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特許7359893無線充電システム及び装置、並びに充電対象デバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】無線充電システム及び装置、並びに充電対象デバイス
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20231003BHJP
   H02J 50/20 20160101ALI20231003BHJP
【FI】
H02J7/00 301D
H02J50/20
【請求項の数】 37
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022061811
(22)【出願日】2022-04-01
(65)【公開番号】P2022183403
(43)【公開日】2022-12-09
【審査請求日】2022-04-05
(31)【優先権主張番号】202110595767.3
(32)【優先日】2021-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】パン,ニーン
(72)【発明者】
【氏名】ドゥ,ジーシア
(72)【発明者】
【氏名】クレルクス,ブルーノ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジョンフン
【審査官】田中 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2021-505123(JP,A)
【文献】特開2021-044873(JP,A)
【文献】特開2020-048285(JP,A)
【文献】特開2006-238215(JP,A)
【文献】特開2020-010485(JP,A)
【文献】国際公開第2020/210283(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2022/0029462(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H02J 50/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線充電装置及び充電対象デバイスを有し、
前記無線充電装置は、
充電期間において、伝送チャネルのチャネル情報と、電磁波信号の波形を示すために使用される波形パラメータとを取得し、前記伝送チャネルは、第1周波数での、前記無線充電装置と前記充電対象デバイスとの間のチャネルであり、前記チャネル情報は、前記伝送チャネルを通じて伝送される電磁波信号の推定された信号減衰及び伝送遅延を含み、
前記チャネル情報及び前記波形パラメータに基づきターゲット電磁波信号を生成し、該ターゲット電磁波信号を前記充電対象デバイスへ前記伝送チャネルを通じて送信するよう構成され、前記波形パラメータは、前記ターゲット電磁波信号を生成する過程で前記チャネル情報内の前記信号減衰に対して実行される指数演算のための指数因子であり、
前記充電対象デバイスは、
前記伝送チャネルを通じて、前記無線充電装置によって送信された前記ターゲット電磁波信号を受信し、
前記ターゲット電磁波信号を直流信号に変換し、該直流信号に基づき充電を実行するよう構成される、
無線充電システム。
【請求項2】
電磁波信号の波形を示すために使用される前記波形パラメータを取得するときに、前記無線充電装置は、少なくとも1つの前もって設定された候補波形パラメータから前記波形パラメータを選択するよう特に構成される、
請求項1に記載の無線充電システム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの前もってセットされた候補波形パラメータから前記波形パラメータを選択するときに、前記無線充電装置は、
少なくとも1つの第1テスト信号を前記充電対象デバイスへ前記伝送チャネルを通じて送信し、前記少なくとも1つの第1テスト信号は、前記少なくとも1つの候補波形パラメータと一対一の対応にあり、任意の第1テスト信号が対応する候補波形パラメータに基づき生成され、
前記伝送チャネルを通じて、前記充電対象デバイスによって送信された第1測定結果を受信し、前記第1測定結果は、前記充電対象デバイスによって前記少なくとも1つの第1テスト信号の信号品質を測定することで取得され、
前記第1測定結果に基づき前記少なくとも1つの候補波形パラメータから前記波形パラメータを選択するよう特に構成され、
前記充電対象デバイスは、
前記伝送チャネルを通じて、前記無線充電装置によって送信された前記少なくとも1つの第1テスト信号を受信し、
前記少なくとも1つの第1テスト信号の前記信号品質を測定し、
前記少なくとも1つの第1テスト信号の前記信号品質に基づき前記第1測定結果を生成し、該第1測定結果を前記無線充電装置へ前記伝送チャネルを通じて送信するよう更に構成される、
請求項2に記載の無線充電システム。
【請求項4】
前記第1測定結果は、前記少なくとも1つの第1テスト信号の前記信号品質を含み、
前記第1測定結果に基づき前記少なくとも1つの候補波形パラメータから前記波形パラメータを選択するときに、前記無線充電装置は、
前記第1測定結果に含まれる前記少なくとも1つの第1テスト信号の前記信号品質に基づき、信号品質が最も高い第1ターゲットテスト信号を決定し、前記少なくとも1つの候補波形パラメータから、前記第1ターゲットテスト信号に対応する候補波形パラメータを前記波形パラメータとして決定するよう特に構成され、あるいは、
前記第1測定結果は、第1指示情報を含み、該第1指示情報は、前記少なくとも1つの第1テスト信号の中で信号品質が最も高い第1ターゲットテスト信号を示すために使用され、
前記第1測定結果に基づき前記少なくとも1つの候補波形パラメータから前記波形パラメータを選択するときに、前記無線充電装置は、
前記第1指示情報によって示される前記第1ターゲットテスト信号を決定し、前記少なくとも1つの候補波形パラメータから、前記第1ターゲットテスト信号に対応する候補波形パラメータを前記波形パラメータとして決定するよう特に構成される、
請求項3に記載の無線充電システム。
【請求項5】
前記伝送チャネルの前記チャネル情報を取得するときに、前記無線充電装置は、
前記伝送チャネルに対してチャネル測定プロセスを実行して前記チャネル情報を取得するよう、あるいは、
少なくとも1つの前もってセットされた候補チャネル情報から前記チャネル情報を選択するよう
特に構成される、請求項に記載の無線充電システム。
【請求項6】
前記チャネル情報を取得するよう前記伝送チャネルに対してチャネル測定プロセスを実行するときに、前記無線充電装置は、
ビーコン信号を前記充電対象デバイスへ前記伝送チャネルを通じて送信し、前記ビーコン信号は、チャネル測定を実行するために前記充電対象デバイスによって使用され、
前記伝送チャネルを通じて、前記充電対象デバイスによって送信された前記チャネル情報を受信するよう特に構成され、
前記充電対象デバイスは、
前記伝送チャネルを通じて、前記無線充電装置によって送信された前記ビーコン信号を受信し、前記ビーコン信号に基づきチャネル測定を実行して前記チャネル情報を取得し、
前記チャネル情報を前記無線充電装置へ前記伝送チャネルを通じて送信するよう更に構成される、
請求項5に記載の無線充電システム。
【請求項7】
前記充電対象デバイスは、ビーコン信号を前記無線充電装置へ前記伝送チャネルを通じて送信するよう更に構成され、前記ビーコン信号は、チャネル測定を実行するために前記無線充電装置によって使用され、
前記チャネル情報を取得するよう前記チャネル測定プロセスを実行するときに、前記無線充電装置は、前記伝送チャネルを通じて、前記充電対象デバイスによって送信された前記ビーコン信号を受信し、該ビーコン信号に基づきチャネル測定を実行して前記チャネル情報を取得するよう特に構成される、
請求項5に記載の無線充電システム。
【請求項8】
前記少なくとも1つの前もってセットされた候補チャネル情報から前記チャネル情報を選択するときに、前記無線充電装置は、
少なくとも1つの第2テスト信号を前記充電対象デバイスへ前記伝送チャネルを通じて送信し、前記少なくとも1つの第2テスト信号は、前記少なくとも1つの候補チャネル情報と一対一の対応にあり、任意の第2テスト信号が対応する候補チャネル情報に基づき生成され、
前記伝送チャネルを通じて、前記充電対象デバイスによって送信された第2測定結果を受信し、前記第2測定結果は、前記充電対象デバイスによって前記少なくとも1つの第2テスト信号の信号品質を測定することで取得され、
前記第2測定結果に基づき前記少なくとも1つの候補チャネル情報から前記チャネル情報を選択するよう特に構成され、
前記充電対象デバイスは、
前記伝送チャネルを通じて、前記無線充電装置によって送信された前記少なくとも1つの第2テスト信号を受信し、
前記少なくとも1つの第2テスト信号の夫々の信号品質を測定し、
前記少なくとも1つの第2テスト信号の前記信号品質に基づき前記第2測定結果を生成し、該第2測定結果を前記無線充電装置へ前記伝送チャネルを通じて送信するよう更に構成される、
請求項5に記載の無線充電システム。
【請求項9】
前記第2測定結果は、前記少なくとも1つの第2テスト信号の前記信号品質を含み、
前記第2測定結果に基づき前記少なくとも1つの候補チャネル情報から前記チャネル情報を選択するときに、前記無線充電装置は、
前記第2測定結果に含まれる前記少なくとも1つの第2テスト信号の前記信号品質に基づき、信号品質が最も高い第2ターゲットテスト信号を決定し、前記少なくとも1つの候補チャネル情報から、前記第2ターゲットテスト信号に対応する候補チャネル情報を前記チャネル情報として決定するよう特に構成され、あるいは、
前記第2測定結果は、第2指示情報を含み、該第2指示情報は、前記少なくとも1つの第2テスト信号の中で信号品質が最も高い第2ターゲットテスト信号を示すために使用され、
前記第2測定結果に基づき前記少なくとも1つの候補チャネル情報から前記チャネル情報を選択するときに、前記無線充電装置は、
前記第2指示情報によって示される前記第2ターゲットテスト信号を決定し、前記少なくとも1つの候補チャネル情報から、前記第2ターゲットテスト信号に対応する候補チャネル情報を前記チャネル情報として決定するよう特に構成される、
請求項8に記載の無線充電システム。
【請求項10】
前記ターゲット電磁波信号は、次の式:
【数12】
を満足し、nは前記第1周波数を表し、wは前記ターゲット電磁波信号を表し、φは、前記チャネル情報に含まれる前記伝送遅延を表し、Aは、前記チャネル情報に含まれる前記信号減衰を表し、Pは、前記無線充電装置の総送信電力であり、βは前記波形パラメータである、
請求項に記載の無線充電システム。
【請求項11】
前記伝送チャネルはトランシーバアンテナ組み合わせに対応し、該トランシーバアンテナ組み合わせは、前記無線充電装置における1つの送信アンテナと、前記充電対象デバイスにおける1つの受信アンテナとを有する、
請求項に記載の無線充電システム。
【請求項12】
前記無線充電装置は、
前記伝送チャネルの前記チャネル情報と、電磁波信号の波形を示すために使用される前記波形パラメータとを取得する前に、前記伝送チャネルを通じて、前記充電対象デバイスによって送信された充電要求情報を受信するよう更に構成され、
前記充電対象デバイスは、
現在の電力が、前記充電要求情報を送信するのに必要な電力以上であることを決定し、前記充電要求情報を前記無線充電装置へ前記伝送チャネルを通じて送信するよう更に構成される、
請求項に記載の無線充電システム。
【請求項13】
無線充電装置であって、
信号処理モジュール、電力信号生成モジュール、及び少なくとも1つのトランシーバアンテナを有し、
前記信号処理モジュールは、充電期間において、伝送チャネルのチャネル情報と、電磁波信号の波形を示すために使用される波形パラメータとを取得するよう構成され、前記伝送チャネルは、第1周波数での、当該無線充電装置と充電対象デバイスとの間のチャネルであり、前記チャネル情報は、前記伝送チャネルを通じて伝送される電磁波信号の推定された信号減衰及び伝送遅延を含み、
前記電力信号生成モジュールは、前記チャネル情報及び前記波形パラメータに基づきターゲット電磁波信号を生成するよう構成され、前記波形パラメータは、前記ターゲット電磁波信号を生成する過程で前記チャネル情報内の前記信号減衰に対して実行される指数演算のための指数因子であり、
前記少なくとも1つのトランシーバアンテナは、前記ターゲット電磁波信号を前記充電対象デバイスへ前記伝送チャネルを通じて送信するよう構成される、
無線充電装置。
【請求項14】
電磁波信号の波形を示すために使用される前記波形パラメータを取得するときに、前記信号処理モジュールは、少なくとも1つの前もって設定された候補波形パラメータから前記波形パラメータを選択するよう特に構成される、
請求項13に記載の無線充電装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つのトランシーバアンテナは、
少なくとも1つの第1テスト信号を前記充電対象デバイスへ前記伝送チャネルを通じて送信し、前記少なくとも1つの第1テスト信号は、前記少なくとも1つの候補波形パラメータと一対一の対応にあり、任意の第1テスト信号が対応する候補波形パラメータに基づき生成され、
前記伝送チャネルを通じて、前記充電対象デバイスによって送信された第1測定結果を受信し、前記第1測定結果は、前記充電対象デバイスによって前記少なくとも1つの第1テスト信号の信号品質を測定することで取得される、よう更に構成され、
前記少なくとも1つの前もってセットされた候補波形パラメータから前記波形パラメータを選択するときに、前記信号処理モジュールは、
前記第1測定結果に基づき前記少なくとも1つの候補波形パラメータから前記波形パラメータを選択するよう特に構成される、
請求項14に記載の無線充電装置。
【請求項16】
前記第1測定結果は、前記少なくとも1つの第1テスト信号の前記信号品質を含み、
前記第1測定結果に基づき前記少なくとも1つの候補波形パラメータから前記波形パラメータを選択するときに、前記信号処理モジュールは、
前記第1測定結果に含まれる前記少なくとも1つの第1テスト信号の前記信号品質に基づき、信号品質が最も高い第1ターゲットテスト信号を決定し、前記少なくとも1つの候補波形パラメータから、前記第1ターゲットテスト信号に対応する候補波形パラメータを前記波形パラメータとして決定するよう特に構成され、あるいは、
前記第1測定結果は、第1指示情報を含み、該第1指示情報は、前記少なくとも1つの第1テスト信号の中で信号品質が最も高い第1ターゲットテスト信号を示すために使用され、
前記第1測定結果に基づき前記少なくとも1つの候補波形パラメータから前記波形パラメータを選択するときに、前記信号処理モジュールは、
前記第1指示情報によって示される前記第1ターゲットテスト信号を決定し、前記少なくとも1つの候補波形パラメータから、前記第1ターゲットテスト信号に対応する候補波形パラメータを前記波形パラメータとして決定するよう特に構成される、
請求項15に記載の無線充電装置。
【請求項17】
前記伝送チャネルの前記チャネル情報を取得するときに、前記信号処理モジュールは、
前記伝送チャネルに対してチャネル測定プロセスを実行して前記チャネル情報を取得するよう、あるいは、
少なくとも1つの前もってセットされた候補チャネル情報から前記チャネル情報を選択するよう
特に構成される、請求項13乃至16のうちいずれか一項に記載の無線充電装置。
【請求項18】
前記少なくとも1つのトランシーバアンテナは、
ビーコン信号を前記充電対象デバイスへ前記伝送チャネルを通じて送信し、前記ビーコン信号は、チャネル測定を実行するために前記充電対象デバイスによって使用され、
前記伝送チャネルを通じて、前記充電対象デバイスによって送信された前記チャネル情報を受信するよう更に構成される、
請求項17に記載の無線充電装置。
【請求項19】
前記少なくとも1つのトランシーバアンテナは、前記伝送チャネルを通じて、前記充電対象デバイスによって送信されたビーコン信号を受信するよう更に構成され、
前記チャネル情報を取得するよう前記チャネル測定プロセスを実行するときに、前記信号処理モジュールは、前記ビーコン信号に基づきチャネル測定を実行して前記チャネル情報を取得するよう特に構成される、
請求項17に記載の無線充電装置。
【請求項20】
前記少なくとも1つのトランシーバアンテナは、
少なくとも1つの第2テスト信号を前記充電対象デバイスへ前記伝送チャネルを通じて送信し、前記少なくとも1つの第2テスト信号は、前記少なくとも1つの候補チャネル情報と一対一の対応にあり、任意の第2テスト信号が対応する候補チャネル情報に基づき生成され、
前記伝送チャネルを通じて、前記充電対象デバイスによって送信された第2測定結果を受信し、前記第2測定結果は、前記充電対象デバイスによって前記少なくとも1つの第2テスト信号の信号品質を測定することで取得される、よう更に構成され、
前記少なくとも1つの前もってセットされた候補チャネル情報から前記チャネル情報を選択するときに、前記信号処理モジュールは、前記第2測定結果に基づき前記少なくとも1つの候補チャネル情報から前記チャネル情報を選択するよう特に構成される、
請求項17に記載の無線充電装置。
【請求項21】
前記第2測定結果は、前記少なくとも1つの第2テスト信号の前記信号品質を含み、
前記第2測定結果に基づき前記少なくとも1つの候補チャネル情報から前記チャネル情報を選択するときに、前記信号処理モジュールは、
前記第2測定結果に含まれる前記少なくとも1つの第2テスト信号の前記信号品質に基づき、信号品質が最も高い第2ターゲットテスト信号を決定し、前記少なくとも1つの候補チャネル情報から、前記第2ターゲットテスト信号に対応する候補チャネル情報を前記チャネル情報として決定するよう特に構成され、あるいは、
前記第2測定結果は、第2指示情報を含み、該第2指示情報は、前記少なくとも1つの第2テスト信号の中で信号品質が最も高い第2ターゲットテスト信号を示すために使用され、
前記第2測定結果に基づき前記少なくとも1つの候補チャネル情報から前記チャネル情報を選択するときに、前記信号処理モジュールは、
前記第2指示情報によって示される前記第2ターゲットテスト信号を決定し、前記少なくとも1つの候補チャネル情報から、前記第2ターゲットテスト信号に対応する候補チャネル情報を前記チャネル情報として決定するよう特に構成される、
請求項20に記載の無線充電装置。
【請求項22】
前記ターゲット電磁波信号は、次の式:
【数13】
を満足し、nは前記第1周波数を表し、wは前記ターゲット電磁波信号を表し、φは、前記チャネル情報に含まれる前記伝送遅延を表し、Aは、前記チャネル情報に含まれる前記信号減衰を表し、Pは、前記無線充電装置の総送信電力であり、βは前記波形パラメータである、
請求項13に記載の無線充電装置。
【請求項23】
前記伝送チャネルはトランシーバアンテナ組み合わせに対応し、該トランシーバアンテナ組み合わせは、当該無線充電装置における1つの送信アンテナと、前記充電対象デバイスにおける1つの受信アンテナとを有する、
請求項13に記載の無線充電装置。
【請求項24】
前記少なくとも1つのトランシーバアンテナは、
前記信号処理モジュールが、前記伝送チャネルの前記チャネル情報と、電磁波信号の波形を示すために使用される前記波形パラメータとを取得する前に、前記伝送チャネルを通じて、前記充電対象デバイスによって送信された充電要求情報を受信するよう更に構成される、
請求項13に記載の無線充電装置。
【請求項25】
少なくとも1つのトランシーバアンテナ及び受電モジュールを有し、
前記少なくとも1つのトランシーバアンテナは、伝送チャネルを通じて、無線充電装置によって送信されたターゲット電磁波信号を受信するよう構成され、前記ターゲット電磁波信号は、前記伝送チャネルの取得されたチャネル情報によって示される前記伝送チャネルにわたる電磁波信号の推定された信号減衰に対して実行される指数演算を満足し、前記指数演算は、電磁波信号の波形を示すために使用される取得された波形パラメータを指数因子として使用し
前記受電モジュールは、前記ターゲット電磁波信号を直流信号に変換し、該直流信号に基づき充電を実行するよう構成される、
充電対象デバイス。
【請求項26】
前記少なくとも1つのトランシーバアンテナは、
前記伝送チャネルを通じて、前記無線充電装置によって送信された少なくとも1つの第1テスト信号を受信し、前記少なくとも1つの第1テスト信号は、少なくとも1つの候補波形パラメータと一対一の対応にあり、任意の第1テスト信号が対応する候補波形パラメータに基づき生成され、
第1測定結果を前記無線充電装置へ前記伝送チャネルを通じて送信して、前記無線充電装置が前記第1測定結果に基づき前記少なくとも1つの候補波形パラメータから前記波形パラメータを選択するようにするよう更に構成され、
前記受電モジュールは、前記少なくとも1つの第1テスト信号の信号品質を測定するよう更に構成され、
当該充電対象デバイスは、信号処理モジュールを更に有し、該信号処理モジュールは、前記少なくとも1つの第1テスト信号の前記信号品質に基づき前記第1測定結果を生成するよう構成される、
請求項25に記載の充電対象デバイス。
【請求項27】
前記第1測定結果は、前記少なくとも1つの第1テスト信号の前記信号品質を含み、
あるいは、
前記第1測定結果は、第1指示情報を含み、該第1指示情報は、前記少なくとも1つの第1テスト信号の中で信号品質が最も高い第1ターゲットテスト信号を示すために使用される、
請求項26に記載の充電対象デバイス。
【請求項28】
前記少なくとも1つのトランシーバアンテナは、
前記伝送チャネルを通じて、前記無線充電装置によって送信されたビーコン信号を受信し、前記チャネル情報を前記無線充電装置へ前記伝送チャネルを通じて送信するよう更に構成され、
前記信号処理モジュールは、前記ビーコン信号に基づきチャネル測定を実行して前記チャネル情報を取得するよう更に構成される、
請求項26又は27に記載の充電対象デバイス。
【請求項29】
前記少なくとも1つのトランシーバアンテナは、ビーコン信号を前記無線充電装置へ前記伝送チャネルを通じて送信するよう更に構成され、前記ビーコン信号は、チャネル測定を実行するために前記無線充電装置によって使用される、
請求項26又は27に記載の充電対象デバイス。
【請求項30】
前記少なくとも1つのトランシーバアンテナは、
前記伝送チャネルを通じて、前記無線充電装置によって送信された少なくとも1つの第2テスト信号を受信し、前記少なくとも1つの第2テスト信号は、少なくとも1つの候補チャネル情報と一対一の対応にあり、任意の第2テスト信号が対応する候補チャネル情報に基づき生成され、
第2測定結果を前記無線充電装置へ前記伝送チャネルを通じて送信して、前記無線充電装置が前記第2測定結果に基づき前記少なくとも1つの候補チャネル情報から前記チャネル情報を選択するようにするよう更に構成され、
前記受電モジュールは、前記少なくとも1つの第2テスト信号の夫々の信号品質を測定するよう更に構成され、
前記信号処理モジュールは、前記少なくとも1つの第2テスト信号の前記信号品質に基づき前記第2測定結果を生成するよう更に構成される、
請求項26又は27に記載の充電対象デバイス。
【請求項31】
前記第2測定結果は、前記少なくとも1つの第2テスト信号の前記信号品質を含み、あるいは、
前記第2測定結果は、第2指示情報を含み、該第2指示情報は、前記少なくとも1つの第2テスト信号の中で信号品質が最も高い第2ターゲットテスト信号を示すために使用される、
請求項30に記載の充電対象デバイス。
【請求項32】
前記伝送チャネルはトランシーバアンテナ組み合わせに対応し、該トランシーバアンテナ組み合わせは、前記無線充電装置における1つの送信アンテナと、当該充電対象デバイスにおける1つの受信アンテナとを有する、
請求項25に記載の充電対象デバイス。
【請求項33】
当該充電対象デバイスは信号処理モジュールを更に有し、該信号処理モジュールは、現在の電力が、充電要求情報を送信するのに必要な電力以上であることを決定するよう構成され、
前記少なくとも1つのトランシーバアンテナは、前記充電要求情報を前記無線充電装置へ前記伝送チャネルを通じて送信するよう更に構成される、
請求項25に記載の充電対象デバイス。
【請求項34】
プロセッサ及びトランシーバアンテナを有し、
前記プロセッサは、命令を読み出して、請求項1乃至12のうちいずれか一項に記載の無線充電システムの無線充電装置の機能を実行するよう構成される、
無線充電装置。
【請求項35】
プロセッサ及びトランシーバアンテナを有し、
前記プロセッサは、命令を読み出して、請求項1乃至12のうちいずれか一項に記載の無線充電システムの充電対象デバイスの機能を実行するよう構成される、
充電対象デバイス。
【請求項36】
無線充電装置に適用される無線充電方法であって、
充電期間において、伝送チャネルのチャネル情報と、電磁波信号の波形を示すために使用される波形パラメータとを取得することであり、前記伝送チャネルは、第1周波数での、前記無線充電装置と充電対象デバイスとの間のチャネルであり、前記チャネル情報は、前記伝送チャネルを通じて伝送される電磁波信号の推定された信号減衰及び伝送遅延を含む、ことと、
前記チャネル情報及び前記波形パラメータに基づきターゲット電磁波信号を生成することであり、前記波形パラメータは、前記ターゲット電磁波信号を生成する過程で前記チャネル情報内の前記信号減衰に対して実行される指数演算のための指数因子である、ことと、
前記ターゲット電磁波信号を前記充電対象デバイスへ前記伝送チャネルを通じて送信して、前記充電対象デバイスが前記ターゲット電磁波信号を直流信号に変換して、該直流信号に基づき充電を実行するようにすることと
を有する無線充電方法。
【請求項37】
充電対象デバイスに適用される無線充電方法であって、
充電期間において伝送チャネルを通じて、無線充電装置によって送信されたターゲット電磁波信号を受信することであり、前記ターゲット電磁波信号は、前記伝送チャネルの取得されたチャネル情報によって示される前記伝送チャネルわたる電磁波信号の推定された信号減衰に対して実行される指数演算を満足し、前記指数演算は、電磁波信号の波形を示すために使用される取得された波形パラメータを指数因子として使用する、ことと
前記ターゲット電磁波信号を直流信号に変換し、該直流信号に基づき充電を実行することと
を有する無線充電方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、無線充電の分野に、特に、無線充電システム及び装置、並びに充電対象デバイスに関係がある。
【背景技術】
【0002】
無線充電技術は、充電対象デバイスを充電するためのエネルギを運ぶために電磁波を使用することを意味する。無線充電技術の発展により、充電はもはや充電ケーブルに依存する必要はなく、それによって、充電の自由度に対する人々の要求は満たされる。
【0003】
無線充電システムにおいて、電磁波信号を受信した後、充電対象デバイスは、電磁波信号を、充電対象デバイスを充電するための電気エネルギに変換する。ピーク対平均電力費(peak to average power ratio,PAPR)が比較的に高い電磁波信号は、無線充電システムの電力変換効率を大いに改善することができることが研究を通じて知られている。しかし、電力変換効率は、充電対象デバイスのハードウェア構造及び無線チャネルによっても影響を及ぼされる。例えば、無線チャネルは、電磁波信号の波形歪みを引き起こして、電磁波信号のPAPRを下げる。その結果、電力変換効率は低下する。異なるハードウェア構造により、異なる充電対象デバイスは、異なる信号受信及び変換性能を有している。その結果、電力変換効率は影響を及ぼされる。
【0004】
現在、一般的な解決法が電力変換効率を改善するために使用されている。送信プロセスでの電磁波信号の損失を減らすために、充電対象デバイスの既知のチャネル情報及び構造情報を使用することによって、最適な波形が最適化アルゴリズムに従って計算される。実際の適用シナリオでは、充電対象デバイスのチャネル情報及び構造情報を前もって取得することは難しい。従って、無線充電の電力変換効率を改善するための既存の方法には限界がある。
【発明の概要】
【0005】
本願の実施形態は、無線充電の電力変換効率を改善するよう、無線充電システム及び装置、並びに充電対象デバイスを提供する。
【0006】
第1の態様に従って、本願は、無線充電システムを提供し、無線充電システムは、無線充電装置及び充電対象デバイスを含む。
【0007】
無線充電装置は、
充電期間において、伝送チャネルのチャネル情報と、電磁波信号の波形を示すために使用される波形パラメータとを取得し、伝送チャネルは、第1周波数での、無線充電装置と充電対象デバイスとの間のチャネルであり、チャネル情報は、伝送チャネルを通じて伝送される電磁波信号の信号減衰及び伝送遅延を含み、
チャネル情報及び波形パラメータに基づきターゲット電磁波信号を生成し、ターゲット電磁波信号を充電対象デバイスへ伝送チャネルを通じて送信するよう構成される。
【0008】
充電対象デバイスは、
伝送チャネルを通じて、無線充電装置によって送信されたターゲット電磁波信号を受信し、
ターゲット電磁波信号を直流信号に変換し、直流信号に基づき充電を実行するよう構成される。
【0009】
本願のこの実施形態で提供される無線充電システムにおいて、無線充電装置は、充電期間において、伝送チャネルを通じて伝送される電磁波信号の信号減衰及び信号遅延を含むチャネル情報と、電磁波信号の波形を示すために使用される波形パラメータとを決定することができ、更には、チャネル情報及び波形パラメータに基づきターゲット電磁波信号を決定することができ、それにより、送信されるターゲット電磁波信号はチャネル伝送に適応することができるので、無線充電の電力変換効率は改善される。その上、方法において、充電対象デバイスのチャネル情報及び構造情報は前もって把握不要であり、充電期間においてチャネル情報及び波形パラメータを決定することしか必要とされないので、無線充電方法の実行は改善される。
【0010】
可能な設計において、電磁波信号の波形を示すために使用される波形パラメータを取得するときに、無線充電装置は、少なくとも1つの前もって設定された候補波形パラメータから波形パラメータを選択するよう特に構成される。
【0011】
その設計によれば、無線充電装置は、波形パラメータを計算するために受信端のハードウェア構造を把握する必要がなく、また、少なくとも1つの前もってセットされた候補チャネル情報候補波形パラメータから波形パラメータを選択することができるので、波形パラメータを決定する効率は改善される。
【0012】
無線充電装置が少なくとも1つの前もってセットされた候補波形パラメータから波形パラメータを選択するときに、無線充電装置は、
少なくとも1つの第1テスト信号を充電対象デバイスへ伝送チャネルを通じて送信し、少なくとも1つの第1テスト信号は、少なくとも1つの候補波形パラメータと一対一の対応にあり、任意の第1テストが対応する候補波形パラメータに基づき生成され、
伝送チャネルを通じて、充電対象デバイスによって送信された第1測定結果を受信し、第1測定結果は、充電対象デバイスによって少なくとも1つの第1テスト信号の信号品質を測定することで取得され、
第1測定結果に基づき少なくとも1つの候補波形パラメータから波形パラメータを選択するよう特に構成される。
【0013】
充電対象デバイスは、
伝送チャネルを通じて、無線充電装置によって送信された少なくとも1つの第1テスト信号を受信し、
少なくとも1つの第1テスト信号の信号品質を測定し、
少なくとも1つの第1テスト信号の信号品質に基づき第1測定結果を生成し、第1測定結果を無線充電装置へ伝送チャネルを通じて送信するよう更に構成される。
【0014】
その設計によれば、無線充電装置は、少なくとも1つの候補波形パラメータに基づき少なくとも1つの第1テスト信号を決定してよく、夫々の第1テスト信号は、ある候補波形パラメータに対応する。充電対象デバイスは、受信した少なくとも1つの第1テスト信号の信号品質に基づき第1測定結果を生成し、第1測定結果を無線充電装置へ送信して、無線充電装置が少なくとも1つの候補波形パラメータから波形パラメータを決定するのを助け得る。方法において取得された波形パラメータを使用することによって決定されたターゲット電磁波信号は、現在の伝送チャネルでの伝送により適合性があることができるので、電力変換効率は改善される。
【0015】
可能な設計において、第1測定結果は、少なくとも1つの第1テスト信号の信号品質を含む。第1測定結果に基づき少なくとも1つの候補波形パラメータから波形パラメータを選択するときに、無線充電装置は、第1測定結果に含まれる少なくとも1つの第1テスト信号の信号品質に基づき、信号品質が最も高い第1ターゲットテスト信号を決定し、少なくとも1つの候補波形パラメータから、第1ターゲットテスト信号に対応する候補波形パラメータを波形パラメータとして決定するよう特に構成される。
【0016】
代替的に、第1測定結果は、第1指示情報を含み、第1指示情報は、少なくとも1つの第1テスト信号の中で信号品質が最も高い第1ターゲットテスト信号を示すために使用される。第1測定結果に基づき少なくとも1つの候補波形パラメータから波形パラメータを選択するときに、無線充電装置は、第1指示情報によって示される第1ターゲットテスト信号を決定し、少なくとも1つの候補波形パラメータから、第1ターゲットテスト信号に対応する候補波形パラメータを波形パラメータとして決定するよう特に構成される。
【0017】
その設計によれば、第1測定結果は、少なくとも1つの第1テスト信号の信号品質を含んでよく、あるいは、信号品質が最も高い第1ターゲットテスト信号を示すために使用される第1指示情報を含んでもよく、それにより、無線充電装置は、少なくとも1つの候補波形パラメータから最適な波形パラメータを決定するために、第1測定結果を受け取った後に、もっと高い信号品質を有している第1ターゲットテスト信号を決定することができる。
【0018】
可能な設計において、伝送チャネルのチャネル情報を取得するときに、無線充電装置は、伝送チャネルに対してチャネル測定プロセスを実行してチャネル情報を取得するよう、あるいは、少なくとも1つの前もってセットされた候補チャネル情報からチャネル情報を選択するよう特に構成される。
【0019】
その設計によれば、本願のこの実施形態は、チャネル情報を決定する複数の方法を提供する。無線充電装置は、無線充電装置が実時間でチャネル情報を取得することを確かにするために、チャネル情報を取得するようチャネル測定を実行するか、又は少なくとも1つの前もってセットされた候補チャネル情報からチャネル情報を選択してよく、それにより、チャネル情報に基づき決定されるターゲット電磁波信号はチャネル伝送に適応することができるので、伝送チャネルでのターゲット電磁波信号の損失は低減される。
【0020】
可能な設計において、チャネル情報を取得するよう伝送チャネルに対してチャネル測定プロセスを実行するときに、無線充電装置は、
ビーコン信号を充電対象デバイスへ伝送チャネルを通じて送信し、ビーコン信号は、チャネル測定を実行するために充電対象デバイスによって使用され、
伝送チャネルを通じて、充電対象デバイスによって送信されたチャネル情報を受信するよう特に構成される。
【0021】
充電対象デバイスは、
伝送チャネルを通じて、無線充電装置によって送信されたビーコン信号を受信し、ビーコン信号に基づきチャネル測定を実行してチャネル情報を取得し、
チャネル情報を無線充電装置へ伝送チャネルを通じて送信するよう更に構成される。
【0022】
可能な設計において、充電対象デバイスは、ビーコン信号を無線充電装置へ伝送チャネルを通じて送信するよう更に構成され、ビーコン信号は、チャネル測定を実行するために無線充電装置によって使用される。
【0023】
チャネル情報を取得するようチャネル測定プロセスを実行するときに、無線充電装置は、伝送チャネルを通じて、充電対象デバイスによって送信されたビーコン信号を受信し、ビーコン信号に基づきチャネル測定を実行してチャネル情報を取得するよう特に構成される。
【0024】
その設計によれば、無線充電装置は、取得されたターゲットチャネル情報の精度を確保するために、ビーコン信号を使用することによって現在の伝送チャネルのチャネル情報を測定することができるので、現在の無線チャネルでの伝送においてターゲット電磁波信号に引き起こされる損失は低減され、かつ、電力変換効率は改善される。
【0025】
可能な設計において、少なくとも1つの前もってセットされた候補チャネル情報からチャネル情報を選択するときに、無線充電装置は、
少なくとも1つの第2テスト信号を充電対象デバイスへ伝送チャネルを通じて送信し、少なくとも1つの第2テスト信号は、少なくとも1つの候補チャネル情報と一対一の対応にあり、任意の第2テスト信号が対応する候補チャネル情報に基づき生成され、
伝送チャネルを通じて、充電対象デバイスによって送信された第2測定結果を受信し、第2測定結果は、充電対象デバイスによって少なくとも1つの第2テスト信号の信号品質を測定することで取得され、
第2測定結果に基づき少なくとも1つの候補チャネル情報からチャネル情報を選択するよう特に構成される。
【0026】
充電対象デバイスは、
伝送チャネルを通じて、無線充電装置によって送信された少なくとも1つの第2テスト信号を受信し、
少なくとも1つの第2テスト信号の夫々の信号品質を測定し、
少なくとも1つの第2テスト信号の信号品質に基づき第2測定結果を生成し、第2測定結果を無線充電装置へ伝送チャネルを通じて送信するよう更に構成される。
【0027】
可能な設計において、第2測定結果は、少なくとも1つの第2テスト信号の信号品質を含む。第2測定結果に基づき少なくとも1つの候補チャネル情報からチャネル情報を選択するときに、無線充電装置は、第2測定結果に含まれる少なくとも1つの第2テスト信号の信号品質に基づき、信号品質が最も高い第2ターゲットテスト信号を決定し、少なくとも1つの候補チャネル情報から、第2ターゲットテスト信号に対応する候補チャネル情報をチャネル情報として決定するよう特に構成される。
【0028】
代替的に、第2測定結果は、第2指示情報を含み、第2指示情報は、少なくとも1つの第2テスト信号の中で信号品質が最も高い第2ターゲットテスト信号を示すために使用される。第2測定結果に基づき少なくとも1つの候補チャネル情報からチャネル情報を選択するときに、無線充電装置は、第2指示情報によって示される第2ターゲットテスト信号を決定し、少なくとも1つの候補チャネル情報から、第2ターゲットテスト信号に対応する候補チャネル情報をチャネル情報として決定するよう特に構成される。
【0029】
その設計によれば、無線充電装置は、少なくとも1つの候補チャネル情報を前もって設定することができ、少なくとも1つの第2テスト信号は、少なくとも1つの候補チャネル情報と一対一の対応にある。無線充電装置は、少なくとも1つの第2テスト情報を充電対象デバイスへ送信し、充電対象デバイスによってフィードバックされた第2測定結果に基づき少なくとも1つの候補チャネル情報からチャネル情報を選択し得る。このようにして、チャネル情報は計算される必要がなく、代わりに、チャネル情報は、少なくとも1つの第2テスト信号の信号品質を測定することによって決定され、それにより、充電対象デバイスの計算量は減るので、チャネル情報の精度を確保しながら無線充電効率は改善される。
【0030】
可能な設計において、波形パラメータは、ターゲット電磁波信号を生成する過程でチャネル情報内の信号減衰に対して実行される指数演算のための指数因子である。
【0031】
可能な設計において、ターゲット電磁波信号は、次の式:
【数1】
を満足し、nは第1周波数を表し、wはターゲット電磁波信号を表し、φは、チャネル情報に含まれる伝送遅延を表し、Aは、チャネル情報に含まれる信号減衰を表し、Pは、無線充電装置の総送信電力であり、βは波形パラメータである。
【0032】
可能な設計において、伝送チャネルはトランシーバアンテナ組み合わせに対応し、トランシーバアンテナ組み合わせは、無線充電装置における1つの送信アンテナと、充電対象デバイスにおける1つの受信アンテナとを含む。
【0033】
その設計によれば、1つのトランシーバアンテナ組み合わせは、1つの伝送チャネルに対応する。本願のこの実施形態で提供される無線充電方法によれば、ターゲット電磁波信号は、複数のアンテナ組み合わせに対応する複数の伝送チャネルの夫々について決定され得る。従って、無線充電装置は、ビームフォーミングを実装するために、期待される信号放射モードを取得するよう異なるトランシーバアンテナを使用することによって異なる電磁波信号を送信し得るので、充電対象デバイスで実行される無線充電の電力変換効率は改善される。
【0034】
可能な設計において、無線充電装置は、伝送チャネルのチャネル情報と、電磁波信号の波形を示すために使用される波形パラメータとを取得する前に、伝送チャネルを通じて、充電対象デバイスによって送信された充電要求情報を受信するよう更に構成される。
【0035】
充電対象デバイスは、現在の電力が、充電要求情報を送信するのに必要な電力以上であることを決定し、充電要求情報を無線充電装置へ伝送チャネルを通じて送信するよう更に構成される。
【0036】
その設計によれば、充電対象デバイスは、充電対象デバイスの電力が充電要求情報を送信するために使用され得ることを決定した後で、充電要求情報を無線充電装置へ送信してよく、それにより、無線充電装置は、充電対象デバイスを効率的に充電するようターゲット電磁波信号を決定する。
【0037】
第2の態様に従って、本願は、信号処理モジュール、電力信号生成モジュール、及び少なくとも1つのトランシーバアンテナを含む無線充電装置を提供する。
【0038】
信号処理モジュールは、充電期間において、伝送チャネルのチャネル情報と、電磁波信号の波形を示すために使用される波形パラメータとを取得するよう構成され、伝送チャネルは、第1周波数での、無線充電装置と充電対象デバイスとの間のチャネルであり、チャネル情報は、伝送チャネルを通じて伝送される電磁波信号の信号減衰及び伝送遅延を含む。
【0039】
電力信号生成モジュールは、チャネル情報及び波形パラメータに基づきターゲット電磁波信号を生成するよう構成される。
【0040】
少なくとも1つのトランシーバアンテナは、ターゲット電磁波信号を充電対象デバイスへ伝送チャネルを通じて送信するよう構成される。
【0041】
可能な設計において、電磁波信号の波形を示すために使用される波形パラメータを取得するときに、信号処理モジュールは、少なくとも1つの前もって設定された候補波形パラメータから波形パラメータを選択するよう特に構成される。
【0042】
可能な設計において、少なくとも1つのトランシーバアンテナは、
少なくとも1つの第1テスト信号を充電対象デバイスへ伝送チャネルを通じて送信し、少なくとも1つの第1テスト信号は、少なくとも1つの候補波形パラメータと一対一の対応にあり、任意の第1テストが対応する候補波形パラメータに基づき生成され、
伝送チャネルを通じて、充電対象デバイスによって送信された第1測定結果を受信し、第1測定結果は、充電対象デバイスによって少なくとも1つの第1テスト信号の信号品質を測定することで取得される、よう更に構成される。
【0043】
少なくとも1つの前もってセットされた候補波形パラメータから波形パラメータを選択するときに、信号処理モジュールは、第1測定結果に基づき少なくとも1つの候補波形パラメータから波形パラメータを選択するよう特に構成される。
【0044】
可能な設計において、第1測定結果は、少なくとも1つの第1テスト信号の信号品質を含む。第1測定結果に基づき少なくとも1つの候補波形パラメータから波形パラメータを選択するときに、信号処理モジュールは、第1測定結果に含まれる少なくとも1つの第1テスト信号の信号品質に基づき、信号品質が最も高い第1ターゲットテスト信号を決定し、少なくとも1つの候補波形パラメータから、第1ターゲットテスト信号に対応する候補波形パラメータを波形パラメータとして決定するよう特に構成される。
【0045】
代替的に、第1測定結果は、第1指示情報を含み、第1指示情報は、少なくとも1つの第1テスト信号の中で信号品質が最も高い第1ターゲットテスト信号を示すために使用される。第1測定結果に基づき少なくとも1つの候補波形パラメータから波形パラメータを選択するときに、信号処理モジュールは、第1指示情報によって示される第1ターゲットテスト信号を決定し、少なくとも1つの候補波形パラメータから、第1ターゲットテスト信号に対応する候補波形パラメータを波形パラメータとして決定するよう特に構成される。
【0046】
可能な設計において、伝送チャネルのチャネル情報を取得するときに、信号処理モジュールは、伝送チャネルに対してチャネル測定プロセスを実行してチャネル情報を取得するよう、あるいは、少なくとも1つの前もってセットされた候補チャネル情報からチャネル情報を選択するよう特に構成される。
【0047】
可能な設計において、少なくとも1つのトランシーバアンテナは、
ビーコン信号を充電対象デバイスへ伝送チャネルを通じて送信し、ビーコン信号は、チャネル測定を実行するために充電対象デバイスによって使用され、
伝送チャネルを通じて、充電対象デバイスによって送信されたチャネル情報を受信するよう更に構成される。
【0048】
可能な設計において、少なくとも1つのトランシーバアンテナは、伝送チャネルを通じて、充電対象デバイスによって送信されたビーコン信号を受信するよう更に構成される。チャネル情報を取得するようチャネル測定プロセスを実行するときに、信号処理モジュールは、ビーコン信号に基づきチャネル測定を実行してチャネル情報を取得するよう特に構成される。
【0049】
可能な設計において、少なくとも1つのトランシーバアンテナは、
少なくとも1つの第2テスト信号を充電対象デバイスへ伝送チャネルを通じて送信し、少なくとも1つの第2テスト信号は、少なくとも1つの候補チャネル情報と一対一の対応にあり、任意の第2テスト信号が対応する候補チャネル情報に基づき生成され、
伝送チャネルを通じて、充電対象デバイスによって送信された第2測定結果を受信し、第2測定結果は、充電対象デバイスによって少なくとも1つの第2テスト信号の信号品質を測定することで取得される、よう更に構成される。
【0050】
少なくとも1つの前もってセットされた候補チャネル情報からチャネル情報を選択するときに、信号処理モジュールは、第2測定結果に基づき少なくとも1つの候補チャネル情報からチャネル情報を選択するよう特に構成される。
【0051】
可能な設計において、第2測定結果は、少なくとも1つの第2テスト信号の信号品質を含む。第2測定結果に基づき少なくとも1つの候補チャネル情報からチャネル情報を選択するときに、信号処理モジュールは、第2測定結果に含まれる少なくとも1つの第2テスト信号の信号品質に基づき、信号品質が最も高い第2ターゲットテスト信号を決定し、少なくとも1つの候補チャネル情報から、第2ターゲットテスト信号に対応する候補チャネル情報をチャネル情報として決定するよう特に構成される。
【0052】
代替的に、第2測定結果は、第2指示情報を含み、第2指示情報は、少なくとも1つの第2テスト信号の中で信号品質が最も高い第2ターゲットテスト信号を示すために使用される。第2測定結果に基づき少なくとも1つの候補チャネル情報からチャネル情報を選択するときに、信号処理モジュールは、第2指示情報によって示される第2ターゲットテスト信号を決定し、少なくとも1つの候補チャネル情報から、第2ターゲットテスト信号に対応する候補チャネル情報をチャネル情報として決定するよう特に構成される。
【0053】
可能な設計において、波形パラメータは、ターゲット電磁波信号を生成する過程でチャネル情報内の信号減衰に対して実行される指数演算のための指数因子である。
【0054】
可能な設計において、ターゲット電磁波信号は、次の式:
【数2】
を満足し、nは第1周波数を表し、wはターゲット電磁波信号を表し、φは、チャネル情報に含まれる伝送遅延を表し、Aは、チャネル情報に含まれる信号減衰を表し、Pは、無線充電装置の総送信電力であり、βは波形パラメータである。
【0055】
可能な設計において、伝送チャネルはトランシーバアンテナ組み合わせに対応し、トランシーバアンテナ組み合わせは、無線充電装置における1つの送信アンテナと、充電対象デバイスにおける1つの受信アンテナとを含む。
【0056】
可能な設計において、少なくとも1つのトランシーバアンテナは、
信号処理モジュールが、伝送チャネルのチャネル情報と、電磁波信号の波形を示すために使用される波形パラメータとを取得する前に、伝送チャネルを通じて、充電対象デバイスによって送信された充電要求情報を受信するよう更に構成される。
【0057】
第3の態様に従って、本願は、少なくとも1つのトランシーバアンテナ及び受電モジュールを含む充電対象デバイスを提供する。
【0058】
少なくとも1つのトランシーバアンテナは、伝送チャネルを通じて、無線充電装置によって送信されたターゲット電磁波信号を受信するよう構成され、ターゲット電磁波信号は、無線充電装置によって、伝送チャネルの取得されたチャネル情報と、電磁波信号の波形を示すために使用される取得された波形パラメータとに基づき生成される。
【0059】
受電モジュールは、ターゲット電磁波信号を直流信号に変換し、直流信号に基づき充電を実行するよう構成される。
【0060】
可能な設計において、少なくとも1つのトランシーバアンテナは、
伝送チャネルを通じて、無線充電装置によって送信された少なくとも1つの第1テスト信号を受信し、少なくとも1つの第1テスト信号は、少なくとも1つの候補波形パラメータと一対一の対応にあり、任意の第1テストが対応する候補波形パラメータに基づき生成され、
第1測定結果を無線充電装置へ伝送チャネルを通じて送信して、無線充電装置が第1測定結果に基づき少なくとも1つの候補波形パラメータから波形パラメータを選択するようにするよう更に構成される。
【0061】
受電モジュールは、少なくとも1つの第1テスト信号の信号品質を測定するよう更に構成される。充電対象デバイスは、信号処理モジュールを更に有し、信号処理モジュールは、少なくとも1つの第1テスト信号の信号品質に基づき第1測定結果を生成するよう構成される。
【0062】
可能な設計において、第1測定結果は、少なくとも1つの第1テスト信号の信号品質を含み、あるいは、第1測定結果は、第1指示情報を含み、第1指示情報は、少なくとも1つの第1テスト信号の中で信号品質が最も高い第1ターゲットテスト信号を示すために使用される。
【0063】
可能な設計において、少なくとも1つのトランシーバアンテナは、伝送チャネルを通じて、無線充電装置によって送信されたビーコン信号を受信し、チャネル情報を無線充電装置へ伝送チャネルを通じて送信するよう更に構成される。
【0064】
信号処理モジュールは、ビーコン信号に基づきチャネル測定を実行してチャネル情報を取得するよう更に構成される。
【0065】
可能な設計において、少なくとも1つのトランシーバアンテナは、ビーコン信号を無線充電装置へ伝送チャネルを通じて送信するよう更に構成され、ビーコン信号は、チャネル測定を実行するために無線充電装置によって使用される。
【0066】
可能な設計において、少なくとも1つのトランシーバアンテナは、
伝送チャネルを通じて、無線充電装置によって送信された少なくとも1つの第2テスト信号を受信し、少なくとも1つの第2テスト信号は、少なくとも1つの候補チャネル情報と一対一の対応にあり、任意の第2テスト信号が対応する候補チャネル情報に基づき生成され、
第2測定結果を無線充電装置へ伝送チャネルを通じて送信して、無線充電装置が第2測定結果に基づき少なくとも1つの候補チャネル情報からチャネル情報を選択するようにするよう更に構成される。
【0067】
受電モジュールは、少なくとも1つの第2テスト信号の夫々の信号品質を測定するよう更に構成される。
【0068】
信号処理モジュールは、少なくとも1つの第2テスト信号の信号品質に基づき第2測定結果を生成するよう更に構成される。
【0069】
可能な設計において、第2測定結果は、少なくとも1つの第2テスト信号の信号品質を含み、あるいは、第2測定結果は、第2指示情報を含み、第2指示情報は、少なくとも1つの第2テスト信号の中で信号品質が最も高い第2ターゲットテスト信号を示すために使用される。
【0070】
可能な設計において、伝送チャネルはトランシーバアンテナ組み合わせに対応し、トランシーバアンテナ組み合わせは、無線充電装置における1つの送信アンテナと、充電対象デバイスにおける1つの受信アンテナとを含む。
【0071】
可能な設計において、信号処理モジュールは、現在の電力が、充電要求情報を送信するのに必要な電力以上であることを決定するよう構成される。
【0072】
少なくとも1つのトランシーバアンテナは、充電要求情報を無線充電装置へ伝送チャネルを通じて送信するよう更に構成される。
【0073】
第4の態様に従って、本願の実施形態は、無線充電装置に適用される無線充電方法を提供する。方法は、
充電期間において、伝送チャネルのチャネル情報と、電磁波信号の波形を示すために使用される波形パラメータとを取得することであり、伝送チャネルは、第1周波数での、無線充電装置と充電対象デバイスとの間のチャネルであり、チャネル情報は、伝送チャネルを通じて伝送される電磁波信号の信号減衰及び伝送遅延を含む、ことと、
チャネル情報及び波形パラメータに基づきターゲット電磁波信号を生成し、ターゲット電磁波信号を充電対象デバイスへ伝送チャネルを通じて送信することと
を含む。
【0074】
可能な設計において、電磁波信号の波形を示すために使用される波形パラメータを取得することは、少なくとも1つの前もって設定された候補波形パラメータから波形パラメータを選択することを含む。
【0075】
可能な設計において、少なくとも1つの前もってセットされた候補波形パラメータから波形パラメータを選択することは、
少なくとも1つの第1テスト信号を充電対象デバイスへ伝送チャネルを通じて送信することであり、少なくとも1つの第1テスト信号は、少なくとも1つの候補波形パラメータと一対一の対応にあり、任意の第1テストが対応する候補波形パラメータに基づき生成される、ことと、
伝送チャネルを通じて、充電対象デバイスによって送信された第1測定結果を受信することであり、第1測定結果は、充電対象デバイスによって少なくとも1つの第1テスト信号の信号品質を測定することで取得される、ことと、
第1測定結果に基づき少なくとも1つの前もってセットされた候補波形パラメータから波形パラメータを選択することと
を含む。
【0076】
可能な設計において、第1測定結果は、少なくとも1つの第1テスト信号の信号品質を含む。第1測定結果に基づき少なくとも1つの候補波形パラメータから波形パラメータを選択することは、第1測定結果に含まれる少なくとも1つの第1テスト信号の信号品質に基づき、信号品質が最も高い第1ターゲットテスト信号を決定し、少なくとも1つの候補波形パラメータから、第1ターゲットテスト信号に対応する候補波形パラメータを波形パラメータとして決定することを含む。
【0077】
代替的に、第1測定結果は、第1指示情報を含み、第1指示情報は、少なくとも1つの第1テスト信号の中で信号品質が最も高い第1ターゲットテスト信号を示すために使用される。第1測定結果に基づき少なくとも1つの候補波形パラメータから波形パラメータを選択することは、第1指示情報によって示される第1ターゲットテスト信号を決定し、少なくとも1つの候補波形パラメータから、第1ターゲットテスト信号に対応する候補波形パラメータを波形パラメータとして決定することを含む。
【0078】
可能な設計において、伝送チャネルのチャネル情報を取得することは、伝送チャネルに対してチャネル測定プロセスを実行してチャネル情報を取得すること、又は少なくとも1つの前もってセットされた候補チャネル情報からチャネル情報を選択することを含む。
【0079】
可能な設計において、チャネル情報を取得するよう伝送チャネルに対してチャネル測定プロセスを実行することは、
ビーコン信号を充電対象デバイスへ伝送チャネルを通じて送信することであり、ビーコン信号は、チャネル測定を実行するために充電対象デバイスによって使用される、ことと、
伝送チャネルを通じて、充電対象デバイスによって送信されたチャネル情報を受信することを
を含む。
【0080】
可能な設計において、チャネル情報を取得するよう伝送チャネルに対してチャネル測定プロセスを実行することは、伝送チャネルを通じて、充電対象デバイスによって送信されたビーコン信号を受信することと、ビーコン信号に基づきチャネル測定を実行してチャネル情報を取得することを含む。
【0081】
可能な設計において、少なくとも1つの前もってセットされた候補チャネル情報からチャネル情報を選択することは、
少なくとも1つの第2テスト信号を充電対象デバイスへ伝送チャネルを通じて送信することであり、少なくとも1つの第2テスト信号は、少なくとも1つの候補チャネル情報と一対一の対応にあり、任意の第2テスト信号が対応する候補チャネル情報に基づき生成される、ことと、
伝送チャネルを通じて、充電対象デバイスによって送信された第2測定結果を受信することであり、第2測定結果は、充電対象デバイスによって少なくとも1つの第2テスト信号の信号品質を測定することで取得される、ことと、
第2測定結果に基づき少なくとも1つの候補チャネル情報からチャネル情報を選択することと
を含む。
【0082】
可能な設計において、第2測定結果は、少なくとも1つの第2テスト信号の信号品質を含む。第2測定結果に基づき少なくとも1つの候補チャネル情報からチャネル情報を選択することは、第2測定結果に含まれる少なくとも1つの第2テスト信号の信号品質に基づき、信号品質が最も高い第2ターゲットテスト信号を決定し、少なくとも1つの候補チャネル情報から、第2ターゲットテスト信号に対応する候補チャネル情報をチャネル情報として決定することを含む。代替的に、第2測定結果は、第2指示情報を含み、第2指示情報は、少なくとも1つの第2テスト信号の中で信号品質が最も高い第2ターゲットテスト信号を示すために使用される。第2測定結果に基づき少なくとも1つの候補チャネル情報からチャネル情報を選択することは、第2指示情報によって示される第2ターゲットテスト信号を決定し、少なくとも1つの候補チャネル情報から、第2ターゲットテスト信号に対応する候補チャネル情報をチャネル情報として決定することを含む。
【0083】
可能な設計において、波形パラメータは、ターゲット電磁波信号を生成する過程でチャネル情報内の信号減衰に対して実行される指数演算のための指数因子である。
【0084】
可能な設計において、ターゲット電磁波信号は、次の式:
【数3】
を満足し、nは第1周波数を表し、wはターゲット電磁波信号を表し、φは、チャネル情報に含まれる伝送遅延を表し、Aは、チャネル情報に含まれる信号減衰を表し、Pは、無線充電装置の総送信電力であり、βは波形パラメータである。
【0085】
可能な設計において、伝送チャネルはトランシーバアンテナ組み合わせに対応し、トランシーバアンテナ組み合わせは、無線充電装置における1つの送信アンテナと、充電対象デバイスにおける1つの受信アンテナとを含む。
【0086】
可能な設計において、伝送チャネルのチャネル情報と、電磁波信号の波形を示すために使用される波形パラメータとを取得する前に、方法は、伝送チャネルを通じて、充電対象デバイスによって送信された充電要求情報を受信することを更に含む。
【0087】
第5の態様に従って、本願の実施形態は、充電対象デバイスに適用される無線充電方法を提供する。方法は、
伝送チャネルを通じて、無線充電装置によって送信されたターゲット電磁波信号を受信することであり、ターゲット電磁波信号は、無線充電装置によって、伝送チャネルの取得されたチャネル情報と、電磁波信号の波形を示すために使用される取得された波形パラメータとに基づき生成される、ことと
ターゲット電磁波信号を直流信号に変換し、直流信号に基づき充電を実行することと
を含む。
【0088】
可能な設計において、方法は、
伝送チャネルを通じて、無線充電装置によって送信された少なくとも1つの第1テスト信号を受信することであり、少なくとも1つの第1テスト信号は、少なくとも1つの候補波形パラメータと一対一の対応にあり、任意の第1テストが対応する候補波形パラメータに基づき生成される、ことと
少なくとも1つの第1テスト信号の信号品質を測定することと、
少なくとも1つの第1テスト信号の信号品質に基づき第1測定結果を生成することと、
第1測定結果を無線充電装置へ伝送チャネルを通じて送信して、無線充電装置が第1測定結果に基づき少なくとも1つの候補波形パラメータから波形パラメータを選択するようにすることと
を更に含む。
【0089】
可能な設計において、第1測定結果は、少なくとも1つの第1テスト信号の信号品質を含み、あるいは、第1測定結果は、第1指示情報を含み、第1指示情報は、少なくとも1つの第1テスト信号の中で信号品質が最も高い第1ターゲットテスト信号を示すために使用される。
【0090】
可能な設計において、方法は、
伝送チャネルを通じて、無線充電装置によって送信されたビーコン信号を受信することと、
ビーコン信号に基づきチャネル測定を実行してチャネル情報を取得することと、
チャネル情報を無線充電装置へ伝送チャネルを通じて送信することと
を更に含む。
【0091】
可能な設計において、方法は、ビーコン信号を無線充電装置へ伝送チャネルを通じて送信することを更に含み、ビーコン信号は、チャネル測定を実行するために無線充電装置によって使用される。
【0092】
可能な設計において、方法は、
伝送チャネルを通じて、無線充電装置によって送信された少なくとも1つの第2テスト信号を受信することであり、少なくとも1つの第2テスト信号は、少なくとも1つの候補チャネル情報と一対一の対応にあり、任意の第2テスト信号が対応する候補チャネル情報に基づき生成される、ことと、
少なくとも1つの第2テスト信号の夫々の信号品質を測定することと、
少なくとも1つの第2テスト信号の信号品質に基づき第2測定結果を生成することと、
第2測定結果を無線充電装置へ伝送チャネルを通じて送信して、無線充電装置が第2測定結果に基づき少なくとも1つの候補チャネル情報からチャネル情報を選択するようにすることと
を更に含む。
【0093】
可能な設計において、第2測定結果は、少なくとも1つの第2テスト信号の信号品質を含み、あるいは、第2測定結果は、第2指示情報を含み、第2指示情報は、少なくとも1つの第2テスト信号の中で信号品質が最も高い第2ターゲットテスト信号を示すために使用される。
【0094】
可能な設計において、伝送チャネルはトランシーバアンテナ組み合わせに対応し、トランシーバアンテナ組み合わせは、無線充電装置における1つの送信アンテナと、充電対象デバイスにおける1つの受信アンテナとを含む。
【0095】
可能な設計において、方法は、現在の電力が、充電要求情報を送信するのに必要な電力以上であることを決定することと、充電要求情報を無線充電装置へ伝送チャネルを通じて送信することを更に含む。
【0096】
第6の態様に従って、本願の実施形態は、トランシーバアンテナ及び少なくとも1つのプロセッサを含む無線充電装置を提供する。少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つのメモリへ結合され、少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つのメモリに記憶されている命令を読み出して、第4の態様で提供される方法を実行するよう構成される。
【0097】
第7の態様に従って、本願の実施形態は、トランシーバアンテナ及び少なくとも1つのプロセッサを含む充電対象デバイスを提供する。少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つのメモリへ結合され、少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つのメモリに記憶されている命令を読み出して、第5の態様で提供される方法を実行するよう構成される。
【図面の簡単な説明】
【0098】
図1】無線充電システムのアーキテクチャの図である。
図2】高PAPRランダム信号及び等振幅連続波信号の電力変換効率の概略図である。
図3】無線チャネルでの伝送プロセスにおける電磁波信号のPAPRの変化の概略図である。
図4】本願の実施形態に従う無線充電方法の相互作用フローチャートである。
図5】本願の実施形態に従って、ブロードキャスト電力生成の信号放射モード及びビームフォーミング後の信号放射モードの概略図である。
図6】本願の実施形態に従う充電期間の概略図である。
図7】本願の実施形態に従う波形パラメータ決定方法のフローチャートである。
図8】本願の実施形態に従う第1のチャネル情報決定方法のフローチャートである。
図9】本願の実施形態に従う第2のチャネル情報決定方法のフローチャートである。
図10】本願の実施形態に従う第3のチャネル情報決定方法のフローチャートである。
図11】本願の実施形態に従う無線充電装置及び充電対象デバイスの構造の概略図である。
図12】本願の実施形態に従って、無線充電装置と充電対象デバイスとの間で伝送される電磁波信号の第1のフレーム構造の概略図である。
図13】本願の実施形態に従う無線充電方法の第1事例のフローチャートである。
図14】本願の実施形態に従って、無線充電装置と充電対象デバイスとの間で伝送される電磁波信号の第2のフレーム構造の概略図である。
図15】本願の実施形態に従う無線充電方法の第2事例のフローチャートである。
図16】本願の実施形態に従って、無線充電装置と充電対象デバイスとの間で伝送される電磁波信号の第3のフレーム構造の概略図である。
図17】本願の実施形態に従う無線充電方法の第3事例のフローチャートである。
図18】本願の実施形態に従う無線充電装置の構造の概略図である。
図19】本願の実施形態に従う充電対象デバイスの構造の概略図である。
図20a】本願の実施形態に従って、第1の充電対象デバイスの構造の概略図と、充電対象デバイスが無線充電されるときの、異なる候補波形パラメータに対応する電力変換効率の図とである。
図20b】本願の実施形態に従って、第2の充電対象デバイスの構造の概略図と、充電対象デバイスが無線充電されるときの、異なる候補波形パラメータに対応する電力変換効率の図とである。
【発明を実施するための形態】
【0099】
本願の実施形態の理解を促すために、以下は、本願の実施形態に関係がある用語について記載する。
【0100】
無線充電技術は、充電対象デバイスを充電するためのエネルギを運ぶために電磁波を使用することを意味する。具体的に、無線充電装置は、トランシーバアンテナを使用することによって電磁波を伝送することがデイ、電磁波は無線で伝送される。充電対象デバイスは、トランシーバアンテナを使用することによって電磁波を受け、電磁波を直流信号に変換して、変換後に得られた電気エネルギを使用することで充電対象デバイスを充電することができる。無線充電は、メートルレベルでの伝送距離を達することができる。従って、電磁波が無線充電のために使用される技術は、遠隔無線充電技術とも呼ばれることがある。
【0101】
図1は、無線充電システムのアーキテクチャの図である。図1を参照すると、無線充電システムは、無線充電装置と、少なくとも1つの充電対象デバイス、例えば、例として図1に示される3つの充電対象デバイス(デバイス1、デバイス2、及びデバイス3)とを含む。任意に、本願のこの実施形態では、無線充電装置は、充電基地局のようなデバイスであってよく、充電対象デバイスは、携帯電話機、タブレットコンピュータ、ウェアラブルデバイス(例えば、時計、バンド、ヘルメット、若しくはイヤホン)、車載デバイス、拡張現実(augmented reality,AR)/仮想現実(virtual reality,VR)デバイス、ノートブックコンピュータ、ウルトラモバイルパーソナルコンピュータ(ultra-mobile personal computer,UMPC)、ネットブック、パーソナルデジタルアシスタント(personal digital assistant,PDA)、スマートホームデバイス(例えば、スマートテレビジョン、スマートサウンドボックス、若しくはスマートカメラ)のような端末デバイスであってよく、あるいは、様々なアプリケーションに対応するインターネット・オブ・シングス(internet of things,IOT)デバイスであってよい。
【0102】
無線充電プロセスにおいて、無線充電装置は、電磁波信号を充電対象デバイスへ送信し得る。電磁波信号を受信した後、充電対象デバイスは、充電対象デバイスを充電するために、電磁波信号を直流信号に変換する。
【0103】
無線充電技術では、電磁波信号を直流信号に変換する電力変換効率を如何にして改善するかが重要な問題である。PAPRが比較的に高い電磁波信号は、無線充電システムの電力変換効率を大いに改善することができることが研究を通じて知られている。図2は、高PAPRランダム信号及び等振幅連続波信号の電力変換効率の概略図である。実線は、高PAPRランダム信号の電力変換効率を表し、破線は、等振幅連続波信号の電力変換効率を表す。入力電力が同じであるとき、高PAPRを有するランダム信号の電力変換効率の方が等振幅連続波信号の電力変換効率よりも高いことが、図2から分かる。従って、電磁波信号のPAPRを増大させることは、無線充電の変換効率を改善する有効な方法である。
【0104】
無線チャネルで電磁波信号を伝送するプロセスにおいて、電磁波信号の波形は歪む。結果として、電磁波信号のPAPRは低下する。図3は、無線チャネルでの伝送プロセスにおける電磁波信号のPAPRの変化の概略図である。破線は、元々送信された電磁波信号の波形を表し、実線は、電磁波信号が無線チャネルを通じて伝送された後の電磁波の波形を表す。電磁波信号が無線チャネルを通じて伝送された後、電磁波信号の波形は歪むことが、図3から分かる。これは、電磁波信号のPAPRの低下を引き起こす。結果として、無線充電の電力変換効率は影響を及ぼされる。
【0105】
その上、電力変換効率は、充電対象デバイスのハードウェア構造によっても影響を及ぼされる。異なるハードウェア構造により、異なる充電対象デバイスは、異なる信号受信及び変換性能を有している。結果として、電力変換効率は影響を及ぼされる。
【0106】
現在、一般的な解決法が電力変換効率を改善するために使用されている。送信プロセスでの電磁波信号の損失を減らすために、充電対象デバイスの既知のチャネル情報及び構造情報を使用することによって、最適な波形が最適化アルゴリズムに従って計算される。しかし、実際の適用シナリオでは、チャネル情報は、様々な要因の影響により変化し、チャネル情報が前もって把握される場合に、比較的に高い誤差が存在する可能性がある。更に、多くのタイプの充電対象デバイス及び多くの開発者が存在しており、異なる充電対象デバイスは異なる構造を有しているので、充電対象デバイスの構造情報を知ることは比較的に難しい。従って、無線充電の電力変換効率を改善する既存の方法には限界がある。
【0107】
上記の課題に基づき、本願の実施形態は、無線充電の電力変換効率を改善するための無線充電方法を提供する。方法は、図1に示される無線充電システムに適用され得る。方法は、図4に示される無線充電方法のフローチャートを参照して、以下で具体的に記載される。
【0108】
S401:無線充電装置が、ブロードキャスト充電信号を送信するようブロードキャスト電力生成を実行し、充電対象デバイスが、ブロードキャスト充電信号を受信する。
【0109】
ブロードキャスト電力生成は、無線充電装置が、送信された電磁波信号に対してビームフォーミング又は波形最適化処理を実行しないことを意味する。無線充電装置のトランシーバアンテナがトランシーバアンテナアレイである場合に、ビームフォーミングは、いくつかの角度での信号が強め合う干渉を取得し、一方で、その他の角度での信号が弱め合う干渉を取得するように、トランシーバアンテナアレイのパラメータが調整されることを意味する。例えば、図5は、ブロードキャスト電力生成の信号放射モード及びビームフォーミング後の信号放射モードの概略図である。ブロードキャスト電力生成フェーズでは、無線充電装置によって送信された電磁波信号は、特定の充電対象デバイスを対象としないことが分かる。波形最適化処理は、送信された電磁波信号の波形パラメータが、無線チャネルでの伝送中に電磁波信号の損失を減らすよう調整されることを意味する。例えば、本願のこの実施形態で提供される無線充電方法は、ビームフォーミングとビーム最適化とを組み合わせる無線充電方法と見なされ得る。
【0110】
ブロードキャスト電力生成フェーズで、無線充電装置は、ブロードキャストによりブロードキャスト充電信号を送信することができ、無線充電装置によって送信されたブロードキャスト充電信号の伝送範囲内にある各充電対象デバイスは、無線充電装置によって送信されたブロードキャスト充電信号を受信することができる。
【0111】
S402:充電対象デバイスは、充電対象デバイスの電力が、充電要求情報を送信するのに必要な電力よりも大きいかどうかを決定し、電力が充電要求情報を送信するのに必要な電力よりも大きい場合には、ステップS404に進み、あるいは、電力が充電要求情報を送信するのに必要な電力よりも大きくない場合には、ステップS403に進む。
【0112】
任意に、充電対象デバイスによって無線充電装置へ送信される充電要求情報は、例えば、充電対象デバイスによって送信される肯定応答(acknowledge character,ACK)であってもよい。ACKは、充電対象デバイスが無線充電装置によって送信されたブロードキャスト充電信号を受信したことを示すために使用される。
【0113】
S403:充電対象デバイスは、受信したブロードキャスト充電信号を直流信号に変換して、充電対象デバイスを非効率的に充電する。
【0114】
無線充電装置は、送信された電磁波信号に対してビームフォーミング及び波形最適化を実行せずにブロードキャスト充電信号を送信するので、充電対象デバイスによって受信され得るブロードキャスト充電信号の電力は高くないことが理解され得る。しかし、この場合に、充電対象デバイスの電力は、充電要求情報を無線充電装置へ送信することにおいて充電対象デバイスをサポートするには十分でない。従って、充電対象デバイスは、充電対象デバイスの電力が充電要求情報を送信するのに必要な電力よりも大きくなるまで非効率的に充電対象デバイスを充電するために、受信したブロードキャスト充電信号を直流信号に変換する必要がある。
【0115】
S404:充電対象デバイスは、充電要求情報を無線充電装置へ送信し、無線充電装置は、充電対象デバイスによって送信された充電要求情報を受信する。
【0116】
S405:無線充電装置は、充電期間において、伝送チャネルのチャネル情報と、電磁波信号の波形を示すために使用される波形パラメータとを取得し、チャネル情報及び波形パラメータに基づきターゲット電磁波信号を生成する。
【0117】
伝送チャネルは、第1周波数での、無線充電装置と充電対象デバイスとの間のチャネルである。第1周波数は、前もって分周を通じて取得された周波数であってよい。例えば、N個の周波数が前もって分周を通じて取得され、Nは1以上の正の整数である。無線充電装置と充電対象デバイスとの間の伝送チャネルは、無線充電装置と充電対象デバイスとの間にあって、電磁波信号を伝送するために使用される媒体である。具体的に、無線充電装置は、送信アンテナを使用することによって電磁波信号を送信し、電磁波信号は、伝送チャネルを通じて充電対象デバイスへ伝送され、充電対象デバイスは、受信アンテナを使用することによって電磁波信号を受信する。信号を実際に運ぶ伝送チャネルは、完全に理想的な伝送チャネルではなく、信号減衰及び遅延の両方が、電磁波信号が伝送チャネル上で伝送されるときに発生する。伝送チャネルのチャネル情報は、伝送チャネルを通じて伝送された電磁波信号の信号減衰及び信号遅延を含む。
【0118】
波形パラメータは、電磁波信号の波形を示すために使用されるパラメータ値であり、波形パラメータは定数値であってよい。
【0119】
例えば、ターゲット電磁波信号は、式1を満足し得る:
【数4】
ここで、nは第1周波数を表し、wは、ターゲット電磁波信号を表し、0<n≦Nであり、φは、チャネル情報に含まれる伝送遅延を表し、Aは、チャネル情報に含まれる信号減衰を表し、Pは、無線充電装置の総送信電力であり、βは波形パラメータである。
【0120】
波形パラメータβは、ターゲット電磁波信号を生成する過程で、チャネル情報内の信号減衰に対して実行される指数演算のための指数因子であってよい、ことが式1から分かる。
【0121】
伝送チャネルのチャネル情報は変化する可能性があることが上記の説明から分かる。従って、本願の実施形態では、充電期間がセットされる。充電期間において、無線充電装置は、ターゲット電磁波信号を生成し、ターゲット電磁波信号を充電対象デバイスへ送信する。充電対象デバイスは、充電対象デバイスを充電するために、受信したターゲット電磁波信号を直流信号に変換し得る。充電期間が終了した後、次の充電期間の開始時に、無線充電装置は、送信されたターゲット電磁波信号が実時間で伝送チャネルに適応することができことを確かにするために、チャネル情報及び波形パラメータを決定し直し、ターゲット電磁波信号を生成してもよく、それによって、伝送チャネルでの伝送中にターゲット電磁波信号の信号損失及び伝送遅延は低減される。
【0122】
任意の実施において、充電期間は、ターゲット電磁波信号決定フェーズと、無線エネルギ伝送フェーズとを含んでよい。例えば、図6は、充電期間の概略図である。ターゲット電磁波信号決定フェーズで、無線充電装置は、チャネル情報及び波形パラメータを決定し、チャネル情報及び波形パラメータに基づきターゲット電磁波信号を決定する。無線エネルギ伝送フェーズで、無線充電装置は、ターゲット電磁波信号を充電対象デバイスへ送信する。無線エネルギ伝送フェーズで、充電対象デバイスは、充電対象デバイスを充電するために、受信したターゲット電磁波信号を直流信号に変換し得る。
【0123】
任意に、チャネル情報及び波形パラメータを決定した後、無線充電装置は、式1に従ってターゲット電磁波信号を生成してもよい。
【0124】
S406:無線充電装置は、ターゲット電磁波信号を充電対象デバイスへ伝送チャネルを通じて送信する。
【0125】
S407:充電対象デバイスは、ターゲット電磁波信号を直流信号に変換し、直流信号に基づき充電を実行する。
【0126】
更に、S405で、無線充電装置がターゲット電磁波信号を生成する前に無線充電装置によって決定される必要があるパラメータは、チャネル情報及び波形パラメータを含むことが、式1から分かる。本願のこの実施形態で無線充電装置によって波形パラメータを決定する方法は、以下で記載される。
【0127】
図7は、本願の実施形態に従う波形パラメータ決定方法のフローチャートである。方法は、次のステップを含む。
【0128】
S701:無線充電装置は、少なくとも1つの第1テスト信号を充電対象デバイスへ伝送チャネルを通じて送信し、充電対象デバイスは、伝送チャネルを通じて無線充電装置によって送信された少なくとも1つの第1テスト信号を受信する。
【0129】
任意に、少なくとも1つの候補波形パラメータが予め設定されてもよく、少なくとも1つの候補波形パラメータは、無線充電装置に記憶されている過去の波形パラメータに基づき決定されてよく、あるいは、当業者の経験に基づき設定されてもよい。少なくとも1つの候補波形パラメータは、少なくとも1つの第1テスト信号と一対一の対応にあり、任意の第1テスト信号は、対応する候補波形パラメータに基づき生成される。その上、式1に従って、電磁波信号は、チャネル情報及び波形パラメータを使用することによって決定され得ることが分かる。この場合に、1つのチャネル情報が予め設定されてよく、例えば、設定されている減衰及び遅延が、少なくとも1つの第1テスト信号に対応するチャネル情報として使用される。
【0130】
S702:充電対象デバイスは、夫々の第1テスト信号の信号品質を測定し、夫々の第1テスト信号の信号品質に基づき第1測定結果を生成する。
【0131】
充電対象デバイスが夫々の第1テスト信号の信号品質を測定することは、夫々の第1テスト信号の受信電力を測定することであってよい。第1測定結果は、少なくとも1つの第1テスト信号の夫々の信号品質を含み、あるいは、第1測定結果は第1指示情報を含み、第1指示情報は、少なくとも1つの第1テスト信号の中でもっと高い信号品質を有する第1ターゲットテスト信号を示すために使用される。
【0132】
任意の実施において、充電対象デバイスは、夫々の受信した第1テスト信号の信号品質を測定してよく、少なくとも1つの第1テスト信号の測定した信号品質に基づき第1測定結果を生成する。充電対象デバイスは、夫々の第1テスト信号の信号品質を第1測定結果として直接に使用してよい。例えば、充電対象デバイスが第1テスト信号を受信するたびに、充電対象デバイスは第1テスト信号の信号品質を測定し、第1テスト信号の信号品質を第1測定結果として使用する。代替的に、少なくとも1つの第1テスト信号を受信し、少なくとも1つの第1テスト信号を別々に測定して少なくとも1つの第1テスト信号の信号品質を取得した後、充電対象デバイスは、少なくとも1つの第1テスト信号の中の全ての第1テスト信号の信号品質を第1測定結果として使用してもよい。
【0133】
他の任意の実施においては、充電対象デバイスは、夫々の受信した第1テスト信号の信号品質を測定し、少なくとも1つの第1テスト信号の中で最も高い信号品質を有する第1テスト信号を第1ターゲットテスト信号として使用し、第1ターゲットテスト信号の識別子を第1指示情報として使用してもよい。第1測定結果は第1指示情報を含み得る。
【0134】
S703:充電対象デバイスは、第1測定結果を無線充電装置へ伝送チャネルを通じて送信し、無線充電装置は、伝送チャネルを通じて、充電対象デバイスによって送信された第1測定結果を受信する。
【0135】
任意に、第1測定結果が少なくとも1つの第1テスト信号の夫々の信号品質を含む場合に、充電対象デバイスが第1テスト信号を受信して、第1テスト信号の信号品質を測定するたびに、充電対象デバイスは、第1テスト信号の信号品質を第1測定結果として使用し、第1測定結果を無線充電装置へ送信してもよい。言い換えると、充電対象デバイスは、少なくとも1つの第1測定結果を無線充電装置へ送信する必要がある。代替的に、少なくとも1つの第1テスト信号を受信し、少なくとも1つの第1テスト信号の信号品質を測定した後で、充電対象デバイスは、少なくとも1つの第1テスト信号の信号品質を第1測定結果として使用してもよい。言い換えると、充電対象デバイスは、全ての第1テスト信号を受信した後に、第1測定結果を無線充電装置へ送信する。
【0136】
留意されるべきは、第1測定結果が、1つの第1テスト信号の信号品質、又は全ての第1テスト信号の信号品質を含むことは、本願のこの実施形態で提供される例示的な記載である点である。第1測定結果は、代替的に、指定された量の第1テスト信号の信号品質を含んでもよい。この場合に、充電対象デバイスは、全ての第1テスト信号の信号品質を、無線充電装置へフィードバックされる複数の第1測定結果に分けてよい。言い換えると、充電対象デバイスによって第1測定結果を送信する方法は、本願のこの実施形態で限定されず、少なくとも1つの第1テスト信号の信号品質を無線充電装置へフィードバックするために使用される如何なる方法も、適用される。
【0137】
S704:無線充電装置は、第1測定結果に基づき少なくとも1つの前もって設定された候補波形パラメータから波形パラメータを選択する。
【0138】
任意の実施において、第1測定結果が少なくとも1つの第1テスト信号の夫々の信号品質を含む場合に、無線充電装置は、第1測定結果に基づき、少なくとも1つの第1テスト信号の中で信号品質が最も高い第1ターゲットテスト信号を決定し、第1ターゲットテスト信号に対応する候補波形パラメータを波形パラメータとして使用する。例えば、信号品質が受信電力である場合に、無線充電装置は、最大受信電力を有する第1テスト信号に対応する候補波形パラメータを波形パラメータとして使用してよい。
【0139】
他の任意の実施においては、第1測定結果が第1指示情報を含む場合に、無線充電装置は、第1指示情報によって示される第1ターゲットテスト信号を決定し、第1ターゲットテスト信号に対応する候補波形パラメータを波形パラメータとして使用してよい。
【0140】
本願のこの実施形態で無線充電装置によってチャネル情報を決定するいくつかの方法が、以下で記載される。
【0141】
方法1
図8は、本願の実施形態に従う第1のチャネル情報決定方法のフローチャートである。方法は、次のステップを含む。
【0142】
S801:無線充電装置は、ビーコン信号を充電対象デバイスへ伝送チャネルを通じて送信し、充電対象デバイスは、伝送チャネルを通じて、無線充電装置によって送信されたビーコン信号を受信する。
【0143】
任意に、ビーコン信号は、チャネル測定を実行するために充電対象デバイスによって使用され、チャネルビーコンは、事前設定又はプロトコル合意された電磁波信号であってよい。
【0144】
S802:充電対象デバイスは、受信したビーコン信号に基づきチャネル測定を実行してチャネル情報を取得する。
【0145】
任意に、ビーコン信号を受信した後、充電対象デバイスは、受信したビーコン信号と、無線充電装置によって元々送信される事前設定又はプロトコル合意されたビーコン信号とに基づき、無線チャネルでの伝送プロセスにおける減衰及び遅延を計算し、決定された減衰及び遅延をチャネル情報として使用する。
【0146】
充電対象デバイスは、チャネル測定及び計算方法に基づきチャネル情報を計算してもよいことが留意されるべきあり、例えば、チャネル推定方法は、最小二乗(least square,LS)チャネル推定、最小平均二乗誤差(minimum mean square error,MMSE)チャネル推定、及び最大尤度(maximum likelihood,ML)チャネル推定を含む。例としてLSチャネル推定方法を使用すると、充電対象デバイスは、次の式:
【数5】
に従って、チャネル情報を決定し得る。ここで、
【数6】
は、LSチャネル推定方法に基づき取得されるチャネル情報であり、Xは、無線充電装置によって送信されたビーコン信号であり、Yは、充電対象デバイスによって受信されたビーコン信号である。
【0147】
S803:充電対象デバイスは、チャネル情報を無線充電装置へ伝送チャネルを通じて送信し、無線充電装置は、伝送チャネルを通じて、充電対象デバイスによって送信されたチャネル情報を受信する。
【0148】
任意の実施において、充電対象デバイスは、チャネルフィードバック信号を使用することによって、チャネル情報を無線充電装置へ送信してもよい。
【0149】
方法2
図9は、本願の実施形態に従う第2のチャネル情報決定方法のフローチャートである。方法は、次のステップを含む。
【0150】
S901:充電対象デバイスは、ビーコン信号を無線充電装置へ伝送チャネルを通じて送信し、無線充電装置は、伝送チャネルを通じて、充電対象デバイスによって送信されたビーコン信号を受信する。
【0151】
S902:無線充電装置は、受信したビーコン信号に基づきチャネル測定を実行してチャネル情報を取得する。
【0152】
留意されるべきは、無線充電装置によってチャネル情報を測定する方法については、方法1で充電対象デバイスによってチャネル情報を測定する方法を参照されたい。繰り返し部分は、再び記載されない。
【0153】
方法3
図10は、本願の実施形態に従う第3のチャネル情報決定方法のフローチャートである。方法は、次のステップを含む。
【0154】
S1001:無線充電装置は、少なくとも1つの第2テスト信号を充電対象デバイスへ伝送チャネルを通じて送信し、充電対象デバイスは、伝送チャネルを通じて、無線充電装置によって送信された少なくとも1つの第2テスト信号を受信する。
【0155】
任意に、少なくとも1つの候補チャネル情報が予め設定されてよく、少なくとも1つの候補チャネル情報は、無線充電装置に記憶されている過去のチャネル情報に基づき決定されてよく、あるいは、当業者の経験に基づき設定されてもよい。少なくとも1つの候補チャネル情報は、少なくとも1つの第2テスト信号と一対一の対応にあり、任意の第2テスト信号は、対応する候補チャネル情報に基づき生成される。その上、式1に従って、電磁波信号は、チャネル情報及び波形パラメータを使用することによって決定されることが分かる。この場合に、波形パラメータは前もって設定されてもよい。例えば、少なくとも1つの第2テスト信号の夫々に対応する波形パラメータβは、1に設定される。この場合に、夫々の第2テスト信号は1つの候補チャネル情報に対応し、夫々の第2テスト信号の波形パラメータは、β=1である。
【0156】
S1002:充電対象デバイスは、夫々の第2テスト信号の信号品質を測定し、夫々の第2テスト信号の信号品質に基づき第2測定結果を生成する。
【0157】
充電対象デバイスが夫々の第2テスト信号の信号品質を測定することは、夫々の第2テスト信号の受信電力を測定することであってよい。第2測定結果は、少なくとも1つの第2テスト信号の夫々の信号品質を含み、あるいは、第2測定結果は第2指示情報を含み、第2指示情報は、少なくとも1つの第2テスト信号の中で最も高い信号品質を有する第2ターゲットテスト信号を示すために使用される。
【0158】
任意の実施において、充電対象デバイスは、夫々の受信した第2テスト信号の信号品質を測定してよく、少なくとも1つの第2テスト信号の測定した信号品質に基づき第2測定結果を生成する。充電対象デバイスは、夫々の第2テスト信号の信号品質を第2測定結果として直接に使用してよい。例えば、充電対象デバイスが第2テスト信号を受信するたびに、充電対象デバイスは第2テスト信号の信号品質を測定し、第2テスト信号の信号品質を第2測定結果として使用する。代替的に、少なくとも1つの第2テスト信号を受信し、少なくとも1つの第2テスト信号を別々に測定して少なくとも1つの第2テスト信号の信号品質を取得した後、充電対象デバイスは、少なくとも1つの第2テスト信号の中の全ての第2テスト信号の信号品質を第2測定結果として使用してもよい。
【0159】
他の任意の実施においては、充電対象デバイスは、夫々の受信した第2テスト信号の信号品質を測定し、少なくとも1つの第2テスト信号の中で最も高い信号品質を有する第2テスト信号を第2ターゲットテスト信号として使用し、第2ターゲットテスト信号の識別子を第2指示情報として使用してもよい。第2測定結果は第2指示情報を含み得る。
【0160】
S1003:充電対象デバイスは、第2測定結果を無線充電装置へ伝送チャネルを通じて送信し、無線充電装置は、伝送チャネルを通じて、充電対象デバイスによって送信された第2測定結果を受信する。
【0161】
任意に、第2測定結果が少なくとも1つの第2テスト信号の夫々の信号品質を含む場合に、充電対象デバイスが第2テスト信号を受信して、第2テスト信号の信号品質を測定するたびに、充電対象デバイスは、第2テスト信号の信号品質を第2測定結果として使用し、第2測定結果を無線充電装置へ送信してもよい。言い換えると、充電対象デバイスは、少なくとも1つの第2測定結果を無線充電装置へ送信する必要がある。代替的に、少なくとも1つの第2テスト信号を受信し、少なくとも1つの第2テスト信号の信号品質を測定した後で、充電対象デバイスは、少なくとも1つの第2テスト信号の信号品質を第2測定結果として使用してもよい。言い換えると、充電対象デバイスは、全ての第2テスト信号を受信した後に、第2測定結果を無線充電装置へ送信する。
【0162】
留意されるべきは、第2測定結果が、1つの第2テスト信号の信号品質、又は全ての第2テスト信号の信号品質を含むことは、本願のこの実施形態で提供される例示的な記載である点である。第2測定結果は、代替的に、指定された量の第2テスト信号の信号品質を含んでもよい。この場合に、充電対象デバイスは、全ての第2テスト信号の信号品質を、無線充電装置へフィードバックされる複数の第2測定結果に分けてよい。言い換えると、充電対象デバイスによって第2測定結果を送信する方法は、本願のこの実施形態で限定されず、少なくとも1つの第2テスト信号の信号品質を無線充電装置へフィードバックするために使用される如何なる方法も、適用される。
【0163】
S1004:無線充電装置は、第2測定結果に基づき少なくとも1つの前もって設定された候補チャネル情報からチャネル情報を選択する。
【0164】
任意の実施において、第2測定結果が少なくとも1つの第2テスト信号の夫々の信号品質を含む場合に、無線充電装置は、第2測定結果に基づき、少なくとも1つの第2テスト信号の中で信号品質が最も高い第2ターゲットテスト信号を決定し、第2ターゲットテスト信号に対応する候補チャネル情報をチャネル情報として使用する。
【0165】
他の任意の実施においては、第1測定結果が第2指示情報を含む場合に、無線充電装置は、第2指示情報によって示される第2ターゲットテスト信号を決定し、第2ターゲットテスト信号に対応する候補チャネル情報をチャネル情報として使用してよい。
【0166】
その上、本願の任意の実施において、無線充電装置のトランシーバアンテナは、トランシーバアンテナアレイであってよく、無線充電装置の送信アンテナ及び充電対象デバイスの受信アンテナは、トランシーバアンテナ組み合わせを形成する。無線充電装置のトランシーバアンテナアレイ及び充電対象デバイスのトランシーバアンテナを含む少なくとも1つのアンテナ組み合わせでは、各アンテナ組み合わせが伝送チャネルに対応し、各伝送チャネルでターゲット電磁波信号を生成する実施については、図4に示される無線充電方法を参照されたい。例えば、チャネル情報を決定する方法1で、無線充電装置は、無線充電装置のトランシーバアンテナアレイの中の少なくとも1つのアンテナを使用することによって、少なくとも1つのビーコン信号を送信してよく、充電対象デバイスは、トランシーバアンテナを使用することによって少なくとも1つのビーコン信号を受信してよい。このようにして、充電対象デバイスが少なくとも1つのビーコン信号に基づきチャネル測定を実行した後に取得されたチャネル情報は、少なくとも1つの伝送チャネルのチャネル情報を含み得る。この場合に、チャネル情報は、例えば:
【数7】
であり得る。ここで、Aijは、i番目の周波数にありかつ無線充電装置のアンテナアレイに含まれているM個のトランシーバの中のj番目のトランシーバアンテナに対応する伝送チャネルのチャネル情報に含まれている信号減衰を表し、ψijは、i番目の周波数にありかつj番目のトランシーバアンテナに対応する伝送チャネルのチャネル情報に含まれている伝送遅延を表す。実施において、N個の周波数は、前もって分周を通じて取得され、0<i≦N及び0<j≦Mである。
【0167】
チャネル情報
【数8】
を取得した後、無線充電装置は、次の式2:
【数9】
に従って、ターゲット電磁波信号を生成し得る。ここで、wnmは、m番目のトランシーバアンテナに対応する伝送チャネルでn番目の周波数で伝送される電磁波信号を表し、0<n≦N及び0<m≦Mであり、Pは、無線充電装置の総送信電力であり、 nm は、番目の周波数にありかつm番目のトランシーバアンテナに対応する伝送チャネルのチャネル情報に含まれている信号減衰を表し、ψ nm は、n番目の周波数にありかつm番目のトランシーバアンテナに対応する伝送チャネルのチャネル情報に含まれている伝送遅延を表し、βは、図7に示される方法に基づき決定された波形パラメータであってよい。
【0168】
上記の方法で、無線エネルギ伝送フェーズで送信される電磁波信号は、無線充電装置のアンテナアレイの中の各トランシーバアンテナに対応する伝送チャネルについて決定され得る。期待される信号放射モードを取得するために、いくつかの角度での電磁波信号は強め合う干渉を取得し、一方、その他の角度での電磁波信号は弱め合う干渉を取得するように、異なる波形の電磁波信号は、異なるアンテナを使用することによって送信され、それによって、ビームフォーミングの実装が実装され、充電対象デバイスで実行される無線充電の電力変換効率が改善される。
【0169】
充電対象デバイスのトランシーバアンテナもトランシーバアンテナアレイであってよいことが理解され得る。充電対象デバイスのトランシーバアンテナ及び無線充電装置のトランシーバアンテナの両方がトランシーバアンテナアレイである場合に、チャネル情報は3次元チャネル情報であってよい。無線充電装置によって決定されたターゲット電磁波信号は、無線充電装置のトランシーバアンテナアレイの中の任意のトランシーバアンテナと、充電対象デバイスのトランシーバアンテナアレイの中の任意のトランシーバアンテナとを含むアンテナ組み合わせに対応する伝送チャネルで伝送される電磁波信号を含む。更に、チャネル情報及び波形パラメータを決定する方法については、上記の実施形態で記載される方法の実施を更に参照されたい。繰り返し部分は、再び記載されない。
【0170】
留意されるべきは、チャネル情報及び波形パラメータを決定する手順は、本願のこの実施形態で限定されない点である。例えば、無線充電装置は、図7に示される方法に基づき波形パラメータを決定し、それから、図8から図10に示される方法のいずれかに基づきチャネル情報を決定してよい。代替的に、無線充電装置は、図8から図10に示される方法のいずれかに基づきチャネル情報を決定し、それから、図7に示される方法に基づき波形パラメータを決定してもよい。更に、無線充電装置が最初にチャネル情報を決定し、次いで波形パラメータを決定する場合に、少なくとも1つの第1テスト信号を生成するときに、無線充電装置は、チャネル情報を、少なくとも1つの第1テスト信号に対応するチャネル情報として使用してよい。同様に、無線充電装置が最初に波形パラメータを決定し、次いでチャネル情報を決定するとき、チャネル情報が図10に示される方法3で決定されるならば、無線充電装置は、決定した波形パラメータを、少なくとも1つの第2テスト信号の波形パラメータとして使用してよい。
【0171】
本願の実施形態における無線充電装置及び充電対象デバイスのとり得る構造は、以下で記載される。図11は、本願の実施形態に従う無線充電装置及び充電対象デバイスの構造の概略図である。任意に、図1に示される無線充電システムの記載から、無線充電装置は、少なくとも1つの充電対象デバイスを同時に無線充電することができる。記載を簡単にするために、1つの充電対象デバイスが、図11では例として示される。
【0172】
図11を参照すると、無線充電装置は、第1トランシーバアンテナ1101、第1信号処理モジュール1102、及び電力信号生成モジュール1103を含み得る。任意に、無線充電装置は、第1通信モジュール1104を更に含み得る。スイッチ1は、第1トランシーバアンテナ1101と第1通信モジュール1104とを接続するよう切り替えられてよく、あるいは、スイッチ1は、第1トランシーバアンテナ1101と電力信号生成モジュール1103とを接続するよう切り替えられてよい。留意されるべきは、実施において、第1通信モジュール1104は、第1トランシーバアンテナ1101とは異なる別のトランシーバアンテナへ接続されてもよい点である。第1通信モジュール1104を使用することによって伝送される電磁波信号は、その別のトランシーバアンテナによって受信又は送信されてよく、スイッチ1は配置される必要がない。
【0173】
無線充電装置内のモジュールの機能は、以下で更に記載される。
【0174】
第1信号処理モジュール1102は、充電期間において、伝送チャネルのチャネル情報と、電磁波信号の波形を示すために使用される波形パラメータとを取得するよう構成され、伝送チャネルは、第1周波数での、無線充電装置と充電対象デバイスとの間のチャネルであり、チャネル情報は、伝送チャネルを通じて電磁波信号の信号減衰及び信号遅延を含む。
【0175】
電力信号生成モジュール1103は、チャネル情報及び波形パラメータに基づきターゲット電磁波信号を生成するよう構成される。
【0176】
第1トランシーバアンテナ1101は、ターゲット電磁波信号を充電対象デバイスへ伝送チャネルを通じて送信するよう構成される。
【0177】
実施において、電磁波信号の波形を示すために使用される波形パラメータを取得するとき、第1信号処理モジュール1102は、少なくとも1つの予め設定された候補波形パラメータから波形パラメータを選択するよう特に構成される。
【0178】
実施において、第1トランシーバアンテナ1101は、少なくとも1つの第1テスト信号を充電対象デバイスへ伝送チャネルを通じて送信するよう更に構成され、少なくとも1つの第1テスト信号は、少なくとも1つの候補波形パラメータと一対一の対応にあり、任意の第1テスト信号は、対応する候補波形パラメータに基づき生成され、第1トランシーバアンテナ1101は、伝送チャネルを通じて、充電対象デバイスによって送信された第1測定結果を受信するよう更に構成され、第1測定結果は、充電対象デバイスによって少なくとも1つの第1テスト信号の信号品質を測定することによって取得される。
【0179】
少なくとも1つの予め設定された候補波形パラメータから波形パラメータを選択するとき、第1信号処理モジュール1102は、第1測定結果に基づき少なくとも1つの候補波形パラメータから波形パラメータを選択するよう特に構成される。
【0180】
任意に、第1測定結果を受信した後、第1トランシーバアンテナ1101は、第1測定結果を第1通信モジュール1104へ送信してもよく、第1通信モジュール1104は、第1測定結果を第1信号処理モジュール1102へ送信する。
【0181】
実施において、第1測定結果は、少なくとも1つの第1テスト信号の信号品質を含む。第1測定結果に基づき少なくとも1つの候補波形パラメータから波形パラメータを選択するとき、第1信号処理モジュール1102は、第1測定結果に含まれる少なくとも1つの第1テスト信号の信号品質に基づき、最も高い信号品質を有する第1ターゲットテスト信号を決定し、少なくとも1つの候補波形パラメータから、第1ターゲットテスト信号に対応する候補波形パラメータを波形パラメータとして決定するよう特に構成される。
【0182】
代替的に、第1測定結果は第1指示情報を含み、第1指示情報は、少なくとも1つの第1テスト信号の中で最も高い信号品質を有する第1ターゲットテスト信号を示すために使用される。第1測定結果に基づき少なくとも1つの候補波形パラメータから波形パラメータを選択するとき、第1信号処理モジュール1102は、第1指示情報によって示される第1ターゲットテスト信号を決定し、少なくとも1つの候補波形パラメータから、第1ターゲットテスト信号に対応する候補波形パラメータを波形パラメータとして決定するよう特に構成される。
【0183】
実施において、伝送チャネルのチャネル情報を取得するとき、第1信号処理モジュール1102は、伝送チャネルに対してチャネル測定プロセスを実行してチャネル情報を取得するか、あるいは、少なくとも1つの予め設定された候補チャネル情報からチャネル情報を選択する、よう特に構成される。
【0184】
任意に、第1通信モジュール1104は、ビーコン信号を生成するよう更に構成される。ビーコン信号は、チャネル測定を実行するために充電対象デバイスによって使用される。
【0185】
実施において、第1トランシーバアンテナ1101は、ビーコン信号を充電対象デバイスへ伝送チャネルを通じて送信し、伝送チャネルを通じて、充電対象デバイスによって送信されたチャネル情報を受信するよう更に構成される。
【0186】
実施において、第1トランシーバアンテナ1101は、伝送チャネルを通じて、充電対象デバイスによって送信されたビーコン信号を受信するよう更に構成される。
【0187】
チャネル情報を取得するよう伝送チャネルに対してチャネル測定プロセスを実行するとき、第1信号処理モジュール1102は、ビーコン信号に基づきチャネル測定を実行してチャネル情報を取得するよう特に構成される。
【0188】
実施において、第1トランシーバアンテナ1101は、少なくとも1つの第2テスト信号を充電対象デバイスへ伝送チャネルを通じて送信するよう更に構成され、少なくとも1つの第2テスト信号は、少なくとも1つの候補チャネル情報と一対一の対応にあり、任意の第2テスト信号は、対応する候補チャネル情報に基づき生成され、第1トランシーバアンテナ1101は、伝送チャネルを通じて、充電対象デバイスによって送信された第2測定結果を受信するよう更に構成され、第2測定結果は、充電対象デバイスによって少なくとも1つの第2テスト信号の信号品質を測定することで取得される
【0189】
少なくとも1つの予め設定された候補チャネル情報からチャネル情報を選択するとき、第1信号処理モジュール1102は、第2測定結果に基づき少なくとも1つの候補チャネル情報からチャネル情報を選択するよう特に構成される。
【0190】
任意に、第2測定結果を受信した後、第1トランシーバアンテナ1101は、第2測定結果を第1通信モジュール1104へ送信してもよく、第1通信モジュール1104は、第2測定結果を第1信号処理モジュール1102へ送信する。
【0191】
実施において、第2測定結果は、少なくとも1つの第2テスト信号の信号品質を含む。第2測定結果に基づき少なくとも1つの候補チャネル情報からチャネル情報を選択するとき、第1信号処理モジュール1102は、第2測定結果に含まれる少なくとも1つの第2テスト信号の信号品質に基づき、最も高い信号品質を有する第2ターゲットテスト信号を決定し、少なくとも1つの候補チャネル情報から、第2ターゲットテスト信号に対応する候補チャネル情報をチャネル情報として決定するよう特に構成される。
【0192】
代替的に、第2測定結果は第2指示情報を含み、第2指示情報は、少なくとも1つの第2テスト信号の中で最も高い信号品質を有する第2ターゲットテスト信号を示すために使用される。第2測定結果に基づき少なくとも1つの候補チャネル情報からチャネル情報を選択するとき、第1信号処理モジュール1102は、第2指示情報によって示される第2ターゲットテスト信号を決定し、少なくとも1つの候補チャネル情報から、第2ターゲットテスト信号に対応する候補チャネル情報をチャネル情報として決定するよう特に構成される。
【0193】
実施において、波形パラメータは、ターゲット電磁波信号を生成する過程でチャネル情報内の信号減衰に対して実行される指数演算のための指数因子である。
【0194】
実施において、ターゲット電磁波信号は、次の式:
【数10】
を満足し、nは第1周波数を表し、wはターゲット電磁波信号を表し、φは、チャネル情報に含まれる伝送遅延を表し、Aは、チャネル情報に含まれる信号減衰を表し、Pは、無線充電装置の総送信電力であり、βは波形パラメータである。
【0195】
実施において、伝送チャネルはトランシーバアンテナ組み合わせに対応し、トランシーバアンテナ組み合わせは、無線充電装置における1つの送信アンテナと、充電対象デバイスにおける1つの受信アンテナとを含む。
【0196】
実施において、第1トランシーバアンテナ1101は、第1信号処理モジュール1102が、伝送チャネルのチャネル情報と、電磁波信号の波形を示すために使用される波形パラメータとを取得する前に、伝送チャネルを通じて、充電対象デバイスによって送信された充電要求情報を受信するよう更に構成される。
【0197】
留意されるべきは、電力信号生成モジュール1103及び第1通信モジュール1104は夫々、2つのモジュールで生成された電磁波信号(例えば、ターゲット電磁波信号、少なくとも1つの第1テスト信号、少なくとも1つの第2テスト信号、及びビーコン信号)の夫々のベースバンド信号を、無線チャネルで伝送され得る高周波信号に処理するよう構成され、また、第1トランシーバアンテナ1101によって受信された高周波信号をベースバンド信号に処理するよう更に構成され得るミキサ、発振器、及び電力増幅器を含んでもよい点である。
【0198】
図11を参照すると、充電対象デバイスは、第2トランシーバアンテナ1105及び受電モジュール1106を含み得る。任意に、充電対象デバイスは、第2信号処理モジュール1107及び第2通信モジュール1108を更に含み得る。スイッチ2は、第2トランシーバアンテナ1105と第2通信モジュール1108とを接続するよう切り替えられてよく、あるいは、スイッチ2は、第2トランシーバアンテナ1105と受電モジュール1106とを接続するよう切り替えられてよい。留意されるべきは、実施において、第2通信モジュール1108は、第2トランシーバアンテナ1105とは別のトランシーバアンテナへ接続されてもよい。第2通信モジュール1108を使用することによって伝送される電磁波信号は、その別のトランシーバアンテナによって受信又は送信されてよく、スイッチ2は配置される必要がない。
【0199】
充電対象デバイス内のモジュールの機能は、更に以下で記載される。
【0200】
第2トランシーバアンテナ1105は、伝送チャネルを通じて、無線充電装置によって送信されたターゲット電磁波信号を受信するよう構成され、ターゲット電磁波信号は、伝送チャネルの取得されたチャネル情報と、電磁波信号の波形を示すために使用される取得された波形パラメータとに基づき、無線充電装置によって生成される。
【0201】
受電モジュール1106は、ターゲット電磁波信号を直流信号に変換し、直流信号に基づき充電を実行するよう構成される。
【0202】
実施において、第2トランシーバアンテナ1105は、伝送チャネルを通じて、無線充電装置によって送信された少なくとも1つの第1テスト信号を受信するよう更に構成され、少なくとも1つの第1テスト信号は、少なくとも1つの候補波形パラメータと一対一の対応にあり、任意の第1テスト信号は、対応する候補波形パラメータに基づき生成され、第2トランシーバアンテナ1105は、第1測定結果を無線充電装置へ伝送チャネルを通じて送信するよう更に構成され、それにより、無線充電装置は、第1測定結果に基づき少なくとも1つの候補波形パラメータから波形パラメータを選択する。
【0203】
受電モジュール1106は、少なくとも1つの第1テスト信号の信号品質を測定するよう更に構成される。
【0204】
第2信号処理モジュール1107は、少なくとも1つの第1テスト信号の信号品質に基づき第1測定結果を生成するよう構成される。
【0205】
実施において、第1測定結果は、少なくとも1つの第1テスト信号の信号品質を含み、あるいは、第1測定結果は第1指示情報を含み、第1指示情報は、少なくとも1つの第1テスト信号の中で最も高い信号品質を有する第1ターゲットテスト信号を示すために使用される。
【0206】
実施において、第2トランシーバアンテナ1105は、伝送チャネルを通じて、無線充電装置によって送信されたビーコン信号を受信し、また、チャネル情報を無線充電装置へ伝送チャネルを通じて送信するよう更に構成される。
【0207】
第2信号処理モジュール1107は、ビーコン信号に基づきチャネル測定を実行してチャネル情報を取得するよう更に構成される。
【0208】
実施において、第2トランシーバアンテナ1105は、ビーコン信号を無線充電装置へ伝送チャネルを通じて送信するよう更に構成され、ビーコン信号は、チャネル測定を実行するために無線充電装置によって使用される。
【0209】
任意に、第2通信モジュール1108は、ビーコン信号を生成するよう構成される。
【0210】
実施において、第2トランシーバアンテナ1105は、伝送チャネルを通じて、無線充電装置によって送信された少なくとも1つの第2テスト信号を受信し、少なくとも1つの第2テスト信号は、少なくとも1つの候補チャネル情報と一対一の対応にあり、任意の第2テスト信号は、対応する候補チャネル情報に基づき生成され、第2トランシーバアンテナ1105は、第2測定結果を無線充電装置へ伝送チャネルを通じて送信するよう更に構成され、それにより、無線充電装置は、第2測定結果に基づき少なくとも1つの候補チャネル情報からチャネル情報を選択する。
【0211】
受電モジュール1106は、少なくとも1つの第2テスト信号の夫々の信号品質を測定するよう更に構成される。
【0212】
第2信号処理モジュール1107は、少なくとも1つの第2テスト信号の信号品質に基づき第2測定結果を生成するよう更に構成される。
【0213】
任意に、第2測定結果を決定した後、第2信号処理モジュール1107は、第2測定結果を第2通信モジュール1108へ送信してもよく、第2通信モジュール1108は、第2測定結果を第2トランシーバアンテナ1105へ送信する。
【0214】
実施において、第2測定結果は、少なくとも1つの第2テスト信号の信号品質を含み、あるいは、第2測定結果は第2指示情報を含み、第2指示情報は、少なくとも1つの第2テスト信号の中で最も高い信号品質を有する第2ターゲットテスト信号を示すために使用される。
【0215】
実施において、伝送チャネルはトランシーバアンテナ組み合わせに対応し、トランシーバアンテナ組み合わせは、無線充電装置の1つの送信アンテナと、充電対象デバイスの1つの受信アンテナとを含む。
【0216】
実施において、第2信号処理モジュール1107は、現在の電力が、充電要求情報を送信するのに必要な電力以上であることを決定するよう更に構成される。
【0217】
第2トランシーバアンテナ1105は、充電要求情報を無線充電装置へ送信するよう更に構成される。
【0218】
留意されるべきは、受電モジュール1106及び第2通信モジュール1108は夫々、受信した電磁波信号のベースバンド信号を、無線チャネルで伝送され得る高周波信号に処理するよう構成され、また、第2トランシーバアンテナ1105によって受信された高周波信号をベースバンド信号に処理するよう更に構成されるミキサ、発振器、及び電力増幅器を含み得る。
【0219】
本願の実施形態で提供される無線充電方法は、図11に示される無線充電装置及び充電対象デバイスの構造を参照して、いくつかの具体的な事例を使用することによって、以下で更に記載される。
【0220】
事例1
任意の実施において、本願のこの実施形態で提供される無線充電システムで、無線充電装置と充電対象デバイスとの間で伝送される電磁波信号のフレーム構造については、図12を参照されたい。充電期間の存続期間がTである例が、図12には示されている。充電期間は、ターゲット電磁波信号決定フェーズと、無線エネルギ伝送フェーズとを含む。ターゲット電磁波信号決定フェーズで、無線充電装置は、ビーコン信号及び少なくとも1つの第1テスト信号を送信し、充電対象デバイスは、チャネル情報及び第1測定結果を無線充電装置へ送信する。無線充電装置は、第1測定結果に基づき波形パラメータを決定し、チャネル情報及び波形パラメータに基づきターゲット電磁波信号を決定する。無線エネルギ伝送フェーズで、無線充電装置は、ターゲット電磁波信号を充電対象デバイスへ送信する。充電対象デバイスは、ターゲット電磁波信号を受信し、ターゲット電磁波信号を直流信号に変換し、直流信号に基づき充電対象デバイスを充電する。
【0221】
図13は、事例1に従う無線充電方法のフローチャートである。事例は次のステップを含む。
【0222】
S1301:無線充電装置は、スイッチ1を第1通信モジュール1104へ切り替え、第1通信モジュール1104は、ビーコン信号を生成する。
【0223】
S1302:第1通信モジュール1104は、ビーコン信号を第1トランシーバアンテナ1101へ送信する。
【0224】
S1303:第1トランシーバアンテナ1101は、ビーコン信号を充電対象デバイスの第2トランシーバアンテナ1105へ送信する。
【0225】
S1304:充電対象デバイスは、スイッチ2を第2通信モジュール1108へ切り替え、第2トランシーバアンテナ1105は、ビーコン信号を第2通信モジュール1108へ送信する。
【0226】
S1305:第2通信モジュール1108は、ビーコン信号を第2信号処理モジュール1107へ送信する。
【0227】
S1306:第2信号処理モジュール1107は、受信したビーコン信号と、元々無線充電装置によって送信される事前設定又はプロトコル合意されたビーコン信号とに基づき、チャネル情報を計算する。
【0228】
S1307:第2信号処理モジュール1107は、チャネル情報を第2通信モジュール1108へ送信する。
【0229】
S1308:第2通信モジュール1108は、チャネル情報を第2トランシーバアンテナ1105へ送信する。
【0230】
S1309:第2トランシーバアンテナ1105は、チャネル情報を第1トランシーバアンテナ1101へ送信する。
【0231】
S1310:第1トランシーバアンテナ1101は、チャネル情報を第1通信モジュール1104へ送信する。
【0232】
S1311:第1通信モジュール1104は、チャネル情報を第1信号処理モジュール1102へ送信する。
【0233】
S1312:第1信号処理モジュール1102は、チャネル情報を電力信号生成モジュール1103へ送信する。
【0234】
S1313:無線充電装置は、スイッチ1を電力信号生成モジュール1103へ切り替え、電力信号生成モジュール1103は、チャネル情報及び少なくとも1つの候補波形パラメータに基づき少なくとも1つの第1テスト信号を生成する。
【0235】
S1314:電力信号生成モジュール1103は、少なくとも1つの第1テスト信号を第1トランシーバアンテナ1101へ送信する。
【0236】
S1315:第1トランシーバアンテナ1101は、少なくとも1つの第1テスト信号を第2トランシーバアンテナ1105へ送信する。
【0237】
S1316:充電対象デバイスは、スイッチ2を受電モジュール1106へ切り替え、第2トランシーバアンテナ1105は、少なくとも1つの第1テスト信号を受電モジュール1106へ送信する。
【0238】
S1317:受電モジュール1106は、少なくとも1つの第1テスト信号の受信電力を測定する。
【0239】
S1318:受電モジュール1106は、少なくとも1つの第1テスト信号の測定した受信電力を第2信号処理モジュール1107へ送信する。
【0240】
S1319:第2信号処理モジュール1107は、少なくとも1つの第1テスト信号の受信電力に基づき第1測定結果を決定する。
【0241】
任意の実施において、少なくとも1つの第1テスト信号の夫々の受信電力の測定を完了した後、受電モジュール1106は、少なくとも1つの第1テスト信号の受信電力を第2信号処理モジュール1107へ送信してもよい。第2信号処理モジュール1107は、少なくとも1つの第1テスト信号の受信電力の中で最大受信電力を決定し、最大受信電力を有する第1ターゲットテスト信号の識別子を第1指示情報として使用する。第1測定結果は第1指示情報を含む。
【0242】
他の任意の実施においては、受電モジュール1106が第1テスト信号を受信し、その第1テスト信号の受信電力を測定するたびに、受電モジュール1106は、第1テスト信号の受信電力を第2信号処理モジュール1107へ送信する。第2信号処理モジュール1107は、第1テスト信号の受信した受信電力を第1測定結果として使用する。
【0243】
S1320:第2信号処理モジュール1107は、第1測定結果を第2通信モジュール1108へ送信する。
【0244】
S1321:第2通信モジュール1108は、第1測定結果を第2トランシーバアンテナ1105へ送信する。
【0245】
S1322:第2トランシーバアンテナ1105は、第1測定結果を第1トランシーバアンテナ1101へ送信する。
【0246】
S1323:無線充電装置は、スイッチ1を第1通信モジュール1104へ切り替え、第1トランシーバアンテナ1101は、第1測定結果を第1通信モジュール1104へ送信する。
【0247】
S1324:第1通信モジュール1104は、第1測定結果を第1信号処理モジュール1102へ送信する。
【0248】
S1325:第1信号処理モジュール1102は、第1測定結果に基づき少なくとも1つの候補波形パラメータから波形パラメータを選択する。
【0249】
S1326:第1信号処理モジュール1102は、波形パラメータを電力信号生成モジュール1103へ送信する。
【0250】
S1327:電力信号生成モジュール1103は、波形パラメータ及びチャネル情報に基づきターゲット電磁波信号を生成する。
【0251】
S1328:電力信号生成モジュール1103は、ターゲット電磁波信号を第1トランシーバアンテナ1101へ送信する。
【0252】
S1329:第1トランシーバアンテナ1101は、ターゲット電磁波信号を第2トランシーバアンテナ1105へ送信する。
【0253】
S1330:第2トランシーバアンテナ1105は、ターゲット電磁波信号を受電モジュール1106へ送信する。
【0254】
S1331:受電モジュール1106は、ターゲット電磁波信号を直流信号に変換し、直流信号に基づき充電対象デバイスを充電する。
【0255】
事例2
任意の実施において、本願のこの実施形態で提供される無線充電システムで、無線充電装置と充電対象デバイスとの間で伝送される電磁波信号のフレーム構造については、図14を参照されたい。充電期間の存続期間がTである例が、図14には示されている。充電期間は、ターゲット電磁波信号決定フェーズと、無線エネルギ伝送フェーズとを含む。ターゲット電磁波信号決定フェーズで、充電対象デバイスは、ビーコン信号を送信し、無線充電装置は、充電対象デバイスによって送信されたビーコン信号を受信し、受信したビーコン信号に基づきチャネル情報を計算する。無線充電装置は、少なくとも1つの第1テスト信号を送信する。少なくとも1つの第1テスト信号を受信した後、充電対象デバイスは、第1測定結果を決定し、第1測定結果を無線充電装置へ送信する。無線充電装置は、第1測定結果に基づき波形パラメータを決定し、チャネル情報及び波形パラメータに基づきターゲット電磁波信号を決定する。無線エネルギ伝送フェーズで、無線充電装置は、ターゲット電磁波信号を充電対象デバイスへ送信する。充電対象デバイスは、ターゲット電磁波信号を受信し、ターゲット電磁波信号を直流信号に変換し、直流信号に基づき充電対象デバイスを充電する。
【0256】
図15は、事例2に従う無線充電方法のフローチャートである。事例は次のステップを含む。
【0257】
S1501:充電対象デバイスは、スイッチ2を第2通信モジュール1108へ切り替え、第2通信モジュール1108は、ビーコン信号を生成する。
【0258】
S1502:第2通信モジュール1108は、ビーコン信号を第2トランシーバアンテナ1105へ送信する。
【0259】
S1503:第2トランシーバアンテナ1105は、ビーコン信号を第1トランシーバアンテナ1101へ送信する。
【0260】
S1504:無線充電装置は、スイッチ1を第1通信モジュール1104へ切り替え、第1トランシーバアンテナ1101は、ビーコン信号を第1通信モジュール1104へ送信する。
【0261】
S1505:第1通信モジュール1104は、ビーコン信号を第1信号処理モジュール1102へ送信する。
【0262】
S1506:第1信号処理モジュール1102は、受信したビーコン信号と、元々無線充電装置によって送信される事前設定又はプロトコル合意されたビーコン信号とに基づき、チャネル情報を計算する。
【0263】
S1507:第1信号処理モジュール1102は、チャネル情報を電力信号生成モジュール1103へ送信する。
【0264】
S1508:無線充電装置は、スイッチ1を電力信号生成モジュール1103へ切り替え、電力信号生成モジュール1103は、チャネル情報及び少なくとも1つの候補波形パラメータに基づき少なくとも1つの第1テスト信号を生成する。
【0265】
S1509:電力信号生成モジュール1103は、少なくとも1つの第1テスト信号を第1トランシーバアンテナ1101へ送信する。
【0266】
S1510:第1トランシーバアンテナ1101は、少なくとも1つの第1テスト信号を第2トランシーバアンテナ1105へ送信する。
【0267】
S1511:充電対象デバイスは、スイッチ2を受電モジュール1106へ切り替え、第2トランシーバアンテナ1105は、少なくとも1つの第1テスト信号を受電モジュール1106へ送信する。
【0268】
S1512:受電モジュール1106は、少なくとも1つの第1テスト信号の受信電力を測定する。
【0269】
S1513:受電モジュール1106は、少なくとも1つの第1テスト信号の測定した受信電力を第2信号処理モジュール1107へ送信する。
【0270】
S1514:第2信号処理モジュール1107は、少なくとも1つの第1テスト信号の受信電力に基づき第1測定結果を決定する。
【0271】
詳細については、図13に示される無線充電方法のS1319で第1測定結果を決定する実施を参照されたい。繰り返し部分は、再び記載されない。
【0272】
S1515:第2信号処理モジュール1107は、第1測定結果を第2通信モジュール1108へ送信する。
【0273】
S1516:第2通信モジュール1108は、第1測定結果を第2トランシーバアンテナ1105へ送信する。
【0274】
S1517:第2トランシーバアンテナ1105は、第1測定結果を第1トランシーバアンテナ1101へ送信する。
【0275】
S1518:無線充電装置は、スイッチ1を第1通信モジュール1104へ切り替え、第1トランシーバアンテナ1101は、第1測定結果を第1通信モジュール1104へ送信する。
【0276】
S1519:第1通信モジュール1104は、第1測定結果を第1信号処理モジュール1102へ送信する。
【0277】
S1520:第1信号処理モジュール1102は、第1測定結果に基づき少なくとも1つの候補波形パラメータから波形パラメータを選択する。
【0278】
S1521:第1信号処理モジュール1102は、波形パラメータを電力信号生成モジュール1103へ送信する。
【0279】
S1522:電力信号生成モジュール1103は、波形パラメータ及びチャネル情報に基づきターゲット電磁波信号を生成する。
【0280】
S1523:電力信号生成モジュール1103は、ターゲット電磁波信号を第1トランシーバアンテナ1101へ送信する。
【0281】
S1524:第1トランシーバアンテナ1101は、ターゲット電磁波信号を第2トランシーバアンテナ1105へ送信する。
【0282】
S1525:第2トランシーバアンテナ1105は、ターゲット電磁波信号を受電モジュール1106へ送信する。
【0283】
S1526:受電モジュール1106は、ターゲット電磁波信号を直流信号に変換し、直流信号に基づき充電対象デバイスを充電する。
【0284】
事例3
任意の実施において、本願のこの実施形態で提供される無線充電システムで、無線充電装置と充電対象デバイスとの間で伝送される電磁波信号のフレーム構造については、図16を参照されたい。充電期間の存続期間がTである例が、図16には示されている。充電期間は、ターゲット電磁波信号決定フェーズと、無線エネルギ伝送フェーズとを含む。ターゲット電磁波信号決定フェーズで、無線充電装置は、少なくとも1つの第2テスト信号を送信する。少なくとも1つの第2テスト信号を受信した後、充電対象デバイスは、第2測定結果を決定し、第2測定結果を無線充電装置へ送信する。無線充電装置は、第2測定かっかに基づきチャネル情報を計算する。無線充電装置は、少なくとも1つの第1テスト信号を送信する。少なくとも1つの第1テスト信号を受信した後、充電対象デバイスは、第1測定結果を決定し、第1測定結果を無線充電装置へ送信する。無線充電装置は、第1測定結果に基づき波形パラメータを決定し、チャネル情報及び波形パラメータに基づきターゲット電磁波信号を決定する。無線エネルギ伝送フェーズで、無線充電装置は、ターゲット電磁波信号を充電対象デバイスへ送信する。充電対象デバイスは、ターゲット電磁波信号を受信し、ターゲット電磁波信号を直流信号に変換し、直流信号に基づき充電対象デバイスを充電する。
【0285】
図17は、事例に従う無線充電方法のフローチャートである。事例は次のステップを含む。
【0286】
S1701:無線充電装置は、スイッチ1を電力信号生成モジュール1103へ切り替え、電力信号生成モジュール1103は、少なくとも1つの指定されたチャネル情報に基づき少なくとも1つの第2テスト信号を決定する。
【0287】
S1702:電力信号生成モジュール1103は、少なくとも1つの第2テスト信号を第1トランシーバアンテナ1101へ送信する。
【0288】
S1703:第1トランシーバアンテナ1101は、少なくとも1つの第2テスト信号を第2トランシーバアンテナ1105へ送信する。
【0289】
S1704:充電対象デバイスは、スイッチ2を第2通信モジュール1108へ切り替え、第2通信モジュール1108は、少なくとも1つの第2テスト信号を受電モジュール1106へ送信する。
【0290】
S1705:受電モジュール1106は、少なくとも1つの第2テスト信号の受信電力を測定する。
【0291】
S1706:受電モジュール1106は、少なくとも1つの第2テスト信号の測定した受信電力を第1信号処理モジュール1102へ送信する。
【0292】
S1707:第1信号処理モジュール1102は、少なくとも1つの第2テスト信号の受信電力に基づき第2測定結果を決定する。
【0293】
任意の実施において、少なくとも1つの第2テスト信号の夫々の受信電力の測定を完了した後、受電モジュール1106は、少なくとも1つの第2テスト信号の受信電力を第2信号処理モジュール1107へ送信してもよい。第2信号処理モジュール1107は、少なくとも1つの第2テスト信号の受信電力の中で最大受信電力を決定し、最大受信電力を有する第2ターゲットテスト信号の識別子を第2指示情報として使用する。第2測定結果は第2指示情報を含む。
【0294】
他の任意の実施においては、受電モジュール1106が第2テスト信号を受信し、その第2テスト信号の受信電力を測定するたびに、受電モジュール1106は、第2テスト信号の受信電力を第2信号処理モジュール1107へ送信する。第2信号処理モジュール1107は、第2テスト信号の受信した受信電力を第2測定結果として使用する。
【0295】
S1708:第1信号処理モジュール1102は、第2測定結果を第2通信モジュール1108へ送信する。
【0296】
S1709:第2通信モジュール1108は、第2測定結果を第2トランシーバアンテナ1105へ送信する。
【0297】
S1710:第2トランシーバアンテナ1105は、第2測定結果を第1トランシーバアンテナ1101へ送信する。
【0298】
S1711:無線充電装置は、スイッチ1を第1通信モジュール1104へ切り替え、第1トランシーバアンテナ1101は、第2測定結果を第1通信モジュール1104へ送信する。
【0299】
S1712:第1通信モジュール1104は、第2測定結果を第1信号処理モジュール1102へ送信する。
【0300】
S1713:第1信号処理モジュール1102は、第2測定結果に基づき少なくとも1つの候補チャネル情報からチャネル情報を選択する。
【0301】
S1714:第1信号処理モジュール1102は、チャネル情報を電力信号生成モジュール1103へ送信する。
【0302】
S1715:無線充電装置は、スイッチ1を電力信号生成モジュール1103へ切り替え、電力信号生成モジュール1103は、チャネル情報及び少なくとも1つの候補波形パラメータに基づき少なくとも1つの第1テスト信号を生成する。
【0303】
S1716:電力信号生成モジュール1103は、少なくとも1つの第1テスト信号を第1トランシーバアンテナ1101へ送信する。
【0304】
S1717:第1トランシーバアンテナ1101は、少なくとも1つの第1テスト信号を第2トランシーバアンテナ1105へ送信する。
【0305】
S1718:充電対象デバイスは、スイッチ2を受電モジュール1106へ切り替え、第2トランシーバアンテナ1105は、少なくとも1つの第1テスト信号を受電モジュール1106へ送信する。
【0306】
S1719:受電モジュール1106は、少なくとも1つの第1テスト信号の受信電力を測定する。
【0307】
S1720:受電モジュール1106は、少なくとも1つの第1テスト信号の測定した受信電力を第2信号処理モジュール1107へ送信する。
【0308】
S1721:第2信号処理モジュール1107は、少なくとも1つの第1テスト信号の受信電力に基づき第1測定結果を決定する。
【0309】
詳細については、図13に示される無線充電方法のS1319で第1測定結果を決定する実施を参照されたい。繰り返し部分は、再び記載されない。
【0310】
S1722:第2信号処理モジュール1107は、第1測定結果を第2通信モジュール1108へ送信する。
【0311】
S1723:第2通信モジュール1108は、第1測定結果を第2トランシーバアンテナ1105へ送信する。
【0312】
S1724:第2トランシーバアンテナ1105は、第1測定結果を第1トランシーバアンテナ1101へ送信する。
【0313】
S1725:無線充電装置は、スイッチ1を第1通信モジュール1104へ切り替え、第1トランシーバアンテナ1101は、第1測定結果を第1通信モジュール1104へ送信する。
【0314】
S1726:第1通信モジュール1104は、第1測定結果を第1信号処理モジュール1102へ送信する。
【0315】
S1727:第1信号処理モジュール1102は、第1測定結果に基づき少なくとも1つの候補波形パラメータから波形パラメータを選択する。
【0316】
S1728:第1信号処理モジュール1102は、波形パラメータを電力信号生成モジュール1103へ送信する。
【0317】
S1729:電力信号生成モジュール1103は、波形パラメータ及びチャネル情報に基づきターゲット電磁波信号を生成する。
【0318】
S1730:電力信号生成モジュール1103は、ターゲット電磁波信号を第1トランシーバアンテナ1101へ送信する。
【0319】
S1731:第1トランシーバアンテナ1101は、ターゲット電磁波信号を第2トランシーバアンテナ1105へ送信する。
【0320】
S1732:第2トランシーバアンテナ1105は、ターゲット電磁波信号を受電モジュール1106へ送信する。
【0321】
S1733:受電モジュール1106は、ターゲット電磁波信号を直流信号に変換し、直流信号に基づき充電対象デバイスを充電する。
【0322】
同じ技術的概念に基づき、本願は、無線充電装置1800を更に提供する。図18は、本願の実施形態に従う無線充電装置1800の構造の概略図である。無線充電装置1800は、図1に示される無線充電システムの無線充電装置であってよく、図4図13図15、及び図17に記載される無線充電方法における無線充電装置の機能を実装し得る。図18を参照すると、無線充電装置1800は、トランシーバアンテナ1801及びプロセッサ1802を含む。更に、任意に、無線充電装置1800はメモリ1803を含み得る。トランシーバアンテナ1801、プロセッサ1802、及びメモリ1803は、互いに接続されている。留意されるべきは、無線充電装置1800は、少なくとも1つのプロセッサ1802及び少なくとも1つのメモリ1803を含んでよい点である。無線充電装置1800が1つのプロセッサ1802及び1つのメモリ1803を含む例が、図18には示される。
【0323】
トランシーバアンテナ1801は、他のデバイスと通信及び相互作用するように信号を受信及び送信するよう構成される。例えば、トランシーバアンテナ1801は、少なくとも1つのトランシーバアンテナを含むトランシーバアンテナアレイであってよい。
【0324】
メモリ1803は、命令を記憶するよう構成され、プロセッサ1802は、メモリ1803に記憶されている命令を実行するよう構成される。メモリ1803はプログラムコードを記憶しており、プロセッサ1802は、メモリ1803に記憶されているプログラムコードを呼び出して、本願の実施形態で提供される無線充電方法を実行し得る。
【0325】
プロセッサ1802は、充電期間において、伝送チャネルのチャネル情報と、電磁波信号の波形を示すために使用される波形パラメータとを取得するよう構成され、伝送チャネルは、第1周波数での、無線充電装置と充電対象デバイスとの間のチャネルであり、チャネル情報は、伝送チャネルを通じて伝送される電磁波信号の信号減衰及び信号遅延を含み、プロセッサ1802は、チャネル情報及び波形パラメータに基づきターゲット電磁波信号を生成し、トランシーバアンテナ1801を使用することによって伝送チャネルを通じて充電対象デバイスへターゲット電磁波信号を送信するよう構成される。
【0326】
実施において、電磁波信号の波形を示すために使用される波形パラメータを取得するとき、プロセッサ1802は、少なくとも1つの前もって設定された候補波形パラメータから波形パラメータを選択するよう特に構成される。
【0327】
実施において、少なくとも1つの前もって設定された波形パラメータから波形パラメータを選択するときに、プロセッサ1802は、
トランシーバアンテナ1801を使用することによって、少なくとも1つの第1テスト信号を充電対象デバイスへ伝送チャネルを通じて送信し、少なくとも1つの第1テスト信号は、少なくとも1つの候補波形パラメータと一対一の対応にあり、任意の第1テストが対応する候補波形パラメータに基づき生成され、
トランシーバアンテナ1801を使用することによって伝送チャネルを通じて、充電対象デバイスによって送信された第1測定結果を受信し、第1測定結果は、充電対象デバイスによって少なくとも1つの第1テスト信号の信号品質を測定することで取得され、
第1測定結果に基づき少なくとも1つの候補波形パラメータから波形パラメータを選択するよう特に構成される。
【0328】
実施において、第1測定結果は、少なくとも1つの第1テスト信号の信号品質を含む。第1測定結果に基づき少なくとも1つの候補波形パラメータから波形パラメータを選択するときに、プロセッサ1802は、第1測定結果に含まれる少なくとも1つの第1テスト信号の信号品質に基づき、信号品質が最も高い第1ターゲットテスト信号を決定し、少なくとも1つの候補波形パラメータから、第1ターゲットテスト信号に対応する候補波形パラメータを波形パラメータとして決定するよう特に構成される。
【0329】
代替的に、第1測定結果は第1指示情報を含み、第1指示情報は、少なくとも1つの第1テスト信号の中で信号品質が最も高い第1ターゲットテスト信号を示すために使用される。第1測定結果に基づき少なくとも1つの候補波形パラメータから波形パラメータを選択するときに、プロセッサ1802は、第1指示情報によって示される第1ターゲットテスト信号を決定し、少なくとも1つの候補波形パラメータから、第1ターゲットテスト信号に対応する候補波形パラメータを波形パラメータとして決定するよう特に構成される。
【0330】
実施において、伝送チャネルのチャネル情報を取得するときに、プロセッサ1802は、伝送チャネルに対してチャネル測定プロセスを実行してチャネル情報を取得するよう、あるいは、少なくとも1つの前もってセットされた候補チャネル情報からチャネル情報を選択するよう特に構成される。
【0331】
実施において、チャネル情報を取得するよう伝送チャネルに対してチャネル測定プロセスを実行するときに、プロセッサ1802は、トランシーバアンテナ1801を使用することによってビーコン信号を充電対象デバイスへ伝送チャネルを通じて送信するよう特に構成され、ビーコン信号は、チャネル測定を実行するために充電対象デバイスによって使用され、プロセッサ1802は、伝送チャネルを通じて、充電対象デバイスによって送信されたチャネル情報を受信するよう特に構成される。
【0332】
実施において、チャネル情報を取得するよう伝送チャネルに対してチャネル測定プロセスを実行するときに、プロセッサ1802は、トランシーバアンテナ1801を使用することによって、伝送チャネルを通じて充電対象デバイスによって送信されたビーコン信号を受信し、ビーコン信号に基づきチャネル測定を実行してチャネル情報を取得するよう特に構成される。
【0333】
実施において、少なくとも1つの前もってセットされた候補チャネル情報からチャネル情報を選択するときに、プロセッサ1802は、トランシーバアンテナ1801を使用することによって、少なくとも1つの第2テスト信号を充電対象デバイスへ伝送チャネルを通じて送信するよう特に構成され、少なくとも1つの第2テスト信号は、少なくとも1つの候補チャネル情報と一対一の対応にあり、任意の第2テスト信号が対応する候補チャネル情報に基づき生成され、プロセッサ1802は、トランシーバアンテナ1801を使用することによって、伝送チャネルを通じて充電対象デバイスによって送信された第2測定結果を受信するよう特に構成され、第2測定結果は、充電対象デバイスによって少なくとも1つの第2テスト信号の信号品質を測定することで取得され、プロセッサ1802は、第2測定結果に基づき少なくとも1つの候補チャネル情報からチャネル情報を選択するよう特に構成される。
【0334】
実施において、第2測定結果は、少なくとも1つの第2テスト信号の信号品質を含む。第2測定結果に基づき少なくとも1つの候補チャネル情報からチャネル情報を選択するときに、プロセッサ1802は、第2測定結果に含まれる少なくとも1つの第2テスト信号の信号品質に基づき、信号品質が最も高い第2ターゲットテスト信号を決定し、少なくとも1つの候補チャネル情報から、第2ターゲットテスト信号に対応する候補チャネル情報をチャネル情報として決定するよう特に構成される。代替的に、第2測定結果は第2指示情報を含み、第2指示情報は、少なくとも1つの第2テスト信号の中で信号品質が最も高い第2ターゲットテスト信号を示すために使用される。第2測定結果に基づき少なくとも1つの候補チャネル情報からチャネル情報を選択するときに、プロセッサ1802は、記第2指示情報によって示される第2ターゲットテスト信号を決定し、前なくとも1つの候補チャネル情報から、第2ターゲットテスト信号に対応する候補チャネル情報をチャネル情報として決定するよう特に構成される。
【0335】
実施において、波形パラメータは、ターゲット電磁波信号を生成する過程でチャネル情報内の信号減衰に対して実行される指数演算のための指数因子である。
【0336】
実施において、ターゲット電磁波信号は、次の式:
【数11】
を満足し、nは第1周波数を表し、wはターゲット電磁波信号を表し、φは、チャネル情報に含まれる伝送遅延を表し、Aは、チャネル情報に含まれる信号減衰を表し、Pは、無線充電装置の総送信電力であり、βは波形パラメータである。
【0337】
伝送チャネルはトランシーバアンテナ組み合わせに対応し、トランシーバアンテナ組み合わせは、無線充電装置における1つの送信アンテナと、充電対象デバイスにおける1つの受信アンテナとを含む。
【0338】
実施において、プロセッサ1802は、伝送チャネルのチャネル情報と、電磁波信号の波形を示すために使用される波形パラメータとを取得する前に、トランシーバアンテナ1801を使用することによって、伝送チャネルを通じて充電対象デバイスによって送信された充電要求情報を受信するよう更に構成される。
【0339】
同じ技術的概念に基づき、本願は、充電対象デバイス1900を更に提供する。図19は、本願の実施形態に従う充電対象デバイス1900の構造の概略図である。充電対象デバイス1900は、図1に示される無線充電システムの充電対象デバイスであってよく、図4図13図15、及び図17に記載される無線充電方法における充電対象デバイスの機能を実装し得る。図19を参照すると、充電対象デバイス1900は、トランシーバアンテナ1901及びプロセッサ1902を含む。更に、任意に、充電対象デバイス1900はメモリ1903を含み得る。トランシーバアンテナ1901、プロセッサ1902、及びメモリ1903は、互いに接続されている。留意されるべきは、充電対象デバイス1900は、少なくとも1つのプロセッサ1902及び少なくとも1つのメモリ1903を含んでよい点である。充電対象デバイス1900が1つのプロセッサ1902及び1つのメモリ1903を含む例が、図19には示される。
【0340】
トランシーバアンテナ1901は、他のデバイスと通信及び相互作用するように信号を受信及び送信するよう構成される。例えば、トランシーバアンテナ1901は、少なくとも1つのトランシーバアンテナを含むトランシーバアンテナアレイであってよい。
【0341】
メモリ1903は、命令を記憶するよう構成され、プロセッサ1902は、メモリ1903に記憶されている命令を実行するよう構成される。メモリ1903はプログラムコードを記憶しており、プロセッサ1902は、メモリ1903に記憶されているプログラムコードを呼び出して、本願の実施形態で提供される無線充電方法を実行し得る。
【0342】
プロセッサ1902は、トランシーバアンテナ1901を使用することによって伝送チャネルを通じて、無線充電装置によって送信されたターゲット電磁波信号を受信するよう構成され、ターゲット電磁波信号は、無線充電装置によって、伝送チャネルの取得されたチャネル情報と、電磁波信号の波形を示すために使用される取得された波形パラメータとに基づき生成され、プロセッサ1902は、ターゲット電磁波信号を直流信号に変換し、直流信号に基づき充電を実行するよう構成される。
【0343】
実施において、プロセッサ1902は、トランシーバアンテナ1901を使用することによって、伝送チャネルを通じて無線充電装置によって送信された少なくとも1つの第1テスト信号を受信するよう更に構成され、少なくとも1つの第1テスト信号は、少なくとも1つの候補波形パラメータと一対一の対応にあり、任意の第1テストが対応する候補波形パラメータに基づき生成され、プロセッサ1902は、前記少なくとも1つの第1テスト信号の信号品質を測定し、少なくとも1つの第1テスト信号の信号品質に基づき第1測定結果を生成し、トランシーバアンテナ1901を使用することによって第1測定結果を無線充電装置へ伝送チャネルを通じて送信するよう更に構成され、それにより、無線充電装置は、第1測定結果に基づき少なくとも1つの候補波形パラメータから波形パラメータを選択する。
【0344】
実施において、第1測定結果は、少なくとも1つの第1テスト信号の信号品質を含み、あるいは、第1測定結果は第1指示情報を含み、第1指示情報は、少なくとも1つの第1テスト信号の中で信号品質が最も高い第1ターゲットテスト信号を示すために使用される。
【0345】
実施において、プロセッサ1902は、トランシーバアンテナ1901を使用することによって、伝送チャネルを通じて無線充電装置によって送信されたビーコン信号を受信し、ビーコン信号に基づきチャネル測定を実行してチャネル情報を取得し、トランシーバアンテナ1901を使用することによってチャネル情報を無線充電装置へ伝送チャネルを通じて送信するよう更に構成される。
【0346】
実施において、プロセッサ1902は、トランシーバアンテナ1901を使用することによってビーコン信号を無線充電装置へ送信するよう更に構成され、ビーコン信号は、チャネル測定を実行するために無線充電装置によって使用される。
【0347】
実施において、プロセッサ1902は、トランシーバアンテナ1901を使用することによって、無線充電装置によって送信された少なくとも1つの第2テスト信号を受信するよう更に構成され、少なくとも1つの第2テスト信号は、少なくとも1つの候補チャネル情報と一対一の対応にあり、任意の第2テスト信号が対応する候補チャネル情報に基づき生成され、プロセッサ1902は、少なくとも1つの第2テスト信号の夫々の信号品質を測定し、少なくとも1つの第2テスト信号の信号品質に基づき第2測定結果を生成し、トランシーバアンテナ1901を使用することによって第2測定結果を無線充電装置へ送信するよう更に構成され、それにより、無線充電装置は、第2測定結果に基づき少なくとも1つの候補チャネル情報からチャネル情報を選択する。
【0348】
実施において、第2測定結果は、少なくとも1つの第2テスト信号の信号品質を含み、あるいは、第2測定結果は第2指示情報を含み、第2指示情報は、少なくとも1つの第2テスト信号の中で信号品質が最も高い第2ターゲットテスト信号を示すために使用される。
【0349】
実施において、伝送チャネルはトランシーバアンテナ組み合わせに対応し、トランシーバアンテナ組み合わせは、無線充電装置における1つの送信アンテナと、充電対象デバイスにおける1つの受信アンテナとを含む。
【0350】
実施において、プロセッサ1902は、現在の電力が、充電要求情報を送信するのに必要な電力以上であることを決定し、トランシーバアンテナ1901を使用することによって充電要求情報を無線充電装置へ伝送チャネルを通じて送信するよう更に構成される。
【0351】
本願の図18及び図19のメモリは、夫々、揮発性メモリ又は不揮発性メモリであってよく、あるいは、夫々、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの両方を含んでもよい。不揮発性メモリは、リード・オンリー・メモリ(Read-Only Memory,ROM)、プログラム可能リード・オンリー・メモリ(Programmable ROM,PROM)、消去可能なプログラム可能リード・オンリー・メモリ(Erasable PROM,EPROM)、電気的消去可能なプログラム可能リード・オンリー・メモリ(Electrically EPROM,EEPROM)、又はフラッシュメモリであってよい。揮発性メモリは、外部キャッシュとして使用されるランダム・アクセス・メモリ(Random Access Memory,RAM)であってよい。例であるが限定ではない記載を通じて、多数の形態のRAM、例えば、静的ランダム・アクセス・メモリ(Static RAM,SRAM)、動的ランダム・アクセス・メモリ(Dynamic RAM,DRAM)、同期型動的ランダム・アクセス・メモリ(Synchronous DRAM,SDRAM)、ダブルデータレート同期型動的ランダム・アクセス・メモリ(Double Data Rate SDRAM,DDR SDRAM)、エンハンスド同期型動的ランダム・アクセス・メモリ(Enhanced SDRAM,ESDRAM)、シンクリンク型動的ランダム・アクセス・メモリ(Synchlink DRAM,SLDRAM)、及び直接ランバス型ランダム・アクセス・メモリ(Direct Rambus RAM,DR RAM)が使用されてよい。留意されるべきは、本明細書で記載されるシステム及び方法におけるメモリは、これらのメモリ及び他の適切なタイプの任意のメモリを含むが、それらに限られない。
【0352】
本願の実施形態で提供される無線充電システムでは、無線充電装置は、充電期間において、伝送チャネルを通じて伝送された電磁波信号の信号減衰及び信号遅延を含むチャネル情報と、電磁波信号の波形を示すために使用される波形パラメータとを決定することができ、また、チャネル情報及び波形パラメータに基づきターゲット電磁波信号を更に決定することができ、それにより、決定されたターゲット電磁波信号はチャネル伝送に適応することができるので、無線充電の電力変換効率は改善される。従来技術と比較して、方法は、充電対象デバイスのハードウェア設計の既知のチャネル情報及び構造情報に依存せず、実時間に充電期間においてチャネル情報及び波形パラメータを決定することしか必要としないので、無線充電方法の実行は改善される。
【0353】
例えば、本願の実施形態で提供される無線充電方法は、異なる整流器構造を有している充電対象デバイスを充電するために使用される。図20aは、第1の充電対象デバイスの構造の概略図と、充電対象デバイスが無線充電されるときの、異なる指定波形パラメータに対応する直流受信電力の図とである。図20aからは、第1の充電対象デバイスに対応する波形パラメータはβ=∞であると決定され、波形パラメータを使用することによって決定されたターゲット電磁波信号の直流受信電力は200%よりも多く増大し得ることが分かる。図20bは、第2の充電対象デバイスの構造の概略図と、充電対象デバイスが無線充電されるときの、異なる候補波形パラメータに対応する直流受信電力の図とである。図20bからは、第2の充電対象デバイスに対応する波形パラメータはβ=5であると決定され、波形パラメータを使用することによって決定されたターゲット電磁波信号の直流受信電力も200%より多く増大し得ることが分かる。上記の効果から、本願の実施形態で提供される無線充電方法は、様々な充電対象デバイスのための対応するターゲット電磁波信号の決定と、それらの充電対象デバイスの無線充電とに適用されることが分かる。充電対象デバイスが無線充電されるときに使用されるターゲット電磁波信号の最適な波形は、充電対象デバイスのハードウェア設計構造を予め知らなくても決定され得るので、無線充電の電力変換効率は有効に改善される。
【0354】
様々な変更及び変形が、本願の精神及び範囲から逸脱せずに当業者によって本願に対して行われ得る。本願は、本願のそのような変更及び変形を、それらが続く特許請求の範囲及びそれらの同等の技術によって定義される保護の範囲内にあるという条件で、カバーするよう意図される。
【符号の説明】
【0355】
1101 第1トランシーバアンテナ
1102 第1信号処理モジュール
1103 電力信号生成モジュール
1104 第1通信モジュール
1105 第2トランシーバアンテナ
1106 受電モジュール
1107 第2信号処理モジュール
1108 第2通信モジュール
1800 無線充電装置
1801,1901 トランシーバアンテナ
1802,1902 プロセッサ
1803,1903 メモリ
1900 充電対象デバイス
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