(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-03
(45)【発行日】2023-10-12
(54)【発明の名称】防災設備制御システム
(51)【国際特許分類】
E06B 9/68 20060101AFI20231004BHJP
A62C 2/06 20060101ALI20231004BHJP
E06B 9/17 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
E06B9/68 A
A62C2/06 502
A62C2/06 503
E06B9/17 M
(21)【出願番号】P 2020093077
(22)【出願日】2020-05-28
【審査請求日】2022-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100153006
【氏名又は名称】小池 勇三
(74)【代理人】
【識別番号】100095212
【氏名又は名称】安藤 武
(72)【発明者】
【氏名】植竹 徹
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-150073(JP,A)
【文献】特開2019-198640(JP,A)
【文献】実開平5-69294(JP,U)
【文献】特開2016-157909(JP,A)
【文献】特開2010-275721(JP,A)
【文献】特開2002-54351(JP,A)
【文献】特開2017-2505(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00- 9/92
A62C 2/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の内部に配置されていて、前記内部に防災区画を形成するために全閉位置まで閉じ移動される開閉体を有する複数個の防災用開閉装置と、前記内部の不動部材に配置されていて、前記開閉体を電気式に手動で閉鎖するための電気式手動閉鎖装置と、を含んで構成されている防災設備制御システムであって、
前記防災区画は、少なくとも2個の前記開閉体が前記全閉位置まで閉じ移動されることによって形成されるものであり、閉鎖対象となる前記少なくとも2個の開閉体は、1個の前記電気式手動閉鎖装置から送信された閉鎖指示信号が、前記閉鎖対象となる前記少なくとも2個の開閉体のそれぞれを有する前記防災用開閉装置で受信されることにより閉じ移動することを特徴とする防災設備制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載の防災設備制御システムにおいて、前記閉鎖指示信号は、前記電気式手動閉鎖装置から無線により送信されるものであることを特徴とする防災設備制御システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の防災設備制御システムにおいて、前記電気式手動閉鎖装置は、前記少なくとも2個の開閉体により形成されることになる前記防災区画内に面している前記不動部材に、少なくとも1個配置されていることを特徴とする防災設備制御システム。
【請求項4】
請求項3に記載の防災設備制御システムにおいて、前記防災区画内には、非常口が設けられており、前記電気式手動閉鎖装置は、前記不動部材における前記非常口の近傍に、少なくとも1個配置されていることを特徴とする防災設備制御システム。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の防災設備制御システムにおいて、前記電気式手動閉鎖装置は、前記防災区画外に面している不動部材にも、少なくとも1個配置されていることを特徴とする防災設備制御システム。
【請求項6】
請求項5に記載の防災設備制御システムにおいて、前記防災区画外には、非常口が設けられており、前記電気式手動閉鎖装置は、前記不動部材における前記非常口の近傍に、少なくとも1個配置されていることを特徴とする防災設備制御システム。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載の防災設備制御システムにおいて、前記電気式手動閉鎖装置は、ケース部材の内部に収納されており、このケース部材の表面部の少なくとも一部には、蛍光塗料又は蓄光塗料が塗布されていることを特徴とする防災設備制御システム。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載の防災設備制御システムにおいて、前記電気式手動閉鎖装置の表面部の少なくとも一部には、蛍光塗料又は蓄光塗料が塗布されていることを特徴とする防災設備制御システム。
【請求項9】
請求項1~8のいずれかに記載の防災設備制御システムにおいて、前記電気式手動閉鎖装置は、前記不動部材に対して取り付け、取り外し自在となっていることを特徴とする防災設備制御システム。
【請求項10】
請求項1~9のいずれかに記載の防災設備制御システムにおいて、前記電気式手動閉鎖装置は、非常時に前記少なくとも2個の開閉体を閉鎖させるための押しボタン形式の操作スイッチと、可撓性を有していて、前記操作スイッチを操作することにより厚さ方向に変形することで電圧を発生する圧電素子と、この圧電素子で発生した電圧により前記閉鎖指示信号を出力する信号出力部と、この信号出力部から出力された前記閉鎖指示信号を前記防災用開閉装置へ送信する送信部と、を備えていることを特徴とする防災設備制御システム。
【請求項11】
請求項1~10のいずれかに記載の防災設備制御システムにおいて、前記建物の前記内部には、前記防災区画が複数個形成可能となっており、前記電気式手動閉鎖装置は、前記複数個の防災区画のうち、形成対象とする防災区画を選択するための防災区画選択手段を備えていることを特徴とする防災設備制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉体を有する複数個の防災用開閉装置により建物の内部(開口部を含む)に防災区画を形成するための防災設備制御システムに係り、例えば、ビル、倉庫、工場、地下街等の内部に防災区画を形成するために適用できるものである。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1には、建物の内部に、耐火性を有するシャッターカーテンと扉体である開き戸とで構成される開閉体を有する防災用開閉装置である防火シャッター装置が複数個配置されていることが示されており、火災発生時には、これらの防火シャッター装置が有する開閉体が全閉位置まで閉じ移動することにより防災区画である防火区画が形成されるようになっている。
【0003】
そして、火災が発生時には、この火災が発生したことを熱(煙)感知器が感知することにより、それぞれの防火シャッター装置に備えられている自動閉鎖装置の作動で開閉体が自動で閉鎖するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、火災発生時に、熱(煙)感知器が何らかの原因で作動しない場合には、管理者や消防隊員等の人間が、防火区画を形成するために閉鎖対象となる開閉体を有する複数個の防火用シャッター装置に急行し、それぞれの防火用シャッター装置に備えられている開閉体を電気式に手動で閉鎖するための電気式手動閉鎖装置を個別に操作することになる。
【0006】
このため、防火区画を形成するために閉鎖対象となる全部の開閉体を閉鎖させるためには時間が掛かっており、手動により防火区画を形成するための時間を短縮するための工夫が求められている。
【0007】
本発明の目的は、手動により防災区画を形成するための時間の短縮化を図ることができるようになる防災設備制御システムを提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る建物の内部に配置されていて、前記内部に防災区画を形成するために全閉位置まで閉じ移動される開閉体を有する複数個の防災用開閉装置と、前記内部の不動部材に配置されていて、前記開閉体を電気式に手動で閉鎖するための電気式手動閉鎖装置と、を含んで構成されている防災設備制御システムであって、前記防災区画は、複数個の前記開閉体が前記全閉位置まで閉じ移動されることによって形成されるものであり、閉鎖対象となる前記複数個の開閉体は、1個の前記電気式手動閉鎖装置から送信された閉鎖指示信号が、前記閉鎖対象となる前記複数個の開閉体のそれぞれを有する前記防災用開閉装置で受信されることにより同時又は略同時に閉じ移動することを特徴とするものである。
【0009】
前述したように、従来においては、火災発生時に、熱(煙)感知器が何らかの原因で作動しない場合には、管理者や消防隊員等の人間が、防火区画を形成するために閉鎖対象となる開閉体を有する複数個の防災用開閉装置に急行し、それぞれの防災用開閉装置に備えられている開閉体を電気式に手動で閉鎖するための電気式手動閉鎖装置を個別に操作していた。このため、防火区画を形成するために閉鎖対象となる全部の開閉体を閉鎖させるためには時間が掛かっていた。
【0010】
しかし、本発明では、上述のように、建物の内部に形成される防災区画は、複数個の開閉体が全閉位置まで閉じ移動されることによって形成されるものである。そして、防災区画を形成するために閉鎖対象となる前記複数個の開閉体は、1個の電気式手動閉鎖装置から送信された閉鎖指示信号が、前記閉鎖対象となる前記複数個の開閉体のそれぞれを有する防災用開閉装置で受信されることにより同時又は略同時に閉じ移動するものとなっている。
【0011】
すなわち、本発明では、1個の電気式手動閉鎖装置を操作するだけで、閉鎖対象となる複数個の開閉体を同時又は略同時に閉じ移動させることができるようになっている。
【0012】
このため、本発明によると、手動により防災区画を形成するための時間の短縮化を図ることができるようになる。
【0013】
本発明において、閉鎖指示信号は、電気式手動閉鎖装置から、有線により送信されるものであってもよく、無線により送信されるものあってもよい。言い換えると、電気式手動閉鎖装置と防災用開閉装置は、有線で接続されるものあってもよく、無線で接続されるものであってもよい。
【0014】
後者の場合によると、電気式手動閉鎖装置と防災用開閉装置とを接続するための配線作業が不要となり、それだけ設置作業の簡単化を図ることができるようになる。また、後者の場合によると、電気式手動閉鎖装置を建物の内部の任意な位置に配置することができ、特に電気式手動閉鎖装置を移設配置する場合等には好適である。
【0015】
また、前述したように、管理者や消防隊員等の人間が、防火区画を形成するために閉鎖対象となる開閉体を有する複数個の防災用開閉装置に急行する際、管理者や消防隊員等の人間は、建物の避難階段(言い換えると、非常階段)を経由して現場に向かうことが多い。
【0016】
このため、本発明において、建物に避難階段が設けられている場合には、電気式手動閉鎖装置は、建物の内部における避難階段の出入口の近傍の不動部材に少なくとも1個配置するようにしてもよい。
【0017】
これによると、建物の内部へ避難階段の出入口から入ってきた管理者や消防隊員等の人間が、電気式手動閉鎖装置を見つけやすくなる。
【0018】
本発明において、複数個の開閉体で形成される防災区画の形態(言い換えると、平面形状)には、以下の4種類がある。
【0019】
第1の形態は、防災区画の四方(言い換えると、四辺。以下同じ)のうち、三方(言い換えると、三辺。以下同じ)が不動部材で形成され、一方(言い換えると、一辺。以下同じ)が複数個の開閉体で形成されるものである。また、第2の形態は、防災区画の四方のうち、二方(言い換えると、二辺。以下同じ)が不動部材で形成され、二方が複数個の開閉体で形成されるもの(例えば、平面形状がL字状又は略L字状のもの)である。さらに、第3の形態は、防災区画の四方のうち、一方が不動部材で形成され、三方が複数個の開閉体で形成されるもの(例えば、平面形状がコ字状又は略コ字状のもの)である。そして、第4の形態は、防災区画の四方の全部が複数個の開閉体で形成されるもの(例えば、平面形状がロ字状又は略ロ字状のもの)である。
【0020】
本発明において、建物の内部における電気式手動閉鎖装置の配置位置は、任意な位置でよい。
【0021】
本発明において、建物の内部には、複数個の開閉体による防災区画が1個のみ形成されるものでもよく、複数個形成可能となっているものでもよい。
【0022】
前者の場合において、電気式手動閉鎖装置は、複数個の開閉体により形成される1個の防災区画で囲まれることになる空間の内側の不動部材に少なくとも1個配置するようにしてもよく、前記空間の外側の不動部材に少なくとも1個配置するようにしてもよく、前記空間の内側の不動部材と外側の不動部材とに、少なくとも1個ずつ配置するようにしてもよい。
【0023】
一方、後者の場合において、電気式手動閉鎖装置は、複数個の開閉体により形成されるそれぞれの防災区画で囲まれることになる空間の内側の不動部材に少なくとも1個配置するようにしてもよい。すなわち、電気式手動閉鎖装置は、複数個の防災区画のそれぞれで囲まれることになる空間ごとに少なくとも1個配置するようにしてもよい。
【0024】
また、後者の場合において、複数個の開閉体のうち、少なくとも1個の開閉体が、互いに隣接する2個の防災区画の共通部分(言い換えると、重複部分)を形成するものである場合には、前記少なくとも1個の開閉体は、この少なくとも1個の開閉体で仕切られる2個の空間のうち、一方の空間の内側の不動部材に少なくとも1個配置されている電気式手動閉鎖装置の操作によって閉鎖され、かつ、他方の空間の内側の不動部材に少なくとも1個配置されている電気式手動閉鎖装置の操作によっても閉鎖可能となっているものとしてもよい。
【0025】
なお、前述したように、建物の内部には、複数個の開閉体による防災区画が複数個形成可能となっている場合には、これらの防災区画の全部を1個の前記電気式手動閉鎖装置の操作により形成可能となっていることとしてもよい。
【0026】
この場合において、電気式手動閉鎖装置は、複数個の防災区画のうち、形成対象とする防災区画を少なくとも1個選択するための防災区画選択手段を備えていることが好ましい。
【0027】
なお、このような機能を有する電気式手動閉鎖装置は、建物の内部の不動部材に複数配置することが好ましく、その配置位置は、任意な位置でよい。
【0028】
以上の本発明において、電気式手動閉鎖装置から送信される閉鎖指示信号を受信するための受信部は、火災発生を感知するための感知器からの防災信号を中継するための危害防止用連動中継器に備えられる(言い換えると、内蔵される)ようにしてもよく、危害防止用連動中継器とは独立して配置するようにしてもよい。なお、この危害防止用連動中継器は、受信部で受信された閉鎖指示信号に基づき、感知器により火災発生が感知されたとき開閉体を自動閉鎖するための自動閉鎖装置へ作動信号を出力するものとしてもよい。
【0029】
なお、受信部を上述のように危害防止用連動中継器とは独立して配置するものとした場合には、防災用開閉装置に有線で接続されていて、この防災用開閉装置が有する開閉体を電気式に手動で閉鎖するため従来の電気式手動閉鎖装置に加えて、本発明に係る電気式手動閉鎖装置を後付けすることが可能となる。これにより、火災発生時に、従来の電気式手動閉鎖装置と本発明に係る電気式手動閉鎖装置のいずれか一方が故障したとしても、開閉体を手動で閉鎖させることの確実性をより向上させることができる。
【0030】
以上の本発明において、電気式手動閉鎖装置は、平常時に管理者等以外の人間に操作されないように、ケース部材の内部に収納されていることが好ましい。また、このケース部材には、施錠装置を備え、平常時はこの施錠装置により施錠されていることが好ましい。
【0031】
なお、ケース部材の表面部の少なくとも一部には、蛍光塗料又は蓄光塗料が塗布されていることが好ましい。
【0032】
これによると、火災が夜間に発生した場合、管理者や消防隊員等の人間が、電気式手動閉鎖装置の配置場所を見つけやすくなる。また、火災が昼間に発生し、この火災による煙が建物の内部の充満している場合にも、管理者や消防隊員等の人間が、電気式手動閉鎖装置の配置場所を見つけやすくなる。
【0033】
ここで、ケース部材の表面部における蛍光塗料又は蓄光塗料を塗布する箇所は、例えば、ケース部材の表面部の全部でもよいが、電気式手動閉鎖装置が、非常時に複数個の開閉体を閉鎖させるための操作スイッチを備え、この操作スイッチは、前記ケース部材の前記表面部に形成された貫通孔を平常時に覆っている樹脂製のカバー部材を押し込むことによって作動するものである場合には、少なくとも、このカバー部材の表面部に蛍光塗料又は蓄光塗料が塗布することが好ましい。
【0034】
なお、以上の本発明において、電気式手動閉鎖装置の表面部の少なくとも一部には、蛍光塗料又は蓄光塗料が塗布するようにしてもよく、しなくてもよい。
【0035】
また、以上の本発明において、電気式手動閉鎖装置は、不動部材に対して取り付け、取り外し自在となっていてもよい。
【0036】
これによると、火災発生時、防災区画を形成する必要がある空間で火災が進んでいる場合、電気式手動閉鎖装置を不動部材から取り外した後、この電気式手動閉鎖装置を炎や煙から離れた位置で操作することができるようになる。
【0037】
以上の本発明において、電気式手動閉鎖装置を作動させるための電源は任意なものでよく、例えば、商用電源でもよく、バッテリ(蓄電池)でもよく、乾電池でもよい。
【0038】
なお、電気式手動閉鎖装置は、非常時に複数個の開閉体を閉鎖させるための押しボタン式の操作スイッチと、可撓性を有していて、前記操作スイッチを操作することにより厚さ方向に変形することで電圧を発生する圧電素子と、この圧電素子で発生した電圧により閉鎖指示信号を出力する信号出力部と、この信号出力部から出力された前記閉鎖指示信号を防災用開閉装置へ送信する送信部と、を備えているものでもよい。
【0039】
これによると、電気式手動閉鎖装置を作動させるための電源が不要となる。
【0040】
以上の本発明において、複数個の開閉体により形成される防災区画とは、防火区画及び/又は防煙区画をいい、これらの区画は、面積区画であってもよく、竪穴区画であってもよく、異種用途区画等であってもよい。
【0041】
以上の本発明において、防災用開閉装置とは、防火用開閉装置及び/又は防煙用開閉装置をいう。ここで、防火用開閉装置とは、例えば、開閉体が耐火性(言い換えると、不燃性)を有するシャッターカーテンである防火シャッター装置や、開閉体が耐火性を有する扉体(開き戸や引戸)である防火扉装置や、これらを複合したいわゆる袖扉連動防火シャッター装置等をいう。また、防煙用開閉装置とは、例えば、開閉体が耐火性を有するパネルやシートである防煙垂れ壁装置をいう。
【0042】
なお、開閉体であるシャッターカーテンは、例えば、耐火性を有する複数のスラットの連設で形成されているものでもよく、耐火性を有するシートで形成されているものでもよく、これらを複合したものでもよい。
【発明の効果】
【0043】
本発明によると、手動により防災区画を形成するための時間の短縮化を図ることができるようになるという効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る防災設備制御システムが適用される建物の内部の平面図である。
【
図2】
図2は、
図1で示されている1個の開閉体を電気式に手動で閉鎖するための4個の電気式手動閉鎖装置と、これらの装置から無線により送信される閉鎖指示信号を受信する危害防止用連動中継器との接続図である。
【
図3】
図3は、
図1で示されている電気式手動閉鎖装置の正面図である。
【
図4】
図4は、
図1で示されている1個の電気式手動閉鎖装置から送信された閉鎖指示信号により防災用開閉装置である防災用シャッター装置が作動しているときを示す図である。
【
図6】
図6は、
図4で示されている1個の電気式手動閉鎖装置から送信された閉鎖指示信号による防災用シャッター装置の作動の流れを示すフローチャート図である。
【
図7】
図7は、
図4で作動している防災用シャッター装置により形成される防災区画内に配置されている他の電気式手動閉鎖装置から閉鎖指示信号が送信されたときを示す
図4と同様の図である。
【
図8】
図8は、
図4で示されている防災区画と隣接する防災区画内に配置されている1個の電気式手動閉鎖装置から閉鎖指示信号が送信されたときを示す
図4と同様の図である。
【
図9】
図9は、別実施形態に係る電気式手動閉鎖装置の正面図である。
【
図11】
図11は、壁に取り付けられていて、
図9及び
図10で示されている電気式手動閉鎖装置を収納、保持するためのケース部材の側面図である。
【
図13】
図13は、
図11及び
図12に示すケース部材に対して、
図9及び
図10に示す電気式手動閉鎖装置を係脱可能とするための係脱手段を示す斜視図であって、(A)は、ケース部材に設けられた係止部を示し、(B)は、電気式手動閉鎖装置に設けられた被係止部を示す。
【
図15】
図15は、さらなる別実施形態に係る電気式手動閉鎖装置の正面図を示す
図9と同様の図である。
【
図16】
図16は、操作スイッチであるボタンを押下することにより、閉鎖指示信号を送信するための電圧を発生する圧電素子を有する実施形態に係る電気式手動閉鎖装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る防災設備制御システムが適用されるビル、倉庫、工場等の建物の内部の平面図である。
【0046】
図1で示されているように、不動部材である四方の壁1,2,3,4で囲まれている建物の内部には、本実施形態に係る防災用開閉装置となっている複数個(本実施形態では4個)の防火シャッター装置が有する開閉体であるシャッターカーテンにより、防災区画である防火区画が4個形成可能となっている。
【0047】
図1で示されているように、二点鎖線で示されている4個の防災区画A,B,C,Dのうち、防火区画Aは、二点鎖線で示されている4個の開閉体である耐火性を有するシャッターカーテン91,92,93,94が全閉位置まで閉じ移動することにより形成され、防火区画Bは、二点鎖線で示されている4個のシャッターカーテン93,94,95,96が全閉位置まで閉じ移動することにより形成され、防火区画Cは、二点鎖線で示されている4個のシャッターカーテン95,96,97,98が全閉位置まで閉じ移動することにより形成され、防火区画Dは、二点鎖線で示されている4個のシャッターカーテン91,92,97,98が全閉位置まで閉じ移動することにより形成されるものである。
【0048】
図1で示されているように、四方の壁1,2,3,4で囲まれている建物の内部の四隅には、避難階段51,52,53,54へ通じる出入口である非常口51A,52A,53A,54Aがそれぞれ設けられている。壁1及び壁2における非常口51Aの近傍には、4個のシャッターカーテン91,92,93,94を電気式に手動で閉鎖するための2個の電気式手動閉鎖装置21,22が配置されている。これと同様に、壁2及び壁3における非常口52Aの近傍には、4個のシャッターカーテン93,94,95,96を電気式に手動で閉鎖するための2個の電気式手動閉鎖装置23,24が配置され、壁3及び壁4における非常口53Aの近傍には、4個のシャッターカーテン95,96,97,98を電気式に手動で閉鎖するための2個の電気式手動閉鎖装置25,26が配置され、壁4及び壁1における非常口54Aの近傍には、4個のシャッターカーテン97,98,91,92を電気式に手動で閉鎖するための2個の電気式手動閉鎖装置27,28が配置されている。
【0049】
また、四方の壁1,2,3,4で囲まれている建物の内部の中央部には、柱6が立設され、この柱6と壁1との間には柱5が立設されている。これと同様に、柱6と壁2との間には柱7が立設され、柱6と壁3との間には柱8が立設され、柱6と壁4との間には柱9が立設されている。
【0050】
壁1と柱5には、シャッターカーテン91の幅方向(言い換えると、左右方向)の両端部がスライド自在に挿入されるガイド溝(言い換えると、案内溝)が上下方向にそれぞれ形成されており、シャッターカーテン91は、これらのガイド溝に案内されて開閉移動する。これと同様に、シャッターカーテン92は、柱5と柱6にそれぞれ形成されたガイド溝に案内されて開閉移動し、シャッターカーテン93は、壁2と柱7にそれぞれ形成されたガイド溝に案内されて開閉移動し、シャッターカーテン94は、柱6と柱7にそれぞれ形成されたガイド溝に案内されて開閉移動し、シャッターカーテン95は、柱6と柱8にそれぞれ形成されたガイド溝に案内されて開閉移動し、シャッターカーテン96は、壁3と柱8にそれぞれ形成されたガイド溝に案内されて開閉移動し、シャッターカーテン97は、柱6と柱9にそれぞれ形成されたガイド溝に案内されて開閉移動し、シャッターカーテン98は、壁4と柱9にそれぞれ形成されたガイド溝に案内されて開閉移動する。
【0051】
本実施形態では、シャッターカーテン91,92は、4個の電気式手動閉鎖装置21,22,27,28のいずれかを操作することにより、電気式に手動で閉鎖させることができるようになっている。これと同様に、シャッターカーテン93,94は、4個の電気式手動閉鎖装置21,22,23,24のいずれかを操作することにより、電気式に手動で閉鎖させることができ、シャッターカーテン95,96は、4個の電気式手動閉鎖装置23,24,25,26のいずれかを操作することにより、電気式に手動で閉鎖させることができ、シャッターカーテン97,98は、4個の電気式手動閉鎖装置25,26,27,28のいずれかを操作することにより、電気式に手動で閉鎖させることができるようになっている。
【0052】
図2は、シャッターカーテン93を電気式に手動で閉鎖させるための4個の電気式手動閉鎖装置21,22,23,24と、このシャッターカーテン93を有する防火シャッター装置に備えられていて、4個の電気式手動閉鎖装置21,22,23,24から無線により送信される閉鎖指示信号を受信するための危害防止用連動中継器33との接続図である。
【0053】
電気式手動閉鎖装置21は、火災発生時にシャッターカーテン93を電気式に手動で閉鎖させるための押しボタン式の操作スイッチである非常閉鎖ボタン71と、この非常閉鎖ボタン71の操作により、危害防止用連動中継器33の受信部66へ閉鎖指示信号72Aを無線により送信するための送信部72と、を含んで構成されており、電気式手動閉鎖装置22,23,24も、非常閉鎖ボタン71と、閉鎖指示信号72B,72C,72Dを無線により送信するための送信部72と、を含んで構成されている。
【0054】
危害防止用連動中継器33は、後述する
図5で示されているように、天井裏空間の不動部材に配置されており、この危害防止用連動中継器33は、電源回路61と、充電装置62と、予備電源63と、電源切替装置64と、制御回路65と、受信部66と、を含んで構成されている。電源回路61は、商用電源10の交流100Vの信号を直流24Vの信号に変換し、電源切替装置64を介して制御回路65に直流電圧を供給するとともに充電装置62に電力を供給する。充電装置62は、電源回路61からの電力を用いて予備電源63を充電する。予備電源63は、蓄電池等で構成され、電源切替装置64を介して直流電圧を制御回路65に供給する。電源切替装置64は、電源回路61又は予備電源63のいずれか一方の電源を選択的に切り替えて制御回路65に接続するものである。通常は商用電源10からの電力が供給されているので、電源回路61からの直流電圧を制御回路65に供給しているが、火災発生時などの非常時に商用電源10からの電力供給が停止した場合などには、予備電源63からの直流電圧を制御回路65に供給するように動作する。受信部66は、4個の電気式手動閉鎖装置21,22,23,24から無線により送信される閉鎖指示信号72A,72B,72C,72Dを受信したとき、制御回路65へ制御信号を出力する。これにより、制御回路65は、連続的な作動信号(直流24Vの信号)を自動閉鎖装置45へ出力するため、シャッターカーテン93は自重による閉じ移動を開始する。
【0055】
なお、火災発生時、この火災で発生した熱や煙が熱(煙)感知器41(
図5も参照)により感知されると、この熱(煙)感知器41からの火災信号により連動制御器(言い換えると、防災盤)40は、危害防止用連動中継器33へ防災信号BS(例えば直流24Vの信号)を出力する。これにより、危害防止用連動中継器33の制御回路65は、連続的な作動信号(直流24Vの信号)を自動閉鎖装置45へ出力するため、シャッターカーテン93は自重による閉じ移動を自動で開始する。
【0056】
なお、
図1で示されている危害防止用連動中継器31,32,34,35,36,37,38は、前述した危害防止用連動中継器33と同様の形状、構造、機能を有している。すなわち、危害防止用連動中継器31,32,34,35,36,37,38は、危害防止用連動中継器33と同様に、電源回路61と、充電装置62と、予備電源63と、電源切替装置64と、制御回路65と、受信部66と、を含んで構成されている。
【0057】
図1で示されている電気式手動閉鎖装置21~28は、全て同じ形状、構造、機能を有しており、これらの電気式手動閉鎖装置21~28のうち、電気式手動閉鎖装置22について説明する。
図3は、この電気式手動閉鎖装置22の正面図である。なお、これらの電気式手動閉鎖装置21~28は、商用電源及び/又はバッテリーで作動するものである。
【0058】
ケース部材78の内部に収納されている電気式手動閉鎖装置22は、平常時にシャッターカーテン93を電動により開閉駆動させるための後述する
図5に示す開閉機91を操作し、非常時に危害防止用連動中継器33に防災信号BSが入力したときと同様の動作をさせるための閉鎖指示信号を手動で発生させるものである。
【0059】
電気式手動閉鎖装置22には、シャッターカーテン93を開き移動させるための制御信号である開信号を有線により開閉機91へ送信するための開ボタン73と、シャッターカーテン93を閉じ移動させるための制御信号である閉信号を有線により開閉機91へ送信するための閉ボタン75と、開ボタン73又は閉ボタン75の操作により移動中のシャッターカーテン93を停止させるための制御信号である停信号を有線により開閉機91へ送信するための停ボタン74と、復旧ボタン76と、電池試験ボタン77と、これらのボタン73~77の下方に配置され、非常時にシャッターカーテン93を手動により閉じ移動させるための非常閉鎖ボタン71と、が備えられている。
【0060】
これらのボタン71,73~77のうち、非常閉鎖ボタン71以外のボタン73~77は、平常時の管理用として使用されるものであるため、通常時は、施錠装置80により施錠される開閉自在となっている蓋部材79で閉鎖されており、これらのボタン73~77を操作するときには、
図3で示されているように、施錠されている蓋部材79を鍵(キー)81で解錠する。
【0061】
なお、図示されていないが、電気式手動閉鎖装置22には、電池試験結果、予備電源の状態、コード断線状態などを表示したりする種々の表示手段が設けられている。
【0062】
図3で示されているように、ケース部材78の内部に配置されている非常閉鎖ボタン71は、ケース部材78の表面部78Aにおける非常閉鎖ボタン71と対向する部分に形成された円形の貫通孔(言い換えると、開口部)78Bを平常時覆っている樹脂製のカバー部材82を押し込むことによって作動するものである。なお、中央部に「非常」マーク83が刻印されているカバー部材82の表面部78Aには、蛍光塗料又は蓄光塗料が塗布されている。
【0063】
なお、図示されていないが、非常閉鎖ボタン71の奥側には、この非常閉鎖ボタン71の操作により、危害防止用連動中継器33の受信部66へ閉鎖指示信号72Bを無線により送信するための前述した
図2に示す送信部72が配置されている。
【0064】
図4は、
図1において、柱5の付近で火災90が発生し、防火区画Aを形成するために電気式手動閉鎖装置22の非常閉鎖ボタン71が操作されたときを示す図であり、
図5は、
図4のS1矢視図である。
【0065】
図4で示されているように、電気式手動閉鎖装置22の非常閉鎖ボタン71が操作されることにより、この電気式手動閉鎖装置22の送信部72から閉鎖指示信号72Bが出力される。本実施形態では、この閉鎖指示信号72Bは、この信号の識別情報であるIDが002となっており、IDが002の閉鎖指示信号72Bを受信可能(言い換えると、識別可能)となっている危害防止用連動中継器の受信部は、4個の危害防止用連動中継器31,32,33,34の受信部66となっている。
【0066】
また、
図5で示されているように、シャッターカーテン93は、防火シャッター装置13に備えられ、シャッターカーテン94は、防火シャッター装置14に備えられている。そして、防火シャッター装置13は、危害防止用連動中継器33(
図1及び
図4も参照)と自動閉鎖装置45(
図2も参照)を備え、防火シャッター装置14は、危害防止用連動中継器34(
図1及び
図4も参照)と自動閉鎖装置45を備えている。なお、
図1及び
図4で示されているシャッターカーテン91,92は、図示されない防火シャッター装置11,12に備えられており、これらの防火シャッター装置11,12は、
図1及び
図4に示す危害防止用連動中継器31,32と自動閉鎖装置45を備えている。
【0067】
電気式手動閉鎖装置22の送信部72から送信された閉鎖指示信号72Bが、危害防止用連動中継器31,32,33,34の受信部66で受信されると、危害防止用連動中継器31,32,33,34の制御回路65は、前述したように、連続的な作動信号(直流24Vの信号)を自動閉鎖装置45へ出力するため、シャッターカーテン91,92,93,94は自重による閉じ移動を同時又は略同時に開始する。そして、シャッターカーテン91,92,93,94が全閉位置まで閉じ移動することにより、防火区画Aが形成されることになる。
【0068】
なお、本実施形態では、
図1及び
図4で示されているシャッターカーテン95,96,97,98は、図示されない防火シャッター装置15,16,17,18に備えられており、これらの防火シャッター装置15,16,17,18は、
図1及び
図4に示す危害防止用連動中継器35,36,37,38と
図2及び
図5に示す自動閉鎖装置45を備えている。
【0069】
なお、
図2及び
図5に示す熱(煙)感知器41は、
図5で示されているように、シャッターカーテン91,92,93,94により形成される防火区画Aで囲まれることになる空間の天井に配置されている。これと同様に、
図1で示されているシャッターカーテン93,94,95,96により形成される防火区画Bで囲まれることになる空間の天井、シャッターカーテン95,96,97,98により形成される防火区画Cで囲まれることになる空間の天井、及び、シャッターカーテン91,92,97,98により形成される防火区画Dで囲まれることになる空間の天井にも、熱(煙)感知器41が配置されている。
【0070】
図6は、電気式手動閉鎖装置22の非常閉鎖ボタン71が操作されたときにおける危害防止用連動中継器33の制御回路65による防火シャッター装置13の制御の流れを示すフローチャート図である。
【0071】
なお、本実施形態では、危害防止用連動中継器33の制御回路65は、電気式手動閉鎖装置21,22,23,24から送信された閉鎖指示信号72A(ID=001),72B(ID=002),72C(ID=003),72D(ID=004)により、防火シャッター装置13のシャッターカーテン33を閉じ移動させる制御を実行する。
【0072】
まず、制御回路65は、受信部66が閉鎖指示信号を受信したかどうかの判定処理を実行し(ステップS1)、受信部66が閉鎖指示信号を受信していないと判定した場合(ステップS1-NO)には、この判定処理(ステップ1)を繰り返す。一方、受信部66が閉鎖指示信号を受信したと判定した場合(ステップS1-YES)には、受信した閉鎖指示信号のID(識別情報)の判定処理を実行する(ステップS2)。
【0073】
受信した閉鎖指示信号のID=001又は002又は003又は004の場合(ステップS2-YES)には、シャッターカーテン93が全閉状態かどうかの判定処理を実行する(ステップS3)。一方、受信した閉鎖指示信号のID≠001又は002又は003又は004の場合(ステップS2-NO)には、受信した閉鎖指示信号が電気式手動閉鎖装置21,22,23,24から送信されたものではないため、制御回路65による処理は終了する。
【0074】
ステップS3において、シャッターカーテン93が全閉状態であると判定した場合(ステップS3-YES)には、シャッターカーテン93を閉じ移動させる必要がないため、制御回路65による処理は終了する。一方、シャッターカーテン93が全閉状態でないと判定した場合(ステップS3-NO)には、制御回路65は、前述したように、連続的な作動信号(直流24Vの信号)を自動閉鎖装置45へ出力する(ステップS4)。
【0075】
これにより、オンとなっていた開閉機91(
図5参照)のブレーキがオフとなり、シャッターカーテン93が閉じ移動を開始し(ステップS5)、このシャッターカーテン93は、全閉位置に達するまで閉じ移動する(ステップS6)。
【0076】
なお、本実施形態では、
図1で示されている危害防止用連動中継器34の制御回路65も、
図5に示す防火シャッター装置14のシャッターカーテン94に対して、上述した危害防止用連動中継器33の制御回路65と同様の制御処理を実行する。
【0077】
なお、本実施形態では、
図1に示されている電気式手動閉鎖装置25から送信される閉鎖指示信号のIDは005となっており、電気式手動閉鎖装置26から送信される閉鎖指示信号のIDは006となっており、電気式手動閉鎖装置27から送信される閉鎖指示信号のIDは007となっており、電気式手動閉鎖装置28から送信される閉鎖指示信号のIDは008となっている。
【0078】
そして、本実施形態では、
図1で示されている危害防止用連動中継器31,32の制御回路65は、電気式手動閉鎖装置21,22,27,28から送信された閉鎖指示信号(ID=001,002,007,008)を受信したとき、防火シャッター装置11、12のシャッターカーテン91,92を閉じ移動させるための
図6と同様の制御処理を実行する。これと同様に、危害防止用連動中継器35,36の制御回路65は、電気式手動閉鎖装置23,24,25,26から送信された閉鎖指示信号(ID=003,004,005,006)を受信したとき、防火シャッター装置15,16のャッターカーテン95,96を閉じ移動させるための
図6と同様の制御処理を実行し、危害防止用連動中継器37,38の制御回路65は、電気式手動閉鎖装置25,26,27,28から送信された閉鎖指示信号(ID=005,006,007,008)を受信したとき、防火シャッター装置17,18のシャッターカーテン97,98を閉じ移動させるための
図6と同様の制御処理を実行する。
【0079】
このため、
図2で示されている電気式手動閉鎖装置22の非常閉鎖ボタン71が操作されて、この電気式手動閉鎖装置22の送信部72から送信された閉鎖指示信号72B(ID=002)を、
図4に示す危害防止用連動中継器31,32,33,34の受信部が受信することにより、防火シャッター装置11,12,13,14のシャッターカーテン91,92,93,94が全閉位置まで閉じ移動し、シャッターカーテン91,92,93,94による防火区画Aが形成されることになる。
【0080】
本実施形態では、防火区画Aは、
図7で示されているように、電気式手動閉鎖装置21の非常閉鎖ボタン71を操作することによっても形成することができる。すなわち、
図2で示されている電気式手動閉鎖装置21の非常閉鎖ボタン71が操作されることにより、この電気式手動閉鎖装置21の送信部72から送信された閉鎖指示信号72A(ID=001)を、
図4に示す危害防止用連動中継器31,32,33,34の受信部が受信することにより、防火シャッター装置11,12,13,14のシャッターカーテン91,92,93,94が全閉位置まで閉じ移動し、シャッターカーテン91,92,93,94による防火区画Aが形成されることになる。
【0081】
なお、
図4で示されているように、防火区画Aを形成するために、電気式手動閉鎖装置22の非常閉鎖ボタン71が操作されて、シャッターカーテン91,92,93,94が閉じ移動を開始した後に、
図7で示されているように、電気式手動閉鎖装置21の非常閉鎖ボタン71が操作されて、
図2に示す閉鎖指示信号72Aが送信された場合には、危害防止用連動中継器31,32,33,34は、
図6には図示されていないが、電気式手動閉鎖装置21から送信された閉鎖指示信号72Aについては、処理対象外とする(言い換えると、無視する)制御処理を実行する。
【0082】
図8は、この
図8で示されている電気式手動閉鎖装置28の非常閉鎖ボタン71が操作され、この電気式手動閉鎖装置28の送信部72から送信された閉鎖指示信号(ID=008)を、危害防止用連動中継器31,32,37,38の受信部66が受信することにより、防火シャッター装置11,12,17,18のシャッターカーテン91,92,97,98が全閉位置まで閉じ移動し、シャッターカーテン91,92,97,98による防火区画Dが形成されたときを示す
図4や
図7と同様の図である。
【0083】
この防火区画Dは、
図8で示されている電気式手動閉鎖装置27の非常閉鎖ボタン71が操作され、この電気式手動閉鎖装置27の送信部72から送信された閉鎖指示信号(ID=007)を、危害防止用連動中継器31,32,37,38の受信部66が受信することにより、防火シャッター装置11,12,17,18のシャッターカーテン91,92,97,98が全閉位置まで閉じ移動することによっても形成される。
【0084】
なお、
図4で示されているように、防火区画Aを形成するために、電気式手動閉鎖装置22の非常閉鎖ボタン71が操作されて、シャッターカーテン91,92,93,94が閉じ移動を開始した後に、
図8で示されているように、電気式手動閉鎖装置27又は28の非常閉鎖ボタン71が操作されて、閉鎖指示信号(ID=007又は008)が送信された場合には、危害防止用連動中継器31,32は、
図6には図示されていないが、電気式手動閉鎖装置27又は28から送信された閉鎖指示信号については、処理対象外とする(言い換えると、無視する)制御処理を実行する。
【0085】
なお、本実施形態では、
図1で二点鎖線で示されている防火区画Bは、以上説明した防火区画A,Dと同様に、電気式手動閉鎖装置23又は24の非常閉鎖ボタンの操作により、防火シャッター装置13,14,15,16のシャッターカーテン93,94,95,96が全閉位置まで閉じ移動することにより形成されるものであり、
図1で二点鎖線で示されている防火区画Cも、電気式手動閉鎖装置25又は26の非常閉鎖ボタンの操作により、防火シャッター装置15,16,17,18のシャッターカーテン95,96,97,98が全閉位置まで閉じ移動することにより形成されるものである。
【0086】
また、
図1から分かるように、本実施形態では、電気式手動閉鎖装置は、シャッターカーテン91,92,93,94により形成されることになる防火区画A内に面している不動部材である壁1と壁2とに、それぞれ1個配置されている。
【0087】
また、本実施形態では、
図1から分かるように、防火区画Aを形成する4個のシャッターカーテン91,92,93,94のうち、2個のシャッターカーテン91,92が、互いに隣接する2個の防火区画A,Dの共通部分(言い換えると、重複部分)を形成するものとなっている。そして、2個のシャッターカーテン91,92は、これらのシャッターカーテン91,92に仕切られる2個の空間のうち、一方の空間(非常口51A側の空間)内側の不動部材である壁1と壁2とに、それぞれ1個配置されている電気式手動閉鎖装置21,22の操作によって閉鎖され、かつ、他方の空間(非常口54A側の空間)内側の不動部材である壁1と壁4とに、それぞれ1個配置されている電気式手動閉鎖装置27,28の操作によっても閉鎖可能となっている。一方、防火区画Aを形成する4個のシャッターカーテン91,92,93,94のうち、2個のシャッターカーテン93,94が、互いに隣接する2個の防火区画A,Cの共通部分(言い換えると、重複部分)を形成するものとなっている。そして、2個のシャッターカーテン93,94は、これらのシャッターカーテン93,94に仕切られる2個の空間のうち、一方の空間(非常口51A側の空間)内側の不動部材である壁1と壁2とに、それぞれ1個配置されている電気式手動閉鎖装置21,22の操作によって閉鎖され、かつ、他方の空間(非常口52A側の空間)内側の不動部材である壁1と壁3とに、それぞれ1個配置されている電気式手動閉鎖装置23,24の操作によっても閉鎖可能となっている。
【0088】
これと同様に、防火区画Bを形成する4個のシャッターカーテン93,94,95,96のうち、2個のシャッターカーテン93,94が、前述したように、互いに隣接する2個の防火区画A,Bの共通部分を形成するものとなっている。そして、2個のシャッターカーテン93,94は、前述したように、これらのシャッターカーテン93,94に仕切られる2個の空間のうち、一方の空間(非常口51A側の空間)内側の不動部材である壁1と壁2とに、それぞれ1個配置されている電気式手動閉鎖装置21,22の操作によって閉鎖され、かつ、他方の空間(非常口52A側の空間)内側の不動部材である壁2と壁3とに、それぞれ1個配置されている電気式手動閉鎖装置23,24の操作によっても閉鎖可能となっている。一方、防火区画Bを形成する4個のシャッターカーテン93,94,95,96のうち、2個のシャッターカーテン95,96が、互いに隣接する2個の防火区画B,Cの共通部分を形成するものとなっている。そして、2個のシャッターカーテン95,96は、これらのシャッターカーテン95,96に仕切られる2個の空間のうち、一方の空間(非常口52A側の空間)内側の不動部材である壁2と壁3とに、それぞれ1個配置されている電気式手動閉鎖装置23,24の操作によって閉鎖され、かつ、他方の空間(非常口53A側の空間)内側の不動部材である壁3と壁4とに、それぞれ1個配置されている電気式手動閉鎖装置25,26の操作によっても閉鎖可能となっている。
【0089】
また、防火区画Cを形成する4個のシャッターカーテン95,96,97,98のうち、2個のシャッターカーテン95,96が、前述したように、互いに隣接する2個の防火区画B,Cの共通部分を形成するものとなっている。そして、2個のシャッターカーテン95,96は、前述したように、これらのシャッターカーテン95,96に仕切られる2個の空間のうち、一方の空間(非常口52A側の空間)内側の不動部材である壁2と壁3とに、それぞれ1個配置されている電気式手動閉鎖装置23,24の操作によって閉鎖され、かつ、他方の空間(非常口53A側の空間)内側の不動部材である壁3と壁4とに、それぞれ1個配置されている電気式手動閉鎖装置25,26の操作によっても閉鎖可能となっている。一方、防火区画Cを形成する4個のシャッターカーテン95,96,97,98のうち、2個のシャッターカーテン97,98が、互いに隣接する2個の防火区画C,Dの共通部分を形成するものとなっている。そして、2個のシャッターカーテン97,98は、これらのシャッターカーテン97,98に仕切られる2個の空間のうち、一方の空間(非常口523側の空間)内側の不動部材である壁3と壁4とに、それぞれ1個配置されている電気式手動閉鎖装置25,26の操作によって閉鎖され、かつ、他方の空間(非常口54A側の空間)内側の不動部材である壁4と壁1とに、それぞれ1個配置されている電気式手動閉鎖装置27,28の操作によっても閉鎖可能となっている。
【0090】
さらに、防火区画Dを形成する4個のシャッターカーテン91,92,97,98のうち、2個のシャッターカーテン91,92が、前述したように、互いに隣接する2個の防火区画A,Dの共通部分を形成するものとなっている。そして、2個のシャッターカーテン91,92は、前述したように、これらのシャッターカーテン91,92に仕切られる2個の空間のうち、一方の空間(非常口51A側の空間)内側の不動部材である壁1と壁2とに、それぞれ1個配置されている電気式手動閉鎖装置21,22の操作によって閉鎖され、かつ、他方の空間(非常口54A側の空間)内側の不動部材である壁4と壁1とに、それぞれ1個配置されている電気式手動閉鎖装置27,28の操作によっても閉鎖可能となっている。一方、防火区画Dを形成する4個のシャッターカーテン91,92,97,98のうち、2個のシャッターカーテン97,98が、前述したように、互いに隣接する2個の防火区画C,Dの共通部分を形成するものとなっている。そして、2個のシャッターカーテン97,98は、前述したように、これらのシャッターカーテン97,98に仕切られる2個の空間のうち、一方の空間(非常口53A側の空間)内側の不動部材である壁3と壁4とに、それぞれ1個配置されている電気式手動閉鎖装置25,26の操作によって閉鎖され、かつ、他方の空間(非常口54A側の空間)内側の不動部材である壁4と壁1とに、それぞれ1個配置されている電気式手動閉鎖装置27,28の操作によっても閉鎖可能となっている。
【0091】
前述したように、従来においては、火災発生時に、熱(煙)感知器が何らかの原因で作動しない場合には、管理者や消防隊員等の人間が、防火区画を形成するために閉鎖対象となるシャッターカーテンを有する複数個の防火シャッター装置に急行し、それぞれの防火シャッター装置に備えられているシャッターカーテンを電気式に手動で閉鎖するための電気式手動閉鎖装置を個別に操作していた。このため、防火区画を形成するために閉鎖対象となる全部のシャッターカーテンを閉鎖させるためには時間が掛かっていた。
【0092】
しかし、以上説明したように、本実施形態では、建物の内部に形成される4個の防災区画A,B,C,Dのそれぞれは、4個の開閉体であるシャッターカーテンが全閉位置まで閉じ移動されることによって形成されるものである。そして、それぞれの防災区画A,B,C,Dを形成するために閉鎖対象となる4個のシャッターカーテンは、1個の電気式手動閉鎖装置から無線により送信された閉鎖指示信号が、閉鎖対象となる4個のシャッターカーテンのそれぞれを有する防災用開閉装置である防火シャッター装置で受信されることにより同時又は略同時に閉じ移動するものとなっている。
【0093】
すなわち、本実施形態では、1個の電気式手動閉鎖装置を操作するだけで、閉鎖対象となる4個のシャッターカーテンを同時又は略同時に閉じ移動させることができるようになっている。
【0094】
このため、本実施形態によると、従来と比較して、手動により防災区画を形成するための時間の短縮化を図ることができるようになる。
【0095】
また、本実施形態では、電気式手動閉鎖装置と防火シャッター装置は、有線ではなく、無線で接続されるようになっている。
【0096】
このため、本実施形態によると、電気式手動閉鎖装置と防火シャッター装置とを接続するための配線作業が不要となり、それだけ設置作業の簡単化を図ることができるようになる。また、本実施形態によると、電気式手動閉鎖装置を建物の内部の任意な位置に配置することができるようになる。
【0097】
また、前述したように、管理者や消防隊員等の人間が、防火区画を形成するために閉鎖対象となるシャッターカーテンを有する複数個の防火シャッター装置に急行する際、管理者や消防隊員等の人間は、建物の避難階段を経由して現場に向かうことが多い。
【0098】
このため、本実施形態では、電気式手動閉鎖装置は、建物の内部における避難階段の出入口である非常口の近傍の不動部材である壁に2個配置されている。
【0099】
このため、本実施形態によると、建物の内部へ避難階段の出入口である非常口から入ってきた管理者や消防隊員等の人間が、電気式手動閉鎖装置を見つけやすくなっている。
【0100】
また、前述したように、本実施形態では、
図3で示されているように、ケース部材78の内部に配置されている非常閉鎖ボタン71は、ケース部材78の表面部78Aにおける非常閉鎖ボタン71と対向する部分に形成された円形の貫通孔(言い換えると、開口部)78Bを平常時覆っている樹脂製のカバー部材82を押し込むことによって作動するものであり、中央部に「非常」マーク83が刻印されているカバー部材82の表面部78Aには、蛍光塗料又は蓄光塗料が塗布されている。
【0101】
このため、本実施形態によると、火災が夜間に発生した場合、管理者や消防隊員等の人間が、電気式手動閉鎖装置の配置場所を見つけやすくなる。また、火災が昼間に発生し、この火災による煙が建物の内部の充満している場合にも、管理者や消防隊員等の人間が、電気式手動閉鎖装置の配置場所を見つけやすくなる。
【0102】
なお、以上説明した本実施形態では、電気式手動閉鎖装置21~28の送信部72から送信される閉鎖指示信号を受信するための受信部66は、
図2で示されているように、火災発生を感知するための熱(煙)感知器41からの防災信号を中継するための危害防止用連動中継器危害防止用連動中継器33~38に備えられる(言い換えると、内蔵される)ものであったが、この受信部66は、危害防止用連動中継器33~38とは独立して配置される(言い換えると、外付けされる)ようにしてもよい。この場合には、受信部66は、商用電源及び/又はこの受信部66専用のバッテリーで作動するものである。
【0103】
図9は、別実施形態に係る電気式手動閉鎖装置100の正面図であり、
図10は、この別実施形態に係る電気式手動閉鎖装置100の背面図である。
【0104】
前述の実施形態に係る電気式手動閉鎖装置21~28は、不動部材である壁に固定して配置される(言い換えると、壁に対して取り外し不能に配置される)ものであるとともに、特定の防火区画(言い換えると、1個の防火区画)を形成するための機能しか有していなかった。
【0105】
これに対して、本実施形態に係る電気式手動閉鎖装置100は、壁に対して取り付け、取り外し自在となっているとともに、4個の防火区画A,B,C,D(
図1参照)から、形成する防火区画を任意に選択できるようになっている。以下、この電気式手動閉鎖装置100について説明する。
【0106】
電気式手動閉鎖装置100は、閉鎖指示信号を危害防止用連動中継器へ送信するための送信部と、記憶部と、この記憶部に記憶されている制御ソフトウェアを実行する制御部と、形成する防火区画を選択するための入力部となっている
図9に示す押しボタン式の区画選択ボタン101と、これらを動作させるための電源である電池と、を含んで構成されており、図示されない送信部、記憶部、制御部及び電池等は、この電気式手動閉鎖装置100のケース内部に収納されている。
【0107】
電気式手動閉鎖装置100の外部を形成するケースは、それぞれ合成樹脂製である
図9に示す前側ケース片100Aと、
図10に示す後側ケース片100Bと、をビス止めにより、ゴム材等の弾性材によって防滴性(防水性)、防塵性を備えさせて前後に合体させることにより形成されている。
【0108】
図9に示されているように、前側ケース片100Aには、「A区画」の文字列が表記されていて、防火区画Aを形成するための非常閉鎖ボタンであるA区画選択ボタン101Aと、同様に、「B区画」の文字列が表記されていて、防火区画Bを形成するための非常閉鎖ボタンであるB画選択ボタン101Bと、「C区画」の文字列が表記されていて、防火区画Cを形成するための非常閉鎖ボタンであるC画選択ボタン101Cと、「D区画」の文字列が表記されていて、防火区画Dを形成するための非常閉鎖ボタンであるD画選択ボタン101Dと、6個の未使用ボタン(言い換えると、予備ボタン)101E~101Jと、が突出状態で配置されている。
【0109】
なお、前側ケース片100Aと後側ケース片100Bを合体させるためのビス107が示されている
図10のとおり、後側ケース片100Bには、これらのケース片100100A,100Bで形成される電気式手動閉鎖装置100のケースの内部に電池を収納するためや、電池交換を行うために開閉される回転式蓋部材102が設けられている。
【0110】
ここで、
図1で示されている電気式手動閉鎖装置21,22,23,24,25,26,27,28の送信部72から送信される閉鎖指示信号のIDは、それぞれ001,002,003,004,005,006,007,008となっている。
【0111】
そして、
図1で示されている危害防止用連動中継器31の制御回路65は、ID=001,002,007,008の閉鎖指示信号を受信した場合にのみ、シャッターカーテン91を閉じ移動させる制御処理(作動信号を自動閉鎖装置45へ出力する処理。以下同じ)を実行し、危害防止用連動中継器32の制御回路65も、ID=001,002,007,008の閉鎖指示信号を受信した場合にのみ、シャッターカーテン92を閉じ移動させる制御処理を実行する。
【0112】
また、危害防止用連動中継器33の制御回路65は、ID=001,002,003,004の閉鎖指示信号を受信した場合にのみ、シャッターカーテン93を閉じ移動させる制御処理を実行し、危害防止用連動中継器34の制御回路65も、ID=001,002,003,004の閉鎖指示信号を受信した場合にのみ、シャッターカーテン94を閉じ移動させる制御処理を実行する。
【0113】
さらに、危害防止用連動中継器35の制御回路65は、ID=003,004,005,006の閉鎖指示信号を受信した場合にのみ、シャッターカーテン95を閉じ移動させる制御処理を実行し、危害防止用連動中継器36の制御回路65も、ID=003,004,005,006の閉鎖指示信号を受信した場合にのみ、シャッターカーテン96を閉じ移動させる制御処理を実行する。
【0114】
また、危害防止用連動中継器37の制御回路65は、ID=005,006,007,008の閉鎖指示信号を受信した場合にのみ、シャッターカーテン97を閉じ移動させる制御処理を実行し、危害防止用連動中継器38の制御回路65も、ID=005,006,007,008の閉鎖指示信号を受信した場合にのみ、シャッターカーテン98を閉じ移動させる制御処理を実行する。
【0115】
本実施形態では、A区画選択ボタン101Aが操作されると、送信部からはID=001の閉鎖指示信号が送信され、これにより、ID=001の閉鎖指示信号を処理対象とする4個の危害防止用連動中継器31,32,33,34の制御回路65により、シャッターカーテン91,92,93,94を閉じ移動させる制御処理が実行される。これと同様に、B区画選択ボタン101Bが操作されると、送信部からはID=003の閉鎖指示信号が送信され、これにより、ID=003の閉鎖指示信号を処理対象とする4個の危害防止用連動中継器33,34,35,36の制御回路65により、シャッターカーテン93,94,95,96を閉じ移動させる制御処理が実行され、C区画選択ボタン101Cが操作されると、送信部からはID=005の閉鎖指示信号が送信され、これにより、ID=005の閉鎖指示信号を処理対象とする4個の危害防止用連動中継器35,36,37,38の制御回路65により、シャッターカーテン95,96,97,98を閉じ移動させる制御処理が実行され、D区画選択ボタン101Dが操作されると、送信部からはID=007の閉鎖指示信号が送信され、これにより、ID=007の閉鎖指示信号を処理対象とする4個の危害防止用連動中継器31,32,37,38の制御回路65により、シャッターカーテン91,92,97,98を閉じ移動させる制御処理が実行される。
【0116】
なお、A区画選択ボタン101Aが操作されると、送信部からはID=002の閉鎖指示信号が送信されるようにしてもよい。これと同様に、B区画選択ボタン101Bが操作されると、送信部からはID=004の閉鎖指示信号が送信されるようにしてもよく、C区画選択ボタン101Cが操作されると、送信部からはID=006の閉鎖指示信号が送信されるようにしてもよく、D区画選択ボタン101Dが操作されると、送信部からはID=008の閉鎖指示信号が送信されるようにしてもよい。
【0117】
このように、電気式手動閉鎖装置100の4個のボタン101A~101Dは、4個の防災区画A,B,C,Dのうち、形成対象とする防災区画を1個選択するための防災区画選択手段を形成している。
【0118】
本実施形態では、電気式手動閉鎖装置100は、非常時や点検時に使用される場合を除いて、
図11及び
図12で示されているように、ビス等の止着具により壁125に取り付けられたケース部材(言い換えると、保持体)110の内部に収納、保持されている。このケース部材110は、ベース部材110Aの上端に蓋部材110Bをヒンジ110Cにより回動可能、言い換えると、ベース部材110Aの上端に蓋部材110Bをヒンジ110Cを中心に開閉可能に取り付けたものである。
【0119】
また、
図12で示されているように、ベース部材110Aには、
図10で示されている電気式手動閉鎖装置100の裏面部に設けられている被係止部104とともに、電気式手動閉鎖装置100をベース部材110Aに対して係脱可能とするための係脱手段103を構成している係止部111が設けられている。このため、電気式手動閉鎖装置100は、ケース部材110のベース部材110Aに係脱手段103により係脱可能に保持され、これにより、電気式手動閉鎖装置100は、ベース部材110Aから取り外し可能となっている。なお、係脱手段103の具体的な構造は後述する。
【0120】
図11は、ケース部材110を、電気式手動閉鎖装置100が配設されるべき相手部材となっている壁125に取り付けたときを示している。なお、この壁125は、
図1で示されている壁1でもよく、壁2でもよく、壁3でもよく、壁4でもよい。
【0121】
図11の二点鎖線110Bは、ケース部材110のベース部材110Aに同じく二点鎖線で示されている電気式手動閉鎖装置100を係脱手段103で保持させているときに、蓋部材110Bをヒンジ110Cを中心に回動させて閉じさせている状態を示している。ケース部材110がこのような状態になったときには、電気式手動閉鎖装置100の全体は、ベース部材110Aと蓋部材110Bとで覆われてケース部材110の内部に収納された状態になるため、平常時において、電気式手動閉鎖装置100が防火シャッター装置の管理者以外の人間にいたずらされることを防止することができるとともに、この電気式手動閉鎖装置100を塵埃等から有効に保護することができる。
【0122】
また、本実施形態に係るケース部材110の蓋部材110Bの外面部側には、
図11に示されているように、図示しないキーにより回動操作される回動部材121が設けられ、
図12に示されているように、蓋部材110Bの内面部側には、軸122により回動部材121と連結されていて、この回動部材121と一体に回動する係止片123が設けられている。また、蓋部材110Bが閉じられたときにこの係止片123の箇所と対応するベース部材110Aの内部箇所には、上面が塞ぎ部116Aで塞がれていて、ベース部材110Aの中央側の面が開口している係止凹部116が設けられている。
【0123】
このため、ベース部材110Aに電気的操作装置100が係脱手段103で保持されているときに、蓋部材110Bをヒンジ110Cを中心に回動させて閉じさせ、上記キーにより回動部材121と係止片123とを軸122を中心に回動させることにより、係止片123の先端部は、係止凹部116の内部に挿入係止し、これにより、蓋部材110Bは開放不能となる。
【0124】
このため、本実施形態のケース部材110は、回動部材121や係止片123、係止凹部116により構成されていて、閉じられたときの蓋部材110Bをベース部材110Aに対して施錠することができる施錠装置120を備えていることになり、この施錠装置120により、上記キーを持つ者だけが、蓋部材110Bを開放させることができて、ケース部材110に保持されている電気式手動閉鎖装置100を操作できるようになっている。
【0125】
また、ケース部材110のヒンジ110Cには、蓋部材110Bを開放したときに、この開放状態を維持させることができる図示しないクリック機構等が設けられており、これにより、
図11の実線で示すように、電気式手動閉鎖装置100を操作するために、蓋部材110Bをヒンジ110Cを中心に上側へ開放させたときに、上記クリック機構等による蓋部材開放維持手段により、蓋部材110Bの開放状態を維持することができる。なお、この蓋部材開放維持手段は、ヒンジ110Cに生ずる摩擦力でもよい。
【0126】
前述したように、電気式手動閉鎖装置100は、ケース部材110に対して係脱手段103により係脱可能であるため、ケース部材110に対して取り付け、取り外し可能となっており、
図13には、この係脱手段103が示されている。係脱手段103は、
図12で示されているケース部材110のベース部材110Aの表面部に設けられた係止部111と、
図10で示されている電気式手動閉鎖装置100の後側ケース片100Bの裏面部に設けられ、係止部111が挿入係止される被係止部104とからなり、これらの係止部111と被係止部104は、左右上下に4個111A~111D,104A~104D設けられており、係止部111A~111Dは、ケース部材110のベース部材110Aの表面部から突出した突起状のものであり、被係止部104A~104Dは、後側ケース片100Bの裏面部に設けられた孔部又は窪み部(穴部)である。
【0127】
図13の(A)は、ケース部材110のベース部材110Aに形成されている係止111の斜視図である。係止部111は、ケース部材110のベース部材110Aを貫通して形成された四角形の開口部112に沿って上下方向の短寸法の長さを有する縦壁部113と、水平方向の短寸法の長さを有する横壁部114と、これらの縦壁部113及び横壁部114の先端同士を覆う四角形状の覆い部115からなる。
図12で示されている4個の係止部111A~111Dのうち、全部の係止部111A~111Dについて、横壁部114は開口部112の下辺に沿って設けられ、縦壁部113は、左右方向に2個ずつとなっている係止部111A,111Bと係止部111C,111Dについて、開口部112の互いに内側となっている縦辺に沿って設けられている。
【0128】
図13の(B)は、電気式手動閉鎖装置100の後側ケース片100Bに形成されている被係止部104の斜視図である。被係止部104は、係止部111の覆い部115を挿入できる大きさとなっている四角形の主部105と、この主部105の左右方向の端部から上方へ延びる副部106とからなる。この副部106は、
図10で示されている4個の被係止部104A~104Dのうち、左右方向に2個ずつとなっている被係止部104A,104Bと被係止部104C,104Dについて、主部105の上辺の互いに内側となっている端部から上方へ延びている。
【0129】
電気式手動閉鎖装置100をケース部材110に保持させるときには、電気式手動閉鎖装置100の後側ケース片100Bの裏面部とケース部材110のベース部材110Aの表面部とを対面させ、それぞれの係止部111の覆い部115をそれぞれの被係止部104の主部105の内部に挿入し、次いで、電気式手動閉鎖装置100をケース部材110に対して下げることにより、係止部111の縦壁部113を被係止部104の副部106に挿入する。これにより、それぞれの係止部111は、覆い部115によりそれぞれの被係止部104に係止し、電気式手動閉鎖装置100は、係止部111と被係止部104による係脱手段103によりケース部材110に保持される。
【0130】
また、電気式手動閉鎖装置100をケース部材110に対して上方へ上げると、係止部111の縦壁部113は被係止部104の副部106から脱出して主部105に達するため、係止部111と被係止部104との係止が解除され、これにより、係脱手段103でケース部材110に保持されていた電気式手動閉鎖装置100をケース部材110から取り外すことができる。
【0131】
図14は、蓋部材110Bが閉じられたときのケース部材110の正面図である。この
図14で示されているように、ケース部材110の蓋部材110Bの表面部(言い換えると、外面部)110Dの中央部又は略中央部には、「非常」マーク126が刻印されており、この「非常」マーク126には、蛍光塗料又は蓄光塗料が塗布されている。
【0132】
このため、本実施形態によると、火災が夜間に発生した場合、管理者や消防隊員等の人間が、電気式手動閉鎖装置100の配置場所を見つけやすくなる。また、火災が昼間に発生し、この火災による煙が建物の内部の充満している場合にも、管理者や消防隊員等の人間が、電気式手動閉鎖装置100の配置場所を見つけやすくなる。
【0133】
本実施形態では、110の蓋部材110Bの全部に蛍光塗料又は蓄光塗料が塗布するようにしてもよい。
【0134】
なお、
図14で示されているように、ケース部材110の蓋部材110Bの表面部110Dには、蓋部材110Bを施錠、解錠するための前述した図示しないキーが差し込まれる鍵穴124が設けられている。
【0135】
なお、本実施形態では、6個の未使用ボタン101E~101Jを使用することにより、1個の電気式手動閉鎖装置100で最大10個の防火区画を形成することができるようになっている。
【0136】
以上説明したように、本実施形態では、不動部材である壁125(
図11参照)に取り付けられているカバー部材110も不動部材となっており、このため、電気式手動閉鎖装置100は、不動部材に対して取り付け、取り外し自在となっている。
【0137】
このため、本実施形態によると、火災発生時、防災区画を形成する必要がある空間で火災が進んでいる場合、電気式手動閉鎖装置100を不動部材から取り外した後、この電気式手動閉鎖装置100を炎や煙から離れた位置で操作することができるようになる。
【0138】
また、本実施形態では、1個の電気式手動閉鎖装置で、形成する防火区画を4個の防火区画A,B,C,Dを選択することができる。また、1個の電気式手動閉鎖装置で、一度に複数の防火区画を形成することが可能となっている。
【0139】
このため、本実施形態によると、前述した
図1~
図8の実施形態と比較して、配置する電気式手動閉鎖装置の個数をより少なくすることができる。
【0140】
なお、本実施形態において、電気式手動閉鎖装置100は、任意な場所(壁に限定されるものではない)に配置してよいが、電気式手動閉鎖装置100は、
図1に示す非常口51A,52A,53A,54Aの近傍の不動部材に配置することが好ましい。
【0141】
また、電気式手動閉鎖装置100は、非常口51A,52A,53A,54Aを開閉する扉体における避難階段51,52,53,54の側の面部(言い換えると、建物の内部から見た場合、閉鎖状態の扉の裏面部)に配置するようにしてもよい。これによると、避難階段を経由して火災の発生場所に向かう管理者や消防隊員等の人間が、電気式手動閉鎖装置100の配置場所を即座に把握することができるようになる。
【0142】
本実施形態において、
図1で示されている建物の内部に配置する電気式手動閉鎖装置100の個数は、任意であるが、例えば、電気式手動閉鎖装置100は、
図1に示されている非常口51Aの近傍の壁2の部分と、非常口52Aの近傍の壁2の部分と、非常口53Aの近傍の壁4の部分と、非常口54Aの近傍の壁4の部分と、にそれぞれ1個配置するようにしてもよい。
【0143】
図15は、電気式手動閉鎖装置のさらなる別実施形態を示す
図9と同様の図であり、以上説明した電気式手動閉鎖装置100と同様に、不動部材に対して取り付け、取り外し自在となっている電気式手動閉鎖装置である。
【0144】
本実施形態に係る電気式手動閉鎖装置130のケースは、電気式手動閉鎖装置100のケースと同じ又は略同じ外形寸法を有しており、また、この電気式手動閉鎖装置130は、電気式手動閉鎖装置100と同様に、ケース部材110のベース部材110Aに対して係脱可能となっている。
【0145】
電気式手動閉鎖装置130は、閉鎖指示信号を危害防止用連動中継器へ送信するための送信部と、記憶部と、この記憶部に記憶されている制御ソフトウェアを実行する制御部と、記憶部にあらかじめ記憶されている形成可能な防火区画の一覧が表示される区画リスト表示領域131Aと各種のガイドメッセージが表示されるメッセージ表示領域131Bとを有する表示部である液晶ディスプレイ131と、上記区画リスト表示領域131Aに表示された防火区画の一覧から形成する防火区画を選択するための各種ボタン133~135と電源ボタン136とを有する操作部132と、を含んで構成されている。なお、前述した電気式手動閉鎖装置100と同様に、図示されない送信部、記憶部、制御部及び電池等は、この電気式手動閉鎖装置130のケース内部に収納されている。
【0146】
操作部132の電源ボタン136を長押しすることにより、記憶部の制御ソフトウェアが起動し、液晶ディスプレイ131の区画リスト表示領域131Aには、
図15に示されているように、記憶部にあらかじめ記憶されている形成可能な防火区画の一覧が、区画リスト表示領域131Aに表示され、記憶部にあらかじめ記憶されている各種のガイドメッセージが表示領域131Bされる。
【0147】
初期状態では、カーソル(
図15では、便宜上、四角の枠で示されている部分。実際は、文字列が反転されて表示されている部分)は、形成可能な防火区画の一覧のうち、上から1番目(言い換えると、1番上)防火区画にあり、この後、上移動ボタン133や下移動ボタン134を操作して形成する防火区画までカーソルを移動させ、決定ボタン135を操作することにより、選択した防火区画を形成するためのシャッターカーテンを閉じ移動させるための閉鎖指示信号が、送信部から危害防止用連動中継器の受信部へ送信される。
【0148】
本実施形態では、電気式手動閉鎖装置130の液晶ディスプレイ131の区画リスト表示領域131Aと、上移動ボタン133と、下移動ボタン134と、決定ボタン135は、複数個の防災区画のうち、形成対象とする防災区画を選択するための防災区画選択手段を構成するものとなっている。
【0149】
図9の実施形態に係る電気式手動閉鎖装置100では、最大10個の防火区画から選択できるようになっていたが、本実施形態に係る電気式手動閉鎖装置130では、
図15から分かるように、選択できる防火区画の個数は、ソフトウェアの設定により任意なものとすることができる。
【0150】
また、本実施形態では、
図15から分かるように、液晶ディスプレイ131の区画リスト表示領域131Aに表示される形成可能な防火区画の一覧には、「全区画」が含まれており、この「全区画」にカーソルを移動した後、決定ボタン135を操作することにより、全部の防火区画を形成するために、送信部からは、A区画を形成するための閉鎖指示信号(ID=001又は002)、B区画を形成するための閉鎖指示信号(ID=003又は004)、C区画を形成するための閉鎖指示信号(ID=005又は006)、D区画を形成するための閉鎖指示信号(ID=007又は008)等が、これらの順番で送信されるようになっている。このように、本実施形態では、4個の防火区画A,B,C,Dの全部を1個の電気式手動閉鎖装置130の1回の操作により形成可能となっている。
【0151】
図16は、電気式手動閉鎖装置のまたさらなる別実施形態を示す図であり、操作スイッチであるボタンを押下することにより、閉鎖指示信号を送信するための電圧を発生する圧電素子を有する実施形態に係る電気式手動閉鎖装置140のブロック図である。言い換えると、前述した
図3の実施形態に係る電気式手動閉鎖装置22の変形例を示す図である。
【0152】
本実施形態では、電気式手動閉鎖装置140は、非常時に複数個のシャッターカーテンを閉鎖させるための押しボタン式の操作スイッチである非常閉鎖ボタン141と、可撓性を有していて、非常閉鎖ボタン141を操作することにより厚さ方向に変形することで電圧を発生する圧電素子142と、この圧電素子142で発生した電圧により閉鎖指示信号を出力する信号出力部143と、この信号出力部143から出力された閉鎖指示信号を防火シャッター装置の危害防止用連動中継器の受信部へ送信する送信部144と、を備えている。
【0153】
このため、本実施形態によると、電気式手動閉鎖装置140を作動させるための電源が不要となる。
【0154】
なお、以上説明した実施形態に係る防火設備制御システムは、防災区画が複数個の耐火性を有するシャッターカーテンにより形成される防火区画に適用されるものであったが、以上説明した実施形態に係る防火設備制御システムは、防災区画が複数個の防煙垂れ壁により形成される防煙区画にも適用できるものである。
【0155】
また、以上説明した実施形態に係る防火設備制御システムは、防災区画が同一フロアに形成される面積区画に適用されるものであったが、以上説明した実施形態に係る防火設備制御システムは、防災区画が複数フロアに渡って形成される竪穴区画にも適用できるものである。
【0156】
また、以上説明した実施形態に係る防火設備制御システムは、防火シャッター装置に適用されるものであたが、以上説明した実施形態に係る防火設備制御システムは、防火扉装置にも適用でき、また、防火シャッター装置と防火扉装置が並設されているいわゆる袖扉連動防火シャッター装置等にも適用できるものである。
【0157】
なお、以上説明した実施形態に係る防火設備制御システムにおいて、電気式手動閉鎖装置から閉鎖指示信号が送信された後、危害防止用連動中継器の制御回路によるシャッターカーテンを閉じ移動させる制御処理の実行中に異常が生じた場合、危害防止用連動中継器の制御回路により、この異常が発生したことを外部に報知する制御処理が実行されるようにしてもよい。
【0158】
また、以上説明した実施形態に係る防火設備制御システムは、建物の内部に従来の防火設備制御システム(防火シャッター装置毎に1個の有線式の電気式手動閉鎖装置又は機械式手動閉鎖装置が備えられているもの)が既に備えられている場合には、この従来のシステムを残したまま、改修することにより適用(言い換えると、導入)するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0159】
本発明は、例えば、ビル、倉庫、工場、地下街等の内部に防災区画を形成するために利用することができる。
【符号の説明】
【0160】
1,2,3,4,125 不動部材ある壁
11,12,13,14,15,16,17,18 防災用開閉装置である防火シャッター装置
21,22,23,24,25,26,27,28,140 電気式手動閉鎖装置
51A,52A,53A,54A 非常口
71,141 電気式手動閉鎖装置の操作スイッチである非常閉鎖ボタン
72,144 電気式手動閉鎖装置の送信部
72A,72B,72C,72Dの閉鎖指示信号
78,110 ケース部材
78A,110D ケース部材の表面部
91,92,93,94,95,96,97,98 開閉体であるシャッターカーテン
101A,101B,101C,101D 防災区画選択手段
142 電気式手動閉鎖装置の圧電素子
143 電気式手動閉鎖装置の信号出力部
A,B,C,D 防災区画である防火区画