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特許7360115情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-03
(45)【発行日】2023-10-12
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20231004BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20231004BHJP
   G06T 3/00 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
G06T7/00 640
G06T7/00 350B
G06T1/00 285
G06T3/00 775
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022066540
(22)【出願日】2022-04-13
【審査請求日】2022-05-19
(73)【特許権者】
【識別番号】518301154
【氏名又は名称】株式会社Ridge-i
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】畠山 湧
(72)【発明者】
【氏名】柳原 尚史
【審査官】新井 則和
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/209076(WO,A1)
【文献】特開2021-089717(JP,A)
【文献】国際公開第2019/003355(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第113473038(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0124969(US,A1)
【文献】国際公開第2022/031228(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0295509(US,A1)
【文献】特開2019-144607(JP,A)
【文献】特開2021-137344(JP,A)
【文献】特開2020-198004(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00-7/90
G06T 1/00
G06T 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工衛星で撮像した衛星画像情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得した衛星画像情報が、複数の解析モデルそれぞれで異なる解析条件に適合しているかを判定する判定部と、
複数の解析モデルそれぞれで異なる解析条件のうち、前記判定部によって適合していないと判定された解析条件に対応する解析モデルが選択される場合、前記取得部によって取得した衛星画像情報を当該解析条件に適合させて画像情報を得る処理部と、
前記処理部によって適合処理が行われた画像情報を、選択された解析モデルに基づいて解析する解析部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記処理部は、解析条件に適合させる処理として、アフィン変換処理、衛星画像情報の解像度を変更する処理、衛星画像情報に記録される被写体の傾きを調整する処理、衛星画像情報の画像中に記録される被写体の色調を調整する処理、衛星画像情報に記録される画像の解析範囲を調整する処理、及び、衛星画像情報の画像からの興味領域(解析対象領域)の切り取り変換処理のうち、少なくとも1つの処理を行う
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記解析部は、前記判定部によって衛星画像情報が解析条件に適合すると判定した場合、衛星画像情報を解析モデルに基づいて解析する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記解析部は、解析モデルに基づく解析として、画像情報と、その画像情報に記録される注目項目とを学習した学習済モデルに基づいて、画像情報に記録される注目項目について推定を行う
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
コンピュータが、
人工衛星で撮像した衛星画像情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップによって取得した衛星画像情報が、複数の解析モデルそれぞれで異なる解析モデルの解析条件に適合しているかを判定する判定ステップと、
複数の解析モデルそれぞれで異なる解析条件のうち、前記判定ステップによって適合していないと判定された解析条件に対応する解析モデルが選択される場合、前記取得ステップによって取得した衛星画像情報を解析条件に適合させて画像情報を得る処理ステップと、
前記処理ステップによって適合処理が行われた画像情報を、選択された解析モデルに基づいて解析する解析ステップと、
を実行する情報処理方法。
【請求項6】
コンピュータに、
人工衛星で撮像した衛星画像情報を取得する取得機能と、
前記取得機能によって取得した衛星画像情報が、複数の解析モデルそれぞれで異なる解析モデルの解析条件に適合しているかを判定する判定機能と、
複数の解析モデルそれぞれで異なる解析条件のうち、前記判定機能によって適合していないと判定された解析条件に対応する解析モデルが選択される場合、前記取得機能によって取得した衛星画像情報を解析条件に適合させて画像情報を得る処理機能と、
前記処理機能によって適合処理が行われた画像情報を、選択された解析モデルに基づいて解析する解析機能と、
を実現させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
衛星画像を解析することにより、樹木の種類を推定する推定方法が存在する(特許文献1参照)。その推定方法は、解析対象の地表を撮影した衛星画像を取得し、樹種推定モデルを利用してその衛星画像に記録される樹木の樹種を推定する。すなわち、その推定方法では、樹種の推定に適した推定モデルを作成することにより、衛星画像に記録される樹木の樹種を推定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-144607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1に記載された推定方法は、樹種の推定に適した推定モデルを利用する。しかしながら、衛星画像は、種々の目的に応じて種々の解析が行われる。各推定では、例えば、推定内容(推定モデル)毎に推定条件が変わる場合がある。このため、衛星画像を推定モデルに入力した場合でも、推定モデルの推定条件によっては適切な推定を行うことができない恐れがあった。なお、「推定」は、「解析」と言う場合もある。
【0005】
本開示は、衛星画像情報について解析を行うことが可能な情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様の情報処理装置は、人工衛星で撮像した衛星画像情報を取得する取得部と、取得部によって取得した衛星画像情報が、解析モデルの解析条件に適合しているかを判定する判定部と、判定部によって解析条件に適していないと判定された場合、取得部によって取得した衛星画像情報を解析条件に適合させて画像情報を得る処理部と、処理部によって適合処理が行われた画像情報を、解析モデルに基づいて解析する解析部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
一態様によれば、衛星画像情報が解析モデルの解析条件に適合していないと判定された場合、その衛星画像情報を解析条件に適合させて得た画像情報を解析モデルに基づいて解析することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る情報処理装置について説明するための図である。
図2】一実施形態に係る情報処理装置について説明するためのブロック図である。
図3】一実施形態に係る情報処理方法について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態について説明する。
【0010】
[情報処理装置1の概要]
まず、一実施形態に係る情報処理装置1の概要について説明する。
図1は、一実施形態に係る情報処理装置1について説明するための図である。
【0011】
情報処理装置1は、例えば、人工衛星100で撮像した衛星画像情報を、解析モデルを利用して解析する際の解析条件に適合させる適合装置等として構成されてもよい。また、情報処理装置1は、衛星画像情報を、解析モデルを利用して解析する解析装置等として構成されてもよい。情報処理装置1は、上述した一例の装置に限らず、種々の装置等を構成してもよい。
情報処理装置1は、例えば、サーバ、デスクトップ、ラップトップ、タブレット及びスマートフォン等のコンピュータであってもよい。
【0012】
情報処理装置1は、人工衛星100で撮像した衛星画像情報を取得する。情報処理装置1は、その衛星画像情報が解析モデルの解析条件に適合しているかを判定する。解析条件は、例えば、解析モデルを利用して衛星画像情報を解析する際の画像解析の条件等であってもよい。解析条件の具体的な一例は、解析モデルに入力される衛星画像情報のサイズ(例えば、解像度等)、衛星画像情報の画像中に記録される被写体の向き(例えば、被写体の傾き具合等)、衛星画像情報の画像中に記録される被写体の色調、衛星画像情報の被写体を解析する際の解析範囲(例えば、衛星画像において被写体の解析を行う画像範囲等)、及び、衛星画像情報の画像のうち興味領域の切り取り変換(例えば、解析対象領域のトリミング、又は、解析対象領域以外の領域のマスク等)等に関する条件であってもよい。
【0013】
情報処理装置1は、衛星画像情報が解析条件に適合していないと判定された場合、衛星画像情報を解析条件に適合させる処理(適合処理)を行って画像情報を得る。情報処理装置1は、例えば、適合処理として、アフィン変換等を行ってもよい。また、適合処理の具体的な一例は、衛星画像情報のサイズを変更する処理、衛星画像情報の画像中に記録される被写体の向きを変更する処理、衛星画像情報の画像中に記録される被写体の色調を調整する処理、解析モデルを利用して解析を行う際の解析範囲を設定する処理、及び、衛星画像情報の画像からの興味領域(解析対象領域)の切り取り変換処理等のうち、少なくとも1つの処理であってもよい。
情報処理装置1は、適合処理後の画像情報を解析モデルに基づいて解析する。解析モデルは、画像情報に記録される種々の被写体を解析するためのモデル等であってもよい。
【0014】
[情報処理装置1の詳細]
次に、一実施形態に係る情報処理装置1の詳細について説明する。
図2は、一実施形態に係る情報処理装置1について説明するためのブロック図である。
【0015】
情報処理装置1は、例えば、通信部21、記憶部22、表示部23及び制御部11等を備える。通信部21、記憶部22及び表示部23は、出力部の一実施形態であってもよい。制御部11は、例えば、取得部12、判定部13、処理部14、解析部15及び出力制御部16等を備える。制御部11は、例えば、情報処理装置1の演算処理装置等によって構成されてもよい。制御部11(例えば、演算処理装置等)は、例えば、記憶部22等に記憶される各種プログラム等を適宜読み出して実行することにより、各部(例えば、取得部12、判定部13、処理部14、解析部15及び出力制御部16等)の機能を実現してもよい。
【0016】
通信部21は、例えば、情報処理装置1の外部にある装置(外部装置)等との間で種々の情報の送受信が可能である。この場合の外部装置は、例えば、人工衛星100及びサーバ200(図1参照)、並びに、ユーザ端末(図示せず)等であってもよい。
【0017】
記憶部22は、例えば、種々の情報及びプログラムを記憶してもよい。記憶部22の一例は、メモリ、ソリッドステートドライブ及びハードディスクドライブ等であってもよい。なお、記憶部22は、例えば、クラウド上にある記憶領域及びサーバ等であってもよい。
【0018】
表示部23は、例えば、種々の文字、記号及び画像等を表示することが可能である。
【0019】
取得部12は、人工衛星100で撮像した衛星画像情報を取得する。
取得部12は、例えば、通信部21を介して衛星画像情報を取得してもよい。この場合、取得部12は、例えば、人工衛星100から衛星画像情報を取得してもよい。又は、取得部12は、例えば、人工衛星100で撮像された画像がサーバ200に蓄積される場合には、そのサーバ200から衛星画像情報を取得してもよい。
取得部12は、上述した一例に限らず、種々の方法により衛星画像情報を取得してもよい。すなわち、取得部12は、通信部21を介して衛星画像情報を取得する一例に限らず、種々の方法により(例えば、種々の記録媒体等を利用する等)衛星画像情報を取得してもよい。
【0020】
判定部13は、取得部12によって取得した衛星画像情報が、解析モデルの解析条件に適合しているかを判定する。解析モデルは、例えば、機械学習及び深層学習等を利用して解析を行うモデルであってもよい。解析モデルの一例は、学習済モデル等であってもよい。
解析条件は、例えば、学習済モデルに入力する画像情報の条件(入力条件)等であってもよい。解析条件の具体的な一例は、上述したように、解析モデルに入力される衛星画像情報のサイズ(例えば、解像度等)、衛星画像情報の画像中に記録される被写体の向き(例えば、被写体の傾き具合等)、衛星画像情報の画像中に記録される被写体の色調、衛星画像情報の被写体を解析する際の解析範囲(例えば、衛星画像において被写体の解析を行う画像範囲等)、及び、衛星画像情報の画像のうち興味領域(解析対象領域)等に関する条件であってもよい。
解析条件は、例えば、解析モデルに対応付けて、解析条件情報として記憶部に記憶されていてもよい。一例として、判定部は、記憶部に記憶される解析条件情報を参照し、衛星画像情報が解析モデルの解析条件に適合しているかを判定してもよい。
なお、解析条件は、上述した一例に限らず、解析を行う際に必要となる種々の条件等であってもよい。すなわち、解析条件は、例えば、後述する解析部15において解析を行う際の衛星画像情報(又は、画像情報)に関する種々の条件であってもよく、解析に関する種々の条件であってもよい。
【0021】
また、後述する解析部15は、例えば、衛星画像情報に基づいて、種々の解析を行ってもよい。この場合、解析部15は、例えば、複数の解析内容それぞれに応じた解析モデルを利用してもよい。すなわち、解析部15は、例えば、解析内容に応じて、複数の解析モデルの中から選択される少なくとも1つの解析モデルを利用して、衛星画像情報(又は、画像情報)の解析を行ってもよい。
この場合、判定部13は、衛星画像情報が、複数の解析モデルのうち選択された解析モデルの解析条件に適合するかを判定してもよい。すなわち、判定部13は、例えば、解析部15によって行われる解析内容に応じて選択される少なくとも1つの解析モデルの解析条件に、衛星画像情報が適合しているかを判定してもよい。
【0022】
処理部14は、判定部13によって解析条件に適合していないと判定された場合、取得部12によって取得した衛星画像情報を解析条件に適合させて画像情報を得る。処理部14は、解析条件に適合させる処理の具体的な一例として、アフィン変換処理、衛星画像情報の解像度を変更する処理、衛星画像情報に記録される被写体の傾きを調整する処理、衛星画像情報の画像中に記録される被写体の色調を調整する処理、衛星画像情報に記録される画像の解析範囲を調整する処理、及び、衛星画像情報の画像からの興味領域(解析対象領域)の切り取り変換処理のうち、少なくとも1つの処理を行ってもよい。
【0023】
アフィン変換処理は、例えば、衛星画像情報の画像の拡大縮小、回転及び平行移動等を始めとする処理であってもよい。
衛星画像情報の解像度を変更する処理は、例えば、衛星画像情報のサイズを変更する処理等であってもよい。
衛星画像情報に記録される被写体の傾きを調整する処理は、例えば、衛星画像情報の画像中に記録される被写体の向きを変更する処理等であってもよい。
衛星画像情報の画像中に記録される被写体の色調を調整する処理は、例えば、画像の色の濃淡、明暗及び強弱等を始めとする色の見え方の種々の調整等であってもよい。
衛星画像情報に記録される画像の解析範囲を調整する処理は、例えば、解析モデルを利用して解析を行う際の解析範囲を設定する処理等であってもよい。
衛星画像情報の画像からの興味領域(解析対象領域)の切り取り変換処理は、例えば、衛星画像情報の画像のうち解析対象となる興味領域を切り出すトリミング処理、又は、興味領域を除く他の領域を覆うマスク処理等であってもよい。
なお、処理部14における適合処理は、上述した一例に限らず、衛星画像情報について種々の調整を加える処理等であってもよい。すなわち、適合処理は、例えば、後述する解析部15において解析を行うことができるように、衛星画像情報に対して種々の調整を加える処理等であってもよい。種々の調整の一例は、衛星画像情報のフォーマット(データ形式)の変換等であってもよい。
【0024】
解析部15は、処理部14によって適合処理が行われた画像情報を、解析モデルに基づいて解析する。解析モデルは、例えば、機械学習及び深層学習等を利用して解析を行うモデルであってもよい。解析モデルの一例は、学習済モデル等であってもよい。したがって、解析部15は、学習済モデルと、画像情報とに基づいて、その画像情報について推定(解析)を行ってもよい。具体的な一例として、解析部15は、解析モデルに基づく解析として、画像情報と、その画像情報に記録される注目項目とを学習した学習済モデルに基づいて、適合処理後の画像情報に記録される注目項目について推定を行ってもよい。
【0025】
学習済モデルは、例えば、画像情報と、その画像に記録される注目項目とを学習することにより生成される。この場合、制御部11を構成する学習部(図示せず)は、例えば、上述した学習を行うことにより学習済モデルを生成してもよい。又は同様に、情報処理装置1の外部にある学習装置(図示せず)は、例えば、上述した学習を行うことにより学習済モデルを生成してもよい。なお、学習済モデルは、例えば、記憶部22に記憶されてもよい。解析部15は、例えば、学習部、学習装置又は記憶部22から学習済モデルを受け付けてもよい。
注目項目は、例えば、解析により得ようとする内容であり、解析対象と言ってもよい。注目項目は、例えば、解析の内容によって種々のものが設定される。注目項目の一例は、雲、土壌、鉱物、植物、及び、水等の海洋状況等を始めとする種々の項目であってもよい。また、注目項目の一例は、建物及び車両等を始めとする種々の人工物等であってもよい。
【0026】
この場合、解析部15は、解析内容に応じて選択された解析モデルに基づいて画像情報を解析してもよい。すなわち、解析部15は、例えば、判定部13によって解析条件に適合しているかの判定対象となる解析モデル(例えば、選択された解析モデル等)を利用して、画像情報を解析してもよい。
【0027】
なお、解析部15は、判定部13によって衛星画像情報が解析条件に適合すると判定した場合、衛星画像情報を解析モデルに基づいて解析してもよい。この場合、解析部15は、例えば、上述した画像情報の解析と同様に、衛星画像情報についても解析を行ってもよい。一例として、解析部15は、解析モデルに基づく解析として、画像情報と、その画像情報に記録される注目項目とを学習した学習済モデルに基づいて、衛星画像情報に記録される注目項目について推定を行ってもよい。
【0028】
出力制御部16は、例えば、判定部13による判定結果を出力するよう出力部を制御してもよい。また、出力制御部16は、例えば、処理部14による適合処理後の画像情報を出力するよう出力部を制御してもよい。また、出力制御部16は、例えば、解析部15による解析結果を出力するよう出力部を制御してもよい。ここで、出力部は、例えば、通信部21、記憶部22及び表示部23等であってもよい。
【0029】
すなわち、出力制御部16は、例えば、判定部13による判定結果、処理部14による適合処理後の画像情報、及び、解析部15による解析結果のグループから選択される少なくとも1つに関する情報を情報処理装置1の外部(外部装置)(図示せず)に送信するよう通信部21を制御してもよい。この場合の外部装置の一例は、サーバ及びユーザ端末等であってもよい。ユーザ端末は、例えば、情報処理装置1のユーザが使用する端末であり、具体的な一例として、デスクトップ、ラップトップ、タブレット及びスマートフォン等であってもよい。
また、出力制御部16は、例えば、判定部13による判定結果、処理部14による適合処理後の画像情報、及び、解析部15による解析結果のグループから選択される少なくとも1つに関する情報を記憶するよう記憶部22を制御してもよい。
また、出力制御部16は、例えば、判定部13による判定結果、処理部14による適合処理後の画像情報、及び、解析部15による解析結果のグループから選択される少なくとも1つを表示するよう表示部23を制御してもよい。
【0030】
[情報処理方法]
次に、一実施形態に係る情報処理方法について説明する。
図3は、一実施形態に係る情報処理方法について説明するためのフローチャートである。
【0031】
ステップST101において、取得部12は、人工衛星100で撮像した衛星画像情報を取得する。
【0032】
ステップST102において、判定部13は、ステップST101で取得した衛星画像情報が、解析モデルの解析条件に適合しているかを判定する。この場合、判定部13は、衛星画像情報が、複数の解析モデルのうち選択された解析モデルの解析条件に適合するかを判定してもよい。衛星画像情報が解析条件に適合していない場合(No)には、処理は、ステップST103に進む。衛星画像情報が解析条件に適合している場合(Yes)には、処理は、ステップST104に進む。
【0033】
ステップST103において、処理部14は、ステップST103で解析条件に適合していないと判定された場合(Noの場合)、ステップST101で取得した衛星画像情報を解析条件に適合させて画像情報を得る。処理部14は、解析条件に適合させる処理の具体的な一例として、衛星画像情報の解像度を変更する処理、衛星画像情報に記録される被写体の傾きを調整する処理、及び、衛星画像情報に記録される画像の解析範囲を調整する処理のうち、少なくとも1つの処理を行ってもよい。
【0034】
ステップST104において、解析部15は、ステップST103で適合処理が行われた画像情報を、解析モデルに基づいて解析する。この場合、解析部15は、解析モデルに基づく解析として、画像情報と、その画像情報に記録される注目項目とを学習した学習済モデルに基づいて、適合処理後の画像情報に記録される注目項目について推定を行ってもよい。また、解析部15は、解析内容に応じて選択された解析モデルに基づいて画像情報を解析してもよい。
【0035】
解析部15は、ステップST102で衛星画像情報が解析条件に適合すると判定した場合(Yesの場合)、上述した画像情報の解析と同様に、衛星画像情報を解析モデルに基づいて解析してもよい。この場合について上述した画像情報の解析と同様に、解析部15は、例えば、解析モデルに基づく解析として、画像情報と、その画像情報に記録される注目項目とを学習した学習済モデルに基づいて、衛星画像情報に記録される注目項目について推定を行ってもよい。また、解析部15は、解析内容に応じて選択された解析モデルに基づいて衛星画像情報を解析してもよい。
【0036】
上述した処理の後、出力制御部16は、例えば、ステップST102の判定結果、ステップST103での適合処理後の画像情報、及び、ステップST104の解析結果のグループから選択される少なくとも1つを出力するよう出力部を制御してもよい。ここで、出力部は、例えば、通信部21、記憶部22及び表示部23等であってもよい。
【0037】
上述した情報処理装置1の各部は、コンピュータの演算処理装置等の機能として実現されてもよい。すなわち、情報処理装置1の取得部12、判定部13、処理部14、解析部15及び出力制御部16(制御部11)は、コンピュータの演算処理装置等による取得機能、判定機能、処理機能、解析機能及び出力制御機能(制御機能)としてそれぞれ実現されてもよい。
情報処理プログラムは、上述した各機能をコンピュータに実現させることができる。情報処理プログラムは、例えば、メモリ、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブ又は光ディスク等の、コンピュータで読み取り可能な非一時的な記録媒体等に記録されていてもよい。記録媒体は、例えば、非一時的なコンピュータ可読媒体と言い換えてもよい。
また、上述したように、情報処理装置1の各部は、コンピュータの演算処理装置等で実現されてもよい。その演算処理装置等は、例えば、集積回路等によって構成される。このため、情報処理装置1の各部は、演算処理装置等を構成する回路として実現されてもよい。すなわち、情報処理装置1の取得部12、判定部13、処理部14、解析部15及び出力制御部16(制御部11)は、コンピュータの演算処理装置等を構成する取得回路、判定回路、処理回路、解析回路及び出力制御回路(制御回路)として実現されてもよい。
また、情報処理装置1の通信部21、記憶部22及び表示部23(出力部)は、例えば、演算処理装置等の機能を含む通信機能、記憶機能及び表示機能(出力機能)として実現されもよい。また、情報処理装置1の通信部21、記憶部22及び表示部23(出力部)は、例えば、集積回路等によって構成されることにより通信回路、記憶回路及び表示回路(出力回路)として実現されてもよい。また、情報処理装置1の通信部21、記憶部22及び表示部23(出力部)は、例えば、複数のデバイスによって構成されることにより通信装置、記憶装置及び表示装置(出力装置)として構成されてもよい。
【0038】
情報処理装置1は、上述した複数の各部のうち1又は任意の複数を組み合わせることが可能である。
本開示では、「情報」の文言を使用しているが、「情報」の文言は「データ」と言い換えることができ、「データ」の文言は「情報」と言い換えることができる。
情報処理装置1は、衛星画像情報に限定されず、種々のカメラで生成される画像情報を取得し、解析条件に適合しているかを判定してもよい。
【0039】
[本実施形態の態様及び効果]
次に、本実施形態の一態様及び各態様が奏する効果について説明する。なお、本実施形態は以下に記載する各態様に限定されることはなく、上述した各部を適宜組み合わせて実現されてもよい。また、下位の態様は、それよりも上位の態様のいずれでも引用できる場合がある。
また、以下に記載する効果は一例であり、各態様が奏する効果は以下に記載するものに限定されることはない。また、各態様は、例えば、以下に記載する少なくとも1つの効果を奏してもよい。
【0040】
(態様1)
一態様の情報処理装置は、人工衛星で撮像した衛星画像情報を取得する取得部と、取得部によって取得した衛星画像情報が、解析モデルの解析条件に適合しているかを判定する判定部と、判定部によって解析条件に適合していないと判定された場合、取得部によって取得した衛星画像情報を解析条件に適合させて画像情報を得る処理部と、処理部によって適合処理が行われた画像情報を、解析モデルに基づいて解析する解析部と、を備える。
すなわち、情報処理装置は、衛星画像情報が解析モデルの解析条件に適合しない場合には、衛星画像情報を解析条件に適合するよう処理を行うことにより、衛星画像情報に基づいて(衛星画像情報に基づく画像情報について)解析を行うことができる。
これにより、情報処理装置は、複数の解析モデルが存在し、その解析モデルの解析条件が異なる場合でも、それらの解析モデルを利用して解析を行うことができる。また、情報処理装置は、相対的に多数の解析モデルが存在するため、衛星画像情報について多種多様な解析を行うことができる。
また、情報処理装置は、衛星画像情報を解析するための専用の解析モデルばかりでなく、適合処理を行うことにより、衛星画像解析専用ではない一般用の画像用の解析モデルを利用して、解析を行うことができる。
【0041】
(態様2)
一態様の情報処理装置では、判定部は、衛星画像情報が、複数の解析モデルのうち選択された解析モデルの解析条件に適合するかを判定し、解析部は、選択された解析モデルに基づいて画像情報を解析することとしてもよい。
これにより、情報処理装置は、複数の解析モデルの中から選択した解析モデルを利用して解析を行うので、衛星画像情報について多種多様な解析を行うことができる。
【0042】
(態様3)
一態様の情報処理装置では、処理部は、解析条件に適合させる処理として、アフィン変換処理、衛星画像情報の解像度を変更する処理、衛星画像情報に記録される被写体の傾きを調整する処理、衛星画像情報の画像中に記録される被写体の色調を調整する処理、衛星画像情報に記録される画像の解析範囲を調整する処理、及び、衛星画像情報の画像からの興味領域(解析対象領域)の切り取り変換処理のうち、少なくとも1つの処理を行うこととしてもよい。
これにより、情報処理装置は、解析モデルの解析条件に適合するように衛星画像情報に適合処理を加えることができ、解析モデルを利用して解析を行うことができる。
【0043】
(態様4)
一態様の情報処理装置では、解析部は、判定部によって衛星画像情報が解析条件に適合すると判定した場合、衛星画像情報を解析モデルに基づいて解析することとしてもよい。
すなわち、情報処理装置は、衛星画像情報が解析条件に適合する場合には、その衛星画像情報についても解析を行うことができる。
【0044】
(態様5)
一態様の情報処理装置では、解析部は、解析モデルに基づく解析として、画像情報と、その画像情報に記録される注目項目とを学習した学習済モデルに基づいて、画像情報に記録される注目項目について推定を行うこととしてもよい。
すなわち、情報処理装置は、学習済モデルを利用して多種多様な画像解析を行うことができる。
【0045】
(態様6)
一態様の情報処理方法では、コンピュータが、人工衛星で撮像した衛星画像情報を取得する取得ステップと、取得ステップによって取得した衛星画像情報が、解析モデルの解析条件に適合しているかを判定する判定ステップと、判定ステップによって解析条件に適合していないと判定された場合、取得ステップによって取得した衛星画像情報を解析条件に適合させて画像情報を得る処理ステップと、処理ステップによって適合処理が行われた画像情報を、解析モデルに基づいて解析する解析ステップと、を実行する。
これにより、情報処理方法は、上述した一態様の情報処理装置と同様の効果を奏することができる。
【0046】
(態様7)
一態様の情報処理プログラムは、コンピュータに、人工衛星で撮像した衛星画像情報を取得する取得機能と、取得機能によって取得した衛星画像情報が、解析モデルの解析条件に適合しているかを判定する判定機能と、判定機能によって解析条件に適合していないと判定された場合、取得機能によって取得した衛星画像情報を解析条件に適合させて画像情報を得る処理機能と、処理機能によって適合処理が行われた画像情報を、解析モデルに基づいて解析する解析機能と、を実現させる。
これにより、情報処理プログラムは、上述した一態様の情報処理装置と同様の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 情報処理装置
11 制御部
12 取得部
13 判定部
14 処理部
15 解析部
16 出力制御部
21 通信部
22 記憶部
23 表示部
100 人工衛星
200 サーバ
【要約】
【課題】衛星画像情報について解析を行うことが可能な情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置は、人工衛星で撮像した衛星画像情報を取得する取得部と、取得部によって取得した衛星画像情報が、解析モデルの解析条件に適合しているかを判定する判定部と、判定部によって解析条件に適していないと判定された場合、取得部によって取得した衛星画像情報を解析条件に適合させて画像情報を得る処理部と、処理部によって適合処理が行われた画像情報を、解析モデルに基づいて解析する解析部と、を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3