(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】情報処理サーバ、情報処理システム、判定装置、及び方法
(51)【国際特許分類】
G06F 21/64 20130101AFI20231003BHJP
G06F 21/32 20130101ALI20231003BHJP
【FI】
G06F21/64
G06F21/32
(21)【出願番号】P 2022131527
(22)【出願日】2022-08-22
(62)【分割の表示】P 2020070365の分割
【原出願日】2020-04-09
【審査請求日】2023-04-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517201127
【氏名又は名称】playground株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 圭史
(72)【発明者】
【氏名】宮西 裕紀
【審査官】平井 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-117301(JP,A)
【文献】特開2006-113763(JP,A)
【文献】特許第6518351(JP,B1)
【文献】特許第7034452(JP,B2)
【文献】特許第7146125(JP,B2)
【文献】特開2022-180492(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/00-88
G06Q 10/02
G06Q 20/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チケットを管理するための情報処理サーバであって、
生体情報から取得可能な特徴量データであって予め作成された特徴量データを記憶するサーバ記憶部と、
サーバ制御部と、を含み、
前記サーバ制御部は、
発券の申し込みを受け付けたチケットを識別可能なチケット識別情報を決定又は予めチケットに割り当てられたチケット識別情報を取得し、
入力されたチケットを利用するユーザの生体情報から特徴量データを決定し、
前記決定した特徴量データと、前記サーバ記憶部が記憶する特徴量データとを比較して、所定の類似度を有する特徴量データを決定し、並びに、
該決定した特徴量データに基づいてチケットに付されるコードを生成し、
該生成したコードが付されたチケットを出力するためのチケットデータを生成するように構成される、
情報処理サーバ。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理サーバ及びチケットの利用の正当性を判定するための判定装置を含む情報処理システムであって、
前記判定装置は、
前記サーバ記憶部に記憶される特徴量データと同一の特徴量データを記憶する判定装置記憶部と、
判定装置制御部と、を含み、
前記判定装置制御部は、
チケットに付されたコードからチケット識別情報と特徴量データを取得し、
チケットを提示するユーザの生体情報を取得し、
前記取得した生体情報から決定した特徴量データと、前記取得した特徴量データとが所定の基準を満たすか否かを判定するように構成される、
情報処理システム。
【請求項3】
チケットの利用の正当性を判定するための判定装置であって、
チケットを出力するためのチケットデータを生成可能な情報処理サーバに記憶される生体情報から取得可能な特徴量データであって予め作成された特徴量データを記憶する判定装置記憶部と、
判定装置制御部と、を含み、
チケットは、チケットに割り当てられるチケットを識別可能なチケット識別情報と、該特徴量データとに基づいて生成されたコードが付されたものであり、
前記判定装置制御部は、
チケットに付されたコードからチケット識別情報および特徴量データを取得し、
チケットを提示するユーザの生体情報を取得し、
前記判定装置記憶部において記憶される特徴量データと、前記取得した生体情報から決定した特徴量データとが所定の基準を満たすか否かを判定するように構成される、
判定装置。
【請求項4】
コンピュータにより実行される、チケットを管理するための方法であって、
前記方法は、生体情報から取得可能な特徴量を示す特徴量データであって予め作成された特徴量データを記憶するデータベースを用いるものであり、
発券の申し込みを受け付けたチケットについてチケットを識別可能なチケット識別情報を決定又は予めチケットに割り当てられたチケット識別情報を取得するステップと、
入力されたチケットを利用するユーザの生体情報から特徴量データを決定するステップと、
前記決定した特徴量データと、前記データベースが記憶する特徴量データとを比較して、所定の類似度を有する特徴量データを決定するステップと、
前記決定した特徴量データに基づいて、チケットに付されるコードを生成し、該生成したコードが付されたチケットを出力するためのチケットデータを生成するステップと、
を含む方法。
【請求項5】
コンピュータにより実行される、チケットの利用の正当性を判定するための方法であって、
前記方法は、チケットを出力するためのチケットデータを生成可能な情報処理サーバに記憶される生体情報から取得可能な特徴量データであって予め作成された特徴量データを記憶するデータベースを用いるものであり、
チケットは、チケットに割り当てられるチケットを識別可能なチケット識別情報と、
該特徴量データとが付されたものであり、
チケットに付されたコードからチケット識別情報および特徴量データを取得するステップと、
チケットを提示するユーザの生体情報を取得するステップと、
前記データベースに記憶される特徴量データと、前記取得した生体情報から決定した特徴量データとが所定の基準を満たすか否かを判定するステップと、
を含む方法。
【請求項6】
チケットを管理するための方法を実行する際に、コンピュータに用いられるプログラムであって、
前記方法は、生体情報から取得可能な特徴量を示す特徴量データであって予め作成された特徴量データを記憶するデータベースを用いるものであり、
前記プログラムは、前記コンピュータのプロセッサに、
発券の申し込みを受け付けたチケットについてチケットを識別可能なチケット識別情報を決定又は予めチケットに割り当てられたチケット識別情報を取得するステップと、
入力されたチケットを利用するユーザの生体情報から特徴量データを決定するステップと、
前記決定した特徴量データと、前記データベースが記憶する特徴量データとを比較して、所定の類似度を有する特徴量データを決定するステップと、
該決定した特徴量データに基づいてチケットに付されるコードを生成し、該生成したコードが付されたチケットを出力するためのチケットデータを生成するステップと、を実行させるプログラム。
【請求項7】
チケットの利用の正当性を判定するための方法を実行する際に、コンピュータに用いられるプログラムであって、
前記方法は、チケットを出力するためのチケットデータを生成可能な情報処理サーバに記憶される生体情報から取得可能な特徴量データであって予め作成された特徴量データと同一の特徴量データを記憶するデータベースを用いるものであり、
前記チケットは、チケットに割り当てられるチケットを識別可能なチケット識別情報と、
該特徴量データとに基づいて生成されたコードが付されたものであり、
前記プログラムは、前記コンピュータのプロセッサに、
チケットに付されたコードからチケット識別情報および特徴量データを取得するステップと、
チケットを提示するユーザの生体情報を取得するステップと、
前記データベースに記憶される特徴量データと、前記取得した生体情報から決定した特徴量データとが所定の基準を満たすか否かを判定するステップと、を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理サーバ、情報処理システム、判定装置、及び方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、チケットを利用するユーザの生体情報を用いて不正な転売を防止する方法がある。例えば特許文献1には、正当な保有者の情報としてチケット保有者の自身の顔または自身の顔の特徴量を示す情報を記録しておき、入場口で入場しようとしている人の顔を撮影し、チケットに記録されている保有者の自身の顔または自身の顔の特徴量と照合する顔認証によって入場しようとしている人が正当な保有者か否かを確認することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている手法をはじめとする、顔認証を利用してチケットのユーザを確認する従来の手法では、正当な保有者(ユーザ)の顔の情報として、顔の画像や顔の特徴量がチケットに記録される。顔の画像や顔の特徴量は、ユーザ自身の個人情報であるところ、これらをチケットに記録した場合、個人情報が意図せず第三者に渡る可能性があるため、個人情報の保護やセキュリティの観点で問題視されることがあった。一方、個人情報を含まないチケットは、容易に転売される可能性があるという問題があった。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、チケットを利用するユーザの生体情報の漏洩リスクを低減させつつ、チケットの不正利用を防止可能な情報処理サーバ等を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態の情報処理サーバは、
チケットを管理するための情報処理サーバであって、
生体情報から取得可能な特徴量データであって予め作成された特徴量データ、該特徴量データに関連付けられた特徴量データを識別可能な特徴量識別情報、及びチケットの利用の正当性を判定するための判定装置に記憶される所定データと同一の所定データを記憶するサーバ記憶部と、
サーバ制御部と、を含み、
前記サーバ制御部は、
発券の申し込みを受け付けたチケットについてチケットを識別可能なチケット識別情報を決定又は予めチケットに割り当てられたチケット識別情報を取得し、
入力されたチケットを利用するユーザの生体情報から特徴量データを決定し、
前記決定した特徴量データと、前記サーバ記憶部が記憶する特徴量データとを比較して、所定の類似度を有する特徴量データを決定して該特徴量データに関連付けられた特徴量識別情報を決定し、並びに、
前記決定又は取得したチケット識別情報及び前記決定した特徴量識別情報の少なくとも一方と、前記所定データとに基づいて所定の演算を行うことによりチェック用データを算出し、該算出したチェック用データと、該決定又は取得したチケット識別情報と、該決定した特徴量識別情報とに基づいてチケットに付されるコードを生成し、該生成したコードが付されたチケットを出力するためのチケットデータを生成するように構成される、ことを特徴とする。
【0007】
本発明の一実施形態の情報処理サーバは、
チケットを管理するための情報処理サーバであって、
生体情報から取得可能な特徴量データであって予め作成された特徴量データ、及びチケットの利用の正当性を判定するための判定装置に記憶される所定データと同一の所定データを記憶するサーバ記憶部と、
サーバ制御部と、を含み、
前記サーバ制御部は、
発券の申し込みを受け付けたチケットについてチケットを識別可能なチケット識別情報を決定又は予めチケットに割り当てられたチケット識別情報を取得し、
入力されたチケットを利用するユーザの生体情報から特徴量データを決定し、
前記決定した特徴量データと、前記サーバ記憶部が記憶する特徴量データとを比較して、所定の類似度を有する特徴量データを決定し、並びに、
前記決定又は取得したチケット識別情報及び前記決定した特徴量データの少なくとも一方と、前記所定データとに基づいて所定の演算を行うことによりチェック用データを算出し、該算出したチェック用データと、該決定又は取得したチケット識別情報と、該決定した特徴量データとに基づいてチケットに付されるコードを生成し、該生成したコードが付されたチケットを出力するためのチケットデータを生成するように構成される、ことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の一実施形態として、
前記サーバ制御部は、前記決定した特徴量データと、前記サーバ記憶部が記憶する特徴量データとを比較して、所定の類似度を有する複数の特徴量データを決定する。
【0009】
また、本発明の一実施形態として、
前記サーバ記憶部が記憶する特徴量データは、実在しない人物又は不特定の実在する人物の生体情報から取得される特徴量データであって予め作成された特徴量データである。
【0010】
また、本発明の一実施形態として、
前記サーバ記憶部が記憶する特徴量データは、顔画像に基づいて取得可能な顔特徴の点、線、又は面に対応する特徴量を示す顔特徴量データである。
【0011】
また、本発明の一実施形態として、
前記サーバ記憶部が記憶する特徴量データは、特徴量データに基づいて生成された加工済特徴量データであり、
前記サーバ制御部は、前記決定した特徴量データと、前記サーバ記憶部が記憶する特徴量データとを比較する代わりに、前記決定した特徴量データと、前記サーバ記憶部が記憶する加工済特徴量データの基となる特徴量データとを比較して、所定の類似度を有する特徴量データに基づいて生成された加工済特徴量データを決定する。
【0012】
また、本発明の一実施形態として、
前記サーバ制御部は、前記情報処理サーバとネットワークを介して通信可能なクライアント端末に対して、前記生成したコードが付されたチケットを出力するためのチケットデータを送信するように構成される。
【0013】
本発明の一実施形態の情報処理システムは、
前記情報処理サーバ及び前記判定装置を含む情報処理システムであって、
前記判定装置は、
前記所定データ、並びに前記サーバ記憶部に記憶される特徴量データ及び特徴量識別情報と同一の特徴量データ及び該特徴量データに関連付けられた特徴量識別情報を記憶する判定装置記憶部と、
判定装置制御部と、を含み、
前記判定装置制御部は、
チケットに付されたコードからチケット識別情報、特徴量識別情報、及びチェック用データを取得し、
チケットを提示するユーザの生体情報を取得し、
前記判定装置記憶部において関連付けて記憶される特徴量データ及び特徴量識別情報に基づいて、前記取得した生体情報から決定した特徴量データと、前記取得した特徴量識別情報とが所定の基準を満たすか否かを判定し、及び、
前記取得したチケット識別情報及び前記取得した特徴量識別情報の少なくとも一方と、前記所定データとに基づいて前記所定の演算を行うことにより算出されたチェック用データと、前記取得したチェック用データとが一致するか否かを判定するように構成される、ことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の一実施形態として、
前記所定の基準は、
前記取得した生体情報から決定した特徴量データと、前記取得した特徴量識別情報が前記判定装置記憶部において関連付けられた特徴量データとが所定の類似度を有すること、及び
前記取得した生体情報から決定した特徴量データと、前記判定装置記憶部が記憶する特徴量データとを比較して、所定の類似度を有する特徴量データを決定して該特徴量データに関連付けられた特徴量識別情報を決定し、該決定した特徴量識別情報が前記取得した特徴量識別情報を含むこと、
の少なくとも一方である。
【0015】
本発明の一実施形態の情報処理システムは、
前記情報処理サーバ及び前記判定装置を含む情報処理システムであって、
前記判定装置は、
前記所定データ、及び前記サーバ記憶部に記憶される特徴量データと同一の特徴量データを記憶する判定装置記憶部と、
判定装置制御部と、を含み、
前記判定装置制御部は、
チケットに付されたコードからチケット識別情報、特徴量データ、及びチェック用データを取得し、
チケットを提示するユーザの生体情報を取得し、
前記取得した生体情報から決定した特徴量データと、前記取得した特徴量データとが所定の類似度を有するか否かを判定し、及び、
前記取得したチケット識別情報及び前記取得した特徴量データの少なくとも一方と、前記所定データとに基づいて前記所定の演算を行うことにより算出されたチェック用データと、前記取得したチェック用データとが一致するか否かを判定するように構成される、ことを特徴とする。
【0016】
本発明の一実施形態の判定装置は、
チケットの利用の正当性を判定するための判定装置であって、
チケットを出力するためのチケットデータを生成可能な情報処理サーバに記憶される所定データと同一の所定データ、並びに該情報処理サーバに記憶される生体情報から取得可能な特徴量データであって予め作成された特徴量データ及び該特徴量データに関連付けられた特徴量データを識別可能な特徴量識別情報と同一の特徴量データ及び該特徴量データに関連付けられた特徴量識別情報を記憶する判定装置記憶部と、
判定装置制御部と、を含み、
チケットは、チケットに割り当てられるチケットを識別可能なチケット識別情報及びチケットを利用するユーザの生体情報に基づいて決定された特徴量識別情報の少なくとも一方、並びに前記所定データに基づいて所定の演算を行うことにより算出されたチェック用データと、該チケット識別情報と、該特徴量識別情報とに基づいて生成されたコードが付されたものであり、
前記判定装置制御部は、
チケットに付されたコードからチケット識別情報、特徴量識別情報、及びチェック用データを取得し、
チケットを提示するユーザの生体情報を取得し、
前記判定装置記憶部において関連付けて記憶される特徴量データ及び特徴量識別情報に基づいて、前記取得した生体情報から決定した特徴量データと、前記取得した特徴量識別情報とが所定の基準を満たすか否かを判定し、及び、
前記取得したチケット識別情報及び前記取得した特徴量識別情報の少なくとも一方と、前記所定データとに基づいて前記所定の演算を行うことにより算出されたチェック用データと、前記取得したチェック用データとが一致するか否かを判定するように構成される、ことを特徴とする。
【0017】
本発明の一実施形態の判定装置は、
チケットの利用の正当性を判定するための判定装置であって、
チケットを出力するためのチケットデータを生成可能な情報処理サーバに記憶される所定データと同一の所定データ、及び該情報処理サーバに記憶される生体情報から取得可能な特徴量データであって予め作成された特徴量データと同一の特徴量データを記憶する判定装置記憶部と、
判定装置制御部と、を含み、
チケットは、チケットに割り当てられるチケットを識別可能なチケット識別情報及びチケットを利用するユーザの生体情報に基づいて決定された特徴量データの少なくとも一方、並びに前記所定データに基づいて所定の演算を行うことにより算出されたチェック用データと、該チケット識別情報と、該特徴量データとに基づいて生成されたコードが付されたものであり、
前記判定装置制御部は、
チケットに付されたコードからチケット識別情報、特徴量データ、及びチェック用データを取得し、
チケットを提示するユーザの生体情報を取得し、
前記判定装置記憶部に記憶される特徴量データと、前記取得した生体情報から決定した特徴量データとが所定の基準を満たすか否かを判定し、及び、
前記取得したチケット識別情報及び前記取得した特徴量データの少なくとも一方と、前記所定データとに基づいて前記所定の演算を行うことにより算出されたチェック用データと、前記取得したチェック用データとが一致するか否かを判定するように構成される、ことを特徴とする。
【0018】
本発明の一実施形態の方法は、
コンピュータにより実行される、チケットを管理するための方法であって、
前記方法は、生体情報から取得可能な特徴量を示す特徴量データであって予め作成された特徴量データ、該特徴量データに関連付けられた特徴量データを識別可能な特徴量識別情報、及びチケットの利用の正当性を判定するための判定装置に記憶される所定データと同一の所定データを記憶するデータベースを用いるものであり、
発券の申し込みを受け付けたチケットについてチケットを識別可能なチケット識別情報を決定又は予めチケットに割り当てられたチケット識別情報を取得するステップと、
入力されたチケットを利用するユーザの生体情報から特徴量データを決定するステップと、
前記決定した特徴量データと、前記データベースが記憶する特徴量データとを比較して、所定の類似度を有する特徴量データを決定して該特徴量データに関連付けられた特徴量識別情報を決定するステップと、
前記決定又は取得したチケット識別情報及び前記決定した特徴量識別情報の少なくとも一方と、前記所定データとに基づいて所定の演算を行うことによりチェック用データを算出し、該算出したチェック用データと、該決定又は取得したチケット識別情報と、該決定した特徴量識別情報とに基づいてチケットに付されるコードを生成し、該生成したコードが付されたチケットを出力するためのチケットデータを生成するステップと、
を含むことを特徴とする。
【0019】
本発明の一実施形態の方法は、
コンピュータにより実行される、チケットを管理するための方法であって、
前記方法は、生体情報から取得可能な特徴量を示す特徴量データであって予め作成された特徴量データ、及びチケットの利用の正当性を判定するための判定装置に記憶される所定データと同一の所定データを記憶するデータベースを用いるものであり、
発券の申し込みを受け付けたチケットについてチケットを識別可能なチケット識別情報を決定又は予めチケットに割り当てられたチケット識別情報を取得するステップと、
入力されたチケットを利用するユーザの生体情報から特徴量データを決定するステップと、
前記決定した特徴量データと、前記データベースが記憶する特徴量データとを比較して、所定の類似度を有する特徴量データを決定するステップと、
前記決定又は取得したチケット識別情報及び前記決定した特徴量データの少なくとも一方と、前記所定データとに基づいて所定の演算を行うことによりチェック用データを算出し、該算出したチェック用データと、該決定又は取得したチケット識別情報と、該決定した特徴量データとに基づいてチケットに付されるコードを生成し、該生成したコードが付されたチケットを出力するためのチケットデータを生成するステップと、
を含むことを特徴とする。
【0020】
本発明の一実施形態の方法は、
コンピュータにより実行される、チケットの利用の正当性を判定するための方法であって、
前記方法は、チケットを出力するためのチケットデータを生成可能な情報処理サーバに記憶される所定データと同一の所定データ、並びに該情報処理サーバに記憶される生体情報から取得可能な特徴量データであって予め作成された特徴量データ及び該特徴量データに関連付けられた特徴量データを識別可能な特徴量識別情報と同一の特徴量データ及び該特徴量データに関連付けられた特徴量識別情報を記憶するデータベースを用いるものであり、
チケットは、チケットに割り当てられるチケットを識別可能なチケット識別情報及びチケットを利用するユーザの生体情報に基づいて決定された特徴量識別情報の少なくとも一方、並びに前記所定データに基づいて所定の演算を行うことにより算出されたチェック用データと、該決定されたチケット識別情報と、該決定された特徴量識別情報とに基づいて生成されたコードが付されたものであり、
チケットに付されたコードからチケット識別情報、特徴量識別情報、及びチェック用データを取得するステップと、
チケットを提示するユーザの生体情報を取得するステップと、
前記データベースにおいて関連付けて記憶される特徴量データ及び特徴量識別情報に基づいて、前記取得した生体情報から決定した特徴量データと、前記取得した特徴量識別情報とが所定の基準を満たすか否かを判定するステップと、
前記取得したチケット識別情報及び前記取得した特徴量識別情報の少なくとも一方と、前記所定データとに基づいて前記所定の演算を行うことにより算出されたチェック用データと、前記取得したチェック用データとが一致するか否かを判定するステップと、
を含むことを特徴とする。
【0021】
本発明の一実施形態の方法は、
コンピュータにより実行される、チケットの利用の正当性を判定するための方法であって、
前記方法は、チケットを出力するためのチケットデータを生成可能な情報処理サーバに記憶される所定データと同一の所定データ、及び該情報処理サーバに記憶される生体情報から取得可能な特徴量データであって予め作成された特徴量データと同一の特徴量データを記憶するデータベースを用いるものであり、
チケットは、チケットに割り当てられるチケットを識別可能なチケット識別情報及びチケットを利用するユーザの生体情報に基づいて決定された特徴量データの少なくとも一方、並びに前記所定データに基づいて所定の演算を行うことにより算出されたチェック用データと、該決定されたチケット識別情報と、該決定された特徴量データとに基づいて生成されたコードが付されたものであり、
チケットに付されたコードからチケット識別情報、特徴量データ、及びチェック用データを取得するステップと、
チケットを提示するユーザの生体情報を取得するステップと、
前記データベースに記憶される特徴量データと、前記取得した生体情報から決定した特徴量データとが所定の基準を満たすか否かを判定するステップと、
前記取得したチケット識別情報及び前記取得した特徴量データの少なくとも一方と、前記所定データとに基づいて前記所定の演算を行うことにより算出されたチェック用データと、前記取得したチェック用データとが一致するか否かを判定するステップと、
を含むことを特徴とする。
【0022】
本発明の一実施形態のプログラムは、上記に記載の方法の各ステップをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、チケットを利用するユーザの生体情報の漏洩リスクを低減させつつ、チケットの不正利用を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の第1の実施形態の情報処理システムの全体構成図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態の情報処理サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態のクライアント端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態のチケット販売サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態の情報処理サーバの機能ブロック図の一例である。
【
図6】本発明の実施形態の特徴量テーブルの一例である。
【
図7】本発明の第1の実施形態の情報処理サーバの動作を示すフローチャートである。
【
図8】チケットデータに基づいて出力された紙媒体のチケットの一例を示す図である。
【
図9】本発明の第1の実施形態の判定装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図10】本発明の第1の実施形態の判定装置の機能ブロック図の一例である。
【
図11】本発明の第1の実施形態の判定装置の動作を示すフローチャートである。
【
図12】本発明の第2の実施形態の情報処理サーバの動作を示すフローチャートである。
【
図13】本発明の第3の実施形態の情報処理サーバの動作を示すフローチャートである。
【
図14】本発明の第4の実施形態の情報処理サーバの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。本発明の主な実施形態は、情報処理サーバ1、判定装置2、又はこれらを含む情報処理システム10である。各図において同一の符号は、特に言及が無い限り同一又は相当部分を示すものとし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。本発明の実施形態で説明するデータベースにおけるデータ構造やデータベース構造は一例であって、これらに限定されない。
【0026】
本発明の実施形態では、チケットは、コンサートやスポーツの試合などの所定のイベントへ入場するために必要な入場券である。チケットは、電子チケット及び紙媒体のチケットを含む。本発明の実施形態で説明するチケットは、発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、クーポンや上記で説明した入場券以外のチケットを含むことができるものであり、財産的な価値を有する任意の媒体とすることもできる。
【0027】
[第1の実施形態]
[情報処理システム]
図1は、本発明の第1の実施形態の情報処理システム10の全体構成図である。
図1に示すように、情報処理システム10は、情報処理サーバ1と、判定装置2と、クライアント端末3と、チケット販売サーバ4とを備える。情報処理サーバ1は、チケットに関する情報を管理するための装置である。判定装置2は、イベントの会場の入場口に設置され、チケットの利用の正当性を判定する。チケットの利用の正当性を判定することは、提示されるチケットとチケットを利用するユーザとの組み合わせが正当であるか否か、すなわちチケットを利用するユーザが当該チケットの正当な保有者であるか否かを判定することを含む。またチケットの利用の正当性を判定することは、チケット自体の正当性(例えばチケットが偽造チケットではないこと)を判定することも含む。例えば判定装置2は、入場時のチケットの検札や照合のための装置として具現化されるか、又は該装置の一部として具現化される。
【0028】
情報処理サーバ1及び判定装置2は、ネットワーク5に接続され、互いに通信可能である。情報処理サーバ1、クライアント端末3、及びチケット販売サーバ4は、ネットワーク6に接続され、互いに通信可能である。
図1は、判定装置2が、クライアント端末3及びチケット販売サーバ4と通信しない又は通信できないように構成されるため、これらと異なるネットワーク5を介して情報処理サーバ1と接続されることを示している。しかし、判定装置2は、クライアント端末3及びチケット販売サーバ4と同一のネットワークを介して情報処理サーバ1と接続されてもよい。例えば、ネットワーク5、6は、インターネットである。また、判定装置2は、イベントの会場に設置されてチケットの利用の正当性を判定する前に情報処理サーバ1と通信可能であればよく、チケットの利用の正当性を判定するとき、判定装置2は、情報処理サーバ1とネットワーク5を介して接続されなくてもよい。本発明の実施形態において、クライアント端末3及びチケット販売サーバ4は、公知の装置とすることができるため、情報処理システム10は、クライアント端末3及びチケット販売サーバ4を含まなくてもよい。
【0029】
[情報処理サーバ]
図2は、本発明の第1の実施形態の情報処理サーバ1のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理サーバ1は、一般的なサーバと同様の構成を備える。情報処理サーバ1は、プロセッサ11、入力装置12、表示装置13、記憶装置14、及び通信装置15を備える。これらの各構成装置はバス16によって接続される。なお、バス16と各構成装置との間には必要に応じてインタフェースが介在しているものとする。情報処理サーバ1は、複数のコンピュータにより構成されてもよい。
【0030】
プロセッサ11は、情報処理サーバ1の動作を制御するものであり、例えばCPUである。なお、プロセッサ11としては、MPU等の電子回路が用いられてもよい。プロセッサ11は、記憶装置14に格納されているプログラムやデータを読み込んで実行することにより、様々な処理を実行する。
【0031】
入力装置12は、情報処理サーバ1に対するユーザからの入力を受け付けるユーザインタフェースであり、例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス、又はキーボードである。表示装置(ディスプレイ)13は、プロセッサ11の制御に従って、アプリケーションの画面などを情報処理サーバ1のユーザに表示するものである。
【0032】
記憶装置14は、主記憶装置及び補助記憶装置を含む。主記憶装置は、例えばRAMのような半導体メモリである。RAMは、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、プロセッサ11が情報を処理する際の記憶領域及び作業領域として用いられる。補助記憶装置は、様々なプログラムや、各プログラムの実行に際してプロセッサ11が使用するデータを格納する。補助記憶装置は、例えばハードディスク装置であるが、情報を格納できるものであればいかなる不揮発性ストレージ又は不揮発性メモリであってもよく、着脱可能なものであっても構わない。
【0033】
通信装置15は、ネットワークを介してユーザ端末又はサーバなどの他のコンピュータとの間でデータの授受を行うことが可能な無線LANモジュールである。通信装置15は、Bluetooth(登録商標)モジュールなどの他の無線用通信デバイスとすることもできるし、イーサネット(登録商標)モジュールやUSBインタフェースなどの有線用通信デバイスとすることもできる。
【0034】
図3は、本発明の第1の実施形態のクライアント端末3のハードウェア構成を示すブロック図である。例えばクライアント端末3は、チケット販売店などに設置されたコンピュータであるか、又はチケットを利用するユーザが保有するコンピュータ、タブレット端末、若しくはスマートフォンである。クライアント端末3は、プロセッサ51、入力装置52、表示装置53、記憶装置54、及び通信装置55を備える。これらの各構成装置はバス56によって接続される。なお、バス56と各構成装置との間には必要に応じてインタフェースが介在しているものとする。プロセッサ51、入力装置52、表示装置53、記憶装置54、及び通信装置55の各要素は、前述したプロセッサ11、入力装置12、表示装置13、記憶装置14、及び通信装置15に各々対応するものであり、同様の構成を有するため、説明は省略する。1つの例では、クライアント端末3は、ウェブブラウザがインストールされる。ユーザはウェブブラウザを用いてウェブページを閲覧したり、ウェブページ上の入力フォームを用いてデータをウェブサーバに送信したりすることができる。
【0035】
図4は、本発明の第1の実施形態のチケット販売サーバ4のハードウェア構成を示すブロック図である。チケット販売サーバ4は、一般的なサーバと同様の構成を備える。チケット販売サーバ4は、プロセッサ61、入力装置62、表示装置63、記憶装置64、及び通信装置65を備える。これらの各構成装置はバス66によって接続される。なお、バス66と各構成装置との間には必要に応じてインタフェースが介在しているものとする。プロセッサ61、入力装置62、表示装置63、記憶装置64、及び通信装置65の各要素は、前述したプロセッサ11、入力装置12、表示装置13、記憶装置14、及び通信装置15に各々対応するものであり、同様の構成を有するため、説明は省略する。チケット販売サーバ4は、複数のコンピュータにより構成されてもよい。
【0036】
図5は本発明の第1の実施形態の情報処理サーバ1の機能ブロック図の一例である。情報処理サーバ1は、サーバ制御部21と、サーバ記憶部22とを備える。本実施形態においては、プログラムがプロセッサ11により実行されることにより又は記憶装置14によりこれらの機能が実現される。例えば実行されるプログラムは、記憶装置14に記憶されている又は通信装置15を介して受信したプログラムである。プログラム読み込みにより実現される機能は、1つのパート(機能)の一部又は全部を他のパートが有していてもよい。ただし、各機能の一部又は全部を実現するための電子回路等を構成することによりハードウェアによってもこれらの機能は実現してもよい。
【0037】
サーバ制御部21は、チケットに関する情報を管理し、発券に必要なデータを生成する。情報処理サーバ1は、ウェブサーバとして機能することができ、サーバ制御部21は、ウェブページの生成や送信等の処理を行う機能を備えることができる。情報処理サーバ1は、アプリケーションサーバとしても機能することができ、サーバ制御部21は、データベースへの接続制御やトランザクション処理等を行う機能を備えることができる。
【0038】
サーバ記憶部22は、プログラムやデータなどを記憶する機能を備える。サーバ記憶部22の当該機能は、記憶装置14により実現される。サーバ記憶部22は、ウェブページを提供するためのデータ、例えば、HTML文書、画像、アプリケーションサーバ機能のためのプログラム、などを記憶することができる。本実施形態では、サーバ記憶部22は、データベース機能を備える。データベース機能は、記憶装置14が各種データベース用のデータ(例えばテーブル)やプログラムを記憶し、プログラムが実行されることにより実現される。
【0039】
サーバ記憶部22は、イベントテーブル24と、チケットブックテーブル25と、特徴量テーブル26と、チケットテーブル27とを記憶する。
【0040】
イベントテーブル24は、データ項目として、イベントIDと、イベントの名称、開催日、開催場所などの情報を含むイベント情報とを含む。データ項目は、カラムに対応するものである。イベントテーブル24は、データ項目として、興行主に関する情報を記憶する興行主テーブルと関連付けるための興行主IDを含むこともできる。イベントテーブル24の主キーは、イベントIDであり、イベントIDは、イベントを識別可能なイベント識別情報の1つの例示である。チケットブックテーブル25は、データ項目として、チケットブックIDと、イベントIDとを含む。チケットブックテーブル25の主キーは、チケットブックIDである。特徴量テーブル26は、特徴量IDと、顔画像に基づいて取得可能な顔特徴量データとを含む。特徴量テーブル26の主キーは、特徴量IDであり、特徴量IDは、顔特徴量データを識別可能な特徴量識別情報の1つの例示である。チケットテーブル27は、データ項目として、チケットIDと、チケットブックIDと、チケットの席や金額などの情報を含むチケット詳細情報と、特徴量IDとを含む。チケットテーブル27の主キーは、チケットIDであり、チケットIDは、チケットを識別可能なチケット識別情報の1つの例示である。本実施形態では、チケットID、特徴量ID、及びイベントIDは、数値データである。ただし、これらのIDは、数値データとして扱うことができる他のデータなどとしてもよい。サーバ記憶部22は、データ項目として、興行主IDと、契約内容などの情報を含む興行主情報とを含む興行主テーブルを記憶してもよい。
【0041】
チケットは、イベントの各々に対して発行されるものであるため、一のイベントにおいて発行されるチケットのチケットIDは、該一のイベントのイベントIDが関連付けられる。本実施形態では、チケットテーブル27でチケットIDとチケットブックIDが関連付けられ、かつチケットブックテーブル25でチケットブックIDとイベントIDが関連付けられることにより、チケットIDがイベントIDに関連付けられている。
【0042】
顔特徴量データは、既知の特徴量抽出方法により顔画像から抽出又は取得される顔特徴の点、線、又は面に対応する特徴量を示す特徴量データである。例えば、顔特徴量データは、顔画像に対して既知のソフトウェアライブラリのプログラムを実行することにより取得されるものであり、多次元ベクトルで表される。
図6は、特徴量テーブル26の一例である。1つの例では、
図6に示すように、顔特徴量データは、既知の顔特徴量抽出プログラムを用いて取得された128次元ベクトル(128次元配列構造)の数値情報を示すデータであり、128次元ベクトルの各次元の数値の各々をそのまま並べたデータである。当該顔特徴量抽出プログラムは、サーバ記憶部22(記憶装置14)に記憶される。顔特徴量抽出プログラムは、学習済モデルであってもよい。なお、顔画像は、2次元データであってもよいし、3次元形状を含む3次元データであってもよい。
【0043】
特徴量テーブル26が記憶する顔特徴量データは、実在しない人物又は不特定の実在する人物の顔画像から取得される顔特徴量データであり、上述の顔特徴量抽出プログラムを用いて予め作成される。特徴量テーブル26は、予め準備した複数(例えば5千)の実在しない人物又は不特定の実在する人物の顔画像から取得された複数(例えば5千)の顔特徴量データを記憶する。このように、特徴量テーブル26は、実在しない人物又は不特定の実在する人物の顔画像の各々に対応する顔特徴量データの各々を記憶するが、チケットを利用するユーザの顔画像に対応する顔特徴量データを記憶するものではない。
【0044】
ただし、サーバ記憶部22が記憶する上記のデータ構造は1つの例示である。1つの好適な例では、サーバ記憶部22は、チケットIDと、予め作成された顔特徴量データと、該顔特徴量データに関連付けられた特徴量IDと、判定装置2に記憶されるイベントIDと同一のイベントIDとを記憶する。
【0045】
本実施形態では、サーバ制御部21は、チケットIDごとに、チケット管理用ウェブページ(チケット管理用ウェブサイト)を作成する機能を備える。1つの例では、チケット管理用ウェブページは、顔画像を登録するための画面と、チケットを出力するためのチケットデータを表示するための画面を含む。チケットデータは、チケット券面を表示するためのデータということもできる。
【0046】
チケット販売サーバ4は、チケット販売元が運営する公知のサーバ装置又はサーバシステムである。チケット販売サーバ4は、ウェブサーバとして機能し、クライアント端末3からの要求に応じてチケット販売サイト(チケット販売ページ)等のウェブページの生成や送信等の処理を行う。チケット販売サーバ4は、アプリケーションサーバとしても機能することができ、チケット販売処理に関するデータベースへの接続制御やトランザクション処理等を行うことができる。記憶装置64は、ウェブページを提供するためのデータ、例えば、HTML文書、画像、アプリケーションサーバ機能のためのプログラム、などを記憶することができる。
【0047】
チケット販売サーバ4は、チケット販売元の管理対象のチケットに関するチケット情報と各チケットが購入されたか否かを示すチケット在庫情報とを記憶するチケット販売データベースを備える。チケット販売データベースが記憶するチケット情報は、例えばイベントの開催日や開催場所を含むイベント情報、席の種別又は具体的な席番号や金額情報を含むチケット詳細情報などであり、チケットを販売するために必要な情報を含む。
【0048】
ユーザは、クライアント端末3を操作し、チケット販売サイトを介して、チケットの選択、選択したチケットの購入申し込みや決済処理などを行う。チケット販売サーバ4は、購入の申し込みを受け付けたチケット情報及びユーザ情報を含む注文情報をクライアント端末3から受信する。注文情報が含むチケット情報は、例えばイベントの開催日や開催場所を含むイベント情報、席の種別又は具体的な席番号や金額情報を含むチケット詳細情報などであり、チケットを特定するために必要な情報を含む。本実施形態では、注文情報が含むユーザ情報は、チケット販売サイトを介してクライアント端末3が入力を受け付けたユーザのメールアドレスである。メールアドレスは電話番号やSNSやチャットツールのIDなどとすることもできる。注文情報は、クライアント端末3から受け付けた注文ごとに作成され、チケット販売サーバ4に送信される。
【0049】
図7は本発明の第1の実施形態の情報処理サーバ1の動作を示すフローチャートである。
【0050】
ステップ101において、クライアント端末3は、チケット販売サイトを介してチケットの購入の申し込みの入力を受け付ける。クライアント端末3は、チケット販売サイトを介して、購入の申し込みを受け付けたチケットに関するチケット情報及びユーザ情報を含む注文情報をチケット販売サーバ4に送信する。購入の申し込みを受け付けたチケット情報は、1又は複数のチケットに関するチケット情報である。
【0051】
ステップ102において、チケット販売サーバ4は、クライアント端末3から注文情報を受信することにより、クライアント端末3からのチケットの購入の申し込みを受け付け、チケット販売データベースを更新する。
【0052】
ステップ103において、チケット販売サーバ4は、受け付けた注文情報ごとに、該注文情報を情報処理サーバ1に送信する。このように、チケット販売サーバ4が情報処理サーバ1に対して、注文情報を送信することにより、チケット販売サーバ4と情報処理サーバ1は、サーバ間でデータを同期することができる。このサーバ間での同期は、定期的に行われてもよい。情報処理サーバ1は、チケット販売サーバ4から注文情報を受信し、チケットの購入の申し込みを受け付ける。
【0053】
ステップ104において、サーバ制御部21は、購入の申し込みを受け付けたチケットについてチケットIDを決定する。具体的には、サーバ制御部21は、受信した注文情報により特定されるチケットに関連付けるチケットブックID及びチケットIDを決定する。1つの例では、購入の申し込みを受け付けたチケットについてチケットIDを決定することは、チケットの購入の申し込みに応じてチケットIDを新たに作成し、申し込みを受け付けたチケットに割り当てることである。1つの例では、購入の申し込みを受け付けたチケットについてチケットIDを決定することは、チケットの購入の申し込みを受け付けたチケットに、チケットテーブル27において予め作成されたチケットIDを割り当てることである。上記例示は、チケットブックIDについても同様である。
【0054】
サーバ制御部21は、受信したチケット情報が含むイベント情報に対応するイベントIDを決定し、チケットブックIDに関連付けてチケットブックテーブル25に記憶する。サーバ制御部21は、チケットIDと同一の注文情報に対して決定したチケットブックIDを、該チケットIDに関連付けてチケットテーブル27に記憶する。例えばチケット販売サーバ4から受信したチケット情報が複数のチケット(A枚のチケット)に関するチケット情報である場合、サーバ制御部21は、1つのチケットブックIDと、A個のチケットIDとを決定する。1つの例では、サーバ制御部21は、受信したチケット情報のうちのチケット詳細情報をチケットIDに関連付けてチケットテーブル27に記憶する。
【0055】
対象のイベントに関するチケットが発行される前に、当該イベントのイベントIDは作成され、イベントテーブル24には、当該作成されたイベントIDと、イベントIDに関連付けられたイベント情報とが記憶される。ステップ104で決定されるイベントIDは、該イベントIDに関連付けられたチケットIDが割り当てられたチケットの利用の正当性が判定される判定装置2に記憶されるイベントIDと同一のものである。情報処理サーバ1は、チケット販売サーバ4とイベントIDを共有してもよく、この場合、情報処理サーバ1がチケット販売サーバ4から受信するチケット情報は、イベントIDを含む。なお、情報処理サーバ1が受信する注文情報は、チケット情報及びユーザ情報を含むものであれば、チケット販売サーバ4がクライアント端末3から受信した注文情報と同一でなくてもよい。
【0056】
ステップ105において、サーバ制御部21は、受信した注文情報に含まれるユーザ情報が含むユーザのメールアドレスに、チケットIDに紐付けられたチケット管理用ウェブページのアドレス(URL)を送信する。サーバ制御部21は、1つのチケットIDに対して1つのチケット管理用ウェブページのアドレスを送信する。
【0057】
ステップ106において、クライアント端末3は、情報処理サーバ1から受信したURLにアクセスし、チケット管理用ウェブページを表示する。チケット管理用ウェブページは、ユーザに対して顔画像の入力を求める画面を表示する。クライアント端末3は、チケット管理用ウェブページを介して、ユーザから顔画像の入力を受け付け、情報処理サーバ1へ送信する。
【0058】
ステップ107において、入力されたチケットを利用するユーザの顔画像から顔特徴量データを決定する。1つの例では、サーバ制御部21は、サーバ記憶部22に記憶される顔特徴量抽出プログラムを用いて、受信した顔画像から顔特徴量データを決定する。例えば、サーバ制御部21が顔特徴量データを決定することは、受信した顔画像から顔特徴量データを算出すること、又は受信した顔画像から顔特徴量データを取得することである。
【0059】
ステップ108において、サーバ制御部21は、ステップ107で決定した顔特徴量データと、特徴量テーブル26が記憶する顔特徴量データとを比較して、特徴量テーブル26が記憶する顔特徴量データのうちの所定の類似度を有する顔特徴量データを決定する。1つの例では、ステップ108において、サーバ制御部21は、ステップ107で決定した顔特徴量データに対して、特徴量テーブル26が記憶する顔特徴量データの各々を比較して、各々の類似度を算出する。或いは、1つの例では、サーバ制御部21は、ステップ107で決定した顔特徴量データに対して、特徴量テーブル26が記憶する顔特徴量データのうちの所定の顔特徴量データの各々を比較して、各々の類似度を算出する。サーバ制御部21は、決定した顔特徴量データに関連付けられた特徴量IDを決定する。1つの例では、サーバ制御部21は、チケットIDに関連付けて決定した特徴量IDをチケットテーブル27に記憶する。本実施形態では、説明の便宜上、サーバ制御部21は、特徴量テーブル26が記憶する顔特徴量データのうちの1つの顔特徴量データを決定するものとする。なお、情報処理の演算量を低減するため、ステップ107でサーバ制御部21が決定する顔特徴量データと、特徴量テーブル26が記憶する顔特徴量データとは、同様のデータ構造とすることができる。このことは、他の実施形態でも同様である。
【0060】
本実施形態では、顔特徴量データは、128次元ベクトルの数値情報を示すデータであり、類似度は、比較する2つの顔特徴量データのユークリッド距離に対応する。サーバ制御部21は、比較する2つの顔特徴量データのユークリッド距離が所定値以下であるか否かを判定する。すなわち、サーバ制御部21は、ステップ107で決定した顔特徴量データと、特徴量テーブル26が記憶する顔特徴量データとのユークリッド距離が所定値以下である顔特徴量データを、特徴量テーブル26が記憶する顔特徴量データから決定する。1つの例では、サーバ制御部21は、ユークリッド距離が所定値以下である任意の顔特徴量データを決定する。或いは、1つの例では、サーバ制御部21は、ユークリッド距離が最も小さい顔特徴量データを決定する。
【0061】
ステップ109において、サーバ制御部21は、ステップ104で決定したチケットIDと、ステップ108で決定した特徴量IDと、ステップ104で決定したイベントIDとに基づいて所定の演算を行うことによりチェック用データを算出する。サーバ制御部21は、ステップ104で決定したチケットIDと、ステップ108で決定した特徴量IDと、算出したチェック用データとに基づいてチケットに付されるコードを生成する。サーバ制御部21は、生成したコードが付されたチケットを出力するためのチケットデータを生成する。
【0062】
本実施形態では、所定の演算はチェック用データ算出プログラムにより実現され、サーバ制御部21は、チェック用データ算出プログラムを用いて、チェック用データを算出する。1つの例では、チェック用データ算出プログラムは、ステップ104で決定したチケットID、ステップ108で決定した特徴量ID、及びステップ104で決定したイベントIDの和を算出し、その下1桁又は下2桁をチェック用データとして算出する。1つの例では、チェック用データ算出プログラムは、ステップ104で決定したチケットID、ステップ108で決定した特徴量ID、及びステップ104で決定したイベントIDを所定の関数に入力し、出力された値をチェック用データとして算出する。例えば所定の関数は、一方向関数である。このように、チェック用データは、複数の値を用いて所定の演算を行うことにより算出されるものであるため、チェック用データから元の値を求めることは難しい。1つの例では、チェック用データは、1又は複数桁の数値データである。1つの例では、チェック用データは、チェックデジットである。当該チェック用データ算出プログラムは、サーバ記憶部22に記憶される。
【0063】
サーバ制御部21が生成するコードは、チケットID、特徴量ID、及びチェック用データの各々に対応するデータを格納するQRコード(登録商標)である。例えば、当該データの各々は、QRコード(登録商標)のデータ領域における予め決められた位置に格納される。ただし、サーバ制御部21が生成するコードは、QRコード(登録商標)以外の他の1次元コード又は2次元コードとすることもできる。
【0064】
1つの例では、情報処理サーバ1は、チケット管理用ウェブページを介して、ステップ109で生成されたチケットデータをクライアント端末3に送信し、クライアント端末3は、チケットデータを受信する。1つの例では、情報処理サーバ1は、ユーザのメールアドレスに、生成されたチケットデータをダウンロードできるウェブページのアドレスを送信する。
【0065】
クライアント端末3は、受信したチケットデータに基づいて、ステップ109で生成されたコードが付されたチケットを出力する。1つの例では、クライアント端末3は、受信したチケットデータに基づいて、ステップ109で生成されたコードが付されたチケットを電子チケットとして表示装置53上に表示する。1つの例では、クライアント端末3は、受信したチケットデータに基づいて、ステップ109で生成されたコードが付された紙媒体のチケットを、クライアント端末3と通信可能に接続されたプリンタから出力する。クライアント端末3は、チケットデータが画像データである場合、その画像をそのまま表示し、チケットデータが加工されたデータ又は暗号化されたデータである場合、対応するアプリケーションを用いてチケットを出力する。なお、購入の申し込みを受け付けるクライアント端末3、顔画像の入力を受け付けるクライアント端末3、及びチケットデータを受信するクライアント端末3は、使用態様に応じて、同一の端末とすることもできるし、異なる端末が使用可能に構成することもできる。
【0066】
1つの例では、サーバ制御部21は、ステップ109でチケットデータを生成した後に、チケット管理用ウェブページを介して、チケットを利用するユーザの変更を受け付けることができる。ユーザが譲渡されたチケットの正当な保有者となるためには、該ユーザは、クライアント端末3を操作して、当該チケットのIDに紐付けられたチケット管理用ウェブページにアクセスし、該ユーザの顔画像を入力する必要がある。サーバ制御部21は、例えば譲渡されたチケットのチケットIDに紐付けられたチケット管理用ウェブページを介して、チケットを利用するユーザの顔画像の入力を受け付けることができる。サーバ制御部21は、ユーザの顔画像の入力を新たに受け付けると、ステップ107~109の処理を実行し、新たなチケットデータを生成する。
【0067】
図8は、チケットデータに基づいて出力された紙媒体のチケットの一例を示す図である。
図10に示すように、紙媒体のチケットには、イベントの名称、開催日、開催場所などのイベント情報71と、サーバ制御部21により生成されたQRコード(登録商標)72とが印刷される。電子チケットも、紙媒体のチケットと同様にして、イベント情報71と、QRコード(登録商標)72とを含む。
【0068】
本実施形態では、チケットを利用するユーザの顔画像が入力されて情報処理サーバ1が該顔画像を取得できる場合、情報処理サーバ1は、本フローチャートがステップ105と106を含まないように構成することができる。本実施形態では、情報処理サーバ1は、購入の申し込みを受け付けたチケットに関する注文情報を受け取れればよく、本フローチャートがステップ101~ステップ103を含まないように構成することができる。
【0069】
[判定装置]
図9は、本発明の第1の実施形態の判定装置2のハードウェア構成を示すブロック図である。判定装置2は、プロセッサ31、入力装置32、表示装置33、撮影装置34、記憶装置35、及び通信装置36を備える。これらの各構成装置はバス37によって接続される。なお、バス37と各構成装置との間には必要に応じてインタフェースが介在しているものとする。本実施形態では、判定装置2は、iPad(登録商標)のようなタブレット端末である。ただし、判定装置2は、タブレット端末に限定されない。例えば、判定装置2は、判定装置2の主な機能を備える本体部と、本体部と通信可能に接続された撮影装置34とを備える構成とすることもできる。
【0070】
プロセッサ31は、情報処理サーバ1の動作を制御するものであり、例えばCPUである。なお、プロセッサ31としては、MPU等の電子回路が用いられてもよい。プロセッサ31は、記憶装置35に格納されているプログラムやデータを読み込んで実行することにより、様々な処理を実行する。
【0071】
入力装置32は、情報処理サーバ1に対するユーザからの入力を受け付けるユーザインタフェースである。表示装置(ディスプレイ)33は、プロセッサ31の制御に従って、アプリケーションの画面などを情報処理サーバ1のユーザに表示するものである。本実施形態では、判定装置2は、入力装置32としてタッチパネル38を備え、タッチパネル38は表示装置33としても機能し、入力装置32と表示装置33は一体となった構造である。
【0072】
撮影装置(撮像装置)34は、実空間の静止画又は動画を撮影(撮像)するものであり、撮影した画像又は動画データを記憶装置35に格納する。撮影装置34は、例えばイメージセンサなどから構成されるカメラである。
【0073】
記憶装置35は、主記憶装置及び補助記憶装置を含む。主記憶装置は、例えばRAMのような半導体メモリである。RAMは、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、プロセッサ31が情報を処理する際の記憶領域及び作業領域として用いられる。補助記憶装置は、様々なプログラムや、各プログラムの実行に際してプロセッサ31が使用するデータを格納する。補助記憶装置は、例えばハードディスク装置であるが、情報を格納できるものであればいかなる不揮発性ストレージ又は不揮発性メモリであってもよく、着脱可能なものであっても構わない。
【0074】
通信装置36は、ネットワークを介してユーザ端末又はサーバなどの他のコンピュータとの間でデータの授受を行うことが可能な無線LANモジュールである。通信装置36は、Bluetooth(登録商標)モジュールなどの他の無線用通信デバイスとすることもできるし、イーサネット(登録商標)モジュールやUSBインタフェースなどの有線用通信デバイスとすることもできる。なお、判定装置2は、チケットの利用の正当性を判定するときに情報処理サーバ1からデータを受け取れるように構成されていればよいため、判定装置2は、通信装置36を備えなくてもよい。
【0075】
図10は本発明の第1の実施形態の判定装置2の機能ブロック図の一例である。判定装置2は、判定装置制御部41と、判定装置記憶部42とを備える。本実施形態においては、プログラムがプロセッサ31により実行されることにより又は記憶装置35によりこれらの機能が実現される。例えば実行されるプログラムは、記憶装置35に記憶されている又は通信装置15を介して受信したプログラムである。プログラム読み込みにより実現される機能は、1つのパート(機能)の一部又は全部を他のパートが有していてもよい。ただし、各機能の一部又は全部を実現するための電子回路等を構成することによりハードウェアによってもこれらの機能は実現してもよい。
【0076】
本実施形態では、判定装置記憶部42は、データベース機能を備える。データベース機能は、記憶装置35が各種データベース用のデータ(例えばテーブル)やプログラムを記憶し、プログラムが実行されることにより実現される。
【0077】
判定装置制御部41は、チケットの利用の正当性、例えば提示されるチケットとチケットを利用するユーザとの組み合わせが正当であるか否か、を判定する。判定装置記憶部42は、プログラムやデータなどを記憶する機能を備える。判定装置記憶部42の当該機能は、記憶装置35により実現される。判定装置記憶部42は、サーバ記憶部22に記憶される特徴量テーブル26と同一の特徴量テーブルである特徴量テーブル46を記憶する。特徴量テーブル46は、判定装置2がイベントの会場に設置されてチケットの利用の正当性を判定する前に記憶される。
【0078】
図11は本発明の第1の実施形態の判定装置2の動作を示すフローチャートである。判定装置2は、チケットを利用するユーザがイベントの会場に入場する際に撮影装置34がチケットと利用するユーザの顔を撮影できるようにイベントの会場の入場口に設置される。判定装置記憶部42(記憶装置35)は、設置された対象のイベントのイベントIDを記憶する。
【0079】
ステップ201において、判定装置制御部41は、撮影装置34を動作させて、チケットとチケットを提示するユーザを撮影し、ユーザの顔画像を取得するとともにチケットに付されたコードからチケットID、特徴量ID、及びチェック用データを取得する。1つの例では、判定装置制御部41は、ユーザの顔及びチケットに付されたコードを撮影する際、撮影している画像を表示装置33に表示し、所定の領域にチケットを利用するユーザの顔とチケットを移動させるように誘導させる表示をする。1つの例では、コードを撮影すると該コードが含むデータを取得するプログラムが判定装置2にインストールされることにより、判定装置制御部41の当該機能は実現される。
【0080】
ステップ202において、判定装置制御部41は、サーバ記憶部22に記憶される顔特徴量抽出プログラムと同一の顔特徴量抽出プログラムを用いて、取得したユーザの顔画像から顔特徴量データを決定する。当該顔特徴量抽出プログラムは、判定装置記憶部42に記憶される。
【0081】
ステップ203において、判定装置制御部41は、特徴量テーブル46において関連付けて記憶される特徴量ID及び顔特徴量データに基づいて、ステップ201で取得した特徴量IDと、ステップ202で決定した顔特徴量データとが所定の基準を満たすか否かを判定する。
【0082】
1つの例では、所定の基準を満たすか否かを判定することは、ステップ202で決定した顔特徴量データと、ステップ201で取得した特徴量IDが特徴量テーブル46で関連付けられた顔特徴量データとが所定の類似度を有するか否かを判定することである。この場合、所定の基準を満たすことは、当該所定の類似度を有することである。1つの例では、所定の基準を満たすか否かを判定することは、ステップ202で決定した顔特徴量データと、特徴量テーブル46が記憶する顔特徴量データとを比較して、特徴量テーブル46が記憶する顔特徴量データのうちの所定の類似度を有する顔特徴量データを決定して該顔特徴量データに関連付けられた特徴量IDを決定(取得)し、決定した特徴量IDがステップ201で取得した特徴量IDを含むか否かを判定することである。この場合、所定の基準を満たすことは、当該特徴量IDを含むことである。1つの例では、所定の基準を満たすか否かを判定することは、上記の2つの例の判定をいずれも満たすか否かを判定することである。この場合、所定の基準を満たすことは、当該所定の類似度を有し、かつ当該特徴量IDを含むことである。ステップ203における所定の類似度は、サーバ制御部21のステップ108の処理における所定の類似度と同じ基準であることが好ましい。
【0083】
ステップ203で所定の基準を満たすと判定された場合、本フローチャートの処理はステップ204へ進み、ステップ203で所定の基準を満たさないと判定された場合、本フローチャートの処理はステップ206へ進む。
【0084】
ステップ204において、判定装置制御部41は、ステップ201で取得したチケットID及び特徴量IDと、判定装置記憶部42に記憶されるイベントIDとに基づいて所定の演算を行うことによりチェック用データを算出する。判定装置制御部41は、算出したチェック用データと、ステップ201で取得したチェック用データとが一致するか否かを判定する。所定の演算は、ステップ109においてサーバ制御部21がチェック用データを算出する際に行った演算と同一の処理である。本実施形態では、判定装置記憶部42は、記憶装置14に記憶されるチェック用データ算出プログラムと同一のチェック用データ算出プログラムを記憶する。所定の演算は、判定装置記憶部42に記憶されるチェック用データ算出プログラムにより実現され、判定装置制御部41は、該チェック用データ算出プログラムを用いて、チェック用データを算出する。上記については、他の実施形態でも同様である。
【0085】
ステップ204で一致すると判定された場合、本フローチャートの処理はステップ205へ進み、ステップ204で一致しないと判定された場合、本フローチャートの処理はステップ206へ進む。ステップ205において、判定装置制御部41は、提示されるチケットとチケットを利用するユーザの組み合わせは正しい組み合わせであり、正当な利用であると判定する。ステップ206において、判定装置制御部41は、提示されるチケットとチケットを利用するユーザの組み合わせは正しくない組み合わせであり、不正な利用であると判定する。1つの例では、イベントの会場の入場口にはゲート装置が設置され、判定装置制御部41は、正当なユーザと判定するとゲートを開く又は開いたままとする信号をゲート装置に送るように構成される。判定装置制御部41は、不正なユーザと判定するとゲートを閉じる又は閉じたままとする信号をゲート装置に送るように構成される。不正なユーザと判定した場合、判定装置制御部41は、アラームを出力するように構成されてもよい。
【0086】
本フローチャートにおいて、ステップ203と204の順序は逆でもよい。
【0087】
次に、本発明の第1の実施形態の情報処理サーバ1、判定装置2、及び情報処理システム10の作用効果について説明する。
【0088】
本実施形態では、情報処理サーバ1は、特徴量IDと、特徴量IDに関連付けられた顔特徴量データとを含む特徴量テーブル26を記憶する。情報処理サーバ1は、チケットを利用するユーザの顔画像から顔特徴量データを決定し、該顔特徴量データと所定の類似度を有する顔特徴量データに関連付けられた特徴量IDを記憶する。情報処理サーバ1は、判定装置2に記憶されるイベントIDと同一のイベントIDを記憶する。情報処理サーバ1は、購入の申し込みを受け付けたチケットについて、決定又は取得したチケットIDと決定した特徴量IDと記憶するイベントIDとに基づいて所定の演算を行うことによりチェック用データを算出する。情報処理サーバ1は、算出したチェック用データと、決定したチケットIDと、決定した特徴量IDとに基づいてコードを生成し、生成したコードを付したチケットを出力するためのチケットデータを生成する。このような構成とすることにより、本実施形態では、情報処理サーバ1は、情報処理システム10において判定装置2により利用の正当性が判定されるチケットを生成するためのチケットデータを作成することができる。
【0089】
判定装置2は、チケットの利用の正当性を判定する前に、特徴量テーブル46及び対象のイベントのイベントIDを記憶するとともに、情報処理サーバ1に記憶されるものと同一の顔特徴量抽出プログラム及びチェック用データ算出プログラムを記憶する。判定装置2は、チケットに付されるコードからチケットIDと、特徴量IDと、チェック用データとを取得し、ユーザの顔画像を取得する。判定装置2は、顔特徴量抽出プログラムを用いて、取得した顔画像から顔特徴量データを決定する。判定装置2は、特徴量テーブル46を用いて、決定した顔特徴量と、コードから取得した特徴量IDとが、所定の基準を満たすか否かを判定する。判定装置2は、取得したチケットID及び特徴量IDと、予め記憶されたイベントIDとに基づいて、チェック用データ算出プログラムを用いて、チェック用データを算出し、取得したチェック用データと一致するか否かを判定する。このような構成とすることにより、本実施形態では、判定装置2は、情報処理システム10において情報処理サーバ1により生成されるチケットの利用の正当性を判定することができる。
【0090】
上記のように、情報処理サーバ1は、チケットを利用するユーザの生体情報(顔画像)を記憶することなく、該ユーザの生体情報に類似する生体情報に関する情報(特徴量ID)を記憶する。チケットは、コードを介して特徴量IDを記憶(保持)するが、チケットを利用するユーザの生体情報を記憶しない。判定装置2は、チケットを利用するユーザの生体情報も特徴量IDも記憶しない。このようにチケットと情報処理サーバ1と判定装置2とがユーザの生体情報を保持しない構成とすることにより、本実施形態では、チケットを利用するユーザの生体情報(個人情報)に関するリスク、例えば生体情報の漏洩リスク、を低減させることが可能となる。
【0091】
一方、判定装置2が所定の基準を満たすか否かを判定する構成とすることにより、一定の精度で、チケットを提示するユーザが該チケットの正当なユーザか否かを判定することが可能となる。チケットに付されたコードから取得した特徴量IDは、チケットを利用するユーザの顔画像に直接紐付くものではないが、該ユーザから事前に入力を受け付けた顔画像と所定の類似度を有する顔特徴量データに特徴量テーブル26を介して紐付くものである。そのため、チケットに紐付けられる特徴量IDは、ユーザの顔画像に似ている顔画像に紐付けられたものということができる。このような判定を行う構成とすることにより、本実施形態では、一定の精度で、生体情報に基づいたチケットの不正利用検出をすることが可能となり、転売を防止することが可能となる。
【0092】
例えば特徴量テーブル26が、1万通りの顔特徴量データを記憶する場合、チケットを利用するユーザの顔画像は、1万通りのうちの1つの顔特徴量データが割り当てられる。チケットを提示するユーザが該チケットの正当なユーザか否かの判定の精度は、特徴量テーブル26が記憶する顔特徴量データの数量に対応する。例えば、特徴量テーブル26が記憶する顔特徴量データの数量が多くなればなるほど、判定精度が高くなる。
【0093】
また本実施形態では、イベントIDは、情報処理サーバ1と判定装置2にのみ記憶され、チケットは、イベントIDを記憶(保持)しない。コードを介してチケットに記憶されるチェック用データからイベントIDの値を求めることは難しい。そのため、チケットに付されるコードを偽造することは難しい。このような構成とすることにより、本実施形態では、チケットの偽造を防止することが可能となる。
【0094】
また本実施形態では、判定装置2を完全にオフラインにすることが可能である。従来、判定装置は、他の装置と通信しながら、チケットとユーザの組み合わせを判定し、イベントの会場の入場者がチケットの正当な保有者であるか否かを判断するものであった。しかしながら、判定装置が設置されるイベントの会場は、通信環境が良好ではない場合があり、判定装置が正常に動作しない場合があった。本実施形態では、判定装置2には、特徴量テーブル46と、対象のイベントのイベントIDと、顔特徴量抽出プログラムと、チェック用データ算出プログラムとが記憶されるが、ユーザの生体情報(顔画像)に基づいて決定される特徴量IDは記憶されない。したがって、チケットを利用するユーザが直前にチケットを譲渡したような場合であっても、情報処理サーバ1が、チケットを利用するユーザの生体情報(顔画像)を更新し、新たなチケットデータを生成すればよく、判定装置2において必要な処理はない。このような構成とすることにより、判定装置2が設置される場所の通信環境が良好でない場合であっても、例えばオフラインの環境であっても、判定装置2による判定を実現することが可能となる。
【0095】
また本実施形態では、チケットを利用するユーザは、自身の端末(クライアント端末3)の画面上に表示して電子チケットとして使用することもできるし、紙媒体のチケットを印刷して使用することもできる。このような構成とすることにより、本実施形態では、スマートフォンなどの端末を持っていない場合や端末に不具合が生じた場合であっても、紙媒体のチケットを使用できるため、幅広いユーザが使用することが可能となる。
【0096】
また本実施形態では、チケットに付されるコードは、比較的情報量が多い顔特徴量データではなく識別情報である特徴量IDを含む。このような構成とすることにより、判定装置2がコードから取得する情報量をより少なくすることができ、より円滑に処理することが可能となる。
【0097】
上記の作用効果は、特に言及が無い限り、他の実施形態や他の実施例においても同様である。
【0098】
[第2の実施形態]
[情報処理サーバ]
次に本発明の第2の実施形態の情報処理サーバ1及び判定装置2について説明する。以下、主に第1の実施形態との相違点について説明する。
【0099】
第2の実施形態においては、特徴量IDを使用しない。チケットテーブル27は、特徴量IDの代わりに、チケットIDに関連付けて顔特徴量データを記憶する。特徴量テーブル26及び特徴量テーブル46は、第1の実施形態と同様の顔特徴量データを記憶するが、特徴量IDを有さなくてもよい。特徴量IDを有さない場合、顔特徴量データは、特徴量テーブル26、46のような形で記憶されなくてもよい。
【0100】
図12は本発明の第2の実施形態の情報処理サーバ1の動作を示すフローチャートである。
【0101】
ステップ301~ステップ307は、第1の実施形態のステップ101~107と同様の処理である。ステップ308において、サーバ制御部21は、ステップ307で決定した顔特徴量データと、特徴量テーブル26が記憶する顔特徴量データとを比較して、特徴量テーブル26が記憶する顔特徴量データのうちの所定の類似度を有する顔特徴量データを決定する。ステップ308における顔特徴量データの決定は、第1の実施形態のステップ108における顔特徴量データの決定と同様の処理である。サーバ制御部21は、決定した顔特徴量データをチケットIDに関連付けてチケットテーブル27に記憶する。
【0102】
ステップ309において、サーバ制御部21は、ステップ304で決定したチケットIDと、ステップ308で決定した顔特徴量データと、ステップ304で決定したイベントIDとに基づいて所定の演算を行うことによりチェック用データを算出する。サーバ制御部21は、ステップ304で決定したチケットIDと、ステップ308で決定した顔特徴量データと、算出したチェック用データとに基づいてチケットに付されるコードを生成する。サーバ制御部21は、生成したコードが付されたチケットを出力するためのチケットデータを生成する。
【0103】
第2の実施形態における所定の演算は、第1の実施形態で説明した特徴量IDの代わりに顔特徴量データを用いる点以外は、第1の実施形態における所定の演算と同じである。ただし、顔特徴量データは、特徴量IDと比較して情報量が多いため、顔特徴量データの代わりに顔特徴量データのうちの既定の部分のデータを用いてもよい。
【0104】
[判定装置]
次に本発明の第2の実施形態の判定装置2について説明する。以下、主に第1の実施形態との相違点について説明する。第2の実施形態の判定装置2の動作は、
図11に示すフローチャートと同様であるが、以下の処理は、第1の実施形態と異なる。
【0105】
ステップ201において、判定装置制御部41は、撮影装置34を動作させて、チケットとチケットを提示するユーザを撮影し、ユーザの顔画像を取得するとともにチケットに付されたコードからチケットID、顔特徴量データ、及びチェック用データを取得する。
【0106】
ステップ203において、判定装置制御部41は、ステップ201で取得した顔特徴量データと、ステップ202で決定した顔特徴量データとが所定の類似度を有するか否かを判定する。所定の類似度は、サーバ制御部21のステップ308の処理における所定の類似度と同じ基準であることが好ましい。
【0107】
ステップ204において、判定装置制御部41は、ステップ201で取得したチケットID及び顔特徴量データと、判定装置記憶部42に記憶されるイベントIDとに基づいて所定の演算を行うことによりチェック用データを算出する。判定装置制御部41は、算出したチェック用データと、ステップ201で取得したチェック用データとが一致するか否かを判定する。所定の演算は、サーバ制御部21がチェック用データを算出する際に行った演算と同一の処理である。
【0108】
第2の実施形態において、チケットに付されるコードは、第1の実施形態のコードよりも情報量が多い顔特徴量データを含むため、より円滑な処理を行うことは難しい。しかしながら、その他の点においては第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0109】
[第3の実施形態]
[情報処理サーバ]
次に本発明の第3の実施形態の情報処理サーバ1について説明する。以下、主に第1の実施形態との相違点について説明する。第3の実施形態の判定装置2は、第1の実施形態の判定装置2と同じである。最初に第3の実施形態の第1の例について説明する。
【0110】
サーバ記憶部22は、ユーザテーブル28(図示せず)を更に記憶する。ユーザテーブル28は、データ項目として、ユーザIDと、他システムにおけるユーザ識別情報である連携ユーザ識別情報とを含む。ユーザテーブル28の主キーは、ユーザIDであり、ユーザIDは、ユーザを識別可能なユーザ識別情報の1つの例示である。変形例でも説明するように、本発明の実施形態において、サーバ記憶部22は、チケットブックテーブル25を記憶してもよいし、記憶しなくてもよい。説明の便宜上、第3の実施形態においては、サーバ記憶部22は、チケットブックテーブル25を記憶しないものとする。この場合、イベントIDは、チケットIDに関連付けてチケットテーブル27に記憶される。
【0111】
チケット販売サーバ4は、更に会員データベースを備える。会員データベースは、チケット販売サイトの会員の会員情報を記憶するデータベースである。会員情報は、会員ID、パスワード、氏名、メールアドレス等の連絡先などを含む。会員IDは、チケット販売サイトの利用登録をしている会員を識別するための一意の識別情報である。パスワードは、その会員の認証に用いるパスワードである。会員の認証には、会員情報の会員ID及びパスワードを用いる。ユーザは、クライアント端末3を操作することにより、チケット販売サイトにおいて、会員登録、ログイン、ログアウトなどを行うことができる。チケット販売サーバ4は、ユーザから会員登録を受け付けるとき、会員情報の入力を受け付け、該ユーザの会員情報を生成し、会員データベースに記憶する。ユーザは、チケットの購入にあたっては、会員登録を行ったうえでログインする必要がある。第1の例では、連携ユーザ識別情報は、会員IDである。チケット販売サーバ4は、会員登録を行ったユーザから顔画像の入力を受け付け、会員IDに関連付けて会員データベースに記憶する。
【0112】
サーバ制御部21は、チケット販売サイトと連携したチケット管理用ウェブページを作成する機能を備える。チケット管理用ウェブページは、ユーザID又は連携ユーザ識別情報(会員ID)に関連付けてチケット販売サイトと連携し、ユーザIDごとのウェブページを表示する。すなわち、チケット管理用ウェブページは、ログインしたユーザごとに、該ユーザのユーザIDに対応するウェブページを表示する。1つの例では、ログイン状態のチケット販売サイトは、チケット管理用ウェブページへアクセスするためのリンクを生成し、サーバ制御部21は、当該リンクを介したチケット販売サイトからのアクセスにより、ユーザIDでログインした状態のチケット管理用ウェブページを表示する。ログイン状態のチケット販売サイトは、チケットを購入したユーザに対して、該チケットを利用可能にするために顔画像の入力が必要であることを表示してもよい。情報処理サーバ1は、チケット管理用ウェブページを介して、チケットデータをクライアント端末3に送信できるように構成される。
【0113】
図13は本発明の第3の実施形態の情報処理サーバ1の動作を示すフローチャートである。本フローチャートに沿って、サーバ制御部21及びサーバ記憶部22の動作を含む情報処理システム10の動作を説明する。
【0114】
ステップ401~403、406~408は、第1の実施形態のステップ101~103、107~109と各々同様の処理である。ただし、ステップ403において、チケット販売サーバ4が情報処理サーバ1に送信する注文情報が含むユーザ情報は、会員IDを含む。
【0115】
ステップ404において、サーバ制御部21は、購入の申し込みを受け付けたチケットについてチケットIDを決定する。サーバ制御部21は、受信したチケット情報が含むイベント情報に対応するイベントIDを決定し、チケットIDに関連付けてチケットテーブル27に記憶する。サーバ制御部21は、チケットIDに関連付けるユーザIDを決定し、受信したユーザ情報のうちの会員IDをユーザIDに関連付けてユーザテーブル28に記憶する。会員IDがユーザテーブル28に既に記憶されている場合、サーバ制御部21が決定するユーザIDは、ユーザテーブル28において当該会員IDに関連付けられたユーザIDである。
【0116】
ステップ405において、サーバ制御部21は、チケット販売サーバ4から会員IDに関連付けられた顔画像を取得する。サーバ制御部21は、ステップ407で特徴量IDを決定すると、該特徴量IDをユーザIDに関連付けてユーザテーブル28に記憶する。サーバ制御部21は、ユーザテーブル28に記憶するのに加え、又はその代わりに、特徴量IDをチケットIDに関連付けてチケットテーブル27に記憶してもよい。
【0117】
ステップ405において、チケット販売サーバ4が顔画像を記憶しない場合や顔画像を取得できない場合、サーバ制御部21は、ユーザに対して顔画像の入力を求める画面をチケット管理用ウェブページに表示する。サーバ制御部21は、チケット管理用ウェブページを介して、ユーザからの顔画像の入力を受け付ける。
【0118】
本実施形態のように構成することにより、サーバ制御部21は、ユーザID又は会員IDに紐付けたチケット管理用ウェブページを表示し、一度入力を受け付けたユーザの顔画像から決定した顔特徴量データをユーザIDに紐付けることができる。これにより、次に同じチケット販売サイトでチケットを購入する場合に、新たに顔画像を入力する必要がないため、幅広いユーザの使用を促進することが可能となる。このことは、第2の例においても同様である。
【0119】
次に第3の実施形態の第2の例について説明する。以下、主に第1の例との相違点について説明する。第2の例では、情報処理サーバ1及びチケット販売サーバ4は、ソーシャルネットワークサービス(SNS)のアカウントでログインすることができるソーシャルログインの機能を備える。ユーザは、チケットの購入にあたっては、SNSのアカウントを用いてログインする必要がある。第2の例の連携ユーザ識別情報は、メールアドレスなどのSNSのアカウントIDである。
【0120】
ステップ403において、チケット販売サーバ4が情報処理サーバ1に送信する注文情報が含むユーザ情報は、SNSのアカウントIDを含む。ステップ404において、サーバ制御部21がユーザIDに関連付けてユーザテーブル28に記憶するのはSNSのアカウントIDである。ステップ405において、サーバ制御部21が取得する顔画像は、SNSのウェブページからSNSのアカウントIDに関連付けられたプロフィール画像などの顔画像である。
【0121】
[第4の実施形態]
[情報処理サーバ]
次に本発明の第4の実施形態の情報処理サーバ1について説明する。以下、主に第3の実施形態との相違点について説明する。第4の実施形態の判定装置2は、第2の実施形態の判定装置2と同じである。
【0122】
第4の実施形態においては、特徴量IDを使用しない。チケットテーブル27は、特徴量IDの代わりに、チケットIDに関連付けて顔特徴量データを記憶する。特徴量テーブル26及び特徴量テーブル46は、第1の実施形態と同様の顔特徴量データを記憶するが、特徴量IDを有さなくてもよい。特徴量IDを有さない場合、顔特徴量データは、特徴量テーブル26、46のような形で記憶されなくてもよい。
【0123】
図14は本発明の第4の実施形態の情報処理サーバ1の動作を示すフローチャートである。本フローチャートに沿って、サーバ制御部21及びサーバ記憶部22の動作を含む情報処理システム10の動作を説明する。
【0124】
ステップ501~ステップ506は、第3の実施形態の401~406と同様の処理であり、ステップ507~ステップ508は、第2の実施形態の308~309と同様の処理である。
【0125】
本発明の他の実施形態では、上記で説明した本発明の実施形態の機能やフローチャートに示す情報処理を実現するプログラムや該プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体とすることもできる。また他の実施形態では、上記で説明した本発明の実施形態の機能やフローチャートに示す情報処理を実現する方法とすることもできる。また他の実施形態では、上記で説明した本発明の実施形態の機能やフローチャートに示す情報処理を実現するプログラムをコンピュータに供給することができるサーバとすることもできる。また他の実施形態では、上記で説明した本発明の実施形態の機能やフローチャートに示す情報処理を実現する仮想マシンとすることもできる。例えば、本発明の他の実施形態では、情報処理サーバ1は、クラウド(クラウドサーバ)により実現される。
【0126】
本発明の実施形態では、情報処理サーバ1は、購入の申し込みを受け付けたチケットに関して、所定の処理を実行し、チケットデータを生成するものであるが、本発明の実施形態におけるチケットの購入の申し込みは、購入以外のチケットの発券の申し込みとすることができる。
【0127】
本発明の実施形態において、顔特徴量データは、生体情報から取得可能な特徴量データの1つの例示である。例えば生体情報から取得可能な特徴量データは、掌紋データとすることもできるし、声紋データとすることができる。
【0128】
以下に本発明の実施形態の変形例について説明する。以下、主に本発明の実施形態との相違点について説明する。以下で述べる変形例は、矛盾が生じない限りにおいて、適宜組み合わせて本発明の任意の実施形態又は変形例に適用することができる。
【0129】
[第1の変形例]
本発明の実施形態の1つの変形例では、特徴量テーブル26は、顔特徴量データを記憶せず、特徴量テーブル26は、特徴量IDと、声に基づいて取得可能な音声特徴量データとを含み、音声特徴量データは、特徴量IDに関連付けて記憶される。音声特徴量データは、既知の音声特徴量抽出方法、例えば既知の音声特徴量抽出プログラムにより声のデータから抽出又は取得される特徴量データである。例えば特徴量テーブル26が記憶する音声特徴量データは、実在しない人物又は不特定の実在する人物の声から取得される音声特徴量データであり、上述の音声徴量抽出プログラムを用いて取得される。特徴量テーブル26は、チケットを利用するユーザの声のデータに対応する音声特徴量データを記憶するものではない。
【0130】
本変形例について、第1の実施形態の変形例を以下に説明する。主に第1の実施形態との相違点について説明する。判定装置2及びクライアント端末3は、マイクなどの音声入力装置を備える。
【0131】
ステップ106において、クライアント端末3は、ユーザに対して声の入力を求める画面を表示するチケット管理用ウェブページを介して、ユーザから声の入力を受け付け、情報処理サーバ1へ送信する。ステップ107において、サーバ制御部21は、サーバ記憶部22に記憶される音声特徴量抽出プログラムを用いて、受信した声のデータから音声特徴量データを決定する。ステップ201において、判定装置制御部41は、撮影装置34を動作させて、チケットを撮影し、チケットに付されたコードからチケットID、特徴量ID、及びチェック用データを取得する。更にステップ201において、判定装置制御部41は、音声入力装置を動作させ、チケットを利用するユーザの声のデータを取得する。ステップ202において、判定装置制御部41は、サーバ記憶部22に記憶される音声特徴量抽出プログラムと同一の音声特徴量抽出プログラムを用いて、取得したユーザの声のデータから音声特徴量データを決定する。上記については、他の実施形態の変形例においても同様である。
【0132】
[第2の変形例]
本発明の実施形態の1つの変形例では、特徴量テーブル26が記憶する顔特徴量データは、所定の計算プログラムによって算出された複数の顔特徴量データである。この場合、特徴量テーブル26が記憶する顔特徴量データは、実在しない人物又は不特定の実在する人物の顔画像から取得される顔特徴量データではない。上記については、特徴量テーブル26が顔特徴量データ以外の生体情報を記憶する場合も同様である。例えば、本変形例では、特徴量テーブル26が記憶する声紋データは、所定の計算プログラムによって算出された複数の声紋データである。
【0133】
[第3の変形例]
本発明の実施形態の1つの変形例では、判定装置2は、チケットに付されたコードを読み取るためのコード読み取り装置(図示せず)を更に備える。例えば、判定装置2は、判定装置2の主な機能を備える本体部と、本体部と通信可能に接続されたコード読み取り装置とを備える。本変形例では、ステップ201において、判定装置制御部41は、撮影装置34を動作させてユーザの顔画像を取得するとともに、コード読み取り装置を動作させてチケットに付されたコードからチケットID、特徴量ID又は顔特徴量データ、及びチェック用データを取得する。
【0134】
[第4の変形例]
本発明の実施形態の1つの変形例では、情報処理サーバ1は、チケット販売サーバ4の機能を含み、クライアント端末3に、チケット販売サイトを介してチケットを購入するためのサービスを提供する。本実施形態では、第1の実施形態から第4の実施形態で説明した情報処理サーバ1及びチケット販売サーバ4の処理は、情報処理サーバ1内での処理となる。
【0135】
[第5の変形例]
本発明の実施形態の1つの変形例では、チケットがクーポンである場合、判定装置2が設置される場所は、イベントの会場ではなく、店舗などである。
【0136】
[第6の変形例]
本発明の実施形態の1つの変形例では、サーバ制御部21は、購入の申し込みを受け付けたチケットについてチケットIDを決定する代わりに、予めチケットに割り当てられたチケットIDを取得する。例えば、チケット販売サーバ4がチケットIDを決定する。本変形例について、第1の実施形態の変形例を以下に説明する。
【0137】
ステップ103においてチケット販売サーバ4が情報処理サーバ1に送信する注文情報は、チケット販売サーバ4が決定したチケットIDを含む。ステップ104において、サーバ制御部21は、受信した注文情報からチケットIDを取得する。ステップ109において、サーバ制御部21は、ステップ104で取得したチケットIDと、ステップ108で決定した特徴量IDと、ステップ104で決定したイベントIDとに基づいて所定の演算を行うことによりチェック用データを算出する。そしてサーバ制御部21は、ステップ104で取得したチケットIDと、ステップ108で決定した特徴量IDと、算出したチェック用データとに基づいてチケットに付されるコードを生成する。上記については、他の実施形態の変形例においても同様である。
【0138】
[第7の変形例]
本発明の第1の実施形態及び第2の実施形態の1つの変形例では、ステップ103において、チケット販売サーバ4は、受け付けた注文情報ごとに、チケット情報又は注文情報を情報処理サーバ1に送信する。ステップ104では、受信したチケット情報又は注文情報により特定されるチケットにチケットIDが割り当てられる。ステップ105において、サーバ制御部21は、チケット販売サーバ4に対して、割り当てられたチケットIDに紐付けられたチケット管理用ウェブページのアドレス(URL)を送信する。チケット販売サーバ4は、ユーザのメールアドレスに、チケットIDに紐付けられたチケット管理用ウェブページのアドレス(URL)を送信する。本変形例では、第1の実施形態及び第2の実施形態におけるステップ104~105の代わりに、サーバ制御部21及びチケット販売サーバ4は、上記処理を実行する。サーバ制御部21は、ユーザのメールアドレスに情報を送信しないため、ステップ103において、情報処理サーバ1は、ユーザ情報を受信しなくてもよい。
【0139】
[第8の変形例]
本発明の第1の実施形態及び第2の実施形態の1つの変形例では、チケット販売サーバ4は、更に会員データベースを備える。会員データベースは、第3の実施形態で説明したものと同様であり、会員情報は、メールアドレスを含む。メールアドレスは電話番号やSNSやチャットツールのIDなどとすることもできる。本変形例では、注文情報が含むユーザ情報は、会員情報が含むメールアドレスなどの情報である。
【0140】
[第9の変形例]
本発明の第1の実施形態及び第2の実施形態の1つの変形例では、チケット販売サーバ4は、更に会員データベースを備える。会員データベースは、第3の実施形態で説明したものと同様である。サーバ制御部21は、チケット販売サイトと連携したチケット管理用ウェブページを作成する機能を備える。本変形例について、第1の実施形態の変形例を以下に説明する。
【0141】
本変形例では、ステップ105において、サーバ制御部21は、受信した注文情報が含むユーザのメールアドレスにチケットIDに紐付けられたチケット管理用ウェブページのアドレスを送信しなくてもよい。ログイン状態のチケット販売サイトは、チケットを購入したユーザに対して、該チケットを利用可能にするために顔画像の入力が必要であることを表示し、チケット管理用ウェブページへアクセスするためのリンクを生成する。サーバ制御部21は、当該リンクを介したチケット販売サイトからのアクセスにより、チケット管理用ウェブページを表示し、クライアント端末3を介して、ユーザから顔画像の入力を受け付けることができる。1つの例では、サーバ制御部21は、ログイン状態のチケット販売サイトからのアクセスに応じて、会員IDに紐付けられたチケット管理用ウェブページを表示し、一度入力を受け付けたユーザからの顔画像を該ページに紐付けることができる。これにより、次に同じチケット販売サイトでチケットを購入する場合に、新たに顔画像を入力する必要がないため、幅広いユーザの使用を促進することが可能となる。
【0142】
[第10の変形例]
本発明の第3の実施形態及び第4の実施形態の1つの変形例では、クライアント端末3は、チケット販売サーバ4及び情報処理サーバ1と通信し、チケット販売サイト及びチケット管理用ウェブページと同様のサービスを提供可能な専用のアプリケーション(以下、「専用アプリ」という。)がインストールされる。本変形例の好適な例では、クライアント端末3はスマートフォンである。専用アプリは、チケット販売サーバ4が記憶する会員ID及び情報処理サーバ1が記憶するユーザIDの少なくとも一方のIDと紐付けられている。本変形例について、第3の実施形態の変形例を以下に説明する。
【0143】
ステップ401において、クライアント端末3は、専用アプリを介してチケットの購入の申し込みの入力を受け付ける。クライアント端末3は、専用アプリを介して、購入の申し込みを受け付けたチケットに関するチケット情報及びユーザ情報を含む注文情報をチケット販売サーバ4に送信する。ここでのユーザ情報は、専用アプリに紐付けられているIDを含むものであればよい。ステップ405において、チケット販売サーバ4が顔画像を記憶しない場合や顔画像を取得できない場合、サーバ制御部21は、専用アプリを介して、クライアント端末3に、ユーザに対して顔画像の入力を求める画面を表示させる。サーバ制御部21は、専用アプリを介して、ユーザからの顔画像の入力を受け付ける。
【0144】
本変形例では、情報処理サーバ1は、専用アプリを介して、ステップ408で生成されたチケットデータをクライアント端末3に送信し、クライアント端末3は、チケットデータを取得する。例えばサーバ制御部21は、ステップ408でチケットデータを生成した後に、専用アプリを介して、チケットを利用するユーザの変更を受け付けることができる。
【0145】
本変形例では、専用アプリは、顔特徴量抽出プログラムを含み、顔画像から顔特徴量データを決定できるように構成されてもよい。例えばステップ405において、チケット販売サーバ4が顔画像を記憶しない場合や顔画像を取得できない場合、サーバ制御部21は、専用アプリを介して、クライアント端末3に、ユーザに対して顔画像の入力を求める画面を表示させる。専用アプリは、顔画像の入力を受け付けると、該顔画像から顔特徴量データを決定し、決定した顔特徴量データを情報処理サーバ1に送信する。この場合、サーバ制御部21は、ステップ406の処理を実行しなくてよい。上記については、第4の実施形態の変形例においても同様である。
【0146】
[第11の変形例]
本発明の第3の実施形態及び第4の実施形態の1つの変形例では、チケット管理用ウェブページは、チケット販売サイトを介さずに、ユーザIDとパスワードを入力して直接アクセスできるように構成される。
【0147】
[第12の変形例]
本発明の実施形態の1つの変形例では、注文情報が含むユーザ情報は、クライアント端末3を識別可能なIDやコードであり、例えば、IPアドレス、MACアドレスなどである。
【0148】
[第13の変形例]
本発明の実施形態の1つの変形例では、サーバ記憶部22は、チケットブックテーブル25及びチケットブックIDを含まない。本変形例では、チケットテーブル27は、データ項目として、チケットIDと、イベントIDと、チケット詳細情報と、特徴量IDとを含み、チケットテーブル27を介して、チケットIDとイベントIDは関連付けられる。本変形例では、例えば第1の実施形態のステップ104において、サーバ制御部21は、チケットブックIDを決定しない。サーバ制御部21は、受信したチケット情報が含むイベント情報に対応するイベントIDを決定し、チケットIDに関連付けてチケットテーブル27に記憶する。上記については、他の実施形態においても同様である。
【0149】
[第14の変形例]
本発明の実施形態の1つの変形例では、サーバ記憶部22は、イベントテーブル24及びイベントIDを記憶せず、所定データを記憶する。所定データは、イベントを識別するためのデータとすることもできるし、システム管理者を識別するためのデータとすることもできる。例えば所定データは、チケットIDに関連付けられてチケットテーブル27に記憶される。例えば所定データは、数値データである。本変形例では、サーバ記憶部22に記憶される所定データと同一の所定データが判定装置2に記憶される。例えば、対象とするチケットに関して、該チケットのチケットIDに関連付けてサーバ記憶部22に記憶される所定データと同一の所定データが、該チケットの利用の正当性を判定する判定装置2に記憶される。本発明の実施形態で説明したように、情報処理サーバ1と判定装置2に同一のイベントIDが記憶されることが望ましいが、本変形例のように情報処理サーバ1と判定装置2が同一の所定データを記憶することにより、本発明の実施形態を実現可能な場合がある。
【0150】
[第15の変形例]
本発明の第1の実施形態の1つの変形例では、ステップ109におけるサーバ制御部21の所定の演算は、ステップ104で決定したチケットID及びステップ108で決定した特徴量IDの少なくとも一方と、ステップ104で決定したイベントIDとに基づいて行われる。この場合、判定装置2についても、ステップ204における所定の演算は、ステップ201で取得したチケットID及び特徴量IDの少なくとも一方と、判定装置記憶部42に記憶されるイベントIDとに基づいて行われる。本発明の実施形態で説明したように、堅牢性の観点から、所定の演算は、チケットIDと、特徴量IDと、イベントIDとを用いて行うことが望ましいが、チケットID及び特徴量IDのいずれか一方を用いない場合であっても、本発明の実施形態を実現可能な場合がある。上記については、第3の実施形態でも同様である。
【0151】
[第16の変形例]
また上記と同様に本発明の第2の実施形態の変形例では、ステップ309で、サーバ制御部21は、ステップ304で決定したチケットID及びステップ308で決定した顔特徴量データの少なくとも一方と、ステップ304で決定したイベントIDとに基づいて所定の演算を行うことによりチェック用データを算出する。この場合、判定装置2についても、ステップ204における所定の演算は、ステップ201で取得したチケットID及び顔特徴量データの少なくとも一方と、判定装置記憶部42に記憶されるイベントIDとに基づいて行われる。上記については、第4の実施形態でも同様である。
【0152】
[第17の変形例]
本発明の実施形態の1つの変形例では、サーバ制御部21は、特徴量テーブル26が記憶する顔特徴量データのうちの1つの顔特徴量データを決定する代わりに、複数の顔特徴量データを決定する。例えばステップ108において、サーバ制御部21は、特徴量テーブル26が記憶する顔特徴量データのうちの所定の類似度を有する複数の顔特徴量データを決定する。この場合、ステップ109においてサーバ制御部21が用いる特徴量IDも複数の特徴量IDである。上記については、他の実施形態でも同様である。
【0153】
[第18の変形例]
本発明の実施形態の1つの変形例では、特徴量テーブル26が記憶する顔特徴量データは、顔特徴量データに基づいて生成された加工済特徴量データである。1つの例では、加工済特徴量データは、顔画像に対してサーバ記憶部22に記憶される顔特徴量抽出プログラムを用いて抽出又は取得される特徴量データである顔特徴量データに対して、所定の暗号化処理を行って得られるデータである。顔特徴量データは、加工済特徴量データに対して所定の復号処理を行うことにより得られる。サーバ記憶部22及び判定装置記憶部42は、所定の暗号化処理を行う暗号化プログラム及び所定の復号処理を行う復号プログラムを記憶する。所定の暗号化処理は、暗号化処理以外の加工処理とすることができる。この場合、所定の復号処理は、加工処理したデータを元に戻す処理とすることができる。
【0154】
本変形例について、第1の実施形態の変形例を以下に説明する。ステップ108において、サーバ制御部21は、ステップ107で決定した顔特徴量データと、特徴量テーブル26が記憶する加工済特徴量データの基となる顔特徴量データとを比較して、特徴量テーブル26が記憶する加工済特徴量データの基となる顔特徴量データのうちの所定の類似度を有する顔特徴量データに基づいて生成された加工済特徴量データを決定する。サーバ制御部21は、比較処理を行う際に、加工済特徴量データを復号して顔特徴量データを取得する。サーバ制御部21は、加工済特徴量データを決定する際に、顔特徴量データを決定し、決定された顔特徴量データを暗号化した加工済特徴量データを決定する。決定された加工済特徴量データは、特徴量テーブル26に記憶されるものである。このような構成とすることにより、本変形例では、特徴量テーブル26は顔特徴量データをそのまま記憶しないため、チケットを利用するユーザの生体情報に関するリスクを更に低減させることが可能となる。判定装置制御部41は、ステップ203において、特徴量テーブル46において特徴量IDが関連付けられた加工済特徴量データを復号して、ステップ201で取得した特徴量IDと、ステップ202で決定した顔特徴量データとが所定の基準を満たすか否かを判定する。上記については、第3の実施形態でも同様である。
【0155】
また上記と同様に、本変形例について、第2の実施形態の変形例を以下に説明する。ステップ308において、サーバ制御部21は、ステップ307で決定した顔特徴量データと、特徴量テーブル26が記憶する加工済特徴量データの基となる顔特徴量データとを比較して、特徴量テーブル26が記憶する加工済特徴量データの基となる顔特徴量データのうちの所定の類似度を有する顔特徴量データに基づいて生成された加工済特徴量データを決定する。ステップ309において、サーバ制御部21は、ステップ304で決定したチケットIDと、ステップ308で決定した加工済特徴量データと、ステップ304で決定したイベントIDとに基づいて所定の演算を行うことによりチェック用データを算出する。サーバ制御部21は、ステップ304で決定したチケットIDと、ステップ308で決定した加工済特徴量データと、算出したチェック用データとに基づいてチケットに付されるコードを生成する。判定装置制御部41は、ステップ203において、ステップ201で取得した加工済特徴量データの基となる顔特徴量データと、ステップ202で決定した顔特徴量データとが所定の類似度を有するか否かを判定する。
【0156】
[第19の変形例]
本発明の実施形態の1つの変形例では、顔特徴量データは、
図7に示すものとは異なるデータ構造又はデータ形式で記憶される。他の変形例では、顔特徴量データは、128次元ベクトル以外の他次元ベクトルの数値情報を示すデータである。例えば顔特徴量データは、256次元ベクトルの数値情報を示すデータである。顔特徴量データは、既知の顔特徴量抽出プログラムを用いて取得されるデータであれば、これらに限定されない。また、サーバ制御部21が行う類似度の算出は、2つの顔特徴量データのユークリッド距離に対応する値を用いることもできるし、他の既知の方法を用いることもできる。
【0157】
[第20の変形例]
本発明の実施形態の1つの変形例では、判定装置記憶部42は、提示されたチケットが未使用であるか否かを判定するための使用済みチケットテーブルを更に備える。使用済みチケットテーブルは、データテーブルとして、チケットIDと、未使用及び使用済みのいずれか一方を示すステータス情報とを含み、チケットIDが主キーである。
図11に示すフローチャートにおいて、判定装置制御部41は、例えばステップ203の前に、ステップ201で取得されたコードから取得されたチケットIDが使用済みであるか否かを判定する。本フローチャートは、チケットIDが未使用であった場合、チケット使用済みテーブルの当該チケットIDに関連付けられたステータス情報を使用済みに更新し、ステップ203へ進む。本フローチャートは、チケットIDが使用済みであった場合、ステップ206へ進む。上記のチケットIDが使用済みであるか否かの判定処理は、ステップ202~ステップ205の間であれば、いつ実行されてもよい。
【0158】
[第21の変形例]
本発明の実施形態の1つの変形例では、サーバ制御部21は、RFタグにデータを書き込むことにより、コードを生成するように構成される。本変形例について、第1の実施形態の変形例を以下に説明する。ステップ109において、サーバ制御部21は、チケットID、特徴量ID、及びチェック用データの各々に対応するデータをRFタグに書き込む。例えばチケットを利用するユーザは、郵送などにより、データが書き込まれたRFタグを取得することができる。RFタグは他の非接触ICカードとすることもできる。上記については、他の実施形態の変形例においても同様である。
【0159】
以上に説明した処理又は動作において、あるステップにおいて、そのステップではまだ利用することができないはずのデータを利用しているなどの処理又は動作上の矛盾が生じない限りにおいて、処理又は動作を自由に変更することができる。また以上に説明してきた各実施例は、本発明を説明するための例示であり、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、種々の形態で実施することができる。
【符号の説明】
【0160】
1 情報処理サーバ
2 判定装置
3 クライアント端末
4 チケット販売サーバ
5、6 ネットワーク
10 情報処理システム
11、31、51、52 プロセッサ
12、32、52、62 入力装置
13、33、53、63 表示装置
14、35、54、64 記憶装置
15、36、55、65 通信装置
16、37、56、66 バス
21 サーバ制御部
22 サーバ記憶部
24 イベントテーブル
25 チケットブックテーブル
26、46 特徴量テーブル
27 チケットテーブル
28 ユーザテーブル
34 撮影装置
41 判定装置制御部
42 判定装置記憶部
71 イベント情報
72 QRコード(登録商標)