(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】パンチホールスクリーン及び電子機器
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20231003BHJP
G02B 5/30 20060101ALI20231003BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
G09F9/00 302
G02B5/30
G09F9/30 349E
(21)【出願番号】P 2022529743
(86)(22)【出願日】2020-11-19
(86)【国際出願番号】 CN2020130232
(87)【国際公開番号】W WO2021098800
(87)【国際公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-05-20
(31)【優先権主張番号】201911158728.6
(32)【優先日】2019-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】韋 宏陽
(72)【発明者】
【氏名】李 冠恒
【審査官】新井 重雄
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/216545(WO,A1)
【文献】特開2019-158956(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109164648(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109545826(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0091711(KR,A)
【文献】特開2018-085114(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0013094(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第107946341(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00
G02B 5/30
G09F 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パンチホールスクリーンであって、
透光性カバープレート(100)と、
偏光板(200)であって、前記偏光板(200)は、前記透光性カバープレート(100)に接続され、前記偏光板(200)に第一のスルーホール(220)が設けられ、前記第一のスルーホール(220)内に透明光学接着剤(210)が充填される偏光板(200)と、
ガラスコンポーネント(300)であって、前記ガラスコンポーネント(300)は、前記偏光板(200)に接続され、前記偏光板(200)は、前記透光性カバープレート(100)と前記ガラスコンポーネント(300)との間に位置し、前記ガラスコンポーネント(300)は、前記第一のスルーホール(220)に対応する位置に第二のスルーホール(331)が設けられるガラスコンポーネント(300)とを含
み、
前記透光性カバープレート(100)上での前記第一のスルーホール(220)の正投影が、前記透光性カバープレート(100)上での前記第二のスルーホール(331)の正投影を覆い、
前記ガラスコンポーネント(300)は、
上ガラス(310)であって、前記上ガラス(310)は、前記偏光板(200)に接続され、前記上ガラス(310)は、前記第一のスルーホール(220)に対応する位置に第一のパンチ溝(311)が設けられる上ガラス(310)と、
前記上ガラス(310)にフレーム接着剤(340)を介して接続される下ガラス(320)と、
前記上ガラス(310)と前記下ガラス(320)との間に位置する支持柱(350)と、
前記第二のスルーホール(331)が位置するフォーム(330)であって、前記下ガラス(320)の前記上ガラス(310)から離れる側に位置するフォーム(330)とを含み、
前記第一のパンチ溝(311)は、前記上ガラス(310)の前記偏光板(200)から離れる側に位置する、パンチホールスクリーン。
【請求項2】
前記第一のパンチ溝(311)の第一の溝底(312)は、外側が前記第一のスルーホール(220)に向かう弧面である、請求項
1に記載のパンチホールスクリーン。
【請求項3】
前記第一のパンチ溝(311)の
前記透光性カバープレート(100)と平行する方向の断面は、円形であり、前記第一のパンチ溝(311)の直径は、前記第一のスルーホール(220)の直径に等しい、請求項
2に記載のパンチホールスクリーン。
【請求項4】
前記下ガラス(320)の前記第一のパンチ溝(311)に対応する位置に第二のパンチ溝(321)が設けられ、前記第二のパンチ溝(321)は、前記下ガラス(320)の前記上ガラス(310)に向かう側に位置する、請求項
1に記載のパンチホールスクリーン。
【請求項5】
前記支持柱(350)が前記上ガラス(310)に接触する面積は、前記支持柱(350)が前記下ガラス(320)に接触する面積よりも小さい、請求項
1に記載のパンチホールスクリーン。
【請求項6】
前記支持柱(350)の断面積は、前記上ガラス(310)から前記下ガラス(320)に向かう方向に沿って徐々に大きくなる、請求項
5に記載のパンチホールスクリーン。
【請求項7】
前記
透明
光学接着剤(210)の体積は、前記第一のスルーホール(220)の容積よりも大きい、請求項1~
6のいずれか1項に記載のパンチホールスクリーン。
【請求項8】
前記偏光板(200)は、光学透明両面接着剤(400)を介して前記透光性カバープレート(100)に接続される、請求項1~
6のいずれか1項に記載のパンチホールスクリーン。
【請求項9】
請求項1~
8のいずれか1項に記載のパンチホールスクリーンを含む、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年11月22日に中国で提出された中国特許出願番号201911158728.6の優先権を主張しており、同出願の内容の全ては、ここに参照として取り込まれる。
本発明は、通信機器技術分野に関し、特にパンチホールスクリーン及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
パンチホールスクリーンは、携帯電話のフロントカメラをディスプレイスクリーンの下に置く設計案であり、ディスプレイスクリーンパネル(Panel)の開き穴と透明穴の2つの形態を含む。直接にカメラをディスプレイスクリーンの下に置き、携帯電話のフレーム空間を占有しないため、超狭いフレームを実現し、より高い画面占有率、より良い全面画面効果を達成することができる。透明穴方案は、ブラインド穴方案とも呼ばれ、より小さい孔径を実現することができ、ディスプレイスクリーンの有効表示領域(AA)に与える影響は小さく、各携帯電話メーカーに広く採用されている。
【0003】
ブラインド穴方案を採用したAMOLEDパンチホールスクリーンは、光線が表示モジュールを順調に通過してPanelの下のカメラまで到達するために、偏光板POLにおける、Panel透明穴に対応する位置に穴を開ける必要があり、POLは、一定の厚さ(一般的には、70~200um)を有し、POL穴のエッジの位置では、現在使用される完全貼り合わせの透明光学接着剤(OCA)が完全に充填することができず、貼り合わせ気泡が存在し、外観と信頼性テストに影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来の開き穴内に気泡がある問題を解決するためのパンチホールスクリーン及び電子機器を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的に基づき、本発明の実施例は、パンチホールスクリーンを開示した。このパンチホールスクリーンは、
透光性カバープレートと、
偏光板であって、偏光板は、透光性カバープレートに接続され、偏光板に第一のスルーホールが設けられ、第一のスルーホール内に透明光学接着剤が充填される偏光板と、
ガラスコンポーネントであって、ガラスコンポーネントは、偏光板に接続され、偏光板は、透光性カバープレートとガラスコンポーネントとの間に位置し、ガラスコンポーネントは、第一のスルーホール対応する位置に第二のスルーホールが設けられるガラスコンポーネントとを含む。
【0006】
上記の目的に基づき、本発明の実施例は、電子機器をさらに開示した。この電子機器は、以上に記載のパンチホールスクリーンを含む。
【0007】
本発明によって採用される技術案は、以下の有益な効果を実現することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明に開示されるパンチホールスクリーンは、偏光板を透光性カバープレートに接続する前、まず第一のスルーホール内に透明光学接着剤を充填し、この透明光学接着剤は、液体状態であるため、第一のスルーホールを完全に充填することができ、透明光学接着剤が凝固すると、第一のスルーホール内に気泡が発生せず、それにより、外観と信頼性テストに影響を及ばすことを回避する。
【0009】
ここで説明される添付図面は、本発明に対する更なる理解を開示するためのものであり、本発明の一部を構成し、本発明を解釈するためのみに用いられ、本発明に対する不適切な限定を構成しない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施例に開示されているパンチホールスクリーンの概略図である。
【
図2】本発明の実施例に開示されている偏光板の概略図である。
【
図3】本発明の実施例に開示されている上ガラスが第一の状態にある時の概略図である。
【
図4】本発明の実施例に開示されている上ガラスが第二の状態にある時の概略図である。
【
図5】本発明の実施例に開示されている下ガラスが第一の状態にある時の概略図である。
【
図6】本発明の実施例に開示されている下ガラスが第二の状態にある時の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の目的、技術案及び利点をより明瞭にするために、以下は、本発明の具体的な実施例及び相応な添付図面を結び付けながら、本発明の技術案を明瞭且つ完全に記述する。明らかに、記述された実施例は、本発明の一部の実施例であり、全部の実施例ではない。本発明における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を払わない前提で得られたすべての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0012】
以下では、添付図面を結び付けながら、本発明の各実施例に開示されている技術案について詳細に説明する。
【0013】
図1及び
図2を参照すると、本発明の実施例は、パンチホールスクリーンを開示する。このパンチホールスクリーンは、透光性カバープレート100と、偏光板200と、ガラスコンポーネント300とを含む。
【0014】
透光性カバープレート100は、ガラスカバープレートなどの透明部材であってもよく、主に保護の役割を果たす。
【0015】
偏光板200は、透光性カバープレート100に接続され、偏光板200に第一のスルーホール220が設けられ、第一のスルーホール220内に透明光学接着剤210が充填される。透明光学接着剤210により、光線の通過に影響を及ぼさないことなく、第一のスルーホール220を満すことができる。偏光板200を透光性カバープレート100に接続する前、まず第一のスルーホール220内に透明光学接着剤210を充填し、この透明光学接着剤210は液体状態で流動性が良好であるため、第一のスルーホール220を完全に充填することができる。透明光学接着剤210が凝固すると、第一のスルーホール220内に気泡が発生せず、それにより、外観と信頼性テストに影響を及ぼさない。また、透明光学接着剤210が偏光板200に接着されることにより、変位を回避し、後続の他の部品の取り付けを容易にすることができる。
【0016】
ガラスコンポーネント300は、偏光板200に接続され、偏光板200は、透光性カバープレート100とガラスコンポーネント300との間に位置し、ガラスコンポーネント300の第一のスルーホール220に対応する位置に第二のスルーホール331が設けられ、第二のスルーホール331と第一のスルーホール220とが整合することで、光線が通過することができる。
【0017】
ガラスコンポーネント300は、上ガラス310と、下ガラス320と、支持柱350と、フォーム330とを含んでもよい。
【0018】
上ガラス310は、直接に偏光板200に接続され、下ガラス320は、フレーム接着剤340を介して上ガラス310に接続され、フレーム接着剤340は、上ガラス310と下ガラス320との間に位置し、フレーム接着剤340は、上ガラス310の円周方向に沿って環状に設けられることで、フレーム接着剤340は、上ガラス310と下ガラス320との間で内部チャンバとなるように囲んで、下ガラス320は、上ガラス310の偏光板200から離れる側に位置する。また、上ガラス310と下ガラス320との間に、複数の支持柱350がさらに充填され、複数の支持柱350は、上ガラス310と下ガラス320との間に間隔を置いて設けられ、複数の支持柱350は、いずれもこの内部チャンバ内に位置する。フォーム330が下ガラス320に接続されると、下ガラス320は、上ガラス310とフォーム330との間に位置し、第二のスルーホール331は、フォーム330に位置し、第二のスルーホール331と第一のスルーホール220とは、同軸に設けられる。
【0019】
なお、上ガラス310と下ガラス320との間の、第一のスルーホール220に対応する領域には支持柱350が設けられず、光線の伝播への影響を回避することができる。
【0020】
本実施例のいくつかの実施の形態では、上ガラス310に第一のパンチ溝311が設けられてもよい。
【0021】
上ガラス310が偏光板200に接続されると、上ガラス310は、偏光板200の第一のスルーホール220で宙吊り状態であるため、使用時、上ガラス310は、この位置で変形しやすく、それは主に、ここで偏光板200から離れる方向に向かって凹むように変形する。この時、上ガラス310の偏光板200に向かう側に第一の凹溝313が形成されるが、上ガラス310の下ガラス320に向かう側に突起が形成される。この凹みによる影響は、使用時、上ガラス310の下面と下ガラス320の上面との間での入射光線の反射光がフィルム干渉効果を形成しやすいことである。その要因は、ここに上ガラス310により形成された球状突起である。
【0022】
この状況を改善するために、上ガラス310に第一のパンチ溝311を設けてもよく、第一のパンチ溝311は、上ガラス310の下ガラス320に向かう側に位置し、第一のパンチ溝311の位置と第一のスルーホール220の位置とは、対応する。上ガラス310に第一のパンチ溝311を設けると、入射光線が上ガラス310を通過した後に下ガラス320に入射する角度が変えられるため、フィルム干渉効果を改善する。
【0023】
さらに、
図4を参照すると、
図4は、上ガラス310が凹んでいない時の状態である。本実施例のいくつかの実施の形態では、さらに、第一の溝底312を弧面として設れてもよく、この第一の溝底312は、第一のパンチ溝311の溝底である。第一の溝底312は、第一のパンチ溝311の凹み方向に沿って弧形であり、即ちこの弧形の外壁は第一のスルーホール220に向かう。
【0024】
第一の溝底312を弧面として設けることによって、上ガラス310が凹んだ時、上ガラス310がここで下ガラス320に向かう面の形状をさらに変えることにより、フィルム干渉効果を改善することができる。
【0025】
本実施例の選択的な実施の形態としては、第一の溝底312を弧面に改造する前、まず上ガラス310が凹んだ後に形成された第一の凹溝313の形状を測定し、そして第一の溝底312を第一の凹溝313と同じ形状に研磨してもよい。
図3(
図3は、上ガラス310が凹んだ後の形状である)を参照すると、第一の溝底312と第一の凹溝313との形状が同じである場合、上ガラス310が凹んだ後、第一の溝底312が変形してほぼ平面になり、この時、フィルム干渉効果をより良く改善することができる。
【0026】
なお、
図6を参照すると、
図6は、下ガラス320が凹んでいない時の状態であり、さらに、下ガラス320に第二のパンチ溝321を設けてもよく、第二のパンチ溝321は、下ガラス320の上ガラス310に向かう側に位置し、第二のパンチ溝321は、下ガラス320の第二のスルーホール331に対応する位置に位置する。
【0027】
下ガラス320は、上ガラス310とフォーム330との間に位置し、フォーム330の第一のスルーホール220に対応する位置に第二のスルーホール331が設けられるため、下ガラス320は、フォーム330の第二のスルーホール331で宙吊り状態となる。使用時、下ガラス320は、この位置で変形しやすく、それは主に、ここで上ガラス310に向かって凹むように変形する。この時、下ガラス320の上ガラス310との反対側に第二の凹溝322が形成されるが、下ガラス320の上ガラス310に向かう側に突起が形成され、このような形成により、上ガラス310の下面と下ガラス320の上面との間の反射光がフィルム干渉効果を形成しやすくなる。第二のパンチ溝321の設置により、上記の状況を効果的に改善することができ、第二のパンチ溝321と第一のパンチ溝311とが整合すると、フィルム干渉効果をより良く改善することができる。
【0028】
さらに、本実施例のいくつかの実施の形態では、さらに、第二の溝底323を弧面として設けてもよく、この第二の溝底323は、第二のパンチ溝321の溝底である。第二の溝底323は、下ガラス320のフォーム330に向かう方向に沿って弧形であり、即ちこの弧形の外壁は第二のスルーホール331に向かう。
【0029】
第二の溝底323を弧面として設けることによって、下ガラス320が凹んだ時、下ガラス320がここで上ガラス310に向かう面の形状をさらに変えることにより、フィルム干渉効果を改善することができる。
【0030】
そのうち、第一のパンチ溝311は、円筒状に設けられてもよく、第二のパンチ溝321は、球状に設けられてもよく、第一のパンチ溝311と第二のパンチ溝321とは、同軸に設けられ、第一のパンチ溝311と第二のパンチ溝321は、いずれも第一のスルーホール220と同軸であることによって、本パンチホールスクリーン内の第一のスルーホール220、第一のパンチ溝311、第二のパンチ溝321及び第二のスルーホール331の四つの光透過部位は、いずれも同軸に設けられ、光線の通過を容易にする。
【0031】
なお、第一のパンチ溝311の直径は、第一のスルーホール220の直径と等しくてもよく、第二のパンチ溝321の直径は、第二のスルーホール331の直径と等しくてもよく、第二のスルーホール331の直径は、第一のスルーホール220の直径よりもやや短い。
【0032】
異なる電子機器の第一のスルーホール220と第二のスルーホール331の大きさが異なる可能性があるため、第一のパンチ溝311と第二のパンチ溝321の大きさおよび深さは、適切な効果を達成するために、異なる電子機器によって適切に調整されてもよい。
【0033】
本実施例の選択的な実施の形態としては、第二の溝底323を弧面に改造する前、まず下ガラス320が凹んだ後に形成された第二の凹溝322の形状を測定し、そして第二の溝底323を第二の凹溝322と同じ形状に研磨してもよい。
図5(
図5は、下ガラス320が凹んだ後の形状である)を参照すると、第二の溝底323と第二の凹溝322の形状が同じである場合、下ガラス320が凹んだ後、第二の溝底323が変形してほぼ平面になり、この時、フィルム干渉効果をより良く改善することができる。
【0034】
上ガラス310と下ガラス320がいずれも凹んだ時、第一の溝底312と第二の溝底323は、いずれも平面であるため、フィルム干渉効果の発生を基本的に防止することができる。
【0035】
本実施例のいくつかの実施の形態では、支持柱350が上ガラス310に接触する面積は、支持柱350が下ガラス320に接触する面積よりも小さい。入射光線が上ガラス310から下ガラス320に向かって入射するのが一般的であるため、支持柱350の上ガラス310との接触面積を小さくすることで、シャドウの形成を回避することができる。
【0036】
さらに、支持柱350をテーパ状に設け、即ち支持柱350の断面積が上ガラス310から下ガラス320に向かう方向に沿って徐々に大きくなる。
【0037】
本実施例のいくつかの実施の形態では、偏光板200と透光性カバープレート100とは、光学透明両面接着剤400を介して接続されてもよい。光学透明両面接着剤400による接続は、無色透明で、光透過率が90%以上であり、接着強度が良好で、室温または中温で硬化することができ、硬化収縮が小さいなどの特徴がある。本実施例において、光学透明両面接着剤400は、OCA光学接着剤であってもよい。無論、OCA光学接着剤は、本実施例の一つの選択的な実施の形態にすぎず、他の実施の形態では、偏光板200と透光性カバープレート100とは、光透過率が90%以上の他の光学透明両面接着剤400を介して接続されてもよい。
【0038】
組み立てる時、まずガラスコンポーネント300を組み立ててから、偏光板200を上ガラス310に接続してもよい。偏光板200とガラスコンポーネント300との接続が安定した後、それらを平面上に置き、偏光板200を最上方に位置させ、そして偏光板200における第一のスルーホール220内に光学透明接着剤を充填してもよい。この時、上ガラス310が凹んで第一のスルーホール220と連通する第一の凹溝313が形成されるため、光学透明接着剤を充填する時、光学透明接着剤の体積を第一のスルーホール220の容積よりも大きくすることで、光学透明接着剤で第一の凹溝313も満たす必要があり、偏光板200と上ガラス310との間に隙間が生じることを回避することができる。最後に、光学透明両面接着剤400を用いて透光性カバープレート100を偏光板200に接着すれば、組み立てが完了する。
【0039】
光学透明接着剤が凝固した後に体積収縮するのを回避するために、第一のスルーホール220の光学透明接着剤が完全に凝固し、凝固後の光学透明接着剤の上面が偏光板200の上面と面一となった後、透明カバープレートと偏光板200とを接続してもよい。
【0040】
本実施例のいくつかの実施の形態では、光学透明接着剤は、UV光で硬化されてもよく、偏光板200と上ガラス310との間は、光学透明両面接着剤400を介して接着されてもよい。
【0041】
第一のパンチ溝311及び第二のパンチ溝321の開設は、数値制御工作機械又はエッチングなどにより加工製造することができる。
【0042】
上ガラス310と下ガラス320との整合にガラス研磨工程を使用して、上ガラス310の下面と下ガラス320の上面を研磨処理してもよく、上ガラス310と下ガラス320の表面平坦度を改善し、上ガラス310の第一のスルーホール220での凹度及び下ガラス320の第二のスルーホール331での凹度を低減させ、それにより、入射光線への干渉度合いを低減させる。
【0043】
本発明の実施例は、電子機器をさらに開示する。この電子機器は、上記のパンチホールスクリーン含んでもよい。
【0044】
本発明による電子機器は、上記のパンチホールスクリーンを有し、このパンチホールスクリーン内の第一のスルーホール220は、光学透明接着剤で充填されるため、偏光板200とガラスコンポーネント300との間及び偏光板200と透光性カバープレート100との間に隙間が生じないため、外観と信頼性テストに影響を及ぼさず、カメラの性能を最適化させる。
【0045】
本発明の実施例に開示されている電子機器は、携帯電話、タブレットコンピュータ、電子書リーダー、ゲーム機、スマートウォッなどの機器であってもよい。本発明の実施例では、電子機器の具体的な種類が制限されない。
【0046】
本発明の上記実施例では、各実施例間の相違点を重点として説明したが、各実施例間の異なる最適化特徴は、矛盾しない限り、いずれも組み合わせてより好ましい実施例を形成することができる。明細書の簡潔さを考慮して、ここではこれ以上説明しない。
【0047】
以上に記述されているのは、本発明の実施例に過ぎず、本発明を制限するためのものではない。当業者にとって、本発明に対して様々な変更と変化を行うことができる。本発明の精神及び原理内で行われた任意の修正、同等置き換え、改良などは、いずれも本発明の特許請求の範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0048】
100-透光性カバープレート、200-偏光板、210-透明光学接着剤、220-第一のスルーホール、300-ガラスコンポーネント、310-上ガラス、311-第一のパンチ溝、312-第一の溝底、313-第一の凹溝、320-下ガラス、321-第二のパンチ溝、322-第二の凹溝、323-第二の溝底、330-フォーム、331-第二のスルーホール、340-フレーム接着剤、350-支持柱、400-光学透明両面接着剤。