(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-03
(45)【発行日】2023-10-12
(54)【発明の名称】広視野偏光スイッチおよびプレチルトを伴う液晶光学要素を加工する方法
(51)【国際特許分類】
G02F 1/13 20060101AFI20231004BHJP
G02B 27/02 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
G02F1/13 505
G02B27/02 Z
(21)【出願番号】P 2020569873
(86)(22)【出願日】2019-06-13
(86)【国際出願番号】 US2019037077
(87)【国際公開番号】W WO2019241573
(87)【国際公開日】2019-12-19
【審査請求日】2022-05-25
(32)【優先日】2018-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514108838
【氏名又は名称】マジック リープ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Magic Leap,Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 W SUNRISE BLVD,PLANTATION,FL 33322 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】オ, チュルウ
(72)【発明者】
【氏名】コマンドゥリ, ラヴィ クマール
【審査官】植田 裕美子
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-525394(JP,A)
【文献】中国実用新案第207281429(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2009/0141216(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0047956(US,A1)
【文献】特開2005-274847(JP,A)
【文献】特開2015-062062(JP,A)
【文献】特開平07-114009(JP,A)
【文献】特開2010-244021(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13
G02F 1/1337
G02B 27/02
G02B 5/18
G02B 5/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
切替可能な光学アセンブリであって、
前記切替可能な光学アセンブリは、切替可能な波長板を備え、前記切替可能な波長板は、前記切替可能な波長板上に入射する光の偏光状態を選択的に改変するように、電気的にアクティブ化され、電気的にアクティブ化解除されるように構成されており、前記切替可能な波長板は、中心軸を有し、
前記切替可能な波長板は、
第1の表面および第2の表面であって、前記中心軸は、前記第1の表面および前記第2の表面に対して垂直である、第1の表面および第2の表面と、
前記第1の表面と前記第2の表面との間に配置されている第1の液晶層であって、前記第1の液晶層は、複数の液晶分子を備え、前記複数の液晶分子は、それぞれの縦方向に沿って幅より長さがあり、前記複数の液晶分子の前記それぞれの縦方向は、前記中心軸を中心としてそれぞれの方位角に伴って変動し、前記それぞれの方位角は、前記中心軸に対する前記複数の液晶分子のそれぞれの場所に対応する、第1の液晶層と、
前記第1の液晶層を横断するように電気信号を印加するための複数の電極と
を備え、
前記複数の液晶分子は、前記中心軸を中心として1つ以上の同心リングを形成する、切替可能な光学アセンブリ。
【請求項2】
前記第1の表面および前記第2の表面は、平面表面を備える、請求項1に記載の切替可能な光学アセンブリ。
【請求項3】
前記第1の表面および前記第2の表面は、平面基板上の平面表面を備える、請求項1に記載の切替可能な光学アセンブリ。
【請求項4】
前記それぞれの縦方向は、前記中心軸から前記複数の液晶分子までのそれぞれの半径方向に直交する、請求項1に記載の切替可能な光学アセンブリ。
【請求項5】
前記複数の液晶分子は、前記複数の液晶分子が前記中心軸を中心として回転可能な対称配列に配列されるような配向を有する、請求項1に記載の切替可能な光学アセンブリ。
【請求項6】
前記第1の液晶層は、複数のサブ層のスタックを備え、前記複数の液晶分子は、前記複数のサブ層のスタックの第1のサブ層内に含まれている、請求項1に記載の切替可能な光学アセンブリ。
【請求項7】
前記複数のサブ層のスタックは、付加的なサブ層を含み、前記付加的なサブ層は、前記第1のサブ層内に含まれている前記複数の液晶分子と
前記中心軸を中心として同一の方位角
を有し、かつ、前記第1のサブ層内に含まれている前記複数の液晶分子と前記中心軸からの同一の半径距離を有し、かつ、前記第1のサブ層内に含まれている前記複数の液晶分子と同じように配向されている複数の液晶分子を有する、請求項6に記載の切替可能な光学アセンブリ。
【請求項8】
前記複数のサブ層のスタックは、付加的なサブ層を含み、前記付加的なサブ層は、前記第1のサブ層内に含まれている前記複数の液晶分子と
前記中心軸を中心として同一の方位角
を有し、かつ、前記第1のサブ層内に含まれている前記複数の液晶分子と前記中心軸からの同一の半径距離を有し、かつ、徐々に捻転されている複数の液晶分子を有し、前記捻転の量は、前記第1のサブ層からの距離の増加に伴って増加する、請求項6に記載の切替可能な光学アセンブリ。
【請求項9】
前記切替可能な光学アセンブリは、第2の液晶層をさらに備える、請求項1に記載の切替可能な光学アセンブリ。
【請求項10】
前記第2の液晶層は、複数のサブ層のスタックを備え、前記複数のサブ層のスタックは、前記第1の液晶層の第1のサブ層内に含まれている前記複数の液晶分子と
前記中心軸を中心として同一の方位角を有し、かつ、前記第1のサブ層内に含まれている前記複数の液晶分子と前記中心軸からの同一の半径距離を有する複数の液晶分子を有し、前記第2の液晶層内の前記複数のサブ層のスタック内の前記複数の液晶分子は、徐々に捻転されており、前記捻転の量は、前記第1の液晶層からの距離に伴って増加する、請求項9に記載の切替可能な光学アセンブリ。
【請求項11】
前記第2の液晶層は、前記第1の液晶層内の前記複数の液晶分子の捻転を鏡映するように、前記第1の液晶層からの距離に伴って捻転されている複数の液晶分子を有する、請求項9に記載の切替可能な光学アセンブリ。
【請求項12】
前記第1の液晶層は、複数のサブ層のスタックを備え、前記第2の液晶層は、複数のサブ層のスタックを備え、前記第1の液晶層に最も近い前記第2の液晶層のサブ層は、前記第2の液晶層に最も近い前記第1の液晶層のサブ層内の前記複数の液晶分子と実質的に同一の配向を有する複数の液晶分子を備える、請求項9に記載の切替可能な光学アセンブリ。
【請求項13】
前記第1の液晶層は、複数のサブ層のスタックを備え、前記第2の液晶層は、複数のサブ層のスタックを備え、前記第1の液晶層から最も遠い前記第2の液晶層のサブ層は、前記第2の液晶層から最も遠い前記第1の液晶層のサブ層内の前記複数の液晶分子と実質的に同一の配向を有する複数の液晶分子を備える、請求項9に記載の切替可能な光学アセンブリ。
【請求項14】
前記切替可能な波長板は、少なくとも450nm~630nmを含む波長範囲内の95%よりも大きい回折効率で光を回折するように構成されている、請求項9に記載の切替可能な光学アセンブリ。
【請求項15】
前記第1の液晶層および前記第2の液晶層内の前記複数の液晶分子は、対向捻転向きを有する、請求項9に記載の切替可能な光学アセンブリ。
【請求項16】
前記第1の液晶層および前記第2の液晶層の前記複数の液晶分子のそれぞれは、60度~80度である正味角度だけ捻転されている、請求項11に記載の切替可能な光学アセンブリ。
【請求項17】
前記切替可能な光学アセンブリは、前記第2の液晶層を横断するように信号を印加するように構成されている少なくとも1つの電極をさらに備える、請求項9に記載の切替可能な光学アセンブリ。
【請求項18】
前記切替可能な光学アセンブリは、液晶層を備える第1の波長板レンズをさらに備え、前記第1の波長板レンズは、前記第1の波長板レンズの上に入射する光の複数の異なる偏光のための複数の異なる屈折力を有し、
前記切替可能な光学アセンブリは、
第1の屈折力を有するように構成されている第1のレンズ状態と、
前記第1の屈折力と異なる第2の屈折力を有するように構成されている第2のレンズ状態と
を含む少なくとも2つのレンズ状態の間で選択的に切り替えられるように構成されている、請求項1に記載の切替可能な光学アセンブリ。
【請求項19】
前記第2の屈折力は、ゼロ屈折力である、請求項18に記載の切替可能な光学アセンブリ。
【請求項20】
前記第1の液晶層内の少なくとも50%の液晶分子は、前記中心軸に対して垂直である平面を横断して少なくとも1cm
2の範囲にわたって延在する、請求項1に記載の切替可能な光学アセンブリ。
【請求項21】
前記第1の液晶層内の少なくとも50%の液晶分子は、前記中心軸に対して垂直である平面を横断して少なくとも2cm
2の範囲にわたって延在する、請求項1に記載の切替可能な光学アセンブリ。
【請求項22】
前記第1の液晶層内の少なくとも80%の液晶分子は、前記中心軸に対して垂直である平面を横断して少なくとも1cm
2の範囲にわたって延在する、請求項1に記載の切替可能な光学アセンブリ。
【請求項23】
前記第1の液晶層内の少なくとも80%の液晶分子は、前記中心軸に対して垂直である平面を横断して少なくとも2cm
2の範囲にわたって延在する、請求項1に記載の切替可能な光学アセンブリ。
【請求項24】
前記複数の液晶分子は、前記複数の液晶分子が前記中心軸を中心として少なくとも4回回転対称性を有するような配向を有する、請求項1に記載の切替可能な光学アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その内容が、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、2018年6月15日に出願され、「WIDE FIELD-OF-VIEW POLARIZATION SWITCHES AND METHODS OF FABRICATING LIQUID CRYSTAL OPTICAL ELEMENTS WITH PRETITLT」と題された、米国仮特許出願第62/685,858号の優先権の利益を主張する。
(参照による組み込み)
【0002】
本願は、参照することによって、以下の特許出願、すなわち、2014年11月27日に出願され、2015年7月23日に米国特許公開第2015/0205126号として公開された、米国特許出願第14/555,585号、2015年4月18日に出願され、2015年10月22日に米国特許公開第2015/0302652号として公開された、米国特許出願第14/690,401号、2014年3月14日に出願され、現米国特許第9,417,452号である、2016年8月16日に発行された、米国特許出願第14/212,961号、2014年7月14日に出願され、2015年10月29日に米国特許公開第2015/0309263号として公開された、米国特許出願第14/331,218号、2017年10月26日に出願され、2018年5月24日に米国特許公開第2018/0143470として公開された、米国特許出願第15/795,067号、2017年11月16日に出願され、2018年5月24日に米国特許公開第2018/0143485として公開された、米国特許出願第15/815,449号、および2018年10月25日に出願され、2019年5月2日に国際公開第WO2019/084334号として公開された、国際出願第PCT/US2018/057604号のそれぞれの全体を組み込む。
【0003】
本開示は、ディスプレイシステムに関し、より具体的には、拡張および仮想現実ディスプレイシステムに関する。
【背景技術】
【0004】
現代のコンピューティングおよびディスプレイ技術は、いわゆる「仮想現実」または「拡張現実」体験のためのシステムの開発を促進しており、デジタル的に再現された画像またはその一部が、現実であるように見える、またはそのように知覚され得る様式でユーザに提示される。仮想現実、すなわち、「VR」シナリオは、典型的には、他の実際の実世界の視覚的入力に対する透過性を伴わずに、デジタルまたは仮想画像情報の提示を伴い、拡張現実、すなわち、「AR」シナリオは、典型的には、ユーザの周囲の実際の世界の可視化に対する拡張としてのデジタルまたは仮想画像情報の提示を伴う。複合現実または「MR」シナリオは、一種のARシナリオであって、典型的には、自然世界の中に統合され、それに応答する、仮想オブジェクトを伴う。例えば、MRシナリオでは、AR画像コンテンツは、実世界内のオブジェクトによって遮断されて見える、または別様にそれと相互作用するように知覚される。
【0005】
図1を参照すると、拡張現実場面10が、描写され、AR技術のユーザには、人々、木々、背景における建物、コンクリートプラットフォーム30を特徴とする、実世界公園状設定20が見える。これらのアイテムに加え、AR技術のユーザはまた、これらの要素40、50が実世界内に存在しないにもかかわらず、実世界プラットフォーム30上に立っているロボット像40と、マルハナバチの擬人化のように見える、飛んでいる漫画のようなアバタキャラクタ50等の「仮想コンテンツ」を「見ている」と知覚する。ヒトの視知覚系は、複雑であって、他の仮想または実世界画像要素間における仮想画像要素の快適で、自然のような感覚で、かつ豊かな提示を促進する、AR技術の生成は、困難である。
【0006】
本明細書に開示されるシステムおよび方法は、ARまたはVR技術に関連する種々の課題に対処する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
一側面では、切替可能な光学アセンブリは、電気的にアクティブ化およびアクティブ化解除され、その上に入射する光の偏光状態を選択的に改変するように構成される、切替可能な波長板を備える。切替可能な波長板は、第1および第2の表面と、第1の表面と第2の表面との間に配置される、第1の液晶層とを備える。第1の液晶層は、中心軸と平行な個別の軸を中心として回転する、複数の液晶分子を備え、回転は、中心軸を中心として方位角に伴って変動する。切替可能な波長板は、加えて、該第1の液晶層を横断して電気信号を印加するための複数の電極を備える。
【0008】
別の側面では、切替可能な光学アセンブリは、電気的にアクティブ化およびアクティブ化解除され、その上に入射する光の偏光状態を選択的に改変するように構成される、切替可能な波長板を備える。切替可能な波長板は、第1および第2の表面と、第1の表面と第2の表面との間に配置される、液晶層とを備える。液晶層は、個別の縦方向に沿って幅より長さがある複数の液晶分子を備え、液晶分子は、縦方向が、該軸から複数の半径方向に第1および第2の表面および液晶層の軸から半径方向に延在するように配向される。切替可能な波長板は、加えて、該液晶層を横断して電気信号を印加するための複数の電極を備える。
【0009】
別の側面では、光学要素を加工する方法は、水平方向に沿って延在し、それに対して垂直方向に指向される法線を有する、基板を提供するステップを含む。本方法は、加えて、第1の垂直整合層を提供するステップと、第2の水平整合層を提供するステップとを含む。本方法はさらに、液晶分子が垂直および水平方向に対してある斜角で配向されるように、第1の垂直整合層および第2の水平整合層に対する液晶分子を備える、液晶層を提供するステップを含む。第1の垂直整合層は、液晶分子を第1の垂直整合層を伴わない場合より垂直に配向させ、第2の水平整合層は、液晶分子を第2の水平整合層を伴わない場合より水平に配向させる。
【0010】
別の側面では、光学要素は、水平方向に沿って延在し、それに対して垂直方向に指向される法線を有する、基板を備える。光学要素は、加えて、第1の垂直整合層を提供するステップと、第2の水平整合層を提供するステップを含む。光学要素はさらに、液晶分子が垂直および水平方向に対してある斜角で配向されるように、第1の垂直整合層および第2の水平整合層に対する液晶分子を備える、液晶層を備える。第1の垂直整合層は、液晶分子を第1の垂直整合層を伴わない場合より垂直に配向させ、第2の水平整合層は、液晶分子を第2の水平整合層を伴わない場合より水平に配向させる。
【0011】
本発明および先行技術に優って達成される利点を要約する目的のために、ある目的および利点が、本明細書に説明される。当然ながら、必ずしも、全てのそのような目的または利点は、任意の特定の実施形態に従って達成される必要があるわけではないことを理解されたい。したがって、例えば、当業者は、本発明が、必ずしも、他の目的または利点を達成せずに、1つの利点または利点群を達成または最適化し得る様式において、具現化される、または行われることを認識するであろう。
【0012】
これらの実施形態は全て、本明細書に開示される本発明の範囲内であるように意図される。これらおよび他の実施形態は、添付の図を参照した以下の詳細な説明から容易に当業者に明白となり、本発明は、任意の特定の開示される実施形態に限定されない。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
切替可能な光学アセンブリであって、
切替可能な波長板であって、前記切替可能な波長板は、電気的にアクティブ化およびアクティブ化解除され、その上に入射する光の偏光状態を選択的に改変するように構成され、前記切替可能な波長板は、
第1および第2の表面と、
前記第1の表面と第2の表面との間に配置される第1の液晶層であって、前記第1の液晶層は、中心軸と平行な個別の軸を中心として回転する複数の液晶分子を備え、前記回転は、前記中心軸を中心として方位角に伴って変動する、第1の液晶層と、
前記第1の液晶層を横断して電気信号を印加するための複数の電極と
を備える、切替可能な波長板
を備える、切替可能な光学アセンブリ。
(項目2)
前記第1および第2の表面は、平面表面を備える、項目1に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(項目3)
前記第1および第2の表面は、平面表面を平面基板上に備える、項目1または2に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(項目4)
前記中心軸は、前記第1および第2の表面に対して法線方向である、項目1-3のいずれか1項に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(項目5)
前記液晶分子は、個別の縦方向に沿って幅より長さがあり、前記液晶分子は、前記液晶分子が前記中心軸に面する前記個別の縦方向に沿って個別の伸長辺を有するように、前記中心軸と平行な個別の軸を中心として回転する、項目1-4のいずれか1項に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(項目6)
前記液晶分子は、個別の縦方向に沿って幅より長さがあり、前記液晶分子は、前記液晶分子が前記中心軸を中心として1つ以上の同心リングを形成するように、前記中心軸と平行な個別の軸を中心として回転する、項目1-5のいずれか1項に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(項目7)
前記液晶分子は、個別の縦方向に沿って幅より長さがあり、前記液晶分子は、前記個別の縦方向が前記中心軸から前記液晶分子まで半径方向に直交するように、前記中心軸と平行な個別の軸を中心として回転する、項目1-6のいずれか1項に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(項目8)
前記複数の液晶分子は、前記複数の液晶分子が前記中心軸を中心として回転可能対称配列に配列されるような配向を有する、項目1-7のいずれか1項に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(項目9)
前記第1の液晶層は、複数のサブ層を備え、前記液晶分子は、前記複数のサブ層の第1のサブ層内に含まれる、項目1-8のいずれか1項に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(項目10)
前記複数のサブ層は、液晶分子を有する付加的サブ層を含み、前記液晶分子は、前記第1のサブ層内に含まれる前記液晶分子と同じように側方または半径方向に位置付けられ、同じように配向される、項目9に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(項目11)
前記複数のサブ層は、液晶分子を有する付加的サブ層を含み、前記液晶分子は、前記第1のサブ層内に含まれる前記液晶分子と同じように側方または半径方向に位置付けられ、前記中心軸と平行な前記軸を中心として徐々に捻転され、前記捻転の量は、前記第1のサブ層からの距離の増加に伴って増加する、項目9に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(項目12)
第2の液晶層をさらに備える、項目1-11のいずれか1項に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(項目13)
前記第2の液晶層は、複数のサブ層を備え、前記複数のサブ層は、前記第1の液晶層の第1のサブ層内に含まれる前記液晶分子と同じように側方または半径方向に位置付けられる液晶分子を有し、前記第2の液晶層内の前記複数のサブ層内の前記液晶分子は、前記中心軸と平行な前記軸を中心として徐々に捻転され、前記捻転の量は、前記第1の液晶層からの距離に伴って増加する、項目12に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(項目14)
前記第2の液晶層は、前記第1の液晶層内の前記液晶分子の捻転を鏡映するように、前記第1の液晶層からの距離に伴って捻転される液晶分子を有する、項目12または13に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(項目15)
前記第1の液晶層は、複数のサブ層を備え、前記第2の液晶層は、複数のサブ層を備え、前記第1の液晶層に最も近い前記第2の液晶層のサブ層は、前記第2の液晶層に最も近い前記第1の液晶層のサブ層内の前記液晶分子と実質的に同一配向を有する液晶分子を備える、項目12-14のいずれか1項に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(項目16)
前記第1の液晶層は、複数のサブ層を備え、前記第2の液晶層は、複数のサブ層を備え、前記第1の液晶層から最も遠い前記第2の液晶層のサブ層は、前記第2の液晶層から最も遠い前記第1の液晶層のサブ層内の前記液晶分子と実質的に同一配向を有する液晶分子を備える、項目12-15のいずれか1項に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(項目17)
前記第1および第2の液晶層は、前記第1および第2の液晶層の一方のみを有し、他方を有していない光学アセンブリと比較して、複数の波長を横断して、その上に入射する光の偏光状態を改変する際、増加された均一性を提供する、項目12-16のいずれか1項に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(項目18)
前記切替可能な波長板は、少なくとも450nm~630nmを含む波長範囲内の95%を上回る回折効率で光を回折するように構成される、項目12-17のいずれか1項に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(項目19)
前記第1および第2の液晶層内の前記液晶分子は、対向捻転向きを有する、項目12-18のいずれか1項に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(項目20)
前記第1および第2の液晶層は、対向捻転角度を有する、項目12-19のいずれか1項に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(項目21)
前記第1および第2の液晶層の前記液晶分子は、前記第1の層と第2の層との間の界面に対して正味角度約60度~80度対称的に捻転される、項目12-20のいずれか1項に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(項目22)
前記第2の液晶層を横断して信号を印加するように構成される少なくとも1つの電極をさらに備える、項目12-21のいずれか1項に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(項目23)
前記切替可能な光学アセンブリはさらに、液晶層を備える第1の波長板レンズを備え、前記第1の波長板レンズは、その上に入射する光の異なる偏光のための異なる屈折力を有し、
前記切替可能な光学アセンブリは、
第1の屈折力を有するように構成される第1のレンズ状態と、
前記第1の屈折力と異なる第2の屈折力を有するように構成される第2のレンズ状態と
を含む少なくとも2つのレンズ状態の間で選択的に切り替えられるように構成される、項目1-22のいずれか1項に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(項目24)
前記第2の屈折力は、ゼロ屈折力である、項目23に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(項目25)
前記中心軸を中心として前記方位角に伴って変動する前記回転を有する前記複数の液晶分子は、前記第1の液晶層を横断して少なくとも1cm
2
の範囲にわたって延在する液晶分子の少なくとも50%を含む、項目1-24のいずれか1項に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(項目26)
前記中心軸を中心として前記方位角に伴って変動する前記回転を有する前記複数の液晶分子は、前記第1の液晶層を横断して少なくとも2cm
2
の範囲にわたって延在する液晶分子の少なくとも50%を含む、項目1-24のいずれか1項に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(項目27)
前記中心軸を中心として前記方位角に伴って変動する前記回転を有する前記複数の液晶分子は、前記第1の液晶層を横断して少なくとも1cm
2
の範囲にわたって延在する液晶分子の少なくとも80%を含む、項目1-24のいずれか1項に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(項目28)
前記中心軸を中心として前記方位角に伴って変動する前記回転を有する前記複数の液晶分子は、前記第1の液晶層を横断して少なくとも2cm
2
の範囲にわたって延在する液晶分子の少なくとも80%を含む、項目1-24のいずれか1項に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(項目29)
前記複数の液晶分子は、前記複数の液晶分子が前記中心軸を中心として少なくとも4回回転対称性を有するような配向を有する、項目1-28のいずれか1項に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(項目30)
切替可能な光学アセンブリであって、
切替可能な波長板であって、前記切替可能な波長板は、電気的にアクティブ化およびアクティブ化解除され、その上に入射する光の偏光状態を選択的に改変するように構成され、前記切替可能な波長板は、
第1および第2の表面と、
前記第1の表面と第2の表面との間に配置される液晶層であって、前記液晶層は、個別の縦方向に沿って幅より長さがある複数の液晶分子を備え、前記液晶分子は、前記縦方向が、前記第1および第2の表面および前記液晶層の軸から、前記軸から複数の半径方向において半径方向に延在するように配向される、液晶層と、
前記液晶層を横断して電気信号を印加するための複数の電極と
を備える、切替可能な波長板
を備える、切替可能な光学アセンブリ。
(項目31)
前記第1および第2の表面は、平面表面を備える、項目30に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(項目32)
前記第1および第2の表面は、平面表面を平面基板上に備える、項目30または31に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(項目33)
前記軸は、前記第1および第2の表面に対して法線方向である、項目30-32のいずれか1項に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(項目34)
前記複数の液晶分子は、前記軸と平行な軸を中心として回転される、項目30-33のいずれか1項に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(項目35)
前記液晶分子の縦方向は、前記第1および第2の表面と平行である、項目30-34のいずれか1項に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(項目36)
光を前記切替可能な光学アセンブリからある距離における視認者の眼に透過させるように構成され、前記液晶分子の縦方向は、前記液晶層上に投影される前記視認者の眼の視野内の個別の場所から前記視認者の眼までの光の経路の個別の投影に沿って延在する、項目30-35のいずれか1項に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(項目37)
回折レンズを備える波長板レンズをさらに備える、項目30-36のいずれか1項に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(項目38)
液晶層を備える波長板レンズをさらに備え、前記波長板レンズの液晶層は、前記波長板レンズが、前記第1の波長板レンズの中心領域から半径方向外向き方向に変動する複屈折(Δn)を有するように配列される、項目30-37のいずれか1項に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(項目39)
前記切替可能な波長板が第1の状態にあるとき、前記切替可能な波長板は、それを通して通過する円偏光の掌性を反転させるように構成される半波長板としての役割を果たす一方、前記切替可能な波長板が第2の状態にあるとき、前記切替可能な波長板は、それを通して通過する円偏光の掌性を保存するように構成される、項目30-38のいずれか1項に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(項目40)
前記液晶層は、複数のサブ層を備え、前記液晶分子は、前記複数のサブ層の第1のサブ層内に含まれる、項目30-39のいずれか1項に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(項目41)
前記複数のサブ層は、液晶分子を有する付加的サブ層を含み、前記液晶分子は、前記第1のサブ層内に含まれる前記液晶分子と同じように側方または半径方向に配向され、位置付けられる、項目40に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(項目42)
前記切替可能な光学アセンブリはさらに、液晶層を備える第1の波長板レンズを備え、前記第1の波長板レンズは、その上に入射する光の異なる偏光のための異なる屈折力を有し、
前記切替可能な光学アセンブリは、
第1の屈折力を有するように構成される第1のレンズ状態と、
前記第1の屈折力と異なる第2の屈折力を有するように構成される第2のレンズ状態と
を含む少なくとも2つのレンズ状態の間で選択的に切り替えられるように構成される、項目30-41のいずれか1項に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(項目43)
前記第2の屈折力は、ゼロ屈折力である、項目42に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(項目44)
前記個別の縦方向が前記軸から複数の半径方向において前記軸から半径方向に延在するように配向される前記複数の液晶分子は、前記液晶層を横断して少なくとも1cm
2
の範囲にわたって延在する液晶分子の少なくとも50%を含む、項目30-43のいずれか1項に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(項目45)
前記個別の縦方向が前記軸から複数の半径方向において前記軸から半径方向に延在するように配向される前記複数の液晶分子は、前記液晶層を横断して少なくとも2cm
2
の範囲にわたって延在する液晶分子の少なくとも50%を含む、項目30-43のいずれか1項に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(項目46)
前記個別の縦方向が前記軸から複数の半径方向において前記軸から半径方向に延在するように配向される前記複数の液晶分子は、前記液晶層を横断して少なくとも1cm
2
の範囲にわたって延在する液晶分子の少なくとも80%を含む、項目30-43のいずれか1項に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(項目47)
前記個別の縦方向が前記軸から複数の半径方向において前記軸から半径方向に延在するように配向される前記複数の液晶分子は、前記液晶層を横断して少なくとも2cm
2
の範囲にわたって延在する液晶分子の少なくとも80%を含む、項目30-43のいずれか1項に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(項目48)
前記軸は、前記第1および第2の表面および前記液晶層の中心軸を備える、項目30-47のいずれか1項に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(項目49)
光学要素を加工する方法であって、
水平方向に沿って延在し、それに対して垂直方向に指向される法線を有する基板を提供することと、
第1の垂直整合層を提供することと、
第2の水平整合層を提供することと、
液晶分子が前記垂直および水平方向に対してある斜角で配向されるように、前記第1の垂直整合層および前記第2の水平整合層に対して液晶分子を備える液晶層を提供することであって、前記第1の垂直整合層は、前記液晶分子を前記第1の垂直整合層を伴わない場合より垂直に配向させ、前記第2の水平整合層は、前記液晶分子を前記第2の水平整合層を伴わない場合より水平に配向させる、ことと
を含む、方法。
(項目50)
前記第1の垂直整合層は、それに対して近位の液晶分子を前記水平方向より前記垂直方向に沿って配向させるように構成される、項目49に記載の方法。
(項目51)
前記第2の水平整合層は、それに対して近位の液晶分子を前記垂直方向より前記水平方向に沿って配向させるように構成される、項目49または50に記載の方法。
(項目52)
前記第2の水平整合層は、パターン化された層を備える、項目49-51のいずれか1項に記載の方法。
(項目53)
前記第2の水平整合層は、インプリント層を備える、項目52に記載の方法。
(項目54)
前記第2の水平整合層は、ナノインプリント層を備える、項目52または53に記載の方法。
(項目55)
前記ナノインプリント層は、ナノインプリントテンプレートを使用して形成される、項目54に記載の方法。
(項目56)
前記パターン化された層は、リソグラフィ技法またはエッチング技法を使用して形成される、項目55に記載の方法。
(項目57)
前記第1の垂直整合層および前記第2の水平整合層は、前記基板にわたって配置される、項目49-56のいずれか1項に記載の方法。
(項目58)
前記第1の垂直整合層は、前記第2の水平整合層と前記基板との間に配置される、項目49-57のいずれか1項に記載の方法。
(項目59)
前記第2の水平整合層は、前記第1の垂直整合層と前記基板との間に配置される、項目49-58のいずれか1項に記載の方法。
(項目60)
前記第2の水平整合層は、第1および第2の領域を有し、前記第1の領域は、前記液晶分子を前記第2の領域より水平にさせるように構成される、項目49-59のいずれか1項に記載の方法。
(項目61)
前記第2の水平整合層の前記第1および第2の領域は、特徴を備え、前記第1の領域内の前記特徴は、前記第1の領域のより近位の前記液晶分子が前記第2の領域のより近位の前記液晶分子より水平であるように、前記第2の領域内の前記特徴より大きいサイズを有する、項目60に記載の方法。
(項目62)
前記第2の水平整合層の前記第1の領域および第2の領域は、特徴を備え、前記第1の領域内の前記特徴は、前記第1の領域のより近位の前記液晶分子が前記第2の領域のより近位の前記液晶分子より水平であるように、前記第2の領域内の前記特徴より高い高さを有する、項目60または61に記載の方法。
(項目63)
前記第2の水平整合層の前記第1および第2の領域は、特徴を備え、前記第1の領域内の前記特徴は、前記第1の領域のより近位の前記液晶分子が前記第2の領域のより近位の前記液晶分子より水平であるように、前記第2の領域内の前記特徴より広い、項目60-62のいずれか1項に記載の方法。
(項目64)
前記第2の水平整合層の前記第1および第2の領域は、特徴を備え、前記第1の領域内の前記特徴は、前記第1の領域のより近位の前記液晶分子が前記第2の領域のより近位の前記液晶分子より水平であるように、前記第2の領域内の前記特徴より広いピッチを有する、項目60-63のいずれか1項に記載の方法。
(項目65)
前記第2の水平整合層の前記第1および第2の領域は、特徴を備え、前記第1の領域内の前記特徴は、前記第1の領域のより近位の前記液晶分子が前記第2の領域のより近位の前記液晶分子より水平であるように、前記第2の領域内の前記特徴より高いデューティサイクルを有する、項目60-64のいずれか1項に記載の方法。
(項目66)
前記第2の水平整合層の前記第1および第2の領域は、特徴を備え、前記第1の領域内の前記特徴は、前記第1の領域のより近位の前記液晶分子を前記第2の領域のより近位の前記液晶分子より水平にさせるために、前記第2の領域内の前記特徴と異なるプロファイルを有する、項目60-65のいずれか1項に記載の方法。
(項目67)
前記第2の水平整合層の前記第1および第2の領域は、特徴を備え、前記第1の領域内の前記特徴は、前記第1の領域のより近位の前記液晶分子を前記第2の領域のより近位の前記液晶分子より水平にさせるために、前記第2の領域内の前記特徴と異なるアスペクト比を有する、項目60-66のいずれか1項に記載の方法。
(項目68)
前記第2の水平整合層は、前記斜角をより水平にさせないように構成される領域を備える、項目49-67のいずれか1項に記載の方法。
(項目69)
前記第2の水平整合層は、前記斜角をより水平にさせるように構成される前記第2の水平整合層の2つの領域間に配置される前記斜角をより水平にさせないように構成される少なくとも1つの領域を備える、項目49-69のいずれか1項に記載の方法。
(項目70)
前記第1の垂直整合層は、第1および第2の領域を有し、前記第1の領域は、前記液晶分子を前記第2の領域より垂直にさせるように構成される、項目49-69のいずれかに記載の方法。
(項目71)
前記第1の水平整合層の前記第1の領域および第2の領域は、前記第1の領域のより近位の前記液晶分子が前記第2の領域のより近位の液晶分子より垂直であるように、異なる厚さを有する、項目70に記載の方法。
(項目72)
前記第1の垂直整合層は、前記斜角をより垂直にさせないように構成される領域を備える、項目49-71のいずれか1項に記載の方法。
(項目73)
前記第1の垂直整合層は、前記斜角をより垂直にさせるように構成される前記第1の垂直整合層の2つの領域間に配置される前記斜角をより垂直にさせないように構成される少なくとも1つの領域を備える、項目49-72のいずれか1項に記載の方法。
(項目74)
前記斜角は、前記第1の垂直整合層および前記第2の水平整合層の相対的強度に依存する、項目49-73のいずれか1項に記載の方法。
(項目75)
第3の垂直整合層を提供することと、
第4の水平整合層を提供することと
をさらに含み、
前記第1の垂直整合層は、前記第3の垂直整合層を伴わない場合より垂直に前記液晶層を配向させ、前記第4の水平整合層は、前記第4の水平整合層を伴わない場合より前記液晶分子を水平にする、項目49-74のいずれかに記載の方法。
(項目76)
前記液晶層は、前記第1の垂直整合層と、第3の垂直整合層との間に配置される、項目75に記載の方法。
(項目77)
前記液晶層は、前記第2の垂直整合層と第4の垂直整合層との間に配置される、項目75または76に記載の方法。
(項目78)
前記斜角は、前記水平方向に対して0°~90°である、項目49-77のいずれか1項に記載の方法。
(項目79)
前記液晶層内の前記液晶分子の大部分のための斜角は、前記水平方向に対して5°~85°である、項目49-77のいずれか1項に記載の方法。
(項目80)
前記液晶層内の前記液晶分子の大部分のための斜角は、前記水平方向に対して5°~45°である、項目49-79のいずれか1項に記載の方法。
(項目81)
前記光学要素は、波長板を備える、項目49-80のいずれか1項に記載の方法。
(項目82)
前記光学要素は、切替可能な波長板を備える、項目49-80のいずれか1項に記載の方法。
(項目83)
電気信号を前記液晶層に印加するように構成される電極を形成することをさらに含む、項目49-82のいずれか1項に記載の方法。
(項目84)
前記光学要素は、波長板レンズを備える、項目48-83のいずれか1項に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、ARデバイスを通した拡張現実(AR)のユーザのビューを図示する。
【0014】
【
図2】
図2は、ユーザのための3次元画像をシミュレートするための従来のディスプレイシステムを図示する。
【0015】
【
図3】
図3A-3Cは、曲率半径と焦点半径との間の関係を図示する。
【0016】
【
図4A】
図4Aは、ヒト視覚系の遠近調節(accommodation)-輻輳・開散運動(vergence)応答の表現を図示する。
【0017】
【
図4B】
図4Bは、一対のユーザの眼の異なる遠近調節状態および輻輳・開散運動状態の実施例を図示する。
【0018】
【
図4C】
図4Cは、ディスプレイシステムを介してコンテンツを視認しているユーザの上下図の表現の実施例を図示する。
【0019】
【
図4D】
図4Dは、ディスプレイシステムを介してコンテンツを視認しているユーザの上下図の表現の別の実施例を図示する。
【0020】
【
図5】
図5は、波面発散を修正することによって3次元画像をシミュレートするためのアプローチの側面を図示する。
【0021】
【
図6】
図6は、画像情報をユーザに出力するための導波管スタックの実施例を図示する。
【0022】
【
図7】
図7は、導波管によって出力された出射ビームの実施例を図示する。
【0023】
【
図8】
図8は、スタックされた導波管アセンブリの実施例を図示し、各深度平面は、複数の異なる原色を使用して形成される画像を含む。
【0024】
【
図9A】
図9Aは、それぞれ、内部結合光学要素を含む、スタックされた導波管のセットの実施例の断面側面図を図示する。
【0025】
【0026】
【
図9C】
図9Cは、
図9Aおよび9Bの複数のスタックされた導波管の実施例の上下平面図を図示する。
【0027】
【
図9D】
図9Dは、ウェアラブルディスプレイシステムの実施例を図示する。
【0028】
【
図10】
図10は、一対の適応レンズアセンブリを備える、ディスプレイシステムの実施例を図示する。
【0029】
【
図11】
図11Aは、仮想コンテンツをユーザにある仮想深度平面において表示する、
図10のディスプレイシステムの実施例を図示する。
図11Bは、実世界コンテンツのビューをユーザに提供する、
図10のディスプレイシステムの実施例を図示する。
【0030】
【
図12A】
図12Aは、液晶を備える、波長板レンズアセンブリの実施例を図示する。
【0031】
【
図12B】
図12Bは、液晶を備える、切替可能な波長板レンズの実施例を図示する。
【0032】
【
図13A】
図13Aは、捻転されたネマチック液晶の層を備える、切替可能な波長板層の実施例の断面図を図示する。
【0033】
【
図13B】
図13Bは、動作時、切替可能な波長板がアクティブ化またはアクティブ化解除されている、一対の4分の1波長板間に介在される、
図13Aの切替可能な波長板を備える、切替可能な波長板アセンブリの実施例を図示する。
【0034】
【
図13C】
図13Cは、捻転されたネマチック液晶層の複数の層を備える、4分の1波長板の実施例を図示する。
【0035】
【
図13D】
図13Dは、接着剤層を使用して単一スタックとして統合される、一対の4分の1波長板間に介在される、
図13Aの切替可能な波長板を備える、切替可能な波長板アセンブリの実施例を図示する。
【0036】
【
図13E】
図13Eは、単一スタックとして統合される、一対の4分の1波長板間に介在される、捻転されたネマチック液晶の層を備える、切替可能な波長板アセンブリの実施例を図示する。
【0037】
【
図13F】
図13Fは、単一スタックとして統合される、
図13Cの一対の4分の1波長板間に介在される、捻転されたネマチック液晶の層を備える、切替可能な波長板アセンブリの実施例を図示する。
【0038】
【
図14A】
図14Aは、液晶の層を切り替えるための一対の透明電極の一方の実施例の斜視図を図示する。
【0039】
【
図14B】
図14Bは、液晶の層を切り替えるための一対の透明電極の他方の実施例の斜視図を図示する。
【0040】
【
図14C】
図14Cは、液晶の層を切り替えるための一対の垂直に分離される透明電極の実施例の斜視図を図示する。
【0041】
【
図15A】
図15Aは、液晶の層を切り替えるための一対の水平に交錯された透明電極の実施例の平面図を図示する。
【0042】
【
図15B】
図15Bは、
図15Aの対の水平に交錯された透明電極を含む、切替可能な波長板アセンブリの実施例の断面図を図示する。
【0043】
【0044】
【0045】
【
図16C】
図16Cは、光の偏光および光が入射する側に応じて、異なる屈折力を提供し、それを通して通過する光を発散または収束させる、波長板レンズの実施例を図示する。
【0046】
【
図16D】
図16Dは、光の偏光および光が入射する側に応じて、異なる屈折力を提供し、それを通して通過する光を発散または収束させる、波長板レンズの実施例を図示する。
【0047】
【
図17A】
図17Aは、波長板レンズと、切替可能な波長板とを備える、適応レンズアセンブリの実施例を図示する。
【0048】
【
図17B】
図17Bは、動作時、切替可能な波長板がアクティブ化されている、
図17Aの適応レンズアセンブリの実施例を図示する。
【0049】
【
図17C】
図17Cは、動作時、切替可能な波長板がアクティブ化解除されている、
図13Aの適応レンズアセンブリの実施例を図示する。
【0050】
【
図18A】
図18Aは、動作時、切替可能な波長板がアクティブ化されている、それぞれ、波長板レンズと、切替可能な波長板とを備える、対の適応レンズアセンブリの間に導波管を備える、ディスプレイデバイスの実施例を図示する。
【0051】
【
図18B】
図18Bは、動作時、切替可能な波長板がアクティブ化解除されている、
図18Aのディスプレイデバイスの実施例を図示する。
【0052】
【
図19A】
図19Aは、液晶を備える広帯域波長板レンズの基板に最も近い、液晶分子の例示的配列の平面図を図示する。
【0053】
【
図19B】
図19Bは、第1の円偏光を有する光を収束させる、
図19Aに図示されるように配列される、液晶を備える、広帯域波長板レンズを図示する。
【0054】
【
図19C】
図19Cは、第2の円偏光を有する光を発散させる、
図19Aに図示されるように配列される、液晶を備える、広帯域波長板レンズを図示する。
【0055】
【
図20A】
図20Aは、捻転されたネマチック液晶の複数の層を備える、広帯域波長板レンズの液晶分子の例示的配列の平面図を図示する。
【0056】
【
図20B】
図20Bは、捻転されたネマチック液晶の複数の層を備える、広帯域波長板レンズの実施例の断面図を図示する。
【0057】
【
図21】
図21は、波長の増加に伴って増加する複屈折を有する、液晶の層を備える、広帯域波長板レンズの実施例の断面図を図示する。
【0058】
【
図22A】
図22Aは、第1の円偏光を有する光の偏光を発散および転換させる、アクティブ化解除された切替可能な広帯域波長板レンズの実施例の断面図を図示する。
【0059】
【
図22B】
図22Bは、第2の円偏光を有する光の偏光を収束および転換させる、アクティブ化解除された切替可能な広帯域波長板レンズの実施例の断面図を図示する。
【0060】
【
図22C】
図22Cは、その偏光を保存しながら、実質的に収束または発散させずに、円偏光を通過させる、アクティブ化された切替可能な広帯域波長板レンズの実施例の断面図を図示する。
【0061】
【
図23A】
図23Aは、動作時、切替可能な波長板レンズの両方がアクティブ化解除されている、一対の広帯域の切替可能な波長板レンズを備える、広帯域適応波長板レンズアセンブリの実施例を図示する。
【0062】
【
図23B】
図23Bは、動作時、切替可能な波長板レンズのうちの一方がアクティブ化されている、
図23Aの広帯域適応波長板レンズアセンブリを図示する。
【0063】
【
図23C】
図23Cは、動作時、切替可能な波長板レンズのうちの一方がアクティブ化されている、
図23Aの広帯域適応波長板レンズアセンブリを図示する。
【0064】
【
図23D】
図23Dは、動作時、切替可能な波長板レンズの両方がアクティブ化されている、一対の広帯域の切替可能な波長板レンズを備える、広帯域適応波長板レンズアセンブリの実施例を図示する。
【0065】
【
図24A】
図24Aは、一対のアクティブな広帯域の切替可能な波長板レンズ間に介在される、切替可能な広帯域波長板レンズを備える、統合された広帯域適応波長板レンズアセンブリの実施例を図示する。
【0066】
【
図24B】
図24Bは、広帯域半波長板レンズの組み合わせとしての動作時の
図24Aの広帯域適応波長板レンズアセンブリを図示する。
【0067】
【
図24C】
図24Cは、動作時、切替可能な広帯域波長板がアクティブ化されている、
図24Bの広帯域適応波長板レンズアセンブリを図示する。
【0068】
【
図24D】
図24Dは、動作時、切替可能な広帯域波長板がアクティブ化解除されている、
図24Bの広帯域適応波長板レンズアセンブリを図示する。
【0069】
【
図25A】
図25Aは、切替可能な広帯域波長板がアクティブ化されている、
図24Aの広帯域適応波長板レンズアセンブリの可視スペクトル内のシミュレートされた回折効率対波長を図示する。
【0070】
【
図25B】
図25Bは、切替可能な広帯域波長板がアクティブ化解除されている、
図24Aの広帯域適応波長板レンズアセンブリの可視スペクトル内のシミュレートされた回折効率対波長を図示する。
【0071】
【
図26A】
図26Aは、青色波長のための単一レンズ状態および複数のレンズ状態を使用して、3つの広帯域の切替可能な波長板レンズを備える、例示的広帯域適応波長板レンズアセンブリのシミュレートされた実際対標的正味屈折力を図示する。
【0072】
【
図26B】
図26Bは、緑色波長のための単一レンズ状態および複数のレンズ状態を使用して、3つの広帯域の切替可能な波長板レンズを備える、例示的広帯域適応波長板レンズアセンブリのシミュレートされた実際対標的正味屈折力を図示する。
【0073】
【
図26C】
図26Cは、赤色波長のための単一レンズ状態および複数のレンズ状態を使用して、3つの広帯域の切替可能な波長板レンズを備える、例示的広帯域適応波長板レンズアセンブリのシミュレートされた実際対標的正味屈折力を図示する。
【0074】
【
図27】
図27A-27Cは、広帯域波長板または広帯域波長板レンズの例示的加工方法を図示する。
【0075】
【
図28】
図28は、2ビーム暴露を使用して、広帯域波長板または広帯域波長板レンズ内の液晶分子を整合させるための整合層を構成する、例示的方法を図示する。
【0076】
【
図29】
図29A-29Bは、マスタレンズを使用して、広帯域波長板または広帯域波長板レンズ内の液晶分子を整合させるための整合層を構成する、例示的方法を図示する。
【0077】
【
図30A】
図30A-30Bは、マスタレンズおよび1ビーム暴露を使用して、広帯域波長板または広帯域波長板レンズ内の液晶分子を整合させるためのナノインプリント整合層を構成する、例示的方法を図示する。
【
図30B】
図30A-30Bは、マスタレンズおよび1ビーム暴露を使用して、広帯域波長板または広帯域波長板レンズ内の液晶分子を整合させるためのナノインプリント整合層を構成する、例示的方法を図示する。
【0078】
【
図30C】
図30Cは、
図30A-30Bの例示的方法を使用して、広帯域波長板レンズの液晶分子を整合させるための、例示的ナノインプリント整合層を図示する。
【0079】
【
図31】
図31A-31Cは、間隙充填プロセスを使用して、液晶を備える切替可能な広帯域波長板または液晶を備える切替可能な広帯域波長板レンズを加工する、例示的方法を図示する。
【0080】
【
図32-1】
図32A-32Eは、層転写プロセスを使用して、液晶を備える切替可能な広帯域波長板または液晶を備える切替可能な広帯域波長板レンズを加工する、例示的方法を図示する。
【
図32-2】
図32A-32Eは、層転写プロセスを使用して、液晶を備える切替可能な広帯域波長板または液晶を備える切替可能な広帯域波長板レンズを加工する、例示的方法を図示する。
【0081】
【
図33】
図33は、基板の一部上に形成される、液晶を備える切替可能な広帯域波長板または液晶を備える切替可能な広帯域波長板レンズの実施例を図示する。
【0082】
【
図34】
図34は、選択的コーティングによって、液晶を備える切替可能な広帯域波長板または液晶を備える切替可能な広帯域波長板レンズを基板の一部上に形成する、例示的方法を図示する。
【0083】
【
図35】
図35A-35Cは、液晶の層をブランケットコーティングし、減法的に除去することによって、液晶を備える切替可能な広帯域波長板または液晶を備える切替可能な広帯域波長板レンズを基板の一部上に形成する、例示的方法を図示する。
【0084】
【
図36】
図36A-36Cは、整合層の選択的光学パターン化を使用することによって、液晶を備える切替可能な広帯域波長板または液晶を備える切替可能な広帯域波長板レンズを基板の一部上に形成する、例示的方法を図示する。
【0085】
【
図37】
図37A-37Bは、整合層の選択的ナノインプリントを使用することによって、液晶を備える切替可能な広帯域波長板または液晶を備える切替可能な広帯域波長板レンズを基板の一部上に形成する、例示的方法を図示する。
【0086】
【
図38】
図38は、波長板レンズと、光を広視野から受光する、切替可能な波長板とを備える、適応レンズアセンブリの実施例を図示する。視野の周縁上のオブジェクトからの光は、偏光が回転される効率を減少させる角度で、切替可能な波長板上に入射する。本適応レンズは、そのような要素が拡張現実デバイスのための可変焦点要素として使用されるとき、残影画像を誤った深度平面に生産する。
【0087】
【
図39】
図39は、切替可能な波長板が偏光をその上に入射する光の異なる角度で回転させる効率を図示する、プロットである。(例えば、周縁における)明るい部分は、低減された効率を示す。
【0088】
【
図40】
図40は、視野の周縁上のオブジェクトからの光のための偏光回転の効率を増加させるように構成される、切替可能な波長板のためのさらに別の例示的設計を図示する。切替可能な波長板は、切替可能な波長板を通る中心軸と平行な軸を中心として回転される、分子を備える、液晶層を含む。回転の量、したがって、分子の配向は、伸長分子が、概して、中心軸を中心として同心リングを形成するように、中心軸を中心として方位角に伴って変動する。分子の縦方向4332は、少なくとも3、4、5、6、8、9、10、12、14、20、40、またはそれを上回る(またはこれらの値のいずれか間の任意の範囲)同心リング形状経路に沿って配列され得る。本構成は、高度に軸外の視野角度に関しても、切替可能な波長板の偏光回転の効率における均一性を増加させる。
【0089】
【
図41】
図41は、視野の周縁上のオブジェクトからの光のための偏光回転の効率を増加させるように構成される、切替可能な波長板のためのさらに別の例示的設計を図示する。切替可能な波長板は、その縦方向に沿って幅より長い分子を備える、液晶層を含む。分子は、縦方向が、中心軸から複数の半径方向のための切替可能な波長板を通る中心軸から半径方向に延在するように配向される。本構成はまた、高度に軸外の視野角度に関しても、切替可能な波長板の偏光回転の効率における均一性を増加させる。
【0090】
【
図42A】
図42Aおよび42Bは、
図40または
図41のいずれかに類似する広視野構造を伴う、捻転された液晶層の複数の層を備え、
図20Bに類似する波長にわたって広帯域動作を提供する、切替可能な波長板の実施例を図示する。
【
図42B】
図42Aおよび42Bは、
図40または
図41のいずれかに類似する広視野構造を伴う、捻転された液晶層の複数の層を備え、
図20Bに類似する波長にわたって広帯域動作を提供する、切替可能な波長板の実施例を図示する。
【0091】
【
図43A】
図43A-43Dは、例えば、垂直および水平整合層を備える、異なる配向を有する、第1の層および整合層を使用して、LC分子を整合させる方法を図示する。本実施例では、水平整合層は、パターン化されたナノ構造を備える。
【
図43B】
図43A-43Dは、例えば、垂直および水平整合層を備える、異なる配向を有する、第1の層および整合層を使用して、LC分子を整合させる方法を図示する。本実施例では、水平整合層は、パターン化されたナノ構造を備える。
【
図43C】
図43A-43Dは、例えば、垂直および水平整合層を備える、異なる配向を有する、第1の層および整合層を使用して、LC分子を整合させる方法を図示する。本実施例では、水平整合層は、パターン化されたナノ構造を備える。
【
図43D】
図43A-43Dは、例えば、垂直および水平整合層を備える、異なる配向を有する、第1の層および整合層を使用して、LC分子を整合させる方法を図示する。本実施例では、水平整合層は、パターン化されたナノ構造を備える。
【0092】
図面全体を通して、参照番号は、参照される要素間の対応を示すために再使用され得る。図面は、本明細書に説明される例示的実施形態を図示するために提供され、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0093】
ARシステムは、依然として、ユーザに彼らの周囲の世界が見えることを可能にしながら、仮想コンテンツをユーザまたは視認者に表示し得る。好ましくは、本コンテンツは、例えば、画像情報をユーザの眼に投影する、アイウェアの一部としての頭部搭載型ディスプレイ上に表示される。加えて、ディスプレイはまた、周囲環境からの光をユーザの眼に透過させ、その周囲環境のビューを可能にしてもよい。本明細書で使用されるように、「頭部搭載型」または「頭部搭載可能である」ディスプレイは、視認者またはユーザの頭部上に搭載され得る、ディスプレイであることを理解されたい。
【0094】
いくつかのARシステムでは、複数の導波管は、仮想画像を複数の仮想深度平面(単に、本明細書では、「深度平面」とも称される)に形成するように構成されてもよい。複数の導波管の異なる導波管は、異なる屈折力を有してもよく、ユーザの眼から異なる距離に形成されてもよい。ディスプレイシステムはまた、屈折力を提供する、または加えて提供する、複数のレンズを含んでもよい。導波管および/またはレンズの屈折力は、画像を異なる仮想深度平面に提供し得る。望ましくないことに、導波管およびレンズはそれぞれ、ディスプレイの全体的厚さ、重量、およびコストを増加させ得る。
【0095】
有利なこととして、本明細書に説明される種々の実施形態では、適応レンズアセンブリが、可変屈折力を提供し、例えば、レンズアセンブリを通して伝搬する光の波面発散を修正し、仮想深度平面をユーザから異なる知覚距離に提供するために利用されてもよい。適応レンズアセンブリは、それらの間に配置される、切替可能な波長板を有する、一対の波長板レンズを含んでもよい。第1および第2の波長板レンズはそれぞれ、それを通して通過する光の偏光状態を改変するように構成されてもよく、切替可能な波長板は、複数の状態、例えば、光の偏光を変化させずに、光が通過することを可能にする、第1の状態と、光の偏光を改変する、第2の状態(例えば、偏光の掌性を変化させることによって)との間で切替可能であってもよい。いくつかの実施形態では、波長板レンズの一方または両方が、これらの第1の状態と第2の状態との間で切替可能であってもよく、上記の介在する切替可能な波長板は、省略されてもよい。
【0096】
適応レンズアセンブリは、複数の波長板レンズおよび複数の切替可能な波長板のスタックを備えてもよいことを理解されたい。例えば、適応レンズアセンブリは、介在する切替可能な波長板を伴う、一対の波長板レンズを備える、複数のサブアセンブリを備えてもよい。いくつかの実施形態では、適応レンズアセンブリは、交互する波長板レンズおよび切替可能な波長板を含んでもよい。有利なこととして、そのような交互配列は、近傍の切替可能な波長板に共通波長板レンズを共有させることによって、厚さおよび重量の低減を可能にする。いくつかの実施形態では、スタック内の切替可能なプレートの種々の組み合わせの状態を切り替えることによって、2つを上回る離散レベルの屈折力が、提供されてもよい。
【0097】
いくつかの実施形態では、適応レンズアセンブリは、導波管アセンブリとともに、ディスプレイデバイスを形成し、画像を異なる仮想深度平面に形成する。種々の実施形態では、ディスプレイデバイスは、導波管アセンブリによって介在される、一対の適応レンズアセンブリを備える。導波管アセンブリは、光(例えば、可視光)をその中に伝搬し(例えば、全内部反射を介して)、光を外部結合するように構成される、導波管を含む。例えば、光は、導波管の主要表面に対して法線方向にある光学軸方向に沿って外部結合されてもよい。対の適応レンズアセンブリのうちの1つは、導波管アセンブリの第1の側に形成されてもよく、可変屈折力を提供し、適応レンズアセンブリを通して通過する光の波面を修正し、画像を複数の仮想深度平面のそれぞれに形成するように構成されてもよい。例えば、適応レンズアセンブリは、導波管アセンブリから受光された外部結合される光を収束または発散させ得る。適応レンズアセンブリおよび/または導波管アセンブリを通して伝搬する周囲光の収束または発散に起因する、実世界ビューの修正を補償するために、対の適応レンズアセンブリの他方が、加えて、第1の側と反対の導波管アセンブリの第2の側に提供される。各適応レンズアセンブリの切替可能な波長板が、対応する状態をとると、適応レンズアセンブリは、適応レンズアセンブリの他方が、導波管アセンブリの第1の側の適応レンズアセンブリによって生じる歪曲を補正するように、反対符号を伴う屈折力を有し得る。
【0098】
有利なこととして、持続的に可変の光学要素を有する、持続的に可変の適応レンズに対して、2つの状態間で切替可能な切替可能な波長板を利用することは、適応レンズアセンブリの駆動を簡略化させ、所望の屈折力のために適応レンズアセンブリを適切にアクティブ化する方法を決定するために必要とされる算出パワーを低減させる。加えて、適応レンズアセンブリが導波管によって出力された光の波面発散を修正することを可能にすることによって、複数の深度平面を提供するために必要とされる導波管の数は、各導波管が特定の量の波面発散を提供する配列に対して、低減される。
【0099】
ここで、図を参照するが、同様の参照番号は、全体を通して同様の部分を指す。別様に示されない限り、図面は、概略であって、必ずしも、正確な縮尺で描かれていない。
(例示的ディスプレイシステム)
【0100】
図2は、ユーザのための3次元画像をシミュレートするための従来のディスプレイシステムを図示する。ユーザの眼は、離間されており、空間内の実オブジェクトを見ているとき、各眼は、オブジェクトの若干異なるビューを有し、オブジェクトの画像を各眼の網膜上の異なる場所に形成し得ることを理解されたい。これは、両眼視差と称され得、ヒト視覚系によって、深度の知覚を提供するために利用され得る。従来のディスプレイシステムは、仮想オブジェクトが所望の深度における実オブジェクトであるように各眼によって見えるであろう仮想オブジェクトのビューに対応する、眼210、220毎に1つの同一仮想オブジェクトの若干異なるビューを伴う2つの明確に異なる画像190、200を提示することによって、両眼視差をシミュレートする。これらの画像は、ユーザの視覚系が深度の知覚を導出するために解釈し得る、両眼キューを提供する。
【0101】
図2を継続して参照すると、画像190、200は、z-軸上で距離230だけ眼210、220から離間される。z-軸は、その眼が視認者の直前の光学無限遠におけるオブジェクトを固視している状態の視認者の光学軸と平行である。画像190、200は、平坦であって、眼210、220から固定距離にある。それぞれ、眼210、220に提示される画像内の仮想オブジェクトの若干異なるビューに基づいて、眼は、必然的に、オブジェクトの画像が眼のそれぞれの網膜上の対応する点に来て、単一両眼視を維持するように回転し得る。本回転は、眼210、220のそれぞれの視線を仮想オブジェクトが存在するように知覚される空間内の点上に収束させ得る。その結果、3次元画像の提供は、従来、ユーザの眼210、220の輻輳・開散運動を操作し得、ヒト視覚系が深度の知覚を提供するように解釈する、両眼キューを提供することを伴う。
【0102】
しかしながら、深度の現実的かつ快適な知覚の生成は、困難である。眼からの異なる距離におけるオブジェクトからの光は、異なる発散量を伴う波面を有することを理解されたい。
図3A-3Cは、距離と光線の発散との間の関係を図示する。オブジェクトと眼210との間の距離は、減少距離R1、R2、およびR3の順序で表される。
図3A-3Cに示されるように、光線は、オブジェクトまでの距離が減少するにつれてより発散する。逆に言えば、距離が増加するにつれて、光線は、よりコリメートされる。換言すると、点(オブジェクトまたはオブジェクトの一部)によって生成されるライトフィールドは、点がユーザの眼から離れている距離の関数である、球状波面曲率を有すると言え得る。曲率が増加すると、オブジェクトと眼210の間の距離が減少する。単眼210のみが、例証を明確にするために、
図3A-3Cおよび本明細書の種々の他の図に図示されるが、眼210に関する議論は、視認者の両眼210および220に適用され得る。
【0103】
図3A-3Cを継続して参照すると、視認者の眼が固視しているオブジェクトからの光は、異なる波面発散度を有し得る。異なる波面発散量に起因して、光は、眼の水晶体によって異なるように集束され得、これは、ひいては、水晶体に、異なる形状をとり、集束された画像を眼の網膜上に形成することを要求し得る。集束された画像が、網膜上に形成されない場合、結果として生じる網膜ぼけは、集束された画像が網膜上に形成されるまで、眼の水晶体の形状に変化を生じさせる、遠近調節のためのキューとして作用する。例えば、遠近調節のためのキューは、眼の水晶体を囲繞する毛様筋の弛緩または収縮を誘起し、それによって、レンズを保持する提靭帯に印加される力を変調し、したがって、固視されているオブジェクトの網膜ぼけが排除または最小限にされるまで、眼の水晶体の形状を変化させ、それによって、固視されているオブジェクトの集束された画像を眼の網膜(例えば、中心窩)上に形成し得る。眼の水晶体が形状を変化させるプロセスは、遠近調節と称され得、固視されているオブジェクトの集束された画像を眼の網膜(例えば、中心窩)上に形成するために要求される眼の水晶体の形状は、遠近調節状態と称され得る。
【0104】
ここで
図4Aを参照すると、ヒト視覚系の遠近調節-輻輳・開散運動応答の表現が、図示される。オブジェクトを固視するための眼の移動は、眼にオブジェクトからの光を受光させ、光は、画像を眼の網膜のそれぞれ上に形成する。網膜上に形成される画像内の網膜ぼけの存在は、遠近調節のためのキューを提供し得、網膜上の画像の相対的場所は、輻輳・開散運動のためのキューを提供し得る。遠近調節するためのキューは、遠近調節を生じさせ、眼の水晶体がオブジェクトの集束された画像を眼の網膜(例えば、中心窩)上に形成する特定の遠近調節状態をとる結果をもたらす。一方、輻輳・開散運動のためのキューは、各眼の各網膜上に形成される画像が単一両眼視を維持する対応する網膜点にあるように、輻輳・開散運動移動(眼の回転)を生じさせる。これらの位置では、眼は、特定の輻輳・開散運動状態をとっていると言え得る。
図4Aを継続して参照すると、遠近調節は、眼が特定の遠近調節状態を達成するプロセスであると理解され得、輻輳・開散運動は、眼が特定の輻輳・開散運動状態を達成するプロセスであると理解され得る。
図4Aに示されるように、眼の遠近調節および輻輳・開散運動状態は、ユーザが別のオブジェクトを固視する場合、変化し得る。例えば、遠近調節された状態は、ユーザがz-軸上の異なる深度における新しいオブジェクトを固視する場合、変化し得る。
【0105】
理論によって限定されるわけではないが、オブジェクトの視認者は、輻輳・開散運動および遠近調節の組み合わせに起因して、オブジェクトを「3次元」であると知覚し得ると考えられる。前述のように、2つの眼の相互に対する輻輳・開散運動移動(例えば、瞳孔が相互に向かって、またはそこから移動し、眼の視線を収束させ、オブジェクトを固視するような眼の回転)は、眼の水晶体の遠近調節と密接に関連付けられる。通常条件下では、眼の水晶体の形状を変化させ、1つのオブジェクトから異なる距離における別のオブジェクトに焦点を変化させることは、自動的に、「遠近調節-輻輳・開散運動反射」として知られる関係下、同一距離まで輻輳・開散運動における整合する変化を生じさせるであろう。同様に、輻輳・開散運動における変化は、通常条件下、水晶体形状における整合する変化を誘起するであろう。
【0106】
ここで
図4Bを参照すると、眼の異なる遠近調節および輻輳・開散運動状態の実施例が、図示される。対の眼222aは、光学無限遠におけるオブジェクトを固視する一方、対の眼222bは、光学無限遠未満におけるオブジェクト221を固視する。着目すべきこととして、各対の眼の輻輳・開散運動状態は、異なり、対の眼222aは、まっすぐ指向される一方、対の眼222は、オブジェクト221上に収束する。各対の眼222aおよび222bを形成する眼の遠近調節状態もまた、水晶体210a、220aの異なる形状によって表されるように異なる。
【0107】
望ましくないことに、従来の「3-D」ディスプレイシステムの多くのユーザは、これらのディスプレイにおける遠近調節と輻輳・開散運動状態との間の不整合に起因して、そのような従来のシステムを不快であると見出す、または奥行感を全く知覚しない場合がある。前述のように、多くの立体視または「3-D」ディスプレイシステムは、若干異なる画像を各眼に提供することによって、場面を表示する。そのようなシステムは、それらが、とりわけ、単に、場面の異なる提示を提供し、眼の輻輳・開散運動状態に変化を生じさせるが、それらの眼の遠近調節状態に対応する変化を伴わないため、多くの視認者にとって不快である。むしろ、画像は、眼が全ての画像情報を単一遠近調節状態において視認するように、ディスプレイによって眼から固定距離に示される。そのような配列は、遠近調節状態における整合する変化を伴わずに輻輳・開散運動状態に変化を生じさせることによって、「遠近調節-輻輳・開散運動反射」に逆らう。本不整合は、視認者不快感を生じさせると考えられる。遠近調節と輻輳・開散運動との間のより良好な整合を提供する、ディスプレイシステムは、3次元画像のより現実的かつ快適なシミュレーションを形成し得る。
【0108】
理論によって限定されるわけではないが、ヒトの眼は、典型的には、有限数の深度平面を解釈し、深度知覚を提供することができると考えられる。その結果、知覚された深度の高度に真実味のあるシミュレーションが、眼にこれらの限定数の深度平面のそれぞれに対応する画像の異なる提示を提供することによって達成され得る。いくつかの実施形態では、異なる提示は、輻輳・開散運動のためのキューおよび遠近調節するための整合するキューの両方を提供し、それによって、生理学的に正しい遠近調節-輻輳・開散運動整合を提供してもよい。
【0109】
図4Bを継続して参照すると、眼210、220からの空間内の異なる距離に対応する、2つの深度平面240が、図示される。所与の深度平面240に関して、輻輳・開散運動キューが、眼210、220毎に適切に異なる視点の画像を表示することによって提供されてもよい。加えて、所与の深度平面240に関して、各眼210、220に提供される画像を形成する光は、その深度平面240の距離におけるある点によって生成されたライトフィールドに対応する波面発散を有してもよい。
【0110】
図示される実施形態では、点221を含有する、深度平面240のz-軸に沿った距離は、1mである。本明細書で使用されるように、z-軸に沿った距離または深度は、ユーザの眼の射出瞳に位置するゼロ点を用いて測定されてもよい。したがって、1mの深度に位置する深度平面240は、眼が光学無限遠に向かって指向された状態でそれらの眼の光学軸上のユーザの眼の射出瞳から1m離れた距離に対応する。近似値として、z-軸に沿った深度または距離は、ユーザの眼の正面のディスプレイ(例えば、導波管の表面)から測定され、デバイスとユーザの眼の射出瞳との間の距離に関する値が加えられてもよい。その値は、瞳距離と呼ばれ、ユーザの眼の射出瞳と眼の正面のユーザによって装着されるディスプレイとの間の距離に対応し得る。実際は、瞳距離に関する値は、概して、全ての視認者に関して使用される、正規化された値であってもよい。例えば、瞳距離は、20mmであると仮定され得、1mの深度における深度平面は、ディスプレイの正面の980mmの距離にあり得る。
【0111】
ここで
図4Cおよび4Dを参照すると、整合遠近調節-輻輳・開散運動距離および不整合遠近調節-輻輳・開散運動距離の実施例が、それぞれ、図示される。
図4Cに図示されるように、ディスプレイシステムは、仮想オブジェクトの画像を各眼210、220に提供してもよい。画像は、眼210、220に、眼が深度平面240上の点15上に収束する、輻輳・開散運動状態をとらせ得る。加えて、画像は、その深度平面240における実オブジェクトに対応する波面曲率を有する光によって形成され得る。その結果、眼210、220は、画像がそれらの眼の網膜上に合焦する、遠近調節状態をとる。したがって、ユーザは、仮想オブジェクトを深度平面240上の点15にあるように知覚し得る。
【0112】
眼210、220の遠近調節および輻輳・開散運動状態はそれぞれ、z-軸上の特定の距離と関連付けられることを理解されたい。例えば、眼210、220からの特定の距離におけるオブジェクトは、それらの眼に、オブジェクトの距離に基づいて、特定の遠近調節状態をとらせる。特定の遠近調節状態と関連付けられた距離は、遠近調節距離Adと称され得る。同様に、特定の輻輳・開散運動状態における眼と関連付けられた特定の輻輳・開散運動距離Vdまたは相互に対する位置が、存在する。遠近調節距離および輻輳・開散運動距離が整合する場合、遠近調節と輻輳・開散運動との間の関係は、生理学的に正しいと言える。これは、視認者に最も快適なシナリオであると見なされる。
【0113】
しかしながら、立体視ディスプレイでは、遠近調節距離および輻輳・開散運動距離は、常時、整合しない場合がある。例えば、
図4Dに図示されるように、眼210、220に表示される画像は、深度平面240に対応する波面発散を伴って表示され得、眼210、220は、その深度平面上の点15a、15bが合焦する、特定の遠近調節状態をとり得る。しかしながら、眼210、220に表示される画像は、眼210、220を深度平面240上に位置しない点15上に収束させる、輻輳・開散運動のためのキューを提供し得る。その結果、遠近調節距離は、いくつかの実施形態では、眼210、220の射出瞳から深度平面240の距離に対応する一方、輻輳・開散運動距離は、眼210、220の射出瞳から点15までのより大きい距離に対応する。遠近調節距離は、輻輳・開散運動距離と異なる。その結果、遠近調節-輻輳・開散運動不整合が存在する。そのような不整合は、望ましくないと見なされ、不快感をユーザに生じさせ得る。不整合は、距離(例えば、Vd-Ad)に対応し、ジオプタを使用して特性評価され得ることを理解されたい。
【0114】
いくつかの実施形態では、眼210、220の射出瞳以外の参照点も、同一参照点が遠近調節距離および輻輳・開散運動距離のために利用される限り、遠近調節-輻輳・開散運動不整合を決定するための距離を決定するために利用されてもよいことを理解されたい。例えば、距離は、角膜から深度平面、網膜から深度平面、接眼レンズ(例えば、ディスプレイデバイスの導波管)から深度平面等まで測定され得る。
【0115】
理論によって限定されるわけではないが、ユーザは、不整合自体が有意な不快感を生じさせずに、依然として、最大約0.25ジオプタ、最大約0.33ジオプタ、および最大約0.5ジオプタの遠近調節-輻輳・開散運動不整合を生理学的に正しいと知覚し得ると考えられる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるディスプレイシステム(例えば、ディスプレイシステム250、
図6)は、約0.5ジオプタまたはそれ未満の遠近調節-輻輳・開散運動不整合を有する、画像を視認者に提示する。いくつかの他の実施形態では、ディスプレイシステムによって提供される画像の遠近調節-輻輳・開散運動不整合は、約0.33ジオプタまたはそれ未満である。さらに他の実施形態では、ディスプレイシステムによって提供される画像の遠近調節-輻輳・開散運動不整合は、約0.1ジオプタまたはそれ未満を含む、約0.25ジオプタまたはそれ未満である。
【0116】
図5は、波面発散を修正することによって、3次元画像をシミュレートするためのアプローチの側面を図示する。ディスプレイシステムは、画像情報でエンコードされた光770を受光し、その光をユーザの眼210に出力するように構成される、導波管270を含む。導波管270は、所望の深度平面240上のある点によって生成されたライトフィールドの波面発散に対応する定義された波面発散量を伴って光650を出力してもよい。いくつかの実施形態では、同一量の波面発散が、その深度平面上に提示される全てのオブジェクトのために提供される。加えて、ユーザの他方の眼は、類似導波管からの画像情報を提供され得るように図示されるであろう。
【0117】
いくつかの実施形態では、単一導波管が、単一または限定数の深度平面に対応する設定された波面発散量を伴う光を出力するように構成されてもよく、および/または導波管は、限定された範囲の波長の光を出力するように構成されてもよい。その結果、いくつかの実施形態では、複数またはスタックの導波管が、異なる深度平面のための異なる波面発散量を提供し、および/または異なる範囲の波長の光を出力するために利用されてもよい。本明細書で使用されるように、深度平面は、平面であってもよい、または湾曲表面の輪郭に追従してもよいことを理解されたい。
【0118】
図6は、画像情報をユーザに出力するための導波管スタックの実施例を図示する。ディスプレイシステム250は、複数の導波管270、280、290、300、310を使用して3次元知覚を眼/脳に提供するために利用され得る、導波管のスタックまたはスタックされた導波管アセンブリ260を含む。ディスプレイシステム250は、いくつかの実施形態では、ライトフィールドディスプレイと見なされてもよいことを理解されたい。加えて、導波管アセンブリ260はまた、接眼レンズとも称され得る。
【0119】
いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム250は、輻輳・開散運動するための実質的に連続キューおよび遠近調節するための複数の離散キューを提供するように構成されてもよい。輻輳・開散運動のためのキューは、異なる画像をユーザの眼のそれぞれに表示することによって提供されてもよく、遠近調節のためのキューは、選択可能な離散量の波面発散を伴う画像を形成する光を出力することによって提供されてもよい。換言すると、ディスプレイシステム250は、可変レベルの波面発散を伴う光を出力するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、波面発散の各離散レベルは、特定の深度平面に対応し、導波管270、280、290、300、310のうちの特定の1つによって提供されてもよい。
【0120】
図6を継続して参照すると、導波管アセンブリ260はまた、複数の特徴320、330、340、350を導波管の間に含んでもよい。いくつかの実施形態では、特徴320、330、340、350は、1つ以上のレンズであってもよい。導波管270、280、290、300、310および/または複数のレンズ320、330、340、350は、種々のレベルの波面曲率または光線発散を用いて画像情報を眼に送信するように構成されてもよい。各導波管レベルは、特定の深度平面と関連付けられてもよく、その深度平面に対応する画像情報を出力するように構成されてもよい。画像投入デバイス360、370、380、390、400は、導波管のための光源として機能してもよく、画像情報を導波管270、280、290、300、310の中に投入するために利用されてもよく、それぞれ、本明細書に説明されるように、眼210に向かって出力のために各個別の導波管を横断して入射光を分散させるように構成されてもよい。光は、画像投入デバイス360、370、380、390、400の出力表面410、420、430、440、450から出射し、導波管270、280、290、300、310の対応する入力表面460、470、480、490、500の中に投入される。いくつかの実施形態では、入力表面460、470、480、490、500はそれぞれ、対応する導波管の縁であってもよい、または対応する導波管の主要表面の一部(すなわち、世界510または視認者の眼210に直接面する導波管表面のうちの1つ)であってもよい。いくつかの実施形態では、光の単一ビーム(例えば、コリメートされたビーム)が、各導波管の中に投入され、クローン化されたコリメートビームの全体場を出力してもよく、これは、特定の導波管と関連付けられた深度平面に対応する特定の角度(および発散量)において眼210に向かって指向される。いくつかの実施形態では、画像投入デバイス360、370、380、390、400のうちの単一の1つは、複数(例えば、3つ)の導波管270、280、290、300、310と関連付けられ、その中に光を投入してもよい。
【0121】
いくつかの実施形態では、画像投入デバイス360、370、380、390、400はそれぞれ、それぞれ対応する導波管270、280、290、300、310の中への投入のために画像情報を生成する、離散ディスプレイである。いくつかの他の実施形態では、画像投入デバイス360、370、380、390、400は、例えば、画像情報を1つ以上の光学導管(光ファイバケーブル等)を介して画像投入デバイス360、370、380、390、400のそれぞれに送り得る、単一の多重化されたディスプレイの出力端である。画像投入デバイス360、370、380、390、400によって提供される画像情報は、異なる波長または色(例えば、本明細書に議論されるように、異なる原色)の光を含んでもよいことを理解されたい。
【0122】
いくつかの実施形態では、導波管270、280、290、300、310の中に投入される光は、光プロジェクタシステム520によって提供され、これは、光モジュール530を備え、これは、発光ダイオード(LED)等の光エミッタを含んでもよい。光モジュール530からの光は、ビームスプリッタ550を介して、光変調器540、例えば、空間光変調器によって指向および修正されてもよい。光変調器540は、導波管270、280、290、300、310の中に投入される光の知覚される強度を変化させ、光を画像情報でエンコードするように構成されてもよい。空間光変調器の実施例は、液晶ディスプレイ(LCD)を含み、シリコン上液晶(LCOS)ディスプレイを含む。画像投入デバイス360、370、380、390、400は、図式的に図示され、いくつかの実施形態では、これらの画像投入デバイスは、光を導波管270、280、290、300、310の関連付けられたものの中に出力するように構成される、共通投影システム内のなる光経路および場所を表し得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、導波管アセンブリ260の導波管は、導波管の中に投入された光をユーザの眼に中継しながら、理想的レンズとして機能し得る。本概念では、オブジェクトは、空間光変調器540であってもよく、画像は、深度平面上の画像であってもよい。
【0123】
いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム250は、光を種々のパターン(例えば、ラスタ走査、螺旋走査、リサジューパターン等)で1つ以上の導波管270、280、290、300、310の中に、最終的には、視認者の眼210に投影するように構成される、1つ以上の走査ファイバを備える、走査ファイバディスプレイであってもよい。いくつかの実施形態では、図示される画像投入デバイス360、370、380、390、400は、光を1つまたは複数の導波管270、280、290、300、310の中に投入するように構成される、単一走査ファイバまたは走査ファイバの束を図式的に表し得る。いくつかの他の実施形態では、図示される画像投入デバイス360、370、380、390、400は、複数の走査ファイバまたは走査ファイバの複数の束を図式的に表し得、それぞれ、光を導波管270、280、290、300、310のうちの関連付けられた1つの中に投入するように構成される。1つ以上の光ファイバは、光を光モジュール530から1つ以上の導波管270、280、290、300、310に透過するように構成されてもよいことを理解されたい。1つ以上の介在光学構造が、走査ファイバまたは複数のファイバと、1つ以上の導波管270、280、290、300、310との間に提供され、例えば、走査ファイバから出射する光を1つ以上の導波管270、280、290、300、310の中に再指向してもよいことを理解されたい。
【0124】
コントローラ560は、画像投入デバイス360、370、380、390、400、光源530、および光変調器540の動作を含む、スタックされた導波管アセンブリ260のうちの1つ以上のものの動作を制御する。いくつかの実施形態では、コントローラ560は、局所データ処理モジュール140の一部である。コントローラ560は、例えば、本明細書に開示される種々のスキームのいずれかに従って、導波管270、280、290、300、310への画像情報のタイミングおよびプロビジョニングを調整する、プログラミング(例えば、非一過性媒体内の命令)を含む。いくつかの実施形態では、コントローラは、単一一体型デバイスまたは有線または無線通信チャネルによって接続される分散型システムであってもよい。コントローラ560は、いくつかの実施形態では、処理モジュール140または150(
図2)の一部であってもよい。
【0125】
図6を継続して参照すると、導波管270、280、290、300、310は、全内部反射(TIR)によって各個別の導波管内で光を伝搬するように構成されてもよい。導波管270、280、290、300、310はそれぞれ、主要な上部および底部表面およびそれらの主要上部表面と底部表面との間に延在する縁を伴う、平面である、または別の形状(例えば、湾曲)を有してもよい。図示される構成では、導波管270、280、290、300、310はそれぞれ、光を再指向させ、各個別の導波管内で伝搬させ、導波管から画像情報を眼210に出力することによって、光を導波管から抽出するように構成される、外部結合光学要素570、580、590、600、610を含んでもよい。抽出された光はまた、外部結合光と称され得、外部結合光学要素光はまた、光抽出光学要素と称され得る。抽出された光のビームは、導波管によって、導波管内で伝搬する光が光抽出光学要素に衝打する場所において出力され得る。外部結合光学要素570、580、590、600、610は、例えば、本明細書にさらに議論されるような回折光学特徴を含む、格子であってもよい。説明の容易性および図面の明確性のために、導波管270、280、290、300、310の底部主要表面に配置されて図示されるが、いくつかの実施形態では、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、本明細書にさらに議論されるように、上部および/または底部主要表面に配置されてもよい、および/または導波管270、280、290、300、310の容積内に直接配置されてもよい。いくつかの実施形態では、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、透明基板に取り付けられ、導波管270、280、290、300、310を形成する、材料の層内に形成されてもよい。いくつかの他の実施形態では、導波管270、280、290、300、310は、モノリシック材料部品であってもよく、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、その部品の材料表面上および/またはその内部に形成されてもよい。
【0126】
図6を継続して参照すると、本明細書に議論されるように、各導波管270、280、290、300、310は、光を出力し、特定の深度平面に対応する画像を形成するように構成される。例えば、眼の最近傍の導波管270は、眼210にコリメートされた光(そのような導波管270の中に投入された)を送達するように構成されてもよい。コリメートされた光は、光学無限遠焦点面を表し得る。次の上方の導波管280は、眼210に到達し得る前に、第1のレンズ350(例えば、負のレンズ)を通して通過する、コリメートされた光を送出するように構成されてもよい。そのような第1のレンズ350は、眼/脳が、その次の上方の導波管280から生じる光を光学無限遠から眼210に向かって内向きにより近い第1の焦点面から生じるように解釈するように、若干の凸面波面曲率を生成するように構成されてもよい。同様に、第3の上方の導波管290は、眼210に到達する前に、その出力光を第1のレンズ350および第2のレンズ340の両方を通して通過させる。第1のレンズ350および第2のレンズ340の組み合わせられた屈折力は、眼/脳が、第3の導波管290から生じる光が次の上方の導波管280からの光であったよりも光学無限遠から人物に向かって内向きにさらに近い第2の焦点面から生じるように解釈するように、別の漸増量の波面曲率を生成するように構成されてもよい。
【0127】
他の導波管層300、310およびレンズ330、320も同様に構成され、スタック内の最高導波管310は、人物に最も近い焦点面を表す集約焦点力のために、その出力をそれと眼との間のレンズの全てを通して送出する。スタックされた導波管アセンブリ260の他側の世界510から生じる光を視認/解釈するとき、レンズ320、330、340、350のスタックを補償するために、補償レンズ層620が、スタックの上部に配置され、下方のレンズスタック320、330、340、350の集約力を補償してもよい。そのような構成は、利用可能な導波管/レンズ対と同じ数の知覚される焦点面を提供する。導波管の外部結合光学要素およびレンズの集束側面は両方とも、静的であってもよい(すなわち、動的ではないまたは電気活性ではない)。いくつかの代替実施形態では、一方または両方とも、電気活性特徴を使用して動的であってもよい。
【0128】
いくつかの実施形態では、導波管270、280、290、300、310のうちの2つ以上のものは、同一の関連付けられた深度平面を有してもよい。例えば、複数の導波管270、280、290、300、310が、同一深度平面に設定される画像を出力するように構成されてもよい、または導波管270、280、290、300、310の複数のサブセットが、深度平面毎に1つのセットを伴う、同一の複数の深度平面に設定される画像を出力するように構成されてもよい。これは、それらの深度平面において拡張された視野を提供するようにタイル化された画像を形成する利点を提供し得る。
【0129】
図6を継続して参照すると、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、導波管と関連付けられた特定の深度平面のために、光をその個別の導波管から再指向し、かつ本光を適切な量の発散またはコリメーションを伴って出力するように構成されてもよい。その結果、異なる関連付けられた深度平面を有する導波管は、外部結合光学要素570、580、590、600、610の異なる構成を有してもよく、これは、関連付けられた深度平面に応じて、異なる量の発散を伴う光を出力する。いくつかの実施形態では、光抽出光学要素570、580、590、600、610は、光を具体的角度で出力するように構成され得る、体積特徴または表面特徴であってもよい。例えば、光抽出光学要素570、580、590、600、610は、立体ホログラム、表面ホログラム、および/または回折格子であってもよい。いくつかの実施形態では、特徴320、330、340、350は、レンズではなくてもよい。むしろ、それらは、単に、スペーサ(例えば、クラッディング層および/または空隙を形成するための構造)であってもよい。
【0130】
いくつかの実施形態では、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、回折パターンを形成する回折特徴または「回折光学要素」(また、本明細書では、「DOE」とも称される)である。好ましくは、DOEは、ビームの光の一部のみがDOEの各交差部で眼210に向かって偏向される一方、残りがTIRを介して、導波管を通して移動し続けるように、十分に低回折効率を有する。画像情報を搬送する光は、したがって、様々な場所において導波管から出射する、いくつかの関連出射ビームに分割され、その結果、導波管内でバウンスする本特定のコリメートされたビームに関して、眼210に向かって非常に均一パターンの出射放出となる。
【0131】
いくつかの実施形態では、1つ以上のDOEは、能動的に回折する「オン」状態と有意に回折しない「オフ」状態との間で切替可能であってもよい。例えば、切替可能なDOEは、ポリマー分散液晶の層を備えてもよく、その中で微小液滴は、ホスト媒体中に回折パターンを備え、微小液滴の屈折率は、ホスト材料の屈折率に実質的に整合するように切り替えられてもよい(その場合、パターンは、入射光を著しく回折させない)、または微小液滴は、ホスト媒体のものに整合しない屈折率に切り替えられてもよい(その場合、パターンは、入射光を能動的に回折させる)。
【0132】
いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ630(例えば、可視光および赤外線光カメラを含む、デジタルカメラ)が、眼210および/または眼210の周囲の組織の画像を捕捉し、例えば、ユーザ入力を検出する、および/またはユーザの生理学的状態を監視するために提供されてもよい。本明細書で使用されるように、カメラは、任意の画像捕捉デバイスであってもよい。いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ630は、画像捕捉デバイスと、光(例えば、赤外線光)を眼に投影し、次いで、眼によって反射され、画像捕捉デバイスによって検出され得る、光源とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ630は、フレーム80(
図9D)に取り付けられてもよく、カメラアセンブリ630からの画像情報を処理し得る、処理モジュール140および/または150と電気通信してもよい。いくつかの実施形態では、1つのカメラアセンブリ630が、眼毎に利用され、各眼を別個に監視してもよい。
【0133】
ここで
図7を参照すると、導波管によって出力された出射ビームの実施例が、示される。1つの導波管が図示されるが、導波管アセンブリ260(
図6)内の他の導波管も同様に機能し得、導波管アセンブリ260は、複数の導波管を含むことを理解されたい。光640が、導波管270の入力表面460において導波管270の中に投入され、TIRによって導波管270内を伝搬する。光640がDOE570上に衝突する点では、光の一部は、導波管から出射ビーム650として出射する。出射ビーム650は、略平行として図示されるが、本明細書に議論されるように、また、導波管270と関連付けられた深度平面に応じて、ある角度において眼210に伝搬する(例えば、発散出射ビームを形成する)ように再指向されてもよい。略平行出射ビームは、眼210からの遠距離(例えば、光学無限遠)における深度平面に設定されるように現れる画像を形成するように光を外部結合する、外部結合光学要素を伴う導波管を示し得ることを理解されたい。他の導波管または他の外部結合光学要素のセットは、より発散する、出射ビームパターンを出力してもよく、これは、眼210がより近い距離に遠近調節し、網膜に合焦させることを要求し、光学無限遠より眼210に近い距離からの光として脳によって解釈されるであろう。
【0134】
いくつかの実施形態では、フルカラー画像が、原色、例えば、3つ以上の原色のそれぞれに画像をオーバーレイすることによって、各深度平面において形成されてもよい。
図8は、スタックされた導波管アセンブリの実施例を図示し、各深度平面は、複数の異なる原色を使用して形成される画像を含む。図示される実施形態は、深度平面240a-240fを示すが、より多いまたはより少ない深度もまた、検討される。各深度平面は、第1の色Gの第1の画像、第2の色Rの第2の画像、および第3の色Bの第3の画像を含む、それと関連付けられた3つ以上の原色画像を有してもよい。異なる深度平面は、文字G、R、およびBに続くジオプタ(dpt)に関する異なる数字によって図に示される。単なる実施例として、これらの文字のそれぞれに続く数字は、ジオプタ(1/m)、すなわち、視認者からの深度平面の逆距離を示し、図中の各ボックスは、個々の原色画像を表す。いくつかの実施形態では、異なる波長の光の眼の集束における差異を考慮するために、異なる原色に関する深度平面の正確な場所は、変動してもよい。例えば、所与の深度平面に関する異なる原色画像は、ユーザからの異なる距離に対応する深度平面上に設置されてもよい。そのような配列は、視力およびユーザ快適性を増加させ得、および/または色収差を減少させ得る。
【0135】
いくつかの実施形態では、各原色の光は、単一専用導波管によって出力されてもよく、その結果、各深度平面は、それと関連付けられた複数の導波管を有してもよい。そのような実施形態では、文字G、R、またはBを含む、図中の各ボックスは、個々の導波管を表すものと理解され得、3つの導波管は、深度平面毎に提供されてもよく、3つの原色画像が、深度平面毎に提供される。各深度平面と関連付けられた導波管は、本図面では、説明を容易にするために相互に隣接して示されるが、物理的デバイスでは、導波管は全て、レベル毎に1つの導波管を伴うスタックで配列されてもよいことを理解されたい。いくつかの他の実施形態では、複数の原色が、例えば、単一導波管のみが深度平面毎に提供され得るように、同一導波管によって出力されてもよい。
【0136】
図8を継続して参照すると、いくつかの実施形態では、Gは、緑色であって、Rは、赤色であって、Bは、青色である。いくつかの他の実施形態では、マゼンタ色およびシアン色を含む、光の他の波長と関連付けられた他の色も、赤色、緑色、または青色のうちの1つ以上のものに加えて使用されてもよい、またはそれらに取って代わってもよい。
【0137】
本開示全体を通した所与の光の色の言及は、視認者によってその所与の色であるように知覚される、光の波長の範囲内の1つ以上の波長の光を包含するものと理解されるであろうことを理解されたい。例えば、赤色光は、約620~780nmの範囲内の1つ以上の波長の光を含んでもよく、緑色光は、約492~577nmの範囲内の1つ以上の波長の光を含んでもよく、青色光は、約435~493nmの範囲内の1つ以上の波長の光を含んでもよい。
【0138】
いくつかの実施形態では、光源530(
図6)は、視認者の視覚的知覚範囲外の1つ以上の波長、例えば、赤外線および/または紫外線波長の光を放出するように構成されてもよい。加えて、ディスプレイ250の導波管の内部結合、外部結合、および他の光再指向構造は、例えば、結像および/またはユーザ刺激用途のために、本光をディスプレイからユーザの眼210に向かって指向および放出するように構成されてもよい。
【0139】
ここで
図9Aを参照すると、いくつかの実施形態では、導波管に衝突する光は、その光を導波管の中に内部結合するために再指向される必要があり得る。内部結合光学要素が、光をその対応する導波管の中に再指向および内部結合するために使用されてもよい。
図9Aは、それぞれ、内部結合光学要素を含む、複数またはセット660のスタックされた導波管の実施例の断面側面図を図示する。導波管はそれぞれ、1つまたはそれを上回る異なる波長または1つまたはそれを上回る異なる波長範囲の光を出力するように構成されてもよい。スタック660は、スタック260(
図6)に対応してもよく、スタック660の図示される導波管は、複数の導波管270、280、290、300、310の一部に対応してもよいが、画像投入デバイス360、370、380、390、400のうちの1つ以上のものからの光が、光が内部結合のために再指向されることを要求する位置から導波管の中に投入されることを理解されたい。
【0140】
スタックされた導波管の図示されるセット660は、導波管670、680、および690を含む。各導波管は、関連付けられた内部結合光学要素(導波管上の光入力面積とも称され得る)を含み、例えば、内部結合光学要素700は、導波管670の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置され、内部結合光学要素710は、導波管680の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置され、内部結合光学要素720は、導波管690の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置される。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素700、710、720のうちの1つ以上のものは、個別の導波管670、680、690の底部主要表面上に配置されてもよい(特に、1つ以上の内部結合光学要素は、反射性偏向光学要素である)。図示されるように、内部結合光学要素700、710、720は、その個別の導波管670、680、690の上側主要表面(または次の下側導波管の上部)上に配置されてもよく、特に、それらの内部結合光学要素は、透過性偏向光学要素である。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素700、710、720は、個別の導波管670、680、690の本体内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に議論されるように、内部結合光学要素700、710、720は、他の光の波長を透過しながら、1つ以上の光の波長を選択的に再指向するような波長選択的である。その個別の導波管670、680、690の片側または角に図示されるが、内部結合光学要素700、710、720は、いくつかの実施形態では、その個別の導波管670、680、690の他の面積内に配置されてもよいことを理解されたい。
【0141】
図示されるように、内部結合光学要素700、710、720は、相互から側方にオフセットされてもよい。いくつかの実施形態では、各内部結合光学要素は、その光が別の内部結合光学要素を通して通過せずに、光を受光するようにオフセットされてもよい。例えば、各内部結合光学要素700、710、720は、
図6に示されるように、光を異なる画像投入デバイス360、370、380、390、および400から受光するように構成されてもよく、光を内部結合光学要素700、710、720の他のものから実質的に受光しないように、他の内部結合光学要素700、710、720から分離されてもよい(例えば、側方に離間される)。
【0142】
各導波管はまた、関連付けられた光分散要素を含み、例えば、光分散要素730は、導波管670の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置され、光分散要素740は、導波管680の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置され、光分散要素750は、導波管690の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置される。いくつかの他の実施形態では、光分散要素730、740、750は、それぞれ、関連付けられた導波管670、680、690の底部主要表面上に配置されてもよい。いくつかの他の実施形態では、光分散要素730、740、750は、それぞれ、関連付けられた導波管670、680、690の上部および底部両方の主要表面上に配置されてもよい、または光分散要素730、740、750は、それぞれ、異なる関連付けられた導波管670、680、690内の上部および底部主要表面の異なるもの上に配置されてもよい。
【0143】
導波管670、680、690は、例えば、材料のガス、液体、および/または固体層によって離間および分離されてもよい。例えば、図示されるように、層760aは、導波管670および680を分離してもよく、層760bは、導波管680および690を分離してもよい。いくつかの実施形態では、層760aおよび760bは、低屈折率材料(すなわち、導波管670、680、690の直近のものを形成する材料より低い屈折率を有する材料)から形成される。好ましくは、層760a、760bを形成する材料の屈折率は、導波管670、680、690を形成する材料の屈折率に対して0.05以上、または0.10以下である。有利なこととして、より低い屈折率層760a、760bは、導波管670、680、690を通して光の全内部反射(TIR)(例えば、各導波管の上部および底部主要表面間のTIR)を促進する、クラッディング層として機能してもよい。いくつかの実施形態では、層760a、760bは、空気から形成される。図示されないが、導波管の図示されるセット660の上部および底部は、直近クラッディング層を含んでもよいことを理解されたい。
【0144】
好ましくは、製造および他の考慮点を容易にするために、導波管670、680、690を形成する材料は、類似または同一であって、層760a、760bを形成する材料は、類似または同一である。いくつかの実施形態では、導波管670、680、690を形成する材料は、1つ以上の導波管間で異なってもよい、および/または層760a、760bを形成する材料は、依然として、前述の種々の屈折率関係を保持しながら、異なってもよい。
【0145】
図9Aを継続して参照すると、光線770、780、790が、導波管のセット660に入射する。光線770、780、790は、1つ以上の画像投入デバイス360、370、380、390、400(
図6)によって導波管670、680、690の中に投入されてもよいことを理解されたい。
【0146】
いくつかの実施形態では、光線770、780、790は、異なる色に対応し得る、異なる性質、例えば、異なる波長または異なる波長範囲を有する。内部結合光学要素700、710、720はそれぞれ、光が、TIRによって、導波管670、680、690のうちの個別の1つを通して伝搬するように、入射光を偏向させる。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素700、710、720はそれぞれ、他の波長を下層導波管および関連付けられた内部結合光学要素に透過させながら、1つ以上の特定の光の波長を選択的に偏向させる。
【0147】
例えば、内部結合光学要素700は、それぞれ、異なる第2および第3の波長または波長範囲を有する、光線780および790を透過させながら、第1の波長または波長範囲を有する、光線770を選択的に偏向させるように構成されてもよい。透過された光線780は、第2の波長または波長範囲の光を選択的に偏向させるように構成される、内部結合光学要素710に衝突し、それによって偏向される。光線790は、第3の波長または波長範囲の光を選択的に偏向させるように構成される、内部結合光学要素720によって偏向される。
【0148】
図9Aを継続して参照すると、偏向された光線770、780、790は、対応する導波管670、680、690を通して伝搬するように偏向される。すなわち、各導波管の内部結合光学要素700、710、720は、光をその対応する導波管670、680、690の中に偏向させ、光を対応する導波管の中に内部結合する。光線770、780、790は、光をTIRによって個別の導波管670、680、690を通して伝搬させる角度で偏向される。光線770、780、790は、導波管の対応する光分散要素730、740、750に衝突するまで、TIRによって個別の導波管670、680、690を通して伝搬する。
【0149】
ここで
図9Bを参照すると、
図9Aの複数のスタックされた導波管の実施例の斜視図が、図示される。前述のように、内部結合された光線770、780、790は、それぞれ、内部結合光学要素700、710、720によって偏向され、次いで、それぞれ、導波管670、680、690内でTIRによって伝搬する。光線770、780、790は、次いで、それぞれ、光分散要素730、740、750に衝突する。光分散要素730、740、750は、それぞれ、外部結合光学要素800、810、820に向かって伝搬するように、光線770、780、790を偏向させる。
【0150】
いくつかの実施形態では、光分散要素730、740、750は、直交瞳エクスパンダ(OPE)である。いくつかの実施形態では、OPEは、光を外部結合光学要素800、810、820に偏向または分散し、いくつかの実施形態では、また、外部結合光学要素に伝搬するにつれて、本光のビームまたはスポットサイズを増加させ得る。いくつかの実施形態では、光分散要素730、740、750は、省略されてもよく、内部結合光学要素700、710、720は、光を直接外部結合光学要素800、810、820に偏向させるように構成されてもよい。例えば、
図9Aを参照すると、光分散要素730、740、750は、それぞれ、外部結合光学要素800、810、820と置換されてもよい。いくつかの実施形態では、外部結合光学要素800、810、820は、光を視認者の眼210(
図7)に指向させる、射出瞳(EP)または射出瞳エクスパンダ(EPE)である。OPEは、少なくとも1つの軸においてアイボックスの寸法を増加させるように構成されてもよく、EPEは、OPEの軸と交差する、例えば、直交する軸においてアイボックスを増加させてもよいことを理解されたい。例えば、各OPEは、光の残りの部分が導波管を辿って伝搬し続けることを可能にしながら、OPEに衝打する光の一部を同一導波管のEPEに再指向するように構成されてもよい。OPEへの衝突に応じて、再び、残りの光の別の部分は、EPEに再指向され、その部分の残りの部分は、導波管等を辿ってさらに伝搬し続ける。同様に、EPEへの衝打に応じて、衝突光の一部は、導波管からユーザに向かって指向され、その光の残りの部分は、EPに再び衝打するまで、導波管を通して伝搬し続け、その時点で、衝突する光の別の部分は、導波管から指向される等となる。その結果、内部結合された光の単一ビームは、その光の一部がOPEまたはEPEによって再指向される度に、「複製」され、それによって、
図6に示されるように、クローン化された光のビーム野を形成し得る。いくつかの実施形態では、OPEおよび/またはEPEは、光のビームのサイズを修正するように構成されてもよい。
【0151】
故に、
図9Aおよび9Bを参照すると、いくつかの実施形態では、導波管のセット660は、原色毎に、導波管670、680、690と、内部結合光学要素700、710、720と、光分散要素(例えば、OPE)730、740、750と、外部結合光学要素(例えば、EP)800、810、820とを含む。導波管670、680、690は、各1つの間に空隙/クラッディング層を伴ってスタックされてもよい。内部結合光学要素700、710、720は、(異なる波長の光を受光する異なる内部結合光学要素を用いて)入射光をその導波管の中に再指向または偏向させる。光は、次いで、個別の導波管670、680、690内にTIRをもたらすであろう角度で伝搬する。示される実施例では、光線770(例えば、青色光)は、前述の様式において、第1の内部結合光学要素700によって偏光され、次いで、導波管を辿ってバウンスし続け、光分散要素(例えば、OPE)730、次いで、外部結合光学要素(例えば、EP)800と相互作用する。光線780および790(例えば、それぞれ、緑色および赤色光)は、導波管670を通して通過し、光線780は、内部結合光学要素710上に衝突し、それによって偏向される。光線780は、次いで、TIRを介して、導波管680を辿ってバウンスし、その光分散要素(例えば、OPE)740、次いで、外部結合光学要素(例えば、EP)810に進むであろう。最後に、光線790(例えば、赤色光)は、導波管690を通して通過し、導波管690の光内部結合光学要素720に衝突する。光内部結合光学要素720は、光線が、TIRによって、光分散要素(例えば、OPE)750、次いで、TIRによって、外部結合光学要素(例えば、EP)820に伝搬するように、光線790を偏向させる。外部結合光学要素820は、次いで、最後に、光線790を視認者に外部結合し、視認者はまた、他の導波管670、680からの外部結合した光も受光する。
【0152】
図9Cは、
図9Aおよび9Bの複数のスタックされた導波管の実施例の上下平面図を図示する。図示されるように、導波管670、680、690は、各導波管の関連付けられた光分散要素730、740、750および関連付けられた外部結合光学要素800、810、820とともに、垂直に整合されてもよい。しかしながら、本明細書に議論されるように、内部結合光学要素700、710、720は、垂直に整合されない。むしろ、内部結合光学要素は、好ましくは、非重複する(例えば、上下図に見られるように、側方に離間される)。本明細書でさらに議論されるように、本非重複空間配列は、1対1ベースで異なるリソースから異なる導波管の中への光の投入を促進し、それによって、具体的光源が具体的導波管に一意に結合されることを可能にする。いくつかの実施形態では、非重複の空間的に分離される内部結合光学要素を含む、配列は、偏移瞳システムと称され得、これらの配列内の内部結合光学要素は、サブ瞳に対応し得る。
【0153】
図9Dは、本明細書に開示される種々の導波管および関連システムが統合され得る、ウェアラブルディスプレイシステム60の実施例を図示する。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム60は、
図6のシステム250であって、
図6は、そのシステム60のいくつかの部分をより詳細に図式的に示す。例えば、
図6の導波管アセンブリ260は、ディスプレイ70の一部であってもよい。
【0154】
図9Dを継続して参照すると、ディスプレイシステム60は、ディスプレイ70と、そのディスプレイ70の機能をサポートするための種々の機械的および電子的モジュールおよびシステムとを含む。ディスプレイ70は、フレーム80に結合されてもよく、これは、ディスプレイシステムユーザまたは視認者90によって装着可能であって、ディスプレイ70をユーザ90の眼の正面に位置付けるように構成される。ディスプレイ70は、いくつかの実施形態では、接眼レンズと見なされ得る。いくつかの実施形態では、スピーカ100が、フレーム80に結合され、ユーザ90の外耳道に隣接して位置付けられるように構成される(いくつかの実施形態では、示されない別のスピーカも、随意に、ユーザの他方の外耳道に隣接して位置付けられ、ステレオ/成形可能音制御を提供してもよい)。ディスプレイシステム60はまた、1つ以上のマイクロホン110または他のデバイスを含み、音を検出してもよい。いくつかの実施形態では、マイクロホンは、ユーザが入力またはコマンドをシステム60に提供することを可能にするように構成され(例えば、音声メニューコマンドの選択、自然言語質問等)、および/または他の人物(例えば、類似ディスプレイシステムの他のユーザ)とのオーディオ通信を可能にしてもよい。マイクロホンはさらに、周辺センサとして構成され、オーディオデータ(例えば、ユーザおよび/または環境からの音)を収集してもよい。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムはまた、周辺センサ120aを含んでもよく、これは、フレーム80と別個であって、ユーザ90の身体(例えば、ユーザ90の頭部、胴体、四肢等)上に取り付けられてもよい。周辺センサ120aは、いくつかの実施形態では、ユーザ90の生理学的状態を特徴付けるデータを入手するように構成されてもよい。例えば、センサ120aは、電極であってもよい。
【0155】
図9Dを継続して参照すると、ディスプレイ70は、有線導線または無線コネクティビティ等の通信リンク130によって、ローカルデータ処理モジュール140に動作可能に結合され、これは、フレーム80に固定して取り付けられる、ユーザによって装着されるヘルメットまたは帽子に固定して取り付けられる、ヘッドホン内に埋設される、または別様にユーザ90に除去可能に取り付けられる(例えば、リュック式構成において、ベルト結合式構成において)等、種々の構成で搭載されてもよい。同様に、センサ120aは、通信リンク120b、例えば、有線導線または無線コネクティビティによって、ローカルプロセッサおよびデータモジュール140に動作可能に結合されてもよい。ローカル処理およびデータモジュール140は、ハードウェアプロセッサおよび不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリまたはハードディスクドライブ)等のデジタルメモリを備えてもよく、両方とも、データの処理、キャッシュ、および記憶を補助するために利用されてもよい。随意に、ローカル処理およびデータモジュール140は、1つ以上の中央処理ユニット(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、専用処理ハードウェア等を含んでもよい。データは、a)センサ(画像捕捉デバイス(カメラ等)、マイクロホン、慣性測定ユニット、加速度計、コンパス、GPSユニット、無線デバイス、ジャイロスコープ、および/または本明細書に開示される他のセンサ(例えば、フレーム80に動作可能に結合される、または別様にユーザ90に取り付けられ得る))から捕捉されたデータ、および/またはb)可能性として処理または読出後にディスプレイ70への通過のための遠隔処理モジュール150および/または遠隔データリポジトリ160(仮想コンテンツに関連するデータを含む)を使用して取得および/または処理されたデータを含んでもよい。ローカル処理およびデータモジュール140は、これらの遠隔モジュール150、160が相互に動作可能に結合され、ローカル処理およびデータモジュール140に対するリソースとして利用可能であるように、有線または無線通信リンクを介して等、通信リンク170、180によって、遠隔処理モジュール150および遠隔データリポジトリ160に動作可能に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、ローカル処理およびデータモジュール140は、画像捕捉デバイス、マイクロホン、慣性測定ユニット、加速度計、コンパス、GPSユニット、無線デバイス、および/またはジャイロスコープのうちの1つ以上のものを含んでもよい。いくつかの他の実施形態では、これらのセンサのうちの1つまたはそれを上回るものは、フレーム80に取り付けられてもよい、または有線または無線通信経路によってローカル処理およびデータモジュール140と通信する、独立構造であってもよい。
【0156】
図9Dを継続して参照すると、いくつかの実施形態では、遠隔処理モジュール150は、データおよび/または画像情報を分析および処理するように構成される、1つ以上のプロセッサを備えてもよく、例えば、1つ以上の中央処理ユニット(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、専用処理ハードウェア等を含んでもよい。いくつかの実施形態では、遠隔データリポジトリ160は、インターネットまたは「クラウド」リソース構成における他のネットワーキング構成を通して利用可能であり得る、デジタルデータ記憶設備を備えてもよい。いくつかの実施形態では、遠隔データリポジトリ160は、1つ以上の遠隔サーバを含んでもよく、これは、情報、例えば、拡張現実コンテンツをローカル処理およびデータモジュール140および/または遠隔処理モジュール150に生成するための情報を提供する。いくつかの実施形態では、全てのデータが、記憶され、全ての計算は、ローカル処理およびデータモジュール内で行われ、遠隔モジュールからの完全に自律的使用を可能にする。随意に、CPU、GPU等を含む、外部システム(例えば、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のコンピュータのシステム)が、処理(例えば、画像情報を生成する、データを処理する)の少なくとも一部を実施し、例えば、無線または有線接続を介して、情報をモジュール140、150、160に提供し、情報をそこから受信してもよい。
(広帯域適応波長板レンズアセンブリのための液晶材料)
【0157】
概して、液晶は、従来の流体と固体との間の中間であり得る、物理的性質を保有する。液晶は、いくつかの側面では、流体状であるが、大部分の流体と異なり、液晶内の分子の配列は、ある構造秩序を呈する。異なるタイプの液晶は、サーモトロピック、リオトロピック、およびポリマー液晶を含む。本明細書に開示されるサーモトロピック液晶は、ネマチック状態/位相、スメクチック状態/位相、キラルネマチック状態/位相またはキラルスメクチック状態/位相を含む、種々の物理的状態、例えば、位相内に実装されることができる。
【0158】
本明細書に説明されるように、ネマチック状態または位相内の液晶は、比較的に少ない位置秩序を有する一方、長距離指向性秩序を有し、その長軸が、略平行である、カラミチック(ロッド形状)またはディスコチック(ディスク形状)有機分子を有することができる。したがって、有機分子は、自由に流動し得、その質量中心位置は、液体中におけるようにランダムに分散される一方、依然として、その長距離指向性秩序を維持する。いくつかの実装では、ネマチック位相における液晶は、一軸性であり得る、すなわち、液晶は、より長く、優先される、1つの軸を有し、他の2つは、ほぼ同等である。いくつかの実装では、液晶分子は、長軸に沿って配向する。他の実装では、液晶は、二軸性であり得る、すなわち、その長軸を配向することに加え、液晶はまた、二次軸に沿って配向され得る。
【0159】
本明細書に説明されるように、スメクチック状態または位相における液晶は、相互にわたって摺動し得る、比較的に明確に画定された層を形成する、有機分子を有することができる。いくつかの実装では、スメクチック位相における液晶は、1つの方向に沿って位置的に順序付けられることができる。いくつかの実装では、分子の長軸は、液晶層の平面に対して略法線方向に沿って配向されることができる一方、他の実装では、分子の長軸は、層の平面に対する法線方向に対して傾斜されてもよい。
【0160】
ここでは、かつ本開示全体を通して、ネマチック液晶は、ロッド状分子から成り、近傍分子の長軸は、相互にほぼ整合される。本異方性構造を説明するために、配向子と呼ばれる、無次元単位ベクトルnが、液晶分子の好ましい配向の方向を説明するために使用され得る。
【0161】
ここでは、かつ本開示全体を通して、方位角または回転角度φは、液晶層または基板の主要表面と平行な平面、例えば、x-y平面において測定され、かつ整合方向、例えば、伸長方向または配向子の方向と、主要表面と平行方向、例えば、y-方向との間で測定される、層法線方向または液晶層の主要表面に対して法線の軸を中心とした液晶分子の回転角度を説明するために使用される。
【0162】
ここでは、かつ本開示全体を通して、回転角度φ等の角度が、異なる領域間で実質的に同一または異なると称されるとき、平均角度は、例えば、相互の約1%、約5%、または約10%以内であり得るが、平均角度は、ある場合には、より大きくあり得ることを理解されたい。
【0163】
本明細書に説明されるように、ネマチック状態またはスメクチック状態におけるいくつかの液晶はまた、層法線方向に捻転を呈することができる。そのような液晶は、捻転されたネマチック(TN)液晶または捻転されたスメクチック(SN)液晶と称される。TNまたはSN液晶は、配向子と垂直な軸を中心として分子の捻転を呈し得、分子軸は、配向子と平行である。捻転度が、比較的に大きいとき、捻転された液晶は、キラル位相またはコレステリック位相と称され得る。
【0164】
本明細書に説明されるように、TNまたはSN液晶は、捻転角度または正味捻転角度(φ)を有するものとして説明され得、これは、例えば、規定された長さ、例えば、液晶層の厚さを横断して最上液晶分子と最下液晶分子との間の相対的方位角回転を指し得る。
【0165】
本明細書に説明されるように、「重合化可能液晶」は、重合化される、例えば、原位置で光重合され得、また、本明細書では、反応性メソゲン(RM)として説明され得る、液晶材料を指し得る。
【0166】
液晶分子は、いくつかの実施形態では、重合化可能であってもよく、いったん重合化されると、他の液晶分子との大規模網を形成し得る。例えば、液晶分子は、化学結合によって、または化学種と他の液晶分子を連結することによって、連結されてもよい。いったんともに継合されると、液晶分子は、ともに連結される前と実質的に同一配向および場所を有する、液晶ドメインを形成し得る。用語「液晶分子」は、本明細書では、重合化前の液晶分子および重合化後のこれらの分子によって形成される液晶ドメインの両方を指し得る。いったん重合化されると、重合化されたネットワークは、液晶ポリマー(LCP)と称され得る。
【0167】
いくつかの実施形態では、重合化されるステップに先立った、重合化されていない液晶分子または重合化可能液晶分子は、少なくとも限定された回転自由度を有し得る。これらの重合化されていない液晶分子は、例えば、電気刺激下、回転または傾斜し得、これは、光学性質の改変をもたらす。例えば、電場を印加することによって、重合化されていない液晶分子を含む、いくつかの液晶層は、異なる回折または偏光改変性質を有する、1つ以上の状態間で切り替えられてもよい。
【0168】
本発明者らは、液晶または反応性メソゲン(RM)の上記に説明される性質が、有利なこととして、本明細書に開示される広帯域の切替可能な波長板および波長板レンズの種々のコンポーネントに適用され得ることを認識する。例えば、いくつかの重合化されていないRMでは、LC分子の配向は、堆積後、例えば、外部刺激、例えば、電場の印加によって、改変されることができる。本認識に基づいて、本発明者らは、本明細書において、外部刺激の印加によって複数の状態間で切り替えられ得る、波長板および波長板レンズを開示する。
【0169】
加えて、本発明者らは、重合化されていないとき、いくつかのLCまたはRMの表面または界面におけるLC分子の配向が、その上にLC分子が形成される、表面または界面を制御することによって、整合されることができると認識する。例えば、複数のLC層のスタックが、形成されることができ、LC層の表面に最も近いLC分子の配向を制御することによって、次のLC層内の直接隣接するLCの配向が、例えば、前のLC層内の表面に最も近いLC分子と同一配向または隣接する層内の伸長マイクロ構造と同一配向を有するように制御されることができる。加えて、表面または界面におけるLC分子間のLC分子は、所定の捻転の量を有するように制御されることができる。複屈折、キラリティ、および複数のコーティングのための容易性を含む、これらおよび他の属性の認識に基づいて、本発明者らは、本明細書において、調整された光学性質、例えば、いくつか挙げると、回折効率、屈折力、および偏光性を伴う、広帯域能力等の有用な性質を有する、波長板および波長板レンズを開示する。
(切替可能な広帯域適応波長板レンズアセンブリを有する、ディスプレイデバイス)
【0170】
図6を参照して上記に説明されるように、実施形態による、いくつかのディスプレイシステムは、画像を複数の仮想深度平面に形成するように構成される、導波管アセンブリ260を含む。導波管アセンブリ260は、それぞれ、全内部反射(TIR)によって、光を伝搬するように構成される、導波管270、280、290、300、310を含み、それぞれ、光を再指向することによって、光を導波管270、280、290、300、310の個別のものから外に抽出するように構成される、外部結合光学要素570、580、590、600、610を含む。導波管270、280、290、300、310はそれぞれ、光を出力し、特定の深度平面に対応する画像を形成するように構成される。導波管アセンブリ260はまた、随意に、画像を異なる仮想深度平面に形成するための異なる屈折力を提供するために、複数のレンズ320、330、340、350を導波管の間に含んでもよい。
【0171】
図6における導波管アセンブリ260の図示される実施形態では、深度平面の数は、導波管およびレンズの数に正比例してもよい。しかしながら、本発明者らは、比例数の導波管およびレンズを有することによって、画像を複数の深度平面に表示するために構成される導波管アセンブリを実装するステップと関連付けられた種々の課題を認識する。例えば、多数の導波管270、280、290、300、310および多数の対応するレンズ320、330、340、350は、望ましくないことに、導波管アセンブリ260に対する全体的厚さ、重量、コスト、および製造課題を増加させ得る。例えば、従来のレンズ材料、例えば、ガラスから形成されるとき、レンズ320、330、340、350はそれぞれ、数ミリメートルまたは数十ミリメートルの厚さおよび対応する重量をディスプレイに追加し得る。加えて、多数の導波管およびレンズは、ユーザにとって望ましくない光学効果、例えば、比較的に高吸収損失を生産し得る。したがって、一側面では、本発明者らは、ある場合において、より少ない数の導波管、より少ない数のレンズ、より薄いおよびより軽量の導波管およびレンズ、および/または導波管あたりより少ない数のレンズを用いて、画像を複数の深度平面に生成し得る、ディスプレイシステムのための潜在的利点を認識する。
【0172】
依然として、
図6を参照すると、レンズ320、330、340、350は、個別の屈折力を導波管310、300、290、および280からの光に付与することによって、画像を異なる深度平面に形成するように構成され得ることを理解されたい。種々の実施形態では、導波管から外部結合された光は、偏光、例えば、円偏光を有し得る。しかしながら、導波管から外部結合された偏光が、液晶から形成される波長板レンズまたは波長板を通して通過するとき、それを通して透過される100%未満の外部結合された光が、光学的に影響され、例えば、回折発散され、収束され、または偏光が改変され、外部結合された光の一部が光学的に影響されずに通過する結果をもたらし得る。このように光学的に影響されずにレンズを通して通過する光は、時として、漏出光とも称される。漏出光は、下流光学経路内において、望ましくなく集束される、焦点ずれされる、または偏光が改変される、または全く影響されない。波長板または波長板レンズを通して通過する光の有意な部分が、漏出光を構成するとき、ユーザは、意図されない画像または意図されない深度平面においてユーザに可視となる画像である、「残影」画像等の望ましくない効果を体験し得る。本発明者らは、そのような漏出光が、他の原因の中でもとりわけ、波長板レンズまたは波長板が、比較的に高回折効率を可視スペクトル内の比較的に狭波長範囲内に有するように構成される、液晶から形成されることから生じ得ることを認識する。したがって、別の側面では、本発明者らは、可視スペクトル内の広範囲の波長にわたって、漏出光から生じる望ましくない効果を殆ど伴わずに、画像を複数の深度平面に生成し得る、広帯域適応波長板レンズアセンブリの必要があることを認識する。これらおよび他の必要性に対処するために、種々の実施形態は、可変屈折力を提供するように構成される、液晶に基づく、切替可能な波長板レンズまたは切替可能な波長板を備える、広帯域適応波長板レンズアセンブリを含む。液晶から形成される、波長板レンズおよび波長板は、これらの目的を達成することに向かって、薄い厚さ、軽量、および分子レベルにおける高度な構成可能性を含む、種々の利点を提供することができる。本明細書に説明される種々の実施形態では、ディスプレイデバイスは、光を導波管の出力表面と平行な側方方向に誘導し、出力表面を通して誘導された光を1つ以上の広帯域適応波長板レンズアセンブリに外部結合するように構成される、導波管アセンブリを使用して、画像を異なる仮想深度平面に形成するように構成される。種々の実施形態では、広帯域適応波長板レンズアセンブリは、それを通して、導波管からの外部結合された光を内部結合および回折するように構成される。広帯域適応レンズアセンブリは、波長板レンズが、第1の波長板レンズの中心領域から半径方向外向き方向に変動する、複屈折(Δn)を有するように配列される、液晶(LC)層を備える、第1の波長板レンズを含み、90%を上回る、95%を上回る、またはさらに99%を上回る回折効率において、少なくとも450nm~630nmを含む広帯域波長範囲内の外部結合された光を回折するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、実施形態による、広帯域適応波長板レンズアセンブリは、従来のレンズと比較して、有意により軽量かつより薄く(数ミクロン)、有利なこととして、広帯域波長範囲にわたって、可変屈折力を提供することができる。有利なこととして、そのような広帯域適応レンズアセンブリは、導波管アセンブリ260(
図6)等の導波管アセンブリの数、厚さ、および重量を低減させ、かつ漏出光から生じる望ましくない効果を低減または排除し得る。
【0173】
本明細書で使用されるように、屈折力(P、屈折力、集束力、または収束力とも称される)は、レンズ、ミラー、または他の光学システムが、光を収束または発散させる程度を指す。これは、デバイスの焦点距離の逆数:P=1/fと等しい。すなわち、高屈折力は、短焦点距離に対応する。屈折力に関するSI単位は、毎メートル(m-1)であって、これは、一般に、ジオプタ(D)と呼ばれる。
【0174】
本明細書に説明されるように、それを通して通過する光を集束させる、収束レンズは、正の屈折力を有するように説明される一方、それを通して通過する光を焦点ずれさせる、発散レンズは、負のパワーを有するように説明される。理論によって拘束されるわけではないが、光が、相互に比較的に近接する2つ以上の薄いレンズを通して通過するとき、組み合わせられたレンズの屈折力は、個々のレンズの屈折力の和として近似され得る。したがって、光が、第1の屈折力P1を有する第1のレンズを通して通過し、第2の屈折力P2を有する第2のレンズをさらに通して通過するとき、光は、屈折力の和Pnet=P1+P2に従って収束または発散すると理解され得る。
【0175】
光の偏光および伝搬方向に依存する屈折率を有する、媒体は、複屈折(または二重屈折)と称される。本明細書に全体を通して説明され、関連産業において理解されるように、その偏光が複屈折媒体の光学軸と垂直である、光は、通常の屈折率(no)を有すると説明され、その偏光が複屈折媒体の光学軸と平行である、光は、異常屈折率(ne)を有すると説明され、複屈折媒体材料において観察される屈折率の差異ne-noは、複屈折Δnを有すると説明される。複屈折Δnを有する材料媒体中の光の位相遅延は、異なるλにおけるГ=2πΔnd/λとして表され得、dは、媒体の厚さである。
【0176】
概して、光学的に異方性の材料、例えば、液晶は、光のより長い波長λに伴って減少する、複屈折(Δn)の正の分散を示す。Δnの正の分散は、異なるλにおいて、異なる位相遅延Г=2πΔnd/λをもたらし、dは、媒体の厚さである。本明細書に開示されるように、複屈折(Δn)の負の分散を示す、異方性材料は、複屈折が光のより長い波長λに伴って増加する、材料を指す。
【0177】
上記に説明されるように、波長板レンズまたは波長板の回折効率の波長依存性は、種々の望ましくない光学効果を低減または最小限にする際の重要な考慮点であり得る。本明細書に説明されるように、液晶の層等の複屈折媒体の回折効率(η)は、η=sin2(πΔnd/λ)として表され得、Δnは、複屈折であって、λは、波長であって、dは、厚さである。光が回折コンポーネントを通して伝搬する、位相遅延は、従来の複屈折媒体に関して、波長に伴って変動するため、波長板レンズおよび波長板を含む、いくつかの回折コンポーネントは、回折効率が十分に高い、可視スペクトル内の比較的に狭範囲の波長または帯域幅を示す。対照的に、実施形態による、波長板レンズおよび波長板は、回折効率が本明細書に説明される種々の用途のために十分に高い、可視スペクトル内の比較的に広範囲の波長または帯域幅を示す。
【0178】
種々の実施形態によると、広帯域波長板レンズまたは波長板は、正規化された帯域幅(Δλ/λo)を有すると説明され得、式中、λoは、約620~780nmの波長範囲を有する赤色スペクトル、約492~577nmの波長範囲を有する緑色スペクトル、約435~493nmの波長範囲を有する青色スペクトルのうちの1つ以上のものを含む、約400~800nmの波長範囲に及ぶ可視スペクトル内の中心波長であって、Δλは、回折効率が、70%、80%、90%、95%、99%、またはこれらの値によって定義された範囲内の任意の値を超える、λoを中心とする波長の範囲である。
【0179】
種々の実施形態によると、波長板レンズまたは波長板が、広帯域波長板レンズまたは広帯域波長板であると説明されるとき、約620~780nmの波長の範囲を含む赤色スペクトル、約492~577nmの範囲の波長を含む緑色スペクトル、約435~493nmの範囲内の青色スペクトル、または約400~800nm、例えば、400~700nm、430~650nm、または450~630nm内の可視スペクトル内の任意の波長によって定義された波長の範囲内のうちの1つ以上のものを含む、約400~800nmの波長範囲に及ぶ可視スペクトルの少なくとも一部内の70%、80%、90%、95%、99%、またはこれらの値のいずれか内のパーセンテージを超える、回折効率のアベレージ、瞬間値、平均値、中央値、または最小値を有すると理解されるであろう。
【0180】
回折効率に関して上記に説明される関係η=sin2(πΔnd/λ)に基づいて、広帯域波長板レンズまたは波長板は、Δn/λの比率が、正かつ比較的に一定の値を有するとき、固定されたdに関する効率を有することができる。本明細書に説明されるように、Δn/λの正の比率値を有する媒体は、負の分散を有すると称される。実施形態によると、本明細書に説明される広帯域波長板レンズまたは広帯域波長板は、負の分散、すなわち、上記に説明される波長範囲内の波長(λ)の増加に伴って増加する、複屈折(Δn)を有する。
【0181】
種々の実施形態によると、広帯域波長板レンズまたは波長板は、上記に説明される可視スペクトルの任意の範囲内の正の値である、比率Δn/λの瞬間値、平均値、中央値、最小値、または最大値を有すると説明され得る。加えて、広帯域波長板レンズまたは波長板は、Δλ/λoの比較的に高比率を有し、Δλは、上記に説明される可視スペクトルの任意の範囲内の波長範囲であって、λoは、Δλ内の中心波長である。種々の実施形態によると、高正規化帯域幅Δλ/λoは、約0.3-1.0、約0.3~0.7、0.4~0.7、0.5~0.7、0.6~0.7の値、またはこれらの値によって定義された任意の範囲内の値を有することができる。加えて、広帯域波長板レンズまたは波長板は、上記に説明される可視スペクトル内の種々の波長範囲内で比較的に一定である、比率Δn/λを有する。例えば、比率Δn/λは、30%、20%、10%、5%、1%、またはこれらの値のいずれか内のパーセンテージを超えない、比率Δn/λの平均値、中央値、最小血、または最大値からのある偏差、例えば、標準偏差を有することができる。
【0182】
本明細書に説明されるように、「透過性」または「透明」構造、例えば、透明基板は、入射光の少なくとも一部、例えば、少なくとも20、30、50、70、または90%が、それを通して通過することを可能にし得る。故に、透明基板は、いくつかの実施形態では、ガラス、サファイア、またはポリマー基板であってもよい。対照的に、「反射性」構造、例えば、反射性基板は、そこから反射させるために、入射光の少なくとも一部、例えば、少なくとも20、30、50、70、90%、またはそれを上回るものを反射させ得る。
【0183】
図10は、導波管アセンブリ1012によって介在される、1つ以上の広帯域適応レンズアセンブリ、例えば、一対の広帯域適応レンズアセンブリ1004、1008を光学経路1016内に備える、ディスプレイデバイス1000、例えば、ウェアラブルディスプレイデバイスの実施例を図示する。上記に説明されるように、導波管アセンブリは、全内部反射下、光(例えば、可視光)を伝搬し、導波管の光出力表面(例えば、導波管の主要表面)から(例えば、それに対して法線の方向に)延在する光学軸において、光を外部結合するように構成される、導波管を含む。光は、いくつかの実施形態では、回折格子によって外部結合されてもよい。広帯域適応レンズアセンブリ1004、1008はそれぞれ、少なくとも部分的に、外部結合される光をそれを通して透過させるように構成されてもよい。図示される実施形態では、広帯域適応レンズアセンブリはそれぞれ、導波管アセンブリ1012から外部結合される光を受光し、外部結合される光を光学軸方向に収束または発散させるように構成されてもよい。広帯域適応レンズアセンブリ1004、1008はそれぞれ、波長板レンズが、波長板レンズの中心領域から半径方向に変動し、可視スペクトルの範囲内の波長(λ)の増加に伴って減少する、複屈折(Δn)を有するように配列される、液晶を備える、波長板レンズを備える。広帯域適応レンズアセンブリは、異なる屈折力を有する複数の状態間で選択的に切り替えられるように構成される。広帯域適応レンズアセンブリは、アクティブ化される(例えば、電気的にアクティブ化される)と、それを通して通過する外部結合された光の偏光状態を改変するように構成される。
【0184】
本明細書で使用されるように、適応レンズアセンブリは、調節される、例えば、外部刺激を使用して、可逆的にアクティブ化およびアクティブ化解除され得る、少なくとも1つの光学性質を有する、レンズアセンブリを指す。他の性質の中でもとりわけ、可逆的にアクティブ化およびアクティブ化解除され得る、例示的光学性質は、他の性質の中でもとりわけ、屈折力(焦点距離)、位相、偏光、偏光選択性、透過率、反射率、複屈折、および回折性質を含む。種々の実施形態では、適応レンズアセンブリは、それを通して通過する光の屈折力および偏光状態を電気的に変動させることが可能である。
【0185】
図示される実施形態では、対の広帯域適応レンズアセンブリ1004、1008はそれぞれ、少なくとも2つの状態間で選択的に切り替えられるように構成され、第1の状態では、それぞれ、その偏光状態を改変せずに、外部結合された光をそれを通して通過させるように構成される一方、第2の状態では、それぞれ、それを通して通過する外部結合された光の偏光状態を改変するように構成される。例えば、第2の状態では、広帯域適応レンズアセンブリ1004、1008はそれぞれ、円偏光の掌性を逆転させる一方、第1の状態では、広帯域適応レンズアセンブリ1004、1008はそれぞれ、円偏光の掌性を保存する。
【0186】
依然として
図10を参照すると、ディスプレイデバイス1000はさらに、対の適応レンズアセンブリ1004、1008間に介在される、導波管アセンブリ1012を備える。導波管アセンブリ1012は、
図6に関して上記に説明される、導波管アセンブリ260に類似してもよく、これは、
図6における1つ以上の導波管270、280、290、300、310に類似する、1つ以上の導波管を備える。例えば、
図6および7に関して上記に説明されるように、導波管は、全内部反射下、導波管の主要表面と平行な側方方向に光を伝搬するように構成されてもよい。導波管はさらに、例えば、導波管の主要表面に対して法線方向に光を外部結合するように構成されてもよい。
【0187】
依然として
図10を参照すると、対の適応レンズアセンブリの第1の適応レンズアセンブリ1004は、導波管アセンブリ1012の第1の側、例えば、ユーザによって観察される世界510の側に配置され、対のレンズアセンブリの第2の適応レンズアセンブリ1008は、導波管アセンブリ1012の第2の側、例えば、ユーザの眼210の側に配置される。下記に説明されるように、構成されるような対の適応レンズアセンブリは、ユーザに、実世界のビューとともに、導波管アセンブリ1012からの仮想コンテンツを複数の仮想深度平面に提供する。いくつかの実施形態では、適応レンズアセンブリの存在に起因して、殆どまたは全く歪曲が存在しない。仮想コンテンツおよび実世界のビューは、
図11Aおよび11Bに関して下記に説明されるように、第1および第2の適応レンズアセンブリ1004、1008のアクティブ化に応じて、ユーザに提供される。
【0188】
図11Aおよび11Bは、ディスプレイデバイス1100A/1100Bの実施例を図示し、それぞれ、適応レンズアセンブリを備え、動作時、画像情報をユーザに出力する。ディスプレイデバイス1100Aおよび1100Bは、非給電状態では、構造的に同じである。ディスプレイデバイス1100Aは、本明細書では、仮想画像をユーザに出力することを説明するために使用される一方、ディスプレイデバイス1100Bは、本明細書では、実世界画像をディスプレイデバイス1100Bを通してユーザに透過させることを説明するために使用される。ディスプレイデバイス1100A/1100Bは、例えば、電圧または電流の印加によって電気的にアクティブ化されるように構成される、一対の切替可能なレンズアセンブリ1004、1008を含む。いくつかの実施形態では、例えば、電圧または電流が印加されない、アクティブ化解除状態では、第1および第2の切替可能なレンズアセンブリ1004、1008はそれぞれ、低、例えば、約ゼロ屈折力を有する。いくつかの実施形態では、例えば、電圧または電流が印加される、アクティブ化状態では、世界側の第1の適応レンズアセンブリ1004は、第1の符号、例えば、正の屈折力を有する、第1の正味屈折力(Pnet1)を提供してもよい。アクティブ化状態にあるとき、ユーザ側の第2の適応レンズアセンブリ1008は、第2の符号、例えば、負の屈折力を有する、第2の正味屈折力(Pnet2)を提供してもよい。
【0189】
図11Aは、いくつかの実施形態による、仮想コンテンツをユーザに仮想深度平面において表示する、
図10のディスプレイシステムの実施例を図示する。上記に説明されるように、対の適応レンズアセンブリ1004、1008間に介在される、導波管アセンブリ1012は、仮想画像情報を含有する光を受光し、全内部反射下、光を伝搬させるように構成される、導波管を備える。導波管アセンブリ1012はさらに、光を、例えば、回折格子を通して、眼210に向かって外部結合するように構成される。外部結合される光は、眼210に進入することに先立って、第2の適応レンズアセンブリ1008を通して通過する。アクティブ化されると、第2の適応レンズアセンブリ1008は、第2の正味屈折力Pnet2を有し、これは、ユーザに仮想深度平面1104において仮想画像が見えるように、負の値を有してもよい。
【0190】
いくつかの実施形態では、第2の正味屈折力Pnet2は、電気的に調節され、第2の適応レンズアセンブリ1008の第2の正味屈折力(Pnet2)を調節し、それによって、仮想深度平面1104までの距離を調節してもよい。例えば、仮想オブジェクトが、仮想3次元空間内において、眼210に対してより近くおよびより遠くに「移動」するにつれて、第2の適応レンズアセンブリ1008の第2の正味屈折力Pnet2も、仮想深度平面1104が仮想オブジェクトを追跡するように調節されるように、対応して調節されてもよい。したがって、ユーザは、比較的に、容認可能閾値を超える遠近調節/輻輳・開散運動不整合を殆どまたは全く体験し得ない。いくつかの実施形態では、仮想深度平面1104までの距離の大きさは、離散ステップにおいて調節されてもよい一方、いくつかの他の実施形態では、仮想深度平面1104までの距離の大きさは、持続的に調節されてもよい。
【0191】
図11Bは、いくつかの実施形態による、実世界コンテンツのビューをユーザに提供する、
図10のディスプレイシステムの実施例を図示する。第2の適応レンズアセンブリ1008が、仮想コンテンツを仮想深度平面1104に表示するための第2の正味屈折力(Pnet2)を有するようにアクティブ化されると、第2の適応レンズアセンブリ1008を通して通過する、実世界からの光もまた、アクティブ化される第2の適応レンズアセンブリ1008のPnet2に従って、収束または発散され得る。したがって、実世界内のオブジェクトは、焦点がずれて現れ得る。そのような歪曲を軽減させるために、実施形態によると、アクティブ化されると、第1および第2の適応レンズアセンブリ1004、1008は、反対符号を有する、屈折力を有するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第1および第2の適応レンズアセンブリ1004、1008を通して通過する、光は、それぞれ、第1および第2の適応レンズアセンブリ1004、1008の第1および第2の正味屈折力Pnet1、Pnet2の大きさのほぼ差である、大きさを有する、組み合わせられた屈折力に従って、収束または発散する。いくつかの実施形態では、導波管アセンブリ1012もまた、屈折力を有し得、適応レンズアセンブリ1008は、レンズアセンブリ1004および導波管アセンブリ1012の両方によって生じる歪曲を考慮するように構成されてもよい。例えば、適応レンズアセンブリ1008の屈折力は、レンズアセンブリ1004および導波管アセンブリ1012の屈折力の和の反対符号であってもよい。
【0192】
いくつかの実施形態では、第1の適応レンズアセンブリ1004は、第2の適応レンズアセンブリ1008の第2の正味屈折力Pnet2の大きさに近いまたはそれと同一である大きさを有する、第1の正味屈折力Pnet1を有するように構成される。その結果、第1および第2の適応レンズアセンブリ1004、1008の両方が、同時にアクティブ化されると、実世界内のオブジェクトは、仮想コンテンツを表示するために提供される第2の適応レンズアセンブリ1008の屈折力によって比較的に影響されずに現れる。
【0193】
いくつかの実施形態では、第1の適応レンズアセンブリ1004は、アクティブ化されると、第1の正味屈折力Pnet1が第2の適応レンズアセンブリ1008の第2の正味屈折力Pnet2に動的に合致するように構成されてもよい。例えば、第2の切替可能なアセンブリ1008の第2の正味屈折力Pnet1が、仮想3次元空間内において、移動する仮想オブジェクトを追跡するように調節されるにつれて、第1の適応レンズアセンブリ1004の第1の正味屈折力Pnet1は、組み合わせられた屈折力の大きさP=Pnet1+Pnet2が所定の値未満に保たれ得るように、動的に調節されてもよい。したがって、実施形態によると、実世界内のオブジェクトは、組み合わせられた屈折力P=Pnet1+Pnet2が小さい、例えば、約0m-1のままであるように、負の値を有し得る、第2の適応レンズアセンブリ1008の第2の正味屈折力(Pnet2)を、第1の適応レンズアセンブリ1004の第1の正味屈折力(Pnet1)で補償することによって、容認不可能に焦点がずれることを防止され得る。
(広帯域適応波長板レンズアセンブリのための切替可能な波長板および切替可能な波長板レンズ)
【0194】
上記に議論されるように、より少ない導波管を用いて、画像を複数の深度平面に形成することの利点のうちの1つは、ディスプレイデバイス(例えば、
図10におけるディスプレイデバイス1000)の厚さおよび重量の全体的低減である。したがって、本明細書に説明される種々の実施形態は、コンパクトかつ軽量であって、種々の光学機能性、例えば、高帯域幅能力および可変屈折力を提供する、適応波長板レンズアセンブリを提供する。加えて、本明細書に説明される種々の実施形態は、比較的に低漏出光量を伴う、適応レンズアセンブリを提供する。
【0195】
広範囲の可視スペクトルにわたって高効率を伴って、画像を複数の深度平面に提供するために、種々の実施形態による、広帯域適応レンズアセンブリは、波長板レンズが、第1の波長板レンズの中心領域から半径方向に変動し、可視スペクトルの範囲内の波長(λ)の増加に伴って減少する、複屈折(Δn)を有するように配列される、液晶を備える、波長板レンズ(それぞれ、
図12A、12Bにおける1154A、1154B)を含む。上記に説明されるように、種々の実施形態によると、広帯域適応波長板レンズアセンブリは、異なる屈折力を伴う複数の状態間で選択的に切り替えられるように構成されることによって、画像を複数の深度平面に生成することができる。広帯域レンズアセンブリの選択的切替は、ひいては、本明細書に議論されるように、実施形態による、広帯域適応波長板レンズアセンブリ内に含まれる波長板レンズまたは波長板を切り替えることによって実施されることができる。
【0196】
図12Aを参照すると、いくつかの実施形態では、広帯域適応レンズアセンブリ1150Aは、波長板レンズ1154Aと同一光学経路内に、液晶を備える切替可能な波長板1158を採用することによって、異なる屈折力状態間で切り替えられるように構成される。波長板レンズ1154Aは、受動レンズであってもよく、広帯域適応レンズアセンブリ1150Aは、切替可能な波長板1158を電気的にアクティブ化およびアクティブ化解除することによって、異なる状態間で選択的に切り替えられてもよい。
【0197】
依然として、
図12Aを参照すると、動作時、波長板レンズ1154Aは、種々の実施形態によると、光の偏光、例えば、円偏光に応じて、それを通して通過する入射光1162A、1162Bを発散または収束させるように構成される。半波長板(HWP)レンズとして構成されるとき、受動波長板レンズであり得る、図示される波長板レンズ1154Aは、波長板レンズ1154A上に入射する右円偏光(RHCP)光ビーム1162Bを左円偏光(LHCP)ビーム1166Aへと収束させるように構成される。他方では、波長板レンズ1154Aは、波長板レンズ1154A上に入射するLHCP光ビーム1162Aを右円偏光(RHCP)ビーム1166Bへと発散させるように構成される。
【0198】
依然として、
図12Aを参照すると、その上に入射する光の円偏光に応じて、波長板レンズ1154Aによって集束または焦点ずれされた後、LHCP光ビーム1166AまたはRHCP光ビーム1166Bは、切替可能な波長板1158上に入射する。切替可能な波長板1158の液晶は、アクティブ化されると、例えば、電気的にアクティブ化されると、それを通して通過する円偏光の偏光が、保存される(図示せず)ように構成される。すなわち、LHCP光ビーム1166AおよびRHCP光ビーム1166Bは、影響されずに、切替可能な波長板1158を通して通過する。他方では、アクティブ化解除されると、例えば、電気的にアクティブ化解除されると、それを通して通過する円偏光の偏光は、転換される(図示される)。すなわち、LHCP光ビーム1166Aは、RHCP光ビーム1170Aに変換され、RHCP光ビーム1166Bは、LHCP光ビーム1170Bに変換される。
【0199】
図12Bを参照すると、いくつかの他の実施形態では、広帯域適応レンズアセンブリ1150Bは、液晶を備える、切替可能な波長板レンズ1154Bを採用することによって、異なる屈折力状態間で切り替えられるように構成される。適応レンズアセンブリ1150Bは、切替可能な波長板レンズ1154Bを電気的にアクティブ化およびアクティブ化解除することによって、異なる状態間で選択的に切り替えられてもよい。
【0200】
動作時、波長板レンズ1154Bの液晶は、種々の実施形態によると、その偏光、例えば、円偏光に応じて、波長板レンズ1154Bが、それを通して通過する入射光1162A、1162Bを発散または収束させるように構成される。半波長板レンズとして構成されるとき、アクティブ化解除されると、例えば、電気的にアクティブ化解除されると、図示される波長板レンズ1154Bは、波長板レンズ1160B上に入射するRHCP光ビーム1162BをLHCPビーム1166Aへと収束させるように構成される。逆に言えば、アクティブ化解除されると、波長板レンズ1154Bは、波長板レンズ1154B上に入射する左回り偏光(LHCP)光ビーム1162AをRHCPビーム1166Bへと発散させるように構成される。他方では、アクティブ化されると、例えば、電気的にアクティブ化されると、それを通して通過する円偏光の偏光は、保存され(図示せず)、その上に入射するLHCP光ビーム1162AおよびRHCP光ビーム1162Bは、実質的に収束または発散されずに、波長板レンズ1154Bを通して通過する。種々の実施形態では、切替信号、例えば、電場に応答して、液晶が再配列されるように構成することによって、波長板レンズアセンブリ1150A、1150Bは、アクティブ化またはアクティブ化解除され、収束または発散させ、その偏光に応じて、円偏光の偏光を転換または保存してもよい。
(広帯域の切替可能な波長板)
【0201】
上記に説明されるように、種々の実施形態によると、広帯域適応波長板レンズアセンブリは、広帯域波長板レンズアセンブリを異なる屈折力を有する複数のレンズ状態間で選択的に切り替えることによって、画像を複数の深度平面に生成するために使用されることができる。上記に説明されるように、いくつかの実施形態では、広帯域適応波長板レンズアセンブリは、広帯域適応波長板レンズアセンブリ内に含まれる広帯域の切替可能な波長板を電気的にアクティブ化することによって、複数のレンズ状態間で選択的に切り替えられるように構成されてもよい。以下では、広帯域の切替可能な波長板の実施形態が、開示される。
【0202】
いくつかの実施形態では、広帯域の切替可能な波長板は、重合化されていない捻転されたネマチック(TN)液晶(LC)の層を備え、TN LCの層の厚さを横断した電場の印加に応じて、切り替えられるように構成される。任意の理論に拘束されるわけではないが、切替は、TN LCの層の厚さを横断して重合化されていないLC分子の配向を改変することに応じて、達成されてもよい。
【0203】
図13A-13Fを参照すると、種々の実施形態によると、広帯域の切替可能な波長板は、捻転されたネマチック(TN)液晶(LC)の層を備える。
図13Aは、TN LCの層を備える、切替可能な波長板の実施例の断面図を図示する。TN LCの切替可能な波長板1300Aは、一対の透明基板1312間に配置される、TN LCの層1302を備える。透明基板1312はそれぞれ、伝導性透明電極1316、1320の内側表面上に形成されている。
【0204】
透明電極1316、1320および/または基板1312の表面は、上側電極1316と接触または直接隣接するTN LC分子が、その長軸が第1の側方方向に延在した状態で配向する傾向にある一方、下側電極1320と接触または直接隣接するTN LC分子が、交差する、例えば、第1の側方方向に対して約90度の角度を形成し得る、その長軸が第2の側方方向に延在する状態で配向する傾向にあるように構成されてもよい。下側電極1320に直接隣接するTN LC分子と上側電極1316に直接隣接するTN LC分子との間のTN LC分子は、捻転を受ける。構成されるように、TN LCの切替可能な波長板1300Aは、広帯域波長板として構成される。
【0205】
依然として、
図13Aを参照すると、動作時、TN LC層1302を横断して電場の不在(アクティブ化解除状態)下では、TN LC分子のネマチック配向子は、TN LC層1302の厚さを横断して平滑90度捻転を受ける。本状態では、第1の方向(下側電極1312に最も近いLC分子と同一方向)に偏光された入射光1308は、TN LC層1302上に入射する。TN LC層1302内のTN LC分子の捻転された配列は、次いで、光学導波管として作用し、上側電極1316に到達することに先立って、4分の1方向転換(90度)によって、偏光の平面を回転させる。本状態では、TN LC層1302は、それを通して通過する線形偏光の偏光方向を1つの線形偏光方向から別の線形偏光方向に偏移させる役割を果たす。したがって、透過される光1304は、第1の方向と反対の第2の方向(上側電極1316に近接するLC分子と同一方向)に偏光される。
【0206】
他方では、TN LCの切替可能な波長板1300Aの閾値電圧(V>Vth)を超える電圧が、電極1316、1320を横断して印加される(アクティブ化状態)と、TN LC層1306内のTN LC分子は、結果として生じる電場と整合する傾向にあり、アクティブ化解除状態に関して上記に説明されるTN LC層1304の光学波誘導性質は、喪失される。本状態では、TN LC層1306は、それを通して通過する光の偏光方向を保存する役割を果たす。したがって、入射光1308および透過される光1304Bは、同一の第1の方向(下側電極1312に最も近いLC分子と同一方向)に偏光される。
【0207】
電圧または電場が、オフにされると、TN LC分子は、緩和し、その捻転された状態に戻り、アクティブ化状態におけるTN LC層1306のTN LC分子は、アクティブ化解除状態におけるTN LC層1302のTN LC分子の構成に戻る。
【0208】
上記に説明されるように、
図13Aに関して説明されるTN LCの切替可能な波長板1300Aは、線形偏光の偏光方向を偏移させる役割を果たす。しかしながら、本明細書に説明される種々の広帯域波長板レンズアセンブリは、円偏光の掌性を逆転させるための切替可能な半波長板として構成される、切替可能な波長板を含む。したがって、
図13B-13Dに関する以下では、切替可能な半波長板として構成される切替可能な波長板が、実施形態に従って説明される。
【0209】
図13Bは、実施形態による、半波長板として構成される、切替可能な広帯域波長板1300Bの断面図を図示する。切替可能な広帯域波長板1300Bは、
図13Aに関して図示されるTN LCの切替可能な波長板1300Aを含む。加えて、円偏光のための広帯域半波長板としての役割を果たすために、切替可能な広帯域波長板1300Bは、加えて、一対の無彩色4分の1波長板(QWP)1324、1326を含む。
【0210】
動作時、切替可能な広帯域波長板1300Bのアクティブ化状態では、第1の掌性、例えば、左円偏光(LHCP)光ビームを有する、入射円偏光ビーム1324が、第1のQWP1324を通して通過すると、第1のQWP1324は、円偏光ビーム1324を第1の線形偏光を有する第1の線形偏光ビーム1328に変換する。続いて、アクティブ化されたTN LCの切替可能な波長板1300Aを通して通過することに応じて、第1の線形偏光ビーム1328は、第2の線形偏光を有する第2の線形偏光ビーム1332に変換される。続いて、第2のQWP1326を通して通過することに応じて、第2の線形偏光ビーム1332は、第1の掌性と反対の第2の掌性を有する、出射する円偏光ビーム1340、例えば、RHCP光ビームに変換される。したがって、アクティブ化されると、切替可能な広帯域波長板1300Bは、円偏光ビームの偏光を逆転させる、半波長板としての役割を果たす。
【0211】
他方では、切替可能な広帯域波長板1300Bが、アクティブ化解除されると、入射円偏光ビーム1324が、上記に説明されるように、第1のQWP1324を通して通過し、続いて、アクティブ化解除されたTN LCの切替可能な波長板1300Aを通して通過後、第1の線形偏光ビーム1328の偏光は、保存される。その後、第2のQWP1326を通して通過することに応じて、第1の線形偏光ビーム1328は、第1の掌性を有する、出射する円偏光ビーム1340、例えば、LHCP光ビームに変換される。したがって、アクティブ化解除されると、広帯域波長板1300Bは、透明媒体としての役割を果たし、これは、円偏光の偏光ビームを保存する。
【0212】
本明細書に説明される種々の実施形態では、第1および/または第2のQWP1324、1326は、TN LCの切替可能な波長板1300Aと比較して類似帯域幅を有する、広帯域4分の1波長板である。実施形態によると、4分の1波長板は、重合化されたTN LC層を使用して形成されることができる。広帯域能力を提供するために、種々の実施形態による、QWPは、複数のTN LC層を含む。TN LC層がそれぞれ、その独自の基板上に形成されると、結果として生じる広帯域4分の1波長板および/または結果として生じるスタックの光学吸収は、容認不可能に厚くなり得る。したがって、以下では、単一基板上に形成される複数のTN LC層を備える、QWPの実施形態が、TN LCの切替可能な波長板1300Aとの効率的統合に関して説明される。
【0213】
図13Cは、広帯域QWP1300Cの断面図を図示し、これは、基板1312上に形成される整合層1302-0上にスタックされた複数(M個)のTN LC層1302-1、1302-2、…1302-Mを備える、
図13Bに関して上記で例証される、第1および/または第2のQWP1324、1326であることができる。本明細書の他の場所でより詳細に説明される、整合層1302-0は、整合層1302-0に直接隣接する第1のTN LC層1302-1内のLC分子の伸長方向が第1の方向に整合されるように誘発するように構成される。整合層1302-0によって整合される、LC分子の上方のLC分子は、第2のTN LC層1302-2に直接隣接する、第1のTN LC層1302-1内のLC分子が、第2の方向に伸長されるように、第1の捻転を受ける。後続TN LC層1302-2~1302-Mのそれぞれ内のLC分子の整合は、前の層に最も近いLC分子が前の層の最上LC分子と同一方向に整合されることを除き、第1のTN LC層1302-1と類似様式において整合される。例えば、第1のTN LC層1302-1内の最上LC分子および第2のTN LC層1302-1内の最下LC分子は、同一の第2の方向に整合される。第2のTN LC層1302-2内のLC分子は、第2のTN LC層1302-2内の最上LC分子が第3の方向に伸長されるように、第2の捻転を受ける。それと接触する隣接する層内のLC分子の整合の結果としての所与のTN LC層内のLC分子のそのような整合は、介在整合層がその間に介在されないため、時として、自己整合とも称される。したがって、いくつかの実施形態では、広帯域QWPは、それぞれ、非ゼロ捻転を有する、2つ以上の自己整合されるTN LC層を有する、複数のTN LC層を備える。
【0214】
実施形態では、TN LC層は、例えば、反応性メソゲンを使用して形成される、重合化されたLC分子(LCP)を備える。上記に説明されるように、反応性メソゲンは、最初は、低分子量LCであって、これは、従来のLCと同様に、複雑なプロファイルを有するように、表面および捻転によって整合され得るが、次いで、光重合化によって、固体ポリマーフィルムに硬化され得る。
【0215】
図13Dは、統合された切替可能な広帯域波長板1300Dの断面図を図示し、その中に、
図13Aに関して上記に説明されるものに類似するTN LCの切替可能な波長板1300Aが、
図13Cに関して上記に説明されるものに類似する一対の広帯域QWP1324、1326とともに、単一スタックの中に統合される。図示される実施形態では、TN LCの切替可能な波長板1300Aは、接着剤層1348を使用して、その反対側に、対の広帯域4分の1波長板1324、1326を取り付けさせることによって、単一スタックの中に統合される。
【0216】
図13Eは、統合された切替可能な広帯域波長板1300Eの断面図を図示し、その中に、
図13Aに関して上記に説明されるものに類似するTN LCの切替可能な波長板1300Aが、統合されたスタックを形成するために接着剤を使用する代わりに、対の広帯域4分の1波長板1324、1326のうちの1つが、その上にTN LCの切替可能な波長板1300A(
図13A)が直接形成され得る、基板としての役割を果たすことを除き、
図13Dに関して上記に説明されるものと類似様式において、一対の広帯域4分の1波長板1324、1326とともに、単一スタックの中に統合される。例えば、QWP1324、1326の一方の表面上に、TN LCの切替可能な波長板1300Aの異なる層が、直接形成されてもよい。有利なこととして、TN LCの切替可能な波長板1300Aの基板1312の一方または両方は、省略されてもよい。したがって、TN LCの切替可能な波長板1300Aは、対の広帯域QWP1324、1326のうちの一方上に直接形成され、その上に、対の広帯域QWP1324、1326の他方を形成することによって、コンパクトな単一スタックの中に統合される。
【0217】
図13Dおよび13Eに関して上記に例証される実施形態のそれぞれでは、広帯域QWPは、例えば、石英およびMgF2等の液晶ベースの材料または他の非液晶ベースの材料から形成されることができる。
図13Fに関する以下では、広帯域QWPが液晶を備える、実施形態は、特に有利なこととして、TN LCの切替可能な波長板とともに、単一スタックの中に統合され、QWPとしてだけではなく、また、TN LCの切替可能な波長板のための整合層としての役割を果たす。
【0218】
図13Fは、
図13Aに関して上記に説明されるものに類似するTN LCの切替可能な波長板1300Aを統合する、統合された切替可能な広帯域波長板1300Fの断面図を図示する。切替可能な広帯域波長板1300Fは、TN LC層1302のための基板としての広帯域QWP1324、1326の代わりに、広帯域QWP1324、1326が、基板1312の個別の表面上に形成される、薄い重合化されたLC層を備えることを除き、
図13Eに関して上記に説明されるものと類似様式において配列される、一対の広帯域QWP1324、1326を含み、TN LC層1302のLC分子は、TN LC層1302の厚さを画定するスペーサ1350によって広帯域QWP1324、1326の対向表面間に形成される、間隙の中に挿入される。LC分子を挿入する方法は、本明細書の他の場所に説明される。加えて、TN LCの切替可能な波長板1300Aの異なる層および広帯域QWP1324、1326の異なる層は、単一スタックの中に一体的に形成される。例えば、第1の広帯域QWP1324は、基板1312を含み、その上に下側透明電極1316が形成され、その後、整合層1302-2および複数のTN LC層1302-1、1302-2が続く。同様に、第2の広帯域QWP1326は、基板1312を含み、その上に上側透明電極1320が、形成され、その後、整合層1302-0および複数のTN LC層1302-1、1302-2が続く。
【0219】
依然として、
図13Fを参照すると、有利なこととして、間隙に面した第1の広帯域QWP1324のTN LC層1302-2の最外LC分子および間隙に面した第2の広帯域QWP1326のTN LC層1302-2の最外LC分子は、
図13Cに関して上記に説明されるものと類似様式において、TN LC層1302の最外LC分子が自己整合されるように、切替可能なTN LC層1302のための整合層としての役割を果たすように配列される。加えて、TN LCの切替可能な波長板1300Aの異なる層と広帯域QWP1324、1326の異なる層を一体的にスタックすることによって、スタック全体の総厚は、実質的に低減されることができる。例えば、
図13Aに図示されるようなTN LCの切替可能な波長板1300Aと
図13Cに図示されるような広帯域4分の1波長板1324、1326を機械的に接合することは、4つもの基板をもたらすことになるであろうが、切替可能な広帯域波長板1300Fのスタック全体は、2つのみの基板を有する。
【0220】
図13Fおよび本明細書全体を通した種々の実施形態を参照すると、切替可能なLC層、例えば、間隙の中に挿入されるTN LC層1302は、約1μm~50μm、1~10μm、10~20μm、20~30μm、30~40μm、40~50μm、またはこれらの値によって定義された任意の範囲内の値の厚さを有する。加えて、受動LC層、例えば、TN LC層1302-1、1302-2は、約0.1μm~50μm、0.1~1μm、1~10μm、10~20μm、20~30μm、30~40μm、40~50μm、またはこれらの値によって定義された任意の範囲内の値の厚さを有することができる。
【0221】
本明細書に説明される種々の実施形態では、整合層(例えば、
図13C、13Fにおける1302-2)は、LC分子を整合させる、例えば、LC分子の伸長方向を特定の方向に沿って整合させるために使用される。例えば、
図13A-13Fに関して上記に説明されるように、整合層は、配向子(n)、すなわち、所定の方向における伸長LC分子の局所平均伸長方向を画定するために使用されることができる。いくつかの他の実施形態では、整合層は、機械的に擦過される、ポリイミドおよびポリアミド等の有機ポリマー、SiO
2等の斜めに堆積される無機酸化物、または長鎖脂肪族シロキサンから形成されてもよい。いくつかの実施形態では、非接触整合層は、平面偏光を使用して、有機ポリマーから形成され、表面異方性を生成してもよく、これは、ひいては、配向子を画定する。例えば、直接堆積される、または標準的配向層(例えば、ポリイミド)またはLC混合物の中に溶解され得る、アゾ染料のシス-トランス光異性化の使用は、擦過を伴わずに、配向効果を整合層内に生産することができる。アゾ発色団を使用する、非接触整合層は、時として、高強度レーザ光を採用し、染料分子の異性化を誘発する。
【0222】
いくつかの他の実施形態では、ナノ構造のパターンは、LC分子を整合させるための整合層としての役割を果たすことができる。有利なこととして、いくつかの実施形態では、ナノ構造のパターンは、電極層の一部として形成され、光学透過性を改良し、プロセスステップを低減させ、例えば、
図13A-13Fに関して上記に説明される、広帯域波長板の全体的厚さをさらに低減させることができる。本目的を達成するために、
図14Aは、実施形態による、整合層および電極層の二重機能の役割を果たす、ナノ構造1400Aのパターン、例えば、透明基板1312上に形成されるナノワイヤの斜視図を図示する。ナノ構造1400Aのパターンは、例えば、本明細書の他の場所に詳細に説明されるリソグラフィまたはナノインプリント技法を使用して、基板1312上にパターン化されることができる。ナノ構造は、伸長金属ワイヤとしてパターン化される、十分に薄い伝導性材料から形成されることができる。例えば、伝導性材料は、ナノ構造の結果として生じるパターンが、同時に、整合層および電極層としての役割を果たし得るように、厚さおよび電気抵抗率を有する、金、銀、銅、アルミニウム、またはITO、または任意の好適な伝導性材料であることができる。図示される実施形態では、ナノ構造1400Aのパターンは、電流または電圧を周期的伝導性ライン1404Aに供給するためにレール1408Aに接続される、第1の方向、例えば、x-方向に延在する、周期的伝導性ライン1404Aを備える。種々の実施形態では、周期的伝導性ライン1404Aは、1μm~1,000μm、5μm~500μm、10μm~100μm、またはこれらの値によって定義された範囲内の任意の値のピッチを有することができる。伝導性ライン1404は、10nm~1μm、100nm~1,000nm、100nm~500nm、200nm~300nm、またはこれらの値によって定義された範囲内の任意の値の幅を有することができる。周期的伝導性ライン1404は、10nm~1μm、100nm~1000nm、100nm~500nm、400nm~500nm、またはこれらの値によって定義された範囲内の任意の値の厚さを有することができる。周期的伝導性ライン1404Aの材料、厚さ、および幅の組み合わせは、周期的伝導性ライン1404Aの結果として生じるシート抵抗が、約1オーム/平方~100オーム/平方、2オーム/平方~50オーム/平方、5オーム/平方~20オーム/平方、またはこれらの値によって定義された範囲内の任意の値、例えば、約10オーム/平方であるように選択されることができる。加えて、伝導性ライン1404Aの材料および厚さの組み合わせは、可視スペクトル内の結果として生じる透過性が、80%~99%、90%~99%、95%~99%、97%~99%、またはこれらの値によって定義された範囲内の任意の値、例えば、約98%であるように選択されることができる。他の寸法、構成、および値も、可能性として考えられる。
【0223】
図14Bは、ナノ構造1400Bのパターンが、電流を周期的伝導性ライン1404Bに供給するためのレール1408Bに接続される、第2の方向、例えば、y-方向に延在する周期的伝導性ライン1404Bを備えることを除き、
図14Aに関して上記に説明されるナノ構造1400Aのパターンに類似する、ナノ構造1400Bのパターンの斜視図を図示する。
【0224】
図14Cは、実施形態による、一対の電極1400Cの斜視図を図示する。対の電極1400Cは、周期的伝導性ライン1404Aおよび周期的伝導性ライン1404Bが、相互に面し、かつ交差し、1つ以上のLC層、例えば、TN LC層をその中に配置するように構成される、間隙1412によって分離されるように配列される、ナノ構造1400Aのパターンおよびナノ構造1400Bのパターンを含む。有利なこととして、ナノ構造1400Aおよび1400Bのパターンはそれぞれ、ネマチックLC分子、例えば、反応性メソゲンが、その上に形成されると、ナノ構造1400Aおよび1400Bのパターンのそれぞれに直接隣接するLC分子が、例えば、概して、周期的伝導性ライン1404A、1404Bの伸長方向と同一方向に整合される、ネマチックLC分子の配向子と整合された状態になり得るように、
図13C、13Fに関して上記に説明される整合層1302-0に類似する整合層としての役割を果たすことができることが見出されている。加えて、周期的伝導性ライン1404A、1404Bに直接隣接するLC分子間のLC分子は、
図13Aに関して上記に説明されるTN LC層1302に類似する重合化されていないTN LC層および
図13Cに関して上記に説明されるTN LC層1302-1、1302-2、…1302-Mに類似する重合化されたTN LC層が、形成され得るように、捻転剤を使用して、捻転を受けるように構成されることができる。
【0225】
図13Fに戻って参照すると、いくつかの実施形態では、電極および整合層の機能性を組み合わせることによって、ナノ構造1400Aのパターンは、広帯域QWP1324の透明電極1316および整合層1302-0の組み合わせに取って代わることができ、ナノ構造1400Bのパターンは、広帯域QWP1326の透明電極1320および整合層1302-0の組み合わせに取って代わることができ、それによって、よりコンパクトな全体的スタックを可能にすることを理解されたい。
【0226】
依然として、
図14Cを参照すると、動作時、電場の有無別のLC分子の配列および光の偏光に及ぼされる対応する効果は、
図13Aに関して上記に説明されるものに類似する。
【0227】
図15Aおよび15Bは、実施形態による、TN LCの切替可能な広帯域波長板1500の平面図および断面図を図示する。切替のための垂直に分離された電極を有する、
図13A、13Fに関して上記に例証される広帯域波長板と異なり、TN LCの切替可能な広帯域波長板は、切替のために面内に側方に分離された電極を含む。TN LCの切替可能な広帯域波長板1500は、整合電極スタック1524と、整合層スタック1526とを含む。同様に、
図13Fに関して上記に説明されるように、LC分子は、整合電極スタック1524および整合層スタック1526の対向表面間のスペーサ1350によって形成される間隙の中に挿入される。LC分子を挿入する方法は、本明細書の他の場所に説明される。整合電極スタック1524は、上側透明基板1312上に形成される、第1および第2の電極1500A、1500Bを含み、さらに、随意の上側整合層1302-0を含む。整合層スタック1526は、下側透明基板1312上に形成される、下側整合層1302-0を含む。
【0228】
図15Aを参照すると、整合電極スタック1524は、それぞれ、第1および第2の周期的伝導性ライン1504A、1504Bの個別のものを含む、第1および第2の電極1500A、1500Bを含む。周期的伝導性ライン1504Aは、周期的伝導性ライン1504Bと交互嵌合または交錯および交互される。第1および第2の周期的伝導性ライン1504A、1504Bはそれぞれ、それぞれ、パターン化されたナノ構造1400A(
図14A)、1400B(
図14B)に関して上記に説明されるものと類似様式において、レール1508A、1508Bにストラップ留めされる。交互周期的伝導性ライン1504A、1504Bの材料、厚さ、幅、およびピッチは、パターン化されたナノ構造1400A(
図14A)、1400B(
図14B)に関して上記に説明されるものに類似することができる。しかしながら、垂直に分離される、
図14Cに関して上記に説明される対の電極1400Cと異なり、周期的伝導性ライン1504Aは、周期的伝導性ライン1504Aと周期的伝導性ライン1504Bとの間の電場が、側方方向に指向されるように、周期的伝導性ライン1504Bと側方方向、例えば、x-方向に交互する。
【0229】
図15BにおけるTN LCの切替可能なセル1500の断面図を参照すると、
図13Fに関して上記に説明されるものと類似様式において、LC分子は、TN LC層1302(
図13A)に類似するTN LC層(図示せず)が形成され得るように、整合電極スタック1524および整合層スタック1526の対向表面間に形成される、間隙の中に挿入される。LC分子を挿入する方法は、本明細書の他の場所に説明される。
【0230】
いくつかの実施形態では、
図14Cに関して上記に説明されるものと類似様式において、整合電極スタック1524内の交互周期的伝導性ライン1504A、1504Bおよび/または上側整合層1302-0は、
図13Aに関して上記に説明される整合層1316および
図14Cに関して上記に説明される伝導性ライン1404Bと類似様式において、間隙1412内に形成されるTN LC層1302の最外LC分子のための整合層としての役割を果たすことができる。交互周期的伝導性ライン1504A、1504Bが、整合層としての役割を果たすとき、いくつかの実施形態では、上側整合層1302-0は、省略されてもよい。
図13Aに関して上記に説明される整合層1320および
図14Cに関して上記に説明される伝導性ライン1404Aと同様に、下側整合層1302-0は、そこに直接隣接する、間隙1412内のLC分子を整合させる役割を果たし得る。
【0231】
図示されないが、いくつかの実施形態では、図示されるTN LCの切替可能な広帯域波長板1500は、
図1300Fに関して上記に説明されるものと類似様式において、TN LC層1302-1、1302-2、…1302-M(
図13F、図示せず)に類似する複数のTN LC層を交互周期的伝導性ライン1504A、1504Bと間隙1412内のLC分子との間および/または下側整合層1302-0と間隙1412内のLC分子との間に統合し、それによって、
図13Fに関して上記に説明されるものと類似様式において、統合されたQWP機能性を提供することができる。
【0232】
依然として、
図15A、15Bを参照すると、動作時、電場の不在下、交互周期的伝導性ライン1504A、1504Bは、LC分子が、概して、周期的伝導性ライン1504A、1504Bと平行に延在する配向子を有するように、周期的伝導性ライン1504A、1504Bに直接隣接するLC分子のための整合層としての役割を果たす。アクティブ化解除状態では、
図13Aに関して上記に説明されるものと類似様式において、切替可能な広帯域波長板1500は、線形偏光の偏光を転換させるように構成される。他方では、電場が、周期的伝導性ライン1504Aと周期的伝導性ライン1504Bとの間の側方方向、例えば、y-方向に印加されると、直接隣接する周期的伝導性ライン1504A、1504B間のLC分子は、例えば、平行と垂直との間の平行から離れるような方向に、または周期的伝導性ライン1504A、1504Bに対して垂直に、その伸長方向と整合する。アクティブ化状態では、
図13Aに関して上記に説明されるものと類似様式において、切替可能な広帯域波長板1500は、線形偏光の偏光を保存するように構成される。
【0233】
いくつかの実施形態では、電極および整合層の機能性を組み合わせることに加え、第1および第2の電極1500A、1500Bは、例えば、透明電極1316、1320と広帯域波長板1300Fの上側および下側整合層1302-0の組み合わせ(
図13F)に取って代わり、それによって、電極層を半分にすることに起因して、さらによりコンパクトな全体的スタックおよびさらにより改良された透過性を可能にすることができる。
(液晶ベースの波長板レンズ)
【0234】
図12Aに関して上記に説明されるように、広範囲の可視スペクトルにわたって高効率を伴って、画像を複数の深度平面に提供するために、実施形態による、いくつかの広帯域適応波長板レンズアセンブリは、切替可能な波長板と、複屈折液晶の薄膜から形成される、受動的または切替可能であり得る、1つ以上の波長板レンズを含む。以下では、波長板の平面におけるその配向が、それを通して透過される光の偏光状態を集束および/または改変するために適合される、液晶を備える、例示的波長板レンズが、開示される。以下では、レンズおよび波長板の種々の実施形態は、液晶から形成される。
【0235】
液晶ベースの波長板レンズの一実施例は、
図16Aおよび16Bに関して図示される。
【0236】
図16Aおよび16Bは、それぞれ、波長板レンズ1200Aおよび1200Bの実施例を図示し、それぞれ、透明基板1204、例えば、その上に、基板1204の主要表面に沿って軸方向(例えば、x-方向またはy-方向)と平行方向に対して、異なる伸長方向に沿って伸長される、液晶分子1208を形成させている、ガラス基板を備える。すなわち、液晶分子1208は、基板1204の主要表面に対して法線の方向(例えば、z-方向)を中心として異なる回転角度(φ)だけ回転され、φは、層法線と平行方向(例えば、x-方向またはy-方向)に対する液晶分子の伸長方向間の角度として説明される。
【0237】
図示される実装では、中心軸Cまたはレンズの中心から所与の半径における液晶分子1208は、実質的に同一回転角度(φ)を有する。配列されるように、液晶分子1208は、コリメートされた光のビームをある焦点距離における点に集束させるように構成される。任意の理論によって拘束されるわけではないが、液晶分子1208の回転角度(φ)は、rの累乗に比例し得、rは、Cからの半径方向距離であって、約1~3、例えば、2の値を有する。1つの実装では、角度(φ)は、+/-k0r2/fに比例し得、rは、Cからの半径方向距離であって、k0=2π/λは、回折波長板レンズによって集束されることになる光の波数であって、λは、光の波長であって、fは、波長板レンズ1200A、1200Bの焦点距離である。+および-符号は、波長板レンズ1200A、1200Bの中心Cの最近傍の液晶分子1208に対する、液晶分子1208の回転方向に対応し得る。
【0238】
波長板レンズ1200Aおよび1200Bの液晶分子1208のパターンは、相互の反転像を表すことを理解されたい。すなわち、波長板レンズ1200Aおよび1200Bのうちの一方は、波長板レンズ1200Bおよび1200Bの他方を軸方向(例えば、x-方向またはy-方向)の周囲において180度回転させることによって取得され得る。構成されるように、波長板レンズ1200Aおよび1200Bの焦点距離および屈折力は、大きさが同一であるが、反対符号である。
【0239】
いくつかの実装では、波長板レンズ1200Aおよび1200Bはそれぞれ、半波長板レンズとしての役割を果たし得る。半波長板レンズとして構成されるとき、波長板レンズ1200Aおよび1200Bはそれぞれ、入力ビームの偏光に対して、線形偏光の平面を角度2α回転させ、αは、入力偏光方向と波長板軸との間の角度である。円偏光ビームに関して、本角度の変化は、位相偏移および偏光掌性の逆転に変換される。したがって、±2α位相偏移が、偏光掌性に応じた位相偏移の符号を伴って、円偏光ビーム内に生成され得る。
【0240】
図16Cは、いくつかの実施形態による、光の偏光および光が入射する側に応じて、それを通して通過する光を発散または収束させる、波長板レンズの実施例を図示する。半波長板レンズとして構成されるとき、図示される波長板レンズ1200Aは、第1の側に入射する右円偏光(RHCP)光ビーム1212を左円偏光(LHCP)ビーム1216へと発散させるように構成されてもよい。他方では、波長板レンズ1200Aは、第1の側と反対の第2の側に入射するRHCP光ビーム1220を左円偏光(LHCP)ビーム1224へと収束させるように構成されてもよい。
【0241】
波長板レンズ1200Bに関して、状況は、逆転される。
図16Dに図示されるように、半波長板として構成されるとき、波長板レンズ1200Bは、第1の側に入射するLHCP光ビーム1228をRHCPビーム1232へと収束させるように構成されてもよい。他方では、波長板レンズ1200Bは、第1の側と反対の第2の側に入射するLHCP光ビーム1236をRHCPビーム1240へと発散させるように構成されてもよい。
【0242】
したがって、液晶1208の回転角度方向および半径方向分布を制御することによって、波長板レンズは、掌性のいずれかを有する円偏光を収束または発散させるように構成され得る。液晶の回転角度間の関係に基づいて、屈折力は、増加または減少され得ることを理解されたい。加えて、いくつかの実施形態では、液晶は、電場を印加することによって、整合および不整合にされてもよい。したがって、屈折力が約ゼロである限界では、波長板レンズは、波長板、例えば、切替可能な波長板として使用されてもよいことを理解されたい。
(切替可能な波長板を含む、広帯域適応波長板レンズアセンブリ)
【0243】
図12Aに関して上記に説明されるように、広範囲の可視スペクトルにわたって高効率を伴って画像を複数の深度平面に提供するために、実施形態による、いくつかの広帯域適応波長板レンズアセンブリは、切替可能な波長板と、複屈折材料の薄膜、例えば、液晶から形成される、受動的または切替可能であり得る、1つ以上の波長板レンズとを含む。以下では、切替可能な広帯域波長板を備える、広帯域適応波長板レンズアセンブリの実施形態が、開示される。例えば、切替可能な広帯域波長板は、
図13A-13F、
図14A-14Cおよび
図15A-15Bに関して上記に説明される広帯域の切替可能な波長板のうちの1つであってもよい。
【0244】
図17Aは、いくつかの実施形態による、波長板レンズ、例えば、受動波長板レンズと、切替可能な波長板とを備える、広帯域適応波長板レンズアセンブリ1700の実施例を図示する。広帯域適応波長板レンズアセンブリ1700は、例えば、
図10、11A、および11Bに関して上記に説明される対の切替可能な波長板アセンブリ1004、1008のうちのいずれか1つとして構成されてもよい。
図17Bは、動作時、
図17Aに図示される適応レンズアセンブリ1700の切替可能な波長板が、アクティブ化されるときの広帯域適応波長板レンズアセンブリ1700Aを図示する一方、
図17Cは、動作時、
図17Aに図示される適応レンズアセンブリ1700の切替可能な波長板がアクティブ化解除されるときの広帯域適応波長板レンズアセンブリ1700Bを図示する。適応レンズアセンブリ1700は、導波管アセンブリ1012(
図10、11A、11B)から外部結合される光を結合し、それを通して透過させるように構成される。適応レンズアセンブリ1700は、第1の波長板レンズ(L1/HWP1)1704、例えば、第1の半波長板レンズと、第2の波長板レンズ(L2/HWP2)1708、例えば、第2の半波長板レンズと、切替可能な波長板(HWP3)1712、例えば、切替可能な半波長板とを備える。
【0245】
種々の実施形態では、L1/HWP1 1704およびL2/HWP2 1708はそれぞれ、レンズおよび半波長板としての役割を果たすように構成される。
図12Aおよび12Bに関して上記に説明されるように、半波長板として構成されるとき、L1/HWP1 1704およびL2/HWP2 1708はそれぞれ、第1の掌性の円偏光を有する光(第1のHCP)を第2の掌性の円偏光を有する光(第2のHCP)に変換するように構成される。すなわち、L1/HWP1 1704およびL2/HWP2 1708はそれぞれ、それを通して通過する光を変換し、それぞれ、LHCPまたはRHCPを有する光からRHCPまたはLHCPを有する光に変換するように構成される。
【0246】
種々の実施形態では、L1/HWP1 1704およびL2/HWP2 1708はそれぞれ、所与の偏光に関して、第1のレンズ効果または第1のレンズ効果と反対の第2のレンズ効果を有する、レンズとしての役割を果たすように構成される。すなわち、L1/HWP1 1704およびL2/HWP2 1708はそれぞれ、通過する光の収束または発散のいずれかを行うように構成される。種々の実施形態では、L1/HWP1 1704およびL2/HWP2 1708はそれぞれ、入射光の偏光状態に応じて、反対レンズ効果を有するように構成されてもよい。例えば、L1/HWP1 1704およびL2/HWP2 1708はそれぞれ、第1のHCPを有するその上に入射する光を集束させるように構成される一方、第2のHCPを有するその上に入射する光を焦点ずれさせるように構成されてもよい。
【0247】
いくつかの実施形態では、L1/HWP1 1704およびL2/HWP2 1708は、所与のHCPを有する光に関して同一レンズ効果を有するように構成される。すなわち、L1/HWP1 1704およびL2/HWP2 1708は両方とも、LHCPを有する光を集束させ、RHCPを有する光を集束させ、LHCPを有する光を焦点ずれさせる、またはRHCPを有する光を焦点ずれさせるように構成されてもよい。
【0248】
いくつかの実施形態では、L1/HWP1 1704およびL2/HWP2 1708はそれぞれ、
図12Aおよび12Bに関して上記に説明されるように、個別の波長板レンズ1704、1708の中心軸から所与の半径における液晶が同一回転角度(φ)を有するように、伸長および回転される、液晶分子を備えてもよい。第1および第2の波長板レンズ1704、1708はそれぞれ、偏光状態を改変する、例えば、それを通して通過する光の偏光状態を反転させるように構成される。切替可能な波長板1712は、電気的にアクティブ化解除されると、偏光状態を改変する、例えば、それを通して通過する光の偏光状態を反転させるように構成される一方、アクティブ化されると、それを通して通過する光の偏光状態を改変せずに、光を実質的に通過させるように構成される。電気信号、例えば、切替可能な波長板1712を切り替えるための電流信号または電圧信号が、そこに電気的に接続される切替回路1716によって提供されてもよい。
【0249】
種々の実施形態では、アクティブ化解除される、例えば、切替回路1716によって提供される電圧または電流信号を使用して、電気的にアクティブ化解除されると、HWP3 1712B(
図17C)は、半波長板としての役割を果たす。すなわち、アクティブ化解除されると、HWP3 1712B(
図17C)は、それぞれ、それを通して通過する光をLHCPまたはRHCPを有する光からRHCPまたはLHCPを有する光に変換するように構成される、半波長板としての役割を果たす。したがって、L1/HWP1 1704、L2/HWP2 1708、およびHWP3 1712Bはそれぞれ、アクティブ化解除される(
図17C)と、第1の掌性の円偏光(第1のHCP)を有する光を第2の掌性の円偏光(第2のHCP)を有する光に変換するように構成される。
【0250】
種々の実施形態では、アクティブ化される、例えば、切替回路1716によって提供される電圧または電流信号を使用して、例えば、電圧または電流信号を除去することによって、電気的にアクティブ化されると、HWP3 1712A(
図17B)は、偏光または任意のレンズ効果を提供することに影響を及ぼさずに、光のための透過媒体としての役割を果たす。
【0251】
いくつかの実施形態では、単一波長板レンズ1704および/または1708は、波長板レンズおよび切替可能な半波長板の両方として機能してもよい。そのような実施形態では、専用の切替可能な半波長板1712は、省略されてもよい。
【0252】
図17Bは、いくつかの実施形態による、動作時、切替可能な波長板がアクティブ化されている、
図17Aの適応レンズアセンブリの実施例を図示する。適応レンズアセンブリ1700Aは、切替可能な波長板1712が、アクティブ化されると、例えば、電流または電圧が、切替回路1716によって切替可能な波長板1712に印加されないとき、アクティブ化されてもよい。適応レンズアセンブリ1700Aは、第1の適応レンズアセンブリ1004(世界側)または第2の適応レンズアセンブリ1008(ユーザ側)に対応してもよい。一例にすぎないが、適応レンズアセンブリ1700Aは、仮想画像を表示せずに実世界のビューをユーザに表示する、ディスプレイデバイス1000(
図10)の一部としての第1の適応レンズアセンブリ1004または第2の適応レンズアセンブリ1008に対応するように説明されるであろう。例えば、ディスプレイデバイス1000(
図10)は、通常の眼鏡または通常のゴーグルとして使用されてもよい。L1/HWP1 1704およびL2/HWP2 1708はそれぞれ、第1のHCP、例えば、それを通して通過するLHCPを有する光に第1のレンズ効果、例えば、発散効果を及ぼすように構成されてもよい。L1/HWP1 1704およびL2/HWP2 1708はそれぞれまた、反対HCP、例えば、それを通して通過するRHCPを有する光に第1のレンズ効果と反対の第2のレンズ効果、例えば、収束効果を及ぼすように構成されてもよい。
【0253】
図示される実施形態では、光ビーム1720は、ディスプレイデバイス1700Aが、仮想コンテンツを表示せずに、通常の眼鏡またはゴーグルとして使用されている間の第1の適応レンズアセンブリ1004(世界側)または第2の適応レンズアセンブリ1008(ユーザ側)のいずれか上に入射する世界からの光ビームを表し得る。一例にすぎないが、第1のHCP、例えば、LHCPを有する光ビーム1720は、ビーム1720が、それを通して透過されるためにL1/HWP1704上に衝突するまで、例えば、正のz-方向に進行する。L1/HWP1 1704は、LHCPを有する光ビーム1720をRHCPを有する光ビーム1724に変換する。L1/HWP1 1704はまた、レンズとして構成されるため、L1/HWP1 1704はまた、L1/HWP1 1704の第1の屈折力P1に従って、光ビーム1720を発散させる。
【0254】
RHCPを有する光ビーム1724は、続いて、アクティブ化状態におけるHWP3 1712A上に入射する。HWP3 1712Aは、アクティブ化されているため、RHCPを有する光ビーム1724は、偏光またはレンズ効果の観点から実質的に影響されずに、HWP3 1712Aを通して透過し、RHCPを有する光ビーム1728Aとして、L2/HWP2 1708上に入射する。上記に説明されるように、ユーザ側の適応レンズアセンブリ(例えば、
図10における第2の適応レンズアセンブリ1004)として構成されるとき、L2/HWP2 1708は、図示される実施形態では、L1/HWP1 1704と同様に、すなわち、偏光を変換し、LHCPを有する光を発散させる一方、RHCPを有する光を収束させるように構成される。したがって、RHCPを有する光ビーム1728Aは、LHCPを有する光ビーム1732に逆変換される。したがって、HWP3 1712Aが、アクティブ化されると、L1/HWP1 1704およびL2/HWP2 1704は、L1/HWP1 1704およびL2/HWP2 1708が、反対レンズ効果をそれを通して通過する光に及ぼすように、反対偏光を有する光ビームを透過させる。すなわち、L2/HWP2 1704上に入射する光ビーム1728Aは、RHCPを有するため、L2/HWP2 1708から出射する光ビーム1732Aは、第1の屈折力P1に従って発散される、L1/HWP1 1704から出射する光ビーム1724と異なり、第2の屈折力P2に従って収束される。その後、アクティブ化状態における適応レンズアセンブリ1700Aからの出射に応じて、光ビーム1732Aは、眼によって視認され得る。
【0255】
いくつかの実施形態では、HWP3 1712Aが、アクティブ化されると、負(すなわち、発散)であり得るL1/HWP1 1704の第1の屈折力P1および正(すなわち、収束)であり得るL2/HWP2 1708の第2の屈折力P2は、実質的に同一または合致される大きさを有し得る。これらの実施形態では、約-P1+P2であり得る、適応レンズアセンブリ1700Aの正味屈折力Pnetは、L1/HWP1 1704およびL2/HWP2 1708のレンズ効果の補償のため、実質的にゼロであり得る。しかしながら、実施形態は、そのように限定されず、第1および第2の屈折力P1、P2は、正味屈折力Pnetが非ゼロ値を有し得るように、異なる大きさを有してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、非ゼロPnetは、ユーザの眼鏡処方箋と等しく、それによって、ユーザの眼の集束誤差(例えば、屈折集束誤差)の補正を可能にしてもよい。
【0256】
図示される実施形態では、入射光ビーム1720は、LHCPを有するが、類似結果は、入射光ビーム1720がRHCPを有するときにももたらされるであろうことを理解されたい。すなわち、光ビーム1720が、RHCPを有するとき、光ビーム1724および1728Aは、LHCPを有し、図示される実施形態と異なり、光ビーム1724および1728Aは、光ビーム1720に対して収束される。同様に、L2/HWP2 1708は、正味屈折力Pnetが実質的にゼロであり得るように、L1/HWP1 1704によって収束される光ビーム1728Aを発散させる。
【0257】
図17Bに関して上記に説明される、L1/HWP1 1704およびL2/HWP2 1708のレンズ効果および入射光ビームの偏光状態に対するレンズ効果の選択性は、単なる一実施例としての役割を果たし、他の構成も、可能性として考えられることを理解されたい。例えば、
図17Bでは、L1/HWP1 1704およびL2/HWP2 1708は、LHCPを有する光を発散させる一方、RHCPを有する光を収束させるように構成されるが、他の実施形態では、L1/HWP1 1704およびL2/HWP2 1708は、LHCPを有する光を収束させる一方、RHCPを有する光を発散させるように構成されてもよい。,
【0258】
要するに、いくつかの実施形態では、適応レンズアセンブリ1700AのHWP3 1712Aが、アクティブ化状態にあるとき、出射光ビーム1732Aは、入射光ビーム1720と同一HCPを有し、L1/HWP1 1704のP1とL2/HWP2 1708のP2との間のレンズ効果の補償のため、レンズ効果の観点から、入射光ビーム1720に実質的に合致され得る。その結果、ユーザが、仮想コンテンツを視認していないとき、世界のビューは、比較的に、適応レンズアセンブリ(
図10、11A、11Bにおける1004、1008)の存在によって影響されない。
【0259】
図17Cは、いくつかの実施形態による、動作時、切替可能な波長板がアクティブ化解除されている、
図17Aの適応レンズアセンブリの実施例を図示する。適応レンズアセンブリ1700Bは、切替可能な波長板1712Bが、アクティブ化解除されると、例えば、電流または電圧が、切替回路1716によって、切替可能な波長板1712Bに印加されると、アクティブ化解除されてもよい。適応レンズアセンブリ1700Bは、例えば、第1の適応レンズアセンブリ1004(世界側)または第2の適応レンズアセンブリ1008(ユーザ側)に対応してもよい。以下では、一例として、適応レンズアセンブリ1700Bが、最初に、仮想画像をユーザに出力する、ディスプレイデバイス(例えば、
図11Aにおけるディスプレイデバイス1100A)の一部として、ユーザ側の第2の適応レンズアセンブリ1008として構成されるように説明されるであろう。続いて、適応レンズアセンブリ1700Bが、同時に、実世界のビューを透過させながら、仮想画像をユーザに出力し、第2の適応レンズアセンブリ1008のレンズ効果から生じる実世界のビューの歪曲を低減または本質的に排除する、ディスプレイデバイス1100B(
図11B)の一部として、世界側の第1の適応レンズアセンブリ1004として構成されるように説明されるであろう。
【0260】
ユーザ側(
図11A)上の第2の適応レンズアセンブリ1008として構成されるとき、L1/HWP1 1704およびL2/HWP2 1708はそれぞれ、HCPのうちの1つ、例えば、それを通して通過するLHCPを有する光を発散させるように構成されてもよい。L1/HWP1 1704およびL2/HWP2 1708はそれぞれまた、他のHCP、例えば、それを通して通過するRHCPを有する光を収束させるように構成されてもよい。
【0261】
図11Aに関して上記に説明されるように、x-方向に、例えば、全内部反射によって、導波管アセンブリ1012内を伝搬する光の一部は、z-方向に再指向または外部結合されてもよい。導波管アセンブリ1012(
図11A)から外部結合される光は、LHCPを有する円偏光ビーム1720として、切替可能なレンズアセンブリ1700B上に入射してもよい。光ビーム1720は、光ビーム1720が、L1/HWP1704上に衝突し、それを通して透過されるまで、例えば、正のz-方向に進行する。L1/HWP1 1704は、LHCPを有する光ビーム1720をRHCPを有する光ビーム1724に変換する。L1/HWP1 1704は、LHCPを有する光を発散させるように構成されるため、光ビーム1724もまた、L1/HWP1 1704の第1の屈折力P1に従って発散される。
【0262】
RHCPを有する光ビーム1724は、続いて、アクティブ化解除状態におけるHWP3 1712B上に入射する。
図17Bに関して上記に図示されるアクティブ化されるHWP1712Aと異なり、HWP3 1712Bは、アクティブ化解除されているため、HWP3 1712Bを通して透過する、RHCPを有する光ビーム1724は、LCHPを有する光ビーム1728Bに変換される。続いて、LHCPを有する光ビーム1728Bは、L2/HWP2 1708上に入射する。
図17Bに関して上記に図示される光ビーム1728Aと異なり、L2/HWP2 1708上に入射する光ビーム1728Bは、LHCPを有するため、L2/HWP2 1708はさらに、光ビーム1728Bを、第2の屈折力P2に従って、RHCPを有する光ビーム1732Bへと発散させる。すなわち、
図17Bに関して図示されるHWP1712Aのアクティブ化状態と異なり、HWP1712Bは、アクティブ化解除されているため、L1/HWP1 1704およびL2/HWP1 1704は、同一偏光LHCPを有する光ビームを透過させるように構成される。したがって、
図17Bに関して図示される補償効果を有する、L1/HWP1 1704およびL2/HWP2 1708と異なり、
図17CにおけるL1/HWP1 1704およびL2/HWP2 1708は、付加的レンズ効果をそれを通して通過する光に及ぼす。すなわち、L1/HWP1上に入射する光ビーム1720およびL2/HWP2 1704上に入射する光ビーム1728Bの両方が、LHCPを有するため、L2/HWP2 1708から出射する光ビーム1732Bは、L1/HWP1 1704による発散に加え、さらに発散されるであろう。その後、アクティブ化解除状態における適応レンズアセンブリ1700Bからの出射に応じて、光ビーム1732Aは、眼によって視認され得る。
【0263】
いくつかの実施形態では、L1/HWP1 1704の第1の屈折力P1およびL2/HWP2 1708の第2の屈折力P2は両方とも、負(すなわち、発散)であってもよく、実質的に同一または合致される大きさを有してもよい。これらの実施形態では、約P1+P2であり得る、適応レンズアセンブリ1700Bの正味屈折力Pnetは、L1/HWP1 1704およびL2/HWP2 1708の組み合わせの付加的レンズ効果のため、P1またはP2のものの実質的に2倍であり得る。しかしながら、実施形態は、そのように限定されず、第1および第2の屈折力P1、P2は、異なる大きさを有してもよい。
【0264】
図示される実施形態では、入射光ビーム1720は、LHCPを有するが、類似結果は、入射光ビーム1720がRHCPを有するときにももたらされるであろうことを理解されたい。すなわち、光ビーム1720が、RHCPを有するとき、図示される実施形態と異なり、結果として生じる光ビーム1732Bは、LHCPを有し、L1/HWP1 1704およびL2/HWP2 1708によって、第1および第2の屈折力P1およびP2の大きさのほぼ和である大きさを有する、正味屈折力Pnetに従って収束される。
【0265】
図17Cに関して上記に説明される、L1/HWP1 1704およびL2/HWP2 1708のレンズ効果および入射光ビームの偏光状態へのレンズ効果の依存性は、単なる一実施例としての役割を果たし、他の構成も、可能性として考えられることを理解されたい。例えば、
図17Bでは、L1/HWP1 1704およびL2/HWP2 1708は、LHCPを有する光を発散させる一方、RHCPを有する光を収束させるように構成されるが、他の実施形態では、L1/HWP1 1704およびL2/HWP2 1708は、反対に、LHCPを有する光を発散させる一方、RHCPを有する光を収束させるように構成されてもよい。
【0266】
その結果、いくつかの実施形態では、適応レンズアセンブリ1700Bの切替可能な半波長板1712Bが、アクティブ化解除状態にあるとき、出射光ビーム1732Bは、入射光ビーム1720に対して反対HCPを有し、L1/HWP1 1704の付加的屈折力P1およびL2/HWP2 1708のP2に従って発散されてもよい。その結果、ユーザが、仮想コンテンツを視認するとき、仮想コンテンツは、その値が約Pnet=P1+P2である、正味屈折力に従って、眼210の中に集束される。
【0267】
上記には、アクティブ化解除状態における適応レンズアセンブリ1700Bが、
図11Aに関して上記に説明されるディスプレイデバイス1100Aにおけるユーザ側の第2の適応レンズアセンブリ1008として構成されるときについて説明された。しかしながら、
図11Bに関して上記に説明されるように、任意の補償効果を伴わずに、第2の適応レンズアセンブリ1008をアクティブ化し、仮想コンテンツをユーザの眼210に表示することは、実世界のビューの焦点ずれまたは歪曲をもたらし得、これは、望ましくあり得ない。したがって、世界側の第1の適応レンズアセンブリ1004を、仮想コンテンツを表示するようにアクティブ化解除されると、少なくとも部分的に、第2の適応レンズアセンブリ1008のレンズ効果を補償または無効にするように構成することが望ましくあり得る。
【0268】
図17Cに戻って参照すると、ユーザ側の第2の適応レンズアセンブリ1008(
図11B)のレンズ効果を無効にするための世界側の第1の適応レンズアセンブリ1004(
図11B)として構成されるとき、適応レンズアセンブリ1700Bのコンポーネントは、
図11Bに関して上記に説明されるように、同様に構成されてもよい。すなわち、世界510から眼210に透過される光が、第1および第2の適応レンズアセンブリ1004、1008を横断するにつれて、それぞれ、
図17Cに関して説明される適応レンズアセンブリ1700Bに関して上記に説明されるように構成されてもよい。動作時、上記に説明されるように、世界から第1の適応レンズアセンブリ1004を通して透過される光の偏光は、第1の偏光状態から第2の偏光状態、例えば、RHCPからLHCPに変換される。続いて、第2の適応レンズアセンブリ1008を通して透過される光の偏光は、第2の偏光状態から第1の偏光状態、例えば、LHCPからRHCPに逆変換される。さらに、
図11Bに関して上記に説明されるように、世界から第1の適応レンズアセンブリ1004を通して透過される光は、第1の符号、例えば、正の符号を有する、第1の正味屈折力Pnet1=P1+P2に従って、第1のレンズ効果、例えば、収束効果を受ける。続いて、第2の適応レンズアセンブリ1008を通して透過される光は、第2の適応レンズアセンブリ1008上に入射する光が、第1の適応レンズアセンブリ1004上に入射する光と反対偏光を有するため、第2の符号、例えば、負の符号を有する、第2の正味屈折力Pnet2=P1’+P2’に従って、第1のレンズ効果と反対の第2のレンズ効果、例えば、発散効果を受ける。Pnet1およびPnet2が、実質的に類似大きさを有するとき、P=Pnet1+Pnet2によって近似される、全体的レンズ効果は、実質的にゼロであり得る。その結果、ユーザが、第2のレンズアセンブリ1008をアクティブ化することによって、仮想コンテンツを視認し、かつ周囲世界内の実オブジェクトを視認するとき、世界のビューは、比較的に、第1のレンズアセンブリ1004の補償効果によって影響されない。
【0269】
種々の実施形態では、アクティブ化解除されると、第1および第2の適応レンズアセンブリ1004、1008はそれぞれ、約±5.0ジオプタ~0ジオプタ、±4.0ジオプタ~0ジオプタ、±3.0ジオプタ~0ジオプタ、±2.0ジオプタ~0ジオプタ、±1.0ジオプタ~0ジオプタの範囲内(これらの値によって定義された任意の範囲、例えば±1.5ジオプタを含む)の正味屈折力(正または負)を提供してもよい。
(切替可能な半波長板と、波長板レンズとを有する、適応レンズアセンブリを含む、ディスプレイデバイス)
【0270】
以下では、
図10、11Aおよび11Bに関して上記に説明されるディスプレイデバイスの実施例であって、波長板レンズと、切替可能な波長板、例えば、
図17A-17Cに関して上記に説明される適応レンズアセンブリ1300とを備える、適応レンズアセンブリが、いくつかの実施形態に従って統合されている。切替可能な波長板は、例えば、
図13A-13F、
図14A-14C、および
図15A-15Bに関して上記に説明される、広帯域の切替可能な波長板のうちの1つであってもよい。
【0271】
図18Aおよび18Bは、例示的ディスプレイデバイス1800A/1800Bを図示し、それぞれ、第1の広帯域適応導波管レンズアセンブリ1004と第2の広帯域適応導波管レンズアセンブリ1008との間に介在される、導波管アセンブリ1012を含む。ディスプレイデバイス1800Aは、
図11A/11Bに関して上記に説明される、ディスプレイデバイス1100A/1100Bに類似し、第1および第2の適応レンズアセンブリ1004、1008はそれぞれ、第1の波長板レンズ(L1/HWP1)1704、例えば、第1の半波長板レンズと、第2の波長板レンズ(L2/HWP2)1708、例えば、第2の半波長板レンズと、切替可能な波長板(HWP3)1712、例えば、切替可能な半波長板とを備える。
【0272】
図18Aを参照すると、ディスプレイデバイス1800Aは、動作時、
図17Aに関して上記に説明される第1および第2の適応レンズアセンブリ1004、1008の両方とも、アクティブ化されているときとして説明される。第1および第2の適応レンズアセンブリ1004、1008は、切替可能な波長板1712(
図17A)が、アクティブ化されるとき、例えば、電流または電圧が、切替回路1816、1816’によって、切替可能な波長板1712に印加されないとき、アクティブ化されてもよい。構成されるように、ディスプレイデバイス1800Aは、例えば、仮想画像を表示せずに、実世界ビューをユーザに表示するために構成されてもよい。例えば、ディスプレイデバイス1800Aは、
図17Bに関して詳細に説明されるように、通常の眼鏡または通常のゴーグルとして使用されるように構成されてもよい。
図17Aと同様に、第1および第2の適応レンズアセンブリ1004、1008はそれぞれ、第1の波長板レンズ(L1/HWP1)1804、例えば、第1の半波長板レンズと、第2の波長板レンズ(L2/HWP2)1808、例えば、第2の半波長板レンズと、切替可能な波長板(HWP3)1812、例えば、切替可能な半波長板とを含む。
図17Aに関して説明されるように、L1/HWP1 1804およびL2/HWP2 1808はそれぞれ、第1のレンズ効果、例えば、発散効果を、第1のHCP、例えば、それを通して通過するLHCPを有する光に及ぼすように構成されてもよい。加えて、L1/HWP1 1804およびL2/HWP2 1808はそれぞれまた、第1のレンズ効果と反対の第2のレンズ効果、例えば、収束効果を、反対HCP、例えば、それを通して通過するRHCPを有する光に及ぼすように構成されてもよい。アクティブ化解除される、例えば、切替回路1816、1816’によって提供される、電圧または電流信号を使用して、電気的にアクティブ化解除されると、HWP3 1712B(
図17C)は、波長板、例えば、半波長板としての役割を果たす。
図17Cに関して上記に説明されるように、アクティブ化解除されると、HWP3 1712B(
図17C)は、それぞれ、それを通して通過する光をLHCPまたはRHCPを有する光からRHCPまたはLHCPを有する光に変換するように構成される、半波長板としての役割を果たす。他方では、アクティブ化される、例えば、切替回路1816、1816’によって提供される電圧または電流信号を使用して、例えば、電圧または電流信号を除去することによって、電気的にアクティブ化されると、HWP3 1712A(
図17B)は、偏光に影響を及ぼさずに、光のための透過媒体としての役割を果たす。L1/HWP1 1804と、L2/HWP2 1808と、HWP3、1812Aとを含む、第1および第2の適応レンズアセンブリ1004、1008の詳細な動作原理は、
図17Aおよび17Bに関して上記に提供されているため、ここでは省略される。
【0273】
図17Bおよび17Cに関して詳細に説明される動作原理に基づいて、第1および第2の適応レンズアセンブリ1004、1008が、アクティブ化状態にあるとき、第1および第2の適応レンズアセンブリ1004、1008のそれぞれから出射する、光ビーム(例えば、
図17Bにおける1732A)は、その上に入射光ビーム(例えば、
図17Bにおける1720)と同一HCPを有する。加えて、入射光ビーム1720および出射光ビーム1732Aは、
図13Bに関して上記に説明されるように、第1および第2のレンズアセンブリ1004、1008の正味屈折力の補償のため、レンズ屈折力の大きさの観点から、実質的に合致され得る。
【0274】
図18Bは、いくつかの実施形態による、動作時、切替可能な波長板がアクティブ化解除されている、
図18Aのディスプレイデバイスの実施例を図示する。第1および第2の適応レンズアセンブリ1004、1008は、例えば、切替回路1816、1816’を使用して、電流または電圧を切替可能な波長板1712に印加することによって、個別の切替可能な波長板1712(
図17A)をアクティブ化する。以下では、適応レンズアセンブリ1004、1008のレンズ効果から生じる歪曲が低減または本質的に排除された状態で、仮想画像をユーザに出力する一方、また、実世界内のオブジェクトからの光を透過させる、ディスプレイデバイス1800Bの動作が、説明される。
【0275】
仮想画像を表示するとき、
図11Aおよび17Cに関して上記に説明されるように、x-方向に導波管アセンブリ1012内の導波管内を伝搬する光の一部は、z-方向に再指向または外部結合されてもよい。光ビーム1720は、光ビーム1720が第2の適応レンズアセンブリ1008のL1/HWP1804上に衝突するまで、例えば、正のz-方向に進行する。
図17Cに関して上記に説明される、第2の適応レンズアセンブリ1008の動作原理に基づいて、第2の適応レンズアセンブリ1008は、アクティブ化解除状態では、出射光ビーム(例えば、
図17Cにおける1732B)は、入射光ビーム(例えば、
図17Cにおける1720)と反対HCPを有し、仮想コンテンツを対応する仮想深度平面に表示するために、第2の正味屈折力Pnet2に従って発散される。
【0276】
種々の実施形態では、アクティブ化解除されると、第1および第2の適応レンズアセンブリ1004、1008はそれぞれ、約±5.0ジオプタ~0ジオプタ、±4.0ジオプタ~0ジオプタ、±3.0ジオプタ~0ジオプタ、±2.0ジオプタ~0ジオプタ、±1.0ジオプタ~0ジオプタの範囲内(これらの値によって定義された任意の範囲、例えば±1.5ジオプタを含む)の正味屈折力(正または負)を提供してもよい。いくつかの実施形態では、第1および第2の切替可能なアセンブリ1004、1008の屈折力が、世界を視認する際、相互に補償するように、導波管アセンブリ1012と世界との間の第1の適応レンズアセンブリ1004は、正の屈折力を有してもよい一方、導波管アセンブリ1012とユーザとの間の第2の適応レンズアセンブリ1008は、負の屈折力を有してもよい。
【0277】
その結果、依然として
図18Aおよび18Bを参照すると、ディスプレイデバイス1800A/1800Bは、世界510と眼210との間の光学経路内の一対の適応レンズアセンブリ1004、1008を備え、対の適応レンズアセンブリ1004、1008はそれぞれ、電気的にアクティブ化解除されると、それを通して通過する光の偏光状態を改変するように構成される、切替可能な波長板(例えば、
図17A/17Bにおける1712A/1712B)を備える。電気的にアクティブ化解除されると、対の適応レンズアセンブリは、対の適応レンズアセンブリを通して通過する光が、対の適応レンズアセンブリの屈折力の大きさ間のほぼ差である大きさを有する、組み合わせられた屈折力に従って、収束または発散するように、反対符号を有する、正味屈折力(Pnet1、Pnet2)を有する。仮想コンテンツは、負であり得る、Pnet2に従って、ある深度平面においてユーザによって観察され得る一方、世界のビューは、比較的に、少なくとも部分的に、正であり得る、Pnet1によって補償される、Pnet2によって影響されない。
【0278】
いくつかの実施形態では、対の適応レンズアセンブリはそれぞれ、切替回路1816、1816’を使用して、複数の値のうちの1つに電気的に調節可能または同調可能である、個別の正味屈折力(Pnet1、Pnet2)を有する。上記に説明されるように、導波管アセンブリ1012によって外部結合される光によって生産された仮想オブジェクトの画像が、3D内で移動するにつれて、ユーザ側の第2の適応レンズアセンブリ1008の第2の正味屈折力(Pnet2)は、仮想深度平面の変化する深度に適合するように調節される。同時に、実施形態によると、第1の適応レンズアセンブリ1004の第1の正味屈折力(Pnet1)も、対応して、実世界のビューが、望ましくなく焦点ずれまたは歪曲されないように、切替回路1816、1816’を使用して調節される。本および他の必要性に対処するために、いくつかの実施形態では、ディスプレイデバイス1800A/1800Bは、組み合わせられた屈折力(Pnet1+Pnet2)が、ほぼ一定、例えば、約ゼロのままであるように、対の適応レンズアセンブリ1004、1008のうちの第1のものの第1の正味屈折力(Pnet1)が、電気的に調節されると、対の適応レンズアセンブリのうちの第2のものの第2の屈折力(Pnet2)が、対応して、調節されるように構成される、コントローラ1804を備える。コントローラ回路および切替可能な波長板1812は、本明細書に説明されるように、第1および第2の正味屈折力Pnet、Pnet2を切り替え、第2の適応レンズアセンブリ1008を使用して、仮想深度平面を調節し、第1の適応レンズアセンブリ1004を使用して、実世界ビューを補償するための時間が、約100ミリ秒未満、約50ミリ秒未満、およそ約10ミリ秒未満、約5ミリ秒未満、約1ミリ秒未満、またはこれらの値のいずれかによって定義された範囲内の値であるように構成される。
(広帯域の切替可能な波長板レンズ)
【0279】
上記に説明されるように、種々の実施形態によると、広帯域適応波長板レンズアセンブリは、異なる屈折力を有する複数の状態間で選択的に切り替えられることによって、画像を複数の深度平面に生成することができる。上記に説明されるいくつかの実施形態では、広帯域適応波長板レンズアセンブリの広帯域能力は、広帯域の切替可能な波長板(例えば、
図12Aにおける1158)と結合される、1つ以上の広帯域受動波長板レンズ(例えば、
図12Aにおける1154A)によって有効にされることができる。いくつかの他の実施形態では、広帯域適応波長板レンズアセンブリの広帯域能力は、広帯域の切替可能な波長板(例えば、
図12Bにおける1154B)を伴わずに、広帯域の切替可能な波長板レンズによって有効にされることができる。以下では、広帯域の切替可能な波長板レンズの液晶層およびそれを有する広帯域適応レンズアセンブリの構造および構成が、実施形態に従って説明される。
【0280】
図19Aは、種々の実施形態による、透明基板上に形成されるLC分子の層を備える、広帯域波長板レンズ1900の平面図を図示する。最下LC分子または基板に最も近いLC分子の伸長方向および/またはそこから結果として生じるLC分子の局所配向子の空間分布は、
図19Aに描写される矢印のパターンに従って分散されることができる。図示される実施形態では、中心領域から所与の半径における基板に最も近いLC分子は、概して、同一伸長方向を有する。
【0281】
いくつかの実施形態では、波長板レンズ1900は、半径方向に対称であって、半径方向に変調される、複屈折プロファイルを有する、偏光タイプフレネルゾーンプレート(FZP)レンズである。いくつかの実施形態では、LC分子の伸長方向の配向または局所配向子は、数学的関数に従って、半径の関数として変動し得る。図示される実施形態では、LC分子の局所配向子の方位角φは、波長板レンズ1900の中心から異なる半径に配置される異なるゾーン内で離散値を有し得る。例えば、m番目のゾーン内のφは、以下のように表され得る。
【化1】
式中、fは、焦点距離であって、rは、波長板レンズ1900の中心からの距離である。
【0282】
いくつかの他の実施形態では、LC分子の伸長方向または局所配向子の空間分布またはそこから結果として生じる局所複屈折は、
図16Aおよび16Bに関して上記に説明されるものに類似し得る。
【0283】
いくつかの実施形態では、最下LC分子の上方のLC分子の局所配向方向、例えば、伸長方向は、概して、基板に最も近い最下LC分子のものと同一であり得る。いくつかの他の実施形態では、最下LC分子の上方のLC分子の局所配向方向は、概して、基板に最も近い最下LC分子のものと異なり得る。例えば、最下LC分子の上方のLC分子の局所配向方向は、下記(例えば、
図20A、20B)に説明されるように、連続的に捻転されることができる。
【0284】
動作時、
図16Aおよび16Bに関して上記に説明される波長板レンズと類似様式において、広帯域波長板レンズ1900は、第1の偏光、例えば、右回り円偏光(RHCP)を有する入射光1162Bのための凸面(または正の)レンズ(
図19B)として機能する一方、第2の偏光、例えば、左回り円偏光(LHCP)を有する入射光1162Aのための凹面(または負の)レンズ(
図19C)として機能する、偏光選択的レンズ効果を有する。加えて、広帯域波長板レンズ1900は、回折された光の偏光を転換させる。すなわち、RHCPを有する入射光1162Bは、広帯域波長板レンズ1900によって、
図19Bに図示されるように、LHCPを有する光1166Aに変換される一方、LCHPを有する入射光1162Aは、波長板レンズ1900によって、
図19Cに図示されるように、RHCPを有する光1166Bに変換される。回折されない漏出光1904の相対的割合は、上記に説明されるように、回折効率を決定する。
【0285】
本発明者らは、波長板レンズの高帯域幅能力におけるさらなる改良が、特に、LC分子の捻転配列を1つ以上のLC層内で垂直に構成することによって(例えば、
図20A、20B)、または負の分散LC材料(
図21)を採用することによって達成され、回折されない漏出光1904をさらに低減させ、回折効率を増加させ得、これが、ひいては、下記に説明されるように、残影画像等の望ましくない視覚的効果をさらに低減させることを見出した。
【0286】
図20Aおよび20Bは、実施形態による、結晶の複数のLC層を備える、広帯域波長板レンズ2000の平面図および断面図を図式的に図示する。図示される広帯域波長板レンズ2000は、LC層2004、2008の一方による光の遅延が、LC層2004、2008の他方によって補償されるように、反対捻転向きを有する、LC分子を有する、2つのLC層2004、2008のスタックを備える。例証目的のみのために、
図20Aおよび20Bは、特定の方式において図式的に側方に変動する、LC分子の相対的配向を描写する。しかしながら、z方向における所与の深度においてx-y平面を横断したLC分子の側方配列も、
図16Aおよび16Bに関しておよび
図19Aに関して上記に例証されるものを含む、上記に説明される種々の配列のいずれかを有することができることを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態では、基板に最も近いLC分子は、概して、同一局所配向方向、例えば、中心領域から所与の半径において、局所伸長方向または局所配向子を有する、および/または
図19Aに関して上記に説明されるものと類似様式において、半径の関数として変動する、配向方向を有する。加えて、2つのLC層2004、2008内の所与の柱状領域内のLC分子の配列は、ネマチック配向子nを有するものとして表され得、これは、以下に従って、LC層内の垂直場所の関数として変動する。
【化2】
式中、φは、x-z平面における配向子nの方位角である。すなわち、LC層2004、2008の一方内に捻転の第1の向きを有する、LC分子の所与の列に関して、LC層2004、2008の他方内のLC分子の対応する列は、捻転の反対向きを有する。言い換えると、2つのLC層2004、2008内のLC分子は、2つのLC層2004、2008間の界面を中心として相互の鏡像を有する。
【0287】
実施形態によると、反応性メソゲンが、2つのLC層2004、2008内のLC分子の配列を作成するために採用されることができる。例えば、整合層1302-0を基板1312上に好適に構成することによって、整合層1302-0に最も近い第1のLC層2004内の最下LC分子は、第1の方位角を有するように配列されることができる。
【0288】
第1の方位角は、例えば、
図16A、16B、および19Aのいずれかに関して上記に説明されるように、LC分子の伸長方向の配列に従って、画定されることができる。加えて、第1のLC層2004内の最下LC分子の上方のLC分子は、第1のLC層2004の表面に最も近い最上LC分子が第2の方位角を有するように、キラル剤を第1のLC層2004に添加することによって、第1の捻転を有するように構成されることができる。その後、第1のLC層2004の表面領域を好適に構成することによって、第1のLC層2004に最も近い第2のLC層2008内の最下LC分子は、第2の方位角を有するように配列されることができる。加えて、第2のLC層2008内の最下LC分子の上方のLC分子は、第2のLC層2008の表面に最も近い最上LC分子が第3の方位角を有するように、キラル剤を第2のLC層2008に添加することによって、第2のキラル捻転を有するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、第1および第2のキラル捻転は、第1のLC層2004の最下LC分子および第2のLC層2008の最上LC分子が同一の第1の方位角を有するように、ほぼ同一である。
【0289】
一例示的構成では、好適な厚さ、例えば、約1μm~2μmまたは約1.5μm~2μm、例えば、約1.7μm、および好適なキラル捻転約50度~90度または約60度~80度、例えば、約70度を有するようにLC層2004、2008を構成することによって、回折効率の波長範囲が99%を上回る、40%、50%または60%、例えば、約56%を上回る相対的帯域幅Δλ/λoが、実施形態に従って達成されることができる。
【0290】
上記に説明されるように、回折効率(η)は、η=sin2(πΔnd/λ)として表され得、式中、Δnは、複屈折であって、λは、波長であって、dは、厚さである。概して、光学的に異方性の材料は、λの増加に伴って減少する、Δnを示す(本明細書では、Δnの正の分散と称される)。しかしながら、Δnの正の分散は、異なる位相遅延Γ=2πΔnd/λを異なるλにおいてもたらす。本発明者らは、λの増加に伴って増加するΔnを示す(本明細書では、Δnの負の分散と称される)、光学的に異方性の材料を採用することによって、位相遅延Γが、実施形態に従って、異なるλにおいて比較的に一定に保たれることができ、回折効率ηが、比較的に高く、比較的に広波長範囲にわたって一定に保たれることができることを認識する。
【0291】
図21は、実施形態による、基板1312および整合層1312-0上に形成される、負の分散(ND)液晶(LC)層2104を備える、広帯域波長板レンズ2100の断面図を図示する。
図19Aおよび
図20A/20Bに関して上記に説明される広帯域波長板レンズと同様に、レンズ効果を提供するために、ND LC層2104は、例えば、波長板レンズ2100が、中心領域から半径方向に変動する、複屈折(Δn)を有するように、整合層1312-0を好適に配列することによって、配列されることができる。加えて、いくつかの実施形態では、基板1312に最も近い最下LC分子は、例えば、本明細書の他の場所に議論されるように好適に構成される、整合層1312-0を使用して、
図16A、16B、および19Aに関して上記に説明されるものと類似様式において、概して、中心領域から所与の半径において同一配向方向を有し、概して、半径の関数として変動する配向方向を有するように配列されることができる。
【0292】
種々の実施形態では、負の分散(ND)液晶(LC)層2104は、0.05~0.10、0.15~0.20、0.20~0.25、0.25~0.30、0.30~0.35、0.35~0.40、0.40~0.45、0.45~0.50、0.50~0.55、0.55~0.60、0.60~0.65、0.65~0.70、またはこれらの値のいずれかによって定義された範囲内の値のアベレージ、局所値、平均値、中央値、最大値、または最小値複屈折(Δn)を有することができる。加えて、負の分散(ND)液晶(LC)層2104は、0.01~0.05、0.05~0.10、0.15~0.20、0.20~0.25、0.25~0.30、0.30~0.35、0.35~0.40の範囲、またはこれらの値のいずれかによって定義された範囲内の値の層内複屈折(Δn)を有することができる。
【0293】
依然として、
図21を参照すると、
図20Aおよび20Bに関して上記に説明されるLC分子と異なり、ND LC層2104は、垂直に均質であってもよい。例えば、ND LC層2104では、最下LC分子の上方に形成されるLC結晶は、捻転されなくてもよい。代わりに、いくつかの実施形態では、所与の柱状領域内において、局所配向子nは、ND LC層2104の厚さを横断して実質的に一定であってもよい。いくつかの他の実施形態では、所与の柱状領域内において、局所配向子nは、LC層2104の厚さを横断して実質的に無作為であってもよい。
【0294】
種々の実施形態によると、ND LC層2104は、Δnが、約620~780nmの範囲内の波長を含む赤色スペクトル、約492~577nmの範囲内の波長を含む緑色スペクトル、および約435~493nmの範囲内の青色スペクトル、または約400nm~800nm、例えば、400~700nm、430~650nm、または450~630nm内の可視スペクトル内の任意の波長によって定義された波長の範囲内のうちの1つ以上のものを含む、400~800nm内の可視スペクトルの少なくとも一部内の波長(λ)の増加に伴って増加する材料性質を有する、材料、例えば、反応性メソゲンから形成されてもよい。いくつかの実施形態では、これらの波長の範囲のいずれか内において、NC LC層2104は、通常の屈折率noのものより小さい異常屈折率neの分散を有する。
【0295】
いくつかの実施形態では、ND LC層2104は、スメクチック液晶(LC)、例えば、スメクチックLCポリマー合成材料を含む。
【0296】
有利なこととして、いくつかの実施形態では、広帯域波長板レンズ2100は、例えば、複数の層を有する、
図20AおよびBに関して上記に説明される広帯域波長板レンズ2000と異なり、複屈折を有する、単一ND LC層2104を有する。
【0297】
図16A、16B、19A、20A/20B、および21に関して上記に説明される、広帯域波長板レンズの種々の実施形態では、LC層は、実施形態によると、受動的または切替可能であるように構成されることができる。受動レンズとして構成されると、LC分子の層は、重合化されたLC(LCP)から形成されることができる一方、切替可能なレンズとして構成されると、LC分子の層は、重合化されていないLC分子または反応性メソゲンから形成されることができる。切替可能なレンズとして構成されると、
図16A、16B、19A、20A/20B、および21に関して上記に説明される波長板レンズはさらに、上記に説明される種々の実施形態に関して上記に説明されるものと類似様式において、透明電極をLC分子の層の両側(例えば、
図14C)または同一側(例えば、
図15A/15B)上に備える。
【0298】
図22A-22Cは、切替可能な広帯域波長板レンズ2200を図示し、これは、動作時、
図16A、16B、19A、20A/20B、および21に関して上記に説明される、広帯域波長板レンズのいずれかに類似してもよい。
図22A、22B、および22Cは、その上に入射するLHCP光ビームを有する、アクティブ化解除された切替可能な広帯域波長板レンズ2200、その上に入射するRHCP光ビームを有する、アクティブ化解除された切替可能な広帯域波長板レンズ2200およびその上に入射するLHCP光ビーム1162AまたはRHCP光ビーム1162Bを有する、アクティブ化された切替可能な広帯域波長板レンズ2200を図示する。
【0299】
図22Aを参照すると、切替可能な広帯域波長板レンズ2200は、
図16A、16B、19A、20A/20B、および21に関して上記に説明されるように配列され、電気的にアクティブ化およびアクティブ化解除することによって、異なるレンズ状態間で選択的に切り替えられるように構成される、液晶を備える。動作時、切替可能な広帯域波長板レンズ2200は、種々の実施形態によると、入射光1162A、1162Bの偏光、例えば、円偏光に応じて、屈折力-Pに従って、光を発散させ、屈折力Pに従って、光を収束させるように構成される。
【0300】
図22Aを参照すると、アクティブ化解除されると、切替可能な広帯域波長板レンズ2200は、その上に入射するLHCP光ビーム1162Aを、屈折力-Pに従って、RHCP光ビーム1166Bへと発散させるように構成される。逆に言えば、
図22Bを参照すると、アクティブ化解除されると、例えば、電気的にアクティブ化解除されると、切替可能な広帯域波長板レンズ2200は、その上に入射するRHCP光ビーム1162Bを、屈折力Pに従って、LHCP光ビーム1166Aへと収束させるように構成される。他方では、
図22Cを参照すると、アクティブ化されると、例えば、電気的にアクティブ化されると、それを通して通過する円偏光の偏光は、保存され(図示せず)、その上に入射するRHCP光ビーム1162BおよびLHCP光ビーム1162Aは、実質的に収束または発散されずに(すなわち、屈折力P約0)、切替可能な広帯域波長板レンズ2200を通して通過する。
(切替可能な波長板レンズを有する、広帯域適応波長板レンズアセンブリ)
【0301】
図22A-22Cに関して上記に説明されるように、実施形態による、切替可能な広帯域波長板レンズは、アクティブ化解除されると、入射光の偏光に応じて、屈折力Pまたは-Pを付与し得る一方、アクティブ化されると、実質的に屈折力を付与し得ないように構成されることができる。本発明者らは、2つ以上の切替可能な広帯域波長板レンズを組み合わせることによって、より多くのレンズ状態が、仮想画像を多くの異なる焦点深度に表示するために取得されることができることを認識する。以下では、複数の切替可能な広帯域波長板レンズを備える、広帯域適応レンズアセンブリが、説明され、異なる屈折力を有するように広帯域波長板レンズを構成することによって、2
nの異なる屈折力状態が、所与の偏光を有する入射光に関して取得されることができる。
【0302】
図23A-23Dは、第1の切替可能な広帯域波長板レンズ2204と、第2の切替可能な広帯域波長板レンズ2208とを備える、広帯域適応レンズアセンブリ2300を図示し、それぞれ、
図22A-22Cに関して上記に説明される切替可能な波長板レンズに類似する様式で動作し得る。切替可能な広帯域波長板レンズ2204、2208はそれぞれ、
図16A、16B、19A、20A/20B、および21に関して上記に説明される広帯域波長板レンズのいずれかと類似様式において配列されてもよい。
図23A、23B、23C、および23Dは、第1の切替可能な広帯域波長板レンズ2304/第2の切替可能な広帯域波長板レンズ2308が、それぞれ、アクティブ化解除/アクティブ化解除される、アクティブ化解除/アクティブ化される、アクティブ化/アクティブ化解除される、およびアクティブ化/アクティブ化される、状態の組み合わせを図示する。
【0303】
図示される実施形態では、第1の切替可能な広帯域波長板レンズ2304は、
図22A-22Cに関して上記に説明される広帯域波長板レンズ2200と比較して、類似様式において構成される。すなわち、アクティブ化解除されると、第1の切替可能な広帯域波長板レンズ2304は、その上に入射するLHCP光ビーム1162Aを、屈折力-P1に従って、RHCPビーム1166Bへと発散させるように構成される。加えて、図示されないが、アクティブ化解除されると、第1の切替可能な広帯域波長板レンズ2304は、その上に入射するRHCP光ビームを、屈折力+P1に従って、LHCPビームへと収束させるように構成される。他方では、アクティブ化されると、第1の切替可能な広帯域波長板レンズ2304は、それを通して通過する円偏光を実質的に収束または発散させずに(すなわち、屈折力P1約0)、偏光を実質的に保存するように構成される。
【0304】
他方では、第2の切替可能な広帯域波長板レンズ2308は、アクティブ化解除されると、付与される屈折力の符号に対して、
図22A-22Cに関して上記に説明される広帯域波長板レンズ2200と比較して、反対様式で動作するように構成される。すなわち、アクティブ化解除されると、第2の切替可能な広帯域波長板レンズ2308は、その上に入射するLHCP光ビーム1162Aを、屈折力+P2に従って、RHCPビーム1166Bへと収束させるように構成される。加えて、図示されないが、アクティブ化解除されると、第2の切替可能な広帯域波長板レンズ2308は、その上に入射するRHCP光ビームを、屈折力-P2に従って、LHCPビームへと発散させるように構成される。他方では、アクティブ化されると、第2の切替可能な広帯域波長板レンズ2308は、それを通して通過する円偏光を実質的に収束または発散させずに(すなわち、屈折力P2約0)、偏光を実質的に保存するように構成される。
【0305】
図23Aを参照すると、第1の切替可能な広帯域波長板レンズ2304は、アクティブ化解除され、その上に入射するLHCP光ビーム1162Aを、屈折力-P1に従って、RHCP光ビーム1166Bへと発散させる。その後、第2の切替可能な広帯域波長板レンズ2208は、アクティブ化解除され、その上に入射するRHCP光ビーム1166Bを、屈折力-P2に従って、LHCP光ビーム1170Aへと発散させる。要するに、広帯域適応レンズアセンブリ2300上に入射するLHCP光ビーム1162Aは、-(P1+P2)の正味屈折力に従って、LHCP光ビーム1170Aへと発散される。
【0306】
図23Bを参照すると、第1の切替可能な広帯域波長板レンズ2304は、アクティブ化解除され、その上に入射するLHCP光ビーム1162Aを、屈折力-P1に従って、RHCP光ビーム1166Bへと発散させる。その後、第2の切替可能な広帯域波長板レンズ2208は、アクティブ化され、実質的に収束またはさらに発散させずに、それを通して通過するRHCP光ビーム1166Bの偏光を保存する。要するに、広帯域適応レンズアセンブリ2300上に入射するLHCP光ビーム1162Aは、-P1の正味屈折力に従って、RHCP光ビーム1166BAへと発散される。
【0307】
図23Cを参照すると、第1の切替可能な広帯域波長板レンズ2304は、アクティブ化され、実質的に収束または発散させずに、それを通して通過するLHCP光ビーム1162Aの偏光を保存する。その後、第2の切替可能な広帯域波長板レンズ2308は、アクティブ化解除され、その上に入射するLHCP光ビーム1162Aを、屈折力+P2に従って、RHCP光ビーム1170Bへと収束させる。要するに、広帯域適応レンズアセンブリ2300上に入射するLHCP光ビーム1162Bは、+P2の正味屈折力に従って、RHCP光ビーム1170Bへと収束される。
【0308】
図23Dを参照すると、第1および第2の切替可能な広帯域波長板レンズ2304、2308は両方とも、アクティブ化され、実質的に収束または発散させずに、それを通して通過するLHCP光ビーム1162Aの偏光を保存する。したがって、広帯域適応レンズアセンブリ2300上に入射するLHCP光ビーム1162Aは、LHCP光ビーム1162Aとして、実質的に影響されずに出現する。
【0309】
要するに、
図23A-23Dに図示されるように、第1および第2の切替可能な広帯域波長板レンズ2304、2308を選択的に切り替えることによって、広帯域適応レンズアセンブリ2300は、実施形態によると、0、-P1、+P2、および-(P1+P2)の4つの異なる屈折力状態を有することができる。
【0310】
加えて、図示されないが、類似様式において、入射光が、RHCP光ビームであるとき、第1および第2の切替可能な広帯域波長板レンズ2304、2308を選択的に切り替えることによって、広帯域適応レンズアセンブリ2300は、0、+P1、-P2、および+(P1+P2)となるであろう、4つの異なる屈折力状態を有することができる。
【0311】
加えて、図示されないが、いくつかの実施形態では、第2の切替可能な広帯域波長板レンズ2308は、入射光の偏光への屈折力の符号の依存性の観点から、第1の切替可能な広帯域波長板レンズ2304と同一様式で動作するように構成されることができる。これらの実施形態では、例えば、入射光が、LHCP光ビームであるとき、結果として生じる4つの異なる屈折力状態は、0、-P1、-P2、および-(P1-P2)となるであろう。加えて、第2の切替可能な広帯域波長板レンズ2308が、入射光が、RHCP光ビームであるとき、入射光の偏光への屈折力の符号の依存性の観点から、第1の広帯域波長板レンズ2304と比較して、同一様式で動作するように構成される場合、結果として生じる4つの異なる屈折力状態は、0、P1、P2、および(P1-P2)となるであろう。
【0312】
図23A-23Dでは、図示される広帯域適応レンズアセンブリ2300は、レンズ自体(例えば、第1および第2の切替可能な広帯域波長板レンズ2304、2308)を独立して切り替えることによって、可変屈折力を達成するように構成される。しかしながら、第1および第2の切替可能な広帯域波長板レンズ2204、2208の一方または両方が、
図12Aに関して上記に説明されるように、受動波長板レンズ1154Aおよび切替可能な波長板1158の組み合わせに類似する、受動波長板レンズおよび切替可能な波長板の組み合わせによって置換され得る、他の実施形態も、可能性として考えられる。
【0313】
図24Aは、実施形態による、
図19A、20A/20B、および21に関して上記に説明されるものに類似する、LC分子の切替可能な層を備える、統合された広帯域適応レンズアセンブリ2400を図示する。統合された広帯域適応レンズアセンブリ2400は、切替可能なLC層2304を含み、これは、切替可能なLC層2304が一対の受動波長板レンズスタック2308、2312間に介在されることを除き、
図19A、20A/20Bおよび21に関して上記に説明されるものに類似することができる。同様に、
図13Fに関して上記に説明されるように、LC分子は、スペーサ1350によって相互に面する、受動波長板レンズスタック2308、2312の表面間に形成される、間隙の中に挿入され、その挿入する方法は、本明細書の他の場所に説明される。第1の受動波長板レンズスタック2308は、基板1312を含み、その上に、下側透明電極1316が、形成された後、整合層2302および下側の重合化されたLC(LCP)層2302-1が続く。同様に、第2の受動波長板レンズスタック2312は、基板1312を含み、その上に、上側透明電極1320が、形成された後、整合層2302および上側の重合化されたLC(LCP)層2302-2が続く。
【0314】
第1および第2の受動波長板レンズスタック2308、2312はそれぞれ、波長板レンズおよびLC分子を切替可能なLC層2304内で整合させるための整合層としての役割を果たす。同様に、
図13Fに関して上記に説明されるように、間隙に最も近い下側LCP層2302-1のLC分子および間隙に最も近い上側LCP層2302-2のLC分子は、
図13Cに関して上記に説明されるような様式において、切替可能なLC層2304の最外LC分子が自己整合されるように配列される。しかしながら、実施形態は、そのように限定されず、いくつかの他の実施形態では、切替可能なLC層2204の最外LC分子は、第1および第2のLCP層2302-1、2302-2の両方のうちの1つが省略されるように、整合層2302、2302によって十分に整合されてもよい。
【0315】
図24Aおよび本明細書全体を通した種々の実施形態を参照すると、切替可能なLC層、例えば、間隙の中に挿入される、切替可能なLC層2304は、約1μm~50μm、1~10μm、10~20μm、20~30μm、30~40μm、40~50μm、またはこれらの値によって定義された任意の範囲内の値の厚さを有する。加えて、受動LC層、例えば、LCP層2302-1、2302-2は、約0.1μm~50μm、0.1~1μm、1~10μm、10~20μm、20~30μm、30~40μm、40~50μm、またはこれらの値によって定義された任意の範囲内の値の厚さを有することができる。
【0316】
図示される実施形態では、LCP層2302-1、2302-2はそれぞれ、30~90度、40~80度、50~70度、例えば、約60度の正味捻転を有する、LC分子を有することができる。
【0317】
いくつかの実施形態では、切替可能なLC層2304は、
図21に関して上記に説明されるLC層に類似する、単一層であることができる。しかしながら、実施形態は、そのように限定されない。例えば、切替可能なLC層2204は、
図20A/20Bに関して上記に説明されるものと類似様式において、複数のLC層を含むことができる。
【0318】
動作時、
図24Aに関して本明細書に説明される、統合された広帯域適応レンズアセンブリ2400は、
図13Fに関して上記に説明される切替可能な波長板1300Fに類似し得る、いくつかの特性を共有する。例えば、両実施形態では、切替可能な波長板要素(
図13Fにおける切替可能なTN LC層1302および
図24Aにおける切替可能なLC層2304)は、一対の受動波長板要素(
図13Fにおける複数のTN LC層1302-1、1302-2、重合化されたLC(LCP)層2302-1、2302-2)間に介在される。両実施形態では、切替可能な波長板要素は、それを通して通過する光の偏光を直交偏光に変化させるように構成される。同様に、両実施形態では、受動波長板要素も同様に、切替可能な波長板要素が、電気的にアクティブ化され、回折せずに、光をそれを通して通過させるとき、受動波長板要素が、相互に相殺効果を有するように、個別の整合層によって整合される。他方では、切替可能な波長板要素が、電気的にアクティブ化解除され、それを通して通過する光を回折するとき、受動波長板要素は、相補的効果を有する。特定の実施形態では、受動波長板要素が、同一屈折力を有するとき、および切替可能な波長板要素が、アクティブ化されるとき、アセンブリの正味屈折力は、約ゼロであって、光の偏光は、改変されない。他方では、切替可能な波長板要素が、アクティブ化解除されると、アセンブリの正味屈折力は、異なる符号を有する、切替可能かつ受動波長板要素の屈折力の正味和である。以下では、
図24B-24Dに関して、受動波長板要素が、半波長板レンズであって、切替可能な波長板要素もまた、半波長板である、1つの特定の実施形態が、説明される。
【0319】
図24B-24Dは、動作時の統合された広帯域適応レンズアセンブリ2400を図示し、これは、中央における切替可能な半波長板が屈折力を付与するレンズとして構成されることを除き、
図17A-17Cに関して上記に説明される適応レンズアセンブリに類似する。
【0320】
図24Bは、光学機能性の観点から、
図24Aに関して上記に説明される、統合された広帯域適応レンズアセンブリ2400を図示する。
図24Cは、動作時、
図24Bに図示される適応レンズアセンブリ2400の切替可能な波長板レンズ2304がアクティブ化されるときの、統合された広帯域適応レンズアセンブリ2400A(
図24A)を図示する一方、
図24Dは、動作時、
図24Bに図示される統合された広帯域適応レンズアセンブリ2400の切替可能な波長板レンズ2304がアクティブ化解除されるときの、切替可能なアセンブリ2400Bを図示する。統合された広帯域適応レンズアセンブリ2400は、それを通して、導波管アセンブリ1012(
図10、11A、11B)から外部結合された光を結合および透過させるように構成される。統合された広帯域適応レンズアセンブリ2400は、受動波長板レンズスタック2308に対応する第1の波長板レンズ(L1/HWP1)2308(
図24A)、例えば、第1の半波長板レンズと、受動波長板レンズスタック2312に対応する第2の波長板レンズ(L2/HWP2)2312(
図24A)、例えば、第2の半波長板レンズと、切替可能なLC層2304に対応する切替可能な半波長板(L3/HWP3)2304(
図24A)とを備える。
【0321】
図24B-24Dでは、アクティブ化解除状態におけるL3/HWP2304B(
図24D)、L1/HWP1 2308、およびL2/HWP2 2312は、それぞれ、屈折力P3、P1、およびP2を付与し、それを通して通過する円偏光の掌性を第1の掌性(第1のHCP)から第2の掌性(第2のHCP)に転換させるように構成される、受動半波長板レンズとしての役割を果たす。他方では、アクティブ化状態におけるL3/HWP2304A(
図24C)は、それを通して通過する円偏光の掌性を保存するように構成される。
【0322】
加えて、アクティブ化解除されると、例えば、切替回路1716によって提供される電圧または電流信号を使用して、電気的にアクティブ化解除されると、L3/HWP3 2304B(
図24D)は、屈折力P3を有する、半波長板レンズとしての役割を果たす。他方では、切替回路1716を使用して、例えば、電圧または電流信号を除去することによって、アクティブ化されると、L3/HWP3 2304A(
図24C)は、偏光に影響を及ぼさずに、または任意の実質的レンズ効果を提供せずに、光のための透過媒体としての役割を果たす。
【0323】
図24Cは、動作時、L3/HWP2304Aがアクティブ化されるときの、統合された広帯域適応レンズアセンブリ2400Bを図示する。統合された広帯域適応レンズアセンブリ2400Bは、第1の適応レンズアセンブリ1004(
図10、世界側)または第2の適応レンズアセンブリ1008(
図10、ユーザ側)に対応してもよい。一例にすぎないが、統合された広帯域適応レンズアセンブリ2400Aは、仮想画像を表示せずに、実世界のビューをユーザに表示する、ディスプレイデバイス1000(
図10)の一部として、第1の適応レンズアセンブリ1004または第2の適応レンズアセンブリ1008に対応するように説明されるであろう。例えば、ディスプレイデバイス1000(
図10)は、通常の眼鏡または通常のゴーグルとして使用されてもよい。L1/HWP1 2308およびL2/HWP2 2312はそれぞれ、第1のレンズ効果、例えば、発散効果を、それを通して通過する第1のHCP、例えば、LHCPを有する光に及ぼすように構成されてもよい。示されないが、L1/HWP1 2308およびL2/HWP2 2312はそれぞれまた、第1のレンズ効果と反対の第2のレンズ効果、例えば、収束効果を、それを通して通過する反対HCP、例えば、RHCPを有する光に及ぼすように構成されてもよい。
【0324】
図示される実施形態では、光ビーム1720は、ディスプレイデバイス1000(
図10)が、仮想コンテンツを表示せずに、通常の眼鏡またはゴーグルとして使用される間の、第1の適応レンズアセンブリ1004(世界側)または第2の適応レンズアセンブリ1008(ユーザ側)のいずれか上に入射する、世界からの光ビームを表してもよい。一例にすぎないが、第1のHCP、例えば、LHCPを有する、光ビーム1720は、例えば、ビーム1720がL1/HWP2308を通して通過し、それを通して透過され、第1の屈折力-P1に従って、光ビーム1720を発散させながら、RHCPを有する光ビーム1724に変換されるまで、正のz-方向に進行する。
【0325】
依然として、
図24Cを参照すると、続いて、L3/HWP3 2304Aは、アクティブ化されるため、RHCPを有する光ビーム1724は、偏光またはレンズ効果の観点から実質的に影響されずに、L3/HWP3 2304Aを通して透過し、RHCPを有する光ビーム1728Aとして、L2/HWP2 2312上に入射する。上記に説明されるように、ユーザ側(例えば、
図10における第2の適応レンズアセンブリ1004)上に適応レンズアセンブリとして構成されると、L2/HWP2 2312は、L1/HWP1 1704(
図17B)と同様に、すなわち、偏光を変換し、RHCPを有する光を収束させながら、LHCPを有する光を発散させるように構成される。したがって、RHCPを有する光ビーム1728Aは、LHCPを有する光ビーム1732Aに逆変換される。したがって、L3/HWP3 2304Aが、アクティブ化されると、L1/HWP1 2308およびL2/HWP2 2312は、L1/HWP1 2308およびL2/HWP2 2312が、反対レンズ効果をそれを通して通過する光に及ぼすように、反対偏光を有する光ビームを透過させる。すなわち、L2/HWP2 2312上に入射する光ビーム1728Aは、RHCPを有するため、L2/HWP2 2312から出射する光ビーム1732Aは、第1の屈折力-P1に従って発散される、L1/HWP1 1704から出射する光ビーム1724と異なり、第2の屈折力+P2に従って収束される。その後、アクティブ化状態における適応レンズアセンブリ1700Aから出射することに応じて、光ビーム1732Aは、眼によって視認され得る。
【0326】
いくつかの実施形態では、L3/HWP3 2304Aが、アクティブ化されると、L1/HWP1 2308の第1の屈折力-P1およびL2/HWP2 2312の第2の屈折力+P2は、反対符号を有するが、実質的に同一または合致される大きさを有し得る。これらの実施形態では、約-P1+P2であり得る、統合された広帯域適応レンズアセンブリ2400の正味屈折力Pnetは、視認者への世界のビューが実質的に影響されないように、実質的にゼロであり得る。しかしながら、実施形態は、そのように限定されず、第1および第2の屈折力-P1、+P2は、正味屈折力Pnetが非ゼロ値を有し得るように、異なる大きさを有してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、非ゼロPnetは、ユーザの眼鏡処方箋と等しく、それによって、ユーザの眼の集束誤差(例えば、屈折集束誤差)の補正を可能にしてもよい。
【0327】
図示される実施形態では、入射光ビーム1720は、LHCPを有するが、類似結果は、入射光ビーム1720がRHCPを有するときにももたらされるであろう。すなわち、光ビーム1720が、RHCPを有するとき、光ビーム1724および1728Aは、LHCPを有し、図示される実施形態と異なり、光ビーム1724および1728Aは、屈折力+P1に従って収束される。同様に、光ビーム1728Aは、正味屈折力Pnetが、実質的にゼロであり得る、+P1-P2であり得るように、屈折力-P2に従って発散される。
【0328】
図24Cに関して上記に説明されるL1/HWP1 2308およびL2/HWP2 2312のレンズ効果および入射光ビームの偏光状態のレンズ効果の選択性は、単なる一実施例としての役割を果たし、他の構成も、可能性として考えられることを理解されたい。例えば、
図24Cでは、L1/HWP1 2408およびL2/HWP2 2312は、LHCPを有する光を発散させる一方、RHCPを有する光を収束させるように構成されるが、他の実施形態では、L1/HWP1 2308およびL2/HWP2 2312は、LHCPを有する光を収束させる一方、RHCPを有する光を発散させるように構成されてもよい。
【0329】
要するに、いくつかの実施形態では、L3/HWP3 2304Aが、アクティブ化状態にあるとき、出射光ビーム1732Aは、入射光ビーム1720と同一HCPを有し、L1/HWP1 2308のP1とL2/HWP2 2312のP2との間のレンズ効果の補償のため、レンズ効果の観点から、入射光ビーム1720に実質的に合致され得る。その結果、ユーザが、仮想コンテンツを視認していないとき、世界のビューは、比較的に、適応レンズアセンブリ(
図10、11A、11Bにおける1004、1008)の存在によって影響されない。
【0330】
図24Dは、動作時、L3/HWP3 2304Bがアクティブ化解除されるときの、
図24Bの適応レンズアセンブリの実施例を図示する。統合された広帯域適応レンズアセンブリ2400Bは、例えば、第1の適応レンズアセンブリ1004(世界側)または第2の適応レンズアセンブリ1008(ユーザ側)に対応してもよい。以下では、一例として、統合された広帯域適応レンズアセンブリ2400Bは、最初に、仮想画像をユーザに出力する、ディスプレイデバイス(例えば、
図11Aにおけるディスプレイデバイス1100A)の一部として、ユーザ側の第2の適応レンズアセンブリ1008として構成されるように説明されるであろう。続いて、統合された広帯域適応レンズアセンブリ2400Bは、同時に、実世界のビューを透過させながら、仮想画像をユーザに出力し、第2の適応レンズアセンブリ1008のレンズ効果から生じる実世界のビューの歪曲を低減または本質的に排除する、ディスプレイデバイス1100B(
図11B)の一部として、世界側の第1の適応レンズアセンブリ1004として構成されるように説明されるであろう。
【0331】
ユーザ側(
図11A)上の第2の適応レンズアセンブリ1008として構成されるとき、L1/HWP1 2308およびL2/HWP2 2312はそれぞれ、HCPのうちの1つ、例えば、それを通して通過するLHCPを有する光を発散させるように構成されてもよい。L1/HWP1 2308およびL2/HWP2 2312はそれぞれまた、他のHCP、例えば、それを通して通過するRHCPを有する光を収束させるように構成されてもよい。
【0332】
図11Aに関して上記に説明されるように、x-方向に、例えば、全内部反射によって、導波管アセンブリ1012内を伝搬する光の一部は、z-方向に再指向または外部結合されてもよい。導波管アセンブリ1012(
図11A)から外部結合される光は、LHCPを有する円偏光ビーム1720として、統合された広帯域適応レンズアセンブリ2400B上に入射してもよい。光ビーム1720は、例えば、光ビーム1720が、L1/HWP2308を通して透過され、RHCPを有する光ビーム1724に変換される一方、また、L1/HWP1 2308の第1の屈折力-P1に従って発散されるまで、正のz-方向に進行する。
【0333】
続いて、L3/HWP3 2304Bは、アクティブ化解除されるため、L3/HWP3 2304Bを通して透過させる、RHCPを有する光ビーム1724は、LCHPを有する光ビーム1728Bに変換される一方、また、第3の屈折力-/+P3に従って発散または収束される。続いて、LHCPを有する光ビーム1728Bは、L2/HWP2 2312上に入射する。
図24Cに関して上記に例証される光ビーム1728Aと異なり、L2/HWP2 2312上に入射する光ビーム1728Bは、LHCPを有するため、L2/HWP2 2312はさらに、光ビーム1728Bを、第2の屈折力-P2に従って、RHCPを有する光ビーム1732Bへと発散させる。したがって、
図24Cに関して図示される構成と異なり、
図24DにおけるL1/HWP1 2308、L2/HWP2 2312、およびL3/HWP3 2304Bは、付加的レンズ効果を有することができる。その後、アクティブ化解除状態における適応レンズアセンブリ1700Bから出射することに応じて、光ビーム1732Aは、眼によって視認され得る。
【0334】
いくつかの実施形態では、L1/HWP1 2308の第1の屈折力-P1およびL2/HWP2 2312の第2の屈折力-P2は両方とも、負(すなわち、発散)であってもよく、実質的に同一または合致される大きさを有してもよい。加えて、L3/HWP3 2304Bの第3の屈折力-P3も、負であってもよい。これらの実施形態では、統合された広帯域適応レンズアセンブリ2400Bの正味屈折力Pnetは、約-(P1+P2+P3)であり得る。しかしながら、実施形態は、そのように限定されず、いくつかの他の実施形態では、L3/HWP3 2304Bの第3の屈折力+P3は、正であってもよい。これらの実施形態では、統合された広帯域適応レンズアセンブリ2400Bの正味屈折力Pnetは、約-(P1+P2)+P3であり得る。加えて、第1および第2の屈折力P1、P2は、異なる大きさを有してもよい。
【0335】
図示される実施形態では、入射光ビーム1720は、LHCPを有するが、相等する結果は、入射光ビーム1720がRHCPを有するときにももたらされるであろう。すなわち、光ビーム1720が、図示される実施形態と異なり、RHCPを有するとき、結果として生じる光ビーム1732Bは、LHCPを有し、正味屈折力Pnet=+(P1+P2+P3)に従って、L1/HWP1 2308、L2/HWP2 2312、およびL3/HWP3 2304Bによって収束されることができる。
【0336】
図24Dに関して上記に説明されるL1/HWP1 2308、L2/HWP2 2312、およびL3/HWP2304Bのレンズ効果および入射光ビームの偏光状態へのレンズ効果の依存性は、単なる一実施例としての役割を果たし、他の構成も、可能性として考えられる。例えば、図示される実施形態と異なり、L1/HWP1 2308、L2/HWP2 2312、およびアクティブ化解除されたL3/HWP3 2304Bはそれぞれ、LHCPを有する光を収束させる一方、RHCPを有する光を発散させるように構成されてもよい。
【0337】
上記には、アクティブ化解除状態における統合された広帯域適応レンズアセンブリ2400Bが、
図11Aに関して上記に説明されるディスプレイデバイス1100Aにおけるユーザ側の第2の適応レンズアセンブリ1008として構成されるときについて説明された。しかしながら、
図11Bに関して上記に説明されるように、任意の補償効果を伴わずに、第2の適応レンズアセンブリ1008をアクティブ化し、仮想コンテンツをユーザの眼210に表示することは、実世界のビューの焦点ずれまたは歪曲をもたらし得、これは、望ましくあり得ない。したがって、世界側の第1の適応レンズアセンブリ1004を、仮想コンテンツを表示するようにアクティブ化解除されると、少なくとも部分的に、第2の適応レンズアセンブリ1008のレンズ効果を補償または無効にするように構成することが望ましくあり得る。
【0338】
図24Dに戻って参照すると、ユーザ側の第2の適応レンズアセンブリ1008(
図11B)のレンズ効果を無効にするための世界側の第1の適応レンズアセンブリ1004(
図11B)として構成されるとき、適応レンズアセンブリ1700Bのコンポーネントは、
図11Bに関して上記に説明されるように、同様に構成されてもよい。すなわち、世界510から眼210に透過される光が、第1および第2の適応レンズアセンブリ1004、1008を横断するにつれて、それぞれ、
図24Dに関して説明される統合された広帯域適応レンズアセンブリ2400Bに関して上記に説明されるように構成されてもよい。動作時、上記に説明されるように、世界から第1の適応レンズアセンブリ1004を通して透過される光の偏光は、第1の偏光状態から第2の偏光状態、例えば、RHCPからLHCPに変換される。続いて、第2の適応レンズアセンブリ1008を通して透過される光の偏光は、第2の偏光状態から第1の偏光状態、例えば、LHCPからRHCPに逆変換される。さらに、
図11Bに関して上記に説明されるように、世界から第1の適応レンズアセンブリ1004を通して透過される光は、第1の符号、例えば、正の符号を有する、第1の正味屈折力Pnet1=(P1+P2+P3)に従って、第1のレンズ効果、例えば、収束効果を受ける。続いて、第2の適応レンズアセンブリ1008を通して透過される光は、第2の適応レンズアセンブリ1008上に入射する光が、第1の適応レンズアセンブリ1004上に入射する光と反対偏光を有するため、第2の符号、例えば、負の符号を有する、第2の正味屈折力Pnet2=-(P1’+P2’+P3’)に従って、第1のレンズ効果と反対の第2のレンズ効果、例えば、発散効果を受ける。Pnet1およびPnet2が、実質的に類似大きさを有するとき、P=Pnet1+Pnet2によって近似される、全体的レンズ効果は、実質的にゼロであり得る。その結果、ユーザが、第2のレンズアセンブリ1008をアクティブ化することによって、仮想コンテンツを視認し、かつ周囲世界内の実オブジェクトを視認するとき、世界のビューは、比較的に、第1のレンズアセンブリ1004の補償効果によって影響されない。
【0339】
種々の実施形態では、アクティブ化解除されると、第1および第2の適応レンズアセンブリ1004、1008はそれぞれ、約±5.0ジオプタ~0ジオプタ、±4.0ジオプタ~0ジオプタ、±3.0ジオプタ~0ジオプタ、±2.0ジオプタ~0ジオプタ、±1.0ジオプタ~0ジオプタの範囲内(これらの値によって定義された任意の範囲、例えば±1.5ジオプタを含む)の正味屈折力(正または負)を提供してもよい。
【0340】
図25Aおよび25Bは、L3/HWP3 2304が、それぞれ、アクティブ化解除(
図24C)およびアクティブ化(
図24D)される、統合された広帯域適応レンズアセンブリ2400(
図24A/24B)に対応する、透過スペクトルを図示する、グラフ2500A、2500Bである。シミュレーションは、L3/HWP3 2304が、10μmの厚さの重合化されていないLC層(例えば、
図23における切替可能なLC層2304)から形成され、0.2のΔnを有する、切替可能なLC層2304を備える一方、L1/HWP1 2308およびL2/HWP2 2312がそれぞれ、60度の捻転角度を有する重合化された捻転されたLC分子から形成される、重合化されたLC層(例えば、
図24Aにおける上側および下側の重合化されたLC(LCP)層2302-1、2303-2)を備える、統合された広帯域適応レンズアセンブリ2400に対応する。グラフ2500Aに図示されるように、L3/HWP3 2304Aが、アクティブ化解除される(
図24C)と、回折効率は、漏出光が低く(最大約20%)なるように高く、入射光が、400nm~800nmを通して、実質的に漏出せずに、統合された広帯域適応レンズアセンブリ2400Aによって効率的に回折されることを示す。他方では、グラフ2500Bに図示されるように、L3/HWP3 2304Bが、アクティブ化される(
図24D)と、回折効率は、非常に高く、入射光は、大部分が、回折を伴わずに透過され(約100%)、入射光は、大部分が、400nm~800nmで統合された広帯域適応レンズアセンブリ2400Aによって回折されないことを示す。
(広帯域適応レンズアセンブリ内の色収差低減)
【0341】
広範囲の波長にわたって高効率を有するが、いくつかの広帯域適応レンズアセンブリは、光の波長に実質的に依存し、それによって、有意な色収差につながる、焦点距離または屈折力を有し得る。これは、比較的に大焦点距離に関して、レンズ屈折力が、対応する波長に比例するためである。すなわち、異なる波長における波長板レンズに関する屈折力P(λ)の依存性は、P(λB)=P(λG)λB/λGおよびP(λR)=P(λG)λR/λGとして近似され得、B、G、およびRは、それぞれ、青色スペクトル内の波長、緑色スペクトル内の波長、および赤色スペクトル内の波長に対応する。したがって、広帯域適応レンズアセンブリ内の色収差を低減させる必要がある。以下では、色収差を低減させる方法が、実施形態に従って説明される。
【0342】
上記では、例えば、
図23A-23Dに関して、2つの切替可能な広帯域波長板レンズを有する、広帯域適応レンズアセンブリの実施形態が、開示され、これは、円偏光を有する光に関して、2
2=4の屈折力状態につながる。さらに言うと、2つを上回る(N)切替可能な広帯域波長板レンズを備える、スタックが、形成され、2
Nの屈折力状態を有することができる。例えば、3つの切替可能な広帯域波長板レンズ(N=3)を有する、広帯域適応レンズアセンブリに関して、8つの屈折力状態が、達成されることができる。表1は、3つの切替可能な広帯域波長板レンズを備える、広帯域適応アセンブリの計算された屈折力を図示し、各切替可能な広帯域波長板レンズは、例えば、
図22A-22Cに関して上記に説明される、切替可能な広帯域波長板レンズに類似する。
【表1】
【0343】
3つの切替可能な広帯域波長板レンズを有する、広帯域適応アセンブリに関して、正味レンズ屈折力は、Pnet=((S1
*P1+P2)*S2+P3)*S3として表され得、式中、PiおよびSi=±1(i=1、2、3)は、個々の切替可能な広帯域波長板レンズの屈折力および屈折力状態である。例えば、アクティブ化状態は、S=+1として表され得る一方、アクティブ化解除状態は、S=-1として表され得る。表1を参照すると、状態1-状態8と標識された列は、3つのレンズ毎の異なるレンズ状態に対応し、青色、緑色、および赤色の行は、それぞれ、光の青色、緑色、および赤色を表す、450nm、525nm、および632nmの波長に関する計算された屈折力を表す。計算では、1つの偏光、例えば、第1の円偏光を有する光のみが、眼に到達し、他のものは、再利用されるか、または反射されるかのいずれかであると仮定されている。例証目的のために、3つの個々の広帯域波長板レンズの屈折力は、緑色波長(525nm)では、0.5D、0.5D、および1.5Dであると計算される。表1に基づいて、0.5D、1.5D、および2.5Dの標的正味屈折力を取得するために、レンズ状態3、5、および1が、選択され得ることが分かる。しかしながら、青色および赤色波長(450nm~632nm)における正味屈折力は、例えば、赤色波長のための2.5Dの標的正味屈折力に関して、0.51Dもの有意な色収差を引き起こし得ることが観察される。
【0344】
しかしながら、本発明者らは、表1に図示されるように、1つの状態を使用して、3つの色のための1つの標的正味屈折力を達成する代わりに、1つを上回る状態が、異なる色のための所与の標的正味屈折力を達成するために使用される場合、色収差が実質的に低減され得ると認識する。本アプローチは、表2に図示される。
【表2】
【0345】
表2を参照すると、1つを上回る状態を使用して、異なる色のための所与の標的正味屈折力および若干異なる標的レンズ屈折力を達成することによって、色収差が、実質的に低減されることができる。ここでは、3つの個々の広帯域波長板レンズの屈折力は、緑色波長(525nm)では、0.4D、0.7D、および1.6Dである。表2に基づいて、0.5Dの標的正味屈折力を取得するために、単一レンズ状態3が選択され得ることが分かる。しかしながら、色収差を低減させるために、1.5Dの標的正味屈折力に関して、状態5および7が、選択され得、2.5Dの標的正味屈折力に関して、状態1および5が、選択され得る。表1に示される2.5Dの標的正味屈折力のための0.51Dの色収差と比較して、異なる色に関する1つを上回る状態を使用することによって、赤色波長のための2.5Dの標的正味屈折力に関する色収差が、0.2まで低減されることができる。
【0346】
図26A、26B、および26Cは、実施形態による、それぞれ、青色、緑色、および赤色波長のための計算された標的屈折力正味屈折力対実際の正味屈折力を図示する、グラフ2600A、2600B、および2600Cであって、標的正味屈折力を達成するために異なる色波長のための異なるレンズ状態を使用する方法を使用することによって達成される、改良された色収差性能を図示する。グラフ2600A、2600B、および2600Cのそれぞれでは、中実黒色線2612、2622、および2632は、標的正味屈折力を表し、点線2604、2614、および2624は、表1に関して上記に説明されるように、単一レンズ状態を使用して、所与の屈折力を取得する方法が使用されるときの、計算された屈折力を表し、中実灰色線2608、2618、および2628は、表2に関して上記に説明されるように、複数のレンズ状態を使用して、所与の屈折力を取得する方法が使用されるときの、計算された屈折力を表す。観察されるように、実際の屈折力は、所与の屈折力を取得するための複数のレンズ状態が使用されるとき、標的屈折力により近い。
(光整合を使用した広帯域波長板および波長板レンズの加工)
【0347】
図27A-27Cは、広帯域波長板または広帯域波長板レンズの例示的加工方法を図示する。
図27Aの中間構造2700Aを参照すると、透明基板1312が、提供され、その上に、整合層1302-0が形成される。透明基板1312は、例えば、二酸化ケイ素、サファイア、または任意の好適な透明材料を含むことができる。示されないが、本明細書に説明される種々の実施形態による、整合層1302-0の形成につながる、付加的構造および層が、基板1312上に存在してもよいことを理解されたい。一例として、切替可能な波長板1300F(
図13F)を形成するとき、整合層1302-0を形成するステップに先立って、透明電極層1316、1320の第1のものが、整合層1302-0の形成に先立って、基板1312上に存在してもよい。
【0348】
いくつかの実施形態では、整合層1302-0は、光整合層であることができ、その上に、LC分子が、堆積されると、LC分子は、例えば、光整合層によって液晶分子上に付与される係留エネルギーに起因して、優先方向に沿って配向された状態となり得る。光整合層の実施例は、いくつか挙げると、ポリイミド、線形偏光重合性ポリマー(LPP)、アゾ含有ポリマー、クマリン含有ポリマー、およびケイ皮酸含有ポリマー、および
図13C、13Fに関して上記に説明される他の複合材を含む。
【0349】
整合層1302-0は、前駆体、例えば、モノマーを好適な溶媒中に溶解し、好適なプロセス、例えば、他の堆積プロセスの中でもとりわけ、スピンコーティング、スロットコーティング、ドクターブレードコーティング、スプレーコーティング、およびジェット(インクジェット)コーティングを使用して、基板1312を溶液でコーティングすることによって形成されてもよい。溶媒は、その後、コーティングされた溶液から除去されることができる。整合層1302-0はまた、その上へのLC分子の後続整合に備えて、例えば、偏光器を用いて、硬化、例えば、UV硬化されてもよい。
【0350】
図27Bの中間構造2700Bを参照すると、整合層1302-0をコーティング後、整合層1302-0は、光学的にパターン化または記録される。光学パターン化は、ホログラフィック2ビーム暴露プロセス(
図28)またはマスタレンズおよび1ビーム暴露プロセスを使用した光学複製プロセス(
図29A、29B)を使用して、実施されることができる。
【0351】
中間構造2700Cまたは
図27Cを参照すると、整合層1302-0をコーティング後、LC層2704が、その上に形成される。LC層2704は、例えば、他の堆積プロセスの中でもとりわけ、スピンコーティング、スロットコーティング、ドクターブレードコーティング、スプレーコーティング、およびインクジェットコーティングを含む、好適なプロセスを使用して、整合層1302-0上に、反応性メソゲン混合物(例えば、液晶モノマー、溶媒、光開始剤、および界面活性剤を含む)を堆積させることによって形成されてもよい。
【0352】
LC層2704が、受動波長板レンズまたは切替可能な波長板の一部として統合されると、LC層2704は、LC分子が、上記に説明されるように、固定して配向された状態になり得るように、硬化、例えば、UV硬化され、LC層2704を光重合化してもよい。
【0353】
対照的に、LC層2704が、切替可能な波長板レンズまたは切替可能な波長板の一部として統合されると、LC層2704は、LC分子が、上記に説明されるように、切替信号に応答して、それ自体を再配向し得るように、LC層2704を重合化せずに、さらに処理されてもよい。
【0354】
堆積に応じて、整合層1302-0の直上にある、液晶(LC)層2704の少なくとも最下LC分子は、本明細書に説明される種々の用途に応じて、整合層1302-0の構成に従って自己編成され得る。例えば、LC層2704が、広帯域波長板レンズの一部を形成するとき、整合層1302-0は、最下LC分子が、上記に説明されるように、例えば、
図16A、16B、19Aに関して説明されるように、中心領域から半径方向外向き方向にある、LC層2704の半径に沿って変動する、局所配向または配向子を有するように構成される。加えて、LC層2704が、広帯域波長板の一部を形成するとき、整合層1302-0は、最下LC分子が、例えば、
図13A、13Cに関して説明されるように、その長軸が、概して、第1の側方方向に延在する状態で配向される、局所配向または配向子を有するように構成される。依然として、
図27Cを参照すると、LC層2704では、いくつかの実施形態では、本願の他の場所に説明されるように、LC層2704内の最下LC分子の上方のLC分子は、LC層2704内の最下LC分子と異なるように配列されるように構成されてもよい。例えば、LC層2704内の最上LC分子は、LC層2704上に形成される第2の整合層と異なるように整合されてもよい。加えて、最上LC分子と最下LC分子との間のLC分子は、
図13Cおよび20A/20Bを含む、種々の実施形態に関して説明されるように、捻転を有することができる。
【0355】
LC層2704を堆積させ、随意に、重合化後、中間構造2700Cは、本明細書に説明される種々の実施形態に説明されるように、さらに処理され、付加的構造および/または層を形成してもよい。一例として、切替可能な波長板1300F(
図13F)を形成するとき、LC層2704を形成後、中間構造2700Cは、さらに処理され、例えば、第2の整合層1302-0をLC層2704および透明電極層1316、1320の第2のもの上に形成してもよい。加えて、いくつかの実施形態では、付加的LC層は、LC層2704上に形成されてもよく、後続LC層の最下LC分子は、
図13Fおよび24Aに説明されるように、前のLC層の最上LC分子と整合する。
【0356】
図28は、時として、偏光ホログラフィとも称される、2ビーム暴露プロセスを使用して、広帯域波長板または広帯域波長板レンズ内でLC分子を整合させるために、
図27Cに関して上記に説明されるような整合層を構成する例示的方法を図示する。大部分の従来のホログラフィは、強度変調を使用するが、偏光ホログラフィは、異なる偏光を伴う光の干渉の結果として、偏光状態の変調を伴う。
図28の中間構造2800を参照すると、図示される方法は、
図27Aに関して上記に説明されるように、重合化されていない光整合層1302-0を基板1312上に形成するステップを含む。その後、異なる偏光を有する、複数のコヒーレント光ビーム、例えば、RHCP光ビーム2808およびLHCP光ビーム2804が、整合層1302-2に指向される。図示される実施形態では、RHCP光ビーム2808およびLHCP光ビーム2804は、直交円偏光ビームである。記録ビームであり得る、RHCP光ビーム2808およびLHCP光ビーム2804の一方は、収束または発散し得る一方、基準ビームであり得る、RHCP光ビーム2808およびLHCP光ビーム2804の他方は、コリメートし得る。しかしながら、実施形態は、そのように限定されない。例えば、直交偏光ビームは、±45度における線形垂直偏光および線形水平偏光ビームまたは線形偏光ビームを含むことができる。いくつかの実装では、整合層1302-0の偏光ホログラムへの2ビーム暴露は、直交円偏光を伴うUVレーザ(例えば、HeCd、325nm)を使用して実施されてもよい。典型的記録用量は、液晶材料および格子パラメータ(例えば、厚さd)に応じて、約数J・cm
-2であり得る。その後、反応性メソゲン混合物(例えば、液晶モノマー、溶媒、光開始剤、および界面活性剤を含む)が、
図27A-27Cに関して上記に説明されるように、2ビーム暴露によって形成される表面パターンに従って整合されるようにコーティングされる。
【0357】
図29A-29Bは、マスタ波長板または波長板レンズを使用して、LC分子のマスタ整合パターンを有するマスタ波長板または波長板レンズを加工し、LC分子のマスタ整合パターンを標的整合層上に複製することによって、広帯域波長板または広帯域波長板レンズ内で液晶分子を整合させるための整合層を構成する例示的方法を図示する。2つの直交偏光ビームの干渉が、整合層を直接構成するために採用される、
図28に関して上記に説明される2ビーム暴露方法と異なり、図示される実施形態では、マスタ波長板レンズおよび1つの偏光のビームが、類似偏光ホログラムを近視野内に作成するために使用される。したがって、いったんLC分子のマスタ整合パターンを有する、マスタレンズが、加工されると、比較的に単純である1ビーム暴露を用いた複数の波長板および波長板レンズを加工するためのテンプレートとして使用されることができる。
【0358】
図29Aは、マスタ波長板または波長板レンズ2904を図示する。マスタ波長板または波長板レンズ2904は、例えば、2ビーム暴露プロセスによって形成される光干渉パターンを使用して、整合層を形成し、その後、整合層と自己整合する、反応性メソゲン(RM)混合物層(例えば、液晶モノマー、溶媒、光開始剤、および界面活性剤を含む)を形成した後、RM混合物層内のLC分子を重合化するためのRM混合物層のブランケットUV硬化を含む、例えば、
図27A-27Cおよび28に関して上記に説明されるプロセスを使用して加工されてもよい。
図29Aはさらに、一部を影響されずに通過させながら、偏光された入射光の一部のみが回折されるように、限定された回折効率を有するように設計される、マスタ波長板または波長板レンズ2904の動作
図2900Aを図示する。例えば、図示される実施形態では、マスタ波長板または波長板レンズ2904は、第1の偏光、例えば、RHCPを有する入射光2908の一部(例えば、30~70%、40%~60%、45~55%、またはこれらの値内の任意の値、例えば、約50%)を第2の偏光、例えば、LHCPを有する回折される光2912の中に回折する一方、漏出光2916、例えば、入射光ビーム2908と同一の第1の偏光、例えば、RHCPを有するゼロ次漏出光として回折せずに、入射光2908の一部(例えば、30-70%、40%~60%、45-55%またはこれらの値内の任意の値、例えば、約50%)をマスタレンズ2904を通して通過させるように構成される。
【0359】
図29Bは、
図29Aに関して上記に説明されるように加工および構成される、マスタレンズ2904の例示的加工構成2900B、および広帯域波長板または広帯域波長板レンズ内でLC分子を整合させるための整合層1302-0を備える、中間構造を図示する。
図29Bの加工構成2900Bを参照すると、図示される中間構造は、
図27Aに関して上記に説明されるように、重合化されていない光整合層1302-0を基板1312上に含む。加工構成2900Bは、重合化されていない光整合層1302-0にわたって配置される、マスタレンズ2904を含む。第1の偏光、例えば、RHCPを有する、入射光ビーム2908は、整合層1302-2に指向される。
図29Aに関して上記に説明されるように、マスタ波長板または波長板レンズは、入射光の一部のみを回折するように設計されるため、マスタ波長板または波長板レンズ2904を通して通過することに応じて、反対偏光を有する2つの光ビームが、整合層1302-0上に入射する。事実上、整合層1302-0上に入射する2つの光ビームは、
図28A、28Bに関して上記に説明される2ビーム暴露の類似効果を果たす。図示される実施例では、マスタ波長板または波長板レンズ2904を通して透過され、整合層1302-0上に入射するのは、入射光ビーム2908の第1の偏光、例えば、RHCPと反対の第2の偏光、例えば、LHCPを有する、回折された光ビーム2912と、入射光ビーム2908と同一の第1の偏光、例えば、RHCPを有する、漏出光ビーム2916である。したがって、
図28に関して上記に説明されるものと類似様式において、回折される光ビーム2912は、収束または発散し得、記録ビームとしての役割を果たし得る一方、漏出光ビーム2916は、基準ビームとしての役割を果たし得る。回折される光ビーム2912および漏出光ビーム2915の干渉は、
図20に関して上記に説明されるものと類似様式において、整合層1302-0を生じさせる。その後、反応性メソゲン混合物(例えば、液晶モノマー、溶媒、光開始剤、および界面活性剤を含む)が、
図27A-27Cに関して上記に説明されるように、2ビーム暴露によって形成される表面パターンに従って整合されるようにコーティングされてもよい。したがって、有利なこととして、いったんマスタレンズ2904が、
図28に関して上記に説明される比較的に複雑な2ビーム暴露方法を使用して加工されると、整合層の後続構成は、
図29Bに関して上記に説明されるように、比較的に単純な1ビーム暴露を使用して実施される。有利なこととして、いくつかの状況下では、
図29Bに関して図示される方法は、
図28A-28Bに関して上記に説明される2ビーム暴露方法と比較して、あまり精密ではない光学系、より少ない振動制御、およびより緩やかな整合を用いて、完全コヒーレント光源、例えば、レーザ、またはUVランプまたは発光ダイオード等の部分的コヒーレント光源を使用して実施されることができる。
(ナノインプリント整合層を使用した広帯域波長板および波長板レンズの加工)
【0360】
本願全体を通して説明されるように、種々の実施形態では、種々の実施形態による、広帯域波長板および波長板レンズのためのLC層内のLC分子は、整合層、例えば、光を使用して構成され得る、光整合層を使用して、整合されることができる。他の実施形態では、LC分子は、パターン化されたナノ構造を使用して整合されることができる。以下では、
図30Aおよび30Bに関して、パターン化されたナノ構造を使用してLC分子を整合させる方法が、説明された後、波長板レンズとしての役割を果たすために好適なパターン化されたナノ構造の実施例が、
図30Cに関して説明される。
【0361】
図30Aおよび30Bは、それぞれ、いくつかの実施形態による、ナノインプリントプロセスを使用した異なる加工段階における、中間構造3000A、3000Bの断面図を図示する。
【0362】
図30Aの中間構造3000Aを参照すると、透明基板1312が、種々の実施形態に関して上記に説明されるものと類似様式において提供される。続いて形成されるLC層2704(
図30B)内のLC分子、例えば、基板1312に最も近いLC層2704内の少なくとも最下LC分子の整合パターンを形成するように構成される、所定のトポロジパターンを有する、ナノインプリントテンプレート(図示せず)またはナノインプリント金型が、ブランケット基部ポリマー層(図示せず)と接触される。続いて、テンプレートは、例えば、ブランケット基部ポリマー層のガラス遷移温度を上回るある温度下で熱可塑性であるポリマーを含み得る、ブランケット基部ポリマー層の中に圧入され、それによって、テンプレートのパターンを軟化されたブランケット基部ポリマー層の中に転写し、インプリントされた整合層3004を形成する。冷却された後、テンプレートは、続いて形成されるLC層2704(
図30B)内のLC分子の整合パターンを形成するように構成される、所定のトポロジパターンを有する、整合パターンを備える、インプリントされた整合層3004から分離される。ある他のアプローチでは、基部ポリマー層の中に圧入された後、インプリントされた整合層3004は、UV光下の架橋結合によって固化される。
【0363】
インプリントされた整合層3004は、サブ波長の寸法の特徴を含むことができる。例えば、インプリントされた整合層3004は、約数ナノメートル、数100ナノメートル、および/または数ミクロンの寸法(例えば、長さ、幅、および/または深度)を有する、特徴を含むことができる。別の実施例として、インプリントされた整合層3004は、約20nmを上回るまたはそれと等しい長さ~約100nm未満またはそれと等しい長さを有する、特徴を含むことができる。さらに別の実施例として、インプリントされた整合層3004は、約20nmを上回るまたはそれと等しい幅~約100nm未満またはそれと等しい幅を有する、特徴を含むことができる。さらに別の実施例として、インプリントされた整合層3004は、約10nmを上回るまたはそれと等しい深度~約100nm未満またはそれと等しい深度を有する、特徴を含むことができる。種々の実施形態では、特徴の長さおよび/または幅は、特徴の深度を上回ることができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、深度は、特徴の長さおよび/または幅とほぼ等しくあることができる。インプリントされた整合層3004の各ドメインの特徴は、連続特徴間の方向および/または周期が、約数ナノメートル、数100ナノメートル、および/または数ミクロンの長さスケールに沿って変化する、複雑な幾何学的パターンを各ドメイン内に形成するように配列されることができる。
【0364】
ナノインプリントの例示的プロセスは、
図30Aに関するナノインプリントされた整合層3004を形成するために説明されたが、実施形態は、そのように限定されない。他の実施形態では、インプリントされた整合層3004は、リソグラフィおよびエッチングを含む、他のパターン化技法を使用して加工されることができる。加えて、インプリントされた整合層3004は、ポリマー材料から形成されるように説明されたが、実施形態は、そのように限定されず、種々の他の実施形態では、インプリントされた整合層3004は、誘電性材料、例えば、シリコンまたはガラス材料を含むことができる。
【0365】
図30Bの中間構造3000Bを参照すると、整合層3004を形成後、重合化されていないLC層2704、例えば、反応性メソゲンの層が、
図27A-27Cに関して上記に説明される堆積プロセスに従って、その上に堆積される。任意の理論に拘束されるわけではないが、インプリントされた整合層3004は、LC層2704内のLC分子をインプリントされた整合層3004のパターンに従って整合させる、整合層としての役割を果たす。例えば、ドメイン内のLC分子の伸長方向は、概して、インプリントされた整合層3004内のナノ構造の局所伸長方向と平行方向に整合し得る。任意の理論に拘束されるわけではないが、インプリントされた整合層3004のパターンへのLC分子の整合は、液晶分子との立体相互作用、および/またはインプリントされた整合層3004によって堆積されたLC分子上に付与される係留エネルギーに起因し得る。
【0366】
依然として、
図30Bの中間構造3000Bを参照すると、LC層2704は、
図27A-27Cに関して上記に説明されるように、重合化、最下LC分子の上方にLC分子をさらに整合させるステップ、複数のLC層をスタックするステップを含む、異なる実施形態に従ってさらに処理されてもよい。
【0367】
図30Cは、
図30A-30Bに関して上記に説明される方法に従って加工される、ナノインプリントされた整合層3004の平面図を図示する。インプリントされた整合層3004は、整合層としての役割を果たし、例えば、他の配列の中でもとりわけ、
図13A、13C、16A、16B、19A、40、41に関して上記に説明される配列を含む、本明細書に説明されるような種々の側方配列を有する、LC分子の層を形成することができる。
【0368】
インプリントされた整合層3004から生じるLC層が、波長板レンズの一部を形成するとき、種々の実施形態による、インプリントされた整合層3004は、種々の実施形態によると、例えば、同心ゾーン3008-1、3008-2、…3008-n等の複数のゾーンをx-y平面に備える。インプリントされた整合層3004のゾーンのそれぞれ内のインプリントされたナノ構造は、特定の配向に沿って配向される。隣接するゾーン内の液晶材料の分子の配向は、異なり得る。例えば、種々のゾーンゾーン3008-1、3008-2、…3008-n内のLC分子の伸長方向または局所配向子は、中心場所からの半径r
nの屈折力に依存する関数に従って、半径方向に連続的に回転されることができ、nは、例えば、
図16A/16Bおよび
図19に関して説明されるように、約1~3で変動し得る。
【0369】
インプリントされたナノ構造および結果として生じる液晶分子は、異なるゾーン3008-1、3008-2、…3008-n内で異なる、伸長方向を有することができる。例えば、連続ゾーン内のインプリントされたナノ構造の伸長方向は、相互に対して約18度の角度によって、時計回り方向に回転されることができる。しかしながら、実施形態は、そのように限定されず、連続ゾーン間の相対的回転角度は、1度、約1~45度、約1~18度、または約18~45度未満であることができる。
(広帯域波長板および/または波長板レンズを有する広帯域適応レンズアセンブリの統合)
【0370】
上記に説明される種々の実施形態によると、例えば、広帯域適応レンズアセンブリは、統合された波長板および波長板レンズを含む。以下では、波長板および波長板レンズを統合する方法が、実施形態に従って説明される。
図31A-31Cは、間隙充填プロセスを使用して、液晶を備える切替可能な広帯域波長板または液晶を備える切替可能な広帯域波長板レンズを加工する、例示的方法を図示する。種々の実施形態によると、本方法は、第1の基板上の第1の電極層と、第1の電極層上に形成される、第1の整合層とを含む、下側スタックを提供するステップと、第2の基板上の第2の電極層と、第2の電極層上に形成される、第2の整合層とを含む、上側スタックを提供するステップとを含む。第1および第2のスタックは、次いで、第1および第2の整合層が相互に面するように、単一スタックの中にスタックされ、スペーサが、下側および上側スタック間に形成され、間隙をその間に作成し、間隙は、続いて、LC層材料の液体で充填される。
【0371】
図31Aを参照すると、本方法は、例えば、
図27Aに関して説明されるような上記に類似する様式において、基板1312を提供するステップと、その後、例えば、
図27Aに関して説明されるような上記に類似する様式において、基板1312上に、第1の電極層1320、例えば、透明電極層を形成するステップとを含む。その後、
図31Bを参照すると、第1の整合層1302-0が、基板1312上に形成され、それによって、下側スタック3100Aを形成する。整合層1302-2は、例えば、
図27A-27C、28、および29に関して上記に説明されるものに類似する、光整合層、または、例えば、
図30A-30Cに関して上記に説明されるものに類似する、インプリントされた整合層であることができる。
【0372】
図31Cを参照すると、下側スタック3100Aを形成するステップと類似様式において、第2の基板1312を備える、上側スタック3100Bが、形成され、その上に、第1の電極層1320、例えば、透明電極層、および第2の整合層1302-0が、
図31Bに関して上記に説明されるように、下側スタック3100Aを形成するステップに関して上記に説明されるものと類似様式において形成される。
【0373】
いくつかの実施形態では、光整合層またはインプリントされた整合層であり得る、第1および第2の整合層1302-0は、種々の実施形態に関して上記に説明されるように、第1および第2の整合層1302-0に直接隣接するLC分子が異なるように整合する、例えば、LC分子の伸長方向または配向子方向が相互に、例えば、約90度で交差するように整合するように、異なるように構成されてもよい。
【0374】
依然として、
図31Cを参照すると、上側および下側スタック3100B、3100Aは、続いて、第1および第2の整合層1302-0が相互に面するように、単一スタックの中にスタックされ、間隙1302が、その間に形成される。間隙1302は、下側および上側スタック3100A、3100B間に形成される、スペーサ1350によって形成されてもよい。
【0375】
スペーサ1350は、間隙を生産するための直径を有する、好適な材料、例えば、シリカビーズから形成されてもよく、その距離は、続いて挿入されるLC材料の標的厚さを画定する。いくつかの実装では、シリカビーズの形態におけるスペーサ1350は、乾燥プロセスを使用して、上側および下側スタック3100B、3100Aの一方または両方の表面にわたって分散されることができる。他の実装では、シリカビーズの形態におけるスペーサ1350は、接着剤と混合され、上側および下側スタック3100B、3100Aの一方または両方の表面の縁に適用されることができる。その後、上側および下側スタック3100B、3100Aは、LC層の結果として生じる厚さに対応する最終間隙距離が取得されるまで、相互に対して押圧される。間隙距離は、ファブリ・ペロー干渉計の干渉縞を使用して監視されることができる。
【0376】
間隙1302を形成後、LC材料が、間隙1302の中に挿入される。挿入されるLC材料は、例えば、上記に説明されるように、液晶モノマー、溶媒、光開始剤、および界面活性剤を含む、反応性メソゲン混合物であることができる。LC材料は、毛細管力によって、間隙1302内に挿入されてもよい。いくつかの実装では、挿入は、真空下で実施される。
【0377】
図31A-31Cに関して上記に説明される統合プロセスは、本明細書に説明される任意の好適な実施形態に適用されることができる。例えば、本方法は、上記に説明されるように、間隙1302の中に挿入される切替可能なTN LC層1302(
図13F)によって分離される、一対の広帯域QWP1324、1326(
図13F)を含む、
図13Fに関して上記に説明されるものに類似する、切替可能な広帯域波長板を形成するために使用されることができる。これらの実施形態では、下側スタック3100Aは、QWP1324(
図13B)としての役割を果たすように構成される、複数のTN LC層1302-1、1302-2(
図13F)を含み、上側スタック3100Bも同様に、QWP1326(
図13B)としての役割を果たすように構成される、複数のTN LC層1302-1、1302-2(
図13F)を含む。
【0378】
別の実施例を提供するために、
図31A-31Cに関して上記に説明される統合プロセスは、上記に説明されるように、L3/HWP3 2304(
図23B-24D)としての役割を果たすために、間隙1302の中に挿入される切替可能なLC層2304(
図24A)によって分離される、一対の重合化されたLC(LCP)層2302-1、2302-2(
図24A)を含む、
図24Aに関して上記に説明されるものに類似する、統合された広帯域適応レンズアセンブリを形成するステップに適用されることができる。これらの実施形態では、下側スタック3100Aは、L1/HWP2 2308(
図24B-24D)としての役割を果たす、下側の重合化されたLC(LCP)層2302-1(
図24A)を含み、上側スタック3100Bも同様に、L2/HWP2 2312(
図24B-24D)としての役割を果たす、上側の重合化されたLC(LCP)層2302-2(
図24A)を含む。
【0379】
以下では、波長板および波長板レンズを統合する方法が、いくつかの他の実施形態に従って説明される。
図32A-32Eでは、液晶を備える切替可能な広帯域波長板または液晶を備える切替可能な広帯域波長板レンズを加工する例示的方法は、層転写プロセスを採用する。層転写プロセスでは、LC層が、可撓性であり得る、ドナー、犠牲、またはキャリア基板上に形成され、その後、剛性であり得る、恒久的基板に転写される。そのようなキャリア基板上へのLC層形成は、より高い製造スループットおよび/またはより高い製造収率を可能にし得る。
【0380】
図32Aは、キャリア基板3204を備える、中間構造3200Aを図示し、これは、十分な柔軟性を有する一方、その上に整合層1302-0が形成される、LC層の重合化を含む、後続プロセスのために十分な熱安定性を有する、好適な基板であり得る。整合層1302-0は、例えば、
図27A-27C、28、および29に関して上記に説明されるものに類似する様式において形成および構成される、光整合層、または、例えば、
図30A-30Cに関して上記に説明されるものに類似する様式で形成および構成される、インプリントされた整合層であることができる。
【0381】
図32Bは、整合層3208上に形成される、剥離層3208を備える、中間構造3200Bを図示し、
図32Cは、それによって、LC層3212を整合層3208上に一時的に接合する、剥離層3208上に形成される、LC層3212を備える、中間構造3200Cを図示する。LC層3212は、
図27Cに関して上記に説明されるものと類似様式において形成および構成されることができる。
【0382】
いくつかの実施形態では、剥離層3208は、表面処理によって形成される、薄い表面層を備え、これは、整合層3208の整合性質に実質的に影響を及ぼさずに、LC層3212と整合層1302-0との間の接着強度を弱化させる。
【0383】
いくつかの実施形態では、剥離層3208は、剥離層3208の上方の層と比較して、下方の層により高い強度で接着する、整合層1302-0上にコーティングされる、別個の好適な薄膜である。図示される実施例では、剥離層3208は、整合層1302-0とLC層3212(
図32C)との間に形成される。したがって、いくつかの実施形態によると、剥離層3208は、機械的力の印加に応じて、整合層3202-2と比較して、LC層3212から比較的に容易に分離するように、LC層3212と比較して、整合層とのより強い接着界面を形成する、好適な材料から形成される。
【0384】
いくつかの実施形態では、剥離層3208は、LC層3212を硬化するためにUV光に暴露されると定位置で硬化され得る、剥離層3208上にコーティングされた別個の液体状硬化性接着剤を備える。硬化は、接着剤層を、分離に先立って、流動に抵抗する、3-Dポリマーネットワークに変換する。いくつかの他の実施形態では、剥離層3208は、硬化性接着剤材料ではなく、剥離層3203上にコーティングされた別個の熱可塑性接合材料を備える。熱可塑性接合材料は、架橋結合または硬化しないが、代わりに、可逆的に軟化し、次いで、室温に冷却されると、ガラス状態に再固化する、熱可塑性ポリマーを含む。室温では、熱可塑性接合材料は、実質的変形を伴わずに、後続プロセスを可能にする、堅性の弾力性接合を形成する。
【0385】
図32Dは、標的基板1312を備える、中間構造3200Dを図示し、これは、糊層3216を使用して、LC層3212上に取り付けられる、恒久的基板であり得る。基板1312は、本明細書の他の場所に説明される任意の透明基板であってもよい。
【0386】
図32Eは、中間構造3200eを図示し、糊層3216によってLC層3212に取り付けられる標的基板1312を含む、標的スタックは、キャリア基板3204と、整合層1302-0と、剥離層3208とを含む、キャリアスタックから分離される。いくつかの実施形態では、分離は、機械的接合解除によって実施され、これは、時として、離層分離と呼ばれる。分離は、剥離層3208とLC層3212との間の界面、例えば、表面処理された剥離層3208または上記に説明される異なるタイプの別個に堆積された剥離層のうちの1つにおいて生じる。別個の剥離層3208または表面処理は、接合された構造が、通常のプロセス内応力に耐え得るが、薄いデバイスウエハを破損し得る、強力な力が、層間の分離のために必要とされるほど強固に接合されない、十分な接着をその界面に有するように設計される。分離プロセスは、剥離層3208とLC層3212との間の離層を縁界面において開始するステップを伴い得、これは、非常に低力を使用して、剥離層3208とLC層3212との間の界面全体を横断して伝搬し、分離を生じさせる。硬化性または熱可塑性組成であり得る、熱可塑性接合材料および低表面エネルギーポリマー剥離層の使用は、機械的接合解除のために好適であり得る。しかしながら、実施形態は、そのように限定されず、いくつかの他の実施形態では、分離は、摺動接合解除を伴う。これらの実施形態は、熱可塑性接合材料の可逆的軟化挙動を利用する。本モードでは、接合された構造は、接合材料の軟化温度を上回って加熱され、対向剪断力が、デバイスおよびキャリアウエハに印加され、構造が分離されるまで、それらを相互を越えてゆっくりと摺動させる。さらにいくつかの他の実施形態では、分離は、レーザ接合解除を伴う。これらの実施形態では、レーザビームが、キャリア基板3204を通して走査レーザで照射されると、剥離層3208をアブレートする、すなわち、ガス状副産物および少量の炭素質残留物に分解するために使用される。
【0387】
依然として、
図32Eを参照すると、そのように分離された標的スタック上のLC層2704は、さらに処理されることができ、
図27A-27Cに関して上記に説明されるように、重合化、最下LC分子の上方にLC分子をさらに整合させるステップ、および複数のLC層をスタックするステップを含む、異なる実施形態に従って、さらに処理されてもよい。
(選択された基板面積上への広帯域適応レンズアセンブリの形成)
【0388】
種々のディスプレイデバイス、例えば、ウェアラブルディスプレイデバイス1000(
図10)に関して上記に説明されるように、広帯域適応レンズアセンブリ、例えば、一対の広帯域適応レンズアセンブリ1004、1008が、仮想および世界画像の両方を表示するために、導波管アセンブリ1012によって介在される、光学経路1016内に形成されることができる。しかしながら、いくつかの実装では、ウェアラブルディスプレイデバイスの一部として、広帯域適応レンズアセンブリは、基板の一部上、例えば、眼210が仮想画像を視認することが予期される、導波管アセンブリ1012の一部またはゴーグルのレンズの一部上に形成されてもよい。以下では、広帯域適応レンズアセンブリを選択された基板面積上に形成する種々の実施形態が、説明される。
【0389】
図33は、基板3300の一部上に形成される、液晶を備える切替可能な広帯域波長板または液晶を備える切替可能な広帯域波長板レンズの実施例を図示する。基板3300は、例えば、導波管アセンブリ1012の一部またはゴーグルまたは眼鏡等のウェアラブルディスプレイデバイス1000(
図10)のレンズの一部を表し得る。基板3300は、その上に光学的にアクティブ切替可能な広帯域波長板または切替可能な広帯域波長板レンズが形成されることになる、レンズ面積3204と、切替可能な広帯域波長板または切替可能な広帯域波長板レンズがないままである、クリア領域3308とを備える。
【0390】
図34は、クリア面積3308内におけるその形成を防止しながら、切替可能な広帯域波長板または広帯域波長板レンズのLC層3404をレンズ面積3204上に選択的にコーティングまたは堆積させることによって、液晶を備える切替可能な広帯域波長板または液晶を備える切替可能な広帯域波長板レンズを基板3400の一部上に形成する、第1の例示的方法を図示する。LC層3404は、最初に、
図27A-27Cに関して上記に説明されるように、反応性メソゲン混合物層(例えば、液晶モノマー、溶媒、光開始剤、および界面活性剤を含む)の形態でコーティングされ、その後、好適な後続プロセス、例えば、溶媒蒸発および随意の重合化(重合化されたLC層のため)が続いてもよい。いくつかの実施形態では、選択的コーティングは、スロットダイコーティングプロセス、グラビア印刷コーティングプロセス、またはジェット(インク-ジェット)コーティングプロセス等の各層を堆積させるための好適な非接触または接触プロセスを使用して、実施されることができる。
【0391】
図35A-35Cは、液晶の層をブランケットコーティングし、減法的に除去することによって、液晶を備える切替可能な広帯域波長板または液晶を備える切替可能な広帯域波長板レンズを基板の一部上に形成する、例示的方法を図示する。
図35Aを参照すると、反応性メソゲン層3504(例えば、液晶モノマー、溶媒、光開始剤、および界面活性剤を含んでもよい)が、最初に、
図27A-27Cに関して上記に説明されるものと類似様式において、基板3300(
図33)の面積全体にわたって形成された後、好適な後続プロセス、例えば、溶媒蒸発が続く。その後、
図35Bを参照すると、レンズ領域3304内の反応性メソゲン層は、重合化されたLC層3508が、レンズ領域3304内に形成される一方、クリア面積内の硬化されない反応性メソゲン層3512が硬化されない(すなわち、重合化されない)ままであるように、光学マスクまたはレチクルを使用して、選択的に硬化され、クリア領域3308内のUV光を遮断する。続いて、
図35Cを参照すると、硬化されない反応性メソゲン層3512は、好適な溶媒を使用して、クリア領域3308から選択的に除去され、選択的にコーティングされた基板3500Cをもたらし、重合化された層3508をレンズ領域3304内にのみ選択的に残させる。
【0392】
図36A-36Cは、整合層の選択的光学パターン化を使用することによって、液晶を備える切替可能な広帯域波長板または液晶を備える切替可能な広帯域波長板レンズを基板の一部上に形成する、例示的方法を図示する。
図36Aに図示される中間構造3600Aを参照すると、光整合層をブランケット堆積後、第1の光学マスクまたはレチクル3604は、クリア領域3308を均一線形偏光に暴露しながら、レンズ面積3304を被覆するために使用される。その後、
図36Bに図示される中間構造3600Bを参照すると、第1の光学マスク3604に対する反転マスクパターンを有し得る、第2の光学マスクまたはレチクル3616を使用して、レンズ面積3304が、例えば、
図29に関して上記に説明される直交偏光UVレーザビームを使用した2ビーム暴露プロセスを使用して、偏光ホログラムに暴露される一方、クリア領域3308は、被覆される。
図28および29A/29Bに関して上記に説明されるように、直交偏光を有する光の干渉は、上記に説明される種々の実施形態に関して説明される、続いてその上に形成される波長板パターンまたは波長板レンズパターンに従って、整合層をLC結晶分子を整合させるように構成させる。したがって、第1および第2の光学マスク3604、3616の配列の結果、レンズ面積内の整合層3616(
図36B)の部分は、続いてその上に形成されるLC分子を整合させるように選択的に構成される。対照的に、クリア面積内の整合層3608(
図36A)の部分は、異なるように構成され、上記に説明される種々の実施形態に関して説明される、波長板パターンまたは波長板レンズパターンを欠いている。その後、
図36Cに図示される中間構造3600Cを参照すると、反応性メソゲン層3620(例えば、液晶モノマー、溶媒、光開始剤、および界面活性剤を含んでもよい)は、
図27A-27Cに関して上記に説明されるものと類似様式において、クリア領域およびレンズ面積を含む、基板の面積全体にわたってブランケット堆積された後、例えば、溶媒蒸発および随意のUV硬化を含む、好適な後続プロセスが続く。
図36Cにおける結果として生じる中間構造3600Cでは、表面積全体は、LC分子で被覆されるが、レンズ面積にわたるLC分子は、上記に説明される種々の実施形態に従って、下層整合層の構成に従って整合され、波長板または波長板レンズとしての役割を果たすための体系的配向を有する一方、クリア領域にわたるLC分子は、波長板または波長板レンズとしての役割を果たすための体系的配向を欠いている。
【0393】
図37A-37Bは、整合層を選択的にナノインプリントするステップを使用することによって、液晶を備える切替可能な広帯域波長板または液晶を備える切替可能な広帯域波長板レンズを基板の一部上に形成する、例示的方法を図示する。
図37Aに図示される、中間構造3700Aを参照すると、ナノインプリントされた整合層が、基板表面にわたって形成され、ナノインプリントされた整合層は、異なるパターンをレンズ面積3304とクリア領域3308との間に有する。特に、レンズ面積3304内のナノインプリントされた整合層3708(
図37A)の部分は、上記に説明される種々の実施形態に関して説明される波長板パターンまたは波長板レンズパターンに従って、続いてその上に形成されるLC結晶分子を整合させるように構成される。対照的に、クリア面積内のレンズ整合層3608(
図37A)の部分は、異なるように構成され、上記に説明される種々の実施形態に関して説明される、波長板パターンまたは波長板レンズパターンを欠いている。続いて、
図37Bに図示される、中間構造3700Bを参照すると、反応性メソゲン層3712(例えば、液晶モノマー、溶媒、光開始剤、および界面活性剤を含んでもよい)が、
図27A-27Cに関して上記に説明されるものと類似様式において、クリア領域3308およびレンズ面積3304の両方にわたってブランケット堆積された後、例えば、溶媒蒸発および随意のUV硬化を含む、好適な後続プロセスが続いてもよい。結果として生じる中間構造3600Cでは、表面積全体が、LC分子で被覆されるが、レンズ面積3304にわたるLC分子は、下層のインプリントされた整合層の構成に従って整合され、上記に説明される種々の実施形態による、波長板または波長板レンズとしての役割を果たすための体系的配向を有する一方、クリア領域3308にわたって形成されるLC分子は、波長板または波長板レンズとしての役割を果たすための体系的配向を欠いている。
(広視野を提供するように構成される、偏光スイッチ)
【0394】
波長板レンズと、広視野からの光を受光する、切替可能な波長板とを備える、適応レンズアセンブリの多種多様な実施例が、上記に議論される。
図13A-13Fを参照して上記に説明されるように、そのような適応レンズアセンブリの種々の実装は、捻転されたネマチック(TN)液晶(LC)分子の1つ以上の層を含んでもよい。しかしながら、スイッチが、TN LC分子の第1の偏光状態から第2の偏光状態に変換する、効率は、少なくとも部分的に、光がその上に入射する角度に依存する。したがって、(例えば、切替可能な波長板内の)TN LC層上の光の入射角を増加させることは、入射光の偏光状態を改変する、例えば、回転させる能力の低減を生じさせ得る。本特性は、視野内の軸外で広くオブジェクトから指向される光を、切替可能な波長板および波長板レンズに対して法線の適応レンズアセンブリの光学軸を直接辿って伝搬する光と異なるようにし得る。
【0395】
図38は、液晶(LC)回折レンズ等の液晶レンズ(例えば、波長板レンズ)3802と、光を広視野から受光する、偏光スイッチまたは切替可能な波長板(例えば、TN LC分子の少なくとも1つの層を含む、切替可能な波長板)3804とを備える、適応レンズアセンブリ3800の実施例を図示する。視野の周縁3810上またはその近くのオブジェクト3808からの光が、角度θで、切替可能な波長板3804上に入射するように示される。本入射角θは、切替可能な波長板3804に対する法線3812に対して測定される。偏光スイッチ3804は、偏光スイッチがある状態にあるとき、偏光スイッチまたは切替可能な波長板3804がその上に入射する光の偏光を回転させるように構成されてもよい。例えば、切替可能な波長板3804等の偏光スイッチ上に入射する右円偏光(RHCP)は、左円偏光(LHCP)に回転されてもよい。そのような効果は、例えば、偏光スイッチまたは切替可能な波長板3804上に入射する光をそれに対して法線入射で生じさせ得る。より大きい入射角θを有する、光は、右回り偏光から左回り偏光に完全に変換され得ない。
【0396】
故に、例えば、偏光スイッチまたは切替可能な波長板3804上にゼロを上回る角度θで入射する、視野の周縁3810内の軸外オブジェクト3808からの光は、偏光の完全変換(例えば、右円偏光から左円偏光に)を被り得ない。結果は、偏光スイッチ3804および適応レンズアセンブリ3800上の視野の異なる領域から指向される光の非均一処理となり得る。適応レンズアセンブリ3800は、その結果、そのような要素が拡張現実デバイスのための可変焦点要素として使用されるとき、残影画像を誤った深度平面に生産し得る。したがって、
図38に示されるような切替可能な波長板3804の視野を増加させる必要性が存在する。
【0397】
図39は、本非均一性の実施例を示す。
図39は、切替可能な波長板3804の例示的LC層が偏光をその上に入射する光の異なる角度で変換する効率を図示する、プロット3900である。本等高線プロットは、電気的に制御された複屈折(ECB)LCセルをそれらの間に伴う、平行円偏光器を通して漏出する、光のシミュレートされたパーセンテージをプロットする。ECB LCセルは、単純な切替可能な波長板であって、LC分子は全て、同一方向に、例えば、示される座標系内のX軸に沿って平行に整合される。典型的には、LC層の厚さ(d)は、Δn
*d=λc/2であるように選定され、式中、Δnは、LC複屈折であって、λcは、中心波長である。外部電圧が印加されないとき、本LCセルは、右円偏光を左円偏光に変換することができ、その逆も同様である。変換の量は、視野にわたる平行円偏光器を通して、光漏出のパーセンテージ(%)として測定されることができる。座標系は、偏光スイッチまたは切替可能な波長板3804上に入射する光の異なる角度に関する偏光変換または回転効率をマッピングする、極座標系である。中心3906は、例えば、偏光スイッチまたは切替可能な波長板を通る中心または光学軸に沿って、偏光スイッチまたは切替可能な波長板3804上に法線入射する、光に対応する。45、135、225、および315度の方位角が、マークされる。極性グリッドはまた、角度偏光スイッチまたは切替可能な波長板3804の例示的TN LC層を通る中心軸または光学軸に対して10、20、および30度の仰角を表す、円形3908a、3908b、および3908cを有する。
【0398】
プロット3900における実質的暗領域3902は、偏光が効率的に変換または回転される、異なる角度における光の量を示す。しかしながら、プロットのいくつかの明領域3904は、視野の中心からずれた領域に対応する、より高い角度における光の一部に関して、偏光は、効率的に変換または回転されないことを示す。本明細書に開示される種々の偏光スイッチまたは切替可能な波長板設計は、視野内のより周辺の場所3810に対応する種々の高角度のためにより効率的偏光変換/回転を提供するように構成される。
【0399】
図40は、視野の周縁4210上またはその近くのオブジェクトからの光のための偏光回転または変換の効率を増加させるように構成される、切替可能な波長板4204のための設計を図示する。切替可能な波長板4204は、切替可能な波長板を通る中心軸4224と平行な個別の局所軸4201を中心として回転する、分子4205を備える、液晶層を含む。示されるように、局所軸4201は、液晶分子の中心を通り、中心軸または光学軸4224と平行である。分子4205の回転の量は、角度、φによって表される。本回転は、分子4205の場所に依存する。特に、分子4205の配向は、中心軸に対する分子の場所に対応する中心軸4224を中心とする方位角Φに伴って変動する。その結果、図示される実装では、伸長分子は、概して、中心軸4224を中心として同心リング4203に沿って配列される。本構成は、潜在的に、高度に軸外の視野角度に関しても、切替可能な波長板4204の偏光回転の効率における均一性を増加させる。
【0400】
図40は、特に、液晶(LC)回折レンズ等の液晶レンズ(例えば、波長板レンズ)4202と、偏光スイッチ(例えば、切替可能な波長板)4204(切替可能な波長板は、平坦または平面である)とを備える、適応レンズアセンブリ4200の実施例を示す。偏光スイッチまたは切替可能な波長板4204は、第1および第2の表面(例えば、外側および内側表面)と、その間に配置される、液晶層とを有する。第1および第2の表面は、本実施例では、平坦または平面である。視野の周縁4210上またはその近くのオブジェクト4208からの光は、切替可能な波長板4204上に入射するように図示される。
【0401】
図40は、中心軸または光学軸4224と平行な局所軸4201を中心として回転する、複数の液晶分子4205を備える、液晶層を図示する。これらの分子は、水平線等の基準4215に対する個別の角度φだけ局所軸4201を中心として回転する。局所軸4201は、
図40では、z-軸と平行であるように図示される。同様に、角回転φは、x-y平面と平行な平面にある。同様に、種々の実装では、角回転φは、第1および第2の表面と平行な平面にある。本回転は、中心軸4224と平行な分子4205のための個別の局所軸4201(例えば、分子の中心と交差する)を中心とする方位角と称され得る。
【0402】
液晶分子4205は、中心軸4224を中心として異なる場所に位置付けられる。故に、方位角Φは、例えば、中心軸4224に対する特定の分子4205の極座標内の場所を規定するために使用されてもよい。
図40に示される実装等の切替可能な波長板4204の種々の実装では、液晶分子4205は、角(例えば、方位角)回転φだけ分子を通して通過する個別の局所軸4201を中心として回転する。本回転は、分子の位置に応じて変動する量によるものである。特に、回転の量は、例えば、中心軸4224に対する特定の分子の極座標内の場所に対応する、方位角Φに依存する。故に、種々の実装では、液晶分子4205は、概して、縦方向4232に沿って幅より長さがある。加えて、複数の液晶分子4205は、分子が、中心軸に面する縦方向4232に沿って伸長される側を有するように、中心軸4224と平行な個別の局所軸4201を中心として回転する。その結果、種々の実装では、分子は、特定の空間配列を有する。種々の実装では、例えば、分子4205は、切替可能な波長板4204の中心軸4224を中心として同心リング4203を形成する。分子は、分子4205の伸長辺が、種々の実装では、中心軸4224に面し得るように、これらのリング4203内に配列されてもよい。ある実装では、特定のリング4203内の分子4205は、同一である、中心軸または光学軸4224からの半径方向距離を有する。しかしながら、異なるリング4203に関して、中心軸4224からの分子4205の半径方向距離は、異なる。いくつかの実装では、複数の液晶分子4205は、縦方向4232が中心軸から分子の中心まで半径方向に直交するように、中心軸4224と平行な局所軸4201を中心として回転する。
【0403】
分子の本空間配列は、分子が全ての場所に関して同一方向(例えば、全て垂直または全て水平)に配向される、空間配列と比較して、偏光スイッチ4204を横断してより均一である、偏光変換または回転をもたらし得る。偏光スイッチ4204を通る(例えば、第1および第2の表面および液晶層を通る)中心軸4224(例えば、光学軸)に沿って入射する、光の偏光変換または回転は、例えば、視野の周縁4210に位置するオブジェクト4208から生じる軸外光のための偏光変換または回転に類似し得る。本結果は、個々の液晶分子4105の回転される配向の結果であり得、これは、視野内の異なるオブジェクト4108からの光の入射角が実質的に同一である、尤度を増加させる。
図40においてとられるアプローチは、
図39の液晶層に見出される欠点からの当然の結果である。入射平面が、LC整合方向に近いか、またはそれと垂直であるかのいずれかであるとき、偏光変換は、高入射角に関しても、比較的に高く、それによって、事実上、偏光スイッチ4204を横断した偏光変換を
図39の0°~90°方位角に沿った実質的暗領域3902または低漏出領域内で作用させる。したがって、Φを変動させ、入射平面がLC整合方向と平行または垂直である、尤度を増加させることによって、視野を横断して遂行される、偏光変換性能の均一性を増加させることができる。
【0404】
見やすくするために、液晶分子4205のスタックが厚さに沿って(例えば、z軸と平行に)分散されている、液晶の層の厚さは、
図40には具体的に図示されない。代わりに、切替可能な波長板4202(例えば、第1および第2の表面)の側方および/または半径方向空間範囲を横断して分散されるような液晶分子4205の空間配列の正面図が、示される。上記に議論されるように、示される実施例では、空間配列は、液晶分子4205の複数のリング4203に対応する。種々の実装では、本空間配列は、液晶層の厚さを通して複製される。例えば、液晶の層は、ある実装では、液晶のシートのスタックであるように概念化され得、各シートは、
図40に示される同一空間配列(例えば、中心軸を中心として同心リング4203)を有する、分子4205を含む。層上の所与の側方または半径方向位置に関して、分子4205の配向(例えば、回転角度φ)は、シート毎の層の厚さを通して異なる距離に(例えば、z方向に)位置する異なる分子に関して同一のままである。これは、概して、視野にわたる偏光変換効率における改良が、前述で定義された中心波長λcを中心とする狭いまたは限定された波長の範囲に該当する、狭帯域動作につながる。しかしながら、例えば、分子の配向が層の厚さを通して同一ではなく、これが、本偏光変換の帯域幅を増加させる、例えば、広帯域動作を提供するために使用され得る、
図42Aに見られる構成のような他の構成も、可能性として考えられる。
【0405】
種々の実装では、切替可能な波長板4204上の第1および第2の表面は、表面を基板上に備える。例えば、液晶層が、第1の基板と第2の基板との間に配置されてもよい。
図40に示される設計等の種々の実装では、第1および第2の表面は、平面表面を平面基板上に備える。基板は、ガラスまたはプラスチック材料から成ってもよい。基板は、いくつかの実装では、4分の1波長板等の光学要素を備えてもよい。
【0406】
本明細書に説明される、他の例示的切替可能なレンズアセンブリと同様に、種々の実装では、偏光スイッチまたは切替可能な波長板4204はさらに、液晶層を横断して電気信号を印加するように構成される、複数の電極(図示せず)を備えてもよい。本電気信号は、液晶および偏光スイッチまたは切替可能な波長板4204の状態を切り替えるために使用されてもよい。故に、偏光スイッチまたは切替可能な波長板4204は、偏光スイッチがある状態にあるとき、その上に入射する光の偏光が異なる偏光状態に回転または別様に変換されるように構成されてもよい。例えば、偏光スイッチまたは切替可能な波長板4204上に入射する右円偏光(RHCP)光は、左円偏光(LHCP)に回転または変換されてもよい。しかしながら、偏光スイッチ4104が別の状態にあるとき、そのような変換または回転は、概して、生じない。
【0407】
図41は、視野の周縁4310上またはその近くのオブジェクトからの光のための偏光回転または変換の効率を増加させるように構成される、切替可能な波長板4304のための別の例示的設計を図示する。切替可能な波長板4304は、その縦方向4332に沿って幅より長さがある、分子4305を備える、液晶層を含む。分子4305は、縦方向4332が、中心軸から複数の半径方向4303のために切替可能な波長板4304を通る中心軸4324から半径方向に延在するように配向される。本構成は、潜在的に、
図40に見られる構成と同様に、高度に軸外の視野角度に関しても、切替可能な波長板4304の偏光回転または変換の効率における均一性を増加させる。
図40は、Φが、入射平面が、概して、または実質的に、視野を横断してΦと略平行であるように変動される、例示的構成であるが、
図41では、入射平面は、概して、または実質的に、視野を横断してΦに垂直である。
図40および41に図示される構成は両方とも、視野を横断して
図39内の実質的に暗領域3902(例えば、0°~90°方位角に対応する)の比較的に高偏光変換性能を達成することを目的とする。
【0408】
切替可能な波長板4304は、
図40に示される切替可能な波長板と異なる様式で(例えば、異なる方向に)回転される、分子4305を備える、液晶層を含む。
図41に図示される切替可能な波長板4304内の液晶分子4305は、切替可能な波長板を通る中心軸4324と平行な局所軸4301を中心として回転する。示されるように、局所軸4301は、液晶分子4305の中心を通り、中心軸または光学軸4324と平行である。故に、種々の実装では、分子4305の縦方向4332は、第1および第2の表面と平行であって、したがって、回転は、第1および第2の表面と平行な平面にあると言え得る。分子4305の回転の量は、角度φによって表される。本回転は、分子4305の場所に依存する。具体的には、分子4305の配向(例えば、局所軸を中心とした個別の角度φの回転)は、中心軸に対する分子の場所に対応する中心軸4324を中心とした方位角Φに伴って変動し得る。図示される実装では、例えば、伸長分子4305は、概して、中心軸4324を中心として複数の半径方向に延在する方向4303に配列される。
【0409】
図41は、特に、液晶(LC)回折レンズ等の液晶レンズ(例えば、波長板レンズ)4302と、偏光スイッチ(例えば、切替可能な波長板)4304(偏光スイッチまたは切替可能な波長板4304は、平坦または平面である)とを備える、適応レンズアセンブリ4300の実施例を示す。偏光スイッチまたは切替可能な波長板4304は、第1および第2の表面(例えば、外側および内側表面)と、その間に配置される、液晶層とを有する。第1および第2の表面は、本実施例では、平坦または平面である。図示されるように、中心軸は、第1および第2の表面に対して法線方向である。対照的に、視野の周縁4310上またはその近くのオブジェクト4308からの光は、切替可能な波長板4304上に入射するように示される。
【0410】
図41は、中心軸または光学軸4324と平行な局所軸4301を中心として回転する、複数の液晶分子4305を備える、液晶層を図示する。これらの分子4305は、水平線等の基準4315に対する個別の角度φだけ局所軸4301を中心として回転する。局所軸4301は、
図41では、z-軸と平行であるように図示される。同様に、角回転φも、x-y平面と平行な平面にある。同様に、種々の実装では、角回転φは、第1および第2の表面と平行な平面にある。本回転は、中心軸4324と平行な分子4305(例えば、分子の中心と交差する)に関する個別の(「局所」)軸4301を中心とする方位角回転と称され得る。
【0411】
液晶分子4305は、中心軸4324を中心として異なる場所に位置付けられる。故に、方位角Φは、例えば、中心軸4324に対する特定の分子4305の極座標内の場所を規定するために使用されてもよい。
図41に示される実装等の切替可能な波長板4304の種々の実装では、液晶分子4305は、角度(例えば、方位角)回転φだけ分子を通して通過する局所軸4301を中心として回転する。本回転は、分子の位置に応じて変動する量による。特に、回転φの量は、例えば、中心軸4324に対する特定の分子の極座標内の場所に対応する、方位角Φに依存する。種々の実装では、液晶分子4305は、概して、縦方向4332に沿って幅より長さがある。加えて、複数の液晶分子4305は、分子の縦方向4332が中心軸から半径方向に延在するように、中心軸4324と平行な局所軸4301を中心として回転する。その結果、種々の実装では、分子4305は、特定の空間配列を有する。種々の実装では、例えば、分子4305は、切替可能な波長板4304の中心軸4324を中心として配置され、そこから延在する、半径方向に指向される線を形成する。故に、いくつかの実装では、分子4305は、これらの星形形状またはアスタリスク形状のパターンで配列されてもよい。複数の液晶分子4305は、個別の分子の縦方向4332が中心軸から分子の中心までの半径方向と平行であって、それによって、本星形またはアスタリスクパターンを形成するように、中心軸4324と平行な局所軸4301を中心として回転されることができる。分子4305の縦方向4332は、それぞれ、中心等の共通点において交差する、少なくとも3、4、5、6、8、9、10、12、14、20、またはそれを上回る(またはこれらの値のいずれかによって定義された範囲内の任意の整数値)線形経路に沿って配列されてもよい。種々の実装では、縦方向4332を伴う、液晶分子4305の配列は、軸に対して対称である、パターンを形成する。本パターンは、例えば、軸(例えば、中心軸)に対して少なくとも3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、11回、12回、20回回転対称性を有してもよい、またはこれらの値のいずれかによって定義された範囲内の整数値を有する、対称性の程度を有してもよい。
【0412】
分子4305の本空間配列は、分子が全ての場所に関して同一方向(例えば、全て垂直または全て水平)に配向される、空間配列と比較して、偏光スイッチ4304を横断してより均一な偏光変換または回転をもたらし得る。偏光スイッチ4304を通る(例えば、第1および第2の表面および液晶層を通る)中心軸4324(例えば、光学軸)に沿って入射する、光の偏光変換または回転は、例えば、視野の周縁4310に位置するオブジェクト4308から生じる軸外光のための偏光変換または回転に類似し得る。本結果は、個々の液晶分子4305の回転配向の結果であり得、これは、視野内の異なるオブジェクト4308からの光の入射角が実質的に同一である、尤度を増加させる。いくつかの実装では、例えば、適応レンズアセンブリ4300は、光を適応レンズアセンブリ4300から距離dにおける視認者の眼4320に透過させるように構成される。加えて、液晶分子4305の縦方向4332は、視認者の眼4320の視野内の個別の場所4308から液晶層上に投影された視認者の眼までの光の経路4334の個別の投影に沿って延在する。本配列は、入射平面が、広角範囲(例えば、常時、略垂直)の入射に関してΦと略垂直であって、それによって、
図39に示される90°方位角動程を模倣することを提供することを目的とする。
【0413】
見やすくするために、液晶分子4305のスタックが厚さに沿って(例えば、z軸と平行に)分散されている、液晶の層の厚さは、
図41には具体的に図示されない。代わりに、切替可能な波長板4302(例えば、第1および第2の表面)の側方および/または半径方向空間範囲を横断して分散されるような液晶分子4305の空間配列の正面図が、示される。上記に議論されるように、示される実施例では、空間配列は、液晶分子4305の複数の半径方向に指向される線に対応する。空間配列は、例えば、星形またはアスタリスク形パターンを備えてもよい。種々の実装では、本空間配列は、液晶層の厚さを通して複製される。例えば、液晶の層は、ある実装では、液晶のシートまたはサブ層のスタックであるように概念化され得、各シートは、
図41に示される同一空間配列(例えば、中心軸を中心として配列され、そこから延在する、半径方向に指向される線4303)を有する、分子4305を含む。層上の所与の側方または半径方向位置に関して、分子4305の配向(例えば、回転角度φ)は、シート毎の層の厚さを通して異なる距離に(例えば、z方向に)位置する異なる分子に関して同一のままである。前述で述べられたように、これは、狭帯域動作を生じさせ得る。しかしながら、例えば、層の厚さを通して分子の場所が変化され得る、広帯域動作のための他の構成も、可能性として考えられる。
【0414】
種々の実装では、切替可能な波長板4304上の第1および第2の表面は、表面を基板上に備える。例えば、液晶層が、第1の基板と第2の基板との間に配置されてもよい。
図41に示される設計等の種々の実装では、第1および第2の表面は、第1および第2の表面は、平面基板の平面表面を備える。基板は、ガラスまたはプラスチック材料から成ってもよい。基板は、いくつかの実装では、1つ以上の4分の1波長板等の光学要素を備えてもよい。
【0415】
本明細書に説明される、他の例示的切替可能なレンズアセンブリと同様に、種々の実装では、偏光スイッチまたは切替可能な波長板4304はさらに、液晶層を横断して電気信号を印加するように構成される、複数の電極(図示せず)を備えてもよい。本電気信号は、液晶および偏光スイッチまたは切替可能な波長板4304の状態を切り替えるために使用されてもよい。故に、偏光スイッチまたは切替可能な波長板4304は、偏光スイッチがある状態にあるとき、その上に入射する光の偏光が異なる偏光状態に回転または別様に変換されるように構成されてもよい。例えば、偏光スイッチまたは切替可能な波長板4304上に入射する右円偏光(RHCP)光は、左円偏光(LHCP)に回転または変換される、またはその逆であってもよい。しかしながら、偏光スイッチ4304が別の状態にあるとき、そのような変換または回転は、概して、生じない。
【0416】
偏光スイッチ/切替可能な波長板の性能は、漏出として定量化されることができる。例えば、円偏光の掌性を変換するために、漏出は、偏光スイッチ/切替可能な波長板をそれらの間に伴う一対の平行円偏光器(右/左)を通して漏出する、光のパーセント(%)として定義されてもよく、100%ベースラインは、偏光器から計算または測定されるが、スイッチをそれらの間に伴わない。さらに、本漏出は、標的視野(例えば、±35°錐体角度)および動作波長範囲(例えば可視範囲の大部分を網羅するための420nm~680nm)にわたって平均されることができる。本偏光漏出はまた、エリプソメータ等のツールを使用して測定され、理論的予測と比較することができる。実施例として、
図39に示されるものに類似する性質を伴う、既製のECBセルから測定された偏光漏出は、±35°入射錐体角度にわたって420nm~680nmを横断して平均されると、約10%であり得、これは、いくつかの用途では、実質的視覚的アーチファクトをもたらし得る。
図40、41、および42におけるアプローチを用いることで、本漏出値は、10%から<5%または<2%まで改良されることができ、これは、実質的改良である。したがって、漏出は、5%、4%、3%、2%、1%未満またはそれに等しい、またはこれらの値のいずれかによって定義された任意の範囲内の値を有してもよい。代替として、性能を漏出パーセントとして定量化するために、性能は、代わりに、回折効率パーセントの観点から特性評価されることができる。
【0417】
例えば、
図40および41に説明されるもの等のいくつかの設計では、該中心軸を中心として方位角に伴って変動する該回転を有する、複数の液晶分子は、液晶層および/または波長板を横断して少なくとも1、2、3、4、5、6、8、10、12cm
2、またはそれを上回る範囲(またはこれらの値のいずれかによって定義された任意の範囲)にわたって延在する、分子の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、またはそれを上回る(またはこれらの値のいずれかによって定義された任意の範囲内のパーセンテージ)を含む。同様に、複数の液晶分子は、少なくとも1、2、3、4、5、6、8、10、12cm
2、またはそれを上回るサイズ(またはこれらの値のいずれかによって定義された任意の範囲内のサイズ)を有する、同心リング内に配列されてもよい。他の実施例では、複数の液晶分子は、少なくとも1、2、3、4、5、6、8、10、12cm
2、またはそれを上回るサイズ(またはこれらの値のいずれかによって定義された任意の範囲内のサイズ)を有する、アスタリスクまたは星形の形状で配列されてもよい。種々の実装では、縦方向4332を伴う、液晶分子の配列は、軸に対して対称であるパターンを形成する。本パターンは、例えば、軸(例えば、中心軸)に対して少なくとも3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、11回、12回、または20回回転対称性を有してもよい、またはこれらの値のいずれかによって定義された範囲内の整数値を有する、対称性の程度を有してもよい。
【0418】
図13C、20A、および20Bに関連して上記に議論されるように、波長板の高帯域幅能力(例えば、複数または広波長の範囲を横断した性能における均一性)は、特に、
図42Aに図示されるように、1つ以上の液晶層内に垂直に液晶分子の捻転配列を構成することによって達成されることができる。そのような構成は、例えば、偏光回転または変換を受ける、回折効率を増加させ、これは、ひいては、光の量を増加させ得る。
【0419】
図42Aは、複数の液晶層4418A、4418Bを備える、広帯域の切替可能な波長板4404の断面図を図式的に図示する。図示される広帯域波長板レンズ4404は、対向捻転向きを有する、液晶分子4405を有する、2つの液晶層4418A、4418Bを備える。2つの層4418A、4418Bの厚さおよび捻転角度は、付加的自由度を提供し、制御および/または単一液晶層のみと比較して、より広い波長の範囲にわたって、偏光変換を増加させる、改良する、または最適化する。故に、層4118A、4118Bは、より広い波長の範囲にわたって偏光変換効率を提供する(および可能性として、増加させる)、厚さ(可能性として、異なる)を有することができる。
図42Aは、液晶層4418A、4418Bの断面図を描写する。
【0420】
液晶層4418A、4418Bは、セル1およびセル2と標識された2つのセル4450A、4450B内に含まれるように示される。
図42Aに図式的に図示される実装では、第1のセル4450A(セル1)と関連付けられる、第1の液晶層4418Aは、一対の基板4452A、4452Bと一対の電極4454A、4454Bとの間に配置される。第2のセル4450B(セル2)と関連付けられる、第2の液晶層4418Bは、一対の基板4456A、4456Bと一対の電極4458A、4458Bとの間に配置される。界面4460が、2つのセル4450A、4450B、故に、2つの液晶層4418A、4418Bを分離する。整合層(図示せず)が、2つのセル4450A、4450B内の液晶層4418A、4418Bに隣接して含まれ、液晶分子4405の配向を補助するように整合させてもよい。例えば、第1のセル4450Aでは、整合層は、第1の基板4452Aおよび/または第1の電極4454Aの近位の第1の液晶層4418Aに隣接して配置されてもよい。同様に、第2のセル4450Bでは、整合層は、第1の基板4156Aおよび/または第1の電極4458Aの近位の第2の液晶層4418Bに隣接して配置されてもよい。スペーサビーズまたは構造(図示せず)が、整合層間に追加され、デバイスの活性面積にわたる液晶層の厚さの均一性を増加または改良してもよい。基板、電極、および/または整合層の他の配列も、可能性として考えられる。
【0421】
液晶分子4405の捻転配列の一実施例が、
図42Aに示される断面に図式的に図示される。液晶層4418Aおよび4418Bの両方の厚さは、前述で定義された約半波厚であるように選定されることができる。第1および第2の液晶層4418A、4418B内の液晶分子4405は、対向捻転向き、例えば、対向捻転角度を有する。例えば、第2の液晶層4418B内の液晶分子4405は、第1の液晶層内の分子の捻転を鏡映するように、第1の液晶層4418Aからの距離に伴って捻転されることができる(例えば、z方向に沿って)。第1および第2の液晶層4418A、4418Bの液晶分子4405は、例えば、第1の層と第2の層との間の界面4460に対して対称的に捻転されることができる。本捻転は、正味角度約60度~80度を有してもよい。例えば、捻転角度は、それぞれ、第1および第2のセル4450A、4450B内の第1および第2の液晶層4418A、4418Bに関して、70°および-70°であってもよい。捻転は、いくつかの実装では、液晶材料をキラル剤でドーピングし、および/または液晶層に隣接する整合層の配向角度を調節することによって導入されてもよい。
【0422】
しかしながら、z方向における所与の深度のx-y平面と平行な平面を横断した液晶分子4405の側方配列は、切替可能な波長板4404の設計に応じて変動し得、例えば、
図40およびその他に関して上記に例証される空間配列を含む、上記に説明される種々の配列のいずれかを有することができる。例えば、いくつかの実装では、第1の基板4452Aに最も近い液晶分子4405は、概して、
図40に関して上記に説明されるものと同様に、分子の位置の関数として変動する(例えば、中心領域または軸に対する方位角Φによって規定されるように)、局所配向方向、例えば、局所伸長方向または局所配向子を有することができる。いくつかの実装では、例えば、液晶分子4405は、
図40に図示されるような液晶分子の複数のリング形状の配列を形成するように、縦方向に沿って幅より長さがあり、中心領域または軸に面する、縦方向に沿って伸長辺を有することができる。液晶の他の側方配列および局所配向も、可能性として考えられる。
【0423】
加えて、2つの液晶層4418A、4418B(
図42A参照)における所与の柱状領域内の液晶分子4405の配列は、液晶層4418A、4418B内の垂直場所(z方向に沿った深度)の関数として変動する、ネマチック配向子nを有するように表され得る。上記に議論されるように、種々の設計では、液晶分子4405の所与の列は、個別の液晶層4418A、4418Bを通して、深度に伴って捻転するであろう。加えて、
図42Aに図示されるような種々の設計では、液晶層4418A、4418Bのうちの一方内の第1の捻転向きを有する、液晶分子4405の所与の列に関して、液晶層4418A、4418Bの他方内の液晶分子の対応する列は、対向捻転向きを有する。言い換えると、上記に議論されるように、2つの液晶層4418A、4418B内の液晶分子4405は、2つの液晶層4418A、4418B間の界面4160を中心としてそれぞれの他方の鏡像を形成し得る、配列を有する。いくつかの実装では、第1および第2の液晶層4418A、4418Bのそのような構成は、第1の液晶層4418Aまたは第2の液晶層4418Bのうちの1つのみを有する、構成と比較して、複数の波長を横断して、その上に入射する光の偏光状態を改変する際、増加された均一性を提供することができる。そのような構成は、ある場合には、波長の範囲を横断して切替可能な波長板の回折効率を増加させ得る。切替可能な波長板は、例えば、少なくとも450nm~630nmを含む、波長範囲内において、90%を上回る、または95%を上回る、可能性として、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、または100%(またはこれらの値のいずれかによって定義された任意の範囲内のパーセンテージ)の回折効率で光を回折するように構成されてもよい。
【0424】
いくつかの設計では、反応性メソゲンが、2つの液晶層4418A、4418B内の液晶分子4405の配列を作成するために採用されることができる。いくつかの実装では、低分子量を有する、反応性メソゲンが、分子4405が、表面によって整合され、複雑なプロファイルを作成するための捻転を有し得るように使用されることができる。
【0425】
例えば、第2の液晶層4418Bから最も遠くに、例えば、第1の基板4452Aおよび/または第1の電極4454Aの近位に整合層を好適に構成することによって、本整合層に最も近い(例えば、
図42Aでは、最左の)液晶分子は、液晶分子4405の伸長方向の第1の複数の局所方位角(φ)を有するように配列されることができる。中心軸と平行な局所軸を中心とするこれらの局所方位角φは、例えば、
図40に関して上記に説明されるような配列を有することができる。加えて、第1の液晶層4418A内のこれらの(例えば、最左)液晶分子に隣接する液晶分子4405は、例えば、第2の液晶層4418Bに最も近い(例えば、
図42Aでは、最右の)液晶分子が、第2の複数の方位角φを有するように、キラル剤を第1の液晶層4418Aに添加することによって、第1の捻転を有するように構成されることができる。その後、整合層を、例えば、第1の基板4456Aの近位に好適に構成することによって、第2のセル4450Bでは、第1の液晶層4418Aに最も近い第2の液晶層4418B内の液晶分子4405は、液晶分子4405の伸長方向の第3の複数の局所方位角φを有するように配列されることができる。加えて、第2の液晶層4418B内の隣接する液晶分子4405は、第1の液晶層4418Aから最も遠い、例えば、第2のセル4450B内の第2の基板4456Bおよび/または第2の電極4458Bに最も近い(例えば、
図42Aでは最右の)液晶分子が、第4の複数の局所方位角φを有するように、キラル剤を第2の液晶層4418Bに添加することによって、第2のキラル捻転を有するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、第1および第2のキラル捻転は、第2の液晶層4418Bから最も遠い(例えば、
図42Aでは最左の)、例えば、第1の基板4452Aおよび/または電極4454Aに最も近い、第1の液晶層4418Aの液晶分子4405、および第1の液晶層4418Aから最も遠い(例えば、
図42Aでは最右の)、例えば、第2のセル4450B内の第2の基板4456Bおよび/または第2の電極4458Bに最も近い、第2の液晶層4418Bの液晶分子4405が、同一方位角を有するように、ほぼ同一である。
【0426】
故に、
図42Aは、液晶分子4405を備える、複数のサブ層4466A、4466B、4466C、4466Dを備える、第1の液晶層4418Aを示す。サブ層4466A、4466B、4466C、4466Dは、第2の液晶層4418Bから最も遠い第1の液晶層4418A内の第1のサブ層4466Aを含む。第1の液晶層4418A内のサブ層4466A、4466B、4466C、4466Dは、概して、x-y平面に(例えば、側方または半径方向に)第1のサブ層4466A内に含まれる液晶分子4405と同一位置を有し、中心軸と平行な局所軸を中心として徐々に捻転され得る、液晶分子4405を有する、付加的サブ層4466B、4466C、4466Dを含む。捻転の量は、第1のサブ層4466Aからの距離に伴って増加する。
【0427】
第2の液晶層4418Bもまた、複数のサブ層4468A、4468B、4468C、4468Dを備えることができる。本複数のサブ層4468A、4468B、4468C、4468Dは、概して、x-y平面内に(例えば、側方または半径方向に)第2の液晶層4418Bの第1のサブ層4468A内に含まれる液晶分子と同一位置を有し得る、液晶分子4405を有する。第2の液晶層4418Bにおける複数のサブ層4468B、4468C、4468D内の液晶分子4405は、中心軸と平行な局所軸を中心として徐々に捻転され、捻転の量は、第2の液晶層4418B内の第1のサブ層4468Aからの距離に伴って増加する。
【0428】
図示されるように、第1の液晶層4418Aに最も近い第2の液晶層4418B内の液晶サブ層4468Aは、第2の液晶層4418Bに最も近い第1の液晶層4418Aにおけるサブ層4466D内の複数の液晶分子4405と同一配向を伴う、液晶分子4405を有することができる。
【0429】
また、図示されるように、第2の液晶層4418Bは、第1の液晶層4418Aにおける第1のサブ層4466A内の複数の液晶分子4405と同一配向を伴う液晶分子4405を有する、第1の液晶層4418Aから最も遠い液晶サブ層4468Dを有することができる。
【0430】
故に、第1および第2の液晶層4418A、4418B内の液晶分子4405は、対向して捻転されることができる。そのような対向捻転は、より広帯域性能を提供し、例えば、複数の波長を横断して回折効率および/または偏光回転および/または変換効率を増加させ得る。
【0431】
一例示的構成では、液晶層4418A、4418Bは、好適な厚さ、例えば、約1μm~2μmまたは約1.5μm~2μm、例えば、約1.7μmを有する。好適なキラル捻転は、限定ではないが、約50度~90度または約60度~80度、例えば、約70度、またはこれらの値のいずれか間の任意の範囲であってもよい。相対的帯域幅Δλ/λoは、限定ではないが、40%、50%、または60%、例えば、約56%、またはこれらの値のいずれか間の任意の範囲内のパーセンテージを上回ってもよい。上記の波長範囲等の動作波長範囲内では、回折効率は、ある実装によると、90%、95%、97%、98%、99%、または99.5%、またはこれらの値のいずれか間の任意の範囲内のパーセンテージのいずれかを上回ってもよい。範囲および値の任意のこれらの組み合わせも、可能性として考えられる。加えて、他の値もまた、可能性として考えられ得る。
【0432】
本明細書に説明されるように、液晶デバイスは、切替可能であってもよい。切替可能な波長板は、例えば、複数の状態を有することができ、液晶分子4405は、電気信号を液晶層4418Aおよび/または4418Bに印加することによって、配向を変化させられる。
図42Bに図示されるように、例えば、第1および第2の電源4470A、4470Bが、電気信号(例えば、電圧)を、それぞれ、第1および第2の液晶層4418A、4418Bに印加する。第1の電源4470Aは、例えば、第1の液晶層4418Aを中心として配置される第1および第2の電極4454A、4454Bに電気的に接続されるように示される。同様に、第2の電源4470Bは、例えば、第2の液晶層4418Bを中心として配置される第1および第2の電極4458A、4458Bに電気的に接続されるように示される。故に、
図42Bは、電気信号が液晶層に印加されないように示される、
図42Aに示される液晶分子の配向と比較して、電気信号の印加の結果として異なるように配向されるように、第1および第2の層4418A、4418B内の液晶分子4405を示す。他の構成も、可能性として考えられる。例えば、電極の配列および/または設置は、異なり得る。同様に、ゼロ電圧または電気信号が、
図42Aでは、液晶層4418A、4418Bに印加されるように描写されるが、他の電圧または信号も、印加されてもよい。
【0433】
広範囲のネマチック液晶分子が、本明細書に説明される種々の実施形態を構築するために使用されることができる。加えて、キラルドーパント剤が、液晶に添加され、捻転角度を制御し得る。Merck Ltd.、DIC Corporation Ltd.等のベンダは、そのような材料のための供給業者である。加えて、スイッチおよび他の要素間の偏光を変換する、受動波長板も同様に、使用され得る。これらの波長板またはリターダは、例えば、線形状態と円偏光状態との間で変換する、4分の1波長板であり得る。これらの波長板またはリターダは、例えば、液晶材料、複屈折鉱物(方解石、石英等)、延伸ポリマー(ポリカーボネート等)、または他の方法またはこれらのいずれかの組み合わせから形成され得る。
【0434】
米国特許出願公開第2018/0143470号および第2018/0143485号(両方とも、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に開示される方法を含む、種々の方法が、そのような液晶光学要素を加工するために採用されてもよい。
(傾斜された液晶分子を備える、光学要素の加工)
【0435】
種々の方法が、液晶分子を配向し、基板に対する所望の量のチルト角を提供するために使用されてもよい。本明細書に説明される技法は、光学要素を加工するために有用であり得、液晶デバイスを利用する他の光学技術のために有益であり得る。例示的用途は、液晶ディスプレイ(透過性およびシリコン上液晶(LCoS)の両方)、調節可能光シャッタ/調光器等を含む。そのような例示的方法のうちのいくつかは、下記に提供される。
【0436】
ある設計では、1つ以上の垂直整合層および水平整合層が、組み合わせて使用され、液晶分子を配向し、所望の斜めチルト角またはプレチルト角を提供する。液晶の垂直整合を誘発するために、あるポリイミド材料が、標準的技法(スピンコーティングスロットコーティング等)を使用して、薄膜としてコーティングされ、焼成され、次いで、機械的に擦過され、外部電圧が印加されると、チルト角の優先的方位角方向を作成する。他の材料および方法もまた、使用されてもよい。
【0437】
図43Aは、一対の基板4501A、4502Aと、一対の個別の垂直整合層4503A、4504Aとを備える、デバイス4500Aの断面図を図示する。LC分子4505Aの層は、2つの整合層4503A、4504A間に配置される。
図43Aに示されるデバイス4500A内の垂直整合層4503A、4504Aは、LC分子4506Aの垂直配向型整合を作成する。図示されるように、液晶4505Aの層内の液晶(LC)分子4506Aは、幅より長い長さを有し、その長さが、対の基板4501A、4502Aおよび対の個別の垂直整合層4503A、4504Aの主要表面を交差する、例えば、直交する、方向に指向された状態で配向される。本実施例では、長さは、対の基板4501A、4502Aおよび対の個別の垂直整合層4503A、4504Aと垂直である、z-軸と平行に配向される。LC分子4506Aの長軸は、基板4501A、4502Aおよび垂直整合層4503A、4504Aに対してほぼ法線または約90°に配向される。同様に、
図43Aは、基板4501A、4502Aおよび垂直整合層4503A、4504Aに対して約90°の配向角度θを伴う、LC分子4506Aを示す。本方向は、垂直方向と称される。垂直整合層4503A、4504Aは、該液晶(LC)分子4506Aを、該長さが本垂直方向に沿ってより指向される(および水平方向に直交する)ように配向させるように構成される。
【0438】
図43Bおよび43Cは、
図43Aに類似するデバイス4500B/4500Cの斜視図を図示する。
図43B/
図43Cは、一対の基板4501B/4501C、4502B/4502Cと、一対の個別の垂直整合層4503B/4503C、4504B/4504Cとを備える、デバイス4500B/4500Cを図示する。加えて、
図43B-43Cのデバイス4500B/4500Cはさらに、一対の水平整合層4507B/4507C、4508B/4508Cを備える。液晶分子4506B/4506Cを備える、液晶層4505B/4505Cは、対の基板4501B/4501C、4502B/4502C間に配置される。同様に、液晶層4505B/4505Cは、対の垂直整合層4503B/4503C、4504B/4504C間に配置される。液晶層4505B/4505Cはまた、対の水平整合層4507B/4507C、4508B/4508C間に配置される。
図43Bでは、水平整合層は、相互に平行であって、液晶層全体を通して均一整合を維持する一方、
図43Cでは、水平整合層は、捻転を液晶層内に誘発するために、相互に垂直である。上記に議論されるように、液晶4505B/4505Cの層内の液晶(LC)分子4506B/4506Cは、幅より長い長さを有する。加えて、
図43Aに関して上記に議論されるように、垂直整合層4503B/4503C、4504B/4504Cは、液晶(LC)分子4506B/4506Cが、LC分子の長さが水平方向(例えば、x方向)より垂直方向(例えば、z方向)に沿って指向された状態で配向されるように構成される。対照的に、水平整合層4507B/4707C、4508B/4508Cは、液晶(LC)分子4506B/4506Cが、LC分子の長さが垂直方向より該水平方向に沿って指向される状態で配向されるように構成される。種々の実装では、垂直整合層4503B/4503C、4504B/4504Cは、液晶分子4506B/4506Cを垂直整合層および水平整合層を伴わない場合より垂直に配向させる。種々の実装では、水平整合層4507B/4507C、4508B/4508Cは、液晶分子4506B/4506Cを垂直整合層を伴わない場合より水平にさせる。種々の実装では、垂直整合層4503B/4504C、4504B/4504Cは、そこに近位の液晶(LC)分子4506B/4506Cを該水平方向より垂直方向に沿って配向させるように構成される。同様に、種々の実装では、第2の水平整合層4507B/4507C、4508B/4508Cは、そこに近位の液晶(LC)分子4506B/4506Cを垂直方向より水平方向に沿ってあるように構成される。
【0439】
依然として、
図43Bおよび43Cを参照すると、垂直および水平整合層4503B/4503C、4504B/4504C、4507B/4507C、4508B/4508Cは、基板4501B/4501C、4502B/4502Cと平行である。故に、垂直および水平整合層4503B/4503C、4504B/4504C、4507B/4507C、4508B/4508Cに対する法線は、基板4501B/4501C、4502B/4502Cを通る法線と平行である。同様に、種々の実装では、垂直整合層4503B/4503C、4504B/4504Cは、液晶(LC)分子4506B/4506Cを、長さが基板および垂直整合層および/または水平整合層と平行の水平方向の場合より基板4501B/4501C、4502B/4502/C、垂直整合層4503B/4503C、4504B/4504C、および/または水平整合層4507B/4507C、4508B/4508Cに直交する垂直方向に沿って指向されるように配向させるように構成される。
【0440】
種々の実装では、垂直および水平整合層4503B/4503C、4504B/4504C、4507B/4507C、4508B/4508Cの寄与は、液晶分子4506B/4506Cを水平および垂直方向に対して傾斜させることである。液晶層4505B/4505Cは、液晶分子4506B/4506Cの配向が、垂直および水平整合層4503B/4503C、4504B/4504C、4507B/4507C、4508B/4508Cの両方によって影響され、垂直および水平方向に対してある斜角で配向されるように、垂直および水平整合層4503B/4503C、4504B/4504C、4507B/4507C、4508B/4508Cに対して配置される。液晶分子4506B/4506Cは、したがって、プレチルト角を有する。
【0441】
LC分子4506B/4506Cのプレチルト角または縦方向の斜角は、基板4501B/4501C、4502B/4502C、垂直整合層4503B/4503C、4504B/4504C、および/または水平整合層4507B/4507C、4508B/4508Cに対する法線に対して、かつ
図43B-43Cに示されるx-y平面に直交するz-軸に対して0°~90°であるように制御されることができる。プレチルト角または斜角の量は、LC分子の配向への垂直および水平整合層4503B/4504C、4504B、4507B、4508Bの寄与の相対的整合強度に依存し得る。いくつかの実装では、LC分子4506Bの大部分のためのプレチルト角または斜角は、5°~85°であることができる。いくつかの実装では、プレチルト角または斜角は、LC分子4506B/4506Cの大部分のために、45°~90°、例えば、50°~85°であることができる。いくつかの実装では、プレチルト角または斜角は、LC分子4506B/4506Cの大部分のために、0°~45°、例えば、5°~40°であることができる。これらの値のいずれかによって定義された範囲内の任意の値も、可能性として考えられる。いくつかの実装では、LC分子4506B/4506Cの少なくとも一部は、0°および/または90°にある。種々の設計では、大部分のLC分子4506B/4506Cは、プレチルト角を有する、または垂直および水平方向に対して斜めに配向される(例えば、90°以外または90°または0°以外の配向を有する)ことができる。
【0442】
図43Bおよび43Cに図示されるように、1つ以上の水平整合層4507B/4507C、4508B/4508Cは、そこに近位の液晶分子4506Bの配向に影響を及ぼすように構成される、トポグラフィレリーフを有してもよい。1つ以上の水平整合層4507B/4507C、4508B/4508Cは、例えば、そこに近位の液晶分子4506B/4506Cの配向に影響を及ぼすように構成される、表面レリーフ特徴(例えば、線等の伸長特徴)等の特徴を備えてもよい。
【0443】
故に、1つ以上の水平整合層4507B/4507C、4508B/4508Cは、パターン化された層を備えてもよい。1つ以上の水平整合層4507B/4507C、4508B/4508Cは、インプリント層を備えてもよく、これは、例えば、例えば、インプリントテンプレートを使用して、インプリントすることによって形成されてもよい。いくつかの実装では、1つ以上の水平整合層4507B/4507C、4508B/4508Cは、例えば、例えば、ナノインプリントテンプレートを用いて、ナノインプリントすることによって形成される、ナノインプリント層を備えてもよい。
【0444】
トポグラフィック的に変動する水平整合層4507B/4507C、4508B/4508Cをインプリントする例示的プロセスが、
図30Aに関してインプリントされた整合層3004を形成するために説明された。しかしながら、
図43B-43Cのトポグラフィック的に変動する水平整合層4507B/4507C、4508B/4508Cを形成するプロセスは、いくつかの実装では、個別の垂直整合層4503B/4503C、4504B/4504Cにわたって実施されてもよい。
【0445】
トポグラフィック的に変動する水平整合層を形成するための例示的インプリントプロセス(例えば、ナノインプリントプロセス)が、
図43B-43Cに関してトポグラフィック的に変動する水平整合層4507B/4507C、4508B/4508Cを形成するために説明されたが、他の実施形態は、そのように限定されない。他の実施形態では、水平整合層4507B/4507C、4508B/4508Cは、リソグラフィおよびエッチングを含む、他のパターン化技法を使用して加工されることができる。
【0446】
加えて、トポグラフィック的に変動する整合層4507B/4507C、4508B/4508Cは、ポリマー材料から形成されるように説明されたが、設計は、そのように限定されず、種々の他の実施形態では、水平整合層4507B/4507C、4508B/4508Cは、誘電材料、例えば、シリコンまたはガラス材料から成ることができる。
【0447】
依然として、
図43Bおよび43Cを参照すると、上記に議論されるように、トポグラフィック的に変動する水平整合層4507B/4507C、4508B/4508Cは、液晶分子4506B/4506Cの配向に影響を及ぼすように構成される、変動するトポグラフィック表面(例えば、伸長特徴等の特徴)を有してもよい。特徴の特性は、これらの特徴がそこに近位の液晶分子4506B/4506Cの配向に影響を及ぼす量に影響を及ぼし得る。いくつかの設計では、例えば、トポグラフィック的に変動する水平整合層4507B/4507C、4508B/4508Cの整合強度は、高さ、幅、ピッチ、デューティサイクル(線幅対間隔)、プロファイル(丸形対正方形プロファイル)またはアスペクト比、または変動するトポグラフィック表面および特徴(例えば、トポグラフィまたは表面特徴)の任意のそれらの組み合わせによって制御される。特徴は、例えば、少なくともこれらの特徴に近接する液晶分子4506B/4506Cの配向に及ぼす水平整合層4507B/4507C、4508B/4508Cの影響を増加または減少させるように変動される、例えば、増加または減少され得るサイズ(例えば、高さ、幅、長さ、またはそれらの任意の組み合わせ)を有する、トポグラフィ特徴または表面レリーフ特徴を備えてもよい。特徴は、例えば、離間された(規則的間隔および周期性または不規則的間隔/周期性またはそれらの組み合わせのいずれかを伴う)複数の特徴または表面レリーフ特徴を備えてもよく、少なくともこれらの特徴に近接する液晶分子4506B/4506Cの配向に及ぼす水平整合層4507B/4507C、4508B/4508Cの影響(例えば、影響の強度)を増加または減少させるように変動される、例えば、増加または減少され得る、ピッチ、周期性、間隔、またはそれらの任意の組み合わせを有してもよい。特徴は、例えば、少なくともこれらの特徴に近接する液晶分子4506B/4506Cの配向に及ぼす水平整合層4507B/4507C、4508B/4508Cの影響(例えば、影響の強度)を増加または減少させるように変動される、例えば、増加または減少され得る、断面プロファイル(例えば、丸形対正方形、矩形、三角形、またはその他またはそれらの組み合わせ)、アスペクト比(例えば、高さ対幅または高さ対長さまたは長さ対幅またはそれらの組み合わせ)、またはそれらの任意の組み合わせ等の形状またはプロファイルを伴う、複数の特徴または表面レリーフ特徴を備えてもよい。特徴は、例えば、少なくともこれらの特徴に近接する液晶分子4506Bの配向に及ぼす水平整合層4507B/4507C、4508B/4508Cの影響(例えば、影響の強度)を増加または減少させるように変動される、例えば、増加または減少され得る、デューティサイクル(例えば、高さ変動等のトポグラフィック的変動を有する、表面の高部分に対応する面積と低部分に対応する面積の比率)を伴う断面プロファイル等の形状またはプロファイルを伴う、複数の特徴または表面レリーフ特徴を備えてもよい。水平整合層4507B/4507C、4508B/4508Cの特徴、表面トポグラフィ、または他の特性における他の変動も、液晶分子4506B/4506Cの配向に及ぼす水平整合層4507B/4507C、4508B/4508Cの影響(例えば、影響の強度)に影響を及ぼす、それを増加させる、または減少させるように変動および/または制御されてもよい。
【0448】
下記(
図43D参照)に議論されるように、水平整合層4507B/4507C、4508B/4508Cは、そこに近位の液晶分子4506B/4506Cの配向に異なる量だけ影響を及ぼす、異なる領域を有することができる。故に、LC分子4506B/4506Cの配向(例えば、プレチルト角)は、液晶層4505B/4505Cを横断して変動し得る。例えば、第1の領域は、そこに近位の液晶分子4506B/4506Cを第2の領域により近位の液晶分子4506B/4506Cより水平であるように構成されてもよい。このように、液晶分子4506B/4506Cの配向(例えば、プレチルト角)は、光学要素を横断して変動され得る。
【0449】
いくつかの実装では、垂直整合強度は、垂直整合層の厚さによって制御および/または影響される。より厚い垂直整合層4503B/4503C、4504B/4504Cは、例えば、可能性として、LC分子4506B/4506Cにより強く影響を及ぼし、垂直配向を有し得る(例えば、垂直方向とより平行に整合される、幅を上回る長さを有する)。例えば、より厚い垂直整合層4503B/4503C、4504B/4504Cが、より薄い垂直整合層とは対照的に、水平整合層4507B/4507C、4508B/4508Cと組み合わせて使用される場合、プレチルト角は、より厚い整合層を用いることで、同一水平整合層4507B/4507C、4508B/4508Cと組み合わせて使用される、より薄い垂直整合層4503B/4503C、4504B/4504Cと比較して、垂直方向とより平行になり得る。
【0450】
同様に、垂直整合層4503B/4503C、4504B/4504Cは、そこに近位の液晶分子4506B/4506Cの配向に異なる量だけ影響を及ぼす、異なる領域を有することができる。例えば、第1の領域は、そこに近位の液晶分子4506B/4506Cを第2の領域により近位の液晶分子4506B/4506Cより垂直にさせるように構成されてもよい。垂直整合層4503B/4503C、4504B/4504Cの厚さは、例えば、垂直整合層4503B/4503C、4504B/4504Cを横断して異なる領域内で変動(例えば、増加または減少)され、少なくとも個別の領域に近接する液晶分子4506B/4506Cの配向に及ぼす垂直整合層の影響(例えば、影響の強度)を増加または減少させてもよい。故に、LC分子4506B/4506Cの配向(例えば、プレチルト角)は、液晶層4505B/4505Cを横断して変動し得る。このように、液晶4506B/4506Cの配向(例えば、プレチルト角)は、光学要素を横断して変動され得る。
【0451】
いくつかの実装では、水平整合層4507B/4507C、4508B/4508Cは、該斜角をより水平にさせないように構成される、領域を備えてもよい。故に、水平整合層4507B/4507C、4508B/4508Cは、斜角を導入する、またはプレチルト角を生じさせるように構成される、水平整合層4507B/4507C、4508B/4508Cの2つの領域間にプレチルト角を生じさせないように構成される、少なくとも1つの領域を備えてもよい。
【0452】
同様に、いくつかの実装では、いくつかの実装では、垂直整合層4503B/4503C、4504B/4508Cは、より垂直にさせないように構成される、領域を備えてもよい。故に、垂直整合層4503B/4503C、4504B/4504Cは、LC分子をより垂直にさせるように構成される、垂直整合層4503B/4503C、4504B/4504Cの2つの領域間に配置されるLC分子4506B/4506Cを垂直にさせないように構成される、少なくとも1つの領域を備えてもよい。
【0453】
図43Dは、異なる領域を有する、そこに近位の液晶分子の配向に異なる量だけ影響を及ぼす、水平整合層の実施例を図示する。特に、
図43Dは、基板4502Dと、垂直整合層4504Dと、水平整合層とを備える、デバイス4500Dの一部を示す。水平整合層は、そこに近位の液晶分子4518D、4522Dの配向に影響を及ぼす、トポグラフィック的に変動する表面特徴4508D、4510Dを備える。水平整合層は、そこに近位のLC分子4518D、4522Dの配向に影響を及ぼすように構成されるパターン(例えば、ナノ構造パターン)で配列される、トポグラフィ表面特徴(例えば、ナノ特徴)4508D、4510Dを有する、デバイスの面積4512D、4516D内に、複数の領域を含む。水平整合層はまた、そこに近位のLC分子4520Dの配向に影響を及ぼすように構成される、そのようなトポグラフィ表面特徴(例えば、ナノ特徴)を伴わない、デバイスの面積4514D内の領域を含む。水平整合層が、そこに近位のLC分子4520Dの配向に影響を及ぼすように構成される、そのようなトポグラフィ表面特徴(例えば、ナノ特徴)を含まない、本面積4514Dは、水平整合層が、そこに近位のLC分子4518D、4522Dの配向に影響を及ぼすように構成される、トポグラフィ表面特徴4508D、4510Dを有する、2つの面積4512D、4516D間に配置される。
【0454】
デバイスの異なる面積4512D、4514D、4516Dに対応する異なる領域は、それらの面積内のLC分子4518D、4522D、4520Dの整合の配向に影響を及ぼすための異なる量の強度を有する。故に、異なる面積4512D、4514D、4516D内のLC分子4518D、4520D、4522Dは、異なる量のプレチルト角および異なる配向角度(θ
1、θ
2、θ
3)を有する。水平整合層がパターン化されたナノ構造を伴わない、面積4514D内のLC分子は、主に、垂直整合層によって影響される。その結果、(水平方向に対する分子の長さの)分子の配向角度は、約90°である。
図43Dでは、本領域4514D内のLC分子4520Dは、約90°の角度θ
2を有するように示される。
【0455】
対照的に、周囲面積4512D、4516D内の垂直整合層は、これらの面積内のLC分子4518D、4522Dにプレチルト角および斜角θ
1、θ
3を持たせるように構成される。さらに、トポグラフィ特徴4508D、4510Dは、周囲面積4512D、4516D内の垂直整合層がこれらの面積内のLC分子4518D、4522Dの配向に異なる量だけ影響を及ぼすように、異なる特性、すなわち、異なるサイズを有する。特に、面積4516D内の伸長トポグラフィック特徴4510Dは、面積4512D内の伸長トポグラフィック特徴4508Dを上回る高さおよび幅を有する。同様に、面積4516D内の伸長トポグラフィック特徴4510Dは、面積4512D内の伸長トポグラフィック特徴4508Dを上回る影響を個別のLC分子4518D、4522Dの配向に及ぼす。面積4516D内のLC分子4522Dは、したがって、面積4512D内のLC分子4518Dより水平である。
図43Dに示される、図示される実施例では、例えば、θ
1>θ
3である。面積4512D内のLC分子4518Dは、面積4516D内のLC分子4522Dより垂直である。
【0456】
例示的構成が、
図43A-43Dに示されるが、しかしながら、広範囲の他の構成および変形例も、可能性として考えられる。例えば、水平整合層内の特徴は、より徐々に変動し、例えば、
図41に示されるような液晶分子の配向に漸次的変動を作成し得る。さらに他の配列も、可能性として考えられる。加えて、本方法は、LC分子の配向を変動させ、切替可能な波長板(例えば、電極を装備し、電気信号を印加し、波長板の状態を切り替える)、広帯域波長板、および波長板レンズ等の波長板を含む、液晶を備える、多種多様の光学要素を作成するために使用されることができる。加えて、そのような方法は、波長板等の光学要素内のLC分子の配向を変動させるために使用されることが、本方法は、他のタイプの光学要素のために使用されることができる。光学要素を加工するための方法における変形例もまた、可能性として考えられる。例えば、本明細書に説明されるものに類似するナノインプリント技法等のインプリント技法が、使用され得るが、本加工技法および他のアプローチおよび加工技法における変形例もまた、採用されてもよい。
(実施例)
(付加的実施例I)
(実施例1)
切替可能な光学アセンブリであって、
電気的にアクティブ化およびアクティブ化解除され、その上に入射する光の偏光状態を選択的に改変するように構成される、切替可能な波長板であって、
第1および第2の表面と、
該第1の表面と第2の表面との間に配置される、第1の液晶層であって、該第1の液晶層は、中心軸と平行な軸を中心として回転される、複数の液晶分子を備え、該回転は、該中心軸を中心として方位角に伴って変動する、第1の液晶層と、
該第1の液晶層を横断して電気信号を印加するための複数の電極と、
を備える、切替可能な波長板を備える、切替可能な光学アセンブリ。
(実施例2)
第1および第2の表面は、平面表面を備える、実施例1に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(実施例3)
第1および第2の表面は、平面表面を平面基板上に備える、実施例1または2に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(実施例4)
中心軸は、該第1および第2の表面に対して法線方向である、実施例1-3のうちの任意の1つに記載の切替可能な光学アセンブリ。
(実施例5)
該液晶分子はそれぞれ、縦方向に沿って幅より長さがあり、該液晶分子は、該液晶分子のそれぞれが該中心軸に面する該縦方向に沿って伸長辺を有するように、該中心軸と平行な軸を中心として回転される、実施例1-4のうちの任意の1つに記載の切替可能な光学アセンブリ。
(実施例6)
該液晶分子はそれぞれ、縦方向に沿って幅より長さがあり、該液晶分子は、該液晶分子が該中心軸を中心として同心リングを形成するように、該中心軸と平行な軸を中心として回転される、実施例1-5のうちの任意の1つに記載の切替可能な光学アセンブリ。
(実施例7)
該液晶分子はそれぞれ、縦方向に沿って幅より長さがあり、該液晶分子は、該縦方向が該中心軸から該液晶分子まで半径方向に直交するように、該中心軸と平行な軸を中心として回転される、実施例1-6のうちの任意の1つに記載の切替可能な光学アセンブリ。
(実施例8)
該複数の液晶分子は、該複数の液晶分子が該中心軸を中心として回転可能対称配列に配列されるような配向を有する、実施例1-7のうちの任意の1つに記載の切替可能な光学アセンブリ。
(実施例9)
該第1の液晶層は、複数のサブ層を備え、該液晶分子は、複数のサブ層の第1のサブ層内に含まれる、実施例1-8のうちの任意の1つに記載の切替可能な光学アセンブリ。
(実施例10)
該複数のサブ層は、液晶分子を有する付加的サブ層を含み、液晶分子は、第1のサブ層内に含まれる液晶分子と同じように側方または半径方向に位置付けられ、同じように配向される、実施例9に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(実施例11)
該複数のサブ層は、液晶分子を有する付加的サブ層を含み、液晶分子は、第1のサブ層内に含まれる液晶分子と同じように側方または半径方向に位置付けられ、中心軸と平行な該軸を中心として徐々に捻転され、捻転の量は、該第1のサブ層からの距離の増加に伴って増加する、実施例9に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(実施例12)
第2の液晶層をさらに備える、実施例1-11のうちの任意の1つに記載の切替可能な光学アセンブリ。
(実施例13)
該第2の液晶層は、複数のサブ層を備え、該複数のサブ層は、第1の液晶層の第1のサブ層内に含まれる液晶分子と同じように側方または半径方向に位置付けられる液晶分子を有し、該第2の液晶層内の該複数のサブ層内の該液晶分子は、中心軸と平行な該軸を中心として徐々に捻転され、捻転の量は、該第1の液晶層からの距離に伴って増加する、実施例12に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(実施例14)
該第2の液晶層は、第1の液晶層内の液晶分子の捻転を鏡映するように、第1の液晶層からの距離に伴って捻転される、液晶分子を有する、実施例12または13に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(実施例15)
該第1の液晶層は、複数のサブ層を備え、該第2の液晶層は、複数のサブ層を備え、第1の液晶層に最も近い該第2の液晶層のサブ層は、該第2の液晶層に最も近い第1の液晶層のサブ層内の液晶分子と実質的に同一配向を有する、液晶分子を備える、実施例12-14のうちの任意の1つに記載の切替可能な光学アセンブリ。
(実施例16)
該第1の液晶層は、複数のサブ層を備え、該第2の液晶層は、複数のサブ層を備え、第1の液晶層から最も遠い該第2の液晶層のサブ層は、第2の液晶層から最も遠い第1の液晶層のサブ層内の液晶分子と実質的に同一配向を有する、液晶分子を備える、実施例12-15のうちの任意の1つに記載の切替可能な光学アセンブリ。
(実施例17)
該第1および第2の液晶層は、第1および第2の液晶層の一方のみを有し、他方を有していない、光学アセンブリと比較して、複数の波長を横断して、その上に入射する光の偏光状態を改変する際、増加された均一性を提供する、実施例12-16のうちの任意の1つに記載の切替可能な光学アセンブリ。
(実施例18)
該切替可能な波長板は、少なくとも450nm~630nmを含む波長範囲内の95%を上回る回折効率で光を回折するように構成される、実施例12-17のうちの任意の1つに記載の切替可能な光学アセンブリ。
(実施例19)
該第1および第2の液晶層内の液晶分子は、対向捻転向きを有する、実施例12-18のうちの任意の1つに記載の切替可能な光学アセンブリ。
(実施例20)
第1および第2の液晶層は、対向捻転角度を有する、実施例12-19のうちの任意の1つに記載の切替可能な光学アセンブリ。
(実施例21)
第1および第2の液晶層内の液晶分子は、第1の層と第2の層との間の界面に対して正味角度約60度~80度対称的に捻転される、実施例12-20のうちの任意の1つに記載の切替可能な光学アセンブリ。
(実施例22)
該第2の液晶層を横断して信号を印加するように構成される、少なくとも1つの電極をさらに備える、実施例12-21のうちの任意の1つに記載の切替可能な光学アセンブリ。
(実施例23)
切替可能な光学アセンブリはさらに、液晶層を備える、第1の波長板レンズを備え、該第1の波長板レンズは、その上に入射する光の異なる偏光のための異なる屈折力を有し、
切替可能な光学アセンブリは、
第1の屈折力を有するように構成される、第1のレンズ状態と、
第1の屈折力と異なる第2の屈折力を有するように構成される、第2のレンズ状態と、
を含む、少なくとも2つのレンズ状態の間で選択的に切り替えられるように構成される、実施例1-22のうちの任意の1つに記載の切替可能な光学アセンブリ。
(実施例24)
第2の屈折力は、ゼロ屈折力である、実施例23に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(実施例25)
該中心軸を中心として方位角に伴って変動する該回転を有する、複数の液晶分子は、該第1の液晶層を横断して少なくとも1cm
2の範囲にわたって延在する、液晶分子の少なくとも50%を含む、実施例1-24のうちの任意の1つに記載の切替可能な光学アセンブリ。
(実施例26)
該中心軸を中心として方位角に伴って変動する該回転を有する、複数の液晶分子は、該第1の液晶層を横断して少なくとも2cm
2の範囲にわたって延在する、液晶分子の少なくとも50%を含む、実施例1-24のうちの任意の1つに記載の切替可能な光学アセンブリ。
(実施例27)
該中心軸を中心として方位角に伴って変動する該回転を有する、複数の液晶分子は、該第1の液晶層を横断して少なくとも1cm
2の範囲にわたって延在する、液晶分子の少なくとも80%を含む、実施例1-24のうちの任意の1つに記載の切替可能な光学アセンブリ。
(実施例28)
該中心軸を中心として方位角に伴って変動する該回転を有する、複数の液晶分子は、該第1の液晶層を横断して少なくとも2cm
2の範囲にわたって延在する、液晶分子の少なくとも80%を含む、実施例1-24のうちの任意の1つに記載の切替可能な光学アセンブリ。
(実施例29)
該複数の液晶分子は、該複数の液晶分子が該中心軸を中心として少なくとも4回回転対称性を有するような配向を有する、実施例1-28のうちの任意の1つに記載の切替可能な光学アセンブリ。
(実施例30)
切替可能な光学アセンブリであって、
電気的にアクティブ化およびアクティブ化解除され、その上に入射する光の偏光状態を選択的に改変するように構成される、切替可能な波長板であって、
第1および第2の表面と、
該第1の表面と第2の表面との間に配置される、液晶層であって、該液晶層は、それぞれ、縦方向に沿って幅より長さがある、複数の液晶分子を備え、該液晶分子は、該縦方向が、該第1および第2の表面および該液晶層の軸から、該軸から複数の半径方向において、半径方向に延在するように配向される、液晶層と、
該液晶層を横断して電気信号を印加するための複数の電極と、
を備える、切替可能な波長板を備える、切替可能な光学アセンブリ。
(実施例31)
第1および第2の表面は、平面表面を備える、実施例30に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(実施例32)
第1および第2の表面は、平面表面を平面基板上に備える、実施例30または31に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(実施例33)
軸は、該第1および第2の表面に対して法線方向である、実施例30-32のうちの任意の1つに記載の切替可能な光学アセンブリ。
(実施例34)
該複数の液晶分子は、該軸と平行な軸を中心として回転される、実施例30-33のうちの任意の1つに記載の切替可能な光学アセンブリ。
(実施例35)
該液晶分子のそれぞれの該縦方向は、該第1および第2の表面と平行である、実施例30-34のうちの任意の1つに記載の切替可能な光学アセンブリ。
(実施例36)
光を該切替可能な光学アセンブリからある距離における視認者の眼に透過させるように構成され、該液晶分子のそれぞれの該縦方向は、液晶層上に投影される、視認者の眼の視野内の個別の場所から視認者の眼までの光の経路の個別の投影に沿って延在する、実施例30-35のうちの任意の1つに記載の切替可能な光学アセンブリ。
(実施例37)
回折レンズを備える、波長板レンズをさらに備える、実施例30-36のうちの任意の1つに記載の切替可能な光学アセンブリ。
(実施例38)
液晶層を備える、波長板レンズをさらに備え、波長板レンズの液晶層は、波長板レンズが、第1の波長板レンズの中心領域から半径方向外向き方向に変動する、複屈折(Δn)を有するように配列される、実施例30-37のうちの任意の1つに記載の切替可能な光学アセンブリ。
(実施例39)
切替可能な波長板が第1の状態にあるとき、切替可能な波長板は、それを通して通過する円偏光の掌性を反転させるように構成される、半波長板としての役割を果たす一方、切替可能な波長板が第2の状態にあるとき、切替可能な波長板は、それを通して通過する円偏光の掌性を保存するように構成される、実施例30-38のうちの任意の1つに記載の切替可能な光学アセンブリ。
(実施例40)
液晶層は、複数のサブ層を備え、該液晶分子は、複数のサブ層の第1のサブ層内に含まれる、実施例30-39のうちの任意の1つに記載の切替可能な光学アセンブリ。
(実施例41)
該複数のサブ層は、液晶分子を有する付加的サブ層を含み、液晶分子は、第1のサブ層内に含まれる液晶分子と同じように側方または半径方向に配向され、位置付けられる、実施例40に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(実施例42)
切替可能な光学アセンブリはさらに、液晶層を備える、第1の波長板レンズを備え、該第1の波長板レンズは、その上に入射する光の異なる偏光のための異なる屈折力を有し、
切替可能な光学アセンブリは、
第1の屈折力を有するように構成される、第1のレンズ状態と、
第1の屈折力と異なる第2の屈折力を有するように構成される、第2のレンズ状態と、
を含む、少なくとも2つのレンズ状態の間で選択的に切り替えられるように構成される、
実施例30-41のうちの任意の1つに記載の切替可能な光学アセンブリ。
(実施例43)
第2の屈折力は、ゼロ屈折力である、実施例42に記載の切替可能な光学アセンブリ。
(実施例44)
個別の縦方向が該軸から複数の半径方向において該軸から半径方向に延在するように配向される複数の液晶分子は、該液晶層を横断して少なくとも1cm
2の範囲にわたって延在する液晶分子の少なくとも50%を含む、実施例30-43のうちの任意の1つに記載の切替可能な光学アセンブリ。
(実施例45)
個別の縦方向が該軸から複数の半径方向において該軸から半径方向に延在するように配向される複数の液晶分子は、該液晶層を横断して少なくとも2cm
2の範囲にわたって延在する液晶分子の少なくとも50%を含む、実施例30-43のうちの任意の1つに記載の切替可能な光学アセンブリ。
(実施例46)
個別の縦方向が該軸から複数の半径方向において該軸から半径方向に延在するように配向される複数の液晶分子は、該液晶層を横断して少なくとも1cm
2の範囲にわたって延在する液晶分子の少なくとも80%を含む、実施例30-43のうちの任意の1つに記載の切替可能な光学アセンブリ。
(実施例47)
個別の縦方向が該軸から複数の半径方向において該軸から半径方向に延在するように配向される複数の液晶分子は、該液晶層を横断して少なくとも2cm
2の範囲にわたって延在する液晶分子の少なくとも80%を含む、実施例30-43のうちの任意の1つに記載の切替可能な光学アセンブリ。
(実施例48)
該軸は、該第1および第2の表面および該液晶層の中心軸を備える、実施例30-47のうちの任意の1つに記載の切替可能な光学アセンブリ。
(実施例49)
光学要素を加工する方法であって、
水平方向に沿って延在し、それに対して垂直方向に指向される法線を有する、基板を提供するステップと、
第1の垂直整合層を提供するステップと、
第2の水平整合層を提供するステップと、
該液晶分子が該垂直および水平方向に対してある斜角で配向されるように、該第1の垂直整合層および該第2の水平整合層に対して液晶分子を備える液晶層を提供するステップであって、該第1の垂直整合層は、該液晶分子を該第1の垂直整合層を伴わない場合より垂直に配向させ、該第2の水平整合層は、該液晶分子を該第2の水平整合層を伴わない場合より水平に配向させる、ステップと、
を含む、方法。
(実施例50)
該第1の垂直整合層は、それに対して近位の液晶分子を該水平方向より該垂直方向に沿って配向させるように構成される、実施例49に記載の方法。
(実施例51)
該第2の水平整合層は、それに対して近位の液晶分子を該垂直方向より該水平方向に沿って配向させるように構成される、実施例49または50に記載の方法。
(実施例52)
該第2の水平整合層は、パターン化された層を備える、実施例49-51のうちの任意の1つに記載の方法。
(実施例53)
該第2の水平整合層は、インプリント層を備える、実施例52に記載の方法。
(実施例54)
該第2の水平整合層は、ナノインプリント層を備える、実施例52または53に記載の方法。
(実施例55)
ナノインプリント層は、ナノインプリントテンプレートを使用して形成される、実施例54に記載の方法。
(実施例56)
パターン化された層は、リソグラフィ技法またはエッチング技法を使用して形成される、実施例55に記載の方法。
(実施例57)
該第1の垂直整合層および該第2の水平整合層は、該基板にわたって配置される、実施例49-56のうちの任意の1つに記載の方法。
(実施例58)
該第1の垂直整合層は、該第2の水平整合層と該基板との間に配置される、実施例49-57のうちの任意の1つに記載の方法。
(実施例59)
該第2の水平整合層は、該第1の垂直整合層と該基板との間に配置される、実施例49-58のうちの任意の1つに記載の方法。
(実施例60)
該第2の水平整合層は、第1および第2の領域を有し、該第1の領域は、該液晶分子を該第2の領域より水平にさせるように構成される、実施例49-59のうちの任意の1つに記載の方法。
(実施例61)
該第2の水平整合層の第1および第2の領域は、特徴を備え、該第1の領域内の該特徴は、該第1の領域のより近位の該液晶分子が該第2の領域のより近位の該液晶分子より水平であるように、該第2の領域内の該特徴より大きいサイズを有する、実施例60に記載の方法。
(実施例62)
該第2の水平整合層の第1の領域および第2の領域は、特徴を備え、該第1の領域内の該特徴は、該第1の領域のより近位の該液晶分子が該第2の領域のより近位の該液晶分子より水平であるように、該第2の領域内の該特徴より高い高さを有する、実施例60または61に記載の方法。
(実施例63)
該第2の水平整合層の第1および第2の領域は、特徴を備え、該第1の領域内の該特徴は、該第1の領域のより近位の該液晶分子が該第2の領域のより近位の該液晶分子より水平であるように、該第2の領域内の該特徴より広い、実施例60-62のうちの任意の1つに記載の方法。
(実施例64)
該第2の水平整合層の第1および第2の領域は、特徴を備え、該第1の領域内の該特徴は、該第1の領域のより近位の該液晶分子が該第2の領域のより近位の該液晶分子より水平であるように、該第2の領域内の該特徴より広いピッチを有する、実施例60-63のうちの任意の1つに記載の方法。
(実施例65)
該第2の水平整合層の第1および第2の領域は、特徴を備え、該第1の領域内の該特徴は、該第1の領域のより近位の該液晶分子が該第2の領域のより近位の該液晶分子より水平であるように、該第2の領域内の該特徴より高いデューティサイクルを有する、実施例60-64のうちの任意の1つに記載の方法。
(実施例66)
該第2の水平整合層の第1および第2の領域は、特徴を備え、該第1の領域内の該特徴は、該第1の領域のより近位の該液晶分子を該第2の領域のより近位の該液晶分子より水平にさせるために、該第2の領域内の該特徴と異なるプロファイルを有する、実施例60-65のうちの任意の1つに記載の方法。
(実施例67)
該第2の水平整合層の第1および第2の領域は、特徴を備え、該第1の領域内の該特徴は、該第1の領域のより近位の該液晶分子を該第2の領域のより近位の該液晶分子より水平にさせるために、該第2の領域内の該特徴と異なるアスペクト比を有する、実施例60-66のうちの任意の1つに記載の方法。
(実施例68)
該第2の水平整合層は、該斜角をより水平にさせないように構成される、領域を備える、実施例49-67のうちの任意の1つに記載の方法。
(実施例69)
該第2の水平整合層は、該斜角をより水平にさせるように構成される該第2の水平整合層の2つの領域間に配置される、該斜角をより水平にさせないように構成される、少なくとも1つの領域を備える、実施例49-69のうちの任意の1つに記載の方法。
(実施例70)
該第1の垂直整合層は、第1および第2の領域を有し、該第1の領域は、該液晶分子を該第2の領域より垂直にさせるように構成される、実施例49-69のいずれかに記載の方法。
(実施例71)
該第1の水平整合層の第1の領域および第2の領域は、該第1の領域のより近位の該液晶分子が該第2の領域のより近位の液晶分子より垂直であるように、異なる厚さを有する、実施例70に記載の方法。
(実施例72)
該第1の垂直整合層は、該斜角をより垂直にさせないように構成される、領域を備える、実施例49-71のうちの任意の1つに記載の方法。
(実施例73)
該第1の垂直整合層は、該斜角をより垂直にさせるように構成される該第1の垂直整合層の2つの領域間に配置される、該斜角をより垂直にさせないように構成される、少なくとも1つの領域を備える、実施例49-72のうちの任意の1つに記載の方法。
(実施例74)
該斜角は、第1の垂直整合層および第2の水平整合層の相対的強度に依存する、実施例49-73のうちの任意の1つに記載の方法。
(実施例75)
第3の垂直整合層を提供するステップと、
第4の水平整合層を提供するステップと、
をさらに含み、該第1の垂直整合層は、該第3の垂直整合層を伴わない場合より垂直に該液晶層を配向させ、該第4の水平整合層は、該第4の水平整合層を伴わない場合より該液晶分子を水平にする、実施例49-74のいずれかに記載の方法。
(実施例76)
該液晶層は、該第1の垂直整合層と、第3の垂直整合層との間に配置される、実施例75に記載の方法。
(実施例77)
該液晶層は、該第2の垂直整合層と第4の垂直整合層との間に配置される、実施例75または76に記載の方法。
(実施例78)
斜角は、水平方向に対して0°~90°である、実施例49-77のうちの任意の1つに記載の方法。
(実施例79)
該液晶層内の該液晶分子の大部分のための斜角は、水平方向に対して5°~85°である、実施例49-77のうちの任意の1つに記載の方法。
(実施例80)
該液晶層内の該液晶分子の大部分のための斜角は、水平方向に対して5°~45°である、実施例49-79のうちの任意の1つに記載の方法。
(実施例81)
該光学要素は、波長板を備える、実施例49-80のうちの任意の1つに記載の方法。
(実施例82)
該光学要素は、切替可能な波長板を備える、実施例49-80のうちの任意の1つに記載の方法。
(実施例83)
電気信号を該液晶層に印加するように構成される、電極を形成するステップをさらに含む、実施例49-82のうちの任意の1つに記載の方法。
(実施例84)
該光学要素は、波長板レンズを備える、実施例48-83のうちの任意の1つに記載の方法。
(付加的実施例II)
(実施例1)
光学アセンブリであって、
その上に入射する光の偏光状態を改変するように構成される、波長板であって、
第1および第2の表面と、
該第1の表面と第2の表面との間に配置される、第1の液晶層であって、該第1の液晶層は、中心軸と平行な軸を中心として回転される、複数の液晶分子を備え、該回転は、該中心軸を中心として方位角に伴って変動する、第1の液晶層と、
を備える、波長板を備える、光学アセンブリ。
(実施例2)
第1および第2の表面は、平面表面を備える、実施例1に記載の光学アセンブリ。
(実施例3)
第1および第2の表面は、平面表面を平面基板上に備える、実施例1または2に記載の光学アセンブリ。
(実施例4)
中心軸は、該第1および第2の表面に対して法線方向である、実施例1-3のうちの任意の1つに記載の光学アセンブリ。
(実施例5)
該液晶分子はそれぞれ、縦方向に沿って幅より長さがあり、該液晶分子は、該液晶分子のそれぞれが該中心軸に面する該縦方向に沿って伸長辺を有するように、該中心軸と平行な軸を中心として回転される、実施例1-4のうちの任意の1つに記載の光学アセンブリ。
(実施例6)
該液晶分子はそれぞれ、縦方向に沿って幅より長さがあり、該液晶分子は、該液晶分子が該中心軸を中心として同心リングを形成するように、該中心軸と平行な軸を中心として回転される、実施例1-5のうちの任意の1つに記載の光学アセンブリ。
(実施例7)
該液晶分子はそれぞれ、縦方向に沿って幅より長さがあり、該液晶分子は、該縦方向が該中心軸から該液晶分子まで半径方向に直交するように、該中心軸と平行な軸を中心として回転される、実施例1-6のうちの任意の1つに記載の光学アセンブリ。
(実施例8)
該複数の液晶分子は、該複数の液晶分子が該中心軸を中心として回転可能対称配列に配列されるような配向を有する、実施例1-7のうちの任意の1つに記載の光学アセンブリ。
(実施例9)
該第1の液晶層は、複数のサブ層を備え、該液晶分子は、複数のサブ層の第1のサブ層内に含まれる、実施例1-8のうちの任意の1つに記載の光学アセンブリ。
(実施例10)
該複数のサブ層は、液晶分子を有する付加的サブ層を含み、液晶分子は、第1のサブ層内に含まれる液晶分子と同じように側方または半径方向に位置付けられ、同じように配向される、実施例9に記載の光学アセンブリ。
(実施例11)
該複数のサブ層は、液晶分子を有する付加的サブ層を含み、液晶分子は、第1のサブ層内に含まれる液晶分子と同じように側方または半径方向に位置付けられ、中心軸と平行な該軸を中心として徐々に捻転され、捻転の量は、該第1のサブ層からの距離の増加に伴って増加する、実施例9に記載の光学アセンブリ。
(実施例12)
第2の液晶層をさらに備える、実施例1-11のうちの任意の1つに記載の光学アセンブリ。
(実施例13)
該第2の液晶層は、複数のサブ層を備え、該複数のサブ層は、第1の液晶層の第1のサブ層内に含まれる液晶分子と同じように側方または半径方向に位置付けられる液晶分子を有し、該第2の液晶層内の該複数のサブ層内の該液晶分子は、中心軸と平行な該軸を中心として徐々に捻転され、捻転の量は、該第1の液晶層からの距離に伴って増加する、実施例12に記載の光学アセンブリ。
(実施例14)
該第2の液晶層は、第1の液晶層内の液晶分子の捻転を鏡映するように、第1の液晶層からの距離に伴って捻転される、液晶分子を有する、実施例12または13に記載の光学アセンブリ。
(実施例15)
該第1の液晶層は、複数のサブ層を備え、該第2の液晶層は、複数のサブ層を備え、第1の液晶層に最も近い該第2の液晶層のサブ層は、該第2の液晶層に最も近い第1の液晶層のサブ層内の液晶分子と実質的に同一配向を有する、液晶分子を備える、実施例12-14のうちの任意の1つに記載の光学アセンブリ。
(実施例16)
該第1の液晶層は、複数のサブ層を備え、該第2の液晶層は、複数のサブ層を備え、第1の液晶層から最も遠い該第2の液晶層のサブ層は、第2の液晶層から最も遠い第1の液晶層のサブ層内の液晶分子と実質的に同一配向を有する、液晶分子を備える、実施例12-15のうちの任意の1つに記載の光学アセンブリ。
(実施例17)
該第1および第2の液晶層は、第1および第2の液晶層の一方のみを有し、他方を有していない、光学アセンブリと比較して、複数の波長を横断して、その上に入射する光の偏光状態を改変する際、増加された均一性を提供する、実施例12-16のうちの任意の1つに記載の光学アセンブリ。
(実施例18)
該波長板は、少なくとも450nm~630nmを含む波長範囲内の95%を上回る回折効率で光を回折するように構成される、実施例12-17のうちの任意の1つに記載の光学アセンブリ。
(実施例19)
該第1および第2の液晶層内の液晶分子は、対向捻転向きを有する、実施例12-18のうちの任意の1つに記載の光学アセンブリ。
(実施例20)
第1および第2の液晶層は、対向捻転角度を有する、実施例12-19のうちの任意の1つに記載の光学アセンブリ。
(実施例21)
第1および第2の液晶層内の液晶分子は、第1の層と第2の層との間の界面に対して正味角度約60度~80度対称的に捻転される、実施例12-20のうちの任意の1つに記載の光学アセンブリ。
(実施例22)
該第2の液晶層を横断して信号を印加するように構成される、少なくとも1つの電極をさらに備える、実施例12-21のうちの任意の1つに記載の光学アセンブリ。
(実施例23)
光学アセンブリはさらに、液晶層を備える、第1の波長板レンズを備え、該第1の波長板レンズは、その上に入射する光の異なる偏光のための異なる屈折力を有し、
光学アセンブリは、
第1の屈折力を有するように構成される、第1のレンズ状態と、
第1の屈折力と異なる第2の屈折力を有するように構成される、第2のレンズ状態と、
を含む、少なくとも2つのレンズ状態の間で選択的に切り替えられるように構成される、実施例1-22のうちの任意の1つに記載の光学アセンブリ。
(実施例24)
第2の屈折力は、ゼロ屈折力である、実施例23に記載の光学アセンブリ。
(実施例25)
該中心軸を中心として方位角に伴って変動する該回転を有する、複数の液晶分子は、該第1の液晶層を横断して少なくとも1cm
2の範囲にわたって延在する、液晶分子の少なくとも50%を含む、実施例1-24のうちの任意の1つに記載の光学アセンブリ。
(実施例26)
該中心軸を中心として方位角に伴って変動する該回転を有する、複数の液晶分子は、該第1の液晶層を横断して少なくとも2cm
2の範囲にわたって延在する、液晶分子の少なくとも50%を含む、実施例1-24のうちの任意の1つに記載の光学アセンブリ。
(実施例27)
該中心軸を中心として方位角に伴って変動する該回転を有する、複数の液晶分子は、該第1の液晶層を横断して少なくとも1cm
2の範囲にわたって延在する、液晶分子の少なくとも80%を含む、実施例1-24のうちの任意の1つに記載の光学アセンブリ。
(実施例28)
該中心軸を中心として方位角に伴って変動する該回転を有する、複数の液晶分子は、該第1の液晶層を横断して少なくとも2cm
2の範囲にわたって延在する、液晶分子の少なくとも80%を含む、実施例1-24のうちの任意の1つに記載の光学アセンブリ。
(実施例29)
該複数の液晶分子は、該複数の液晶分子が該中心軸を中心として少なくとも4回回転対称性を有するような配向を有する、実施例1-28のうちの任意の1つに記載の光学アセンブリ。
(実施例30)
光学アセンブリであって、
その上に入射する光の偏光状態を改変するように構成される、波長板であって、
第1および第2の表面と、
該第1の表面と第2の表面との間に配置される、液晶層であって、該液晶層は、それぞれ、縦方向に沿って幅より長さがある、複数の液晶分子を備え、該液晶分子は、該縦方向が、該第1および第2の表面および該液晶層の軸から、該軸から複数の半径方向において、半径方向に延在するように配向される、液晶層と、
を備える、波長板を備える、光学アセンブリ。
(実施例31)
第1および第2の表面は、平面表面を備える、実施例30に記載の光学アセンブリ。
(実施例32)
第1および第2の表面は、平面表面を平面基板上に備える、実施例30または31に記載の光学アセンブリ。
(実施例33)
軸は、該第1および第2の表面に対して法線方向である、実施例30-32のうちの任意の1つに記載の光学アセンブリ。
(実施例34)
該複数の液晶分子は、該軸と平行な軸を中心として回転される、実施例30-33のうちの任意の1つに記載の光学アセンブリ。
(実施例35)
該液晶分子のそれぞれの該縦方向は、該第1および第2の表面と平行である、実施例30-34のうちの任意の1つに記載の光学アセンブリ。
(実施例36)
光を該光学アセンブリからある距離における視認者の眼に透過させるように構成され、該液晶分子のそれぞれの該縦方向は、液晶層上に投影される、視認者の眼の視野内の個別の場所から視認者の眼までの光の経路の個別の投影に沿って延在する、実施例30-35のうちの任意の1つに記載の光学アセンブリ。
(実施例37)
回折レンズを備える、波長板レンズをさらに備える、実施例30-36のうちの任意の1つに記載の光学アセンブリ。
(実施例38)
液晶層を備える、波長板レンズをさらに備え、波長板レンズの液晶層は、波長板レンズが、第1の波長板レンズの中心領域から半径方向外向き方向に変動する、複屈折(Δn)を有するように配列される、実施例30-37のうちの任意の1つに記載の光学アセンブリ。
(実施例39)
波長板が第1の状態にあるとき、波長板は、それを通して通過する円偏光の掌性を反転させるように構成される、半波長板としての役割を果たす一方、波長板が第2の状態にあるとき、波長板は、それを通して通過する円偏光の掌性を保存するように構成される、実施例30-38のうちの任意の1つに記載の光学アセンブリ。
(実施例40)
液晶層は、複数のサブ層を備え、該液晶分子は、複数のサブ層の第1のサブ層内に含まれる、実施例30-39のうちの任意の1つに記載の光学アセンブリ。
(実施例41)
該複数のサブ層は、液晶分子を有する付加的サブ層を含み、液晶分子は、第1のサブ層内に含まれる液晶分子と同じように側方または半径方向に配向され、位置付けられる、実施例40に記載の光学アセンブリ。
(実施例42)
光学アセンブリはさらに、液晶層を備える、第1の波長板レンズを備え、該第1の波長板レンズは、その上に入射する光の異なる偏光のための異なる屈折力を有し、
光学アセンブリは、
第1の屈折力を有するように構成される、第1のレンズ状態と、
第1の屈折力と異なる第2の屈折力を有するように構成される、第2のレンズ状態と、
を含む、少なくとも2つのレンズ状態の間で選択的に切り替えられるように構成される、実施例30-41のうちの任意の1つに記載の光学アセンブリ。
(実施例43)
第2の屈折力は、ゼロ屈折力である、実施例42に記載の光学アセンブリ。
(実施例44)
個別の縦方向が該軸から複数の半径方向において該軸から半径方向に延在するように配向される複数の液晶分子は、該液晶層を横断して少なくとも1cm
2の範囲にわたって延在する液晶分子の少なくとも50%を含む、実施例30-43のうちの任意の1つに記載の光学アセンブリ。
(実施例45)
個別の縦方向が該軸から複数の半径方向において該軸から半径方向に延在するように配向される複数の液晶分子は、該液晶層を横断して少なくとも2cm
2の範囲にわたって延在する液晶分子の少なくとも50%を含む、実施例30-43のうちの任意の1つに記載の光学アセンブリ。
(実施例46)
個別の縦方向が該軸から複数の半径方向において該軸から半径方向に延在するように配向される複数の液晶分子は、該液晶層を横断して少なくとも1cm
2の範囲にわたって延在する液晶分子の少なくとも80%を含む、実施例30-43のうちの任意の1つに記載の光学アセンブリ。
(実施例47)
個別の縦方向が該軸から複数の半径方向において該軸から半径方向に延在するように配向される複数の液晶分子は、該液晶層を横断して少なくとも2cm
2の範囲にわたって延在する液晶分子の少なくとも80%を含む、実施例30-43のうちの任意の1つに記載の光学アセンブリ。
(実施例48)
該軸は、該第1および第2の表面および該液晶層の中心軸を備える、実施例30-47のうちの任意の1つに記載の光学アセンブリ。
(実施例49)
光学要素であって、
水平方向に沿って延在し、それに対して垂直方向に指向される法線を有する、基板と、
第1の垂直整合層と、
第2の水平整合層と、
該液晶分子が該垂直および水平方向に対してある斜角で配向されるように、該第1の垂直整合層および該第2の水平整合層に対する液晶分子を備える、液晶層であって、該第1の垂直整合層は、該第1の垂直整合層を伴わない場合より該液晶分子を垂直に配向させ、該第2の水平整合層は、該第2の水平整合層を伴わない場合より該液晶分子を水平にさせる、液晶分子と、
を備える、光学要素。
(実施例50)
該第1の垂直整合層は、それに対して近位の液晶分子を該水平方向より該垂直方向に沿って配向させるように構成される、実施例49に記載の光学要素。
(実施例51)
該第2の水平整合層は、それに対して近位の液晶分子を該垂直方向より該水平方向に沿って配向させるように構成される、実施例49または50に記載の光学要素。
(実施例52)
該第2の水平整合層は、パターン化された層を備える、実施例49-51のうちの任意の1つに記載の光学要素。
(実施例53)
該第2の水平整合層は、インプリント層を備える、実施例52に記載の光学要素。
(実施例54)
該第2の水平整合層は、ナノインプリント層を備える、実施例52または53に記載の光学要素。
(実施例55)
ナノインプリント層は、ナノインプリントテンプレートを使用して形成される、実施例54に記載の光学要素。
(実施例56)
パターン化された層は、リソグラフィ技法またはエッチング技法を使用して形成される、実施例55に記載の光学要素。
(実施例57)
該第1の垂直整合層および該第2の水平整合層は、該基板にわたって配置される、実施例49-56のうちの任意の1つに記載の光学要素。
(実施例58)
該第1の垂直整合層は、該第2の水平整合層と該基板との間に配置される、実施例49-57のうちの任意の1つに記載の光学要素。
(実施例59)
該第2の水平整合層は、該第1の垂直整合層と該基板との間に配置される、実施例49-58のうちの任意の1つに記載の光学要素。
(実施例60)
該第2の水平整合層は、第1および第2の領域を有し、該第1の領域は、該液晶分子を該第2の領域より水平にさせるように構成される、実施例49-59のうちの任意の1つに記載の光学要素。
(実施例61)
該第2の水平整合層の第1および第2の領域は、特徴を備え、該第1の領域内の該特徴は、該第1の領域のより近位の該液晶分子が該第2の領域のより近位の該液晶分子より水平であるように、該第2の領域内の該特徴より大きいサイズを有する、実施例60に記載の光学要素。
(実施例62)
該第2の水平整合層の第1の領域および第2の領域は、特徴を備え、該第1の領域内の該特徴は、該第1の領域のより近位の該液晶分子が該第2の領域のより近位の該液晶分子より水平であるように、該第2の領域内の該特徴より高い高さを有する、実施例60または61に記載の光学要素。
(実施例63)
該第2の水平整合層の第1および第2の領域は、特徴を備え、該第1の領域内の該特徴は、該第1の領域のより近位の該液晶分子が該第2の領域のより近位の該液晶分子より水平であるように、該第2の領域内の該特徴より広い、実施例60-62のうちの任意の1つに記載の光学要素。
(実施例64)
該第2の水平整合層の第1および第2の領域は、特徴を備え、該第1の領域内の該特徴は、該第1の領域のより近位の該液晶分子が該第2の領域のより近位の該液晶分子より水平であるように、該第2の領域内の該特徴より広いピッチを有する、実施例60-63のうちの任意の1つに記載の光学要素。
(実施例65)
該第2の水平整合層の第1および第2の領域は、特徴を備え、該第1の領域内の該特徴は、該第1の領域のより近位の該液晶分子が該第2の領域のより近位の該液晶分子より水平であるように、該第2の領域内の該特徴より高いデューティサイクルを有する、実施例60-64のうちの任意の1つに記載の光学要素。
(実施例66)
該第2の水平整合層の第1および第2の領域は、特徴を備え、該第1の領域内の該特徴は、該第1の領域のより近位の該液晶分子を該第2の領域のより近位の該液晶分子より水平にさせるために、該第2の領域内の該特徴と異なるプロファイルを有する、実施例60-65のうちの任意の1つに記載の光学要素。
(実施例67)
該第2の水平整合層の第1および第2の領域は、特徴を備え、該第1の領域内の該特徴は、該第1の領域のより近位の該液晶分子を該第2の領域のより近位の該液晶分子より水平にさせるために、該第2の領域内の該特徴と異なるアスペクト比を有する、実施例60-66のうちの任意の1つに記載の光学要素。
(実施例68)
該第2の水平整合層は、該斜角をより水平にさせないように構成される、領域を備える、実施例49-67のうちの任意の1つに記載の光学要素。
(実施例69)
該第2の水平整合層は、該斜角をより水平にさせるように構成される該第2の水平整合層の2つの領域間に配置される、該斜角をより水平にさせないように構成される、少なくとも1つの領域を備える、実施例49-69のうちの任意の1つに記載の光学要素。
(実施例70)
該第1の垂直整合層は、第1および第2の領域を有し、該第1の領域は、該液晶分子を該第2の領域より垂直にさせるように構成される、実施例49-69のいずれかに記載の光学要素。
(実施例71)
該第1の水平整合層の第1の領域および第2の領域は、該第1の領域のより近位の該液晶分子が該第2の領域のより近位の液晶分子より垂直であるように、異なる厚さを有する、実施例70に記載の光学要素。
(実施例72)
該第1の垂直整合層は、該斜角をより垂直にさせないように構成される、領域を備える、実施例49-71のうちの任意の1つに記載の光学要素。
(実施例73)
該第1の垂直整合層は、該斜角をより垂直にさせるように構成される該第1の垂直整合層の2つの領域間に配置される、該斜角をより垂直にさせないように構成される、少なくとも1つの領域を備える、実施例49-72のうちの任意の1つに記載の光学要素。
(実施例74)
該斜角は、第1の垂直整合層および第2の水平整合層の相対的強度に依存する、実施例49-73のうちの任意の1つに記載の光学要素。
(実施例75)
第3の垂直整合層と、
第4の水平整合層と、
をさらに備え、該第1の垂直整合層は、該第3の垂直整合層を伴わない場合より垂直に該液晶層を配向させ、該第4の水平整合層は、該第4の水平整合層を伴わない場合より該液晶分子を水平にする、実施例49-74のいずれかに記載の光学要素。
(実施例76)
該液晶層は、該第1の垂直整合層と、第3の垂直整合層との間に配置される、実施例75に記載の光学要素。
(実施例77)
該液晶層は、該第2の垂直整合層と第4の垂直整合層との間に配置される、実施例75または76に記載の光学要素。
(実施例78)
斜角は、水平方向に対して0°~90°である、実施例49-77のうちの任意の1つに記載の光学要素。
(実施例79)
該液晶層内の該液晶分子の大部分のための斜角は、水平方向に対して5°~85°である、実施例49-77のうちの任意の1つに記載の光学要素。
(実施例80)
該液晶層内の該液晶分子の大部分のための斜角は、水平方向に対して5°~45°である、実施例49-79のうちの任意の1つに記載の光学要素。
(実施例81)
該光学要素は、波長板を備える、実施例49-80のうちの任意の1つに記載の光学要素。
(実施例82)
該光学要素は、切替可能な波長板を備える、実施例49-80のうちの任意の1つに記載の光学要素。
(実施例83)
電気信号を該液晶層に印加するように構成される、電極を形成するステップをさらに含む、実施例49-82のうちの任意の1つに記載の光学要素。
(実施例84)
該光学要素は、波長板レンズを備える、実施例48-83のうちの任意の1つに記載の光学要素。
(実施例85)
波長板は、切替可能な波長板が、電気的にアクティブ化およびアクティブ化解除され、その上に入射する光の偏光状態を選択的に改変するように構成されるように、該第1の液晶層を横断して電気信号を印加するように構成される、複数の電極を備える、切替可能な波長板である、実施例1-29のうちの任意の1つに記載の光学アセンブリ。
(実施例86)
波長板は、切替可能な波長板が、電気的にアクティブ化およびアクティブ化解除され、その上に入射する光の偏光状態を選択的に改変するように構成されるように、該第1の液晶層を横断して電気信号を印加するように構成される、複数の電極を備える、切替可能な波長板である、実施例30-48のうちの任意の1つに記載の光学アセンブリ。
(付加的考慮点)
【0457】
前述の明細書では、本発明は、その具体的実施形態を参照して説明された。しかしながら、種々の修正および変更が、本発明のより広義の精神および範囲から逸脱することなくそこに行われ得ることが明白となるであろう。明細書および図面は、故に、限定的意味ではなく、例証と見なされるべきである。
【0458】
実際、本開示のシステムおよび方法は、それぞれ、いくつかの革新的側面を有し、そのうちのいかなるものも、本明細書に開示される望ましい属性に単独で関与しない、またはそのために要求されないことを理解されたい。上記に説明される種々の特徴およびプロセスは、相互に独立して使用され得る、または種々の方法で組み合わせられ得る。全ての可能な組み合わせおよび副次的組み合わせが、本開示の範囲内に該当することが意図される。例えば、
図15を参照すると、1つ以上の適応レンズアセンブリ1504-1~1504-3は、導波管1012a、1012b、および/または1012cの個々のものの間に配置されてもよいことを理解されたい。
【0459】
別個の実施形態の文脈において本明細書に説明されるある特徴はまた、単一の実施形態における組み合わせにおいて実装されてもよい。逆に、単一の実施形態の文脈において説明される種々の特徴もまた、複数の実施形態において別個に、または任意の好適な副次的組み合わせにおいて実装されてもよい。さらに、特徴がある組み合わせにおいて作用するものとして上記に説明され、さらに、そのようなものとして最初に請求され得るが、請求される組み合わせからの1つ以上の特徴は、いくつかの場合では、組み合わせから削除されてもよく、請求される組み合わせは、副次的組み合わせまたは副次的組み合わせの変形例を対象とし得る。いかなる単一の特徴または特徴のグループも、あらゆる実施形態に必要または必須ではない。
【0460】
とりわけ、「~できる(can)」、「~し得る(could)」、「~し得る(might)」、「~し得る(may)」、「例えば(e.g.)」、および同等物等、本明細書で使用される条件文は、別様に具体的に記載されない限り、または使用されるような文脈内で別様に理解されない限り、概して、ある実施形態がある特徴、要素、および/またはステップを含む一方、他の実施形態がそれらを含まないことを伝えることが意図されることを理解されたい。したがって、そのような条件文は、概して、特徴、要素、および/またはステップが、1つまたはそれを上回る実施形態に対していかようにも要求されること、または1つまたはそれを上回る実施形態が、著者の入力または促しの有無を問わず、これらの特徴、要素、および/またはステップが任意の特定の実施形態において含まれる、または実施されるべきかどうかを決定するための論理を必然的に含むことを示唆することを意図されない。用語「~を備える」、「~を含む」、「~を有する」、および同等物は、同義語であり、非限定的方式で包括的に使用され、付加的要素、特徴、行為、動作等を除外しない。また、用語「または」は、その包括的意味において使用され(およびその排他的意味において使用されず)、したがって、例えば、要素のリストを接続するために使用されると、用語「または」は、リスト内の要素のうちの1つ、いくつか、または全てを意味する。加えて、本願および添付される請求項で使用されるような冠詞「a」、「an」、および「the」は、別様に規定されない限り、「1つ以上の」または「少なくとも1つ」を意味するように解釈されるべきである。同様に、動作は、特定の順序で図面に描写され得るが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が示される特定の順序で、または連続的順序で実施される、または全ての図示される動作が実施される必要はないと認識されるべきである。さらに、図面は、フローチャートの形態で1つ以上の例示的プロセスを図式的に描写し得る。しかしながら、描写されない他の動作も、図式的に図示される例示的方法およびプロセス内に組み込まれ得る。例えば、1つ以上の付加的動作が、図示される動作のいずれかの前に、その後に、それと同時に、またはその間に実施され得る。加えて、動作は、他の実施形態において再配列される、または再順序付けられ得る。ある状況では、マルチタスクおよび並列処理が、有利であり得る。さらに、上記に説明される実施形態における種々のシステムコンポーネントの分離は、全ての実施形態におけるそのような分離を要求するものとして理解されるべきではなく、説明されるプログラムコンポーネントおよびシステムは、概して、単一のソフトウェア製品においてともに統合される、または複数のソフトウェア製品にパッケージ化され得ることを理解されたい。加えて、他の実装も、以下の請求項の範囲内である。いくつかの場合では、請求項に列挙されるアクションは、異なる順序で実施され、依然として、望ましい結果を達成することができる。
【0461】
故に、請求項は、本明細書に示される実施形態に限定されることを意図されず、本明細書に開示される本開示、原理、および新規の特徴と一貫する最も広い範囲を与えられるべきである。