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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-03
(45)【発行日】2023-10-12
(54)【発明の名称】消耗品の識別
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/53 20200101AFI20231004BHJP
   A24F 47/00 20200101ALI20231004BHJP
【FI】
A24F40/53
A24F47/00
【請求項の数】 39
(21)【出願番号】P 2020511955
(86)(22)【出願日】2018-08-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-19
(86)【国際出願番号】 EP2018072262
(87)【国際公開番号】W WO2019048211
(87)【国際公開日】2019-03-14
【審査請求日】2021-08-12
(31)【優先権主張番号】17190202.6
(32)【優先日】2017-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100158551
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 貴明
(72)【発明者】
【氏名】ビラ ステファーヌ
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第02399636(EP,A1)
【文献】国際公開第2017/084849(WO,A1)
【文献】特開2002-229722(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0101625(US,A1)
【文献】特表2017-501682(JP,A)
【文献】国際公開第2016/143079(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/53
A24F 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置であって、
消耗品の少なくとも一部分を受けるためのインターフェースであって、前記消耗品がエアロゾル生成基体と前記消耗品を識別する一つ以上の導電性部分と、を含む、インターフェースと、
一つ以上の回路の少なくとも一部分を画定する一対以上の導体であって、前記一対以上の導体が、前記消耗品が前記インターフェースによって受けられた時に、前記消耗品の前記一つ以上の導電性部分と選択的に電気的に結合可能である、一対以上の導体と、
一つ以上のプロセッサを含み、前記一対以上の導体に動作可能に結合されるコントローラであって、前記コントローラが、前記消耗品が前記インターフェースによって受けられた時に、前記一対以上の導体と前記一つ以上の導電性部分とによって画定される前記一つ以上の回路の完成に基づいて前記消耗品を識別するように構成される、コントローラと、を備え、
前記エアロゾル発生装置が、前記一対以上の導体のそれぞれの第一の導体と第二の導体との間に抵抗を印加するための電気回路を備え、前記消耗品が前記インターフェースによって受けられた時に、前記一対以上の導体と前記一つ以上の導電性部分とによって画定される前記一つ以上の回路の一つの回路の完成が、前記回路の前記第一の導体と第二の導体との間に印加された前記抵抗をバイパスする、エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記消耗品が、前記エアロゾル生成基体を保持するための容器をさらに含み、前記一つ以上の導電性部分が前記容器に結合される、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記一つ以上の導電性部分が、前記消耗品が前記インターフェースによって受けられた時に、前記一つ以上の回路の異なる回路を完成するように、前記消耗品のタイプに応じて前記消耗品の周りの異なる位置に位置付けられる、請求項1または2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記電気回路が、前記一対以上の導体のそれぞれの前記第一の導体と前記第二の導体との間に異なる抵抗を印加し、前記一対以上の導体のそれぞれおよび各対の前記第一の導体と前記第二の導体との間に印加された抵抗が、直列に電気的に結合されて、第一のノードから第二のノードに延び、電圧が前記第一のノードに印加され、前記第二のノードで測定されて、前記消耗品が前記インターフェースによって受けられた時に、前記一つ以上の回路のうちのいずれが前記一つ以上の導電性部分によって完成されるかを決定する、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記一対以上の導体のそれぞれおよび各対の前記第一の導体と第二の導体との間に印加された抵抗が、直列に電気的に結合されて、第一のノードから第二のノードに延び、電圧が前記第一のノードに印加され、電圧が前記一対以上の導体の各対の前記第二の導体において測定されて、前記消耗品が前記インターフェースによって受けられた時に、前記一つ以上の回路のうちのいずれが前記一つ以上の導電性部分によって完成されるかを決定する、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記一対以上の導体の少なくとも二対が導体を共有する、請求項1~のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記インターフェースが、前記消耗品に対応する一つ以上の接続要素を画定して、前記消耗品が前記インターフェースによって受けられた時に、前記消耗品の前記少なくとも一部分を前記エアロゾル発生装置に対して単一の位置に位置付ける、請求項1~のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記インターフェースが、マルチ位置コネクタを画定して、前記消耗品が前記インターフェースによって受けられた時に、前記消耗品の前記少なくとも一部分を前記エアロゾル発生装置に対して複数の異なる位置に位置付けることを可能にする、請求項1~のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記エアロゾル発生装置が二対以上の導体を備え、導体の間隔距離が、前記二対以上の導体の各対の第一の導体と第二の導体との間に画定され、一対の間隔距離が、前記二対以上の導体の対間に画定され、前記一つ以上の導電性部分のそれぞれが、前記二対以上の導体の三つの導体の幅、前記導体の間隔距離の二つ、および前記一対の間隔距離の合計より大きい導電性部分の長さに沿って延びる、請求項1~のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記エアロゾル発生装置が、前記消耗品が前記インターフェースによって受けられた時に、前記エアロゾル生成基体を加熱してエアロゾルを発生させる少なくともヒーターをさらに備える、請求項1~のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記消耗品が、前記エアロゾル生成基体を加熱してエアロゾルを発生する発熱体をさらに備え、前記エアロゾル発生装置が、前記発熱体に動作可能に結合可能であり、前記消耗品が前記インターフェースによって受けられた時に、前記一対以上の導体の少なくとも一つの対を介して前記発熱体に電力を供給する、電源をさらに備える、請求項1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記消耗品が前記インターフェースによって受けられた時に、前記一対以上の導体と前記一つ以上の導電性部分とによって画定される前記一つ以上の回路の完成に基づいて前記消耗品の前記発熱体を識別することを実行するように前記コントローラがさらに構成される、請求項11に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
前記電源が、前記導体の対のそれぞれの前記第一の導体に選択的に電気的に結合され、前記エアロゾル発生装置が、前記電源を前記導体の対のそれぞれの前記第一の導体に連続的に電気的に結合して電圧を前記導体の対のそれぞれの前記第一の導体に印加する電気回路を含み、前記消耗品が前記インターフェースによって受けられた時に、前記一対以上の導体と前記一つ以上の導電性部分とによって画定される前記一つ以上の回路の完成が、前記導体の対のそれぞれの前記第二の導体上で感知される前記電圧の状態が変わる時に判定される、請求項11または12に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項14】
前記電源が、前記導体の対のそれぞれの前記第一の導体に選択的に電気的に結合され、前記エアロゾル発生装置が、前記電源を前記導体の対のそれぞれの前記第一の導体に連続的に電気的に結合して電圧を前記第一の導体に印加する電気回路を含み、前記消耗品が前記インターフェースによって受けられた時に、前記一対以上の導体と前記一つ以上の導電性部分とによって画定される前記一つ以上の回路の完成が、前記第二の導体の前記第二の導体上で感知される前記電圧が状態を変えた時に判定される、請求項11または12に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項15】
前記識別された消耗品に基づいて、前記エアロゾル発生装置の一つ以上の動作特性を変更することを、実行するように前記コントローラがさらに構成される、請求項1~14のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項16】
前記識別された消耗品をユーザーインターフェース装置に通信することを、実行するように前記コントローラがさらに構成される、請求項1~15のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項17】
前記消耗品が前記インターフェースによって受けられた時に、前記一対以上の導体と前記一つ以上の導電性部分とによって画定される前記一つ以上の回路の完成に基づいて、前記消耗品についての情報を判定することを、実行するように前記コントローラがさらに構成される、請求項1~16のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項18】
前記消耗品についての前記情報が、真正情報、使用期限、および製造場所のうちの一つ以上を含む、請求項17に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項19】
前記エアロゾル生成基体が、ニコチン含有材料を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項20】
消耗品を識別する方法であって、
一つ以上の回路を画定する一対以上の導体の第一の導体と第二の導体との間に抵抗を印加する電気回路を含むエアロゾル発生装置のインターフェースを使用して消耗品を受けることであって、前記消耗品がエアロゾル生成基体と前記消耗品を識別する一つ以上の導電性部分と、を含む、受けることと、
前記消耗品が前記エアロゾル発生装置の前記インターフェースによって受けられた時に、前記エアロゾル発生装置の前記一対以上の導体と前記消耗品の前記一つ以上の導電性部分とによって画定される一つ以上の前記回路の完成に基づいて前記消耗品を識別することであって、回路の完成が、前記回路の前記第一の導体と第二の導体との間に印加された前記抵抗をバイパスする、識別することと、を含む、方法。
【請求項21】
前記消耗品が、前記エアロゾル生成基体を保持するための容器をさらに含み、前記一つ以上の導電性部分が前記容器に結合される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記一つ以上の導電性部分が、前記消耗品が前記インターフェースによって受けられた時に、前記一つ以上の回路の異なる回路を完成するように、前記消耗品のタイプに応じて前記消耗品の周りの異なる位置に位置付けられる、請求項20または21に記載の方法。
【請求項23】
前記電気回路が、前記一対以上の導体のそれぞれの前記第一の導体と前記第二の導体との間に異なる抵抗を印加し、前記一対以上の導体のそれぞれおよび各対の前記第一の導体と前記第二の導体との間に印加された抵抗が、直列に電気的に結合されて、第一のノードから第二のノードに延び、電圧が前記第一のノードに印加され、前記第二のノードで測定されて、前記消耗品が前記インターフェースによって受けられた時に、前記一つ以上の回路のうちのいずれが前記一つ以上の導電性部分によって完成されるかを決定する、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記一対以上の導体のそれぞれおよび各対の前記第一の導体と第二の導体との間に印加された抵抗が、直列に電気的に結合されて、第一のノードから第二のノードに延び、電圧が前記第一のノードに印加され、電圧が前記一対以上の導体の各対の前記第二の導体において測定されて、前記消耗品が前記インターフェースによって受けられた時に、前記一つ以上の回路のうちのいずれが前記一つ以上の導電性部分によって完成されるかを決定する、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記一対以上の導体の少なくとも二対が導体を共有する、請求項2024のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記インターフェースが、前記消耗品に対応する一つ以上の接続要素を画定して、前記消耗品が前記インターフェースによって受けられた時に、前記消耗品の少なくとも一部分を前記エアロゾル発生装置に対して単一の位置に位置付ける、請求項2025のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記インターフェースが、マルチ位置コネクタを画定して、前記消耗品が前記インターフェースによって受けられた時に、前記消耗品の少なくとも一部分を前記エアロゾル発生装置に対して複数の異なる位置に位置付けることを可能にする、請求項2026のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記エアロゾル発生装置が二対以上の導体を備え、導体の間隔距離が、前記二対以上の導体の各対の第一の導体と第二の導体との間に画定され、一対の間隔距離が、前記二対以上の導体の対間に画定され、前記一つ以上の導電性部分のそれぞれが、前記二対以上の導体の三つの導体の幅、前記導体の間隔距離の二つ、および前記一対の間隔距離の合計より大きい導電性部分の長さに沿って延びる、請求項2027のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記エアロゾル発生装置が、前記消耗品が前記インターフェースによって受けられた時に、前記エアロゾル生成基体を加熱してエアロゾルを発生させる少なくともヒーターをさらに備える、請求項2028のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記消耗品が、前記エアロゾル生成基体を加熱してエアロゾルを発生する発熱体をさらに備え、前記エアロゾル発生装置が、前記発熱体に動作可能に結合可能であり、前記消耗品が前記インターフェースによって受けられた時に、前記一対以上の導体の少なくとも一つの対を介して前記発熱体に電力を供給する、電源をさらに備える、請求項2029のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記消耗品が前記インターフェースによって受けられた時に、前記一対以上の導体と前記一つ以上の導電性部分とによって画定される前記一つ以上の回路の完成に基づいて前記消耗品の前記発熱体を識別することを実行する、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記電源が、前記導体の対のそれぞれの前記第一の導体に選択的に電気的に結合され、前記エアロゾル発生装置が、前記電源を前記導体の対のそれぞれの前記第一の導体に連続的に電気的に結合して電圧を前記導体の対のそれぞれの前記第一の導体に印加する電気回路を含み、前記消耗品が前記インターフェースによって受けられた時に、前記一対以上の導体と前記一つ以上の導電性部分とによって画定される前記一つ以上の回路の完成が、前記導体の対のそれぞれの前記第二の導体上で感知される前記電圧の状態が変わる時に判定される、請求項30または31に記載の方法。
【請求項33】
前記電源が、前記導体の対のそれぞれの前記第一の導体に選択的に電気的に結合され、前記エアロゾル発生装置が、前記電源を前記導体の対のそれぞれの前記第一の導体に連続的に電気的に結合して電圧を前記第一の導体に印加する電気回路を含み、前記消耗品が前記インターフェースによって受けられた時に、前記一対以上の導体と前記一つ以上の導電性部分とによって画定される前記一つ以上の回路の完成が、前記第二の導体の前記第二の導体上で感知される前記電圧が状態を変えた時に判定される、請求項30または31に記載の方法。
【請求項34】
前記識別された消耗品に基づいて、前記エアロゾル発生装置の一つ以上の動作特性を変更することを実行される、請求項2033のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記識別された消耗品をユーザーインターフェース装置に通信することが実行される、請求項2034のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記消耗品が前記インターフェースによって受けられた時に、前記一対以上の導体と前記一つ以上の導電性部分とによって画定される前記一つ以上の回路の完成に基づいて、前記消耗品についての情報が判定される、請求項2035のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記消耗品についての前記情報が、真正情報、使用期限、および製造場所のうちの一つ以上を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記エアロゾル生成基体が、ニコチン含有材料を含む、請求項2037のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、プログラム可能電気回路上で実行する時、前記プログラム可能電気回路に、請求項2038のいずれか一項に記載の方法を実施させる、その上に保存されたコンピュータプログラムを含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成消耗品の識別に使用するための器具、装置、および方法に関する。消耗品は、エアロゾル発生装置によって使用されて、エアロゾル発生装置上に一つ以上の回路を完成させることによって消耗品を識別しうる、導電性部分を含みうる。
【背景技術】
【0002】
様々なエアロゾル生成基体を含む様々な消耗品が、同一のエアロゾル発生装置で使用されてもよい。様々な消耗品のそれぞれは、同一のエアロゾル発生装置によって使用される時に互いに異なった挙動をしうる。しかしながら、エアロゾル発生装置が様々な消耗品を区別せず、これが様々な、そして一部の場合には望ましくない経験をもたらす場合がある。例えば、各消耗品は、一つ以上の特定の動作パラメータを使用してより効率的かつより効果的にエアロゾルを生成しうるが、エアロゾル発生装置が消耗品を知らない、または消耗品を識別していない場合には、エアロゾル発生装置は、消耗品を使用してエアロゾルを発生するのに、最良のパラメータ(例えば、電圧、加熱時間、電力、アンペア、およびその他)を使用できない場合がある。言い換えれば、エアロゾル発生装置が消耗品自体から消耗品についての特定の情報を「知る」ことができず、これが動作問題を引き起こす場合がある。
【0003】
さらに、エアロゾル発生装置のユーザーは、例えば、消耗品にしるしがない場合には、消耗品自体から消耗品についての特定の情報を知ることができない場合がある。なおもさらに、一部の消耗品は期限切れまたは偽造でありうるが、エアロゾル発生装置またはユーザーが、消耗品が期限切れまたは偽造であるかどうかを判定することができない場合がある。
【0004】
したがって、こうしたエアロゾル発生装置および消耗品は、エアロゾル発生装置が、消耗品の識別を「知っている」または有していることなく最も効果的または効率的に動作することができないため、ユーザーにとって望ましくない経験を提供しうる。さらに、ユーザーが、消耗品の識別を知らないために、エアロゾル発生装置を、消耗品を使用して最も効果的かつ効率的にエアロゾルを発生するようにプログラムする、または構成することができない場合がある。さらに、ユーザーは、エアロゾル発生装置を構成またはプログラムすることを、煩わしく、潜在的にエラーが生じやすいと思う場合がある。最後に、消耗品は期限切れでありうるが、消耗品が期限切れとなった時をユーザーが知ることが困難である場合がある。
【0005】
多くのエアロゾル発生装置およびその他の装置には、それによって受けられた消耗品を識別するために様々な技術を使用する様々な器具が含まれうる。器具および技術は複雑になり過ぎ、高価となることが多い。例えば、米国特許出願公開番号第2014/0123989A1号(The Safe Cig,LLC)は、カートリッジ上の一つ以上の抵抗器を介して実施されうるカートリッジ識別子モジュール機能を記載しうる。抵抗器が、アナログデジタル(「A/D」)変換器または電池構成要素上の他の電子的手段によって問い合わせられ、電池内のRC充電回路に基づいて、この情報を使用して、抵抗器の抵抗を判定し、そしてそれ故にカートリッジを識別しうる。さらに、カートリッジは、無線トランシーバを備えたマイクロチップを含むことができ、これは、起動するとマイクロコントローラに識別情報を通信する。さらに、例えば、米国特許出願公開番号第2013/0284192号(SIS Resources、LTD)は、識別子コードを電子たばこの取り外し可能部分の一部としうると記載しうる。識別子コードは、QRコード、バーコード、NFCタグ、またはRFIDタグとしうる。なおもさらに、例えば、米国特許出願公開番号第2005/0118048号(Carl Zeiss Surgical GMBH)は、器具のカートリッジ受け入れ部分と係合するための管状カートリッジを記載しうる。管状カートリッジは、管状カートリッジを識別するための抵抗器、RFID、またはバーコードを含みうる。なおもさらに、例えば、米国特許番号第6,217,168号(Hewlett-Packard Company)は、メモリ素子(例えば、抵抗器パターン)を含むプリントヘッドカートリッジを記載しうるが、そのそれぞれは、タイプ、ならびに一意の識別子などのカートリッジについての情報を含有する。カートリッジが取り付けられると、制御システムは、例えば、カートリッジが特定のプリンターに対して適切なタイプのカートリッジであることを確実にするために、関連するメモリ素子に保存された情報を読み取る。記述の通り、こうした器具および技術は、複雑となり、煩わしく、そして高価となりうる。
【0006】
本発明の一つの目的は、エアロゾル発生装置によって受けられた消耗品を単純で、低コストな方法で識別することである。例えば、消耗品を識別する複雑な方法は、エラーが生じやすく、かつ高価となりがちであり、本明細書に記載の本発明は、複雑ではない、または単純であって、このことが本発明を、従来の解決策に比べてエラーが生じにくく、安価なものとしうる。
【0007】
本発明の実施例の一つの目的は、消耗品の識別に応答して、エアロゾル発生装置の動作特性またはパラメータを変更することである。
【0008】
本発明の実施例の一つの目的は、消耗品から取得された識別情報を一つ以上の他の装置に伝送して、消耗品についての情報をさらに表示または記録することである。
【発明の概要】
【0009】
さまざまな態様において、消耗品を識別するための消耗品、装置、および方法は、消耗品の一部である一つ以上の導電性部分を使用する。導電性部分は、エアロゾルの生成のためにその内部において消耗品がインターフェースするエアロゾル発生装置の一つ以上の回路を完成する場合と完成しない場合がある。消耗品の識別は、消耗品が装置とインターフェースした時に、導電性部分を使用した一つ以上の回路の完成に基づいて判定されうる。例示的な消耗品は、エアロゾル発生装置で使用されて、エアロゾルを発生または生成しうる。消耗品は、エアロゾル生成基体と、消耗品を識別する一つ以上の導電性部分とを含みうる。一つ以上の導電性部分は、エアロゾル発生装置が消耗品を識別しうるように、エアロゾル発生装置の一つ以上の回路を完成するのに使用されうる。
【0010】
様々な態様において、例示的なエアロゾル発生装置は、例示的な消耗品の少なくとも一部分を受けるためのインターフェースと、一つ以上の回路の少なくとも一部分を画定する一対以上の導体を含みうる。一対以上の導体は、消耗品がインターフェースによって受けられた時に、消耗品の一つ以上の導電性部分と選択的に電気的に結合可能でありうる。例示的なエアロゾル発生装置は、一つ以上のプロセッサを備え、一対以上の導体に動作可能に結合された、コントローラをさらに含みうる。コントローラは、消耗品がインターフェースによって受けられた時に、一対以上の導体と一つ以上の導電性部分とによって画定される一つ以上の回路の完成に基づいて消耗品を識別するように構成されうる。したがって、本明細書に記載される消耗品、装置、および方法は、消耗品を識別するためのコスト効果が高くて単純な方法を提供しうる。
【0011】
様々な態様において、消耗品を識別する例示的な方法は、例示的なエアロゾル発生装置のインターフェースを使用して例示的な消耗品を受けることと、消耗品がエアロゾル発生装置のインターフェースによって受けられた時に、エアロゾル発生装置の一対以上の導体と消耗品の一つ以上の導電性部分とによって画定される一つ以上の回路の完成に基づいて消耗品を識別することとを含みうる。
【0012】
本発明による器具、装置、および方法の様々な態様は、現時点で入手可能なエアロゾル発生物品および関連するシステムに対し一つ以上の利点を提供しうる。例示的な器具、装置、および方法は、消耗品が効率的かつ簡便に識別されうるため、ユーザーにより望ましい経験を提供しうる。さらに、例示的なエアロゾル発生装置は、消耗品の識別に基づいて動作特性またはパラメータを変更し、消耗品を使用して効率的かつ効果的にエアロゾルを生成しうる。エアロゾルの効率的かつ効果的な生成は、エアロゾルが最適に生成され、それによって満足のいくエアロゾル送達経験を提供しうるため、ユーザーの経験を向上しうる。言い換えれば、識別情報を装置によって使用して、装置の一つ以上の動作特性を調整しうる。
【0013】
さらに、消耗品の識別により、例示的な装置および器具が、有利でありうる、消耗品についての様々な情報を判定することを可能にしうる。例えば、消耗品が真正な消耗品であるかどうか、消耗品が期限切れとなった時、および消耗品の製造場所が判定されうる。従って、ユーザーは、不正な消耗品、期限切れの消耗品、または望まない製造元からの消耗品を意図せずに利用しない。なおもさらに、消耗品の識別により、例示的な装置および器具が、ユーザーによって使用される消耗品の記録を使いやすくて簡便な方法で維持することを可能にしうる。さらに、識別情報は、エアロゾル発生装置以外の器具に伝送または通信されて、識別された消耗品についての情報をログまたは表示しうる。
【0014】
「エアロゾル生成基体」とは本明細書で使用されるとき、加熱されると揮発性化合物を放出することが可能な任意の物質であって、エアロゾルを形成することができるものである。本開示によるエアロゾル生成基体から発生するエアロゾルは、見えてもまたは見えなくてもよく、蒸気(例えば、気状である物質の微粒は室温にて通常、液体または固体である)、ならびに気体および凝縮された蒸気の液体の液滴を含んでもよい。
【0015】
「消耗品」とは本明細書で使用されるとき、エアロゾル発生装置がエアロゾル生成基体からエアロゾルを発生させることができるように、エアロゾル生成基体を含む(例えば、保持、含有、所有、保存等)ことができ、エアロゾル発生装置と取り外し可能にインターフェースする、またはドッキングすることができる、任意の使い捨て製品である。消耗品は、エアロゾル生成基体を含有する液体を収容する容器であってもよい。消耗品は、固体含有エアロゾル生成基体であってもよい。
【0016】
「エアロゾル発生装置」とは本明細書で使用されるとき、揮発性化合物を放出してユーザーによって吸入されうるエアロゾルを形成するエアロゾル生成基体を使用、または利用するように構成される任意の装置である。エアロゾル発生装置は、エアロゾル生成基体を含む消耗品とインターフェースしうる。
【0017】
「導電性部分」という用語は、それを通る電気の伝送によって回路を完成するように動作可能な任意の導電性素子を意味する。導電性部分は、通電することができる一つ以上の金属材料または非金属材料を含みうる。
【0018】
「ディスプレイ」とは本明細書で使用されるとき、例えば、液晶ディスプレイ、有機発光ダイオード画面、タッチスクリーン、陰極線管表示装置等などの、例えば、グラフィカルユーザーインターフェース等を使用して本明細書に記載の例示的な機能、方法、または論理を実施するために、ユーザーに情報を表示することができる、任意の器具または装置である。
【0019】
「コントローラ」および「プロセッサ」という用語は、例えば、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、等価のディスクリートまたは集積論理回路、またはそれらの任意の組み合わせなどの、適切な計算能力および制御能力を提供することができ、書き込みおよび読み取り可能でありうるデジタルビット(例えば、2進または3進等にコードされた)を含有する任意の媒体(例えば、揮発性または不揮発性メモリ、CD-ROM、ディスクまたはテープなどの磁気記録媒体等)を含む適切なデータストレージ能力を提供することができる、任意の装置または器具を意味する。
【0020】
「通信インターフェース」という用語は、エアロゾル発生装置と、例えば様々なテレメトリ回路およびアンテナなどのユーザーインターフェース装置との間の適切なデータ通信能力を提供することができ、例えば、Bluetooth、Wi-Fi、極超短波(UHF)帯における任意のプロトコル、センチメートル波(SHF)帯における任意のプロトコル、低周波、またはそれらの組み合わせなどの一つ以上の有線または無線(例えば、無線周波数)を使用しうる、任意の装置または器具を意味する。
【0021】
本発明は、消耗品からのエアロゾル生成基体(例えば、ニコチン含有材料を備える)を使用してニコチンなどのエアロゾル含有粒子状物質を発生するように構成されるエアロゾル発生装置で使用するための消耗品の識別に関する。本明細書に記載した通り、消耗品は、液体または固体含有エアロゾル生成基体を含みうる。例えば、消耗品は、装置の性質に応じて、液体エアロゾル形成基体の供給源を保持するカートリッジから、eリキッド保存ボトル(装置のeリキッドタンクを充填するのに使用されうる)、感覚材料を備えたスティック(例えば、たばこキャストリーフを備えたスティック)に及びうる。
【0022】
消耗品は、エアロゾル生成基体を収容するための容器を含みうる。容器は、固体消耗品(例えば、ヒートスティック)の周りに巻かれたラッピングペーパーであってもよい。さらに、容器は、エアロゾル生成基体を含む液体を収容するボトルまたは容器であってもよい。さらに、ラッピングペーパーはボトルまたは容器の周りに巻かれてもよい。消耗品の外側部分は容器であると記載されうる。
【0023】
消耗品は、消耗品を識別するために使用されうる一つ以上の導電性部分を含みうる。例えば、一つ以上の導電性部分は、消耗品を識別するために使用されるように、様々なサイズを画定してもよく、消耗品の周りの様々な位置周辺に位置してもよい。一つ以上の導電性部分の様々なサイズおよび位置を使用して、例示的なエアロゾル発生装置の一つ以上の回路を完成してもよく、これが次に本明細書でさらに説明するように消耗品を識別するために使用されうる。
【0024】
一つ以上の導電性部分は、消耗品の容器上に位置する、または消耗品の容器の一部であることが好ましい。例えば、一つ以上の導電性部分は、消耗品の外側に位置するラッパーに取り付けられてもよく、または結合されてもよい。少なくとも一つの実施形態において、一つ以上の導電性部分は、容器上に「印刷」される。
【0025】
導電性部分は、金属または金属材料または半金属材料などの任意の導電性材料を含みうる。導電性部分は、鉄、スズ、鋼、鉛、アルミニウム、金、ニッケル、ビスマス、アンチモン、インジウム、銀、ゲルマニウム、プラチナ、およびそれらの組み合わせまたは合金を含み(例えば、これらから形成され)うる。
【0026】
消耗品は、エアロゾル発生装置内でインターフェースして、エアロゾル発生装置が一つ以上の導電性部分を使用して消耗品を識別することを可能にするように構成されたインターフェースをさらに含む、または画定しうる。さらに、インターフェースは、エアロゾル発生装置が消耗品からエアロゾル生成基体を受けることをさらに可能にしうる。言い換えれば、消耗品は、エアロゾル発生装置が一つ以上の導電性部分を使用して消耗品を識別することを可能とするように、消耗品の一つ以上の導電性部分を位置付けるエアロゾル発生装置に結合または取り付けられるように構成された接触ゾーンを含みうる。本明細書にさらに記載されるように、エアロゾル発生装置はまた、消耗品のインターフェースまたは接触ゾーンとインターフェースするように構成されたインターフェースまたは接触ゾーンを含む、または画定しうる。消耗品の接触ゾーンは、消耗品とエアロゾル発生装置とが一緒にインターフェース、またはドッキングされた時に、エアロゾル発生装置の接触ゾーンと接触しうる。少なくとも一つの実施例では、エアロゾル発生装置は、消耗品を受けるためのくぼみを画定しうる。くぼみは、消耗品がくぼみ内に受けられた時に、エアロゾル発生装置のインターフェースまたは接触ゾーンが識別目的およびエアロゾル生成基体の送達のために消耗品のインターフェースまたは接触ゾーンとインターフェースしうるように、エアロゾル発生装置のインターフェースまたは接触ゾーンを画定しうる。
【0027】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル生成基体を加熱してエアロゾルを発生させるように構成されたヒーターをさらに含みうる。エアロゾル発生装置は、少なくともヒーターに給電する(例えば、電気を提供する)電源を含んでもよく、また、ホスト装置にインターフェースするように、または、ホスト装置に動作可能に結合するように構成されてもよい。ホスト装置は、エアロゾル発生装置にインターフェースする、またはエアロゾル発生装置に動作可能に結合されて、少なくともエアロゾル発生装置の電源を充電するインターフェースを含んでもよい。
【0028】
エアロゾル発生装置は、一つ以上のプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)を備えるコントローラと、ユーザーインターフェース装置におよびユーザーインターフェース装置からデータを転送するための通信インターフェース(例えば、Bluetooth無線プロトコルインターフェースなどの無線通信インターフェース)と、を含みうる。一つ以上のプロセッサは、処理プログラムまたはルーチンおよび例示的な方法を実行するのに使用されうる一つ以上のタイプのデータにアクセスするために、関連するデータストレージ、またはメモリで作動しうる。例えば、データストレージに保存される処理プログラムまたはルーチンは、回路を分析する、電気的性質(抵抗、電圧、および電流など)を測定または感知するためのプログラムまたはルーチン、回路分析論理、行列計算、標準化アルゴリズム、比較アルゴリズム、または本明細書に記載の一つ以上の例示の方法および工程を実施するのに使用される任意のその他の処理を含みうる。さらに、例えば、データストレージに保存される処理プログラムまたはルーチンは、エアロゾル発生装置、ユーザーインターフェース装置、および遠隔装置またはサーバのうちの一つ以上の間でデータおよびコマンドを無線で転送する工程および機能を含みうる。データストレージ、またはメモリは、一つ以上のタイプの消耗品、一つ以上のタイプのエアロゾル生成基体、一つ以上のタイプのエアロゾル発生装置に関連するデータ、電力値などの、一つ以上のタイプのエアロゾル生成消耗品、基体、および装置に関連するエアロゾル生成または発生パラメータ、消耗品、基体および装置を使用した粒子状物質の発生に関連するデータおよび式、および本明細に記載の工程および方法を実施するのに必要な任意のその他のデータまたは式を保存するようにさらに構成されうる。エアロゾル発生装置は、例えば、通信インターフェースを使用して、ユーザーインターフェース装置と通信して識別された消耗品またはそれらに関連付けられた値を表すデータを伝送するように構成されうる。
【0029】
エアロゾル発生装置は、例えば、識別された消耗品についての情報をユーザーに表示するためのディスプレイをさらに含みうる。例えば、エアロゾル発生装置は、消耗品の識別、消耗品についてのその他の様々な情報、および消耗品の一つ以上の導電性部分内にコードされうる任意のその他の情報を表示しうる。
【0030】
一つ以上の実施形態では、エアロゾル発生装置は、処理能力(例えば、マイクロコントローラ、プログラマブル論理デバイス等)、データストレージ(例えば、揮発性または不揮発性メモリ、または記憶素子)、入力装置、および出力装置を含む一つ以上のプログラム可能なプロセッサ上で実行される一つ以上のコンピュータプログラムを使用して実装されるものとして記載されうる。本明細書に記載されるプログラムコードまたは論理は、入力データに適用されて、本明細書に記載の機能を実施し、所望の出力情報を生成しうる。出力情報は、本明細書に記載される一つ以上の他の装置または工程への入力として適用されてもよく、または公知の様式で適用されうる。
【0031】
本明細書に記載の工程を実施するのに使用されるコンピュータプログラム製品は、任意のプログラム可能な言語、例えば、コンピュータシステムとの通信に適した、高レベル手続型またはオブジェクト指向型プログラム言語を使用して提供されうる。こうしたプログラム製品は、例えば、任意の適切な装置、例えば、汎用または特定用途プログラムによって読み出し可能な記憶媒体、本明細書に記載の手順を実施するために適切な装置が読み出される時にコンピュータを構成および動作させるためのコントローラ装置上に保存されうる。言い換えれば、少なくとも一実施形態において、ユーザーインターフェース装置は、コンピュータプログラムで構成された非一時的コンピュータ可読記憶媒体を使用して実施されうるが、ここで記憶媒体は、コンピュータに、本明細書に記載の機能を実施するのに特有および所定の方法で動作させるように構成される。
【0032】
エアロゾル発生装置のコントローラの正確な構成は限定されるものではなく、本質的に、本明細書に記載の例示の方法を実施するのに適切な計算能力および制御能力を提供することができる任意の装置が使用されうる。上記に照らして、本発明による一つ以上の実施形態で記載される機能は、当業者に公知でありうる任意の方法で実施されうることは容易に明らかであろう。このため、コンピュータ言語、コントローラ、または本明細書に記載の工程を実施するのに使用される任意のその他のソフトウェア/ハードウェアは、本明細書に記載のシステム、工程、またはプログラム(例えば、こうした工程またはプログラムによって提供される機能)の範囲に限定されるものではない。本システムに起因するものを含む、本開示に記載する方法および工程、または構成部品は、少なくとも部分的に、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせで実施されうる。例えば、本技術の様々な態様は、一つ以上のマイクロプロセッサ、DSP、ASIC、FGPA、CPLD、マイクロコントローラ、またはその他の任意の同等の集積回路または個別の論理回路、ならびにこうした構成要素の任意の組み合わせ内で実装されうる。ソフトウェア内に実装される場合、本開示のシステム、装置、および方法に属する機能は、RAM、ROM、NVRAM、EEPROM、FLASHメモリ、磁気データ記憶媒体、光データ記憶媒体、およびこれに類するものなどのコンピュータ可読媒体上の命令として具体化されうる。命令は、一つ以上のプロセッサによって実行され、機能の一つ以上の態様をサポートしうる。
【0033】
エアロゾル発生装置は一対以上の導体をさらに含みうる。導体の各対は、消耗品の導電性部分によって「短絡」または「開いた」ままにされるように構成されてもよく、導体の対によって画定される回路の完成を用いて、消耗品を判定、または識別しうる。例えば、消耗品がエアロゾル発生装置のインターフェースによって受けられた時に、一対以上の導体が消耗品の一つ以上の導電性部分と選択的に電気的に結合可能であると記載されうる。
【0034】
エアロゾル発生装置のコントローラは、一対以上の導体に動作可能に結合され、消耗品がインターフェースによって受けられた時に、一対以上の導体と一つ以上の導電性部分とによって画定される一つ以上の回路の完成に基づいて消耗品を識別するように構成されうる。従って、エアロゾル発生装置および消耗品を使用して消耗品を識別する例示の方法は、エアロゾル発生装置のインターフェースを使用して消耗品を受けることと、消耗品がエアロゾル発生装置のインターフェースによって受けられた時に、エアロゾル発生装置の一対以上の導体と消耗品の一つ以上の導電性部分とによって画定される一つ以上の回路の完成に基づいて消耗品を識別することと、を含みうる。
【0035】
より具体的には、一つ以上の回路のそれぞれは、その完成についてチェックされうる。一つ以上の回路のタイプおよび構成に応じて、コントローラまたは別の装置は、各回路を反復的にチェックしてもよく、または、それから測定される一つ以上の電気的パラメータまたは特性に応じて一つ以上の回路のうちのいずれが「開いている」または「閉じている」かを判定してもよい。例えば、様々な電圧および抵抗が一つ以上の回路の一つ以上のノードから測定されて、一つ以上の回路のうちのいずれが「開いている」または「閉じている」かを判定しうる。さらに、例えば、エアロゾル発生装置は、一つ以上の回路の間で切り替えて、一つ以上の回路のそれぞれを個々にまたは一緒に分析しうる電気回路を含みうる。
【0036】
本明細書に記載する通り、消耗品の一つ以上の導電性部分の数(例えば、量)、位置、サイズ、およびさらに構成は、消耗品がエアロゾル発生装置とインターフェースした時に、エアロゾル発生装置の一つ以上の回路のうちのいずれが「開いている」または「閉じている」かを判定しうる。さらに、異なる各消耗品は、各消耗品がそれら自体の一つ以上の導電性部分によって識別されうるように、その一つ以上の導電性部分の異なる数(例えば、量)、位置、サイズ、およびさらに構成を有しうる。言い換えれば、一つ以上の導電性部分は、消耗品がインターフェースによって受けられた時に、一つ以上の回路の異なる回路を完成するように、消耗品のタイプに応じて消耗品の周りの異なる位置に異なるサイズ等を有して位置付けられうる。従って、各消耗品は、消耗品のそれぞれが、それらの異なる導電性部分の構成によって区別されうるように、異なる導電性部分の構成(例えば、導電性部分の異なる量、または数、導電性部分の異なる位置、導電性部分の異なるサイズ等)を有しうる。
【0037】
一実施例では、エアロゾル発生装置は、電圧を一対以上の導体のそれぞれの第一の導体に印加し、一対以上の導体のそれぞれの第二の導体を接地させる、電気回路を含みうる。消耗品がインターフェースによって受けられた時に、一対以上の導体と一つ以上の導電性部分とによって画定される一つ以上の回路の完成は、第一の導体上で感知される電圧の状態が変わる時に判定されうる。このように、導体の対のそれぞれ、そしてそれ故にそれによって画定される回路は、同時または反復的のいずれかで試験されうる。
【0038】
別の実施例では、消耗品の導電性部分は、導体の対によって画定される回路を完成し、それによって回路内に位置する抵抗をバイパスし、回路の電気的特性または値を分析することで、回路のうちのいずれが「開いている」または「閉じている」かが判定されうる。例えば、エアロゾル発生装置は、一対以上の導体のそれぞれの第一の導体と第二の導体との間に抵抗を印加する電気回路を含みうる。消耗品がインターフェースによって受けられた時に、一つ対以上の導体と一つ以上の導電性部分とによって画定される一つ以上の回路の完成は、回路の第一の導体と第二の導体との間に印加された抵抗をバイパスしうる。
【0039】
さらに、一実施形態では、電気回路は、一対以上の導体のそれぞれの第一の導体と第二の導体との間に異なる抵抗を画定または印加してもよく、一対以上の導体のそれぞれおよび各対の第一の導体と第二の導体との間に印加される抵抗は、直列に電気的に結合されて、第一のノードから第二のノードに延びる。電圧を第一のノードに印加して第二のノードで測定し、消耗品がインターフェースによって受けられた時に、一つ以上の回路のうちのいずれが一つ以上の導電性部分によって完成されるかを判定しうる。例えば、合計抵抗値は、導体の対によって画定される直列回路に沿って判定されてもよく、導体の各対間には異なる抵抗が印加されるため、合計抵抗を使用して、導体の対のうちのいずれが「開いている」または「閉じている」かを判定しうる。例えば、メモリ内に保存された表または式を使用して、合計抵抗値に基づいて、導体の対のうちのいずれが「開いている」または「閉じている」かを判定しうる。なおもさらに、別の実施形態では、一対以上の導体のそれぞれおよび各対の第一の導体と第二の導体との間に印加される抵抗は、直列で電気的に結合されて、第一のノードから第二のノードに延び、電圧が第一のノードに印加され、電圧が一対以上の導体の各対の第二の導体で測定されて、消耗品がインターフェースによって受けられた時に、一つ以上の回路のうちのいずれが一つ以上の導電性部分によって完成されるかを判定しうる。
【0040】
これらの実施形態のいずれか、または本明細書に記載の別の実施例では、導体の対の一部が導体を共有してもよい。例えば、例示的なエアロゾル発生装置は、二対の導体を含んでもよく、導体の対のそれぞれが一つの共有導体を含んでもよい。
【0041】
また、消耗品とエアロゾル発生装置との間のインターフェースは、「キー式」または「非キー式」でありうる。「キー式」インターフェースでは、消耗品は、消耗品の識別のために、消耗品の一つ以上の導電性部分が位置しうる領域または位置をエアロゾル発生装置の一対以上の導体の位置と整列させるように、特定の向きまたは位置でエアロゾル発生装置とインターフェースするのみでありうる。エアロゾル発生装置の「キー式」インターフェースは、消耗品に対応する一つ以上の接続要素によって画定されて、消耗品がインターフェースによって受けられた時に、エアロゾル発生装置に対する単一の位置に消耗品の少なくとも一部を位置付けうる。
【0042】
「非キー式」インターフェースでは、消耗品は、消耗品の識別のために、消耗品の一つ以上の導電性部分が位置しうる領域または位置およびエアロゾル発生装置の一対以上の導体の位置を位置付ける、またはこれらを整列させるように、任意の向きまたは位置でエアロゾル発生装置とインターフェースしうる。エアロゾル発生装置の「非キー式」インターフェースは、マルチ位置コネクタを画定して、消耗品がインターフェースによって受けられた時に、消耗品の少なくとも一部分をエアロゾル発生装置に対して複数の異なる位置に位置付けることを可能にしうる。
【0043】
一つ以上の導電性部分に基づいて消耗品を識別する場合の「非キー式」インターフェースの使用を容易にするために、エアロゾル発生装置の一つ以上の導体および一つ以上の導電性部分は、導電性部分が、「非キー式」インターフェースにおける位置付けに関係なく、エアロゾル発生装置の様々な導体の対を「開く」または「閉じる」ことを可能にする、位置、長さ、およびサイズなどの様々な特徴を画定しうる。言い換えれば、「非キー式」インターフェースにおけるエアロゾル発生装置に対する消耗品の位置は、エアロゾル発生装置の一つ以上の導体および消耗品の一つ以上の導電性部分が、「非キー式」インターフェースによって提供される様々な位置付けを克服するように構成されているため、消耗品の識別に影響を及ぼさない。
【0044】
一つ以上の実施形態では、導体の間隔距離は、エアロゾル発生装置の一対以上の導体の各対の第一の導体と第二の導体との間に画定され、対の間隔距離は、一対以上の導体の対間に画定されうる。一つ以上の導電性部分のそれぞれは、一対以上の導体の導体の三つの導体の幅、導体の間隔距離の二つ、および対の間隔距離の合計以上である導電性部分の長さに沿って延び、例えば、「非キー式」インターフェースによって提供される様々な位置付けを克服しうる。
【0045】
一つ以上の実施形態では、消耗品は発熱体を含み(エアロゾル発生装置の反対側に、またはエアロゾル発生装置と共に)、エアロゾル生成基体からエアロゾルを発生してもよい。この実施形態では、エアロゾル発生装置の電源は、消耗品の発熱体に動作可能に結合され、消耗品がインターフェースによって受けられた時に、少なくとも一対の導体を介して発熱体に電力を提供しうる。エアロゾル発生装置のコントローラは、消耗品がインターフェースによって受けられた時に、一対以上の導体と一つ以上の導電性部分とによって画定される一つ以上の回路の完成に基づいて消耗品の発熱体を識別するように構成されうる。
【0046】
一実施例では、一つ以上の導電性部分は、反復的に試験され、または分析されて、導電性部分のうちのいずれが消耗品のヒーターに電気的に結合されるかを判定してもよく、導電性部分のうちのいずれがヒーターに電気的に結合されるかが判定されると、こうした導電性部分は、エアロゾルの生成に使用するために電気をヒーターに伝達するために、電源に電気的に結合されうる。一つの事例では、およびより具体的には、電源は、対の導体のそれぞれの第一の導体に選択的に電気的に結合されうる。エアロゾル発生装置は、電源を導体の対の第一の導体に連続的に電気的に結合して、導体の対のそれぞれの第一の導体に電圧を印加する電気回路を含みうる。消耗品がインターフェースによって受けられた時に、一対以上の導体と一つ以上の導電性部分とによって画定される一つ以上の回路の完成は、導体の対のそれぞれの第二の導体上で感知される電圧の状態が変わる時に判定されうる。
【0047】
別の事例では、そしてより具体的には、電源は、導体の対のそれぞれの第一の導体に選択的に電気的に結合されうる。エアロゾル発生装置は、電源を導体の対のそれぞれの第一の導体に連続的に電気的に結合して、電圧を第一の導体に印加する電気回路を含みうる。消耗品がインターフェースによって受けられた時に、一対以上の導体と一つ以上の導電性部分とによって画定される一つ以上の回路の完成は、第二の導体の第二の導体上で感知される電圧の状態が変わる時に判定されうる。
【0048】
消耗品が識別されると、エアロゾル発生装置は一つ以上の工程または動作を実行しうる。例えば、エアロゾル発生装置の一つ以上の動作特性は、識別された消耗品に基づいて選択または変更されて、効果的かつ効率的なエアロゾル発生のための消耗品の仕様に応じて、例えばエアロゾルを発生しうる。さらに、識別に基づいて、エアロゾル発生装置は、真正情報、使用期限、および製造場所のうちの一つ以上などの、消耗品についての様々な情報を判定しうる。
【0049】
別の実施例では、こうした情報は、消耗品の一つ以上の導電性部分のサイズ、配置、および構成でコードされうる。言い換えれば、識別に加えて、または識別の代わりに、一つ以上の導電性部分から判定されうる。従って、エアロゾル発生装置は、消耗品の一つ以上の導電性部分を使用して完成された一つ以上の回路に基づいて、例えば、真正情報、使用期限、および製造場所などの、消耗品についての様々な情報を判定するように構成されうる。さらに、消耗品が識別されると、エアロゾル発生装置は、消耗品の識別、または識別された消耗品をユーザーインターフェース装置に通信しうる。
【0050】
本発明は、ユーザーインターフェース装置を含みうる。ユーザーインターフェース装置は、携帯電話であることが好ましい。別の実施形態では、ユーザーインターフェース装置はスマートウォッチである。一般に、ユーザーインターフェース装置は、ユーザーによってインタラクトされることが可能なグラフィカルユーザーインターフェースを提供するディスプレイを含む任意の電子機器として記載されうる。ユーザーインターフェース装置は、例えば、少なくともテレメトリ回路およびアンテナなどの、エアロゾル発生装置、サーバ、ネットワーク装置、パーソナルコンピュータおよびこれに類するものなどの他の装置と、およびインターネットおよびこれに類するものなどの他のネットワークと双方向通信するための、通信インターフェースを含む。より具体的には、データおよびコマンドは、通信インターフェースを使用して、ユーザーインターフェース装置と他の装置またはネットワークとの間のアップリンクテレメトリまたはダウンリンクテレメトリ中に伝送および受信されうる。少なくとも一実施形態では、通信インターフェースは、例えば、Bluetooth、Wi-Fi、極超短波(UHF)帯における任意のプロトコル、センチメートル波(SHF)帯における任意のプロトコル、低周波等の一つ以上の無線(例えば、無線周波数)データ送信プロトコルを使用する無線インターフェースである。ユーザーインターフェース装置のコントローラおよび通信インターフェース装置は、本明細書に記載のエアロゾル発生装置と類似したものでもよい。言い換えれば、電子的インテリジェンスは、ユーザーインターフェース装置およびエアロゾル発生装置の一方または両方の一部としうる。
【0051】
ユーザーインターフェース装置は、ディスプレイを介したデータの出力のためにコントローラに動作可能に結合されるディスプレイをさらに含みうる。ディスプレイはさらに、ユーザーがインタラクト可能な、グラフィカルユーザーインターフェースを記述する、およびユーザーがインタラクト可能な、グラフィカルユーザーインターフェースとして使用されるように構成されうる。グラフィカルユーザーインターフェースおよびディスプレイは、タッチスクリーンを備えうる。グラフィカルユーザーインターフェースは、グラフィカルユーザーインターフェースが、ユーザーがディスプレイ上でデータを視認および操作することを可能にして、ユーザーがユーザーインターフェース装置とインタラクトすることを可能にし、ユーザーがエアロゾル発生装置、およびこれに類するものとインタラクトすることを可能にするように構成されうるために、ユーザーがインタラクト可能であるものとして記載されうる。
【0052】
エアロゾル発生装置は、ユーザーインターフェース装置と通信して、識別された消耗品についての情報をユーザーインターフェース装置に伝送してもよい。例えば、エアロゾル発生装置は、消耗品の識別をユーザーインターフェース装置に伝送しうる。次に、ユーザーインターフェース装置は、識別された消耗品に関する情報を、ユーザーが見えるように表示しうる。さらに、ユーザーインターフェース装置は、エアロゾル発生装置の使用、およびエアロゾル発生装置によって使用される消耗品の量およびタイプを記録および監視しうる。
【0053】
また、ユーザーインターフェース装置はさらに、インターネットなどのネットワーク上で別のコンピューティング装置(例えば、サーバ)から消耗品に関する情報を要求しうる。例えば、エアロゾル発生装置は、消耗品の識別をユーザーインターフェース装置に伝送してもよく、ユーザーインターフェース装置は、インターネット上でサーバから消耗品についてのさらなる情報を要求してもよい。こうした情報を受信すると、ユーザーインターフェース装置は、該情報をユーザーのレビューのために表示してもよい。
【0054】
消耗品の識別を使用して、例えば、エアロゾル発生装置の電力をエアロゾル形成基体の特定の特性(例えば、一部の基体は、エアロゾルを生成するのに特定の熱曲線を使用しうる、エアロゾルを送達するために特定の温度に達する、過度に加熱されるべきではない等)、または消耗品自体の特性(例えば、消耗品のサイズ、いくつのヒーターを使用しうるか等)に適合させる、エアロゾル発生装置またはエアロゾル発生装置にリンク付けされたその他の電子機器に消耗品のエアロゾル形成基体についての情報を表示または伝送する(例えば、消耗品の試験の場合に、ユーザーの消費/好みを記録する、エアロゾル形成基体を記憶/識別するために、ユーザーの形態電話に情報を伝送する等)、および消耗品の情報をチェックする(例えば、偽造製品を防止する、エアロゾル形成基体の使用期限をチェックするため等)などの、一つ以上の工程を実施しうる。
【0055】
一つの実施形態は、エアロゾル発生装置内にその電池および主要な電子部品を有する少なくとも一つの電子回路があるように、一緒に接続されうる、エアロゾル発生装置と消耗品とを含むものとして記載されうる。消耗品がエアロゾル発生装置に接続される時、少なくとも一つの電子回路は、消耗品上の一つ以上の導電性部分によって閉じられうる少なくとも一つのその導体を有しうる。さらに、少なくとも一つの電子回路は、その導体のうちのいずれが消耗品の一つ以上の導電性部分によって閉じられるかを判定し、この情報をエアロゾル発生装置に伝送してもよく、この情報を使用して、消耗品または消耗品の特性を識別しうる。
【0056】
本発明はさらに、その結果、エアロゾル発生装置および消耗品が一緒に差し込まれた時に、エアロゾル発生装置が、エアロゾル発生装置の回路の導体のうちのいずれが消耗品の導電性部分によって閉じられるかを読み取り、そのようにすることで、消耗品の特性値を判定しうるように、消耗品の一つ以上の特性または値が、消耗品上の一つ以上の導電性部分を使用することでコードされることを可能にするものとして記載されうる。次に、コードされた情報を使用して、エアロゾル発生装置の機能を消耗品に適合させて、消耗品に関連する情報等を伝送しうる。
【0057】
一つ以上の実施形態では、本発明の全体的な構造は以下の通り説明されうる。エアロゾル発生装置と消耗品とが一緒に差し込まれた時に「接触している」エアロゾル発生装置のゾーンおよび消耗品のゾーンがありうるが、これが「接触」ゾーンと呼ばれうる。こうした接触ゾーンは、例えば、消耗品がエアロゾル発生装置内に差し込まれた時にエアロゾル発生装置の端が消耗品の端と重なる実施例では、エアロゾル発生装置の端の内側表面および消耗品の端の外側表面でありうる。エアロゾル発生装置の接触ゾーンおよび消耗品の接触ゾーンは、非導電性材料、例えば、誘電特性を有する材料からなってもよい。
【0058】
エアロゾル発生装置上に示される接触ゾーンには、結合領域の対または組のアレイがあってもよく、結合領域に関連付けられて電気的に結合された導体の対または組のアレイを含むエアロゾル発生装置上に少なくとも一つの電子回路があってもよい。さらに、こうした結合領域は、各領域が、導体の対のそれぞれが終了する、または、導体のそれぞれがエアロゾル発生装置上の接触ゾーンにおいて不連続となるように中断する場所として記載されうるように構成されうる。なおもさらに、エアロゾル発生装置の少なくとも一つの電子回路は、導体の対のそれぞれに対して、導体の対が一緒に接続されているかどうかを判定できうる。同様に、消耗品上の接触ゾーンには、各導電性部分がエアロゾル発生装置の一つ以上の結合領域の対に関連し、エアロゾル発生装置の導体の対に関連する結合領域が消耗品の導電性部分によって覆われて接続され、そして導電性部分の数がエアロゾル発生装置の結合領域の対の数に等しいように、導電性部分のアレイがある。一つ以上の実施形態では、エアロゾル発生装置および消耗品のうちの一つ以上について、導電性部分または結合領域のうちの一つ以上は、正方形の表面であってもよく、正方形の表面を画定してもよい。さらに、一つ以上の実施形態では、結合領域の端の長さは導電性部分の長さと幅との間の最小寸法に等しくてもよい(そのため、結合領域は導電性部分によって覆われる)。
【0059】
さらに、エアロゾル発生装置と消耗品とが接続された時に、エアロゾル発生装置の結合領域と消耗品の結合領域が接触して重なるものと記載されうる。このような構成では、消耗品とエアロゾル発生装置とが接続された時、かつ消耗品上に少なくとも一つの導電性部分がある場合、導電性部分は、エアロゾル発生装置の側面上の少なくとも一対の導体を閉じうる。
【0060】
本明細書で使用されるすべての科学的および技術的な用語は、別途指定のない限り、当業界で一般に使用される意味を有する。本明細書で提供されている定義は、本明細書で頻繁に使用される特定の用語の理解を容易にするために提供されている。本明細書で使用される単数形(「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」)は、複数形の対象を有する実施形態を包含するが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。「または」は本明細書で使用される場合、一般的に、その内容によって明らかにそうでないことが定められている限り、「および/または」を含めた意味で使用される。本明細書で使用される「有する、持つ(have)」、「有している、持っている(having)」、「含む(include)」、「含まれる(including)」、「備える(comprise)」、「備える(comprising)」、またはこれに類するものは制約のない意味で使用され、概して「含むが、これに限定されない」を意味する。当然のことながら、「から本質的に成る(consisting essentially of)」、「から成る(consisting of)」、およびこれに類するものは、「含む(comprising)」およびこれに類するものに包摂される。「好ましい」および「好ましくは」という語は、ある特定の状況下で、ある特定の利点をもたらす場合がある本発明の実施形態を指す。しかしながら、同一のまたはその他の状況下で、その他の実施形態もまた好ましいものである場合がある。その上、一つ以上の好ましい実施形態の列挙は、その他の実施形態が有用ではないことを暗示するものではなく、また特許請求の範囲を含む本開示の範囲からその他の実施形態を除外することを意図しない。
【0061】
本開示に記載の一つ以上の態様を描写する図面をこれから参照する。ただし、図面に描かれていないその他の態様が本開示の範囲および精神に則るものと理解される。図内で使用されている類似の番号は、類似の構成要素、工程、およびこれに類するものを指す。しかし当然のことながら、所与の図内で一つの構成要素を指すために一つの番号を使用することは、別の図内で同一の番号が付けられた構成要素を制限することを意図するものではない。加えて、異なる図内で構成要素を指すための異なる番号の使用は、異なる番号の付いた構成要素を他の番号の付いた構成要素と同一または類似のものとすることはできないと示すことを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0062】
図1図1は、例示のエアロゾル発生装置100の概略断面図である。
図2図2A~2Bは、消耗品204とインターフェースする例示のエアロゾル発生装置200の概略断面図である。
図3図3は、消耗品の識別に使用するためのエアロゾル発生装置の例示の回路250の図である。
図4図4は、消耗品の識別に使用するためのエアロゾル発生装置の別の例示の回路270の図である。
図5図5は、消耗品の識別に使用するための図4の回路の導体の対に対応する例示の合計抵抗値を図示する表280である。
図6図6は、消耗品の識別に使用するためのエアロゾル発生装置の別の例示の回路290の図である。
図7図7は、消耗品310とインターフェースする例示のエアロゾル発生装置300の部分透視斜視図である。
図8図8は、消耗品310とインターフェースする例示のエアロゾル発生装置300の概略断面図である。
図9図9は、消耗品310とインターフェースする例示のエアロゾル発生装置300の側面斜視図である。
図10図10は、消耗品410とインターフェースする例示のエアロゾル発生装置400の部分透視斜視図である。
図11図11は、消耗品の識別に使用するためのエアロゾル発生装置400の例示の回路430の図である。
図12図12は、消耗品の識別に使用するためのエアロゾル発生装置400の別の例示の回路431の図である。
図13図13は、エアロゾル発生装置によって使用される消耗品の識別に使用するための例示のシステム500のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0063】
図示の通り、例示的なエアロゾル発生装置100は、熱源を消耗品104に提供して、吸入可能なエアロゾルを生成するように構成された、ヒートスティックおよびヒーター134などの消耗品104を受けるためのくぼみ132を含みうる。言い換えれば、エアロゾル発生装置100は、内側にたばこ葉化合物を有するスティックである消耗品104内に挿入されうる「ブレード」134を含みうる。エアロゾル発生装置100は、一つ以上のプロセッサおよび関連するメモリを備えるコントローラ128をさらに含む。コントローラ128は、ヒーター134に動作可能に結合されて、ヒーターを動作させうる。コントローラ128は、例えば、ユーザーインターフェース装置と通信するための、例えば、無線通信インターフェースなどの通信インターフェースをさらに含みうる。コントローラ128の通信インターフェースは、好ましくはBluetoothインターフェースを含みうる。エアロゾル発生装置100は、電源126をさらに含みうる。エアロゾル発生装置100は、コントローラ128に動作可能に結合されてユーザーが視認しうる情報を図示するディスプレイ112をさらに含みうる。ディスプレイ112は、消耗品104に関する様々な情報を示す液晶ディスプレイ(LCD)であってもよい。さらに、ディスプレイ112は、消耗品104に関する様々な情報を示す一つ以上の発光ダイオード(LED)を含みうる。
【0064】
この例示のエアロゾル発生装置100は、ヒートスティックなどの固体消耗品を使用するように構成された装置であるが、エアロゾル生成基体を使用してエアロゾルを発生するように構成された任意のエアロゾル発生装置は、本明細書に記載の本発明を使用してもよく、または本明細書に記載の本発明によって使用されうることが理解される。エアロゾル発生装置の多くのその他の実施例は、例えば、液体エアロゾル生成基体のための液体貯蔵部分を有する消耗品を使用する装置など、本発明で使用可能でありうる。さらに、例えば、この装置は、喫煙デバイスである必要はない。なおもさらに、エアロゾル生成基体は、ガス基体などの他の基体の形態である場合がある。なおもさらに、発熱体は、選択した形態またはタイプのエアロゾル生成基体からのエアロゾルの生成または発生を提供するよう任意の適切な形態をとりうる。なおもさらに、ハウジングの全体的な形状およびサイズを変更してもよく、ハウジングが分離可能なシェルおよびマウスピースを含んでもよく、またその他の変形も可能である。
【0065】
例示的なエアロゾル発生装置、例示的な消耗品、およびそれらの構成要素を、図2~12に図示および例示する。図2A~2Bにおいて、例示のエアロゾル発生装置200は、消耗品210とインターフェースしている。図2Aにおいて、エアロゾル発生装置200および消耗品210は隙間を介しており、エアロゾル発生装置200の接触ゾーン201および消耗品210の接触ゾーン211は、平面の表面として表されている。図示の通り、エアロゾル発生装置200は、三つの導体203の対202を含む。導体203のそれぞれは、接触ゾーン201内に位置する結合領域204を含む。言い換えれば、導電線または導体203のアレイ、および結合領域204のアレイがあると記載されうる。導体203は、電子回路209に接続され、そこから結合領域204に延びうる。
【0066】
消耗品210の接触ゾーン211上には、一つ以上の導電性部分212がある。導電性部分212のそれぞれは、導電線214によって結合されている、または結合されていない結合領域215を含みうる。図示の通り、消耗品210の接触領域215は、図2Bに示すように消耗品210がエアロゾル発生装置200とインターフェースする時に、消耗品の結合領域215がエアロゾル発生装置200の結合領域204に接触しうる、または触れうるように、エアロゾル発生装置200の結合領域204と整列しうる。
【0067】
図2Bにおいて、エアロゾル発生装置200の導体203の対202のうちの二つは、消耗品210の導電性部分212によって電気的に結合されている。言い換えれば、エアロゾル発生装置200と消耗品210が接続され、接触ゾーン201、211は、消耗品210の導電性部分212がエアロゾル発生装置200の導体203の一部の結合領域204と重なって導体203の二つの対202を接続するように重なっており、これは、回路209によって検出されうる。
【0068】
この、またはその他の実施形態では、エアロゾル発生装置200の電子回路209は、導体203のうちのいずれの対202が一緒に接続されたその電線を有するかを判定することができ、この情報を消耗品210の特性値として使用しうる。エアロゾル発生装置200の構成に応じて、その後この情報は、電子回路209によって直接使用されてもよく(例えば、情報が消耗品210の加熱温度に関連し、電子回路209が消耗品210の加熱プロセスを制御する場合)、または、バスによってエアロゾル発生装置200の別の電子部品に送信されて使用されてもよい(例えば、情報がエアロゾル発生装置200の外部表面上、またはエアロゾル発生装置200に無線接続された携帯電話上に表示される場合)。
【0069】
消耗品の識別に使用するための例示の回路250が図3に図示される。図示の通り、エアロゾル発生装置の電子回路250は、その入力/出力導体または電線254、255、256、257のレベルをチェックするマイクロコントローラ252を含みうる。図中には四つのI/O導体または電線254、255、256、257があるが、この数は実施形態に応じて変動しうることが理解される。消耗品がエアロゾル発生装置に接続されていない場合、これらのI/O導体254、255、256、257は、電圧V+にある。
【0070】
各I/O導体254、255、256、257は、電子回路250内に含まれ、それらと関連付けられる、不連続な導体264、265、266、267の対または組を有する。例えば、一対の導体265は、I/O導体255と関連付けられる、またはI/O導体255に関連する。各I/O導体254、255、256、257は、それらに関連付けられた導体の対264、265、266、267の短絡の場合に、高い状態から低い状態となり(例えば、消耗品の導電性部分に起因して)、この状態変化は、マイクロコントローラ252によって監視されうる。
【0071】
従って、消耗品がエアロゾル発生装置のインターフェースによって受けられた時に、消耗品の導電性部分が回路250の対264、265、266、267のうちの一つ以上と接触して電気的に結合してもよく、マイクロコントローラ252は、消耗品から情報が判定されうるように、対264、265、266、267、次にI/O導体254、255、256、257のうちのいずれが「生きているか」を判定しうる。
【0072】
消耗品の識別に使用するためのエアロゾル発生装置の別の例示の回路270が図4に図示される。図示の通り、マイクロコントローラ272は、直列に電気的に結合されたいくつかの抵抗器R1、R2、R3、R4、R5に接続されている。実際には、抵抗器R1、R2、R3、R4、R5を接続するV+電線は、トランジスタおよびマイクロコントローラ272を通って電源に接続されうる。この場合、マイクロコントローラ272は、測定が必要ではない時にはこれらの電線内の電流をカットオフし、電力消費を減少させることが可能となりうる。本実施形態では導体274、275、276、277の四つの対または組が図示されているが、同一の種類の実施形態を使用している間に導体の対の数は変化しうることが理解される。
【0073】
マイクロコントローラ272から外に出る導体または電線279は、下流へは抵抗器R5に進んで接地(GND)され、上流へは直列のいくつかの抵抗器R1、R2、R3、R4に進み、その結果、これらの4つの抵抗器のそれぞれは、それぞれの不連続な導体274、275、276、277に関連する。例えば、抵抗器R1は、導体274の対に関連しており、これにより、導体274の対が消耗品の導電性部分によって短絡している時に、抵抗器R1が短絡する。
【0074】
この図では、マイクロコントローラ272は、電線279上の電圧V1を測定することから開始しうる。電力消費を制限するための、本明細書に例示するオプションは、検出前にマイクロコントローラ272によってトランジスタ284をスイッチオンすることである。抵抗器R5の値は既知であるため、循環している電流Iは、I=V1/R5(オームの法則)によって判定されうる。電流を知ることで、ポイント285と286との間の実際の合計上流抵抗Rtは、Rt=(V+)/Iとして判定されうる。直列の上流抵抗器R1、R2、R3、R4のRtは、上流抵抗の合計であるため、それらのそれぞれに対するRtは、抵抗器が短絡していない場合は抵抗器の値に等しく、短絡している時は0に等しい。
【0075】
四つの上流抵抗器R1、R2、R3、R4に対して適切な値(抵抗器R1、R2、R3およびR4のそれぞれに対して異なる抵抗値など)を使用することにより、Rtを知ることで、マイクロコントローラ272は、これらの四つの抵抗器R1、R2、R3、R4のうちのいずれが短絡しているかを判定することが可能になりうる。例えば、表または式を使用して、これらの四つの抵抗器R1、R2、R3、R4のうちのいずれが短絡しているかを判定しうる。消耗品の識別に使用するための図4の回路の導体274、275、276、277の対に対応する、例示の合計抵抗値Rtを図示する表280を図5に図示する。図示の通り、表280を使用して、計算された値Rtに応じて、また以下の標準的な抵抗器の値、R1=100K、R2=47K、R3=22K、およびR4=10Kを使用して、導体の対のうちのどれが短絡しているかを判定しうる。表中、「X」は短絡がないことを意味し、「X」がないことは短絡していることを意味する。従って、「X」は、導体の対に電気的に結合された消耗品の導電性部分がないことを意味し、「X」がないことは、消耗品の導電性部分が導体の対に電気的に結合していることを意味する。表280は七つの抵抗Rt値、および関連する短絡または非短絡の組み合わせのみを図示しているが、表は、全ての考えられる合計抵抗Rt値、および導体274、275、276、277の対の関連する短絡または非短絡の組み合わせを含みうる(省略記号で示すように)ことが理解される。
【0076】
上流抵抗器R1、R2、R3およびR4のグループに対する適切な値は、全てのR(i)*W(i)の合計Sを知ることで、各W(i)の値を知ることが可能となるような値であり、ここでR(i)は抵抗器iの上流抵抗値であり、W(i)はランダムに0または1に等しい重みである。例えば、R(i+1)=2*R(i)である場合、全てのR(i)*W(i)の合計Sを知ることで全てのW(i)の値が得られる。W(i)が0に等しい場合、関連する抵抗器は短絡している。
【0077】
さらに、本実施形態では、導体274、275、276、277の連続した対は、直列接続された回路270の性質に起因して、導体を共有しうる。例えば、上流対274、275、276、277の最後の電線が、次の下流対274、275、276、277の最初の線と融合されうる。例えば、対274の導体281は、対275の導体282と融合してもよく、これは、装置上にコンパクトな回路270を生成するのに役立ちうる。
【0078】
消耗品の識別に使用するためのエアロゾル発生装置の別の例示の回路290が図6に図示される。図示の通り、回路290は、図4の回路270の変形として図示されており、導体または電線291、292、293は、マイクロコントローラ272から出て上流抵抗器経路へと進み、抵抗器R1、R2、R3、R4のそれぞれの間の電圧差を直接評価する。電圧差が0である場合、それは、抵抗器、従ってそれに関連する導体の対が短絡していることを意味する。例えば、導体279と293との間の電圧差がヌルである場合、それは、電線277の対または組が短絡していることを意味する。こうした実施形態では、短絡は抵抗の合計によってではなく、抵抗器間の電圧の直接評価によって判定されるため、異なる値を有する抵抗器を有することは必須ではない。
【0079】
例示のエアロゾル発生装置および消耗品は、「キー式」または「非キー式」の結合を有しうる。「キー式」の結合構成では、消耗品は、エアロゾル発生装置内に一方向にのみ接続/差し込まれうる。こうした「キー式」の構成では、エアロゾル発生装置と消耗品とが接続される時に、消耗品の導電性部分の結合領域をどこにするかの配置は、エアロゾル発生装置の結合領域と接触するように、事前に行われており既知である。
【0080】
例えば、消耗品上に四対の結合領域C1、C2、C3、C4、および四つのエアロゾル発生装置上に四対の導体のL1、L2、L3、L4がある場合、消耗品をエアロゾル発生装置内に差し込む時、消耗品の結合領域の一部の二つの結合領域間の導電線は、エアロゾル発生装置の導体の対によって判定される短絡回路にある。この場合、エアロゾル発生装置の四つの対の導体について、2 exp(4)=16の考えられる組み合わせがあり(それぞれは短絡している場合もしていない場合もある)、そのため、16の異なるいくつかの情報がエアロゾル発生装置によって消耗品の導電性部分から判定されて、消耗品の特性を識別しうる。
【0081】
消耗品310とインターフェースしている例示のエアロゾル発生装置300の部分透視斜視図が図7に図示される。図示の通り、エアロゾル発生装置300は、「電子たばこ」であってもよく、消耗品310は、カートリッジの内側にあるeリキッドが加熱されうるように、エアロゾル発生装置300内に差し込まれうる、eリキッドを充填されたカートリッジでありうる。消耗品310は、エアロゾル発生装置300とのキー式の接続を有する、または画定してもよく、エアロゾル発生装置300内に差し込まれるようにされる、または構成され、その結果、エアロゾル発生装置300の接触ゾーン301および消耗品310の接触ゾーン311は、消耗品310の導電性部分がエアロゾル発生装置300の一対以上の導体と接触しうるように、接触して一緒に結合される。より具体的には、消耗品310の接触ゾーン311の外側表面が、エアロゾル発生装置300の接触ゾーン301の内側表面と接触して結合されうる。
【0082】
さらに、本実施形態では、消耗品310は、接触ゾーン311の側面上に三つの導電性部分312、313、314を含み、これらは、エアロゾル発生装置300上で利用可能な四つの導体の対中、エアロゾル発生装置300の接触ゾーン301上の三対の導体302、303、304を短絡しうる。
【0083】
消耗品およびエアロゾル発生装置がキー式の接続を有さない実施例では、エアロゾル発生装置と消耗品とが一緒に差し込まれた時に、エアロゾル発生装置のいずれの領域および消耗品のいずれの領域が接触ゾーンにおいて重なりうるかを事前に明確にすることはできない場合がある。こうした実施例において、好ましい実施形態では、エアロゾル発生装置上の導体の対は、エアロゾル発生装置の接触ゾーンの周辺部に沿って規則的なパターンをなしてもよく、その結果、導体の全ての対について、電線の二つの対間の間隔はL1、同一の導体の対の二つの導体間の間隔はL2、そして導体の幅はL3に等しくなる。そのようにすることで、導体の対の二つの導体とこれらの二つの導体のみを接続するために、消耗品上の導電性部分は、長さL=L1+(2xL2)+(3xL3)を有し、これは、以下に示すように、エアロゾル発生装置および消耗品が差し込まれる時のエアロゾル発生装置に対する消耗品のいかなる最終位置にも当てはまる。こうした実施例では、導電性部分の長さはLまたはLの倍数でありうる。導電性部分の長さがnxLである場合、エアロゾル発生装置の導体のn個の対があり、これらは、消耗品の導電性部分によって短絡されうる。
【0084】
図8に示す通り、エアロゾル発生装置300および消耗品310はわずかに隙間を介しており、エアロゾル発生装置300の接触ゾーン301と消耗品310の接触ゾーン311は、平面の表面として表されている。エアロゾル発生装置300の接触ゾーン301上には、本明細書に示す寸法L1、L2、L3を有する対の導電線302、303、304のアレイがある。消耗品310の接触ゾーン311上には、導電性部分または電線312のアレイがあり、その結果、電線の一部は、長さL=L1+(2xL2)+(3xL3)を有し、それらが、かみ合った時のエアロゾル発生装置300に対する消耗品310の位置に関係なく、導体の対302、303、304のうちの少なくとも一つを短絡させることを可能にする。言い換えれば、いかなる最終位置でも、消耗品310およびエアロゾル発生装置300は、それらの接触ゾーン301、311が接触してかみ合い、エアロゾル発生装置300上の導体の同一の対の二つの導体のみが短絡しうるように、一緒に結合された時に互いに対している。
【0085】
こうした実施形態では、エアロゾル発生装置300の電子回路は、短絡した導体の対の数を数えることができ、これは、消耗品310の特性値(例えば、消耗品の識別)を読み取るのに使用されうる情報である。消耗品310の導電性部分または電線がすべて同一の長さLを有する場合、エアロゾル発生装置300上の閉じている導体の対の数は、消耗品310上の導電性部分の数と等しくなりうる。こうした方法で読み取られうる考えられる異なるいくつかの情報(例えば、識別子)は、接触ゾーンの寸法、ならびに、使用される材料およびエアロゾル発生装置装置および消耗品の性質に応じて異なりうる導電性部分の寸法公差に関連する。
【0086】
エアロゾル発生装置と消耗品との間にキー式の接続がないこうした種類の実施形態の一部の実施例は以下の通りである。第一の実施例では、エアロゾル発生装置物品は、ブレードを加熱する装置であってもよく、これは、消耗品としての役割を果たすたばこスティック内に挿入される。この実施例では、たばこスティックは管状であり、その長軸方向軸に沿った任意の種類の回転後にブレード上に挿入されてもよく、そのため、スティックはエアロゾル発生装置とのキー式の接続を有さない。このような場合、スティックの外側表面上(例えば、消耗品の容器としての役割を果たすスティックのラッピングペーパー上)に置かれた導電性部分または電線、およびエアロゾル発生装置の内側表面における対の導体の対のアレイを備える、示される種類の実施形態が適用されうる。こうした実施形態では、エアロゾル発生装置上の導体は厚くされて、外側表面がわずかに可撓性でありうるたばこスティックとの接触を増大させうる。
【0087】
消耗品310とインターフェースしている例示のエアロゾル発生装置300が図9に図示される。図示の通り、エアロゾル発生装300は、消耗品310(例えば、たばこスティック)が挿入されてブレードによって加熱されうる、開口部309を有する、または画定する。消耗品310は、容器としての役割を果たす、外側表面上のラッピングペーパー319と、エアロゾル発生装置300の開口部309の内側表面上にある導体308の対を短絡させうる、ラッピングペーパー319上の導電性部分または電線318とを含みうる。これらの導電性部分318は、非キー式の接続について上で示した特性を有する。エアロゾル発生装置300の電子回路によって読み取られる、導体308の対の短絡の数は、消耗品310についての情報をエアロゾル発生装置300に与えうる。
【0088】
第二の実施例では、消耗品は、容器としての役割を果たすボトルからのeリキッドを使用してもよく、エアロゾル発生装置は、eリキッドが中に注がれる特定のタンクを有してもよい。eリキッドを有するがカートリッジは有さない、このような場合には、例えば、eリキッドについての最良の加熱プロファイルを自動的に発見するためのエアロゾル発生装置と消耗品との間の接続は、エアロゾル発生装置上に、ボトルの開口部またはボトルキャップ(例えば、これらは共に通常丸く、そのため、非キー式の実施形態をエアロゾル発生装置で使用しうる)の様な、消耗品のボトルの一部上に接続/差し込まれうる特定の領域(例えば、eリキッド用の開口部)を有することによって行われうる。
【0089】
消耗品が消耗品の容器の内側の構成要素によって加熱され、エアロゾル発生装置と消耗品との間のキー式の接続または非キー式の接続を備える、エアロゾル発生装置によって給電されるその他の実施形態によれば、消耗品上の導電性部分の少なくとも一つは、消耗品のエアロゾル形成基体のヒーターとしての役割を果たす構成要素に電気的に結合されうる。こうした構成要素は、例えば、ジュールの法則/抵抗によるメッシュ加熱でありうる。こうした実施形態では、エアロゾル発生装置の全体的な機能は変化しない(例えば、エアロゾル発生装置が電力を提供して消耗品の構成要素を加熱しうる)が、本明細書に記載の器具、装置、および方法を使用する際、ヒーターはまた、消耗品の識別工程の一部であってもよい。
【0090】
一つ以上のこうした実施形態では、エアロゾル発生装置の導体の対のアレイのすべての導体は、消耗品の少なくとも一つの導電性部分に接続された少なくとも一つのヒーターを使用して消耗品を加熱しうること専用の「電力線」(例えば、ヒーター等の受電装置に電力を送達するために電気を伝達するように構成された導体)でありうる。一つ以上の実施形態では、ヒーターに接続されていない消耗品の導電性部分は、識別の目的のために短絡していても短絡していなくてもよく、導電性部分の少なくとも一つは、エアロゾル発生装置の導体に結合されて、エアロゾル発生装置からヒーターに電力を運びうる。言い換えれば、消耗品の導電性部分は、少なくともヒーターに接続されて、それらに接続されたエアロゾル発生装置の導体の対上に電圧を発生しうる。こうした電圧は、エアロゾル発生装置の電子回路によって検出されうるが、その値はまた、消耗品の識別に関与しうる。消耗品の(または消耗品の特性)識別は、短絡したエアロゾル発生装置の導体の対、それらの間に電圧を有する導体の対(例えば、一つ以上のヒーター、ならびに場合によっては電圧の値を示す)、ならびに切断された一対の導体をチェックすることによって完了しうる。
【0091】
こうした構成は、こうした喫煙物品の全体的なアーキテクチャが、エアロゾル発生装置からの電力を使用しうる、一つ以上のヒーターを消耗品内にすでに有しうるように設計されうる。このように、所期の通りに(例えば、消耗品を加熱するために)機能する間のヒーターはまた、消耗品についての情報をエアロゾル発生装置に伝送するように機能しうる。
【0092】
消耗品の一部としてのヒーター、および消耗品とエアロゾル発生装置との間にキー付きの接続を備えた別の実施形態では、エアロゾル発生装置の導体の対の二つの導体が融合し、消耗品の導電性部分の結合領域が融合してもよく、エアロゾル発生装置が消耗品に接続された時に、消耗品の少なくとも一つのヒーター構成要素が、エアロゾル発生装置の少なくとも一つの導体をエアロゾル発生装置の別の導体に接続しうる。この少なくとも一つのヒーター構成要素の位置が消耗品(例えば、および容器)によって異なりうるため、接続されているエアロゾル発生装置の導体の対によって示される(およびエアロゾル発生装置の電子回路によって検出されうる)ように、ヒーター位置は、ヒーターがそれらから期待されるように消耗品を加熱する間、消耗品の識別としての役割を果たしうる。
【0093】
消耗品410とインターフェースしている例示のエアロゾル発生装置400の部分透視斜視図が図10に図示される。図示の通り、消耗品410は、eリキッドを充填されたカートリッジであり、これは、エアロゾル発生装置400に対するキー式の接続を有し、また、消耗品410は、エアロゾル発生装置400とインターフェースする、またはエアロゾル発生装置400内に差し込まれるように作製されて、その結果、エアロゾル発生装置400の接触ゾーン401および消耗品410の接触ゾーン411が接触して一緒に結合されうる。本図は、四つの電力導体または電線を示しており、これらのうちの二つはエアロゾル発生装置400上の403、405として標識されているが、その他の実施形態は、より多くの、またはより少ない電力導体を有してもよい。
【0094】
図示の通り、消耗品410は、ヒーター440に電気的に接続された二つの導電性部分または結合領域412、413を有し、これらは、消耗品410がエアロゾル発生装置400内に差し込まれた時にエアロゾル発生装置400の二つの電力導体403、405と電気的に結合されて接触しうる。そのようにする場合、エアロゾル発生装置400の電力導体403、405が、消耗品410の導電性部分412、413を介してヒーター440にエネルギーを提供してもよく、開いている、エアロゾル発生装置400のその他の電力線に対する電力導体403、405上にヒーター440によって発生した電圧により、エアロゾル発生装置400が、消耗品410の識別として使用されうるヒーター440の位置を識別することが可能となりうる。
【0095】
消耗品410の識別に使用するためのエアロゾル発生装置400の例示の回路430の図が図11に図示される。図示の通り、エアロゾル発生装置400の回路430は、エアロゾル発生装置400と本実施形態ではヒーター440を含む消耗品410とが接続される時に、四つの電力導体402、403、404、405と、これらの電力線の二つ(ヒーター440を導体403、405に結合する点線によって示す)に接続されたヒーター440とを含む。
【0096】
ヒーター440の位置をチェックする時、エアロゾル発生装置400のマイクロコントローラ408は、トランジスタT1、T2、T3、T4を使用して、起動された電線の電圧をチェックする間に電力コンダクタまたは電線402、403、404、405を二つずつ連続的に起動しうる。回路430はさらに、電力導線または電線402、403、404、405のそれぞれに対するI/O電線422、423、424、425を含みうる。I/O電線422、423、424、425は、導体または電線402、403、404、405のそれぞれおよびマイクロコントローラ408に電気的に結合されうる。マイクロコントローラ408は、I/O電線422、423、424、425を使用して、電力導線402、403、404、405がヒーター440に接続される時を判定しうる。例えば、導体403、405を起動し、そのI/O電線423、425を介してそれらの電圧をチェックする時、マイクロコントローラ408は、本図において点線を使用して示すように、導体403、405がヒーター440に電気的に結合されているため、ヒーター440に対応する電圧差を検出しうる。マイクロコントローラ408は、電力線402、403、404、405のうちのいずれにヒーター440が接続されるかによって示される、ヒーター440の位置を、消耗品410の識別として使用しうる。
【0097】
消耗品410の識別に使用するためのエアロゾル発生装置400の別の例示の回路431の図が図12に図示されており、図12は、電力線402、403、404、405の二つのエンドポイント間の抵抗値を評価することによってヒーター440を検出する別の方法を示している。
【0098】
図示の通り、ヒーター440の一方の側が装置の接地(GND)に接続されてもよく、ヒーター440の他方の側が電力導体または電線402、403、404、405のうちの一つに選択的に接続されうる。この図では、ヒーター440は、点線によって示すように、導体403に接続されている。この変形は、電子回路に対して、T1、T2、T3、T4の任意のシーケンスがヒーター440の接触位置を検出することを回避するという利点を提供する。この場合、マイクロコントローラ408は、すべてのトランジスタをスイッチ「オン」してヒーター440に電力を供給し、電線422、423、424、425上の電圧を直接測定して、導体402、403、404、405のうちのいずれがヒーター440に接続されているかを識別しうる。従って、ヒーターの位置は基本的に、電力が伝送されてエアロゾルが発生し始めるとの同時に識別されうる。
【0099】
その他の用途は、喫煙物品が内側に電子回路を有さないが消耗品を使用している場合、または喫煙物品自体が消耗品である(例えば、熱源を使用する喫煙物品)時に、喫煙物品の付属品であるエアロゾル発生装置におけるものでありうる。こうした実施例では、エアロゾル発生装置は、示される電子回路のうちの一つ、および消耗品をその中に差し込むことを可能にする形状を有しうる。エアロゾル発生装置はさらに、自己作動装置であってもよく、または、携帯電話のような別の電子装置に差し込み可能であって、消耗品の容器上で読み取られるように、消耗品についての情報を読み取って登録してもよい。例えば、ユーザーの携帯電話を介してソーシャルネットワーク上で消費者の使用または選択を示すのに使用されうる。
【0100】
図13を参照すると、本発明による例示のシステム500が図示される。システム500は、ユーザーインターフェース装置501およびエアロゾル発生装置600を含む。ユーザーインターフェース装置501は、コントローラ502および関連するデータストレージ503を含む。データストレージ503は、例えば、エアロゾル発生装置600およびそれによって使用される消耗品に関連する情報の伝送のための、エアロゾル発生装置600とインターフェースする消耗品を表すデータの取得のためのプログラムおよびルーチンなどのプログラムおよびルーチン504、および本明細書に記載の例示の方法および工程を実行するための任意のその他のプログラムまたはルーチンを含む。データストレージ503は、消耗品に関するデータ、消耗品のシリアル番号を追加的な情報にリンク付けするデータ、様々なタイプの消耗品にリンク付けされた消耗品についての情報等などのデータ505をさらに含む。ユーザーインターフェース装置501は、ユーザーがインタラクト可能なグラフィカルユーザーインターフェースを備えるディスプレイ506をさらに含む。
【0101】
エアロゾル発生装置600は、それによって使用される消耗品に関する情報をユーザーインターフェース装置501に伝送しうる。例えば、エアロゾル発生装置600は、それによって使用される一つ以上の消耗品の、シリアル番号、タイプ、使用期限等のうちの一つ以上をユーザーインターフェース装置501に伝送しうる。一実施形態では、エアロゾル発生装置600は、消耗品とのインターフェース、および本明細書に記載の器具および工程を使用した消耗品の識別に応答して、こうした情報をユーザーインターフェース装置501に伝送しうる。さらに、ユーザーインターフェース装置501は、エアロゾル発生装置600および消耗品に関する情報を、その他の装置または器具に、例えば、インターネット(外部データベースサーバ650など)上で伝送しうる。データベースサーバ650は、消耗品およびエアロゾル発生装置600に関する情報をユーザーインターフェース装置601に伝送しうる。
【0102】
例えば、消耗品は、エアロゾル発生装置600とインターフェースしてもよく、エアロゾル発生装置600は、本明細書に記載の器具および工程を使用して消耗品のタイプを識別しうる。その後、エアロゾル発生装置600は、エアロゾル発生装置600によって使用されている消耗品のタイプをユーザーインターフェース装置501にアップロードまたは伝送してもよく、ユーザーインターフェース装置501は、こうしたデータに対して一つ以上のアクションを実施しうる。例えば、理想的な電力設定、風味剤、ニコチン濃度等の、ユーザーインターフェース装置501がメモリに保存した、例えば、消耗品のタイプおよびその他の情報などの消耗品に関する様々な情報が、ユーザーインターフェース装置501のユーザーインターフェース506上に表示されうる。また、ユーザーインターフェース装置501が、メモリ内に記憶された、識別された消耗品についての情報を有さない場合があり、そしてそれ故にデータベースサーバ650を参考にする場合がある。例えば、ユーザーインターフェース装置501が、消耗品のタイプをデータベースサーバ650に伝送し、データベースサーバ650が、消耗品に関する情報をユーザーインターフェース装置501に戻してもよい。
【0103】
従って、エアロゾル生成消耗品の識別に使用するための器具、装置、および方法が記載される。本発明の様々な修正および変形が、本発明の範囲および精神を逸脱することなく、当業者に明らかになるであろう。特定の好ましい実施形態に関連して本発明を説明してきたが、当然のことながら、特許請求する通りの本発明は、こうした特定の実施形態に不当に限定されるべきではない。実際に、コンピュータ技術、電子技術およびエアロゾル発生装置製造または関連分野の当業者にとって明らかである、本発明を実行するための記述された方法の様々な修正は、以下の特許請求の範囲の範囲内に収まるものであることが意図される。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13