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特許7360404ボールベアリングによって駆動される角運動伝達
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  • 特許-ボールベアリングによって駆動される角運動伝達 図1
  • 特許-ボールベアリングによって駆動される角運動伝達 図2
  • 特許-ボールベアリングによって駆動される角運動伝達 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-03
(45)【発行日】2023-10-12
(54)【発明の名称】ボールベアリングによって駆動される角運動伝達
(51)【国際特許分類】
   F16C 1/10 20060101AFI20231004BHJP
   G02B 7/00 20210101ALI20231004BHJP
【FI】
F16C1/10 Z
G02B7/00 B
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020569859
(86)(22)【出願日】2019-07-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-11
(86)【国際出願番号】 US2019041212
(87)【国際公開番号】W WO2020014365
(87)【国際公開日】2020-01-16
【審査請求日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】16/034,642
(32)【優先日】2018-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520128820
【氏名又は名称】ノースロップ グラマン システムズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100117640
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 達己
(72)【発明者】
【氏名】ウィビー,ストーリー・シー
【審査官】松江川 宗
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-341463(JP,A)
【文献】実開平04-006007(JP,U)
【文献】実開昭62-109126(JP,U)
【文献】実開昭58-182052(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 1/00-1/28
G02B 7/00,7/18-7/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面、互いに対向した側面、前面、および面を備える本体であって、前記上面を通って前記本体の中に延びるねじ穴と、前記前面を通って前記本体の中に延びるピンチャンバと、前記本体内に形成され、前記ねじ穴および前記ピンチャンバと連通しているボールベアリングチャネルとをさらに備える、本体と、
前記ボールベアリングチャネル内に配置される複数のボールベアリングと、
前記ねじ穴の中にねじ止めされるとともに、前記ボールベアリングチャネルの上端で前記ボールベアリングのうちの一番上のボールベアリングに結合されるねじと、
前記ピンチャンバの内部に配置され、前記ピンチャンバから外へ延び、前記ボールベアリングチャネルの下端で前記ボールベアリングのうちの一番下のボールベアリングに結合される位置決めピンであって、前記ねじを前記穴の中にねじ止めすることによって前記ねじが前記ボールベアリングを下方に押し進め、これによって前記ボールベアリングが前記位置決めピンを押し進め、前記位置決めピンを前記本体から外へ延ばす位置決めピンとを備え
前記ボールベアリングチャネルは、ほぼJ形を有し、前記ボールベアリングチャネルは、前記ねじから下向きに、次いで前記本体の前記後面の方へ、次いで前記本体の前記前面の方へ延びる、位置決め装置。
【請求項2】
前記ピンチャンバの内部に配置されるばねをさらに備え、前記ばねは、前記ねじが前記本体から外されるときに、前記位置決めピンに前記ボールベアリングを上向きに押させる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記本体の前記前面に固定され、前記ピンチャンバを覆うカバー板をさらに備え、前記位置決めピンは、前記カバー板を通って延びる、請求項に記載の装置。
【請求項4】
前記位置決めピンは、環状部分を備え、前記ばねは、前記環状部分と前記カバー板との間に張った状態で配置される、請求項に記載の装置。
【請求項5】
前記ねじの下端と前記一番上のボールベアリングとの間に配置される下向きピンをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記側面の一方に固定され、前記ボールベアリングチャネルを覆う側板をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記ねじ、前記ボールベアリングチャネル、および前記ピンチャンバは、前記ねじの移動の方向および前記位置決めピンの移動の方向が互いにほぼ直角になるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記ねじ、前記ボールベアリングチャネル、および前記ピンチャンバは、前記ねじの移動の方向および前記位置決めピンの移動の方向が互いに対して90°以外になるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記装置は、テーブルに固定され光学要素を位置決めするように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記本体は、前記装置をテーブルに取り付けるための取り付けフランジを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
トップダウンにより構成部品を位置決めする位置決め装置であって、
本体の上面にねじ止めされるねじと、
前記本体内で曲がったチャネルの内部に配置される複数のボールベアリングであって、前記ボールベアリングのうちの一番上のボールベアリングは前記ねじに結合される、ボールベアリングと、
前記本体の内部に配置され、前記本体の前面から外へ延び、前記ボールベアリングのうちの一番下のボールベアリングに結合されるピンであって、前記ねじを前記本体の中にねじ止めすることによって前記ねじが前記ボールベアリングを下方に押し進め、これによって前記ボールベアリングが前記ピンを押し進め、前記ピンを前記本体から外へ延ばす、ピンとを備え
前記曲がったチャネルは、ほぼJ形を有し、前記曲がったチャネルは、前記ねじから下向きに、次いで前記本体の後面の方へ、次いで前記本体の前記前面の方へ延びる、装置。
【請求項12】
前記本体の内部に配置されるばねをさらに備え、前記ばねは、前記ねじが前記本体から外されるときに、前記ピンに前記ボールベアリングを上向きに押させる、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記本体の側面に固定され、前記曲がったチャネルを覆う側板をさらに備える、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記ねじ、前記曲がったチャネル、および前記ピンは、前記ねじの移動の方向および前記ピンの移動の方向が互いにほぼ直角になるように構成される、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記ねじ、前記曲がったチャネル、および前記ピンは、前記ねじの移動の方向および前記ピンの移動の方向が互いに対して90°以外になるように構成される、請求項11に記載の装置。
【請求項16】
前記装置は、テーブルに固定され光学要素を位置決めするように構成される、請求項11に記載の装置。
【請求項17】
トップダウンによりテーブルに固定される光学部品を位置決めする位置決め装置であって、
上面、互いに対向した側面、前面、および面を備える本体であって、前記上面を通って前記本体の中に延びるねじ穴と、前記前面を通って前記本体の中に延びるピンチャンバと、前記本体内に形成され、前記ねじ穴および前記ピンチャンバと連通しているボールベアリングチャネルとをさらに備え、前記ボールベアリングチャネルは、ほぼJ形を有し、前記ボールベアリングチャネルは、前記ねじ穴から下向きに、次いで前記本体の前記後面の方へ、次いで前記本体の前記前面の方へ延びる、本体と、
前記ボールベアリングチャネル内に配置される複数のボールベアリングと、
前記ねじ穴の中にねじ止めされるとともに、前記ボールベアリングチャネルの上端で前記ボールベアリングのうちの一番上のボールベアリングに結合されるねじと、
前記ピンチャンバの内部に配置され、前記ピンチャンバから外へ延びる位置決めピンであって、前記ボールベアリングチャネルの下端で前記ボールベアリングのうちの一番下のボールベアリングに結合される位置決めピンと、
前記ピンチャンバの内部に配置されるばねであって、前記ねじを前記穴の中にねじ止めすることによって前記ねじが前記ボールベアリングを下方に押し進め、これによって前記ボールベアリングが前記位置決めピンを押し進め、前記位置決めピンを前記本体から外へ延ばし、前記ねじを前記穴から抜くことによって前記ばねが前記位置決めピンに前記ボールベアリングを上向きに押し進めさせる、ばねとを備える装置。
【請求項18】
前記ねじ、前記ボールベアリングチャネル、および前記ピンチャンバは、前記ねじの移動の方向および前記位置決めピンの移動の方向が互いにほぼ直角になるように構成される、請求項17に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、ディフェンス・マイクロエレクトロニクス・アクティビティ(DMEA)によって授与された契約HQ0727-17-F-1420の下に政府支援を受けてなされたものである。政府は、本発明に一定の権利を有する。
【0002】
[0002]本発明は、一般に、光学部品を位置決めする位置決め装置に関し、より詳細には、光学部品を位置決めする位置決め装置であって、位置決めピンが上から下にねじによって動かされること可能にするボールベアリングを用いる位置決め装置に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]レーザーシステムなどの様々な光学系は、その光学系が研究室環境で使用されているものであれ、実際の応用に使用されているものであれ、共通のテーブルに固定されることの多い、光源、レンズ、反射器、フィルタ、屈折器等などのいくつかの光学部品を必要とする。これらの光学部品は、光学ビームが望ましいやり方でシステムを貫いて伝搬するように互いに精密に位置合わせされなければならない。したがって、高精度の調整装置またはナッジャが、しばしばテーブルに固定されるとともに、特定の光学部品に当接して配置され、ナッジャは、正確な位置合わせのために構成部品に対して精密な位置調整を行うように光学部品を押圧するねじ山数の多いねじを備える。異なるタイプのナッジャは、異なるねじ山数のねじを有し、所望の精度に応じて選択される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0004]上述したタイプの典型的なナッジャは、光学部品が移動されているのと同じ方向から適切なレンチによって回転される調整ねじを必要とする。例えば、光学部品がx-y方向に移動させられている場合には、その軸に沿ってかつ構成部品の反対側でねじの頭部に接近する必要がある。しかしながら、光学系によっては、様々な構成部品が互いの近くにまたは系の縁の近くに配置される必要があり得、系の縁の近くではしばしば空間が限られ、そのことによりナッジャを所望の位置に配置する能力が制限される。したがって、システムをどのくらい小さくできるかについて制限があり得、これは、小型にされる必要があるシステムにとっては望ましくないものであり得る。必要とされているものは、構成部品が実際に移動している方向に直角に構成されるねじを調節することによって調整ピンの移動が行われるトップダウン調整装置である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005]本開示は、トップダウンにより光学部品を位置決めする位置決め装置を説明する。この装置は、上面、互いに対向した側面、前面、および背面を有する本体を備える。本体は、上面を通って本体の中に延びるねじ穴と、前面を通って本体の中に延びるピンチャンバと、本体内に形成され、ねじ穴およびピンチャンバと連通しているボールベアリングチャネルとをさらに備える。装置は、ボールベアリングチャネル内に配置される複数のボールベアリングと、ねじ穴の中にねじ止めされるとともに、ボールベアリングチャネルの上端でボールベアリングのうちの一番上のボールベアリングに結合されるねじとをさらに備える。位置決めピンは、ピンチャンバの内部に配置され、ピンチャンバから外へ延び、位置決めピンは、ボールベアリングチャネルの下端でボールベアリングのうちの一番下のボールベアリングに結合される。ねじを穴の中にねじ止めすることによってねじがボールベアリングを下方に押し進め、これによってボールベアリングが位置決めピンを押し進め、位置決めピンを本体から外へ延ばす。
【0006】
[0006]本発明のさらなる特徴は、添付図面と共に読まれる、以下の説明および添付の特許請求の範囲から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】[0007]トップダウン調整を有する位置決め装置の等角図である。
図2】[0008]図1に示された位置決め装置の側面図である。
図3】[0009]図1に示された位置決め装置の断面等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0010]トップダウン位置決め装置に向けられた本開示の実施形態に関する以下の説明は、本質的に例示にすぎず、本発明またはその応用もしくは用途を限定することを意図するようなものではない。例えば、位置決め装置は、光学系内の光学部品を配置するための特定の応用を有する。しかしながら、当業者によって理解されるように、位置決め装置は、他の応用を有する。
【0009】
[0011]図1は、特定の応用のために所定の形状を有する、アルミニウムなどの任意の適切な材料で作製される本体12を備える高精度位置決め装置10の等角図であり、図2は、その側面図であり、図3は、その破断等角図である。本体12は、装置10がテーブル(図示せず)に取り付けられることを可能にする溝穴36を有する取り付けフランジ16を備える。微細ピッチねじ14は、本体12の上面22を通って延びる穴20の内部に固定されたねじ山付きスリーブ18の中にねじ止めされる。ねじ14は、ねじ14を回転させ、それを本体12にねじ止めたり、そこからねじ14を外したりするために、適切なレンチ(図示せず)を受け入れる開口部24を備える。ねじ14の下端は、下向きに延びるピン28の上端に当接して配置される丸みのあるこぶ26を備える。ピン28の下端は、曲がったボールベアリングチャネル34の内部に配置される一連のボールベアリング32のうちの一番上のボールベアリングに当接して配置される。一番下のボールベアリングは、円筒状チャンバ38を通って本体12の前面42から外へ延びる調整ピン40の後端に当接して配置され、このピン40は、環状部材44を備える。図示されるように、ばねカバー板50は、チャンバ38を覆うように前面42にボルト止めされ、ピン40は、板50を通って延びる。ばね46が、チャンバ38の内部に配置され、環状部材44とカバー板50との間で張った状態にあり、ピン40は、ばね46を通って延びる。ボールベアリングカバー板60(図2に図示せず)は、チャネル34にボールベアリング32が装填されることを可能にし、ボルト64によって本体12の側面62にボルト止めされる。
【0010】
[0012]ねじ14がスリーブ18にねじ止めされると、ピン28はボールベアリング32を押圧し、ボールベアリング32はピン40を押圧し、光学部品(図示せず)の位置を調整するためにばね46の付勢に逆らってピン40を延ばす。このように、ねじ14の下向き移動は、ピン40の横向き移動に変換され、それによって光学部品は、トップダウンにより配置することができる。ねじ14がスリーブ18からねじが抜かれると、ばね46の付勢により環状部材44を押圧し、環状部材44は、ピン40を本体12の中に後退させる。ピン40は、図1図3では完全に後退した位置で示されている。
【0011】
[0013]チャネル34は、ねじ14が本体12の後面54から離れるように移動することを可能にするためにほぼJ形を有する。言い換えれば、チャネル34は、本体12の後面54の方へ、次いで前面42の方へ曲がり、それによってねじ14はより前方に移動することができ、本体12はより小型にされ得る。この特定の実施形態では、ピン28からピン40への運動の変換は90°であることに留意されたい。しかしながら、これは、ピン28および40に対する角度が任意の所望の角度であり得るという点で特有の応用であり、チャンバ38およびボールベアリングチャネル34の構成がそれらの角度のために適切に構成される。
【0012】
[0014]前述の説明は、本開示の例示的な実施形態を開示および説明するものにすぎない。当業者は、そのような説明から、ならびに添付図面および特許請求の範囲から、添付の特許請求の範囲に定められるように本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な変更、修正、および変形がなされてもよいことを容易に認識するであろう。
図1
図2
図3