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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-03
(45)【発行日】2023-10-12
(54)【発明の名称】物品搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 21/20 20060101AFI20231004BHJP
   B65H 5/02 20060101ALN20231004BHJP
【FI】
B65G21/20 A
B65H5/02 D
B65H5/02 A
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019139334
(22)【出願日】2019-07-30
(65)【公開番号】P2021020792
(43)【公開日】2021-02-18
【審査請求日】2022-05-20
(73)【特許権者】
【識別番号】393027121
【氏名又は名称】シブヤパッケージングシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】中村 健吾
(72)【発明者】
【氏名】金森 元成
【審査官】森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】実公昭37-019607(JP,Y1)
【文献】特開平10-150264(JP,A)
【文献】特開平02-062305(JP,A)
【文献】特開平11-348924(JP,A)
【文献】特公昭47-010495(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 15/00 - 21/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層された物品を搬送する一対のベルトコンベヤと、
前記1対のベルトコンベヤの両側において平行に配置された一対の無端走行体と、
前記各無端走行体に突出した起立状態で取り付けられた複数の第1ガイドと、
前記各無端走行体に沿って設けられる複数の第2ガイドと、
前記一対の無端走行体を同期して駆動する駆動手段とを有し
前記1対のベルトコンベヤと前記一対の無端走行体に設けられた前後一対の前記第1ガイドおよび前記第2ガイドに囲まれた領域を複数形成するとともに、前記領域に積層された物品を収容しつつ物品を前記領域から取り出す取出位置へ搬送する物品搬送装置であって、
前記取出位置において前記1対のベルトコンベヤの搬送面より低い位置、且つ、前記1対のベルトコンベヤの間で待機するとともに、積層された物品が前記取り出し位置へ搬送されてきたら当該積層された物品の底面と当接しつつ前記1対の第1ガイドの間を上昇することにより前記積層された物品を持ち上げるフォークを備え、
前記一対の無端走行体を複数組並列に配置するとともに、前記第1ガイドを前記起立状態から前記無端走行体と略平行となる倒立状態へと回動可能とし、
前記領域から物品が取り出された後、前記第1ガイドを上流へ戻す際には、前記第1ガイドを前記倒立状態へ回動させる
ことを特徴とする物品搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を積層した状態で搬送する物品搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
紙片など、積み重ねた状態(積層状態)での自立搬送が困難な物品を、積層状態で搬送する装置として、周囲が側壁などで取り囲まれたキャリア内に物品を積層して搬送する構成が知られている(特許文献1)。特許文献1の装置では、紙片が積層されて収容されたキャリアを、供給コンベヤで取出位置まで搬送し、紙片をキャリア内から取り出した後、空のキャリアを供給コンベヤに並設されたコンベヤで元の位置にまで戻している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第3818214号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の構成では、キャリアの往路となる供給コンベヤに加え、復路となるコンベヤが必要となる。そのため、例えば処理能力を上げるなどの理由から、複数列で物品を供給する場合、装置が大掛かりとなり広いスペースを必要とする。
【0005】
本発明は、より狭い設置面積で、積層状態の物品を搬送可能な物品搬送装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の発明である物品搬送装置は、積層された物品を搬送する一対のベルトコンベヤと、前記1対のベルトコンベヤの両側において平行に配置された一対の無端走行体と、前記各無端走行体に突出した起立状態で取り付けられた複数の第1ガイドと、前記各無端走行体に沿って設けられる複数の第2ガイドと、前記一対の無端走行体を同期して駆動する駆動手段とを有し前記1対のベルトコンベヤと前記一対の無端走行体に設けられた前後一対の前記第1ガイドおよび前記第2ガイドに囲まれた領域を複数形成するとともに、前記領域に積層された物品を収容しつつ物品を前記領域から取り出す取出位置へ搬送する物品搬送装置であって、前記取出位置において前記1対のベルトコンベヤの搬送面より低い位置、且つ、前記1対のベルトコンベヤの間で待機するとともに、積層された物品が前記取り出し位置へ搬送されてきたら当該積層された物品の底面と当接しつつ前記1対の第1ガイドの間を上昇することにより前記積層された物品を持ち上げるフォークを備え、前記一対の無端走行体を複数組並列に配置するとともに、前記第1ガイドを前記起立状態から前記無端走行体と略平行となる倒立状態へと回動可能とし、前記領域から物品が取り出された後、前記第1ガイドを上流へ戻す際には、前記第1ガイドを前記倒立状態へ回動させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、より狭い設置面積で、積層状態の物品を搬送可能な物品搬送装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態である物品搬送装置の配置を示す平面図である。
図2】物品搬送装置全体の構成および移載装置の配置を示す平面図である。
図3図2の矢印A方向からの模式的な矢視図である。
図4図2の矢印B方向からの模式的な矢視図である。
図5】1つの搬送コンベヤの下流端近傍の模式的な平面図である。
図6】無端チェーンに取り付けられた前後ガイド、側面ガイドの取り付け構造を示す拡大図である。
図7】無端チェーン、前後ガイド、側面ガイドの構成を搬送方向下流側から見た拡大正面図である。
図8】移載装置の平面図である。
図9】移載装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態である物品搬送装置の配置を示す平面図である。
【0010】
本実施形態の物品搬送装置10は、例えば、紙片や袋など、支えなしでは積み重ねた状態で搬送(自立搬送)が困難な物品Mの搬送を行う。物品は、所定数の物品Mが積み重ねられた状態(積層物品群G)で、多列で物品搬送装置10に供給され、物品搬送装置10は、積層物品群Gを多列で搬送する。図1において、積層物品群Gは、図面上方から3列で供給され、3列で物品搬送装置10上を搬送される。
【0011】
物品搬送装置10の下流端には、後述する移載装置12(図2図8参照)が配置されるとともに、移載装置12により移載された物品Mを排出する排出コンベヤ14が配置される。排出コンベヤ14は、物品搬送装置10の搬送方向に直交する方向に搬送方向を向けて配置され、積層物品群Gから取り出された物品Mを1列にして搬送する。移載装置12は、多列の積層物品群Gの一番上の物品Aを1つずつ(一枚ずつ)行毎に(本実施形態では3つずつ)排出コンベヤ14へと移載する。
【0012】
図2は、物品搬送装置10全体の構成および移載装置12の配置を示す平面図である。また、図3は、図2の矢印A方向からの模式的な矢視図、図4は、図2の矢印B方向からの模式的な矢視図である。図1図4を参照して、本実施形態の物品搬送装置10の全体的な構成について説明する。
【0013】
図2図4に示されるように、物品搬送装置10は、積層物品群Gを乗せて間欠搬送する搬送コンベヤ(載置部材)16を備える。搬送コンベヤ16は、積層物品群Gの各列に対して設けられ、各列の搬送コンベヤ16は一対のベルトコンベヤ16A、16Bから構成される。対をなすベルトコンベヤ16A、16Bは、所定間隔を隔てて平行に配置され、搬送コンベヤ16に載せられた積層物品群Gは、その両側縁が搬送コンベヤ16A、16Bによって支持される。本実施形態では、積層物品群Gを3列で搬送するため、3対のベルトコンベヤ16A、16Bが設けられる。なお、ベルトコンベヤ16A、16Bの上流端は、1本の回転シャフト16Cに取り付けられた原動スプロケットに各々掛け回され、モータ16Dにより一体的に駆動される。
【0014】
物品搬送装置10は、各搬送コンベヤ16の両側辺の上方に、側辺に沿って上下2段、2対の無端チェーン(無端走行体)18A、18Bを備える。下段の一対の無端チェーン18A、18Bと上段の一対の無端チェーン18A、18Bは、基本的に同一の構成であり、後述するように、搬送コンベヤ16に載せられた各積層物品群Gの前後左右を支えるガイド部材34(34A、34B)が取り付けられる。
【0015】
各無端チェーン18A、18Bは、略鉛直に配置された回転軸20A、20Bの周りにそれぞれ駆動される。対をなす各段の無端チェーン18A、18Bは、所定間隔を隔てて平行に配置され、各無端チェーン18A、18Bが掛け回されるスプロケット22A、22Bは互いに同期して反対向きに回転される。図3に、各無端チェーン18A、18Bの原動スプロケット22A、22Bの駆動系(駆動手段)の構成が模式的に示される。
【0016】
上流側の回転軸20Aに一体的に取り付けられた上下一対のスプロケット22A、および上流側の回転軸20Bに一体的に取り付けられた上下一対のスプロケット22Bは、回転軸20A、20Bの回転により原動スプロケットとして一体的に回転駆動される。図3において、例えば、最も右側の回転軸20Aにチェーン駆動モータ24が接続され、チェーン駆動モータ24により直接回転可能である。各回転軸20A、20Bの下端は傘歯車25を介して一本の水平回転軸20Cにそれぞれ係合される。傘歯車25は、全ての回転軸20Aが同じ方向に同じ速度で回転するように配置されるとともに、全ての回転軸20Bが、回転軸20Aとは逆向きに同じ速度で回転するように構成される。
【0017】
また、物品搬送装置10の下流側には、図2に示されるように、各列の搬送コンベヤ16の下流端(取出位置)に移送された積層物品群Gから1つずつ物品Mを取り出し、排出コンベヤ14へ移載する移載装置12が配置される。移載装置12は、図8図9を参照して後述するように、搬送コンベヤ16の下流端(取出位置)まで移送された各積層物品群Gを垂直に持ち上げ、各々対応する固定ガイド26内へと移動する第1リフト装置28と、各固定ガイド26内の積層物品群Gの最上部の物品Mを順次保持して排出コンベヤ14上へと移載するロボット30と、ロボット30により取り出された物品Mの厚さ分、固定ガイド26内の積層物品群Gを持ち上げる第2リフト装置32を備える。
【0018】
なお、図2には、第1リフト装置28のみが示される。第1リフト装置28は、各搬送コンベヤ16に対応する数(本実施形態では3本)のフォーク28Aを備え、各積層物品群Gは、下方から一対のベルトコンベヤ16A、16Bの間に挿入された各フォーク28Aにより垂直に持ち上げられ、固定ガイド26内へと移動される。
【0019】
次に図5図6を参照して、各無端チェーン18A、18Bに取り付けられるガイド部材34の構成および機能について説明する。ガイド部材34は、物品Mが積み重ねられた積層物品群Gの周囲を支え、積層物品群Gが崩れるのを防止する部材であり、積層物品群G前縁および後縁を支持する前後ガイド(第1ガイド)34Aと、側方を支持する側面ガイド(第2ガイド)34Bを備える。
【0020】
図5は、1つの搬送コンベヤ16の下流端近傍の模式的な平面図であり、図6は、無端チェーン18Bに取り付けられた前後ガイド34A、側面ガイド34Bの取り付け構造を示す拡大図である。また、図7は、無端チェーン18B、前後ガイド34A、側面ガイド34Bの構成を搬送方向下流側から見た拡大正面図である。なお、無端チェーン18Aは、無端チェーン18Bと左右対称の構成を備えるので、無端チェーン18Aについての説明は省略する。
【0021】
側面ガイド34Bは、例えば、無端チェーン18Bの各外リンクから外側に突出するアタッチメント36を介して上下一対の無端チェーン18Bに取り付けられる。側面ガイド34Bは、上下の無端チェーン18Bに垂直方向に沿って掛け渡される縦長の平板部材であり、平板が無端チェーン18Bの走行経路に沿うように配置される(平行に配置される)。側面ガイド34Bの平板の幅は、スプロケット22Bでの回転に支障が生じない大きさとされる。同構成により左右の無端チェーン18A、18Bに取り付けられた側面ガイド34Bは、搬送コンベヤ16の両サイドに、搬送コンベヤ16に追従して移動する側壁を形成する。
【0022】
一方、前後ガイド34Aは、所定の数の側面ガイド34Bを挟んで上下の無端チェーン18Bのアタッチメント36に取り付けられる。前後ガイド34Aも縦長の平板部材であり、その幅は、左右の無端チェーン18A、18B間の距離の半分よりも短く、搬送方向に対してそれぞれ左右の無端チェーン18A、18Bの同じ位置に設けられる。また、前後ガイド34Aは、回転軸38を介してアタッチメント36に軸支される。
【0023】
前後ガイド34Aは、回転軸38を軸に無端チェーン18Bの走行方向に対して後ろ向き(倒立状態)から、無端チェーン18Bに略直交する方向(起立状態)の間の約90度の範囲で回動可能である。また、前後ガイド34Aは、図示しないバネ等の付勢部材により回転軸38周りに倒立状態から起立状態に向けて回転付勢される。そのため、左右の無端チェーン18A、18Bに設けられた前後ガイド34Aは、搬送コンベヤ16に沿って移動するコンベヤの内側では直交位置に位置し、これにより、搬送コンベヤ16の左右の無端チェーン18A、18Bに挟まれる空間は搬送方向に、物品Mの搬送方向前後幅に合わせた所定間隔で仕切られる。
【0024】
これにより、搬送コンベヤ16は、コンベヤベルト16A、16Bに追従して走行される無端チェーン18A、18Bに取り付けられた前後ガイド34A、側面ガイド34Bにより4方が仕切られた空間(領域)が形成され、コンベヤベルト16A、16Bに載せられた積層物品群Gは、前後ガイド34A、側面ガイド34Bで仕切られた空間に収容されて搬送される。
【0025】
また、本実施形態の搬送コンベヤ16では、各無端チェーン18A、18Bの復路に沿ってガイド板40が近接して設けられる。ガイド板40は、復路を移動する前後ガイド34Aに係合し、付勢力に抗して、回転軸38を中心に平行位置にまで前後ガイド34Aを回動させる。これにより、前後ガイド34Aは、復路では進行方向に沿って配置されるので幅を取らない。
【0026】
次に図8図9を参照して、本実施形態の移載装置12の構成について説明する。図8は移載装置12の平面図、図9は側面図である。
【0027】
前述したように、固定ガイド26、移載装置12は、第1リフト装置28、ロボット30、第2リフト装置32を備える。第1リフト28は、各搬送コンベヤ16に設けられた一対のベルトコンベヤ16A、16Bの間を下方から上方に向けて上昇し、各積層物品群Gを上方の固定ガイド26内へと持ち上げる複数のフォーク28Aを備える。
【0028】
各フォーク28Aは、フォーク支持部材28Bにより一体的に支持される。フォーク支持部材28Bは、フォーク支持部材28Bを搬送コンベヤ16の搬送方向に沿って進退可能とするエアシリンダなどを用いた進退機構28Cに接続される。進退機構28Cは、ボールネジなどを用いた昇降機構28Dにより昇降可能とされる。
【0029】
フォーク28Aは、始め搬送コンベヤ16の搬送面よりも若干低い位置にあるとともに、搬送コンベヤ16の下流端から僅かに離間した距離に位置する。積層物品群Gが、搬送コンベヤ16の下流端に達すると、各フォーク28Aは、進退機構28Cによりベルトコンベヤ16A、16Bの間に向けて押し出され、更に昇降機構28Dにより上昇され積層物品群Gの底面に当接される。
【0030】
続いて、フォーク28Aはそのまま上昇され、各積層物品群Gが固定ガイド26内に各々収容される。固定ガイド26は、積層物品群Gが崩れないようにその四方を支持するガイド部材であり、その下端は、搬送コンベヤ16の下流端において積層物品群Gの四方を取り囲む前後ガイド34Aおよび側面ガイド34Bの上端から僅かな距離を隔てて配置される。そのためフォーク28Aにより積層物品群Gが僅かに上昇されると、その積層物品群Gの上端部はすぐに固定ガイド26内に挿入され、フォーク28Aが固定ガイド26の下端部内まで上昇されると、積層物品群Gの全てが固定ガイド26内に収容される。
【0031】
なお、図9には、ベルトコンベヤ16A、16B上の積層物品群Gの底面に当接した位置のフォーク28A、フォーク支持部材28B、進退機構28Cが実線で描かれ、積層物品群Gを固定ガイド26内に完全収容した位置のフォーク28A、フォーク支持部材28B、進退機構28Cが破線で描かれている。
【0032】
一方、第2リフト装置32は、固定ガイド26内に移動された積層物品群Gを保持するとともに、ロボット30により積層物品群Gの物品Mが1つずつ排出コンベヤ14に移されると、その分だけ積層物品群Gを上昇させる。すなわち、積層物品群Gにおいて最も上に位置する物品Mの高さを常に一定に維持し、ロボット30が、常に同じ高さで物品Mを積層物品群Gから受け取れるようにする。
【0033】
第2リフト装置32は、第1リフト装置28と同様に、搬送コンベヤ16の数に対応する複数のフォーク32Aと、フォーク32Aを一体的に支持するフォーク支持部材32Bと、フォーク支持部材32Bを進退自在に支持する進退機構32Cと、進退機構32Cを昇降自在に支持する昇降機構32Dとを備える。だだし、第2リフト装置32のフォーク32Aは、第1リフト装置28のフォーク28Aと干渉しない相補的な2股形状を呈する。
【0034】
すなわち、固定ガイド26内の積層物品群Gは、始め第1リフト装置28のフォーク28Aにより底面の中心が支持されている。その後、第2リフト装置32のフォーク32Aが進退機構32Cにより固定ガイド26に収容された積層物品群Gの底面下に前進されるとともに、昇降機構32Dにより上昇されて、フォーク28Aを間に挟む形で積層物品群Gの底面に当接する。
【0035】
第2リフト装置32のフォーク32Aが積層物品群Gの底面を支えると、第1リフト装置28のフォーク28Aは進退機構28Cにより後退され、昇降機構28Dにより下方の元の位置に戻される。なお、この後、搬送コンベヤ16、無端チェーン18A、18Bが駆動され、前後ガイド34A、側面ガイド34Bにより四方が仕切られた次の空間に収容された積層物品群Gが、搬送コンベヤ16の下流端へと移動される。
【0036】
第2リフト装置32の昇降機構32Dは、ロボット30の動きに同期して、最上部の物品Mがロボット30に受け渡されると、物品Mの厚さ分、フォーク32Aを上昇させ、積層物品群Gを上昇させる。フォーク32Aによって上昇される積層物品群Gが残り10枚になると、第1リフト装置28のフォーク28Aが取出位置に待機している次の積層物品群Gを、1番上に位置する物品Mがフォーク32Aの下端に当接するまで上昇させる。すると、フォーク32Aは進退機構32Cにより後退される。その際、固定ガイド26に収容されている全ての積層物品群Gはフォーク28Aによって支持された状態であり、第1リフト装置28の昇降機構28Dは、ロボット30の動きに同期して、最上部の物品Mがロボット30に受け渡されると、物品Mの厚さ分、フォーク28Aを上昇させ、積層物品群Gを上昇させる。
【0037】
一方、進退機構32Cにより後退されたフォーク32Aは昇降機構32Dにより元の高さまで下降され、続いて進退機構32Cによって前進されるとともに、昇降機構32Dによってフォーク28Aが支持する積層物品群Gの1番下の物品Mに当接する位置まで上昇する。その後、フォーク28Aは進退機構32Cにより後退されるとともに、昇降機構28Dにより元の高さまで下降され、固定ガイド26に収容されている積層物品群Gの上昇は第2リフト装置32によって制御される。なお、ロボット30は、例えば先端に吸着ヘッドを備えるパラレルリンクロボットやアームロボットであり、積層物品群Gの最も上に載せられた物品Mを順次吸着し、排出コンベヤ14の搬送面の上に移載する。
【0038】
以上のように、本実施形態の物品搬送装置よれば、無端走行体に取り付けられた複数のガイド部材で積層物品群を収容可能な領域を形成することで、物品をキャリア等に収容して搬送する必要がないため、キャリアを戻すための機構が不要となる。また、前後ガイドを直交位置と平行位置との間で移動可能としたことで、前後ガイドを戻すのに場所をとらない。これにより、本実施形態では、より狭い設置面積で積層状態の物品の周囲をガイドしながら搬送することができる。
【0039】
なお、本実施形態では、一対のベルトコンベヤ上に積層物品群を載せたが、積層物品群が摺動可能なプレート上に載せ、前後ガイドで押しながらプレート上を前進させる構成とすることもできる。
【0040】
また、本実施形態では、3組ある無端チェーン18A、18Bを1つのモータで駆動させているが、各組にモータを配置してもよい。さらに、第1リフト装置28に配置されている3本のフォーク28Aや第2リフト装置32に配置されている3本のフォーク32Aについてもそれぞれのフォークにモータを配置して個別に制御してもよい。
【符号の説明】
【0041】
10 物品搬送装置
12 移載装置
14 排出コンベヤ
16 搬送コンベヤ
16A、16B ベルトコンベヤ
18A、18B 無端チェーン
26 固定ガイド
28 第1リフト装置
30 ロボット
32 第2リフト装置
34A 前後ガイド(第1ガイド)
34B 側面ガイド(第2ガイド)
G 積層物品群
M 物品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9