(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-03
(45)【発行日】2023-10-12
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20231004BHJP
G06F 1/16 20060101ALI20231004BHJP
H05K 5/03 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
G09F9/00 350Z
G06F1/16 312F
H05K5/03 A
(21)【出願番号】P 2022206810
(22)【出願日】2022-12-23
【審査請求日】2023-01-05
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 美里
【審査官】新井 重雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-061282(JP,A)
【文献】特開2015-125422(JP,A)
【文献】特開2014-112181(JP,A)
【文献】特開2007-328613(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0146111(US,A1)
【文献】中国実用新案第201479290(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2005/0264711(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00
G06F 1/16
H05K 5/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1カバーと、前記第1カバーに取り付けられる第2カバーと、を有する筐体と、
画像を表示可能な表示面を有し、前記筐体に収容され、前記第1カバー又は前記第2カバーに設けられた開口部を通じて前記表示面を前記筐体の外部に露出された、表示装置と、
を備え、
前記第1カバーは、前記筐体の内部に向く第1内面と、前記第1内面から突出するとともに前記第1内面を囲む第1周壁と、前記第1周壁から前記筐体の内部に向かって突出する爪部と、を有し、前記第1内面に第1溝が設けられ、
前記第2カバーは、前記第1内面に向く第2内面と、前記第2内面から突出して前記第2内面を囲むとともに少なくとも部分的に前記第1周壁に囲まれる第2周壁と、前記第2周壁
の先端から
前記筐体の厚さ方向に向かって突出するとともに前記第1溝に嵌合する突起と、を有し、前記第2周壁に前記爪部と嵌合可能な第2溝が設けられる、
電子機器。
【請求項2】
前記第1周壁は、前記表示面に沿う第1方向に延びる第1壁を有し、
前記爪部は、前記第1壁から前記筐体の内部に向かって突出し、
前記第2周壁は、前記第1方向に延びて少なくとも部分的に前記第1壁に覆われるとともに前記第2溝が設けられた第2壁を有し、
前記突起は、前記第1方向において前記爪部と異なる位置で前記第2壁から突出した、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記第1カバーは、前記第1内面を有するとともに前記開口部が設けられた枠を有し、
前記枠は、前記第1溝が設けられた外枠部と、前記外枠部と前記開口部との間に位置するとともに前記外枠部より薄い内枠部と、を有する、
請求項1又は2に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ラップトップ型のパーソナルコンピューター(PC)のような電子機器は、ヒンジによって本体に回転可能に取り付けられた表示部を有する。例えば、表示部の筐体は、フロントカバーと、バックカバーと、が組み合わされて形成される。
【0003】
フロントカバーには、筐体に収容されている液晶ディスプレイ(LCD)のような表示装置を保持するベゼルが設けられる。従来の電子機器では、フロントカバーと、バックカバーと、は、互いに爪嵌合により取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
フロントカバーとバックカバーとの嵌合が爪嵌合を用いる場合、爪が外れることを防止するためにフロントカバー又はバックカバーのどちらか一方にバックアップリブが設けられる。そのため、ベゼルの幅は、少なくともバックアップリブの厚さだけ広くなる。これにより、筐体の狭額縁化が困難となっている。
【0006】
本発明が解決する課題の一例は、狭額縁化が可能な電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1態様に係る電子機器は、第1カバーと、前記第1カバーに取り付けられる第2カバーと、を有する筐体と、画像を表示可能な表示面を有し、前記筐体に収容され、前記第1カバー又は前記第2カバーに設けられた開口部を通じて前記表示面を前記筐体の外部に露出された、表示装置と、を備え、前記第1カバーは、前記筐体の内部に向く第1内面と、前記第1内面から突出するとともに前記第1内面を囲む第1周壁と、前記第1周壁から前記筐体の内部に向かって突出する爪部と、を有し、前記第1内面に第1溝が設けられ、前記第2カバーは、前記第1内面に向く第2内面と、前記第2内面から突出して前記第2内面を囲むとともに少なくとも部分的に前記第1周壁に囲まれる第2周壁と、前記第2周壁の先端から前記筐体の厚さ方向に向かって突出するとともに前記第1溝に嵌合する突起と、を有し、前記第2周壁に前記爪部と嵌合可能な第2溝が設けられる。
【0008】
前記電子機器では、前記第1周壁は、前記表示面に沿う第1方向に延びる第1壁を有し、前記爪部は、前記第1壁から前記筐体の内部に向かって突出し、前記第2周壁は、前記第1方向に延びて少なくとも部分的に前記第1壁に覆われるとともに前記第2溝が設けられた第2壁を有し、前記突起は、前記第1方向において前記爪部と異なる位置で前記第2壁から突出する。
【0009】
前記電子機器では、前記第1カバーは、前記第1内面を有するとともに前記開口部が設けられた枠を有し、前記枠は、前記第1溝が設けられた外枠部と、前記外枠部と前記開口部との間に位置するとともに前記外枠部より薄い内枠部と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の上記態様によれば、狭額縁化が可能な電子機器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本実施形態のノートPCの斜視図である。
【
図2】
図2は、本実施形態の表示部の平面図である。
【
図3】
図3は、本実施形態のフロントカバーの斜視図である。
【
図4】
図4は、本実施形態の表示部を
図2のA-A線に沿って示す断面図である。
【
図5】
図5は、本実施形態のバックカバーの斜視図である。
【
図6】
図6は、本実施形態の表示部を
図2のB-B線に沿って示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施形態)
以下、実施形態に係るノートPC1を図面に基づいて説明する。以下に記載する実施形態の構成、並びに当該構成によってもたらされる作用及び結果(効果)は、あくまで一例であって、以下の記載内容に限られるものではない。なお、本明細書では、序数は、部品や部材を区別するためだけに用いられており、順番や優先度を示すものではない。
【0013】
<本実施形態>
図1は、本実施形態のノートPC1の斜視図である。
図1に示すように、ノートPC1は、ベース部2と、ヒンジ3と、表示部4と、を備える。なお、ノートPC1は、電子機器の一例である。
【0014】
以下の各図では、便宜上、互いに直交する三方向が定義されている。X方向は、ベース部2の短手方向に沿う方向であり、前後方向とも称され得る。Y方向は、ベース部2の長手方向に沿う方向であり、左右方向とも称され得る。Z方向は、ベース部2の厚さ方向に沿う方向であり、上下方向とも称され得る。なお、本実施形態における前後左右上下のような方向を示す表現は、便宜上の呼称であり、ノートPC1の位置、姿勢、及び使用態様を限定するものではない。
【0015】
さらに、
図1では、便宜上、表示部4の短手方向がDwとして定義される。そして、表示部4の長手方向がDlとして定義される。短手方向Dwは、ベース部2に対する表示部4の傾き(開き角度)によって変わる。なお、短手方向Dw及び長手方向Dlは、第1方向の一例である。
【0016】
ベース部2は、上面21を有する。上面21は、略上方向(+Z方向)に向く略平坦な面である。上面21は、上下方向(Z方向)と直交する方向(XY平面)に沿って延びている。なお、上面21は、この例に限られず、凹凸を有しても良い。
【0017】
ベース部2は、例えば、基板、CPU、ROM、RAM、HDD又はSSDのようなストレージ、バッテリ、アンテナ、及び他の種々の部品を収容する。ベース部2の上面21には、入力手段である複数のキー22およびタッチパッド23が設けられている。
【0018】
ヒンジ3は、ベース部2と表示部4とを互いに回動可能なように接続する。ヒンジ3は、後方向(-X方向)におけるベース部2の端部である後端部2aに設けられる。ヒンジ3は、ベース部2の後端部2aと、短手方向Dwの下方向における表示部4の端部である下端部4aと、を互いに接続している。
【0019】
図2は、本実施形態の表示部4の平面図である。
図2に示すように、表示部4は、表示装置41と、筐体42と、を有する。表示部4は、例えば、筐体42に収容される他の部品をさらに有しても良い。
【0020】
表示装置41は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)または有機ELディスプレイのような画像を表示可能な装置である。表示装置41は、表示面411を有する。表示面411は、略平坦に形成され画像を表示可能である。表示面411に、例えば、タッチパネルが設けられても良い。その場合、ユーザは、表示面411へのタッチ操作によりノートPC1を操作することができる。
【0021】
表示面411は、短手方向Dwおよび長手方向Dlに沿って延びている。言い換えると、短手方向Dwおよび長手方向Dlは、表示面411に沿う方向である。
【0022】
筐体42は、ヒンジ3に回転可能に取り付けられる。本実施形態において、ヒンジ3に取り付けられた筐体42は、ベース部2およびヒンジ3に対して回転することができる。筐体42は、例えば、金属製であり、略直方体の薄い箱状に形成されている。筐体42の内部の空間には、表示装置41および種々の部品が収容される。
【0023】
図1に示すように、筐体42は、フロントカバー43と、バックカバー44と、を有する。なお、フロントカバー43は第1カバーの一例であり、バックカバー44は第2カバーの一例である。
【0024】
筐体42は、フロントカバー43とバックカバー44とが当該筐体42の厚さ方向に互いに組み合わされることで形成される。そのため、フロントカバー43とバックカバー44とは、分割可能に互いに取り付けられる。
【0025】
図3は、本実施形態のフロントカバー43の斜視図であり、
図4は、本実施形態の表示部4を
図2のA-A線に沿って示す断面図である。
図3に示すように、フロントカバー43は、ベゼル431と、第1周壁432と、複数の爪部433と、を有する。なお、ベゼル431は、枠の一例である。
図4に示すように、ベゼル431は、表示装置41の表示面411を囲んでいる。
【0026】
ベゼル431は、前面434と、第1内面435と、を有する。前面434は、
図1のようにノートPC1が開かれた状態において、おおよそ前方向(+X方向)に向くベゼル431の外面である。前面434は、当該前面434が向く方向(+X方向)と直交する方向(YZ平面)に沿って延びている。
【0027】
第1内面435は、前面434の反対側に位置する。第1内面435は、筐体42の内部に向く略平坦な面である。なお、第1内面435には、凹凸が設けられても良いし、曲面が設けられても良い。第1内面435は、表示装置41を支持する。
【0028】
ベゼル431は、外枠部436と、内枠部437と、をさらに有する。外枠部436は、略矩形(四角形)の枠状に形成される。内枠部437は、外枠部436の内側に設けられ、略矩形(四角形)の枠状に形成される。すなわち、外枠部436は、短手方向Dw又は長手方向Dlにおいて内枠部437よりも外側に位置する。また、外枠部436の厚さは、内枠部437の厚さよりも厚く設定されている。外枠部436及び内枠部437はそれぞれ、前面434の一部と第1内面435の一部とを有する。
【0029】
図3に示すように、第1周壁432は、外枠部436の第1内面435の縁から筐体42の厚さ方向に突出した枠状の壁であり、当該第1内面435を囲む。第1周壁432は、二つの第1壁432aと二つの第1壁432bとを有する。
【0030】
二つの第1壁432aは、長手方向Dlに互いに離間するとともに、短手方向Dwに延びている。二つの第1壁432bは、短手方向Dwに互いに離間するとともに、長手方向Dlに延びている。二つの第1壁432bは、短手方向Dwにおける二つの第1壁432aの端部に接続される。
【0031】
図3に示すように、複数の爪部433は、第1周壁432の第1壁432a,432bから筐体42の内部に向かって突出している。爪部433は、第1内面435から離間している。
【0032】
さらに、フロントカバー43には、開口部438と、複数の第1溝439と、が設けられている。
図4に示すように、開口部438は、ベゼル431に設けられており、前面434及び第1内面435に開口している。開口部438は、表示装置41の表示面411を筐体42の外部に露出させる。すなわち、
図1に示すように、表示面411は、開口部438を通じて筐体42の前方向(+X方向)へ向く。
【0033】
図4に示すように、開口部438は、短手方向Dw又は長手方向Dlにおいて内枠部437よりも内側で開口している。言い換えると、内枠部437は、短手方向Dw又は長手方向Dlにおいて外枠部436と開口部438との間に位置する。
【0034】
複数の第1溝439は、外枠部436の第1内面435から窪んでいる。
図3に示すように、第1溝439は、短手方向Dw又は長手方向Dlにおいて各爪部433の間に位置するとともに、各爪部433の間に渡って延びている。すなわち、第1溝439は、短手方向Dw又は長手方向Dlにおいて爪部433と異なる位置に設けられている。
【0035】
図5は、本実施形態のバックカバー44の斜視図である。
図5に示すように、バックカバー44は、後壁441と、第2周壁442と、複数のバックアップリブ443と、を有する。なお、バックアップリブ443は、突起の一例である。
【0036】
図4に示すように、後壁441は、表示装置41のうち表示面411の反対側に位置する背面412を覆う。後壁441は、第2内面444を有する。第2内面444は、表示装置41の背面412に向く略平坦な面である。第2内面444は、少なくとも表示装置41を通して第1内面435に向く。
【0037】
図5に示すように、第2周壁442は、第2内面444から筐体42の厚さ方向に突出した枠状の壁である。
図4に示すように、第2周壁442は、第2内面444を囲むとともに少なくとも部分的に第1周壁432に囲まれている。
【0038】
第2周壁442は、端面442aと外面442bとを有する。端面442aは、筐体42の厚さ方向における第2周壁442の先端に設けられる。外面442bは、短手方向Dw又は長手方向Dlにおける筐体42の外部に向く。外面442bの少なくとも一部は、筐体42の外側から第1周壁432に覆われる。
【0039】
図5に示すように、第2周壁442は、二つの第2壁442cと二つの第2壁442dとをさらに有する。二つの第2壁442cは、長手方向Dlに互いに離間するとともに、短手方向Dwに延びている。二つの第2壁442dは、短手方向Dwに互いに離間するとともに、長手方向Dlに延びている。二つの第2壁442dは、短手方向Dwにおける二つの第2壁442cの端部に接続される。
【0040】
図4に示すように、第2周壁442の第2壁442cは、筐体42の外側から少なくとも部分的に第1周壁432の第1壁432aに覆われる。第2周壁442の第2壁442dは、筐体42の外側から少なくとも部分的に第1周壁432の第1壁432bに覆われる。第2壁442c,442dのそれぞれは、端面442aの一部と外面442bの一部とを有する。
【0041】
図5に示すように、複数のバックアップリブ443は、第2周壁442の第2壁442c,442dの端面442aから、筐体42の厚さ方向に突出する。そのため、バックアップリブ443は、第2周壁442よりも第2内面444から離間した位置に配置される。言い換えると、バックアップリブ443は、筐体42の厚さ方向における第2周壁442の先端からさらに当該厚さ方向に延びている。
【0042】
図4に示すように、フロントカバー43とバックカバー44とが組み合わされた状態において、バックアップリブ443は、第1溝439と嵌合する。
図3、5に示すように、第2壁442cから突出したバックアップリブ443と、当該バックアップリブ443が嵌合する第1溝439とは、短手方向Dwに延びている。第2壁442dから突出したバックアップリブ443と、当該バックアップリブ443が嵌合する第1溝439とは、長手方向Dlに延びている。
【0043】
図4に示すように、第1溝439と嵌合したバックアップリブ443の先端443aは、ベゼル431に埋まる。そのため、バックアップリブ443は、短手方向Dw又は長手方向Dlにおいて第1溝439と略同様の位置に設けられる。
【0044】
短手方向Dw又は長手方向Dlにおけるバックアップリブ443の長さは、短手方向Dw又は長手方向Dlにおける第1溝439の長さと略同様である。しかし、これに限らず、短手方向Dw又は長手方向Dlにおけるバックアップリブ443の長さは、少なくとも第1溝439の一部と嵌合する長さであれば良い。
【0045】
さらに、
図5に示すように、第2周壁442の第2壁442c、442dには、複数の第2溝445が設けられる。第2溝445は、第2周壁442の外面442bから窪んでいる。
図6は、本実施形態の表示部4を
図2のB-B線に沿って示す断面図である。
【0046】
図6に示すように、フロントカバー43とバックカバー44とが組み合わされた状態において、第2溝445は、爪部433と嵌合する。そのため、第2溝445は、短手方向Dw又は長手方向Dlにおいて爪部433と略同様の位置に設けられる。
【0047】
本実施形態では、筐体42は、爪部433と第2溝445とが嵌合することにより形成される。言い換えると、筐体42は、第1周壁432と、第2周壁442とが爪嵌合によって組み合わされることで形成される。
【0048】
第2周壁442の第2壁442cから突出するバックアップリブ443は、短手方向Dwにおいて第2壁442cの第2溝445に嵌合する爪部433とは異なる位置で、第2壁442cから突出している。第2周壁442の第2壁442dから突出するバックアップリブ443は、長手方向Dlにおいて第2壁442dの第2溝445に嵌合する爪部433とは異なる位置で、第2壁442dから突出している。
【0049】
以上の本実施形態のノートPC1では、表示部4の筐体42は、フロントカバー43と、バックカバー44と、が組み合わされて形成される。本実施形態では、フロントカバー43とバックカバー44とは、爪部433が第2溝445に嵌合することで、互いに固定される。
【0050】
従来の電子機器の表示部では、例えば、フロントカバーには、表示部の短手方向又は長手方向において、溝が設けられたバックカバーの周壁よりも内側に位置するバックアップリブが設けられている。フロントカバーとバックカバーとは、フロントカバーの爪部が設けられた周壁とバックアップリブとが、バックカバーの周壁を挟むようにして互いに固定される。このような構成のため、フロントカバーの幅は、少なくともバックアップリブの幅だけ厚くなる。
【0051】
一方、本実施形態の表示部4では、フロントカバー43とバックカバー44とが組み合わされた状態において、バックアップリブ443は、第1溝439に嵌合する。第1溝439に嵌合したバックアップリブ443は、第2周壁442の短手方向Dw又は長手方向Dlに対する動きを規制する。
【0052】
バックアップリブ443と第2溝445とは、第2周壁442に設けられている。そのため、バックアップリブ443によって、第2溝445も短手方向Dw又は長手方向Dlに対する動きが規制される。言い換えると、バックアップリブ443及び第1溝439は、爪部433が第2溝445から外れるような第2周壁442の動きを規制する。これにより、バックカバー44からフロントカバー43が外れにくくなる。
【0053】
すなわち、第2周壁442は、バックカバー44にフロントカバー43を取り付けるとともに、第2溝445の動きを規制する。そのため、フロントカバー43に従来のバックアップリブを設けずとも、フロントカバー43とバックカバー44との嵌合が外れることを抑制できる。これにより、フロントカバー43は、従来のバックアップリブを設けるための空間を削減できる。従って、本実施形態のノートPC1では、フロントカバー43の狭額縁化が可能である。
【0054】
以上のように、本実施形態のノートPC1は、表示装置41と、筐体42と、を備える。筐体42は、フロントカバー43と、フロントカバー43に取り付けられるバックカバー44と、を有する。表示装置41は、画像を表示可能な表示面411を有し、筐体42に収容される。表示装置41は、フロントカバー43に設けられた開口部438を通じて表示面411を筐体42の外部に露出させる。フロントカバー43は、筐体42の内部に向く第1内面435と、第1内面435から突出するとともに当該第1内面435を囲む第1周壁432と、を有する。さらに、フロントカバー43には、第1内面435に第1溝439が設けられる。バックカバー44は、第1内面435に向く第2内面444と、第2内面444から突出して当該第2内面444を囲むとともに少なくとも部分的に第1周壁432に囲まれる第2周壁442と、第2周壁442から突出するとともに第1溝439に嵌合するバックアップリブ443と、を有する。さらに、バックカバー44には、第2周壁442に爪部433と嵌合可能な第2溝445が設けられる。
【0055】
本実施形態に係る筐体42は、フロントカバー43とバックカバー44とが爪嵌合によって組み合わされて形成される。フロントカバー43とバックカバー44とが組み合わされた状態において、第2溝445が爪部433と嵌合するとともに、バックアップリブ443が第1溝439と嵌合する。第2周壁442に設けられたバックアップリブ443が第1溝439に嵌合することで、例えば、短手方向Dw又は長手方向Dlの第2周壁442の動きは規制される。すなわち、バックアップリブ443及び第1溝439は、爪部433が第2溝445から外れるような第2周壁442の動きを規制できる。従って、フロントカバー43及びバックカバー44は、例えば第2周壁442を支持するバックアップリブを設けることなくフロントカバー43とバックカバー44との爪嵌合が可能であり、開口部438が設けられたフロントカバー43を狭額縁化することができる。
【0056】
また、本実施形態では、第1周壁432は、表示面411に沿う短手方向Dw又は長手方向Dlに延びる第1壁432a,432bを有する。爪部433は、第1壁432a,432bから筐体42の内部に向かって突出する。第2周壁442は、短手方向Dw又は長手方向Dlに延びて少なくとも部分的に第1壁432a,432bに覆われるとともに第2溝445が設けられた第2壁442c,442dを有する。バックアップリブ443は、短手方向Dw又は長手方向Dlにおいて爪部433と異なる位置で第2壁442c,442dから突出する。これにより、フロントカバー43及びバックカバー44は、バックアップリブ443及び第1溝439が第1周壁432のうち第2溝445が設けられた部分の撓みを妨げてしまうことを抑制でき、互いに容易に爪嵌合で取り付けられる。
【0057】
また、本実施形態では、フロントカバー43は、第1内面435を有するとともに開口部438が設けられたベゼル431を有する。ベゼル431は、第1溝439が設けられた外枠部436と、外枠部436と開口部438との間に位置するとともに外枠部436より薄い内枠部437と、を有する。すなわち、第1溝439は、内枠部437より厚い外枠部436に設けられる。これにより、本実施形態のノートPC1では、ベゼル431の厚さを部分的に薄くし、デザイン性を向上させることが可能である。
【0058】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、形式、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0059】
1 ノートPC(電子機器)
41 表示装置
411 表示面
42 筐体
43 フロントカバー(第1カバー)
431 ベゼル(枠)
432 第1周壁
432a、432b 第1壁
433 爪部
435 第1内面
436 外枠部
437 内枠部
438 開口部
439 第1溝
44 バックカバー(第2カバー)
442 第2周壁
442c、442d 第2壁
443 バックアップリブ(突起)
444 第2内面
445 第2溝
【要約】
【課題】狭額縁化が可能な電子機器を提供する。
【解決手段】電子機器は、第1カバーと、前記第1カバーに取り付けられる第2カバーと、を有する筐体と、画像を表示可能な表示面を有し、前記筐体に収容され、前記第1カバー又は前記第2カバーに設けられた開口部を通じて前記表示面を前記筐体の外部に露出された、表示装置と、を備え、前記第1カバーは、前記筐体の内部に向く第1内面と、前記第1内面から突出するとともに前記第1内面を囲む第1周壁と、前記第1周壁から前記筐体の内部に向かって突出する爪部と、を有し、前記第1内面に第1溝が設けられ、前記第2カバーは、前記第1内面に向く第2内面と、前記第2内面から突出して前記第2内面を囲むとともに少なくとも部分的に前記第1周壁に囲まれる第2周壁と、前記第2周壁から突出するとともに前記第1溝に嵌合する突起と、を有し、前記第2周壁に前記爪部と嵌合可能な第2溝が設けられる。
【選択図】
図4