(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/40 20120101AFI20231003BHJP
【FI】
G06Q20/40
(21)【出願番号】P 2022108984
(22)【出願日】2022-07-06
【審査請求日】2022-07-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519110124
【氏名又は名称】PayPay株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【氏名又は名称】沖田 壮男
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】小川 健太郎
【審査官】毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-105840(JP,A)
【文献】特開2020-149339(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0304204(US,A1)
【文献】特開2022-057989(JP,A)
【文献】特開2021-197089(JP,A)
【文献】特開2010-097450(JP,A)
【文献】特開2021-111261(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の電子決済サービスの利用履歴を含む複数のデータ項目を有する入力データを、予め機械学習によって学習された学習済モデルに入力することで、前記入力データに係る利用者が、前記電子決済サービスを利用した不正な送金行為を行ったことが疑われる着目利用者であるか否かを示す出力データを導出する推論部を備え、
前記学習済モデルは、複数の利用者についての前記入力データと、前記複数の利用者のそれぞれが前記不正な送金行為を行った利用者であるか否かを示すタグ情報とを学習用データとして機械学習によって学習されたものであり、
前記推論部によって前記着目利用者であることを示す情報が導出された利用者のうち少なくとも一部の利用者について、当該利用者に関する前記入力データと、前記不正な送金行為を行った利用者であることを示すタグ情報との組を前記学習用データに追加し、前記学習済モデルの再学習を行う再学習部を更に備える、
情報処理装置。
【請求項2】
前記再学習部は、前記推論部によって前記着目利用者であることを示す出力データが得られた利用者のうち、前記不正な送金行為を行ったことが確認された利用者について、当該利用者に関する前記入力データと、前記不正な送金行為を行った利用者であることを示すタグ情報とを前記学習用データに追加し、前記学習済モデルの再学習を行う、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記不正な送金行為を行ったことが確認された利用者とは、オフライン処理によって前記不正な送金行為を行ったことが確認された利用者である、
請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記電子決済サービスは、予め利用者によってチャージされたチャージ残高に基づいて利用者に電子決済を行わせるものであり、
前記入力データは、前記チャージの履歴情報を含む、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記電子決済サービスは、利用者間での送金を可能にするものであり、
前記入力データは、前記利用者間での送金の履歴情報を含む、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項6】
利用者の電子決済サービスの利用履歴を含む複数のデータ項目を有する入力データを、予め機械学習によって学習された学習済モデルに入力することで、前記入力データに係る利用者が、前記電子決済サービスを利用した不正な送金行為を行ったことが疑われる着目利用者であるか否かを示す出力データを導出する推論部を備え、
前記学習済モデルは、複数の利用者についての前記入力データと、前記複数の利用者のそれぞれが前記不正な送金行為を行った利用者であるかを示すタグ情報とを学習用データとして機械学習によって学習されたものであり、
前記電子決済サービスは、予め利用者によってチャージされたチャージ残高に基づいて利用者に電子決済を行わせるものであり、
前記入力データは、前記チャージの履歴情報を含む、
情報処理装置。
【請求項7】
前記電子決済サービスは、利用者間での送金処理を可能にするものであり、
前記入力データは、前記利用者間での送金処理の履歴情報を更に含む、
請求項6記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記学習済モデルは、利用者が前記電子決済サービスの不正な送金行為を行ったことが疑われる度合いを示すスコアを出力するものであり、
前記スコアを離散化したレベルごとの利用者数の推移を表示装置に表示させる表示制御部を更に備える、
請求項1から7のうちいずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項9】
情報処理装置が、利用者の電子決済サービスの利用履歴を含む複数のデータ項目を有する入力データを、予め機械学習によって学習された学習済モデルに入力することで、前記入力データに係る利用者が、前記電子決済サービスを利用した不正な送金行為を行ったことが疑われる着目利用者であるか否かを示す出力データを導出する推論処理を実行し、
前記学習済モデルは、複数の利用者についての前記入力データと、前記複数の利用者のそれぞれが前記不正な送金行為を行った利用者であるかを示すタグ情報とを学習用データとして機械学習によって学習されたものであり、
前記情報処理装置が、更に、前記推論処理において前記着目利用者であることを示す出力データが導出された利用者のうち少なくとも一部の利用者について、当該利用者に関する前記入力データと、前記不正な送金行為を行った利用者であることを示すタグ情報との組を前記学習用データに追加し、前記学習済モデルの再学習を行う、
情報処理方法。
【請求項10】
情報処理装置が、
利用者の電子決済サービスの利用履歴を含む複数のデータ項目を有する入力データを、予め機械学習によって学習された学習済モデルに入力することで、前記入力データに係る利用者が、前記電子決済サービスを利用した不正な送金行為を行ったことが疑われる着目利用者であるか否かを示す出力データを導出する推論処理を実行し、
前記学習済モデルは、複数の利用者についての前記入力データと、前記複数の利用者のそれぞれが前記不正な送金行為を行った利用者であるかを示すタグ情報とを学習用データとして機械学習によって学習されたものであり、
前記電子決済サービスは、予め利用者によってチャージされたチャージ残高に基づいて利用者に電子決済を行わせるものであり、
前記入力データは、前記チャージの履歴情報を含む、
情報処理方法。
【請求項11】
情報処理装置に、利用者の電子決済サービスの利用履歴を含む複数のデータ項目を有する入力データを、予め機械学習によって学習された学習済モデルに入力することで、前記入力データに係る利用者が、前記電子決済サービスを利用した不正な送金行為を行ったことが疑われる着目利用者であるか否かを示す出力データを導出する推論処理を実行させ、
前記学習済モデルは、複数の利用者についての前記入力データと、前記複数の利用者のそれぞれが前記不正な送金行為を行った利用者であるかを示すタグ情報とを学習用データとして機械学習によって学習されたものであり、
前記情報処理装置に、更に、前記推論処理において前記着目利用者であることを示す出力データが導出された利用者のうち少なくとも一部の利用者について、当該利用者に関する前記入力データと、前記不正な送金行為を行った利用者であることを示すタグ情報との組を前記学習用データに追加し、前記学習済モデルの再学習を行わせる、
プログラム。
【請求項12】
情報処理装置に、利用者の電子決済サービスの利用履歴を含む複数のデータ項目を有する入力データを、予め機械学習によって学習された学習済モデルに入力することで、前記入力データに係る利用者が、前記電子決済サービスを利用した不正な送金行為を行ったことが疑われる着目利用者であるか否かを示す出力データを導出する推論処理を実行させ、
前記学習済モデルは、複数の利用者についての前記入力データと、前記複数の利用者のそれぞれが前記不正な送金行為を行った利用者であるかを示すタグ情報とを学習用データとして機械学習によって学習されたものであり、
前記電子決済サービスは、予め利用者によってチャージされたチャージ残高に基づいて利用者に電子決済を行わせるものであり、
前記入力データは、前記チャージの履歴情報を含む、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金融取引に関連するリスクの解析及び定量化を容易にするためのコンピュータ化されたリスク管理方法及びリスク管理システムの発明が開示されている(特許文献1)。このシステムは、基準に対して適用された重み付けされたアルゴリズムに基づいて、リスク指標又は他の格付けを生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、機械学習によって学習された学習済モデルを用いていないため、電子決済サービスの不正な利用を行ったことが疑われる着目利用者を適切に抽出することができない場合があった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、電子決済サービスの不正な利用を行ったことが疑われる着目利用者を適切に抽出することができる情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、利用者の電子決済サービスの利用履歴を含む複数のデータ項目を有する入力データを、予め機械学習によって学習された学習済モデルに入力することで、前記入力データに係る利用者が、前記電子決済サービスの不正な利用を行ったことが疑われる着目利用者であるか否かを示す出力データを導出する推論部を備え、前記学習済モデルは、複数の利用者についての前記入力データと、前記複数の利用者のそれぞれが前記不正な利用を行った利用者であるかを示すタグ情報とを学習用データとして機械学習によって学習されたものであり、前記推論部によって前記着目利用者であることを示す情報が導出された利用者のうち少なくとも一部の利用者について、当該利用者に関する前記入力データと、前記不正な利用を行った利用者であることを示すタグ情報との組を前記学習用データに追加し、前記学習済モデルの再学習を行う再学習部を更に備える、情報処理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、電子決済サービスの不正な利用を行ったことが疑われる着目利用者を適切に抽出することができる情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】電子決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。
【
図2】電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図(その1)である。
【
図3】電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図(その2)である。
【
図4】第1実施形態に係る決済サーバ100の構成図である。
【
図5】利用者情報172の内容の一例を示す図である。
【
図6】加盟店/店舗情報176の内容の一例を示す図である。
【
図8】スコアテーブル278の内容の一例を示す図である。
【
図9】学習部230の処理内容について説明するための図である。
【
図10】傾向解析情報表示画面IM1の一例を示す図である。
【
図11】再学習部240の処理内容の一例を示す図である。
【
図12】利用者数推移表示画面IM2の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本発明の情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムの実施形態について説明する。情報処理装置は、電子決済サービスを利用する利用者が、当該電子決済サービスの不正な利用を行ったことが疑われる着目利用者であるか否かを示す出力データを導出するものである。まずは電子決済サービスについて説明し、その後で情報処理装置の機能について説明する。
【0010】
[電子決済サービス]
電子決済サービスは、例えば、アプリケーションプログラム(決済アプリ)と決済サーバが協働することで提供される。電子決済サービスは、店舗における商品やサービスの購買に係る決済をサポートするサービスである。店舗とは、例えば、現実空間に存在する物理的な店舗(実店舗)であるが、電子商取引の仮想店舗を含んでもよい。仮想店舗は、電子決済サービスの運営者とは異なる主体によって提供されるものを含んでもよい。その場合、仮想店舗における買い物の決済の際に、電子決済サービスのインターフェース画面に遷移するように制御される。電子決済サービスにおいて、店舗は、例えば加盟店(ブランド)に属するものとして扱われ、店舗において購買行動が行われた際の決済などの処理は、主として利用者と加盟店の間で行われる。これに代えて、決済などの処理が利用者と店舗との間で行われてもよい。
【0011】
図1は、電子決済サービスが実現されるための構成の一例と、情報処理装置とを示す図である。電子決済サービスは、決済サーバ100を中心として実現される。決済サーバ100は、例えば、一以上の利用者端末装置10、一以上の第1店舗端末装置50、及び一以上の第2店舗端末装置70のそれぞれとネットワークNWを介して通信する。ネットワークNWは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、無線基地局、プロバイダ装置などを含む。情報処理装置200は、例えば決済サーバ100に狭域ネットワーク(不図示)を介して接続される。これに限らず、情報処理装置200は、ネットワークNWを介して決済サーバ100に接続されてもよいし、決済サーバ100の一機能であってもよい。
【0012】
利用者端末装置10は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の可搬型端末装置である。利用者端末装置10は、少なくとも、光学読取機能、通信機能、表示機能、入力受付機能、プログラム実行機能を有するコンピュータ装置である。以下の説明では、これらの機能を実現するための構成をそれぞれカメラ、通信装置、タッチパネル、CPU(Central Processing Unit)等と称する。利用者端末装置10では、CPU等のプロセッサにより決済アプリ20が実行されることで、決済サーバ100と連携して電子決済サービスを利用者に提供するように動作する。決済アプリ20は、例えば、アプリケーションストアから利用者端末装置10にインストールされ、カメラ、通信装置、タッチパネルなどを制御する。
【0013】
第1店舗端末装置50は、例えば、店舗に設置される。第1店舗端末装置50は、少なくとも、商品価格取得機能、光学読取機能、プログラム実行機能、通信機能を有するコンピュータ装置である。第1店舗端末装置50は、いわゆるPOS(Point of Sale)装置を含み、POS装置によって商品価格取得機能や光学読取機能を実現してもよい。店舗コード画像60は、店舗に置かれ、QRコード(登録商標)等のコード画像が紙やプラスチックの媒体に印刷されたものである。なお、店舗コード画像60は、店舗に置かれたディスプレイ(スマートフォンなどの端末装置のディスプレイでもよい)によって表示されてもよい。
【0014】
第2店舗端末装置70は、加盟店の運営者によって使用される。第2店舗端末装置70は、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。第2店舗端末装置70では、加盟店向けインターフェース72が動作する。加盟店向けインターフェース72は、加盟店向けアプリであってもよいし、ブラウザであってもよい。加盟店向けインターフェース72は、加盟店の運営者によるクーポンの設定等を受け付け、決済サーバ100に送信する。スマートフォンである第2店舗端末装置70は、加盟店向けアプリを実行することで、店舗コード画像に相当するコード画像を表示したり、利用者端末装置10が表示するコード画像を読み取ったりする機能を有する。
【0015】
決済サーバ100は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50から受信した決済情報に基づいて電子決済を実現する。第1店舗端末装置50は、POS装置と加盟店サーバを含む場合があり、その場合、POS装置から加盟店サーバを介して決済情報が決済サーバ100に送信される。以下の説明では、これを特に区別せず、第1店舗端末装置50から決済情報が送信されるものとする。
【0016】
図2および
図3は、電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図である。電子決済には、パターン1とパターン2の二つが存在してよい。
【0017】
図2に示すパターン1(以下、ユーザスキャンと称する)の場合、決済アプリ20が起動した状態の利用者端末装置10が、光学読取機能によって店舗コード画像60をデコードする(S1)。店舗コード画像60には、店舗URL(Uniform Resource Locator)の情報が含まれている。この店舗URLは、電子決済サービスのドメインに対して店舗を識別可能な情報が付加されたものであり、決済サーバ100において加盟店IDや店舗ID等との対応付けがなされている(後述)。決済アプリ20は、店舗URLとアカウントIDを含む第1決済情報を決済サーバ100に送信する(S2)。決済サーバ100は、店舗URLに対応する加盟店ID、店舗IDから、店舗情報(後述)を検索して加盟店名と店舗名の情報を取得し(S3)、決済アプリ20に送信する(S4)。利用者は、加盟店名や店舗名が表示された画面において、決済金額を利用者端末装置10に入力する(S5)。そして、利用者端末装置10は、少なくとも決済金額を含む第2決済情報を生成し、決済サーバ100に送信する(S6)。決済サーバ100は、受信した第2決済情報に基づいて電子決済を行う(S7)。そして、決済サーバ100は、決済完了通知(決済完了画面を表示するための情報)を決済アプリ20に送信し(S8)、決済アプリ20は決済完了画面を表示する(S9)。なお、店舗コード画像60が店舗に置かれたディスプレイによって表示される場合、店舗コード画像60には、店舗URLだけでなく決済金額の情報が含まれる場合がある。この場合、利用者が決済金額を入力する手順が省略され、第1決済情報に決済金額の情報が含められて決済サーバ100に送信される。加盟店名や店舗名の情報は、決済完了画面に含めて表示されてよい。
【0018】
図3に示すパターン2(以下、ストアスキャンと称する)の場合、決済アプリ20の起動時、決済アプリ20において支払う操作が行われたとき、自動更新のタイミング(例えば1分おき)になったとき、およびその他のタイミングで、決済アプリ20はワンタイムコードの発行要求を決済サーバ100に送信する(S11)。決済サーバ100はワンタイムコードを生成し(S12)、決済アプリ20に送信する(S13)。決済アプリ20は、ワンタイムコードに基づいて生成した、QRコードやバーコード等のコード画像を表示する(S14)。利用者は利用者端末装置10の表示面を第1店舗端末装置50に翳し(提示し)、第1店舗端末装置50は、光学読取機能によってコード画像をデコードし、ワンタイムコード等を取得する(S15)。そして、第1店舗端末装置50は、ワンタイムコード、決済金額、加盟店ID、店舗ID等を含む決済情報を生成し、決済サーバ100に送信する(S16)。決済金額の情報は、予めバーコード読み取りや手入力等によって取得されている。決済サーバ100は、受信した情報に基づいて、ワンタイムコードに対応する利用者を特定し、電子決済を行う(S17)。そして、決済サーバ100は、決済完了通知を決済アプリ20に送信し(S18)、決済アプリ20は決済完了画面を表示する(S19)。
【0019】
なお、上記のいずれか一方のみのパターンで電子決済が行われてもよい。また、
図2で説明した「アカウントID」は、利用者の識別情報として用いられ得る他の情報(例えば電話番号)であってもよい。また、ストアスキャンにおいてワンタイムコードの発行が省略され、決済アプリ20は、利用者のアカウントIDに基づいて生成したコード画像を表示してもよい。その場合、決済サーバ100は、ワンタイムコードに対応する利用者を特定するのに代えて、アカウントIDに対応する利用者を特定する。
【0020】
図4は、決済サーバ100の構成図である。決済サーバ100は、例えば、通信部110と、決済コンテンツ提供部120と、決済処理部130と、情報管理部140と、記憶部170とを備える。通信部110および記憶部170以外の構成要素は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。
【0021】
記憶部170は、HDDやフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)などである。記憶部170は、決済サーバ100がネットワークを介してアクセス可能なNAS(Network Attached Storage)装置であってもよい。記憶部170には、利用者情報172、決済コンテンツ情報174、加盟店/店舗情報176などの情報が格納される。
【0022】
通信部110は、ネットワークNWに接続するための通信インターフェースである。通信部110は、例えばネットワークインターフェースカードである。
【0023】
決済コンテンツ提供部120は、例えば、Webサーバの機能を有し、電子決済サービスの各種画面を表示するための情報(コンテンツ)を利用者端末装置10に提供する。決済コンテンツ提供部120は、決済コンテンツ情報174から適宜、必要なコンテンツを読み出して利用者端末装置10に提供する。利用者端末装置10は、決済アプリ20によってコンテンツが再生された状態で利用者による各種入力を受け付け、前述した決済情報などを決済サーバ100に送信する。
【0024】
決済処理部130は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50により送信された決済情報に基づいて、決済処理を行う。決済処理部130は、利用者情報172を参照しながら決済処理を行う。
【0025】
図5は、利用者情報172の内容の一例を示す図である。利用者情報172は、利用者の登録情報の一例である。利用者情報172は、例えば、利用者URL、アカウントID、電話番号、パスワードの他、メールアドレス、利用者ID、氏名・住所・生年月日、登録日、チャージ残高、後払い設定、後払い枠、後払い利用額、後払い利用可能額、決済方法設定、銀行口座、クレジットカード番号、チャージ履歴情報、決済履歴情報、P2P送金履歴情報などの情報が対応付けられたものである。利用者URLは、利用者間の送金処理に使用される。電子決済サービスへの新規登録時には、電話番号およびパスワードの登録が必須となる。アカウントIDは、決済サーバ100によって利用者に発行されるものであり、利用者IDは、利用者が任意に設定できる(設定しなくてもよい)IDである。メールアドレス、および氏名・住所・生年月日も同様に、利用者が任意に設定できる(設定しなくてもよい)情報である。登録日とは利用者が電子決済サービスに登録した日(アカウントを作成した日)である。以下、これらの情報が対応付けられた利用者のインスタンス(電子決済口座)のことをアカウントと称する。
【0026】
チャージ残高は、利用者が予めアカウントに送金することで設定された電子マネーの残高を示す情報である。送金の手段としては、指定業者(銀行)のATM(Automatic Teller Machine)からの送金、登録された銀行口座からの送金などがある。後払い設定は、後払いによる電子決済を可能とするための設定が済んでいるか否かを示す情報であり、「済」と「未」のいずれかに設定される。後払い枠は月ごとに利用可能な後払いの限度額であり、後払い利用額は、当月に既に利用された後払いの金額であり、後払い利用可能額は、後払い枠から後払い利用額を差し引いて求められる、当月に利用可能な後払いの金額である。図では後払い枠を一つだけ示しているが、実際には更に日ごとの上限額などが存在し、それらの低い方が後払い枠に設定されてよい。決済方法設定は、その時点において利用者がチャージ残高による電子決済を行うのか、後払いによる決済を行うのかを示す設定情報である。銀行口座とクレジットカード番号のそれぞれは、電子決済サービスに入金可能な銀行口座またはクレジットカード番号の情報(口座番号、カード番号)である。チャージ履歴情報は、利用者が予め電子決済サービスに送金してチャージ残高を増加させた履歴である。決済履歴情報は、利用者が行った決済の内訳(日時、購買行動が行われた店舗の店舗ID、決済金額、決済方法など)を、決済ごとに示す情報である。P2P送金履歴情報は、電子決済サービスに含まれる、利用者間での送金(P2P送金)に関するものであり、利用者が行ったP2P送金の履歴(日時、送金額、送金先の利用者など)を、送金処理ごとに示す情報である。
【0027】
決済処理部130は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50から決済情報が取得されると、利用者情報172を参照して当該利用者の「決済方法設定」を取得する。決済処理部130は、「決済方法設定」が「チャージ残高」に設定されている利用者に関して、以下のように電子決済を行う。決済処理部130は、例えば、利用者IDに対応付けて管理しているチャージ残高を減少させ、加盟店の売上金の項目値を増加させることで、電子決済を行う。加盟店の売上金の項目値は、例えば、それ自体が電子マネーとして使用されるものでは無く、加盟店と電子決済サービスとの取り決めに応じたサイクルで、売上金の項目値に対応する金額が銀行口座に送金される。
【0028】
決済処理部130は、「設定情報」が「後払い」に設定されている利用者に関して、以下のように電子決済を行う。後払いとは、電子決済サービスの運営者とは別主体であるクレジットカード会社との連携による「クレジット払い」とは別枠で設定されるものであり、電子決済サービスの運営者が与信者となって、後払い枠の範囲内でチャージ残高に依存しない電子決済を許容するものである。なお後払いサービスを受けるために、電子決済サービスの運営者が提供するクレジットカードの取得が要求されてよい。後払いで利用された金額は、一か月分まとめて翌月の支払日に、例えば銀行口座からの引き落としによって決済される。この場合、決済処理部130は、後払い利用額に決済金額を加算し、後払い利用可能額から同額を差し引くことで暫定決済を行い、締め日になると上記のように当月分の決済を翌月の支払い日に引き落とすための処理を行う。なお暫定決済の時点で決済金額が後払い利用可能額を超える場合は、エラー通知が決済アプリケーション20に返信される。
【0029】
図6は、加盟店/店舗情報176の内容の一例を示す図である。加盟店/店舗情報176は、例えば、店舗URLに対して加盟店IDと店舗IDが対応付けられた第1テーブル176Aと、加盟店IDに対して加盟店名と売上金(前述)が対応付けられた第2テーブル176Bと、店舗IDに対して店舗IDが対応付けられた第3テーブル176Cとを含む。加盟店/店舗情報176には、これらの情報の他、加盟店または店舗のカテゴリ、店舗の所在地、決済パターン等の情報が含まれる。
【0030】
情報管理部140は、利用者端末装置10や第2店舗端末装置70から取得した情報に基づいて、利用者情報172および加盟店/店舗情報176を管理する。情報管理部140は、利用者情報172および加盟店/店舗情報176について新規レコードの追加、編集、削除などを行う。
【0031】
[情報処理装置]
図7は、情報処理装置200の構成図である。情報処理装置200は、例えば、情報取得部210と、推論部220と、学習部230と、再学習部240と、表示制御部250と、記憶部270とを備える。記憶部270以外の構成要素は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。
【0032】
記憶部270は、HDDやフラッシュメモリ、RAMなどである。記憶部270は、情報処理装置200がネットワークを介してアクセス可能なNAS装置であってもよい。記憶部270には、学習用データ272、学習済モデル274、入力データ276、スコアテーブル278などの情報が格納される。
【0033】
情報処理装置200は、図示するように一体の装置であってもよいし、分散構成を有する装置であってもよい。例えば、推論部220と、学習部230および再学習部240とは、別体の装置によって実現されてもよい。
【0034】
[推論段階]
情報取得部210は、推論部220が推論処理を行うのに必要なデータを決済サーバ100などから取得し、入力データ276として記憶部270に格納する。入力データ276は、利用者の電子決済サービスの利用履歴を含む複数のデータ項目を有するデータである。入力データ276は、例えば以下のようなデータ項目を有する。(3)や(5)における「履歴情報」とは、送金やチャージが行われた都度の情報と、金額や頻度などから求められる統計情報とのうち一方または双方を含んでよい。
(1)利用者の属性情報および電子決済の履歴に関する基本的な統計情報
(2)電子決済が行われた店舗のカテゴリ情報
(3)P2P送金履歴情報
(4)電子決済サービスと連携する(電子決済サービスに入金可能な)クレジットカードの保有情報
(5)チャージ履歴情報
(6)利用者端末装置10の端末情報(OSなど)
【0035】
推論部220は、入力データを、予め機械学習によって学習された学習済モデル274に入力することで、入力データに係る利用者が、電子決済サービスの不正な利用を行ったことが疑われる着目利用者であるか否かを示す出力データを導出する。不正な利用とは、例えば、マネーロンダリングなどの不正な送金行為である。この種の不正な送金行為を行う利用者は、チャージ履歴情報やP2P送金履歴情報が特徴的であることが多いと想定されるため、情報処理装置200では上記のように、これらを入力データに含めて推論処理を行う。これによって、情報処理装置200は、電子決済サービスの不正な利用を行ったことが疑われる着目利用者を適切に抽出することができる。
【0036】
推論部220は、出力データとして、電子決済サービスの不正な利用を行ったことが疑われる度合いを示すスコア、スコアを閾値と比較して二値化した分類ラベル、およびレベルを離散化したレベルを出力する。これらの全部が学習済モデル274の出力であってもよいし、推論部220は、学習済モデル274が出力したスコアを閾値と比較する演算処理等を別途行ってもよい。
【0037】
推論部220は、スコア、分類ラベル、レベルをスコアテーブル278として記憶部270に格納する。
図8は、スコアテーブル278の内容の一例を示す図である。スコアテーブル278は、例えば、アカウントIDなどの利用者の識別情報に対して、分類ラベル、スコア、レベル、および更新日が対応付けられたものである。分類ラベルは、値が1であれば着目利用者であることを示し、値が0であれば着目利用者でないことを示すものである。これに代えて、分類ラベルが1であり且つレベルが5である利用者が着目利用者、それ以外が着目利用者でない利用者、というように定義されてもよい。すなわち、分類ラベル単独、或いは分類ラベルとレベルを合わせたものが、「着目利用者であるか否かを示す出力データ」の一例である。スコアは、例えば0から1の間の値に導出される。レベルは、スコアが0以上0.5未満であれば0、スコアが0.5以上0.6未満であれば1、スコアが0.6以上0.7未満であれば2、スコアが0.7以上0.8未満であれば3、スコアが0.8以上0.9未満であれば4、スコアが0.9以上であれば5に設定される。更新日は、推論部220による推論処理が行われた日付を示すものである。例えば、レベル5の利用者に関しては改めて人の目によって電子決済の履歴情報が検証された後に、アカウント凍結などの対処が取られる。
【0038】
[学習段階]
学習部230は、学習済モデル274を生成する。学習済モデル274は、複数の利用者についての入力データと、複数の利用者のそれぞれが不正な利用を行った利用者(以下、不正ユーザ)であるかを示すタグ情報とを学習用データとして、機械学習によって学習されたものである。
【0039】
図9は、学習部230の処理内容について説明するための図である。学習部230は、第1群の利用者と第2群の利用者を含む複数の利用者についての入力データを機械学習モデルに入力した結果として導出されるスコアが、第1群の利用者については不正ユーザでないことを示す範囲内の値に、第2群の利用者については不正ユーザであることを示す範囲内の値になるように、バックプロパゲーションによって機械学習モデルのパラメータ等を調整する。全ての入力データについてパラメータ等の調整を完了した時点での機械学習モデルが、学習済モデル274となる。
【0040】
第1群の利用者には不正ユーザでないことを示すタグ情報が、第2群の利用者には不正ユーザであることを示すタグ情報が、それぞれ付与されている。第1群の利用者とは、例えば、電子決済サービスにアカウントを有する利用者のうち、電子決済の頻度が基準以上である(例えば、○○日間でk回以上決済した)利用者すなわちアクティブユーザからランダムにサンプリングされた所定数の利用者である。第2群の利用者とは、不正な送金行為の被疑者、或いは警察からの照会要請のあった利用者など、不正ユーザであることの蓋然性が十分に高い利用者である。
【0041】
このように学習済モデル274を生成することで、電子決済サービスの不正な利用を行ったことが疑われる着目利用者を適切に抽出することができる。従来のこの種の技術では、専ら本人確認の際に使用された情報に基づいて不正ユーザであるか否かが判断されており、電子決済サービスを利用した履歴などの動的な情報で判断をすることができていなかった。この点、本実施形態によれば、不正ユーザであれば特徴的な情報となる可能性が高いと想定されるチャージ履歴情報やP2P送金履歴情報を入力データとして、学習済モデル274を用いて着目利用者を抽出するため、着目利用者を適切に抽出することができる。
【0042】
[傾向解析(その1)]
表示制御部250は、生成された(後述するように再学習されたものを含んでもよい)学習済モデル274が、入力データのうちどの部分を重視してスコアを導出するのかを示す傾向解析情報を表示装置(不図示)に表示させる。表示装置は、情報処理装置200に付随するものであってもよいし、各種ネットワークを介して情報処理装置200に接続されたものでもよい。傾向解析情報は、例えば、機械学習のプラットフォームが提供するAPI(Application Programming Interface)を介して取得される。
図10は、傾向解析情報表示画面IM1の一例を示す図である。傾向解析情報表示画面IM1では、複数の着目事象、例えば(1)カテゴリ○○に属する店舗での電子決済が多い利用者、(2)P2P送金の履歴が○○な傾向である利用者、(3)チャージ残高が○○である利用者、(4)特定の時間帯における電子決済が多い利用者、(5)チャージ方法が○○な傾向である利用者、(6)端末設定が○○になっている利用者などを、着目利用者として出力する傾向があることが示され、その寄与度が高い順に着目事象が列挙されている。また、着目事象のそれぞれに対応して、寄与度の詳細を可視化した傾向グラフが表示される。
【0043】
このように傾向解析情報表示画面IM1を表示装置に表示させることで、情報処理装置200の運用者の感覚に合った処理が推論処理においてなされるかどうかを、運用者に直感的に把握させることができる。
【0044】
[再学習]
再学習部240は、推論部220によって(すなわち学習済モデル274によって)着目利用者であることを示す情報が導出された利用者のうち少なくとも一部の利用者について、例えば、オフライン処理によって不正な利用を行ったことの確認を経た後に、当該利用者に関する入力データと、不正な利用を行った利用者であることを示すタグ情報との組を学習用データ272に追加し、学習済モデル274の再学習を行う。オフライン処理とは、例えば、前述したアカウント凍結の条件となる電子決済の履歴情報の検証処理である。再学習部240は、推論部220によってレベル5であることを示す情報が出力された利用者について、上記の処理を行う。
【0045】
図11は、再学習部240の処理内容の一例を示す図である。再学習部240は、推論処理において着目利用者であることを示す情報が出力された利用者の入力データを抽出する。これらの利用者については前述したようにオフライン処理による検証が行われる。オフライン処理によって不正な利用を行ったことが確認されると、再学習部240は、それらの利用者の入力データに、不正ユーザであることを示すタグ情報を付与して学習用データ272に追加する。そして、再学習部240は、学習部230と同様の処理を行って学習済モデル274を再学習する。
【0046】
係る処理によって、学習用データ272のボリュームを充実させ、学習済モデル274の精度を向上させることができる。
図9で説明した第2群の利用者は、通常、第1群の利用者に比して圧倒的に数が少ないものである。このため、当初に用意された第2群の利用者の数が十分でない場合、精度よく学習済モデル274を生成することができないことが懸念される。この点、本実施形態によれば、推論処理によって着目利用者であることを示す利用者の少なくとも一部について、入力データに不正ユーザであることを示すタグ情報を付与して学習用データ272に追加し、再学習を行うため、学習済モデル274の精度を向上させることができる。
【0047】
また、従来、この種の予測をルールベースで行うことは困難であった。決定木などを利用した単純なルールベースでは十分な精度で予測を行うことができなかったが、機械学習により生成された学習済モデル274を利用することで、複合的かつ多面的な条件で予測を行うことができ、予測精度を向上させることができることが判っている。また、不正ユーザの行動パターンは長期間、同じであるとは限らず、固定的な基準で安定的に予測を行うのが困難な場合もあり得るが、学習済モデル274は何度も再学習によって更新することができるため、不正ユーザの行動パターンの変化にも柔軟に追従することができる。上記の再学習部240の処理を行うことで、学習用データ272の拡充を行って予測精度を向上させつつ、不正ユーザの行動パターンの変化に柔軟に追従することができる。
【0048】
[傾向解析(その2)]
表示制御部250は、推論処理が、例えば週一回程度のペースで、新たに推論処理の対象者として追加された利用者について繰り返し実行されるのに応じて、レベルごとの利用者数の推移を表示装置に表示させてもよい。
図12は、利用者数推移表示画面IM2の一例を示す図である。この画面を生成する際に、表示制御部250は、スコアテーブル278における「更新日」の項目を参照し、その利用者をグラフにおける更新日以降の部分に反映させる。このように、レベルごとの利用者数の推移を表示させることで、学習済モデル274の性質を別の側面から運用者に把握させることができ、推論処理の信頼性を向上させることができる。また、表示制御部250は、不正ユーザごとのスコアのランキング結果を表示装置に表示させてもよいし、その他の統計情報を表示装置に表示させてもよい。
【0049】
以上説明した実施形態によれば、電子決済サービスの不正な利用を行ったことが疑われる着目利用者を適切に抽出することができる。
【0050】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0051】
10 利用者端末装置
20 決済アプリ
100 決済サーバ
200 情報処理装置
210 情報取得部
220 推論部
230 学習部
240 再学習部
250 表示制御部
270 記憶部
【要約】
【課題】電子決済サービスの不正な利用を行ったことが疑われる着目利用者を適切に抽出すること。
【解決手段】利用者の電子決済サービスの利用履歴を含む複数のデータ項目を有する入力データを学習済モデルに入力することで、入力データに係る利用者が、電子決済サービスの不正な利用を行ったことが疑われる着目利用者であるか否かを示す出力データを導出する推論部を備え、学習済モデルは、複数の利用者についての入力データと、複数の利用者のそれぞれが不正な利用を行った利用者であるかを示すタグ情報とを学習用データとして機械学習によって学習されたものであり、着目利用者であることを示す情報が導出された利用者のうち少なくとも一部の利用者について、当該利用者に関する入力データと、不正な利用を行った利用者であることを示すタグ情報とを学習用データに追加し、学習済モデルの再学習を行う情報処理装置。
【選択図】
図7