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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-03
(45)【発行日】2023-10-12
(54)【発明の名称】再封可能な柔軟包装材
(51)【国際特許分類】
   B65D 75/58 20060101AFI20231004BHJP
   B65D 65/30 20060101ALI20231004BHJP
   B65D 65/32 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
B65D75/58
B65D65/30
B65D65/32
【請求項の数】 17
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022175590
(22)【出願日】2022-11-01
(62)【分割の表示】P 2019544701の分割
【原出願日】2017-12-05
(65)【公開番号】P2023021109
(43)【公開日】2023-02-09
【審査請求日】2022-11-25
(31)【優先権主張番号】15/442,779
(32)【優先日】2017-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】599057065
【氏名又は名称】ソノコ・デヴェロップメント,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100169018
【弁理士】
【氏名又は名称】網屋 美湖
(72)【発明者】
【氏名】ハファー,スコット・ウィリアム
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-039494(JP,A)
【文献】特開2000-229681(JP,A)
【文献】特開2013-151329(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0122109(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 75/58
B65D 65/30
B65D 65/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板ベース層と、
感圧接着剤層を介して前記基板ベース層に少なくとも部分的に剥離可能に付着されたフィルム層
を備える柔軟包装材であって、
前記感圧接着剤層は、
少なくとも1つの接着剤区域と、
少なくとも1つの非接着剤区域であって、連続する平行な両端を有するラインとして縦方向に前記柔軟包装材の全長に沿って連続的に延在する少なくとも1つの非接着剤区域と、
を備え、
前記フィルム層は、前記少なくとも1つの非接着剤区域内に配置される少なくとも1つのプルタブを形成するように切り込まれており、
前記基板ベース層は、前記少なくとも1つの非接着剤区域に隣接して配置される少なくとも1つの空洞を形成するように切り込まれている、
柔軟包装材。
【請求項2】
前記フィルム層は、前記少なくとも1つのプルタブと連続する少なくとも1つの再封可能なフラップを形成するように切り込まれている、請求項1に記載の柔軟包装材。
【請求項3】
前記再封可能なフラップは、前記感圧接着剤層を介して、前記基板ベース層から分離されることが可能であるとともに、前記基板ベース層に再封されることが可能である、請求項2に記載の柔軟包装材。
【請求項4】
前記プルタブ及び前記再封可能なフラップは、連携して前記縦方向に持ち上げられるようになっている、請求項2に記載の柔軟包装材。
【請求項5】
前記少なくとも1つの非接着剤区域は、前記フィルム層の略中心において前記縦方向に連続的に配置されている、請求項1に記載の柔軟包装材。
【請求項6】
少なくとも2つの空洞が前記基板ベース層に切り込まれており、各空洞は、前記少なくとも1つの非接着剤区域の両側に隣接して配置されている、請求項5に記載の柔軟包装材。
【請求項7】
前記フィルム層は、少なくとも2つのプルタブと連続する少なくとも2つの再封可能なフラップを形成するように切り込まれている、請求項6に記載の柔軟包装材。
【請求項8】
前記少なくとも2つの再封可能なフラップは、前記感圧接着剤層を介して、前記少なくとも2つの空洞を画定する前記基板ベース層の一部に再封可能に付着されるようになっている、請求項7に記載の柔軟包装材。
【請求項9】
前記少なくとも1つの連続的な非接着剤区域は、前記2つの空洞間に配置され、前記2つの空洞間の距離よりも小さい幅を有している、請求項6に記載の柔軟包装材。
【請求項10】
前記少なくとも1つの非接着剤区域は、前記フィルム層の中心の左又は右において前記縦方向に連続的に配置されている、請求項1に記載の柔軟包装材。
【請求項11】
前記フィルム層は、前記少なくとも1つのプルタブと連続する少なくとも1つの再封可能なフラップを形成するように切り込まれており、前記プルタブ及び前記再封可能なフラップの両方は、連携して前記縦方向と略直交する方向に持ち上げられるようになっている、請求項10に記載の柔軟包装材。
【請求項12】
不正開封明示インジケータを追加的に備えている、請求項1に記載の柔軟包装材。
【請求項13】
柔軟包装材を形成するための方法であって、
基板ベース層を供給するステップと、
フィルム層を供給するステップと、
感圧接着剤を用いて前記基板ベース層を前記フィルム層に積層するステップであって、
前記感圧接着剤は、前記基板ベース層と前記フィルム層との間に接着剤区域及び少なくとも1つの非接着剤区域を形成するように配置され、前記少なくとも1つの非接着剤区域が連続する平行な両端を有するラインとして縦方向に前記柔軟包装材の全長に沿って連続的に延在する、ステップと、
前記非接着剤区域内の少なくとも1つのプルタブ及び前記少なくとも1つのプルタブと連続する少なくとも1つの再封可能なフラップを形成するように、前記フィルム層を切り込むステップと、
前記再封可能なフラップと合わされるように配置される少なくとも1つの空洞を形成するように、前記基板ベース層を切り込むステップと、
を含む方法。
【請求項14】
前記フィルム層及び前記基板ベース層を切り込むために、打抜機が利用される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記フィルム層及び前記基板ベース層を切り込むために、レーザーが利用される、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記接着剤区域は、前記非接着剤区域を避けるようにパターン塗布される、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記感圧接着剤は、前記基板ベース層及び前記フィルム層の全体にわたって配置され、前記感圧接着剤は、前記縦方向において連続的に部分的非活性化され、これによって、前記非接着剤区域を形成する、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、再封可能な柔軟包装材に関する。
【発明の概要】
【0002】
一態様によれば、本発明は、基板ベース層と、感圧接着剤層を介して基板ベース層に少
なくとも部分的に剥離可能に付着されたフィルム層であって、感圧接着剤層は、少なくと
も1つの接着剤区域と、機械方向に連続的に延在する少なくとも1つの非接着剤区域とを
備えるフィルム層と、を備える柔軟包装材であって、フィルム層は、少なくとも1つの非
接着剤区域内に配置される少なくとも1つのプルタブを形成するように、切り込まれてお
り、基板ベース層は、少なくとも1つの非接着剤区域に隣接して配置される少なくとも1
つの空洞を形成するように切り込まれている、柔軟包装材を提供する。
【0003】
他の態様によれば、本発明は、基板ベース層と、感圧接着剤層を介して基板ベース層に
少なくとも部分的に剥離可能に付着されたフィルム層であって、感圧接着剤層は、少なく
とも1つの接着剤区域と、機械方向に連続的に延在し、フィルム層の中心に配置された少
なくとも1つの非接着剤層とを備えるフィルム層と、を備える柔軟包装材であって、フィ
ルム層は、少なくとも1つの非接着剤区域内に配置されるプルタブを形成するように切れ
込まれ、プルタブは、その中心に沿って切り込まれ、2つのプルタブに分割されており、
フィルム層は、2つのプルタブの各々と連続する2つの再封可能なフラップを形成するよ
うに切り込まれており、基板ベース層は、少なくとも1つの非接着剤区域の両側に2つの
再封可能なフラップと合わされるように配置される2つの空洞を形成するように、切り込
まれている、柔軟包装材も提供する。
【0004】
更に他の態様によれば、本発明は、柔軟包装材を形成するための方法であって、シート
形態にある基板ベース層を供給するステップと、シート形態にあるフィルム層を供給する
ステップと、感圧接着剤を用いて基板ベース層をフィルム層に積層するステップであって
、感圧接着剤は、ベース層とフィルム層との間に接着剤区域及び非接着剤区域を形成する
ように配置され、非接着剤区域が機械方向に連続的に延在するステップと、非接着剤区域
内の少なくとも1つのプルタブ及び少なくとも1つのプルタブと連続する少なくとも1つ
の再封可能なフラップを形成するように、フィルム層を切り込むステップと、再封可能な
フラップと合わされるように配置される少なくとも1つの空洞を形成するように、ベース
層を切り込むステップと、を含む方法も提供する。
【0005】
本明細書に含まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の1つ又は複数の
実施形態を示し、該実施形態の記載と一緒になって本発明の原理を説明するためのもので
ある。
【0006】
当業者に向けられる本発明の最良のモードを含む本発明の完全且つ実施可能な開示が、
添付の図面を参照して本明細書に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A】本発明の転写テープ及びロールストック層の実施形態の上面図である。
図1B】本発明の積層フィルムの実施形態の断面図である。
図2】本発明の柔軟包装材の実施形態の上面図である。
図3】本発明の柔軟包装材の他の実施形態の上面図である。
図4】本発明の包装体の実施形態の斜視図である。
図5】本発明の包装体の他の実施形態の斜視図である。
図6】本発明の柔軟包装材の他の実施形態の上面図である。
図7】本発明の実施形態による柔軟包装材の作製を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書及び図面における参照符号の繰返し使用は、本発明の同一又は同様の特徴又は
要素を示すことが意図されている。
【0009】
以下、添付の図面に示される1つ又は複数の実施例を含む本発明の好ましい実施形態に
ついて詳細に説明する。各実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明を制限
するためのものではない。実際、本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、本発明に
対して修正及び変更がなされ得ることは、当業者にとって明らかだろう。例えば、一実施
形態の一部として図示又は記載される特徴を他の実施形態に用いることによって、更に他
の実施形態をもたらすことができる。従って、本発明は、添付の請求項及びそれらの等価
物の範囲内に含まれるこのような修正及び変更を包含することが意図されている。
【0010】
様々な食品及び非食品が、一種又は複数種のポリマーフィルム、金属化ポリマーフィル
ム、紙、金属箔、等の積層化によって主に形成される柔軟包装材料を用いて包装されてい
る。多くの場合、包装体は、一度に僅か使用又は消費される物品を含み、該物品は、周囲
環境に晒されることによって悪影響を受ける傾向(例えば、湿っぽくなる傾向又は干から
びる傾向)にある。従って、最初の開封後に包装体を再封し、包装体内の物品を新鮮に保
つことを可能にすることが望まれている。
【0011】
柔軟包装材に対して、種々の開封及び再封構成が開発されてきている。多くの場合、再
封能力は、物品包装体の外面の開封箇所に隣接して取付けられる感圧接着剤ラベルを用い
ることによって達成される。このようなラベルは、多くの場合、包装構造と別に形成され
、次いで、包装構造に取り付けられるようになっている。この種のラベルは、典型的には
、包装構造上に付着されるまでラベルの接着層を保護するように設計された剥離ライナー
を備えている。この剥離ライナーは、包装構造への付着時に除去され、且つ廃棄されねば
ならなく、これによって、無駄及び不必要な経費が生じることになる。加えて、別に形成
されたライナー付きラベルは、典型的には、剥離ライナーの分離点から90°の角度でラ
ベルを分配するのに十分な剛性を有していなければならない。これによって、ラベルの厚
みが制限される。
【0012】
代替的に、ライナーを用いることなくラベルを包装フィルム又は包装構造に接着するた
めに、転写テープを利用することができる。転写テープは、典型的には、包装構造にその
連続体の中心に沿って機械方向に付着される。転写テープ及び包装構造の積層の後、転写
テープ及び包装構造は、それぞれ、上側及び底側から切り込まれ、再封可能なラベルを形
成する。しかし、包装構造及びラベルの繰返し長さのばらつき並びにウエブ基板の拡張性
によって、多くの場合、包装構造の表面の図形に対する転写テープのパターン塗布された
接着区域の位置がずれることがある。転写テープ及び包装構造の適切な位置合わせを確実
にするために、包装材製造機械は、多くの場合、エラー検出及び補正のためにサーボ機構
を用いる必要がある。
【0013】
対照的に、一実施形態では、本発明は、包装材料への付着中に機械方向における位置合
わせを必要としないライナレスフィルム又は転写テープを備えている。このフィルム又は
転写テープは、機械方向に連続する非接着剤区域を備えている。このフィルム又は転写テ
ープは、感圧接着剤を用いて別のロールストックフィルムに接着され、積層フィルムを形
成する。次いで、積層フィルムが上から及び下から切込まれ、柔軟包装材を形成する。柔
軟包装材は、該柔軟包装材の開口及び包装体の空洞を覆う再封可能なフラップを備えてい
る。包装体を形成するために、この柔軟包装材を用いることができる。非接着剤区域と真
っ直ぐに並ぶプルタブを用いることによって、エンドユーザーは、再封可能なフラップを
包装体から離れる方に持ち上げ、包装体から所望の内容物を取出し、次いで、再封可能な
フラップを包装体上に再び押し付け、感圧接着剤によってフラップを包装体に再接着させ
、これによって、包装体を再封することになる。このようにして、包装体は、繰返し開封
及び再封されることが可能になる。
【0014】
本発明の包装体、柔軟包装材、積層フィルム、及び転写テープは、食品及び非食品の包
装と関連して用いられる。種々の例において、本発明の包装体、柔軟包装材、積層フィル
ム、及び転写テープは、(開封及び再封されることが望ましい、すなわち、周囲の環境に
晒されることによって悪影響を受ける傾向のある)クッキー、クラッカー、乾物類、洗浄
剤、又は任意の他の物品を貯蔵するために用いられるとよい。
【0015】
図面を参照すると、図1Aは、一実施形態による本発明の転写テープ11及び(本明細
書ではロールストックとも呼ばれる)基板ベース層12の上面図を示している。転写テー
プ11は、非接着剤区域27及び1つ又は複数の接着剤区域13を有しているとよい。い
くつかの実施形態では、転写テープ11の非接着剤区域27は、機械方向24に連続して
いる。一実施形態では、転写テープ11及びロールストック12は、一緒に積層され、積
層フィルム10を形成するようになっている。
【0016】
図1Bの断面図に示されるように、一実施形態では、本発明の積層フィルム10は、多
数の層を備えている。一実施形態では、積層フィルム10は、転写テープ11及びロール
ストック層12を備えている。転写テープ11は、多数の層を付加的に備えていてもよい
【0017】
一実施形態では、転写テープ11は、その最上層又は最外層として、任意選択的な剥離
皮膜15を備えていてもよい。一実施形態では、剥離皮膜15は、転写テープ11がオフ
ラインでロールストックに付着される場合に利用されるとよい。この実施形態では、剥離
皮膜15は、フィルム14の上面に塗布されるとよく、ロールストック12への付着中に
転写テープ11の安定した巻戻しを確実にするように設計されているとよい。
【0018】
しかし、他の実施形態では、転写テープ11は、プレスによってロールストック12に
付着されるようになっている。この実施形態では、転写テープ11は、剥離皮膜15を備
えていてもよいし、又は備えていなくてもよい。転写テープ11が剥離皮膜15を備えて
いない場合、フィルム14は、剥離物として機能する追加物を備えているとよい。
【0019】
フィルム14の例として、当業界において周知のどのような柔軟包装材フィルム、例え
ば、制限されないが、ポリマーフィルム、金属化ポリマーフィルム、紙、金属箔、ポリエ
ステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィ
ルム、ポリプロピレン(OPP)フィルム、金属化ポリエステルフィルム(MPET)フ
ィルム、これらの任意の組み合わせ、又は当業界において周知の任意の他の適切なフィル
ムが挙げられる。種々の実施形態において、フィルム14は、多層フィルムであってもよ
い。一実施形態では、フィルム14は、印刷済みフィルムを含んでいる。
【0020】
転写テープ11の一部として、任意選択的なプライマー層16がフィルム14の底側に
隣接して配置されていてもよい。プライマー層16は、転写テープ11に利用される接着
剤13の保持力を増大させることが意図されている。一実施形態では、プライマー層16
は、フィルム14の底側及び/又はロールストック12の上側に被覆される液状物質とす
ることができる。他の実施形態では、プライマー層16は、フィルム14の底側及び/又
はロールストック12の上側に施される物理的処理、例えば、コロナ処理又は火炎処理に
よるものとすることもできる。
【0021】
転写テープ11の底側は、接着剤13を用いることによって、ロールストック12の上
側の領域に剥離可能に付着されるようになっている。一実施形態では、転写テープ11の
フィルム14の底側(場合によっては、任意選択的なプライマー層16)は、このように
して、ロールストック12に付着される。いくつかの実施形態では、接着剤13は、感圧
接着剤(PSA)からなっているとよい。当業界において周知のどのような適切なPSA
が本発明に利用されてもよい。例えば、接着剤13の例として、アクリル系、天然ゴム系
、合成ゴム系、シリコーン系、ブチル系、又はエチレンビニルアセテート(EVA)系が
挙げられる。
【0022】
一実施形態では、PSA13は、場合に応じて、転写テープ11又はフィルム14をロ
ールストック12の特定領域に剥離可能に固定するように、選択される。任意選択的に、
一種又は複数種の接着剤13が用いられてもよい。具体的には、接着剤13は、ロールス
トック12に対する転写テープ11又はフィルム層14の結合親和性のレベルを場合に応
じて異ならせることが可能である。場合に応じて、例えば、不正開封明示インジケータ2
0が配置される特定領域において転写テープ11又はフィルム14をロールストック12
に接着するために、より大きい結合親和性を有する接着剤13が選択され、且つ利用され
るとよい。転写テープ11又はフィルム14を場合に応じてロールストック12に固定す
るために接着剤13を用いることによって、積層フィルムが得られる。一実施形態では、
用いられる接着剤13によって、エンドユーザーは、ロールストック12に対して転写テ
ープ11又はフィルム14を場合に応じて多数回分離及び再封することが可能になる。
【0023】
一実施形態では、ロールストック12の例として、当業界において周知のどのような柔
軟包装フィルム、例えば、制限されないが、ポリマーフィルム、金属化ポリマーフィルム
、紙、金属箔、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、PETフィルム、OP
Pフィルム、MPETフィルム、これらの任意の組み合わせ、又は当業界において周知の
任意の他の適切なフィルムが挙げられる。種々の実施形態では、ロールストック12は、
多層フィルムであってもよい。一実施形態では、ロールストック12は、印刷済みの柔軟
包装材料から構成されている。一実施形態では、ロールストック12及びフィルム14は
、同一材料から構成されている。
【0024】
一実施形態では、積層フィルム10は、内から外の順序で、ロールストック12、接着
剤13、任意選択的なプライマー層16、フィルム層14、及び外層又は最外層としての
任意選択的な剥離皮膜15を備えている。
【0025】
いくつかの実施形態では、本発明の積層フィルム10は、酸素及び/又は湿気の通過に
対して障壁をもたらすバリア層を付加的に備えていてもよい。他の実施形態では、積層フ
ィルム10は、レーザー又は打抜機がフィルム14又はロールストック12の全厚みを貫
通するのを阻止するのを妨げる1つ又は複数の金属化層又は金属箔層を付加的に備えてい
てもよい。
【0026】
図2は、積層フィルム10が切り込まれている本発明の柔軟包装材100を示している
図1A及び図2に示されるように、本発明の実施形態では、柔軟包装材100は、転写
テープ11又はフィルム14とロールストック12とに間に非接着剤区域27を備えてい
る。一実施形態では、非接着剤区域27は、機械方向24に連続的に配置されている。こ
の実施形態では、非接着剤区域27は、柔軟包装材100及び(製造時に柔軟包装材10
0を包囲する)マトリックス又は骨格21の両方を連続的に通って配置されている。この
実施形態では、非接着剤区域27が機械方向24に連続的に配置されているので、機械方
向24において位置合せが必要とされない。他の実施形態では、非接着剤区域27は、柔
軟包装材100及び/又はマトリックス21を通って連続していなくてもよい。
【0027】
一実施形態では、転写テープ11は、機械方向24に連続的な非接着剤区域27を含む
ように設計されている。従って、転写テープ11がロールストック12に付着された時、
非接着剤区域27において2つの層(転写テープ11及びロールストック12)間に接着
剤が存在していない。
【0028】
一実施形態では、非接着剤区域27は、機械方向24において柔軟包装材100の中心
に配置されている。この実施形態では、プルタブ22,32も、非接着剤区域27と真っ
直ぐに並んで柔軟包装材100の中心に配置されている。この実施形態では、柔軟包装材
100及びプルタブ22,32は、機械方向24において互いに真っ直ぐに並び、これに
よって、プルタブ22,32及び剥離可能なフラップ42が持ち上げられると、空洞29
,62が現れるが、このような持上げは、図2図5に示されるように機械方向24にお
いて行なわれることになる。この実施形態では、柔軟包装材100は、少なくとも2つの
空洞29を有している。この実施形態では、非接着剤区域27の幅は、少なくとも2つの
空洞29間の距離と等しいか又はそれよりも小さくなっているとよい。
【0029】
他の実施形態では、非接着剤区域27は、柔軟包装材100の範囲内において左右方向
のどの位置に配置されていてもよい。特定の実施形態では、非接着剤区域27は、(図6
に示されるように)、機械方向24において中心の左側又は右側に連続的に配置されてい
る。この実施形態では、プルタブ61も、機械方向において中心の左側又は右側に配置さ
れ、非接着剤区域27と真っ直ぐに並ぶように配置されているとよい。特定の実施形態で
は、柔軟包装材100及びプルタブ61は、機械方向24と直交するように配置されてい
てもよく、この場合、プルタブ61及び対応する剥離可能なフラップが持ち上げられると
、空洞62が現れるが、このような持上げは、図6に示されるように、機械方向24に対
して直交する方向において行なわれることになる。一実施形態において、多数の非接着剤
区域27が柔軟包装材100内に配置されてもよい。
【0030】
一実施形態では、非接着剤区域27は、当業界において周知の任意の方法を用いて、塗
布された接着剤13を消失又は非活性化させることによって形成されるとよい。他の実施
形態では、非接着剤区域27は、1つ又は複数の非接着剤区域27を形成するように、接
着剤13を転写テープ11又はフィルム14にパターン塗布することによって形成されて
もよい。この実施形態では、接着剤13は、本質的に機械方向24に少なくとも1つの連
続的な非接着剤区域27を画定する1つ又は複数の接着剤ラインを生成するように、機械
方向24に連続的にパターン塗布されるとよい。他の実施形態では、接着剤13は、ラン
ナーレスラベル10内に接着剤部分及び非接着剤部分を交互に画定するように選択的にパ
ターン塗布されてもよい。一実施形態では、非接着剤区域27は、ロールストック12へ
の転写テープ11の付着又は積層の前に生成されるようになっている。
【0031】
一実施形態では、柔軟包装材100は、不正開封明示インジケータ20を付加的に備え
ているとよい。不正開封明示インジケータ20は、包装体がすでに開封されたかどうか又
は包装体の完全性が損なわれたどうかどうかを示すために用いられる当業界において周知
のどのような形態を備えていてもよい。一実施形態では、開封された時に途切れのないフ
ィルム領域を包装体40に残すように構成されている限り、当業界において周知のどのよ
うな不正開封明示インジケータ20が利用されてもよい。一実施形態では、不正開封明示
インジケータ20は、例えば、切込ライン、ミシン目ライン、又は薄肉ラインによって生
じる脆弱領域を備えていてもよいし、又は破断線に沿って二分割する傾向を有する高配向
材料から形成されていてもよい。例えば、図2は、不正開封明示インジケータにおける脆
弱領域を生じるミシン目23を示している。これによって、開封された後、不正開封明示
インジケータ20は、ミシン目23に沿って2分割し、包装体40上に不正開封明示イン
ジケータ20の上部を残すことになる。一実施形態では、本発明は、Gagneに付与された
米国特許出願第15/017,743号に更に十分に記載される不正開封明示インジケー
タ20を利用してもよい。なお、この文献は、参照することによって、その全体がここに
含まれるものとする。
【0032】
図2図5に更に示されるように、一実施形態では、柔軟包装材100及び包装体40
は、食品又は他の物品を貯蔵するための多数の空洞29を画定しているとよい。この実施
形態では、例えば、包装体40の左側及び右側に別々の空洞29が配置されてもよい。任
意選択的に、これらの空洞29は、内部仕切りによって分離されてもよい。
【0033】
図2及び図4に示される実施形態では、柔軟包装材100は、単一のプルタブ22を備
えている。この実施形態では、単一のプルタブ22を用いることによって、両方の空洞2
9が同時に開封する。他の実施形態では、柔軟包装材100は、(図3及び図5に示され
る)二重プルタブ又は分割プルタブを備えている。この実施形態では、空洞29の各々を
同時に開封するために、プルタブ32の両側が同時に引っ張られてもよい。代替的に、一
実施形態では、プルタブ32が2つのプルタブに分割され、各々が個別の空洞29に対応
するようになっていてもよい。分割プルタブ32の各々が独立して引っ張られ、これによ
って、各空洞39を独立して開封する。この実施形態では、各空洞29内に含まれる物品
は、個別にアクセスされ、フラップが再封され、これによって、各空洞29の内容物を更
に効果的に保存することができる。
【0034】
[製造の方法]
一実施形態では、積層フィルム10、柔軟包装材100、及び包装体40を作製するた
めに、第1のステップにおいて、(任意選択的に、種々のレベルの結合親和性を有する)
PSA13が、非接着剤区域27を残す所定のパターンでフィルム14とロールストック
12との間に塗布されるとよい。代替的に、(任意選択的に、種々のレベルの結合親和性
を有する)PSA13を非接着剤区域27を残す所定のパターンでフィルム14に塗布す
ることによって、転写テープ11がオフラインで形成されてもよい。いずれの実施形態に
おいても、次いで、フィルム14(又は、場合によっては転写テープ11)及びロールス
トック12が一緒に積層され、積層フィルム10を形成することになる。
【0035】
いったん積層フィルム10が形成されたなら、積層フィルム10の両側に対して正確な
切込作業(レーザー加工、打抜き、又は当業界において周知の任意の他の方法)が行なわ
れるとよい。とりわけ、切込作業は、連続的な非接着剤区域27に起因して接着剤パター
ンと位置合わせする必要がない。一実施形態では、各切込作業は、積層フィルム10の1
つの層のみを貫通するようになっている。
【0036】
更に具体的には、一実施形態では、積層フィルム10、柔軟包装材100、及び包装体
40は、以下の方法によって行なわれるとよい。
【0037】
最初に、フィルム14及びロールストック12が(図1Aに示される)シート形態で準
備される。PSA13がフィルム14の底面46の所定の領域にパターン塗布される。パ
ターンは、どのような適切なパターンであってもよいが、一実施形態では、フィルム14
は、機械方向24に少なくとも1つの連続的な非接着剤区域27が残るパターンであると
よい。PSA13は、乾燥ステーション、例えば、炉等において乾燥されるとよい。
【0038】
一実施形態では、PSA13よりも高レベルの結合親和性を有する接着剤が(PSA1
3を覆わないように、プルタブ22(又は32)が切り込まれる領域を覆わないように、
且つフィルム14の機械方向24に少なくとも1つの連続的な非接着剤区域27が残るよ
うに)、フィルム14の底面46の所定の領域にパターン塗布されてもよい。代替的に、
転写テープ11が、前述のように個別に準備されてもよい。
【0039】
次に、図7に示されるように、フィルム14又は転写テープ11及びロールストック1
2は、箇所71において、PSA13を介して接着結合され、積層フィルム10を形成す
る。これは、ニップが介在する2つのローラを備える積層機を用いることによって達成さ
れるとよい。一実施形態では、フィルム14及びロールストック12は、積層プロセス中
に、実質的に同一の拡がりを有するべきである。例えば、もしフィルム14及びロールス
トック12が矩形であったなら、フィルム14の幅及び長さは、ロールストック12の幅
及び長さと一致するべきである。積層フィルム10は、矩形であってもよいし、又は所望
の柔軟包装体40を形成するためのどのような適切な形状であってもよい。
【0040】
次に、積層フィルム10のロールは、第1の切込ステーション72に送られ、該ステー
ションにおいてアンダーカット44,63がロールストック12に切り込まれる。アンダ
ーカット44,63は、レーザー、打抜機、又は任意の適切な手段によって、ロールスト
ック12の全厚み又は全厚みの殆どを貫通するように、形成されるとよい。一実施形態で
は、アンダーカット44,63は、2つ以上の空洞29を画定するものであるとよい。一
実施形態では、アンダーカット44,63は、PSAパターンの内側境界45と位置合わ
せされている。包装体完全性特徴部20も、このステップ中にローストック12に切り込
まれるとよい。一実施形態では、アンダーカット44は、(図3に示される)ヒンジ33
を含んでいてもよく、これによって、ラベルの開封時に、ラベルフラップは、包装体への
接着を維持しながら、切抜線間でヒンジ運動することができる。一実施形態では、ヒンジ
33は、「Jフック」状ヒンジ又はオーバカットによるバックヒンジであってもよいが、
物品包装体からのラベルフラップの完全な切離しを阻止する停止点をもたらすどのような
機構が利用されてもよいことを理解されたい。
【0041】
次いで、積層フィルム10のロールは、第2の切込ステーション73に送られ、該ステ
ーションにおいて、オーバカット28,64がフィルム14の外面に形成される。オーバ
カット28,64は、好ましくは、PSA13の外側境界47と実質的に位置合わせして
形成されるとよいが、PSA13に重なってもよい。オーバカット28,64は、レーザ
、打抜機、又は任意の適切な手段によって、フィルム14の全厚み又は全厚みの殆どを貫
通するように形成されるとよい。アンダーカット44,63及びオーバカット28,64
の完成によって、柔軟包装材100が形成される。一実施形態では、この時点で、柔軟包
装材100を包囲するマトリックス又は骨格21が取り外され、廃棄されることになる。
【0042】
次いで、柔軟包装材100は、包装体40の形成に用いられるために巻き取られる。例
えば、制限されないが、柔軟包装材100は、クッキー又はクラッカー製造設備において
、クッキー又はクラッカーを包むのに用いられる。内容物が柔軟包装材100の内側に配
置された後、一端又は両端41が密封され、充填された包装体が得られることになる。密
封は、両端41の圧着、折畳、又はそれ以外にの閉鎖によって行なわれ、次いで、熱融着
が用いられる場合、柔軟包装材100を少なくとも部分的に溶融するのに十分な温度に両
端41を晒し、該両端41を一緒に融合又は溶着し、これによって、ヒートシールが形成
されるとよい。代替的に、制限されないが、両端41がコールドシールを用いて密封され
てもよい。
【0043】
[使用の方法]
図4図5は、本発明の包装体40の実施形態の斜視図である。柔軟包装体40は、(
ロールストック12に接着されないように、フィルム14に形成された)単一プルタブ(
図4)を引っ張ることによって、開封される。感圧接着剤13の接着の程度がわずかであ
ることによって、再封可能なフラップ42がロールストック12から剥離する。更に具体
的には、プルタブ22が持ち上げられると、フィルム14がオーバカット28に沿って離
脱し、この時、PSA13を介してロールストックに付着していたフィルム14の部分が
遊離する。このプロセスによって、包装体40の少なくとも1つの空洞29がアンダーカ
ット44の存在に部分的に起因して開封され、この空洞29を介して、内容物にアクセス
することが可能になる。再封可能なフラップをめくることによって、すなわち、フィルム
層14が取り去られ又はめくられる時に、ロールストック層12の一部を開くことによっ
て、空洞29が現れる。このように、アンダーカット44は、包装体40の空洞29を画
定しており、再封可能なフラップ42のオーバカット28の内側に形成されている。図4
図5において、ユーザーが再封可能なフラップ42をめくることによって、(アンダー
カット44によって画定された)空洞29が現れている。
【0044】
同様に、図5に示される柔軟包装材40は、(ロールストック12に接着しないように
フィルム14に形成された)分割プルタブ32のいずれかを引っ張ることによって、開封
される。感圧接着剤13の接着の程度がわずかであることによって、一方の再封可能なフ
ラップ42がロールストック12から剥離する。これによって、包装体40の多数の空洞
29の1つがアンダーカット44の存在に部分的に起因して開封され、この空洞29を通
して内容物にアクセスすることができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、プルタブ22,32は、オーバカット28,64によって、
該オーバカット28,64の残りの一般形状から外方に延在する半円又は半楕円形状を有
するように、画定されている。一実施形態では、プルタブ22,32の内面及びロールス
トック12の対応する外面は、接着剤を有していない。従って、プルタブ22,32は、
(例えば、ユーザーがプルタブ22,32,61と包装体40の残りとの間に指を入れる
ことによって)、包装体40から容易に分離される。このようにして、ユーザーは、図4
図5に示されるように、プルタブ22,32を掴み、再封可能なフラップ42を包装体
40の本体48から離れる方に引っ張ることができる。
【0046】
本発明のこれらの及び他の修正及び変更は、添付の請求項に更に具体的に記載される本
発明の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者によって実施可能である。加えて、種
々の実施形態の態様は、全体的に又は部分的に互いに置き換えられてもよいことを理解さ
れたい。更に、当業者であれば、前述の説明が単なる例示にすぎず、添付の請求項に更に
記載される本発明を制限するものではないことを理解するだろう。それ故、添付の請求項
の精神及び範囲は、本明細書に含まれる態様の記載に制限されるべきではない。


図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7