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  • 特許-空調機器に使用する配管の接続方法 図1
  • 特許-空調機器に使用する配管の接続方法 図2
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  • 特許-空調機器に使用する配管の接続方法 図4
  • 特許-空調機器に使用する配管の接続方法 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-03
(45)【発行日】2023-10-12
(54)【発明の名称】空調機器に使用する配管の接続方法
(51)【国際特許分類】
   F16L 11/08 20060101AFI20231004BHJP
   F16L 11/12 20060101ALI20231004BHJP
   F16L 19/08 20060101ALI20231004BHJP
   F25B 41/40 20210101ALI20231004BHJP
【FI】
F16L11/08 B
F16L11/12 J
F16L19/08
F25B41/40 D
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021152194
(22)【出願日】2021-09-17
(65)【公開番号】P2023044264
(43)【公開日】2023-03-30
【審査請求日】2022-03-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000201593
【氏名又は名称】前澤給装工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100073623
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 幸吉
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100098246
【弁理士】
【氏名又は名称】砂場 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】山口 勢太
(72)【発明者】
【氏名】金丸 直樹
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-094837(JP,A)
【文献】特開2009-143003(JP,A)
【文献】特開2007-255685(JP,A)
【文献】特開2006-162162(JP,A)
【文献】特開2011-021678(JP,A)
【文献】特開2000-046257(JP,A)
【文献】実開昭58-080683(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 11/08
F16L 11/12
F16L 19/08
F25B 41/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱媒体の冷却及び加熱の少なくとも一方を行う熱源機に通ずる往復搬送主管と空調機器とを接続する接続管に、酸素透過防止樹脂管を用いその配管端部の接続部にインコアに着装した接続管が胴本体に対して回動可能に構成した回動式継手を用いるようにした空調機器に使用する配管の接続方法。
【請求項2】
往復搬送主管と空調機器の接続に使用する配管を配管経路毎に色分けすると共に、これに対応する接続配管の外表を、配管経路毎の色分けに対応する色彩に着色するようにした請求項1記載の空調機器に使用する配管の接続方法。
【請求項3】
酸素透過防止樹脂管による接続管を空調機器及び往復搬送主管の所定接続部位の長さに対応した長さ単位にカットし、両端に接続管が胴本体に対して回動可能に構成した回動式継手を用いるようにした請求項1記載の空調機器に使用する配管の接続方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱媒体の冷却及び加熱の少なくとも一方を行う熱源機に通ずる熱媒体往復搬送主管と空調機器とを接続する接続配管に、インコアに着装した被着接続管が胴本体に対して回動可能に構成した回動式継手を用いて、酸素透過防止樹脂管を使用するようにした空調機器に使用する配管の接続方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
空調機器に使用する配管の接続方法は、小規模な建物(戸建住宅・低層ビル等)の空調では、1つの熱源機から1つの空調機器に接続して使用し、大規模な建物(商業施設・病院等)の空調では、1つの熱源機から複数の空調機器に接続して使用するセントラル空調がある。
また、熱源機と空調機器の接続方式により、2管式(1対の往復管に冷熱媒体を流す方式)と、4管式(1対の往復管に冷媒体のみ、もう1対の往復管に熱媒体のみを流す方式)に分かたれる。
【0003】
熱源機と空調機器の接続には、金属製の鋼管、中間層をアルミニウムとしたアルミ3層管が主に使用されているが、機器の内部管(鉄管、銅管)に空気が混入すると腐食する恐れがあるため、熱源機と空調機器の接続配管には空気(酸素)が透過するのを防止する金属材料の管を使用している。
【0004】
このような実情から、鋼管の場合には、現場施工後、配管に保温材を巻く等の保温作業が必要であり、更に、配管の曲がり部には継手を用い、機器位置の微調整にはフレキシブル管と継手が必要である。
アルミ3層管の場合には、中間層に金属のアルミニウムが使用されており、温度変化による管の伸縮対策が必要となるほか、曲げ作業・継手の接続に専用の工具が必要である。
【0005】
特許文献1は、放射冷房及び放射暖房が可能な放射冷暖房システムに関するものであるが、熱源機と熱源機に接続される放射端末機と、熱源機と放射端末機とを連絡すると共に、熱媒体を熱源機と放射端末機との間で循環させる循環パイプとを備え、放射端末機は、循環パイプに連絡して熱媒体が通過する内部管路を備え、循環パイプ及び内部管路を全て樹脂製としているものである。しかし、循環パイプと内部管路とを接続する配管接続部は青銅、黄銅、銅及び樹脂のすくなくとも一の材料を使用するものである。
【0006】
特許文献2は、空調配管を所定の部材へ接続するための接続ナットセットに関するものであるが、冷媒配管のためのアルミニウム合金空調配管である空調配管と、空調機器である空気調和装置との接続に用いられ、空調配管と接続ナットとの間の隙間の入り口を接続ナットキャップで塞ぎ、接続ナットの表面の全部または一部の上に、メカニカルめっきによる下地膜、下地膜の全部または一部の上に犠牲防食膜を形成することにより防食をおこなっているものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2010-243129号公報
【文献】登録実用新案第3231615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
熱源機と空調機器の接続には、金属製の鋼管、中間層をアルミニウムとしたアルミ3層管が主に使用されているが、金属材料は重量があるため施工作業や搬送においても、より多くの労力と時間を要する問題がある。一方、樹脂製の架橋ポリエチレン管等を使用すると空気(酸素)が透過し、機器の内部管(鉄管、銅管)に空気が混入すると機器に内部腐食が発生するため、機器の耐用年数が短縮される問題がある。
【0009】
また、金属製の鋼管が用いられる場合には、配管曲がり部に継手を使用しなければならないうえ、機器位置の微調整にもフレキシブル管と継手が必要であり、敷設後に配管に保温材の巻付け等の保温作業が必要なため、現場での施工負担が大幅に増加する。
【0010】
一方、アルミ3層管を用いた場合には、中間層に金属のアルミニウムが使用されているため、温度変化による管の伸縮対策が必要となるほか、曲げ作業・継手の接続に専用の工具も必要であり、熱源機と空調機器の往復配管が複雑に絡み合うため曲げ作業・継手の接続に熟練した技術が要求され、配管の接続ミスも起き易い問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記、機器の内部管(鉄管、銅管)に空気が混入することによる機器に内部腐食が発生することに対応するため、本発明においては、接続配管に酸素透過防止型架橋ポリエチレン管、所謂「酸素カットパイプ」に保温材を付加した保温材付酸素カットパイプを用いるようにすると共に、曲げ作業・機器の接続に対応する回動式継手を用いて配管を行うようにしたものである。
【0012】
すなわち、継手の胴本体内に回動可能に挿嵌されたインコアに、保温材付酸素カットパイプを装着して往復搬送主管に接続することにより、接続管は往復搬送主管や空調機器に対して継手固定後もその範囲で回動可能となり、曲がり配管や捻じれ配管に対応することが可能となるものである。
【0013】
更に、熱源機と空調機器の接続配管を配管経路毎に赤、青、オレンジ等に色分けすると共に、接続配管に用いられる「酸素カットパイプ」は、内装の樹脂管(架橋ポリエチレン管)の外表に接着層を介して酸素透過防止層(エチレンビニルアルコール「EVOH」)を形成し、その外表に、更に、接着層を介して架橋ポリエチレンによる外層を形成するもので、外層は赤、青、オレンジ等に着色し、配管経路に対応して色分けして、配管の接続ミスを防止できるようにした。
【0014】
また、上記「酸素カットパイプ」については、発泡ポリエチレン材による保温被覆加工を行ったうえ、空調機器及び熱源機の所定接続部位の長さに対応した長さ単位にカットし、その両端に、前記回動式継手を着装してユニット化することにより、ユニット配管として商品化することが可能となると共に、現場での配管作業を大巾に節減できるようにした。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、以上のように構成したことにより、空調機器内への酸素の透過が防止され内部腐食が予防されるので、機器の耐用年数を大巾に延長することができる。
また、配管の主要な素材が樹脂化されるため、素材の軽量化が行われ、現場での作業がやり易くなるほか、素材搬送の面でも有利に働く。
【0016】
また、接続配管の色分けにより、接続配管の見分けが簡単になり配管の接続ミスを大巾に減少できる。更に、回動式継手の採用により、継手と管が相対回動するので、施工順序の制約が軽減され、機器との接続もやり易くなる。
更に、酸素カットパイプを空調機器及び熱源機の所定接続部位の長さに対応した長さ単位にカットし、ユニット化することにより、工場等での一括加工が可能となり、品質の安定、現場工期の短縮にも繋がるものである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施例を示すもので、熱源機の往復搬送主管と空調機器配管との接続関係を示す模式図である。
図2】同じく、本発明の実施例を示すもので、本願発明に用いられる回動式継手の縦断面正図である。
図3】同じく、図2の回動式継手の右側面図である。
図4】同じく、本願発明に用いられる酸素カットパイプの構造を示す縦断面正面図である。
図5】同じく、図4の符号A部分の詳細構造を示す、同部分の拡大縦断面正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1で、1は冷暖房端末を示す空調機器で、熱源機(図示省略)から空調機器1に熱媒体を供給搬送する往送主管2及び熱交換後の媒体を空調機器1から熱源機に復送する復送主管3とを接続配管4を介して接続している。
【0019】
図4は酸素カットパイプ6の構造で、内装の樹脂管(架橋ポリエチレン管)61の外表に接着層62を介して酸素透過防止層(エチレンビニルアルコール「EVOH」)63を形成し、その外表に、更に、接着層62を介して架橋ポリエチレンによる外層64が形成されている。
また、酸素カットパイプ6の外層面には発泡ポリエチレン材による保温被覆加工が行われる。保温被覆の図示は省略するが、被覆厚さは10mm程度である。
【0020】
接続配管4は、その配管経路に対応して外層を赤、白、青、オレンジ等に着色し、色分けにより正当な配管経路を判別できるようにして接続ミスが確実に排除できるようにされている。
【0021】
接続配管4と往送主管2、復送主管3、空調機器1との接続は、回動式継手5により行われており、回動式継手5は、継手の胴本体51内に回動可能に挿嵌されるインコア52を、酸素カットパイプ6に装着して本管に接続することにより、酸素カットパイプ6は本管に対して継手固定後もその範囲で回動可能となり、曲がり配管や捻じれ配管に対応できるようにされている。
【0022】
図2は酸素カットパイプが接続された回動式継手5の構成で、胴本体51には主管や空調機器と螺合する雄ねじ51a、インコア52を挿嵌格納する格納孔51bが開口し、その端縁にストッパー機構53を係止する接続キャップ54が組付けられ、酸素カットパイプの外径で止水するOリング55があり、胴本体の外形はスパナを掛ける6角形状に形成されている。
【0023】
以上のように構成された回動式継手5のインコア52に、酸素カットパイプ6を外装し、インコア52と共に格納孔51bに挿嵌すれば、ストッパー機構53によって酸素カットパイプが抜け止めされる。
しかし、酸素カットパイプ6は胴本体51に対しては回動可能な状態となっているので、主管に対して継手固定後もその範囲で回動可能となり、曲がり配管や捻じれ配管に対応することが可能となっているものである。
【0024】
本発明は、以上のように構成されたので、熱源機から空調機器に熱冷媒体を往復搬送する往復主管と空調機器とを接続する接続配管が軽量化されると共に、接続配管による酸素の透過が防止されて空調機器の内部腐食が抑止され、機器部材の耐用が長期化されるものである。
【0025】
更に、酸素カットパイプによって構成された接続配管を空調機器及び熱源機の所定接合部位の長さに対応した長さ単位にカットし、ユニット化することにより、現場作業によって発生する廃棄素材の減少や、品質の安定・工期短縮にもつながる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明に係る空調機器に使用する配管の接続方法は、熱源機と空調機器に熱冷媒体を往復搬送する往復搬送主管と空調機器とを接続する接続配管が軽量化されると共に、接続配管による酸素の透過が防止されて空調機器の内部腐食が抑止され、機器部材の耐用が長期化されるので配管機器産業上の利用可能性が高いものである。
【符号の説明】
【0027】
1 空調機器
2 熱媒体を供給搬送する往送主管
3 熱交換後の熱媒体を空調機器1から熱源機に搬送する復送主管
4 接続配管
5 往復搬送主管、空調機器、接続配管等を接続する回動式継手
51 回動式継手の胴本体
51a 胴本体の雄ねじ
51b 格納孔
52 インコア
53 ストッパー機構
54 接続キャップ
55 Oリング
6 酸素カットパイプ
61 内層の樹脂管
62 接着層
63 酸素透過防止層
64 外層
図1
図2
図3
図4
図5