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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-03
(45)【発行日】2023-10-12
(54)【発明の名称】シーシャ装置の換気
(51)【国際特許分類】
   A24F 1/30 20060101AFI20231004BHJP
   A24F 40/00 20200101ALI20231004BHJP
【FI】
A24F1/30
A24F40/00
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020556306
(86)(22)【出願日】2019-04-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-26
(86)【国際出願番号】 IB2019053392
(87)【国際公開番号】W WO2019207511
(87)【国際公開日】2019-10-31
【審査請求日】2022-03-25
(31)【優先権主張番号】18169351.6
(32)【優先日】2018-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】フェルナンド フェリックス
(72)【発明者】
【氏名】クロス デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ウィルビー テレンス ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ゴンザレス フローレス アナ イザベル
(72)【発明者】
【氏名】スパロウ イアン
【審査官】柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04029109(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0125115(US,A1)
【文献】独国実用新案第202011100245(DE,U1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0251355(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0126517(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0180803(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0118511(US,A1)
【文献】国際公開第2017/178932(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 1/30
A24F 40/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シーシャ装置であって、
エアロゾル形成基体を受けるためのエアロゾル発生要素であって、提供される温度が前記エアロゾル形成基体を燃焼することなく、または焼却することなく、エアロゾルを発生させるのに十分なように構成されている、前記エアロゾル発生要素と、
前記エアロゾル発生要素から離間配置され、ある容積の液体を収容するための内部を画定するベッセルであって、前記ベッセルが、ヘッドスペース出口を備える、ベッセルと、
前記エアロゾル発生要素と前記ベッセルの前記内部との間に位置付けられたエアロゾル導管と、を備え、前記エアロゾル導管が、
前記エアロゾル発生要素から気流を受けるように位置付けられた近位開口部を画定する近位端部分、
前記ベッセルの前記内部に位置付けられた遠位開口部を画定する遠位端部分、および
前記近位端部分と前記遠位端部分との間に位置付けられた換気開口部、を備え、
前記換気開口部が一つ以上の換気孔を備え、前記一つ以上の換気孔が総孔面積を有し、
前記換気開口部の総孔面積と、前記換気開口部の近位に位置付けられた前記エアロゾル導管の横断断面積との比(総孔面積/横断断面積)が、1/1000より小さく、
前記ヘッドスペース出口に陰圧を加えることにより、前記エアロゾル導管を通る、前記近位開口部から前記遠位開口部への気流を引き起こし、周囲空気を、前記換気開口部から前記エアロゾル導管を通して、前記エアロゾル導管の前記遠位開口部へと流す、シーシャ装置。
【請求項2】
前記換気開口部が、
一つ以上の周囲空気孔を備える、請求項1に記載のシーシャ装置。
【請求項3】
前記エアロゾル導管が、前記一つ以上の周囲空気孔に対して近位に位置付けられている、冷却要素を備える、請求項2に記載のシーシャ装置。
【請求項4】
前記冷却要素が、能動的な冷却要素を含む、請求項3に記載のシーシャ装置。
【請求項5】
前記エアロゾル導管が、前記エアロゾル導管に沿って位置付けられた加速要素を備え、前記加速要素を通って流れるエアロゾルを加速させるように構成されている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシーシャ装置。
【請求項6】
前記加速要素が、前記換気開口部の一つ以上の換気孔を備える、請求項5に記載のシーシャ装置。
【請求項7】
前記加速要素が、テーパー付部分を備え、前記換気開口部が、前記加速要素の前記テーパー付部分の比較的狭い端部分に位置付けられている、請求項5または6に記載のシーシャ装置。
【請求項8】
前記換気開口部が、エアロゾル導管の側壁の周囲にリング形状に配列された一つ以上の換気孔を備える、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のシーシャ装置。
【請求項9】
前記換気開口部が、前記換気開口部の一つ以上の換気孔と流体連通する換気チャンバーを更に備える、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のシーシャ装置。
【請求項10】
前記換気チャンバーが、スレッド状の幾何学的形状を有する渦要素を備える、請求項9に記載のシーシャ装置。
【請求項11】
前記エアロゾル導管が、冷却要素を備え、該冷却要素は、該冷却要素を通って流れるエアロゾルを冷却するように構成されている、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のシーシャ装置。
【請求項12】
前記冷却要素が、前記換気開口部の周囲空気孔、および前記換気開口部の換気孔に隣接した換気チャンバー、のうちの少なくとも一つを画定する、請求項11に記載のシーシャ装置。
【請求項13】
前記換気開口部が、0.2mm2~7mm2の総孔面積を有する一つ以上の換気孔を備える、請求項1乃至12のいずれか一項に記載のシーシャ装置。
【請求項14】
前記横断断面積が、前記換気開口部の近位に位置付けられた前記換気開口部の中心点に沿って位置する、請求項1乃至13のいずれか一項に記載のシーシャ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、シーシャ装置に関し、より具体的には、エアロゾル形成基体を燃焼することなくその基体を加熱し、そしてエアロゾル導管に沿って換気開口部を使用して、発生したエアロゾルの特徴を強化する、シーシャ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来的なシーシャ装置は、たばこを喫煙するために使用され、また消費者による吸入の前にベイパーおよび煙が水盤を通過するように構成される。従来のシーシャ装置は、一つの出口を含んでもよく、または二人以上の消費者が同時に装置を使用することができるように二つ以上の出口を含んでもよい。多くの人にとって、従来のシーシャ装置の使用は余暇活動および社会的経験であると考えられている。
【0003】
シーシャ装置に従来的に使用されるたばこは、例えば、生成されるベイパーおよび煙の容積を増やすため、風味を変化させるため、またはその両方のために、その他の成分と混合されてもよい。典型的には、従来的なシーシャ装置では木炭のペレットがたばこを加熱するため使用され、木炭のペレットは、たばこまたはその他の成分を完全にまたは部分的に燃焼させることができる。さらに、木炭のペレットは、シーシャのベイパーおよび煙と混合して水盤を通過し得る、一酸化炭素などの有害な、または潜在的に有害な生成物を発生させ得る。
【0004】
一部の従来のシーシャ装置は、例えば木炭燃焼の副産物を回避するため、またはたばこの加熱もしくは燃焼の一貫性を改善するために、たばこを加熱または燃焼するために電気加熱源を使用する。しかしながら、木炭を電気ヒーターで代用することは、可視的な煙またはエアロゾル、総エアロゾル質量(TAM)、または可視的な煙もしくはエアロゾルおよびTAMの観点から不満足なエアロゾルの生成をもたらす場合がある。
【0005】
従来の電気加熱式シーシャ装置は、一つ以上のノズルを使用してエアロゾルの生成を改善することが提案されてきた。しかしながら、最適な性能を達成するために必要な小さな直径は、従来の木炭加熱シーシャのものよりも実質的に大きい不満足な引き出し抵抗(RTD)値をもたらし得る。
【0006】
十分に低い引き出し抵抗を有する、満足な量の可視的なエアロゾルおよび総エアロゾル質量のうちの一方または両方を生成するシーシャ装置を提供することが望ましい。また、燃焼副産物をもたらさない様式で基体を加熱するシーシャ装置を提供することも望ましい。
【発明の概要】
【0007】
本開示の様々な態様は、エアロゾル導管に沿って配置された換気開口部を備えるシーシャ装置に関連する。
【0008】
換気開口部の一つ以上の換気孔は、エアロゾル導管に沿って位置付けられている。エアロゾル導管は、ステムパイプ、冷却要素、または加速要素のうちのいずれか一つまたはそれらの組み合わせを備え得る。換気開口部の一つ以上の換気孔は、エアロゾル導管のステムパイプ、冷却要素、加速要素のいずれかに沿って位置付けられ得る。いくつかの実施形態では、換気開口部は、例えば、ノズルの狭い端部分の近くに加速要素に沿って位置付けられている。換気開口部は、電気加熱式シーシャ装置、またはたばこもしくは他の成分の部分的な燃焼もしくは完全燃焼を使用する従来のシーシャ装置での冷却を介してエアロゾルの発生を改善するために使用され得る。
【0009】
本発明の一つの実施形態では、シーシャ装置は、エアロゾル形成基体を受けるためのエアロゾル発生要素と、エアロゾル発生要素から離間配置されたベッセルと、を備える。ベッセルは、ある容積の液体を収容するための内部を画定する。ベッセルはヘッドスペース出口を含む。シーシャ装置はまた、エアロゾル発生要素とベッセルの内部との間に位置付けられたエアロゾル導管を備える。エアロゾル導管は、エアロゾル発生要素からの気流を受けるように位置付けられた近位開口部を画定する近位端部分と、ベッセルの内部に位置付けられた遠位開口部を画定する遠位端部分と、近位端部分と遠位端部分との間に位置付けられた換気開口部と、を備える。換気開口部の総孔面積と、換気開口部の近位に位置付けられたエアロゾル導管の横断断面積との比は、最大でも1:1000である。ヘッドスペース出口に陰圧を加えることにより、エアロゾル導管を通る、近位開口部から遠位開口部への気流を引き起こし、周囲空気を、換気開口部からエアロゾル導管を通して、エアロゾル導管の遠位開口部へと流す。有利には、この構成を使用すると、両方がエアロゾル導管を通って流れるため、周囲空気が、発生したエアロゾルを含有する気流と混合する。周囲空気の混合は、発生したエアロゾルを含有する気流に冷却効果を提供する。
【0010】
一つ以上の実施形態では、換気開口部は、
周囲空気孔、および
換気チャネルを介して周囲空気孔と流体連通する一つ以上の換気孔、のうちの少なくとも一つを備える。
【0011】
一つ以上の実施形態では、エアロゾル導管は、周囲空気孔または換気チャネルに対して近位に位置付けられ、換気チャネルを通って流れる気流を冷却するように構成されている、冷却要素を備える。冷却要素は、能動的な冷却要素であっても、受動的な冷却要素であっても、能動的な冷却方法および受動的な冷却方法の両方を用いる冷却要素であってもよい。有利には、換気開口部との組み合わせで冷却要素を含むことにより、エアロゾル導管を通る気流の温度に関する制御、ひいては、幅広い条件下での性能を提供することができる。例えば、暑い気候の国では、発生したエアロゾルを含有する気流と混合される周囲空気の周囲空気温度が、エアロゾルの生成に望ましい冷却効果を提供することができない40°Cである場合がある。能動的な冷却要素を使用して、周囲空気を周囲空気温度より低く冷却して、望ましい冷却効果を提供することができる。
【0012】
一つ以上の実施形態では、エアロゾル導管は、エアロゾル導管に沿って位置付けられた加速要素を備え、加速要素を通って流れるエアロゾルを加速させるように構成されている。
【0013】
一つ以上の実施形態では、加速要素は、換気開口部の一つ以上の換気孔を備える。
【0014】
一つ以上の実施形態では、換気開口部は、加速要素の比較的狭い端部分に位置付けられている。有利には、加速要素の比較的狭い端部分に換気開口部を位置付けることにより、エアロゾル導管に入る周囲空気とのエアロゾルの希釈の制御された比が提供され得る。
【0015】
一つ以上の実施形態では、加速要素は、テーパー付部分を備え、加速要素の比較的狭い端部分は、テーパー付部分の比較的狭い部分である。
【0016】
一つ以上の実施形態では、換気開口部は、リング形状の開口部を形成する一つ以上の換気孔を備える。
【0017】
一つ以上の実施形態では、エアロゾル導管は、換気開口部の一つ以上の換気孔を含むステムパイプを備える。一つ以上の実施形態では、ステムパイプは、およそ0.30メートルの長さを有し得る。一つ以上の実施形態では、ステムパイプは、1メートルの最大長さを有し得る。
【0018】
一つ以上の実施形態では、エアロゾル導管は、換気開口部の一つ以上の換気孔に対して近位に位置付けられた換気チャンバーを備える。
【0019】
一つ以上の実施形態では、換気チャンバーは、渦要素を備える。一つ以上の実施形態では、渦要素は、スレッド状の幾何学的形状を含み得る。有利には、渦要素は、冷却ブロックの表面積を増加させ、周囲空気と冷却ブロックとの間の衝突の可能性を増加させることによって、乱気流を増加させる。これは、換気開口部を通ってエアロゾル導管に入る前の周囲空気を冷却するのに役立つ。
【0020】
一つ以上の実施形態では、換気チャネルは、渦要素を備える。渦要素は、スレッド状の幾何学的形状を含み得る。有利には、渦要素は、冷却ブロックの表面積を増加させ、周囲空気と冷却ブロックとの間の衝突の可能性を増加させる。これは、換気開口部を通ってエアロゾル導管に入る前の周囲空気を冷却するのに役立つ。
【0021】
一つ以上の実施形態では、エアロゾル導管は、エアロゾル導管を通って流れるエアロゾルを冷却するように構成された冷却要素を備える。一つ以上の実施形態では、冷却要素は、冷却要素を通って流れる周囲空気を冷却するように構成されている。一つ以上の実施形態では、冷却要素は、エアロゾル導管を通って流れるエアロゾル、および冷却要素を通って流れる周囲空気の両方を冷却するように構成されている。
【0022】
一つ以上の実施形態では、冷却要素は、換気開口部の周囲空気孔、および換気開口部の換気孔に隣接した換気チャンバーのうちの少なくとも一つを画定する。
【0023】
一つ以上の実施形態では、換気開口部は、0.2mm 2 ~7mm 2 の総孔面積を有する一つ以上の換気孔を備える。
【0024】
一つ以上の実施形態では、横断断面積は、換気開口部の中心点に沿って位置する。
【0025】
一つ以上の実施形態では、エアロゾル発生要素および換気開口部の中心は、30mm以下だけ分離されている。
【0026】
有利には、本明細書に記載されるシーシャ装置は、低い引き出し抵抗(RTD)を提供しながら、依然として、エアロゾル発生要素の下流およびベッセル内部の上流で、エアロゾルが混入した空気の温度を低下させることによってエアロゾルの十分な生成を達成することができる。特に、ある程度の周囲空気とエアロゾルが混入した空気とが混合するように換気開口部を位置付けることは、エアロゾルの生成を容易にし得る。本明細書に記載されるシーシャ装置は、エアロゾルの生成をなおもさらに強化するための冷却要素を含み得る。特に、とりわけ暑い気候では、冷却要素は、有利には、換気開口部に入る気流を予冷却するために使用され得る。本明細書に記載されるシーシャ装置を使用することにより、ノズル孔の最小直径を拡大することができ、これは、換気開口部を含まないシーシャ装置と比較して、より低いRTDを容易にし得る。結果として、本明細書に記載されるシーシャ装置は、実質的により可視的なエアロゾルを生成し、実質的により多くの総エアロゾル質量(TAM)を送達し得るか、または実質的により多くの可視的なエアロゾルを生成し、換気開口部を含まない同様のシーシャ装置よりも実質的により多くのTAMを送達し得る。かかる装置のユーザーは、特に、エアロゾルの生成およびRTDの点において、木炭の燃焼副産物を伴わずに、エアロゾル発生基体が木炭で燃焼される従来のシーシャ装置のより典型的な経験を有する場合がある。加えて、エアロゾルを燃焼することなくエアロゾルを生成するためにエアロゾル発生基体を十分に加熱するようにシーシャ装置が構成されている場合、エアロゾル発生基体の燃焼副産物も回避される場合がある。
【0027】
本明細書で使用されるすべての科学的および技術的な用語は、別途指定のない限り、当業界で一般に使用されている意味を有する。本明細書で提供されている定義は、本明細書で頻繁に使用される特定の用語の理解を容易にするために提供されている。
【0028】
「エアロゾル形成基体」という用語は、ユーザーによって吸入されるエアロゾルを形成し得る揮発性化合物を加熱に伴い放出する装置または基体を意味する。好適なエアロゾル形成基体は植物由来材料を含んでもよい。例えば、エアロゾル形成基体は、たばこ、または加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含むたばこ含有材料を含み得る。追加的に、または別の方法として、エアロゾル形成基体は非たばこ含有材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は均質化した植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、その他の添加物および成分(風味剤など)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル形成基体は室温で液体を含む。例えば、エアロゾル形成基体は、液体溶液、懸濁液、分散液等を含んでもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル形成基体は室温で固体を含む。例えば、エアロゾル形成基体はたばこまたは糖を含んでもよい。エアロゾル形成基体はニコチンを含むことが好ましい。
【0029】
「たばこ材料」という用語は、例えばたばこブレンドまたは風味付きたばこを含むたばこを含む材料または物質を意味する。
【0030】
本明細書で使用される場合、エアロゾルの流れを論じるときに使用される「エアロゾル」という用語は、エアロゾル、エアロゾルもしくはベイパーを含有する空気、またはエアロゾルが混入した空気を意味し得る。ベイパーを含有する空気は、例えば、冷却後または加速後の、エアロゾルを含有する空気に対する前駆体であり得る。
【0031】
本明細書で使用される場合、「冷却」という用語は、熱伝達によって達成され得るだけでなく、システムによって実施される機能によって達成され得るシステム内の内部エネルギーの減少を意味する。
【0032】
本明細書で使用される場合、「換気孔」という用語は、シーシャ装置のエアロゾル導管上の孔を意味する。換気孔は、エアロゾル導管を通る気流チャネルに隣接して、それと流体連通し、気流チャネルに直接開いていてもよい。換気孔は、エアロゾル導管の気流チャネルの横断断面積と比較して比較的小さくてもよい。
【0033】
本明細書で使用される場合、「周囲空気孔」という用語は、シーシャ装置の構成要素上の孔を意味する。周囲空気孔は、周囲空気の外部環境に隣接し、外部環境に直接開いている。周囲空気孔は、エアロゾル導管から離れていてもよい。周囲空気孔は、例えば、換気チャネルおよび換気チャンバーのうちの一方または両方を介して、換気孔と流体連通し得る。
【0034】
本明細書で使用される場合、「換気開口部」という用語は、換気空気をエアロゾル導管の気流チャネル内に導入するのを容易にするために使用されるシーシャ装置の一つ以上の構造を意味する。換気開口部は、換気孔および任意の補助的なチャネル、チャンバー、または周囲空気孔などの追加の孔を包含し、換気孔から周囲空気の外部環境へと導くことができる。
【0035】
ある特定の頻繁に使用される用語を上記に定義したが、本開示のシーシャ装置は、本明細書により詳細に記載される。概して、シーシャ装置は、エアロゾル導管に沿って配置された換気開口部を備える。換気開口部は、より高いTAM、低いRTD、またはより高いTAMおよびより低いRTDの両方など、強化されたエアロゾル特性を提供することに寄与し得る。引き出し抵抗、つまりRTDは、22℃および101kPa(760Torr)で17.5ml/秒のレートで、試験対象の物体の全長にわたり空気を強制的に通過させるために要する圧力である。RTDはISO 6565:2011に従い測定され、一般に単位mmH2Oで表現される。従来のシーシャ装置と同様のシーシャ体験を提供するために、38mmWG以下が好ましい。
【0036】
シーシャ装置は、エアロゾル発生要素を含んでもよい。エアロゾル発生要素は、エアロゾル形成基体と使用されてエアロゾルを生成し得る。具体的には、エアロゾル発生要素は、エアロゾル形成基体を受けて加熱してエアロゾルを発生させ得る。エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生要素によって加熱されるが、燃焼されない場合がある。エアロゾル発生要素は発熱体を含んでもよい。発熱体は、電気ヒーターを含んでもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、エアロゾル発生要素は、エアロゾル形成基体を受けるためのボウル、ボウルを覆うためのカバープレート、ボウルを覆うためのホイル、およびエアロゾル形成基体を加熱するための少なくとも一つの木炭のペレットのいずれかなど、従来のシーシャ装置の特徴を備え得る。
【0038】
シーシャ装置はベッセルを備えてもよい。ベッセルは内部を画定し得る。ベッセルは、液体を収容するように構成され得る。具体的には、ベッセルの内部は、ある容積の液体を収容する。
【0039】
空気を、エアロゾル発生要素を通して流して、エアロゾル発生要素からエアロゾル導管を通してエアロゾルを引き出すことができる。エアロゾル導管は、気流チャネルを画定し得る。液体を通して引き出されることによって変更され得るエアロゾルは、ベッセルのヘッドスペース出口を通してシーシャ装置を出得る。空気は、ヘッドスペース出口に陰圧を加えることによってエアロゾル導管を通って流れ得る。陰圧の供給源は、ユーザーの吸込みまたは吸煙であり得る。応答して、エアロゾルが、ベッセルの内部に収容される液体を通して、エアロゾル導管を通って引き出され得る。ユーザーは、ヘッドスペース出口と流体連通するマウスピースを吸込んで、ヘッドスペース出口またはマウスピースに陰圧を発生させるか、または提供することができる。
【0040】
使用中、エアロゾル導管は、一部の液体を通してヘッドスペース出口と流体連通し得る。エアロゾル導管は、エアロゾル形成基体の近位で、またはそれに隣接して開始し得る。エアロゾル導管は、ベッセルの内部で終了してもよいし、または例えば、少なくともヘッドスペース出口もしくはマウスピースに続いていてもよい。
【0041】
エアロゾル発生要素は、ベッセルの内部と流体連通する。特に、エアロゾル導管は、エアロゾル発生要素からベッセルの内部への流体連通を少なくとも部分的に画定する、気流チャネルを備え得る。様々な構成要素を気流チャネルまたはエアロゾル導管に沿って配置して、ユーザーへのヘッドスペース出口へと通って流れるエアロゾルの特徴を強化することができる。
【0042】
「下流」という用語は、エアロゾル導管に沿って、エアロゾル発生要素からベッセルの内部に向かう方向を意味する。「上流」という用語は、下流方向と反対の方向、またはエアロゾル導管に沿って、ベッセルの内部からエアロゾル発生要素に向かう方向を意味する。
【0043】
エアロゾル導管は、エアロゾル発生要素とベッセルの内部との間に位置付けられている。エアロゾル導管は、エアロゾル導管に沿って一つ以上の構成要素を備え得る。エアロゾル導管は、エアロゾル発生要素から気流を受けるように位置付けられた近位開口部を画定する近位端部分を備える。エアロゾル導管は、ベッセルの内部に位置付けられた遠位開口部を画定する遠位端部分を備える。エアロゾル導管の遠位端部は、シーシャ装置の使用中に、ベッセルの内部内のある容積の液体の中へと延びてもよい。
【0044】
エアロゾル導管は、近位端部分および遠位端部分を通って延びる長手方向軸を画定するものとして記載され得る。横方向は、長手方向軸に直交するものとして画定され得る。例えば、エアロゾル導管の断面、外周、幅、または直径は、横方向に、または長手方向軸と直交する平面で画定され得る。
【0045】
エアロゾル導管は、エアロゾル導管の近位端部分と遠位端部分との間に位置付けられた換気開口部を備える。概して、エアロゾル導管を通る気流は、エアロゾル発生要素からベッセルの内部へと流れる。ヘッドスペース出口に陰圧を加えることにより、エアロゾル導管を通る、近位開口部から遠位開口部への気流を引き起こし、エアロゾル導管を通る、換気開口部から遠位開口部への気流を引き起こす。
【0046】
いくつかの実施形態では、気流は、シーシャ装置のエアロゾル形成基体容器に入り、エアロゾル形成基体のカートリッジに沿って、次いで、カートリッジの底部へ、次いで、容器の底部へと進み得る。次いで、気流は、エアロゾル形成基体を通過することができ、エアロゾルが混入する場合がある。エアロゾルが混入した空気は、一つ以上の加速要素(例えば、ノズル)を通過すると減圧する場合がある。エアロゾルが混入した空気は、換気開口部からの換気気流と混合されて、エアロゾル化工程を強化し得るエアロゾルが混入した空気の温度降下をもたらし得る。次いで、混合されたエアロゾルが混入した空気(例えば、冷却された空気)は、任意選択で、加速要素を通り、ステムパイプを通ってベッセル(例えば、水盤)へと進行し、次いで、ユーザーによって吸入され得る。
【0047】
シーシャ装置は加速要素を備えてもよい。加速要素は、エアロゾル導管の気流チャネルなどに沿って、エアロゾル導管に沿って位置付けられ得る。特に、加速要素は、エアロゾル導管に沿って位置付けられ得る。加速要素は、気流チャネルまたはエアロゾル導管の一部を一体的に形成してもよい。加速要素は、加速要素を通って流れるエアロゾルを加速させるように構成され得る。
【0048】
加速要素は、気流チャネルまたはエアロゾル導管に沿って加速要素を通って流れるエアロゾルを加速させるように構成されている。加速要素は、気流チャネルまたはエアロゾル導管に沿ってエアロゾル発生要素から下流に配置され得る。加速要素は、エアロゾル発生要素とベッセルとの間に配置され得る。エアロゾルの加速は、圧力降下および噴霧播種効果をもたらすことができ、これらは、ベンチュリ効果またはベルヌーイ効果によって説明することができ、TAMを増加させ得る。さらに、加速要素は、減速チャンバー、もしくはステムパイプの減速部分に隣接して、または可能な限り近接して位置付けられてもよく、これにより、エアロゾル生成のための急速な冷却を促進することができる。
【0049】
加速要素は、ノズル形状などの、エアロゾルの加速を提供するための任意の好適な形状であってもよい。ノズルは、小さな直径の孔を通してエアロゾルまたはエアロゾルが混入した空気の加速を容易にするように、幅広い端部分から狭い端部分までテーパー状になっていてもよい。幅広い端部分は典型的には近位であり、狭い端部分は典型的には遠位である。加速要素は、ノズルとして記載され得る。いくつかの実施形態では、加速要素の一部のみがテーパー状になっている。換気開口部は、テーパー付部分、非テーパー付部分、またはテーパー付部分および非テーパー付部分の両方の上に位置付けられ得る。加速要素は、エポキシ樹脂またはアルミニウムなどの加速を提供するよう形状設定することができる任意の好適な材料で形成され得る。エポキシ樹脂は、高温エポキシ樹脂であってもよい。
【0050】
シーシャ装置は、冷却要素を備え得る。冷却要素は、気流チャネルまたはエアロゾル導管に沿って配置され得る。冷却要素は、気流チャネルまたはエアロゾル導管の一部を一体的に形成し得る。冷却要素は、気流チャネル内のエアロゾル、特に冷却要素を通って、または通過して流れる空気を冷却するように構成される。冷却要素は、気流チャネルに沿ってエアロゾル発生要素から下流に配置され得る。具体的には、冷却要素は、エアロゾル発生要素と気流チャネルの端との間に、または少なくともエアロゾル発生要素とベッセルとの間に配置されてもよい。さらに、冷却要素は、減速チャンバー、もしくはステムパイプの減速部分に隣接して、または可能な限り近接して位置付けられてもよく、これにより、エアロゾル生成のための急速な冷却を促進することができる。冷却要素は、受動的な冷却、能動的な冷却、またはその両方を利用し得る。冷却要素は、熱伝導性材料の導管を含み得る。冷却要素は、エアロゾル導管を通って流れるエアロゾルを冷却するように構成され得る。
【0051】
冷却要素は、冷却要素を通って流れる周囲空気を冷却するか、または少なくとも調節するように構成されてもよく、これにより、様々な地理的な場所および気候的な季節でのエアロゾル生成を容易にすることができる。受動的な冷却要素は、周囲温度までの冷却を提供し得る。能動的な冷却要素は、場合によっては、周囲温度を下回る冷却を提供し得る。冷却要素は、エアロゾル導管を通って流れるエアロゾル、および冷却要素を通って流れる周囲空気の両方を冷却するように構成され得る。
【0052】
冷却要素は、空気加速要素と組み合わせて使用され得る。空気加速要素は、冷却要素またはチャンバーのうちの少なくとも一つと一体的に形成されてもよい。チャンバーは、エアロゾルのための減速チャンバーとし得る。冷却要素は、チャンバーから上流に少なくとも部分的にまたは完全に配置されてもよい。
【0053】
冷却要素は、加速要素による加速前または加速中にエアロゾルを冷却するように構成され得る。加速要素は、冷却要素の下流に配置されてもよい。特に、加速要素は、冷却要素とベッセルとの間に配置されてもよい。冷却されたエアロゾルは、加速要素によって受けられ得る。
【0054】
冷却要素および加速要素は、一体型であってもよく、または単一の部品であってもよい。しかしながら、冷却要素および加速要素は別個の部品であってもよい。冷却要素は、加速要素に動作可能に結合されて、気流チャネルまたはエアロゾル導管内の空気が冷却要素および加速要素の両方を通って流れることを可能にし得る。冷却要素および加速要素は一緒になって、少なくともエアロゾル導管の部分を形成し得る。
【0055】
概して、冷却要素のくぼみまたはエアロゾル導管の気流チャネルを冷却することにより、かかるエアロゾル冷却を組み込まない装置の使用と比較して、より高いエアロゾル生成が可能になり得る。冷却は、エアロゾルの濃縮を強化して、可視的なエアロゾル、総エアロゾル質量(TAM)、または可視的なエアロゾルおよびTAMを増加させ得る。冷却要素は、気流チャネルまたはエアロゾル導管に沿って配置された、ノズルなどの加速要素と一体的に形成されてもよい。エアロゾルの冷却および加速の組み合わせにより、可視的なエアロゾル、TAM、または可視的なエアロゾルおよびTAMの実質的な増加がもたらされ得る。
【0056】
チャンバーは、気流チャネルまたはエアロゾル導管に沿って配置されてもよい。チャンバーは、空気を減速するように構成され得る。エアロゾルは、エアロゾルが混入した空気を減速することに応答して形成されてもよい。チャンバーは、エアロゾル発生要素から下流に配置されてもよい。具体的には、チャンバーは、エアロゾル発生要素とベッセルとの間に配置されてもよく、またはより具体的には、加速要素とベッセルとの間に配置されてもよい。
【0057】
チャンバーは、冷却要素から下流に配置されてもよい。また、チャンバーは加速要素の下流に配置されてもよい。加速要素は、チャンバー内に少なくとも部分的にまたは完全に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、加速要素はチャンバーの吸込み口を形成する。加速要素は、チャンバーと一体的に形成されてもよい。冷却要素は、チャンバーから上流に少なくとも部分的にまたは完全に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、冷却要素は、少なくとも部分的にチャンバーの中へと延び得るノズルを形成するために、加速要素と一体的に形成されてもよい。
【0058】
エアロゾル導管を使用して、エアロゾル導管を通って流れるエアロゾルが混入した空気の空気温度を減少させることができる。特に、吸煙間のノズルのくぼみ内の平均温度は、約40℃であってもよい。エアロゾル導管の換気開口部を通る換気空気の流れを使用して、エアロゾルが混入した空気と混合させることができる。換気空気の流れは、エアロゾルが混入した空気の温度を超えないことが好ましく、エアロゾルが混入した空気の温度降下を生成するために使用され得る。換気空気の流れの温度は、約20℃以下であることが好ましい。
【0059】
換気開口部は、一つ以上の換気孔を備え得る。換気開口部の一つ以上の換気孔は、ステムパイプまたは冷却要素の側壁などの、エアロゾル導管の側壁に形成され得る。二つ以上の孔を備える場合、孔は、均一なサイズであっても、不均一なサイズであってもよい。二つ以上の孔を備える場合、孔は、均一な形状であっても、不均一な形状であってもよい。二つ以上の孔を備える場合、孔は、均一に分布していても、不均一に分布していてもよい。二つ以上の孔を備える場合、孔は、エアロゾル導管の側壁の周囲にリング形状に配列され得る。エアロゾル導管は、ベッセル内部の液体の中に延びるために使用され得るステムパイプを含み得る。いくつかの実施形態では、換気開口部は、ステムパイプの上流または近位に位置付けられ得る。いくつかの実施形態では、換気開口部は、ステムパイプ上に位置付けられ得る。ステムパイプの側壁は、一つ以上の換気孔を画定し得る。
【0060】
一つ以上の換気孔を使用して、リング形状の開口部を形成することができる。リング形状の開口部は、エアロゾル導管の一部またはすべての横方向外周の周りに延び得る。リング形状の開口部を使用することで、エアロゾル導管の横方向外周の周りに延びない単一の孔と比較して、エアロゾルが混入した空気と換気空気とのより均一または均質な混合を提供することができる。いくつかの実施形態では、リング形状の開口部は、少なくとも約90度、少なくとも約180度、少なくとも約270度、または約360度の周りに延び得る。
【0061】
換気開口部の一つ以上の換気孔は、総孔面積を画定し得る。換気孔のサイズは、特定の用途に応じて変化し得る。概して、より小さい面積を使用することで、時間の経過とともに頻繁な洗浄が必要になることを阻止することができるが、より大きな面積では過度の希釈によりエアロゾルの品質に影響を与える場合がある。いくつかの実施形態では、総孔面積の範囲は、約0.2mm 2 ~約7mm 2 であってもよい。いくつかの実施形態では、総孔面積の範囲は、約0.2mm 2 ~約1mm 2 である。一つの実施形態では、総孔面積は、約0.8mm 2 と等しい。
【0062】
いずれの換気孔も含まない場合、エアロゾルが混入したものは、シーシャ装置を通って、例えば、約11.6L/分のレートで流れ得る。流量は、換気孔の面積の増加とともに低下し得る。約20%(約11.6L/分~約9.2L/分)の流量の減少は、過度の希釈によるエアロゾルの生成にマイナスの影響を与え得る。一つ以上の換気孔は、流量の減少が約20%の減少を超えないようにサイズ決定されていることが好ましい。一つの実施形態では、流量の減少は、約0.8mm 2 の総孔面積に対応する約2%(約11.6L/分~約11.4L/分)である。
【0063】
様々なタイプの換気孔が換気開口部内に含まれ得る。換気開口部は、周囲空気孔を含み得る。周囲空気孔は、周囲空気と流体連通し得る。特に、周囲空気孔は、周囲環境に隣接して位置付けられ得る。換気開口部は、換気チャネルを介して周囲空気孔と流体連通する換気孔を含み得る。例えば、換気チャネルは、換気孔から周囲空気孔まで少なくとも部分的に延び得る。
【0064】
外部凝結核は、換気気流、例えば、換気開口部に入る気流中に添加され得る。凝縮核を使用して、蒸気凝縮を増加させることができる。理論に束縛されるものではないが、凝結核は、蒸気を冷却してエアロゾルを形成するときに、可視的なエアロゾルおよび総エアロゾル質量のうちの一方または両方を増加させる、蒸気の非均質な核生成の工程を促進すると考えられる。
【0065】
本明細書で使用される場合、「凝縮核」という用語は、その上またはその周りで、蒸気粒子が凝縮してエアロゾルの形態の固体粒子または液滴を形成し得る、種子または核生成部位としての役割を果たし得る任意の粒子状物質を意味する。凝縮核は、固体粒子、液滴、または固体粒子および液滴の組み合わせであってもよい。
【0066】
約0.01マイクロメートル~約5マイクロメートルの範囲のサイズを有する凝縮核は、非均質な核生成の促進に好適であり、ひいては、可視的なエアロゾルおよび総エアロゾル質量の一方または両方の増加を発生させ得る。凝縮核は、約0.01マイクロメートル~約5マイクロメートル、約0.05マイクロメートル~約2マイクロメートル、約0.1マイクロメートル~約0.3マイクロメートル、または約0.2マイクロメートルの平均サイズを有し得る。
【0067】
凝縮核は、例えば、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(KCl)、炭粒子、またはその他の任意の好適な粒子状物質を含み得る。
【0068】
一つ以上の換気孔は、減少した容積またはチャンバー内に位置付けられ得る。いくつかの実施例では、エアロゾル導管は、換気開口部の一つ以上の換気孔に対して近位に位置付けられた換気チャンバーを少なくとも部分的に画定し得る。チャンバーの使用は、より低い温度の換気空気と、より高い温度のエアロゾルが混入した空気との比を増加させるために使用され得る。いくつかの実施形態では、換気チャンバーは、加速要素の狭い端部分(例えば、ノズルの出口オリフィス)の近くに位置付けられている。
【0069】
換気チャンバーを使用して、ステムパイプまたはノズルの向きとは独立した、一つ以上の換気孔へのインターフェース接続を提供することができる。例えば、換気チャンバーを使用する際、ステムパイプ上の換気孔は、冷却ブロック上の換気チャネルに一致するように放射状に向けられる必要はなく、冷却ブロックに対するステムパイプのより人間工学的な向きを提供する場合がある。換気チャンバーは、換気孔を囲み得る。換気孔は、ステムパイプまたはノズル上にあってもよい。換気チャンバーは、換気孔から離れた周囲空気孔と流体連通し得る。
【0070】
代替的に、または換気チャンバーの使用に加えて、冷却要素および加速要素が統合され得る。例えば、冷却ブロックは、ノズルを形成し得る。ノズル上の換気孔は、冷却ブロック上の換気チャネルと予め整列されていてもよい。第一のステムパイプは、流体連通して、冷却ブロックをエアロゾル発生要素に接続し得る。第二のステムパイプは、流体連通して、冷却ブロックをベッセルに接続し得る。第一のステムパイプは、第二の茎パイプよりも短くてもよい。冷却ブロックは、ステムパイプの各々への空気密閉コネクタを含み得る。
【0071】
場合によっては、エアロゾルが混入した空気は、エアロゾル導管の壁に凝縮し得る。十分に均質な方法で換気開口部を通ってエアロゾル導管に入る空気は、エアロゾル導管の内部壁の凝縮を防止するか、または減少させるのに役立ち得る。換気開口部は、漏斗ガイドとして機能して、エアロゾル導管の内部壁に沿って換気空気の流れを誘導し得る。換気空気の流れは、エアロゾルが混入した空気を内部壁から保護し得る。換気開口部は、リング形状の開口部または複数の孔を含み得る。これは、換気開口部が漏斗ガイドとして機能するのに役立ち得る。
【0072】
加速要素は、換気開口部の一つ以上の換気孔を画定し得る。一つの実施形態では、換気開口部の一つ以上の換気開口孔は、ノズルなどの加速要素上に位置付けられている。
【0073】
いくつかの実施形態では、換気開口部の一つ以上の換気孔は、加速要素の狭い端部分に位置付けられている。
【0074】
いくつかの実施例では、換気開口部の総孔面積と、換気開口部の近位に、またはそれに隣接して位置付けられたエアロゾル導管の横断断面積との比は、最大でも1:1000であり得る。総孔面積と比較して、使用されるエアロゾル導管の横断断面積は、例えば、加速要素またはステムパイプの幅広い端部分に位置し得る。横断断面積は、換気開口部の中心点に沿って位置し得る。
【0075】
冷却要素は、換気開口部の一つ以上の換気孔を画定し得る。一つの実施形態では、換気開口部の一つ以上の換気孔は、冷却要素上に位置付けられている。冷却要素は、加速要素の上流にあってもよい。
【0076】
換気開口部に入る換気空気は、冷却要素によって予冷却され得る。冷却要素は、能動的な冷却要素を含むことができ、能動的な冷却要素は、有利には、換気空気の予冷却に対する制御を改善し得る。冷却要素は、周囲空気孔または換気チャネルに対して近位に位置付けられ得る。いくつかの実施形態では、冷却要素は、換気チャネルを少なくとも部分的に画定し得る。一つの実施形態では、エアロゾル導管は、周囲空気孔または換気チャネルに対して近位に位置付けられ、換気チャネルを通って流れる気流を冷却するように構成されている、冷却要素を備える。特に、冷却要素は、換気開口部の換気孔、および換気開口部の換気孔に隣接した換気チャンバーのうちの少なくとも一つを画定する。
【0077】
冷却要素は、受動的な冷却要素、能動的な冷却要素、または受動的な冷却要素および能動的な冷却要素を含み得る。いくつかの実施形態では、冷却要素は、一つまたは複数の換気孔を画定する熱伝導性材料で形成されたノズルを含む。いくつかの実施形態では、冷却要素は、一つまたは複数の狭い空気チャネルを画定する冷却ブロックを含む。いくつかの実施形態では、冷却要素は、入ってくる周囲空気を能動的に冷却するためのペルチェ素子などの熱電デバイスを含む。
【0078】
いくつかの実施形態では、冷却要素は、エアロゾル導管とインターフェース接続し得る。密閉ガスケットは、冷却要素からエアロゾル導管を密閉するように位置付けられ得る。例えば、密閉ガスケットは、冷却ブロックからステムパイプを密閉するように位置付けられ得る。換気孔を冷却要素内に備えることができ、換気孔は、換気チャネルを介して周囲空気孔と流体連通し得る。冷却要素からエアロゾル導管の周りに密閉ガスケットを提供することによって、周囲空気は、有利には、換気孔を通って、換気チャネルに沿って周囲空気孔へと流れるように誘導され得る。
【0079】
換気開口部は、エアロゾル導管に沿ってエアロゾル発生要素の近くに位置付けられ得る。例えば、エアロゾル発生要素および換気開口部の中心は、30mm以下だけ分離され得る。換気開口部をエアロゾル発生要素の近くに位置付けることにより、エアロゾルが混入した空気の温度勾配を増加させることができ、これにより、強化されたエアロゾルの生成を容易にすることができる。いくつかの実施形態では、換気開口部は、エアロゾルが混入した空気の冷却レートを急上昇させるために、エアロゾル発生要素のできるだけ近くに位置付けられている。
【0080】
気流チャネルを形成するシーシャ装置の一つ以上の構成要素は、シーシャ装置の引き出し抵抗(RTD)に影響を与え得る。RTDは、ユーザーがシーシャ装置の気流チャネルを通して、液体を介して、任意選択のマウスピースへのヘッドスペース出口を通して、どれほど容易にエアロゾルを引き出すかに関連し得る。気流チャネルを形成するか、それを画定するか、それに付け加えられるか、またはそれを妨害するシーシャ装置の一つ以上の構成要素は、引き出し抵抗(RTD)を有し得る。加速要素のRTDは、気流チャネルのRTDに少なくとも部分的に寄与し得る。加速要素は、例えば、チャンバーおよび冷却要素と比較して、気流チャネルを通してより制限的な断面直径を画定し得る。加速要素は、気流チャネルのRTDを画定し得る。具体的には、RTDは、約45水柱ミリメートル(mmWG)以下であってもよく、約38水柱ミリメートル以下であることが好ましい。
【0081】
一般に、冷却要素は、対流によってエアロゾルによって加熱され、空気から熱を移動させることによって動作し得る。冷却要素は、様々な受動的または能動的な技術を使用して、エアロゾルの冷却を達成し得る。
【0082】
冷却要素は、換気開口部に対して近位に、またはそれに隣接して位置付けられ得る。いくつかの実施形態では、冷却要素は、換気開口部を囲み得る。いくつかの実施形態では、冷却要素は、換気開口部に予冷却された換気空気を提供し得る。例えば、気流は、換気開口部に入る前に、冷却要素を通過するか、またはそれに隣接するように配列され得る。いくつかの実施形態では、冷却要素は、換気開口部の上流または下流に提供され得る。いくつかの実施形態では、冷却要素は、換気開口部を少なくとも部分的に画定し得る。換気開口部の部分は、換気チャンバー、換気チャネル、および周囲空気孔のいずれかなどの冷却要素内に形成され得る。いくつかの実施形態では、二つ以上の冷却要素が提供され得る。
【0083】
本明細書で使用される場合、「受動的な冷却」という用語は、追加的な電力消費または電源を伴わない冷却を意味する。「能動的な冷却」という用語は、追加的な電力消費または電源を使用する冷却を意味する。冷却要素は、電源または電池などの電源に動作可能に結合されて、能動的な冷却を提供し得る。冷却、特に受動的な冷却の有効性は、周囲温度、温度勾配、熱伝達能力、湿度、および通気などの特定の条件によって影響を受け得る。
【0084】
冷却要素の構成要素は、熱伝導性材料を含む導管、ヒートシンク、ヒートポンプ、ファン、気流チャネルの外側に配置された、液体の内部容積を有する冷却容器、水ブロック、および液体ポンプのうちの少なくとも一つを含み得る。受動的な構成要素は、導管、ヒートシンク、冷却容器、および水ブロックのうちの少なくとも一つを含み得る。能動的な構成要素は、ヒートポンプ、ファン、および液体ポンプを含み得る。各構成要素は、冷却要素を通して流れるエアロゾルに熱的に結合されてもよい。これらの構成要素のうちの一つ以上を一緒に使用して冷却をさらに強化し得る。
【0085】
冷却要素の導管は、導管のくぼみを通して流れるエアロゾルの受動的な冷却を促進するように構成された材料を含み得る。導管は、熱伝導性材料を含んでもよく、これは熱をエアロゾルから引き出すために使用され得る。導管はエアロゾルによって加熱され得る。材料の熱拡散率は、約10 -6 2 /s以上、10 -5 2 /s以上、約5x10 -5 2 /s以上、または約10 -4 2 /s以上であってもよい。
【0086】
熱伝導性材料の非限定的な例としては、9.7 x 10 -5 2 /sの熱拡散率を有するアルミニウム、および銅が挙げられる。
【0087】
いくつかの実施形態では、導管の一部分は加速要素を形成する。例えば、導管は、冷却要素および加速要素を含むノズルであってもよい。
【0088】
エアロゾル導管を通過して流れる、エアロゾル導管の外側の空気は、エアロゾル導管または気流チャネルから熱を引き出す。この冷却気流は、シーシャ装置の設計によって提供され得る。シーシャ装置は、周囲空気源(例えば、周囲環境)から冷却要素へと延びる冷却気流チャネルを備えてもよい。一実施例では、冷却要素は、上向きに上昇する空気を加熱し、冷却気流チャネルを通り、冷却要素を通過する周囲空気の流れを生じる。シーシャ装置の適切な通気設計は、この気流を促進し、受動的なファンを提供し得る。別の実施形態では、冷却気流はユーザーの吸煙によって促進され得る。冷却気流チャネルは、マウスピースまで延びるように設計されてもよい。ユーザーの吸煙は、周囲空気が冷却気流チャネルを通り、冷却要素を通過して流れることを促進し得る。冷却気流を発生させるためのユーザーの同一の吸煙は、エアロゾル導管の気流チャネルを通してエアロゾルを引き出すこともできる。
【0089】
冷却要素によって加熱された空気は、エアロゾル発生要素に予熱された空気を提供するのに使用されてもよく、これは、エアロゾル発生要素の動作の改善を促進し得る。例えば、周囲空気は、冷却気流チャネルを通して冷却要素と流体連通してもよい。冷却要素は、エアロゾルを冷却する時に周囲空気を加熱し得る。加熱された空気は、エアロゾル発生要素と流体連通し得る。具体的には、加熱された空気は、エアロゾル発生要素を通して引き出されて、より多くのエアロゾルを生成してもよく、次いで、エアロゾル導管の気流チャネル内に引き出され得る。
【0090】
通常、ヒーターは、基体の温度を外側から内側まで上昇させるが、これには時間がかかり、基体を通した熱勾配が生じる場合がある。ある質量の高温の空気を基体に沿って通過させることにより、基体の温度は、より高速に上昇し、熱勾配を平坦化し得る。
【0091】
熱伝導性材料の使用は、冷却要素に限定されない。例えば、加速要素が熱伝導性材料で形成されてもよい。いくつかの実施形態では、導管と加速要素の両方が熱伝導性材料で形成される。例えば、導管および加速要素は一緒に一体的に形成されてもよい。
【0092】
いくつかの実施形態では、冷却要素の導管は、熱伝導性ではないか、または低い熱伝導率を有する材料で形成されてもよい。例えば、導管はエポキシ樹脂で形成され得る。冷却要素のその他の構成要素を使用して冷却効果を提供してもよい。
【0093】
様々なタイプのヒートシンクが使用され得る。ヒートシンクは熱伝導性材料で形成されてもよい。ヒートシンクはフリンジヒートシンクであってもよい。例えば、フリンジヒートシンクは複数のフィンを含み得る。一つ以上のフィンは、少なくとも225mm 2 の表面積を有してもよい。フィンは比較的薄くてもよい。フィンのうちの一つ以上は、最大で0.5mmの厚さを有してもよい。エアロゾル導管の外側の冷却気流は、ヒートシンクから熱を引き出す場合がある。ヒートシンクはヒートパイプであってもよい。ヒートパイプは、気化を受けた後に濃縮に供され得る作用流体を含み得る。
【0094】
ヒートシンクは、導管と組み合わせて使用されてもよい。具体的には、ヒートシンクは導管を通してエアロゾルに熱的に結合され得る。ヒートシンクは導管の外側に配置されてもよい。例えば、ヒートシンクは、導管の一部分を少なくとも部分的にまたは完全に囲んでもよい。ヒートシンクは導管から熱を引き出す場合がある。
【0095】
任意の好適なヒートポンプが使用され得る。一実施例では、ヒートポンプは、電気エネルギーを使用して冷却を駆動し得る熱電素子を含み得る。熱電素子は、電力供給源との併用に特に適し得る。いくつかの実施形態では、熱電素子はペルチェ素子である。ヒートポンプは、加熱される側面および冷却される側面を有してもよく、エアロゾルから離れる方向に、熱を冷却される側面から加熱される側面に伝達するように構成され得る。エアロゾル導管の外側の冷却気流は、ヒートポンプの加熱される側から熱を引き出す場合がある。
【0096】
ヒートポンプは、導管およびヒートシンクのうちの少なくとも一つと組み合わせて使用されてもよい。例えば、ヒートポンプは、導管、ヒートシンク、またはその両方に結合され得る。具体的には、ヒートポンプの冷却される側面は、周囲空気を冷却するためにヒートシンクに隣接して配置されてもよい。その後、冷却された空気は、ヒートシンクを通過する流れを通過し、例えば、フィンを通して効率的な冷却を提供し得る。
【0097】
任意の好適なファンが使用されてもよい。ファンは、エアロゾル導管の外側の冷却気流の移動を容易に得る。ファンは電力供給源によって電力供給されてもよい。ファンは、ユーザーの吸煙を用いて冷却気流を発生することに加えて、または別の方法として、使用されてもよい。
【0098】
ファンは、導管、ヒートシンク、およびヒートポンプのうちの少なくとも一つと組み合わせて使用されてもよい。一実施例では、ファンは、例えば、導管に結合された複数のフィンを通して、ヒートシンクを通過するよう冷却気流を方向付け得る。別の実施例では、ファンは選択的に起動されてもよい。シーシャ装置は、温度センサーおよびコントローラを含んでもよい。温度センサーは、ヒートポンプの加熱される側面に熱的に結合されてもよい。ファンは、感知された温度が温度閾値を超えるのに応答して起動されてもよい。ファンの選択的な起動は、改善された温度を提供し得る。例えば、選択的な起動は、必要な時のみの冷却(例えば、電力節約のため)を改善するのに役立ち、または、エアロゾル発生要素の過熱を防止し得る(例えば、エアロゾル形成基体の燃焼を防止するために)。
【0099】
様々なタイプの冷却容器が使用され得る。冷却容器の内部容積は、液体を収容するように構成され得る。液体は、気流チャネルまたはエアロゾル導管に隣接して配置されてもよい。具体的には、冷却容器内の液体は、エアロゾル発生要素からヘッドスペース出口へのエアロゾルの経路内に配置されない場合がある。冷却容器の内部容積は、ベッセルの内部と流体連通しない場合がある。しかしながら、一つ以上の実施形態では、内部容積は、ベッセルの内部と流体連通し得る。
【0100】
冷却容器の内部容積は、約250ml以上とし得る。冷却容器で使用される液体の非限定的な例は、水およびエチレングリコールを含む。
【0101】
液体は、ユーザーによって手動で内部容積の中へと配置されてもよい。内部容積はまた、ベッセルなどの別の供給源からの液体を使用して、液体ポンプを使用する、または毛細管作用を通す、などのその他の技術を使用して充填されてもよい。こうした技術を使用することで、シーシャ装置の動作が簡略化され得る。ユーザーは、ベッセルを充填する必要があるのみであり、ベッセルがまた、液体を冷却容器に提供し得る。毛細管作用により、追加的な電力消費を伴わない充填が可能になり得る。
【0102】
一般に、冷却容器は、エアロゾルが液体を加熱する時にエアロゾルを発生し得る。その後、冷却容器は、様々な方法で熱を液体から移動させ得る。
【0103】
一つのタイプの冷却容器は、液体が内部容積の中へと、または内部容積の外へ流れることを可能にするための一つ以上のポートを含み得る。冷却液体は、外部供給源から内部容積の中へと循環されてもよい。加熱された液体は、内部容積から外へ循環され得る。
【0104】
別のタイプの冷却容器は、内部容積の周りに熱伝導性の壁を含み得る。熱伝導性の壁は、熱伝導性材料で形成され得る。エアロゾル導管の外側の冷却気流は、熱伝導性のある壁から熱を引き出す場合がある。
【0105】
また別のタイプの冷却容器は、少なくとも部分的に多孔性であってもよい。冷却容器は、液体が壁を通して蒸発することを可能にする多孔性の壁を含み得る。多孔性材料の非限定的な例には、多孔性の粘土、および発泡性シリカが挙げられる。
【0106】
さらに別のタイプの冷却容器は、「ポットインポット」冷却容器として記述され得るが、これはまた、液体が蒸発することを可能にする。ポットインポット冷却容器は、内壁および外壁を含み得る。外壁は、液体を収容するための内部容積およびベイパーが抜けるのを可能にする開口部を画定し得る。内壁は多孔性材料で形成される多孔性であってもよく、外壁の内側に配置され得る。多孔性の第一の壁は、内壁の表面を通した液体の蒸発を可能にし得るが、液体は、外壁によって画定される開口部を通してベイパーとして冷却容器を抜け得る。
【0107】
ポットインポット冷却容器の有効性は、周囲環境の温度および湿度に依存し得る。高温および低湿度を有する一部の環境では、ポットインポット冷却容器は、液体を4.5℃まで冷却し得る。
【0108】
冷却容器は、導管、ヒートシンク、ヒートポンプ、およびファンのうちの少なくとも一つと組み合わせて使用されてもよい。一実施例では、液体は導管の一部分を囲んでもよい。具体的には、液体は導管の一部分を完全に囲んでもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも冷却容器およびヒートポンプの組み合わせは、冷却要素を含まない装置と比較して、最大約60°Cの温度降下を提供し得る。ヒートポンプの冷却される側面は、冷却容器に結合されてもよく、または接触してもよい。ヒートシンクは、冷却容器内の液体と流体連通する冷却容器の内部容積内に少なくとも部分的に配置されてもよい。ヒートシンクは、ヒートポンプの冷却される側面に結合されてもよく、または接触してもよい。
【0109】
水ブロックを通して流れる液体を冷却するように構成された任意のタイプの水ブロックが使用されてもよい。水ブロックは、水などの任意の好適な液体で使用され得る。水ブロックは、それを通して液体を流すためにその中に形成される少なくとも一つの内腔を有する熱伝導性材料で形成され得る。エアロゾルからの熱は、液体を加熱した後、熱伝導性材料によって液体から離れるように移動し得る。エアロゾル導管の外側の冷却気流は、水ブロックから熱を引き出す場合がある。
【0110】
水ブロックは、導管、ヒートシンク、ヒートポンプ、ファン、および冷却容器のうちの少なくとも一つと組み合わせて使用され得る。一実施例では、冷却容器は、水ブロックの少なくとも一つの内腔と流体連通する一つ以上のポートを含み得る。冷却容器内に収容される液体は、例えば、導管を通してエアロゾルによって加熱され得る。加熱された液体は、水ブロックを通して流れるのに応答して冷却されてもよい。液体は、回路内に接続されて、冷却された液体が冷却容器に戻ることを可能にし得る。いくつかの実施形態では、ヒートポンプの冷却される側面は、水ブロックに結合されて、または接触して、加熱された液体の冷却をさらに強化してもよい。ファンはまた、ヒートポンプの加熱される側面を通過する気流を促進するように位置付けられ得る。
【0111】
液体ポンプは任意の好適なタイプであってもよい。一実施例では、液体ポンプは、電気エネルギーを使用して液体を移動させるか、または循環させ得る。別の実施例では、液体ポンプは、吸煙中のユーザーの吸込みを使用する、またはユーザーの吸引によって支持され得る。この場合、液体ポンプの特徴を使用してRTDを調節し得る。液体ポンプは、それ自体による冷却を提供しない場合がある。他の構成要素とともに使用される場合、液体ポンプは冷却を促進する能動的な装置と考えられ得る。ポンプは、導管、ヒートシンク、ヒートポンプ、ファン、冷却容器、および水ブロックのうちの少なくとも一つと組み合わせて使用されてもよい。一実施例では、液体ポンプは、水ブロックおよび貯蔵部を通して液体を流すために使用され得る。具体的には、ポンプは、冷却のために貯蔵部から水ブロックへと加熱された液体を流し得る。
【0112】
いくつかの実施形態では、少なくとも液体ポンプと冷却容器との組み合わせは、液体ポンプを含まない冷却容器の使用に対して、改善された冷却を提供し得る。液体ポンプは、冷却される前に液体が導管と接触する時間を減少させ得る。高いポンピングの流れは、同じ量の液体に対してより多くの冷却を提供し得る。その結果、内部容積は、液体ポンプを含まない冷却容器の内部容積より小さい場合がある。これにより、シーシャ装置が従来的なシーシャ装置のサイズにより匹敵するサイズを有することが可能になり得る。
【0113】
シーシャ装置は、空気加速吸込み口を有するチャンバーを含んでもよい。チャンバーは、シーシャ装置の気流路内のエアロゾル発生要素とベッセルとの間にあってもよい。エアロゾル発生要素から、またはエアロゾル発生要素の近位の領域からベッセルへと移動するエアロゾルは、チャンバーを通過し得る。チャンバーは、チャンバーに入る際にエアロゾルを加速する吸込み口を含み得る。吸込み口を出るエアロゾルは減速する場合があり、これはエアロゾル核形成工程を改善し、かつ空気加速吸込み口を有するチャンバーを含まない装置に対して可視的なエアロゾルの増大を生じさせる場合がある。可視的なエアロゾルの量は、ユニットの主チャンバー内、ベッセルの上部空間、または主チャンバーおよびベッセルの両方で増加する場合がある。加えて、または別の方法として、シーシャ装置によって送達される総エアロゾル質量は、空気加速吸込み口を有するチャンバーを含まない装置に対して増加する場合がある。例えば、総エアロゾル質量は、約1.5倍以上、または約2倍以上(約3倍など)増加する場合がある。
【0114】
加速要素は、チャンバーの吸込み口を含んでもよく、または吸込み口として形成されてもよい。本明細書の吸込み口の説明は、加速要素によって少なくとも部分的に形成されるノズルに適用可能であってもよい。いくつかの実施形態では、冷却要素および加速要素によって形成されるノズルは、吸込み口としても機能する。
【0115】
気流経路は、気流チャネルを含んでもよい。気流経路は少なくとも、例えば、空気吸込み口チャネルからヘッドスペース出口へと延びてもよい。
【0116】
チャンバーは、吸込み口と流体連通する主チャンバーを有してもよい。主チャンバーは、エアロゾルが吸込み口を出て主チャンバーに入る時に、主チャンバー内のエアロゾルの減速を可能にするようにサイズ設定され、かつ形作られる。主チャンバーは、エアロゾルの減速を可能にする任意の好適なサイズおよび形状を有してもよい。好ましくは、主チャンバーは実質的に円筒形であるが、任意の他の好適な形状であってもよい。
【0117】
主チャンバーは任意の好適な直径を有してもよい。本開示の目的のため、特に指定のない限り、「直径」は、物体の第一の端からその第一の端とは反対側にある第二の端までの最大横断距離である。一例として、「直径」は、円形の横断断面を有する物体の直径であってもよく、または長方形の横断断面を有する反対の幅であってもよい。一部の実施例では、主チャンバーは少なくとも約10mmの直径を有する。例えば、主チャンバーの直径は、約10mm~約50mm(約30mmなど)であってもよい。
【0118】
主チャンバーは任意の好適な長さを有してもよい。一部の実施例では、主チャンバーは少なくとも約10mmの長さを有する。例えば、主チャンバーの長さは、約10mm~約100mm(約40mmなど)であってもよい。
【0119】
吸込み口は主チャンバーの中へと突出することが好ましい。例えば、吸込み口の第一の端は、チャンバーのハウジングの外部表面に形成されてもよく、また吸込み口の第二の端は主チャンバーの中へと延びてもよい。
【0120】
エアロゾルを搬送する空気を加速する任意の好適な吸込み口が使用されてもよい。好適な吸込み口は、圧縮された気流断面を画定するガイドを含んでもよく、これは実質的に軸方向に加速するように空気を強制する。一部の実施例では、吸込み口は、エアロゾル発生要素に近接する第一の孔と主チャンバーに近接する第二の孔とを有する。エアロゾル発生要素からのエアロゾルは、吸込み口の中へと第一の孔を通して流れ、第二の孔から出て主チャンバーの中へと流れる。第一の孔は、第二の孔より大きい直径を有する。
【0121】
第一の孔は、任意の好適な寸法を有してもよい。例えば、吸込み口の第一の孔は、約1mm~約10mmの範囲(約2mm~約9mm、または約7mmなど)の直径を有してもよい。
【0122】
吸込み口の第二の孔は、任意の好適な寸法を有してもよい。例えば、第二の孔は、約0.5mm~約4mmの範囲(約0.5mm~約2mm、または約1mmなど)の直径を有してもよい。
【0123】
吸込み口は、任意の好適な長さを有してもよい。例えば、第一の孔から第二の孔までの吸込み口の長さは、約1mm~約30mm(約1mm~約20mmまたは約5mm~約30mmなど、約20mmなど)であってもよい。
【0124】
吸込み口は錐台状の形状を有することが好ましい。例えば、吸込み口はノズルの形態であってもよい。円錐台形を有する吸込み口は、エアロゾルが吸込み口を通して引き出される際にエアロゾルの効率的な加速を可能にする場合がある。
【0125】
チャンバーは、任意の好適な数の空気加速吸込み口を有してもよい。例えば、チャンバーは一つ以上の空気加速吸込み口を有してもよい。一部の実施例では、チャンバーは、2個、3個、4個、または5個以上の空気加速吸込み口を有してもよい。
【0126】
チャンバーは、一つ以上の部品を含んでもよい。例えば、主チャンバーおよび一つ以上の吸込み口は、同一の部品から形成されてもよく、または異なる部品から形成されてもよい。主チャンバーは、ユーザーがチャンバー内のエアロゾルを観察できるようにする材料から形成されることが好ましい。例えば、主チャンバーは、光学的に透明な材料で形成されてもよく、または不透明な材料で形成されてもよい。
【0127】
チャンバーは、エアロゾル発生要素と液体を収容するように構成されたベッセルとの間の気流路内に位置付けられてもよい。導管は、チャンバーをエアロゾル発生要素の出口へと接続してもよい。別の方法として、チャンバーの吸込み口はエアロゾル発生要素の出口であってもよい。
【0128】
シーシャ装置は、チャンバーからベッセルの中へと延びる主導管を含んでもよい。主導管は、ベッセルの液体充填レベルより下のベッセルの中へと延びることが好ましい。一部の実施例では、チャンバーの主チャンバーは主導管に流体接続される。他の実施例では、ベッセルの中へと延びる主導管は、チャンバーの主チャンバーを形成する。
【0129】
本発明のシーシャ装置は、エアロゾル形成基体を加熱してエアロゾルを生成するための任意の好適なエアロゾル発生要素を有してもよい。エアロゾル形成基体は電気発熱体によって加熱されることが好ましい。エアロゾル発生要素は、発熱体によって加熱されるエアロゾル形成基体を収容するための容器を収容する。発熱体によって加熱される時、エアロゾル形成基体はカートリッジ内にあることが好ましく、それゆえにエアロゾル発生要素は、カートリッジを受けるように構成されたカートリッジ容器を含むことが好ましい。別の方法として、カートリッジ内にないエアロゾル形成基体は、容器内に定置されてもよい。
【0130】
エアロゾル発生要素は、空気吸込み口、およびエアロゾル出口を含む。ユーザーがシーシャ装置を吸う時、周囲空気が空気吸込み口に入り、エアロゾル形成基体を通り過ぎ、または通り、そしてチャンバーの吸込み口の中へと入るためにエアロゾル出口から出る。一部の実施例では、エアロゾル発生要素のエアロゾル出口は、チャンバーの吸込み口の少なくとも一部分である、またはチャンバーの吸込み口の少なくとも一部分を形成する。
【0131】
エアロゾル発生要素の発熱体は、エアロゾル形成基体またはカートリッジを保持するための容器の少なくとも一つの表面を画定することが好ましい。発熱体は、容器の少なくとも二つの表面を画定することがより好ましい。例えば、発熱体は、上面、側面、および底面のうちの二つ以上の少なくとも一部分を形成してもよい。発熱体は、上面の少なくとも一部分、および側面の少なくとも一部分を画定することが好ましい。発熱体は、容器の上面全体および側壁表面全体を形成することがより好ましい。発熱体は、容器の内表面または外表面上に配置されてもよい。
【0132】
任意の好適な発熱体が採用されてもよい。例えば、発熱体は、電気抵抗加熱構成要素および誘導加熱構成要素のうちの一方または両方を含んでもよい。発熱体は電気抵抗加熱構成要素を含むことが好ましい。例えば、発熱体は、一つ以上の電気抵抗性ワイヤーまたはその他の抵抗性要素を有してもよい。抵抗ワイヤーは、熱伝導性材料と接触し、生成された熱をより広い領域にわたって分配し得る。好適な熱伝導性材料には、アルミニウム、銅、亜鉛、ニッケル、銀、およびそれらの組み合わせが含まれる。本開示の目的のためには、電気抵抗性ワイヤーが熱伝導性材料と接触する場合、電気抵抗性ワイヤーおよび熱伝導性材料の両方は、カートリッジ容器の表面の少なくとも一部分を形成する発熱体の一部である。
【0133】
一部の実施例において、発熱体は誘導発熱体を備える。例えば、発熱体は、カートリッジ容器の表面を形成するサセプタ材料を有してもよい。
【0134】
「サセプタ」という用語は本明細書で使用される時、電磁エネルギーを熱に変換することが可能な材料を意味する。交流電磁場内に位置する時、典型的にはサセプタ内で渦電流が誘導され、ヒステリシス損失が生じることがあり、これはサセプタの加熱を引き起こす。サセプタがエアロゾル形成基体と熱接触して位置するか、または熱的に近接すると、そのサセプタによってその基体が加熱され、これによりエアロゾルが形成される。サセプタはエアロゾル形成基体と少なくとも部分的に直接物理的接触して配列されることが好ましい。
【0135】
サセプタは、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生させるのに十分な温度に誘導加熱されることができる任意の材料から形成されてもよい。サセプタは金属または炭素を含むことが好ましい。好適なサセプタは、強磁性材料(例えばフェライト鉄)、強磁性合金(強磁性鋼またはステンレス鋼など)、およびフェライトを含み得る。好適なサセプタはアルミニウムであってもよく、またはアルミニウムを含んでもよい。
【0136】
好適なサセプタは、金属サセプタ、例えば、ステンレス鋼を含む。しかし、サセプタ材料はまた、黒鉛、モリブデン、シリコン炭化物、アルミニウム、ニオブ、インコネル合金(オーステナイトニッケル・クロム系超合金)、金属蒸着フィルム、セラミック(例えば、ジルコニウムなど)、遷移金属(例えば、Fe、Co、Niなど)、または半金属構成要素(例えば、B、C、Si、P、Alなど)を含み得るか、またはそれらで作られ得る。
【0137】
サセプタは、5パーセント超の、好ましくは20パーセント超の、好ましくは50パーセントまたは90パーセント超の強磁性材料もしくは常磁性材料を含むことが好ましい。好適なサセプタは、摂氏250度を超える温度まで加熱されてもよい。好適なサセプタは、非金属コアの上に配置された金属層を有する非金属コア(例えば、セラミックコアの表面上に形成された金属のトラック)を有してもよい。
【0138】
本発明によるシステムでは、容器内に配置するための容器の少なくとも一つの表面、または容器内に定置するためのエアロゾル形成基体を収容するカートリッジは、サセプタ材料を含んでもよい。容器の少なくとも二つの表面は、サセプタ材料を有することが好ましい。例えば、容器の基部および少なくとも一つの側壁は、サセプタ材料を含んでもよい。有利なことに、カートリッジ容器の外表面の少なくとも一部分は、サセプタ材料で作製される。しかしながら、カートリッジ容器の内側の少なくとも部分も、サセプタ材料で被覆されるか、サセプタ材料で裏打ちされてもよい。裏打ちは、シェルの一体型の部品を形成するように、シェルに取り付けられる、または固定されることが好ましい。
【0139】
加えて、または別の方法として、カートリッジはサセプタ材料を有してもよい。
【0140】
シーシャ装置はまた、サセプタ材料内に渦電流および/またはヒステリシス損失を誘発するように構成された一つ以上の誘導コイルを含んでもよく、これは結果としてサセプタ材料の加熱をもたらす。サセプタ材料はまた、エアロゾル形成基体を収容するカートリッジ内に位置付けられてもよい。サセプタ材料を含むサセプタ素子は、例えば、PCT特許出願公開第2014/102092号および同第2015/177255号に記述されている材料など、任意の好適な材料を有してもよい。
【0141】
シーシャ装置は、抵抗発熱体または誘導コイルに動作可能に結合された制御電子回路を含んでもよい。制御電子回路は発熱体の加熱を制御するように構成されている。
【0142】
制御電子回路は任意の好適な形態で提供されてもよく、また例えばコントローラ、またはメモリおよびコントローラを含み得る。制御電子回路は、一つ以上の構成要素に制御電子回路の機能または態様を実行させる命令を含むメモリを含み得る。本開示における制御電子回路に帰属する機能は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェアのうちの一つ以上として具現化されてもよい。
【0143】
具体的には、本明細書に記載のコントローラなどの一つ以上の構成要素は、中央処理装置(CPU)、コンピュータ、論理アレイ、または制御電子回路の中に入る、または充電器の外に出るデータを方向付ける能力を有するその他の装置などのプロセッサを含み得る。コントローラは、メモリ、プロセッシング、および通信ハードウェアを有する一つ以上のコンピューティング装置を含み得る。コントローラは、コントローラの様々な構成要素をまとめて結合するために、またはコントローラに動作可能に結合された他の構成要素と結合するために使用される回路を含んでもよい。コントローラの機能は、ハードウェアによって、かつ/または非一時的コンピュータ可読記憶媒体上のコンピュータ命令として実施されてもよい。
【0144】
コントローラのプロセッサは、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、および/または等価のディスクリート論理回路もしくは集積論理回路のうちの任意の一つ以上を含んでもよい。一部の実施例において、プロセッサは、一つ以上のマイクロプロセッサ、一つ以上のコントローラ、一つ以上のDSP、一つ以上のASIC、および/または一つ以上のFPGA、ならびにその他のディスクリート論理回路または集積論理回路の任意の組み合わせなどの複数の構成要素を含んでもよい。本明細書のコントローラまたはプロセッサに帰属する機能は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはこれらの任意の組み合わせとして具現化され得る。本明細書にはプロセッサベースのシステムとして記載されているが、代替的なコントローラは、リレーおよびタイマーなどの他の構成要素を利用し、単独またはマイクロプロセッサベースのシステムと組み合わせて、望ましい結果を達成することができる。
【0145】
一つ以上の実施形態において、例示的なシステム、方法、およびインターフェースは、一つ以上のプロセッサおよび/またはメモリを含み得るコンピューティング装置を使用する、一つ以上のコンピュータプログラムを使用して実施されてもよい。本明細書に記載のプログラムコードおよび/または論理は、入力データ/情報に適用されて、本明細書に記載の機能性を実施し、かつ所望の出力データ/情報を生成してもよい。出力データ/情報は、本明細書に記載の通り、または周知の様式で適用されるであろう通りに、一つ以上の他の装置および/または方法に、入力として適用されてもよい。上記を考慮すると、本明細書に記載の通りのコントローラ機能が、当業者に既知の任意の様態で実施され得ることは容易に明らかであろう。
【0146】
いくつかの実施形態では、制御電子回路はマイクロプロセッサを含み得るが、これはプログラム可能マイクロプロセッサでもよい。電子回路は電力供給を調節するように構成されてもよい。電力は、電流パルスの形態でヒーター要素または誘導コイルに供給されてもよい。
【0147】
発熱体が抵抗発熱体である場合、制御電子回路は、発熱体の電気抵抗を監視し、発熱体の電気抵抗に応じて発熱体への電力供給を制御するように構成され得る。このように、制御電子回路は抵抗要素の温度を調節し得る。
【0148】
加熱構成要素が誘導コイルを含み、発熱体がサセプタ材料を含む場合、制御電子回路は、誘導コイルの様子を監視するように、および例えばWO 2015/177255号で説明されているようなコイルの態様に応じて誘導コイルへの電力供給を制御するように構成され得る。このように、制御電子回路はサセプタ材料の温度を調節し得る。
【0149】
シーシャ装置は、熱電対などの温度センサーを有してもよい。温度センサーは、発熱体の温度を制御するために制御電子回路に動作可能に結合されてもよい。温度センサーは、任意の好適な場所に位置付けられ得る。例えば、温度センサーは、加熱されるエアロゾル形成基体の温度を監視するために、容器内に受けられたエアロゾル形成基体またはカートリッジの中へと挿入されるように構成されてもよい。加えて、または別の方法として、温度センサーは発熱体と接触してもよい。加えて、または別の方法として、温度センサーは、エアロゾル発生要素のエアロゾル出口など、シーシャ装置のエアロゾル出口での温度を検出するように位置付けられてもよい。加えて、または別の方法として、温度センサーは、ヒートポンプの加熱される側面などの、冷却要素と接触してもよい。センサーは、感知された温度に関する信号を制御電子回路に送信してもよく、これは発熱体の加熱を調整して、センサーでの好適な温度を達成し得る。
【0150】
K型熱電対などの、任意の好適な熱電対が使用され得る。熱電対は、カートリッジ内の温度が最も低い場所に配置され得る。例えば、熱電対は、カートリッジの中心または中央に配置され得る。一部のシーシャ装置では、熱電対は、例えば、基体の容器と発熱体(木炭など)との間に熱電対を配置した後に基体を上部に配置することによって、エアロゾル形成基体(糖蜜など)の下に配置され得る。
【0151】
シーシャ装置が温度センサーを含むかどうかにかかわらず、装置は、エアロゾル形成基体を燃焼することなくエアロゾルを発生するのに十分な程度まで容器内に受けられたエアロゾル形成基体を加熱するように構成されることが好ましい。
【0152】
制御電子回路は電源に動作可能に結合されてもよい。シーシャ装置は任意の好適な電源を含んでもよい。例えば、シーシャ装置の電源は、電池または電池の組(例えば、電池パック)であってもよい。一部の実施例では、陰極要素および陽極要素などの電池の一つ又は二つ以上の構成要素、または電池全体さえもが、それらが配置されるシーシャ装置の一部分の幾何学的形状に合わせて適合され得る。一部の事例では、電池または電池構成要素は、幾何学的形状に一致するために転動または組立によって適合され得る。電源ユニットの電池は、再充電可能とすることができるだけでなく、取り外し可能かつ交換可能であってもよい。任意の好適な電池が使用され得る。例えば、産業用耐久型電気工具に使用されものなど、市販の耐久型または標準電池である。別の方法として、電源ユニットは、スーパーコンデンサまたはハイパーコンデンサを含む任意のタイプの電源であってもよい。別の方法として、装置は、外部電源に接続されて電力供給することができ、またこうした目的のために電気的および電子的に設計することができる。採用される電源のタイプにかかわらず、電源は再充電または外部電源への接続を必要とする前に、およそ70分間の装置の連続動作において装置が正常に機能するために十分なエネルギーを提供することが好ましい。
【0153】
シーシャ装置は、エアロゾル形成基体を収容するための容器と流体連通する空気吸込み口チャネルを備える。周囲空気は、シーシャ装置が使用されている時に、発生したエアロゾルをエアロゾル形成基体からエアロゾル出口へと搬送するために、空気吸込み口チャネルを通して容器へ、そして容器内に配置された基体へと流れる。空気吸込み口チャネルの少なくとも一部分は、容器に入る前に空気を予熱するために、発熱体によって形成されることが好ましい。容器の表面を形成する発熱体の一部分が、空気吸込み口チャネルの一部分を形成することが好ましい。空気吸込み口チャネルは、容器の上面および容器の側壁(発熱体によって形成されている場合)のうちの一方または両方から形成されることが好ましい。空気吸込み口チャネルは、容器の上面および容器の側壁(発熱体によって形成されている場合)の両方によって形成されることが好ましい。
【0154】
発熱体は、空気を予熱するように構成された冷却要素の一部を含んでもよく、またはこれから形成されてもよいことが好ましい。
【0155】
空気吸込み口チャネルの任意の好適な部分は、発熱体によって形成されてもよい。空気吸込み口チャネルの長さの約50%以上は、発熱体によって形成されることが好ましい。多くの実施例では、発熱体は、空気吸込み口チャネルの長さの95%以下を形成することになる。
【0156】
空気吸込み口チャネルを通して流れる空気は、発熱体によって任意の好適な量だけ加熱されてもよい。一部の実施例では、空気は、加熱された空気がエアロゾル形成基体またはエアロゾル形成基体を収容するカートリッジを通して流れる時にエアロゾルが形成されるように、十分に加熱される。一部の実施例では、空気は、それ自身はエアロゾル形成を生じるために十分には加熱されないが、発熱体による基体の加熱を容易にする。基体を加熱し、そしてエアロゾル形成を生じるために発熱体へと供給されるエネルギーの量は、本発明による空気が予熱される時は、空気が予熱されない設計に対して、5%以上(10%以上、または15%以上など)減少されることが好ましい。典型的には、エネルギー節約は75%未満となるであろう。
【0157】
基体は、予熱された空気と、発熱体からの加熱との組み合わせを通して、約150℃~約250℃の範囲の温度に加熱されることが好ましく、約180℃~約230℃または約200℃~約230℃の範囲の温度へと加熱されることがより好ましい。
【0158】
気流経路の少なくとも一部分は、発熱体と熱遮蔽との間に形成されることが好ましい。空気吸込み口チャネルによって形成される空気吸込み口チャネルの実質的に部分全体は、熱遮蔽によって形成されることが好ましい。熱遮蔽および発熱体は、空気が熱遮蔽と発熱体との間に流れるように、空気吸込み口チャネルの対向する表面を形成してもよい。熱遮蔽は、容器によって形成される内部に対する外部に位置付けられることが好ましい。
【0159】
任意の好適な熱遮蔽材料が採用されてもよい。熱遮蔽材料は熱反射性である表面を有することが好ましい。熱反射性表面は、断熱材料で裏打ちされてもよい。一部の実施例では、熱反射性材料は、アルミニウム金属化フィルムまたはその他の好適な熱反射性材料を含む。一部の実施例では、断熱材料はセラミック材料を含む。一部の実施例では、熱遮蔽はアルミニウム金属化フィルムおよびセラミック材料の裏当てを含む。
【0160】
空気吸込み口チャネルは、シーシャ装置の外側からの周囲空気が空気吸込み口チャネルを通って、そして孔を通って容器の中へと流れ得るように、容器を通る一つ以上の孔を備え得る。空気吸込み口チャネルが二つ以上の孔を含む場合、空気吸込み口チャネルは、空気吸込み口チャネルを通して各孔へと流れる空気を方向付けるためのマニホールドを含んでもよい。シーシャ装置は、二つ以上の空気吸込み口チャネルを備えることが好ましい。
【0161】
容器は、一つ以上の空気吸込み口チャネルと連通する任意の好適な数の孔を含んでもよい。例えば、容器は1~1000個の孔(10~500個の孔など)を含んでもよい。孔は、均一なサイズであってもよく、不均一なサイズであってもよい。孔は、均一な形状であっても、不均一な形状であってもよい。孔は、均一に分布されてもよく、また不均一に分布されてもよい。孔は、カートリッジ容器内の任意の好適な場所において形成されてもよい。例えば、孔は、容器の上部または側壁のうちの一方または両方に形成されてもよい。孔は容器の上部に形成されることが好ましい。
【0162】
容器は、基体またはカートリッジが容器によって受けられた時に、容器の表面を形成する発熱体によるエアロゾル形成基体の伝導性加熱を促進するように、容器の一つ以上の壁または天井と、エアロゾル形成基体またはエアロゾル形成基体を収容するカートリッジとの間で接触できるように形状設定およびサイズ設定されることが好ましい。一部の実施例では、エアロゾル形成基体を収容するカートリッジの少なくとも一部分と容器の表面との間に空隙が形成されてもよく、空隙は空気吸込み口チャネルの一部分として機能する。
【0163】
容器の内部およびエアロゾル形成基体を収容するカートリッジの外部は、類似のサイズおよび寸法であることが好ましい。容器の内部およびカートリッジの外部は、約1.5対1よりも大きい高さ:基部幅(または直径)比を有することが好ましい。こうした比は、発熱体からの熱がカートリッジの中心部へと貫通するのを可能にすることによって、使用中にカートリッジ内のエアロゾル形成基体のより効率的な枯渇を可能にする場合がある。例えば、容器およびカートリッジは、高さに対して約1.5~約5倍、または高さの約1.5~約4倍、または高さに対して約1.5~約3倍の基部直径(または幅)を有してもよい。同様に、容器およびカートリッジは、基部直径(または幅)に対して約1.5~約5倍、または基部直径(または幅)の約1.5~約4倍、または基部直径(または幅)に対して約1.5~約3倍の高さを有してもよい。容器およびカートリッジは、約1.5対1~約2.5対1の高さ:基部直径比または基部直径:高さ比を有することが好ましい。
【0164】
一部の実施例では、容器の内部およびカートリッジの外部は、約15mm~約25mmの範囲の高さ、および約40mm~約60mmの範囲の基部直径を有する。
【0165】
容器は、一つ以上の部品から形成されてもよい。容器は二つ以上の部品によって形成されることが好ましい。容器の少なくとも一部は、カートリッジを容器の中へと挿入するための容器の内部へのアクセスを可能にするために、別の部品に対して移動可能であることが好ましい。例えば、一つの部品は、部品が分離された時にエアロゾル形成基体またはエアロゾル形成基体を収容するカートリッジの挿入を可能にするために、別の部品に取り外し可能に取り付け可能であってもよい。部品は、ねじ係合、締まり嵌め、スナップ嵌め、またはこれに類するものによるなどの、任意の好適な様式で取り付け可能であってもよい。一部の実施例では、部品はヒンジを介して互いに取り付けられる。部品がヒンジを介して取り付けられている時、部品はまた、容器が閉位置にある時に部品を互いに対して固定するための係止機構を含んでもよい。一部の実施例では、容器は、エアロゾル形成基体またはカートリッジが引き出し内に定置されることを可能にするように摺動的に開けられてもよく、かつシーシャ装置を使用されることを可能にするように摺動的に閉めることのできる引き出しを備える。
【0166】
任意の好適なエアロゾル形成カートリッジは、本明細書に記述されるシーシャ装置と併用されてもよい。カートリッジは、熱伝導性のあるハウジングを備えることが好ましい。例えば、ハウジングはアルミニウム、銅、亜鉛、ニッケル、銀、およびこれらの組み合わせから形成されてもよい。ハウジングはアルミニウムから形成されることが好ましい。一部の実施例では、カートリッジは、アルミニウムよりも熱伝導性の低い一つ以上の材料から形成される。例えば、ハウジングは、任意の好適な熱的に安定な高分子材料から形成されてもよい。材料が十分に薄い場合、特に熱伝導性のない材料からハウジングが形成されていても、ハウジングを通して十分な熱が伝達される場合がある。
【0167】
カートリッジは、使用時にカートリッジを通した空気の流れを可能にするために、ハウジングの上部および底部に形成された一つ以上の孔を含んでもよい。容器の上部が一つ以上の孔を含む場合、カートリッジの上部にある少なくとも一部の孔は、容器の上部の孔と整列してもよい。カートリッジは、カートリッジが容器の中へと挿入された時に、容器の相補的な整列の特徴と嵌合してカートリッジの孔を容器の孔と整列させるように構成された整列の特徴を含む場合がある。カートリッジのハウジング内の孔は、カートリッジ内に貯蔵されたエアロゾル形成基体がカートリッジから漏れ出るのを防止するために、貯蔵中は覆われてもよい。加えて、または別の方法として、ハウジング内の孔は、エアロゾル形成基体がカートリッジから出るのを防止または抑止するのに十分に小さい寸法を有してもよい。孔が覆われている場合、消費者はカートリッジを容器の中へと挿入する前にカバーを取り外してもよい。一部の実施例では、容器はカートリッジを穿孔してカートリッジ内に孔を形成するように構成される。容器は、カートリッジの上部に穿孔するように構成されることが好ましい。
【0168】
カートリッジは、任意の好適な形状であってもよい。カートリッジは、円錐台形または円筒形状を有することが好ましい。
【0169】
任意の好適なエアロゾル形成基体は、本発明のシーシャ装置と併用するためにカートリッジ内に定置されてもよく、またはエアロゾル発生ユニットの容器内に定置されてもよい。エアロゾル形成基体は、エアロゾルを形成し得る揮発性化合物を放出する能力を有する基体であることが好ましい。揮発性化合物はエアロゾル形成基体の加熱によって放出されてもよい。エアロゾル形成基体は固体でも液体でもよく、固体および液体の両方の成分を含んでもよい。エアロゾル形成基体は固体であることが好ましい。
【0170】
エアロゾル形成基体はニコチンを含み得る。ニコチン含有エアロゾル形成基体はニコチン塩マトリクスを含んでもよい。エアロゾル形成基体は植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体はたばこを含んでもよいが、たばこ含有材料は揮発性のたばこ風味化合物を含むことが好ましく、これが加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される。
【0171】
エアロゾル形成基体は均質化したたばこ材料を含んでもよい。均質化したたばこ材料は、粒子状のたばこを凝集することによって形成されてもよい。存在する場合には、均質化したたばこ材料は、乾燥質量基準で5%以上のエアロゾル形成体含有量を有してもよく、乾燥質量基準で重量30%超との間であることが好ましい。エアロゾル形成体の含有量は、乾燥質量基準で約95%未満であってもよい。
【0172】
エアロゾル形成基体は別の方法として、または追加的に、非たばこ含有材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は均質化した植物由来材料を含んでもよい。
【0173】
エアロゾル形成基体は例えば、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎の破片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこ、膨化たばこのうちの一つ以上を含む、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片またはシートのうち一つ以上を含み得る。
【0174】
エアロゾル形成基体は少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、使用時に密度が高く安定したエアロゾルの形成を容易にし、エアロゾル発生要素の使用温度で熱分解に対して実質的に耐性のある任意の好適な周知の化合物または化合物の混合物であってもよい。好適なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これには多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。特に好ましいエアロゾル形成体は多価アルコールまたはその混合物(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールなど)であり、グリセリンが最も好ましい。エアロゾル形成基体は、その他の添加物および成分(風味剤など)を含んでもよい。エアロゾル形成基体はニコチンおよび少なくとも一つのエアロゾル形成体を含むことが好ましい。特に好ましい実施形態において、エアロゾル形成体はグリセリンである。
【0175】
固体エアロゾル形成基体は、熱的に安定な担体上に提供されてもよく、またはその中に包埋されてもよい。担体は、第一の主表面、第二の主外表面、または第一の主表面および第二の主表面の両方の上に固体基体が堆積された薄層を含んでもよい。担体は、例えば紙、または紙様の材料、不織布炭素繊維マット、低質量の目の粗いメッシュ金属スクリーン、または穿孔された金属箔またはその他の任意の熱的に安定した高分子マトリクスで形成されてもよい。別の方法として、担体は、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片またはシートなどの形態を取ってもよい。担体は、たばこ成分が組み込まれた不織布繊維または繊維束とし得る。不織布繊維または繊維の束は、例えば炭素繊維、天然セルロース繊維、またはセルロース誘導体繊維を含み得る。
【0176】
一部の実施例では、エアロゾル形成基体は懸濁液の形態である。例えば、エアロゾル形成基体は、粘度が高い糖蜜様の懸濁液の形態であってもよい。
【0177】
カートリッジに入る空気は、エアロゾル形成基体を横切って流れ、エアロゾルを混入し、エアロゾル出口を経由してカートリッジと容器を出る。エアロゾル出口から、エアロゾルを搬送する空気がベッセルに入る。
【0178】
シーシャ装置は、液体を収容するように構成された内部容積を画定し、かつ液体充填レベルより上のヘッドスペースに出口を画定する任意の好適なベッセルを含んでもよい。ベッセルは、ベッセル内に収容された内容物を消費者が観察することを可能にする光学的に透明または不透明なハウジングを含んでもよい。ベッセルは、液体充填ラインなどの液体充填境界を含んでもよい。ベッセルハウジングは任意の好適な材料で形成されてもよい。例えば、ベッセルハウジングは、ガラスまたは好適な剛直なプラスチック材料を含んでもよい。ベッセルは、消費者がベッセルを充填または清掃することを可能にするために、エアロゾル発生要素を有するシーシャ装置の一部分から取り外し可能であることが好ましい。
【0179】
ベッセルは、消費者によって液体充填レベルまで充填されてもよい。液体は水を備えることが好ましく、これには一つ以上の着色剤、風味剤、または着色剤および風味剤が随意に注入されてもよい。例えば、水には、植物または薬草の浸出液のうちの一方または両方が注入されてもよい。
【0180】
チャンバーを出る空気中に混入されたエアロゾルは、ベッセル内に位置付けられた導管を通して移動してもよい。主導管は、ベッセルを通して流れるエアロゾルが主導管の開口部を通して流れ、その後液体を通り、ベッセルのヘッドスペースの中へと入り、そして消費者への送達のためにヘッドスペース出口を出るように、ベッセルの液体充填レベルより下に開口部を有してもよい。
【0181】
上部空間出口は、エアロゾルを消費者に送達するためのマウスピースを備えるホースに結合されてもよい。マウスピースは、ユーザーによって、またはシーシャ装置の制御電子回路に動作可能に結合された吸煙センサーによって起動可能なスイッチを含んでもよい。スイッチまたは吸煙センサーは、制御電子回路に無線で結合されていることが好ましい。スイッチまたは吸煙センサーの起動は、エネルギーを発熱体に常に供給するのではなく、制御電子回路に発熱体を起動させる。その結果、スイッチまたは吸煙センサーの使用は、こうした要素を採用していない装置と比較してエネルギーを節約する機能し、一定の加熱ではなく要求に応じた加熱を提供する場合がある。
【0182】
例示の目的で、本明細書に記述されるシーシャ装置を使用する一つの方法が、時系列で以下に提供される。ベッセルは、シーシャ装置の他の構成要素から取り外され、水で充填されてもよい。天然の果実飲料、植物成分、および薬草の浸出液のうちの一つ以上が、風味付けのために水に添加されてもよい。添加される液体の量は、主導管の一部分を覆うべきであるが、ベッセル上に随意に存在する場合がある充填レベルマークを越えてはならない。次いで、ベッセルは、シーシャ装置へと再度組み付けられる。エアロゾル発生要素の一部分は、エアロゾル形成基体またはカートリッジを容器の中へと挿入できるように取り外され、または開かれてもよい。その後、エアロゾル発生要素は再組み立てされるかまたは閉じられる。その後、装置はオンにされてもよい。ユーザーは、所望の量のエアロゾルが生成されて、空気加速吸込み口を有するチャンバーを充填するまで、マウスピースから吸煙してもよい。ユーザーは、望む通りにマウスピースで吸煙してもよい。ユーザーは、チャンバー内にエアロゾルが見えなくなるまで、装置を使い続けてもよい。カートリッジまたは基体が使用可能なエアロゾル形成基体を消耗した時に、装置は自動的に停止することが好ましい。別の方法として、または加えて、消費者は、例えば、消耗品が枯渇した、またはほとんど枯渇したという合図を装置から受けた後、装置を未使用のエアロゾル形成基体または未使用のカートリッジで再充填してもよい。未使用基体またはカートリッジで再充填されると、装置を継続して使用することができる。シーシャ装置は、例えば装置のスイッチをオフにすることによって、消費者によっていつでもオフにできることが好ましい。
【0183】
一部の実施例では、ユーザーは、例えば、マウスピース上の起動要素を使用することによって一つ以上の発熱体を起動してもよい。例えば、起動要素は、制御電子回路と無線通信してもよく、また制御電子回路に信号を送って、スタンバイモードから最大加熱まで発熱体を起動してもよい。こうした手動起動は、カートリッジ中のエアロゾル形成基体の過熱または不要な加熱を防止するために、ユーザーがマウスピースを吸煙する間のみ有効であることが好ましい。
【0184】
一部の実施例では、マウスピースは、制御電子回路と無線通信する吸煙センサーを含み、消費者によるマウスピースの吸煙は、スタンバイモードから最大の加熱までの発熱体の作動を生じさせる。
【0185】
本発明のシーシャ装置は、任意の好適な空気管理を有する場合がある。一実施例では、ユーザーからの吸煙動作は、装置の内側の低圧を生じさせる吸引効果を作り出すことになり、これによって外部の空気を装置の空気吸込み口を通して流し、空気吸込み口チャネル内、およびエアロゾル発生要素の容器内に流すことになる。次いで空気は、エアロゾル形成基体、または容器内の基体を収容するカートリッジを通して流れ、容器のエアロゾル出口を通してエアロゾルを搬送する場合がある。その後、エアロゾルは、チャンバーの空気加速吸込み口の第一の孔の中へと流れてもよい(エアロゾル発生要素の出口がチャンバーの空気加速吸込み口としても機能しない限り)。空気がチャンバーの吸込み口を通して流れると、空気は加速される。加速された空気は、第二の孔を通して吸込み口を出て、チャンバーの主チャンバーに入り、ここで空気は減速される。主チャンバー内での減速は、チャンバー内の可視的なエアロゾルの強化をもたらす核形成を改善する場合がある。エアロゾル化された空気はその後、チャンバーを出て主導管を通して流れ(主導管がチャンバーの主チャンバーである場合を除き)、ベッセルの内側の液体へと流れてもよい。その後、エアロゾルは、泡になって液体から出て、そして液体のレベルの上方のベッセル内の上部スペースへと入り、そしてホースおよびマウスピースを通して消費者へと送達するために、上部スペース出口を出る。外部の空気の流れ、およびシーシャ装置内側のエアロゾルの流れは、ユーザーからの吸煙動作によって駆動される場合がある。
【0186】
本発明のシーシャ装置のすべての主要部品の組立品が、装置の密封機能を確実にすることが好ましい。密封機能は、適正な気流の管理が行われることを確実にするべきである。密封機能は、任意の好適な様式で達成され得る。例えば、シールリングおよびシールワッシャーなどのシールが、密封シールを確保するため使用されてもよい。
【0187】
シールリングおよびシールワッシャーまたはその他のシール要素は、任意の好適な材料(複数可)で作製され得る。例えば、シールは、グラフェン化合物およびシリコン化合物のうちの一つ以上を含んでもよい。その材料は、米国食品医薬品局によって、ヒトにおける使用が認可されていることが好ましい。
【0188】
チャンバー、チャンバーからの主導管、容器のカバーハウジング、およびベッセルなどの主要部品は、任意の好適な材料(複数可)で作製されてもよい。例えば、これらの部品は、ガラス、ガラス系化合物、ポリスルホン(PSU)、ポリエーテルスルホン(PES)、またはポリフェニルスルホン(PPSU)から独立して作製されてもよい。それらの部品は、標準的な食器洗い機での使用に好適な材料で形成されることが好ましい。
【0189】
一部の実施例では、本発明のマウスピースは、ホースユニットに接続するためのクイックカップリングのオス/メスの特徴を組み込む。
【0190】
全体として、電子シーシャ装置は以下のように動作し得る。エアロゾル形成基体で充填されたカートリッジは、電気的に加熱されてもよい。カートリッジと接触する発熱体の内表面は、エアロゾル発生基体を加熱するために使用され得る。発熱体は、提供される温度がエアロゾル形成基体を燃焼することなく、または焼却することなく、エアロゾルを発生させるのに十分なように構成され得る。ユーザーは、電子シーシャから空気を引き出してもよく、空気は、空気吸込み口チャネルを介して入り、冷却要素を通過してカートリッジに沿って進んだ後、カートリッジの底部に向かって進み、その後、容器の底部に進み得る。発生したエアロゾルは、加速要素を通過する間に加速され得る。加速前または加速中に、発生したエアロゾルは、冷却要素によって冷却されて、エアロゾルの濃縮を増大させ得る。エアロゾルは、チャンバーに入り、チャンバーの内側で膨張するのに伴い、圧力変化を経験し得るが、これにより、エアロゾルは、ベッセルの下部容積内の水中に部分的に浸漬される、主導管またはステムパイプを通過する前に減速し得る。発生したエアロゾルは水を通過し、ホースによって抽出される前にベッセルの上部容積内に広がる。
【0191】
本開示は限定されないが、本開示の様々な態様の認識は、下記に提供される例示的な実施形態、図面、および具体的な実施例の考察を通して得られ、これらは、シーシャ装置の気流経路内の冷却要素を使用して、シーシャ装置に強化されたエアロゾルの特徴を提供する。本開示のさらなる修正および追加的な実施形態は、当業者に明らかであろう。
【0192】
図面を参照すると、当然のことながら図面に描写されていないその他の態様も、本開示の範囲および趣旨に収まる。図内で使用されている類似の番号は、類似の構成要素、工程、およびこれに類するものを指す。しかし当然のことながら、各図内で一つの構成要素を指すために一つの番号を使用することは、別の図内で同一の番号が付けられた構成要素を制限することを意図するものではない。加えて、異なる図内で構成要素を指すための異なる番号の使用は、異なる番号の付いた構成要素を他の番号の付いた構成要素と同一または類似のものとすることはできないと示すことを意図するものではない。図面は例示の目的で提示されていて、制限の目的で提示されていない。図面に提示された概略図は、必ずしも縮尺通りではない。
【0193】
一つの例示的な実施形態では、シーシャ装置は、少なくとも一つの空気吸込み口チャネルとヘッドスペース出口との間の気流経路を形成する一つ以上の他の構成要素に加えて、熱伝導性材料(アルミニウム)で形成される冷却要素を備える。具体的には、冷却要素の少なくとも導管は、熱伝導性材料で形成される。冷却要素は、導管に結合されたヒートシンク(複数のフィン)を含み得る。ヒートシンクは導管を囲んでもよい。冷却要素はまた、ヒートシンクに結合されてもよく、また電源に動作可能に結合されてもよい、ヒートポンプ(ペルチェ素子)を含んでもよい。シーシャ装置は、通気設計によって冷却要素の一つ以上の構成要素に適切な冷却気流を提供してもよい。冷却要素は、冷却気流を促進するファンを含み得る。冷却気流からの空気は、冷却要素によって加熱されてもよい。この予熱された空気は、シーシャ装置の通気設計によってエアロゾル発生要素に向かって方向付けられて、エアロゾルの発生を促進してもよい。
【0194】
一つ以上の実施形態では、冷却要素の全体的なサイズは、シーシャ装置内に嵌合するのに十分に小さくてもよい。いくつかの実施形態では、冷却要素は約100mmの高さを有してもよく、これは加速要素を含み得る。ヒートポンプは、導管の側面に沿って配置され得る。ヒートポンプの加熱される表面または冷却される表面は、気流チャネルまたはエアロゾル導管の方向と同じ方向に延び得る。各表面は、約30mm×約30mmの表面積を有し得る。
【0195】
別の例示的な実施形態では、シーシャ装置は、冷却容器で形成された冷却要素を備える。具体的には、冷却容器は冷却要素の導管を囲み得る。導管は熱伝導性材料で形成され得る。冷却容器は、ポットインポット設計を利用し得る多孔性材料で形成され得る。シーシャ装置は、通気設計によって、冷却容器に対して適切な冷却気流を特に冷却容器の外部に提供し得る。冷却要素は、冷却気流を促進するファンを含み得る。冷却気流からの空気は、冷却要素によって加熱されてもよい。この予熱された空気は、シーシャ装置の通気設計によってエアロゾル発生要素に向かって方向付けられて、エアロゾルの発生を促進してもよい。
【0196】
さらに別の例示的な実施形態では、シーシャ装置は、冷却容器、ヒートシンクおよびヒートポンプで形成される冷却要素を備える。具体的には、冷却容器は冷却要素の導管を囲み得る。導管は熱伝導性材料で形成され得る。ヒートシンクは少なくとも部分的に冷却容器の内部容積内にある。ヒートシンクは冷却容器に結合されてもよい。ヒートシンクは、容器の内側の液体と接触することが好ましい。ヒートポンプは、レセプタクルまたはヒートシンクに結合される、または接触している。具体的には、ヒートポンプの冷却される側面は、レセプタクルまたはヒートシンクと接触してもよい。シーシャ装置は、通気設計によって、冷却容器、特にヒートポンプの加熱される側面に適切な冷却気流を提供し得る。冷却要素は、冷却気流を促進するファンを含み得る。冷却気流からの空気は、冷却要素によって加熱されてもよい。この予熱された空気は、シーシャ装置の通気設計によってエアロゾル発生要素に向かって方向付けられて、エアロゾルの発生を促進してもよい。
【0197】
さらに別の例示的な実施形態では、シーシャ装置は、冷却容器、水ブロック、液体ポンプ、およびヒートポンプで形成される冷却要素を備える。具体的には、冷却容器は冷却要素の導管を囲み得る。導管は熱伝導性材料で形成され得る。水ブロックは、冷却容器の内側の液体と流体連通し得る。液体ポンプは、水ブロックおよび冷却容器の両方の液体と流体連通して、水を冷却容器から水ブロックに循環させて冷却し、冷却容器に戻して導管を冷却し得る。ヒートポンプは、水ブロックに結合されてもよく、または接触してもよい。具体的には、ヒートポンプの冷却される側面は、水ブロックと接触してもよい。シーシャ装置は、通気設計によって、冷却容器、特にヒートポンプの加熱される側面に適切な冷却気流を提供し得る。冷却要素は、冷却気流を促進するファンを含み得る。冷却気流からの空気は、冷却要素によって加熱されてもよい。この予熱された空気は、シーシャ装置の通気設計によってエアロゾル発生要素に向かって方向付けられて、エアロゾルの発生を促進してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0198】
図1】本発明の一実施形態によるシーシャ装置の概略図である。
図2図1のシーシャ装置とともに使用するための代替的なエアロゾル導管の概略図である。
図3】本発明の別の実施形態によるシーシャ装置の概略図である。
図4図3のシーシャ装置とともに使用するための加速要素の概略図である。
図5図3のシーシャ装置とともに使用するための代替的な加速要素の概略図である。
図6図3のシーシャ装置とともに使用するためのエアロゾル導管および換気チャンバーの概略図である。
図7】換気開口部を含まないシーシャ装置と比較した、換気開口部を有するシーシャ装置の総エアロゾル質量を示すグラフである。
【0199】
図1は、本発明の実施形態によるシーシャ装置10を示している。シーシャ装置10は、エアロゾル形成基体12を受けるように構成されたエアロゾル発生要素11を備える。エアロゾル発生要素11は、例えば、電気ヒーター(図示せず)によって、エアロゾル形成基体12を加熱して、エアロゾルを発生させ得る。使用時に、発生したエアロゾルは、ステムパイプ内の換気開口部30を含むエアロゾル導管21を通って流れる。エアロゾル導管21は、エアロゾル発生要素11からの気流を受けるように位置付けられた近位開口部24を画定する近位端部分と、ベッセル17の内部に位置付けられた遠位開口部26を画定する遠位端部分と、を備える。換気開口部30は、エアロゾル導管21の近位端部分と遠位端部分との間に位置付けられている。
【0200】
エアロゾル導管21は、ベッセル17と流体連通している。気流チャネルは、エアロゾル発生要素11とベッセル17の内部との間に画定されている。特に、エアロゾル発生要素11は、気流チャネルを少なくとも部分的に画定するエアロゾル導管21によって、ベッセル17と流体連通している。ベッセル17の内部は、ヘッドスペースのための上部容積18と、液体のための下部容積19とを含む。ホース20は、液体ラインより上の、ベッセル17の側面に形成されたヘッドスペース出口15を通して上部容積18と流体連通する。マウスピース22は、装置10のユーザーのためにホース20に結合されている。
【0201】
発生したエアロゾルは、エアロゾル発生要素11を通り、エアロゾル導管21を介して気流チャネルを通って下部容積19の中へと流れ得る。エアロゾルは、下部容積19内の液体を通過して、上部容積18の中へと上昇する。ユーザーによるホース20のマウスピースの吸煙により、上部容積18内のエアロゾルがヘッドスペース出口15を通して、吸入のためにホース20の中へと引き出され得る。特に、マウスピース22の陰圧がヘッドスペース出口15の陰圧へと変換されることにより、エアロゾル発生要素11およびエアロゾル導管21を通る気流を引き起こし得る。さらに、陰圧は、エアロゾル導管21を通る、換気開口部30からエアロゾル導管の遠位開口部までの気流を引き起こす。
【0202】
換気開口部30は、エアロゾル発生要素11からのエアロゾルが混入した空気に換気空気を提供する。換気空気は、周囲環境から生じ得る。換気空気は、エアロゾルが混入した空気を冷却して、強化されたエアロゾルの生成を容易にする。例示されるように、換気開口部30は、周囲空気環境に隣接して位置付けられた周囲空気孔であってもよい。
【0203】
図2は、近位開口部25を画定する近位端部分、および遠位開口部27を画定する遠位端部分から延びる、シーシャ装置10とともに使用するための代替的なエアロゾル導管31を示している。エアロゾル導管31は、リング形状の開口部を形成する換気孔を含む換気開口部32を含む。リング形状の開口部は、エアロゾルが混入した空気との換気空気のより均質な混合を提供し得る。リング形状の開口部は、図2に示されるように、スリットなどの複数のより小さい開口部を含み得る。スリットの各々は、例えば、長方形、正方形、円形、または卵形などの任意の幾何学的形状を有し得る。換気開口部32は、図2に示されるように、二つのリング形状の開口部などの二つ以上のリング形状の開口部を備え得る。
【0204】
図3は、本発明の別の実施形態によるシーシャ装置100を示している。シーシャ装置100は、図1のシーシャ装置10と類似しており、示されているが、ここで再び考察されていない他の要素の中でも、エアロゾル発生要素11およびエアロゾル形成基体12を含む。シーシャ装置100は、エアロゾル導管121が加速要素114を含む、シーシャ装置10とは異なる。エアロゾル導管121は、近位開口部124を画定する近位端部分、および遠位開口部126を画定する遠位端部分から延びる。エアロゾル導管121のステムパイプ部分は、例示される実施形態では、換気開口部を含まない。代わりに、加速要素114が換気開口部130を備える。特に、加速要素114は、ノズルである。ホース120は、エアロゾル導管121と流体連通している。マウスピース122は、装置100のユーザーのためにホース120に結合されている。
【0205】
図4は、シーシャ装置100とともに使用するための加速要素200を示している。特に、加速要素200は、エアロゾル導管121に沿って位置付けられ得る。加速要素200は、加速要素を通って流れるエアロゾルを加速させるように構成されている。加速要素200は、換気開口部206の一つ以上の換気孔を含む。加速要素200は、加速要素200の近位端部分202の近位開口部から、加速要素200の遠位端部分204の遠位開口部まで延びる。換気開口部206は、近位端部分202と遠位端部分204との間に位置付けられている。いくつかの実施形態、例えば、図4に示される実施形態では、換気開口部206は、加速要素200が設置されている場合、シーシャ装置100のエアロゾル発生要素11に対して近位に位置する、加速要素200の近位開口部に比較的近くに位置付けられている。代替的に、加速要素200は、異なる場所208に提供され得る。場所208は、加速要素200の遠位開口部に比較的近い場所であってもよい。場所208は、加速要素200の比較的狭い端の領域であってもよい。例示される実施形態では、加速要素200は、テーパー状になっている。いくつかの実施形態では、換気開口部206、208の総孔面積と、換気開口部206、208の孔面積の中心点で加速要素を通ってとられた横断断面積との比は、最大でも1:1000である。
【0206】
図5は、シーシャ装置100とともに使用するための代替的な加速要素300を示している。加速要素300は、加速要素300の近位端部分302の近位開口部から、加速要素300の遠位端部304の遠位開口部まで延びる。換気開口部306は、近位端部分202と遠位端部分204との間に位置付けられている。加速要素300は、加速要素300の一部のみがテーパー状になっているという点で、図4の加速要素200とは異なる。加速要素300は、非テーパー付部分320と、非テーパー付部分の遠位に位置付けられたテーパー付部分322と、を含む。換気開口部306は、加速要素300の非テーパー付部分320の上に位置付けられている。加速要素300の非テーパー付部分320は、換気開口部306の孔面積の中心点におけるシーシャ装置100のエアロゾル導管121の横断断面積310を画定し得る。一つの実施形態では、換気開口部306の総孔面積と横断断面積310との比は、最大でも1:1000である。
【0207】
図6は、シーシャ装置100とともに使用され得る、エアロゾル導管400の一部および冷却要素413を示している。エアロゾル導管400は、加速要素414を含む。加速要素414は、非テーパー付部分450と、非テーパー付部分の遠位のテーパー付部分452と、を含む。非テーパー付部分450は、ステムパイプまたはステムパイプの少なくとも近位部分と称され得る。非テーパー付部分450のエアロゾル導管400の内径は、約10mm~約11mmの範囲であってもよい。テーパー付部分452の最も狭い部分の内径は、約3mmであってもよい。換気孔430は、加速要素414の非テーパー付部分450に沿って提供されている。換気孔430は、換気チャンバー424および換気チャネル434を介して周囲空気孔432と流体連通している。周囲空気は、周囲空気孔432に入り、換気チャネル434を通って進行し、換気チャンバー424に入ることができる。換気孔430は、直径が約1mmであってもよい。
【0208】
シーシャ装置100のエアロゾル発生要素からエアロゾル導管400に入るエアロゾルの温度は、約160℃~約200℃であってもよい。エアロゾル化工程を促進するために、冷却要素413を使用してエアロゾルを冷却することができる。加えて、換気孔430を通って引っ張られる換気空気の温度は、冷却要素413を使用して調節され得る。換気空気を予冷却することは、エアロゾル化工程をさらに促進し得る。換気空気を予冷却することはさらに、入ってくる換気空気の温度に対する制御、ひいては、エアロゾル化性能の再現性の増加をもたらす。
【0209】
冷却要素413は、受動的な冷却要素420と、能動的な冷却要素422と、を含む。受動的な冷却要素420は、アルミニウム冷却ブロックなどの冷却ブロックを含む。能動的な冷却要素422は、ヒートポンプ(ペルチェ素子)を含む。ペルチェ素子は各々、高温側442および低温側444を備える。高温側442は、複数のフィン460を備えるヒートシンクに熱的に結合されている。低温側444は、受動的な冷却要素420に熱的に結合されている。ペルチェ素子は、冷却ブロックから離れる方向に、低温側444から高温側442へと熱を伝達するように構成されている。ヒートシンクを通過する周囲空気を加熱して、冷却要素413から熱を引き出す。予熱された周囲空気は、入口を介してシーシャ装置100のエアロゾル発生要素11に入ってもよい。最初に周囲空気孔432を介して冷却要素413に入った後に換気孔430に入る周囲空気流は、エアロゾル導管400を通って流れるエアロゾルの効率的な冷却を提供し得る。冷却要素413は、周囲空気孔を介して入る周囲空気を、ペルチェ素子を使用して、約1℃/ワットで冷却するように構成され得る。さらに、なおもさらなる冷却のために、一対のファン(図示せず)をヒートシンクに取り付けることができる。
【0210】
加えて、換気空気を予冷却するためにペルチェ素子を使用することで、換気空気の流れの温度を、約20℃を下回る値に減少させながら、依然として、電池電源とのシーシャ装置100の適合を容易にする、約10Wの電力消費を維持することができる。ペルチェ素子の高温側442の高い温度は、ヒートシンクを使用した散逸によって減少させることができる。
【0211】
例示されるように、二つの密閉ガスケット440は、ステムパイプ450の周りに延びる。密閉ガスケット440は、加速要素414(例えば、ステムパイプ)の非テーパー付部分450と冷却要素413との間に位置付けられている。特に、密閉ガスケット440を冷却ブロックの近位部分および遠位部分に置いて、冷却ブロックによって囲まれた非テーパー付部分450(またはステムパイプ)を密閉して、発生したエアロゾルの希釈を防止する。
【0212】
受動的な冷却要素420は、換気チャンバー424および換気チャネル434を画定する。換気孔430は、換気チャンバー424および換気チャネル434を介して周囲空気孔432と流体連通している。換気チャンバー424は、温度調節空気チャンバーとして作用し得る。換気チャンバー424は、換気孔430の周りに延びる。この実施形態では、換気開口部は、換気孔430、換気チャンバー424、換気チャネル434、および周囲空気孔432によって画定されている。周囲空気は、周囲空気孔432を通って換気チャネル434に入り、換気チャンバー424に向かって流れる。周囲空気は、冷却要素413の一つ以上の構成要素によって、チャンバーに向かう途中で冷却され得る。例えば、周囲空気は、冷却ブロックによって冷却され得る。換気チャネル424および換気チャネル434のうちの一方または両方は、スレッド状の幾何学的形状を備え得る。スレッド状の幾何学的形状は、周囲空気の冷却をさらに促進する。例えば、約15℃まで冷却され得る周囲空気は、吸煙間の換気チャンバー424内によどんだままである。ユーザーがシーシャ装置100のマウスピース122を吸い込むと、換気チャネル434内の周囲空気は、換気チャンバー424から換気孔430を通ってエアロゾル導管へと引き出される。同時に、ユーザーがシーシャ装置のマウスピース122を吸い込むことにより発生した陰圧により、エアロゾル発生要素11で発生したエアロゾルがエアロゾル導管の近位開口部124を通って遠位開口部126まで流れる。換気空気は、加速要素414を通過する前に、エアロゾル導管400内で、エアロゾルが混入した空気と混合し得る。これは、エアロゾルを冷却し、エアロゾル化工程を促進する。
【0213】
温度調節換気チャンバー424を使用すると、有利には、(例えば、シーシャ装置が使用される可能性が高いより暖かい気候で)シーシャ装置の周りのより高い温度の周囲空気を、例えば、約45℃まで補償するのに役立つ場合がある。いくつかの実施形態では、エアロゾル導管400を使用するシーシャ装置100は、約15℃~約45℃の範囲の周囲温度で使用され得る。
【0214】
換気開口部を含むシーシャ装置の実施例を作製して、エアロゾル生成について試験し、換気開口部を含まないシーシャ装置と比較した。10gの市販のAl-Fakherモラセスで充填されたカートリッジを、摂氏200度の一定した温度に設定された巻回ワイヤー発熱体を使用して加熱した。巻回ワイヤー要素は、27.99±0.01mmの内径、41.5mmの長さ、および3mmのセラミックの厚さを有するセラミックシリンダーを含む。セラミックは、「MACOR」という商品名で、Corning Gmbh、Wiesbaden、Germanyから取得した。Φ約3mmの出口オリフィスを有する高温エポキシ樹脂で作製されたノズルを、加熱エンジンから約55mmに置いた。エポキシ樹脂は、Formlabs,Berlin,Germany製の高温エポキシ樹脂とした。作り出されたエアロゾルは、喫煙の体験の前後に重量が記録される合計五つのCambridgeパッド(92mm直径)を使用して収集した。体験の総持続時間は、105回の吸煙に対応した。望ましい吸煙の体験を達成するために、Pomac BV(Tolbert、Groninen、Netherlands)製の四つのプログラム可能なデュアルシリンジポンプ(PDSP)を同時に使用して、以下の吸煙レジームを作り出した。
-吸煙体積:530mL
-吸煙持続時間:2600ms
-吸煙間の期間:17秒
【0215】
換気孔は、約0.8mm 2 の総孔面積を有する1mmの直径を備える一つの単一の穴から構成した。孔は、加熱エンジンの底部から約40mmの距離に置いた。
【0216】
実験のセットアップは、五つのCambridgeパッドのうちの一つのみが、発生したエアロゾルを所与の時点で収集するように配列した。21回の吸煙ごとに、逆止め弁を使用して、エアロゾルを正しいCambridgeパッドにそらした。結果として、エアロゾルの生成を時間の関数として監視することができる。
【0217】
図7は、換気開口部604を含まないシーシャ装置のTAMと比較した、換気開口部602を有するシーシャ装置のTAMのグラフ600を示している。換気開口部を使用すると、可視的な煙の量が著しく増加し、総TAMは1250mgから1700mgになった。
【0218】
上述の特定の実施形態は本発明を例示することが意図される。しかしながら、他の実施形態は、特許請求の範囲に定義されるように本発明の範囲から逸脱することなく作製されてもよく、上述の特定の実施形態は制限的であるように意図されていないことが理解されるべきである。
【0219】
本明細書で使用される単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」は、複数形の対象を有する実施形態を包含するが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。
【0220】
本明細書で使用される「または」は概して、「および/または」を含む意味で使用されるが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。「および/または」という用語は、列挙された要素の一つもしくはすべて、または列挙された要素のうちの任意の二つ以上の組み合わせを意味する。
【0221】
本明細書で使用される「有する(have)」、「有している(having)」、「含む(include)」、「含んでいる(including)」、「備える(comprise)」、「備えている(comprising)」、またはこれに類するものは、制約のない意味で使用され、概して「含むが、これに限定されない」を意味する。当然のことながら、「から本質的に成る(consisting essentially of)」、「から成る(consisting of)」、およびこれに類するものは、「から成る(comprising)」およびこれに類するものに包摂される。
【0222】
「好ましい」および「好ましくは」という語は特定の状況下で、特定の利点をもたらす場合がある本発明の実施形態を指す。しかしながら、同一の状況下または他の状況下で、他の実施形態もまた好ましいものである場合がある。その上、一つまたは複数の好ましい実施形態の列挙は、その他の実施形態が有用ではないことを暗示するものではなく、また特許請求の範囲を含む本開示の範囲からその他の実施形態を除外することを意図しない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7