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特許7360459オーブン、ならびに、そのようなオーブンのクッキングキャビティーの中に配設されている容器の中に含有されている食料品を撹拌するための方法、および、そのようなオーブンのための撹拌用部材
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-03
(45)【発行日】2023-10-12
(54)【発明の名称】オーブン、ならびに、そのようなオーブンのクッキングキャビティーの中に配設されている容器の中に含有されている食料品を撹拌するための方法、および、そのようなオーブンのための撹拌用部材
(51)【国際特許分類】
   F24C 7/04 20210101AFI20231004BHJP
   F24C 1/02 20210101ALI20231004BHJP
   F24C 7/02 20060101ALI20231004BHJP
   H05B 6/80 20060101ALI20231004BHJP
   A47J 44/02 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
F24C7/04 A
F24C1/02 320A
F24C7/02 511Z
F24C7/04 Z
H05B6/80 Z
A47J44/02
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021522130
(86)(22)【出願日】2019-07-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-11
(86)【国際出願番号】 EP2019067731
(87)【国際公開番号】W WO2020007859
(87)【国際公開日】2020-01-09
【審査請求日】2021-12-27
(31)【優先権主張番号】2021239
(32)【優先日】2018-07-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】521000828
【氏名又は名称】エッグサイティング プロダクツ ベー.フェー.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヒユマ、ヘルマン
(72)【発明者】
【氏名】スルリンク、オスカー
(72)【発明者】
【氏名】ギーゼマン、ドニ
(72)【発明者】
【氏名】カスベルゲン、ミカエル
(72)【発明者】
【氏名】ビヴェルト、マルセル アレクサンデル
【審査官】木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】英国特許出願公開第02159027(GB,A)
【文献】英国特許出願公開第02322271(GB,A)
【文献】特開2013-027834(JP,A)
【文献】特表2009-502283(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第1843272(CN,A)
【文献】特開平01-131823(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0251250(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 7/04
F24C 1/02
F24C 7/02
H05B 6/80
A47J 44/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クッキングキャビティー(6)と、使用時に前記クッキングキャビティー(6)の中に配設されている容器(5)の中に含有されている食料品(7)の中へ延在する撹拌部材(11、111、211、311)と、使用時に前記撹拌部材(11、111、211、311)と前記容器(5)との間の相対的な移動を提供するためのドライブ手段とを含むオーブン(1)において、前記オーブン(1)は、変位デバイス(10、110、210、310)を含み、前記変位デバイス(10、110、210、310)は、前記クッキングキャビティー(6)の外側から、前記クッキングキャビティー(6)の境界を定めている壁部(8)の中の開口部(9)を通して、前記クッキングキャビティー(6)の中へ、および、使用時には、前記クッキングキャビティー(6)の中に配設されている前記容器(5)の中へ、前記撹拌部材(11、111、211、311)を自動的に移動させるように構成されていることを特徴とする、オーブン(1)。
【請求項2】
前記オーブンは、複数の撹拌部材(11、111、211、311)を保持するためのホルダー(20)を含み、前記変位デバイス(10、110、210、310)は、分離デバイス(24)を設けられており、前記ホルダー(20)の中に位置付けされている前記複数の撹拌部材(11、111、211、311)から、前記撹拌部材(11、111、211、311)のうちの1つを分離させ、前記クッキングキャビティー(6)の外側から、前記クッキングキャビティー(6)の境界を定めている前記壁部(8)の中の前記開口部(9)を通して、前記クッキングキャビティー(6)の中へ、および、使用時には、前記クッキングキャビティー(6)の中に配設されている前記容器(5)の中へ、前記複数の撹拌部材(11、111、211、311)のうちの最初の1つを移動させることを特徴とする、請求項1に記載のオーブン(1)。
【請求項3】
前記複数の撹拌部材(11、111、211、311)は、前記ホルダー(20)の中にスタッキング方向(P2)に互いにスタックされており、前記変位デバイス(10、110、210、310)は、スタックされた前記複数の撹拌部材(11、111、211、311)を前記スタッキング方向に輸送するための輸送デバイスを含み、前記分離デバイス(24)は、前記スタッキング方向に対して平行に延在する枢動軸線の周りに、前記壁部(8)の中の前記開口部(9)を通して、前記スタックされた複数の撹拌部材(11、111、211、311)のうちの最初の1つを枢動させるための枢動デバイス(25)を含むことを特徴とする、請求項2に記載のオーブン(1)。
【請求項4】
前記変位デバイス(10、110、210、310)は、前記枢動軸線に対して垂直に延在する平行移動方向に、前記容器(5)に向けて、枢動させられた前記撹拌部材(11、111、211、311)を平行移動させるための平行移動デバイスを含むことを特徴とする、請求項3に記載のオーブン(1)。
【請求項5】
前記撹拌部材(11、111、211、311)は、バネ力の下で前記平行移動方向に平行移動させられることを特徴とする、請求項4に記載のオーブン(1)。
【請求項6】
前記変位デバイス(10、110、210、310)は、前記変位デバイス(10、110、210、310)から前記撹拌部材(11、111、211、311)を解放するための解放デバイスを含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のオーブン(1)。
【請求項7】
前記ドライブ手段は、使用時に前記撹拌部材(11、111、211、311)に対して回転軸線(42)の周りに前記容器を回転させるための手段を含み、一方、前記変位デバイス(10、110、210、310)は、前記回転軸線(42)に対して60~120度の間の角度で延在する、スイーベル軸線の周りに、前記撹拌部材(11、111、211、311)をスイーベルさせるための手段を含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のオーブン(1)。
【請求項8】
前記スイーベル軸線は、前記回転軸線(42)に対して実質的に垂直に延在することを特徴とする、請求項7に記載のオーブン(1)。
【請求項9】
前記オーブンは、マイクロ波オーブン、蒸気オーブン、または別の種類のオーブンであることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のオーブン(1)。
【請求項10】
撹拌部材(11、111、211、311)によって、オーブン(1)のクッキングキャビティーの中に配設されている容器の中に含有される食料品を撹拌するための方法であって、前記容器(5)は、前記撹拌部材(11、111、211、311)に対して相対的に移動させられる、方法において、変位デバイス(10、110、210、310)によって、前記撹拌部材(11、111、211、311)は、前記クッキングキャビティー(6)の外側から、前記クッキングキャビティー(6)の境界を定めている壁部の中の開口部を通して、前記クッキングキャビティー(6)の中へ、および、前記クッキングキャビティー(6)の中に配設されている前記容器(5)の中へ自動的に移動させられることを特徴とする、方法。
【請求項11】
前記オーブン(1)は、複数の撹拌部材(11、111、211、311)を保持するためのホルダー(20)を含み、前記変位デバイス(10、110、210、310)は、分離デバイスを設けられており、それによって、前記撹拌部材(11、111、211、311)のうちの1つが、前記分離デバイス(24)によって、前記ホルダー(20)の中に位置付けされている前記複数の撹拌部材(11、111、211、311)から分離されており、前記クッキングキャビティー(6)の外側から、前記クッキングキャビティー(6)の境界を定めている前記壁部の中の前記開口部を通して、前記クッキングキャビティー(6)の中へ、および、前記クッキングキャビティー(6)の中に配設されている前記容器(5)の中へ移動させられることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記複数の撹拌部材(11、111、211、311)が前記ホルダーの中にスタッキング方向に互いにスタックされており、その後に、スタックされた前記複数の撹拌部材(11、111、211、311)のうちの最初の1つが、前記スタッキング方向に対して平行に延在する枢動軸線の周りに、前記壁部(8)の中の前記開口部(9)を通して枢動させられることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
枢動させられた前記撹拌部材(11、111、211、311)が、前記容器(5)に向けて、前記枢動軸線に対して垂直に延在する平行移動方向に平行移動させられることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
枢動された前記撹拌部材(11、111、211、311)が、バネ力の下で前記平行移動方向に平行移動させられることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
撹拌部材(11、111、211、311)が、解放デバイスによって前記変位デバイス(10、110、210、310)から解放されることを特徴とする、請求項10から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記容器(5)が、前記撹拌部材(11、111、211、311)に対して回転軸線(42)の周りに回転させられ、一方、1つの前記撹拌部材(11、111、211、311)が、前記回転軸線(42)に対して60~120度の間の角度で延在する、スイーベル軸線の周りにスイーベルさせられることを特徴とする、請求項10から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記スイーベル軸線は、前記回転軸線(42)に対して実質的に垂直に延在することを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記食料品が、マイクロ波、蒸気、または他の手段によって、前記オーブンの中で加熱されることを特徴とする、請求項10から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
請求項1から9のいずれか一項に記載のオーブン(1)に適切な撹拌用部材(11、111、211、311)において、前記撹拌用部材(11、111、211、311)は、少なくとも第1のパーツおよび第2のパーツを含み、前記第1のパーツは、前記オーブン(1)の中でのクッキングの間および/または後に、前記食料品を撹拌するために使用されるのに適切になっており、一方、前記第2のパーツは、前記変位デバイス(10)によって前記容器(5)の中に移動させられるのに適切になっていることを特徴とする、撹拌用部材(11、111、211、311)。
【請求項20】
前記撹拌用部材(11、111、211、311)の前記第1のパーツは、前記容器(5)が前記オーブン(1)から取り出された後に、調理された前記食料品をユーザーが前記容器(5)から食べるための食器を含むことを特徴とする、請求項19に記載の撹拌用部材(11、111、211、311)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クッキングキャビティーと、使用時にクッキングキャビティーの中に配設されている容器の中に含有されている食料品の中へ延在する撹拌部材と、使用時に撹拌部材と容器との間の相対的な移動を提供するためのドライブ手段とを含むオーブンに関する。
【0002】
また、本発明は、撹拌部材によって、オーブンのクッキングキャビティーの中に配設されている容器の中に含有される食料品を撹拌するための方法であって、それによって、容器は、撹拌部材に対して相対的に移動させられる、方法に関する。
【0003】
さらに、本発明は、そのようなオーブンのための撹拌用部材に関する。
【背景技術】
【0004】
GB2159027から知られているようなマイクロ波オーブンおよび方法によって、マイクロ波オーブンキャビティーは、ボウルを回転させるために従来の垂直方向の回転ドライブシャフトを設けられている。ボウルは、蓋部を有しており、蓋部は、撹拌パドルを支持している。使用の間に、ボウルの縁の周りのギアおよびギアリングトラックは、ボウルとパドルとの間に相対的な回転移動を引き起こし、それは、キャビティーの中へ放出されるマイクロ波エネルギーによって食料品が料理されている間に、また、食料品が料理されていない期間の間も、ボウルの中の任意の食料品(たとえば、スープ、ソースなど)のかき混ぜを実現する。
【0005】
このマイクロ波オーブンによって、蓋部は、撹拌パドルを支持するために必要とされ、この蓋部は、ボウルがマイクロ波オーブンキャビティーの中に設置され得る前に、ボウルの上に設置されなければならない。食料品を調理した後に、蓋部および撹拌パドルは、それが再び使用され得る前にクリーニングされることを必要とする。そのうえ、パドルの回転は、ボウルの回転に依存する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的のうちの少なくとも1つは、ユーザーによる容器の中の撹拌部材の設置が簡単化されたオーブンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、本発明によるオーブンによって達成され、本発明において、オーブンは、クッキングキャビティーの外側から、クッキングキャビティーの境界を定めている壁部の中の開口部を通して、クッキングキャビティーの中へ、および、クッキングキャビティーの中に配設されている容器の中へ、撹拌部材を移動させるための変位デバイスを含む。
【0008】
この特許出願によるオーブンは、食料品がそれによって加熱され得るすべてのデバイスである。容器は、オーブンのクッキングキャビティーの内側に位置付けされ得る。
【0009】
そのような変位デバイスによって、ユーザーは、変位デバイスの中に撹拌部材を設置することのみを必要とし、その後に、変位デバイスは、クッキングキャビティーの境界を定めている壁部の中の開口部を通して、クッキングキャビティーの中に配設されている容器の中へ、撹拌部材を自動的に移動させることとなる。
【0010】
クッキングの間または後に、撹拌用部材は、カトラリーとして使用され得る。変位デバイスは、複数の異なる種類の容器と組み合わせて使用され得る。撹拌部材は、クッキングキャビティーの外側から、クッキングキャビティーの中に配設されている容器の中へ移動させられるので、撹拌を実現するために、より少ない材料がクッキングキャビティーの内側に必要とされ、より少ないエネルギーが、容器の中の食料品以外の材料によって吸収されることとなる。そのうえ、これは、垂直方向の軸線の周りでの容器の回転から独立して撹拌用部材を移動させる可能性を提供する。これは、クッキングプログラムを最適化する際にオプションを与えることが可能であり、たとえば、回転速度を食料品の温度に従属させることが可能である。
【0011】
本発明によるオーブンの実施形態は、オーブンが、複数の撹拌部材を保持するためのホルダーを含み、変位デバイスが、分離デバイスを設けられており、前記ホルダーの中に位置付けされている複数の撹拌部材から、撹拌部材のうちの1つを分離させ、クッキングキャビティーの外側から、クッキングキャビティーの境界を定めている壁部を通して、クッキングキャビティーの中へ、および、使用時には、クッキングキャビティーの中に配設されている容器の中へ、複数の撹拌部材のうちの前記最初の1つを移動させることを特徴とする。
【0012】
そのようなホルダーによって、オペレーターは、ホルダーの中に複数の撹拌部材を設置することとなり、その後に、ユーザーは、食料品を容器の中に設置するか、または、食料品を含む容器をクッキングキャビティーの中に設置することのみを必要とし、その後に、1つの撹拌部材が、変位デバイスによって容器の中に自動的に位置決めされることとなる。食料品を調理した後に、調理された食料品および撹拌部材を伴う容器が、クッキングキャビティーから除去され得り、その後に、食料品を伴う次の容器が、クッキングキャビティーの中へ挿入され得るようになっている。撹拌部材の形状に応じて、撹拌部材は、フォーク、スプーン、スポーク、串のような、食器として使用され得る。撹拌部材は、使い捨て可能であるかまたは再使用可能であり得る。
【0013】
本発明によるオーブンの別の実施形態は、複数の撹拌部材が、ホルダーの中にスタッキング方向に互いにスタックされており、変位デバイスが、スタックされた複数の撹拌部材をスタッキング方向に輸送するための輸送デバイスを含み、分離デバイスが、スタッキング方向に対して平行に延在する枢動軸線の周りに、壁部の中の開口部を通して、スタックされた複数の撹拌部材のうちの最初の1つを枢動させるための枢動デバイスを含むことを特徴とする。
【0014】
撹拌部材のスタッキングは、比較的に多数の撹拌部材がコンパクトに容易に保管され得るということを保証する。そのうえ、スタックされた複数の撹拌部材の移動は、スタックが歪むリスクなしに、スタッキング方向に容易に行われ得る。スタッキング方向に対して平行に延在する枢動軸線の周りに、スタックされた複数の撹拌部材のうちの最初の1つを枢動させることによって、前記撹拌部材は、スタックの残りから分離され、壁部の開口部を通して移動させられ得る。
【0015】
撹拌部材がプレート状に形状決めされており、隣接する撹拌部材のプレート形状の表面が互いに当接した状態になっている状態で、複数の撹拌部材がホルダーの中に互いにスタックされているケースでは、そのような枢動は、特に簡単である。
【0016】
本発明によるオーブンの別の実施形態は、変位デバイスが、枢動軸線に対して垂直に延在する平行移動方向に、容器に向けて、枢動させられた撹拌部材を平行移動させるための平行移動デバイスを含むことを特徴とする。
【0017】
そのような平行移動デバイスによって、撹拌部材の端部の近くにおよび壁部の中の開口部の近くに位置付けされている枢動軸線の周りに撹拌部材を枢動させることが可能であり、一方では、撹拌部材の端部が壁部の中の開口部を通して移動させられたとき、撹拌部材は、枢動軸線に対して垂直に延在する平行移動方向に容器に向けて移動させられ得る。このように、壁部の中の開口部は、比較的に小さくなっていることが可能である。これは、オーブンがマイクロ波オーブンである場合に、マイクロ波が開口部を通ってマイクロ波オーブンの外側へ行くこととなるということを回避するために、全く追加的な様式がとられる必要がないか、または、比較的に簡単な追加的な様式しかとられる必要がないという利点を有している。また、オーブンが蒸気オーブンである場合に、壁部の中の比較的に小さい開口部は、蒸気が開口部を通って蒸気オーブンの外側へ行くこととなるということを回避するために、全く追加的な様式がとられる必要がないか、または、比較的に簡単な追加的な様式しかとられる必要がないという利点を有している。
【0018】
本発明によるオーブンの別の実施形態は、撹拌部材が、バネ力の下で平行移動方向に平行移動させられることを特徴とする。
【0019】
そのような様式では、撹拌部材が、容易に平行移動させられ得る。
【0020】
本発明によるマイクロ波オーブンの別の実施形態は、変位デバイスが、変位デバイスから撹拌部材を解放するための解放デバイスを含むことを特徴とする。
【0021】
このように、撹拌部材は、撹拌部材が解放デバイスによって解放されるまで、変位デバイスによって容器の中に保持されることとなる。たとえば、食料品のクッキングが終了するとすぐに、および、容器と撹拌部材との間の相対的な移動がもはや必要とされなくなるとすぐに、解放デバイスが作動させられ得る。
【0022】
本発明によるオーブンの別の実施形態は、ドライブ手段が、使用時に撹拌部材に対して回転軸線の周りに容器を回転させるための手段を含み、一方、変位デバイスが、回転軸線に対して60~120度の間の角度で延在する、好ましくは、回転軸線に対して実質的に対して垂直に延在する、スイーベル軸線の周りに、撹拌部材をスイーベルさせるための手段を含むことを特徴とする。
【0023】
容器を回転させることは、ホットスポットの形成を防止することによって、容器の中の食料品のより均一な加熱が起こることを保証する。食料品は、撹拌用部材によって容器の内側で混合され、それは、ホットスポットの形成をさらに防止する。食料品がたとえばスクランブルエッグのように液体からより固体の状態へ変化するケースでは、撹拌用部材は、また、より多くの液体食料品およびより多くの固化した食料品の混合を引き起こす。設計の単純さの観点から、スイーベル軸線が回転軸線に対して垂直に延在していることが好適であるが、回転移動に加えてスイーベル移動を依然として有するように、60~120度の間の角度も可能である。
【0024】
また、容器および容器の中に位置付けされている食料品に対して撹拌用部材をスイーベルさせることによって、食料品が、さらに混合される。食料品に対して撹拌用部材を移動させることによって、食料品が撹拌用部材に付着することとなるということ、および、食料品が撹拌用メカニズムとともに容器に対して移動させられることとなるということも防止される。スイーベル移動に起因して、食料品がカットされる。これは、スクランブルエッグを調理することによって、特に興味深い。これまで、オーブンの中でスクランブルエッグを調理することは可能でなかった。その理由は、先行技術のオーブンによって、撹拌用部材が容器に対して回転させられることも撹拌されることもできないからである(この種類の運動は、調理済み卵のピースを伴うスクランブルエッグ外観を調理済み卵に提供する)。また、食料品は、卵の混合物を含むことが可能であり、料理後のその食料品は、調理済み卵の混合物のピースを伴うスクランブルエッグ外観を有している。撹拌用部材への食料品の付着は、とりわけ、食料品の種類、撹拌用部材の材料および滑らかさ、容器の回転速度、撹拌用部材のスイーベル速度、撹拌用部材の形状、ならびに、撹拌用部材の変位に依存する。
【0025】
本発明によるオーブンの別の実施形態は、オーブンが、マイクロ波オーブン、蒸気オーブン、または別の種類のオーブンであることを特徴とする。
【0026】
マイクロ波または蒸気によって、食料品は、所望の速度で所望の温度まで容易に加熱され得る。
【0027】
また、本発明は、撹拌部材によって、オーブンのクッキングキャビティーの中に配設されている容器の中に含有される食料品を撹拌するための方法であって、それによって、容器は、撹拌部材に対して相対的に移動させられる、方法において、変位デバイスによって、撹拌部材は、クッキングキャビティーの外側から、クッキングキャビティーの境界を定めている壁部の中の開口部を通して、クッキングキャビティーの中へ、および、クッキングキャビティーの中に配設されている容器の中へ移動させられることを特徴とする、方法に関する。
【0028】
そのような方法によって、撹拌部材は、容器の中へ容易に挿入され得る。
【0029】
本発明によるオーブンおよび方法が、図面を参照してさらに説明されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1A】本発明によるマイクロ波オーブンの斜視図であり、マイクロ波オーブンが閉じられていることを示す図である。
図1B】本発明によるマイクロ波オーブンの斜視図であり、マイクロ波オーブンが開けられていることを示す図である。
図2A図1Aに示されているようなマイクロ波オーブンの詳細な断面図であり、撹拌部材がクッキングキャビティーの外側に位置付けされている位置にあることを示す図である。
図2B図1Aに示されているようなマイクロ波オーブンの詳細な断面図であり、撹拌部材が第1の位置において容器の内側に位置付けされている位置にあることを示す図である。
図2C図1Aに示されているようなマイクロ波オーブンの詳細な断面図であり、撹拌部材が第2の位置において容器の内側に位置付けされている位置にあることを示す図である。
図3図1Aおよび図1Bに示されているようなマイクロ波オーブンの変位デバイスの第1の実施形態の斜視図である。
図4A】容器の中への撹拌部材の挿入の間のいくつかの異なる位置にある、図3に示されているような変位デバイスの詳細な側面図である。
図4B】容器の中への撹拌部材の挿入の間のいくつかの異なる位置にある、図3に示されているような変位デバイスの詳細な側面図である。
図4C】容器の中への撹拌部材の挿入の間のいくつかの異なる位置にある、図3に示されているような変位デバイスの詳細な側面図である。
図4D】容器の中への撹拌部材の挿入の間のいくつかの異なる位置にある、図3に示されているような変位デバイスの詳細な側面図である。
図4E】容器の中への撹拌部材の挿入の間のいくつかの異なる位置にある、図3に示されているような変位デバイスの詳細な側面図である。
図4F】容器の中への撹拌部材の挿入の間のいくつかの異なる位置にある、図3に示されているような変位デバイスの詳細な側面図である。
図4G】容器の中への撹拌部材の挿入の間のいくつかの異なる位置にある、図3に示されているような変位デバイスの詳細な側面図である。
図4H】容器の中への撹拌部材の挿入の間のいくつかの異なる位置にある、図3に示されているような変位デバイスの詳細な側面図である。
図4I】容器の中への撹拌部材の挿入の間のいくつかの異なる位置にある、図3に示されているような変位デバイスの詳細な側面図である。
図4J】容器の中への撹拌部材の挿入の間のいくつかの異なる位置にある、図3に示されているような変位デバイスの詳細な側面図である。
図4K】容器の中への撹拌部材の挿入の間のいくつかの異なる位置にある、図3に示されているような変位デバイスの詳細な側面図である。
図4L】容器の中への撹拌部材の挿入の間のいくつかの異なる位置にある、図3に示されているような変位デバイスの詳細な側面図である。
図4M】容器の中への撹拌部材の挿入の間のいくつかの異なる位置にある、図3に示されているような変位デバイスの詳細な側面図である。
図5図1Aおよび図1Bに示されているようなマイクロ波オーブンの変位デバイスの第2の実施形態の斜視図である。
図6図1Aおよび図1Bに示されているようなマイクロ波オーブンの変位デバイスの第2の実施形態の斜視図である。
図7図1Aおよび図1Bに示されているようなマイクロ波オーブンの変位デバイスの第3の実施形態の斜視図である。
図8図1Aおよび図1Bに示されているようなマイクロ波オーブンの変位デバイスの第3の実施形態の斜視図である。
図9図1Aおよび図1Bに示されているようなマイクロ波オーブンの変位デバイスの第4の実施形態の斜視図である。
図10図1Aおよび図1Bに示されているようなマイクロ波オーブンの変位デバイスの第4の実施形態の斜視図である。
図11図1Aおよび図1Bに示されているようなマイクロ波オーブンの変位デバイスの第4の実施形態の斜視図である。
図12図1Aおよび図1Bに示されているようなマイクロ波オーブンの変位デバイスの第4の実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図面において、同様の参照番号は、同様のエレメントを指している。
【0032】
図1Aおよび図1Bは、本発明によるマイクロ波オーブン1の斜視図を示している。マイクロ波オーブン1は、下側パーツ2および上側パーツ3を含み、上側パーツ3は、図1Aに示されているような閉位置から、図1Bに示されているような開位置へ、矢印P1によって示されているような方向に枢動させられ得る。
【0033】
下側パーツ2は、ホルダー4を含み、カップのような容器5が、マイクロ波オーブン1の開位置において、ホルダー4の中に除去可能に設置され得る。
【0034】
容器5の中に、マイクロ波オーブン1の中で調理されるべき食料品が挿入され得る。食料品は、スープもしくはソースのような液体であることが可能であり、または、スクランブルエッグを調理するための混合物(卵もしくは卵白のみ、および、望まれる場合には、ミルク、マッシュルーム、トマト、ユニオンズ・ベーコン、チキン、バナナ、クリーム、ヨーグルト、サーモン、任意の種類のハーブ(コショウ、塩、オレガノ)、リーキ、ケッパー、チーズなどを含む)であることが可能である。また、食料品は、Kaiserschmarrnのような細かく刻んだパンケーキ、ヌードル、またはマフィンのための混合物であることも可能である。
【0035】
図2Aは、図1Aに示されているようなマイクロ波オーブン1の詳細な断面図であり、容器5がクッキングキャビティー6の中に位置付けされている状態のホルダー4を示している。食料品7が、容器5の中に存在している。クッキングキャビティー6は、上側壁部8によって境界を定められており、上側壁部8は、開口部9のようなスロット状の孔部を設けられている。
【0036】
マイクロ波オーブン1の上側パーツ3は、変位デバイス10を設けられており、変位デバイス10は、上側壁部8の上に装着されている。ここで下記に説明されることとなるように、撹拌用部材11が、変位デバイス10によって、上側壁部8の中の開口部9を通して容器5の中へ移動させられ得り、また、容器5の中の食料品7のレベルに応じて、食料品7の中にも移動させられ得る。
【0037】
撹拌用部材11は、プレート状に形状決めされており、第1のパーツ12および第2のパーツ13を含み、第2のパーツ13は、第1のパーツ12と所定の角度で延在している。第1のパーツ12は、その端部に2つの歯14を設けられており、2つの歯14は、マイクロ波オーブン1の中でのクッキングの間および/または後に、食料品7を撹拌するために使用されることとなり、また、容器5がマイクロ波オーブン1から取り出された後に、調理された食料品をユーザーが容器5から食べるための食器として使用されることとなる。
【0038】
第2のパーツ13は、その端部にU字形状の開口部15を含み、また、1つの側壁部16に当接部分17、18を含む。
【0039】
図3は、マイクロ波オーブン1の変位デバイス10の第1の実施形態の斜視図を示している。
【0040】
変位デバイス10は、複数の撹拌部材11のためのホルダー20を含み、複数の撹拌部材11は、矢印P2によって示されているスタッキング方向に互いにスタックされており、それによって、隣接する撹拌部材11のプレート形状の表面は、互いに当接した状態になっている。撹拌部材11のスタック21は、ホルダー20の上に位置付けされており、また、矢印P2によって示されているスタッキング方向へのバネ23のバネ力の下で、スライド可能なプッシング部材22によって移動可能である。スライド可能なプッシング部材22は、輸送メカニズムを形成している。分離デバイス24が、プッシング部材22の離れた側に位置付けされている。分離デバイス24は、枢動メカニズム25を含み、枢動メカニズム25は、ステッピングモーター26によって作動させられる。
【0041】
図4A図4Mは、容器5の中への撹拌部材11の挿入の間のいくつかの異なる位置にある変位デバイス10の詳細な側面図を示している。
【0042】
図4Aにおいて、枢動メカニズム25は、その初期の位置にある。枢動メカニズム25は、金属プレート27を含み、金属プレート27は、矢印P3によって示されている枢動方向に、および、それとは反対側に、枢動軸線43の周りに枢動可能になっている。金属プレート27は、撹拌用部材11を受け入れるための受け入れ部材28に接続されている。受け入れ部材28は、長手方向のスロット29を含み、ペン30が、スライド可能に移動可能である。ペン30は、軸受31(図4B2を参照)に接続されており、軸受31は、フレームパーツ33の湾曲した経路32の上を転がることが可能である。バネ(見ることはできない)が、ペン30’に接続されており、バネは、ペン30’の遠隔の端部によってペン34に接続されている。
【0043】
また、受け入れ部材28は、スロット35を含み、ペン36が、スロット35の中に挿入およびスライドすることが可能である。
【0044】
ペン37が、ペン36から所定の距離に位置付けされており、ペン37は、矢印P2によって示されているスタッキング方向に対して平行の方向に移動可能である。
【0045】
撹拌部材11を受け入れ部材28の中へ挿入するために、枢動メカニズム25は、矢印P3によって示されているような方向に、図4B1に示されているような位置へ枢動させられている。
【0046】
前記位置において、スタック21の第1の撹拌部材11は、バネ23のバネ力の下で、受け入れ部材28の撹拌部材受け入れスロット38の中へ移動させられている。この位置において、ペン30は、U字形状の開口部15の中に位置付けされており、ペン36は、当接部分17の反対側に位置付けされており、ペン37は、撹拌用部材11の当接部分18の反対側に位置付けされている。
【0047】
図4B1に示されているような位置へ、および、(図4B2に示されているような)その拡大部に示されているような位置へ、受け入れ部材28を移動させるときに、軸受31は、フレームパーツ33の湾曲した経路32の上を転がり、それによって、ペン30’に接続されているバネにテンションをかける。この位置において、軸受31およびペン30は、ペン34から最も遠くに離れて位置付けされている。
【0048】
撹拌部材11が受け入れ部材28の中へ挿入された後、受け入れ部材28は、撹拌部材11とともに、矢印P3とは反対側の方向に枢動させられ(図4Cを参照)、それによって、撹拌部材11を上側壁部8の中の開口部9を通してクッキングキャビティー6の中へ移動させる。ペン30を備えた軸受31は、フレームパーツ33の湾曲した経路32の上を転がり、それによって、軸受31とペン37との間の距離がより小さくなる。ペン30は、バネ力の下で、矢印P4によって示されている方向に、U字形状の開口部15の壁部に対抗して、わずかに移動させられることとなる。この移動に起因して、当接部分17は、ペン36と当接した状態になることとなり、矢印P4によって示されている方向への撹拌用部材11のさらなる移動を防止する。
【0049】
図4Dおよび図4Eに示されているようなステップにおいて、受け入れ部材28は、エレメント40を介してペン36に接続されているストッピング部材39がフレームパーツ33のストップ41に当接するまで、撹拌部材11とともに、矢印P3とは反対側の方向にさらに枢動させられる。
【0050】
矢印P3とは反対側の方向に撹拌部材11とともに受け入れ部材28をさらに枢動させることによって、スロット35および当接部分17は、ペン36から離れるように移動し、矢印P4によって示されているような方向への撹拌部材11の移動がもはや妨げられないようになっており(図4Fを参照)、それに起因して、撹拌部材11は、当接部分17がペン37に当たるまで(図4Hを参照)、ペン30’にかかるバネ力の下で、矢印P4によって示されているような方向に移動させられることとなる(図4F図4Gを参照)。図4Hにおいて、ここで、ペン30を備えた軸受31が湾曲した経路32の上に再び置かれるということを見ることができる。
【0051】
ここで、撹拌部材11は、容器5の中に位置付けされており、容器5の中の食料品7のレベルが十分に高い場合には、撹拌部材11は食料品7の中にも位置付けされることとなる。
【0052】
マイクロ波オーブン1は、スイッチオンされ得るか、または、すでにスイッチオンされ得り、それによって、食料品がマイクロ波放射線に露出される。このプロセスの間に、容器5は、当技術分野で周知の様式で、ドライブ手段によって、回転軸線42の周りに回転させられることとなる。受け入れ部材28は、撹拌部材11とともに、たとえば20~30度(たとえば、26度など)の角度A1(図4J)とたとえば10~20度(たとえば、15度など)の角度A2(図4K)との間で枢動軸線43の周りにそれをスイーベルさせることによってスイーベルさせられることとなる。角度A1、A2は、スイーベルしている間の所望の変位、容器5のサイズ、撹拌部材11のサイズおよび形状に応じて補正され得る。撹拌部材11の合計長さは、たとえば容器5のサイズに応じて、数センチメートルから最大で20センチメートルまたは30センチメートルまでの間にあることが可能である。好ましくは、撹拌部材11は、容器の壁部からまたは容器の壁部の辺りから、容器5の中心線の近くまでまたは容器5の中心線を越えるまでスイーベルさせられる。
【0053】
回転軸線42の周りに容器5を回転させること、および、約回転軸線42に対して垂直に延在する枢動軸線43の周りに撹拌用部材11をスイーベルさせることの組み合わせられた運動によって、食料品の良好な撹拌が起こり、それによって、ホットスポットを防止し、同様に、食料品を混合することおよび切断することが起こる。回転速度は、0,5~100rpmの範囲にあり、好ましくは、1~60rpmの範囲にあることが可能である。スイーベル速度は、2~100スイーベル毎分の範囲にあり、好ましくは、3~60スイーベル毎分の範囲にあることが可能である。
【0054】
食料品の準備ができるとすぐに、受け入れ部材28は、撹拌部材11とともに、矢印P3とは反対側の方向に、たとえば6度の角度A3(図4L)までさらに枢動させられる。この角度A3まで移動するとき、ペン37は、スタッキング方向P2に移動させられ、当接部分17がもはやペン37と当接していない状態になっている。これは、解放デバイスを形成する。
【0055】
図1Bに示されているような位置までマイクロ波オーブン1を開けることによって、撹拌用部材11は、重力の下で受け入れ部材28から落下することとなり、および/または、食料品7に付着して、食料品によって受け入れ部材28から引っ張り出されることとなる。そうでない場合には、ユーザーは、自分自身によって受け入れ部材28から外へ撹拌用部材11を引っ張り出すことが可能である(図4M)。
【0056】
図5および図6は、撹拌用部材111をクッキングキャビティーの中へ移動させるための、図1Aおよび図1Bに示されているようなマイクロ波オーブン1の変位デバイス110の第2の実施形態の斜視図を示している。撹拌用部材111は、撹拌用部材111の長手方向に延在している軸線の周りに湾曲している長手方向のストリップを含む。そのような撹拌用部材111は、矢印P11によって示されている方向にたとえば最も低い撹拌用部材111を移動させることによって、容易にスタックおよび分離され得る。変位デバイス110は、複数の回転ローラー112、113、114を含み、分離された単一の撹拌用部材111が、矢印P12によって示されている方向に、複数の回転ローラー112、113、114を通してガイドされ得り、それによって、湾曲した撹拌用部材111は、撹拌用部材111のバネ力に対抗して平坦な撹拌用部材111’になることを強制され、それは、クッキングキャビティー6の上側壁部8の中の開口部9を通して、ローラー116によって挿入される。平坦な撹拌用部材111’がもはやローラー112、113、114の間に位置付けされなくなるとすぐに、それは、バネ力の下でその湾曲した位置に戻ることとなる。マイクロ波オーブン1を動作させている間に、撹拌用部材111は、一方の端部において上側壁部8の近くに保持されることとなり、下向きに移動することを妨げられることとなる。それは、容器5の回転の間に静止状態に維持され得るか、それは、スイーベルさせられ得るか、または、それは、回転させられることもスイーベルさせられることもできる。
【0057】
図7および図8は、撹拌用部材211をクッキングキャビティーへ移動させるための、図1Aおよび図1Bに示されているようなマイクロ波オーブン1の変位デバイス210の第3の実施形態の斜視図を示している。撹拌用部材211は、ハンドル212およびスプーン形状のパーツ213を含む。撹拌用部材211は、スタック可能であり、それによって、撹拌用部材211の主表面同士は、互いに当接した状態になっている。スタック214から離れるように方向P21に1つの撹拌用部材211を移動させた後に、撹拌用部材211は、変位デバイス210によって、矢印P22およびP23によって示されているような方向に、クッキングキャビティー6の上側壁部8の中の開口部9を通して容器5の中へ移動させられる。撹拌用部材211の厚くなった端部215は、マイクロ波オーブン1を動作させている間に、変位デバイス210の中に保持され得り、クッキングプロセスを完了した後に解放され得る。
【0058】
図9図12は、撹拌用部材311をクッキングキャビティーへ移動させるための、図1Aおよび図1Bに示されているようなマイクロ波オーブンの変位デバイス310の第4の実施形態の斜視図である。撹拌用部材311は、シャフト312を含み、シャフト312は、一方の端部にリング形状のパーツ313を設けられており、他方の端部にナイフ形状のパーツ314を設けられている。撹拌用部材311は、変位デバイス310のロッド315の上にリング形状のパーツ313を装着することによってスタックされ得る。ロッド315は、第1のパーツ316にわたって水平方向に延在しており、それによって、撹拌用部材311が、この水平方向に第1のパーツ316の上にスタックされ、また、ロッド315は、湾曲したパーツ317および第2のパーツ318を含み、第2のパーツ318は、容器5に向けて下向きに延在している。分離された撹拌用部材311は、撹拌用部材311のリング形状のパーツ313が第2のパーツ318の厚くなった端部(見ることはできない)に当接するまで、第1のパーツ316、湾曲したパーツ317、および第2のパーツ318に沿って移動させられる。また、それは、単に、容器5の底部の上に載せられることも可能である。好ましくは、リング形状のパーツ313は、小さいスロット319を含み、リング形状のパーツ313が、バネ力に対抗して開けられ、第2のパーツ318からリング形状のパーツ313を除去することができるようになっている。
【0059】
また、撹拌用部材11、111、211、311の移動は、マイクロ波オーブン1が開いているときにも行われ得り、マイクロ波オーブン1を閉じることによって、撹拌用部材11、111、211、311が容器5の中へ直接的に挿入されるようになっている。
【0060】
任意のスイーベル運動なしに撹拌用部材11、111、211、311に対して容器5を回転させることだけも可能であり、それによって、容器5もしくは撹拌用部材11、111、211、311のいずれか、または、容器5および撹拌用部材11、111、211、311の両方が回転させられる。また、撹拌用部材11、111、211、311を回転させるとともにスイーベルさせることも可能である。
【0061】
回転軸線42は、好ましくは、垂直方向に延在しているが、所望の場合には、それは、垂直方向に対して所定の角度で延在することが可能である。
【0062】
また、容器5の対向する壁部同士の間で撹拌部材11をスイーベルさせることも可能である。
【0063】
マイクロ波オーブンは、任意の適切な形状を有することが可能である。
【0064】
異なる食料品に関して、時間、温度、スイーベル速度、および回転速度などが、容易に実験的に決定され得る。
【0065】
クッキングの間もしくは直後に、または、図1Bに示されているような開位置へマイクロ波オーブン1を持って行く直前に、食料品の中へ落とすことが可能である。
【0066】
それぞれの撹拌用部材11、111、211、311は、好ましくは、以下の特徴を有している。
【0067】
それは、平坦になっており、それが互いにスタックされ得るようになっている。これは、保管スペースを低減させ、それは、対応する変位デバイス10、110、210、310を比較的に小さくすることが可能である。
【0068】
それぞれの撹拌用部材11、111、211、311は、対応する変位デバイス10、110、210、310による挿入/誘導のためのスライドエッジを含有している。
【0069】
撹拌用部材11、111、211、311は、それがクッキングの間に容器の中に挿入される長さを制限するストッパーパーツを含む。
【0070】
撹拌用部材11、111、211、311は、たとえばスクランブルエッグをカットするためのカッティングパーツを含むことが可能である。好ましくは、それは、ユーザーが事故的に自分自身を切ることができるほどには鋭くなっていない。
【0071】
上記に示されているような実施形態は、マイクロ波オーブンに関して説明されてきた。マイクロ波オーブンの代わりに蒸気オーブンを使用することによって、または、食料品を加熱するのに適切な別の種類のオーブンを使用することによって、同じ結果が取得され得る。
【0072】
マイクロ波は、それが任意の加熱サイクルを必要としないという利点を有しており、それは、効率的である。より高いクッキング温度が必要とされるときには、蒸気が有益である可能性がある。蒸気は湿分を食料品に与えることとなるので、加熱の間の食品の乾燥が深刻になるときには、蒸気を使用することが有利である。
【符号の説明】
【0073】
1 マイクロ波オーブン
2 下側パーツ
3 上側パーツ
4 ホルダー
5 容器
6 クッキングキャビティー
7 食料品
8 上側壁部
9 開口部
10 変位デバイス
11 撹拌用部材
12 第1のパーツ
13 第2のパーツ
14 歯
15 U字形状の開口部
16 壁部
17 当接部分
18 当接部分
20 ホルダー
21 スタック
22 プッシング部材
23 バネ
24 分離デバイス
25 枢動デバイス
26 ステッピングモーター
27 金属プレート
28 受け入れ部材
29 長手方向のスロット
30 ペン
30’ ペン
31 軸受
32 湾曲した経路
33 フレームパーツ
34 ペン
35 スロット
36 ペン
37 ペン
38 受け入れスロット
39 ストッピング部材
40 エレメント
41 ストップ
42 回転軸線
43 枢動軸線
110 変位デバイス
111 湾曲した撹拌用部材
111’ 平坦な撹拌用部材
112 ローラー
113 ローラー
114 ローラー
116 ローラー
210 変位デバイス
211 撹拌用部材
212 ハンドル
213 スプーン形状のパーツ
214 スタック
215 厚くなった端部
310 変位デバイス
311 撹拌用部材
312 シャフト
313 リング形状のパーツ
314 ナイフ形状のパーツ
315 ロッド
316 第1のパーツ
317 湾曲したパーツ
318 第2のパーツ
319 スロット
A1 角度
A2 角度
A3 角度
P1 矢印
P2 矢印
P3 矢印
P4 矢印
P21 矢印
P22 矢印
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B1
図4B2
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図4J
図4K
図4L
図4M
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12