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特許7359932車両及びそのエネルギー変換装置と動力システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】車両及びそのエネルギー変換装置と動力システム
(51)【国際特許分類】
   B60L 53/24 20190101AFI20231003BHJP
   H02J 7/00 20060101ALN20231003BHJP
【FI】
B60L53/24
H02J7/00 P
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022500061
(86)(22)【出願日】2020-06-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-09
(86)【国際出願番号】 CN2020096853
(87)【国際公開番号】W WO2021000742
(87)【国際公開日】2021-01-07
【審査請求日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】201910582154.9
(32)【優先日】2019-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】滕景翠
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼宇
(72)【発明者】
【氏名】梁▲樹▼林
(72)【発明者】
【氏名】王超
(72)【発明者】
【氏名】▲羅▼紅斌
【審査官】杉田 恵一
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-051144(JP,A)
【文献】特開2010-098851(JP,A)
【文献】特開2014-161142(JP,A)
【文献】特開2015-233355(JP,A)
【文献】特開2018-107938(JP,A)
【文献】特表2014-517664(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102201693(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103684202(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108173430(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108258906(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109361255(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109742834(CN,A)
【文献】中国実用新案第206742923(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2014/0097792(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0168628(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 53/00
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータコイル、ブリッジコンバータ及び双方向ブリッジを含み、
前記ブリッジコンバータは、別個に前記モータコイルと前記双方向ブリッジに接続され、
前記モータコイル、前記ブリッジコンバータ及び前記双方向ブリッジは、いずれも外部充電ポートに接続され、前記ブリッジコンバータ及び前記双方向ブリッジは、両方とも外部電池に接続され、
前記モータコイル、前記ブリッジコンバータ及び外部充電ポートは、直流充電回路を構成して外部電池を充電し、
前記モータコイル、前記ブリッジコンバータ、前記双方向ブリッジ及び外部充電ポートは、交流充電回路を構成して外部電池を充電し、
前記モータコイル、前記ブリッジコンバータ及び外部電池は、モータ駆動回路を構成し、
前記モータコイルは、3相巻線を含み、各相巻線は、N個のコイル分岐回路を含み、各相巻線におけるN個のコイル分岐回路の第1の端が共通接続された後に前記ブリッジコンバータに接続され、各相巻線のうちのいずれか1つのコイル分岐回路の第2の端が、他の2相巻線における対応するコイル分岐回路の第2の端に接続されてN個の中性点を形成し、前記充電ポートは、M個の中性点に接続され、ここで、Nは、1より大きい整数であり、Mは、Nより小さい正の整数であることを特徴とする、エネルギー変換装置。
【請求項2】
前記Nの値は、4であることを特徴とする、請求項に記載のエネルギー変換装置。
【請求項3】
前記モータコイルのN個の中性点のうちのM個の中性点を前記充電ポートに接続させるように制御する中性点スイッチをさらに含むことを特徴とする、請求項に記載のエネルギー変換装置。
【請求項4】
一端が前記充電ポートに接続され、他端が別個に前記モータコイル、前記ブリッジコンバータ及び前記双方向ブリッジに接続されたスイッチモジュールをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のエネルギー変換装置。
【請求項5】
前記充電ポートは、直流充電ポート及び交流充電ポートを含み、
前記スイッチモジュールは、第1のスイッチユニット及び第2のスイッチユニットを含み、前記直流充電ポート、前記第1のスイッチユニット、前記モータコイル、前記ブリッジコンバータは、前記電池に対して直流充電回路又は直流放電回路を構成し、前記交流充電ポート、前記第2のスイッチユニット、前記モータコイル、前記ブリッジコンバータ、前記双方向ブリッジは、前記電池に対して交流充電回路又は交流放電回路を構成することを特徴とする、請求項に記載のエネルギー変換装置。
【請求項6】
前記第1のスイッチユニットは、第1のスイッチ及び第2のスイッチを含み、前記第2のスイッチユニットは、第3のスイッチ及び第4のスイッチを含み、
前記第1のスイッチは、一端が前記直流充電ポートに接続され、他端が前記モータコイルに接続され、前記第2のスイッチは、一端が前記直流充電ポートに接続され、他端が前記ブリッジコンバータに接続され、
前記第3のスイッチは、一端が前記交流充電ポートに接続され、他端が前記モータコイルに接続され、前記第4のスイッチは、一端が前記交流充電ポートに接続され、他端が前記双方向ブリッジに接続されることを特徴とする、請求項に記載のエネルギー変換装置。
【請求項7】
前記充電ポートは、交流/直流充電ポートを含み、前記スイッチモジュールは、第3のスイッチユニット、第4のスイッチユニットを含み、
前記第3のスイッチユニットは、一端が前記交流/直流充電ポートに接続され、他端が前記モータコイルに接続され、前記第4のスイッチユニットは、一端が前記交流/直流充電ポートに接続され、他端が前記ブリッジコンバータ又は前記双方向ブリッジに接続され、
前記第4のスイッチユニットが前記ブリッジコンバータに接続される場合、前記交流/直流充電ポート、前記第3のスイッチユニット、前記第4のスイッチユニット、前記モータコイル、前記ブリッジコンバータは、前記電池に対して直流充電回路又は直流放電回路を構成し、
前記第4のスイッチユニットが前記双方向ブリッジに接続される場合、前記交流/直流充電ポート、前記第3のスイッチユニット、前記第4のスイッチユニット、前記モータコイル、前記ブリッジコンバータ、前記双方向ブリッジは、前記電池に対して交流充電回路又は交流放電回路を構成することを特徴とする、請求項に記載のエネルギー変換装置。
【請求項8】
前記第3のスイッチユニットは、一端が前記交流/直流充電ポートに接続され、他端が前記モータコイルに接続された第5のスイッチを含み、
前記第4のスイッチユニットは、1つの可動端及び2つの固定端を含む単極双投スイッチを含み、前記可動端が前記交流/直流充電ポートに接続され、1つの固定端が前記ブリッジコンバータに接続され、もう1つの固定端が前記双方向ブリッジに接続されるか、又は、
前記第4のスイッチユニットは、2つのスイッチを含み、1つのスイッチは、一端が前記交流/直流充電ポートに接続され、他端が前記ブリッジコンバータに接続され、もう1つのスイッチは、一端が前記交流/直流充電ポートに接続され、他端が前記双方向ブリッジに接続されることを特徴とする、請求項に記載のエネルギー変換装置。
【請求項9】
前記双方向ブリッジに並列接続された第1のキャパシタをさらに含み、
前記交流充電回路、直流充電回路及びモータ駆動回路は、前記第1のキャパシタを共用することを特徴とする、請求項1に記載のエネルギー変換装置。
【請求項10】
前記スイッチモジュールは、一端が前記電池に接続され、他端が別個に前記ブリッジコンバータと前記双方向ブリッジに接続された第5のスイッチユニットをさらに含むことを特徴とする、請求項又はに記載のエネルギー変換装置。
【請求項11】
第1の直流端及び第2の直流端を含む双方向DCモジュールをさらに含み、前記第1の直流端が前記双方向ブリッジに接続され、
前記スイッチモジュールは、一端が前記第2の直流端に接続され、他端が前記電池に接続された第6のスイッチユニットをさらに含むことを特徴とする、請求項5又は7に記載のエネルギー変換装置。
【請求項12】
前記双方向DCモジュールは、蓄電池又は車載放電ポートに接続された第3の直流端をさらに含むことを特徴とする、請求項11に記載のエネルギー変換装置。
【請求項13】
前記双方向DCモジュールは、第1のコンバータ、第2のコンバータ、第3のコンバータ及び変圧ユニットを含み、前記変圧ユニットの一次側、第1の二次側、第2の二次側がそれぞれ前記第1のコンバータ、第2のコンバータ、第3のコンバータに接続され、前記第1のコンバータが前記双方向ブリッジに並列接続され、前記第2のコンバータが前記電池に並列接続され、前記第3のコンバータが前記蓄電池又は前記車載放電ポートに並列接続されることを特徴とする、請求項12に記載のエネルギー変換装置。
【請求項14】
モータコイル、ブリッジコンバータ及び双方向ブリッジを含み、
前記ブリッジコンバータは、別個に前記モータコイルと前記双方向ブリッジに接続され、
前記モータコイル、前記ブリッジコンバータ及び前記双方向ブリッジは、いずれも外部充電ポートに接続され、前記ブリッジコンバータ及び前記双方向ブリッジは、両方とも外部電池に接続され、
前記モータコイル、前記ブリッジコンバータ及び外部充電ポートは、直流充電回路を構成して外部電池を充電し、
前記モータコイル、前記ブリッジコンバータ、前記双方向ブリッジ及び外部充電ポートは、交流充電回路を構成して外部電池を充電し、
前記モータコイル、前記ブリッジコンバータ及び外部電池は、モータ駆動回路を構成し、
一端が前記充電ポートに接続され、他端が別個に前記モータコイル、前記ブリッジコンバータ及び前記双方向ブリッジに接続されたスイッチモジュールをさらに含み、
前記充電ポートは、直流充電ポート及び交流充電ポートを含み、
前記スイッチモジュールは、第1のスイッチユニット及び第2のスイッチユニットを含み、前記直流充電ポート、前記第1のスイッチユニット、前記モータコイル、前記ブリッジコンバータは、前記電池に対して直流充電回路又は直流放電回路を構成し、前記交流充電ポート、前記第2のスイッチユニット、前記モータコイル、前記ブリッジコンバータ、前記双方向ブリッジは、前記電池に対して交流充電回路又は交流放電回路を構成し、
第1の直流端及び第2の直流端を含む双方向DCモジュールをさらに含み、前記第1の直流端が前記双方向ブリッジに接続され、
前記スイッチモジュールは、一端が前記第2の直流端に接続され、他端が前記電池に接続された第6のスイッチユニットをさらに含み、
前記双方向DCモジュールは、蓄電池又は車載放電ポートに接続された第3の直流端をさらに含み、
前記双方向DCモジュールは、第1のコンバータ、第2のコンバータ、第3のコンバータ及び変圧ユニットを含み、前記変圧ユニットの一次側、第1の二次側、第2の二次側がそれぞれ前記第1のコンバータ、第2のコンバータ、第3のコンバータに接続され、前記第1のコンバータが前記双方向ブリッジに並列接続され、前記第2のコンバータが前記電池に並列接続され、前記第3のコンバータが前記蓄電池又は前記車載放電ポートに並列接続され、
前記第3のコンバータは、いずれも前記変圧ユニットの第2の二次側に接続された第1のサブコンバータ及び第2のサブコンバータを含むことを特徴とするエネルギー変換装置。
【請求項15】
前記双方向DCモジュールは、第1のDC/DC変換回路及び第2のDC/DC変換回路を含み、
前記第1のDC/DC変換回路は、一端が前記双方向ブリッジに接続され、他端が前記第6のスイッチユニットに接続され、
前記第2のDC/DC変換回路は、一端が前記双方向ブリッジに接続され、他端が蓄電池に接続されることを特徴とする、請求項11又は14に記載のエネルギー変換装置。
【請求項16】
前記ブリッジコンバータは、
直列接続された第1のパワースイッチユニット及び第2のパワースイッチユニット、直列接続された第3のパワースイッチユニット及び第4のパワースイッチユニット、並びに直列接続された第5のパワースイッチユニット及び第6のパワースイッチユニットで構成された3相ブリッジを含み、
前記第1のパワースイッチユニットの第1の端、前記第3のパワースイッチユニットの第1の端及び前記第5のパワースイッチユニットの第1の端は、共通接続されて前記双方向ブリッジの正側に接続された前記ブリッジコンバータの正側を構成し、
前記第2のパワースイッチユニットの第2の端、前記第4のパワースイッチユニットの第2の端及び前記第6のパワースイッチユニットの第2の端は、共通接続されて前記双方向ブリッジの負側に接続された前記ブリッジコンバータの負側を構成し、
前記第1のパワースイッチユニットの第2の端と前記第2のパワースイッチユニットの第1の端との接続点は、前記モータコイルの第1の相コイルに接続され、前記第3のパワースイッチユニットの第2の端と前記第4のパワースイッチユニットの第1の端との接続点は、前記モータコイルの第2の相コイルに接続され、前記第5のパワースイッチユニットの第2の端と前記第6のパワースイッチユニットの第1の端との接続点は、前記モータコイルの第3の相コイルに接続されることを特徴とする、請求項1に記載のエネルギー変換装置。
【請求項17】
前記双方向ブリッジは、直列接続された第7のパワースイッチユニット及び第8のパワースイッチユニットを含み、前記第7のパワースイッチユニットの第1の端は、前記双方向ブリッジの正側であり、前記第8のパワースイッチユニットの第2の端は、前記双方向ブリッジの負側であり、前記第7のパワースイッチユニットの第2の端と前記第8のパワースイッチユニットの第1の端との接続点は、前記双方向ブリッジの中間点であることを特徴とする、請求項1に記載のエネルギー変換装置。
【請求項18】
一端が前記充電ポートに接続され、他端が前記モータコイルに接続されたインダクタをさらに含み、
前記充電ポート、前記インダクタ、前記モータコイル、前記ブリッジコンバータは、前記電池に対して直流充電回路を構成し、
前記充電ポート、前記インダクタ、前記モータコイル、前記ブリッジコンバータ、前記双方向ブリッジは、前記電池に対して交流充電回路を構成することを特徴とする、請求項1に記載のエネルギー変換装置。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか一項に記載のエネルギー変換装置及び制御モジュールを含み、前記エネルギー変換装置は、
モータコイルを含むモータと、
前記モータコイルの一端に接続されたブリッジコンバータを含み、前記モータコイルの他端が外部充電ポートに接続されるモータ制御モジュールと、
双方向ブリッジを含み、前記双方向ブリッジが前記ブリッジコンバータに並列接続されて第1の共通接続端及び第2の共通接続端を構成し、前記第1の共通接続端が外部電池の一端に接続され、前記第2の共通接続端が前記電池の他端に接続され、前記充電ポートが前記第2の共通接続端及び前記双方向ブリッジに接続される車載充電モジュールと、を含み、
前記制御モジュールは、充電ポート、前記モータコイル、及び前記ブリッジコンバータで構成された外部電池の直流充電回路と、充電ポート、前記モータコイル、前記ブリッジコンバータ、及び前記双方向ブリッジで構成された外部電池の交流充電回路と、前記モータコイル、前記ブリッジコンバータ及び外部電池で構成されたモータ駆動回路とを制御し、前記直流充電回路、前記交流充電回路及び前記駆動回路は、前記モータコイル及び前記ブリッジコンバータを共用することを特徴とする、動力システム。
【請求項20】
請求項19に記載の動力システムを含むことを特徴とする、車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、ビーワイディー カンパニー リミテッドが2019年6月30日に提出した、名称が「車両及びそのエネルギー変換装置と動力システム」の中国特許出願第「201910582154.9」号の優先権を主張するものである。
【0002】
本願は、電子の技術分野に属し、特に、車両及びそのエネルギー変換装置と動力システムに関する。
【背景技術】
【0003】
電気自動車の発展と迅速な普及に伴って、電気自動車のモータ制御及び電池充電はますます重要になる。現在、従来の電気自動車のモータ駆動と電池充電は、別々に分けられ、すなわち、モータ駆動回路と電池充電回路は、独立し、関連性がない2つの回路であり、モータ駆動回路は、モータ駆動のみに用いられ、電池充電に用いることができず、同様に電池充電回路は、電池充電のみに用いられ、モータ駆動に用いることができない。
【0004】
しかしながら、上記方法は、車両のモータ駆動及び電池充電が正常に行われることを効果的に保障することができるが、上記方法においてモータ駆動回路と電池充電回路が互いに独立し、関連性がないため、上記方法によれば、回路が複雑で、集積度が低く、体積が大きく、コストが高い。
【0005】
以上より、従来の技術には、モータ駆動と充電システム全体の回路構造が複雑で、集積度が低く、体積が大きく、コストが高いという問題が存在する。
特許文献1は、車両を充電する充電システムを開示している。特許文献1は、蓄電装置に、インバータ、モータジェネレータ、外部交流電源(又は直流電源)を順次接続する回路を開示している。特許文献1は、これらインバータ、モータジェネレータ等を含む回路を利用して、モータの駆動、及び交流充電(又は直流充電)を行う事を開示している。
【文献】特開2010-51144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願は、関連技術における技術的課題の1つを少なくともある程度解決しようとする。
【0007】
本願は、従来の技術に存在するモータ駆動と充電システム全体の構造が複雑で、集積度が低く、体積が大きく、コストが高いという問題を解決するために、車両及びそのエネルギー変換装置と動力システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願は、以下のようにして実現される。エネルギー変換装置は、モータコイル、ブリッジコンバータ及び双方向ブリッジを含み、
前記ブリッジコンバータは、別個に前記モータコイル、前記双方向ブリッジに接続され、
前記モータコイル、前記ブリッジコンバータ及び前記双方向ブリッジは、いずれも外部充電ポートに接続され、前記ブリッジコンバータ及び前記双方向ブリッジは、いずれも外部電池に接続され、
前記モータコイル、前記ブリッジコンバータ及び外部充電ポートは、直流充電回路を構成して外部電池を充電し、
前記モータコイル、前記ブリッジコンバータ、前記双方向ブリッジ及び外部充電ポートは、交流充電回路を構成して外部電池を充電し、
前記モータコイル、前記ブリッジコンバータ及び外部電池は、モータ駆動回路を構成する。
【0009】
本願は、上記エネルギー変換装置及び制御モジュールを含む動力システムを提供することを別の目的とし、前記エネルギー変換装置は、
モータコイルを含むモータと、
前記モータコイルの一端に接続されたブリッジコンバータを含み、前記モータコイルの他端が外部充電ポートに接続されるモータ制御モジュールと、
双方向ブリッジを含み、前記双方向ブリッジが前記ブリッジコンバータに並列接続されて第1の共通接続端及び第2の共通接続端を構成し、前記第1の共通接続端が外部電池の一端に接続され、前記第2の共通接続端が前記電池の他端に接続され、前記充電ポートが前記第2の共通接続端及び前記双方向ブリッジに接続される車載充電モジュールと、を含み、
前記制御モジュールは、充電ポート、前記モータコイル、及び前記ブリッジコンバータで構成された外部電池の直流充電回路と、充電ポート、前記モータコイル、前記ブリッジコンバータ、及び前記双方向ブリッジで構成された外部電池の交流充電回路と、前記モータコイル、前記ブリッジコンバータ及び外部電池で構成されたモータ駆動回路とを制御し、前記直流充電回路、前記交流充電回路及び前記駆動回路は、前記モータコイル及び前記ブリッジコンバータを共用する。
【0010】
本願は、上記動力システムを含む車両を提供することを別の目的とする。
【0011】
本願において、モータコイル、ブリッジコンバータ及び双方向ブリッジを含む、駆動及び充電機能を備えたエネルギー変換装置を用いることにより、該エネルギー変換装置は、駆動モード、直流充電モード及び交流充電モードで動作し、さらに同一のシステムを用いて車両のモータ駆動及び電池充電を行うことができ、特に同一の回路トポロジーを用いれば直流充電及び交流充電を実現することができ、部品の多重化程度が高く、システムの集積度が高く、構造が簡単であり、これにより、システムコストを低減し、システムの体積を減少させ、従来のモータ駆動と充電システム全体の構造が複雑で、集積度が低く、体積が大きく、コストが高いという問題を解決する。
【0012】
本願の追加の態様及び利点は、一部が以下の説明において示され、一部が以下の説明において明らかになるか又は本願の実践により把握される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置のモジュール構造概略図である。
図2】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の回路構造概略図である。
図3】本願の実施例2に係るエネルギー変換装置の回路構造概略図である。
図4】本願の実施例2に係るエネルギー変換装置のモジュール構造概略図である。
図5】本願の実施例3に係るエネルギー変換装置のモジュール構造概略図である。
図6】本願の実施例3に係るエネルギー変換装置の回路構造概略図である。
図7】本願の実施例3に係るエネルギー変換装置の別の回路構造概略図である。
図8】本願の実施例4に係るエネルギー変換装置の回路構造概略図である。
図9】本願の実施例5に係るエネルギー変換装置のモジュール構造概略図である。
図10】本願の実施例5に係るエネルギー変換装置の回路構造概略図である。
図11】本願の実施例5に係るエネルギー変換装置の別の回路構造概略図である。
図12】本願の実施例6に係るエネルギー変換装置のモジュール構造概略図である。
図13】本願の実施例7に係るエネルギー変換装置のモジュール構造概略図である。
図14】本願の実施例7に係るエネルギー変換装置の回路構造概略図である。
図15】本願の実施例8に係るエネルギー変換装置のモジュール構造概略図である。
図16】本願の実施例9に係るエネルギー変換装置のモジュール構造概略図である。
図17】本願の実施例9に係るエネルギー変換装置の回路構造概略図である。
図18】本願の実施例9に係るエネルギー変換装置の動作タイミング概略図である。
図19】本願の実施例10に係る動力システムのモジュール構造概略図である。
図20】本願の実施例11に係る動力システムのモジュール構造概略図である。
図21】本願の実施例12に係る動力システムの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本願の実施例を詳細に説明し、上記実施例の例は図面に示され、全体を通して同一又は類似の符号は、同一又は類似の部品、若しくは同一又は類似の機能を有する部品を示す。以下、図面を参照しながら説明される実施例は例示的なものに過ぎず、本願を解釈するためのものであり、本願を限定するためのものであると理解すべきではない。
【0015】
以下、具体的な図面を参照して本願の実現を詳細に説明する。
【0016】
図1は、本願の実施例1に係るエネルギー変換装置のモジュール構造を示し、説明を容易にするために、本実施例に関連する部分のみを示し、以下のように詳細に説明する。
【0017】
図1に示すように、本願の実施例に係るエネルギー変換装置は、モータコイル11、ブリッジコンバータ12及び双方向ブリッジ13を含む。
【0018】
ブリッジコンバータ12は、別個にモータコイル11と双方向ブリッジ13に接続され、モータコイル11、ブリッジコンバータ12及び双方向ブリッジ13は、いずれも外部充電ポート10に接続され、ブリッジコンバータ12及び双方向ブリッジ13は、いずれも外部電池200に接続され、
具体的には、モータコイル11、ブリッジコンバータ12及び外部充電ポート10は、直流充電回路を構成して外部電池200を充電し、
モータコイル11、ブリッジコンバータ12、双方向ブリッジ13及び外部充電ポート10は、交流充電回路を構成して外部電池200を充電し、
モータコイル11、ブリッジコンバータ12及び外部電池200は、モータ駆動回路を構成する。
【0019】
具体的に実施する場合、該エネルギー変換装置が直流充電又は交流充電に用いられる場合、該エネルギー変換装置は、充電ポート10を介して外部の直流電源又は交流電源に接続されてよく、上記直流電源は、外部交流電源が充電ポートを介して整流された後に取得した直流電流であってもよく、充電ポートを介して外部直流電源から入力された直流電流であってもよく、上記交流電源は、外部直流電源が充電ポートを介して逆変換された後に取得した交流電流であってもよく、充電ポートを介して外部交流電源から入力された交流電流であってもよく、ここで具体的な制限を行わない。
【0020】
なお、具体的に動作する場合、該エネルギー変換装置は、上記駆動モード、直流充電モード及び交流充電モードで動作するだけでなく、直流放電モード、交流放電モード、駆動放電モード、緊急モードなどで動作することができ、後に該エネルギー変換装置の様々な動作モードを詳細に説明し、ここでは説明を省略する。
【0021】
なお、本願において、本実施例に説明される「外部電池」及び「外部充電ポート」は、エネルギー変換装置に対して「外部」に位置し、エネルギー変換装置が設けられた車両の「外部」に位置することではない。
【0022】
本実施例において、モータコイル、ブリッジコンバータ及び双方向ブリッジを含む、駆動及び充電機能を備えたエネルギー変換装置を用いることにより、該エネルギー変換装置は、駆動モード、直流充電モード及び交流充電モードで動作し、さらに同一のシステムを用いて車両のモータ駆動及び電池充電を行うことができ、すなわち、モータコイル及びブリッジコンバータが直流充電に用いられ、モータコイル、ブリッジコンバータ及び双方向ブリッジが交流充電に用いられ、モータコイル及びブリッジコンバータがモータ駆動に用いられることで、部品の多重化程度が高く、システムの集積度が高く、構造が簡単であり、これにより、システムコストを低減し、システムの体積を減少させ、従来のモータ駆動と充電システム全体の構造が複雑で、集積度が低く、体積が大きく、コストが高いという問題を解決する。
【0023】
また、従来の交流充電システムと直流充電システムとの間の充電パワーの差が大きいため、2つの充電システムの回路トポロジーの差が大きく、一般的に2つのシステムが独立して設けられ、多重化程度が低く、本願に示されたエネルギー変換装置の汎用性が高く、直流充電ステーション又は交流充電ステーションに対しても、該エネルギー変換装置は、いずれも充電でき、システムコストを低減し、システムの体積を減少させ、従来の交流充電システム及び直流充電システム全体の構造が複雑で、多重化程度が低いという問題を解決する。
【0024】
本願の他の実施例において、ブリッジコンバータ12は、双方向変換を実現することができ、エネルギー変換装置が駆動モードで動作する場合、ブリッジコンバータ12は、三相インバータ機能を果たし、モータコントローラとしての役割を果たす。エネルギー変換装置が交流充電モードで動作する場合、ブリッジコンバータ12は、整流及びパワー補正の機能を果たし、エネルギー変換装置が直流充電モードで動作する場合、ブリッジコンバータ12は、直流昇圧機能を果たす。
【0025】
関連技術において、交流充電を実現するために交流充電モジュールを用いる必要があり、直流充電を実現するために直流充電モジュールを用いる必要があり、モータ駆動を実現するためにインバータモジュールを用いる必要があるが、これら3つの機能を1つのモジュールに集積する関連技術がないため、回路構造が複雑で、集積度が低く、体積が大きく、コストが高い。本願は、創作的にこれら3つの機能を同一の回路に集積することにより、複数の部品の機能多重化を実現し、機能を集積した後、直流充電モジュール、交流充電モジュール、インバータモジュールが互いに独立した別体式製品と比較して、
本願の他の実施例において、モータコイル11、ブリッジコンバータ12、双方向ブリッジ13は、機能多重化を実現する。モータ駆動回路において、モータコイル11は、通電した後に誘導起電力を発生させる役割を果たし、ブリッジコンバータ12は、三相インバータ機能を実現する役割を果たし、交流充電回路において、モータコイル11は、PFC回路におけるインダクタとして機能する役割を果たし、ブリッジコンバータ12は、PFC回路における一組のブリッジとして機能する役割を果たし、双方向ブリッジ13は、PFC回路における別の組のブリッジとして機能する役割を果たし、直流充電回路において、モータコイル11は、昇圧DCにおける昇圧インダクタとして機能する一方で、回路におけるリップルを減少させる役割を果たし、ブリッジコンバータ12は、昇圧DCにおけるブリッジとして機能する役割を果たす。
【0026】
また、従来の技術において、交流充電システムと直流充電システムは、独立して設けられ、多重化程度が低いため、2つのシステムの体積が大きく、コストが高いのに対し、本願のエネルギー変換装置は、交流充電機能を実現するだけでなく、直流充電機能を実現することができ、機能多重化を実現し、すなわち、本願のモータコイルとブリッジコンバータは、いずれも交流充電と直流充電に関与し、部品の多重化を実現し、さらに機能多重化及び部品多重化により従来の技術における構造が複雑で、多重化程度が低く、コストが高く、体積が大きいという問題を解決する。
【0027】
本願の他の実施形態において、交流充電時に一般的に家庭用コンセントを用い、一般的な交流電源パワーが一般的に7キロワット(kW)であり、直流充電時に一般的に専用充電スタンドを用い、そのパワーが一般的に60kW~150kWであり、100kW以上の高速直流充電スタンドが発展傾向であり、また、モータ駆動時のパワーが一般的に100kW程度であるため、上記説明から分かるように、車両は、モータ駆動、直流充電及び交流充電の3種類の状況でのパワーレベル差が大きく、パワー差は、スイッチトランジスタの選択に対して非常に重要である。
【0028】
スイッチトランジスタにとって、ハイパワーのスイッチトランジスタがローパワーのスイッチトランジスタよりも高価であるため、エネルギー変換装置がモータ駆動モード、直流充電モード及び交流充電モードで動作する時に必要な異なるパワーに基づいて考慮すると、ブリッジコンバータ12におけるスイッチトランジスタのタイプは、双方向ブリッジ13におけるスイッチトランジスタのタイプと異なり、すなわち、双方向ブリッジ13とブリッジコンバータ12は、異なるパワーレベルのスイッチトランジスタを用い、1つの実施例において、ブリッジコンバータ12が用いるスイッチトランジスタのパワーレベルは、双方向ブリッジ13が用いるスイッチトランジスタのパワーレベルよりも大きい。例えば、同じタイプのスイッチトランジスタにおいて、ブリッジコンバータ12は、高電流レベルのMOSFETスイッチトランジスタを用い、双方向ブリッジ13は、低電流レベルのMOSFETスイッチトランジスタを用い、或いは、例えば、異なるタイプのスイッチトランジスタにおいて、ブリッジコンバータ12は、ハイパワーのIGBTスイッチトランジスタを用い、双方向ブリッジ13は、ローパワーのMOSFETスイッチトランジスタを用いる。具体的には、本実施例において、直流充電及びモータ駆動等のハイパワーモードで、いずれもブリッジコンバータ12を用いるため、本実施例におけるブリッジコンバータ12は、ハイパワーのIGBTスイッチトランジスタを用いて実現されるか、又は高電流レベルのMOSFETスイッチトランジスタを用いて実現され、双方向ブリッジ13は、主に交流充電時に動作するため、ローパワーのMOSFETを用いて実現することができ、このようにエネルギー変換装置の有効動作を保証すると同時に回路コストを低減することができる。
【0029】
一方、交流充電時に、双方向ブリッジ13に必要なスイッチング周波数が高い(例えば60kHz)ため、高周波動作を実現する時に効率の高いMOSFETスイッチトランジスタ又は炭化ケイ素MOSFETスイッチトランジスタを用いる必要があり、ブリッジコンバータ121が3相ブリッジを有し、その動作方式が3相インターリーブ制御であるため、ブリッジコンバータ12のスイッチトランジスタに必要な周波数が低いことで、ブリッジコンバータ12におけるスイッチトランジスタのタイプと双方向ブリッジ13におけるスイッチトランジスタのタイプは異なり、例えば、ブリッジコンバータ12におけるスイッチトランジスタのタイプは、低周波動作時に効率の高いIGBTスイッチトランジスタである。
【0030】
また、エネルギー変換装置が交流充電モード又は直流充電モードで動作する場合、ブリッジコンバータ12が用いる3相インターリーブ制御動作方式は、該エネルギー変換装置が充電する時に、直流側リップルが減少し、充電効率が増大するようにすることができる。
【0031】
本願におけるエネルギー変換装置を交流/直流充電性能試験に用いる場合、発明者らは、充電効率を向上させるためにエネルギー変換装置の全体的なインダクタンスを向上させる設計概念を提供し、モータ構造を研究することにより、モータコイルのインダクタンスを向上させることが実行可能な方法の1つであることを発見した。
【0032】
本願の1つの実施形態として、図2に示すように、モータコイル11の3相巻線は、それぞれN個のコイル分岐回路を含み、各相巻線におけるN個のコイル分岐回路は、第1の端が共通接続された後にブリッジコンバータ12に接続され、第2の端が他の2相巻線におけるN個のコイル分岐回路の第2の端に一対一に対応して接続されてN個の中性点を形成し、充電ポート10がM個の中性点に接続され、ここで、Nは、1より大きい整数であり、好ましくは4であり、Mは、Nより小さい正の整数である。
【0033】
具体的には、図2において、Mの数値が2であり、Nの数値が4であることを例として、本願のモータコイル11の具体的な構造、すなわち、4つの中性点のうちの2つの中性点が充電ポート10に接続されることを説明する。なお、本実施例において、Nの数値が4であることのみを例としてモータコイル11の各相巻線に含まれるコイル分岐回路の数を説明し、具体的なコイル分岐回路の数を制限しない。
【0034】
以下、具体的な例によりモータコイル11の3相巻線を詳細に説明する。
【0035】
具体的には、図2に示すように、モータコイル11は、いずれもN個のコイル分岐回路を含むU相巻線、V相巻線及びW相巻線を含む。
【0036】
図2に示すように、U相巻線におけるN個のコイル分岐回路の第1の端が共通接続された後にブリッジコンバータ12の第1の相ブリッジに接続され、V相巻線におけるN個のコイル分岐回路の第1の端が共通接続された後にブリッジコンバータ12の第2の相ブリッジに接続され、W相巻線におけるN個のコイル分岐回路の第1の端が共通接続された後にブリッジコンバータ12の第3の相ブリッジに接続され、U相巻線、V相巻線及びW相巻線における各相巻線のN個のコイル分岐回路の第2の端が他の2相巻線におけるN個のコイル分岐回路の第2の端に一対一に対応して接続されてN個の中性点N1、N2、N3......Nを形成し、該N個の中性点が充電ポート10に直接接続されてもよく、他の接続回路により充電ポート10に接続されてもよく、本実施例において、N個の中性点のうちのM個の中性点が充電ポート10に直接接続されることを例として説明し、後に接続回路を詳細に説明し、ここでは説明を省略する。
【0037】
モータコイルの全ての中性点がいずれも充電ポートに接続されることに比べて、本実施例において、一部の中性点を充電ポートに接続することで、並列接続されたモータコイルを減少させ、モータコイルの等価インダクタンスを増加させ、エネルギー変換装置の全体的なインダクタンスを増加させることにより、充電効率を向上させる。
【0038】
別の実施例において、発明者らは、充電パワーと充電効率因子を総合的に考慮し、充電パワーがモータコイルの過電流能力と正に相関し、並列接続されたモータコイルが多いほど、過電流能力が強くなり、充電効率がモータコイルのインダクタンスの大きさと負に相関し、並列接続されたモータコイルが少ないほど、モータコイルのインダクタンスが大きくなる。本実施例において、各相巻線がいずれもN個のコイル分岐回路を含むモータコイル11を用いることにより、該エネルギー変換装置は、モータコイル11のインダクタンス値を変更することにより異なるパワーでの直流充電又は交流充電を実現し、さらに該エネルギー変換装置の充電パワーをインダクタンス値により調整できるという目的を達成することができる。
【0039】
本願の1つの実施形態として、図3に示すように、該エネルギー変換装置は、モータコイル11のN個の中性点のうちのM個の中性点と充電ポート10との接続を制御する中性点スイッチ130をさらに含む。
【0040】
具体的に実施する場合、中性点スイッチ130は、N個の単極単投スイッチを用いて実現することができ、複数の単極双投スイッチを用いて実現することもできる。中性点スイッチ130がN個の単極単投スイッチを用いて実現される場合、該N個の単極単投スイッチは、第1の端がモータコイル11のN個の中性点に一対一に対応して接続され、第2の端がいずれも充電ポート10に接続される。中性点スイッチ130が複数の単極双投スイッチを用いて実現される場合、該複数の単極双投スイッチの可動端がいずれも充電ポート10に接続され、各単極双投スイッチの2つの固定端が必要に応じてモータコイル11のうちの2つの中性点に一対一に対応して接続される。また、中性点スイッチ130はさらに、単極多投スイッチを用いて実現することができ、該単極多投スイッチは、可動端が充電ポート10に接続され、各固定端が必要に応じてそれぞれモータコイル11中の中性点に一対一に対応して接続される。
【0041】
本実施例において、エネルギー変換装置に中性点スイッチ130を追加し、中性点スイッチで選択的にオンオフすることにより、該中性点スイッチ130は、充電ポート10とモータコイル11のN個の中性点のうちのM個の中性点を接続し、さらに該エネルギー変換装置は、必要に応じて中性点スイッチ130におけるスイッチをオンにするか又はオフにすることにより、モータコイル11の3相巻線から異なる数のコイル分岐回路を選択して、充電パワーの調整を実現することに役立つ。
【0042】
本願の1つの実施形態として、図4に示すように、エネルギー変換装置は、スイッチモジュール14をさらに含む。
【0043】
スイッチモジュール14は、一端が充電ポート10に接続され、他端が別個にモータコイル11、ブリッジコンバータ12及び双方向ブリッジ13に接続され、スイッチモジュール14は、駆動モード、直流充電モード及び交流充電モードを切り替える。
【0044】
本実施例において、エネルギー変換装置にスイッチモジュール14を追加することにより、該スイッチモジュール14は、エネルギー変換装置が駆動モード、直流充電モード及び交流充電モードの間に切り替えることを容易にし、該エネルギー変換装置が正確なモード切り替えを行うことができないことによる故障の発生を効果的に防止し、エネルギー変換装置の信頼性を向上させる。
【0045】
本願の1つの実施形態として、図5に示すように、充電ポート10は、直流充電ポート101及び交流充電ポート102を含み、スイッチモジュール14は、第1のスイッチユニット141及び第2のスイッチユニット142を含む。
【0046】
直流充電ポート101、第1のスイッチユニット141、モータコイル11、ブリッジコンバータ12は、電池200に対して直流充電回路を構成し、交流充電ポート102、第2のスイッチユニット142、モータコイル11、ブリッジコンバータ12、双方向ブリッジ13は、電池200に対して交流充電回路を構成する。放電モードで、直流充電ポート101、第1のスイッチユニット141、モータコイル11、ブリッジコンバータ12は、電池200に対して直流放電回路を構成し、交流充電ポート102、第2のスイッチユニット142、モータコイル11、ブリッジコンバータ12、双方向ブリッジ13は、電池200に対して交流放電回路を構成する。
【0047】
本実施例において、直流充電ポート101及び交流充電ポート102で構成された充電ポート10と、第1のスイッチユニット141及び第2のスイッチユニット142で構成されたスイッチモジュール14とを用いることにより、エネルギー変換装置は、直流充電モード又は交流充電モードで動作する場合、異なるモードに対応する充電回路を有し、さらに直流充電回路と交流充電回路が干渉することがなく、回路の信頼性が高く、安定性が高い。
【0048】
本願の1つの実施形態として、図6に示すように、第1のスイッチユニット141は、第1のスイッチK1及び第2のスイッチK2を含み、第1のスイッチK1は、一端が直流充電ポート101に接続され、他端がモータコイル11に接続され、第2のスイッチK2は、一端が直流充電ポート101に接続され、他端がブリッジコンバータ12に接続され、第2のスイッチユニット142は、第3のスイッチK3及び第4のスイッチK4を含み、第3のスイッチK3は、一端が交流充電ポート102に接続され、他端がモータコイル11に接続され、第4のスイッチK4は、一端が交流充電ポート102に接続され、他端が双方向ブリッジ13に接続され、具体的には双方向ブリッジ13の中間点に接続される。
【0049】
具体的には、再び図6を参照し、本実施例において、具体的に実施する場合、第1のスイッチK1、第2のスイッチK2、第3のスイッチK3及び第4のスイッチK4は、いずれも単極単投スイッチを用いて実現され、第1のスイッチK1の第1の端と第2のスイッチK2の第1の端がいずれも直流充電ポート101に接続され、第1のスイッチK1の第2の端がモータコイル11の中性点に接続され、第2のスイッチK2の第2の端がブリッジコンバータ12の負側に接続される。同様に、第3のスイッチK3の第1の端と第4のスイッチK4の第1の端がいずれも交流充電ポート102に接続され、第3のスイッチK3の第2の端がモータコイル11の中性点に接続され、第4のスイッチK4の第2の端が双方向ブリッジ13の中間点に接続される。
【0050】
具体的に実施する場合、エネルギー変換装置が駆動モードで動作する場合、第1のスイッチK1、第2のスイッチK2、第3のスイッチK3及び第4のスイッチK4は、いずれも開かれ、この時に電池200、ブリッジコンバータ12及びモータコイル11は、モータ駆動回路を構成し、エネルギー変換装置が直流充電モードで動作する場合、第1のスイッチK1及び第2のスイッチK2が閉じられ、第3のスイッチK3及び第4のスイッチK4が開かれ、この時に直流充電ポート101、第1のスイッチK1、第2のスイッチK2、モータコイル11、ブリッジコンバータ12及び電池200は、直流充電回路を構成し、エネルギー変換装置が交流充電モードで動作する場合、第3のスイッチK3及び第4のスイッチK4が閉じられ、第1のスイッチK1及び第2のスイッチK2が開かれ、この時に交流充電ポート102、第3のスイッチK3、第4のスイッチK4、モータコイル11、ブリッジコンバータ12、双方向ブリッジ13及び電池200は、交流充電回路を構成する。放電モード時に、直流充電ポート101、第1のスイッチK1、第2のスイッチK2、モータコイル11、ブリッジコンバータ12は、電池200に対して直流放電回路を構成し、交流充電ポート102、第3のスイッチK3、第4のスイッチK4、モータコイル11、ブリッジコンバータ12、双方向ブリッジ13は、電池200に対して交流放電回路を構成する。
【0051】
本願の1つの実施形態として、図7に示すように、充電ポート10は、交流/直流充電ポート103を含み、スイッチモジュール14は、第3のスイッチユニット143及び第4のスイッチユニット144を含む。第3のスイッチユニット143は、一端が交流/直流充電ポート103に接続され、他端がモータコイル11に接続され、第4のスイッチユニット144は、一端が交流/直流充電ポート103に接続され、他端がブリッジコンバータ12又は双方向ブリッジ13に接続される。
【0052】
具体的に実施する場合、第3のスイッチユニット143は、第1の端が交流/直流充電ポート103に接続され、第2の端がモータコイル11の中性点に接続され、第4のスイッチユニット144は、一端が交流/直流充電ポート103に接続され、他端がブリッジコンバータ12の負側又は双方向ブリッジ13の中間点に選択的に接続される。
【0053】
第4のスイッチユニット144がブリッジコンバータ12に接続される場合、交流/直流充電ポート103、第3のスイッチユニット143、第4のスイッチユニット144、モータコイル11、ブリッジコンバータ12及び電池200は、直流充電回路又は直流放電回路を構成し、第4のスイッチユニット144が双方向ブリッジ13に接続される場合、交流/直流充電ポート103、第3のスイッチユニット143、第4のスイッチユニット144、モータコイル11、ブリッジコンバータ12、双方向ブリッジ13は、電池に対して交流充電回路又は交流放電回路を構成する。
【0054】
本実施例において、交流/直流充電ポート103で構成された充電ポート10と、第3のスイッチユニット143及び第4のスイッチユニット144で構成されたスイッチモジュール14とを用いることにより、エネルギー変換装置が直流充電モード又は交流充電モードで動作する場合、外部の交流電源又は直流電源は、いずれも該交流/直流充電ポート10を介してエネルギー変換装置に充電エネルギーを供給することができ、第4のスイッチユニット144により、エネルギー変換装置は、異なるモードに対応する直流充電回路又は交流充電回路を有し、さらに直流充電回路と交流充電回路が干渉することがなく、回路の信頼性が高く、安定性が高く、回路の集積度が高い。
【0055】
本願の1つの実施形態として、図7に示すように、第3のスイッチユニット143は、一端が交流/直流充電ポート103に接続され、他端がモータコイル11の中性点に接続された第5のスイッチK5を含む。第4のスイッチユニット144は、1つの可動端及び2つの固定端を含む単極双投スイッチK6を含み、該可動端が交流/直流充電ポート103に接続され、1つの固定端がブリッジコンバータ12に接続され、もう1つの固定端が双方向ブリッジ13の中間点に接続され、或いは、第4のスイッチユニット144は、2つのスイッチを含み、1つのスイッチは、一端が交流/直流充電ポート103に接続され、他端がブリッジコンバータ12に接続され、もう1つのスイッチは、一端が交流/直流充電ポート103に接続され、他端が双方向ブリッジ13に接続される。
【0056】
なお、図7は、第4のスイッチユニット144が単極双投スイッチK6を用いて実現されることを例として説明し、第4のスイッチユニット144が2つの単極単投スイッチを用いて実現される場合、該2つの単極単投スイッチの第1の端がいずれも交流/直流充電ポートに接続され、第1の単極単投スイッチの第2の端がブリッジコンバータ12の負側に接続され、第2の単極単投スイッチの第2の端が双方向ブリッジ13の中間点に接続される。
【0057】
また、具体的に実施する場合、エネルギー変換装置が駆動モードで動作する場合、第5のスイッチ及び単極双投スイッチは、いずれも開かれ、この時に電池200、ブリッジコンバータ12及びモータコイル11は、モータ駆動回路を構成し、エネルギー変換装置が直流充電モードで動作する場合、第5のスイッチは閉じられ、単極双投スイッチK6の第1の固定端は閉じられ、この時に交流/直流充電ポート103、第5のスイッチ、単極双投スイッチK6、モータコイル11、ブリッジコンバータ12及び電池200は、直流充電回路を構成し、エネルギー変換装置が交流充電モードで動作する場合、第5のスイッチは閉じられ、単極双投スイッチの第2の固定端は閉じられ、この時に交流/直流充電ポート103、第5のスイッチ、単極双投スイッチK6、モータコイル11、ブリッジコンバータ12、双方向ブリッジ13及び電池200は、交流充電回路を構成する。
【0058】
本実施例において、スイッチK5及び単極双投スイッチK6を用いることにより、該スイッチK5及び単極双投スイッチK6は、他の実施例における第1のスイッチK1~第4のスイッチK4に代わることができ、さらに駆動モード、直流充電モード及び交流充電モードの三者の間の切り替えを実現する時に、スイッチモジュール14に用いられる電子部品を減少させることにより、エネルギー変換装置の電子部品の数量を減少させ、エネルギー変換装置のコストを低減すると同時に、回路構成がより簡単である。
【0059】
本願の1つの実施形態として、図8に示すように、該エネルギー変換装置は、双方向ブリッジ13に並列接続された第1のキャパシタC1をさらに含む。該第1のキャパシタC1も機能多重化を実現し、該エネルギー変換装置の交流充電回路、直流充電回路及びモータ駆動回路は、いずれも第1のキャパシタC1を共用し、具体的には、モータコイル11、ブリッジコンバータ12、第1のキャパシタC1及び外部充電ポートは、直流充電回路を構成して外部電池を充電し、モータコイル11、ブリッジコンバータ12、双方向ブリッジ13、第1のキャパシタC1及び外部充電ポートは、交流充電回路を構成して外部電池を充電し、モータコイル11、上記ブリッジコンバータ12、第1のキャパシタC1及び外部電池は、モータ駆動回路を構成し、第1のキャパシタの多重化は、直流充電時の電気エネルギーの変換効率及びエネルギー利用率を向上させるだけでなく、交流充電時の電力系統側の高調波電流によるノイズ、及び電力系統への影響を低減し、電力系統の給電品質を向上させ、駆動時に逆変換により発生した高周波スイッチング周波数及び高調波を吸収し、逆変換昇圧後のエネルギー貯蔵性能を向上させ、ブリッジコンバータが安定した純粋な直流バス電圧を有することを保証することができ、部品の多重化程度が高く、エネルギー変換装置の集積度が高く、構造が簡単であり、これにより、エネルギー変換装置のコストを低減し、エネルギー変換装置の体積を減少させる。
【0060】
具体的には、図8に示すように、第1のキャパシタC1は、ブリッジコンバータ12及び双方向ブリッジ13に並列接続される。
【0061】
具体的に動作する場合、該エネルギー変換装置が直流充電モード又は交流充電モードで動作する場合、第1のキャパシタC1は、電池200の直流充電過程又は交流充電過程において、ブリッジコンバータ12又はブリッジコンバータ12及び双方向ブリッジ13から出力された電圧をフィルタリングする以外、ブリッジコンバータ12又はブリッジコンバータ12及び双方向ブリッジ13から出力された電圧に基づいてエネルギー貯蔵を行うことにより、電池200の直流充電又は交流充電を完了することができる。
【0062】
本実施例において、エネルギー変換装置に第1のキャパシタC1を設けることにより、該第1のキャパシタC1は、ブリッジコンバータ12又はブリッジコンバータ12及び双方向ブリッジ13から出力された電圧をフィルタリングする以外、同時にブリッジコンバータ12又はブリッジコンバータ12及び双方向ブリッジ13から出力された電圧に基づいてエネルギー貯蔵を行うことにより、電池200の直流充電又は交流充電を完了することができ、これによりエネルギー変換装置の正常充電機能を保証し、さらに他のクラッタが充電過程を干渉しないことを保証することができ、また、第1のキャパシタC1は、エネルギー変換装置がモータ駆動モードで動作する場合、モータコントローラのキャパシタとして用いられ、このように、該第1のキャパシタC1がPFCキャパシタとして用いられるだけでなく、モータコントローラのキャパシタとして多重化され、エネルギー変換装置における電子部品の利用率を向上させると同時に、エネルギー変換装置の構造を簡略化する。
【0063】
本願の1つの実施形態として、図9に示すように、スイッチモジュールは、一端が電池200に接続され、他端が別個にブリッジコンバータ12と双方向ブリッジ13に接続された第5のスイッチユニット145をさらに含む。
【0064】
本実施例において、スイッチモジュールに第5のスイッチユニット145を増設することにより、電池200が該第5のスイッチユニット145を介してブリッジコンバータ12及び双方向ブリッジ13に接続され、さらに該エネルギー変換装置は、フロントエンド回路に故障が発生する(例えば、スイッチモジュール14、モータコイル11、ブリッジコンバータ12及び双方向ブリッジ13のいずれか1つに故障が発生する)時、第5のスイッチユニット145を制御する方式により電池200の損傷を回避することができ、電池200の耐用年数を向上させる。
【0065】
本願の1つの実施形態として、図10に示すように、第5のスイッチユニット145は、スイッチK7及びスイッチK8を含む。スイッチK7の第1の端が電池200の正極に接続され、スイッチK8の第1の端が電池200の負極に接続され、スイッチK7の第2の端がブリッジコンバータ12の正側及び双方向ブリッジ13の正側に接続され、スイッチK8の第2の端がブリッジコンバータ12の負側及び双方向ブリッジ13の負側に接続される。
【0066】
本願の1つの実施形態として、図12に示すように、該エネルギー変換装置は、双方向DCモジュール15をさらに含み、スイッチモジュール14は、第6のスイッチユニット146をさらに含み、双方向DCモジュール15は、第1の直流端及び第2の直流端を含み、該第1の直流端が双方向ブリッジ13に接続され、第2の直流端が第6のスイッチユニット146の一端に接続され、第6のスイッチユニット146の他端が電池200に接続される。
【0067】
本実施例において、スイッチモジュール14に第6のスイッチユニット146を増設し、エネルギー変換装置に双方向DCモジュール15を追加することにより、該双方向DCモジュール15、第6のスイッチユニット146、エネルギー変換装置における充電ポート10、モータコイル11及び双方向DCモジュール15は、別の交流又は直流充電回路を構成し、エネルギー変換装置の交流直流充電モードを豊富にし、該エネルギー変換装置は、直流充電を行う場合、絶縁型直流充電を行うだけでなく、非絶縁型直流充電を行うことができ、さらにエネルギー変換装置の充電方式は余裕があり、エネルギー変換装置の交流充電過程における安全性を向上させる。
【0068】
本願の1つの実施形態として、図14に示すように、第6のスイッチユニット146は、スイッチK9及びスイッチK10を含む。スイッチK9の第1の端が電池200の正極に接続され、スイッチK10の第1の端が電池200の負極に接続され、スイッチK9の第2の端が双方向DCモジュール15の第2の直流端に接続され、スイッチK10の第2の端が双方向DCモジュール15の第2の直流端に接続される。
【0069】
本願の1つの実施形態として、図12に示すように、双方向DCモジュール15は、蓄電池又は車載放電ポートに接続された第3の直流端をさらに含む。
【0070】
本実施例において、第3の直流端を含む双方向DCモジュール15を用いることにより、該双方向DCモジュール15は、第3の直流端を介して蓄電池及び車載放電ポートに接続することができ、さらに該エネルギー変換装置は、蓄電池により供給されたエネルギーを用いてモータ駆動を行うか、又は車載放電ポートを用いて外部装置に電力を供給することができ、これにより、該エネルギー変換装置の動作モードを豊富にし、該エネルギー変換装置の適用範囲を向上させる。
【0071】
また、本願の実施例において、該双方向DCモジュール15により電池を充電するだけでなく、蓄電池を充電することができ、さらに車内負荷に放電し、緊急駆動などを行うことができ、すなわち、エネルギー変換装置の異なる動作モードで該双方向DCモジュール15を多重化し、異なる動作モード時に異なる回路を増加させる必要がなく、エネルギー変換装置の複雑さ及びコストを低減する。
【0072】
本願の1つの実施形態として、図13に示すように、双方向DCモジュール15は、第1のコンバータ151、第2のコンバータ152、第3のコンバータ153及び変圧ユニット154を含む。変圧ユニット154の一次側、第1の二次側、第2の二次側がそれぞれ第1のコンバータ151、第2のコンバータ152、第3のコンバータ153に接続され、すなわち、変圧ユニット154の一次側が第1のコンバータ151に接続され、変圧ユニット154の第1の二次側が第2のコンバータ152に接続され、変圧ユニット154の第2の二次側が第3のコンバータ153に接続され、第1のコンバータ151が双方向ブリッジ13に並列接続され、第2のコンバータ152が電池200に並列接続され、第3のコンバータ153が蓄電池又は車載放電ポートに並列接続される。
【0073】
本実施例において、第1のコンバータ151、第2のコンバータ152、第3のコンバータ153及び変圧ユニット154を含む双方向DCモジュール15を用いることにより、該エネルギー変換装置が動作する場合、充電ポート10、モータコイル11、ブリッジコンバータ12、双方向ブリッジ13、第1のコンバータ151、変圧ユニット154、第2のコンバータ152、第6のスイッチユニット146及び電池200により他の交流又は直流充電回路を構成することにより、他の交流又は直流充電を実現することができ、充電ポート10、モータコイル11、ブリッジコンバータ12、双方向ブリッジ13、第1のコンバータ151、変圧ユニット154、第3のコンバータ153及び電池又は車載放電ポートは、電池充電回路又は車載放電ポート回路を構成することにより、さらに別の交流充電回路と蓄電池充電回路又は車載放電ポート回路は動作する時、互いに干渉せず、回路の信頼性を向上させる。
【0074】
本願の1つの実施形態として、図13に示すように、第3のコンバータ153は、いずれも変圧ユニット154の第2の二次側に接続された第1のサブコンバータ153a及び第2のサブコンバータ153bを含む。
【0075】
具体的には、第3のコンバータ153の動作方式は、第1のサブコンバータ153a及び第2のサブコンバータ153bが同時に動作する第1の状態と、第1のサブコンバータ153a及び第2のサブコンバータ153bが切り替え動作する第2の状態とを含む。すなわち、第3のコンバータ153が動作する場合、その内部の第1のサブコンバータ153aが単独でコンバータとして用いられ、或いは第2のサブコンバータ153bが単独でコンバータとして用いられ、或いは第1のサブコンバータ153aと第2のサブコンバータ153bが同時に動作することにより、第3のコンバータ153のコンバータ作用を果たす。
【0076】
本実施例において、第1のサブコンバータ153a及び第2のサブコンバータ153bにより第3のコンバータ153を実現することにより、エネルギー変換装置が動作する場合、第1のサブコンバータ153a及び第2のサブコンバータ153bのいずれかは、いずれも第3のコンバータ153の機能を果たすことができ、さらに第1のサブコンバータ153a及び第2のサブコンバータ153bのいずれかに故障が発生する場合、エネルギー変換装置はいずれも影響を受けず、また、第1のサブコンバータ153aと第2のサブコンバータ153bは同時に第3のコンバータ153の機能を果たす場合、第3のコンバータ153の整流能力を向上させることができる。
【0077】
本願の1つの実施形態として、図14に示すように、第1のコンバータ151は、スイッチユニットQ3、Q4、Q5及びQ6、インダクタL2及びキャパシタC2を含む。スイッチユニットQ3、Q4、Q5及びQ6がフルブリッジ整流回路を構成し、スイッチユニットQ3の入力端とスイッチユニットQ5の入力端が共通接続されて双方向DCモジュール15の第1の直流端を構成し、スイッチユニットQ4の出力端とスイッチユニットQ6の出力端が共通接続されて双方向DCモジュール15の第1の直流端を構成し、スイッチユニットQ3の出力端がスイッチユニットQ4の入力端及びキャパシタC2の第1の端に接続され、キャパシタC2の第2の端が変圧ユニット154の一次側に接続され、スイッチユニットQ5の出力端がスイッチユニットQ6の入力端及びインダクタL2の第1の端に接続され、インダクタL2の第2の端が変圧ユニット154の一次側に接続される。
【0078】
本願の1つの実施形態として、図14に示すように、第2のコンバータ152は、スイッチユニットQ7、Q8、Q9及びQ10、インダクタL3及びキャパシタC3を含む。スイッチユニットQ7、Q8、Q9及びQ10がフルブリッジ整流回路を構成し、スイッチユニットQ7の入力端とスイッチユニットQ9の入力端が共通接続されて双方向DCモジュール15の第2の直流端を構成し、スイッチユニットQ8の出力端とスイッチユニットQ10の出力端が共通接続されて双方向DCモジュール15の第2の直流端を構成し、スイッチユニットQ7の出力端がスイッチユニットQ8の入力端及びキャパシタC3の第1の端に接続され、キャパシタC3の第2の端が変圧ユニット154の第1の二次側に接続され、スイッチユニットQ9の出力端がスイッチユニットQ10の入力端及びインダクタL3の第1の端に接続され、インダクタL3の第2の端が変圧ユニット154の第1の二次側に接続される。
【0079】
本願の他の実施例において、エネルギー変換装置は、第1の接続端及び第2の接続端を含む充電接続端群をさらに含み、第1の接続端は、一端が直流充電ポート101に接続され、他端がモータコイル11及びブリッジコンバータ12に接続され、第2の接続端は、一端が交流充電ポート102に接続され、他端がモータコイル11及び双方向ブリッジ13に接続される。
【0080】
本願の他の実施例において、エネルギー変換装置は、第1のエネルギー接続端及び第2のエネルギー接続端を含むエネルギー貯蔵端群をさらに含み、第1のエネルギー接続端は、一端が電池に接続され、他端がブリッジコンバータ12に接続され、第2の接続端は、一端が電池200に接続され、他端が双方向DCモジュール15に接続される。
【0081】
本願の1つの実施形態として、図14に示すように、第1のサブコンバータ153aは、スイッチユニットQ11及びQ12を含み、第2のサブコンバータ153bは、スイッチユニットQ13及びQ14を含む。スイッチユニットQ11、Q12、Q13及びQ14の入力端がいずれも変圧ユニット154の第2の二次側に接続され、スイッチユニットQ11、Q12、Q13及びQ14の出力端が共通接地される。
【0082】
なお、本願の実施例において、双方向DCモジュール15に含まれる複数のスイッチユニットは、ダイオードが並列接続され、スイッチング動作を実行できるデバイス、例えばパワートランジスタ、金属-酸化層半導体電界効果トランジスタ(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor、MOSFET)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor、IGBT)などのスイッチングデバイスを用いて実現することができる。
【0083】
本願の1つの実施形態として、図14に示すように、変圧ユニット154は、変圧器T1を含み、該変圧器T1は、一次側が変圧ユニット154の一次側であり、第1の二次側が変圧ユニット154の第1の二次側であり、第2の二次側が変圧ユニット154の第2の二次側であり、該第2の二次側が双方向DCモジュール15の第3の直流端を構成する。
【0084】
本願の1つの実施形態として、図14に示すように、エネルギー変換装置は、一端が充電ポート10に接続され、他端がモータコイル11に接続された電圧インダクタL1をさらに含む。
【0085】
具体的には、本願の実施例として、図14に示すように、インダクタL1は、第1の端がスイッチK1の第2の端及びスイッチK3の第2の端に接続され、第2の端がモータコイル11の3相巻線の中性点に接続される。
【0086】
具体的には、直流充電モードで、充電ポート10、インダクタL1、モータコイル11、ブリッジコンバータ12は、電池200に対して直流充電回路を構成し、
交流充電モードで、充電ポート10、インダクタL1、モータコイル11、ブリッジコンバータ12、双方向ブリッジ13は、電池200に対して交流充電回路を構成する。
【0087】
本実施例において、エネルギー変換装置が交流充電モードで動作する時、インダクタL1は、双方向ブリッジ13と協働することにより、充電ポート10により受けられた交流電流を目標電圧に変換した後に電池200に対して交流充電を行い、すなわち、電池200の充電過程において、理想的な電圧を出力して電池200を充電する必要がある場合、インダクタL1及び双方向ブリッジ13の共同作用により、充電過程における出力電圧を調整して、該エネルギー変換装置の電圧変換機能を保証することができる。
【0088】
本願の1つの実施形態として、図16に示すように、双方向DCモジュール15は、第1のDC/DC変換回路155及び第2のDC/DC変換回路156を含む。
【0089】
第1のDC/DC変換回路155は、一端が双方向ブリッジ13に接続され、他端が第6のスイッチユニット146に接続され、
第2のDC/DC変換回路156は、一端が双方向ブリッジ13に接続され、他端が蓄電池に接続される。
【0090】
本実施例において、第1のDC/DC変換回路155及び第2のDC/DC変換回路156を含む双方向DCモジュール15を用いることにより、該双方向DCモジュール15は、第1のDC/DC変換回路155により電池200に接続され、第2のDC/DC変換回路156により蓄電池に接続され、さらに該エネルギー変換装置は、蓄電池から供給されるエネルギーを用いてモータ駆動を行うことができ、同時に電池を充電することができ、該エネルギー変換装置の動作モードを豊富にし、該エネルギー変換装置の適用範囲を向上させる。
【0091】
具体的に実施する場合、図17に示すように、第1のDC/DC変換回路155は、スイッチトランジスタQ3~スイッチトランジスタQ10、インダクタL2、インダクタL3、キャパシタC2、キャパシタC3及び変圧器T1を含み、スイッチトランジスタQ3~スイッチトランジスタQ10、インダクタL2とインダクタL3及びキャパシタC2とキャパシタC3との間の接続関係は、図14に示す第1のコンバータ151と第2のコンバータ152との接続関係と同じであるため、図14の関連説明を参照することができ、ここでは説明を省略し、変圧器T1と他の部品との接続関係は、図16の具体的な図示を参照することができ、ここで同様に説明を省略する。
【0092】
また、第2のDC/DC変換回路156は、スイッチトランジスタQ31、スイッチトランジスタQ41、スイッチトランジスタQ51、スイッチトランジスタQ61、スイッチトランジスタQ11、スイッチトランジスタQ12、スイッチトランジスタQ13、スイッチトランジスタQ14、インダクタL21、キャパシタC21及び変圧器T2を含み、スイッチトランジスタQ31、スイッチトランジスタQ41、スイッチトランジスタQ51、スイッチトランジスタQ61、スイッチトランジスタQ11、スイッチトランジスタQ12、スイッチトランジスタQ13、スイッチトランジスタQ14、インダクタL21、キャパシタC21及び変圧器T2の間の接続関係は、図14の具体的な図示を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0093】
本願において、図15又は図17に示す双方向DCモジュール15により、エネルギー変換装置は動力電池200が深刻に電欠になるか又は動力電池200に故障が発生するため正常に電流を出力することができない場合、第5のスイッチユニット145と第6のスイッチユニット146を開く方式により、蓄電池は、双方向DCモジュール15、ブリッジコンバータ12によりモータに電力を供給することにより、モータを駆動し、緊急駆動を実現することができる。
【0094】
本願の1つの実施形態として、図15又は図17に示すように、該エネルギー変換装置は、スイッチK11及び抵抗器R1をさらに含み、該スイッチK11及び抵抗器R1は、予備充電モジュールを構成することにより、エネルギー変換装置が動作する時、スイッチK7及びスイッチK9を予備充電することにより、スイッチK7及びスイッチK9に故障が発生することを防止し、さらにエネルギー変換装置の故障率を低減する。
【0095】
具体的には、図15又は図17に示すように、該スイッチK11は、第1の端がスイッチK7の第2の端に接続され、第2の端がスイッチK9の第2の端及び抵抗器R1の第1の端に接続され、抵抗R1の第2の端がスイッチK7の第1の端、スイッチK9の第1の端及び電池200の正極に接続される。
【0096】
本願の1つの実施形態として、図11図14図15又は図17に示すように、エネルギー変換装置におけるブリッジコンバータ12は、直列接続された第1のパワースイッチユニット1及び第2のパワースイッチユニット2、直列接続された第3のパワースイッチユニット3及び第4のパワースイッチユニット4、並びに直列接続された第5のパワースイッチユニット5及び第6のパワースイッチユニット6で構成された3相ブリッジを含む。
【0097】
具体的には、第1のパワースイッチユニット1の第1の端、第3のパワースイッチユニット3の第1の端及び第5のパワースイッチユニット5の第1の端は、共通接続されて双方向ブリッジ13の正側に接続されたブリッジコンバータ12の正側を構成し、
第2のパワースイッチユニット2の第2の端、第4のパワースイッチユニット4の第2の端及び第6のパワースイッチユニット6の第2の端は、共通接続されて双方向ブリッジ13の負側に接続されたブリッジコンバータ12の負側を構成し、
第1のパワースイッチユニット1の第2の端と第2のパワースイッチユニット2の第1の端との接続点は、モータコイル11の第1の相コイルに接続され、第3のパワースイッチユニット3の第2の端と第4のパワースイッチユニット4の第1の端との接続点は、モータコイル11の第2の相コイルに接続され、第5のパワースイッチユニット5の第2の端と第6のパワースイッチユニット6の第1の端との接続点は、モータコイル11の第3の相コイルに接続される。
【0098】
なお、本願の実施例において、ブリッジコンバータ12における複数のパワースイッチユニットは、ダイオードが並列接続され、スイッチング動作を実行できるデバイス、例えばパワートランジスタ、金属-酸化層半導体電界効果トランジスタ(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor、MOSFET)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor、IGBT)などのスイッチングデバイスを用いて実現することができる。
【0099】
本願の他の実施例において、ブリッジコンバータ12が動作する時、第1の相ブリッジにおけるパワースイッチユニット、第2の相ブリッジにおけるパワースイッチユニット及び第3の相ブリッジにおけるパワースイッチユニットは、所定の位相ずれた制御信号を順次受信して、3相インターリーブ制御方式に入る。なお、本実施例において、所定の位相は、好ましくは120度の角度であり、該好ましい角度は所定の位相を制限しない。
【0100】
具体的には、ブリッジコンバータ12が動作する時、図18に示す動作タイミング図を参照して分かるように、制御信号PWM1は、ブリッジコンバータ12における第1の相ブリッジの第1のパワースイッチユニット1及び第2のパワースイッチユニット2のオンオフを制御し、制御信号PWM1がハイレベルになる時に、第1のパワースイッチユニット1をオンにするように制御し、第2のパワースイッチユニット2をオフにするように制御し、制御信号PWM1がローレベルになる時に、第2のパワースイッチユニット2をオンにするように制御し、第1のパワースイッチユニット1をオフにするように制御し、該制御信号PWM1と所定の位相ずれた後、制御信号PWM2は、ブリッジコンバータ12における第2の相ブリッジの第3のパワースイッチユニット3及び第4のパワースイッチユニット4のオンオフを制御し、制御信号PWM2がハイレベルになる時に、第3のパワースイッチユニット3をオンにするように制御し、第4のパワースイッチユニット4をオフにするように制御し、制御信号PWM2がローレベルになる時に、第4のパワースイッチユニット4をオンにするように制御し、第3のパワースイッチユニット3をオフにするように制御し、該制御信号PWM2と所定の位相ずれた後、制御信号PWM3は、ブリッジコンバータ12における第3の相ブリッジの第5のパワースイッチユニット5及び第6のパワースイッチユニット6のオンオフを制御し、制御信号PWM3がハイレベルになる時に、第5のパワースイッチユニット5をオンにするように制御し、第6のパワースイッチユニット6をオフにするように制御し、制御信号PWM3がローレベルになる時に、第6のパワースイッチユニット6をオンにするように制御し、第5のパワースイッチユニット5をオフにするように制御することにより、ブリッジコントローラ120の3相インターリーブ制御を実現する。
【0101】
本実施例において、3相インターリーブ制御の動作方式によってブリッジコンバータ12の3相ブリッジを制御することにより、該エネルギー変換装置が充電する時に、等価インダクタンスを効果的に向上させ、さらに充電パワーを増大させ、エネルギー変換装置にインダクタL1を増加させる必要がなく、さらにエネルギー変換装置における電子部品の数を減少させ、エネルギー変換装置のコストを低減する。
【0102】
本願の1つの実施形態として、図11図14図15又は図17に示すように、エネルギー変換装置における双方向ブリッジ13は、直列接続された第7のパワースイッチユニットQ1及び第8のパワースイッチユニットQ2を含み、第7のパワースイッチユニットQ1の第1の端が双方向ブリッジ13の正側であり、第8のパワースイッチユニットQ2の第2の端が双方向ブリッジ13の負側であり、第7のパワースイッチユニットQ1の第2の端と第8のパワースイッチユニットQ2の第1の端との接続点が双方向ブリッジ13の中間点である。
【0103】
以下、図14及び図15に示す回路を例として、本願に係るエネルギー変換装置の異なる実施例における動作原理を具体的に説明する。
【0104】
具体的には、図14に示すように、該エネルギー変換装置が直流充電モードで動作し、該直流充電モードが非絶縁型直流充電である場合、第1のスイッチK1、第2のスイッチK2、スイッチK11、スイッチK7及びスイッチK8が閉じられ、他のスイッチ素子K3、K4、K9及びK10が開かれ、この時に直流充電ポート101により受けられた直流電圧は、インダクタL1、モータコイル11の3相巻線U、V、W、ブリッジコンバータ12により昇圧された後、キャパシタC1により電池200に出力されることにより、電池200の直流充電を実現する。
【0105】
或いは、図14に示すように、該エネルギー変換装置が直流充電モードで動作し、該直流充電モードが非絶縁型直流充電である場合、第1のスイッチK1、第2のスイッチK2、スイッチK11、スイッチK7及びスイッチK8が閉じられ、他のスイッチ素子K3、K4、K9及びK10が開かれ、この時に直流充電ポート101により受けられた直流電圧は、モータコイル11の3相巻線U、V、W、ブリッジコンバータ12により昇圧された後、キャパシタC1により電池200に出力されることにより、電池200の直流充電を実現する。
【0106】
また、該エネルギー変換装置が直流充電モードで動作し、該直流充電モードが絶縁型直流充電である場合、図14に示すように、第1のスイッチK1、第2のスイッチK2、スイッチK9及びスイッチK10が閉じられ、他のスイッチ素子K3、K4、K7K8及びK11が開かれ、この時に直流充電ポート101により受けられた直流電圧は、インダクタL1を通過し、モータからモータコイル11の3相巻線U、V、Wに送られ、さらにブリッジコンバータ12により昇圧された後に電圧U0が出力され、該電圧U0は、キャパシタC1によりフィルタリングされてから、スイッチトランジスタQ3、Q4、Q5及びQ6によりフルブリッジ整流が行われた後に変圧器T1に出力され、変圧器T1により逆変換され、スイッチトランジスタQ7、Q8、Q9及びQ10により整流された後、フィルタキャパシタC4により電池200に出力されることにより、電池200の絶縁型直流充電を実現する。なお、本実施例において、絶縁型直流充電は、主に特別な充電施設が電気自動車の電池電圧とマッチングしにくく、二段電圧調整により完了する必要がある場合に用いられる。
【0107】
或いは、図15に示すように、第1のスイッチK1、第2のスイッチK2、スイッチK9及びスイッチK10が閉じられ、他のスイッチ素子K3、K4、K7K8及びK11が開かれ、この時に直流充電ポート101により受けられた直流電圧は、モータからモータコイル11の3相巻線U、V、Wに送られ、さらにブリッジコンバータ12により昇圧された後に電圧U0が出力され、該電圧U0は、キャパシタC1によりフィルタリングされてから、スイッチトランジスタQ3、Q4、Q5及びQ6によりフルブリッジ整流が行われた後に変圧器T1に出力され、変圧器T1により逆変換され、スイッチトランジスタQ7、Q8、Q9及びQ10により整流された後、フィルタキャパシタC4を通過して電池200に出力されることにより、電池200の絶縁型直流充電を実現する。
【0108】
図14に示すように、該エネルギー変換装置が交流充電モードで動作する場合、第3のスイッチK3、第4のスイッチK4、スイッチK11、スイッチK9及びスイッチK10が閉じられ、他のスイッチ素子K1、K2、K7及びK8が開かれ、この時に交流充電ポート102により受けられた交流電圧は、一端でインダクタL1を通過し、モータ中性点から引き出された中性線からモータコイル11の3相巻線U、V、Wに入り、さらにブリッジコンバータ12に入り、他端で双方向ブリッジQ1及びQ2を通過し、さらに該ブリッジQ1及びQ2とブリッジコンバータ12によりフルブリッジ整流が行われた後に電圧U0が出力され、該電圧U0は、キャパシタC1によりフィルタリングされた後にQ3~Q6で構成されたフルブリッジにより整流された後、さらに変圧器T1により逆変換され、さらにQ7~Q10で構成されたフルブリッジにより整流された後にキャパシタC4によりフィルタリングされて電池200に出力されて充電することにより、電池200の交流充電を実現する。
【0109】
或いは、該エネルギー変換装置が交流充電モードで動作する場合、第3のスイッチK3、第4のスイッチK4、スイッチK11、スイッチK7及びスイッチK8が閉じられ、他のスイッチK1、K2、K9及びK10が開かれ、この時に交流充電ポート102により受けられた交流電圧は、一端でインダクタL1を通過し、モータ中性点から引き出された中性線からモータコイル11の3相巻線U、V、Wに入り、さらにブリッジコンバータ12に入り、他端でブリッジQ1及びQ2を通過し、さらに該ブリッジQ1及びQ2とブリッジコンバータ12によりフルブリッジ整流が行われた後に電圧U0が出力され、該電圧U0は、キャパシタC1によりフィルタリングされた後に電圧が電池200に出力されて充電することにより、電池200の交流充電を実現する。
【0110】
或いは、図15に示すように、該エネルギー変換装置が交流充電モードで動作する場合、第3のスイッチK3、第4のスイッチK4、スイッチK11、スイッチK9及びスイッチK10が閉じられ、他のスイッチ素子K1、K2、K7及びK8が開かれ、この時に交流充電ポート102により受けられた交流電圧は、一端でモータ中性点から引き出された中性線からモータコイル11の3相巻線U、V、Wに入り、さらにブリッジコンバータ12に入り、他端で第1のブリッジQ1及びQ2を通過し、さらに該ブリッジQ1及びQ2とブリッジコンバータ12によりフルブリッジ整流が行われた後に電圧U0が出力され、該電圧U0は、キャパシタC1によりフィルタリングされてQ3~Q6で構成されたフルブリッジにより整流された後、変圧器T1により逆変換され、さらにQ7~Q10で構成されたフルブリッジにより整流された後にキャパシタC4によりフィルタリングされて電池200に出力されて充電することにより、電池200の交流充電を実現する。或いは、第3のスイッチK3、第4のスイッチK4、スイッチK11、スイッチK7及びスイッチK8が閉じられ、他のスイッチK1、K2、K9及びK10が開かれ、この時に交流充電ポート102により受けられた交流電圧は、一端でモータ中性点から引き出された中性線からモータコイル11の3相巻線U、V、Wに入り、さらにブリッジコンバータ12に入り、他端でブリッジQ1及びQ2を通過し、さらに該ブリッジQ1及びQ2とブリッジコンバータ12によりフルブリッジ整流が行われた後に電圧U0が出力され、該電圧U0は、キャパシタC1によりフィルタリングされた後に電池200に出力されて充電することにより、電池200の交流充電を実現する。
【0111】
本実施例において、本願に係るエネルギー変換装置が各スイッチのオンオフを制御することにより、交流充電ポート102により受けられた交流電流がインダクタL1、モータコイル11、ブリッジコンバータ12及び双方向ブリッジ13を通過した後に電池200に対して交流充電を行い、交流充電方式は、1つの方式に限定されず、すなわち、該エネルギー変換装置の交流充電方式は、余裕があり、動作電圧を自己調整でき、これにより、充電効率を向上させると同時に、エネルギー変換装置の交流充電機能を効果的に保証することができる。
【0112】
図14に示すように、エネルギー変換装置が交流放電モードで動作する場合、第2のスイッチユニット142と第6のスイッチユニット146がオンにされ、第1のスイッチユニット141と第5のスイッチユニット145がオフにされることにより、電池200から出力された高圧直流電流は、インダクタL1、モータコイル11、ブリッジコンバータ12、双方向ブリッジ13及び双方向DCモジュール15の作用で交流充電ポート102により外部に放電し、或いは、
エネルギー変換装置が交流放電モードで動作する場合、第2のスイッチユニット142と第5のスイッチユニット145がオンにされ、第1のスイッチユニット141と第6のスイッチユニット146がオフにされることにより、電池200から出力された高圧直流電流は、インダクタL1、モータコイル11、ブリッジコンバータ12及び双方向ブリッジ13の作用で交流充電ポート102により外部に放電する。
【0113】
図15に示すように、エネルギー変換装置が交流放電モードで動作する場合、第2のスイッチユニット142と第6のスイッチユニット146がオンにされ、第1のスイッチユニット141と第5のスイッチユニット145がオフにされることにより、電池200から出力された高圧直流電流は、モータコイル11、ブリッジコンバータ12、双方向ブリッジ13及び双方向DCモジュール15の作用で交流充電ポート102により外部に放電し、或いは、
エネルギー変換装置が交流放電モードで動作する場合、第2のスイッチユニット142と第5のスイッチユニット145がオンにされ、第1のスイッチユニット141と第6のスイッチユニット146がオフにされることにより、電池200から出力された高圧直流電流は、モータコイル11、ブリッジコンバータ12及び双方向ブリッジ13の作用で交流充電ポート102により外部に放電する。
【0114】
なお、本実施例において、エネルギー変換装置の交流放電動作モードとその交流充電動作モードとの原理が逆であるため、該エネルギー変換装置の交流放電動作モードの具体的な動作原理は、その交流充電モードの具体的な動作過程を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0115】
また、本願に係るエネルギー変換装置は、交流充電モードで動作するだけでなく、交流放電モードで動作することができるため、2つの車両に同時に該エネルギー変換装置が設けられる場合、そのうちの1つの車両に対して交流放電を行って、他の車両に対して交流充電を行うことにより、車両の充電を実現する。
【0116】
図14に示すように、エネルギー変換装置がモータ駆動モードで動作する場合、スイッチK11、スイッチK7及びスイッチK8が閉じられ、他のスイッチK1~K4及びK9~K10が開かれ、この時に電池200は、高圧直流電流を出力し、該高圧直流電流がブリッジコンバータ12の三相モータ駆動ブリッジを通過して、三相交流電流に変換されてモータコイル11の3相巻線に出力されることにより、モータの駆動を実現する。
【0117】
本実施例において、本願に係るエネルギー変換装置は、モータコイル11、ブリッジコンバータ12、双方向ブリッジ13及び双方向DCモジュール15を1つの回路に集積することにより、車両モータの駆動を行うことができ、さらに車両電池の交流充放電を行うことができ、回路の集積度を向上させると同時に、回路コストを低減し、回路の体積を減少させ、回路の構造が簡単になる。
【0118】
図14に示すように、エネルギー変換装置が直流外部放電モードで動作する場合、スイッチK11、スイッチK7、スイッチK8、スイッチK1及びスイッチK2が閉じられ、スイッチK3、スイッチK4、スイッチK9及びスイッチK10が開かれ、この時に電池200から出力された直流電流は、ブリッジコンバータ12の三相モータ駆動ブリッジ、モータコイル11の3相巻線U、V、W、インダクタL1及び直流充電ポート101を通過して直流電流の外部への放電を実現する。
【0119】
図14に示すように、エネルギー変換装置が駆動放電モードで動作する場合、スイッチK11、スイッチK7及びスイッチK8が閉じられ、スイッチK1~スイッチK4、スイッチK9及びスイッチK10が開かれ、この時に電池200から出力された高圧電流は、キャパシタC1を通過してから一部がブリッジコンバータ12の三相モータ駆動ブリッジに出力され、該三相モータ駆動ブリッジにより変換された後にモータコイル11の3相巻線を駆動し、他の一部がスイッチQ3~スイッチQ6で構成されたフルブリッジ回路に出力され、該フルブリッジ回路により整流された後、変圧器T1、キャパシタC2及びインダクタL2により変換され、さらにスイッチQ11~スイッチQ14のフルブリッジ回路により整流された後、キャパシタによりフィルタリングされて13.8Vの低圧直流電圧が車載放電ポートに出力される。
【0120】
本実施例において、本願に係るエネルギー変換装置が各スイッチのオンオフを制御することにより、電池200から出力された高圧直流電流は、ブリッジコントローラ120、双方向ブリッジ13及び双方向DCモジュール15の作用でモータを動作させるように駆動し、同時に電池200から出力された高圧直流電流は、双方向DCモジュール15の作用で低圧直流電流として出力されることにより、1つの回路を用いてモータ駆動を行うことができると同時に、直流放電を行うことができることを実現する。
【0121】
本願の他の実施例において、図14に示すように、エネルギー変換装置がDC放電モードで動作する場合、スイッチK9、スイッチK10及びスイッチK11が閉じられ、スイッチK1、スイッチK2、スイッチK3、スイッチK4、スイッチK7及びスイッチK8が開かれ、この時に電池200から出力された高圧電流は、キャパシタC4を介してスイッチQ7~スイッチQ10で構成されたフルブリッジ回路に出力され、該フルブリッジ回路により整流され、さらにインダクタL3、キャパシタC3及び変圧器T1により変換され、スイッチQ11~スイッチQ14により再び整流された後、キャパシタC5によりフィルタリングされて13.8Vの低圧直流電圧が車載放電ポートに出力される。
【0122】
本実施例において、本願に係るエネルギー変換装置が回路における各スイッチのオンオフを制御することにより、電池200から出力された高圧直流電流は、双方向DCモジュール15の作用で低圧直流電流として出力され、直流電流を出力する過程において異なる直流出力経路を選択して、回路に1つの直流放電経路のみがあり、該経路に故障が発生した場合、直流放電を行うことができないという問題を回避することができる。
【0123】
本願の他の実施例において、図14に示すように、エネルギー変換装置がスマート充電モードで動作する場合、スイッチK9、スイッチK10及びスイッチK11が閉じられ、スイッチK1~K4、スイッチK7及びスイッチK8が開かれ、この時に電池200から出力された高圧電流は、キャパシタC4を介してスイッチQ7~スイッチQ10で構成されたフルブリッジ回路に出力され、該フルブリッジ回路により整流され、インダクタL3、キャパシタC3及び変圧器T1により変換され、さらにスイッチQ11~スイッチQ14により再整流された後、キャパシタC5によりフィルタリングされて13.8Vの低圧直流電圧が出力されることにより、該13.8Vの低圧直流電圧で蓄電池を充電する。
【0124】
本実施例において、本願に係るエネルギー変換装置が各スイッチのオンオフを制御することにより、電池200から出力された高圧直流電流は、双方向DCモジュール15の作用で低圧直流電流として出力され、出力された直流電流で蓄電池を充電することができ、これにより該エネルギー変換装置のスマート充電を実現する。
【0125】
本願の他の実施例において、図14に示すように、エネルギー変換装置が外部緊急交流放電モードで動作する場合、スイッチK3及びスイッチK4が閉じられ、スイッチK1、スイッチK2、スイッチK7~スイッチK11が開かれ、この時に蓄電池から出力された低圧直流電流は、フィルタキャパシタC5を通過してからスイッチQ11~スイッチQ14で構成されたフルブリッジ回路により整流され、変圧器T1、インダクタL2及びキャパシタC2により変換された後、スイッチQ3~スイッチQ6で構成されたブリッジ整流回路により整流された後にキャパシタC1に出力され、キャパシタC1によりフィルタリングされ、ブリッジコンバータ12の三相モータ駆動ブリッジ及びスイッチQ1及びスイッチQ2で構成された回路により交流電流に変換され、さらにモータコイル11の3相巻線及びインダクタL1によりフィルタリングされた後、交流充電ポート102を介して交流電流が出力されて車外に使用されることにより、エネルギー変換装置の外部緊急交流放電モードを実現する。
【0126】
或いは、図15に示すように、回路100が外部緊急交流放電モードで動作する場合、スイッチK3及びスイッチK4が閉じられ、スイッチK1、スイッチK2、スイッチK7~スイッチK11が開かれ、この時に蓄電池から出力された低圧直流電流は、フィルタキャパシタC5を通過してからスイッチQ11~スイッチQ14で構成されたフルブリッジ回路により整流され、変圧器T1、インダクタL2及びキャパシタC2により変換された後、スイッチQ3~スイッチQ6で構成されたブリッジ整流回路により整流された後にキャパシタC1に出力され、キャパシタC1によりフィルタリングされ、ブリッジコンバータ12の三相モータ駆動ブリッジ及びスイッチQ1及びスイッチQ2で構成された回路により交流電流に変換され、さらにモータコイル11の3相巻線によりフィルタリングされた後、交流充電ポート102を介して交流電流が出力されて車外に使用されることにより、回路100の外部緊急交流放電モードを実現する。
【0127】
本実施例において、電池200が故障して使用できない場合、本願に係るエネルギー変換装置が各スイッチのオンオフを制御することにより、蓄電池から出力された低圧直流電流は、双方向DCモジュール15、双方向ブリッジ13、ブリッジコンバータ12、モータコイル11などの作用で交流充電ポート102を介して交流電流が外部に供給されることにより、該エネルギー変換装置の外部緊急交流放電を実現する。
【0128】
本願の他の実施例において、図14に示すように、エネルギー変換装置が緊急駆動モードで動作する場合、エネルギー変換装置におけるスイッチが全て開かれ、この時に蓄電池から出力された低圧直流電流は、フィルタキャパシタC5を通過してからスイッチQ11~スイッチQ14で構成されたフルブリッジ回路により整流され、さらに変圧器T1、インダクタL2及びキャパシタC2により変換され、スイッチQ3~スイッチQ6で構成されたブリッジ整流回路により整流された後にキャパシタC1に出力され、キャパシタC1によりフィルタリングされた後、ブリッジコンバータ12の三相モータ駆動ブリッジを通過して、三相交流電流に変換されてモータコイル11の3相巻線に出力されることにより、モータを駆動する。
【0129】
本実施例において、電池200が故障して使用できないが、モータを駆動する必要がある場合、本願に係るエネルギー変換装置がスイッチ素子K1~スイッチ素子K11のオンオフを制御することにより、蓄電池から出力された低圧直流電流は、双方向DCモジュール15、ブリッジコンバータ12を通過した後にモータを駆動することにより、該エネルギー変換装置の緊急駆動を実現し、さらに車両の正常な動作を保証する。
【0130】
なお、本願は主に、図14及び図15に示す回路を例にして駆動及び充電機能を備えた回路100の具体的な動作モードと、各モードでの回路100の具体的な動作原理とを説明し、該回路100の実現構造が図17に示す回路である場合、該回路100における第1のDC/DC変換回路の動作原理は、図14又は図15に示す双方向DCモジュール15における第1のコンバータ151、第2のコンバータ152及び変圧ユニット154の動作原理、動作過程と同じであり、第2のDC/DC変換回路の動作原理は、図14又は図15に示す第1のコンバータ151及び第3のコンバータ153の動作原理、動作過程と同じであるため、第1のDC/DC変換回路及び第2のDC/DC変換回路の動作原理は、図14又は図15に示す双方向DCモジュール15の動作原理を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0131】
本願の他の実施例において、図19に示すように、本願は、エネルギー変換装置及び制御モジュール(図示せず)を含む動力システム300をさらに提供する。
【0132】
該エネルギー変換装置は、モータコイルを含むモータ301、モータ制御モジュール302及び車載充電モジュール303を含み、モータ制御モジュール302は、モータコイルの一端に接続されたブリッジコンバータを含み、モータコイルの他端が外部充電ポート10に接続され、車載充電モジュール303は、双方向ブリッジを含み、双方向ブリッジがブリッジコンバータに並列接続されて第1の共通接続端及び第2の共通接続端を構成し、第1の共通接続端が外部電池200の一端に接続され、第2の共通接続端が電池の他端に接続され、充電ポート10が第2の共通接続端及び双方向ブリッジに接続される。
【0133】
制御モジュールは、充電ポート10、モータコイル、ブリッジコンバータ及び電池200で構成された直流充電回路と、充電ポート10、モータコイル、ブリッジコンバータ、双方向ブリッジ及び電池200で構成された交流充電回路と、モータコイル、ブリッジコンバータ及び電池200で構成されたモータ駆動回路とを制御し、直流充電回路、交流充電回路及び駆動回路は、モータコイル及びブリッジコンバータを共用する。
【0134】
本願の1つの実施形態として、エネルギー変換装置は、スイッチモジュールをさらに含み、制御モジュールは、スイッチモジュールを制御することにより、直流充電モード、交流充電モード、駆動モードの切り替えを実現し、
直流充電モードで、充電ポート10、モータコイル、ブリッジコンバータ及び電池200は、直流充電回路を構成し、
交流充電モードで、充電ポート10、モータコイル、ブリッジコンバータ、双方向ブリッジ13及び電池200は、交流充電回路を構成し、
駆動モードで、モータコイル、ブリッジコンバータ、電池200は、モータ駆動回路を構成する。
【0135】
本願の1つの実施形態として、充電ポートは、直流充電ポート及び交流充電ポートを含み、スイッチモジュールは、第1のスイッチユニット及び第2のスイッチユニットを含み、
制御モジュールが第1のスイッチユニットをオンにするように制御し、第2のスイッチユニットをオフにするように制御し、直流充電ポート、第1のスイッチユニット、モータコイル、ブリッジコンバータ及び電池が直流充電回路を構成することにより、直流充電モードに入り、
制御モジュールが第1のスイッチユニットをオフにするように制御し、第2のスイッチユニットをオンにするように制御し、交流充電ポート、第2のスイッチユニット、モータコイル、ブリッジコンバータ、双方向ブリッジ及び電池が交流充電回路を構成することにより、交流充電モードに入り、
制御モジュールが第1のスイッチユニット及び第2のスイッチユニットをいずれもオフにするように制御し、モータコイル、ブリッジコンバータ、電池がモータ駆動回路を構成することにより、駆動モードに入る。
【0136】
本願の1つの実施形態として、充電ポートは、交流/直流充電ポートを含み、スイッチモジュールは、第3のスイッチユニット及び第4のスイッチユニットを含み、
制御モジュールが第3のスイッチユニットをオンにするように制御し、第4のスイッチユニットをブリッジコンバータに接続させるように制御し、交流/直流充電ポート、第3のスイッチユニット、第4のスイッチユニット、モータコイル、ブリッジコンバータ及び電池が直流充電回路を構成することにより、直流充電モードに入り、
制御モジュールが第3のスイッチユニットをオンにするように制御し、第4のスイッチユニットを双方向ブリッジに接続させるように制御し、交流/直流充電ポート、第3のスイッチユニット、第4のスイッチユニット、モータコイル、ブリッジコンバータ及び電池が交流充電回路を構成することにより、交流充電モードに入り、
制御モジュールが第3のスイッチユニット及び第4のスイッチユニットをいずれもオフにするように制御し、モータコイル、ブリッジコンバータ、電池がモータ駆動回路を構成することにより、駆動モードに入る。
【0137】
本願の1つの実施形態として、エネルギー変換装置は、中性点スイッチをさらに含み、
モータコイルは、3相巻線を含み、各相巻線は、N個のコイル分岐回路を含み、各相巻線におけるN個のコイル分岐回路は、第1の端が共通接続された後にブリッジコンバータに接続され、第2の端が他の2相巻線におけるN個のコイル分岐回路の第2の端に一対一に対応して接続されてN個の中性点を形成し、充電ポートがM個の中性点に接続され、ここで、Nは、1より大きい整数であり、Mは、Nより小さい正の整数であり、
制御モジュールが中性点スイッチを制御することにより、モータコイルのN個の中性点のうちのM個の中性点が充電ポートに接続される。
【0138】
本願の1つの実施形態として、ブリッジコンバータは、3相ブリッジを含み、エネルギー変換装置が直流充電モードで動作する場合、制御モジュールは、所定の位相ずれた第1の制御信号、第2の制御信号及び第3の制御信号をブリッジコンバータに送信し、
直流充電を実現するために、制御モジュールは、第1の制御信号に基づいて第1の相ブリッジの2つのパワースイッチユニットを交互にオンにするように制御し、第2の制御信号に基づいて第2の相ブリッジの2つのパワースイッチユニットを交互にオンにするように制御し、第3の制御信号に基づいて第3の相ブリッジの2つのパワースイッチユニットを交互にオンにするように制御する。
【0139】
本願の1つの実施形態として、ブリッジコンバータは、3相ブリッジを含み、エネルギー変換装置が交流充電モードで動作する場合、制御モジュールは、所定の位相ずれた第4の制御信号、第5の制御信号及び第6の制御信号をブリッジコンバータに送信し、
交流充電を実現するために、制御モジュールは、交流電流の周波数に基づいて双方向ブリッジの2つのパワースイッチユニットを交互にオンにするように制御し、第4の制御信号に基づいて第1の相ブリッジの2つのパワースイッチユニットを交互にオンにするように制御し、第5の制御信号に基づいて第2の相ブリッジの2つのパワースイッチユニットを交互にオンにするように制御し、第6の制御信号に基づいて第3の相ブリッジの2つのパワースイッチユニットを交互にオンにするように制御する。
【0140】
本願の1つの実施形態として、図21に示すように、モータ制御モジュール302と車載充電モジュール303は、第1のケース500内に集積される。なお、本願の他の実施例において、モータ制御モジュール302と車載充電モジュール303は、2つのケースに分けて設けられてもよく、ここで具体的な制限を行わない。
【0141】
本実施例において、モータ制御モジュール302と車載充電モジュール303を一体のケースに集積することにより、動力システム300の全体構造をよりコンパクトにすることができ、さらに動力システム300の体積を減少させることにより、該動力システム300を応用する車両の重量を減少させる。
【0142】
本願の1つの実施形態として、図21に示すように、動力システム300は、モータ301(図示せず、図19を参照)に伝達可能に結合された減速機304をさらに含み、減速機304、モータ301が第2のケースに集積される。
【0143】
本願の1つの実施形態として、第1のケースは、第2のケースと固定的に接続される。
【0144】
具体的に実施する場合、第1のケースと第2のケースが固定作用を有するいずれかの接続部材を用いて接続されてよく、或いは第1のケースには、第2のケースに接続可能な固定部材が設けられ、或いは第2のケースには、第1のケースに接続可能な固定部材が設けられ、ここで具体的な制限を行わない。
【0145】
本実施例において、第1のケースと第2のケースを固定することにより、第1のケースと第2のケースとの間の分離を効果的に防止することができ、これにより、モータ制御モジュール302、車載充電モジュール303、モータ301及び減速機304の間がケースの脱落により故障することがないことを保証し、動力システム300の動作信頼性及び安定性を向上させる。
【0146】
本願の1つの実施形態として、図20に示すように、動力システム300は、別個に車載充電モジュール303と電池200に電気的に接続され、第1のケースに集積された双方向DCモジュール305をさらに含む。
【0147】
本実施例において、動力システム300に双方向DCモジュール305を追加することにより、該双方向DCモジュール1305、動力システム300における充電ポート10、モータ301、モータ制御モジュール302及び車載充電モジュール303は別の交流充電回路を構成し、動力システム300の交流充電モードを豊富にして、動力システム300の充電方式は余裕があり、動力システム300の交流充電過程における安全性を向上させる。
【0148】
本願の1つの実施形態として、図20に示すように、動力システム300は、モータ制御モジュール302に並列接続され、第1のケースに集積されたキャパシタ306をさらに含む。
【0149】
具体的に動作する場合、該動力システム300が直流充電モード又は交流充電モードで動作する場合、キャパシタ306は、電池200の直流充電過程又は交流充電過程において、モータ制御モジュール302又はモータ制御モジュール302及び車載充電モジュール303から出力された電圧をフィルタリングする以外に、モータ制御モジュール302又はモータ制御モジュール302及び車載充電モジュール303から出力された電圧に基づいてエネルギー貯蔵を行うことにより、電池200の直流充電又は交流充電を完了することができる。
【0150】
本実施例において、動力システム300にキャパシタ306を設けることにより、該キャパシタ306は、モータ制御モジュール302又はモータ制御モジュール302及び車載充電モジュール303から出力された電圧をフィルタリングする以外に、同時にモータ制御モジュール302又はモータ制御モジュール302及び車載充電モジュール303から出力された電圧に基づいてエネルギー貯蔵を行うことにより、電池200の直流充電又は交流充電を完了することができ、これにより、動力システム300の正常な充電機能を保証し、さらに他のクラッタが充電過程を干渉しないことを保証することができる。
【0151】
なお、本実施例において、エネルギー変換装置の具体的な構造及び動作原理が前述の図1図18のエネルギー変換装置を参照することができるため、該エネルギー変換装置の具体的な動作原理についての説明は、図1図18の詳細な説明を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0152】
本願の他の実施例において、本願は、動力システムを含む車両をさらに提供する。なお、本願の実施例に係る車両に含まれる動力システムが図19図21に示す動力システム300と同じであるため、本願の実施例に係る車両における動力システムの具体的な動作原理は、前述の図19図21に関する詳細な説明を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0153】
本願において、本願に係る車両は、モータ301、モータ制御モジュール302及び車載充電モジュール303を含む動力システム300を用いることにより、該動力システム300を応用する時、時分割で駆動モード、直流充電モード及び交流充電モードで動作し、さらに同一のシステムを用いて車両のモータ駆動及び電池充電を行うことを実現することができ、特に同一の回路トポロジーを用いれば直流充電及び交流充電を実現することができ、部品の多重化程度が高く、システムの集積度が高く、構造が簡単であり、これにより、システムコストを低減し、システムの体積を減少させ、従来のモータ駆動と充電システム全体の構造が複雑で、集積度が低く、体積が大きく、コストが高いという問題を解決する。
【0154】
なお、本願の説明において、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「半径方向」、「周方向」などで示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本願を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は部品が特定の方位を有するとともに、特定の方位で構成されて動作しなければならないことを指示するか又は示唆するものではないため、本願を限定するものであると理解すべきではない。
【0155】
また、用語「第1の」、「第2の」は、単に目的を説明するためのものであり、相対的な重要性を指示するか又は暗示し、或いは指示された技術的特徴の数量を暗示的に指示すると理解すべきではない。これにより、「第1の」、「第2の」で限定された特徴は、1つ以上の該特徴を明示的又は暗示的に含むことができる。本願の説明において、「複数」とは、明確かつ具体的な限定がない限り、2つ以上を意味する。
【0156】
本願において、明確な規定及び限定がない限り、用語「装着」、「連接」、「接続」、「固定」などは、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続、着脱可能な接続、一体的な接続であってもよく、機械的な接続であってもよく、電気的な接続であってもよく、直接的な接続であってもよく、中間媒体を介した接続であってもよく、2つの素子の間の連通、又は2つの素子の相互作用の関係であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本願における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0157】
本願において、明確な規定及び限定がない限り、第1の特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあることは、第1の特徴と第2の特徴とが直接的に接触することを含んでもよいし、第1の特徴と第2の特徴とが中間媒体を介して間接的に接触することを含んでもよい。また、第1の特徴が第2の特徴の「上」、「上方」又は「上面」にあるとは、第1の特徴が第2の特徴の真上及び斜め上にあることであってもよく、単に第1の特徴の水平方向における高さが第2の特徴より高いことを示すことであってもよい。第1の特徴が第2の特徴の「下」、「下方」又は「下面」にあるとは、第1の特徴が第2の特徴の真下及び斜め下にあることであってもよく、単に第1の特徴の水平方向における高さが第2の特徴より低いことを示すことであってもよい。
【0158】
本明細書の説明において、用語「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体的な例」又は「いくつかの例」等を参照する説明は、該実施例又は例と結合して説明された具体的な特徴、構成、材料又は特性が本願の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語の例示的な説明は、必ずしも同じ実施例又は例を言及していない。かつ、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特徴はいずれか一つ又は複数の実施例又は例において適切な方式で結合することができる。また、互いに矛盾しない限り、当業者であれば、本明細書で説明された異なる実施例や例、及び異なる実施例や例の特徴を結合するか又は組み合わせることができる。
【0159】
以上、本願の実施例を示し、説明したが、上記実施例は、例示的なものであり、本願を限定するものであると理解すべきではなく、当業者であれば、本願の範囲内で上記実施例に対して変更、修正、置換及び変形を行うことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
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図17
図18
図19
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