(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-03
(45)【発行日】2023-10-12
(54)【発明の名称】樹脂成形装置及び樹脂成形品の製造方法
(51)【国際特許分類】
B29C 45/02 20060101AFI20231004BHJP
B29C 45/76 20060101ALI20231004BHJP
B29C 45/26 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
B29C45/02
B29C45/76
B29C45/26
(21)【出願番号】P 2020184618
(22)【出願日】2020-11-04
【審査請求日】2022-12-05
(73)【特許権者】
【識別番号】390002473
【氏名又は名称】TOWA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】築山 誠
(72)【発明者】
【氏名】森上 篤
【審査官】北澤 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-174089(JP,A)
【文献】特開2020-121463(JP,A)
【文献】国際公開第2015/159743(WO,A1)
【文献】特開2019-181872(JP,A)
【文献】特開2012-192532(JP,A)
【文献】特開2016-196146(JP,A)
【文献】特開2021-045890(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111863636(CN,A)
【文献】特開2018-133396(JP,A)
【文献】特開2006-339649(JP,A)
【文献】特開2020-090010(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/00-45/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上にチップが配置された成形対象物を保持し、ゲートから樹脂材料が供給されるキャビティを有する成形型と、
前記成形型を型締めする型締め機構と、
前記成形型及び前記型締め機構の作動を制御する制御部と、を備え、
前記成形型は、前記チップが配置されていない前記キャビティの内部流路の少なくとも一部を絞る可動ブロックと、当該可動ブロックを流体により駆動させる駆動機構と、を含んでおり、
前記制御部は、前記成形対象物を樹脂成形するとき、前記駆動機構の駆動力を変化させる制御を実行
し、前記型締め機構のクランプ力が所定値に達したとき、前記駆動機構の駆動力を上昇させる樹脂成形装置。
【請求項2】
前記制御部は、キュア開始後に、前記駆動機構の駆動力を低下させる請求項
1に記載の樹脂成形装置。
【請求項3】
前記制御部は、キュア終了前に、前記駆動機構の駆動力を上昇させる請求項1
又は2に記載の樹脂成形装置。
【請求項4】
請求項1~3の何れか一項に記載の樹脂成形装置を用いた樹脂成形品の製造方法であって、
前記ゲートから供給された
前記樹脂材料を
前記キャビティに充填させることにより、
前記基板上に
前記チップが配置された
前記成形対象物の樹脂成形を行う成形工程を含み、
前記成形工程では、
前記流体により駆動させる
前記駆動機構により
前記可動ブロックを移動させて前記チップが配置されていない前記キャビティの内部流路の少なくとも一部を絞り、前記駆動機構による駆動力を変化させ
、前記型締め機構のクランプ力が所定値に達したときに前記駆動機構の駆動力を上昇させて前記成形対象物の樹脂成形を行う樹脂成形品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂成形装置及び樹脂成形品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
チップが実装された基板等は、一般的に樹脂封止することにより電子部品として用いられる。従来、基板等を樹脂封止するための樹脂成形装置として、BGA(ball grid array)等の基板を樹脂封止して半導体パッケージを製造するトランスファ成形用の樹脂成形装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の樹脂成形装置を用いた樹脂成形品の製造方法は、基板が存在しないキャビティの内部流路の略全域に設けられた上型キャビティ駒の端面が基板のチップ接続面と面一となるように、上型キャビティ駒を圧縮コイルばねの付勢力により移動させてからキャビティに溶融樹脂を供給するものである。このとき、上型キャビティ駒の端面に作用する溶融樹脂からの力が上型キャビティ駒を付勢する圧縮コイルばねの付勢力を上回ることにより、上型キャビティ駒が次第に上昇する。次いで、上型キャビティ駒を固定した状態で下型を上昇させ、キャビティ容積を縮小させてキャビティへの溶融樹脂の充填を完了するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の樹脂成形装置は、付勢力が予め設定された圧縮コイルばねにより上型キャビティ駒を所定位置まで移動させることから、製品の種類に応じて付勢力の異なるコイルばねを用意することを必要とする場合があり、効率的ではない。また、圧縮コイルばねの付勢力が大きい場合、型開き時に成形樹脂に負荷がかかり、樹脂成形品に欠けが生じるおそれがある。
【0006】
そこで、簡便な構成で成形精度を向上させる樹脂成形装置及び樹脂成形品の製造方法が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る樹脂成形装置の特徴構成は、基板上にチップが配置された成形対象物を保持し、樹脂材料が供給されるキャビティを有する成形型と、前記成形型を型締めする型締め機構と、前記成形型及び前記型締め機構の作動を制御する制御部と、を備え、前記成形型は、前記チップが配置されていない前記キャビティの内部流路の少なくとも一部を絞る可動ブロックと、当該可動ブロックを流体により駆動させる駆動機構と、を含んでおり、前記制御部は、前記成形対象物を樹脂成形するとき、前記駆動機構の駆動力を変化させる制御を実行し、前記型締め機構のクランプ力が所定値に達したとき、前記駆動機構の駆動力を上昇させる点にある。
【0008】
本発明に係る樹脂成形品の製造方法の特徴は、上記に記載の樹脂成形装置を用いた樹脂成形品の製造方法であって、前記ゲートから供給された前記樹脂材料を前記キャビティに充填させることにより、前記基板上に前記チップが配置された前記成形対象物の樹脂成形を行う成形工程を含み、前記成形工程では、前記流体により駆動させる前記駆動機構により前記可動ブロックを移動させて前記チップが配置されていない前記キャビティの内部流路の少なくとも一部を絞り、前記駆動機構による駆動力を変化させ、前記型締め機構のクランプ力が所定値に達したときに前記駆動機構の駆動力を上昇させて前記成形対象物の樹脂成形を行う点にある。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、簡便な構成で成形精度を向上させる樹脂成形装置及び樹脂成形品の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図6】樹脂成形時の可動ブロックの作動を説明する図である。
【
図7】別実施形態1に係る成形型の概略平面図である。
【
図8】別実施形態2に係る成形型の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明に係る樹脂成形装置及び樹脂成形品の製造方法の実施形態について、図面に基づいて説明する。ただし、以下の実施形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0012】
[装置構成]
半導体チップ(以下、単に「チップ」と称する場合がある)が実装された基板等の成形対象物は樹脂封止することにより電子部品として用いられる。この電子部品は、例えば、携帯通信端末用の高周波モジュール基板、電力制御用モジュール基板、機器制御用基板等として用いられる。成形対象物を樹脂封止する技術の一つとして、BGA(ball grid array)基板等を樹脂封止して半導体パッケージを製造するトランスファ方式がある。このトランスファ方式は、チップが実装された基板等を成形型のキャビティに収容し、成形型のポットに粉粒体状樹脂を固めた樹脂タブレットを供給して加熱,溶融した後、該成形型を型締めした状態で樹脂タブレットが溶融した溶融樹脂をキャビティに供給して硬化させ、型開きして樹脂成形品を製造する方式である。
【0013】
従来のトランスファ方式は、樹脂成形品にボイド(気泡)が発生すると成形不良の原因となることから、成形型にエアベントを設けて、ボイドを防止するために基板やチップの形状等に応じてエアベント等の位置を最適なものに設計する必要がある。また、最適なエアベントを設けたとしても、チップや抵抗、コンデンサなどが存在しない基板の領域の方が、チップ等が存在する領域に比べて溶融樹脂の流動速度が相対的に大きくなり、この速度差に起因して、側方領域からチップ存在領域に溶融樹脂が回り込んで空気(溶融樹脂から発生するガスを含む)を取り囲むため、ボイドが発生し易い。特に、基板に突起状電極を介してチップを有するフリップチップ基板をモールドアンダーフィルする場合、基板とチップとの間の幅狭領域において溶融樹脂の流動速度が小さくなるため、チップが存在しない領域から幅狭領域に溶融樹脂が回り込んでボイドが発生し易い。その結果、樹脂成形品の成形不良が発生するといった問題があった。
【0014】
そこで、本実施形態では、簡便な構成で成形精度を向上させる樹脂成形装置D及び樹脂成形品の製造方法を提供する。以下において、平面視矩形状のフリップチップ基板を成形対象物の一例として説明し、重力方向を下、重力方向とは反対方向を上として説明することがある。
【0015】
図1には、樹脂成形装置Dの模式図が示されている。本実施形態における樹脂成形装置Dは、成形モジュール3と供給モジュール4と制御部6と搬送機構とを備えている。成形モジュール3は、成形対象物を粉粒体状樹脂又は液状樹脂で樹脂封止するための成形型Cを含んでいる。制御部6は、樹脂成形装置Dの作動を制御するソフトウェアとして、HDDやメモリ等のハードウェアに記憶されたプログラムで構成されており、コンピュータのCPUにより実行される。
【0016】
なお、粉粒体状樹脂は、粉粒体状の樹脂だけでなく、粉粒体状の樹脂を押し固めた固形樹脂で形成される樹脂タブレットを含んでおり、いずれも加熱により溶融して液状となる溶融樹脂となる。この粉粒体状樹脂は、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でも良い。熱硬化性樹脂は、加熱すると粘度が低下し、さらに加熱すると重合して硬化し、硬化樹脂となる。本実施形態における粉粒体状樹脂は、取扱いの容易性から固形樹脂で形成される樹脂タブレットが好ましく、さらに、チップと基板との間に溶融樹脂を確実に充填するために、微粒子化したフィラーを含む高流動性の熱硬化性樹脂であることが好ましい。
【0017】
成形モジュール3は、樹脂封止前基板Sa(成形対象物の一例)を樹脂封止して樹脂封止済基板Sb(樹脂成形品の一例)を成形する。この成形モジュール3は、複数(本実施形態では3つ)設けられており、夫々の成形モジュール3を独立して装着又は取り外しできる。成形モジュール3の詳細は後述する。
【0018】
供給モジュール4は、基板供給機構43と基板整列機構44と樹脂供給機構45と基板収容部46とを含み、搬送機構に含まれるローダ41とアンローダ42の待機位置になる。基板供給機構43は、ストックしている樹脂封止前基板Saを基板整列機構44に受け渡す。樹脂封止前基板Saには、1つの半導体チップが、又は複数個の半導体チップが縦方向及び/又は横方向に整列して、実装されている。基板整列機構44は、基板供給機構43から受け渡された樹脂封止前基板Saを搬送に適した状態にする。樹脂供給機構45は、樹脂タブレットTをストックしており、樹脂タブレットTを搬送に適した状態に配置する。
【0019】
搬送機構は、樹脂封止前の半導体チップが実装された樹脂封止前基板Saや樹脂タブレットTを搬送するローダ41と、樹脂封止後の樹脂封止済基板Sbを搬送するアンローダ42とを含んでいる。ローダ41は、基板整列機構44から複数(本実施形態では4個)の樹脂封止前基板Saを受け取り、また、樹脂供給機構45から複数(本実施形態では6個)の樹脂タブレットTを受け取って、レール上を供給モジュール4から各成形モジュール3まで移動し、各成形モジュール3に樹脂封止前基板Saと樹脂タブレットTを受け渡すことができる。アンローダ42は、樹脂封止済基板Sbを成形モジュール3から取り出して、レール上を各成形モジュール3から基板収容部46まで移動し、基板収容部46に樹脂封止済基板Sbを収容することができる。樹脂封止済基板Sbでは、半導体チップが、溶融樹脂が固化した硬化樹脂により封止されている。
【0020】
以下、成形モジュール3について詳述する。
【0021】
図2に示すように、成形モジュール3は、平面視矩形状の下部固定盤31の四隅にタイバー32が立設されており、タイバー32の上端付近には平面視矩形状の上部固定盤33が設けられている。下部固定盤31と上部固定盤33の間には平面視矩形状の可動プラテン34が設けられている。可動プラテン34は、四隅にタイバー32が貫通する孔が設けられており、タイバー32に沿って上下に移動可能である。下部固定盤31の上には、可動プラテン34を上下に移動させる装置である型締め機構35が設けられている。この型締め機構35は、駆動源としてサーボモータ等で構成される電動モータMaと、成形型Cの型締め力(以下、「クランプ力」と称する)を計測するためのひずみゲージやロードセル等で構成される荷重センサWaとを含んでいる。型締め機構35は、可動プラテン34を上方に移動させることにより成形型Cの型締めを行い、可動プラテン34を下方に移動させることにより成形型Cの型開きを行うことができる。
【0022】
成形型Cは、下型LMと上型UMとを有する。下型LM及び上型UMは、互いに対向して配置される金型等で構成されている。
【0023】
下型LMには、樹脂封止前基板Saを、半導体チップ等が実装されている面を上にして載置する基板セット部が形成されている。また、下型LMには、樹脂封止前基板Sa及び樹脂タブレットTを加熱する下側ヒータ36が内蔵されている。さらに、下型LMには、樹脂タブレットT(加熱により溶融する樹脂)が充填される円筒状のポット21が焼き嵌め等により固定されている。ポット21の円柱状の空間の下方には、サーボモータ等の電動モータMbにより駆動されるプランジャ25が上下移動可能に内挿されている。また、下型LMは、プランジャ25が溶融樹脂Ta(樹脂材料の一例)を押し出す力(以下、「トランスファ力」と称する)を計測するためのひずみゲージやロードセル等で構成される荷重センサWbを有している。
【0024】
上型UMには、溶融樹脂Taが供給される平面視矩形状のキャビティMCが形成されており、このキャビティMCを加熱する上側ヒータ37が内蔵されている。上型UMは、キャビティMCが形成されたキャビティブロックと、ポット21からキャビティMCに向けて溶融樹脂Taを流動させるランナ22を有するカルブロックとを含み、キャビティブロックにはキャビティMCから空気を排出するエアベント26が設けられている。キャビティブロックとカルブロックは別部材として上型UMに固定されている。カルブロックには、溶融樹脂Taがランナ22からキャビティMCへ流入する入り口であるゲート23が設けられている。なお、キャビティブロックとカルブロックとを一体部材として構成しても良い。また、エアベント26は、キャビティブロックとは別体のエアベントブロックとして構成しても良い。
【0025】
図3~
図4を用いて成形型Cを詳述する。
図3には、上方から見たキャビティMCの概略平面図が示されている。
図4は、
図3の紙面に垂直な方向(上下方向)でのIV-IV線概略断面図である。なお、本実施形態では、チップ13の表面を露出成形する場合について記載しているが(
図4参照)、チップ13の表面を樹脂封止する場合であっても良い。
【0026】
図3に示すように、ゲート23は、キャビティMCの一辺Sの中央部分に設けられており、このゲート23を介して、上述したポット21からランナ22へと流動する溶融樹脂TaがキャビティMCに供給される。キャビティMCの一辺Sに対向する他辺Eには、エアベント26が設けられており、このエアベント26を介してキャビティMCから空気を排出することができる。
図3~
図4に示すように、本実施形態における樹脂封止前基板Saは、基板11上で二次元アレイ状に配置された複数の突起状電極12にチップ13が電気的に接続された基板(フリップチップ基板)で構成されている。突起状電極12及びチップ13は、平面視において、基板11の中央領域に実装されており、基板11の中央領域がチップ存在領域となっており、基板11の中央領域を囲む周辺領域がチップ不存在領域となっている。チップ13は、半導体上に多数の電子素子や配線を実装したICチップ等で構成されている。
【0027】
このようなフリップチップ基板では、ゲート23から供給された溶融樹脂Taは、キャビティMCの一辺S(流動始端)から他辺E(流動終端)に向けて流動する。このとき、チップ13が配置されていない基板11の側方領域(キャビティMCの一辺Sから他辺Eまでを接続する両側辺に沿った領域)では、チップ13が存在するチップ存在領域(基板11の中央領域)に比べて溶融樹脂Taの流動速度が相対的に大きくなり、この速度差に起因して、側方領域からチップ存在領域に溶融樹脂Taが回り込んで空気(溶融樹脂Taから発生するガスを含む)を取り囲むため、ボイドが発生し易い。特に、基板11に突起状電極12を介してチップ13を有するフリップチップ基板の場合、基板11とチップ13との間の幅狭領域(突起状電極12が存在する領域)において、チップ13が存在しない側方領域より溶融樹脂Taの流動速度が相対的に小さくなるため、側方領域から幅狭領域に溶融樹脂Taが回り込んでボイドが発生し易い。
【0028】
そこで、本実施形態の成形型C(上型UM)は、キャビティMCの一辺S及び他辺Eと交わる両側辺の側にキャビティMCの内部を流動する溶融樹脂Taの側方流路15(キャビティMCの内部流路の少なくとも一部の一例)を絞る可動ブロック16と、可動ブロック16をエア(流体の一例)により駆動させるエアシリンダ等で構成される駆動機構Dsと、可動ブロック16を上方向に付勢する圧縮スプリングSpとを含んでいる。本実施形態における可動ブロック16は、上型UMに上下移動自在に備えられており、キャビティMCの一対の側方流路15におけるチップ13と対向する領域に設けられている。この可動ブロック16は、溶融樹脂Taの供給開始から所定時間、側方流路15を絞る(側方流路15の流路断面積を小さくする)ことにより、側方流路15を流動する溶融樹脂Taの流量を低下させる。本実施形態における可動ブロック16は直方体で、可動ブロック16の幅W2は、側方流路15の幅W1(すなわちチップ13の側辺からキャビティMCの壁面までの最小幅)の約90%である。側方流路15の幅W1の幅に対する可動ブロック16の幅W2の割合は、溶融樹脂Taの粘度やチップ13と基板11の隙間のサイズ、突起状電極12の大きさと数などを考慮して適宜設定すれば良いが、約50%以上であることが好ましい。側面視において、基板11とチップ13との間の幅狭領域(基板11とチップ13との間の間隙領域)がある高さに夫々の可動ブロック16の先端16a(下側の端面)が位置することにより、側方流路15を絞った状態にする。換言すると、可動ブロック16は、側方流路15を絞った状態において、側面視で基板11とチップ13との間の幅狭領域に先端16aが重なっている。
【0029】
この可動ブロック16は、駆動機構Dsの駆動力(以下、「シリンダ駆動力」と称する)によりキャビティMC内に挿入され、駆動機構Dsの駆動力をゼロにすることで圧縮スプリングSpの付勢力により、上型UMのキャビティMCに隣接する内面と可動ブロック16の先端16a(下側の端面)とが面一となるようにキャビティMC内から抜去することが可能となっている。また、可動ブロック16は、圧縮スプリングSpの付勢力とキャビティMCを流動する溶融樹脂Taから可動ブロック16に作用する力との合計が、駆動機構Dsの駆動力よりも上回ったとき、上型UMのキャビティMCに隣接する内面と可動ブロック16の先端16aとが面一となるように移動する。つまり、可動ブロック16は、キャビティMCの側方流路15を絞った状態と、側方流路15を全開にした状態との間で変化することができる。
【0030】
このように、キャビティMCの一辺S及び他辺Eと交わる両側辺の側でキャビティMCの内部に流動する溶融樹脂Taの側方流路15を絞る可動ブロック16により、側方流路15における溶融樹脂Taの流量を低下させる。その結果、溶融樹脂Taの流動抵抗となるチップ13や突起状電極12が樹脂封止前基板Saに実装されている場合であっても、チップ13が存在しないキャビティMCの外方側における溶融樹脂Taの流動速度と、チップ13が存在するキャビティMCの内方側における溶融樹脂Taの流動速度とを近付けることができる。これにより、キャビティMCの内部を流動する溶融樹脂Taの流動終端(他辺E)において、キャビティMCの外方側とキャビティMCの内方側とにおける溶融樹脂Taの先頭部分が近付き、外方側から内方側に溶融樹脂Taが回り込んで空気を取り囲むことが防止される。よって、樹脂封止済基板Sb(樹脂成形品)にボイドが発生し難く、成形精度を向上させることができる。
【0031】
[樹脂成形品の製造方法及び樹脂成形の制御形態]
図1~
図6を用いて樹脂成形品の製造方法について説明する。樹脂成形品(樹脂封止済基板Sb)の製造方法は、樹脂封止前基板Sa及び樹脂タブレットTを成形型Cに供給する供給工程と、成形型Cを型締めする型締工程と、ゲート23から供給された溶融樹脂TaをキャビティMCに充填させることにより、樹脂封止前基板Saの樹脂成形を行う成形工程とを含んでいる。この成形工程は、樹脂封止前基板Saの成形モジュール3への搬入から樹脂封止済基板Sbの成形モジュール3からの搬出までの間において、成形モジュール3が樹脂封止前基板Saを樹脂成形する工程であり、当該成形工程には、型締工程が含まれている。成形工程において、制御部6は、成形型C及び型締め機構35の作動を制御する。以下、制御部6の制御形態については、主に
図5~
図6を用いて説明する。
【0032】
図1に示すように、予め、ローダ41を、樹脂タブレットTの収容空間を断熱した状態で加熱しておく。また、予めヒータ36,37に通電して、成形型Cを加熱しておく(
図2も参照)。そして、基板供給機構43から取り出した複数の樹脂封止前基板Saをローダ41に載置する。また、樹脂供給機構45により整列された樹脂タブレットTを、ローダ41の樹脂タブレットTの収容空間に収容する。そして、ローダ41は、樹脂封止前基板Saを成形モジュール3まで搬送し、樹脂封止前基板Saを、半導体チップが実装された側を上方に向けて下型LMの基板セット部に載置すると共に、樹脂タブレットTをポット21内に収容する(
図2参照、
図5の♯51)。樹脂タブレットTをポット21内に収容することにより、下型LMに内蔵された下側ヒータ36が樹脂タブレットTを加熱して、溶融樹脂Taとなる。なお、後述する型締め機構35による可動プラテン34の上昇前に、上型UMの下方の型面に不図示の離型フィルムを吸着させた状態としておく。
【0033】
次いで、
図2に示すように、型締め機構35により可動プラテン34を上方に移動させて下型LMを上型UMの方向に相対的に移動させ、下型LMと上型UMとを密着させる。次いで、制御部6は、駆動機構Dsの駆動力をMiddle(例えば1t)に設定して可動ブロック16を下降させ、可動ブロック16により側方流路15を絞った状態(ほぼ可動ブロック16が下型LMに当接した状態)にしておくと共に、エアベント26を介してキャビティMCから空気を排出する(
図3~
図4参照、
図5の♯52、
図6の「シリンダ駆動力」T0時点)。そして、制御部6は、型締め機構35を作動させてクランプ力を所定値まで上昇させる(
図5の♯53、
図6の「クランプ力」T0~T1時点)。本実施形態では、成形型Cの型締めを開始する前(
図6のT0~T1時点)、駆動機構Dsの駆動力を比較的小さい力に設定しているため、可動ブロック16による成形型Cの変形を防止することができる。また、クランプ力を上昇させる所定値は、型締めをするクランプ力として予め設定することができ、クランプ力は荷重センサWaで計測することができる。なお、本実施形態におけるクランプ力は、後述する
図6のT7まで所定値で保持するが、
図6のT1の時点で所定値未満まで上昇させた後、
図6のT1~T5の間で所定値まで上昇させても良い。
【0034】
次いで、制御部6は、駆動機構Dsの駆動力をMiddleからHigh(例えば1.5t)に上昇させて保持する(
図5の♯54、
図6の「シリンダ駆動力」T1時点)。また、電動モータMbによりプランジャ25を上方に移動させて、溶融樹脂Taを、ポット21からランナ22を介してゲート23へ流通させる(
図2参照、
図5の♯55、
図6の「トランスファ位置」T1~T2時点)。その結果、溶融樹脂TaがキャビティMCに供給される。
【0035】
図3に示すように、ゲート23から供給された溶融樹脂Taは、キャビティMCの一辺Sから他辺Eに向けて流動する。そして、チップ存在領域に到達した溶融樹脂Taは、基板11の中央領域において基板11とチップ13との間の幅狭領域に入り込んで流量が低下する。チップ13と基板11との間の突起状電極12も溶融樹脂Taの流れを塞ぐため、流量を低下させる。このとき、基板11の側方領域において、所定時間、可動ブロック16により側方流路15を絞ることにより溶融樹脂Taの流量を低下させる。その結果、基板11とチップ13との間の幅狭領域と側方流路15とにおいて、溶融樹脂Taの流動速度が近付いて、キャビティMCの内部を流動する溶融樹脂Taの流動終端側では溶融樹脂Taの先頭部分がキャビティMCの他辺Eに略平行になる。これにより、流動終端(他辺E)において外方側から内方側に溶融樹脂Taが回り込んで、空気を取り囲むことが防止される。
【0036】
次いで、キャビティMCに溶融樹脂Taが充填されると、プランジャ25の上方移動に伴って、プランジャ25が溶融樹脂Taを押し出す力が上昇する(
図6の「トランスファ力」T2~T4時点)。そして、圧縮スプリングSpの付勢力とキャビティMCを流動する溶融樹脂Taから可動ブロック16に作用する力との合計が、駆動機構Dsの駆動力よりも上回ったとき、可動ブロック16の先端16aが上型UMのキャビティMCに隣接する内面と面一となるまで、可動ブロック16が自然と上昇する(
図5の♯56、
図6の「可動ブロック位置」T3時点)。本実施形態では、駆動機構Dsの駆動力を一定にした状態で、キャビティMCを流動する溶融樹脂Taの力によって可動ブロック16を上昇させているため、基板11とチップ13との間の幅狭領域に滞留している空気は、側方流路15の方向に流動して、基板11とチップ13との間の幅狭領域より外部に排出される。これにより、基板11とチップ13との間にある空気を除去することが可能となり、樹脂封止済基板Sbにボイドが発生し難く、成形精度を向上させることができる。
【0037】
トランスファ力が設定値に達すると、制御部6は、トランスファ力を保持して、所定時間、キュアを実行する(
図6の「トランスファ力」T4~T7時点)。この設定値は、キュアを開始するトランスファ力として予め設定することができ、トランスファ力は荷重センサWbで計測することができる。キュアを開始してから、第一設定時間を経過したとき、制御部6は、駆動機構Dsの駆動力をHighからLow(例えば、0t)に低下させる(
図5の♯57,
図6の「シリンダ駆動力」T5時点)。この第一設定時間は、トランスファ力が設定値に達してからの経過時間(キュア開始してから数秒後)として予め設定することができる。駆動機構Dsの駆動力をLow(例えば、0t)に低下させることにより、仮に可動ブロック16がキャビティMCを流動する溶融樹脂Taの力によって上昇していなかったとしても、圧縮スプリングSpの付勢力により、確実に上昇させることができる。
【0038】
キュアを開始してから、第二設定時間を経過したとき、制御部6は、駆動機構Dsの駆動力をLowからMiddle(例えば1t)に上昇させる(
図5の♯58,
図6の「シリンダ駆動力」T6時点)。この第二設定時間は、第一設定時間より長く、キュアを終了する前の時間(数秒前)として予め設定することにより、キュアを実行する所定時間から設定された時間を減算したものである。なお、本実施形態では、キュア終了前の駆動機構Dsの駆動力をMiddleに設定しているが、樹脂封止済基板Sbに欠けが生じない駆動力であれば良い。
【0039】
キュアを終了した後、制御部6は、型締め機構35のクランプ力を低下させることにより可動プラテン34を下方に移動させて成形型Cの型開きを行う(
図2参照、
図6の「クランプ力」T7時点)。そして、樹脂封止済基板SbをキャビティMCから離型させて、樹脂成形を終了する(
図5の♯59)。本実施形態では、キュアを終了する前に駆動機構Dsの駆動力をMiddleに上昇させているので、下降する可動ブロック16により樹脂封止済基板Sbの離型をアシストすることができる(
図6の「可動ブロック位置」T7以降)。この樹脂封止済基板Sbをアンローダ42により基板収容部46に収容する(
図1も参照)。
【0040】
[別実施形態]
以下、上述した実施形態と同様の部材については、理解を容易にするため、同一の用語、符号を用いて説明する。
【0041】
<1>
図7に示すように、本実施形態における成形対象物は、基板11の中央領域にチップ13が実装されており、基板11の側方領域にコンデンサ、コイル、抵抗等の複数の個別受動部品14が実装されている。この場合、側方流路15を絞る複数の可動ブロック16Aが、個別受動部品14を回避する位置に設置されることとなる。この可動ブロック16Aは、基板11とチップ13との間の幅狭領域における溶融樹脂Taの流動速度と、個別受動部品14の流動抵抗や実装面積等を加味して、サイズや配置が決定される。つまり、シミュレーションにより、基板11とチップ13との間の幅狭領域と側方流路15とにおいて、溶融樹脂Taの流動速度が近付くように、可動ブロック16Aのサイズや配置を決定すれば良い。
【0042】
<2>
図8に示すように、本実施形態における成形対象物は、基板11の中央領域にチップ13が実装されており、チップ13の両側方全域にコンデンサ、コイル、抵抗等の複数の個別受動部品14が密集して実装されている。この場合、チップ13の側方領域に可動ブロック16Bを配置できないため、側方流路15を絞る一対の可動ブロック16Bが、基板11の側方領域のうちチップ13よりもゲート23側に配置されている。その結果、ゲート23からチップ13までの間で、基板11の側方領域における溶融樹脂Taの流路が絞られ、チップ13が存在しないキャビティMCの外方側における溶融樹脂Taの流動速度と、基板11とチップ13との間の幅狭領域における溶融樹脂Taの流動速度とを、近付けることができる。本実施形態における可動ブロック16Bにおいても、基板11とチップ13との間の幅狭領域における溶融樹脂Taの流動速度と、個別受動部品14の流動抵抗や実装面積等を加味して、サイズや配置が決定される。
【0043】
<3>可動ブロック16を駆動させる駆動機構Dsの流体は、液体を用いても良い。また、制御部6により駆動機構Dsの駆動力を変化させる制御形態は、上述した実施形態に限定されない。例えば、キュア開始後の駆動機構Dsの駆動力を低下させる制御を省略したり、キュア終了前の駆動機構Dsの駆動力を上昇させる制御を省略したりしても良い。
【0044】
<4>上述した実施形態における可動ブロック16,16A,16Bは、側方流路15のみに配置したが、キャビティMCの内部流路のうち、ゲート23又はエアベント26に隣接して配置しても良い。
<5>成形モジュール3は、離型フィルム供給機構(不図示)を有していても良い。この離型フィルム供給機構は、離型フィルムを上型UMに供給し、供給された離型フィルムを上型UMの型面に吸着させる。離型フィルムを上型UMの型面に吸着させることにより、離型が容易となり、上型UMにおいて可動ブロック16が移動するための隙間に溶融樹脂Taが流入することを防止できる。
【0045】
<6>可動ブロック16の先端16aに凹凸部位を施しても良い。この場合、可動ブロック16を基板11に密着させたとき、凹凸部位により側方流路15を絞ることができる。先端16aや凹凸部位が基板11に当接するので、可動ブロック16と基板11との間の間隙を精緻に制御する必要がない。
【0046】
<7>上記実施形態では、突起状電極12は格子状に配置されている例を示したが、二次元アレイ状に配置されていればよく、例えば、2本のアレイが配置された形態でも良い。
【0047】
<8>ポット21、キャビティブロック及びカルブロックは、上型UM又は下型LMの何れに設けても良い。また、ゲート23をキャビティMCの一辺S全域に亘って設けても良く、ゲート23の配置や数量は特に限定されない。また、樹脂封止前基板Sa等の成形対象物を上型UMに固定し、キャビティMCを下型LMに設けても良い。
【0048】
<9>樹脂封止される成形対象物はフリップチップ基板に限定されず、半導体チップが実装された基板であればどのようなものであっても良い。また、複数の半導体チップが実装された基板を一括して樹脂封止するMAP(molded array packaging)を製造するために、上述した樹脂成形装置Dを用いても良い。
【0049】
<10>上述した実施形態では、チップ13の表面を露出成形する形態で説明したが、チップ13の表面を樹脂封止する形態であっても良い。この場合、ゲート23からエアベント26に向けてチップ13の上面を流れる溶融樹脂Taの流れを一時的に止める可動ブロック16が、チップ13の上方に備えられていても良い。
【0050】
[上記実施形態の概要]
以下、上述の実施形態において説明した樹脂成形装置D及び樹脂成形品の製造方法の概要について説明する。
【0051】
(1)樹脂成形装置Dの特徴構成は、基板11上にチップ13が配置された樹脂封止前基板Sa(成形対象物)を保持し、ゲート23から溶融樹脂Ta(樹脂材料)が供給されるキャビティMCを有する成形型Cと、成形型Cを型締めする型締め機構35と、成形型C及び型締め機構35の作動を制御する制御部6と、を備え、成形型Cは、チップ13が配置されていないキャビティMCの内部流路の少なくとも一部(側方流路15)を絞る可動ブロック16と、可動ブロック16をエア(流体)により駆動させる駆動機構Dsと、を含んでおり、制御部6は、樹脂封止前基板Sa(成形対象物)を樹脂成形するとき、駆動機構Dsの駆動力を変化させる制御を実行する。
【0052】
本構成では、チップ13が配置されていないキャビティMCの内部流路の少なくとも一部を絞る可動ブロック16を設けている。その結果、キャビティMCのチップ13が存在しない領域における溶融樹脂Taの流動速度と、キャビティMCのチップ13が存在する領域における溶融樹脂Taの流動速度とを近付けることができる。これにより、キャビティMCのチップ13が存在しない領域からチップ13側に溶融樹脂Taが回り込んで空気を取り囲むことが防止される。さらに、本構成では、樹脂封止前基板Sa(成形対象物)を樹脂成形するとき、エアにより駆動させる駆動機構Dsの駆動力を変化させる。これにより、例えば、可動ブロック16の付勢力を一定にする場合に比べて、状況に応じて駆動機構Dsの駆動力を変化させるため、簡便な構成で成形精度を向上させることができる。
【0053】
(2)制御部6は、型締め機構35のクランプ力が所定値に達したとき、駆動機構Dsの駆動力を上昇させても良い。
【0054】
本構成のように、型締め機構35のクランプ力が所定値に達したとき、駆動機構Dsの駆動力を上昇させれば、型締め前に可動ブロック16が成形型Cに強く当接して、成形型Cが変形するといった不都合を防止することができる。
【0055】
(3)制御部6は、キュア開始後に、駆動機構Dsの駆動力を低下させても良い。
【0056】
本構成のように、キュア開始後に駆動機構Dsの駆動力を低下させれば、可動ブロック16をキャビティMC外に確実に移動させることができる。
【0057】
(4)前記制御部は、キュア終了前に、駆動機構Dsの駆動力を上昇させても良い。
【0058】
本構成では、キュア終了前に駆動機構Dsの駆動力を上昇させているので、可動ブロック16が樹脂封止済基板Sbの離型をアシストすることができる。
【0059】
(5)樹脂成形品の製造方法の特徴は、ゲート23から供給された溶融樹脂Ta(樹脂材料)をキャビティMCに充填させることにより、基板11上にチップ13が配置された樹脂封止前基板Sa(成形対象物)の樹脂成形を行う成形工程を含み、成形工程では、エア(流体)により駆動させる駆動機構Dsにより可動ブロック16を移動させてチップ13が配置されていないキャビティMCの内部流路の少なくとも一部(側方流路15)を絞り、駆動機構Dsによる駆動力を変化させながら樹脂封止前基板Sa(成形対象物)の樹脂成形を行う点にある。
【0060】
本方法では、成形工程において、キャビティMCのチップ13が存在しない領域における溶融樹脂Taの流動速度と、キャビティMCのチップ13が存在する領域における溶融樹脂Taの流動速度とを近付けることができる。これにより、キャビティMCのチップ13が存在しない領域からチップ13側に溶融樹脂Taが回り込んで空気を取り囲むことが防止される。さらに、本方法では、樹脂封止前基板Saを樹脂成形するとき、エアにより駆動させる駆動機構Dsの駆動力を変化させる。これにより、例えば、可動ブロック16の付勢力を一定にする場合に比べて、状況に応じて駆動機構Dsの駆動力を変化させるため、成形精度を向上させることができる。
【0061】
なお、上述した実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能である。また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、樹脂成形装置及び樹脂成形品の製造方法に利用可能である。特に、封止樹脂の厚さが1mm以上の厚物パッケージの場合や、車載用パッケージにおいて有効であり、基板とチップの間が100μm以下のフリップチップ基板をモールドアンダーフィルする場合に有効である。
【符号の説明】
【0063】
11 :基板
13 :チップ
15 :側方流路(キャビティの内部流路の少なくとも一部)
16 :可動ブロック
23 :ゲート
35 :型締め機構
C :成形型
D :樹脂成形装置
MC :キャビティ
Sa :樹脂封止前基板(成形対象物)
Sb :樹脂封止済基板(樹脂成形品)
Ta :溶融樹脂(樹脂材料)