(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-03
(45)【発行日】2023-10-12
(54)【発明の名称】遠隔操作システム、管理クライアントおよび管理クライアントプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20231004BHJP
G06F 9/48 20060101ALI20231004BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
G06F3/12 360
G06F9/48 300A
G06F3/12 303
G06F3/12 330
G06F3/12 331
G06F3/12 389
H04N1/00 127Z
(21)【出願番号】P 2019176651
(22)【出願日】2019-09-27
【審査請求日】2022-08-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140796
【氏名又は名称】原口 貴志
(72)【発明者】
【氏名】松本 淳志
【審査官】佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-310728(JP,A)
【文献】特開2014-238738(JP,A)
【文献】特開2009-236998(JP,A)
【文献】特開2007-026412(JP,A)
【文献】特開2017-123601(JP,A)
【文献】特開2015-114895(JP,A)
【文献】特開2018-116518(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09- 3/12
G06F 9/48
B41J 29/00- 29/70
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器を管理する管理サーバーおよび管理クライアントを備え、
前記管理サーバーは、前記管理クライアントによる前記電子機器に対する操作としてのタスクを管理し、
前記タスクは、前記タスクを開始することが指定された日時としての指定開始日時を含み、
前記管理クライアントは、前記管理サーバーから前記タスクを定期的に取得し、前記タスクに含まれる前記指定開始日時によって前記タスクをスケジューリング
し、
前記管理クライアントは、前記タスクに対してスケジューリングされた日時以降に現在日時がなった場合に、前記電子機器に対して実行中または実行待機中の他の前記タスクが存在するとき、スケジューリングされた前記タスクの実行を待機することを特徴とする遠隔操作システム。
【請求項2】
電子機器を管理する管理サーバーおよび管理クライアントを備え、
前記管理サーバーは、前記管理クライアントによる前記電子機器に対する操作としてのタスクを管理し、
前記タスクは、前記タスクを開始することが指定された日時としての指定開始日時を含み、
前記管理クライアントは、前記管理サーバーから前記タスクを定期的に取得し、前記タスクに含まれる前記指定開始日時によって前記タスクをスケジューリングし、
前記管理サーバーは、前記タスクを管理するためのタスク管理情報を記憶し、
前記タスク管理情報は、前記タスクの状態としてのタスク状態を含み、
前記管理クライアントは、前記タスク状態が変化した場合に前記タスク状態の更新を前記管理サーバーに指示し、
前記管理サーバーは、前記タスク管理情報における前記タスク状態を前記管理クライアントからの指示通りに更新することを特徴とする遠隔操作システム。
【請求項3】
前記管理サーバーは、前記タスクを管理するためのタスク管理情報を記憶し、
前記タスク管理情報は、前記タスクの状態としてのタスク状態を含み、
前記管理クライアントは、前記タスク状態が変化した場合に前記タスク状態の更新を前記管理サーバーに指示し、
前記管理サーバーは、前記タスク管理情報における前記タスク状態を前記管理クライアントからの指示通りに更新することを特徴とする請求項
1に記載の遠隔操作システム。
【請求項4】
前記管理サーバーは、前記指定開始日時から特定の時間が経過しても、前記管理クライアントから前記タスク状態の更新が指示されない場合、前記タスク管理情報における前記タスク状態を、前記タスクの実行が失敗した状態にすることを特徴とする
請求項2または請求項3に記載の遠隔操作システム。
【請求項5】
前記管理クライアントは、前記タスクの実行中にこのタスクの前記タスク状態の更新を定期的に前記管理サーバーに指示し、
前記管理サーバーは、前記タスク管理情報における前記タスク状態が前記タスクを実行している状態である場合に、前記管理クライアントから前記タスク状態の更新が前回指示されてから特定の時間が経過しているとき、前記タスク管理情報における前記タスク状態を、前記タスクの実行が失敗した状態にすることを特徴とする請求項
2から請求項4
までのいずれかに記載の遠隔操作システム。
【請求項6】
前記管理クライアントは、実行対象の前記電子機器が複数である前記タスクに対して前記タスク状態の更新を前記電子機器毎に指示し、
前記タスク管理情報は、前記タスクおよび前記電子機器の組み合わせ毎の前記タスク状態を含むことを特徴とする請求項
2から請求項5までのいずれかに記載の遠隔操作システム。
【請求項7】
電子機器を管理する管理クライアントであって、
前記管理クライアントによる前記電子機器に対する操作としてのタスクを管理する
管理サーバーから前記タスクを定期的に取得し、
前記タスクは、前記タスクを開始することが指定された日時としての指定開始日時を含み、
前記管理クライアントは、前記タスクに含まれる前記指定開始日時によって前記タスクをスケジューリング
し、
前記管理クライアントは、前記タスクに対してスケジューリングされた日時以降に現在日時がなった場合に、前記電子機器に対して実行中または実行待機中の他の前記タスクが存在するとき、スケジューリングされた前記タスクの実行を待機することを特徴とする管理クライアント。
【請求項8】
電子機器を管理する管理クライアントとしてコンピューターを機能させる管理クライアントプログラムであって、
前記管理クライアントは、前記管理クライアントによる前記電子機器に対する操作としてのタスクを管理する
管理サーバーから前記タスクを定期的に取得し、
前記タスクは、前記タスクを開始することが指定された日時としての指定開始日時を含み、
前記管理クライアントは、前記タスクに含まれる前記指定開始日時によって前記タスクをスケジューリング
し、
前記管理クライアントは、前記タスクに対してスケジューリングされた日時以降に現在日時がなった場合に、前記電子機器に対して実行中または実行待機中の他の前記タスクが存在するとき、スケジューリングされた前記タスクの実行を待機することを特徴とする管理クライアントプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器を遠隔操作する遠隔操作システム、管理クライアントおよび管理クライアントプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遠隔操作システムとして、保守対象機器を管理する遠隔保守センターおよび保守仲介装置を備えるものが知られている(特許文献1参照。)。遠隔保守センターは、保守仲介装置による保守対象機器に対する保守操作を指示する保守操作指示情報を管理する。そして、保守仲介装置は、遠隔保守センターから保守操作指示情報を定期的に取得し、保守操作指示情報に示される保守操作を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の遠隔操作システムにおいては、あまり適切ではないタイミングで保守仲介装置によって保守操作が実行される場合があるという問題がある。
【0005】
例えば、保守対象機器のファームウェアのアップデートのような保守操作は、例えば日中など、保守対象機器の利用者が保守対象機器を頻繁に利用する時間帯ではなく、例えば夜間など、保守対象機器の利用者が保守対象機器を殆ど利用しない時間帯に実行されることが好ましい。しかしながら、従来の遠隔操作システムにおいては、保守仲介装置によって保守操作が実行される時間帯が考慮されておらず、保守仲介装置が遠隔保守センターから保守操作指示情報を取得する定期的なタイミングで保守仲介装置によって保守操作が実行されてしまう。
【0006】
そこで、本発明は、電子機器に対する操作を従来より適切なタイミングで実行することができる遠隔操作システム、管理クライアントおよび管理クライアントプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の遠隔操作システムは、電子機器を管理する管理サーバーおよび管理クライアントを備え、前記管理サーバーは、前記管理クライアントによる前記電子機器に対する操作としてのタスクを管理し、前記タスクは、前記タスクを開始することが指定された日時としての指定開始日時を含み、前記管理クライアントは、前記管理サーバーから前記タスクを定期的に取得し、前記タスクに含まれる前記指定開始日時によって前記タスクをスケジューリングすることを特徴とする。
【0008】
この構成により、本発明の遠隔操作システムは、タスクに含まれる指定開始日時によって管理クライアントがタスクをスケジューリングするので、電子機器に対する操作を従来より適切なタイミングで実行することができる。
【0009】
本発明の遠隔操作システムにおいて、前記管理クライアントは、前記タスクに対してスケジューリングされた日時以降に現在日時がなった場合に、前記電子機器に対して実行中または実行待機中の他の前記タスクが存在するとき、スケジューリングされた前記タスクの実行を待機してもよい。
【0010】
この構成により、本発明の遠隔操作システムは、他のタスクが電子機器に対して実行中または実行待機中である場合に、この電子機器に対する管理クライアントによるタスクの実行を待機するので、タスクの実行が失敗する可能性を低減することができる。
【0011】
本発明の遠隔操作システムにおいて、前記管理サーバーは、前記タスクを管理するためのタスク管理情報を記憶し、前記タスク管理情報は、前記タスクの状態としてのタスク状態を含み、前記管理クライアントは、前記タスク状態が変化した場合に前記タスク状態の更新を前記管理サーバーに指示し、前記管理サーバーは、前記タスク管理情報における前記タスク状態を前記管理クライアントからの指示通りに更新してもよい。
【0012】
この構成により、本発明の遠隔操作システムは、タスク管理情報におけるタスク状態を管理サーバーが管理クライアントからの指示通りに更新するので、管理サーバーの利用者にタスク状態を把握させることができる。
【0013】
本発明の遠隔操作システムにおいて、前記管理サーバーは、前記指定開始日時から特定の時間が経過しても、前記管理クライアントから前記タスク状態の更新が指示されない場合、前記タスク管理情報における前記タスク状態を、前記タスクの実行が失敗した状態にしてもよい。
【0014】
この構成により、本発明の遠隔操作システムは、例えば管理クライアントが正常に機能していないなど、何らかの不具合が生じている場合に、タスクの実行が失敗したことを管理サーバーの利用者に把握させることができる。
【0015】
本発明の遠隔操作システムにおいて、前記管理クライアントは、前記タスクの実行中にこのタスクの前記タスク状態の更新を定期的に前記管理サーバーに指示し、前記管理サーバーは、前記タスク管理情報における前記タスク状態が前記タスクを実行している状態である場合に、前記管理クライアントから前記タスク状態の更新が前回指示されてから特定の時間が経過しているとき、前記タスク管理情報における前記タスク状態を、前記タスクの実行が失敗した状態にしてもよい。
【0016】
この構成により、本発明の遠隔操作システムは、例えば管理クライアントが正常に機能していないなど、何らかの不具合が生じている場合に、タスクを実行している状態であるという誤解を管理サーバーの利用者に与える可能性を低減することができるとともに、タスクの実行が失敗したことを管理サーバーの利用者に把握させることができる。
【0017】
本発明の遠隔操作システムにおいて、前記管理クライアントは、実行対象の前記電子機器が複数である前記タスクに対して前記タスク状態の更新を前記電子機器毎に指示し、前記タスク管理情報は、前記タスクおよび前記電子機器の組み合わせ毎の前記タスク状態を含んでもよい。
【0018】
この構成により、本発明の遠隔操作システムは、タスクおよび電子機器の組み合わせ毎のタスク状態を管理サーバーの利用者に把握させることができるので、利便性を向上することができる。
【0019】
本発明の管理クライアントは、電子機器を管理する管理クライアントであって、前記管理クライアントによる前記電子機器に対する操作としてのタスクを管理する前記管理サーバーから前記タスクを定期的に取得し、前記タスクは、前記タスクを開始することが指定された日時としての指定開始日時を含み、前記管理クライアントは、前記タスクに含まれる前記指定開始日時によって前記タスクをスケジューリングすることを特徴とする。
【0020】
この構成により、本発明の管理クライアントは、タスクに含まれる指定開始日時によってタスクをスケジューリングするので、電子機器に対する操作を従来より適切なタイミングで実行することができる。
【0021】
本発明の管理クライアントプログラムは、電子機器を管理する管理クライアントとしてコンピューターを機能させる管理クライアントプログラムであって、前記管理クライアントは、前記管理クライアントによる前記電子機器に対する操作としてのタスクを管理する前記管理サーバーから前記タスクを定期的に取得し、前記タスクは、前記タスクを開始することが指定された日時としての指定開始日時を含み、前記管理クライアントは、前記タスクに含まれる前記指定開始日時によって前記タスクをスケジューリングすることを特徴とする。
【0022】
この構成により、本発明の管理クライアントプログラムを実行するコンピューターは、タスクに含まれる指定開始日時によってタスクをスケジューリングするので、電子機器に対する操作を従来より適切なタイミングで実行することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の遠隔操作システム、管理クライアントおよび管理クライアントプログラムは、電子機器に対する操作を従来より適切なタイミングで実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の一実施の形態に係るシステムのブロック図である。
【
図2】1台のコンピューターによって構成される場合の
図1に示す管理サーバーのブロック図である。
【
図3】
図2に示す装置管理情報の一例を示す図である。
【
図4】
図2に示すタスク管理情報の一例を示す図である。
【
図5】1台のコンピューターによって構成される場合の
図1に示す管理クライアントのブロック図である。
【
図6】
図5に示すタスク状態管理情報の一例を示す図である。
【
図7】タスクが作成される場合の
図2に示す管理サーバーの動作のフローチャートである。
【
図8】
図7に示す動作において表示されるタスク作成画面の1ページ目の一例を示す図である。
【
図9】管理クライアントが管理サーバーから予約タスクを取得する場合の
図1に示すシステムの動作のシーケンス図である。
【
図10】
図9に示す動作において生成されるタスク情報の項目名を示す図である。
【
図11】
図5に示す管理クライアントのスケジューラーに登録されたタスクの一例を示す図である。
【
図12】管理クライアントのスケジューラーに登録されたタスクのスケジュール日時以降に現在日時がなった場合の
図1に示すシステムの動作のシーケンス図である。
【
図13】
図12に示すシーケンス図の一部のシーケンス図である。
【
図14】
図12に示すシーケンス図の一部のシーケンス図である。
【
図15】対象タスクの実行が失敗した場合の
図1に示すシステムの動作のシーケンス図である。
【
図16】タスク管理情報のタスク状態を設定する場合の
図2に示す管理サーバーの動作のフローチャートである。
【
図17】
図2に示す表示部に表示される、実行対象の画像形成装置がそれぞれ1つである複数のタスクを示す画面の例である。
【
図18】
図2に示す表示部に表示される、実行対象の画像形成装置が複数であるタスクを含む複数のタスクを示す画面の例である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0026】
まず、本発明の一実施の形態に係るシステムの構成について説明する。
【0027】
図1は、本実施の形態に係るシステム10のブロック図である。
【0028】
図1に示すように、システム10は、例えば、MFP(Multifunction Peripheral)、プリンター専用機などの画像形成装置を管理する管理サーバー20を備えている。管理サーバー20は、インターネット11上に配置されている。管理サーバー20は、1台のコンピューターによって構成されても良いし、複数台のコンピューターによって構成されても良い。管理サーバー20は、画像形成装置を管理する業者(以下「管理業者」という。)によって利用される。
【0029】
システム10は、管理業者の顧客のネットワーク12上に配置されている画像形成装置を管理する管理クライアント30を備えている。管理クライアント30は、管理業者の顧客のネットワーク12上に配置されている。ネットワーク12は、例えばLAN(Local Area Network)である。管理クライアント30は、ネットワーク12の外部に配置されている管理サーバー20と、ネットワーク12上に配置されている画像形成装置とを結びつける仲介装置として機能する。管理クライアント30は、例えば、PC(Personal Computer)などのコンピューターによって構成されている。管理サーバー20と、管理クライアント30とは、ネットワーク12上に配置されている画像形成装置を遠隔操作する遠隔操作システム10aを構成している。
【0030】
システム10は、顧客によって利用される電子機器としての画像形成装置40をネットワーク12上に備えている。システム10は、画像形成装置40以外にも、画像形成装置をネットワーク12上に少なくとも1つ備えても良い。
【0031】
システム10は、インターネット11側からネットワーク12側へのアクセスを制限または禁止するファイアウォール13を備えている。
【0032】
管理サーバー20と、管理クライアント30との間の通信は、例えばHTTP(Hypertext Transfer Protocol)によって実行される。管理クライアント30と、ネットワーク12上に配置されている画像形成装置との間の通信は、例えばHTTP(SOAP)やSNMP(Simple Network Management Protocol)によって実行される。
【0033】
システム10は、ネットワーク12およびファイアウォール13の組み合わせ以外にも、ネットワーク12およびファイアウォール13の組み合わせと同様の構成のネットワークおよびファイアウォールの組み合わせを少なくとも1つ備えても良い。
【0034】
図2は、1台のコンピューターによって構成される場合の管理サーバー20のブロック図である。
【0035】
図2に示すように、管理サーバー20は、種々の操作が入力される例えばキーボード、マウスなどの操作デバイスである操作部21と、種々の情報を表示する例えばLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである表示部22と、LAN、インターネットなどのネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部23と、各種の情報を記憶する例えば半導体メモリー、HDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性の記憶デバイスである記憶部24と、管理サーバー20全体を制御する制御部25とを備えている。
【0036】
記憶部24は、画像形成装置を管理するための管理サーバーアプリケーションプログラム24aを記憶可能である。管理サーバーアプリケーションプログラム24aは、例えば、管理サーバー20の製造段階で管理サーバー20にインストールされていても良いし、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)メモリーなどの外部の記憶媒体から管理サーバー20に追加でインストールされても良いし、ネットワーク上から管理サーバー20に追加でインストールされても良い。
【0037】
記憶部24は、管理サーバー20による管理対象の画像形成装置を管理するための装置管理情報24bを記憶している。
【0038】
【0039】
図3に示すように、装置管理情報24bは、例えば、画像形成装置の識別情報としてのデバイスIDと、画像形成装置のシリアルナンバーとを画像形成装置毎に含んでいる。デバイスIDは、画像形成装置を一意に識別するための情報である。
【0040】
図2に示すように、記憶部24は、画像形成装置に対して管理クライアントに実行させるメンテナンス操作としてのタスクを管理するためのタスク管理情報24cを記憶している。
【0041】
図4は、タスク管理情報24cの一例を示す図である。
【0042】
図4に示すように、タスク管理情報24cは、例えば、タスクの識別情報としてのタスクIDと、タスクの種別(以下「タスク種別」という。)と、タスクの具体的な内容(以下「タスク内容」という。)と、タスクの名前を示すタスク名と、タスクを開始することが指定された日時としての指定開始日時と、タスクの再実行の設定の内容を示すリトライ設定と、タスクの実行対象の画像形成装置のデバイスIDと、タスクの状態(以下「タスク状態」という。)と、タスクの作成者の識別情報(以下「タスク作成者」という。)とをタスク毎に含んでいる。なお、
図4において、タスク内容の具体的な値は、省略されて描かれている。
【0043】
タスクIDは、タスクを一意に識別するために、管理サーバー20によって自動生成される情報である。
【0044】
タスク種別としては、例えば、画像形成装置の再起動、画像形成装置のファームウェアのアップデート、画像形成装置の設定項目に対する値の設定などが存在する。
図4において、画像形成装置の再起動、画像形成装置のファームウェアのアップデート、画像形成装置の設定項目に対する値の設定は、それぞれ、「Restart」、「Firmware upgrade」、「Device setting」と示されている。
【0045】
リトライ設定は、タスクの再実行の回数の上限を示すリトライ回数と、タスクの再実行の間隔を示すリトライ間隔とによって構成されている。
図4において、「1、10」は、リトライ回数、リトライ間隔がそれぞれ1回、10分であることを示しており、「2、5」は、リトライ回数、リトライ間隔がそれぞれ2回、5分であることを示している。
図4において、「0」は、タスクを再実行しないことを示している。
【0046】
タスク状態としては、例えば、タスクの実行を待機している状態を示す「Waiting」と、タスクを実行している状態を示す「Processing」と、タスクの実行が成功した状態を示す「Successful」と、タスクの実行が失敗した状態を示す「Failed」と、管理サーバー20上でタスクがキャンセルされた状態を示す「Canceled」とが存在する。なお、「Successful」および「Failed」には、それらの状態になった日時も付加される。
【0047】
なお、タスク管理情報24cにおいてタスク状態が空欄であるタスクは、管理クライアント30において未だ実行の対象になっていないタスクである。すなわち、タスク管理情報24cにおいてタスク状態が空欄であるタスクは、管理クライアント30において実行が予約されているタスクである。以下、タスク管理情報24cにおいてタスク状態が空欄であるタスクを、予約タスクという。
【0048】
図2に示すように、記憶部24は、管理クライアント30による定期的なタスクの取得のタイミング、すなわち、タスク取得間隔を示すタスク取得間隔情報24dを記憶可能である。タスク取得間隔としては、例えば3時間など、任意の時間が指定されることが可能である。
【0049】
制御部25は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROM(Read Only Memory)と、制御部25のCPUの作業領域として用いられるメモリーとしてのRAM(Random Access Memory)とを備えている。制御部25のCPUは、記憶部24または制御部25のROMに記憶されているプログラムを実行する。
【0050】
制御部25は、管理サーバーアプリケーションプログラム24aを実行することによって、画像形成装置を管理する管理サーバーアプリ25aを実現する。
【0051】
管理サーバーアプリ25aは、操作部21または通信部23を介した指示に応じてタスク取得間隔情報24dを設定することが可能である。
【0052】
図5は、1台のコンピューターによって構成される場合の管理クライアント30のブロック図である。
【0053】
図5に示すように、管理クライアント30は、種々の操作が入力される例えばキーボード、マウスなどの操作デバイスである操作部31と、種々の情報を表示する例えばLCDなどの表示デバイスである表示部32と、LAN、インターネットなどのネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部33と、各種の情報を記憶する例えば半導体メモリー、HDDなどの不揮発性の記憶デバイスである記憶部34と、管理クライアント30全体を制御する制御部35とを備えている。
【0054】
記憶部34は、画像形成装置を管理するための管理クライアントプログラムとしての管理クライアントアプリケーションプログラム34aを記憶可能である。管理クライアントアプリケーションプログラム34aは、例えば、管理クライアント30の製造段階で管理クライアント30にインストールされていても良いし、CD、DVD、USBメモリーなどの外部の記憶媒体から管理クライアント30に追加でインストールされても良いし、ネットワーク上から管理クライアント30に追加でインストールされても良い。
【0055】
記憶部34は、管理クライアント30による管理対象の画像形成装置を管理するための装置管理情報34bを記憶している。装置管理情報34bは、装置管理情報24b(
図3参照。)と同様の情報である。
【0056】
記憶部34は、タスク状態を管理するためのタスク状態管理情報34cを記憶している。
【0057】
図6は、タスク状態管理情報34cの一例を示す図である。
【0058】
図6に示すように、タスク状態管理情報34cは、例えば、タスクの実行対象の画像形成装置のデバイスIDと、タスクIDと、タスク状態とをタスク毎に含んでいる。
【0059】
図5に示すように、記憶部34は、タスク取得間隔を示すタスク取得間隔情報34dを記憶している。
【0060】
制御部35は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROMと、制御部35のCPUの作業領域として用いられるメモリーとしてのRAMとを備えている。制御部35のCPUは、記憶部34または制御部35のROMに記憶されているプログラムを実行する。
【0061】
制御部35は、管理クライアントアプリケーションプログラム34aを実行することによって、画像形成装置を管理する管理クライアントアプリ35aを実現する。
【0062】
管理クライアントアプリ35aは、操作部31または通信部33を介した指示に応じてタスク取得間隔情報34dを設定することが可能である。また、管理クライアントアプリ35aは、管理サーバー20に定期的にアクセスし、管理サーバー20にタスク取得間隔情報24dが設定されている場合には、タスク取得間隔情報24dに示されているタスク取得間隔を管理サーバー20から取得し、取得したタスク取得間隔をタスク取得間隔情報34dに設定することが可能である。
【0063】
次に、システム10の動作について説明する。
【0064】
まず、タスクが作成される場合の管理サーバー20の動作について説明する。
【0065】
図7は、タスクが作成される場合の管理サーバー20の動作のフローチャートである。
【0066】
管理サーバー20の利用者は、タスクの作成の処理の開始を管理サーバー20の操作部21または通信部23を介して指示することができる。管理サーバー20の制御部25は、タスクの作成の処理の開始が指示されると、
図7に示す動作を実行する。
【0067】
図7に示すように、管理サーバーアプリ25aは、タスクを作成するためのタスク作成画面を表示する(S101)。ここで、タスクの作成の処理の開始が操作部21を介して指示されている場合には、管理サーバーアプリ25aは、タスク作成画面を表示部22に表示する。一方、タスクの作成の処理の開始が通信部23を介して指示されている場合には、管理サーバーアプリ25aは、タスク作成画面のデータを通信部23を介して送信する。したがって、図示していないコンピューターは、管理サーバー20から受信したデータに基づいてタスク作成画面を表示することができる。
【0068】
図8は、
図7に示す動作において表示されるタスク作成画面50の1ページ目の一例を示す図である。
【0069】
図8に示すタスク作成画面50は、タスクの指定開始日時を指定するための領域51と、タスクのリトライ設定を指定するための領域52と、タスクの作成を中止するためのCancelボタン53と、次のページに進むためのNextボタン54とを含んでいる。
【0070】
領域51は、タスクが生成される日時を指定開始日時として設定することが指定されるためのラジオボタン51aと、利用者によって指定された日時を指定開始日時として設定することが指定されるためのラジオボタン51bと、指定開始日時のうちの日付が指定されるためのテキストボックス51cと、指定開始日時のうちの時刻が指定されるためのテキストボックス51dとを含んでいる。ラジオボタン51aと、ラジオボタン51bとは、一方が選択された状態になると、他方が選択されていない状態になる。管理サーバーアプリ25aは、ラジオボタン51bが選択されている場合、テキストボックス51cおよびテキストボックス51dによって指定されている日時を指定開始日時として設定する。
【0071】
領域52は、タスクを再実行するか否かが指定されるためのチェックボックス52aと、リトライ間隔が分単位で指定されるためのテキストボックス52bと、リトライ回数が指定されるためのテキストボックス52cとを含んでいる。
【0072】
図7に示すように、管理サーバーアプリ25aは、S101の処理の後、Cancelボタン53が押されたか否かを判断する(S102)。
【0073】
管理サーバーアプリ25aは、Cancelボタン53が押されたとS102において判断すると、
図7に示す動作を終了する。
【0074】
管理サーバーアプリ25aは、Cancelボタン53が押されていないとS102において判断すると、タスク作成画面50においてタスクの作成を指示するための図示していない作成実行ボタンが押されたか否かを判断する(S103)。
【0075】
管理サーバーアプリ25aは、作成実行ボタンが押されていないとS103において判断すると、S102の処理を実行する。
【0076】
管理サーバーアプリ25aは、作成実行ボタンが押されたとS103において判断すると、タスクIDを自動生成する(S104)。
【0077】
次いで、管理サーバーアプリ25aは、S104において生成したタスクIDと、タスク作成画面において指定されたタスク種別、タスク内容、タスク名、指定開始日時、リトライ設定、デバイスIDおよびタスク作成者とで構成されるタスクを生成する(S105)。
【0078】
次いで、管理サーバーアプリ25aは、S105において生成したタスクをタスク管理情報24cに登録して(S106)、
図7に示す動作を終了する。
【0079】
次に、管理クライアント30が管理サーバー20から予約タスクを取得する場合のシステム10の動作について説明する。
【0080】
図9は、管理クライアント30が管理サーバー20から予約タスクを取得する場合のシステム10の動作のシーケンス図である。
【0081】
管理クライアント30の管理クライアントアプリ35aは、タスク取得間隔情報34dに示されているタスク取得間隔で定期的に、
図9に示すように、管理サーバー20上に保存されている予約タスクを管理サーバー20に要求する(S121)。
【0082】
管理サーバー20の管理サーバーアプリ25aは、S121における要求を受けると、管理クライアント30にタスクを渡すための情報であるタスク情報を、タスク管理情報24cに示される予約タスクのそれぞれに対して生成する(S122)。
【0083】
図10は、
図9に示す動作において生成されるタスク情報の項目名を示す図である。
【0084】
図10に示すように、タスク情報は、タスクIDと、タスク種別と、タスク内容と、管理サーバー20における現在日時から指定開始日時までの差分時間と、リトライ設定と、タスクの実行対象の画像形成装置のデバイスIDとを含んでいる。
【0085】
図9に示すように、管理サーバー20の管理サーバーアプリ25aは、S122の処理の後、S122において生成した、全ての予約タスクのタスク情報を管理クライアント30に送信する(S123)。
【0086】
管理クライアント30の管理クライアントアプリ35aは、S123において送信されたタスク情報を受信すると、受信したタスク情報に基づいた指定開始日時によって予約タスクをスケジューリングする(S124)。すなわち、管理クライアントアプリ35aは、指定開始日時に予約タスクが実行されるようにスケジューラーに予約タスクを登録する。
【0087】
図11は、管理クライアント30のスケジューラーに登録されたタスクの一例を示す図である。
【0088】
図11に示すように、管理クライアント30のスケジューラーに登録されたタスクは、スケジューリングされた日時であるスケジュール日時と、タスクIDと、タスク種別と、タスク内容と、指定開始日時と、リトライ設定と、タスクの実行対象の画像形成装置のデバイスIDとをそれぞれ含んでいる。なお、
図11において、タスク内容の具体的な値は、省略されて描かれている。
【0089】
管理クライアント30の管理クライアントアプリ35aは、予約タスクをスケジューラーに登録する場合に、タスク情報に含まれる差分時間を管理クライアント30における現在日時に対して適用することによって、予約タスクの指定開始日時を生成する。したがって、管理クライアントアプリ35aは、管理サーバー20が配置されているタイムゾーンと、管理クライアント30が配置されているタイムゾーンとが異なる場合だけでなく、管理サーバー20が配置されているタイムゾーンと、管理クライアント30が配置されているタイムゾーンとが同一であるが、管理サーバー20において設定されている現在日時と、管理クライアント30において設定されている現在日時とがずれている場合であっても、予約タスクのタスク作成者の意図したタイミングで予約タスクを実行することができる。
【0090】
なお、管理クライアントアプリ35aは、S124において、新たにスケジューラーに登録しようとしている予約タスク(以下「新タスク」という。)のタスクIDと同一のタスクIDのタスク(以下「旧タスク」という。)が既にスケジューラーに登録されている場合、旧タスクをスケジューラーから削除して、新タスクをスケジューラーに登録する。すなわち、管理クライアントアプリ35aは、予約タスクを再スケジューリングする。この構成により、管理クライアントアプリ35aは、管理サーバー20において予約タスクの指定開始日時が変更された場合であっても適切に動作することができる。
【0091】
次に、管理クライアント30のスケジューラーに登録されたタスクのスケジュール日時以降に現在日時がなった場合のシステム10の動作について説明する。
【0092】
図12~
図14は、管理クライアント30のスケジューラーに登録されたタスクのスケジュール日時以降に現在日時がなった場合のシステム10の動作のシーケンス図である。
【0093】
以下、
図12~
図14に示す動作の説明において、管理クライアント30のスケジューラーに登録されたタスクのうち、現在日時がスケジュール日時以降になったタスク、すなわち、
図12~
図14に示す動作の開始の契機になったタスクを、対象タスクという。また、対象タスクの実行対象の画像形成装置を、説明の簡略化のため、画像形成装置40とする。
【0094】
図12~
図14に示すように、管理クライアント30の管理クライアントアプリ35aは、対象タスクをスケジューラーから削除する(S141)。
【0095】
次いで、管理クライアントアプリ35aは、管理サーバー20上に保存されている予約タスクを管理サーバー20に要求する(S142)。
【0096】
管理サーバー20の管理サーバーアプリ25aは、S142における要求を受けると、S122の処理と同様に、タスク管理情報24cに示される予約タスクのそれぞれに対してタスク情報を生成する(S143)。
【0097】
次いで、管理サーバーアプリ25aは、S123の処理と同様に、S143において生成した、全ての予約タスクのタスク情報を管理クライアント30に送信する(S144)。
【0098】
管理クライアント30の管理クライアントアプリ35aは、S144において送信されたタスク情報を受信すると、受信したタスク情報に基づいて、対象タスクの指定開始日時以降に現在日時がなっているか否かを確認する(S145)。
【0099】
管理クライアントアプリ35aは、対象タスクの指定開始日時以降に現在日時がなっていないとS145において判断すると、対象タスクを実行することなく、
図12~
図14に示す動作を終了する。S142~S145の処理によって、管理クライアントアプリ35aは、管理サーバー20において対象タスクの指定開始日時が現在日時より後に変更されていた場合や、管理サーバー20において対象タスクが削除されていた場合であっても適切に動作することができる。なお、S142~S144の処理は、対象タスクに対してのみ実行されても良い。
【0100】
管理クライアントアプリ35aは、対象タスクの指定開始日時以降に現在日時がなっているとS145において判断すると、実行中のタスクと、実行待機中のタスクとの少なくとも一方が画像形成装置40に対して存在するか否かをタスク状態管理情報34cに基づいて確認する(S146)。具体的には、管理クライアントアプリ35aは、実行対象の画像形成装置のデバイスIDが画像形成装置40のデバイスIDであって、タスク状態が「Processing」であるタスクがタスク状態管理情報34cにおいて存在する場合に、実行中のタスクが存在すると判断する。また、管理クライアントアプリ35aは、実行対象の画像形成装置のデバイスIDが画像形成装置40のデバイスIDであって、タスク状態が「Waiting」であるタスクがタスク状態管理情報34cにおいて存在する場合に、実行待機中のタスクが存在すると判断する。
【0101】
管理クライアント30の管理クライアントアプリ35aは、画像形成装置40に対して、実行中のタスクと、実行待機中のタスクとのいずれも存在しないことをS146において確認すると、対象タスクのタスク状態が「Processing」であるとして対象タスクをタスク状態管理情報34cに登録する(S147)。
【0102】
次いで、管理クライアントアプリ35aは、対象タスクのタスク状態の更新を管理サーバー20に指示する(S161)。この指示には、タスクIDとして対象タスクのタスクIDが含まれているとともに、タスク状態として「Processing」が含まれている。
【0103】
管理サーバー20の管理サーバーアプリ25aは、S161における指示を受けると、指示に含まれるタスクIDのタスクのタスク状態を、指示に含まれる「Processing」に更新する(S162)。
【0104】
管理サーバーアプリ25aは、S162における更新の完了を管理クライアント30に通知する(S163)。
【0105】
管理クライアント30の管理クライアントアプリ35aは、S163の通知を受けると、画像形成装置40に対して、対象タスクを実行する(S164)。
【0106】
管理クライアントアプリ35aは、対象タスクを実行している間、例えば1分間間隔など、頻繁なタイミングで、対象タスクのタスク状態の更新を管理サーバー20に指示する(S165)。この指示には、タスクIDとして対象タスクのタスクIDが含まれているとともに、タスク状態として「Processing」が含まれている。
【0107】
管理サーバー20の管理サーバーアプリ25aは、S165における指示を受けると、指示に含まれるタスクIDのタスクのタスク状態を、指示に含まれる「Processing」に更新する(S166)。
【0108】
管理サーバーアプリ25aは、S166における更新の完了を管理クライアント30に通知する(S167)。
【0109】
画像形成装置40は、S164の処理の後、対象タスクが終了すると、対象タスクの終了を管理クライアント30に通知する(S168)。
【0110】
管理クライアント30の管理クライアントアプリ35aは、S168の通知を受けると、タスク状態管理情報34cにおいて対象タスクのタスク状態を「Successful」に変更する(S169)。
【0111】
次いで、管理クライアントアプリ35aは、対象タスクのタスク状態の更新を管理サーバー20に指示する(S170)。この指示には、タスクIDとして対象タスクのタスクIDが含まれているとともに、タスク状態として「Successful」が含まれている。
【0112】
管理サーバー20の管理サーバーアプリ25aは、S170における指示を受けると、指示に含まれるタスクIDのタスクのタスク状態を「Successful」に更新する(S171)。
【0113】
管理サーバーアプリ25aは、S171における更新の完了を管理クライアント30に通知する(S172)。
【0114】
管理クライアント30の管理クライアントアプリ35aは、S172における通知を受けると、対象タスクをタスク状態管理情報34cから削除する(S173)。
【0115】
管理クライアント30の管理クライアントアプリ35aは、画像形成装置40に対して、実行中のタスクと、実行待機中のタスクとの少なくとも一方が存在することをS146において確認すると、対象タスクのタスク状態が「Waiting」であるとして対象タスクをタスク状態管理情報34cに登録する(S181)。
【0116】
次いで、管理クライアントアプリ35aは、画像形成装置40の専用のキューに対象タスクを追加する(S182)。なお、管理クライアントアプリ35aは、画像形成装置毎にキューを管理している。
【0117】
管理クライアントアプリ35aは、S182の処理の後、対象タスクのタスク状態の更新を管理サーバー20に指示する(S183)。この指示には、タスクIDとして対象タスクのタスクIDが含まれているとともに、タスク状態として「Waiting」が含まれている。
【0118】
管理サーバー20の管理サーバーアプリ25aは、S183における指示を受けると、指示に含まれるタスクIDのタスクのタスク状態を、指示に含まれる「Waiting」に更新する(S184)。
【0119】
管理サーバーアプリ25aは、S184における更新の完了を管理クライアント30に通知する(S185)。
【0120】
次いで、管理クライアント30の管理クライアントアプリ35aは、対象タスクがキューの先頭になったことを確認するまで、対象タスクがキューの先頭になったか否かを確認する(S186)。
【0121】
管理クライアントアプリ35aは、対象タスクがキューの先頭になったことをS186において確認すると、画像形成装置40に対して、実行中のタスクと、実行待機中のタスクとのいずれも存在しないことを確認するまで、画像形成装置40に対して、実行中のタスクと、実行待機中のタスクとのいずれも存在しないことをタスク状態管理情報34cに基づいて確認する(S187)。
【0122】
管理クライアントアプリ35aは、画像形成装置40に対して、実行中のタスクと、実行待機中のタスクとのいずれも存在しないことをS187において確認すると、キューから対象タスクを取り出す(S188)。
【0123】
次いで、管理クライアントアプリ35aは、タスク状態管理情報34cにおいて対象タスクのタスク状態を「Processing」に変更する(S189)。
【0124】
次いで、システム10は、S161~S172の処理を実行する。
【0125】
以上においては、対象タスクの実行が成功した場合について説明している。しかしながら、S163の処理の後、例えばネットワークの接続による問題など、様々な原因によって、対象タスクの実行が失敗する場合もある。
【0126】
図15は、対象タスクの実行が失敗した場合のシステム10の動作のシーケンス図である。
【0127】
図15に示すように、管理クライアント30の管理クライアントアプリ35aは、対象タスクの再実行が可能であるか否かを、対象タスクのリトライ設定のリトライ回数と、対象タスクの現在までの再実行の回数とに基づいて確認する(S201)。
【0128】
管理クライアントアプリ35aは、対象タスクの再実行が可能であることをS201において確認すると、タスク状態管理情報34cにおいて対象タスクのタスク状態を「Waiting」に変更する(S202)。
【0129】
次いで、管理クライアントアプリ35aは、対象タスクのタスク状態の更新を管理サーバー20に指示する(S203)。この指示には、タスクIDとして対象タスクのタスクIDが含まれているとともに、タスク状態として「Waiting」が含まれている。
【0130】
管理サーバー20の管理サーバーアプリ25aは、S203における指示を受けると、指示に含まれるタスクIDのタスクのタスク状態を「Waiting」に更新する(S204)。
【0131】
管理サーバーアプリ25aは、S204における更新の完了を管理クライアント30に通知する(S205)。
【0132】
管理クライアント30の管理クライアントアプリ35aは、S205における通知を受けると、対象タスクの指定開始日時と、対象タスクのリトライ設定のリトライ間隔と、対象タスクの現在までの再実行の回数とに基づいて、対象タスクの次回の再実行の開始日時を算出する(S206)。例えば、対象タスクのリトライ設定のリトライ間隔が10分であって、対象タスクの現在までの再実行の回数が3回である場合、次回の再実行が4回目の再実行であるので、対象タスクの指定開始日時に40分(=10分×4回)を加算した日時が対象タスクの次回の再実行の開始日時となる。
【0133】
管理クライアントアプリ35aは、S206の処理の後、S206において算出した開始日時によって対象タスクをスケジューリングする(S207)。すなわち、管理クライアントアプリ35aは、S206において算出した開始日時に対象タスクが実行されるようにスケジューラーに対象タスクを登録する。
【0134】
したがって、管理クライアント30のスケジューラーに登録された対象タスクに対してスケジュール日時以降に現在日時がなった場合、
図12~
図14に示す動作が実行される。ただし、再実行の対象タスクに関しては、S141の処理の後、S142~S145の処理を実行せずに、S146の処理を実行する。
【0135】
管理クライアントアプリ35aは、対象タスクの再実行が可能ではないことをS201において確認すると、タスク状態管理情報34cにおいて対象タスクのタスク状態を「Failed」に変更する(S208)。
【0136】
次いで、管理クライアントアプリ35aは、対象タスクのタスク状態の更新を管理サーバー20に指示する(S209)。この指示には、タスクIDとして対象タスクのタスクIDが含まれているとともに、タスク状態として「Failed」が含まれている。
【0137】
管理サーバー20の管理サーバーアプリ25aは、S209における指示を受けると、指示に含まれるタスクIDのタスクのタスク状態を「Failed」に更新する(S210)。
【0138】
管理サーバーアプリ25aは、S210における更新の完了を管理クライアント30に通知する(S211)。
【0139】
管理クライアント30の管理クライアントアプリ35aは、S211における通知を受けると、対象タスクをタスク状態管理情報34cから削除する(S212)。
【0140】
次に、タスク管理情報24cのタスク状態を設定する場合の管理サーバー20の動作について説明する。
【0141】
図16は、タスク管理情報24cのタスク状態を設定する場合の管理サーバー20の動作のフローチャートである。
【0142】
管理サーバー20の管理サーバーアプリ25aは、タスク管理情報24cにタスクが登録されると、登録されたタスク毎に
図16に示す動作を実行する。
【0143】
以下、
図16に示す動作の説明において、
図16に示す動作の対象のタスクを対象タスクという。
【0144】
図16に示すように、管理サーバーアプリ25aは、タスク管理情報24cにおいて対象タスクのタスク状態が空欄であるか否かを判断する(S221)。
【0145】
管理サーバーアプリ25aは、タスク管理情報24cにおいて対象タスクのタスク状態が空欄であるとS221において判断すると、管理サーバー20上で対象タスクがキャンセルされたか否かを判断する(S222)。
【0146】
管理サーバーアプリ25aは、管理サーバー20上で対象タスクがキャンセルされたとS222において判断すると、タスク状態を「Canceled」に設定して(S223)、
図16に示す動作を終了する。
【0147】
管理サーバーアプリ25aは、管理サーバー20上で対象タスクがキャンセルされていないとS222において判断すると、タスク管理情報24cにおける対象タスクの指定開始日時から特定の時間が経過したか否かを判断する(S224)。
【0148】
管理サーバーアプリ25aは、タスク管理情報24cにおける対象タスクの指定開始日時から特定の時間が経過したとS224において判断すると、タスク状態を「Failed」に設定して(S225)、
図16に示す動作を終了する。
【0149】
管理サーバーアプリ25aは、タスク管理情報24cにおける対象タスクの指定開始日時から特定の時間が経過していないとS224において判断すると、管理クライアント30からタスク状態の更新が指示されたか否かを判断する(S226)。
【0150】
管理サーバーアプリ25aは、管理クライアント30からタスク状態の更新が指示されたとS226において判断すると、タスク状態を指示通りに更新する(S227)。S227の処理は、S162、S166、S171、S184、S204およびS210の処理に該当する。
【0151】
管理サーバーアプリ25aは、S227の処理の後、タスク状態が「Successful」または「Failed」であるか否かを判断する(S228)。
【0152】
管理サーバーアプリ25aは、タスク状態が「Successful」または「Failed」であるとS228において判断すると、
図16に示す動作を終了する。
【0153】
管理サーバーアプリ25aは、管理クライアント30からタスク状態の更新が指示されなかったとS226において判断するか、タスク状態が「Successful」および「Failed」のいずれでもないとS228において判断すると、S221の処理を実行する。
【0154】
管理サーバーアプリ25aは、タスク管理情報24cにおいて対象タスクのタスク状態が空欄ではないとS221において判断すると、タスク状態が「Processing」であるか否かを判断する(S229)。
【0155】
管理サーバーアプリ25aは、タスク状態が「Processing」であるとS229において判断すると、管理クライアント30からタスク状態の更新が前回指示されてから特定の時間が経過したか否かを判断する(S230)。
【0156】
管理サーバーアプリ25aは、タスク状態が「Processing」ではないとS229において判断するか、管理クライアント30からタスク状態の更新が前回指示されてから特定の時間が経過していないとS230において判断すると、S226の処理を実行する。
【0157】
管理サーバーアプリ25aは、管理クライアント30からタスク状態の更新が前回指示されてから特定の時間が経過したとS230において判断すると、タスク状態を「Failed」に設定して(S225)、
図16に示す動作を終了する。
【0158】
管理クライアント30からタスク状態の更新が指示されると(S226でYES)、タスク状態を指示通りに更新する(S227)ので、タスク管理情報24cにおいて対象タスクのタスク状態が空欄である(S221でYES)ということは、管理クライアント30からタスク状態の更新が指示されてないということである。管理サーバーアプリ25aは、指定開始日時から特定の時間が経過しても(S224でYES)、管理クライアント30からタスク状態の更新が指示されない場合、例えば管理クライアント30が正常に機能していない可能性がある。したがって、管理サーバーアプリ25aは、タスク状態を「Failed」に設定して(S225)、タスクを完了させる。
【0159】
タスク状態が「Processing」である場合(S162)、管理クライアント30からタスク状態の更新が頻繁に指示される(S166)はずである。管理サーバーアプリ25aは、タスク状態が「Processing」である場合(S229でYES)に、管理クライアント30からタスク状態の更新が前回指示されてから特定の時間が経過しているとき(S230でYES)、例えば管理クライアント30が正常に機能していない可能性がある。したがって、管理サーバーアプリ25aは、タスク状態を「Failed」に設定して(S225)、タスクを完了させる。
【0160】
以上においては、1つのタスクの実行対象の画像形成装置が1つである場合について説明している。しかしながら、1つのタスクの実行対象の画像形成装置が複数でも良い。1つのタスクの実行対象の画像形成装置が複数である場合、以上に説明した動作において、タスク単位で扱われていた部分は、タスクおよび画像形成装置の組み合わせ単位で扱われる。ただし、タスク状態管理情報34cからのタスクの削除に関しては、タスクおよび画像形成装置の組み合わせ単位で削除されるのではなく、タスク単位で削除されても良い。
【0161】
なお、管理サーバーアプリ25aは、装置管理情報24bおよびタスク管理情報24cに基づいて、各種の情報を表示部22または図示していないコンピューターの表示部に表示することができる。
図17は、実行対象の画像形成装置がそれぞれ1つである複数のタスクを示す画面の例である。
図18は、実行対象の画像形成装置が複数であるタスクを含む複数のタスクを示す画面の例である。
図17および
図18において、「Operation type」、「Task name」、「Serial number」、「Status」、「Created by」は、それぞれ、タスク種別、タスク名、シリアルナンバー、タスク状態、タスク作成者を示している。
【0162】
図18において、「Task name」が「Test upgrade」であるタスクが、実行対象の画像形成装置が複数であるタスクである。
図18における「2devices」は、「Task name」が「Test upgrade」であるタスクの実行対象の画像形成装置が2つであることを示している。「Task name」が「Test upgrade」であるタスクは、画像形成装置毎のタスク状態を示すだけでなく、タスク全体のタスク状態も示している。タスク全体のタスク状態は、画像形成装置毎のタスク状態に「Processing」が1つでも存在すると、「Processing」に設定される。
【0163】
以上に説明したように、遠隔操作システム10aは、タスクに含まれる指定開始日時によって管理クライアント30がタスクをスケジューリングする(S124)ので、管理クライアント30による画像形成装置に対する操作を従来より適切なタイミングで実行することができる。
【0164】
遠隔操作システム10aは、他のタスクが画像形成装置に対して実行中または実行待機中である場合に、この画像形成装置に対する管理クライアント30によるタスクの実行を待機する(S181)ので、タスクの実行が失敗する可能性を低減することができる。
【0165】
遠隔操作システム10aにおいて、管理クライアント30は、タスク状態が変化した場合にタスク状態の更新を管理サーバー20に指示し(S161、S165、S170、S183、S203およびS209)、管理サーバー20は、タスク管理情報24cにおけるタスク状態を管理クライアント30からの指示通りに更新する(S162、S166、S171、S184、S204、S210およびS227)。したがって、遠隔操作システム10aは、管理サーバー20の利用者にタスク状態を把握させることができる。
【0166】
遠隔操作システム10aにおいて、管理サーバー20は、指定開始日時から特定の時間が経過しても(S224でYES)、管理クライアント30からタスク状態の更新が指示されない場合(S226でNOS)、タスク管理情報24cにおけるタスク状態を、タスクの実行が失敗した状態にする(S225)。したがって、遠隔操作システム10aは、例えば管理クライアント30が正常に機能していないなど、何らかの不具合が生じている場合に、タスクの実行が失敗したことを管理サーバー20の利用者に把握させることができる。
【0167】
遠隔操作システム10aにおいて、管理クライアント30は、タスクの実行中にこのタスクのタスク状態の更新を定期的に管理サーバー20に指示し(S166)、管理サーバー20は、タスク管理情報24cにおけるタスク状態がタスクを実行している状態である場合(S229でYES)に、管理クライアント30からタスク状態の更新が前回指示されてから特定の時間が経過しているとき(S230でYES)、タスク管理情報24cにおけるタスク状態を、タスクの実行が失敗した状態にする(S225)。したがって、遠隔操作システム10aは、例えば管理クライアント30が正常に機能していないなど、何らかの不具合が生じている場合に、タスクを実行している状態であるという誤解を管理サーバー20の利用者に与える可能性を低減することができるとともに、タスクの実行が失敗したことを管理サーバー20の利用者に把握させることができる。
【0168】
遠隔操作システム10aにおいて、管理クライアント30は、実行対象の画像形成装置が複数であるタスクに対してタスク状態の更新を画像形成装置毎に指示し、タスク管理情報24cは、
図4に示すように、タスクおよび画像形成装置の組み合わせ毎のタスク状態を含む。したがって、遠隔操作システム10aは、
図18に示すように、タスクおよび画像形成装置の組み合わせ毎のタスク状態を管理サーバー20の利用者に把握させることができるので、利便性を向上することができる。
【0169】
管理クライアント30は、本実施の形態において、ネットワーク12上に配置されている画像形成装置とは異なる装置である。しかしながら、ネットワーク12上に配置されている画像形成装置のいずれかが管理クライアントとして機能しても良い。
【0170】
本発明の電子機器は、本実施の形態において画像形成装置であるが、例えばPCなど、画像形成装置以外の装置でも良い。
【符号の説明】
【0171】
10a 遠隔操作システム
20 管理サーバー
24c タスク管理情報
30 管理クライアント(コンピューター)
34a 管理クライアントアプリケーションプログラム(管理クライアントプログラム)
40 画像形成装置(電子機器)