(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-03
(45)【発行日】2023-10-12
(54)【発明の名称】バッテリ接続モジュール
(51)【国際特許分類】
H01M 50/507 20210101AFI20231004BHJP
H01M 50/51 20210101ALI20231004BHJP
H01M 50/569 20210101ALI20231004BHJP
H01M 50/284 20210101ALI20231004BHJP
H01M 50/583 20210101ALI20231004BHJP
【FI】
H01M50/507
H01M50/51
H01M50/569
H01M50/284
H01M50/583
(21)【出願番号】P 2022054885
(22)【出願日】2022-03-30
【審査請求日】2022-03-30
(31)【優先権主張番号】202110367660.3
(32)【優先日】2021-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】591043064
【氏名又は名称】モレックス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【氏名又は名称】青木 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】リン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ツェン シャン シウ
(72)【発明者】
【氏名】リム キアン ヘン
【審査官】儀同 孝信
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第03742538(EP,A1)
【文献】特開2015-022965(JP,A)
【文献】特開2013-197090(JP,A)
【文献】特開2020-013766(JP,A)
【文献】特開2019-057498(JP,A)
【文献】特開2019-023996(JP,A)
【文献】国際公開第2020/256264(WO,A1)
【文献】特開2020-191279(JP,A)
【文献】特開2019-29173(JP,A)
【文献】国際公開第2012/075948(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0062284(KR,A)
【文献】国際公開第2020/122404(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/50
H01M 50/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバッテリを接続するように使用されるバッテリ接続モジュールであって、
載置トレイと、
該載置トレイ上に組み立てられた複数の母線であって、該複数の母線が、直列に前記複数のバッテリを接続するために使用される、母線と、
前記複数の母線を接続するために使用される第1の回路基板と、
該第1の回路基板から分離され、複数の電子素子を備える第2の回路基板と、
前記第1の回路基板及び前記第2の回路基板をブリッジするために使用されるブリッジ回路基板であって、該ブリッジ回路基板が、その上に複数のヒューズを含む、ブリッジ回路基板と、
を備
え、
前記複数のヒューズがそれぞれ、前記ブリッジ回路基板上に設けられたヒューズワイヤとして構成され、
前記ブリッジ回路基板の2つの端部が、コネクタを介して前記第1の回路基板及び前記第2の回路基板と接続され、前記ブリッジ回路基板と、前記第1の回路基板及び前記第2の回路基板とが、分離可能に接続されている、バッテリ接続モジュール。
【請求項2】
前記ブリッジ回路基板が、フレキシブル回路基板として構成されている、請求項
1に記載のバッテリ接続モジュール。
【請求項3】
前記第1の回路基板及び前記第2の回路基板がそれぞれ、剛性回路基板として構成されている、請求項
2に記載のバッテリ接続モジュール。
【請求項4】
前記フレキシブル回路基板の2つの端部がそれぞれ、前記第1の回路基板及び前記第2の回路基板にそれぞれ取り付けられた2つのフレキシブル回路基板コネクタによって接続されている、請求項
2又は
3に記載のバッテリ接続モジュール。
【請求項5】
前記載置トレイが、前記第1の回路基板を取り付けるために使用される第1の回路基板取付領域と、前記第2の回路基板を取り付けるために使用される第2の回路基板取付領域と、を有する、請求項
4に記載のバッテリ接続モジュール。
【請求項6】
前記載置トレイ及び前記第1の回路基板及び前記第2の回路基板が、スナップ柱及びスナップ穴を備えている、請求項
5に記載のバッテリ接続モジュール。
【請求項7】
前記第1の回路基板と前記母線のそれぞれが、導電片によって接続されている、請求項
1に記載のバッテリ接続モジュール。
【請求項8】
前記導電片が、回路基板接続セグメントと、母線接続セグメントと、前記回路基板接続セグメントと前記母線接続セグメントとの間に位置付けられた緩衝セグメントと、を備える、請求項
7に記載のバッテリ接続モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、バッテリ接続モジュールの技術分野に関し、特に、ブリッジ回路基板を有するバッテリ接続モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
中国実用新案第203691758号明細書は、直列に接続された2つ以上のヒューズアセンブリを含むフレキシブルプリント回路基板を開示しており、各ヒューズアセンブリは、並列に接続されたコネクタ及びヒューズワイヤを備えている。使用中、2つのヒューズアセンブリの一方のコネクタは動作コネクタとして設けられ、開放回路は、動作コネクタの2つのはんだ付けパッド間に設定され、2つのヒューズアセンブリの他方のコネクタはバックアップコネクタとしての役割を果たし、バックアップコネクタのはんだ付けパッドは短絡されるようにはんだによってはんだ付けされて、バックアップコネクタと並列に接続されたヒューズワイヤを短絡させ、これは、バックアップコネクタが導電性ワイヤとして直接機能することと同等である。ヒューズモジュールにおいて、回路が過電流にあるとき、動作コネクタと並列に接続されたヒューズワイヤは、過電流保護機能を果たすように溶断させることができる一方で、動作コネクタに並列に接続されたヒューズワイヤが溶断されると、バックアップコネクタにはんだ付けされたはんだが外され、オペレーティングコネクタの2つのはんだ付けパッドが短絡されるようにはんだによってはんだ付けされる限り、回路が導通して、バックアップコネクタに並列に接続されたヒューズワイヤが動作することができ、修復が簡便である。
【0003】
中国実用新案第209787546号明細書(米国特許出願公開第2020/0203777号明細書に対応する)は、回路基板及びバッテリモジュールを開示し、具体的には、第1の分岐経路及び第2の分岐経路で、第1の分岐経路が、第1のヒューズゾーンで形成され、第2の分岐経路は、第2のヒューズゾーンで形成されることを開示している。第2の分岐経路の一端は、第1のヒューズゾーンを除いて、サンプリング端部又は第1の分岐経路の一部に接続され、第2の分岐経路の他端は、サンプリング端部及び第1の分岐経路から離間されている。回路基板のサンプリングプロセス中、第1のパッドは、サンプリング回路のサンプリング端部、第1の分岐経路、及び出力端部を介して、収集された信号を外部コントローラに送信する。第1の分岐経路の第1のヒューズゾーンが溶断される(この時点で、サンプリング回路のサンプリング端部及び出力端部が切断される)とき、サンプリング回路には第2の分岐経路が更に設けられているため、回路基板は、第2の分岐経路と第2のパッドによって迅速に修復されて、バッテリモジュールの復帰修復中にサンプリング端部と出力端部との間の電気的接続を行うことによって、回路基板の再使用という目的を達成することができる。
【0004】
上記の技術は、同じ回路基板にコネクタ又は他の電子素子が設けられ、次いで、コネクタ又は電子素子を備えた回路基板が母線で溶接されるという技術的解決策を開示している。しかしながら、回路基板の溶接動作中に回路基板と母線との間で溶接問題が生じる場合、高い価値を有する回路基板全体が廃棄される場合がある。また、使用中、回路が過電流にあるとき、ヒューズワイヤ又は経路が溶断される。上記の従来技術によって開示されるヒューズワイヤ又は経路は修復され得るが、いったん修復され得るだけで、上記の従来技術によって開示されるヒューズワイヤ又は経路を修復することができない場合、高い価値を有する回路基板全体が廃棄され、更にはバッテリパック全体が廃棄される。
【発明の概要】
【0005】
したがって、本開示の目的は、従来技術における少なくとも1つの欠点を改善することができる、バッテリ接続モジュールを提供することである。
【0006】
一実施形態では、本開示のバッテリ接続モジュールは、複数のバッテリを接続するために使用され、バッテリ接続モジュールは、載置トレイ、複数の母線、第1の回路基板、第2の回路基板、及びブリッジ回路基板を備える。複数の母線は、載置トレイ上に組み立てられ、複数の母線は、複数のバッテリを直列に接続するために使用される。第1の回路基板は、複数の母線を接続するために使用される。第2の回路基板は、第1の回路基板から分離され、複数の電子素子を備える。ブリッジ回路基板は、第1の回路基板及び第2の回路基板をつなぐために使用される。
【0007】
いくつかの実施態様では、ブリッジ回路基板と第1の回路基板及び第2の回路基板とは、分離可能に接続されている。
【0008】
いくつかの実施態様では、ブリッジ回路基板の2つの端部は、コネクタを介して第1の回路基板及び第2の回路基板と接続される。
【0009】
いくつかの実施態様では、ブリッジ回路基板は、フレキシブル回路基板として構成されている。
【0010】
いくつかの実施態様では、第1の回路基板及び第2の回路基板はそれぞれ、剛性回路基板として構成されている。
【0011】
いくつかの実施態様では、フレキシブル回路基板の2つの端部はそれぞれ、第1の回路基板及び第2の回路基板上にそれぞれ取り付けられた2つのフレキシブル回路基板コネクタによって接続されている。
【0012】
いくつかの実施態様では、載置トレイは、第1の回路基板を取り付けるために使用される第1の回路基板取付領域と、第2の回路基板を取り付けるために使用される第2の回路基板取付領域と、を有する。
【0013】
いくつかの実施態様では、載置トレイ及び第1の回路基板及び第2の回路基板は、スナップ柱及びスナップ穴を備えている。
【0014】
いくつかの実施態様では、第1の回路基板及び各母線は、導電片によって接続されている。
【0015】
いくつかの実施態様では、導電片は、回路基板接続セグメントと、母線接続セグメントと、回路基板接続セグメントと母線接続セグメントとの間に位置付けられた緩衝セグメントと、を備える。
【0016】
別の実施形態では、本開示のバッテリ接続モジュールは、複数のバッテリを接続するために使用され、バッテリ接続モジュールは、載置トレイ、複数の母線、第1の回路基板、第2の回路基板、及びブリッジ回路基板を備える。複数の母線は、載置トレイ上に組み立てられ、複数の母線は、複数のバッテリを直列に接続するために使用される。第1の回路基板は、複数の母線を接続するために使用される。第2の回路基板は、第1の回路基板から分離され、複数の電子素子を備える。ブリッジ回路基板は、第1の回路基板及び第2の回路基板をつなぐために使用され、ブリッジ回路基板は、その上に複数のヒューズを含む。
【0017】
いくつかの実施態様では、複数のヒューズはそれぞれ、ブリッジ回路基板上に設けられたヒューズワイヤとして構成されている。
【0018】
いくつかの実施態様では、ブリッジ回路基板と第1の回路基板及び第2の回路基板とは、分離可能に接続されている。
【0019】
いくつかの実施態様では、ブリッジ回路基板の2つの端部は、コネクタを介して第1の回路基板及び第2の回路基板と接続される。
【0020】
いくつかの実施態様では、ブリッジ回路基板は、フレキシブル回路基板として構成されている。
【0021】
いくつかの実施態様では、第1の回路基板及び第2の回路基板はそれぞれ、剛性回路基板として構成されている。
【0022】
いくつかの実施態様では、フレキシブル回路基板の2つの端部はそれぞれ、第1の回路基板及び第2の回路基板上にそれぞれ取り付けられた2つのフレキシブル回路基板コネクタによって接続されている。
【0023】
いくつかの実施態様では、載置トレイは、第1の回路基板を取り付けるために使用される第1の回路基板取付領域と、第2の回路基板を取り付けるために使用される第2の回路基板取付領域と、を有する。
【0024】
いくつかの実施態様では、載置トレイ及び第1の回路基板及び第2の回路基板は、スナップ柱及びスナップ穴を備えている。
【0025】
いくつかの実施態様では、第1の回路基板及び各母線は、導電片によって接続されている。
【0026】
いくつかの実施態様では、導電片は、回路基板接続セグメントと、母線接続セグメントと、回路基板接続セグメントと母線接続セグメントとの間に位置付けられた緩衝セグメントと、を備える。
【0027】
本開示の一実施形態は、以下の利点又は有益な効果を有する。
【0028】
本開示のバッテリ接続モジュールは、互いに分離された第1の回路基板及び第2の回路基板と、第1の回路基板と第2の回路基板との間に接続されたブリッジとして機能するブリッジ回路基板と、を含み、第1の回路基板及び第2の回路基板は、異なる機能及び効果を有するように互いに分離させることができ、例えば、第1の回路基板は、母線を接続し、温度センサを設けるために使用され、第2の回路基板は、電気コネクタなどを含む複数の電子素子を設けるために使用される。第1の回路基板及び第2の回路基板のうちの1つが損傷すると、損傷した回路基板を置き換える必要があり、他の回路基板を交換する必要はなく、これは、回路基板全体が廃棄される従来技術の問題を回避する。したがって、本開示のバッテリ接続モジュールは、メンテナンスコストがより低いという利点を有する。
【0029】
更に、本開示のブリッジ回路基板は、その上に複数のヒューズを更に含み、複数のヒューズはそれぞれ、ブリッジ回路基板上に設けられたヒューズワイヤとして構成されている。動作回路が過電流にあると、ブリッジ回路基板上のヒューズワイヤが溶断され、単にブリッジ回路基板を交換するだけでよく、第1の回路基板及び第2の回路基板を交換する必要はなく、修復が簡単でコストが低いという利点をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本開示の上記並びに及び他の特徴及び利点は、添付図面を参照してその例示的な実施形態の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【0031】
【
図1】本開示の一実施形態のバッテリ接続モジュール及び複数のバッテリの分解斜視図である。
【
図2】本開示の一実施形態のバッテリ接続モジュールの分解斜視図である。
【
図3】本開示の一実施形態のバッテリ接続モジュールの上面図である。
【
図4】本開示の一実施形態の載置トレイ及び母線の分解斜視図である。
【
図5】本開示の一実施形態のバッテリ接続モジュールの部分斜視図である。
【
図6】載置トレイ及び母線が取り外された、本開示の一実施形態のバッテリ接続モジュールの分解斜視図である。
【
図7】Jで示される
図3の一部の部分拡大図である。
【符号の説明】
【0032】
参照符号は、以下のように表される。
【0033】
100 バッテリ接続モジュール
1 載置トレイ
11 第1の回路基板取付領域
111 第1の底板
112 第1のフェンス
113 スナップ柱
12 第2の回路基板取付領域
121 第2の底板
122 第2のフェンス
124 スナップ柱
13 受容溝
13a 副凹状溝
131 横壁
132 隔壁
133 支持部
134 担持部
135 押圧部材
136 内壁
2 母線
21 出力母線
221 アーチ部
221a 上壁
221b 側壁
222 電極接続部
223 空間
3 第1の回路基板
31 スナップ穴
32 温度センサ
33 フレキシブル回路基板コネクタ
331 端子
34 導電性ワイヤ
4 第2の回路基板
41 スナップ穴
42 電気コネクタ
43 電子素子
5 ブリッジ回路基板
51 導電性ワイヤ
52 ヒューズ
6 導電片
61 回路基板接続セグメント
62 緩衝セグメント
621 緩衝バー
63 母線接続セグメント
200 バッテリ
210 電極
【発明を実施するための形態】
【0034】
ここで、添付図面を参照して、例示的な実施形態をより完全に説明する。しかしながら、例示的な実施形態は、様々な形態で具体化することができ、本明細書に記載の実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、例示的な実施形態の概念を当業者に完全に伝えるように提供される。図面中の同じ参照番号は、同じ又は同様の構造を示し、したがって、それらの詳細な説明は省略する。
【0035】
図1に示すように、
図1は、本開示の一実施形態のバッテリ接続モジュール100及び複数のバッテリ200の分解斜視図である。本開示の実施形態のバッテリ接続モジュール100は、複数のバッテリ200を接続するために使用され、複数のバッテリ200の電圧、温度、又は他のバッテリパラメータを検出するために使用される。
【0036】
図1~
図3に示すように、
図2は、本開示の一実施形態のバッテリ接続モジュール100の分解斜視図である。
図3は、本開示の一実施形態のバッテリ接続モジュール100の上面図である。本開示の実施形態のバッテリ接続モジュール100は、載置トレイ1、複数の母線2、第1の回路基板3、第2の回路基板4、及びブリッジ回路基板5を含む。複数の母線2は、載置トレイ1上に組み立てられ、複数の母線2は、複数のバッテリ200を直列に接続するために使用される。第1の回路基板3は、複数の母線2を接続するために使用される。第2の回路基板4は、第1の回路基板3から分離され、複数の電子素子43を含む。ブリッジ回路基板5は、第1の回路基板3と第2の回路基板4をつなぐために使用される。これらの電子素子43は、電気コネクタ42を含み得る。
【0037】
図2及び
図4に示すように、
図4は、本開示の一実施形態の載置トレイ1及び母線2の分解斜視図である。例えば、載置トレイ1は、絶縁材料によって一体的に形成され得、第1の回路基板取付領域11、第2の回路基板取付領域12、及び複数の受容溝13を含む。第1の回路基板取付領域11は、第1の回路基板3を取り付けるために使用され、第2の回路基板取付領域12は、第2の回路基板4を取り付けるために使用され、受容溝13は、母線2を取り付けるために使用される。
【0038】
図2に示すように、第1の回路基板取付領域11は2個であり、第2の回路基板取付領域12は1個である。第2の回路基板取付領域12は、載置トレイ1の端部に位置付けられ得る。各第1の回路基板取付領域11は、実質的に細長くてもよく、2つの第1の回路基板取付領域11は、互いに対向するように設けられている。第1の回路基板取付領域11の一端は、第2の回路基板取付領域12の近くに設けられ、第1の回路基板取付領域11の他端は、第2の回路基板取付領域12から離れて延在する。なお、第1の回路基板取付領域11及び第2の回路基板取付領域12の数の定義は単に説明のためのものであり、当業者は必要に応じて調整することができ、したがって、本開示は上記の説明に限定されない。
【0039】
複数の受容溝13は、2つのグループに分割されてもよく、各グループの受容溝13は、第1の回路基板取付領域11の延在方向に沿って並んで配置される。2つのグループの受容溝13は、2つの第1の回路基板取付領域11に対応して提供され、2つのグループの受容溝13は、載置トレイ1の2つの第1の回路基板取付領域11の外側にそれぞれ設けられている。
【0040】
図2及び
図4に示すように、複数の母線2は2つのグループに分割されてもよく、2つのグループの母線2はそれぞれ、2つのグループの受容溝13に取り付けられている。各グループの母線2は、第1の回路基板取付領域11の延在方向に沿って並んで配置され、各グループの母線の一端に位置付けられた各グループの母線中の母線はそれぞれ出力母線21であり、2つの出力母線21は、複数のバッテリを含むバッテリパックの正極及び負極を表し得、それぞれ、外部負荷の正極及び負極と接続するために使用される。
【0041】
各母線2は、導電性材料を一体的に曲げることによって形成され得る。2つの出力母線21を除いて、複数の母線2のうちの残りの母線2はそれぞれ、アーチ部221及び2つの電極接続部222を含む。2つの電極接続部222は、アーチ部221の2つの反対側にそれぞれ位置付けられ、対応するバッテリ200の電極210と電気的に接続するために使用される。
【0042】
アーチ部221は、上壁221a及び2つの側壁221bを含み、2つの側壁221bは、それぞれ上壁221aの2つの側面に接続され、その結果、空間223が、上壁221a及び2つの側壁221bによって囲まれている。2つの電極接続部222は、2つの側壁221bの外側にそれぞれ接続されている。
【0043】
図2及び
図4に示すように、載置トレイ1は、横壁131及び複数の隔壁132を含む。横壁131は、第1の回路基板取付領域11の延在方向に沿って延在し得る。複数の隔壁132は、第1の回路基板取付領域11の延在方向に沿って互いに離間するように設けられ、複数の隔壁132はそれぞれ、複数の受容溝13を区画するように、一端が横壁131に接続され、他端が載置トレイ1の内部に向かって延在する。実施態様では、各隔壁132は、横壁131に対して垂直であり得るが、本開示は、それに限定されず、例えば、隔壁132と横壁131は、斜めに交差するように設けられてもよい。
【0044】
載置トレイ1は、複数の支持部133を更に含み、各受容溝13は、その中に1つの支持部133を備えている。支持部133は、細長い構造であってもよく、1つの受容溝13を2つの副凹状溝13aに区画するように、隔壁132に平行に設けられてもよい。すなわち、第1の回路基板取付領域11の延在方向に沿って、複数の支持部133及び複数の隔壁132が交互に設けられる。各副凹状溝13aの内壁136には担持部134が更に備え、担持部134は、母線2を担持するために使用される。母線2が受容溝13に取り付けられているとき、支持部133は、母線2の空間223内に入り、母線2のアーチ部221を支持する。母線2の2つの電極接続部222は、2つの副凹状溝13aにそれぞれ受容され、それぞれ2つの担持部134によって担持される。
【0045】
載置トレイ1は、複数の押圧部材135を更に含み、各副凹状溝13aは、1つ以上の押圧部材135を備え得る。母線2が受容溝13に取り付けられているとき、押圧部材135は、母線2が受容溝13から解放されるのを防ぐために、担持部134から離れるように電極接続部222の側面を押すことができる。実装態様では、押圧部材135は、弾性ラッチ部材であってもよいが、本開示は、これに限定されない。
【0046】
担持部134、支持部133、及び押圧部材135の協働作用下では、母線2は受容溝13内に制限されるが、母線2は、載置トレイ1に完全には固定されておらず、母線2は、その後の超音波溶接プロセスに対応するように、載置トレイ1に対してわずかに移動可能であり得ることに留意されたい。
【0047】
図2及び
図4に示すように、第1の回路基板取付領域11及び第2の回路基板取付領域12はそれぞれ凹状溝構造であってもよく、第1の回路基板3及び第2の回路基板4が載置トレイ1上に組み立てられたときに、第1の回路基板3及び第2の回路基板4が、第1の回路基板取付領域11及び第2の回路基板取付領域12にそれぞれ受容され得る。
図6に示すように、好ましくは、第1の回路基板3及び第2の回路基板4のそれぞれは、剛性回路基板として構成され得る。
【0048】
第1の回路基板取付領域11は、第1の底板111及び第1のフェンス112を含み、第1のフェンス112は、第1の底板111から突出する。第1の底板111、第1のフェンス112、及び第1の底板111に隣接する複数の隔壁132は一緒に、第1の回路基板取付領域11を形成する。
【0049】
図2及び
図4に示すように、第1の回路基板3及び載置トレイ1は、スナップ穴31及びスナップ柱113が互いに協働するように分離可能に接続され得る。具体的には、第1の底板111には、そこから突出するスナップ柱113が設けられ、第1の回路基板3にはスナップ穴31が開けられており、第1の回路基板3が載置トレイ1に取り付けられると、スナップ柱113がスナップ穴31を通過し、スナップ穴31の縁部にスナップ嵌めされる。
【0050】
第2の回路基板取付領域12は、第2の底板121及び第2のフェンス122を含み、第2のフェンス122は、第2の底板121から突出し、第2のフェンス122及び第2の底板121は、一緒に第2の回路基板取付領域12を形成する。
【0051】
第2の回路基板4及び載置トレイ1は、スナップ穴41及びスナップ柱124が互いに協働するように分離可能に接続され得る。具体的には、第2の底板121には、そこから突出するスナップ柱124が設けられ、第2の回路基板4にはスナップ穴41が開けられており、第2の回路基板4が載置トレイ1に取り付けられると、スナップ柱124がスナップ穴41を通過し、スナップ穴41の縁部にスナップ嵌めされる。
【0052】
明らかに、第1の回路基板3及び第2の回路基板4は、他の構造、例えばボルトによって載置トレイ1に更に接続され得ると理解することができる。
【0053】
図3、
図5、及び
図6に示すように、第1の回路基板3と各母線2は、導電片6によって接続されている。導電片6及び母線2は同じ数であり、複数の母線2が、複数の導電片6によってそれぞれ第1の回路基板3に接続されている。
【0054】
導電片6は、回路基板接続セグメント61と、母線接続セグメント63と、回路基板接続セグメント61と母線接続セグメント63との間に位置付けられた緩衝セグメント62と、を含み得る。回路基板接続セグメント61は、第1の回路基板3の導電性ワイヤ34の一端と電気的に接続するために使用され、母線接続セグメント63は、母線2を接続するために使用される。導電性ワイヤ34の他端は、第1の回路基板3上に設けられたフレキシブル回路基板コネクタ33と電気的に接続するために使用される。緩衝セグメント62は、2つの緩衝バー621を有し、緩衝セグメント62は、より低い剛性と弾性とを有し、第1の回路基板3と母線2との間の相対移動が生成される場合、緩衝セグメント62は相対運動を補償して、導電片6全体の損傷を回避することができる。第1の回路基板3には、導電片6に近い位置に温度センサ32が設けられてもよく、温度センサ32に対応する導電片6の回路基板接続セグメント61の位置には開口が設けられている。
【0055】
図3及び
図6~
図8に示すように、
図7は、Jで示される
図3の一部の部拡大図であり、
図8は、
図7の線A-Aに沿った断面図である。ブリッジ回路基板5は、第1の回路基板3及び第2の回路基板4をつなぐために使用され、それにより、ブリッジ回路基板5は、第1の回路基板3と第2の回路基板4との間のブリッジとして作用し、第1の回路基板3及び第2の回路基板4は、異なる機能及び効果を有するように分離させることができる。例えば、第1の回路基板3は、母線2を接続し、温度センサ32を設けるために使用され得、第2の回路基板4は、電気コネクタ42などを含む複数の電子素子43を設けるために使用され得る。
【0056】
第1の回路基板3及びその上に設けられた要素と第2の回路基板4及びその上に設けられた要素とのうちの1つが損傷するとき、損傷した回路基板(第1の回路基板3又は第2の回路基板4)を交換するだけでよい。溶接問題が発生した場合に回路基板全体が廃棄される従来技術の場合と比較して、本開示は、すべての回路基板を交換する必要はなく、メンテナンスコストが低いという利点を有する。
【0057】
ブリッジ回路基板5と第1の回路基板3及び第2の回路基板4とは、分離可能に接続されている。したがって、第1の回路基板3又は第2の回路基板4を交換する必要がある場合、損傷した回路基板をブリッジ回路基板5から簡便に分離し、新しい回路基板とブリッジ回路基板5を都合よく接続することができる。
【0058】
ブリッジ回路基板5は、フレキシブル回路基板(FPC)として構成され得る。フレキシブル回路基板は、特別なプリント回路基板であり、導電性銅箔の層数に基づいて、フレキシブルプリント回路基板は、単層基板、両面基板、二層基板、多層基板などとして分類され得る。本開示の実施形態は、これに関して特別な限定を行わない。フレキシブル回路基板では、ブリッジ回路基板5と第1の回路基板3及び/又は第2の回路基板4とを取り外す又は取り付けることがより簡便である。
【0059】
図3及び
図7に示すように、ブリッジ回路基板5の2つの端部は、コネクタを介して第1の回路基板3及び第2の回路基板4にそれぞれ接続されている。第1の回路基板3には、フレキシブル回路基板コネクタ33が設けられており、第2の回路基板4には同様に、フレキシブル回路基板コネクタ33が設けられている。ブリッジ回路基板5の2つの端部はそれぞれ、差込み可能に2つのフレキシブル回路基板コネクタ33に接続されている。
【0060】
図6及び
図8に示すように、ブリッジ回路基板5は、複数の導電性ワイヤ51を備え、複数の導電性ワイヤ51のそれぞれの一端は、ブリッジ回路基板5の一端の外壁面に露出し、複数の導電性ワイヤ51のそれぞれの他端は、ブリッジ回路基板5の他端の外壁面に露出している。フレキシブル回路基板コネクタ33は、複数の端子331を備えている。ブリッジ回路基板5の各端部がフレキシブル回路基板コネクタ33に挿入されると、各端部における複数の導電性ワイヤ51の露出部は、それぞれ複数の端子331に電気的に接触して、第1の回路基板3及び第2の回路基板4を導通させることができる。
【0061】
図6に示すように、本開示のバッテリ接続モジュール100の別の実施形態は、ブリッジ回路基板5が複数のヒューズ52を含むという点で上記の実施形態とは異なる。ヒューズ52は、電流が特定の時間にわたって事前設定値を超えた後、ヒューズ52自体によって生成された熱がヒューズリンクを溶断させ、ヒューズ52を通って流れる電流は、過電流保護機能を果たすように遮断されると理解され得る。
【0062】
本実施形態では、複数のヒューズ52はそれぞれ、ブリッジ回路基板5上に設けられたヒューズワイヤとして構成され、ヒューズワイヤは、本開示の実施形態のバッテリ接続モジュール100の動作回路と接続され、動作回路が過電流にあるときに過電流保護作用を果たすように溶断され得る。
【0063】
結論として、本開示のバッテリ接続モジュール100は、互いに分離された第1の回路基板3及び第2の回路基板4と、第1の回路基板3と第2の回路基板4との間に接続されたブリッジとして機能するブリッジ回路基板5と、を含み、第1の回路基板3及び第2の回路基板4は、異なる機能及び効果を有するように互いに分離させることができ、例えば、第1の回路基板3は、母線2を接続し、温度センサ32を設けるために使用され、第2の回路基板4は、電気コネクタ42などを含む複数の電子素子43を設けるために使用される。第1の回路基板3及び第2の回路基板4のうちの1つが損傷すると、損傷した回路基板を置き換える必要があり、他の回路基板を交換する必要はなく、これは、回路基板全体が廃棄される従来技術の問題を回避する。したがって、本開示のバッテリ接続モジュール100は、メンテナンスコストがより低いという利点を有する。
【0064】
更に、本開示のブリッジ回路基板5は、その上に複数のヒューズ52を更に含み、複数のヒューズ52はそれぞれ、ブリッジ回路基板5上に設けられたヒューズワイヤとして構成される。動作回路が過電流にあると、ブリッジ回路基板5上のヒューズワイヤが溶断され、単にブリッジ回路基板5を交換するだけでよく、第1の回路基板3及び第2の回路基板4を交換する必要はなく、修復が簡単でコストが低いという利点をもたらす。
【0065】
本開示の実施形態では、「第1」及び「第2」という用語は、説明の目的でのみ使用されており、相対的な重要性を示す又は示唆するとして解釈することはできない。「複数」という用語は、特に明確な限定がされない限り、2つ以上を指す。「取り付けられる」、「接続される」、「接続する」、「固定される」という用語及び他の用語は、広い意味で理解されるべきである。例えば、「接続」は、固定接続、分離可能な接続、又は一体接続であり得る。「接続された」は、仲介物を介した直接接続又は間接接続であり得る。当業者であれば、特定の状況による本開示の実施形態における上記の用語の具体的な意味を理解することができる。
【0066】
本開示の実施形態の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」などの用語によって示される配向又は位置関係は、添付図面に示されるものに基づくことを理解されたい。配向又は位置関係は、言及されるデバイス又はユニットが具体的な方向を有し、具体的な配向で構成及び操作されなければならないことを指摘又は示唆するのではなく、発明の実施形態を記載し、説明を簡易化する単に便宜上のためのものであり、したがって、本開示の実施形態に対する限定と解釈されるべきではない。
【0067】
本明細書の説明において、「一実施形態」、「いくつかの実施形態」、「特定の実施形態」などの用語の説明は、実施形態又は実施例に関連して説明される特定の特徴、構造、材料、又は特性が、本開示の実施形態の少なくとも1つの実施形態又は実施例に含まれることを意味する。本明細書では、上記の用語の概略的表現は、必ずしも同じ実施形態又は実施例を指すものではない。更に、記載された特定の特徴、構造、材料、又は特性は、任意の1つ以上の実施形態又は実施例において任意の好適な様式で組み合わせることができる。
【0068】
上記は、本開示の実施形態の単に好適な実施形態であり、本開示の実施形態を限定することを意図するものではない。当業者にとって、本開示の実施形態は、様々な修正及び変更を有し得る。本開示の実施形態の趣旨及び原理内で行われる任意の修正、同等の置換、改善などは、本開示の実施形態の保護範囲に含まれるべきである。