(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】アクティブノイズキャンセルで使用するハイブリッドセンサアセンブリ
(51)【国際特許分類】
G01D 11/24 20060101AFI20231003BHJP
【FI】
G01D11/24 K
(21)【出願番号】P 2022516015
(86)(22)【出願日】2020-09-24
(86)【国際出願番号】 US2020052343
(87)【国際公開番号】W WO2021061876
(87)【国際公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-03-11
(32)【優先日】2019-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591043064
【氏名又は名称】モレックス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【氏名又は名称】青木 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】カート デコスキー
(72)【発明者】
【氏名】デビット ダンハム
【審査官】榮永 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0156002(US,A1)
【文献】国際公開第2016/174834(WO,A1)
【文献】特表2007-510326(JP,A)
【文献】特開2009-194734(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0360858(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 11/24
G01D 21/00
G01D 21/02
H04R 1/00
H04R 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に取り付けられるように構成されているセンサアセンブリであって、
ハウジングであって、該ハウジングの中に区画
が画成されているハウジングと、
前記区画内に取り付けられている回路基板と、
該回路基板上に取り付けられている加速度計と、
前記回路基板上に取り付けられているマイクロフォンと、
前記ハウジングを貫通しており、前記マイクロフォンと連通しているポートと、
該ポートを覆うように前記ハウジングに取り付けられている音響布と、を備えている、センサアセンブリ。
【請求項2】
前記マイクロフォンは、前記回路基板上に取り付けられているチップと、音響シールとを含み、該音響シールは、該音響シールの中を通って長手方向に延在する通路を有し、該通路は前記ポートに近接している、請求項1に記載のセンサアセンブリ。
【請求項3】
前記音響シールは、独立気泡発泡体及びサントプレーンの一方で形成されている、請求項2に記載のセンサアセンブリ。
【請求項4】
前記音響布は、疎油性及び疎水性を有する、請求項3に記載のセンサアセンブリ。
【請求項5】
前記音響シールは前記回路基板の第1の面にあり、前記チップは前記回路基板の第2の面にあり、前記チップと前記音響シールとの間に前記回路基板を貫通する開口部が設けられている、請求項2に記載のセンサアセンブリ。
【請求項6】
前記加速度計は前記回路基板の第2の面にある、請求項5に記載のセンサアセンブリ。
【請求項7】
前記チップ及び前記音響シールは前記回路基板の第1の面にあり、前記チップは前記音響シールの通路内に配置されている、請求項2に記載のセンサアセンブリ。
【請求項8】
前記加速度計は前記回路基板の第2の面にある、請求項7に記載のセンサアセンブリ。
【請求項9】
前記音響布は疎油性及び疎水性を有する、請求項1に記載のセンサアセンブリ。
【請求項10】
前記音響布を覆うように前記ハウジングに取り付けられている音響シールドを更に備えており、該音響シールドは、該音響シールドの中を通る蛇行経路を有する、請求項1に記載のセンサアセンブリ。
【請求項11】
前記音響シールドは、第1の部分、第2の部分、及び第3の部分を含み、
前記第1の部分は連続的であり、
前記第2の部分は、該第2の部分を貫通するように形成された開口部を有し、
前記第3の部分は、該第3の部分を貫通するように形成された開口部を有し、
前記第1の部分と前記第2の部分との間の複数の離間した第1の脚部が、隣接する第1の脚部の間と、前記第1の部分と前記第2の部分との間に、第1の通路を形成しており、
前記第2の部分と前記第3の部分との間の複数の離間した第2の脚部が、隣接する第2の脚部の間と、前記第2の部分と前記第3の部分との間に、第2の通路を形成しており、
前記第1の通路と、前記第2の部分を貫通する開口部と、前記第2の通路と、前記第3の部分を貫通する開口部とは、互いに連通しており、かつ前記ハウジングを貫通する前記ポートと連通している、請求項10に記載のセンサアセンブリ。
【請求項12】
前記第1の脚部は前記第2の脚部からオフセットされている、請求項11に記載のセンサアセンブリ。
【請求項13】
各
前記第1の脚部は、前記第2の部分を貫通する開口部を起点として半径方向外側に向かって延在しており、各
前記第2の脚部は、前記第3の部分を貫通する開口部を起点として半径方向外側に向かって延在している、請求項12に記載のセンサアセンブリ。
【請求項14】
前記回路基板は第1の面及び第2の面を有し、前記加速度計は前記回路基板の第2の面にあり、前記センサアセンブリは前記ハウジングにおいてマウント部を更に含み、前記マウント部は前記回路基板の第2の面に近接している、請求項1に記載のセンサアセンブリ。
【請求項15】
前記ハウジングを貫通する前記ポートは前記回路基板の第1の面に近接しており、前記センサアセンブリは前記音響布を覆うように前記ハウジングに取り付けられた音響シールドを更に備えており、該音響シールドは、該音響シールドの中を通る蛇行経路を有する、請求項14に記載のセンサアセンブリ。
【請求項16】
車両との組み合わせにおいて、前記マウント部は前記車両のホイールウェルに取り付けられる、請求項14に記載のセンサアセンブリ。
【請求項17】
車両との組み合わせにおいて、前記マウント部は前記車両の下側に取り付けられる、請求項14に記載のセンサアセンブリ。
【請求項18】
センサアセンブリ用の音響シールドであって、
連続的な第1
の部分と、
第2の部分であって、該第2の部分を貫通する開口部を有する、第2の部分と、
前記第1の部分と前記第2の部分との間の複数の第1の離間した脚部であって、隣接する第1の脚部の間と、前記第1の部分と前記第2の部分との間に、第1の通路を形成している、第1の離間した脚部と、
第3の部分であって、該第3の部分を貫通する開口部を有する、第3の部分と、
前記第2の部分と前記第3の部分との間の複数の第2の離間した脚部であって、隣接する第2の脚部の間と、前記第2の部分と前記第3の部分との間に、第2の通路を形成している、第2の離間した脚部と、
を備え、前記第1の通路と、前記第2の部分を貫通する開口部と、前記第2の通路と、前記第3の部分を貫通する開口部とは、互いに連通している、音響シールド。
【請求項19】
前記第1の脚部は前記第2の脚部からオフセットされており、前記第1の部分を貫通する開口部と前記第2の部分を貫通する開口部とは位置合わせされている、請求項18に記載の音響シールド。
【請求項20】
各
前記第1の脚部は、前記第2の部分を貫通する開口部を起点として半径方向外側に向かって延在しており、各
前記第2の脚部は、前記第3の部分を貫通する開口部を起点として半径方向外側に向かって延在している、請求項19に記載の
音響シールド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2019年9月26日に出願され、参照によって本明細書に組み込まれる米国仮出願第62/906,649号に対する優先権を主張する。
【0002】
本開示は、概してノイズキャンセルのために車両で使用されるマイクロフォンや加速度計などのセンサに関する。
【背景技術】
【0003】
自動車環境に設けられているアクティブノイズキャンセルシステムは、構造伝搬ノイズと空気伝搬ノイズ(特に路面ノイズに関する)から捕捉される入力を使用する。構造伝搬路面ノイズは、走行する様々な路面に応じて車両に入る振動が原因となりうる。空気伝搬ノイズは、様々な空気圧、トレッド形状、材料、タイヤサイズによって発生するタイヤの高調波から生じる。アクティブノイズキャンセルは、発生する高調波を予測し、その予測をアルゴリズムで使用して、こうしたノイズを集中的に打ち消すノイズを車のスピーカーシステムから出力する。
【0004】
現在、構造伝搬ノイズと空気伝搬ノイズに使用される感知ユニットに依存して、別々のセンサアセンブリが設計されている。構造伝搬ノイズは、車両の外部の加速度計感知ユニットを使用して捕捉され、空気伝搬ノイズは、車室内に配置されたマイクロフォン感知素子を使用して捕捉される。
【0005】
本開示の上記目的、特性、及び利点をより良く理解するために、図面を参照しながら、実施形態の詳細な説明を提供する。
【発明の概要】
【0006】
本開示の一実施形態によれば、ハイブリッドセンサアセンブリは、車両が道路を走行する際に発生する構造伝搬ノイズ及び空気伝搬ノイズを感知するために車両に取り付けられるように構成されている。本センサアセンブリは、中に回路基板が取り付けられているハウジングと、回路基板上に取り付けられている加速度計と、回路基板上に取り付けられているマイクロフォンと、ハウジングを貫通しておりマイクロフォンと連通している音響ポートと、ポートを覆うようにハウジングに取り付けられている音響布と、を含む。音響シールドは、音響ポートを覆っており、音響ポートに流体や破片が侵入することを実質的に阻止する。
【0007】
本開示の上記目的、特性、及び利点をより良く理解するために、図面を参照しながら、実施形態の詳細な説明を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明は例として図示されるが、添付図面に限定されるものではなく、図中、同様の参照番号は同様の要素を示す。
【0009】
【
図1】車両のホイールウェルに取り付けられるハイブリッドセンサアセンブリの斜視図を示している。
【
図2】ハイブリッドセンサアセンブリの上面斜視図を示している。
【
図3】ハイブリッドセンサアセンブリの底面斜視図を示している。
【
図4】第1の実施形態に係るハイブリッドセンサアセンブリの分解斜視図を示している。
【
図5】ハイブリッドセンサアセンブリの音響シールドの底面斜視図を示している。
【
図7】
図6の線7-7に沿った断面図を示している。
【
図8】
図6の線8-8に沿った断面図を示している。
【
図9】
図3の線9-9に沿った断面図を示している。
【
図10】
図3の線10-10に沿った断面図を示している。
【
図11】ハイブリッドセンサアセンブリの第2の実施形態の断面図を示している。
【
図12】音/ノイズの流れを示す線と水の噴霧を示す線とを示した、ハイブリッドセンサアセンブリの部分断面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の詳細な説明は、例示的な実施形態を説明し、明示的に開示された組み合わせ(複数可)に限定されることを意図するものではない。したがって、特に明記されない限り、本明細書で開示される特徴は、簡潔にする目的で別様に示されなかった追加の変形形態を形成するために組み合わされてもよい。
【0011】
本開示の好ましい実施形態が示され説明されてきたが、本開示の趣旨から逸脱することなく変更及び修正がなされ得ることが当業者には明らかであり、その範囲は添付の特許請求の範囲によって定義される。同様の部材は、同様の参照文字によって指定される。
【0012】
前、後、水平、垂直などの方向性の用語は、説明を容易にするために使用されるものであり、使用中に必要な配向を示すものではない。
【0013】
添付の図面は、センサアセンブリの一実施形態を例示し、開示される実施形態は単なる例示に過ぎず、様々な形態で具現化され得ることを理解されたい。したがって、本明細書に開示される具体的な詳細は、限定として解釈されるべきではなく、単に特許請求の範囲の基礎として、及び本開示を様々に採用するために当業者に教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。
【0014】
ハイブリッドセンサアセンブリ20は、アクティブノイズキャンセルシステムで使用する目的で、自動車環境における車両22の構造伝搬ノイズ及び空気伝搬ノイズを感知するために提供される。このような構造伝搬路面ノイズは、走行する様々な路面に応じて車両22に入る振動に起因するものであり得、空気伝搬ノイズは、様々な空気圧、トレッド形状、材料、又はタイヤサイズによって発生するタイヤの高調波から生じ得る。ハイブリッドセンサアセンブリ20は、空気伝搬ノイズを捕捉するマイクロフォンアセンブリ24と、構造伝搬ノイズを捕捉する加速度計26とを組み合わせて又は対にして、車両22に堅牢に取り付けられる単一の機械的アセンブリパッケージにしたものである。ハイブリッドセンサアセンブリ20は、車両22の外部に取り付けられる。すなわちハイブリッドセンサアセンブリ20は車両22の車室内には取り付けられない。ハイブリッドセンサアセンブリ20が空気伝搬ノイズ及び構造伝搬ノイズを感知し、この情報がアクティブノイズキャンセルシステムに伝達される。別々のセンサを使用する場合と比較して、ハイブリッドセンサアセンブリ20では、必要なスペースが減少し、コストも低く抑えられる。ハイブリッドセンサアセンブリ20は、水しぶきなどの過酷な環境条件にさらされる場所で車両構造28の外部に取り付けられ、車両22のホイールウェル内、車両22の下側、又は車両22のエンジンルーム内に取り付けられ得る。
【0015】
ハイブリッドセンサアセンブリ20は、中にプリント回路基板32が堅牢に取り付けられているハウジング30と、プリント回路基板32に結合されているマイクロフォンアセンブリ34と、ハウジング30に取り付けられている音響シールドアセンブリ36と、プリント回路基板32に結合されている加速度計26とを含む。ハウジング30は車両構造28に堅牢に取り付けられ、したがって構造伝搬ノイズ及び空気伝搬ノイズがハイブリッドセンサアセンブリ20によって感知される。
【0016】
ハウジング30は、内部区画42を形成している基部38及び基部38に取り付けられたカバー40を有する。基部38は、下壁44と、下壁44から上方に延在する側壁46、48、50、52とを有する。カバー40は、側壁46、48、50、52の開いた上端を閉じる。ハウジング30は、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)などのプラスチックで形成され得る。ハウジング30は、中に配置される構成要素の上にオーバーモールドされ得る。カバー40は、流体及び破片に対して密閉された結合部が形成されるように基部38に固定される。一実施形態では、カバー40は、基部38にレーザー溶接される。一実施形態では、下壁44及びカバー40は長方形である。下壁44は、それを貫通する音響ポート54を有する。カバー40は、ハイブリッドセンサアセンブリ20を車両構造28に取り付けるために使用されるマウント構造部56を有する。マウント構造部56は、マウント構造部56及び車両構造28に取り付けられる、プリント回路基板32に平行又はプリント回路基板に垂直なブラケット(図示せず)を更に含んでもよい。マウント構造部56はカバー40に設けるように示されているが、マウント構造部は基部38に設けてもよい。ハイブリッドセンサアセンブリ20は車両構造28に取り付けられるため、構造伝搬ノイズや空気伝搬ノイズを感知するための物理的な場所は、厳しい環境要件となる。これらの領域では、高速の水しぶき、及び/又はタイヤの表面から飛ばされる岩/石が見られる。ハウジング30は、このような過酷な環境要件及び配置に対応するように設計されており、車両22が道路を走行する際に発生する高圧噴霧からの埃の侵入及び水の侵入に耐えるために、自動車用筐体のIP6K9K等級を有することができる。ハウジング30は、プリント回路基板32、マイクロフォンアセンブリ34、及び加速度計26を収容し、環境要件から保護する。更にハウジング30は、側壁46から延在するソケット58として形成されたインターフェースコネクタと、その中のピン60とを有し、ピン60は、側壁46を通過してプリント回路基板32と嵌合してプラグ着脱可能なインターフェースを形成する。ピン60と嵌合する配線ハーネス(図示せず)をソケット58に挿入することができる。インターフェースコネクタは、側壁46から延在するように示されているが、インターフェースコネクタは、カバー40又は基部38の他の壁44、48、50、52のいずれかから延在することができる。
【0017】
マイクロフォンアセンブリ34は、車両22の外部で空気伝搬ノイズを感知する。マイクロフォンアセンブリ34は、チップの形態の感知素子62と、音響シール64と、音響布66とを含む。感知素子62は、微小電気機械システム(Micro-Electro-Mechanical Systems、MEMS)チップであり得る。音響シール64は、音響シール64の上端64aから音響シール64の下端64bまで延在する、貫通する音管を形成する通路68を有する。一実施形態では、通路68は円錐形である。音響シール64は、独立気泡発泡体、サントプレーン、又は他の適切な既知の材料で形成され得る。基部38を貫通している音響ポート54は、通路68の下端68bと位置合わせされている。音響シール64は、音響ポート54から感知素子62までの音の経路を、ハウジング30の区画42の残りの部分から分離する。
【0018】
図4、
図9、及び
図10に示すような第1の実施形態では、感知素子62は、プリント回路基板32の上面32aに配置されており、音響シール64は、プリント回路基板32の下面32bと下壁44との間に延在する。音響シール64は、下壁44に形成された凹部内に着座してもよく、又は凹部を形成する下壁44から上方に延在する脚部によって囲まれていてもよい。プリント回路基板32は、自身を貫通する開口部70を有し、開口部70の下端70bは通路68の上端68aと位置合わせされている。感知素子62は、開口部70及び通路68の上方のプリント回路基板32の上面32aに配置されており、その底部に、開口部70の上端70aと位置合わせされた開口部71を有する。音響布66は、音響シール64の下端64bと、下壁44の上面44aとの間にある。音響布66は、通路68の下端68bと、音響ポート54の上端54aを覆っている。
【0019】
図11に示すような第2の実施形態では、音響シール64は、プリント回路基板32の下面32bと下壁44との間に延在しており、感知素子62は、音響シール64の通路68の上端68a内に着座し、プリント回路基板32の下面32bに配置されている。感知素子62は、その底部に、通路68と位置合わせされた開口部71を有する。第1の実施形態と同様に、音響シール64は、下壁44に形成された凹部内に着座してもよいし、凹部を形成する下壁44から上方に延在する脚部によって囲まれていてもよい。音響布66は、音響シール64の下端64bと、下壁44の上面44aとの間にある。音響布66は、通路68の下端68bと、音響ポート54の上端54aを覆っている。
【0020】
音響シールドアセンブリ36は、音響シールド72と、音響布74と、音響シールド72を基部38の下壁44の下面44bに固定する固定部76とを含む。
【0021】
音響シールド72は、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのプラスチックで形成され得る。
図5~
図8に最もよく示されているように、音響シールド72は、複数の離間した脚部82、84、86によって中間の第2の部分80に結合されている上側の第1の部分78と、複数の離間した脚部90、92、94によって第2の部分80に結合されている下側の第3の部分88とを含む。第3の部分88は連続的であり、すなわち第3の部分88は、第3の部分88が中実であるように開口部によって中断されていない。図示されているように、第3の部分88は、円形であり、平面状の上面88a及び下面88bを有する。第1の部分78は、自身を貫通する、中央に位置し得る開口部96を有する。図示されているように、第1の部分78は、円形であり、平面状の上面78a及び下面78bを有する。第2の部分80は、自身を貫通する、中央に位置し得る開口部98を有する。開口部96、98は、互いに位置合わせされていてよい。図示されているように、第2の部分80は、円形であり、平面状の上面80a及び下面80bを有する。第1の部分78は第2の部分80よりも大きな直径を有し、第2の部分80は第3の部分88よりも大きな直径を有する。一実施形態では、脚部82、84、86は、互いに120度離れて配置されており、脚部90、92、94は、互いに120度離れて配置されているが、脚部82、84、86から垂直方向にオフセットされている。
図7に示したように、脚部82は0度の位置に配置されており、脚部84は120度の位置に配置されており、脚部86は240度の位置に配置されている。各脚部82、84、86は、開口部96を起点として半径方向外側に延在している。脚部82、84、86は、第2の部分80の外周まで延在し得る。隣接する脚部82、84、86の間と、第1の部分78と第2の部分80との間に、通路が形成されている。
図8に示したように、脚部90は60度の位置に配置されており、脚部92は180度の位置に配置されており、脚部94は300度の位置に配置されている。各脚部90、92、94は、開口部98を起点として半径方向外側に延在している。脚部90、92、94は、第3の部分88の外周まで延在し得る。隣接する脚部90、92、94の間と、第2の部分80と第3の部分88との間に、通路が形成されている。したがって、脚部82、84、86は、脚部90、92、94からオフセットされている。第1の部分78を貫通する開口部96と、脚部82、84、86並びに第1の部分78及び第2の部分80によって形成される通路と、第2の部分80を貫通する開口部98と、脚部90、92、94並びに第2の部分80及び第3の部分88によって形成される通路は、互いに連通しており、かつハウジング30を貫通する音響ポート54と連通しており、音波が音響シールド72の中を通過する蛇行経路を形成している。この蛇行経路により、車両22が道路を走行する際に発生する水しぶきが音響シールド72を通過して音響ポート54に入ることが実質的に防止される。音響シールド72について特定の角度が記載されているが、これらの角度は音響シールド72に依存せず、ハウジング30の軸に対する必要な向きを指定するものではない。これに加えて、3組の脚部82、84、86及び脚部90、92、94が示されているが、脚部の組が互いにオフセットされている限り、第1の部分78と第2の部分80の間、及び第2の部分80と第3の部分88の間に、更なる3組の脚部を設けてもよい。更に、1つの中間部分80が示されているが、間に脚部が設けられた2つ以上の中間部分を設けてもよい。
【0022】
音響布74は、第1の部分78の上面78aに形成されている凹部100内に着座しており(
図4を参照)、上面78aに固定されている。音響布74は、開口部96の上端を覆っている。固定部76は、第1の部分78の上面78aを、ハウジング30の下壁44の下面44bに固定する。固定部76は、接着剤であり得る。
【0023】
音響布66、74は、水微粒子及び他の化学物質をはじくための疎油性及び疎水性を有する。音響布66、74は、湿気や水分が区画42内に侵入することを阻止し、更に埃や破片が区画42内に侵入することを阻止する。
【0024】
加速度計26は、車両22の外部で空気伝搬ノイズを感知する。加速度計26は、プリント回路基板32の上面32aに、カバー40に近接して取り付けられている。加速度計26がハウジング30内のこの位置に取り付けられており、またハイブリッドセンサアセンブリ20が車両構造28に堅牢に取り付けられているため、加速度計26が車両構造28に近接している結果、構造伝搬ノイズが加速度計26に容易に伝達される。加速度計26はMEMS加速度計であり得る。
【0025】
使用時には、ハイブリッドセンサアセンブリ20は、音響シールド72が車両構造28から外側を向いた状態で、車両構造28(シートメタル、フレーム、ボディパネルなど)に取り付けられる。このように音響シールド72が外向きであることにより、車両走行中に車両構造28に起因して発生し得る音のパターンへの衝突が阻止される。マイクロフォンアセンブリ34は、音圧波によって生じる空気伝搬ノイズを捕捉する。加速度計26は車両構造28に直接隣接している。車両構造28とハウジング30が堅牢に結合されているため、直接的なリンクが形成され、したがって構造伝搬ノイズが加速度計26によって感知される。加速度計26は、振動のエネルギ伝達経路に沿って車室内で聞こえ得る動き、加速度、及び低振動エネルギー(構造伝搬)を捕捉する。
【0026】
図12に示したように、線Aは、車両走行中に音響ポート54に向かう音/ノイズの流れを示しており、線Bは、音響ポート54に向けて噴射される水しぶきを示している。線Aで示される音圧波の流れは、音響シールド72による影響が最小限に抑えられ、音響ポート54に到達する圧力が完全に開放された状態である。音響シールド72は、外部の汚染物質(例えば、水、湿気、埃、又は破片)が音響ポート54に到達するための蛇行経路を形成している。蛇行経路は、外部の汚染物質が音響ポート54に到達する前に移動速度を減少させ、音響ポート54を覆う音響布74に損傷を与える可能性を低減する。
【0027】
本明細書で提供される開示は、その好ましい実施形態及び例示的な実施形態の観点から特徴を説明する。当業者には、添付の特許請求の範囲の範囲及び趣旨内での多くの他の実施形態、修正、及び変形が、本開示を検討することにより想起されるであろう。