(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-03
(45)【発行日】2023-10-12
(54)【発明の名称】空気入りタイヤ
(51)【国際特許分類】
B60C 13/00 20060101AFI20231004BHJP
B60C 5/00 20060101ALI20231004BHJP
B60C 15/00 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
B60C13/00 E
B60C5/00 H
B60C13/00 H
B60C15/00 M
(21)【出願番号】P 2019086760
(22)【出願日】2019-04-26
【審査請求日】2022-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 健人
【審査官】増田 亮子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/099203(WO,A1)
【文献】特開2015-113043(JP,A)
【文献】特開2017-094841(JP,A)
【文献】特開2010-047053(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 13/00
B60C 5/00
B60C 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレッド部と、
前記トレッド部のタイヤ幅方向両側に配置される一対のサイドウォール部と、
前記サイドウォール部の外表面の少なくとも一部に配置され、半独立気泡を有する吸音層と、を備え
、
車両に対する装着方向が指定され、
前記吸音層は、前記車両の車幅方向内側の前記サイドウォール部の外表面に配置され、車幅方向外側の前記サイドウォール部の外表面に配置されない、
空気入りタイヤ。
【請求項2】
タイヤ幅方向における前記吸音層の最大厚さをMTとしたとき、
2[mm] ≦ MT ≦ 15[mm]、
の条件を満足する、
請求項1に記載の空気入りタイヤ。
【請求項3】
前記吸音層は、タイヤ最大幅位置を含み、
前記吸音層のタイヤ径方向外側端部は、前記タイヤ最大幅位置よりもタイヤ径方向外側に配置され、
タイヤ径方向において、前記タイヤ最大幅位置と前記吸音層のタイヤ径方向外側端部との距離をCH、タイヤ断面高さをSHとしたとき、
CH ≧ 0.20×SH、
の条件を満足する、
請求項1又は請求項2に記載の空気入りタイヤ。
【請求項4】
前記吸音層のタイヤ径方向長さをLH、タイヤ断面高さをSHとしたとき、
LH ≧ 0.30×SH、
の条件を満足する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
【請求項5】
前記吸音層の密度DSは、
0.10[g/cm
3] ≦ DS ≦ 0.90[g/cm
3]、
の条件を満足する、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
【請求項6】
前記吸音層は、天然ゴム及びブタジエンゴムの少なくとも一方を含む、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
【請求項7】
規定リムに装着された状態で、前記吸音層のタイヤ径方向内側端部は、前記規定リムよりもタイヤ径方向外側に配置される、
請求項1から請求項
6のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
【請求項8】
前記規定リムのリム径の測定点から前記規定リムのタイヤ径方向外側端部までの距離をHf、前記測定点から前記吸音層のタイヤ径方向内側端部までの距離をH1としたとき、
H1/Hf ≧ 1.05、
の条件を満足する、
請求項
7に記載の空気入りタイヤ。
【請求項9】
前記トレッド部の内部に配置されるベルト層と、
前記ベルト層よりもタイヤ径方向外側に配置されるベルトカバーと、を備え、
前記ベルトカバーのタイヤ幅方向外側端部と前記吸音層のタイヤ径方向外側端部との距離をD1としたとき、
D1 ≧ 0.2[mm]、
の条件を満足する、
請求項1から請求項
8のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
【請求項10】
一対の前記サイドウォール部よりもタイヤ径方向内側に配置される一対のビード部と、
一対の前記ビード部に支持されるカーカス層と、を備え、
前記カーカス層は、一対の前記ビード部に架けられるカーカス本体部と、前記ビード部においてカーカス本体部からタイヤ幅方向外側に折り返される折り返し部とを有し、
前記折り返し部のタイヤ径方向外側端部は、前記吸音層のタイヤ径方向外側端部よりもタイヤ径方向外側に配置される、
請求項1から請求項
9のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
空気入りタイヤに係る技術分野において、特許文献1に開示されているような空気入りタイヤが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
空気入りタイヤにおいて、操縦安定性の向上及び耐ハイドロプレーニング性の向上が要望される。しかし、操縦安定性の向上のためにトレッドゴムの硬度を上げたり、耐ハイドロップレーニング性の向上のために溝面積を増やしたりすると、走行時においてトレッド部から発生する通過音が大きくなる。
【0005】
本発明の態様は、通過音を低減できる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様に従えば、トレッド部と、前記トレッド部のタイヤ幅方向両側に配置される一対のサイドウォール部と、前記サイドウォール部の外表面の少なくとも一部に配置され、半独立気泡を有する吸音層と、を備える、空気入りタイヤが提供される。
【0007】
本発明の態様において、タイヤ幅方向における前記吸音層の最大厚さをMTとしたとき、
2[mm] ≦ MT ≦ 15[mm]、
の条件を満足してもよい。
【0008】
本発明の態様において、前記吸音層は、タイヤ最大幅位置を含み、前記吸音層のタイヤ径方向外側端部は、前記タイヤ最大幅位置よりもタイヤ径方向外側に配置され、タイヤ径方向において、前記タイヤ最大幅位置と前記吸音層のタイヤ径方向外側端部との距離をCH、タイヤ断面高さをSHとしたとき、
CH ≧ 0.20×SH、
の条件を満足してもよい。
【0009】
本発明の態様において、前記吸音層のタイヤ径方向長さをLH、タイヤ断面高さをSHとしたとき、
LH ≧ 0.30×SH、
の条件を満足してもよい。
【0010】
本発明の態様において、前記吸音層の密度DSは、
0.10[g/cm3] ≦ DS ≦ 0.90[g/cm3]、
の条件を満足してもよい。
【0011】
本発明の態様において、前記吸音層は、天然ゴム及びブタジエンゴムの少なくとも一方を含んでもよい。
【0012】
本発明の態様において、車両に対する装着方向が指定され、前記吸音層は、前記車両の車幅方向内側の前記サイドウォール部の外表面に配置され、車幅方向外側の前記サイドウォール部の外表面に配置されなくてもよい。
【0013】
本発明の態様において、規定リムに装着された状態で、前記吸音層のタイヤ径方向内側端部は、前記規定リムよりもタイヤ径方向外側に配置されてもよい。
【0014】
本発明の態様において、前記規定リムのリム径の測定点から前記規定リムのタイヤ径方向外側端部までの距離をHf、前記測定点から前記吸音層のタイヤ径方向内側端部までの距離をH1としたとき、
H1/Hf ≧ 1.05、
の条件を満足してもよい。
【0015】
本発明の態様において、前記トレッド部の内部に配置されるベルト層と、前記ベルト層よりもタイヤ径方向外側に配置されるベルトカバーと、を備え、前記ベルトカバーのタイヤ幅方向外側端部と前記吸音層のタイヤ径方向外側端部との距離をD1としたとき、
D1 ≧ 0.2[mm]、
の条件を満足してもよい。
【0016】
本発明の態様において、一対の前記サイドウォール部よりもタイヤ径方向内側に配置される一対のビード部と、一対の前記ビード部に支持されるカーカス層と、を備え、前記カーカス層は、一対の前記ビード部に架けられるカーカス本体部と、前記ビード部においてカーカス本体部からタイヤ幅方向外側に折り返される折り返し部とを有し、前記折り返し部のタイヤ径方向外側端部は、前記吸音層のタイヤ径方向外側端部よりもタイヤ径方向外側に配置されてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の態様によれば、通過音を低減できる空気入りタイヤが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る空気入りタイヤが装着される車両を示す側面図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る空気入りタイヤが装着される車両を後方から見た図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る空気入りタイヤの一部を示す子午断面図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る吸音層を示す模式図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る空気入りタイヤの要部を示す子午断面図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係る規定リムに装着された状態の空気入りタイヤの要部を示す子午断面図である。
【
図7】
図7は、第2実施形態に係る規定リムに装着された状態の空気入りタイヤの要部を示す子午断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明は実施形態に限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0020】
[第1実施形態]
<車両>
図1は、本実施形態に係る空気入りタイヤ1が装着される車両500を示す側面図である。
図2は、本実施形態に係る空気入りタイヤ1が装着される車両500を後方から見た図である。
【0021】
本実施形態において、空気入りタイヤ1は、乗用車用タイヤである。乗用車用タイヤとは「JATMA YEAR BOOK(日本自動車タイヤ協会規格)」のA章に定められる空気入りタイヤをいう。なお、空気入りタイヤ1はB章に定められる小型トラック用タイヤでもよいし、C章に定められるトラック及びバス用タイヤでもよい。
【0022】
図1及び
図2に示すように、車両500は、空気入りタイヤ1を含む走行装置501と、走行装置501に支持される車体502と、走行装置501を駆動するためのエンジン503とを備える。
【0023】
走行装置501は、空気入りタイヤ1を支持するホイール504と、ホイール504を支持する車軸505と、走行装置501の進行方向を変えるための操舵装置506と、走行装置501を減速又は停止させるためのブレーキ装置507とを有する。
【0024】
車体502は、運転者が搭乗する運転室を有する。運転室に、エンジン503の出力を調整するためのアクセルペダルと、ブレーキ装置507を作動するためのブレーキペダルと、操舵装置506を操作するためのステアリングホイールとが配置される。運転者は、アクセルペダル、ブレーキペダル、及びステアリングホイールを操作する。運転者の操作により、車両500は走行する。
【0025】
空気入りタイヤ1は、車両500のホイール504のリムに装着される。空気入りタイヤ1は、車両500に装着された状態で、タイヤ回転軸RXを中心に回転して、路面RSを走行する。
【0026】
以下の説明においては、タイヤ回転軸RXと直交する方向を適宜、タイヤ径方向、と称する。タイヤ回転軸RXと平行な方向を適宜、タイヤ幅方向、と称する。タイヤ回転軸RXを周回する方向を適宜、タイヤ周方向、と称する。
【0027】
また、以下の説明においては、タイヤ回転軸RXと直交し、タイヤ幅方向における空気入りタイヤ1の中心を通る平面を適宜、タイヤ赤道面CL、と称する。
【0028】
また、以下の説明においては、タイヤ径方向においてタイヤ回転軸RXに近い部分又は接近する方向を適宜、タイヤ径方向内側、と称する。タイヤ径方向においてタイヤ回転軸RXから遠い部分又はタイヤ回転軸RXから離隔する方向を適宜、タイヤ径方向外側、と称する。
【0029】
また、以下の説明においては、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLに近い部分又はタイヤ赤道面に接近する方向を適宜、タイヤ幅方向内側、と称する。タイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから遠い部分又はタイヤ赤道面CLから離隔する方向を適宜、タイヤ幅方向外側、と称する。
【0030】
また、以下の説明においては、車両500の車幅方向において車両500の中心に近い部分又は車両500の中心に接近する方向を適宜、車幅方向内側、と称する。車両500の車幅方向において車両500の中心から遠い部分又は車両500の中心から離隔する方向を適宜、車幅方向外側、と称する。
【0031】
車両500は、4輪車両である。走行装置501は、車体502の左側に設けられる左前輪及び左後輪と、車体502の右側に設けられる右前輪及び右後輪とを有する。空気入りタイヤ1は、車体502の左側に装着される左空気入りタイヤ1Lと、車体502の右側に装着される右空気入りタイヤ1Rとを含む。
【0032】
空気入りタイヤ1は、トレッドパターンが形成されたトレッド部2と、トレッド部2のタイヤ幅方向両側に配置される一対のサイドウォール部4とを備える。空気入りタイヤ1の走行において、トレッド部2が路面RSと接触する。
【0033】
本実施形態において、車両500に対する空気入りタイヤ1の装着方向が指定される。例えばトレッド部2のトレッドパターンが非対称パターンである場合、車両500に対する空気入りタイヤ1の装着方向が指定される。左空気入りタイヤ1Lは、一対のサイドウォール部4のうち指定された一方のサイドウォール部4が車幅方向内側を向き、他方のサイドウォール部4が車幅方向外側を向くように、車両500の左側に装着される。右空気入りタイヤ1Rは、一対のサイドウォール部4のうち指定された一方のサイドウォール部4が車幅方向内側を向き、他方のサイドウォール部4が車幅方向外側を向くように、車両500の右側に装着される。
【0034】
車両500に対する空気入りタイヤ1の装着方向が指定されている場合、空気入りタイヤ1には、指定された車両500に対する装着方向を示す表示部600が設けられる。表示部600は、一対のサイドウォール部4のうち少なくとも一方のサイドウォール部4に設けられる。表示部600は、車両500に対する装着方向を示すセリアル記号を含む。表示部600は、マーク、文字、符号、及び模様の少なくとも一つを含む。車両500に対する空気入りタイヤ1の装着方向を示す表示部600の例として、例えば「OUTSIDE」又は「INSIDE」のような文字が挙げられる。ユーザは、サイドウォール部4に設けられている表示部600に基づいて、車両500に対する空気入りタイヤ1の装着方向を認識することができる。表示部600に基づいて、左空気入りタイヤ1Lが車両500の左側に装着され右空気入りタイヤ1Rが車両500の右側に装着される。
【0035】
<空気入りタイヤ>
図3は、本実施形態に係る空気入りタイヤ1の一部を示す子午断面図である。子午断面とは、タイヤ赤道面CLに直交する断面をいう。
【0036】
図3に示すように、空気入りタイヤ1は、トレッド部2と、サイドウォール部4と、ビード部5と、カーカス層6と、ベルト層7と、ベルトカバー8と、吸音層9とを備える。
【0037】
トレッド部2は、タイヤ回転軸RXの周囲に配置される。トレッド部2は、タイヤ回転軸RXの周囲に配置される環状のトレッドゴムを含む。トレッド部2は、走行時に路面RSと接触するトレッド面21を有する。トレッド部2は、トレッドゴムに形成された複数の主溝22、複数のラグ溝24、及び細溝25を有する。
【0038】
主溝22とは、タイヤ周方向に延在し、内部にトレッドウェアインジケータ(スリップサイン)を有する溝をいう。トレッドウェアインジケータは、トレッド部2の摩耗末期を示す。主溝22は、4.0[mm]以上の幅及び5.0[mm]以上の深さを有する。主溝22は、タイヤ周方向に直線状に延在してもよいし、タイヤ周方向に延在しながらタイヤ幅方向に屈曲してもよい。主溝22は、タイヤ幅方向に複数設けられる。
【0039】
ラグ溝24とは、少なくとも一部がタイヤ幅方向に延在する溝をいう。ラグ溝24は、1.5[mm]以上の幅及び4.0[mm]以上の深さを有する。なお、ラグ溝24は、部分的に4.0[mm]未満の深さを有していてもよい。ラグ溝24は、タイヤ幅方向に直線状に延在してもよいし、タイヤ幅方向に延在しながらタイヤ周方向に傾斜してもよいし、屈曲してもよい。
【0040】
細溝25とは、タイヤ周方向に延在し、主溝22よりも小さい幅の溝をいう。3.0[mm]以上の幅及び3.0[mm]以上の深さを有する。本実施形態において、細溝25は、複数の主溝22よりも車幅方向内側に設けられる。
【0041】
主溝22とラグ溝24と細溝25とにより、トレッド面21に複数の陸部23が形成される。
【0042】
サイドウォール部4は、トレッド部2よりもタイヤ幅方向外側に配置される。サイドウォール部4は、一対設けられる。一対のサイドウォール部4が、トレッド部2のタイヤ幅方向両側に配置される。サイドウォール部4は、タイヤ回転軸RXと直交する面内において環状のサイドウォールゴムを含む。
【0043】
ビード部5は、カーカス層6を支持する。ビード部5は、車両500のリムに固定される。ビード部5は、一対設けられる。一対のビード部5は、一対のサイドウォール部4よりもタイヤ径方向内側に配置される。
【0044】
ビード部5は、ビードコア51と、ビードコア51よりもタイヤ径方向外側に配置されるビードフィラー52とを有する。ビードコア51は、束ねられた複数のビードワイヤを含む。ビードコア51は、タイヤ回転軸RXを囲むように円環状に設けられる。ビードフィラー52は、ビードゴムを含む。
【0045】
カーカス層6は、空気入りタイヤ1の骨格を形成する強度部材である。カーカス層6は、トレッド部2よりもタイヤ径方向内側に配置される。カーカス層6は、一対のビード部5に支持される。カーカス層6のタイヤ幅方向の両端部は、ビード部5に固定される。
【0046】
カーカス層6は、ビード部5において、タイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返される。カーカス層6は、ビードコア51及びビードフィラー52を包むように折り返される。カーカス層6は、一対のビード部5に架けられるカーカス本体部61と、ビード部5においてカーカス本体部61からタイヤ幅方向外側に折り返される折り返し部62とを有する。本実施形態において、折り返し部62は、折り返し部62のタイヤ径方向外側端部62Aがベルト層7の一部及びベルトカバー8の一部と重複するように、タイヤ径方向外側に延在する。
【0047】
カーカス層6は、カーカスコードと、カーカスコードを覆うゴムとを含む。カーカスコードは、有機繊維製である。カーカスコードは、ポリエステル製でもよいし、ナイロン製でもよいし、アラミド製でもよいし、レーヨン製でもよい。
【0048】
ベルト層7は、トレッド部2の内部に配置される。ベルト層7は、トレッド部2においてカーカス層6よりもタイヤ径方向外側に配置される。ベルト層7は、空気入りタイヤ1の形状を保持する。ベルト層7は、ベルトコードと、ベルトコードを覆うゴムとを含む。ベルトコードは、金属繊維製でもよいし有機繊維製でもよい。ベルト層7は、第1ベルトプライ71と、第2ベルトプライ72とを含む。第1ベルトプライ71と第2ベルトプライ72とは、第1ベルトプライ71のコードと第2ベルトプライ72のコードとが交差するように積層される。タイヤ周方向に対するベルトコードの傾斜角度は、例えば20[°]以上で55[°]以下である。第1ベルトプライ71のベルトコードの傾斜角度と第2ベルトプライ72のベルトコードの傾斜角度とは異なる。
【0049】
ベルトカバー8は、ベルト層7を保護する。ベルトカバー8は、トレッド部2においてベルト層7よりもタイヤ径方向外側に配置される。ベルトカバー8は、カバーコードと、カバーコードを覆うゴムとを含む。カバーコードは、スチールのような金属繊維製でもよいし有機繊維製でもよい。本実施形態において、ベルトカバー8は、ベルト層7のタイヤ幅方向端部をタイヤ径方向外側から覆うように配置される。ベルトカバー8のタイヤ幅方向外側端部8Aは、ベルト層7のタイヤ幅方向外側端部よりもタイヤ幅方向外側に配置される。
【0050】
<吸音層の概要>
吸音層9は、サイドウォール部4の外表面の少なくとも一部に配置される。吸音層9は、半独立気泡を有する。吸音層9は、走行時においてトレッド部2から発生する通過音の少なくとも一部を吸収する。吸音層9が通過音の少なくとも一部を吸収することにより、通過音が低減される。
【0051】
本実施形態において、吸音層9は、車幅方向内側のサイドウォール部4の外表面に配置される。吸音層9は、車幅方向外側のサイドウォール部4の外表面に配置されない。
【0052】
吸音層9は、タイヤ最大幅位置Pを含む。タイヤ最大幅位置Pとは、空気入りタイヤ1を規定リムに装着し、規定内圧で空気を充填して、空気入りタイヤ1に荷重を加えない無負荷状態において、タイヤ幅方向の寸法が最大となる位置をいう。
【0053】
「規定リム」とは、空気入りタイヤ1の規格が空気入りタイヤ1毎に定めているリムであり、JATMAであれば「標準リム」、TRAであれば「Design Rim」、ETRTOであれば「Measuring Rim」である。
【0054】
「規定内圧」とは、空気入りタイヤ1の規格が空気入りタイヤ1毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば「最高空気圧」、TRAであれば表「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、ETRTOであれば「INFLATION PRESSURE」である。JATMAにおいて、乗用車用タイヤにおける規定内圧は空気圧180[kPa]である。
【0055】
図4は、本実施形態に係る吸音層9を示す模式図である。半独立気泡とは、独立気泡91と連続気泡92とが混在している気泡をいう。
図4に示すように、独立気泡91とは、相互に繋がらない気泡90をいう。連続気泡92とは、相互に繋がる複数の気泡90をいう。連続気泡92の気泡90の一部は、吸音層9の表面900に配置される。
【0056】
半独立気泡において、独立気泡91と連続気泡92との比率は1対1でもよい。すなわち、吸音層9において、独立気泡が占める割合(容積)と連続気泡が占める割合(容積)とは等しくてもよい。なお、吸音層9において、独立気泡が占める割合と連続気泡が占める割合とは異なってもよい。独立気泡が占める割合が、連続気泡が占める割合よりも多くてもよいし、少なくてもよい。
【0057】
なお、複数の気泡90の大きさは、実質的に同一でもよいし、異なってもよい。
【0058】
トレッド部2から発生する通過音の周波数のピーク値は、約1000[Hz]である場合が多い。本発明者は、独立気泡の吸音層、連続気泡の吸音層、及び半独立気泡の吸音層のそれぞれについて、約1000[Hz]の通過音に対する吸音率を確認した。その結果、半独立気泡の吸音層の吸音率が最も高く、半独立気泡の吸音層に次いで連続気泡の吸音層の吸音率が高く、独立気泡の吸音層の吸音率が最も低いことを見出した。すなわち、半独立気泡の吸音層による通過音の低減効果が最も高く、半独立気泡の吸音層に次いで連続気泡の吸音層による通過音の低減効果が高く、独立気泡の吸音層による通過音の低減効果が最も低いことを見出した。
【0059】
吸音層9は、半独立気泡を有する発泡ゴム層又は発泡エラストマー層である。すなわち、吸音層9を形成する材料の主成分は、ゴム又はエラストマーである。吸音層9を形成する材料として、天然ゴム、CR(クロロプレンゴム)、SBR(スチレン・ブタジエンゴム)、NBR(ニトリル・ブタジエンゴム)、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体)ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、熱可塑性エラストマー、及び軟質ウレタンが例示される。
【0060】
本実施形態において、吸音層9は、天然ゴム及びブタジエンゴムの少なくとも一方を含む。天然ゴム又はブタジエンゴムは、耐候性及び耐久性を有し、空気入りタイヤ1に使用されるゴム材として実績があるため、好ましい。
【0061】
連続気泡の吸音層の吸水率が最も大きく、連続気泡の吸音層に次いで半独立気泡の吸音層の吸水率が大きく、独立気泡の吸音層の吸水率が最も小さい。そのため、適切な吸水率が得られるように、吸音層9において独立気泡が占める割合と連続気泡が占める割合とが調整されてもよい。なお、吸水率は「JIS K6767」のB法によって測定される。
【0062】
吸音層の密度によって、通過音に対する吸音率が変化する。低い密度の吸音層は、周波数の高い通過音を低減できるものの周波数の低い通過音を低減することが困難である。密度の高い吸音層は、広い周波数の通過音を低減できるものの、吸音率は小さい。本実施形態においては、トレッド部2から発生する通過音の周波数のピーク値が約1000[Hz]であることを考慮して、吸音層9の密度DSは、以下の(1A)式の条件を満足することが好ましい。
【0063】
0.10[g/cm3] ≦ DS ≦ 0.90[g/cm3] …(1A)
【0064】
吸音層9の密度DSが0.90[g/cm3]を上回ると独立気泡の割合が増加し、吸音層9の密度DSが0.10[g/cm3]を下回ると連続気泡の割合が増加する。(1)式の条件を満足することにより、空気入りタイヤ1は、トレッド部2から発生する通過音を効果的に低減することができる。
【0065】
なお、吸音層9の密度DSは、以下の(1B)式の条件を満足することがより好ましい。
【0066】
0.20[g/cm3] ≦ DS ≦ 0.50[g/cm3] …(1B)
【0067】
<吸音層の構造>
図5は、本実施形態に係る空気入りタイヤ1の要部を示す子午断面図である。
図5に示すように、吸音層9は、サイドウォール部4の外表面に配置される。
【0068】
図5に示すように、タイヤ幅方向における吸音層9の最大厚さをMTとしたとき、以下の(2)式の条件を満足することが好ましい。
【0069】
2[mm] ≦ MT ≦ 15[mm] …(2)
【0070】
吸音層9の最大厚さMTが2[mm]を下回る場合、通過音の低減効果を十分に得ることができない。吸音層9の最大厚さMTが15[mm]を上回る場合、タイヤ重量が増加するだけで、通過音の顕著な低減効果が得られない。(2)式の条件を満足することにより、空気入りタイヤ1は、タイヤ重量の増加を抑制しつつ、通過音を低減することができる。
【0071】
吸音層9は、タイヤ径方向においてトレッド部2に最も近いタイヤ径方向外側端部9Aと、タイヤ径方向においてトレッド部2から最も遠いタイヤ径方向内側端部9Bとを有する。吸音層9のタイヤ径方向外側端部9Aは、タイヤ最大幅位置Pよりもタイヤ径方向外側に配置される。吸音層9のタイヤ径方向内側端部9Bは、タイヤ最大幅位置Pよりもタイヤ径方向内側に配置される。
【0072】
タイヤ径方向において、タイヤ最大幅位置Pと吸音層9のタイヤ径方向外側端部9Aとの距離をCH、タイヤ断面高さをSHとしたとき、以下の(3)式の条件を満足することが好ましい。
【0073】
CH ≧ 0.20×SH …(3)
【0074】
タイヤ断面高さSHとは、タイヤ外径とリム径との差の1/2の距離であり、空気入りタイヤ1を規定リムに装着して、規定内圧で空気を充填した状態で、空気入りタイヤ1に荷重を加えない無負荷状態において測定される距離である。
【0075】
(3)式の条件を満足することにより、吸音層9は、タイヤ最大幅位置Pからトレッド部2に近い位置に配置される。そのため、空気入りタイヤ1は、トレッド部2から発生した通過音を効果的に吸収することができる。
【0076】
吸音層9のタイヤ径方向長さをLH、タイヤ断面高さをSHとしたとき、以下の(4)式の条件を満足することが好ましい。
【0077】
LH ≧ 0.30×SH …(4)
【0078】
タイヤ径方向長さLHとは、タイヤ径方向における吸音層9の寸法をいい、タイヤ径方向におけるタイヤ径方向外側端部9Aとタイヤ径方向内側端部9Bとの距離をいう。
【0079】
吸音層9のタイヤ径方向長さLHがタイヤ断面高さSHの30[%]に満たない場合、通過音の低減効果を十分に得ることができない。(4)式の条件を満足することにより、空気入りタイヤ1は、通過音を低減することができる。
【0080】
ベルトカバー8のタイヤ幅方向外側端部8Aと吸音層9のタイヤ径方向外側端部9Aとの距離をD1としたとき、以下の(5)式の条件を満足することが好ましい。
【0081】
D1 ≧ 0.2[mm] …(5)
【0082】
なお、ベルト層7のタイヤ幅方向外側端部7Aがベルトカバー8のタイヤ幅方向外側端部8Aよりもタイヤ幅方向外側に配置されている場合、距離D1は、ベルト層7のタイヤ幅方向外側端部7Aと吸音層9のタイヤ径方向外側端部9Aとの距離でもよい。
【0083】
(5)式の条件を満足することにより、吸音層9とベルトカバー8及びトレッド部2とが過度に近接することが抑制される。これにより、吸音層9の劣化が抑制される。
【0084】
<吸音層とカーカス層との関係>
カーカス層6の折り返し部62は、タイヤ径方向外側端部62Aがベルト層7の一部及びベルトカバー8の一部と重複するように、タイヤ径方向外側に延在する。折り返し部62のタイヤ径方向外側端部62Aは、ベルト層7のタイヤ径方向内側に配置される。
【0085】
本実施形態において、折り返し部62のタイヤ径方向外側端部62Aは、吸音層9のタイヤ径方向外側端部9Aよりもタイヤ径方向外側に配置される。タイヤ径方向において、折り返し部62のタイヤ径方向外側端部62Aは、ベルト層7と吸音層9のタイヤ径方向外側端部9Aとの間に配置される。すなわち、吸音層9と折り返し部62とは重複するように配置される。
【0086】
吸音層9が設けられることにより、サイドウォール部4のサイドウォールゴムの厚さを薄くする必要がある場合、サイドウォール部4の強度が低下する可能性がある。吸音層9と折り返し部62とは重複することにより、サイドウォール部4の強度の低下が抑制される。
【0087】
タイヤ幅方向において、吸音層9が配置されるサイドウォール部4におけるサイドウォールゴムの厚さは、1[mm]以上であると好ましい。
【0088】
なお、サイドウォールゴムは、「JIS K6253」に準拠した「JIS-A硬度」により示されるゴム硬さが55以上85以下であることが好ましい。
【0089】
また、サイドウォールゴムは、100[%]伸長時のモジュラス(Modulus)が、1.0MPa以上10.0MPa以下であることが好ましい。ゴムのモジュラスとは、ゴム弾性体に、一定のひずみを与えたときの応力である。100[%]伸長時のモジュラスは、「JIS K6251」に準拠した23[℃]での引張り試験により測定され、100[%]伸長時の引張り応力を示す。
【0090】
<吸音層と規定リムとの関係>
図6は、本実施形態に係る規定リム10に装着された状態の空気入りタイヤ1の要部を示す子午断面図である。
図6に示すように、空気入りタイヤ1は、規定リム10に装着される。ビード部5は、規定リム10のリムフランジに固定される。
【0091】
図6に示すように、空気入りタイヤ1が規定リム10に装着された状態で、吸音層9のタイヤ径方向内側端部9Bは、規定リム10よりもタイヤ径方向外側に配置される。
【0092】
吸音層9は、例えばサイドウォールゴムよりも低い硬度である。吸音層9は、サイドウォール部4よりも脆弱である可能性が高い。吸音層9が規定リム10に接触しないようにすることにより、吸音層9の劣化が抑制される。
【0093】
図6に示すように、規定リム10のリム径の測定点Mから規定リム10のタイヤ径方向外側端部10Aまでの距離をHf、測定点Mから吸音層9のタイヤ径方向内側端部9Bまでの距離をH1としたとき、以下の(6)式の条件を満足することが好ましい。
【0094】
H1/Hf ≧ 1.05 …(6)
【0095】
なお、距離Hfは、所謂リムフランジ高さに相当する。(6)式の条件を満足することにより、吸音層9と規定リム10との接触が十分に抑制される。そのため、吸音層9の劣化が抑制される。
【0096】
<効果>
以上説明したように、本実施形態によれば、サイドウォール部4の外表面の少なくとも一部に、半独立気泡を有する吸音層9が配置される。これにより、トレッド部2から発生した通過音が吸音層9に吸収される。したがって、空気入りタイヤ1は、通過音を低減することができる。
【0097】
本実施形態において、吸音層9は、車幅方向内側のサイドウォール部4の外表面に配置される。吸音層9は、車幅方向外側のサイドウォール部4の外表面に配置されない。これにより、空気入りタイヤ1が車両500に装着された状態で、車両500の周囲の第三者は、吸音層9を目視することができない。吸音層9が発泡ゴム層又は発泡エラストマー層である場合、吸音層9の外観が損なわれる可能性がある。また、吸音層9に泥又は砂のような異物が付着すると、気泡90に異物が入り込む可能性がある。気泡90に入り込んだ異物は落ち難いため、吸音層9の外観が損なわれる可能性がある。吸音層9が車幅方向内側のサイドウォール部4の外表面に配置され、車幅方向外側のサイドウォール部4の外表面に配置されないことにより、吸音層9の外観が損なわれても、第三者は吸音層9を目視しなくて済む。
【0098】
なお、吸音層9は、車幅方向外側のサイドウォール部4の外表面に配置され、車幅方向内側のサイドウォール部4の外表面に配置されなくてもよい。吸音層9は、車幅方向内側のサイドウォール部4の外表面及び車幅方向外側のサイドウォール部4の外表面の両方に配置されてもよい。
【0099】
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0100】
図7は、本実施形態に係る規定リム10に装着された状態の空気入りタイヤ1の要部を示す子午断面図である。
図7に示すように、空気入りタイヤ1は、規定リム10に接触するリムプロテクター11を備える。リムプロテクター11は、規定リム10とサイドウォール部4との接触を抑制して、規定リム10によりサイドウォール部4が損傷することを抑制する。本実施形態において、リムプロテクター11は、半独立気泡を有する。すなわち、本実施形態において、リムプロテクター11は、吸音層として機能する。
【0101】
[実施例]
以下、表1を用いて、従来例に係る空気入りタイヤと本発明に係る空気入りタイヤとについて実施した評価試験について説明する。表1は、空気入りタイヤの評価試験の結果を示す。従来例に係る空気入りタイヤとして、特許文献1に開示されている空気入りタイヤに相当する空気入りタイヤを用意した。本発明に係る空気入りタイヤとして、実施例1から実施例12の空気入りタイヤを用意した。
【0102】
評価試験において、従来例に係る空気入りタイヤ及び実施例1から実施例12に係る空気入りタイヤの14種類の空気入りタイヤとして、タイヤサイズ「255/35ZR19 96Y(19×9J)」の空気入りタイヤを準備し、規定リムに装着して、空気圧290[kPa]で空気を充填し、評価車両である3500[cc]のFRセダンに装着した。そして、テストコースにおいてテストドライバーにより評価車両を所定の走行速度で走行させた。
【0103】
評価項目の通過音については、評価車両を走行させたときの通過音を「ECE.R117」に準じて計測した。従来例に係る空気入りタイヤの通過音に対する、実施例1から実施例12に係る空気入りタイヤの通過音の低減量[dB]を算出した。マイナスの数値の絶対値が大きいほど、通過音の低減効果が優れていることを示す。
【0104】
評価項目の高速耐久性については、空気圧300[kPa]で空気が充填された空気入りタイヤを室内ドラム試験機(ドラム直径:1707mm)により回転させた。室内トラム試験機においては、負荷荷重6.04kNで一定時間ごとに空気入りタイヤの回転速度を増加させて、故障が発生する回転速度を測定し、測定した回転速度を、従来例を100とする指数で示した。指数が大きいほど故障が発生し難く、高速耐久性が優れていることを示す。
【0105】
【0106】
表1に示すように、実施例1から実施例12に係る空気入りタイヤ1は、高速耐久性を低下させることなく、トレッド部2から発生した通過音を低減できることを確認できた。
【符号の説明】
【0107】
1…空気入りタイヤ、1L…左空気入りタイヤ、1R…右空気入りタイヤ、2…トレッド部、4…サイドウォール部、5…ビード部、6…カーカス層、7…ベルト層、7A…タイヤ幅方向外側端部、8…ベルトカバー、8A…タイヤ幅方向外側端部、9…吸音層、9A…タイヤ径方向外側端部、9B…タイヤ径方向内側端部、10…規定リム、10A…タイヤ径方向外側端部、11…リムプロテクター、21…トレッド面、22…主溝、23…陸部、24…ラグ溝、25…細溝、51…ビードコア、52…ビードフィラー、61…カーカス本体部、62…折り返し部、62A…タイヤ径方向外側端部、71…第1ベルトプライ、72…第2ベルトプライ、90…気泡、91…独立気泡、92…連続気泡、500…車両、501…走行装置、502…車体、503…エンジン、504…ホイール、505…車軸、506…操舵装置、507…ブレーキ装置、600…表示部、900…表面、CL…タイヤ赤道面、M…測定点、P…タイヤ最大幅位置、RS…路面、RX…タイヤ回転軸。