22)【出願日】2022-01-04
(62)【分割の表示】P 2017567647の分割
【原出願日】2016-08-18
(65)【公開番号】P2022058475
(43)【公開日】2022-04-12
【審査請求日】2022-01-18
(31)【優先権主張番号】14/829,370
(32)【優先日】2015-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/337,072
(32)【優先日】2016-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L’OREAL
【住所又は居所原語表記】14 Rue Royale,75008 PARIS,France
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】ストリーター, ジョン
(72)【発明者】
【氏名】カササンタ, ヴィンチェンツォ
(72)【発明者】
【氏名】ミラー, ゼイン ボウマン, アレン
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-508108(JP,A)
【文献】特表2011-500123(JP,A)
【文献】特開2001-335468(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 33/00-40/30
A61F 2/82-2/97
A61M 25/00-29/04
A61M 35/00-36/08
A61M 37/00
A61M 99/00
B65D 83/00
B65D 83/08-83/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケータ装置であって、
ィスペンサー部位及び配合物リザーバを含む配合物アセンブリ、及び
前記配合物アセンブリに操作可能に連結されたフォトドーズアセンブリを含み、
前記配合物リザーバは、交換可能な配合物カートリッジ内に保持され、
前記配合物アセンブリは、前記配合物リザーバから配合物を生体表面の一つ又は複数の領域に分注するように操作可能であり、
前記フォトドーズアセンブリは、電磁エネルギーを生体表面の一つ又は複数の焦域の上に集束させるために配向された少なくとも一つのイルミネータと、
前記ディスペンサー部位に近接して配置される光リングであって、前記ディスペンサー部位が前記光リングと同心円状になるように配置される、光リングと、
前記光リングに光学的に取り付けられ、前記集束された電磁エネルギーを前記少なくとも一つのイルミネータから前記光リングへ伝えるように構成された前記カートリッジの外面上の、複数の導波路構造と、
を含み、
前記光リングは、前記集束された電磁エネルギーを前記アプリケータ装置外へ放射するように構成され、
前記集束された電磁エネルギーは、前記配合物リザーバから分注された配合物を変化させ又は作用を引き起こすのに十分な特性及び継続時間を有しており
前記イルミネータは、前記交換可能な配合物カートリッジの端部であって、前記ディスペンサー部位の反対側に位置しており、
前記ディスペンサー部位の後方にシールドが配置され、前記イルミネータからの光を前記ディスペンサー部位へ向けて透過させつつ、前記配合物を保持する前記リザーバへ向けての反射光をブロックする、アプリケータ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のアプリケータ装置であって、前記配合物が、光活性化可能配合物である、アプリケータ装置。
【請求項3】
請求項1に記載のアプリケータ装置であって、前記ディスペンサー部位が、球状ディスペンサーである、アプリケータ装置。
【請求項4】
請求項1に記載のアプリケータ装置であって、前記配合物が、光活性ポリマー、光活性オリゴマー、光活性モノマー、又は架橋性ポリマーの少なくとも一つを含む、アプリケータ装置。
【請求項5】
請求項1に記載のアプリケータ装置であって、前記配合物アセンブリが、一つ又は複数の光変性材料を含む、アプリケータ装置。
【請求項6】
請求項1に記載のアプリケータ装置であって、前記ディスペンサー部位が、前記配合物を前記生体表面の一つ又は複数の領域上に分注するためのローラアセンブリを含む、アプリケータ装置。
【請求項7】
請求項1に記載のアプリケータ装置であって、前記フォトドーズアセンブリが、スペクトルパラメータを光変性組成物の種類を示す情報に基づいて調整するように構成されている、アプリケータ装置。
【請求項8】
請求項に記載のアプリケータ装置であって、前記スペクトルパラメータが、前記集束された電磁エネルギーの波長、前記集束された電磁エネルギーの強度、又は前記集束された電磁エネルギーの持続時間の一つ又は複数を含む、アプリケータ装置。
【請求項9】
請求項1に記載のアプリケータ装置であって、前記配合物アセンブリが、前記配合物を、前記一つ又は複数の配合物リザーバから前記生体表面の一つ又は複数の領域上へ、光変性速度に見合った速度で分注する、アプリケータ装置。
【請求項10】
請求項1に記載のアプリケータ装置であって、前記集束された電磁エネルギーが、前記一つ又は複数の配合物リザーバ内の配合物に基づいて選択される、アプリケータ装置。
【請求項11】
請求項1に記載のアプリケータ装置であって、前記集束された電磁エネルギーが、複数の波長における電磁エネルギーを含み、当該複数の波長が、複数の配合物のコーティングを光活性化するように操作可能である、アプリケータ装置。
【請求項12】
請求項1に記載のアプリケータ装置であって、前記配合物アセンブリが、少なくとも一つの配合物ネブライザを含む、アプリケータ装置。
【請求項13】
請求項1に記載のアプリケータ装置であって、前記少なくとも一つのイルミネータが、前記集束された電磁エネルギーを前記少なくとも一つの導波路構造へ伝えるように、前記少なくとも一つの導波路構造に光学的に取り付けられた、III-V半導体材料又はIII-N半導体材料の少なくとも一つを含む発光ダイオード(LED)を含む、アプリケータ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願>
本出願は、2016年5月16日に出願された米国仮出願第62/337,072号及び2015年8月18日に出願された米国出願第14/829,370号の内容を、参照によりその全体を本明細書に組み込むものであり、また、本出願は米国出願第14/829,370の一部継続出願である。
【0002】
<概要>
一つの実施形態において、アプリケータ装置は、光活性配合物アセンブリ及び光活性配合物アセンブリに操作可能に連結されたフォトドーズアセンブリを含む。光活性配合物アセンブリは、ディスペンサー部位及び一つ又は複数の光活性化可能配合物リザーバを含む。光活性配合物アセンブリは、一つ又は複数の光活性化可能配合物リザーバから生体表面の一つ又は複数の領域上へ光活性化可能配合物を分注するように操作可能である。フォトドーズアセンブリは、電磁エネルギーを生体表面の一つ又は複数の焦域の上に集束させるために配向された少なくとも一つのイルミネータを含む。集束された電磁エネルギーは、一つ又は複数の光活性化可能配合物リザーバから分注された光活性化可能配合物を光活性化するのに十分な特性及び継続時間を有している。
【0003】
一つの例において、光活性配合物アセンブリは、少なくとも一つの交換可能な配合物カートリッジを含む。別の例において、光活性配合物は、一つ又は複数の光活性ポリマー、光活性オリゴマー、光活性モノマー、架橋性ポリマーなどを含む。別の例において、光活性配合物アセンブリは、一つ又は複数の光変性材料を含む。別の例において、フォトドーズアセンブリは、ディスペンサー部位に近接した光リングを含む。
【0004】
一つの実施形態において、フォトドーズアセンブリは少なくとも一つの導波路構造を含む。一つの実施形態において、フォトドーズアセンブリは、放射された電磁エネルギー刺激を生体表面の一つ又は複数の焦域へ向けるように構成された一つ又は複数の導波路構造を含む。導波路構造の非限定的な例は、電磁エネルギー導波管、音響エネルギー導波管(例えば、超音波エネルギー導波管)、光エネルギー導波管(例えば、光ファイバー、フォトニック結晶ファイバーなど)、放射導波管、熱エネルギー導波管などを含む。導波路構造の更なる非限定的な例は、回折素子(例えば、格子、クロス格子など)、拡散素子、エッチング、ファセット、溝、レンズ構造、光拡散構造、ミラー構造、ミラー表面、光学マイクロプリズム、レンズ(例えば、マイクロレンズなど)、反射コーティング、反射材料、反射表面、テクスチャ加工、薄膜など、およびそれらの組み合わせを含む。一つの実施形態において、導波路構造は、電磁エネルギーの波を誘導するのに適した構造を含む。
【0005】
一つの実施形態において、導波路構造は、透明、半透明、又は光透過性材料、及びそれらの組み合わせ又は複合材料の少なくとも一つを含む。透明、半透明、又は光透過性材料の非限定的な例には、光波の透過または伝播に対して低い光減衰率を有する材料が含まれる。透明、半透明、又は光透過性材料の更なる非限定的な例には、ホウケイ酸ガラス、結晶、エポキシ、ガラス、光学的に透明な材料、プラスチック、ポリマー、樹脂、半透明材料、熱樹脂、熱プラスチックなど、及びそれらの組み合わせ又は複合体が含まれる。
【0006】
別の例において、フォトドーズアセンブリ26は、複数の導波路構造を含む。別の例において、光活性配合物アセンブリは、光活性化可能配合物を生体表面の一つ又は複数の領域上に分注するためのローラアセンブリを含み、フォトドーズアセンブリは、ローラアセンブリに近接した光リングを含む。一つの実施形態において、フォトドーズアセンブリは一つ又は複数の導波管を含む。一つの実施形態において、ローラアセンブリは一つ又は複数の導波管から構成される。
【0007】
別の例において、フォトドーズアセンブリは、スペクトルパラメータを光変性組成物の種類が示す情報に基づいて調整するように構成されている。例えば、操作の際、フォトドーズアセンブリは、放射強度、放射位相、放射偏光、放射波長(例えば、ピーク放射波長、発光波長、平均放射波長など)、パルス周波数などを、光変性組成物の種類が示す一つ又は複数を入力に応じて変化させるように構成された回路を含む。
【0008】
別の例において、スペクトルパラメータは、集束された電磁エネルギー、集束された電磁エネルギーの強度、又は集束された電磁エネルギーの継続時間の一つ又は複数を含む。別の例において、光活性配合物アセンブリは、光活性化可能配合物を、一つは又は複数の光活性化可能配合物リザーバから生体表面の一つ又は複数の領域上へ、光変性速度に見合った速度で分注する。
【0009】
別の例において、イルミネータ、は光活性配合物アセンブリのディスペンサー部位に対して同心円状に配置される。別の例において、電磁エネルギーは、一つ又は複数の光活性化可能配合物リザーバ内の光活性化可能配合物に基づいて選択される。別の例において、集束された電磁エネルギーは、複数の波長における電磁エネルギーを含み、この複数の波長は、複数の光活性化可能配合物のコーティングを光活性化するように操作可能である。別の例において、光活性配合物アセンブリは、少なくとも一つの光活性化可能配合物ネブライザを含む。
【0010】
別の一つの実施形態において、光活性化可能配合物を付与する方法は、光活性配合物アセンブリのディスペンサー部位によって、光活性化可能配合物を一つ又は複数の光活性化可能配合物リザーバから生体表面の一つ又は複数の領域上に分注し、光活性配合物アセンブリに連結されたフォトドーズアセンブリによって、少なくとも一つのイルミネータから生体表面の一つ又は複数の焦域上へ電磁エネルギーを集束させることを含む。集束された電磁エネルギーは、一つ又は複数の光活性化可能配合物リザーバから分注された光活性化可能配合物を光活性化するのに十分な特性及び継続時間を有している。
【0011】
一つの例において、光活性配合物アセンブリは、配合物カートリッジの交換可能な部品であり、光活性化可能配合物を分注することは、光活性化可能配合物を交換可能な配合物カートリッジから分注することを含む。別の例において、この方法はさらに、交換可能な配合物カートリッジを、フォトドーズアセンブリを含むアプリケータから取り外し、第二の交換可能な配合物カートリッジをアプリケータに取り付け、そして第二の交換可能な配合物カートリッジから第二の光活性化可能配合物を生体表面の一つ又は複数の領域上に分注することを含む。別の例において、この方法はさらに、フォトドーズアセンブリによって少なくとも一つのイルミネータからの電磁エネルギーを生体表面の一つ又は複数の焦域上に集束させることを含み、集束された電磁エネルギーは、第二の交換可能な配合物カートリッジから分注された第二の光活性化可能配合物を光活性化するのに十分な特性及び継続時間を有している。
【0012】
一つの実施形態において、アプリケータ装置は、一つ又は複数のディスペンサー部位及び一つ又は複数の光活性化可能配合物リザーバを含む光活性配合物アセンブリを含み、光活性配合物アセンブリは光活性化可能配合物を一つ又は複数の光活性化可能配合物リザーバから生体表面の一つ又は複数の領域上へ分注するように操作可能であり、フォトドーズアセンブリは光活性配合物アセンブリに操作可能に連結され、フォトドーズアセンブリは、電磁エネルギーを生体表面の一つ又は複数の焦域上に集束させるために配向された少なくとも一つのイルミネータを含み、集束された電磁エネルギーは、一つ又は複数の光活性化可能配合物リザーバから分注された光活性化可能配合物を光活性化するのに十分な特性及び継続時間を有している。
【0013】
一つの実施形態において、アプリケータ装置は、少なくとも一つのイルミネータを活性化するように構成された少なくとも一つの近接センサを含む。一つの例において、少なくとも一つの近接センサは、赤外線センサ、音響センサ、超音波センサ、コンダクタンスセンサ、誘電センサ、キャパシタンスセンサ、電気化学センサ、蛍光センサ、力センサ、熱センサ、熱電対、サーミスター、インターデジタルセンサ、光学センサ、生理学的センサ、及び誘導センサからなる群から選択される。一つの例において、近接センサは、少なくとも一つのイルミネータを活性化させるためには生体表面との接触が必要である。
【0014】
一つの実施形態において、イルミネータは、生体表面上にイメージを投影するように操作可能である。一つの例において、イメージは、処置のための指示、処置を案内するための標的又はガイド、あるいは通知の一つ又は複数を含む。
【0015】
一つの実施形態において、アプリケータ装置は、生体表面のイメージを撮影するように操作可能なカメラを含む。
【0016】
一つの実施形態において、ディスペンサー部位は、当該ディスペンサー部位の外面上の生体適合性を有する導電性コーティングを含む。
【0017】
一つの実施形態において、ディスペンサー部位は、生体表面上をロールするように操作可能なボールを含む。一つの例において、生体適合性を有する導電性コーティングは、ポリエチレンジオキチオフェン、これらのナノ複合体、又はグラフェンを含む。一つの例において、生体適合性を有する導電性コーティングは電極である。
【0018】
一つの実施形態において、アプリケータ装置は、ディスペンサー部位に近接しているシールドを含み、シールドは、少なくとも一つのイルミネータからディスペンサー部位へ向けて光を透過させるように操作可能な一方向ミラーを含む。一つの例において、シールドは反射光をブロックするように操作可能である。一つの例において、シールドは半球形状を有している。
【0019】
一つの実施形態において、光活性配合物アセンブリは、情報が埋めこまれた機械読取り可能な特性を含む。一つの例において、機械読取り可能な特性は、無線周波数識別タグ、磁気チップ、バーコード、二次元バーコード、又は他の任意の電気的に読取り可能なチップである。一つの例において、情報は、光活性配合物を活性化するための波長、時間、振幅、又はこれらの組み合わせを含む。
【0020】
一つの実施形態において、フォトドーズアセンブリは、機械読取り可能な特性の近傍に位置するように構成されたリーダーを含み、リーダーは、機械読取り可能な特性に提供された情報を読み取ることが可能である。一つの例において、フォトドーズアセンブリは、イルミネータにより届けられた電磁エネルギーの波長、イルミネータがオンである時間、イルミネータにより生成される電磁エネルギーの振幅、又は任意の組み合わせを、機械読取り可能な特性の情報に基づいて制御するように操作可能である。
【0021】
一つの実施形態において、光活性配合物アセンブリは、光活性配合物が活性化される波長、時間、又は振幅が埋めこまれた機械読取り可能な特性を含み、フォトドーズアセンブリは、機械読取り可能な特性の近傍に配置されたリーダーを含む。
【0022】
一つの実施形態において、光活性配合物アセンブリは、外部表面に固定された一つ又は複数の導波管を含む。
【0023】
一つの実施形態において、アプリケータ装置は、フォトドーズアセンブリの内面と光活性配合物アセンブリの外面の間に配置された空洞を含み、フォトドーズアセンブリの内面及び光活性配合物アセンブリの外面は反射面を有している。一つの例において、空洞は楕円反射鏡を形成する。
【0024】
一つの実施形態において、ディスペンサー部位は、フレキシブルな外面を有するボール、及びフレキシブルな外面内の液体又はゲルを含む。
【0025】
一つの実施形態において、アプリケータ装置は、一つ又は複数のディスペンサー部位及び一つ又は複数の光活性化可能配合物リザーバを含む光活性配合物アセンブリを含み、光活性配合物アセンブリは、一つ又は複数の光活性化可能配合物リザーバから生体表面の一つ又は複数の領域上へ光活性化可能配合物を分注するように操作可能であり、フォトドーズアセンブリは、光活性配合物アセンブリに操作可能に連結され、光活性配合物アセンブリは、前記フォトドーズアセンブリへの挿入を単一の方向性により可能にし、少なくとも一つのイルミネータを含むフォトドーズアセンブリは、電磁エネルギーを生体表面の一つ又は複数の焦域の上に集束させるために配向され、集束された電磁エネルギーは、一つ又は複数の光活性化可能配合物リザーバから分注された光活性化可能配合物を光活性化するのに十分な特性及び継続時間を有している。
【0026】
一つの実施形態において、光活性化可能配合物を付与する方法は、光活性配合物アセンブリのディスペンサー部位によって、光活性化可能配合物を一つ又は複数の光活性化可能配合物リザーバから生体表面の一つ又は複数の領域上に分注し、光活性配合物アセンブリ上の機械読取り可能な特性から、光活性化可能配合物を活性化するために必要な情報を読取り、そして光活性配合物アセンブリに操作可能に連結されたフォトドーズアセンブリによって、少なくとも一つのイルミネータから生体表面の一つ又は複数の焦域上へ電磁エネルギーを集束させることを含み、電磁エネルギーの波長、イルミネータがオンにされている時間、電磁エネルギーの振幅、又は任意の組み合わせは、機械読取り可能な特性から読み取られた情報に基づく。
【0027】
この概要は、以下の詳細な説明でさらに説明される概念の選択を簡略化された形で紹介するために提供される。この概要は、特許請求の範囲に記載の発明の内容の重要な特徴を特定することを意図するものでもなければ、特許請求の範囲に記載の発明の内容の範囲を判定する助けとして使用されることを意図するものでもない。
【0028】
開示される本発明の側面及び付随する利点の多くは、添付の図面と合わせて以下の詳細な説明を参照することによって、よりよく理解されるにつれて、より容易に理解されるようになるものである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1は、以下の実施形態に開示される、光活性化可能配合物を分注し、分注された光活性化可能配合物を光活性化するためのアプリケータの一実施形態の斜視図である。
図2図2は、以下の実施形態に開示される、図1に示される一実施形態に係るアプリケータの別の斜視図である。
図3図3は、以下の実施形態に開示される、図1に示される一実施形態に係るアプリケータを横から見た断面図である。
図4図4は、以下の実施形態に開示される、図1に示される一実施形態に係るアプリケータを横から見た分解図である。
図5図5は、以下の実施形態に開示される、図1に示される一実施形態に係るアプリケータの分解斜視図である。
図6図6は、以下の実施形態に開示される、図1に示される一実施形態に係るアプリケータのディスペンサーの端部の部分断面図である。
図7図7は、以下の実施形態に開示される、図1に示される一実施形態に係るアプリケータのディスペンサーの端部の端面図である。
図8図8は、以下の実施形態に開示される、図1に示される一実施形態に係るアプリケータの斜視図である。
図9図9は、光活性化可能配合物を付与する方法の一実施形態であり、以下に開示される光活性化可能配合物を分注し光活性化可能なアプリケータの実施形態の利用により実施可能なものである。
図10図10は、以下の実施形態に開示されるアプリケータの横からみた断面図である。
図11図11は、以下の実施形態に開示されるアプリケータの横からみた断面図である。
【0030】
<詳細な説明>
配合物アプリケータは、肌や他の生体表面に配合物を付与するために用いられる。アプリケータから配合物を付与することが可能であることは、ユーザの利便性に特に影響する。他の配合物容器、例えば瓶、ボトルなどは容器内の配合物のいくらかの量を浪費することとなり、また、大気や他の環境因子へ暴露されることにより配合物の使用可能期間を短縮させてしまう。肌に付与される配合物には、メイクアップ、パーソナルソープ、スキンケア製品、ヘアケア製品、又は他の任意の化粧製品を含む。
【0031】
光又は他の電磁エネルギーにより活性化される配合物がいくつか開発されている。これらの配合物は、光活性化可能配合物と呼ばれることがあるが、特定の特性を有する電磁エネルギーに特定の時間暴露されることによりいくらか光活性になるものである。いくつかの例において、光活性化可能配合物の活性化は、光活性化可能配合物の実体的な変化、光活性化可能配合物の反応、又は他の任意の光活性化可能配合物の作用又は変化を含む。一つの実施形態において、光活性化可能配合物の実体的な変化は電磁エネルギーによる刺激に起因する粘度の変化を含む。いくつかの例において、実体的な変化又は反応は、架橋、制御された放出、又はラジカルの生成を含む。光活性化可能配合物が活性化波長の電磁エネルギーに暴露されると、電磁エネルギーは光活性化可能配合物を活性化し、変化又は作用を引き起こす。いくつかの例において、活性化波長は特定の波長又は特定の範囲内の波長である。他の例において、光活性配合物は、光活性ポリマー、光活性オリゴマー、架橋性ポリマー、又は光変性材料の少なくとも一つを含む。
【0032】
光活性化可能配合物のいくつかの例は、ファンデーション、リップスティック、マニキュア、皮膚カバー剤、皮膚充填剤、及び他の化粧品配合物用の架橋されたポリマーやオリゴマーを含む。架橋されたポリマーやオリゴマーのいくつかの例は、光ラジカル開始剤により架橋されるポリエチレングリコールアクリレート及び光架橋性スチルバゾール(SbQ)の官能基を導入された主鎖(SMA-SbQ、PVA-SbQ)を含む。一つの例において、いくつかのPVA-SbQ材料は365nmの波長における紫外線の電磁エネルギーを用いることにより効率的に架橋される。可視光領域に及ぶより長い波長(すなわち、400nmより大きい波長)において架橋するように設計された他の配合物も開発されている。
【0033】
光活性化可能配合物の例は、「Photo-Curable Cosmetic Compositions」と題する米国特許出願公開US2013/0171083号、「Fast Curing Cosmetic Compositions for Tack Free Surface Photocuring of Radically Polymerizable Resins with UV-LED」と題する米国特許出願公開US2015/00139924号、「Photo-Curable Resin for Cosmetic Application」と題する米国特許公開US8,734,772号及び「Cosmetic Process for Making Up and/or Caring for the Lips」と題する国際公開WO2013/190469号により詳細に開示されており、これらの内容を、参照によりその全体を本明細書に組み込むものである。
【0034】
図1図8は、光活性化可能配合物を分注し、分注された光活性化可能配合物を活性化するアプリケータ20の実施形態を表す。図1及び図2は、アプリケータ20の実施形態の斜視図を表す。図3は、アプリケータ20の実施形態を横から見た断面図を表す。図4及び図5は、それぞれ、アプリケータ20の実施形態の横から見た分解図及び分解斜視図を表す。図6は、アプリケータ20のディスペンサーの端部の実施形態の部分断面図を表す。図7は、アプリケータ20のディスペンサーの端部の実施形態の端面図を表す。図8は、アプリケータ20の実施形態の斜視図を表す。
【0035】
図1及び図2に表されるように、アプリケータ20は光活性配合物アセンブリ22を含む。光活性配合物アセンブリ22は、光活性化可能配合物を生体表面上の一又は複数の領域(すなわち、皮膚の一部)に分注するように操作可能なディスペンサー部位24を含む。図1及び図2に示される特定の実施形態において、ディスペンサー部位24は球状ディスペンサーである。いくつかの例において、球状ディスペンサーの球は、金属球、セラミック球、又はポリマー球である。いくつかの実施形態において、ディスペンサー部位24は規則的または不規則な断面形状を有するディスペンサーを含む。いくつかの実施形態において、ディスペンサー部位24は回転楕円体の幾何学的形状、円柱形状などを有するディスペンサーを含む。いくつかの実施形態において、ディスペンサー部位24は凹凸を施された表面を含む。いくつかの実施形態において、ディスペンサー部位24は、疎水性コーティング、親水性コーティングなどの少なくとも一つを施された表面を含む。いくつかの実施形態において、ディスペンサー部位24は摩擦係数が約0.15~約0.3の範囲にある表面材料を含む。いくつかの実施形態において、ディスペンサー部位24は摩擦係数が約0.005~約0.2の範囲にある表面材料を含む。
【0036】
いくつかの実施形態において、以下においてより詳細に開示されるように、アプリケータ20は光活性化可能配合物リザーバを一つ又は複数含み、当該光活性化可能配合物リザーバから光活性化可能配合物が生体表面上の一又は複数の領域に分注される。
【0037】
アプリケータ20は、また、フォトドーズアセンブリ26を含み、当該フォトドーズアセンブリ26は光活性配合物アセンブリ22に操作可能に連結している。以下においてより詳細に開示されるように、フォトドーズアセンブリ26は、電磁エネルギーを生体表面の一つ又は複数の焦域に集中させるように配向した少なくとも一つのイルミネータを含んでいる。フォトドーズアセンブリ26からの集束された電磁エネルギーは、光活性配合物アセンブリ22から分注された光活性化可能配合物を光活性化するのに十分な特性及び継続時間を有する。
【0038】
図1及び図2に示される実施形態において、フォトドーズアセンブリ26は光リング28を含み、当該光リング28は光活性配合物アセンブリ22に対して実質的に同心円状に配置されている。光リング28は、また、フォトドーズアセンブリ26の少なくとも一つのイルミネータから放射された電磁エネルギーが光リング28を通過して生体表面の一つ又は複数の焦域に向けられるように配置されている。一つの実施形態においては、フォトドーズアセンブリ26により放射される電磁エネルギーの分光パラメータの種類(例えば、波長、強度、又は継続時間)は、光変性組成物の種類により示される情報に基づいて選択される。いくつかの実施形態においては、光リング28は、少なくとも一つのイルミネータから放射される電磁エネルギーを集束させるように構成され、レンズ、ディフューザ、またはグレーティングのうちの一つ又は複数を含む。
【0039】
アプリケータ20は、筐体30も含む。一つの例において、筐体30は光活性配合物アセンブリ22及びフォトドーズアセンブリ26を保持しており、ここで、フォトドーズアセンブリ26の少なくとも一つのイルミネータは、生体表面の一つ又は複数の焦域に電磁エネルギーを集束させるように配向され、集束された電磁エネルギーは、光活性配合物アセンブリ22の一つ又は複数の光活性化可能配合物リザーバから分注された光活性化可能配合物を光活性化させるのに十分な特性と継続時間を有している。いくつかの実施形態において、アプリケータ20は、ユーザによるアプリケータ20の使用を助けるためのボタン32または把持部34などのアクチベータなどの機能も含む。例えば、一つの実施形態においては、ボタン32は電源ボタンであり、光活性配合物アセンブリ22の反対側の端部に設けられ、フォトドーズアセンブリ26へ電源を切り替えるように構成されている。別の実施形態においては、筐体30はユーザがアプリケータ20を把持する際に利便性を付与する把持部34も含む。
【0040】
図3図5から理解されるように、アプリケータ20のフォトドーズアセンブリ26は、少なくとも一つのイルミネータ36を含む。イルミネータ36の非限定的な例は、アークフラッシュランプ、空洞共振器、連続波バルブ、電気回路、電気導体、電磁エネルギー放出エミッタ、電磁放射エミッタ、電気機械部品、電気光学部品、白熱エミッタ、レーザーダイオード、レーザー、発光ダイオード(例えば、有機発光ダイオード、ポリマー発光ダイオード、ポリマー燐光発光ダイオード、マイクロキャビティ発光ダイオード、高効率発光ダイオードなど)、量子ドットなどを含む。
【0041】
一つの例において、少なくとも一つのイルミネータ36は電磁エネルギー源であり、例えば発光ダイオード(LED)である。ここに表される例において、少なくとも一つのイルミネータ36は6つのLEDを含むが、当該少なくとも一つのイルミネータ36はイルミネータをいくつ含んでいてもよく、例えば一つのイルミネータ又は複数のイルミネータを含み得る。少なくとも一つのイルミネータ36は、生体表面の一つ又は複数の焦域に電磁エネルギーを集束させるように配置され、集束された電磁エネルギーは、光活性配合物アセンブリ22の一つ又は複数の光活性化可能配合物リザーバから分注された光活性化可能配合物を光活性化させるのに十分な特性と継続時間を有している。一つの例において、少なくとも一つのイルミネータ36は、複数の離間した電磁エネルギー放出要素を含むパターン化されたイルミネータを含む。
【0042】
一つの実施形態において、少なくとも一つのイルミネータ36により放射される電磁エネルギーの一つ又は複数のスペクトルパラメータ(例えば、電磁エネルギーの波長、電磁エネルギーの強度、電磁エネルギーの継続時間など)は、特定の光活性化可能配合物に基づいて選択される。一つの実施形態において、少なくとも一つのイルミネータ36はIII-V半導体材料又はIII-N半導体材料を含む少なくとも一つのLEDを含む。III-V及びIII-NのLED技術によれば、電磁スペクトルにおいて紫外線領域(すなわち、約10nm-約400nm)から可視光領域(すなわち、約400nm-約700nm)にかけて、紫外線領域(すなわち、約700nm-約1mm)に至るまでの波長が得られる。これらのデバイスの出力密度及び寸法はまた、広い範囲をカバーする。
【0043】
一つの実施形態において、複数のイルミネータは赤外、可視又は紫外スペクトル、あるいはこれらの組み合わせにおける一つ又は複数のピーク放射波長を有する発光を放射するように構成されている。例えば、操作の間、イルミネータ36は少なくとも約700nm~約1mmの範囲においてピーク放射波長を与える。一つの実施形態において、少なくとも一つのイルミネータ36は約5μm~約10μmの範囲においてピーク放射波長を与える。一つの実施形態において、少なくとも一つのイルミネータ36は約400nm~約700nmの範囲においてピーク放射波長を与える。
【0044】
一つの実施形態において、フォトドーズアセンブリ26は、放射強度、放射位相、放射偏光、放射波長(例えば、ピーク放射波長、発光波長、平均放射波長など)、パルス周波数などの一つ又は複数を変化させるように構成された回路を含む。
【0045】
図3図5に示される具体的に実施形態において、フォトドーズアセンブリ26は少なくとも一つの導波路構造38も含む。ここに開示される実施形態において、少なくとも一つのイルミネータ36は、電磁エネルギーを少なくとも一つの導波路構造38へ向けて放射するように配置されている。少なくとも一つの導波路構造38は、少なくとも一つのイルミネータ36からの電磁エネルギーを伝えるように構成されている。
【0046】
図3図5に示される具体的な実施形態において、少なくとも一つの導波路構造38は6つの電磁エネルギーパイプを含む。いくつかの例において、少なくとも一つの導波路構造38は、電磁エネルギーを伝導可能なセグメント化されたガラス、ポリマー、又は他の任意の材料から形成される。一つの実施形態において、少なくとも一つの導波路構造38の数は少なくとも一つのイルミネータ36の数と同じであるが、少なくとも一つのイルミネータ36の数と少なくとも一つの導波路構造38の数は異なっていてもよい。一つの実施形態において、少なくとも一つのイルミネータ36の数及び少なくとも一つの導波路構造38の数はアプリケータ20の大きさ、光活性化可能配合物の光束要件、又は他の任意の因子に基づいて選択される。
【0047】
開示される実施形態において、電磁エネルギー源は光リング28を含む。少なくとも一つの導波路構造38は、少なくとも一つのイルミネータ36からの電磁エネルギーを光リング28へ伝えるように構成されている。少なくとも一つの導波路構造38又は光リング28のうち、一つ又は両方が電磁エネルギーを集束するように構成され、フォトドーズアセンブリ26は、集束された電磁エネルギーを生体表面の一つ又は複数の焦域へ向けて、光活性配合物アセンブリ22の一つ又は複数の光活性化可能配合物リザーバから分注された光活性化可能配合物を光活性化させるように配向されている。
【0048】
いくつかの実施形態において、アプリケータ20は、例えば制御回路のようなコントローラ40も含み、これは少なくとも一つのイルミネータ36用である。一つの例において、コントローラ40は少なくとも一つのイルミネータ36への電力を制御する。別の例において、コントローラ40は少なくとも一つのイルミネータ36から放射される電磁エネルギーのスペクトルパラメータ(例えば、波長、強度、継続時間など)を、光変性組成物の種類、光変性プロトコルなどの情報に基づいて調整する。別の例において、コントローラ40は、照射時間パターン、照射間隔パターンなどに関連するパラメータを、光変性プロトコルに示される情報に基づいて調整する。
【0049】
いくつかの例において、コントローラ40は、少なくとも一つのイルミネータ36から放射される電磁エネルギーのスペクトルパラメータを調整し、これにより、放射された電磁エネルギーは生体表面の一つ又は複数の領域に分注された光活性化可能配合物を光活性化するように構成される。
【0050】
いくつかの実施形態において、アプリケータ20は、例えば充電式電池などの電源42も含む。一つの実施形態において、アプリケータ20は一つ又は複数の電源42を含む。電源の非限定的な例には、一つ又は複数のボタン電池、化学電池セル、燃料電池、二次電池、リチウムイオン電池、マイクロ電気パッチ、ニッケル金属水素電池、銀亜鉛電池、キャパシタ、スーパーキャパシタ、薄膜二次電池、ウルトラキャパシタ、空気亜鉛電池などが含まれる。電源の更なる非限定的な例には、一つ又は複数の発電機(例えば、電気発電機、熱エネルギー変換発電機、機械エネルギー変換発電機、マイクロ発電機、ナノ発電機など)が含まれ、例えば熱電発電機、圧電発電機、電気機械発電機などがある。一つの実施形態において、電源は少なくとも一つの充電式電源を含む。一つの実施形態において、電源は一つ又は複数のマイクロ電池、印刷されたマイクロ電池、薄膜電池、燃料電池(例えば、バイオ燃料電池、化学燃料電池など)などを含む。
【0051】
電源42は、少なくとも一つのイルミネータ36に電力を供給するように構成されている。一つの実施形態において、アプリケータは電源コントローラ44を含む。いくつかの例において、電源コントローラ44は、充電コイル、充電回路、又は電源ボタン32のためのアクチュエータのうちの一つ又は複数を含む。電源コントローラ44が充電コイルを含む実施形態においては、充電コイルは電源42が誘導的に充電されることを可能にする。一つの例において、アプリケータ20は、アプリケータ20の電源42を誘導的に充電するように構成されたクレードル内に置かれた際に充電される。
【0052】
いくつかの実施形態において、アプリケータ20は、光活性化可能配合物48を保持する一つ又は複数の光活性化可能配合物リザーバ46を含む。光活性配合物アセンブリ22は、光活性化可能配合物48を生体表面の一つ又は複数の領域に分注するように配置される。たとえば、開示される実施形態において、光活性配合物アセンブリ22はローラアセンブリであって、光活性化可能配合物を生体表面上の一つ又は複数の領域に分注する。ローラアセンブリが生体表面の一つ又は複数の領域上をロールされる際に、光活性化可能配合物48のある量が生体表面の一つ又は複数の領域上に分注される。一つの実施形態において、ローラアセンブリは、フォトドーズアセンブリ26からの電磁エネルギーをガイドする導波管である。別の実施形態において、光活性配合物アセンブリ22は、一つ又は複数の光活性化可能配合物リザーバ46から光活性化可能配合物48を生体表面の一つ又は複数の領域上に分注し、この分注の速度は光活性化可能配合物48の光変性速度に見合ったものとなっている。別の実施形態において、光活性配合物アセンブリ22は少なくとも一つの光活性化可能配合物ネブライザを含む。一つの例において、光活性化可能配合物ネブライザは、光活性配合物アセンブリ22が光活性化可能配合物48を分注する際、光活性化可能配合物48をミストの形態で届ける。
【0053】
一つの実施形態において、一つ又は複数の光活性化可能配合物リザーバ46は、光活性化可能配合物48が生体表面の一つ又は複数の領域上に分注される前に、光活性化可能配合物48が電磁エネルギーに暴露されることを制限するように構成されている。光活性化可能配合物48が分注される前に電磁エネルギーに暴露されることを制限することにより、光活性化可能配合物48が分注される前に活性化される可能性を低減する。一つの実施形態において、一つ又は複数の光活性化可能配合物リザーバ46は、アプリケータ20と一体に形成されている。別の実施形態においては、以下に開示されるように、一つ又は複数の光活性化可能配合物リザーバ46はアプリケータ20に着脱可能である。
【0054】
図3図6及び図8に開示される実施形態において、光活性配合物アセンブリ22は、一つ又は複数の光活性化可能配合物リザーバ46及び光活性化可能配合物48を含み、交換可能な配合物カートリッジ50内に保持される。一つの実施形態において、交換可能な配合物カートリッジ50はアプリケータ20に着脱可能である。少なくとも一つのイルミネータ36がアプリケータ20に固定されている一つの例において、光活性配合物アセンブリ22もフォトドーズアセンブリ26に着脱可能である。開示される実施形態において、交換可能な配合物カートリッジ50は、アプリケータ20の構造部材52の雌ねじと係合する雄ねじを含む。別の実施形態において、交換可能な配合物カートリッジ50は、他の機構、例えばスナップコネクタ、磁気カップリング、又は他の任意の着脱可能な連結機構によってアプリケータ20に着脱可能である。
【0055】
この配合物カートリッジの互換性により、ユーザは交換可能な配合物カートリッジ50を電磁エネルギー源に連結させ、光活性化可能配合物48を交換可能な配合物カートリッジ50から生体表面の一つ又は複数の領域に分注し、電磁エネルギーを生体表面の一つ又は複数の焦域に集束させて(例えば、少なくとも一つのイルミネータ36により)、生体表面の一つ又は複数の領域に分注された光活性化可能配合物48を活性化させることが可能になる。その後、交換可能な配合物カートリッジ50は、アプリケータ20から取り除くことか可能であり、別の配合物カートリッジをアプリケータ20に連結させることが可能である。この配合物カートリッジの互換性は、異なる光活性アセンブリをフォトドーズアセンブリ26と共に使用することを可能にする。実際には、ユーザは異なる光活性化可能配合物を異なる配合物カートリッジから分注し、異なる光活性化可能配合物をアプリケータ20の同一のフォトドーズアセンブリ26を用いて活性化する。これにより、配合物カートリッジを廃棄可能な品目とする一方で、アプリケータ20の他の部位を長期に渡って使用することが可能になる。一つの実施形態において、フォトドーズアセンブリ26からの集束された電磁エネルギーは、複数の波長の電磁エネルギーを含み、当該複数の波長によって光活性化可能配合物の複数のコーティングを光活性化させることができる。
【0056】
図3図5に開示される実施形態において、少なくとも一つのイルミネータ36は、交換可能な配合物カートリッジ50の端部であって、ディスペンサー部位24の反対側に位置している。このような配置によって、少なくとも一つのイルミネータ36を、交換可能な配合物カートリッジ50がアプリケータ20に挿入され連結されている位置から離れた位置に配置させることができる。これにより、少なくとも一つのイルミネータ36が、交換可能な配合物カートリッジ50を連結したり外したりする際に損傷を受けたりずれたりすることを防ぐことができる。このような配置により、少なくとも一つのイルミネータ36を電源42の近くに配置することも可能となる。少なくとも一つのイルミネータ36が交換可能な配合物カートリッジ50の端部であって光活性配合物アセンブリ22の反対側に配置されている一方で、少なくとも一つの導波路構造38及び光リング28は、少なくとも一つのイルミネータ36からの電磁エネルギーを伝導し、集束された電磁エネルギーを光活性化可能配合物48が分注された生体表面の一つ又は複数の領域に向けて放射する。
【0057】
交換可能な配合物カートリッジ50がアプリケータ20に着脱可能である一つの実施形態において、交換可能な配合物カートリッジ50は識別子を含む。いくつかの例において、識別子は、交換可能な配合物カートリッジ50、交換可能な配合物カートリッジ50内の光活性化可能配合物48、交換可能な配合物カートリッジ50内の光活性化可能配合物48の活性化波長、交換可能な配合物カートリッジ50内の光活性化可能配合物48の活性化電力、あるいは光活性化可能配合物48又は交換可能な配合物カートリッジ50についての他の任意の情報のうちの一つ又は複数を識別する。いくつかの例において、識別子は、無線周波数識別(RFID)タグ、交換可能な配合物カートリッジ50上の色、交換可能な配合物カートリッジ50上のバーコード、交換可能な配合物カートリッジ50上に印刷された情報、または他の任意の種類の識別子のうちの一つ又は複数の形式を有している。
【0058】
いくつかの実施形態において、電磁エネルギー源の一つ又は複数のスペクトルパラメータを変化させることができる。一つの例において、少なくとも一つのイルミネータ36は、個別に給電可能な異なる波長を有する複数のイルミネータを含む。別の例において、少なくとも一つのイルミネータ36は異なるレベルの電力によって給電することができる。さらに別の例において、コントローラ40は少なくとも一つのイルミネータ36の一つ又は複数のスペクトルパラメータを制御する。電磁エネルギー源の特性が可変であり、交換可能な配合物カートリッジ50が識別子を含む一つの実施形態において、電磁エネルギー源の一つ又は複数のスペクトルパラメータは交換可能な配合物カートリッジ50の識別子に基づいて調整される。たとえば、識別子は光活性化可能配合物48が365nmの活性化波長を有していることを識別し、交換可能な配合物カートリッジ50がアプリケータ20に連結された際、約365nmの電磁エネルギーを放射するように電磁エネルギー源を調整する。
【0059】
図7に開示されるアプリケータ20の端面図において、光活性配合物アセンブリ22のディスペンサー部位24は、光リング28と実質的に同心円状に配置されるものとして示されている。このような配置によれば、光リング28から放射される電磁エネルギーは、光活性配合物アセンブリ22の周囲を取り囲んでいる。これにより、光活性配合物アセンブリ22により分注された任意の光活性化可能配合物が、光リング28から放射された集束電磁エネルギーに暴露される可能性が向上する。光リング28のから光活性配合物アセンブリ22までの距離が近いことは、光活性配合物アセンブリ22により光活性化可能配合物を分注してから分注された光活性化可能配合物を光リング28により放射された集束電磁エネルギーに暴露させるまでの時間を削減することも可能である。
【0060】
ここに開示されるアプリケータ20の実施形態の利点は、光活性化可能配合物が一つの独立したユニットから分注され、活性化されることを含む。従来の配合物アプリケータは、配合物を分注するが、電磁エネルギー源を含んでいなかった。したがって、従来の配合物アプリケータに光活性化可能配合物を分注する際に使用しても、光活性化可能配合物を適切な電磁エネルギーに暴露させるためには光学装置が別に必要であった。アプリケータで光活性化可能配合物を付与し、光活性化可能配合物を別の光源により活性化させる二段階プロセスは、ユーザにとって扱いにくく、光活性化可能配合物の不適切な付与及び/又は活性化の恐れを引き起こす。従来の配合物アプリケータに伴う問題とは対照的に、ここに開示されるアプリケータ20の実施形態は、光活性化可能配合物が分注される前に光活性化可能配合物が電磁エネルギーに暴露されることを制限し、光活性化可能配合物を生体表面の一つ又は複数の領域に付与してから電磁エネルギーを用いて光活性化可能配合物を活性化するまでの所要時間を短縮し、光活性化可能配合物が分注される位置の近傍における活性化電磁エネルギーの放射を可能にする。
【0061】
図9は、光活性化可能配合物を付与する方法60の一実施形態を開示するものであり、ここに開示される光活性化可能配合物を分注し光活性化可能なアプリケータの実施形態を利用することにより実施可能なものである。ブロック62において、光活性化可能配合物が、活性配合物アセンブリのディスペンサー部位により一つ又は複数の光活性化可能配合物リザーバから生体表面の一つ又は複数の領域に分注される。ブロック64において、電磁エネルギーが光活性配合物アセンブリに操作可能に連結されたフォトドーズアセンブリにより集束されて、少なくとも一つのイルミネータら生体表面の一つ又は複数の焦域上へ集束される。集束された電磁エネルギーは、一つ又は複数の光活性化可能配合物リザーバから分注された光活性化可能配合物を光活性化させるのに十分な特性及び継続時間を有している。一つの実施形態において、方法60はブロック62及び64に開示される工程を含む。
【0062】
一つの実施形態において、方法60は、光変性組成物の種類が示す一つ又は複数の入力に応じた電磁エネルギー刺激を生成することを含む。例えば、操作の間、アプリケータ20はリザーバに収容される配合物、カートリッジなどについての情報を検知するように操作可能であり、一つ又は複数の光変性パラメータ(例えば、電磁エネルギーの波長、電磁エネルギーの強度、電磁エネルギーの継続時間など)を検出した情報に基づいて調整することができる。
【0063】
一つの実施形態において、方法60はリアルタイムに一つ又は複数の光変性パラメータ(例えば、電磁エネルギーのピーク放射波長、電磁エネルギーの強度、電磁エネルギーの継続時間など)を変化させることを含む。
【0064】
一つの実施形態において、方法60は一つ又は複数の光変性パラメータ(例えば、電磁エネルギーのピーク放射波長、電磁エネルギーの強度、電磁エネルギーの継続時間など)を、測定により検出された光活性化可能配合物の分注速度に基づいて変化させることを含む。
【0065】
一つの実施形態において、方法60は一つ又は複数の光変性パラメータ(例えば、電磁エネルギーのピーク放射波長、電磁エネルギーの強度、電磁エネルギーの継続時間など)を、測定により検出された、いずれのカートリッジが光活性化可能配合物を分注しているのかの情報に基づいて変化させることを含む。
【0066】
一つの実施形態において、方法60は、リザーバの中の配合物、カートリッジなどに関連した光変性プロトコルが示す一つ又は複数の入力に応じて、集束された電磁エネルギーを生成することを含む。
【0067】
方法60は、任意でブロック66、68、及び70に開示される工程を含む。ブロック66において、交換可能な配合物カートリッジがフォトドーズアセンブリを含むアプリケータから取り外される。ブロック68において、第二の交換可能な配合物カートリッジがアプリケータに連結される。ブロック70において、第二の光活性化可能配合物が第二の交換可能な配合物カートリッジから生体表面の一つ又は複数の領域上へ分注される。ブロック66、68、70に開示される工程は、フォトドーズアセンブリを含むアプリケータが複数の交換可能な配合物カートリッジと共に使用されることを可能にする。一つの例において、この能力によりユーザは、複数の光活性化可能配合物を、同じアプリケータを使用して分注し光活性化させることが可能になる。上述のように、いくつかの実施形態において、アプリケータは、フォトドーズアセンブリからの電磁エネルギーの一つ又は複数のスペクトルパラメータを、アプリケータに連結された異なる交換可能な配合物カートリッジ及び/又は交換可能な配合物カートリッジから分注された異なる光活性化可能配合物に基づいて調整するように構成されている。
【0068】
図10を参照し、アプリケータ20の任意の実施形態に追加可能な要素について論じる。図10の要素は他の要素と組み合わせられて示されているが、任意の一つ又は複数の要素を省略することが可能であり、このような要素は単独で、又はアプリケータ20の実施形態の一つ又は複数の要素との組み合わせにより提供することが可能である。
【0069】
図10を参照すると、一つの実施形態において、アプリケータ20は、近接センサ102を含み、これによりイルミネータ36の活性化及び不活性化を制御し、ディスペンサー部位24がユーザの皮膚から特定の距離内にある場合にイルミネータ36が活性化され、ディスペンサー部位24がユーザの皮膚から特定の距離外にある場合にイルミネータ36が不活性化される。近接センサ102は、アプリケータ20の内部又は外部に配置可能である。一つの実施形態において、近接センサ102はアプリケータ20の外部に配置されている。近接センサ102は、ディスペンサー部位24が皮膚表面から閾値以上に移動したことを検出するための赤外線センサであっても良い。近接センサ102の非限定的な例は、音響センサ(例えば、超音波センサ、音響変換など)、コンダクタンスセンサ、誘電センサ(例えば、キャパシタンスセンサ)、電気化学センサ、蛍光センサ、力センサ、熱センサ(例えば、熱電対、サーミスターなど)、インターデジタルセンサ、光学センサ、生理学的センサ、近接センサ(例えば、誘導近接センサ、非接触電子近接センサなど)などを含む。
【0070】
一つの実施形態において、近接センサ102は接触に基づくものであっても良く、ディスペンサー部位24が皮膚表面に接触していることを検出している時にのみイルミネータ36が活性化されることを許容する。接触は本技術分野で公知の任意の数の機構を使用して検出されてもよい。この種類の近接センサ102の非限定的な例は、音響センサ(例えば、超音波センサ、音響変換など)、コンダクタンスセンサ、誘電センサ(例えば、キャパシタンスセンサ)、電気化学センサ、蛍光センサ、力センサ、及び圧力センサなどを含む。
【0071】
図10に示される別の実施形態において、ディスペンサー部位24は光透過性のボール24であり、イルミネータ36はユーザの皮膚表面上にイメージを投影するように構成されている。一つの実施形態において、イメージはイルミネータ36からアプリケータ20の端まで導波管38を通過する。イメージは、アプリケータ20を用いた処置方法の指示を表示するため、処置のためにアプリケータをどこに向けるべきかの標的又はガイドを表示するため、あるいは配合物の交換が必要な時や電池が低電力に陥っていることの通知を表示するために使用しても良い。一つの実施形態において、ディスペンサー部位24の後方近傍に取得カメラ104を配置し、ユーザの皮膚の画像を取得してもよい。そのような画像は、局所で使用され、又は遠隔装置へ送信されてユーザの皮膚の状態を診断してもよい。そのような画像は、ユーザに皮膚の特定の領域に配合物を付与するように標的又はガイドを知らせるために使用され、これはイルミネータ36又は外部装置ディスプレイによりなされる。
【0072】
図10に示される別の実施形態において、ディスペンサー部位のボール24は透明又は生体適合性の導電性コーティング106を有することができる。透明又は生体適合性の導電性コーティング106は、ディスペンサー部位ボール24の外部の全体を取り囲んでいる。透明又は生体適合性の導電性コーティング106は、回路に電気的に接続され、任意の数の目的を果たす。ボール状のディスペンサー部位24に適切な、透明で、生体適合性を有し、導電性を有する材料の非限定的な例には、ポリエチレンジオキチオフェン(PEDOT)及びこれらのナノ複合体(例えば、PEDOTとグラフェンのナノ複合体)が含まれる。一つの実施形態において、導電性コーティング106のディスペンサー部位は電源に連結され、イオン導入に使用してもよく、ディスペンサー部位24は電極として操作可能である。イオン導入は、小さな電流を使用して帯電した種を、膜を越えて届ける技術であり、多くの場合薬剤を皮膚を通して届けるものである。皮膚に接触する少なくとも二つの電極の間に電場を生成することにより、イオン(荷電分子)が皮膚を通過する能動的な輸送が実現される。適切な配合物中のイオンは、イオンと同じ電荷を有するソース電極によって反発され、角質を通ってリターン電極に向かう。スキンケア製品の多くの活性成分はイオンの形態を有しているため、イオン導入はこれらの成分の表皮への浸透を向上する。イオン導入を使用して治療的薬剤をユーザの皮膚に届ける技術についてのより完全な説明は、米国出願第14/984,104に開示され、これらの内容を、参照によりその全体を本明細書に組み込むものである。すなわち、ディスペンサー部位24に付与される電荷は、届けられるイオン種の電荷と同じである。
【0073】
図10に示される別の実施形態において、交換可能な配合物カートリッジ50は、アプリケータ装置に挿入される特定の方向性のみを有するように構成されていてもよく、これによってユーザによるカートリッジの挿入においてミスを防ぐことができる。例えば、図10によれば、配合物カートリッジ50の近接端部は、遠隔端部より(ディスペンサー部位24へ向かって)狭い直径を有しており、よって、配合物カートリッジ50は近接端部が先に挿入された場合にのみアプリケータ20に挿入することが出来る。一つの実施形態において、カートリッジ50は、フォトドーズアセンブリを装着するためのネジ山を一方の端部のみに有している。複数の異なるカートリッジがあってもよく、個々のカートリッジには上述の特定の配合物のいずれかが含まれている。
【0074】
図10に示される別の実施形態において、ディスペンサー部位24の後方にシールド108を配置して、イルミネータ36からの光をディスペンサー部位24へ向けて透過させつつ、配合物48を保持するリザーバへ向けての反射光をブロックしてもよい。一つの実施形態において、このシールド108は一方向ミラーのように作用してもよく、反射光がリザーバ内の配合物48を変性させることを防ぐ。一つの実施形態において、シールド108は一方向半球ミラー108であり、ディスペンサー部位ボール24の後方に配置され、半球ミラー108はイルミネータ36からの光を一方向に集束させつつ、カートリッジ50の内部へ戻る光をブロックする。
【0075】
アプリケータ20の別の実施形態において、異なる範囲のUV光波長を配合物に応じて使用してもよい。図10によれば、一つの実施形態においては、光活性配合物アセンブリ22は、情報(例えば波長、時間、振幅、又は配合物48を活性化可能な組み合わせ)が埋めこまれたRFID又は任意の他の機械読取り可能な特性116を含み、フォトドーズアセンブリ26はRFIDリーダー又はリーダー118を含み、光活性配合物アセンブリ22がフォトドーズアセンブリ26に挿入された際にリーダー118が機械読取り可能な特性116の近傍に位置し、機械読取り可能な特性116に提供された情報を読み取ることが可能となる。一つの実施形態において、機械読取り可能な特性116から得られた情報に基づいて、フォトドーズアセンブリ26はイルミネータ36から送られる電磁エネルギーの波長、イルミネータ36がオンになっている時間、イルミネータ36により生成される電磁エネルギーの振幅、又は任意の組み合わせを制御する。このようにして、電磁エネルギーの特性は自動的にアプリケータ20に組み込まれ、いかなる導入エラーも防がれる。一つの実施形態において、「機械読取り可能な特性」は広く任意の保持デバイスであって、電気的に読取り可能な情報、例えばRFIDタグ、磁気チップ、バーコード、二次元バーコード、他の電気的に読取り可能なチップ、マークなどを有しているものを意味する。
【0076】
図10に示される別の実施形態において、導波路構造38はカートリッジ50の外側に配置されていてもよい。一つの実施形態において、導波路構造38は実際にカートリッジ50そのものと一体化しているが、アプリケータ20の中心を通るのではなく、むしろカートリッジ50の外側の表面に配置されている。例えば、一つの実施形態において、図5に示される構造部材52は省略され、導波管38はカートリッジ50(光活性配合物アセンブリ)の外面に直接付けられている。
【0077】
図11に示される別の実施形態において、アプリケータ20は、カートリッジ50の周囲の空洞110内の自由空間の伝搬を可能にするように構成され、光源イルミネータ36は筐体内において、挿入されたディスペンサカートリッジ50を越えて配置され、カートリッジ50の円周方向の隙間においてイルミネータ36からカートリッジ50の分注端への光の伝搬が可能となっている。例えば、空洞110は楕円反射鏡として構成されてもよい。一つの実施形態において、空洞110はアプリケータ20の壁の内側に設けられた反射面112に覆われ、カートリッジ50は当該カートリッジ50の外側に反射面114を有している。このようにして、楕円反射鏡が形成される。
【0078】
図10に示される別の実施形態において、ボールディスペンサー部位24は液体又はゲルを収めるフレキシブルな外面110を有し、外面110は変形によりユーザの皮膚の輪郭に沿って合わせることが可能である。一つの実施形態において、外面110はエラストマー、例えばラテックス、ゴム、ポリイソプレン、ポリブタジエン、クロロプレン、ブチルゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、又はシリコンなどであってもよい。一つの実施形態において、ディスペンサー部位24はフレキシブルな外面110内に液体又はゲルを保持している。一つの実施形態において、ディスペンサー部位ボール24は僅かに柔軟性及び弾性を有しているため、分注の際に皮膚に沿うことができつつ、アプリケータ20の支持面内の形状を維持することが可能である。
【0079】
本開示の目的上、「上部」、「下部」、「垂直」、「水平」、「内側へ」、「外側へ」、「内側の」、「外側の」、「前」、「後部」などの用語は、説明に用いられるものであって、請求項の主題の範囲を限定するものではないと解釈されるべきである。さらに、本明細書の「含む」、「含有する」又は「有する」及びそれらの変形は、その後に列挙される項目及びその等価物ならびに追加の項目を包含することを意味する。特段の制限がない限り、本明細書における「接続された」、「結合された」、及び「取り付けられた」という用語及びそれらの変形は、広く用いられ、直接的および間接的な接続、結合および取り付けを含む。
【0080】
本開示の原理、代表的な実施形態、及び動作様式は、上記の説明において記載された。しかしながら、保護されることを意図する本開示の側面は、開示された特定の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。さらに、本明細書に記載の実施形態は、限定的ではなく例示的なものとみなされるべきである。本開示の精神から逸脱することなく、他のものによって調整および変更を行い、均等のものを採用できることが理解されよう。従って、請求項に記載された本開示の精神および範囲内にそのような調整、変更、および均等物がすべて含まれることが明白に意図される。
【0081】
さらに、以下の特許及び出願が参照によりあらゆる目的において参照により明白に本明細書に組み込まれる:米国出願第14/613,059号、米国出願第14/612,215号、米国出願第11/346,622号、米国出願第11/116,434号、米国特許第6030374号、米国特許第7004933号、米国特許第6283956号、米国特許第7494503号、米国出願第09/819,082、米国出願第09/819,083号、米国特許第6629971号、米国特許第7201765号、米国出願第11/212,916号、米国出願第11/332,517号、米国特許第6887260号、米国特許第693044号、米国出願第11/366,811号、米国出願第09/322,981号、米国出願第09/759,094号、米国特許第6663659号、米国特許第667655号、米国出願第10/665,390号、米国出願第10/903,483号、米国出願第11/187,241号、米国出願第11/205,316号、米国出願第60/601,995号、米国出願第11/272,042号、米国出願第60/627,110号、米国出願第60/626,492号、米国出願第12/583,562号、米国出願第12/583,578号、米国出願第12/550,749号、米国出願第12/550,799号、米国出願第12/550,464号、及び米国出願第12/549,976号。
排他的な特性または特権が主張される本発明の実施形態は、特許請求の範囲のように定義される。
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