(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-03
(45)【発行日】2023-10-12
(54)【発明の名称】半導体試験のためのフリーピストンスターリングクーラー温度制御システム
(51)【国際特許分類】
G01R 31/26 20200101AFI20231004BHJP
F25B 9/14 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
G01R31/26 H
F25B9/14 520Z
(21)【出願番号】P 2018001689
(22)【出願日】2018-01-10
【審査請求日】2021-01-05
【審判番号】
【審判請求日】2022-09-02
(32)【優先日】2017-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522267136
【氏名又は名称】エルティーアイ ホールディングス インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100138760
【氏名又は名称】森 智香子
(72)【発明者】
【氏名】トーマス エフ レムジーク
(72)【発明者】
【氏名】デービット エル ウェストン
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー エー ロペス
(72)【発明者】
【氏名】リチャード エー デイビス
【合議体】
【審判長】中塚 直樹
【審判官】後藤 慎平
【審判官】田邉 英治
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-520622(JP,A)
【文献】特開2008-292411(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0146676(US,A1)
【文献】特開2002-43381(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/26-31/27
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
持ち運び可能な半導体冷却装置であって、
フリーピストンスターリングクーラー(FPSC)と、
試験中の半導体デバイスの真上に垂直方向に前記FPSCを配置するために構成される支持部材と、
前記FPSCに連結され、前記試験中の半導体デバイスに連結するために構成されるサーマルアダプタと、を含
み、
前記サーマルアダプタは、前記FPSCのFPSCコールドチップに連結された上部サーマルアダプタと、前記上部サーマルアダプタの下方に位置する下部サーマルアダプタと、前記下部サーマルアダプタと前記試験中の半導体デバイスとを少なくとも部分的に囲むソケットとを含み、
前記サーマルアダプタは、前記上部サーマルアダプタと前記下部サーマルアダプタとの間にクラッチ作動を提供するように、および、前記下部サーマルアダプタと前記ソケットとの間にソケット作動を提供するように構成されている、
装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、前記フリーピストンスターリングクーラーに連結される持ち運び可能なシステム制御ユニットを含む、装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置であって、前記持ち運び可能なシステム制御ユニットと前記FPSCとの間に延在する電力線を含む、装置。
【請求項4】
請求項3に記載の装置であって、前記持ち運び可能なシステム制御ユニットと前記FPSCとの間に延在する空気供給線を含む、装置。
【請求項5】
請求項4に記載の装置であって、前記電力線および前記空気供給線が、前記支持部材によって支持される、装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置であって、前記支持部材を含む調整可能な支持フレームを含み、前記調整可能な支持フレームが、前記試験中の半導体デバイスに近接した固定された位置に前記FPSCを配置および配向するために構成される、装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置であって、前記FPSCが、垂直に前記試験中の半導体の上につるされる、装置。
【請求項8】
請求項7に記載の装置であって、
前記調整可能な支持フレームに連結される支持フレームベースであって、前記支持フレームベースがシステム制御ユニット支持構造を含む、前記支持フレームベースと、
前記システム制御ユニット支持構造によって支持されるシステム制御ユニットと、を含む装置。
【請求項9】
請求項8に記載の装置であって、前記調整可能な支持フレーム内のケーブル経路を介して、前記FPSCから前記システム制御ユニットまで延在する電力線および空気供給線を含む、装置。
【請求項10】
持ち運び可能な半導体冷却装置であって、
フリーピストンスターリングクーラー(FPSC)と、
試験中の半導体デバイスの真上に前記FPSCを配置するために構成される支持部材と、
前記FPSCに連結され、前記試験中の半導体デバイスに連結するために構成されるサーマルアダプタと、
持ち運び可能なシステム制御ユニットと前記FPSCとの間を延在する電力線を介して、および、前記持ち運び可能なシステム制御ユニットと前記FPSCとの間を延在する空気供給線を介して、前記フリーピストンスターリングクーラーに連結される持ち運び可能なシステム制御ユニットであって、前記電力線および前記空気供給線が前記支持部材によって支持される、前記持ち運び可能なシステム制御ユニットと、
前記支持部材を含む調整可能な支持フレームであって、前記調整可能な支持フレームが、前記試験中の半導体デバイスに近接した固定された位置に前記FPSCを配置および配向するために構成される、前記調整可能な支持フレームと、
前記調整可能な支持フレームに連結される支持フレームベースであって、前記支持フレームベースがシステム制御ユニット支持構造を含む、前記支持フレームベースと、
前記システム制御ユニット支持構造によって支持されるシステム制御ユニット支持構造と、を含
み、
前記サーマルアダプタは、前記FPSCのFPSCコールドチップに連結された上部サーマルアダプタと、前記上部サーマルアダプタの下方に位置する下部サーマルアダプタと、前記下部サーマルアダプタと前記試験中の半導体デバイスとを少なくとも部分的に囲むソケットとを含み、
前記サーマルアダプタは、前記上部サーマルアダプタと前記下部サーマルアダプタとの間にクラッチ作動を提供するように、および、前記下部サーマルアダプタと前記ソケットとの間にソケット作動を提供するように構成されている、
装置。
【請求項11】
試験中の半導体デバイスを冷却する方法であって、
フリーピストンスターリングクーラー(FPSC)を前記試験中の半導体デバイスに近接して配置することと、
サーマルアダプタが前記試験中の半導体デバイスに直接的に対向するように、前記FPSCと前記試験中の半導体デバイスとの間にサーマルアダプタを配置することと、
持ち運び可能なシステム制御ユニットを前記FPSCに近接して配置することと、
電力供給線を介して、および、空気供給線を介して、前記FPSCを前記持ち運び可能なシステム制御ユニットに連結することと、
前記FPSCを動作させるため、前記電力供給線および空気供給線を介して、前記FPSCに電力および空気を提供するように前記持ち運び可能なシステム制御ユニットを構成することと、
前記FPSCの動作によって前記試験中の半導体デバイスを加熱することと、を含
み、
前記サーマルアダプタは、前記FPSCのFPSCコールドチップに連結された上部サーマルアダプタと、前記上部サーマルアダプタの下方に位置する下部サーマルアダプタと、前記下部サーマルアダプタと前記試験中の半導体デバイスとを少なくとも部分的に囲むソケットとを含み、
前記サーマルアダプタは、前記上部サーマルアダプタと前記下部サーマルアダプタとの間にクラッチ作動を提供するように、および、前記下部サーマルアダプタと前記ソケットとの間にソケット作動を提供するように構成されている、
方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、さらに、前記FPSCの動作状況をモニタするように、前記持ち運び可能なシステム制御ユニットを構成することを含む、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、前記動作状況をモニタすることが、前記サーマルアダプタに近接した前記FPSCの温度をモニタすることを含む、方法。
【請求項14】
請求項11に記載の方法であって、前記FPSCの前記動作によって前記試験中の半導体デバイスを冷却することを含む、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、前記冷却することが、-100℃より低く前記半導体デバイスの温度を低下させるように実行される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、冷凍および冷却システムの分野に関し、より詳細には、自動試験の間、半導体デバイスの温度を制御するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
試験中の半導体デバイスの温度を制御するために半導体試験産業において使用されるこれまでの既存の温度制御システムは、空気、水、エチレングリコール混合液などの冷却液(coolant)やその他の特別な熱媒液を使用する相変化直接冷凍システム(phase change direct refrigeration system)を含む。これらのシステムにおいて、冷却機冷媒ユニットが、主要な冷却液の温度を二次的に制御するのに使用される。これまでの既存の温度制御システムには、主要な冷却液として一次冷媒を直接的に使用する、直接冷媒冷却システムを含むものもある。
【0003】
半導体試験のための既存の温度制御システムにおいて使用される相変化直接冷凍システム、および、直接冷媒冷却システムでさえ、遠隔コンプレッサ、蒸発器、冷却板構成要素、および、シャシハードウェアなど、扱いにくく複雑な構成要素の使用を伴う。さらに、半導体試験のためのこれまでの既存の冷却システムは、一般に、試験中の半導体デバイスから遠隔に配置されるように構成される。これらのシステムは、一般に、試験中の半導体デバイスから遠隔に、大きな冷却液コントローラハードウェアを配置し、冷却材、空気、および、電力の流れをヘッド制御ユニット(HCU)に提供する必須の接続線(umbilical line)の配線を含む。これは、冷媒を運ぶために多数のホースおよびホース継手の使用を含み、冷媒の漏れのリスクを増加させる。
【発明の概要】
【0004】
本開示の態様は、半導体デバイス試験のための持ち運び可能な(ポータブル)冷却システムおよび装置を含む。開示される持ち運び可能な冷却システムは、伝統的な冷却液ベースの冷却システムではなく、フリーピストンスターリングクーラーに基づく。
【0005】
開示される持ち運び可能な冷却システムおよび装置におけるフリーピストンスターリングクーラーの使用は、伝統的な半導体冷却システムにおいて使用される、冷却機、コンプレッサ、冷却液貯蔵機器、ホース、および、ホース継手など、扱いにくく遠隔に配置される機器の必要性を取り除く。開示されるシステムは、典型的な既存の半導体冷却システムおける一次冷却液のための温度を制御するのに典型的に使用される機器を含まず、また、例えば-40℃より低い温度を達成するために試験中の半導体デバイスの温度を典型的な冷媒冷却液温度より低く低下させるため、これまでの既存の標準的な冷媒システムにおいて典型的に使用される熱電気冷却デバイスを必要としない。開示される持ち運び可能な冷却システムおよび装置において、電力線および空気供給線のみが、HCUから持ち運び可能なシステム制御ユニット(SCU)に配線される。
【0006】
伝統的な半導体冷却システムにおいて使用される扱い難いハードウェアの大部分を取り除くことによって、開示される持ち運び可能な冷却システムおよび装置は、試験中の半導体デバイスの近く、または、それに直接的に近接して配置されるように構成されてよい。開示されるシステムおよび装置は、容易に、試験中の半導体デバイスで-100℃未満の極度に低い接触温度を提供する。これは、-70℃より低い温度で半導体デバイスを試験するという業界目標に取り組むものである。
【0007】
本開示の態様はまた、とりわけ半導体試験アプリケーションにとって重要な特徴を組み込むFPSCサーマルアダプタシステムを含む。例えば、開示されるサーマルアダプタシステムの実施形態は、試験中の半導体デバイスの制御された加熱および制御された冷却を可能にするため、適応的な熱クラッチ圧力装置を含む。開示されるサーマルアダプタシステムの実施形態は、SDUTによる自動の圧力作動を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書に組み込まれ、且つ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、説明と共に、本明細書において説明される1つまたは複数の実施形態を図示し、これらの実施形態を説明する。
【0009】
【
図1】本開示の態様に従った持ち運び可能な半導体冷却装置の図である。
【0010】
【
図2】本開示の態様に従った持ち運び可能な半導体冷却装置におけるヘッド制御ユニットの図である。
【0011】
【
図3】本開示の態様に従った概略サーマルアダプタシステムの概略図である。
【0012】
【
図4】本開示の態様に従った、試験中の半導体デバイスを冷却するための方法を図示するプロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の態様は、半導体デバイス試験のための持ち運び可能なフリーピストンスターリングクーラー(free piston stirling cooler、FPSC)システムを含む。フリーピストンスターリングクーラーおよびそれらの固有の主要な動作は、低温学および熱力学の分野でよく知られている。フリーピストンスターリングクーラーは、窒素またはヘリウムなど、非相変化の環境に優しいガスを利用するクローズドシステムである。これは、専用の熱媒液ならびに関連の特別な冷却機/コンプレッサおよび構成要素の使用を取り除く。
【0014】
開示される持ち運び可能なFPSCシステムは、試験中の半導体デバイスの近くに完全に配置されるように構成される。説明的な実施形態において、フリーピストンスターリングクーラーは、試験中の半導体デバイスの真上につるされるヘッド制御ユニット(HCU)に含まれる。持ち運び可能なシステム制御ユニットが、好都合に、試験中の半導体デバイスおよびHCUの近くの搭載構造上に配置される。電力線および空気供給線が、持ち運び可能なシステム制御ユニットとHCUとの間に連結される。
【0015】
開示されるFPSCシステムは、試験中の半導体デバイスを冷却するためのこれまでの既存のシステムより実質的に低い温度への、試験中の半導体デバイスの冷却を達成できる。開示されるシステムの実施形態は、例えば、試験のために-100℃より低い温度への半導体デバイスの冷却を提供する。
【0016】
本開示の態様に従った持ち運び可能な半導体冷却装置の説明的な実施形態が、
図1に関して説明される。持ち運び可能な半導体冷却装置100は、フリーピストンスターリングクーラー(FPSC)102と、垂直方向に試験中の半導体デバイスの真上にFPSCを配置するために構成される、支持部材104とを含む。本開示の態様によれば、サーマルアダプタ106は、FPSC102に連結され、また、試験中の半導体デバイスに連結するために構成される。
【0017】
説明的な実施形態において、持ち運び可能なシステム制御ユニット108が、フリーピストンスターリングクーラー102に連結される。電力線110が、持ち運び可能なシステム制御ユニットとFPSCとの間に延在する。空気供給線112が、また、持ち運び可能なシステム制御ユニット108とFPSC102との間に延在する。電力線110および空気供給線112は、支持部材104によって支持される。
【0018】
本開示の態様によれば、開示される持ち運び可能な半導体冷却装置100は、支持部材104を含む調整可能な支持フレーム114を含む。調整可能な支持フレーム114は、試験中の半導体デバイスに近接する固定された配置において、FPSC102を配置および配向するために構成される。調整可能な支持フレーム114は、支持部材104など、1つまたは複数の多関節アームを含んでよく、多関節アームは、互いにピボット可能に取り付けられ、且つ、FPSC102を配置するために所望の方向にラッチ、ロックまたはクランプされるように構成される。説明的な実施形態において、FPSC102は、試験中の半導体の上に垂直につるされる。
【0019】
支持フレームベース116が、調整可能な支持フレーム114に調整可能に連結される。支持フレームベース116は、システム制御ユニット支持構造118を含む。システム制御ユニット108が、システム制御ユニット支持構造118によって支持される。説明的な実施形態において、電力線110および空気供給線112は、調整可能な支持フレーム114内のケーブル経路を介して、FPSC102からシステム制御ユニット108に延在する。
【0020】
図2を参照すると、FPSC102は、サーマルアダプタシステム106と共にヘッド制御ユニット202に一体化される。FPSCは、試験中の半導体デバイス208と結合するため、サーマルアダプタ106が取り付けられる低温インターフェース204を生成する。試験中の半導体デバイス208は、例えば、プリント回路基板212に取り付けられるソケット210に搭載されてよい。FPSC102は、試験中の半導体デバイス208から熱負荷を受け、その後、FPSC102内部の熱遮断システムを介して熱負荷を除去する。
【0021】
FPSC102の動作温度および電力は、システム制御ユニット108によって直接的にモニタおよび制御される。
【0022】
本開示の態様によれば、FPSCは、試験中の半導体デバイス208の温度を上昇させるために使用されてよい。試験中の半導体デバイス208の温度を上昇させる間、アダプタの結合状態(adapter mating condition)は最小にされ得、これにより、FPSC102に対する不必要な熱負荷が減少される。
【0023】
結合状態の最小化は、FPSCと、より低いサーマルアダプタとの間の効果的な物理的接触エリアに直接的に関連する。このインターフェースでの物理的な分割を達成することによって、すなわち、クラッチタイプの結合を介して、FPSCに対する有効熱伝達が削減および/または制御され得る。
【0024】
図3は、本開示の態様に従ったサーマルアダプタシステム300における圧力作動を図示する。サーマルアダプタシステム300は、FPSCコールドチップ(先端)302に連結される上部サーマルアダプタ304と、下部サーマルアダプタ306と、ソケット308とを含む。ソケット308は、プリント回路基板212と接触し、少なくとも部分的に試験中のデバイス208を囲む。本開示の態様によれば、サーマルアダプタシステム300は、上部サーマルアダプタ304と下部サーマルアダプタ306との間にクラッチ作動310を提供するように、および、下部サーマルアダプタ306とソケット308との間にソケット作動312を提供するように構成される。
【0025】
試験中のデバイスを加熱するため、すなわち、(典型的に125℃から150℃の範囲におけるデバイス温度を達成するために)、サーマルアダプタそれ自体に配置された加熱要素から付加的な熱を供給し、クラッチの動きはFPSC(典型的に冷たく、それゆえ、加熱要素に対して熱的に短絡する)に対する熱損失を最小化できる。同じように、クラッチはまた、試験中のデバイスの冷却を制御するときに働く。FPSCは、熱放散を設計するため熱容量当たり安全に評価され、これは、安全な制御のために維持されなければならない。
【0026】
本開示の態様に従った、試験中の半導体デバイスを冷却する方法が、
図4を参照して説明される。方法400は、ブロック402で、フリーピストンスターリングクーラー(FPSC)を試験中の半導体デバイスに近接して配置することを含む。ブロック404で、方法は、サーマルアダプタが試験中の半導体デバイスに直接的に対向するように、FPSCと試験中の半導体デバイスとの間にサーマルアダプタを配置することを含む。ブロック406で、方法は、持ち運び可能なシステム制御ユニットをFPSCに近接して配置することを含む。ブロック408で、方法は、電力供給線を介して、および、空気供給線を介して、FPSCを持ち運び可能なシステム制御ユニットに連結することを含む。ブロック410で、方法は、FPSCを動作させるため、電力供給線および空気供給線を介して電力および空気をFPSCに提供するように、持ち運び可能なシステム制御ユニットを構成することを含む。
【0027】
説明的な実施形態において、FPSCの動作は、試験中の半導体デバイスの冷却を提供する。説明的な実施形態において、冷却は、-100℃より低く半導体デバイスの温度を低下させるように実施されてよい。別の実施形態において、方法は、FPSCの動作によって、試験中の半導体デバイスを加熱することを含む。
【0028】
方法はまた、FPSC動作状況をモニタするように持ち運び可能なシステム制御ユニットを構成することを含む。動作状況をモニタすることは、例えば、サーマルアダプタに近接するFPSCの温度をモニタすることと、電力線上の電圧をモニタすることを含んでよい。
【0029】
開示される持ち運び可能な冷却システムは、従来の半導体冷却システムよりコンパクトであり、試験中の半導体デバイスの近くに完全に配置され得る。開示される持ち運び可能な温度制御装置は、扱いにくさがなくなり、従来の半導体冷却システムよりも迅速なシステムおよび始動が可能となり、わずか2~3分のうちに極低温に達することができる。試験中の半導体デバイスの近くの冷却システムハードウェアのコンパクトな統合は、遠隔構成要素およびコントローラシャシへの非常に長いホース継手を取り除く。これは、流体システムをホックで留めることを含む標準的な仕組みと関連する冷却液の漏れのリスクを削減または取り除くことができる。
【0030】
実施形態の前述の記載は、図および説明を提供することを意図しており、包括的であること、または、開示された明確な形態に本発明を限定することを意図するものでない。修正および変形が、上記の教示に照らして可能であり、本発明の実施から必要とされてよい。
【0031】
本明細書において使用された要素、動作、指示は、明確に記載される場合を除いて、本発明にとって重要または必要不可欠であると解釈されるべきでない。また、本明細書において使用されるように、冠詞「a」は、1つまたは複数のアイテムを含むことが意図される。1つのアイテムのみが意図される場合、「1つ(one)」という語または同様の言葉が使用される。さらに、「に基づいて(based on)」というフレーズは、そうではないと明確に述べられる場合を除いて、「に少なくとも部分的に基づいて(based、 at least in part, on)」を意味することが意図される。