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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-03
(45)【発行日】2023-10-12
(54)【発明の名称】物品搬送装置
(51)【国際特許分類】
   A61J 3/06 20060101AFI20231004BHJP
   G01N 21/85 20060101ALI20231004BHJP
   B65G 47/80 20060101ALI20231004BHJP
   B65G 47/14 20060101ALI20231004BHJP
   B65G 47/24 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
A61J3/06 R
G01N21/85 A
B65G47/80 C
B65G47/14 M
B65G47/24 H
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021041242
(22)【出願日】2021-03-15
(65)【公開番号】P2022141099
(43)【公開日】2022-09-29
【審査請求日】2022-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000000572
【氏名又は名称】アンリツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001520
【氏名又は名称】弁理士法人日誠国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新井 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】谷口 英治
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 貴志
【審査官】今関 雅子
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-147120(JP,A)
【文献】実公昭44-022675(JP,Y1)
【文献】特開昭61-068542(JP,A)
【文献】登録実用新案第3215836(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 3/00-3/06
B65G 47/14
B65G 47/24-47/26
G01N 21/85
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転自在に設けられ、検査用の物品(W)を物品検査位置(P5)に搬送する環状の外側搬送部(12)と、前記外側搬送部の径方向内方に回転自在に設けられ、前記物品を前記外側搬送部に供給する内側搬送部(11)とを有し、
前記外側搬送部は、前記内側搬送部から前記物品が供給される溝部(12A)と収容部(12B)とを有し、
前記物品検査位置に物品検査部(3)が設けられており、
前記物品検査部は、前記物品検査位置に搬送された前記物品に光を照射する光照射部(31)と、前記外側搬送部を挟んで前記光照射部と対向する位置に設けられ、前記物品を透過した光を検出する光検出部(32)とを有し、前記光検出部が検出した光の分光特性に基づいて前記物品の品質を検査するように構成されており、
前記溝部は、前記外側搬送部の径方向に延在し、かつ、前記外側搬送部の回転方向に複数並んで設けられており、
前記収容部は、前記溝部に対して前記外側搬送部の径方向外方に位置し、前記溝部に供給される前記物品を収容して前記外側搬送部の回転方向に整列させるとともに、前記物品検査位置において前記物品が収容された状態で前記物品の外周側面(Wa)を取り囲み、前記光照射部から照射された光であって前記物品の外周側面から前記光検出部に入射する光を遮る遮光部(12D)を有する物品搬送装置。
【請求項2】
前記内側搬送部に前記物品を供給する物品供給部(24)を有する請求項1に記載の物品搬送装置。
【請求項3】
物品規制部(25)を有し、
前記物品規制部は、前記外側搬送部の上面(12a)に沿って前記外側搬送部の回転方向に湾曲して延在し、前記溝部の内端部(12n)との径方向の寸法が前記物品の略直径となるように固定され、前記物品に接触することによって前記物品が前記溝部に1つだけ供給されるように前記物品の供給数を規制し、前記物品を前記外側搬送部の回転方向に整列させる請求項1または請求項2に記載の物品搬送装置。
【請求項4】
物品調整部(26)を有し、
前記物品調整部は、前記溝部に正規の姿勢で供給されていない物品にエアーを吹き付け、前記溝部において正規の姿勢に戻すとともに、前記溝部からはみ出している物品を前記溝部から除去する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の物品搬送装置。
【請求項5】
物品案内部(27)を有し、
前記物品案内部は、前記外側搬送部の上面(12a)に沿った前記外側搬送部の回転方向において前記溝部の内端部(12n)よりも内側搬送部側に位置する上流端部(27a)から前記溝部の外端部(12m)に位置する下流端部(27b)に向かって延在し、前記物品に接触することによって前記溝部に供給された前記物品を前記溝部に沿って前記収容部に案内する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の物品搬送装置。
【請求項6】
前記物品検査位置において、
前記収容部と前記光検出部との間に、前記物品の外径よりも小さい開口部(39a)を有する遮光板(39)が設けられている請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の物品搬送装置。
【請求項7】
物品阻止部(28)を有し、
前記物品阻止部は、前記外側搬送部の上面(12a)に沿って固定され、前記収容部の前記収容部に収容された前記物品が前記収容部から前記外側搬送部の径方向の外方に移動することを阻止する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の物品搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光学センサを用いて錠剤の物性を測定する錠剤測定装置が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
この錠剤測定装置は、円盤状の搬送ディスクと光学センサを備えた測定部と、搬送ディスクと水平方向に隣接して設けられ、測定部の搬送ディスクに錠剤を供給する錠剤供給部と、測定済の錠剤を錠剤コーティング装置に戻す回収部とを備えている。
【0004】
錠剤供給部によって供給された錠剤は、所定位置で搬送ディスクの外周部に吸着されて搬送され、光学センサによってその物性が非接触状態で測定される。
【0005】
規格外の錠剤は不良品排出部から排出され、規格内の錠剤は、回収部を介して錠剤コーティング装置に搬送される。この発明によれば、個々の錠剤の正確な物性を連続的に測定できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2019-95236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載される錠剤測定装置は、錠剤を供給する錠剤供給部と、錠剤供給部から錠剤を受け取って搬送する円盤状の搬送ディスクが水平方向に隣接して設けられている。
【0008】
このため、錠剤測定装置は、全体として水平方向において寸法が大きい大型装置となり、設置に広い床面積が必要となるという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、水平方向における寸法を小さくして設置面積を低減しつつ、物品を物品検査位置に高速で搬送できる物品搬送装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の物品搬送装置は、回転自在に設けられ、検査用の物品を物品検査位置に搬送する環状の外側搬送部と、前記外側搬送部の径方向内方に回転自在に設けられ、前記物品を前記外側搬送部に供給する内側搬送部とを有し、前記外側搬送部は、前記内側搬送部から前記物品が供給される溝部と収容部とを有し、前記物品検査位置に物品検査部が設けられており、前記物品検査部は、前記物品検査位置に搬送された前記物品に光を照射する光照射部と、前記外側搬送部を挟んで前記光照射部と対向する位置に設けられ、前記物品を透過した光を検出する光検出部とを有し、前記光検出部が検出した光の分光特性に基づいて前記物品の品質を検査するように構成されており、前記溝部は、前記外側搬送部の径方向に延在し、かつ、前記外側搬送部の回転方向に複数並んで設けられており、前記収容部は、前記溝部に対して前記外側搬送部の径方向外方に位置し、前記溝部に供給される前記物品を収容して前記外側搬送部の回転方向に整列させるとともに、前記物品検査位置において前記物品が収容された状態で前記物品の外周側面を取り囲み、前記光照射部から照射された光であって前記物品の外周側面から前記光検出部に入射する光を遮る遮光部を有するものである。
【0011】
この構成により、物品搬送装置は、水平方向における寸法を小さくして設置面積を低減でき、物品を物品検査位置に高速で搬送できる。
また、遮光部によって物品の外周側面から光検出部に入射する光を遮ることができる。このため、光検出部でサチュレーションが生じることや、物品を透過した光が迷光と混じることを防止でき、光検出部で適切な光の分析を行うことができる。
【0012】
また、本発明の物品搬送装置において、前記内側搬送部に前記物品を供給する物品供給部を有する。
【0013】
この構成により、物品供給部を水平方向で内側搬送部に近づけて設置することにより、物品供給部を物品搬送装置の中心部に近づけて設置でき、物品供給部を含んだ水平方向における物品搬送装置の寸法を小さくして物品搬送装置の設置面積を低減できる。
【0014】
また、本発明の物品搬送装置において、物品規制部を有し、前記物品規制部は、前記外側搬送部の上面に沿って前記外側搬送部の回転方向に湾曲して延在し、前記溝部の内端部との径方向の寸法が前記物品の略直径となるように固定され、前記物品に接触することによって前記物品が前記溝部に1つだけ供給されるように前記物品の供給数を規制し、前記物品を前記外側搬送部の回転方向に整列させるものである。
【0015】
この構成により、物品が物品検査位置に搬送される前に溝部に2つ以上の物品が供給されることを防止でき、物品検査位置で1つの物品を連続して効率よく検査できる。このため、物品の検査時間を短縮できる。
【0016】
また、本発明の物品搬送装置において、物品調整部を有し、前記物品調整部は、前記溝部に正規の姿勢で供給されていない物品にエアーを吹き付け、前記溝部において正規の姿勢に戻すとともに、前記溝部からはみ出している物品を前記溝部から除去するものである。
【0017】
この構成により、物品検査位置で正規の姿勢にある物品を検査できるとともに、正規でない不要品を検査する手間を省くことができる。このため、物品検査位置で物品を連続して効率よく検査でき、物品の検査時間をより効果的に短縮できる。
【0018】
また、本発明の物品搬送装置において、物品案内部を有し、前記物品案内部は、前記外側搬送部の上面に沿った前記外側搬送部の回転方向において前記溝部の内端部よりも内側搬送部側に位置する上流端部から前記溝部の外端部に位置する下流端部に向かって延在し、前記物品に接触することによって前記溝部に供給された前記物品を前記溝部に沿って前記収容部に案内するものである。
【0019】
この構成により、内側搬送部から外側搬送部の溝部に供給された物品を物品案内部によって溝部に沿って収容部に案内できる。このため、物品を外側搬送部の回転方向に整列させることができ、物品を物品検査位置に高速で搬送できる。
【0020】
また、本発明の物品搬送装置において、前記物品検査位置において、前記収容部と前記光検出部との間に、前記物品の外径よりも小さい開口部を有する遮光板が設けられている。
【0021】
この構成により、遮光板によって錠剤の外周側面から光検出部に入射する光を周壁と遮光板によってより確実に遮ることができ、光検出部で適切な光の分析をより確実に行うことができる。
【0022】
また、本発明の物品搬送装置において、物品阻止部を有し、前記物品阻止部は、前記外側搬送部の上面に沿って固定され、前記収容部の前記収容部に収容された前記物品が前記収容部から前記外側搬送部の径方向の外方に移動することを阻止するものである。
【0023】
この構成により、収容部に収容された物品が外側搬送部の回転による遠心力によって収容部から抜け出ることを防止できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、水平方向における寸法を小さくして設置面積を低減しつつ、物品を物品検査位置に高速で搬送できる物品搬送装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る物品搬送装置の概略平面図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係る物品搬送装置の供給容器を図1のII-II方向で切った断面図である。
図3図3は、本発明の一実施形態に係る物品搬送装置の外側搬送部の溝部および収容部の一部分を拡大した平面図である。
図4図4は、図3のIV-IV方向矢視断面図である。
図5図5は、図3のV-V方向断面を斜め上方から見た図である。
図6図6(a)、(b)、(c)は、図3のA方向から見た場合の物品搬送装置の溝部に載置される錠剤の姿勢を示す図である。
図7図7は、本発明の一実施形態に係る物品搬送装置の物品検査位置に設けられた物品検査部の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る物品搬送装置の構成について、図1から図7に基づいて説明する。
【0027】
図1において、一実施形態に係る物品検査装置1は、検査対象の物品を整列して単品搬送させながら所定の物品検査位置で光を照射し、この光の照射に伴って物品を透過した光の分光特性に基づいて物品の品質を検査する。
【0028】
検査対象である物品は、光の照射領域が検査対象の物品に光を照射する照射口の径に比較的近い小径の物品であり、非包装で単品搬送が可能な外径φ:数mm~数十mmの物品、一口サイズの物品の他、既存の製造設備や検査機能を持たない製造設備で製造された所定形状の物品や成形品、特に搬送過程で形が変化しない物品を含む。
【0029】
該当する物品としては、例えば錠剤、カプセル剤、トローチ剤、ドロップ剤などの製剤、飴、チョコレートなどがある。以下、検査対象の物品として、平面視で円形とされ、その直径に比して高さ(厚さ)の小さい側面視が略円柱状の錠剤Wを例にとって説明する。本実施形態の錠剤Wは、物品を構成する。
【0030】
図1に示すように、物品検査装置1は、錠剤Wを円周状の搬送コースに沿って搬送する物品搬送装置2と、搬送コースの途中の物品検査位置P5で錠剤Wの検査を行なう物品検査部3とを備えている。
【0031】
図1図2に示すように、物品搬送装置2は、回転する深皿状の供給容器10と、供給容器10の内部に設置され、供給容器10と別の駆動源で回転する円形の内側搬送部11とを有する。
【0032】
図2に示すように、供給容器10は、上面が開放され、上面から下方に向かって断面積が漸次小さくなる円形形状に形成されている。供給容器10は、上面の開口部10aに全周にわたって所定幅で設けられた水平な環状のフランジであり、錠剤Wの搬送経路となる外側搬送部12と、一部分に貫通孔13bを有し、外側搬送部12よりも直径が小さい円形の底壁13と、外側搬送部12と底壁13をつなぐ筒状の側壁14とを備えている。
【0033】
本実施形態の内側搬送部11は、外側搬送部12の径方向内方に設けられている。換言すれば、外側搬送部12は、物品搬送装置2の上面視で内側搬送部11の周囲を取り囲むように内側搬送部11の径方向外方に設けられている。
【0034】
供給容器10は、図示しない本体フレームに回転自在に取付けられている。供給容器10の回転軸は、底壁13の中心を通り、底壁13に垂直な線に一致する。供給容器10の底壁13の下面には、底壁13に中心を一致させて環状の内歯ギア10bが固定されている。
【0035】
本体フレームには第1のモータ21が取付けられており、第1のモータ21の駆動軸21aに設けられたピニオン22が内歯ギア10bに噛み合っている。第1のモータ21が駆動されると、供給容器10(外側搬送部12)は、その回転中心軸の周りを回転方向A(図1参照)に向けて回転する。本実施形態においては、物品搬送装置2の平面視で供給容器10の回転方向Aは、反時計回転方向である。
【0036】
図1図2に示すように、内側搬送部11は、供給容器10の内部において傾斜して配置されている。内側搬送部11の直径は、供給容器10の底壁13の直径よりも大きいので、内側搬送部11を供給容器10内に傾斜して収容できる。すなわち、供給容器10は、上面が開放され、上面から底壁13に向かって断面積が小さくなる円形形状に形成されているので、内側搬送部11を供給容器10に傾斜して収容できる。
【0037】
図2に示すように、内側搬送部11の傾斜方向の上端部11bは、供給容器10の側壁14の上縁に対峙しており、内側搬送部11の周方向について上端部11bとは180°反対側に位置する傾斜方向の下端部11cは、供給容器10の側壁14の下縁に対峙している。
【0038】
すなわち、内側搬送部11の傾斜方向の下端部11cは、供給容器10の側壁14の下縁に対峙している部分が最も低く、内側搬送部11の傾斜方向の上端部11bは、供給容器10の側壁14の上縁に対峙している部分が最も高い。内側搬送部11の下面の中央には駆動軸11a(図2参照)が内側搬送部11に対して垂直に固定されており、駆動軸11aは、傾斜した状態で供給容器10の底壁13の貫通孔13bを挿通して第2のモータ23(図2参照)に連結されている。
【0039】
第2のモータ23は、供給容器10を支持する本体フレームに取付けられており、第2のモータ23が駆動されると、供給容器10の内部において内側搬送部11は、駆動軸11aの周りを回転方向B(図1参照)に回転する。内側搬送部11の回転方向Bと外側搬送部12の回転方向Aは同一方向である。
【0040】
図1に示すように、物品搬送装置2は、物品供給部24を備えており、物品供給部24は、物品搬送装置2の上方に設置されている。物品供給部24は、例えば、既存の製造設備や検査機能を持たない製造設備で製造された成形品の錠剤Wが投入されると、投入された錠剤Wを蓄積するとともに、蓄積された錠剤Wを排出口24aから物品投入位置P1に排出し、物品投入位置P1で内側搬送部11に供給する。
【0041】
物品供給部24は、投入された錠剤Wを内側搬送部11に搬送するもので、例えば、直進フィーダやコンベアなどから構成されている。
【0042】
物品供給部24は、内側搬送部11と外側搬送部12が錠剤Wを搬送する能力に合わせて錠剤Wを供給する機能を有している。換言すれば、物品供給部24は、物品搬送装置2が錠剤Wを搬送する能力(例えば単位時間当たりの錠剤Wの搬送数など)に合わせて内側搬送部11に対する錠剤Wの供給量が設定される。
【0043】
物品搬送装置2において、物品供給部24から内側搬送部11に錠剤Wを投入しつつ、第1のモータ21と第2のモータ23を同方向に同速度または速度を違えて駆動し、内側搬送部11と供給容器10を、同速度で回転方向Aと回転方向Bにそれぞれ回転させると、物品供給部24の最も低い部分(傾斜方向の下端部11c側)に落下した錠剤Wは、内側搬送部11の回転に伴い、内側搬送部11の最も高い部分(傾斜方向の上端部11b側)まで移動し、外側搬送部12に載る。
【0044】
図1図3に示すように、外側搬送部12には溝部12Aと収容溝12Bが設けられている。図4図5に示すように、溝部12Aは、外側搬送部12の上面12aから下方に窪んでおり、外側搬送部12の径方向に延在している。本実施形態の収容溝12Bは、収容部を構成する。
【0045】
溝部12Aは、外側搬送部12の周方向に等間隔に複数並んで設けられており、外側搬送部12の周方向にこれら複数の溝部12Aが外側搬送部12の上面12aを挟んで隣接している。
【0046】
図3に示すように、溝部12Aは、外側搬送部12の径方向の内端部12nから外端部12mに向かうに従って周方向の幅が漸次狭くなるように形成されている。溝部12Aの内端部12nの周方向の幅は、錠剤Wを周方向に2つに並べたときの幅、すなわち、錠剤Wの直径の2倍の幅よりも小さく(あるいは2つの錠剤Wを周方向に縦向きと横向きにして並べたときの幅よりも小さく)形成されており、錠剤Wが同時に2つ侵入し難い形状に形成されている。
【0047】
具体的には、図6(a)に示すように、図3の矢印C方向から見た場合(溝部12Aの径方向内方から水平方向に見た場合)に、錠剤Wが2つ同時に溝部12Aに侵入しないように溝部12Aの形状が設定されている。
【0048】
また、図6(b)に示すように、図3の矢印C方向から見た場合に、錠剤W1が外側搬送部12の上面12aに乗り上げた場合に、溝部12Aに正常な姿勢で供給された錠剤W(仮想線で示す)の高さよりも錠剤W1の高さが高くなるように溝部12Aの形状が設定されている。
【0049】
さらに、図6(c)に示すように、図3の矢印C方向から見た場合に、1つの錠剤Wが正常な姿勢(横向き)となり、1つの錠剤W1が姿勢不良(縦向き)になったときに、2つの錠剤W、W1が同時に溝部12Aに供給されないように、溝部12Aの形状が設定されている。ここで、錠剤W、W1の姿勢が横向きとは、錠剤W、W1の長辺が横方向で短辺が縦方向となった姿勢であり、錠剤W、W1の姿勢が縦向きとは、錠剤W、W1の長辺が縦方向で短辺が横方向となった姿勢であり、錠剤W、W1が縦向きとなった状態では、錠剤W、W1が横向きとなった状態よりも姿勢が高くなる。
【0050】
内側搬送部11の回転によって外側搬送部12に乗り上げた錠剤Wは、溝部12Aの径方向の内端部12nから溝部12Aに入り込み、外側搬送部12の回転による遠心力と、後述する物品案内部27によって、溝部12Aから収容溝12Bに案内されて収容溝12Bに収容される。
【0051】
図3図4に示すように、収容溝12Bは、溝部12Aに対して外側搬送部12の径方向外方に位置している。収容溝12Bは、平面視で錠剤Wよりも少しだけ大きい円形に形成されており、溝部12Aの底面12bよりも下方に窪んでいる、または、溝部12Aと同一高さとしてもよい。
【0052】
具体的には、収容溝12Bは、溝部12Aの底面12bよりも下方に位置する環状の載置面12dを有する底壁12Cを備えている。底壁12Cには載置面12dの内方に位置し、検査用の光が通過する円形の開口部12cが形成されている。すなわち、載置面12dは、円形の開口部12cを取り囲むように開口部12cの径方向外方に設けられており、環状の載置面12dには開口部12cを上方から閉止するように錠剤Wが載置される。
【0053】
収容溝12Bは、底壁12Cから上方に延在し、錠剤Wの外周側面Waを取り囲む周壁12Dを備えており、収容溝12Bには錠剤Wが嵌まった状態で収容される。
【0054】
具体的には、溝部12Aの底面12bと収容溝12Bの載置面12dの段差と、溝部12Aの上面12aと収容溝12Bの載置面12dの段差とによって収容溝12Bの周壁12Dが形成されている。
【0055】
開口部12cは、外側搬送部12の平面視において錠剤Wの外径よりも小径に形成されているので、収容溝12Bに錠剤Wが収容された状態では開口部12cが上方から目視不能となり、錠剤Wが開口部12cから落下することを防止できる。
【0056】
外側搬送部12の回転中心軸から全ての収容溝12Bの中心部までの距離は、同一の距離となっており、錠剤Wが収容溝12Bに収容された状態において、錠剤Wは、外側搬送部12の回転方向に一列に整列される。すなわち、収容溝12Bの中心部(開口部12cの中心部)を回転方向に結んだ線は円となる。これにより、外側搬送部12が回転すると、収容溝12Bに収容された錠剤Wは、外側搬送部12の回転方向に一列に整列される。
【0057】
また、錠剤Wが収容溝12Bに収容された状態においては錠剤Wの外周側面Waと周壁12Dの隙間が極小となる。これにより、錠剤Wと周壁12Dの隙間から光が漏出することや、錠剤W1と周壁12Dの隙間に光が入り込むことを防止できる。すなわち、周壁12Dは、錠剤Wの外周側面Waから後述する光検出部32に入射する光を遮る。本実施形態の周壁12Dは、遮光部を構成し、錠剤Wの外周側面Waは、物品の外周側面を構成する。
【0058】
なお、錠剤Wの外周側面Waと周壁12Dの隙間と、錠剤Wの外周側面Waと底壁12Cの隙間とは、周壁12Dによって錠剤Wの外周側面Waから光が漏れることや外周側面Waから光が入り込むことを防止でき、錠剤Wが収容溝12Bに確実に収容される隙間に設定されていることを条件とする。
【0059】
図4に示すように、収容溝12Bに錠剤Wが収容された状態において、錠剤Wの高さ方向の寸法a、すなわち、収容溝12Bの載置面12dから錠剤Wの上面までの寸法aは、収容溝12Bの載置面12dから溝部12Aの上面12aの高さ方向の寸法bよりも大きい。
【0060】
これにより、収容溝12Bに錠剤Wが収容された状態において、錠剤Wの上面は、溝部12Aの上面12aよりも上方に突出している。
なお、収容溝12Bに錠剤Wが収容された状態において、錠剤Wの高さ方向の寸法aを収容溝12Bの載置面12dから溝部12Aの上面12aまでの高さ方向の寸法bよりも小さくしてもよい。この場合、収容溝12Bに錠剤Wが収容された状態において、錠剤Wの上面は、溝部12Aの上面12aよりも下方に位置する。
【0061】
図1に示すように、物品搬送装置2には、物品規制部25が設けられている。物品規制部25は、錠剤Wが溝部12Aに1つだけ供給されるように錠剤Wの供給数を規制し、錠剤Wを外側搬送部12の回転方向に1例に整列させる。
【0062】
物品規制部25は、外側搬送部12の回転方向に一定の長さで湾曲して延在し、かつ、上下方向に延在するガイド板から構成されており、供給容器10を支持する本体フレームに固定されている。
【0063】
物品規制部25は、物品投入位置P1に対して外側搬送部12の回転方向の下流側の規制位置P2に設けられている。換言すれば、物品投入位置P1は、物品搬送装置2の平面視で物品規制部25に対して上流側に設置されている。ここで、外側搬送部12の回転方向と錠剤Wの搬送方向は、同一方向である。
【0064】
内側搬送部11から溝部12Aの径方向の内端部12nを通して溝部12Aに1つの錠剤Wが供給されると、物品規制部25には錠剤Wの径方向の外端部が接触する。すなわち、物品規制部25と溝部12Aの内端部12nにおける外側搬送部12の径方向の寸法は、錠剤Wが溝部12Aから内側搬送部11に落ちないように、錠剤Wの直径と同じ寸法、錠剤Wの直径よりも少し大きい寸法、または錠剤Wの直径よりも少し小さい寸法に設定されている。これにより、物品規制部25によって溝部12Aに錠剤Wが1つだけ供給されるように錠剤Wの供給数が規制される。
【0065】
また、溝部12Aに1つだけ供給された錠剤Wは、物品規制部25によって外側搬送部12の径方向外方に移動することが規制され、外側搬送部12の回転方向に一列に整列した状態で物品検査位置P5に向かって搬送される。
【0066】
物品搬送装置2には物品調整部26が設けられている。物品調整部26は、物品規制部25に対して外側搬送部12の回転方向の下流側の物品調整位置P3に設けられており、溝部12Aに正規の姿勢で位置していない錠剤Wを溝部12Aで正規の姿勢に戻すとともに、溝部12Aからはみ出している錠剤Wを溝部12Aから除去する。ここで、錠剤Wの正規の姿勢とは、例えば、溝部12Aから収容溝12Bに円滑に移動して収容溝12Bに横向きで収容可能な姿勢である。
【0067】
物品調整部26は、ブラシやエアー、排除板などから構成されており、溝部12Aに供給された錠剤Wが外側搬送部12の上面12aに乗り上げた場合に、錠剤を溝部12Aにおいて正常な姿勢となるように調整し、または溝部12Aから排除する。
【0068】
また、1つの錠剤Wが姿勢不良(縦向き)になったときに、当該錠剤Wを溝部12Aから排除する。溝部12Aから排除された錠剤Wは内側搬送部11に戻される。
【0069】
具体的に、物品調整部26は、溝部12Aで正常な姿勢となる錠剤Wの上面よりも上方に錠剤Wが位置している場合には、錠剤Wの上面よりも上方にエアー供給することや、排除板を作用させることにより、姿勢不良となる錠剤Wを調整(姿勢矯正または排除)する。
【0070】
物品搬送装置2には物品案内部27が設けられている。物品案内部27は、物品調整部26に対して外側搬送部12の回転方向の下流側の物品案内位置P4に設けられており、溝部12Aに供給された錠剤Wを溝部12Aに沿って収容溝12Bに案内する。物品案内部27は、外側搬送部12の回転方向に一定の長さで湾曲して延在し、かつ、上下方向に延在するガイド板から構成されており、供給容器10を支持する本体フレームに固定されている。
【0071】
物品案内部27は、外側搬送部12の回転方向において溝部12Aの内端部12nから外端部12mに向かうように一定の長さで延在し、かつ上下方向に延在するガイド板から構成されている。物品案内部27は、上流端部27aが外側搬送部12の径方向で溝部12Aの内端部12nよりも内側搬送部11側に位置しており、下流端部27bが外側搬送部12の径方向で収容溝12Bよりも溝部12Aの内端部12n側に位置し、かつ、溝部12Aの外端部12m付近に位置している。
【0072】
物品案内部27は、規制位置P2において収容溝12Bの内端部12n側で外側搬送部12の回転方向に一列に整列された錠剤Wを、外側搬送部12の回転に伴って溝部12Aに沿って収容溝12B側に移動させ、収容溝12Bに収容する。
【0073】
収容溝12Bに収容された錠剤Wは、外側搬送部12の回転によって物品検査部3に搬送される。図1に示すように、物品検査部3は、外側搬送部12の回転方向で物品案内位置P4よりも下流側の物品検査位置P5に設けられている。
【0074】
物品搬送装置2には物品阻止部28が設けられている。物品阻止部28は、物品案内部27の外側搬送部12の回転方向の途中から外側搬送部12の回転方向で物品検査位置P5よりも下流側まで設けられている。
【0075】
物品阻止部28は、外側搬送部12の回転方向に湾曲して一定の長さで延在し、かつ、上下方向に延在するガイド板から構成されており、供給容器10を支持する本体フレームに固定されている。
【0076】
物品阻止部28は、物品案内部27によって収容溝12Bに収容された錠剤Wが外側搬送部12の回転による遠心力によって収容溝12Bから径方向外方に移動することを阻止する。
【0077】
図7に示すように、物品検査部3は、光照射部31と光検出部32から構成されている。物品検査部3は、物品検査位置P5において光照射部31から広帯域の光Lを、開口部12c側から収容溝12Bに収容された錠剤Wに照射し、錠剤Wを透過した光を光検出部32によって検出する。
【0078】
光照射部31は、光源31a、ライトガイド31b、集光レンズ31cを備えている。光源31aは、検査対象の錠剤Wに広帯域の光を照射するため、例えばハロゲンランプから構成されている。光源31a、ライトガイド31b、集光レンズ31cは、図示しない放熱フィンが形成された図示しないケースと共に一体的に組み立てられた光源ユニットを構成しており、光源ユニットは、供給容器10を支持する本体フレームに取付けられている。
【0079】
ライトガイド31bは、ガラス光ファイバを多数束ねて構成されており、光源31aからの光を集光する集光レンズ31cに導く。集光レンズ31cは、ライトガイド31bからの光を物品検査位置P5で錠剤Wに集光する。
【0080】
光照射部31は、光源31aからの広帯域の光を、ライトガイド31bを介して集光レンズ31cに出射し、集光レンズ31cにより物品検査位置P5で錠剤Wの上面全てをカバーするように集光レンズ31cの倍率(集光レンズ31c、光源31aと錠剤Wの位置)を調整し、物品検査位置P5において光源31aからの光を効率よく錠剤Wに照射する。
【0081】
光検出部32は、光ファイバ32aと分光器32bとを備えて一体的に組み立てられた光検出ユニットを構成しており、図示しない保持手段に一体的に保持されて供給容器10を支持する本体フレームに取付けられている。
【0082】
光検出部32において、物品検査位置P5で錠剤Wを透過した光は、光ファイバ32aの受光部としての入射面の端面(入射開口部)から入光する。入射面の端面から入光する光が光ファイバ32a内を通過して分光器32bに到達すると、分光器32bが光の波長による回折角度の差を利用したグレーティングによる分光を行う。
【0083】
物品検査部3は、光検出部32で得られた分光特性の信号を処理し、信号を処理した結果から錠剤Wの品質の良否判定を行う。
【0084】
図1に示すように、物品検査位置P5よりも外側搬送部12の回転方向の下流側にはNG品回収部35、全品回収部36およびOK品回収部37が外側搬送部12の回転方向に所定の間隔をおいて設けられている。
【0085】
物品搬送装置2は、物品検査部3が錠剤Wを不良品(NG品)と判定すると、当該不良品と判定された錠剤Wが物品検査部3に対して外側搬送部12の回転方向の下流側のNG品選別位置P6まで搬送されてきたときに、例えば、外側搬送部12の径方向の内側から錠剤Wにエアーを吹き付けて収容溝12BからNG品回収部35に排出する。なお、NG品選別位置P6で外側搬送部12の径方向外方から錠剤Wを吸引して収容溝12BからNG品回収部35に排出してもよい。
【0086】
一方、物品検査部3が錠剤Wを正常品(OK品)と判定すると、当該正常品と判定された錠剤WがNG品選別位置P6からOK品選別位置P7まで搬送されてきたときに、例えば、外側搬送部12の径方向の内側から錠剤Wにエアーを吹き付けて収容溝12BからOK品回収部37に排出する。なお、OK品選別位置P7で外側搬送部12の径方向外方から錠剤Wを吸引して収容溝12BからOK品回収部37に排出してもよい。
【0087】
全品回収部36は、外側搬送部12の回転方向でNG品選別位置P6とOK品選別位置P7の間の全排出位置P8に設けられている。
【0088】
全品回収部36は、物品検査装置1の運転開始時や、非常停止後の復帰動作後や、NG排出を失敗した錠剤Wなど、正常な検査ができなかった、または、排出を失敗した錠剤Wなどを回収するものであり、例えば、外側搬送部12の径方向の内側から錠剤Wにエアーを吹き付けて収容溝12Bから全品回収部36に排出する。
【0089】
なお、全排出位置P8で外側搬送部12の径方向外方から錠剤Wを吸引して収容溝12Bから全品回収部36に排出してもよい。
【0090】
また、外側搬送部12の回転方向でNG品回収部35の下流側の確認位置P9に確認センサ38を設け、確認センサ38によってNG品選別位置P6で不良品が排出されたか否かを確認してもよい。このようにすれば、不良品の選別の信頼性を向上できる。
【0091】
次に、本実施形態の物品搬送装置2の効果を説明する。
本実施形態の物品搬送装置2は、回転自在に設けられ、検査用の錠剤Wを物品検査位置P5に搬送する環状の外側搬送部12と、外側搬送部12の径方向内方に回転自在に設けられ、回転によって錠剤Wを外側搬送部12に供給する内側搬送部11とを有する。
【0092】
溝部12Aは、外側搬送部12の径方向に延在し、かつ、外側搬送部12の回転方向に複数並んで設けられており、収容溝12Bは、溝部12Aに対して外側搬送部12の径方向外方に位置し、溝部12Aに供給される錠剤Wを収容して外側搬送部12の回転方向に整列させる。
【0093】
これにより、水平方向における物品搬送装置2の寸法を小さくして物品搬送装置2の設置面積を低減できる。これに加えて、内側搬送部11から外側搬送部12に供給される錠剤Wを、溝部12Aを通して収容溝12Bに収容し、溝部12Aに収容された錠剤Wを外側搬送部12の回転方向に一列に整列させることができる。このため、錠剤Wを物品検査位置P5に高速で搬送できる。
【0094】
すなわち、本実施形態の物品搬送装置2は、水平方向における寸法を小さくして設置面積を低減しつつ、錠剤Wを物品検査位置P5に高速で搬送できる。
【0095】
なお、本実施形態の内側搬送部11は、傾斜して配置されているが、外側搬送部12と同様に水平方向に延在するように設置されてもよい。
【0096】
また、本実施形態の物品搬送装置2は、内側搬送部11に錠剤Wを供給する物品供給部24を有する。
【0097】
これにより、物品供給部24を水平方向で内側搬送部11に近づけて設置することにより、物品供給部24を物品搬送装置2の中心部に近づけて設置でき、物品供給部24を含んだ水平方向における物品搬送装置2の寸法を小さくして物品搬送装置2の設置面積を低減できる。
【0098】
また、本実施形態の物品搬送装置2は、物品規制部25を有し、物品規制部25は、錠剤Wが溝部12Aに1つだけ供給されるように錠剤Wの供給数を規制し、錠剤Wを外側搬送部12の回転方向に整列させる。
【0099】
これにより、錠剤Wが物品検査位置P5に搬送される前に溝部12Aに2つ以上の錠剤Wが供給されることを防止でき、物品検査位置P5で1つの錠剤Wを連続して効率よく検査できる。このため、錠剤Wの検査時間を短縮できる。
【0100】
また、本実施形態の物品搬送装置2は、溝部12Aに正規の姿勢で供給されていない錠剤Wを溝部12Aにおいて正規の姿勢に戻すとともに、溝部12Aからはみ出している錠剤Wを溝部12Aから除去する物品調整部26を有する。
【0101】
これにより、物品検査位置P5で正規の姿勢にある錠剤Wを検査できるとともに、正規でない不要品の品質を検査する手間を省くことができる。このため、物品検査位置P5で錠剤Wを連続して効率よく検査でき、錠剤Wの検査時間をより効果的に短縮できる。
【0102】
また、本実施形態の物品搬送装置2によれば、溝部12Aに供給された錠剤Wを溝部12Aに沿って収容溝12Bに案内する物品案内部27を有する。
【0103】
これにより、内側搬送部11から外側搬送部12の溝部12Aに供給された錠剤Wを、物品案内部27によって溝部12Aから収容溝12Bに案内できる。このため、錠剤Wを外側搬送部12の回転方向に一列に整列させることができ、錠剤Wを物品検査位置P5に高速で搬送できる。
【0104】
また、本実施形態の物品搬送装置2は、物品検査位置P5に物品検査部3が設けられており、物品検査部3は、物品検査位置P5に搬送された錠剤Wに光を照射する光照射部31と、錠剤Wを透過した光を検出する光検出部32とを有し、光検出部32が検出した光の分光特性に基づいて錠剤Wの品質を検査する。
【0105】
ここで、錠剤Wを透過した光の分光特性に基づいて錠剤Wの品質を検査する場合には、錠剤Wを透過する際の光の減衰が大きく、錠剤Wを透過した光(透過光)は、錠剤Wに照射される光に比べ非常に微弱である。
【0106】
このため、光照射部31から照射された光が錠剤Wの外周側面Waから漏れて光検出部32に入ると、すなわち、光照射部31から照射された光が錠剤Wを透過せずに光検出部32に入ると(この光を迷光という)、光検出部32でサチュレーション(光飽和)を生じることや、錠剤Wを透過した光が迷光と混じることにより、光検出部32で適切な光の分析を行うことができない。
【0107】
本実施形態の物品搬送装置2によれば、収容溝12Bは、錠剤Wの外周側面Waから光検出部32に入射する光を遮る周壁12Dを備えている。
【0108】
具体的には、錠剤Wが収容溝12Bに収容された状態においては錠剤Wの外周側面Waと周壁12Dの隙間を極小にでき、錠剤Wの外周側面Waから光検出部32に入射する光を周壁12Dによって遮ることができる。すなわち、光照射部31から錠剤Wに照射された光を錠剤Wに効率よく透過させることができる。また、開口部12cが錠剤Wに対して十分小さい場合は、収容溝12Bの下方向への段差をなくした収容溝12Bとして測定しても、迷光と混じることを防止できる。
【0109】
この結果、光検出部32でサチュレーションが生じることや、錠剤Wを透過した光が迷光と混じることを防止して、光検出部32で適切な光の分析を行うことができる。
【0110】
なお、物品検査位置P5において、収容溝12Bと光検出部32の間に、光が透過する開口部39aを有する遮光板39を設置してもよい(遮光板39を図7の仮想線で示す)。このようにすれば遮光板39によって錠剤Wの外周側面Waから光検出部32に入射する光を周壁12Dと遮光板39によってより確実に遮ることができ、光検出部32で適切な光の分析をより確実に行うことができる。
【0111】
また、遮光板39を設ければ、収容溝12Bの載置面12dと溝部12Aの底面12bを同じ高さに形成してもよい。すなわち、収容溝12Bに周壁12Dを形成するために載置面12dを溝部12Aよりも深く形成しなくてもよい。このようにすれば、溝部12Aと収容溝12Bの加工を容易に行うことができる。
【0112】
また、本実施形態の外側搬送部12には収容溝12Bの底壁12Cに光を通過させるための開口部12cが形成されているが、底壁12Cにガラスなどのように光を透過可能な部材を設置してもよい。
【0113】
このようにガラスを用いれば、底壁12Cに開口部12cを形成することを不要にでき、ガラスと錠剤Wとを密着できる。これにより、錠剤Wとガラスの間に光が漏れる隙間が生じることを防止でき、光検出部32が迷光による影響を受けることをより効果的に防止できる。
【0114】
また、本実施形態の物品搬送装置2によれば、収容溝12Bに収容された錠剤Wが収容溝12Bから外側搬送部12の径方向外方に移動することを阻止する物品阻止部28を有する。
【0115】
これにより、収容溝12Bに収容された錠剤Wが外側搬送部12の回転による遠心力によって収容溝12Bから抜け出ることを防止できる。
【0116】
本発明の実施形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
【符号の説明】
【0117】
2 物品搬送装置
3 物品検査部
11 内側搬送部
12 外側搬送部
12A 溝部
12B 収容溝(収容部)
12D 周壁(遮光部)
24 物品供給部
25 物品規制部
26 物品調整部
27 物品案内部
31 光照射部
32 光検出部
P5 物品検査位置
W 錠剤(物品)
Wa 外周側面(物品の外周側面)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7