(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-03
(45)【発行日】2023-10-12
(54)【発明の名称】クッション体
(51)【国際特許分類】
A47C 27/00 20060101AFI20231004BHJP
B68G 7/06 20060101ALI20231004BHJP
A47C 27/14 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
A47C27/00 K
B68G7/06 B
B68G7/06 Z
A47C27/14 A
(21)【出願番号】P 2019128040
(22)【出願日】2019-07-10
【審査請求日】2022-07-01
(73)【特許権者】
【識別番号】501028194
【氏名又は名称】有限会社タキコウ縫製
(74)【代理人】
【識別番号】100099047
【氏名又は名称】柴田 淳一
(72)【発明者】
【氏名】滝川 進
【審査官】瀧本 絢奈
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-010573(JP,A)
【文献】特開2014-180460(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 27/00-27/22
B68G 7/06
A47G 9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋状の可撓性のある外皮内に、弾性を有し外力によって変形し外力がなくなることで原形状に復帰する性質の紐状あるいは棒状に加工
され長手方向に沿って角となった縁が延出されている長尺クッション材を、撓ませあるいは折り曲げて絡ませることで前記長尺クッション材同士がところどころで接触して三次元的に架橋した構造に造形されたクッション材構造体を収容し、前記クッション材構造体によって形成される空間内に粒状の充填材を収容したことを特徴とするクッション体。
【請求項2】
前記長尺クッション材は
長尺の直方体形状に構成されていることを特徴とする請求項1に記載のクッション体。
【請求項3】
前記長尺クッション材は
複数が絡んでクッション材構造体を構
成することを特徴とする請求項
1又は2に記載のクッション体。
【請求項4】
前
記クッション材
構造体は前記外皮内に収容する前に前記長尺クッション材を絡ませて造形されていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のクッション体。
【請求項5】
前記
粒状の充填材は前記外皮内に形成される空間内に充満されていることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のクッション体。
【請求項6】
前記
長尺クッション材は発泡性の素材をカットして形成さ
れることを特徴とする請求項1~
5のいずれかに記載のクッション体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人が座ったり、寄りかかったり、踏んだり等して使用するクッション体等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から袋状に立体縫製された可撓性のある外皮内に発泡プラスチック製の小球体の充填材を充填して使用する通常ビーズクッションと呼ばれるクッション体がある。このようなクッション体の一例を特許文献1に示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなクッション体は外皮の予定した立体形状を保つように外皮内部に充填材を充填して使用する。しかし、充填材を充填できる限界の100%近くまでいっぱいに充填してしまうと、実際の使用において人が座ったり寄りかかったりした場合に内部の容積が凹んで減少し、その結果外皮内部における充填材が自由に移動できるだけの容積的余裕がなくなり、充填材が移動できずに全体として硬く固まってしまい、クッションとして人の体を自在に変形しながら受け止めるという機能を果たさなくなってしまうことになってしまう。特に外皮が伸びにくい素材である場合にはそのような傾向が顕著である。
このような現象が生じるのは、クッション材としての発泡プラスチック製の小球体(ビーズ)の性質によるもので、例えばクッション材として使用される綿のような繊維と異なり素材として小球体の集まりであるため形状保持性が小さく、外力によって容易に移動してしまうためである。
そのため、従来からビーズクッションでは外皮内に小球体をいっぱいにはならないように、少なめに充填するようにしている。しかし、そのため従来では外皮内に容積的な余裕ができて自由な小球体の移動を許容できる一方で、小球体が内部空間に十分行き渡らないためクッション体が予定した立体形状を十分保持できないという課題が生じていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するための第1の手段として、袋状の可撓性のある外皮内に、弾性を有し外力によって変形し外力がなくなることで原形状に復帰する性質の紐状あるいは棒状に加工した長尺クッション材を、撓ませあるいは折り曲げて絡ませることで前記長尺クッション材同士がところどころで接触して三次元的に架橋した構造に造形されたクッション材構造体を収容し、前記クッション材構造体によって形成される空間内に粒状の充填材を収容した。
これによって、クッション材構造体によって外皮の立体形状が保持されることとなり、粒状の充填材による立体形状の保持を期待しなくともよくなる。一方、クッション材構造体の空間(隙間)に粒状の充填材が充填されることとなるため、荷重をかけた際にこの種の粒状の充填材を詰めたクッションの使用感覚を得ることができる。
【0006】
「袋状の可撓性のある外皮」はクッション体の立体形状の外観を構成し、折り曲げ自在で内部の充填材及びクッション材を包囲するものである。素材は特に問うものではないが、例えば織物や編み物や革で製造されていることがよく、そのための糸も木綿、麻のような自然素材でもよく、合成繊維であってもよい。また、織物や編み物ではなく例えばインフレーション成形、ブロー成形、カレンダー成形、真空成形等によって熱可塑性のプラスチックからなるシートとして外皮材料を形成しそれらを縫製したり接合位置を溶かして接着(溶着)したりするようにしてもよい。また、例えば、合成ゴムを含むエラストマーでもよい。もちろん、外皮材料は縫製や溶着をせずに使用してもよい。
「粒状の充填材」は、例えば発泡性のプラスチックからなる小球体や、プラスチックからなる長尺の棒体や筒体を小さくカットしたペレット体であることがよい。小球体はつぶれないような中実の発泡性のプラスチック、例えば発泡性ウレタンフォームがよい。本発明では粒状の充填材は多量の粒の集合体として外皮内に収容される。クッション体として多量の粒状の充填材が定位置を持たずに外皮内で自由な移動が可能な状態で収容されていれば粒の大きさは限定されるものではない。概ね0.5mm~5mm程度の径の大きさに収まるとよい。
「外力によって変形し外力がなくなることで原形状に復帰する性質のクッション材」は、クッション材として外力を加えた際に反発性を有しながら変形し、変形後、元の形状に戻ろうとする性質を持つことである。つまり、クッション材であるため外力で変形するが、変形したままではなく、原形に復帰することができる必要がある。このようなクッション材としては、例えば発泡性のプラスチック、例えば発泡性ウレタンフォーム、NRゴムスポンジ、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、シリコーンフォーム等様々な材料を用いることができる。
また、クッション材は紐状あるいは棒状に加工されている。このように加工することで撓ませあるいは折り曲げて容易に絡ませることができ、その結果長尺クッション材同士がところどころで接触して三次元的に架橋した構造をなすクッション材構造体を造形することができる。複数の長尺クッション材はすべて同じサイズでもよく、異なるサイズ(縦横の比率やその長さの、長手方向の長さ等)で構成した長尺クッション材を混在させてクッション材構造体を造形するようにしてもよい。
「クッション材構造体」は、長尺クッション材を、撓ませあるいは折り曲げて絡ませることで長尺クッション材同士がところどころで接触して三次元的に架橋した構造に造形された構造体である。摩擦で接触しているが、クッション材が弾性を有し変形して付勢状態で絡ませられているため、必ずしも外皮で包囲されていなくとも造形された形状を概ね保つことができる。クッション材が極めて滑らかな外面で構成される場合には外皮内に入れながらクッション材構造体を造形することがよい。
クッション材構造体は架橋されているため、内部に空間が形成される。空間は複雑に絡んだクッション材構造体内部にランダムな形状で構成される。この空間の体積は長尺クッション材自体の体積よりも大きな場合もある。
「架橋した構造」は、例えば絡ませた長尺クッション材が摩擦によって接触状態で保持されて長尺クッション材の不規則に絡まった束の状態である。長尺クッション材は外力で変形する性質であるため、絡ませる際に押動されて変形することで摩擦力や絡んだ部位の係合能力が向上する。ここでいう「架橋」は化学的に結合された構造ではなく、長尺クッション材が摩擦力や曲げられた際の付勢力や変形した部位の係合関係等による絡み合いよって架橋構造を造形することを意味する。接触部分は一部であるため橋を架け渡すような状態となるからである。長尺クッション材は1本でも複数でクッション材構造体を造形してもどちらでもよい。
【0007】
また、第2の手段として、前記長尺クッション材は不連続に角となった縁が長手方向に沿って延出されているようにした。
このような連続に角となった縁が長手方向に沿って延出されていると撓ませたり折り曲げてたりして絡ませ多彩に長尺クッション材同士がところどころで接触して三次元的に架橋した構造をなす際に角部分で接するとよく撓んで摩擦力が大きくなってクッション材構造体の形状がしっかりと保持されやすくなる。
また、第3の手段として、前記長尺クッション材は長尺の直方体形状に構成されているようにした。
4つの角が得られるため長尺クッション材を絡めた際にクッション材構造体の形状が造形されやすくなる。また板状の大判のクッション体を紐状あるいは棒状にカットすることでこのような直方体形状の長尺クッション材を簡単かつ低コストに得やすくなる。
【0008】
また、第4の手段として、前記長尺クッション材は複数が絡んでクッション材構造体を構成するようにした。
つまり、長尺クッション材は1本で構成されていても、複数本で構成されていても絡ませてクッション材構造体を構成することが可能であり、特に複数本で構成することがよい。複数本で構成する方が互いに交差する可能性が高くなって撓ませたり折り曲げたりしてクッション材構造体を造形しやすくなるためである。
また、第5の手段として、前記クッション材構造体は前記外皮内に収容する前に前記長尺クッション材を絡ませて造形されているようにした。
本発明ではもちろん長尺クッション材を外皮内に挿入しながら外皮内でクッション材構造体を構成してもよいが、このように前もって単独でクッション材構造体を造形するようにすれば、架橋構造状態を目視でしっかりと確認でき、前もって外皮の立体形状を考慮したクッション材構造体を造形しておくことができて有利である。
また、第6の手段として、前記粒状の充填材は前記外皮内に形成される空間内に充満されているようにした。
必ずしも充填材は外皮内部に充満させるように充填する必要はない。クッション材構造体によって形状をが概ね保持させることができるためである。もし充填材だけでクッション体内部に充満させる場合には上記のように荷重をかけると充填材が移動できずに全体として硬く固まってしまい、クッション体として好適ではなくなる。しかし、外皮内にクッション材構造体が収容されている場合には充填材が充満していても荷重がかかるとクッション体が変形して内部の容積に余裕ができることとなり、充填材の移動も可能となる。そのため、充填材はクッション体内部に充満させるようにしてもよくなる。また、充填材はクッション体内部に充満させることで外皮の本来の立体形状をしっかりと維持できるようになるためよい。尚、「クッション体内部に充満」とは充填材が外皮の充填材導入口から充填材がこぼれそうな程度、あるいは若干こぼれる程度まで収容されていれば充満といえる。空間とはクッション材構造体内部に形成される空間とクッション材構造体の周囲に形成される空間の2種類ある。
また、第7の手段として、前記長尺クッション材は発泡性の素材をカットして形成されるようにした。
これによって直方体形状の長尺クッション材を簡単かつ低コストに得やすくなる。また、カットすると発泡した面が外に現れるため、接触時の摩擦力が向上しクッション材構造体の形状が保たれやすい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、クッション材構造体によって外皮の立体形状が保持されることとなり、必ずしも粒状の充填材による立体形状の保持を期待しなくともよくなる。一方、クッション材構造体の空間に粒状の充填材が充填されることとなるため、荷重をかけた際に粒状の充填材を詰めたクッションの使用感覚を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一例である実施の形態のクッション体の構成材料である外皮内にクッションコード構造体を収容する作業を説明する説明図。
【
図3】(a)はクッションコード構造体を収容した外皮にビーズを入れる直前の説明図、(b)はクッションコード構造体を収容した外皮にビーズを入れ手居る状態の説明図。
【
図4】クッション体の内部の状態を説明する説明図。
【
図5】完成した実施の形態のクッション体の一部破断斜視図。
【
図6】他の実施の形態であって外皮内に内袋に収容したクッションコード構造体を収容する作業を説明する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施の形態1)
以下、本発明のクッション体の一実施の形態について図面に基づいて説明する。
まず、クッション体1を構成するための素材について説明する。
図1~
図4に示すように、
図5の完成したクッション体1は外皮2と、外皮内に封入される多数の長尺クッション材としての紐状のクッションコード4と、多数の充填材としての多数の小粒のビーズ5から構成されている。
図1に示すように、外皮2は2枚の布片2A、2Bを縫製することで構成されている。外皮2において布片2Aと布片2Bが隣接する箇所には収容口としての開閉可能なファスナー3が装着されている。本実施の形態ではファスナー3は1つだけで内容物であるクッションコード4とビーズ5はファスナー3を開閉して出し入れする。
外皮2内には内容物として
図2に示すような長尺クッション材としての紐状のクッションコード4をランダムに絡めたクッションコード構造体6が収容される。クッションコード4は発泡性ウレタンフォームのブロック状の塊を、まず板状にカットし、更に細くカットした外周に発泡性ウレタンの微細な孔が露出するような外観の紐状体である。本実施の形態ではカットされたクッションコード4の縦は5mm~20mm、横は10mm~30mm程度になるようにカットされ、長さは30cm~60cm程度にカットされたいくつかの異なるサイズのクッションコード4を混在させて使用する。
クッションコード構造体6用の複数のクッションコード4を例えば手作業でぐしゃぐしゃにかき回して相互に絡ませるようにする。クッションコード4は撓ませられたり折り曲げられたりしてクッションコード4同士が接触し、三次元的に架橋した構造に造形されたクッションコード構造体6が構築される。
図1に示すようにこのように造形されたクッションコード構造体6は開口させたファスナー3から収容される。クッションコード構造体6が収容された状態で外皮2は完成体であるクッション体1に比較的近い立体形状に保持されることとなる。
【0012】
外皮2内にクッションコード構造体6が収容された状態で開口させたファスナー3から発泡ポリスチレン製の充填材としての多数の小粒のビーズ5が充填される。
一例としてホッパ11による充填作業について説明する。
図3(a)及び(b)に示すように、ホッパ11は下部方向に延出された供給ノズル12を備えている。供給ノズル12には図示しないシャッターと、シャッターを操作するハンドル13が配設されており、作業者はこのハンドル13を操作してビーズの供給を調整する。
図3(a)のようにクッションコード構造体6が収容された外皮2のファスナー3を上側に向け、ファスナー3を開けるとともに、供給ノズル12下方に配置させ、
図3(b)のように供給ノズル12をファスナー3開口部から外皮2内に挿入させ、ハンドル13を回動させてシャッターを開けてビーズ5を外皮2内に導入する。すると、ビーズ5はクッションコード構造体6の架橋構造の空間内に流れていく。そして、外皮2内の空間いっぱいに充填したところでハンドル13を操作してシャッターを閉じ、供給ノズル12を外皮2から抜いてファスナー3を閉じるようにする。このとき、完成品であるクッション体1の内部は架橋構造の空間内にもビーズ5が充満し、
図4に示すように充満したビーズ5群にクッションコード4が埋もれているような状態となっている。
このようにビーズ5内にいっぱいに充填することでクッションコード構造体6だけの場合に比べ、外皮2の外観は緩みなくぴっちりと膨れており、外皮2を押した際の抵抗もクッションコード構造体6だけよりも大きくなる。
【0013】
このような構成の実施の形態のクッション体1では次のような効果が奏される。
(1)人が床面におかれたクッション体1に体を預けてクッション体1の上に荷重がかかった際には、その重さによる押圧力が外皮2を介してまずクッションコード構造体6とビーズ5にかかることとなる。その際にクッションコード4が押圧力によって変形することとなり、ビーズ5が移動できるだけの容積的な余裕が確保されることとなる。そのため外皮2の外観が緩みなくぴっちりと膨れる程度に十分な多くの量のビーズ5を外皮2内に収容させても(充満させても)ビーズ5群が全体として硬く固まってしまうことがなく、ビーズ5は押圧力の大きさや方向に応じて自由に移動することができることとなる。
また、従来のようなビーズだけでクッション体を構成する場合ではビーズが移動できるだけの容積的な余裕を確保するために、ビーズをいっぱいに入れられなかったため、荷重がかかっていない状態ではどうしても外皮は撓んでしまうが、このクッション体1はそのようなことがなくクッションとしての外観のボリューム感を保つことができる。
(2)三次元的に架橋した構造として外皮2内全体にクッションコード4が分散されることとなるため、クッション体1の上に荷重がかかった際には、クッション体1全体でその荷重を受けてクッション体1全体が撓むように荷重を分散することができ、クッション体1をビーズのみで作製した場合に比べて柔らかな当たりとなる。
(3)外皮2内にビーズ5とクッションコード4が一緒に収容され、クッションコード4の周囲にビーズ5が存在する構造となっている。そのため、クッションコード4だけの場合に外力を受けた際のクッションコード4同士の摩擦力がビーズ5が介在ることによって低減されクッションコード4が痛みにくくなる。逆にビーズ5だけの場合に比べてクッションコード4があることでビーズ5もへたりにくくなる。つまり、相互効果で内容物が長持ちすることとなる。
(4)角部のあるウレタン製のクッションコード4によって摩擦力、付勢力、係合力等の様々な大きな力でクッションコード構造体6が造形されているため、この三次元的に架橋したクッションコード構造体6が使用に伴ってその立体形状が容易に解体してしまうことがない。
(5)クッションコード4とビーズ5の間でこすれることで静電気が生じ、その作用でビーズ5がファスナー3を開口してもこぼれにくくなっている。
【0014】
上記実施の形態は本発明の原理およびその概念を例示するための具体的な実施の形態として記載したにすぎない。つまり、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明は、例えば次のように変更した態様で具体化することも可能である。
・クッション体1の形状、縫製の位置、外皮を構成する布辺の枚数、材質等は適宜変更可能である。
・長尺クッション材としてのクッションコード4の形状や厚み、あるいはビーズ5の量との容積率について設定は自由である。上記では紐(コード)状に構成したが、より太く棒状に構成したり、紐状の長尺クッション材と混在させてクッション材構造体を造形するようにしてもよい。また、直方体形状でなくともよい。
・クッションコード4を外で絡ませずに外皮2内で絡ませてクッションコード構造体6を造形するようにしてもよい。
・
図6に示すように、クッションコード構造体6を別の可撓性のある柔らかな内袋15(内皮)に入れ、内袋15とともに充填材導入口から外皮2内に入れるようにしてもよい。このように構成するとクッションコード構造体6の造形がよりばらけにくくなる。尚、その際には内袋15の充填材導入口を外皮2の充填材導入口と同じ位置に配置して内袋15内にビーズ5を導入することがよい。
・上記実施の形態のビーズ5以外の粒状の充填材、例えば円形形状や円筒形状のペレットを使用してもよく、材質も弾性のない硬いものを使用するようにしてもよい。
・ファスナー3以外の手段で充填材導入口を構成してもよい。充填材導入口がクッション材構造体とは異なっていてもよい。
本発明は上述した実施の形態に記載の構成に限定されない。上述した各実施の形態や変形例の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また各実施の形態や変形例の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素または発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成するとよい。これらについても本願の補正または特許出願への変更等において権利取得する意思を有する。
【符号の説明】
【0015】
1…クッション体、2…外皮、5…粒状の充填材としてのビーズ、4…長尺クッション材としてのクッションコード、6…クッション材構造体としてのクッションコード構造体。