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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-03
(45)【発行日】2023-10-12
(54)【発明の名称】多角形仕切付き包装箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/486 20060101AFI20231004BHJP
   B65D 5/02 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
B65D5/486
B65D5/02 M
B65D5/02 L
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019203115
(22)【出願日】2019-11-08
(65)【公開番号】P2021075301
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-07-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000115980
【氏名又は名称】レンゴー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100117400
【弁理士】
【氏名又は名称】北川 政徳
(74)【代理人】
【識別番号】100161746
【弁理士】
【氏名又は名称】地代 信幸
(74)【代理人】
【識別番号】100166796
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 雅至
(72)【発明者】
【氏名】長原 耕太郎
(72)【発明者】
【氏名】大谷 昌義
【審査官】永田 勝也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2007/0228119(US,A1)
【文献】特開2018-135157(JP,A)
【文献】特開2005-280744(JP,A)
【文献】実開昭59-112718(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/486
B65D 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
周壁(1)の各面をなす側壁(2,3,4,5)が縦稜線(8)を介して連設され、前記側壁(2,3,4,5)に横稜線(14)を介して折り曲げられるフラップ(15,16)が連設された包装箱において、
前記一つの側壁(5)及びフラップ(15)が、それぞれ両側の縦稜線(8)から延びる分割側壁(6,7)及びこれに連なる分割フラップ(17,18)により構成され、前記一方の分割側壁(7)に仕切壁(11)が連設され、前記仕切壁(11)の先端側に継代(13)が設けられると共に、前記周壁(1)の対角部には、前記縦稜線(8)に挟まれた面取部(9)が介在しており、
前記仕切壁(11)の長さAは、組立時に前記仕切壁(11)が及ばない側壁(2,4)のそれぞれの幅Bより大きく、この側壁(2,4)のそれぞれの幅Bに隣接する前記面取部(9)の幅を加えた幅Cより小さく、すなわち、寸法関係は、B<A<Cとなっており、
対角位置となる前記2本の縦稜線(8)を軸として偏平に折り畳まれた状態で、前記分割側壁(6,7)同士及び前記分割フラップ(17,18)同士が重合部で継ぎ合わされると共に、前記継代(13)が前記分割側壁(6,7)の対向面をなす側壁(3)の内面に貼り合わされ、
前記側壁(2,3,4,5)と前記面取部(9)とが外面で鈍角をなすように、前記周壁(1)が多角形筒状に立体化されると、前記仕切壁(11)は、前記周壁(1)の側壁(2,3,4,5)に対して平行又は直交することなく、傾斜した状態となることを特徴とする多角形仕切付き包装箱。
【請求項2】
周壁(1)の各面をなす側壁(2,3,4,5)が縦稜線(8)を介して連設され、前記側壁(2,3,4,5)に横稜線(14)を介して折り曲げられるフラップ(15,16)が連設された包装箱において、
前記一つの側壁(5)及びフラップ(15)が、それぞれ両側の縦稜線(8)から延びる分割側壁(6,7)及びこれに連なる分割フラップ(17,18)により構成され、前記一方の分割側壁(7)に仕切壁(11)が連設され、前記仕切壁(11)の先端側に継代(13)が設けられると共に、前記周壁(1)の対角部には、前記縦稜線(8)に挟まれた面取部(9)が介在しており、
組立時に内側に重なる前記フラップ(15)の先端寄りには、これに隣り合い組立時に外側に重なる前記フラップ(16)に切れ込むように、張出部(15a)が設けられ、
対角位置となる前記2本の縦稜線(8)を軸として偏平に折り畳まれた状態で、前記分割側壁(6,7)同士及び前記分割フラップ(17,18)同士が重合部で継ぎ合わされると共に、前記継代(13)が前記分割側壁(6,7)の対向面をなす側壁(3)の内面に貼り合わされ、
前記周壁(1)が立体化され、前記フラップ(15,16)が順次折り重ねられる際、内側に重なるフラップ(15)の先端寄りの張出部(15a)の側縁が、外側に重なるフラップ(16)の根元に臨む前記周壁(1)の内面に当接して、前記周壁(1)が所定形状に成形され、
前記側壁(2,3,4,5)と前記面取部(9)とが外面で鈍角をなすように、前記周壁(1)が多角形筒状に立体化されると、前記仕切壁(11)は、前記周壁(1)の側壁(2,3,4,5)に対して平行又は直交することなく、傾斜した状態となり、
前記外側に重なるフラップ(16)の先端同士を突き合わせると、前記内側に重なるフラップ(15)の張出部(15a)の側縁は、前記周壁(1)から僅かに離れることを特徴とする多角形仕切付き包装箱。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の多角形仕切付き包装箱において、
前記周壁(1)は、六角形筒状となるように一組の対角部にのみ前記面取部(9)を有し、
前記仕切壁(11)の連なる分割側壁(7)と側壁(4)の境界をなす縦稜線(8)と、その対角位置にある縦稜線(8)とを軸として偏平に折り畳まれ、
前記仕切壁(11)は、前記周壁(1)が立体化されると、前記分割フラップ(17,18)の重合部から離れる方向へ傾斜することを特徴とする多角形仕切付き包装箱。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の多角形仕切付き包装箱において、
前記周壁(1)は、八角形筒状となるように二組の対角部に前記面取部(9)を有し、
前記仕切壁(11)の連なる分割側壁(7)と面取部(9)の境界をなす縦稜線(8)と、その対角位置にある縦稜線(8)とを軸として偏平に折り畳まれ、
前記仕切壁(11)は、前記周壁(1)が立体化されると、前記分割フラップ(17,18)の重合部に重なる方向へ傾斜することを特徴とする多角形仕切付き包装箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、仕切壁と箱体とが一体化され、箱体の周壁が多角形筒状とされた包装箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数個の商品を並べて収納する包装箱として、下記特許文献1には、図21に示すような仕切付きのものが記載されている。
【0003】
この包装箱では、四角形筒状の周壁51を形成する側壁52乃至55が縦稜線56を介して連設され、側壁52乃至55に横稜線57を介して封緘用のフラップ58,59が連設されている。側壁52乃至55のうち、一つの側壁55は、両側の縦稜線56から延びる分割側壁60,61を継ぎ合わせて構成されている。そして、一方の分割側壁61から延びる仕切壁62が側壁53の方向へ直角に折り曲げられ、仕切壁62の先端の継代63が側壁53の内面に貼り合わされている。
【0004】
このような包装箱は、偏平な折畳状態から迅速に組み立てられ、商品を箱詰めする際、一般的な包装箱のように、周壁とフラップからなる箱本体に別体の仕切を挿入する必要がないので、商品の出荷に伴う包装作業の省力化を図ることができ、機械で商品を箱詰めする自動包装ラインにも対応できる。
【0005】
また、下記特許文献2には、図22に示すような多角形の包装箱が記載されている。この包装箱では、八角形筒状の周壁71が、各一対の側壁72,73と、その間に縦稜線74に挟まれて介在する面取部75とから形成され、側壁72,73に横稜線76を介して封緘時に順次折り重ねられるフラップ77,78がそれぞれ連設されている。内側のフラップ78は、その根元に連なる側壁73とほぼ同様の幅とされている。
【0006】
このような包装箱は、一般的な直方体状の包装箱よりも展開面積が小さく、段積み時の耐圧強度も優れたものとなるが、組み立てに際し、周壁71を所定の八角形筒状に成形するため、図23に示すように、マンドレルMに巻き付けることにより、周壁71を縦稜線74を軸として正確な角度に折り曲げる必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2005-280744号公報
【文献】特許第3304991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、図21に示す仕切付き包装箱では、展開面積が大きく、製造に要する材料のコストが嵩むという問題がある。
【0009】
また、図22に示す多角形包装箱では、マンドレルを使用しなければ立体形状への成形が難しく、マンドレルを備えた製函機は高額でコストが嵩むという問題がある。
【0010】
そこで、この発明は、展開面積を小さく抑制して材料のコストを削減でき、偏平な折畳状態から迅速に組み立てられ、かつ、耐圧強度が大きく安定した段積みが可能となる多角形仕切付きの包装箱を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、この発明は、周壁の各面をなす側壁が縦稜線を介して連設され、前記側壁に横稜線を介して折り曲げられるフラップが連設された包装箱において、
前記一つの側壁及びフラップが、それぞれ両側の縦稜線から延びる分割側壁及びこれに連なる分割フラップにより構成され、前記一方の分割側壁に仕切壁が連設され、前記仕切壁の先端側に継代が設けられると共に、前記周壁の対角部には、前記縦稜線に挟まれた面取部が介在しており、
対角位置となる前記2本の縦稜線を軸として偏平に折り畳まれた状態で、前記分割側壁同士及び前記分割フラップ同士が重合部で継ぎ合わされると共に、前記継代が前記分割側壁の対向面をなす側壁の内面に貼り合わされ、
前記側壁と前記面取部とが外面で鈍角をなすように、前記周壁が多角形筒状に立体化されると、前記仕切壁は、前記周壁の側壁に対して平行又は直交することなく、傾斜した状態となる多角形仕切付き包装箱を提供することとしたのである。
【0012】
また、前記周壁は、六角形筒状となるように一組の対角部にのみ前記面取部を有し、
前記仕切壁の連なる分割側壁と側壁の境界をなす縦稜線と、その対角位置にある縦稜線とを軸として偏平に折り畳まれ、
前記仕切壁は、前記周壁が立体化されると、前記分割フラップの重合部から離れる方向へ傾斜するものとしたのである。
【0013】
或いは、前記周壁は、八角形筒状となるように二組の対角部に前記面取部を有し、
前記仕切壁の連なる分割側壁と面取部の境界をなす縦稜線と、その対角位置にある縦稜線とを軸として偏平に折り畳まれ、
前記仕切壁は、前記周壁が立体化されると、前記分割フラップの重合部に重なる方向へ傾斜するものとしたのである。
【0014】
また、前記周壁が立体化され、前記フラップが順次折り重ねられる際、内側に重なるフラップの先端寄りの張出部の側縁が、外側に重なるフラップの根元に臨む前記周壁の内面に当接して、前記周壁が所定形状に成形されるものとしたのである。
【発明の効果】
【0015】
この発明に係る多角形仕切付き包装箱では、周壁の対角部で隣り合う側壁の間に面取部が介在しているので、耐圧強度が向上すると共に、周壁に連なる仕切壁を備えた構造であっても、展開面積を小さく抑制して材料のコストを削減できる。また、面取部を陳列時における訴求性向上のための印刷スペースとして活用することもできる。
【0016】
また、偏平に折り畳むことができ、周壁を立体化した状態では、仕切壁が側壁に対して傾斜するようにしたので、ワンタッチグルア等の製造機械で折曲・貼合加工を行うことができ、嵩張らない状態で商品の包装作業場所へ輸送し、保管しておくことができる。
【0017】
そして、包装作業場所でセットアップケーサー等の包装機械により迅速に組み立てて、商品を箱詰めすることができ、商品の自動包装ラインへの適用が可能となる。
【0018】
また、内側に重なるフラップの張り出した側縁が、外側に重なるフラップの根元に臨む周壁の内面に当接するようにしておくと、マンドレルを使用することなく、確実に所定形状に成形することができる。
【0019】
また、仕切壁が長いことから、封緘状態において、フラップが撓まないように仕切壁でしっかりと支持され、安定した段積みが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】この発明に係る多角形仕切付き包装箱の第1実施形態におけるフラップを閉じた封緘状態を示す斜視図
図2】同上の天面のフラップを開いた状態を示す斜視図
図3】同上の周壁を立体化した状態の横断平面図
図4】同上の折畳状態を示す図
図5】同上のブランクを示す図
図6】この発明に係る多角形仕切付き包装箱の第2実施形態におけるフラップを閉じた封緘状態を示す斜視図
図7】同上の天面のフラップを開いた状態を示す斜視図
図8】同上の周壁を立体化した状態の横断平面図
図9】同上の折畳状態を示す図
図10】同上のブランクを示す図
図11】この発明に係る多角形仕切付き包装箱の第3実施形態におけるフラップを閉じた封緘状態を示す斜視図
図12】同上の天面のフラップを開いた状態を示す斜視図
図13】同上の周壁を立体化した状態の横断平面図
図14】同上の折畳状態を示す図
図15】同上のブランクを示す図
図16】この発明に係る多角形仕切付き包装箱の第4実施形態におけるフラップを閉じた封緘状態を示す斜視図
図17】同上の天面のフラップを開いた状態を示す斜視図
図18】同上の周壁を立体化した状態の横断平面図
図19】同上の折畳状態を示す図
図20】同上のブランクを示す図
図21】特許文献1に記載の仕切付き包装箱における天面のフラップを開いた状態を示す斜視図
図22】特許文献2に記載の多角形包装箱におけるフラップを閉じた封緘状態を示す斜視図
図23】同上のマンドレルによる成形過程を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0021】
<第1実施形態>
(実施形態の概要)
この発明の第1実施形態を図1乃至図5に基づいて説明する。図1に示すように、この包装箱は、周壁1が六角形筒状をなし、幅面(短い方向の側面)で継ぎ合わされる形式の段ボール箱である。
【0022】
(ブランク)
この包装箱のブランクは、図5に示すような形状とされている。このブランクでは、段ボールの中しんの段目方向が縦方向へ向けられており、段ボールの性質上、縦方向の圧縮強度が横方向の圧縮強度よりも大きくなっている。
【0023】
そして、周壁1を構成する部分として一側(図示では右側)から他側(図示では左側)へかけて、分割側壁6、面取部9、側壁2、側壁3、面取部9、側壁4及び分割側壁7が縦稜線8を介して順次連設されている。
【0024】
側壁2,4は、周壁1の長面(長い方向の側面)を形成するものであり、側壁3とこれに対向するように分割側壁6,7を重合部で継ぎ合わせて構成される側壁5は、周壁1の幅面(短い方向の側面)を形成するものである。
【0025】
分割側壁7の他側(図示では左側)には、基折線10を介して仕切壁11が連設され、仕切壁11の先端には、先折線12を介して継代13が連設されている。
【0026】
側壁3の上端及び下端には、横稜線14を介してフラップ15が連設され、側壁2,4の上端及び下端には、横稜線14を介してフラップ16が連設されている。
【0027】
分割側壁6の上端及び下端には、横稜線14を介して分割フラップ17が連設され、分割側壁7の上端及び下端には、横稜線14を介して分割フラップ18が連設されている。分割フラップ17,18は、重合部で継ぎ合わされてフラップ15を構成する。
【0028】
フラップ15,16は、封緘時に重ね合わされ、その状態において、フラップ15は内側に重なり、フラップ16は外側に重なるものである。
【0029】
フラップ15(分割フラップ17を含む)の先端寄りの一側には、隣り合うフラップ16に切れ込むように、張出部15aが設けられている。
【0030】
このブランクにおいて、縦稜線8、基折線10及び横稜線14は、段ボールを裏面から押圧した押罫とされ、先折線12は、段ボールを表面から押圧した逆罫とされている。また、分割側壁6及び分割フラップ17,18の重合部となる部分には、段ボールを厚さ方向に押し潰す段潰し加工が施されている。
【0031】
また、仕切壁11の長さAは、側壁2,4のそれぞれの幅Bより大きく、側壁2,4のそれぞれの幅Bに1つの面取部9の幅を加えた幅Cより小さくなっている。すなわち、寸法関係は、B<A<Cとなっている。
【0032】
このようなブランクでは、周壁1に連なる仕切壁11を備えた構造であっても、周壁1が四角形筒状の仕切付き包装箱に比較して、展開面積を小さく抑制して材料のコストを削減できる。
【0033】
(ブランクの折り畳み・貼り合わせ)
上記ブランクは、成形時において対角位置Fとなる側壁2,3の境界の縦稜線8と、側壁4と分割側壁7の境界の縦稜線8とを軸として、図4に示すように、偏平に折り畳まれた状態とされ、分割側壁6,7同士及び分割フラップ17,18同士が重合部で接着剤により継ぎ合わされると共に、継代13が側壁3の内面に接着剤により貼り合わされる。
【0034】
この折畳・貼合加工は、ワンタッチグルア等の製造機械で行うことができる。そして、この包装箱は、偏平に折り畳まれた嵩張らない状態で、商品の包装作業場所へ輸送し、保管しておくことができる。
【0035】
また、この折畳状態では、フラップ15の張出部15aが対角位置Fの縦稜線8から飛び出さないので、取り扱いが容易で、張出部15aが不意に折れ曲がることがなく、後述の張出部15aによる成形作用が損なわれることがない。
【0036】
(周壁の立体化、商品収納及び封緘)
そして、商品の包装に際し、図2及び図3に示すように、周壁1を立体化すると、側壁2乃至5と面取部9とが外面で鈍角をなすように、周壁1が六角形筒状となり、仕切壁11は、周壁1の一方の対向する側壁2,4に対して平行することなく、また、他方の対向する側壁3,5に対して直交することなく、傾斜した状態となる。
【0037】
次に、下方の各一対のフラップ15,16を横稜線14に沿って内方向へ順次折り曲げて、フラップ15,16を重ね合わせた状態で、接着剤により貼り合わせ、又はテープを貼り付けることにより、底面を閉止する。
【0038】
このとき、内側に重なるフラップ15の先端寄りの張出部15aの側縁が、外側に重なるフラップ16の根元に臨む側壁2,4の内面に当接するので、マンドレルを使用することなく、周壁1が所定の六角形筒状に成形される。また、仕切壁11の傾斜方向は、分割フラップ17,18の重合部から離れる方向となる。なお、フラップ16の先端同士を突き合わせると、フラップ15の張出部15aの側縁は、側壁2,4から僅かに離れる。
【0039】
このように周壁1を立体化した状態において、本実施形態の場合、図5に示す仕切壁11の長さAが357mm、側壁2,4の幅Bが318mm、幅Bに1つの面取部9の幅を加えた幅Cが378mmの寸法条件のもとで、図3に示す仕切壁11の側壁3,5に対する鈍角側の傾斜角αは93°となり、仕切壁11の傾斜幅Kは18mmとなる。
【0040】
そして、この状態で、天面の開口部から箱内に商品を挿入する。上記組立工程及び商品の箱詰め工程は、包装作業場所でセットアップケーサー等の包装機械により迅速に行うことができる。
【0041】
その後、図1に示すように、上方の各一対のフラップ15,16を横稜線14を軸に内方向へ順次折り曲げて、フラップ15,16を重ね合わせた状態で、接着剤により貼り合わせ、又はテープを貼り付けることにより、天面を閉止して封緘状態とする。
【0042】
このような封緘状態では、フラップ15が傾斜した長い仕切壁11で撓まないようにしっかりと支持され、安定した段積みが可能となる。
【0043】
また、面取部9を陳列時における訴求性向上のための印刷スペースとして活用することにより、商品の販売促進効果を向上させることもできる。
【0044】
<第2実施形態>
(実施形態の概要)
次に、この発明の第2実施形態を図6乃至図10に基づいて説明する。図6に示すように、この包装箱は、周壁1が六角形筒状をなし、長面(長い方向の側面)で継ぎ合わされる形式の段ボール箱である。
【0045】
(ブランク)
この包装箱のブランクは、図10に示すような形状とされている。このブランクでは、段ボールの中しんの段目方向が縦方向へ向けられており、段ボールの性質上、縦方向の圧縮強度が横方向の圧縮強度よりも大きくなっている。
【0046】
そして、周壁1を構成する部分として一側(図示では右側)から他側(図示では左側)へかけて、分割側壁6、面取部9、側壁2、側壁3、面取部9、側壁4及び分割側壁7が縦稜線8を介して順次連設されている。
【0047】
側壁2,4は、周壁1の幅面(短い方向の側面)を形成するものであり、側壁3とこれに対向するように分割側壁6,7を重合部で継ぎ合わせて構成される側壁5は、周壁1の長面(長い方向の側面)を形成するものである。
【0048】
分割側壁7の他側(図示では左側)には、基折線10を介して仕切壁11が連設され、仕切壁11の先端には、先折線12を介して継代13が連設されている。
【0049】
側壁2,4の上端及び下端には、横稜線14を介してフラップ15が連設され、側壁3の上端及び下端には、横稜線14を介してフラップ16が連設されている。
【0050】
分割側壁6の上端及び下端には、横稜線14を介して分割フラップ17が連設され、分割側壁7の上端及び下端には、横稜線14を介して分割フラップ18が連設されている。分割フラップ17,18は、重合部で継ぎ合わされてフラップ16を構成する。
【0051】
フラップ15,16は、封緘時に重ね合わされ、その状態において、フラップ15は内側に重なり、フラップ16は外側に重なるものである。
【0052】
フラップ15の先端寄りの一側には、隣り合うフラップ16に切れ込むように、張出部15aが設けられている。
【0053】
このブランクにおいて、縦稜線8、基折線10及び横稜線14は、段ボールを裏面から押圧した押罫とされ、先折線12は、段ボールを表面から押圧した逆罫とされている。また、分割側壁6及び分割フラップ17,18の重合部となる部分には、段ボールを厚さ方向に押し潰す段潰し加工が施されている。
【0054】
また、仕切壁11の長さAは、側壁2,4のそれぞれの幅Bより大きく、側壁2,4のそれぞれの幅Bに1つの面取部9の幅を加えた幅Cより小さくなっている。すなわち、寸法関係は、B<A<Cとなっている。
【0055】
このようなブランクでは、周壁1に連なる仕切壁11を備えた構造であっても、周壁1が四角形筒状の仕切付き包装箱に比較して、展開面積を小さく抑制して材料のコストを削減できる。
【0056】
(ブランクの折り畳み・貼り合わせ)
上記ブランクは、成形時において対角位置Fとなる側壁2,3の境界の縦稜線8と、側壁4と分割側壁7の境界の縦稜線8とを軸として、図9に示すように、偏平に折り畳まれた状態とされ、分割側壁6,7同士及び分割フラップ17,18同士が重合部で接着剤により継ぎ合わされると共に、継代13が側壁3の内面に接着剤により貼り合わされる。
【0057】
この折畳・貼合加工は、ワンタッチグルア等の製造機械で行うことができる。そして、この包装箱は、偏平に折り畳まれた嵩張らない状態で、商品の包装作業場所へ輸送し、保管しておくことができる。
【0058】
また、この折畳状態では、フラップ15の張出部15aが対角位置Fの縦稜線8から飛び出さないので、取り扱いが容易で、張出部15aが不意に折れ曲がることがなく、後述の張出部15aによる成形作用が損なわれることがない。
【0059】
(周壁の立体化、商品収納及び封緘)
そして、商品の包装に際し、図7及び図8に示すように、周壁1を立体化すると、側壁2乃至5と面取部9とが外面で鈍角をなすように、周壁1が六角形筒状となり、仕切壁11は、周壁1の一方の対向する側壁2,4に対して平行することなく、また、他方の対向する側壁3,5に対して直交することなく、傾斜した状態となる。
【0060】
次に、下方の各一対のフラップ15,16を横稜線14に沿って内方向へ順次折り曲げて、フラップ15,16を重ね合わせた状態で、接着剤により貼り合わせ、又は、テープを貼り付けることにより、底面を閉止する。
【0061】
このとき、内側に重なるフラップ15の先端寄りの張出部15aの側縁が、外側に重なるフラップ16の根元に臨む側壁3,5の内面に当接するので、マンドレルを使用することなく、周壁1が所定の六角形筒状に成形される。また、仕切壁11の傾斜方向は、分割フラップ17,18の重合部から離れる方向となる。なお、フラップ16の先端同士を突き合わせると、フラップ15の張出部15aの側縁は、側壁3,5から僅かに離れる。
【0062】
このように周壁1を立体化した状態において、本実施形態の場合、図10に示す仕切壁11の長さAが234mm、側壁2,4の幅Bが194mm、幅Bに1つの面取部9の幅を加えた幅Cが254mmの寸法条件のもとで、図8に示す仕切壁11の側壁3,5に対する鈍角側の傾斜角αは95°となり、仕切壁11の傾斜幅Kは22mmとなる。
【0063】
そして、この状態で、天面の開口部から箱内に商品を挿入する。上記組立工程及び商品の箱詰め工程は、包装作業場所でセットアップケーサー等の包装機械により迅速に行うことができる。
【0064】
その後、図6に示すように、上方の各一対のフラップ15,16を横稜線14を軸に内方向へ順次折り曲げて、フラップ15,16を重ね合わせた状態で、接着剤により貼り合わせ、又はテープを貼り付けることにより、天面を閉止して封緘状態とする。
【0065】
このような封緘状態では、フラップ16が傾斜した長い仕切壁11で撓まないようにしっかりと支持され、安定した段積みが可能となる。
【0066】
また、面取部9を陳列時における訴求性向上のための印刷スペースとして活用することにより、商品の販売促進効果を向上させることもできる。
【0067】
<第3実施形態>
(実施形態の概要)
次に、この発明の第3実施形態を図11乃至図15に基づいて説明する。図11に示すように、この包装箱は、周壁1が八角形筒状をなし、幅面(短い方向の側面)で継ぎ合わされる形式の段ボール箱である。
【0068】
(ブランク)
この包装箱のブランクは、図15に示すような形状とされている。このブランクでは、段ボールの中しんの段目方向が縦方向へ向けられており、段ボールの性質上、縦方向の圧縮強度が横方向の圧縮強度よりも大きくなっている。
【0069】
そして、周壁1を構成する部分として一側(図示では右側)から他側(図示では左側)へかけて、分割側壁6、面取部9、側壁2、面取部9、側壁3、面取部9、側壁4、面取部9及び分割側壁7が縦稜線8を介して順次連設されている。
【0070】
側壁2,4は、周壁1の長面(長い方向の側面)を形成するものであり、側壁3とこれに対向するように分割側壁6,7を重合部で継ぎ合わせて構成される側壁5は、周壁1の幅面(短い方向の側面)を形成するものである。
【0071】
分割側壁7の他側(図示では左側)には、基折線10を介して仕切壁11が連設され、仕切壁11の先端には、先折線12を介して継代13が連設されている。
【0072】
側壁3の上端及び下端には、横稜線14を介してフラップ15が連設され、側壁2,4の上端及び下端には、横稜線14を介してフラップ16が連設されている。
【0073】
分割側壁6の上端及び下端には、横稜線14を介して分割フラップ17が連設され、分割側壁7の上端及び下端には、横稜線14を介して分割フラップ18が連設されている。分割フラップ17,18は、重合部で継ぎ合わされてフラップ15を構成する。
【0074】
フラップ15,16は、封緘時に重ね合わされ、その状態において、フラップ15は内側に重なり、フラップ16は外側に重なるものである。
【0075】
フラップ15(分割フラップ17,18を含む)の先端寄りの一側には、隣り合うフラップ16に切れ込むように、張出部15aが設けられている。
【0076】
このブランクにおいて、縦稜線8、基折線10及び横稜線14は、段ボールを裏面から押圧した押罫とされ、先折線12は、段ボールを表面から押圧した逆罫とされている。また、分割側壁6及び分割フラップ17,18の重合部となる部分には、段ボールを厚さ方向に押し潰す段潰し加工が施されている。
【0077】
また、仕切壁11の長さAは、側壁2,4のそれぞれの幅Bより大きく、側壁2,4のそれぞれの幅Bに2つの面取部9の幅を加えた幅Cより小さくなっている。すなわち、寸法関係は、B<A<Cとなっている。
【0078】
このようなブランクでは、周壁1に連なる仕切壁11を備えた構造であっても、周壁1が四角形筒状の仕切付き包装箱又は六角形筒状の仕切付き包装箱に比較して、展開面積を小さく抑制して材料のコストを削減できる。
【0079】
(ブランクの折り畳み・貼り合わせ)
上記ブランクは、成形時において対角位置Fとなる側壁3と側壁2寄りの面取部9の境界の縦稜線8と、分割側壁7と面取部9の境界の縦稜線8とを軸として、図14に示すように、偏平に折り畳まれた状態とされ、分割側壁6,7同士及び分割フラップ17,18同士が重合部で接着剤により継ぎ合わされると共に、継代13が側壁3の内面に接着剤により貼り合わされる。
【0080】
この折畳・貼合加工は、ワンタッチグルア等の製造機械で行うことができる。そして、この包装箱は、偏平に折り畳まれた嵩張らない状態で、商品の包装作業場所へ輸送し、保管しておくことができる。
【0081】
(周壁の立体化、商品収納及び封緘)
そして、商品の包装に際し、図12及び図13に示すように、周壁1を立体化すると、側壁2乃至5と面取部9とが外面で鈍角をなすように、周壁1が八角形筒状となり、仕切壁11は、周壁1の一方の対向する側壁2,4に対して平行することなく、また、他方の対向する側壁3,5に対して直交することなく、傾斜した状態となる。
【0082】
次に、下方の各一対のフラップ15,16を横稜線14に沿って内方向へ順次折り曲げて、フラップ15,16を重ね合わせた状態で、接着剤により貼り合わせ、又はテープを貼り付けることにより、底面を閉止する。
【0083】
このとき、内側に重なるフラップ15の先端寄りの張出部15aの側縁が、外側に重なるフラップ16の根元に臨む側壁2,4の内面に当接するので、マンドレルを使用することなく、周壁1が所定の八角形筒状に成形される。また、仕切壁11の傾斜方向は、分割フラップ17,18の重合部に重なる方向となる。なお、フラップ16の先端同士を突き合わせると、フラップ15の張出部15aの側縁は、側壁2,4から僅かに離れる。
【0084】
このように周壁1を立体化した状態において、本実施形態の場合、図15に示す仕切壁11の長さAが358mm、側壁2,4の幅Bが276mm、幅Bに2つの面取部9の幅を加えた幅Cが396mmの寸法条件のもとで、図13に示す仕切壁11の側壁3,5に対する鈍角側の傾斜角αは96°となり、仕切壁11の傾斜幅Kは38mmとなる。
【0085】
そして、この状態で、天面の開口部から箱内に商品を挿入する。上記組立工程及び商品の箱詰め工程は、包装作業場所でセットアップケーサー等の包装機械により迅速に行うことができる。
【0086】
その後、図11に示すように、上方の各一対のフラップ15,16を横稜線14を軸に内方向へ順次折り曲げて、フラップ15,16を重ね合わせた状態で、接着剤により貼り合わせ、又はテープを貼り付けることにより、天面を閉止して封緘状態とする。
【0087】
このような封緘状態では、フラップ15が傾斜した長い仕切壁11でしっかりと支持され、また、仕切壁11が分割フラップ17,18の重合部に重なることから、継ぎ合わされたフラップ15の撓みも抑制されるほか、周壁1に4つの面取部9を備えていることから、耐圧強度が大きく、安定した段積みが可能となる。
【0088】
また、面取部9を陳列時における訴求性向上のための印刷スペースとして活用することにより、商品の販売促進効果を向上させることもできる。
【0089】
<第4実施形態>
(実施形態の概要)
次に、この発明の第4実施形態を図16乃至図20に基づいて説明する。図16に示すように、この包装箱は、周壁1が八角形筒状をなし、長面(長い方向の側面)で継ぎ合わされる形式の段ボール箱である。
【0090】
(ブランク)
この包装箱のブランクは、図20に示すような形状とされている。このブランクでは、段ボールの中しんの段目方向が縦方向へ向けられており、段ボールの性質上、縦方向の圧縮強度が横方向の圧縮強度よりも大きくなっている。
【0091】
そして、周壁1を構成する部分として一側(図示では右側)から他側(図示では左側)へかけて、分割側壁6、面取部9、側壁2、面取部9、側壁3、面取部9、側壁4、面取部9及び分割側壁7が縦稜線8を介して順次連設されている。
【0092】
側壁2,4は、周壁1の幅面(短い方向の側面)を形成するものであり、側壁3とこれに対向するように分割側壁6,7を重合部で継ぎ合わせて構成される側壁5は、周壁1の長面(長い方向の側面)を形成するものである。
【0093】
分割側壁7の他側(図示では左側)には、基折線10を介して仕切壁11が連設され、仕切壁11の先端には、先折線12を介して継代13が連設されている。
【0094】
側壁2,4の上端及び下端には、横稜線14を介してフラップ15が連設され、側壁3の上端及び下端には、横稜線14を介してフラップ16が連設されている。
【0095】
分割側壁6の上端及び下端には、横稜線14を介して分割フラップ17が連設され、分割側壁7の上端及び下端には、横稜線14を介して分割フラップ18が連設されている。分割フラップ17,18は、重合部で継ぎ合わされてフラップ16を構成する。
【0096】
フラップ15,16は、封緘時に重ね合わされ、その状態において、フラップ15は内側に重なり、フラップ16は外側に重なるものである。
【0097】
フラップ15の先端寄りの一側には、隣り合うフラップ16に切れ込むように、張出部15aが設けられている。
【0098】
このブランクにおいて、縦稜線8、基折線10及び横稜線14は、段ボールを裏面から押圧した押罫とされ、先折線12は、段ボールを表面から押圧した逆罫とされている。また、分割側壁6及び分割フラップ17,18の重合部となる部分には、段ボールを厚さ方向に押し潰す段潰し加工が施されている。
【0099】
また、仕切壁11の長さAは、側壁2,4のそれぞれの幅Bより大きく、側壁2,4のそれぞれの幅Bに2つの面取部9の幅を加えた幅Cより小さくなっている。すなわち、寸法関係は、B<A<Cとなっている。
【0100】
このようなブランクでは、周壁1に連なる仕切壁11を備えた構造であっても、周壁1が四角形筒状の仕切付き包装箱又は六角形筒状の仕切付き包装箱に比較して、展開面積を小さく抑制して材料のコストを削減できる。
【0101】
(ブランクの折り畳み・貼り合わせ)
上記ブランクは、成形時において対角位置Fとなる側壁3と側壁2寄りの面取部9の境界の縦稜線8と、分割側壁7と面取部9の境界の縦稜線8とを軸として、図19に示すように、偏平に折り畳まれた状態とされ、分割側壁6,7同士及び分割フラップ17,18同士が重合部で接着剤により継ぎ合わされると共に、継代13が側壁3の内面に接着剤により貼り合わされる。
【0102】
この折畳・貼合加工は、ワンタッチグルア等の製造機械で行うことができる。そして、この包装箱は、偏平に折り畳まれた嵩張らない状態で、商品の包装作業場所へ輸送し、保管しておくことができる。
【0103】
(周壁の立体化、商品収納及び封緘)
そして、商品の包装に際し、図17及び図18に示すように、周壁1を立体化すると、側壁2乃至5と面取部9とが外面で鈍角をなすように、周壁1が八角形筒状となり、仕切壁11は、周壁1の一方の対向する側壁2,4に対して平行することなく、また、他方の対向する側壁3,5に対して直交することなく、傾斜した状態となる。
【0104】
次に、下方の各一対のフラップ15,16を横稜線14に沿って内方向へ順次折り曲げて、フラップ15,16を重ね合わせた状態で、接着剤により貼り合わせ、又は、テープを貼り付けることにより、底面を閉止する。
【0105】
このとき、内側に重なるフラップ15の先端寄りの張出部15aの側縁が、外側に重なるフラップ16の根元に臨む側壁3,5の内面に当接するので、マンドレルを使用することなく、周壁1が所定の八角形筒状に成形される。また、仕切壁11の傾斜方向は、分割フラップ17,18の重合部に重なる方向となる。なお、フラップ16の先端同士を突き合わせると、フラップ15の張出部15aの側縁は、側壁3,5から僅かに離れる。
【0106】
このように周壁1を立体化した状態において、本実施形態の場合、図20に示す仕切壁11の長さAが233mm、側壁2,4の幅Bが152mm、幅Bに2つの面取部9の幅を加えた幅Cが272mmの寸法条件のもとで、図18に示す仕切壁11の側壁3,5に対する鈍角側の傾斜角αは99°となり、仕切壁11の傾斜幅Kは39mmとなる。
【0107】
そして、この状態で、天面の開口部から箱内に商品を挿入する。上記組立工程及び商品の箱詰め工程は、包装作業場所でセットアップケーサー等の包装機械により迅速に行うことができる。
【0108】
その後、図16に示すように、上方の各一対のフラップ15,16を横稜線14を軸に内方向へ順次折り曲げて、フラップ15,16を重ね合わせた状態で、接着剤により貼り合わせ、又はテープを貼り付けることにより、天面を閉止して封緘状態とする。
【0109】
このような封緘状態では、フラップ16が傾斜した長い仕切壁11でしっかりと支持され、また、仕切壁11が分割フラップ17,18の重合部に重なることから、継ぎ合わされたフラップ16の撓みも抑制されるほか、周壁1に4つの面取部9を備えていることから、耐圧強度が大きく、安定した段積みが可能となる。
【0110】
また、面取部9を陳列時における訴求性向上のための印刷スペースとして活用することにより、商品の販売促進効果を向上させることもできる。
【0111】
<その他のバリエーション>
ところで、上記各実施形態では、周壁1の対向する2組の側壁2,4と側壁3,5において、一方が長面となり、他方が幅面となるものを例示したが、側壁2乃至5の幅が全て同一のものとしてもよい。
【0112】
また、材料が波状の中しんにライナを貼り合わせた段ボールシートであるものについて例示したが、平坦な板紙を貼り合わせた合紙等の厚紙やプラスチック製のシートから成る包装箱においても、同様の構成を適用することができる。
【符号の説明】
【0113】
1 周壁
2,3,4,5 側壁
6,7 分割側壁
8 縦稜線
9 面取部
10 基折線
11 仕切壁
12 先折線
13 継代
14 横稜線
15,16 フラップ
15a 張出部
17,18 分割フラップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17
図18
図19
図20
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図23