(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-03
(45)【発行日】2023-10-12
(54)【発明の名称】獣医療支援システム、獣医療支援方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 50/20 20180101AFI20231004BHJP
【FI】
G16H50/20
(21)【出願番号】P 2022577792
(86)(22)【出願日】2022-05-27
(86)【国際出願番号】 JP2022021796
【審査請求日】2022-12-16
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515158272
【氏名又は名称】株式会社PECO
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 純
【審査官】森田 充功
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-012515(JP,A)
【文献】特開2022-067544(JP,A)
【文献】国際公開第2021/191985(WO,A1)
【文献】特開2020-201697(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物のカルテ情報を記憶するカルテ情報記憶部と、
前記カルテ情報に含まれる、動物種及び主訴を含む複数の項目に係る項目値に対応付けて、獣医療関係者により行われる鑑別診断及び重みを記憶する判断記憶部と、
複数の前記項目値の入力を受け付ける入力部と、
受け付けた前記項目値の全てに対応する前記鑑別診断を前記判断記憶部から読み出す予測部と、
読み出した前記鑑別診断を前記重みの順に出力する出力部と、
前記鑑別診断の選択を受け付け、受け付けた前記鑑別診断及び
前記入力部が受け付けた
前記複数の前記項目値に対応する
鑑別診断の前記重みを増加させる学習部と、
を備えることを特徴とする獣医療支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の獣医療支援システムであって、
入力された前記項目値を記憶する入力値記憶部を備え、
前記入力部は、所定数の前記項目値の入力を受け付け、受け付けた前記項目値を前記入力値記憶部に追加し、
前記入力部が前記所定数の前記項目値の入力を受け付けるごとに、前記予測部は、前記入力値記憶部に記憶されている全ての前記項目値に対応する前記鑑別診断を読み出し、前記出力部は、読み出した前記鑑別診断を出力すること、
を特徴とする獣医療支援システム。
【請求項3】
動物のカルテ情報を記憶するステップと、
前記カルテ情報に含まれる、動物種及び主訴を含む複数の項目に係る項目値に対応付けて、獣医療関係者により行われる鑑別診断及び重みを
判断記憶部に記憶するステップと、
複数の前記項目値の入力を受け付けるステップと、
受け付けた前記項目値の全てに対応する前記鑑別診断を前記判断記憶部から読み出すステップと、
読み出した前記鑑別診断を前記重みの順に出力するステップと、
前記鑑別診断の選択を受け付け、受け付けた前記鑑別診断及び
前記入力を受け付けるステップにおいて受け付けた
前記複数の前記項目値に対応する
鑑別診断の前記重みを増加させるステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする獣医療支援方法。
【請求項4】
動物のカルテ情報を記憶するステップと、
前記カルテ情報に含まれる、動物種及び主訴を含む複数の項目に係る項目値に対応付けて、獣医療関係者により行われる鑑別診断及び重みを
判断記憶部に記憶するステップと、
複数の前記項目値の入力を受け付けるステップと、
受け付けた前記項目値の全てに対応する前記鑑別診断を前記判断記憶部から読み出すステップと、
読み出した前記鑑別診断を前記重みの順に出力するステップと、
前記鑑別診断の選択を受け付け、受け付けた前記鑑別診断及び
前記入力を受け付けるステップにおいて受け付けた
前記複数の前記項目値に対応する
鑑別診断の前記重みを増加させるステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、獣医療支援システム、獣医療支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、被検者の皮膚を撮影した画像に基づいて診断を支援するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のシステムでは皮膚の画像に依拠しており、幅広い獣医療の判断に用いることが難しい。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、獣医療に係る判断を支援することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、獣医療支援システムであって、動物のカルテ情報を記憶するカルテ情報記憶部と、前記カルテ情報に含まれる、動物種及び主訴を含む複数の項目に係る項目値に対応付けて、獣医療関係者により行われる判断を記憶する判断記憶部と、複数の前記項目値の入力を受け付ける入力部と、受け付けた前記項目値の全てに対応する前記判断を前記判断記憶部から読み出す予測部と、読み出した前記判断を出力する出力部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、獣医療に係る判断を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】獣医療支援システムの全体構成例を示す図である。
【
図2】管理サーバ2のハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】管理サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<発明の概要>
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、たとえば、以下のような構成を備える。
[項目1]
動物のカルテ情報を記憶するカルテ情報記憶部と、
前記カルテ情報に含まれる、動物種及び主訴を含む複数の項目に係る項目値に対応付けて、獣医療関係者により行われる判断を記憶する判断記憶部と、
複数の前記項目値の入力を受け付ける入力部と、
受け付けた前記項目値の全てに対応する前記判断を前記判断記憶部から読み出す予測部と、
読み出した前記判断を出力する出力部と、
を備えることを特徴とする獣医療支援システム。
[項目2]
項目1に記載の獣医療支援システムであって、
入力された前記項目値を記憶する入力値記憶部を備え、
前記入力部は、所定数の前記項目値の入力を受け付け、受け付けた前記項目値を前記入力値記憶部に追加し、
前記出力部は、前記入力部が前記所定数の前記項目値の入力を受け付けるごとに、前記入力値記憶部に記憶されている全ての前記項目値を前記予測器に与えて前記判断を推測し、推測した前記判断を出力すること、
を特徴とする獣医療支援システム。
[項目3]
項目1に記載の獣医療支援システムであって、
前記判断は、検査、処置、処方、鑑別診断の少なくともいずれかを含むこと、
を特徴とする獣医療支援システム。
[項目4]
動物のカルテ情報を記憶するステップと、
前記カルテ情報に含まれる、動物種及び主訴を含む複数の項目に係る項目値に対応付けて、獣医療関係者により行われる判断を記憶するステップと、
複数の前記項目値の入力を受け付けるステップと、
受け付けた前記項目値の全てに対応する前記判断を前記判断記憶部から読み出すステップと、
読み出した前記判断を出力するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする獣医療支援方法。
[項目5]
動物のカルテ情報を記憶するステップと、
前記カルテ情報に含まれる、動物種及び主訴を含む複数の項目に係る項目値に対応付けて、獣医療関係者により行われる判断を記憶するステップと、
複数の前記項目値の入力を受け付けるステップと、
受け付けた前記項目値の全てに対応する前記判断を前記判断記憶部から読み出すステップと、
読み出した前記判断を出力するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0011】
<システム概要>
以下、本発明の一実施形態に係る獣医療支援システムについて説明する。本実施形態の獣医療支援システムは、獣医師等の獣医療従事者による検査、処置、処方、鑑別診断などの判断を支援する。本実施形態の獣医療支援システムでは、検査値や身体所見、問診への回答など、カルテ情報として管理される項目に係る値に応じて判断を推定し、獣医療従事者に提案する。
【0012】
図1は、獣医療支援システムの全体構成例を示す図である。本実施形態の獣医療支援システムは、管理サーバ2を含んで構成される。管理サーバ2は、ユーザ端末1と通信ネットワークを介して通信可能に接続される。通信ネットワークは、たとえばインターネットであり、公衆電話回線網や携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築される。
【0013】
ユーザ端末1は、獣医師などの獣医療従事者が操作するコンピュータである。ユーザ端末1は、例えば、スマートフォンやタブレットコンピュータ、ノートブック型コンピュータ、デスクトップ型コンピュータなどである。
【0014】
<管理サーバ>
管理サーバ2は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、あるいはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0015】
図2は、管理サーバ2のハードウェア構成例を示す図である。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。管理サーバ2は、CPU201、メモリ202、記憶装置203、通信インタフェース204、入力装置205、出力装置206を備える。記憶装置203は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース204は、通信ネットワークに接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置205は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置206は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。なお、後述する管理サーバ装置2の各機能部はCPU201が記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより実現され、管理サーバ2の各記憶部はメモリ202及び記憶装置203が提供する記憶領域の一部として実現される。
【0016】
<ソフトウェア構成>
図3は、管理サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。管理サーバ2は、カルテ情報記憶部231と、判断記憶部232と、入力値記憶部233と、入力部211と、予測部212と、出力部213と、学習部214と、を備えることができる。
【0017】
<カルテ情報記憶部231>
カルテ情報記憶部231は、獣医療機関に通院する動物のカルテ情報を管理する。なお、獣医療機関に一度でも通院した動物についてはカルテ情報が作成される。カルテ情報に含まれる項目には、例えば、動物患者を特定する動物IDと、受診日(日付)とに対応付けて、飼主基本情報(氏名、住所、Eメール等)、動物情報(名前、性別、動物種、品種、体重等)、問診情報、身体所見、病歴、検査情報、診断情報、処置情報、処方情報、メモ、画像情報などが含まれ得る。カルテ情報記憶部231は、管理サーバ2とは別のカルテ情報管理システムに管理するようにして、当該カルテ情報管理システムにアクセスするようにすることもできる。
【0018】
身体所見とは、動物病院等において獣医師等が調べることができ、客観的な数値で表せる身体情報である。例えば「体重」「体温」「心拍」「呼吸数」等である。
【0019】
病歴とは、獣医師等が聴取した主観的な情報である。病歴は、例えば「喉が赤い」というように飼い主だけでは実際に確認するのが困難な項目も含まれている。
【0020】
問診情報は、飼い主から取得する主観的な情報(主訴)であり、例えば、「ご飯をあまり食べていない」「足に擦り傷ができている」「太ってきた」「元気がない」「鼻水が出ている」等であり、飼い主が所有する動物を見たときに観察される症状である。問診情報では「血尿が出ている」という情報が取得されたとしても、獣医師等によって診察したところ「肛門から出血している」という現病歴が聴取されることもある。問診情報は、動物病院に来院した際に問診表や問診用端末等を利用して飼い主から取得してもよいし、飼い主が所有する携帯端末等で事前に入力してもらい取得してもよい。
【0021】
検査情報には、少なくとも当該動物患者が過去に受けた検査の内容(結果)を含んでいる。検査情報には、過去の通院、入院又は手術において受けたことのある検査や、検診において受けたことのある検査などを含めることができる。その際に、検査に対する反応(嫌がったかどうか等、検査自体の受容性・許容性に関する情報)を関連付けて記憶することとしてもよい。
【0022】
診断情報には、少なくとも当該動物患者について過去に獣医師4により判断された内容(診断)の履歴が含まれうる。診断情報には、過去に罹患した具体的な疾患名や怪我等の情報を含めることができる。診断情報には、過去の通院、入院又は手術において疑われた診断に関する情報を含めてもよい。
【0023】
処置情報には、当該動物患者が過去に受けた処置(投薬を含む。)に関する情報を含んでいる。処置情報には、処置または投薬に対する反応(嫌がったかどうか、体調に影響を来たしたか等、処置又は投薬自体の受容性・許容性に関する情報)を関連付けて記憶することとしてもよい。処置の内容としては、例えば、肛門腺処置、爪切処置、足裏処置、耳処置、毛抜き、眼科処置、歯科処置、エリザベスカラー・腹帯など、鍼灸処置、留置、便出し、抜糸、消毒、酸素処置、催吐処置、緊急蘇生処置、水抜き、強制給餌、洗浄、圧排、マッサージ、マイクロチップ、トリミング、カテーテル、リハビリ、手術、麻酔、入院、注射、輸血、点滴、検査、放射線治療、各種ドック、介護、衛生処置、シャンプー、しつけ、サプリメント、おやつ、避妊、去勢、ノミダニ駆除、狂犬病薬、ワクチン、フード、内用薬、点耳薬、点鼻薬、点眼薬、外用薬(軟膏・クリーム)、外用薬(消毒薬・スプレー)、外用薬、フィラリア予防などが例示できるがこの限りではない。
【0024】
処方情報は、当該動物患者に処方された処方薬及び処方期間が含まれる。処方情報は、当該動物患者が過去に処方された薬剤等を含めることもできる。処方情報には、自宅にて処方された薬剤を服用できたか否か、嫌がったかどうか、体調に影響を来たしたか等、処置又は投薬自体の受容性・許容性に関する情報をユーザ端末10を介して取得して追加するようにしてもよい。
【0025】
メモは、診察、入院又は手術の担当医、担当看護師、担当事務などにより入力されたテキストデータである。
【0026】
画像情報は、動物患者の様子を撮影した画像である。画像情報は、静止画像であっても動画像であってもよい。
【0027】
<判断記憶部232>
判断記憶部232は、獣医療に係る判断(検査、処置、処方、鑑別診断を含む。)に関する情報(以下、判断情報という。)を記憶する。判断には、例えば、受けるべき検査、処方するべき薬剤名、病名などが含まれ得る。判断情報には、判断に対応付けて、当該判断がなされる場合に存在しうる各項目の項目値(少なくとも動物種及び主訴を含み、その他の項目、例えば、体重等の身体所見、病歴、問診に対する回答などを含んでもよい。)を記憶する。なお、判断記憶部232には、同一の判断について、複数の判断情報が登録されうる。判断情報には、重みが含まれうる。
【0028】
<入力値記憶部233>
入力値記憶部233は、ユーザから入力された項目値を記憶する。入力値記憶部233は、ユーザを示すユーザIDに対応付けて、項目を示す項目名と、当該項目について入力された項目値とを記憶することができる。入力値記憶部233に記憶されている情報は、例えば、所定期間後に、あるいはユーザからの指示に応じて、削除されるようにしてもよい。
【0029】
<機能部>
入力部211は、項目値の入力を受け付ける。入力部211は、ユーザから項目の指定と当該項目に係る項目値の入力とを受け付けることができる。入力部211は、例えば、キーボードやタッチパネル、マウスなどにより項目の指定及び項目値の入力を受け付けることができる。入力部211は、1又は複数の項目について、1又は複数の項目値の入力を受け付けることができる。入力部211は、受け付けた項目値を入力値記憶部233に追加していくことができる。
【0030】
予測部212は、予測部212は、入力された項目値に対応する。予測部212は、入力された項目値に対応する判断を判断記憶部232から検索することができる。予測部212は、入力された1又は複数の項目値を全て含む判断情報を判断記憶部232から読み出す。予測部212は、重みの順に判断情報をソートしてもよい。
【0031】
予測部212は、入力値記憶部233に記憶されている、ユーザIDに対応する全ての項目値を読み出し、読み出した項目値の全てを含む判断情報を検索するようにしてもよい。予測部212は、入力部211が所定数の項目値の入力を受け付けるごとに、入力値記憶部233に記憶されている全ての項目値を含む判断情報を検索する絞込検索を行うことができる。
【0032】
出力部213は、予測部212により予測された判断を出力する。出力部213は、例えばディスプレイなどの出力装置206に出力することもできるが、本実施形態では、ユーザ端末1において判断が表示されるように、ユーザ端末1に対して判断を送信する。出力部213は、入力部211が受け付けた項目値を予測器210に与えて判断を推定させる。出力部213は、予測器210から出力される判断を取得し、取得した判断をユーザ端末1に送信する。
【0033】
<学習>
学習部214は、判断情報を更新することができる。学習部214は、例えば、予測器210から出力されなかった判断をユーザから受け付け、受け付けた判断と、入力された項目値(入力値記憶部233に登録されている項目値でもよい。)とを対応付けて含めた判断情報を判断記憶部232に登録することができる。
【0034】
また、学習部214は、予測部212が予測した複数の判断の中からユーザが選択した判断の入力を受け付けて、判断情報を更新することもできる。例えば、学習部214は、ユーザが選択した判断及びそのときに入力されていた項目値(のセットの全て)に対応する判断情報の重みをインクリメントすることができる。
【0035】
<動作>
図4は、管理サーバ2の動作を説明する図である。
【0036】
管理サーバ2は、項目値の入力を受け付け(S301)、受け付けた項目値をユーザIDに対応付けて入力値記憶部233に追加し、ユーザIDに対応付けて入力値記憶部233に記憶されている項目値の全てを含む判断情報を判断記憶部232から検索し(S302)、検索した判断情報に含まれる判断をユーザ端末1に送信する(S303)。管理サーバ2は、さらなる項目の入力を受け付ける場合には(S304:NO)、ステップS301からの処理を繰り返す。
【0037】
全ての入力が終了した後(S304:YES)、ユーザ(獣医療従事者)が採用する判断が検索した判断の中にあった場合には(S305:YES)、管理サーバ2は、ユーザから採用した判断の選択を受け付け(S306)、受け付けた判断及びユーザIDに対応付けて入力値記憶部233に記憶されている項目値の全てを含む判断情報について、重みをインクリメントする(S307)。
【0038】
一方、ユーザが採用する判断が検索した判断の中になかった場合には(S305:NO)、管理サーバ2は、ユーザから採用する判断の入力を受け付け(S308)、受け付けた判断及びユーザIDに対応付けて入力値記憶部233に記憶されている項目値の全てを含む判断情報を作成して判断記憶部232に登録する(S309)。
【0039】
以上のようにして、本実施形態の獣医療支援システムによれば、カルテ情報の項目に係る項目値を入力することで、入力された項目値に応じた判断をユーザ端末1に提案することができる。したがって、獣医療従事者は、当該判断を参考にして実際の判断を行うことができる。例えば、獣医療従事者は鑑別診断の候補を実際の診断を下す際の参考にすることができる。
【0040】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0041】
1 ユーザ端末
2 管理サーバ
【要約】
獣医療に係る判断を支援することができるようにする。
獣医療支援システムであって、動物のカルテ情報を記憶するカルテ情報記憶部と、カルテ情報に含まれる、動物種及び主訴を含む複数の項目に係る項目値に対応付けて、獣医療関係者により行われる判断を記憶する判断記憶部と、複数の項目値の入力を受け付ける入力部と、受け付けた項目値の全てに対応する判断を判断記憶部から読み出す予測部と、読み出した判断を出力する出力部と、を備えることを特徴とする。