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  • 特許-拡張装置のロック及び固定機構 図1
  • 特許-拡張装置のロック及び固定機構 図2
  • 特許-拡張装置のロック及び固定機構 図3
  • 特許-拡張装置のロック及び固定機構 図4
  • 特許-拡張装置のロック及び固定機構 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】拡張装置のロック及び固定機構
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/02 20060101AFI20231003BHJP
   G07F 9/00 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
H05K5/02 E
G07F9/00 Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022519399
(86)(22)【出願日】2020-12-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-30
(86)【国際出願番号】 CN2020138460
(87)【国際公開番号】W WO2021218198
(87)【国際公開日】2021-11-04
【審査請求日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】202020673602.4
(32)【優先日】2020-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522118975
【氏名又は名称】王 越
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】王 越
(72)【発明者】
【氏名】高 雲
【審査官】五貫 昭一
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-6772(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 5/02
G07F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧着ストリップ、圧着機構、接続装置を含む拡張装置のロック及び固定機構であって、
圧着機構が圧着ストリップと接触し、圧着が必要な場合に圧着ストリップに圧着力を加えるために使用され、
圧着ストリップは弾力性があり、拡張装置に接触し、圧着が必要な場合に拡張装置に圧着力を印加して、拡張装置を拡張される装置の拡張開口に密着させ、
接続装置は、圧着機構、圧着ストリップ、および拡張装置を接続するために使用されて、前記圧着機構、圧着ストリップ、および拡張装置が一体になることを特徴とするロック及び固定機構。
【請求項2】
前記圧着機構は、圧着部品、固定片を含み、圧着部品が固定片に取り付けられ、圧着ストリップと接触し、圧着が必要な場合に圧着ストリップに圧着力を加えるために使用され、
接続装置は、固定片、圧着部品、圧着ストリップ、および拡張装置を接続するために使用されて、前記固定片、圧着部品、圧着ストリップ、および拡張装置が一体になることを特徴とする請求項1に記載の拡張装置のロック及び固定機構。
【請求項3】
前記圧着ストリップは大まかに弓形であり、第1の湾曲部分および第2の湾曲部分を有し、
前記第1の湾曲部分は、圧着ストリップを半径方向から軸方向に曲げて、圧着ストリップを軸方向に沿って延長させ、
前記第2の湾曲部分は、圧着ストリップを軸方向から径方向に曲げて、圧着ストリップの末端を半径方向に沿って延長させることを特徴とする請求項1に記載の拡張装置のロック及び固定機構。
【請求項4】
前記圧着部品は、勾配がある軌跡面を備えた回転ハンドルであることを特徴とする請求項に記載の拡張装置のロック及び固定機構。
【請求項5】
前記回転ハンドルの勾配がある軌跡面に第1の位置決め装置が配置され、前記圧着ストリップに第2の位置決め装置が配置され、第1の位置決め装置と第2の位置決め装置は、互いに協働して、回転ハンドルの回転を防止することを特徴とする請求項4に記載の拡張装置のロック及び固定機構。
【請求項6】
前記第1の位置決め装置は凹部であり、前記第2の位置決め装置は突出部であることを特徴とする請求項5に記載の拡張装置のロック及び固定機構。
【請求項7】
前記勾配がある軌跡面は、点対称のように2つ設置されることを特徴とする請求項4に記載の拡張装置のロック及び固定機構。
【請求項8】
前記固定片は両側に穴の開いた金属片であることを特徴とする請求項4に記載の拡張装置のロック及び固定機構。
【請求項9】
前記固定片には中心穴があり、中心穴を通して圧着部品締結具と固定されることを特徴とする請求項8に記載の拡張装置のロック及び固定機構。
【請求項10】
前記接続装置は2本のネジであることを特徴とする請求項4に記載の拡張装置のロック及び固定機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロック及び固定機構に関し、特に既存の装置に新しい装置を拡張および設置する際のロック及び固定機構に関する。
【背景技術】
【0002】
計器キャビネットや自動販売機など、キャビネットを備えた既存のさまざまな装置はすべて、使用環境やユーザーのニーズの変化に応じて新しい機能を拡張する必要がある。コストを節約するために、通常、必要なさまざまな機能モジュールが前記キャビネットに拡張設置される。
【0003】
装置のメンテナがキャビネットの機能を拡張する場合、通常、既存の装置に穴を開け、ネジとナットを使用して、拡張されるキャビネットに必要な拡張機能を備えた装置を固定する。ただし、この従来の拡張方法では、拡張されるキャビネットと拡張機能を備えた装置に固定部品を取り付ける必要がある。新しい固定部品を設置する過程で、拡張されるキャビネットがまだ使用されているため、建設および保守要員が利用できるスペースが限られており、拡張装置の設置が困難であり、建設期間が長く、固定部品のマッチング精度が低いという問題が発生する。極端な場合、拡張されるキャビネットの本体が損傷し、拡張されるキャビネットが廃棄される可能性がある。
【0004】
同時に、ネジとナットを固定に使用する場合、ネジとナットが腐食すると、拡張装置を交換する時、分解しにくいという欠点もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、拡張装置のロック及び固定機構を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
具体的な解決手段は以下のとおりである。
【0007】
圧着ストリップ、圧着機構、接続装置を含む拡張装置のロック及び固定機構であって、圧着機構が圧着ストリップと接触し、圧着が必要な場合に圧着ストリップに圧着力を加えるために使用され、圧着ストリップは弾力性があり、拡張される装置に接触し、圧着が必要な場合に拡張装置に圧着力を印加して、拡張装置を拡張される装置の拡張開口に密着させるために使用され、接続装置は、圧着機構、圧着ストリップ、および拡張装置を接続して、前記圧着機構、圧着ストリップ、および拡張装置を一体にするために使用される。
【0008】
さらに、圧着機構は、圧着部品及び固定片を含む。拡張装置のロック及び固定機構は、圧着ストリップ、固定片、接続装置および圧着部品を含み、圧着部品が固定片に取り付けられ、圧着ストリップと接触し、圧着が必要な場合に圧着ストリップに圧着力を加えるために使用され、圧着ストリップは弾力性があり、拡張される装置に接触し、圧着が必要な場合に拡張装置に圧着力を印加して、拡張装置を拡張される装置の拡張開口に密着させるために使用され、接続装置は、固定片、圧着部品、圧着ストリップ、および拡張装置を接続して、前記固定片、圧着部品、圧着ストリップ、および拡張装置を一体にするために使用されることを特徴とする。
【0009】
さらに、前記圧着ストリップは大まかに弓形であり、第1の湾曲部分および第2の湾曲部分を有する。前記第1の湾曲部分は、圧着ストリップを半径方向から軸方向に曲げて、圧着ストリップを軸方向に沿って延長させる。前記第2の湾曲部分は、圧着ストリップを軸方向から径方向に曲げて、圧着ストリップの末端を半径方向に沿って延長させる。
【0010】
さらに、前記圧着部品は、勾配がある軌跡面を備えた回転ハンドルである。
【0011】
さらに、前記回転ハンドルの勾配がある軌跡面に第1の位置決め装置が配置され、前記圧着ストリップに第2の位置決め装置が配置され、第1の位置決め装置と第2の位置決め装置は、互いに協働して、回転ハンドルの回転を防止する。
【0012】
さらに、前記第1の位置決め装置は凹部であり、前記第2の位置決め装置は突出部である。
【0013】
さらに、前記勾配がある軌跡面は、点対称のように2つ設置される。
【0014】
さらに、前記固定片は両側に穴の開いた金属片である。
【0015】
さらに、前記固定片には中心穴があり、中心穴を通して圧着部品締結具と固定される。
【0016】
さらに、前記接続装置は2本のネジである。
【発明の効果】
【0017】
上記の拡張装置のロック及び固定機構を使用することにより、拡張装置に固定装置を設置するステップを省略でき、拡張工事のプロセスフローが簡素化され、拡張装置に対するロックの信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明の1つの実施例における、ロック及び固定機構と拡張モジュールの底部シェルとの組み合う模式図である。
図2図2は、本発明の1つの実施例における、ロック及び固定機構の組み立て図である。
図3図3は、本発明の1つの実施例における、圧着部品の断面図である。
図4図4は、本発明の1つの実施例における、固定片の模式図である。
図5図5は、本発明の1つの実施例における、コードスキャン支払いモジュールの底部シェルが、初期の自動販売機のキャビネットの表面に係合する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付の図面を参照して本発明の実施形態に対して詳細に説明する。
【0020】
例として、既存の自動販売機を取り上げる。初期の自動販売機にはコインを識別する装置だけ設置され、消費者はコインでしか商品の代金を支払うことができなかった。したがって、コインしか識別できない自動販売機の市場での認知度は不十分である。技術の進歩に伴い、コードスキャン支払いを備えた機能モジュールが登場した。そのため、コードスキャン支払い機能を備えた自動販売機は、コインしか識別できない自動販売機よりも市場での認知度が顕著的に高くなった。ただし、コストを考慮すると、すでに配備された初期の自動販売機をコードスキャン支払い機能を備えた新しい自動販売機に置き換えることは明らかに最適な選択ではない。
【0021】
初期の自動販売機がコードスキャン支払い機能を有することを可能にするために、自動販売機のキャビネットに穴を開けてコードスキャン支払いモジュールを設置することができる。設置プロセスでは、本発明に記載されているロック及び固定機構を使用して、コードスキャン支払いモジュールを内部で固定し、拡張モジュールを簡単かつ迅速にロック及び固定する目的を実現する。
【0022】
図1に示すように、設置しようとするコードスキャン支払いモジュールの底部シェル1には、一回りの外凸部がある。コードスキャン支払いモジュールを設置する時、まず、初期自動販売機のキャビネットの適切な位置に、コードスキャン支払いモジュールの底部シェルのサイズに一致する四角い穴を開ける。外凸部の断面積は底部シェルの断面積よりも大きいので、前記外凸部によってコードスキャン支払いモジュールの底部シェルが初期の自動販売機のキャビネット表面に係合することができる。図5に示す。
【0023】
本実施例の拡張装置のロック及び固定機構は、圧着ストリップ2、圧着機構、接続装置5を含み、圧着機構が圧着ストリップ2と接触し、圧着が必要な場合に圧着ストリップ2に圧着力を加えるために使用され、圧着ストリップ2は弾力性があり、拡張される装置に接触し、圧着が必要な場合に拡張装置に圧着力を印加して、拡張装置を拡張される装置の拡張開口に密着させるために使用され、接続装置5は、圧着機構、圧着ストリップ2、および拡張装置を接続して、前記圧着機構、圧着ストリップ2、および拡張装置を一体にするために使用される。
【0024】
図2に示すように、本実施例において、圧着機構は、圧着部品及び固定片を含む。圧着ストリップ2は弾力性のある金属ストリップであり、前記圧着ストリップ上に第1の湾曲部分21および第2の湾曲部分22が、対称的に配置されている。前記第1の湾曲部分21を曲げた後、圧着ストリップ2が軸方向に沿って伸び、圧着ストリップ2が自動販売機のキャビネットの方向に適切な長さまで伸びる。前記第2の湾曲部分は、圧着ストリップの2つの末端に近く、且つ軸方向から半径方向に沿って曲げられ、その結果、圧着ストリップの末端は、コードスキャン支払いモジュールの底部シェルの外側に半径方向に沿って適切に伸ばす。
【0025】
図3に示すように、本実施例において、圧着部品は、勾配がある軌跡面を備えた回転ハンドルである。前記ハンドルには、勾配がある軌跡面31と、第1の位置決め装置として機能する三角形凹部32が設置され、回転ハンドルの中心点には圧着部品締結具33が設置される。
【0026】
図4に示すように、本実施例において、固定片は両側の穿孔された金属片であり、金属片の重心に固定穴42が設置され、前記固定穴42は、図3の圧着部品の中央に設けられた締結具33と組み合い、圧着部品3を固定片4に固定し、圧着部品3を自由に回転させることができる。
【0027】
コードスキャン支払いモジュールを固定する必要がある場合は、まず圧着部品3の締結具33を固定片の固定穴42に通し、圧着部品3を固定片4上に固定させ、自由に回転できるようにする。次に、接続装置として2本のネジ5を使用し、それぞれ固定片の側穴41と圧着ストリップの貫通孔(図示せず)を通過させ、コードスキャン支払いモジュールの底部シェル1上のネジ穴(図示せず)内にねじ込み、図2に示すロック及び固定機構をコードスキャン支払いモジュールに固定させる。
【0028】
固定完了後、自動販売機のキャビネットの外側から、ロック及び固定機構を備えたコードスキャン支払いモジュールを、コードスキャン支払いモジュールの底部シェル1の外凸部が自動販売機のキャビネット平面上に完全に密着するまで自動販売機のキャビネット内に入れる。圧着ストリップ2は弾性金属材料で製造されており、圧着ストリップ2上に第2の湾曲部分22を有するので、コードスキャン支払いモジュールの底部シェルを自動販売機に送るプロセス中に、圧着ストリップ2は、半径方向に沿って収縮する弾性変形を生成でき、圧着ストリップの末端が自動販売機上の穴を通過するのを妨げることはない。圧着ストリップ2の末端が穴を通過すると、弾性変形を制限する外力の消失により、圧着ストリップ2の末端が穴のエッジ外に自然に回復し、これにより、コードスキャン支払いモジュールが自動販売機のキャビネットから引き出されるのを制限し、コードスキャン支払いモジュールの底部シェル1の外凸部と連携して、コードスキャン支払いモジュールを比較的短い軸方向の長さに制限する。
【0029】
装置ラインの接続とデバッグが完了した後、コードスキャン支払いモジュールを自動販売機のキャビネットにしっかりとロックする必要がある場合は、圧着部品3を回転させて、圧着部品3における勾配がある軌跡面31を回転させて軸方向に推力を発生させ、圧着ストリップ2の末端を自動販売機キャビネットに向かって軸方向に沿って押し出す。上記のように、圧着ストリップ2の末端およびコードスキャン支払いモジュールの底部シェル1の外凸部は、コードスキャン支払いモジュールを比較的短い軸方向の長さに制限している。圧着ストリップ2の末端が自動販売機に向かって軸方向に沿って移動し続ける場合は、コードスキャン支払いモジュールを押して、コードスキャン支払いモジュールを自動販売機のキャビネットに密着させて固定させる。
【0030】
圧着部品3を一定の位置まで回転させると、圧着部品3における勾配がある軌跡面31に設置された第1の位置決め装置としての三角溝32が、圧着ストリップでの第2の位置決め装置とする突出部(図示せず)を収納する。突出部を収納する三角溝32は、圧着ストリップの弾性力の作用により抵抗力が発生するため、回転を継続することが困難であり、無人状況でロック状態での圧着部品3の回転・変位を防止する目的を実現する。ここで、コードスキャン支払いモジュールは自動販売機のキャビネットにしっかりとロックされている。
【0031】
該ロック及び固定機構を使用して自動販売機にロック及び固定されているコードスキャン支払いモジュールを交換または取り外す必要がある場合は、まずコードスキャン支払いモジュールのロック状態を解消する必要がある。ロック状態を解除する場合、工具を必要とせず、自動販売機のキャビネットの内部から、圧着部品3をロックと反対方向に回転させるだけで、圧着部品3の三角溝32を圧着ストリップ2の突出部から分離し、圧着ストリップが自動販売機のキャビネットに加えた押出し力を取り除き、コードスキャン支払いモジュールのロック状態を解除できる。
【0032】
次に、圧着ストリップ2を半径方向に沿って収縮方向に押して、圧着ストリップ2の末端が弾性変形し、自動販売機のキャビネットの開口端の内側に入ることができるようにする。これにより、コードスキャン支払いモジュールが自動販売機の開口部から押し出されるのを阻害しない。
【0033】
図1に示すように、本実施例において、ロック効果を強化するために、2つのロック及び固定機構を使用してコードスキャン支払いモジュールを固定し、2つのロック及び固定機構の操作方法は完全に同じである。
【0034】
本発明によって提供される拡張装置のロック及び固定機構は、上記で詳細に説明された。本明細書では、特定の例を使用して本発明の原理及び実施形態を説明し、上記の実施例の説明は、本発明の方法およびそのコアアイデアを理解するのに助けるために使用されるだけであり、同時に、当業者にとって、本発明のアイデアによれば、発明を実施するための形態および適用範囲に変更があり、この明細書の内容は、本発明技術的解決手段に対する制限として解釈されるべきではない。
【符号の説明】
【0035】
1 外凸部を備えたコードスキャン支払いモジュールの底部シェル
2 圧着ストリップ
21 第1の湾曲部分
22 第2の湾曲部分
3 圧着部品
31 勾配がある軌跡面
32 第1の位置決め装置
33 圧着部品締結具
4 固定片
41 側穴
42 固定穴
5 接続装置


図1
図2
図3
図4
図5