(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-03
(45)【発行日】2023-10-12
(54)【発明の名称】水密扉ユニット
(51)【国際特許分類】
E06B 5/00 20060101AFI20231004BHJP
E06B 7/22 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
E06B5/00 Z
E06B7/22 F
(21)【出願番号】P 2020069166
(22)【出願日】2020-04-07
【審査請求日】2022-10-24
(31)【優先権主張番号】P 2019093386
(32)【優先日】2019-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000252207
【氏名又は名称】六菱ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】関谷 誠之
(72)【発明者】
【氏名】原 正樹
(72)【発明者】
【氏名】上田 奏一朗
【審査官】櫻井 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-336712(JP,A)
【文献】特開昭60-023581(JP,A)
【文献】実開昭55-066900(JP,U)
【文献】特開2003-027840(JP,A)
【文献】特開2016-050412(JP,A)
【文献】特開2007-315043(JP,A)
【文献】特開2018-155026(JP,A)
【文献】国際公開第2018/043740(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B1/56
E06B5/00-7/36
B63B43/24-43/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中実の壁部の貫通孔に開閉可能に取り付けられる水密扉ユニットであって、
前記貫通孔に
当該貫通孔の内周面との間に対向隙間を作るように挿入される筒部を有するとともに一方開口に前記壁部の外面において前記貫通孔の一方開口の外周部位に当接される鍔を有する取付金具と、
この取付金具の筒部の外周面において他方開口寄りの位置に外嵌されるとともに前記壁部の内面に当接される固定リングと、
前記鍔にヒンジ結合されて前記貫通孔の一方開口を開閉可能とするための扉と、
この扉の内面に設けられて前記鍔の外面との対向間を密封する密封装置と、を備え、
前記
対向隙間には、止水材が充填されており、前記鍔の外周縁には、当該鍔の外周縁と前記壁部の外面との当接部分を塞ぐようにコーキング材が設けられており、前記固定リングの外周縁には、当該固定リングの外周縁と前記壁部の内面との当接部分を塞ぐようにコーキング材が設けられており、
前記固定リングの内周縁が、前記取付金具の前記筒部の外周面に接合されている、ことを特徴とする水密扉ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の水密扉ユニットにおいて、
前記密封
装置は、前記扉の内面に固定されかつ前記鍔に対向する環状板からなるホルダと、このホルダの内面に径方向内外に離隔して設けられる二つの環状溝内にそれぞれ装着されるシールリングと、を有し、
前記二つのシールリングは、前記扉の閉塞状態において前記鍔の外面に圧接されるリップを有している、ことを特徴とする水密扉ユニット。
【請求項3】
請求項
2に記載の水密扉ユニットにおいて、
前記
二つのシールリングは、それらのリップそれぞれの先端が向かい合うように配置されており、
前記ホルダには、前記各リップの対向間に向けて開放する加圧孔およびエア抜き孔が離隔して設けられている、ことを特徴とする水密扉ユニット。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の水密扉ユニットにおいて、
前記密封装置は、前記扉の内面に固定されかつ前記鍔
側へ向けて延出するとともに径方向で平行に離隔して配置される内径側環体部および外径側環体部を有するワンピース構造のホルダと、このホルダ
において前記内径側環体部と前記外径側環体部との対向間にできる単一の環状溝内に装着される単一のシールリングと、を有し、
前
記シールリングは、前記扉の閉塞状態において前記鍔の外面に
撓んで圧接されかつ前記扉の外側空間の圧力が上昇したときに接触圧が増加する一方で前記扉の内側空間の圧力が上昇したときに接触圧が減少するリップを有している、ことを特徴とする水密扉ユニット。
【請求項5】
請求項
1から3のいずれか1項に記載の水密扉ユニットにおいて、
前記
密封装置は、前記扉の内面に固定されかつ前記鍔側へ向けて延出するとともに径方向で平行に離隔して配置される内径側環体および外径側環体からなるツーピース構造のホルダと、前記内径側環体と前記外径側環体と前記扉の内面とで囲まれる単一の環状溝内に装着される単一のシールリングと、を有し、
前記シールリングは、前記扉の閉塞状態において前記鍔の外面に撓んで圧接されかつ前記扉の外側空間の圧力が上昇したときに接触圧が増加する一方で前記扉の内側空間の圧力が上昇したときに接触圧が減少するリップを有している、ことを特徴とする水密扉ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水密扉ユニットに係り、特に、建屋内での水の浸入を防ぐエリアに好適に設置可能な水密扉ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、「建屋内での水の浸入を防ぐエリアの枠の開口部に開閉可能に設置されるものであって、開閉ハンドルと、該開閉ハンドルの回転に連動して移動するカンヌキとを備え、前記ハンドルを閉方向に回転することにより前記カンヌキが移動して前記枠に保持することにより固定され、前記枠の開口部を閉じている状態では、シールリングを前記枠に設けられている扉枠に押し付けることにより水密性を確保している水密扉において、前記シールリングを前記扉枠に押し付ける方向とは逆方向の水頭圧が掛る水密扉端部側面に、シールリング機能低下防止金具を設置すると共に、該シールリング機能低下防止金具と対向する前記扉枠の面に、前記シールリング機能低下防止金具と噛み合う金具受け枠を設け、かつ、前記シールリング機能低下防止金具は、その先端がL字状に形成されており、前記シールリングを前記扉枠に押し付ける方向とは逆方向の水頭圧が掛った場合に、前記シールリング機能低下防止金具のL字状の先端部と前記金具受け枠とが噛み合う」ということが記載されている。
【0003】
この特許文献1の構成によれば、「指定方向とは逆方向に水頭圧がかかった場合でも水密性を確保できることは勿論、扉としての利便性を損なわず容易に開閉でき、しかも、既設設備に対して大幅な改造を加えることなく、指定方向と、これとは逆方向の両方向からの水頭圧に耐え得る水密性能を付加することができるので、この種、水密扉には有効である」ということが記載されている。
【0004】
例えば特許文献2には、「仕切壁に形成された開口に設けられる扉枠にヒンジ結合され、前記開口部を開閉する密閉扉に設けられるハンドル装置であって、前記密閉扉のヒンジ結合側と反対側に、密閉扉を貫通して回動自在に設けられたハンドル軸と、密閉扉の前面側のハンドル軸の一端に取り付けられた主ハンドル体と、密閉扉の背面側のハンドル軸の他端に取り付けられた副ハンドル体とからなり、前記副ハンドル体の基部または主ハンドル体の基部には、密閉扉による前記開口部の閉状態で扉枠に当接して密閉扉を係止する第1係止爪がハンドル軸に直角に突設されるとともに、前記基部には第1係止爪と反対方向に向く第2係止爪が突設されてなる」ということが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第5706356号公報
【文献】実開昭61-150969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1には、L字形状の扉枠をコンクリート製の壁部の内側開口端の縦角部に設けているということが窺えるものの、前記扉枠を前記壁部にどのような形態で固定しているかが不明である。このようなことから、前記特許文献1からは、比較的簡易に施工可能な構成でありながら、前記壁部に前記扉枠を十分な強度で取り付けることを可能とするという技術思想を窺い知ることはできない。
【0007】
ちなみに、この特許文献1の前記扉枠を前記コンクリート製の壁部に固定する形態については、一般にアンカーボルトを用いることが考えられる。その場合、一般に前記コンクリート製の壁部の内部空間に鉄筋が埋め込まれている関係より、前記アンカーボルトを打設する際に前記鉄筋を避けるようにする必要がある等、前記扉枠の設置作業が煩雑になることが懸念される。
【0008】
上記特許文献2には、仕切壁の開口周縁に扉枠および係止プレートをボルトで留めるようにしているが、扉枠および係止プレートの形状が複雑で、それらの組み合わせも複雑である等、それらの仕切壁への組み付け作業が煩雑になることが懸念される。
【0009】
このような事情に鑑み、本発明は、水密扉ユニットにおいて、比較的簡易に施工可能な構成でありながら、壁部に扉の取付要素を十分な強度で取り付け可能とすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、中実の壁部の貫通孔に開閉可能に取り付けられる水密扉ユニットであって、前記貫通孔に当該貫通孔の内周面との間に対向隙間を作るように挿入される筒部を有するとともに一方開口に前記壁部の外面において前記貫通孔の一方開口の外周部位に当接される鍔を有する取付金具と、この取付金具の筒部の外周面において他方開口寄りの位置に外嵌されるとともに前記壁部の内面に当接される固定リングと、前記鍔にヒンジ結合されて前記貫通孔の一方開口を開閉可能とするための扉と、この扉の内面に設けられて前記鍔の外面との対向間を密封する密封装置と、を備え、前記対向隙間には、止水材が充填されており、前記鍔の外周縁には、当該鍔の外周縁と前記壁部の外面との当接部分を塞ぐようにコーキング材が設けられており、前記固定リングの外周縁には、当該固定リングの外周縁と前記壁部の内面との当接部分を塞ぐようにコーキング材が設けられており、前記固定リングの内周縁が、前記取付金具の前記筒部の外周面に接合されている、ことを特徴としている。
【0011】
この構成によれば、前記扉を前記壁部に開閉可能に取り付けるために、前記取付金具の鍔と前記固定リングとで前記壁部を厚み方向から挟むようにするとともに、当該固定リングの内周縁を前記取付金具の外周面に接合することにより、前記取付金具および前記固定リングを前記壁部に固定するようにしている。
【0012】
これにより、前記取付金具および前記固定リングがシンプルな形状で、かつ全体として比較的簡易に施工することが可能な構成でありながら、前記取付金具および前記固定リングを前記壁部に十分な強度で取り付けることが可能になる。
【0015】
また、上記水密扉ユニットにおいて、前記密封装置は、前記扉の内面に固定されかつ前記鍔に対向する環状板からなるホルダと、このホルダの内面に径方向内外に離隔して設けられる二つの環状溝内にそれぞれ装着されるシールリングと、を有し、前記二つのシールリングは、前記扉の閉塞状態において前記鍔の外面に圧接されるリップを有している、構成とすることができる。
【0016】
この構成によれば、前記密封装置をいわゆるダブルシール構造にすることにより密封性能が可及的に向上する他、前記のようなシールリングを用いる構成にしていることから、シールリングの定期的な交換が容易になるとともにランニングコストを低減するうえで有利になる。
【0017】
また、上記水密扉ユニットにおいて、前記二つのシールリングは、それらのリップそれぞれの先端が向かい合うように配置されており、前記ホルダには、前記各リップの対向間に向けて開放する加圧孔およびエア抜き孔が離隔して設けられている、構成とすることができる。
【0018】
この構成によれば、前記扉を閉塞した状態において前記加圧孔から規定圧力で一定時間加圧することにより、前記二つのシールリングの漏洩検査を比較的簡易に行えるようになる。
【0019】
また、上記水密扉ユニットにおいて、前記密封装置は、前記扉の内面に固定されかつ前記鍔側へ向けて延出するとともに径方向で平行に離隔して配置される内径側環体部および外径側環体部を有するワンピース構造のホルダと、このホルダにおいて前記内径側環体部と前記外径側環体部との対向間にできる単一の環状溝内に装着される単一のシールリングと、を有し、前記シールリングは、前記扉の閉塞状態において前記鍔の外面に撓んで圧接されかつ前記扉の外側空間の圧力が上昇したときに接触圧が増加する一方で前記扉の内側空間の圧力が上昇したときに接触圧が減少するリップを有している、構成とすることができる。
【0020】
この構成によれば、十分な密封性能を確保したうえで、前記ホルダの径方向寸法を小さくすることが可能になる。また、前記密封装置を単一のシールリングで構成することにより構成を簡素化することができるので、水密扉ユニットのコストダウンが可能になる。
【0021】
また、上記水密扉ユニットにおいて、前記密封装置は、前記扉の内面に固定されかつ前記鍔側へ向けて延出するとともに径方向で平行に離隔して配置される内径側環体および外径側環体からなるツーピース構造のホルダと、前記内径側環体と前記外径側環体と前記扉の内面とで囲まれる単一の環状溝内に装着される単一のシールリングと、を有し、前記シールリングは、前記扉の閉塞状態において前記鍔の外面に撓んで圧接されかつ前記扉の外側空間の圧力が上昇したときに接触圧が増加する一方で前記扉の内側空間の圧力が上昇したときに接触圧が減少するリップを有している、構成とすることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、前記取付金具および前記固定リングがシンプルな形状で、かつ全体として比較的簡易に施工することが可能な構成でありながら、壁部に前記取付金具および前記固定リングを十分な強度で取り付け可能とする水密扉ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明に係る水密扉ユニットの一実施形態の横断面図である。
【
図4】
図2の(4)-(4)線断面を矢印方向から見た図である。
【
図5】
図2の(5)-(5)線断面を矢印方向から見た図である。
【
図6】
図5の密封装置の一部を分解した状態を示す図である。
【
図7】
図2において水密扉ユニットの漏洩検査を行う際の様子を示す図である。
【
図9】本発明に係る水密扉ユニットの他の実施形態の横断面図である。
【
図10】本発明に係る水密扉ユニットの他の実施形態の横断面図である。
【
図11】本発明に係る水密扉ユニットの他の実施形態の横断面図である。
【
図12】本発明に係る水密扉ユニットの他の実施形態の横断面図である。
【
図13】本発明に係る水密扉ユニットの他の実施形態の横断面図である。
【
図14】本発明に係る水密扉ユニットの他の実施形態の横断面図である。
【
図15】本発明に係る水密扉ユニットの他の実施形態の横断面図である。
【
図16】本発明に係る水密扉ユニットの他の実施形態の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための最良の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0025】
図1から
図7に本発明の一実施形態を示している。図例の水密扉ユニットは、壁部1に設置されるものであって、取付金具2、固定リング3、扉4、密封装置5等を備えている。
【0026】
壁部1は、例えばコンクリート製とされており、その所定位置には正面視矩形状の貫通孔1aが設けられている。
【0027】
取付金具2は、四角い筒部21と、鍔22と、を有している。鍔22は、筒部21の中心軸線の一方開口端に径方向外向きに延出するように一体に設けられている。この鍔22の外周には環状片22aが設けられている。筒部21と鍔22とには補強材23が架設されている。
【0028】
この取付金具2の筒部21が壁部1の貫通孔1aに隙間を持つように挿入されて、鍔22が壁部1の外面において貫通孔1aの一方開口の外周部位に対向するように配置される。
【0029】
この取付金具2における筒部21の外周面および鍔22の内面は、壁部1との間に所定の対向隙間を作るように配置されていて、この対向隙間に密封部材としての止水材6が充填されるようになっている。この止水材6は、例えば無収縮モルタル等が挙げられる。
【0030】
固定リング3は、四角い環状板からなり、その外周には環状片31が設けられている。
【0031】
この固定リング3は、取付金具2の筒部21の外周面において他方開口寄りの位置に外嵌されるとともに、その内周縁が壁部1の内面に当接されている。この当接部分が取付金具2の筒部21の外周面に例えば溶接等により接合されている。
【0032】
扉4は、取付金具2の鍔22にヒンジ41を介して結合されていて、壁部1の貫通孔1aの一方開口を開閉可能とする。
【0033】
この扉4には、ロックハンドル42と、ラッチ43と、動力伝達機構(図示省略)と、が設けられている。
【0034】
扉4は、外板4aと、内板4bと、枠体4cと、を組み合わせた構成である。枠体4cの断面形状は、内周が開放するようなコ字形とされている。
【0035】
なお、前記動力伝達機構は、ロックハンドル42とラッチ43との間で動力を伝達するものである。この動力伝達機構の詳細な構成についての図示や説明は省略するが、一般に市販されているいろいろなタイプの中から任意のものを採用することができる。
【0036】
そして、ロックハンドル42の回転に連動して、ラッチ43が取付金具2の鍔22に設けられているラッチ受け24に係止することで扉4を閉塞するロック状態になる一方、ラッチ43をラッチ受け24から離脱させることで扉4を開放自在とするアンロック状態になる。
【0037】
密封装置5は、扉4の内面に設置されていて、取付金具2の鍔22の外面との対向間を密封するものであって、ホルダ51、二つのシールリング52,53を有している。
【0038】
ホルダ51は、四角い環状板からなり、扉4の内面に例えば溶接等により接合されることにより扉4を閉塞した状態において取付金具2の鍔22に対向する。このホルダ51の内面には二条の環状溝51a,51bが径方向内外に離隔して設けられている。
【0039】
シールリング52,53は、弾性材からなり、ホルダ51の二条の環状溝51a,51b内にそれぞれ装着されている。
【0040】
このシールリング52,53は、リップ52a,53aを有しており、
図4および
図5に示すように、二つのシールリング52,53のリップ52a,53aそれぞれの先端が向かい合うように配置されている。
【0041】
なお、シールリング52,53は、環状溝51a,51b内に装着された状態で押え板7およびボルト8を介して締結されるようになっている。各リップ52a,53aは、扉4を閉塞した状態において取付金具2の鍔22に弾性変形した状態(撓んだ状態)で圧接される。
【0042】
ここで、扉4の外側空間の圧力(外圧)が上昇すると、内径側のシールリング52のシール面圧(リップ52aの接触圧)が増加するようになる一方で、扉4の内側空間の圧力(内圧)が上昇すると、外径側のシールリング53のシール面圧(リップ53aの接触圧)が増加するようになる。このように、外圧または内圧の上昇に伴い、各シールリング52,53のシール面圧が増加して、高いシール性能を発揮する。
【0043】
また、ホルダ51には、二つのシールリング52,53の各リップ52a,53aの対向間に向けて開放する加圧孔51cと、エア抜き孔51dとが離隔して設けられている。
【0044】
なお、加圧孔51cおよびエア抜き孔51dは、例えば
図2に示すように、180度対向する位置に配置されており、通常時には不図示のプラグが装着されることにより閉塞されている。
【0045】
そして、漏洩検査を行う際には、前記プラグを取り外して、
図7に示すように、加圧孔51cに加圧管10を接続する一方で、エア抜き孔51dにエア抜き管15を接続する。
【0046】
加圧管10には、開閉弁11および水圧供給源12が設けられている。エア抜き管15には、ゲージ16およびエア抜き弁17が取り付けられている。ここで、例えば水圧供給源12により加圧孔51cに所定の水圧を加え、その状態を所定時間継続するようにし、その間において二つのシールリング52,53からの水分の漏洩の有無を目視にて確認することが考えられる。
【0047】
次に、上述した水密扉ユニットを壁部1に設置するための手順を説明する。
【0048】
まず、取付金具2の筒部21を壁部1の貫通孔1a内に挿入し、取付金具2の鍔22を壁部1の外面に所定隙間を介して対向させる。この対向隙間に止水材6を充填する。ちなみに、止水材6の充填方法としては、例えば図示していないが、取付金具2の筒部21の適宜位置に貫通孔を設けておき、この貫通孔から前記対向隙間に止水材6を充填するような形態とすることが可能である。
【0049】
そして、壁部1の内側から固定リング3を取付金具2の筒部21の外周面において先端側に嵌合して、この固定リング3を壁部1の内面に当接させるとともに、考慮の内周縁を取付金具2の筒部21の外周面に当接させる。
【0050】
このように、取付金具2の鍔22と固定リング3とで壁部1を厚み方向から挟むようにした後、固定リング3の内周縁を取付金具2の筒部21の外周面に例えば溶接等により接合する。
【0051】
そして、取付金具2の鍔22に扉4をヒンジ結合する。この扉4を閉塞すると、二つのシールリング52,53のリップ52a,53aが撓んで取付金具2の鍔22に圧接されることになる。
【0052】
この状態において、加圧孔51cに加圧管10を接続して、エア抜き孔51dにエア抜き管15を接続し、水圧供給源12により二つのシールリング52,53の対向間に一定圧力で一定時間、注水加圧することにより、二つのシールリング52,53からの水分漏洩の有無を検査することができる。
【0053】
以上説明したように本発明を適用した実施形態によれば、扉4を壁部1に開閉可能に取り付けるために、取付金具2の鍔22と固定リング3とで壁部1を厚み方向から挟むようにするとともに、当該固定リング3の内周縁を取付金具2の外周面に接合することにより、取付金具2および固定リング3を壁部1に固定するようにしている。
【0054】
これにより、取付金具2および固定リング3がシンプルな形状で、かつ全体として比較的簡易に施工することが可能な構成でありながら、取付金具2および固定リング3を壁部1に十分な強度で取り付けることが可能になるので、扉4を強固に取り付けることが可能になる。
【0055】
また、密封装置5をいわゆるダブルシール構造にすることにより密封性能が可及的に向上する他、前記のようなシールリング52,53を用いる構成にしていることから、シールリング52,53の定期的な交換が容易になるとともにランニングコストを低減するうえで有利になる。
【0056】
さらに、扉4を閉塞した状態において加圧孔51cから規定圧力で一定時間加圧することにより、シールリング52,53の漏洩検査を比較的簡易に行えるようになる。
【0057】
なお、本発明は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内および当該範囲と均等の範囲内で適宜に変更することが可能である。
【0058】
(1)密封装置5の二つのシールリング52,53は、例えば
図8に示すように、各リップ52a,53aを互いに同じ方向に向けるようにホルダ51に装着することが可能である。
【0059】
この場合、各リップ52a,53aを外側向きとすれば、外側から内側への水分の通過を防止する効果を可及的に高めることが可能になり、また、各リップ52a,53aを内側向きとすれば、内側から外側への水分の通過を防止する効果を可及的に高めることが可能になる。
【0060】
その他の構成については、
図1から
図7に示す実施形態と基本的に同様とされている。この実施形態でも上記実施形態と同様の作用、効果が得られる。
【0061】
(2)
図9には本発明の他の実施形態を示している。この実施形態では、
図1に示している取付金具2の鍔22の環状片22aおよび固定リング3の環状片31を無くして、鍔22の外周縁に密封部材としてのシールリング18を設けるとともに、固定リング3の外周縁に密封部材としてのシールリング19を設けることにより、鍔22の外周縁と壁部1との対向間ならびに固定リング3の外周縁と壁部1との対向間をそれぞれ塞ぐようにしている。
【0062】
その他の構成については、
図1から
図7に示す実施形態と基本的に同様とされている。この実施形態でも上記実施形態と同様の作用、効果が得られる。
【0063】
(3)
図10には本発明の他の実施形態を示している。この実施形態では、
図1に示している取付金具2の鍔22と壁部1との対向間および固定リング3と壁部1との対向間の止水材6を無くして、筒部21の外周面と壁部1との対向間に充填している止水材6を残すようにしている。
【0064】
そして、鍔22および固定リング3を壁部1にそれぞれ当接させるようにしたうえで、鍔22の外周縁に密封部材としてのコーキング材18aを設けるとともに、固定リング3の外周縁に密封部材としてのコーキング材19aを設けることにより、鍔22の外周縁と壁部1との対向間ならびに固定リング3の外周縁と壁部1との対向間をそれぞれ塞ぐようにしている。
【0065】
その他の構成については、
図1から
図7に示す実施形態と基本的に同様とされている。この実施形態でも上記実施形態と同様の作用、効果が得られる。
【0066】
(4)
図11には本発明の他の実施形態を示している。この実施形態では、
図1に示している止水材6をすべて無くして、鍔22および固定リング3を壁部1にそれぞれ当接させるようにしたうえで、鍔22の外周縁に密封部材としてのコーキング材18aを設けるとともに、固定リング3の外周縁に密封部材としてのコーキング材19aを設けることにより、鍔22の外周縁と壁部1との対向間ならびに固定リング3の外周縁と壁部1との対向間をそれぞれ塞ぐようにしている。
【0067】
その他の構成については、
図1から
図7に示す実施形態と基本的に同様とされている。この実施形態でも上記実施形態と同様の作用、効果が得られる。
【0068】
(5)上記各実施形態において、図示していないが、例えば固定リング3を壁部1にアンカーボルト等で留めるようにしてもよい。その場合、水密扉ユニットの取り付け強度をさらに高めることが可能になる。
【0069】
(6)
図12には本発明の他の実施形態を示している。この実施形態では、
図11に示している密封装置5をシングルシール構造にしている。
【0070】
具体的に、密封装置5は、ワンピース構造のホルダ51の断面をコ字形に形成されており、内径側環体部51eと、外径側環体部51fと、底板部51gと、を有している。
【0071】
内径側環体部51eと外径側環体部51fとは、径方向で平行に離隔して配置されており、これら内径側環体部51eと外径側環体部51fとが底板部51gで一体に連接されている。
【0072】
ホルダ51は、底板部51gが扉4の内板4bに例えば溶接等により固定されている。これにより、内径側環体部51eと外径側環体部51fとが取付金具2の鍔22に向けて延出するとともに径方向で平行に離隔して配置されるようになっている。
【0073】
このホルダ51において内径側環体部51eと外径側環体部51fとの対向間に形成されている環状溝51b内に、単一のシールリング52が装着されている。
【0074】
シールリング52は、リップ52aを有している。このリップ52aは、扉4の閉塞状態において取付金具2の鍔22の外面に撓んで圧接される。
【0075】
ホルダ51の内径側環体部51eの自由端には、押え板7がボルト8で固定されている。この押え板7によってシールリング52が環状溝51b内に抜け止め保持されるようになっている。なお、押え板7の代わりに、内径側環体部51eの自由端に径方向外向きに突出する抜け止め片(
図15参照)を一体に設ける構成にすることが可能である。
【0076】
そして、扉4を閉塞した状態では、ホルダ51の内径側環体部51eの自由端が取付金具2の鍔22に接触されるようになっている一方で、ホルダ51の外径側環体部51fの自由端が取付金具2の鍔22に非接触にされるようになっている。なお、外径側環体部51fの自由端を鍔22に接触させるようにしてもよい。
【0077】
このように扉4を閉塞した状態において、扉4の外側空間の圧力が上昇したときにシールリング52のシール面圧(リップ52aの接触圧)が増加するようになる一方で、扉4の内側空間の圧力が上昇したときにシールリング52のシール面圧が減少するようになる。
【0078】
ところで、扉4において、外板4aと枠体4cの外鍔部4dとが重ね合わされているとともに、当該重ね合わせ部分がボルト9Aおよびナット9Bで締結されることにより固定されている。一方、内板4bと枠体4cの内鍔部4eとが重ね合わされているとともに、当該重ね合わせ部分の外周縁および内周縁が例えば溶接により接合されている。これらのことにより、扉4の外側空間で増水したときに、外板4a側から扉4の内部空間に水が浸入しうるものの、当該扉4の内部空間に浸入した水が内板4bを越えて扉4の内側空間へ通過することを防止できるようになる。
【0079】
その他の構成については、
図11に示す実施形態と基本的に同様とされている。この実施形態の構成によれば、十分な密封性能を確保したうえで、ホルダ51の径方向寸法を小さくすることが可能になる。また、密封装置5の構成を簡素化することができるので、水密扉ユニットのコストダウンが可能になる。
【0080】
(7)
図13には本発明の他の実施形態を示している。この実施形態では、
図12に示している密封装置5に備えるワンピース構造のホルダ51を、内径側環体51Aおよび外径側環体51Bからなるツーピース構造にしている。
【0081】
具体的に、内径側環体51Aおよび外径側環体51Bは、扉4の内板4bに例えば溶接により固定されている。
【0082】
また、内径側環体51Aと外径側環体51Bと扉4の内板4bとで囲まれる単一の環状溝51b内に、単一のシールリング52が装着されている。
【0083】
さらに、内径側環体51Aの自由端には、径方向外向きに突出する抜け止め片51A1が一体に設けられている。この抜け止め片51A1によってシールリング52が環状溝51b内に抜け止め保持されるようになっている。
【0084】
なお、内径側環体51Aの抜け止め片51A1の代わりに、例えば
図12に示すように押え板7をボルト8で固定する構成にすることが可能である。
【0085】
そして、扉4を閉塞した状態では、内径側環体51Aの自由端が取付金具2の鍔22に接触されるようになっている一方で、外径側環体51Bの自由端が取付金具2の鍔22に非接触にされるようになっている。なお、外径側環体51Bの自由端を鍔22に接触させるようにしてもよい。
【0086】
このように扉4を閉塞した状態において、扉4の外側空間の圧力が上昇したときにシールリング52のシール面圧(リップ52aの接触圧)が増加するようになる一方で、扉4の内側空間の圧力が上昇したときにシールリング52のシール面圧が減少するようになる。
【0087】
その他の構成については、
図12に示す実施形態と基本的に同様とされている。この実施形態の構成によれば、密封装置5の構成を簡素化することができるので、水密扉ユニットのコストダウンが可能になる。
【0088】
(8)
図14には本発明の他の実施形態を示している。この実施形態では、
図13に示しているツーピース構造のホルダ51である内径側環体51Aおよび外径側環体51Bを、扉4の枠体4cと一体化するようにしている。
【0089】
具体的に、扉4において枠体4cを外板4aおよび内板4bの外周縁よりも径方向外向きに飛び出させるようにし、この枠体4cの内鍔部4eの外面に内径側環体51Aおよび外径側環体51Bを例えば溶接により固定するようにしている。
【0090】
また、扉4の内板4bと枠体4cの内鍔部4eとの重ね合わせ部分がボルト9Aおよびナット9Bで締結されることにより固定されている。
【0091】
さらに、内径側環体51Aと外径側環体51Bと扉4の枠体4cの内鍔部4eとで囲まれる単一の環状溝51b内に、単一のシールリング52が装着されている。
【0092】
内径側環体51Aの自由端には、径方向外向きに突出する抜け止め片51A1が一体に設けられている。この突片41A1によってシールリング52が環状溝51b内に抜け止め保持されるようになっている。
【0093】
なお、内径側環体51Aの抜け止め片51A1の代わりに、例えば
図12に示すように押え板7をボルト8で固定する構成にすることが可能である。
【0094】
そして、扉4を閉塞した状態では、内径側環体51Aの自由端が取付金具2の鍔22に接触されるようになっている一方で、外径側環体51Bの自由端が取付金具2の鍔22に非接触にされるようになっている。なお、外径側環体51Bの自由端を鍔22に接触させるようにしてもよい。
【0095】
このように扉4を閉塞した状態において、扉4の外側空間の圧力が上昇したときにシールリング52のシール面圧(リップ52aの接触圧)が増加するようになる一方で、扉4の内側空間の圧力が上昇したときにシールリング52のシール面圧が減少するようになる。
【0096】
ところで、扉4において、外板4aと枠体4cの外鍔部4dとが重ね合わされているとともに、当該重ね合わせ部分の外周縁および内周縁が例えば溶接により接合されている。一方、内板4bと枠体4cの内鍔部4eとの重ね合わせ部分がボルト9Aおよびナット9Bで締結されることにより固定されている。これらのことにより、扉4の外側空間で水位が上昇したときに、この水が扉4の内部空間に浸入することを防止できるようになる。
【0097】
その他の構成については、
図13に示す実施形態と基本的に同様とされている。この実施形態の構成によれば、密封装置5の構成を簡素化することができるので、水密扉ユニットのコストダウンが可能になる。
【0098】
(9)
図15には本発明の他の実施形態を示している。この実施形態では、
図12に示している密封装置5に備えるワンピース構造のホルダ51を、扉4の内板4bと枠体4cの内鍔部4eとの間に例えば溶接により固定することにより、ホルダ51と扉4の内板4bとを面一にしている。
【0099】
具体的に、ホルダ51の内径側環体部51eの内径側には、径方向内向きに膨出する膨出部51hが設けられており、これによりホルダ51の剛性アップが図られている。
【0100】
また、ホルダ51の底板部51gが扉4の枠体4cの内鍔部4eに例えば溶接により固定されており、ホルダ51の膨出部51hが扉4の内板4bに例えば溶接により固定されている。
【0101】
さらに、ホルダ51において内径側環体部51eと外径側環体部51fとの対向間に形成されている単一の環状溝51b内に、単一のシールリング52が装着されている。
【0102】
このホルダ51の内径側環体部51eの自由端には、径方向外向きに突出する突片51iが一体に設けられている。この突片51iによってシールリング52が環状溝51b内に抜け止め保持されるようになっている。
【0103】
なお、内径側環体部51eの突片51iの代わりに、例えば
図12に示すように押え板7をボルト8で固定する構成にすることが可能である。
【0104】
そして、扉4を閉塞した状態では、ホルダ51の内径側環体部51eの自由端が取付金具2の鍔22に接触されるようになっている一方で、ホルダ51の外径側環体部51fの自由端が取付金具2の鍔22に非接触にされるようになっている。なお、外径側環体部51fの自由端を鍔22に接触させるようにしてもよい。
【0105】
このように扉4を閉塞した状態において、扉4の外側空間の圧力が上昇したときにシールリング52のシール面圧(リップ52aの接触圧)が増加するようになる一方で、扉4の内側空間の圧力が上昇したときにシールリング52のシール面圧が減少するようになる。
【0106】
ところで、扉4において、外板4aと枠体4cの外鍔部4dとが重ね合わされているとともに、当該重ね合わせ部分がボルト9Aおよびナット9Bで締結されることにより固定されている。一方、内板4bがホルダ51の膨出部51hに例えば溶接により固定されている。これらのことにより、扉4の外側空間で水位が上昇したときに、外板4a側から扉4の内部空間に水が浸入しうるものの、当該扉4の内部空間に浸入した水が内板4bを越えて扉4の内側空間へ通過することを防止できるようになる。
【0107】
その他の構成については、
図12に示す実施形態と基本的に同様とされている。
【0108】
この実施形態では、密封装置5に備えるワンピース構造のホルダ51を扉4の内板4bと面一にするように構成しているから、扉4の内板4bからの出っ張りを無くすことが可能になる。
【0109】
(10)
図16には本発明の他の実施形態を示している。この実施形態では、
図12に示している扉4の枠体4cの断面をL字形にしたうえで、
図12に示す密封装置5に備えるワンピース構造のホルダ51を、扉4の内板4bと枠体4cの外周板部4fの自由端との間に例えば溶接により接合することにより、枠体4cの断面をコ字形にしている。
【0110】
具体的に、ホルダ51の底板部51gには径方向内向きに延出する延出部51jが設けられており、また、L字形の枠体4cの外周板部4fの自由端にはホルダ51が固定されている。
【0111】
また、扉4の内板4bの外径が小さくされており、当該内板4bの内面にホルダ51の延出部51jが重ね合わされており、当該重ね合わせ部分がボルト9Aおよびナット9Bで締結されることにより固定されている。さらに、ホルダ51の外径側環体部51fが枠体4cの外周板部4fの自由端に例えば溶接により固定されている。
【0112】
さらに、ホルダ51において内径側環体部51eと外径側環体部51fとの対向間に形成されている単一の環状溝51b内に、単一のシールリング52が装着されている。
【0113】
このホルダ51の内径側環体部51eの自由端には、径方向外向きに突出する突片51iが一体に設けられている。この突片51iによってシールリング52が環状溝51b内に抜け止め保持されるようになっている。
【0114】
なお、内径側環体部51eの突片51iの代わりに、例えば
図12に示すように押え板7をボルト8で固定する構成にすることが可能である。
【0115】
そして、扉4を閉塞した状態では、ホルダ51の内径側環体部51eの自由端が取付金具2の鍔22に接触されるようになっている一方で、ホルダ51の外径側環体部51fの自由端が取付金具2の鍔22に非接触にされるようになっている。なお、外径側環体部51fの自由端を鍔22に接触させるようにしてもよい。
【0116】
このように扉4を閉塞した状態において、扉4の外側空間の圧力が上昇したときにシールリング52のシール面圧(リップ52aの接触圧)が増加するようになる一方で、扉4の内側空間の圧力が上昇したときにシールリング52のシール面圧が減少するようになる。
【0117】
ところで、扉4において、外板4aと枠体4cの外鍔部4dとが重ね合わされているとともに、当該重ね合わせ部分の外周縁および内周縁が例えば溶接により接合されている。一方、内板4bとホルダ51の延出部51jとの重ね合わせ部分がボルト9Aおよびナット9Bで締結されることにより固定されている。これらのことにより、扉4の外側空間で水位が上昇したときに、この水が扉4の内部空間に浸入することを防止できるようになる。
【0118】
その他の構成については、
図12に示す実施形態と基本的に同様とされている。
【0119】
この実施形態では、密封装置5に備えるワンピース構造のホルダ51を扉4の枠体4cの内径側環体部(
図15の符号51e参照)とするように利用しているから、枠体4cの構成簡素化を図ることが可能になり、水密扉ユニットのコストダウンが可能になる。
【0120】
(11)
図12から
図16に示した実施形態では、
図11に示すように止水材6を採用していない実施形態を基礎にした構成を例に挙げているが、
図1、
図9、
図10に示すような密封部材(止水材6、シールリング18,19、コーキング材18a,19a等)を採用している実施形態を基礎にした構成とすることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0121】
本発明は、水密扉ユニットに好適に利用することが可能である。
【符号の説明】
【0122】
1 壁部
1a 貫通孔
2 取付金具
21 筒部
22 鍔
23 補強材
24 ラッチ受け
3 固定リング
4 扉
41 ヒンジ
42 ロックハンドル
43 ラッチ
5 密封装置
51 ホルダ
51a,51b 環状溝
51c 加圧孔
51d エア抜き孔
52 内径側のシールリング
52a リップ
53 外径側のシールリング
53a リップ
6 止水材