(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-03
(45)【発行日】2023-10-12
(54)【発明の名称】販売管理システムおよび販売管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20231004BHJP
G06Q 20/20 20120101ALI20231004BHJP
【FI】
G06Q30/06
G06Q20/20
(21)【出願番号】P 2020003262
(22)【出願日】2020-01-10
【審査請求日】2022-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000130581
【氏名又は名称】サトーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000165
【氏名又は名称】弁理士法人グローバル・アイピー東京
(72)【発明者】
【氏名】平田 和也
(72)【発明者】
【氏名】栗原 亜由美
【審査官】福田 正悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-238043(JP,A)
【文献】国際公開第2018/165287(WO,A1)
【文献】特表2018-502400(JP,A)
【文献】特開2018-160033(JP,A)
【文献】特開2015-32230(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに販売する一以上の商品を管理する販売管理システムであって、
販売対象の商品に取り付けられ、固有のタグ識別情報を記憶し、
前記商品の動きを検出する無線タグと、
前記ユーザが所持するユーザ端末と通信可能で、前記商品の精算を行う精算エリアで前記ユーザ端末の位置を特定する位置特定装置と、
前記販売対象の商品を識別する商品情報を、前記商品に取り付けられている無線タグのタグ識別情報と対応付けて記憶する記憶部を有する情報処理装置と、
を含み、
前記情報処理装置は、
前記位置特定装置によって特定された前記ユーザ端末の位置が前記精算エリア内であ
って、前記精算エリア内に存在する無線タグから取得する情報に基づいて、
前記精算エリア内で所定の動きをした商品が存在する場合、前記無線タグに対応する商品情報を前記精算エリア内に位置する前記ユーザ端末に対応付ける、
販売管理システム。
【請求項2】
前記位置特定装置は、前記ユーザ端末から送信され、かつ前記ユーザ端末の固有の端末識別情報を含む無線信号に基づいて、前記ユーザ端末の位置を特定し、
前記情報処理装置は、前記位置特定装置によって特定された前記ユーザ端末の位置に基づいて、前記精算エリア内に位置するユーザ端末の端末識別情報を特定する、
請求項1に記載された販売管理システム。
【請求項3】
前記情報処理装置は、前記ユーザを識別するユーザ識別情報を前記ユーザ端末の端末識別情報と対応付けて記憶する第2記憶部を有し、前記精算エリア内に位置するユーザ端末に対応するユーザ識別情報を特定し、特定したユーザ識別情報と、前記精算エリア内に存在する無線タグに対応する商品情報を対応付ける、
請求項2に記載された販売管理システム。
【請求項4】
前記情報処理装置は、前記位置特定装置によって複数の前記ユーザ端末の位置が前記精算エリア内であると特定された場合、複数の前記ユーザ端末のうち前記精算エリア内に存在する無線タグとの間の距離が所定距離以内であるユーザ端末に、前記無線タグに対応する商品情報を対応付ける、
請求項1から
3のいずれか一項に記載された販売管理システム。
【請求項5】
前記無線タグと通信を行う無線装置をさらに備え、
前記情報処理装置は、前記無線装置が受信したタグ識別情報を認証し、認証が成功した場合に、前記無線タグに対応する商品情報を前記精算エリア内に位置する前記ユーザ端末に対応付ける、
請求項1から
4のいずれか一項に記載された販売管理システム。
【請求項6】
前記無線タグは、周囲の電波からエネルギーを得て動作する、
請求項1から5のいずれか一項に記載された販売管理システム。
【請求項7】
ユーザに販売する一以上の商品を管理する販売管理方法であって、
販売対象の商品に取り付けられた無線タグが、固有のタグ識別情報を記憶し、
前記商品の動きを検出し、
前記ユーザが所持するユーザ端末と通信可能な位置特定装置が、前記商品の精算を行う精算エリア内で前記ユーザ端末の位置情報を特定し、
情報処理装置が、前記販売対象の商品を識別する商品情報を、前記商品に取り付けられている無線タグのタグ識別情報と対応付けて記憶しており、前記位置特定装置によって特定された前記ユーザ端末の位置が前記精算エリア内であ
って、前記精算エリア内に存在する無線タグから取得する情報に基づいて、
前記精算エリア内で所定の動きをした商品が存在する場合、前記無線タグに対応する商品情報を前記精算エリア内に位置する前記ユーザ端末に対応付ける、
販売管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、販売管理システムおよび販売管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品の販売を無人で行うために用いられるセルフチェックアウトシステム(いわゆるセルフレジ)が知られている。セルフレジでは、来店者自身が商品のバーコード等をスキャンして買い上げ登録を行い、全買い上げ商品を登録後に表示された合計金額を現金もしくはクレジットカードで決済する。
【0003】
かかるセルフレジを改良するため、例えば、セルフチェックアウト装置において利用者の操作エラーが多い場合に、当該利用者に有人レジの利用を推奨する旨のアラートを出力するアラート出力手段を備えたものが提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来のセルフレジは、店舗側の店員人数削減という要請には応えるものの、商品のバーコード等をスキャンする必要があることから、混雑時には精算待ちの行列が発生して、顧客満足度が低下する場合があった。また、精算待ちの行列により来店者が商品の購入を断念する等、店舗側にとっても商品の販売機会を失う不利益を生ずる場合があった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、店舗の店員および購入者が何らかの操作を行うことなく、商品の精算を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様は、ユーザに販売する一以上の商品を管理する販売管理システムであって、販売対象の商品に取り付けられ、固有のタグ識別情報を記憶し、前記商品の動きを検出する無線タグと、前記ユーザが所持するユーザ端末と通信可能で、前記商品の精算を行う精算エリア内で前記ユーザ端末の位置情報を特定する位置特定装置と、前記販売対象の商品を識別する商品情報を、前記商品に取り付けられている無線タグのタグ識別情報と対応付けて記憶する記憶部を有する情報処理装置と、を含み、前記情報処理装置は、前記位置特定装置によって特定された前記ユーザ端末の位置が前記精算エリア内であって、前記精算エリア内に存在する無線タグから取得する情報に基づいて、前記精算エリア内で所定の動きをした商品が存在する場合、前記無線タグに対応する商品情報を前記精算エリア内に位置する前記ユーザ端末に対応付ける、販売管理システムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明のある態様によれば、店舗の店員および購入者が何らかの操作を行うことなく、商品の精算を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1の実施形態の販売管理システムのシステム構成を概略的に示す図である。
【
図2】第1の実施形態の販売管理システムの各装置の内部構成を示すブロック図である。
【
図3】IoTタグから送信されるアドバタイジングパケットの構成を示す図である。
【
図4】商品データベースのデータ構成例を示す図である。
【
図5】精算データベースのデータ構成例を示す図である。
【
図6】第1の実施形態の販売管理システムの動作を示すシーケンスチャートである。
【
図8】第2の実施形態の販売管理システムの動作を示すシーケンスチャートである。
【
図9】第3の実施形態の販売管理システムの動作を示すシーケンスチャートである。
【
図10】第3の実施形態の販売管理システムの別の動作を示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態である販売管理システムについて図面を参照して説明する。
なお、本開示におけるIoTタグの通信距離は一例に過ぎず、限定されない。IoTタグの通信距離は、IoTタグの用途に応じて適宜変更若しくは調整可能である。
以下の説明では、IoTタグを適宜、単に「タグ」と表記する。
【0011】
(1)第1の実施形態
(1-1)販売管理システムのシステム構成
先ず、
図1を参照して本実施形態の販売管理システム1のシステム構成について説明する。
図1は、本実施形態の販売管理システム1のシステム構成を概略的に示す図である。
図1において、本実施形態の販売管理システム1は、例えば店舗内の販売対象の各商品に取り付けられたIoTタグT(無線タグの一例)から受信する信号を基に、例えばネットワークに接続された商品管理サーバ5(情報処理装置の一例)によって商品の販売管理が行われるクラウド型のシステムである。なお、商品管理サーバ5は、複数の店舗の商品についての販売管理を行うことが可能であるが、
図1では1つの店舗のみを示している。
【0012】
図1に示すように、例えば店舗の出口近傍に精算エリアが設けられている。商品を購入する来店者(つまり、購入者)は、退店する場合に精算エリアを抜けて店舗の外に出るように店舗が構成されている。したがって、購入者は、商品を持った状態で精算エリアを抜けて店舗の外に出ることで、自動的に商品の精算を完了することができる。すなわち、店舗の店員および購入者は、商品の精算に際して何らの操作を行うことがない。
精算エリアには、同時に複数の来店者が進入(存在)可能であるが、本実施形態では説明の便宜のために、精算エリアに精算を行う来店者が一人存在する場合について説明する。
【0013】
店舗の精算エリアには、例えば、各商品のIoTタグTと無線通信を行う無線装置2が配置される。無線装置2は、例えば、無線LAN(Local Area Network)装置、アクセスポイント等であるが、タブレット端末やスマートフォン等の携帯端末であってもよい。無線装置2は、例えば各商品のIoTタグTに対して無線環境を提供することができる。無線装置2の数は問わないが、店舗内のすべてのIoTタグTが発電可能な無線環境を提供できると良い。
後に詳述するが、IoTタグTは、周囲環境の電波を基に発電する環境発電型の装置であり、バッテリを備えていない。IoTタグTは、動き(モーション)を検出するセンサが内蔵されている。したがって、例えば精算エリアに購入者が商品を持って移動する場合に、当該商品に取り付けられているIoTタグTは、商品の動きを検出することができる。
【0014】
無線装置2は、例えばビーコン信号を発信して、精算エリアを通過するIoTタグTに発電可能な無線環境を提供することができる。また、無線装置2は、IoTタグTから信号(パケット)を受信し、当該パケットから得られる情報を店舗サーバ3に送る。無線装置2とIoTタグTの通信距離は、例えば3~10メートルの範囲であり、精算エリアの大きさにもよるが、例えば無線装置2を1~2個配置することで精算エリアを通過する商品に取り付けられたIoTタグTから情報を取得可能である。
IoTタグTから送信されるパケットには、内蔵センサにより検出されたデータ(「センサデータ」という。)が含まれる。
【0015】
なお、本実施形態の販売管理システム1において、無線装置2は必須の構成要素ではなく、無線装置2がなくとも店舗内において十分に環境発電可能である場合には、無線装置2は必要ない。例えば、無線装置2がない場合であっても来店者端末によって放射される無線信号によってIoTタグTが環境発電可能であるならば、無線装置2は必要ない。また、IoTタグTは、来店者端末および無線装置2以外の他の装置(例えば、店員の携帯端末等)から送信される電波をも環境発電のために利用することができる。言い換えれば、来店者端末、あるいは来店者端末以外の他の装置によって提供される電波が環境発電のために十分でない場合に、IoTタグTは、無線装置2から放射される電波を環境発電のために利用することができる。
【0016】
IoTタグTは、低電力消費の無線通信を行うように構成されており、通信プロトコルの例としては、Bluetooth Low Energy (登録商標)(以下、BLE)、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)等が挙げられる。
以下では、BLEによる通信を行う場合を例として説明する。この場合、無線装置2は、BLE無線端末である。
IoTタグTは、BLEの規格に準拠する場合、無線装置2に対してブロードキャスト通信を行う。具体的には、IoTタグTは、アドバタイジングパケットをブロードキャストし、例えば無線装置2は、アドバタイジングパケットを受信することができる。このブロードキャスト通信では、IoTタグTから無線装置2に向けて一方向のデータ送信のみが可能である。
【0017】
店舗サーバ3は、無線装置2と接続されるエッジサーバであり、例えば店舗内、あるいは、店舗外の事務所等に配置される。
後述するように、IoTタグTから無線装置2に送信されるパケットには、タグに固有のタグID(タグ識別情報の一例)が含まれている。本実施形態の販売管理システム1では、好ましくは、店舗サーバ3が、各IoTタグTのタグIDを復号し、タグIDの認証を行う。店舗サーバ3は、タグIDの認証を行うに当たって、図示しないIoTタグTの認証サーバと協働で行ってもよい。
【0018】
受信機6と位置特定装置7は、通信可能に接続されており、ユーザ端末4の店舗内での位置を特定する位置特定システムを構成する。受信機6は、例えば店舗の天井に設置され、店舗内を移動する来店者のユーザ端末4が放射する電波(ビーコン信号;無線信号の一例)を受信し、その電波の入射角を測定する。位置特定装置7は、受信機6が測定した入射角を基にユーザ端末4の店舗内の位置(平面上の位置)を特定するAOA(Angle of Arrival)方式によりユーザ端末4を測位する。
【0019】
1つの受信機6によってもユーザ端末4の位置を推定可能であるが、ユーザ端末4から送信されるビーコン信号の受信信号強度(RSSI)の大きさや店舗面積、店舗の電波環境に応じて、より多くの受信機6を設けることが好ましい。なお、ユーザ端末4の測位方法は、AOA方式に限定するものではなく、TOA(Time of Arrival)方式等の他の方法を利用してもよい。
【0020】
商品管理サーバ5は、例えば店舗に対してクラウド型の商品精算サービスを提供するネットワークサーバであり、インターネット等のネットワークNWを介して店舗サーバ3と通信可能である。
商品管理サーバ5は、位置特定装置7によって特定されるユーザ端末4の推定位置に基づき、ユーザ端末4が精算エリアに位置すると判断した場合、店舗サーバ3から取得するタグIDに対応する商品コードを、ユーザ端末4に対応するユーザIDに対応付け、商品精算のための処理を行う。
【0021】
(1-2)販売管理システムの各装置の構成
次に、
図2~
図5を参照して、本実施形態の販売管理システム1の各装置の構成を説明する。
図2は、本実施形態の販売管理システム1の各装置の内部構成を示すブロック図である。
図3は、IoTタグTから送信されるアドバタイジングパケットの構成を示す図である。
図4は、商品データベースのデータ構成例を示す図である。
図5は、精算データベースのデータ構成例を示す図である。
【0022】
図2を参照すると、IoTタグTは、制御部11、アンテナ12、ハーベスティング部13、電圧制御部14、RFトランシーバ15、および、センサ16を含む。
IoTタグTの全体の形態は図示しないが、例えば、アンテナ12とセンサ16が形成される所定のパターンの導電性金属箔と、当該金属箔に接続されるICチップとが接続された薄膜状の部材である。ICチップ内に、制御部11、ハーベスティング部13、および、電圧制御部14、RFトランシーバ15が実装される。
【0023】
制御部11は、マイクロプロセッサとメモリ111を有し、IoTタグTの全体を制御する。メモリ111は、RAM(Random Access Memory)又はROM(Read Only Memory)であり、マイクロプロセッサによって実行されるプログラムのほか、IoTタグTに固有の識別情報であるタグID、センサ16が出力するセンサデータを記憶する。
【0024】
ハーベスティング部13は、周囲環境の電波(例えば周囲の無線通信による電波)に基づいて環境発電を行い、発電により得られた電力を内部のエネルギーストレージ131に貯蔵する。本実施形態では、ハーベスティング部13は、例えばアンテナ12が受信した無線信号を直流電圧に変換し、エネルギーストレージ131に貯蔵する。エネルギーストレージ131は、例えばキャパシタである。キャパシタの場合には、半導体チップ上に構成されたもの(つまりオンダイ(on-die)型のキャパシタ)でもよい。
【0025】
ハーベスティング部13が環境発電に使用する電波は、広範囲の周波数帯域において複数の異なる周波数帯の電波である。例えば、いわゆる3G~5G等の移動体通信システムで採用されている周波数帯の無線通信による電波、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)等の通信規格で採用されている周波数帯の無線通信による電波、ZigBee(登録商標)やThread等の通信プロトコルに代表される2.4GHz帯の無線通信による電波、RFIDで採用されている周波数帯(例えば、900MHz帯、13.56MHz帯)の無線通信による電波等が挙げられる。
ここに例示したような電波は、一般に、ほとんどすべての店舗で適用可能である。そして、店舗内の商品に取り付けられているIoTタグTは、周囲環境の電波を基にしてハーベスティング部13による環境発電で得られる電力で動作する。そのため、IoTタグTにバッテリを搭載する必要がなく、システムコストを抑制することができる。また、バッテリを搭載する必要がないことから、バッテリの交換作業を行わずに済むため、タグが存在するにもかかわらずタグIDを取得できないという不具合が生じない。
【0026】
電圧制御部14は、制御部11およびRFトランシーバ15に動作電圧を供給するとともに、エネルギーストレージ131の電圧をモニタしており、モニタ結果に応じて電力モードを切り替える。エネルギーストレージ131の電圧が所定の閾値以下である場合には、電力モードを最小限の回路のみを動作させる第1モードとし、このとき制御部11およびRFトランシーバ15では、後述するパケットの生成や無線信号の送信等が行われない。エネルギーストレージ131の電圧が所定の閾値以上まで充電された場合には、電力モードを通常の処理ルーチンを実行する第2モードとし、このとき制御部11およびRFトランシーバ15ではパケットの生成、無線信号の送信を含む各種の処理が行われる。
【0027】
なお、制御部11は、例えば電力モードが第1モードの場合であってもエネルギーストレージ131の電圧が所定の閾値以上に充電された場合には、センサ16により検出されたセンサデータを、検出時刻のデータとともにメモリ111に格納してもよい。その場合、制御部11は、電力モードが第1モードから第2モードに切り替えられた時点で、メモリ111に格納していたセンサデータおよび検出時刻のデータを含むパケットを生成し、送信してもよい。それによって、エネルギーストレージ131の充電電圧が比較的低い期間におけるタグの動きの有無に関する情報を無線装置2に提供することができる。
【0028】
センサ16は、例えば、IoTタグT自体の動き(モーション)を検出する。検出されたデータ(センサデータ)は、後述するパケットに含めるためにメモリ111に一時的に格納される。センサデータは、例えばタグが動かされたか否かについて判断可能となるように構成されている。なお、センサデータは、IoTタグTの動きの程度を示す値であってもよく、IoTタグTが動いたか否かを示す2値であってもよい。
センサ16は、IoTタグTに係る重量や圧力を検出してもよい。センサ16は、ICチップに温度センサが内蔵されている場合には、温度を検出してもよい。
【0029】
制御部11は、電力モードが第2モードの場合に、BLEのプロトコルに従ってアドバタイジングパケットを生成する。
アドバタイジングパケットは、BLEにおいてブロードキャスト通信を実現するためにアドバタイジングチャネルを利用して送信されるパケットであり、
図3に示すパケット構成を有する。アドバタイジングパケットは、以下では適宜、単に「パケット」という。
【0030】
図3においてプリアンブル及びアドレスアクセスは、それぞれが所定の固定値である。CRCは巡回検査符号であり、パケットペイロード(つまり、アドバタイジングチャネルPDU(protocol data unit))を対象として所定の生成多項式を用いて算出される検査データである。
アドバタイジングチャネルPDU(以下、単に「PDU」という。)はヘッダとペイロードからなり、当該ペイロードは、ADVアドレスとADVデータとからなる。ADVアドレスはアドバタイザー(つまり、報知する主体であるIoTタグT)のアドレスであるが、送信元を特定しないように送信の都度に設定されるランダムな値でもよい。ADVデータはアドバタイザーのデータ(ブロードキャストデータ)であり、本実施形態では、タグID、および、センサ16によって出力されるセンサデータを含む。
【0031】
制御部11は、PDUを暗号化することが好ましい。暗号化方法は限定しないが、例えば鍵長128ビットのAES(Advanced Encryption Standard)を利用することができる。
【0032】
RFトランシーバ15は、送信するパケット(ベースバンド信号)に対して所定のデジタル変調(例えばGFSK(Gaussian Frequency Shift Keying))を行った後に直交変調を行い、高周波信号(BLEの場合、2.4GHzの周波数帯の信号)をアンテナ12に送出する。
【0033】
アンテナ12は、送信アンテナと発電用アンテナを含む。送信アンテナは、RFトランシーバ15によって送出される高周波の無線信号(パケット)を送信する。他方、発電用アンテナは、例えば周囲環境の電波や無線装置2から送信される無線信号を受信し、ハーベスティング部13と協働してレクテナとして機能する。
【0034】
図2に示すように、無線装置2は、制御部21、アンテナ22、RFトランシーバ23、および、通信部24を備える。
制御部21は、マイクロプロセッサを主体として構成され、無線装置2の全体を制御する。例えば、制御部21は、IoTタグTから受信したパケットのPDUを復号し、CRCからIoTタグT側と同一の生成多項式を用いて誤り検出を行った後、当該PDUからブロードキャストデータを抽出し、店舗サーバ3に送信するように、通信部24を制御する。
RFトランシーバ23は、アンテナ22でIoTタグTから受信した無線信号を検波し、ベースバンド信号に変換し、所定のデジタル復調を行ってパケットを受信する。また、RFトランシーバ23は、ビーコン信号をアンテナ22から送信するために、例えば所定のパターンのベースバンド信号を直交変調してアンテナ22に送出する。
通信部24は、店舗サーバ3との通信を行うための通信インタフェースとして機能する。
【0035】
前述したように、IoTタグTは、周囲環境の電波に基づいて環境発電を行うが、周囲環境の電波が少ない場合には、パケットの生成や無線信号の送信等の通常の動作が行われない(例えば、電力モードが第1モードの場合)。そこで、無線装置2の制御部21は、IoTタグTと通信できない状態(例えば、アドバタイジングパケットを受信できない状態)が所定時間以上継続する場合には、アンテナ22による無線送信を開始するか、又は、アンテナ22による送信電力を増加させるようにRFトランシーバ23を制御することが好ましい。それによって、IoTタグTの周囲環境の電波が増加するために電力の貯蔵が可能となり、無線装置2との無線通信を開始、あるいは再開することができるようになる。
【0036】
図2に示すように、店舗サーバ3は、制御部31、ストレージ32、および、通信部33を備える。
【0037】
制御部31は、マイクロプロセッサを主体として構成され、店舗サーバ3の全体を制御する。例えば、制御部31は、無線装置2から受信したブロードキャストデータに含まれるタグIDの認証を行い、当該タグIDを含む精算要求を商品管理サーバ5に送信する。
精算要求は、認証を行ったタグIDに対応する商品の精算に対する要求である。
【0038】
認証は、例えば、ネットワークNWに接続された認証サーバ(図示せず)に問合せを行い、認証サーバから認証結果を取得することで行ってもよい。この場合、認証サーバは、例えば、IoTタグTの製造者が管理するサーバであって、製造したすべてのIoTタグTのタグIDを記憶するデータベースを有し、当該データベースを参照して、店舗サーバ3から問合せのあったタグIDの認証を行う。
制御部31は、タグIDの認証が成功した場合に当該タグIDを商品管理サーバ5に送信することが好ましい。すなわち、制御部31は、タグIDの認証が成功した場合に、タグに対応する商品コードを精算エリア内に位置するユーザ端末4に対応付けることが好ましい。タグIDの認証によって当該タグIDが真正であるか否かについて確認できるため、商品管理サーバ5の突合処理(後述する)が、誤ったデータに基づいて行われることが回避できる。
【0039】
制御部31は、無線装置2からブロードキャストデータを受信する度、通信部33を介して、復号したタグIDを含む精算要求を商品管理サーバ5に送信する。なお、本実施形態では、ブロードキャストデータに含まれるセンサデータを精算要求に含めることは必須ではない。
【0040】
ストレージ32は、例えばHDD(Hard Disk Drive)等の大規模記憶装置を備え、例えば、対応する店舗に入荷された商品の商品コードと、当該商品に取り付けられているIoTタグのタグIDとを対応付けて記憶する。
例えば、各店舗では、商品を入荷する度に、当該商品の商品コードと、当該商品に取り付けられているタグIDとを、BLE通信が可能な店員の携帯端末(図示せず)で読み取り、店舗サーバ3に送信する。商品コード(商品情報の一例)は、JANコード等の商品を特定する情報である。
店舗サーバ3の制御部31は、商品コードとタグIDを対応付けてストレージ32に記憶するとともに、商品管理サーバ5における商品管理のために、商品コードおよびタグIDを含む商品登録要求を、通信部33を介して商品管理サーバ5に送信する。この商品登録要求に応じて、商品コードとタグIDが商品管理サーバ5の商品データベース(後述する)に記録される。
【0041】
通信部33は、無線装置2からブロードキャストデータを受信し、制御部31に送出する。
【0042】
図2に示すように、ユーザ端末4は、制御部41、ストレージ42、操作入力部43、表示部44、第1通信部45、および、第2通信部46を備える。
【0043】
制御部41は、マイクロプロセッサを主体として構成され、ユーザ端末4の全体を制御する。例えば、制御部41は、ストレージ42に格納する商品アプリケーションプログラム(以下、「商品アプリケーション」)をロードして実行する。
商品アプリケーションは、例えば、商品管理サーバ5と通信することにより、店舗の商品を購入する上で予め商品管理サーバ5にユーザ情報を登録するための処理を行う。ユーザ情報は、例えば、ユーザID、ユーザ端末4の端末ID(端末識別情報の一例)、購入した商品を精算(決済)するときのユーザの口座情報である。ユーザIDは、例えば、商品アプリケーションをユーザ端末4にインストールする際に、ユーザに付与される一意の識別情報である。端末IDは、例えば、ユーザ端末4の個体識別番号、契約者固有ID等である。
ストレージ42は、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置であり、上述した商品アプリケーション等、制御部41によって実行される各種のプログラムを格納する。
【0044】
操作入力部43は、各種のプログラムを実行するためにユーザから操作入力を受け付ける入力インタフェースであり、表示部44の表示パネルに設けられるタッチパネル入力部であってもよい。
表示部44は、例えばLCD(Liquid Crystal Panel)等の表示パネルと、表示パネルの駆動回路とを含み、制御部41によるプログラムの実行結果を表示する。
【0045】
第1通信部45は、例えば、第2通信部よりも狭い通信範囲で物体と無線通信を行うものであり、例えばBLEプロトコルに従ってビーコン信号を放射するように構成されている。ビーコン信号には、ユーザ端末4を識別する端末IDが含まれる。
第2通信部46は、例えば図示しない無線通信ネットワークおよびネットワークNWを介して商品管理サーバ5と通信を行うための通信インタフェースである。
【0046】
図2に示すように、受信機6は、電波受信部61、入射角測定部36、および、通信部63を備える。
電波受信部61は、ユーザ端末4から送信されるビーコン信号(電波)を受信するアンテナを含む。
入射角測定部62は、電波受信部61で受信したユーザ端末4からの電波の入射角を測定する。
通信部63は、ユーザ端末4および位置特定装置7と通信を行うためのインタフェースである。例えば、通信部63は、ユーザ端末4からの受信信号を復調する。また、通信部63は、受信機6と位置特定装置7との間の通信インタフェースとして機能し、入射角測定部62によって測定された入射角の情報を、端末IDと対応付けて位置特定装置7に送信する。なお、受信機6と位置特定装置7との通信は有線でも無線でもよい。
【0047】
図2に示すように、位置特定装置7は、制御部71、ストレージ72、および、通信部73を備える。
制御部71は、マイクロプロセッサを主体として構成され、位置特定装置7の全体を制御する。例えば、制御部71のマイクロプロセッサは、位置特定エンジン(ソフトウェア)を実行し、ユーザ端末4から送信され、かつユーザ端末4の端末IDを含むビーコン信号(無線信号の一例)に基づいて、ユーザ端末4の位置を特定する。制御部71は、受信機6がユーザ端末4から受信するビーコン信号の入射角の情報を基にユーザ端末4の位置を特定する。より具体的には、AOA方式を利用する場合、前述したように、受信機6の店舗内での既知の位置(店舗の所定の位置を基準とした3次元座標の位置)と、受信機6から逐次取得するユーザ端末4の入射角(電波の到来方向)の情報とに基づいて、時刻の経過に応じたユーザ端末4の店舗のエリア内の位置(店舗フロアのXY座標の位置)を特定(測位)する。
制御部71は、ユーザ端末4の端末IDと対応付けて、特定されたユーザ端末4の位置の情報(位置情報)を逐次、通信部73を介して商品管理サーバ5に送信する。
ユーザ端末4の測位間隔は、任意に設定してよいが、ユーザ端末4の位置を正確に把握するために必要な時間(例えば、数100ms以下)に設定される。
【0048】
ストレージ72は、例えばHDD(Hard Disk Drive)等の大規模記憶装置であり、位置特定エンジンを記憶するほか、位置特定エンジンによる実行結果を保存してもよい。
通信部73は、受信機6との通信、および、ネットワークNWを介した商品管理サーバ5と通信を行うための通信インタフェースである。
なお、以下の説明では、適宜、受信機6と位置特定装置7を総称して「位置特定システム」と表記する場合がある。
【0049】
図2に示すように、商品管理サーバ5は、制御部51、ストレージ52、および、通信部53を備える。
【0050】
制御部51は、マイクロプロセッサを主体として構成され、商品管理サーバ5の全体を制御する。
ストレージ52(記憶部、第2記憶部の一例)は、例えばHDDの大規模記憶装置を備え、商品データベース(商品DB)、精算データベース(精算DB)、および、位置データを記憶する。
位置データは、端末IDごとに、位置特定装置7から位置情報を受信した時刻と、ユーザ端末4の位置(店舗フロアのXY座標の位置)とを対応付けたデータである。位置特定装置7から位置情報を受信する度に、位置データが更新される。位置データを参照することで、任意の時刻での店舗内でのユーザ端末4の位置がわかる。
通信部53は、ユーザ端末4および位置特定装置7との間で通信を行うための通信インタフェースとして機能する。
【0051】
図4の商品データベースは、1つのレコードについて「店舗ID」、「タグID」、「商品コード」、「色」、「サイズ」、「ブランド名」、「生産値」、「価格」の各フィールドの値を有し、店舗の販売対象の商品を管理するためのデータベースである。商品コード(物品情報の一例)は、例えばJANコード等の商品を特定する情報である。ここで、「色」、「サイズ」、「ブランド名」、「生産地」の各フィールドには、商品コードに対応する商品の色、サイズ、商品のブランド名、商品の生産地(例えば生産国等)を示す値が格納される。商品データベースの同一の商品コードに対応するレコード数をカウントすることで、同一の商品の数を把握できる。
商品データベースの各レコードは、店舗内の商品に取り付けられているIoTタグのタグID、当該商品を特定する商品コード、および、当該商品の価格の情報からなる。
例えば、店舗で商品を販売する前に、当該商品に対するレコードが商品データベースに追加される。店舗で特定の商品を扱わなくなった場合や、販売中の商品の価格を変更するときには、店舗サーバ3からの要求に応じて、商品管理サーバ5の制御部51が、商品データベースの更新を行ってもよい。
なお、
図4に示した各フィールドは一例に過ぎず、商品に関する他のデータに関するフィールド(例えば、商品の種別、商品カテゴリー、通常品/限定品の区別等)を設けてもよい。
【0052】
図5の精算データベースは、各レコードが一人のユーザに対応している。精算データベースは、各レコードについて「ユーザID」、「端末ID」、「購入済商品コード」、「口座情報」等の各フィールドの値を有し、予め登録されたユーザに対する商品購入記録と商品の精算を管理するためのデータベースである。上述したように、ユーザIDは、ユーザに対して予め付与される一意の識別情報である。端末IDおよび口座情報は、ユーザ端末4の商品アプリケーションからユーザごとに取得する情報である。
購入済商品コードは、精算が完了した商品の商品コードであり、商品が購入される度に更新(追加)される。
【0053】
制御部51のマイクロプロセッサは所定のプログラムを実行することで、例えば以下の(i)~(iii)の処理を行う。
【0054】
(i) 位置特定装置7から、ユーザ端末4の端末IDと、当該ユーザ端末4の位置情報とを受信すると、ストレージ52内の位置データを更新するとともに、ユーザ端末4の位置が精算エリア内であるか否か判断する。なお、精算エリアの地理的情報は、ストレージ52に記録され、ユーザ端末4の位置が精算エリア内であるか否かを判断する際に参照される。
(ii) 店舗サーバ3から精算要求を受信した場合、当該精算要求に含まれるタグIDに対応する商品コードと、精算エリアに位置するユーザ端末4に対応するユーザIDと、を対応付ける処理(以下、「突合処理」という。)を実行する。
【0055】
突合処理は、購入者と当該購入者が購入対象とする商品とを正しく紐付けるために実行される。突合処理では、制御部51は、位置特定システムによって特定されたユーザ端末4の位置が精算エリア内である場合、精算エリア内に存在するタグから取得するタグIDに基づいて、タグに対応する商品コードを精算エリア内に位置するユーザ端末4に対応付ける。
好ましくは、制御部51は、位置算出システムによって特定されたユーザ端末4の位置に基づいて、精算エリア内に位置するユーザ端末4の端末IDを特定する。すなわち、ユーザ端末4の位置が精算エリア内である場合に、当該ユーザ端末4の端末IDが特定される。端末IDは複数のユーザ端末4で重複することがないため、精算エリア内に複数のユーザ端末4が存在した場合でもユーザ端末4を確実に特定することができる。
他方、購入者が購入する商品は、当該商品に取り付けられているIoTタグのタグIDを店舗サーバ3から取得することにより特定される。
突合処理では、制御部51は、購入者と当該購入者が購入対象とする商品とを正しく紐付けるために、ユーザ端末4からの情報を基に特定されるユーザIDと、IoTタグから取得されるタグIDを基に特定される商品コードとを対応付ける。すなわち、精算データベースを参照して、精算エリア内に位置するユーザ端末4の端末IDに対応するユーザIDを特定し、特定したユーザIDと、精算エリア内に存在するタグに対応する商品コードを対応付ける。それにより、一人の来店者が複数のユーザ端末4を所持する場合であっても、商品コードを1つのユーザIDに紐付けることができる。
【0056】
突合処理は、例えば、ユーザ端末4が精算エリアに進入した時刻(進入時刻)の順と、店舗サーバ3から精算要求を受信した時刻の順とが一致するようにして、ユーザIDと商品コードとを対応付けることができる。例えば、ユーザID:1のユーザ端末4-1と、ユーザID:2のユーザ端末4-2と、ユーザID:3のユーザ端末4-3とが、この順で精算エリアに進入し、店舗サーバ3から受信する精算要求に含まれるタグIDの順が、タグID:11、タグID:12、タグID:13の順である場合を想定する。この場合、突合処理では、ユーザID:1をタグID:11に対応する商品コードに対応付け、ユーザID:2をタグID:12に対応する商品コードに対応付け、ユーザID:3をタグID:13に対応する商品コードに対応付ける。
【0057】
なお、店舗の精算エリア内に複数の無線装置2(既知の位置)が配置される場合、タグからのパケットを受信するときのRSSI値に基づいて、当該タグに最も近い無線装置2を特定することができる。他方、位置特定装置7によって店舗内の各ユーザ端末4の位置が特定される。ここで、ユーザ端末4の位置と、タグに最も近い無線装置2の位置とが、所定の閾値以上離れている場合には、当該ユーザ端末4のユーザである来店者が、当該タグが取り付けられた商品を所持していないと判断することができる。そこで、制御部51は、突合処理において、タグIDに対応する商品コードに対応付けるべきユーザIDを、当該タグIDのタグからのパケットを複数の無線装置2の各々が受信するときのRSSI値に基づいて限定することが好ましい。それによって、複数のユーザ端末4が精算エリア内に存在する場合であっても突合処理の精度が向上する。
【0058】
(iii) (ii)の突合処理によってユーザIDと商品コードを対応付けた後、精算データベースにおいて、当該ユーザIDのレコードの「購入済商品コード」フィールドの値として、当該ユーザIDに対応付けられた商品コードを書き込むことで、精算データベースを更新する。精算データベースの更新内容は、例えば図示しない決済システムに提供される。例えば、精算データベース等で事前に登録されているクレジットカード等の情報も決済システムに提供され、キャッシュレスで決済が完了する。
【0059】
(1-3)販売管理システムの動作
次に、
図6を参照して、本実施形態の販売管理システム1の動作を説明する。
図6は、本実施形態の販売管理システム1の動作を示すシーケンスチャートである。
図6は、受信機6と位置特定装置7を総称して位置特定システムと表記している。
図6のシーケンスチャートでは、開始前に店舗の各商品に対応するレコードがすべて、商品管理サーバ5の商品データベースに作成済みである場合を想定する。
【0060】
位置特定システムは、ユーザ端末4が発信するビーコン信号を基にユーザ端末4の店舗内の位置をモニタしている。つまり、ユーザ端末4が端末IDを含むビーコン信号を発信し(ステップS2)、位置特定装置7が当該ビーコン信号の受信機6における入射角を基にユーザ端末4の位置特定処理を行う(ステップS4)。位置特定システムは、端末IDと、特定したユーザ端末4の位置情報とを、逐次商品管理サーバ5に送信する(ステップS6)。商品管理サーバ5は、位置情報を受信する度に、端末IDに対応する位置データを更新する(ステップS8)。
商品管理サーバ5は、ステップS6で受信した位置情報を基に、ユーザ端末4が精算エリアに位置しているか否か判断する(ステップS10)。
【0061】
他方、精算エリアに設けられた無線装置2は、例えばビーコン信号を放射することで(ステップS12)、このビーコン信号により精算エリアに存在する商品に取り付けられているタグT1,T2,…に対して発電可能な無線環境を提供することができる。各タグは、周囲環境の電波に基づいて環境発電を行い、発電により得られた電力を内部のエネルギーストレージ(例えばキャパシタ)に貯蔵して動作する。各タグは、エネルギーストレージの電圧が所定の閾値以上まで充電された場合、暗号化されたPDUを含むパケットを生成して送信する(ステップS14,S16)。このパケットは、ブロードキャスト送信されるアドバタイジングパケットである。
【0062】
例えば無線装置2は、各タグから送信されるパケットを認識して受信すると、当該パケットに含まれるPDUを復号するとともに、PDUに含まれるブロードキャストデータを抽出して店舗サーバ3に送信する(ステップS18)。
店舗サーバ3は、受信したブロードキャストデータに含まれるタグIDの認証を行う(ステップS20)。タグIDの認証は、例えば、外部の認証サーバに問合せを行うことで得られる認証結果に基づいてなされる。
【0063】
タグIDの認証が成功すると店舗サーバ3は、タグIDを含む精算要求を商品管理サーバ5に送信する(ステップS22)。
商品管理サーバ5は、精算要求を受信すると突合処理を実行する(ステップS24)。すなわち、商品管理サーバ5は、ステップS8で受信した端末IDに対応するユーザIDと、ステップS22で受信した精算要求に含まれるタグIDに対応する商品コードと、を対応付ける。このとき、商品データベースおよび精算データベースが参照される。突合処理によって、購入者と当該購入者が購入対象とする商品とが紐付けられる。
【0064】
次いで商品管理サーバ5は、購入者のユーザ端末4に決済通知を送信する(ステップS26)。決済通知は、ユーザ端末4を所持する来店者に、商品の決済を行ってよいか否か確認するための通知である。ユーザ端末4の商品アプリケーションは、受信した決済通知を基に、決済画面を表示する(ステップS28)。
決済画面の一例を
図7に示す。
図7に例示する決済画面G1では、精算要求に含まれるタグIDに対応する商品コードと、当該商品コードに対応する商品画像IMGと、商品に関する補足情報を示すテキストTx1と、商品の価格情報を示すテキストTx2とを含む。テキストTx1によって示される補足情報の例は、商品のサイズ、色などであるが、例えば店舗のキャンペーン情報や新商品の情報等の店舗についての付随的な情報が含まれてもよい。
【0065】
図7の決済画面G1には、表示されている商品の決済処理に対する来店者の承認を要求するボタンb1が含まれる。来店者が決済画面で商品を確認して決済処理を進めることを希望する場合には、ボタンb1を操作する。それによって、ユーザ端末4の商品アプリケーションは、承認通知を商品管理サーバ5に返す(ステップS32)。決済画面に来店者の購入対象でない商品が表示されている場合には、
図7の決済画面G1のボタンb2を操作することで、ユーザ端末4の商品アプリケーションは、承認通知を商品管理サーバ5に送信しない。なお、商品管理サーバ5が決済通知を送信してから一定時間以内に承認通知を受信しない場合には、商品管理サーバ5は、決済が承認されなかったと判断してもよい。
【0066】
商品管理サーバ5は、ユーザ端末4から承認通知を受信すると、精算データベースを更新する(ステップS34)。具体的には、精算データベースにおいて、対象となるユーザIDのレコードの「購入済商品コード」フィールドに、当該ユーザIDに対応付けられた商品コードを書き込む。
なお、決済が終了する前、つまり、ステップS34の精算データベースの更新処理の前に、来店者が商品を持ったまま精算エリアを通過してしまった(外に出た)場合、商品管理サーバ5は、例えば店舗サーバ3あるいはユーザ端末4に対して警告メッセージを送信することが好ましい。また、ステップS24において、商品コードに対応するユーザIDを特定できなかった場合、店舗サーバ3に対して警告メッセージを送信することが好ましい。
【0067】
以上説明したようにして、本実施形態の販売管理システム1では、来店者(購入者)が店舗内の商品を持って精算エリアを通過すると、商品に取り付けられたIoTタグから、購入対象の商品が特定される。位置特定システムは、来店者(購入者)のユーザ端末4が送信するビーコン信号に基づいてユーザ端末4の位置を測位し、商品管理サーバ5は、ユーザ端末4の端末IDごとの位置情報を基に購入者が精算エリアに位置するか否か判断する。そして、精算エリアに位置するユーザ端末4の端末IDに対応するユーザIDと、購入対象となる商品の商品コードとを対応付ける突合処理が行われる。それによって、いずれのユーザIDの購入者がどの商品を購入するのかについての情報が特定される。
本実施形態の販売管理システム1によれば、店舗の店員および購入者は、商品の販売又は購入に際して、例えば、商品のバーコード等のコード情報をスキャンする等の操作を行うことがない。そのため、従来のセルフレジのような精算待ちの行列が発生し難く、来店者の商品の購入における煩雑さが大きく軽減されるとともに、店舗側にとっても商品の販売機会を失う不利益を生じ難いという利点がある。
【0068】
(2)第2の実施形態
次に、第2の実施形態の商品精算システムについて、
図8を参照して説明する。
本実施形態の商品精算システムの構成は、第1の実施形態(
図2)と同じであるが、店舗サーバ3の制御部31が異なる。制御部31は、無線装置2を介してタグから受信したブロードキャストデータに含まれるセンサデータに基づいて、対応するIoTタグ(つまり、当該ブロードキャストデータに含まれるタグIDのタグ)が動かされた否か判断する。動かされたと判断した場合、制御部31は、動かされたタグのタグIDを含む精算要求を商品管理サーバ5に送信するように構成されている。
【0069】
図8に示すシーケンスチャートは、
図6のシーケンスチャートに対して、ステップS20とステップS22の間に、ステップS21a,S21bが設けられた点が異なるのみであり、
図8では相違点以外の部分については適宜省略している。
図8を参照すると、タグIDの認証が成功した場合に、店舗サーバ3は、ブロードキャストデータに含まれるセンサデータを基に、対応するタグが動かされたか否かを判断する(ステップS21a)。店舗サーバ3は、タグが動かされたと判断した場合には、タグIDに対応する商品が所定の動きをしたか否か判断する(ステップS21b)。
【0070】
ステップS21bの判断は、様々な観点から行うことができる。
例えば、上述した商品の所定の動きは、精算エリア内の所定位置に存在する商品が、当該所定位置から所定距離以上離れた位置に移動する動きであってもよい。すなわち、商品が所定の動きをしたか否かの判断は、例えば、来店者が精算エリア内において所定位置に存在する商品を当該所定位置から所定距離以上離れた位置に移動させる動きであるか否かに基づいて行われてもよい。ここで、商品を所定距離以上離れた位置に移動させる動きは、例えば、精算エリア内の商品を店舗の出口に向かって運ぶ来店者の動作に対応する動きである。そのような所定の動きを商品がした場合には、来店者が当該商品を購入する意思があると考えられるため、店舗サーバ3は、精算要求を商品管理サーバ5に送信することが好ましい。
商品が移動した距離は、逐次、精算エリア内の各タグの位置を測位することで取得することができる。商品管理サーバ5は、各タグの測位結果を基に、各タグが精算エリア内で所定距離離れた場所に移動したことを検出することで、当該商品が所定の動きをしたと判断する。
精算エリア内のタグを測位する方法として、複数の無線装置2を精算エリア内の所定位置に分散して配置し、三角測量法により測位する方法が挙げられる。具体的には、距離に応じた電波の減衰特性を利用し、各無線装置2においてタグからのパケットを受信したときの受信信号強度(RSSI(Received Signal Strength Indicator)値)に基づいてタグと各無線装置2との距離を推定し、三角測量法によりタグTを測位する。各無線装置2は、タグからパケットを受信すると、自身の固有の装置IDと、当該タグからパケットを受信したときのRSSI値と、当該パケットから得られたブロードキャストデータとを店舗サーバ3に送信する。店舗サーバ3は、各無線装置2から受信したデータに基づいてタグの位置を特定する。
精算エリア内の電波の伝播環境は一般に理想的な自由空間ではないため、4個以上の任意の数の無線装置2を単一のタグの測位に利用することで、さらにタグの測位精度を高めることもできる。
【0071】
別の観点では、店舗サーバ3は、タグが商品の動きを所定時間以上継続して検出した場合に、当該商品が所定の動きをしたと判断してもよい。
店舗サーバ3は、精算エリア内の各タグからブロードキャストデータを継続的に取得しているため、ステップS21bの判断は、同一のタグIDに対応するタグが動かされたと継続的に判断(検出)した時間に基づいて行うことができる。つまり、来店者が精算エリア内商品を移動させるような動きを行う場合には、当該商品に取り付けられているタグから、タグが動かされたことを示すセンサデータが継続的に取得される。そこで、タグが商品の動きを継続的に検出した時間(検出時間)が所定時間以上である場合に、当該商品が所定の動きをしたと判断する。それによって、来店者の商品に対する購入意思をより的確に反映することができる。
来店者が商品を持って少し動いた程度では、当該商品が所定の動きをしたと判断しないようすることが好ましい。来店者が商品を持って少し動いた程度では、来店者が当該商品を購入しない可能性が考えられるためである。
【0072】
上記検出時間に対する閾値は、店舗エリア内のタグの位置に応じて異なる値に設定してもよい。例えば、所定の動きをした商品が店舗内の精算エリアに位置しない場合、当該商品は、来店者が鏡等で商品を体に合わせるために動かされている可能性もある。そこで、商品が店舗内の精算エリアに位置しない場合には、当該商品が所定の動きをした場合であっても、店舗サーバ3が精算要求を送信しないようにすることが好ましい。
上記観点から、店舗サーバ3は、タグの店舗エリア内の位置に応じて、上記所定時間を変更してもよい。例えば、商品が精算エリア以外の所定の範囲に位置する場合には、当該商品が所定の動きをしたか否かについての判断に使用する上記所定時間を、商品が精算エリアに位置する場合よりも長くしてもよい。なお、タグの測位は、上述したように、複数の無線装置2を配置して行うことができる。
【0073】
(3)第3の実施形態
次に、第3の実施形態の商品精算システムについて、
図9および
図10を参照して説明する。
本実施形態では、店舗の精算エリア内の各タグから送信されるパケットをユーザ端末4が受信する場合が想定される。
図9を参照すると、環境発電により動作する精算エリアに存在するタグ(タグT1,T2,…)がパケットを生成し(ステップS14)、周囲にブロードキャスト送信する(ステップS16)。例えば、精算エリアにおいて、商品を持つ来店者のユーザ端末4が当該商品に取り付けられたタグが送信するパケットを受信する。なお、ユーザ端末4がビーコン信号を発し、位置特定システムによって逐次、位置情報が取得され、商品管理サーバ5において位置データが更新される点は、
図6の場合と同じである。
【0074】
ユーザ端末4は、タグからパケットを受信すると、パケットに含まれるPDUを店舗サーバ3に送信する(ステップS18a)。店舗サーバ3は、受信したPDUを復号し、PDUから抽出したブロードキャストデータに含まれるタグIDの認証を行う(ステップS20)。その後の動作は、
図6と同じである。
本実施形態で示したように、タグIDを店舗サーバ3に提供するのは、無線装置2に限られず、ユーザ端末4であってもよい。
【0075】
図10に示すシーケンスチャートは、
図9のシーケンスチャートに対して、ステップS20とステップS22の間に、ステップS21a,S21bが設けられた点が異なるのみであり、
図10では相違点以外の部分については適宜省略している。すなわち、本実施形態においても、
図8に示したのと同様に、タグIDに対応する商品が所定の動きをした場合に、店舗サーバ3が精算要求を商品管理サーバ5に送信してもよい。それによって、来店者の商品に対する購入意思をより的確に反映することができる。
【0076】
来店者のユーザ端末4が例えば加速度センサ等のモーションセンサを内蔵する場合には、ユーザ端末4に内蔵されるセンサによって、商品が所定の動きをしたか否かについての情報を取得するようにしてもよい。例えば、来店者のユーザ端末4は、タグからのパケットを受信した場合、内蔵するセンサの検出値に基づいて、タグが取り付けられた商品が所定の動きをしたか否か判断する。次いでユーザ端末4は、パケットに含まれるタグIDと、商品が所定の動きをしたか否かの判断結果とを店舗サーバ3に送信する。このように、ユーザ端末4に内蔵されるセンサを活用することで、商品が所定の動きをしたか否かについての判断精度を向上させることができる。
【0077】
なお、精算エリア内に複数の来店者が存在し、それぞれユーザ端末4を所持している場合が考えられる。その場合、複数のユーザ端末4のうち、精算エリア内にある商品に取り付けられているタグから受信するRSSI値が所定の閾値以下のユーザ端末4については、当該商品から離れていることから、商品の精算を行う購入者のユーザ端末4ではないと判断できる。
そこで、本実施形態では、各ユーザ端末4が店舗サーバ3に対して、PDUに加え、自身の端末IDと、各タグからのパケットのRSSI値とを送信し、店舗サーバ3は精算要求に端末IDとタグIDとRSSI値を含ませることが好ましい。それによって商品管理サーバ5は、ステップS24において突合処理の精度を高めることができる。例えば、特定のタグIDに対して複数のユーザIDが候補として存在する場合、RSSI値が低いユーザ端末4の端末IDに対応するユーザIDを除外することができる。
また、特定のタグIDに対して複数のユーザIDが候補として存在する場合、RSSI値が最も高いユーザ端末4の端末IDに対応するユーザIDをタグIDに対応する商品コードに対応付けることもできる。
【0078】
ユーザ端末4がタグからパケットを受信するときのRSSI値に基づいて、距離に応じた電波の減衰特性を利用し、ユーザ端末4とタグの間の距離を推定することができる。そこで、商品管理サーバ5は、精算要求に含まれるRSSI値に基づいて、精算要求に含まれるタグIDに対応するタグとの距離を算出し、当該距離が所定距離以内である場合に、当該タグを当該RSSI値の送信元であるユーザ端末4に対応付ける。すなわち、商品管理サーバ5は、複数のユーザ端末4の位置が精算エリア内であると特定された場合、複数のユーザ端末4のうち精算エリア内に存在するタグとの間の距離が所定距離以内であるユーザ端末4に、タグに対応する商品コードを対応付けてもよい。
【0079】
以上、販売管理システムおよび販売管理方法の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。
例えば、上述した実施形態において、IoTタグは、無線装置2、ユーザ端末4、および、店員端末のうち少なくともいずれかから放射される電波を基に発電することが可能である。
【0080】
例えば、上述した実施形態では、商品管理サーバ5によって販売管理のクラウド型サービスが提供される場合について説明したが、その限りではない。いわゆるオンプレ型のシステムによっても実現できる。その場合、店舗サーバ3に、商品データベースおよび精算データベースを備え、突合処理が店舗サーバ3によって実行される。
上述した実施形態では、タグIDの認証が店舗サーバ3によって実行される場合について説明したが、その限りではない。タグIDの認証を商品管理サーバ5で行ってもよい。
上述した実施形態では、商品管理サーバ5が商品データベースおよび精算データベースを備える場合について説明したが、その限りではない。商品データベースおよび精算データベースは、商品管理サーバ5は別のデータベースサーバに設け、商品管理サーバ5又は店舗サーバ3が適宜データベースサーバにアクセスして突合処理を実行し、商品データベースおよび精算データベースを更新するように構成してもよい。
【0081】
上述した実施形態において、商品管理サーバ5が店舗サーバ3の機能を有してもよく、その場合も店舗サーバ3は必要ない。逆に、店舗サーバ3が商品管理サーバ5の機能を有してもよい。
【0082】
上述した実施形態において、無線装置2及び/又はユーザ端末4は、アクセス権限のあるIoTタグTからのパケットのみを受信できるようにしてもよい。例えば店舗外の通行人が所持しうる無線タグが、BLEのプロトコル等、無線装置2及び/又はユーザ端末4とIoTタグTとの間で行われている無線通信プロトコルと同じプロトコルでデータを送信し、当該データを無線装置2が受信する可能性がある。そこで、無線装置2及び/又はユーザ端末4が受信すべきパケットと、受信する必要がないデータとを区別するために、IoTタグTから送信されるパケットには、アクセス権限を示すデータ(アクセス権限データ)を含めるようにすることが好ましい。この場合、上述した実施形態において無線装置2及び/又はユーザ端末4は、パケットを受信する度に、受信したパケットに含まれるアクセス権限データを確認し、自身にアクセス権限がないパケットを破棄する。
【0083】
上述した実施形態では、商品精算システムおよび商品精算方法をアパレル分野に適用した場合について説明したが、食品、医薬品、化粧品等の他の商品を扱う分野にも適用可能である。適用される分野に応じて、商品データベースに含まれる情報や形式は異なる場合がある。例えば、食品分野の商品データベースの各レコードには、商品コードに対応して消費期限(賞味期限)の値が含まれうる。医薬品分野の商品データベースの各レコードには、商品コードに対応して有効期限の値が含まれうる。また、医薬品分野において、所定数の医薬品を含む1つの梱包物に対してIoTタグを取り付ける場合には、商品データベースの各レコードには、梱包物内の医薬品の数量の値が含まれうる。
消費期限や有効期限等によって期限管理される商品を管理する場合には、商品管理サーバが定期的に消費期限や有効期限を監視し、期限が近付いた商品の商品コード、数量、商品位置を決済画面に適宜反映させることが好ましい。
【符号の説明】
【0084】
1…販売管理システム
T…IoTタグ
11…制御部
111…メモリ
12…アンテナ
13…ハーベスティング部
131…エネルギーストレージ
14…電圧制御部
15…RFトランシーバ
16…センサ
2…無線装置
21…制御部
22…アンテナ
23…RFトランシーバ
24…通信部
3…店舗サーバ
31…制御部
32…ストレージ
33…通信部
4…店員端末
41…制御部
42…ストレージ
43…操作入力部
44…表示部
45…第1通信部
46…第2通信部
5…商品管理サーバ
51…制御部
52…ストレージ
53…通信部
6…受信機
61…電波受信部
62…入射角算出部
63…通信部
7…位置特定装置
71…制御部
72…制御部
73…通信部
NW…ネットワーク