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特許7360556光起電システム、光起電ユニット・グループ分け方法、コンピューティング装置、および記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-03
(45)【発行日】2023-10-12
(54)【発明の名称】光起電システム、光起電ユニット・グループ分け方法、コンピューティング装置、および記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H02J 13/00 20060101AFI20231004BHJP
【FI】
H02J13/00 B
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022543023
(86)(22)【出願日】2021-03-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-13
(86)【国際出願番号】 CN2021080077
(87)【国際公開番号】W WO2021185140
(87)【国際公開日】2021-09-23
【審査請求日】2022-07-13
(31)【優先権主張番号】202010186543.2
(32)【優先日】2020-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521531171
【氏名又は名称】ファーウェイ デジタル パワー テクノロジーズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】マー,シュイン
(72)【発明者】
【氏名】スゥン,ユイ
(72)【発明者】
【氏名】ルゥー,イーシュエン
【審査官】下林 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-099190(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0113900(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 13/00
H02J 1/00 - 1/16
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
H02J 3/00 - 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光起電システムであって、当該光起電システムは、インバータと、前記インバータに接続された複数の光起電ユニットとを含み、各光起電ユニットは、コントローラと、前記コントローラに接続された一つまたは複数の光起電モジュールとを含み、前記光起電モジュールは、太陽光の放射エネルギーを直流に変換するように構成され、前記コントローラは、前記一つまたは複数の光起電モジュールの出力状態を調節するように構成され、前記インバータは、前記光起電ユニットによって出力される直流を交流に変換し、該交流を出力するように構成され;
各光起電ユニット内の前記コントローラはさらに、前記複数の光起電ユニットのうちの別の光起電ユニット内のコントローラによって送信された電力キャリア信号を得て、得られた電力キャリア信号に基づいて前記電力キャリア信号の減衰基準因子を決定し、前記減衰基準因子を前記インバータに送るようにさらに構成され、
前記電力キャリア信号は、前記電力キャリア信号を送信する前記コントローラの識別情報を担持し、前記減衰基準因子は、前記電力キャリア信号内の前記識別情報によって示される、前記別の光起電ユニット内にあるコントローラから前記光起電ユニット内のコントローラに送信されるプロセスにおける、前記電力キャリア信号の信号減衰の減衰度を反映するために使用され;
前記インバータは、さらに、前記減衰基準因子に基づいて、各光起電ユニットにおいて前記コントローラによって得られた前記電力キャリア信号の前記減衰度を決定し、各光起電ユニットによって得られた前記電力キャリア信号の前記減衰度に基づいて前記複数の光起電ユニットをグループ分けするように構成される、
光起電システム。
【請求項2】
前記インバータが、各光起電ユニットによって得られた電力キャリア信号の減衰度に基づいて前記複数の光起電ユニットをグループ分けするように構成されている場合、前記インバータは具体的には:
ある光起電ユニット内のコントローラによって得られ、かつ、別の光起電ユニット内のコントローラによって送信される電力キャリア信号の減衰度が基準閾値以下であるとき、その光起電ユニットと前記別の光起電ユニットが同じ光起電ユニット・グループに属すると判断するように構成される、
請求項1に記載の光起電システム。
【請求項3】
前記インバータが、各光起電ユニットによって得られた電力キャリア信号の減衰度に基づいて前記複数の光起電ユニットをグループ分けするように構成される場合、前記インバータは、具体的にはさらに:
複数の光起電ユニット内のコントローラによって得られ、かつ、同じ別の光起電ユニット内のコントローラによって送信される電力キャリア信号の減衰度をソートし、または、同じ光起電ユニット内のコントローラによって得られ、かつ、複数の他の光起電ユニット内のコントローラによって送信される電力キャリア信号の減衰度をソートし;
ソート後の前記複数の減衰度によって提示される分布状態に基づいて前記基準閾値を決定するように構成される、
請求項2に記載の光起電システム。
【請求項4】
前記減衰基準因子は、信号強度、および前記電力キャリア信号を伝送するためのライン・インピーダンスのうちの一つまたは複数を含む、請求項1ないし3のうちいずれか一項に記載の光起電システム。
【請求項5】
前記光起電ユニット内のコントローラによって得られ、かつ、前記別の光起電ユニット内のコントローラによって送信される電力キャリア信号は:
前記別の光起電ユニット内のコントローラによって前記インバータに送信され、前記光起電ユニット内のコントローラによって聴取を通じて得られる電力キャリア信号;
前記別の光起電ユニット内のコントローラによってブロードキャストされる電力キャリア信号;および
前記別の光起電ユニット内のコントローラによって前記光起電ユニット内のコントローラに送信される電力キャリア信号
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1ないし4のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
光起電ユニット・グループ分け方法であって、当該方法は光起電システムに適用され、前記光起電システムは、インバータと、前記インバータに接続された複数の光起電ユニットとを含み、前記光起電ユニットは、コントローラと、前記コントローラに接続された一つまたは複数の光起電モジュールとを含み、前記コントローラは、前記一つまたは複数の光起電モジュールの出力状態を調節するように構成され、当該方法は:
前記光起電システム内の異なる光起電ユニット内のコントローラの間で送信される各電力キャリア信号の減衰基準因子を取得するステップであって、前記電力キャリア信号は、前記電力キャリア信号を送信するコントローラの識別情報を担持し、前記減衰基準因子は、前記電力キャリア信号内の前記識別情報によって示される、別の光起電ユニット内にある前記コントローラから光起電ユニット内のコントローラに送信されるプロセスにおける、前記電力キャリア信号の信号減衰の減衰度を反映するために使用される、ステップと;
前記減衰基準因子に基づいて、各光起電ユニット内のコントローラによって得られる電力キャリア信号の減衰度を決定するステップと;
各光起電ユニットによって得られる電力キャリア信号の前記減衰度に基づいて、複数の光起電ユニットをグループ分けするステップとを含む、
方法。
【請求項7】
各光起電ユニットによって得られる電力キャリア信号の減衰度に基づいて前記複数の光起電ユニットをグループ分けするステップは:
光起電ユニット内のコントローラによって得られ、かつ、別の光起電ユニット内のコントローラによって送信される電力キャリア信号の減衰度が基準閾値以下である場合、前記光起電ユニットおよび前記別の光起電ユニットが同じ光起電ユニット・グループに属すると判断することを含む、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
各光起電ユニットによって得られる電力キャリア信号の減衰度に基づいて前記複数の光起電ユニットをグループ分けするステップは:
複数の光起電ユニット内のコントローラによって得られ、かつ、同じ別の光起電ユニット内のコントローラによって送信される電力キャリア信号の減衰度をソートする、または、同じ光起電ユニット内のコントローラによって得られ、かつ、複数の他の光起電ユニット内のコントローラによって送信される電力キャリア信号の減衰度をソートするステップと;
ソート後に前記複数の減衰度によって提示される分布状態に基づいて前記基準閾値を決定するステップとをさらに含む、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記減衰基準因子は、信号強度、および前記電力キャリア信号を伝送するためのライン・インピーダンスのうちの一つまたは複数を含む、請求項6ないし8のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記光起電ユニット内のコントローラによって得られ、かつ、前記別の光起電ユニット内のコントローラによって送信される前記電力キャリア信号は:
前記別の光起電ユニット内のコントローラによって前記インバータに送信され、前記光起電ユニット内のコントローラによって聴取を通じて得られる電力キャリア信号;
前記別の光起電ユニット内のコントローラによってブロードキャストされる電力キャリア信号;
前記別の光起電ユニット内のコントローラによって前記光起電ユニット内のコントローラに送信される電力キャリア信号
のうちの少なくとも1つを含む、請求項6ないし9のうちいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年3月17日に出願された「光起電システム、光起電ユニット・グループ分け方法、コンピューティング装置、および記憶媒体」と題する中国特許出願第202010186543.2号に対する優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本願は、光起電技術の分野に関し、特に、光起電システム、光起電ユニット・グループ分け方法、コンピューティング装置、および記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
光起電システムは、太陽光の放射エネルギーを電気エネルギーに変換するように構成されている。光起電システムは、インバータと、複数の光起電ユニットとを含む。光起電ユニットは、コントローラ、いくつかの光起電モジュール等を含む。コントローラは、光起電モジュールの出力電圧および出力電流のうちの少なくとも一方を調節するように構成される。たとえば、コントローラは、光起電モジュールによって出力される直流の電圧を調節するように構成される。複数の光起電ユニットは、光起電システムの展開モードに基づいて複数の光起電ユニット・グループに分割されてもよい。また、光起電システムの設置が完了した後さらに、光起電システムの展開モードを表すために使用される情報がインバータに入力される必要がある。たとえば、各光起電ユニット・グループに含まれる光起電ユニットに関する情報がインバータに入力され、それにより、インバータは、該情報に基づいて異なる光起電ユニット・グループにおける光起電ユニットを管理する。
【0004】
関連技術では、光起電システムの展開モードは通例、手動で決定され、次いで、各光起電ユニット・グループに含まれる光起電ユニットにおけるコントローラのシリアル番号(serial number)が手動でインバータに入力される。各光起電ユニット・グループに含まれる光起電ユニットを決定し、各光起電ユニット・グループに含まれる光起電ユニットにおけるシリアル番号をインバータに入力するプロセスは、光起電ユニット・グループ分けプロセスと呼ばれる。
【0005】
しかしながら、このグループ分け態様は、比較的低効率で、誤りを生じやすい。よって、光起電ユニットを自動的にグループ分けするための解決策を提供することが非常に重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願は、関連技術におけるグループ分け態様が比較的低効率で、誤りを生じやすいという問題を解決することができる光起電システム、光起電ユニット・グループ分け方法、コンピューティング装置、および記憶媒体を提供する。本願で提供される技術的解決策は以下のとおりである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の側面によれば、本願は、光起電システムを提供する。光起電システムは、インバータと、インバータに接続された複数の光起電ユニットとを含む。各光起電ユニットは、コントローラと、コントローラに接続された一つまたは複数の光起電モジュールとを含む。光起電モジュールは、太陽光の放射エネルギーを直流に変換するように構成される。コントローラは、前記一つまたは複数の光起電モジュールの出力状態を調節するように構成される。インバータは、光起電ユニットによって出力される直流を交流に変換し、該交流を出力するように構成される。さらに、各光起電ユニット内のコントローラはさらに、前記複数の光起電ユニットのうちの別の光起電ユニット内のコントローラによって送信された電力キャリア信号を得て、得られた電力キャリア信号に基づいて電力キャリア信号の減衰基準因子を決定し、減衰基準因子をインバータに送るようにさらに構成される。インバータは、さらに、減衰基準因子に基づいて、各光起電ユニットにおいてコントローラによって得られた電力キャリア信号の減衰度を決定し、各光起電ユニットによって得られた電力キャリア信号の減衰度に基づいて前記複数の光起電ユニットをグループ分けするように構成される。
【0008】
電力キャリア信号は、電力キャリア信号を送信するコントローラの識別情報を担持し、減衰基準因子は、電力キャリア信号内の前記識別情報によって示される、前記別の光起電ユニット内にあるコントローラから前記光起電ユニット内のコントローラに送信されるプロセスにおける、電力キャリア信号の信号減衰の減衰度を反映するために使用される。
【0009】
光起電システム内の異なる光起電ユニット内のコントローラ間で送信される各電力キャリア信号の減衰基準因子が得られ、各光起電ユニット内のコントローラによって得られる電力キャリア信号の減衰度が減衰基準因子に基づいて決定される。複数の光起電ユニットは、各光起電ユニットによって得られる電力キャリア信号の減衰度に基づいてグループ分けされる。関連技術と比較して、これは、光起電ユニットの自動グループ分けを実現でき、光起電ユニットのグループ分けの効率を効果的に改善し、グループ分け精度を改善することができ、それにより光起電システムの運用・維持効率を改善することができる。
【0010】
ある可能な実装では、同じ光起電ユニット・グループ内の複数の光起電ユニット内のコントローラ間で送信される電力キャリア信号は、比較的小さな減衰度を有する。したがって、インバータが、各光起電ユニットによって得られた電力キャリア信号の減衰度に基づいて複数の光起電ユニットをグループ分けするように構成されている場合、インバータは具体的には:光起電ユニット内のコントローラによって得られ、別の光起電ユニット内のコントローラによって送信される電力キャリア信号の減衰度が基準閾値以下であるとき、当該光起電ユニットと前記別の光起電ユニットが同じ光起電ユニット・グループに属すると判断するように構成される。
【0011】
任意的に、インバータが、各光起電ユニットによって得られた電力キャリア信号の減衰度に基づいて複数の光起電ユニットをグループ分けするように構成される場合、インバータは、具体的にはさらに:複数の光起電ユニット内のコントローラによって得られ、かつ、同じ別の光起電ユニット内のコントローラによって送信される電力キャリア信号の減衰度をソートし、または、同じ光起電ユニット内のコントローラによって得られ、かつ、複数の他の光起電ユニット内のコントローラによって送信される電力キャリア信号の減衰度をソートし;ソート後の複数の減衰度によって提示される分布状態に基づいて前記基準閾値を決定するように構成される。
【0012】
異なる光起電ユニットにおけるコントローラに対応する減衰度がソートされ、基準閾値がソートの結果に基づいて決定される。このようにして、基準閾値は、光起電システム内の光起電ユニットの実際の展開モードに基づいて動的に決定でき、それにより、基準閾値はグループ分けにおいてより認識可能になり、基準閾値に基づく光起電ユニットのグループ分けの精度を改善する。
【0013】
任意的に、減衰基準因子は、信号強度、および電力キャリア信号を伝送するためのライン・インピーダンスのうちの一つまたは複数を含む。
【0014】
任意的に、前記別の光起電ユニット内のコントローラによって送信され、前記光起電ユニット内のコントローラによって得られる電力キャリア信号は、次のうちの少なくとも1つを含む:前記別の光起電ユニット内のコントローラによってインバータに送られ、前記光起電ユニット内のコントローラによる聴取を通じて得られる電力キャリア信号;前記別の光起電ユニット内のコントローラによってブロードキャストされる電力キャリア信号;および前記別の光起電ユニット内のコントローラによって前記光起電ユニット内のコントローラに送られる電力キャリア信号。
【0015】
任意的に、信号を送信するために異なる光起電ユニットによって使用される周波数帯域は、同じであっても、異なっていてもよい。さらに、信号を送信するために使用される周波数帯域は、インバータとともにサービス信号を送信するために光起電ユニットによって使用される周波数帯域であってもよく、たとえば、75キロヘルツ(kHz)ないし145kHzであってもよい。あるいはまた、前記周波数帯域は、サービス信号を送信するために使用される周波数帯域以外の周波数帯域であってもよく、たとえば、280kHzないし300kHzであってもよい。これは、本願のこの実施形態において特に限定されない。
【0016】
さらに、複数の他の光起電ユニットが存在する場合、複数の他の光起電ユニットが連続して信号を送信するシーケンスは、実際の必要性に基づいて決定されてもよい。たとえば、論理アドレスは、光起電システム内の各光起電ユニットに前もって割り当てられてもよい。この場合、複数の他の光起電ユニットは、光起電ユニットの論理アドレスに基づいて、論理アドレスの昇順で逐次的に信号を送信してもよい。
【0017】
第2の側面によれば、本願は、光起電ユニット・グループ分け方法を提供する。この方法は光起電システムに適用される。光起電システムは、インバータと、インバータに接続された複数の光起電ユニットとを含む。光起電ユニットは、コントローラと、コントローラに接続された一つまたは複数の光起電モジュールとを含み、コントローラは、前記一つまたは複数の光起電モジュールの出力状態を調節するように構成される。本方法は:光起電システム内の異なる光起電ユニット内のコントローラの間で送信される各電力キャリア信号の減衰基準因子を取得するステップであって、電力キャリア信号は、電力キャリア信号を送信するコントローラの識別情報を担持し、減衰基準因子は、電力キャリア信号内の前記識別情報によって示される、別の光起電ユニット内にあるコントローラから光起電ユニット内のコントローラに送信されるプロセスにおける、電力キャリア信号の信号減衰の減衰度を反映するために使用される、ステップと;減衰基準因子に基づいて、各光起電ユニット内のコントローラによって得られる電力キャリア信号の減衰度を決定するステップと;各光起電ユニットによって得られる電力キャリア信号の減衰度に基づいて、複数の光起電ユニットをグループ分けするステップとを含む。
【0018】
任意的に、各光起電ユニットによって得られる電力キャリア信号の減衰度に基づいて前記複数の光起電ユニットをグループ分けするステップは:光起電ユニット内のコントローラによって得られ、かつ、別の光起電ユニット内のコントローラによって送信される電力キャリア信号の減衰度が基準閾値以下である場合、前記光起電ユニットおよび前記別の光起電ユニットが同じ光起電ユニット・グループに属すると判断することを含む。
【0019】
任意的に、各光起電ユニットによって得られる電力キャリア信号の減衰度に基づいて前記複数の光起電ユニットをグループ分けするステップは:複数の光起電ユニット内のコントローラによって得られ、かつ、同じ別の光起電ユニット内のコントローラによって送信される電力キャリア信号の減衰度をソートする、または、同じ光起電ユニット内のコントローラによって得られ、かつ、複数の他の光起電ユニット内のコントローラによって送信される電力キャリア信号の減衰度をソートするステップと;ソート後に前記複数の減衰度によって提示される分布状態に基づいて前記基準閾値を決定するステップとをさらに含む。
【0020】
任意的に、減衰基準因子は、信号強度、および電力キャリア信号を伝送するためのライン・インピーダンスのうちの一つまたは複数を含む。
【0021】
任意的に、前記光起電ユニット内のコントローラによって得られ、かつ、前記別の光起電ユニット内のコントローラによって送られる電力キャリア信号は、次のうちの少なくとも1つを含む:前記別の光起電ユニット内のコントローラによってインバータに送られ、前記光起電ユニット内のコントローラによる聴取を通じて得られる電力キャリア信号;前記別の光起電ユニット内のコントローラによってブロードキャストされる電力キャリア信号;前記別の光起電ユニット内のコントローラによって前記光起電ユニット内のコントローラに送られる電力キャリア信号。
【0022】
第3の側面によれば、本願は、光起電ユニット・グループ分け装置を提供する。本光起電ユニット・グループ分け装置は、光起電システムにおける異なる光起電ユニット内のコントローラの間で送信される各電力キャリア信号の減衰基準因子を得るように構成された取得モジュールであって、前記電力キャリア信号は、前記電力キャリア信号を送信するコントローラの識別情報を担持し、減衰基準因子は、電力キャリア信号内の前記識別情報によって示される、別の光起電ユニット内にあるコントローラから光起電ユニット内のコントローラに送信されるプロセスにおける、電力キャリア信号の信号減衰の減衰度を反映するために使用される、取得モジュールと;各光起電ユニット内のコントローラによって得られる電力キャリア信号の減衰度を、減衰基準因子に基づいて決定するように構成された決定モジュールと;各光起電ユニットによって得られる電力キャリア信号の減衰度に基づいて複数の光起電ユニットをグループ分けするように構成されたグループ分けモジュールとを含んでいてもよい。
【0023】
任意的に、グループ分けモジュールは、具体的には:光起電ユニット内のコントローラによって得られ、かつ、別の光起電ユニット内のコントローラによって送信される電力キャリア信号の減衰度が基準閾値以下である場合、前記光起電ユニットおよび前記別の光起電ユニットが同じ光起電ユニット・グループに属すると決定するように構成される。
【0024】
任意的に、グループ分けモジュールは、具体的にはさらに、複数の光起電ユニット内のコントローラによって得られ、かつ同じ別の光起電ユニット内のコントローラによって送られる電力キャリア信号の減衰度をソートし、または同じ光起電ユニット内のコントローラによって得られ、かつ複数の別の光起電ユニット内のコントローラによって送られる電力キャリア信号の減衰度をソートし、ソート後に前記複数の減衰度によって提示される分布状態に基づいて前記基準閾値を決定するように構成される。
【0025】
任意的に、減衰基準因子は、信号強度、および電力キャリア信号を伝送するためのライン・インピーダンスのうちの一つまたは複数を含む。
【0026】
任意的に、前記光起電ユニット内のコントローラによって得られ、かつ前記別の光起電ユニット内のコントローラによって送られる電力キャリア信号は、次のうちの少なくとも1つを含む:前記別の光起電ユニット内のコントローラによってインバータに送られ、前記光起電ユニット内のコントローラによる聴取を通じて得られる電力キャリア信号;前記別の光起電ユニット内のコントローラによってブロードキャストされる電力キャリア信号;前記別の光起電ユニット内のコントローラによって前記光起電ユニット内のコントローラに送られる電力キャリア信号。
【0027】
第4の側面によれば、本願は、プロセッサおよびメモリを含むコンピューティング装置を提供する。メモリはコンピュータ・プログラムを記憶する。プロセッサがコンピュータ・プログラムを実行すると、コンピューティング装置は、第2の側面による光起電ユニット・グループ分け方法を実装する。
【0028】
第5の側面によれば、本願は、記憶媒体を提供する。記憶媒体内の命令がプロセッサによって実行されると、第2の側面による光起電ユニット・グループ分け方法が実装される。
【0029】
第6の側面によれば、本願は、コンピュータ・プログラム・プロダクトを提供する。コンピュータ・プログラム・プロダクトがコンピューティング装置上で動作するとき、コンピューティング装置は、第2の側面による光起電ユニット・グループ分け方法を実行できるようにされる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本願のある実施形態による光起電ユニット・グループ分け方法に関する実装環境の概略図である。
【0031】
図2】本願のある実施形態による光起電ユニット・グループ分け方法のフローチャートである。
【0032】
図3】本願のある実施形態による光起電ユニット・グループ分け装置の構造ブロック図である。
【0033】
図4】本願のある実施形態によるコンピューティング装置の構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本願の目的、技術的解決策、および利点をより明確にするために、下記は、添付の図面を参照して、本願の実装をさらに詳細に説明する。
【0035】
図1は、本願のある実施形態による光起電システムの概略図である。光起電システムは、太陽光の放射エネルギーを電気エネルギーに変換するように構成される。図1に示されるように、光起電システムは、インバータ01と、インバータ01に接続された複数の光起電ユニット02とを含んでいてもよい。インバータ01は、光起電ユニット02による直流出力を交流に変換し、該交流を出力するように構成されている。各光起電ユニット02は、コントローラ021と、コントローラ021に接続された一つまたは複数の光起電モジュール(光起電パネルとも呼ばれる)022とを含む。光起電モジュール022は、太陽光の放射エネルギーを直流に変換するように構成される。コントローラ021は、一つまたは複数の光起電モジュール022の出力状態を調節するように構成される。
【0036】
ある可能な実装では、光起電モジュール022は、光起電(photovoltaic、PV)セルまたは光起電パネルであってもよい。任意的に、コントローラ021は、以下の機能のうちの一つまたは複数を有してもよい:光起電モジュール022の出力電力を調節する(この場合、コントローラは、最適化器と称されてもよい)、出力を開始または停止するよう光起電モジュール022を制御する(この場合、コントローラは、シャットダウン・モジュールと称されてもよい)、および光起電モジュール022の出力状態をモニタリングする(この場合、コントローラは、モニターと称されてもよい)。たとえば、コントローラ021は、光起電モジュール022の出力電力が最大電力に達することを可能にするために、光起電モジュール022による直流出力の電圧振幅、電流振幅などを調節し、それにより光起電モジュール022の利用率を改善することができる。
【0037】
各光起電ユニット021のコントローラ021は、インバータ01に接続され、各光起電モジュール022は、コントローラ021に接続される。ある可能な実装では、コントローラ021およびインバータ01は、電力線を使用することによって接続されてもよい。すなわち、コントローラ021とインバータ01との間で電力線通信(power line communication、PLC)が実行されてもよい。インバータ01とコントローラ021との間でPLCが実行されてもよく、サービス問い合わせやコマンド制御などの情報交換動作を実行してもよい。さらに、通信プロセスにおいて、インバータ01は、PLCホストと呼ばれることがあり、これは中央コーディネータ(central coordinator、CCO)とも呼ばれ、コントローラ021は、PLCスレーブと呼ばれることがあり、これはステーション(station、STA)とも呼ばれる。本願のこの実施形態で言及されている接続は、直接接続、間接接続、または他の実装を含みうる。これは、本願のこの実施形態において特に限定されない。
【0038】
任意的に、光起電ユニット02は、シャットダウン・モジュール(図1には示されていない)をさらに含んでいてもよい。シャットダウン・モジュールは、光起電モジュール022の出力端とインバータ01との間の接続を接続または切断するように構成される。
【0039】
さらに、図1に示されるように、光起電システムの複数の光起電ユニット02は、光起電システムの展開モードに基づいて複数の光起電ユニット・グループに分割されてもよい。同じ光起電ユニット・グループ内の複数の光起電ユニット02が直列に接続されて、直流高電圧ストリングを形成する。直流高電圧ストリングは、インバータ01に接続される。インバータ01は、光起電ユニット02による直流出力を交流に変換し、交流を電力グリッドに出力するように構成されている。
【0040】
通例、光起電システムの設置が完了した後、光起電システムの展開モードを表すために使用される情報が、さらに、インバータ01に入力される必要がある。たとえば、各光起電ユニット・グループに含まれる光起電ユニット02に関する情報がインバータ01に入力され、それにより、インバータ01は、該情報に基づいて、光起電ユニット・グループごとに光起電ユニット02を管理する。
【0041】
関連技術では、光起電システムの展開モードは通例、手動で決定され、各光起電ユニット・グループに含まれる光起電ユニット内のコントローラのシリアル番号が、手動でインバータに入力される。しかしながら、このグループ分け態様は、比較的低効率であり、誤りを生じやすい。
【0042】
本願のこの実施形態は、光起電システムを提供する。この光起電システムでは、各光起電ユニット02内のコントローラ021は、複数の光起電ユニット02のうちの別の光起電ユニット02内のコントローラ021によって送信された電力キャリア信号を得て、得られた電力キャリア信号に基づいて電力キャリア信号の減衰基準因子を決定し、減衰基準因子をインバータ01に送るようにさらに構成される。インバータ01は、さらに、減衰基準因子に基づいて、各光起電ユニット02内のコントローラ021によって得られた電力キャリア信号の減衰度を決定し、各光起電ユニット02によって得られた電力キャリア信号の減衰度に基づいて複数の光起電ユニット02をグループ分けするように構成される。
【0043】
電力キャリア信号は、電力キャリア信号を送信するコントローラ021の識別情報を担持し、減衰基準因子は、電力キャリア信号における識別情報によって示される、前記別の光起電ユニット02にあるコントローラ021から、前記光起電ユニット02内のコントローラ021に送信されるプロセスにおける電力キャリア信号の信号減衰の減衰度を反映するために使用される。
【0044】
上記から、光起電システムは、光起電ユニット02の自動グループ分けを実装できることがわかる。これは、関連技術と比較して、これは、光起電ユニット02のグループ分けの効率を効果的に改善し、グループ分け精度を向上させることができる。
【0045】
ある可能な実装では、インバータ01が、複数の光起電ユニット02を、各光起電ユニット02によって得られた電力キャリア信号の減衰度に基づいてグループ分けするように構成されているとき、インバータ01は、具体的には:光起電ユニット02内のコントローラ021によって得られ、別の光起電ユニット02内のコントローラ021によって送信される電力キャリア信号の減衰度が基準閾値以下である場合、前記光起電ユニット02および前記別の光起電ユニット02が同じ光起電ユニット・グループに属すると判定するように構成される。
【0046】
さらに、基準閾値は、実際の経験などの要因に基づいて指定されてもよく、または光起電ユニット02の実際の展開状態に基づいて動的に決定されてもよい。たとえば、インバータ01が、複数の光起電ユニット02を、各光起電ユニット02によって得られた電力キャリア信号の減衰度に基づいてグループ分けするように構成されているとき、インバータ01は、さらに、具体的には:複数の光起電ユニット02内のコントローラ021によって得られ、かつ同じ別の光起電ユニット02内のコントローラ021によって送信された電力キャリア信号の減衰度をソートし、または同じ光起電ユニット02内のコントローラ021によって得られ、複数の他の光起電ユニット02内のコントローラ021によって送信された電力キャリア信号の減衰度をソートし;ソート後の複数の減衰度によって提示された分布状態に基づいて基準閾値を決定するように構成される。
【0047】
複数の別の光起電ユニット02に対応する減衰度がソートされ、基準閾値が、ソートの結果に基づいて決定される。このようにして、基準閾値は、光起電システム内の光起電ユニット02の実際の展開モードに基づいて動的に決定されることができ、それにより、基準閾値はグループ分けにおいてより認識可能になり、基準閾値に基づく光起電ユニットのグループ分けの精度を改善する。
【0048】
任意的に、減衰基準因子は、信号強度、および電力キャリア信号を伝送するためのライン・インピーダンスのうちの一つまたは複数を含む。
【0049】
光起電ユニット02内のコントローラ021によって取得され、かつ、別の光起電ユニット02内のコントローラ021によって送信される電力キャリア信号は、次のうちの少なくとも1つを含む:前記別の光起電ユニット02内のコントローラ021によってインバータ01に送信され、前記光起電ユニット02による聴取を通じて取得される電力キャリア信号;前記別の光起電ユニット02によってブロードキャストされる電力キャリア信号;前記別の光起電ユニット02によって前記光起電ユニット02に送信される電力キャリア信号のうちの少なくとも1つを含む。
【0050】
任意的に、信号を送信するために異なる光起電ユニット02によって使用される周波数帯域は、同じであっても、異なっていてもよい。さらに、信号を送信するために使用される周波数帯域は、インバータ01とともにサービス信号を送信するために光起電ユニット02によって使用される周波数帯域であってもよく、たとえば、75キロヘルツ(kHz)から145kHzであってもよい。あるいはまた、周波数帯域は、サービス信号を送信するために使用される周波数帯域以外の周波数帯域であってもよく、たとえば、280kHzないし300kHzであってもよい。これは、本願のこの実施形態において特に限定されない。
【0051】
さらに、複数の別の光起電ユニット02が存在する場合、前記複数の別の光起電ユニット02が逐次的に信号を送信する順序は、実際の必要性に基づいて決定されてもよい。たとえば、論理アドレスが、光起電システム内の各光起電ユニット02に前もって割り当てられてもよい。この場合、複数の別の光起電ユニット02は、光起電ユニット02の論理アドレスに基づいて、論理アドレスの昇順で逐次的に信号を送信してもよい。
【0052】
なお、各光起電ユニット02内のコントローラ021によって得られた電力キャリア信号の減衰度を減衰基準因子に基づいて決定し、各光起電ユニット02によって得られた電力キャリア信号の減衰度に基づいて複数の光起電ユニット02をグループ分けするためのインバータ01の動作は、代わりに、光起電システム内の任意のコントローラ021によって実行されてもよい。この場合、別の光起電ユニット02内のコントローラ021は、コントローラ021によって得られた電力キャリア信号の減衰基準因子を前記任意のコントローラ021に送信し、それにより、前記任意のコントローラ021は、減衰基準因子に基づいて、光起電システム内の複数の光起電ユニット02をグループ分けする。
【0053】
さらに、インバータ01が異なる光起電ユニット02間で送信される電力キャリア信号の減衰度に基づいて光起電ユニット02をグループ分けする前述の実施形態における実装プロセスは、単に、本願の実施形態において提供される光起電ユニット02をグループ分けする方法の実装プロセスの例であり、本願の実施形態において提供される光起電ユニット02をグループ分けする方法が他の実装を有することを排除するものではない。たとえば、光起電ユニット02をグループ分けする方法の実行主体は、代替的に、光起電ユニット02内のコントローラ021であってもよい。この場合、コントローラ021は、コントローラ021と別の光起電ユニット02内のコントローラ021との間で送信される電力キャリア信号の減衰度を得て、それら複数の減衰度をソートし、次いで、ソートの結果に基づいて、光起電ユニット02が属する光起電ユニット・グループを決定することができる。あるいはまた、コントローラ021は、別の光起電ユニット02のコントローラ021と、複数の別の光起電ユニット02のそれぞれにおけるコントローラ021との間で送信される電力キャリア信号の減衰度を得て;次いで、前記別の光起電ユニット02に対応する複数の減衰度をソートした結果と組み合わせて、前記光起電ユニット02および前記別の光起電ユニット02が属する光起電ユニット・グループを決定してもよい。
【0054】
さらに、図1に示されるように、光起電システムの展開モードに基づいて、各光起電ユニット・グループ内の複数の光起電ユニット02が直列に接続される。さらに、同じ光起電ユニット・グループにおいて、2つの光起電ユニット02の間に、より多くの光起電ユニット02が接続されるとき、前記2つの光起電ユニット02のうちの一方によって、他方の光起電ユニット02から受信される電力キャリア信号の減衰度が増加する。よって、前述のグループ分けプロセス(特定の実施プロセスについては、以下のステップ201~ステップ206を参照)が複数の光起電ユニット02のいくつかの光起電ユニット02で実行される場合、前記いくつかの光起電ユニット02は、光起電ユニット・グループ内の複数の光起電ユニット02の間の真ん中に直列に接続された光起電ユニットに比較的近くに位置する、各光起電ユニット・グループ内の諸光起電ユニット02であってもよい。このようにして、同じ光起電ユニット・グループ内の異なる光起電ユニット02間の電力キャリア信号の得られた減衰度は、より良好な集約を有し、異なる光起電ユニット・グループ内の光起電ユニット02間の電力キャリア信号の得られた減衰度は、より良好な分散を有する。減衰度がソートされ、ソートの結果に基づいて光起電ユニット02のグループが決定される場合、グループ分けの精度はさらに改善されうる。たとえば、図1に示されるように、光起電ユニット02A上で前述のグループ分けプロセスを実行することと比較して、光起電ユニット02B上で前述のグループ分けプロセスを実行することは、グループ分け精度をさらに改善することができる。
【0055】
以下は、本願のある実施形態において提供される光起電システムによる光起電ユニットをグループ分けするための方法の実装プロセスを説明する。光起電システムにおける各構成要素の稼働プロセスについては、対応して、方法実施形態における対応する構成要素の稼働プロセスを参照されたい。図2は、本願のある実施形態による光起電ユニット・グループ分け方法のフローチャートである。図2に示されるように、本方法は、以下のステップを含んでいてもよい。
【0056】
ステップ201:光起電ユニット内のコントローラが、複数の光起電ユニットにおける別の光起電ユニット内のコントローラによって送信された電力キャリア信号を得る。
【0057】
前記別の光起電ユニット内のコントローラによって送信された電力キャリア信号を得るために、前記光起電ユニット内の前記コントローラのための複数の実装があってもよい。本願のこの実施形態は、例として以下のいくつかの可能な実装を使用することによって記述される。
【0058】
ある可能な実装では、光起電ユニット内のコントローラは、電力キャリア信号を聴取する機能を有する。この場合、光起電ユニット内のコントローラによって得られ、かつ、前記別の光起電ユニット内のコントローラによって送信される電力キャリア信号は、前記別の光起電ユニット内のコントローラによって別のコンポーネント(たとえば、前記別の光起電ユニットとは異なる光起電ユニット内のインバータまたはコントローラ)に送信され、前記光起電ユニット内のコントローラによって聴取を通じて得られる電力キャリア信号であってもよい。たとえば、前記光起電ユニット内の前記コントローラおよび複数の別の光起電ユニット内の諸コントローラは、すべて前記インバータに接続される。よって、前記光起電ユニット内の前記コントローラによって得られ、かつ、前記別の光起電ユニット内の前記コントローラによって送られる電力キャリア信号は、前記別の光起電ユニット内の前記コントローラによって前記インバータに送られ、前記光起電ユニット内の前記コントローラによって聴取を通じて得られる電力キャリア信号であってもよい。
【0059】
別の可能な実装では、光起電ユニット内のコントローラは、それぞれ、電力キャリア信号を、ブロードキャリア方式で電力線に順次送信することができる。この場合、光起電ユニット内のコントローラによって得られ、かつ、前記別の光起電ユニット内のコントローラによって送信される電力キャリア信号は、前記別の光起電ユニット内のコントローラによってブロードキャストされる電力キャリア信号であってもよい。
【0060】
さらに別の可能な実装では、光起電システムの展開モードに基づいて、前記別の光起電ユニット内のコントローラは、直接的または間接的に、電力キャリア信号を前記光起電ユニット内のコントローラに送ることができる。この場合、前記光起電ユニット内のコントローラによって得られ、かつ、前記別の光起電ユニット内のコントローラによって送信される電力キャリア信号は、前記別の光起電ユニット内のコントローラによって前記光起電ユニット内のコントローラに送信される電力キャリア信号であってもよい。
【0061】
さらに、電力キャリア信号は、電力キャリア信号を送信するコントローラの識別情報を担持してもよく、それにより、電力キャリア信号の受信端は、該識別情報に基づいて電力キャリア信号の送信端を決定することができる。任意的に、コントローラの識別情報は、コントローラの論理アドレス、コントローラの媒体アクセス制御MACアドレス、およびコントローラのシリアル番号のうちの一つまたは複数を含んでいてもよい。コントローラの論理アドレスは、事前にコントローラに割り当てられてもよく、光起電システム内のコントローラのアドレスを一意的に識別するために使用される。たとえば、光起電システムが100個の光起電モジュールを含む場合、インバータは、事前に100個の光起電モジュール内のコントローラに論理アドレスを割り当てることができる。100個の光起電モジュールにおけるコントローラの論理アドレスは、それぞれ1~100であってもよい。
【0062】
通例、複数の光起電ユニットが光起電システム内に存在し、該複数の光起電ユニットの一部または全部がすべて、グループ分けされるべき光起電ユニットであることに留意されたい。この場合、グループ分けに参加するすべての光起電ユニット内のコントローラは、電力キャリア信号を順次送ることができる。電力キャリア信号を送る前に、各光起電ユニット内のコントローラは、電力キャリア信号を送る、光起電ユニット内のコントローラによって送られた電力キャリア信号を得ることができる。
【0063】
任意的に、電力キャリア信号を送信するために異なる光起電ユニット内のコントローラによって使用される周波数帯域は、同じであっても、異なっていてもよい。さらに、電力キャリア信号を送信するために使用される周波数帯域は、インバータとともにサービス信号を送信するために光起電ユニット内のコントローラによって使用される周波数帯域であってもよく、たとえば、75キロヘルツ(kHz)から145kHzであってもよい。あるいはまた、周波数帯域は、サービス信号を送信するために使用される周波数帯域以外の周波数帯域であってもよく、たとえば、280kHz~300kHzであってもよい。これは、本願のこの実施形態において特に限定されない。
【0064】
さらに、光起電システム内の複数の光起電ユニット内のコントローラが逐次、電力キャリア信号を送信するシーケンスは、実際の必要性に基づいて決定されてもよい。たとえば、光起電システム内の各コントローラに、事前に論理アドレスが割り当てられてもよい。この場合、複数の光起電ユニット内のコントローラは、それらのコントローラの論理アドレスに基づいて、論理アドレスの昇順に、逐次、電力キャリア信号を送信することができる。
【0065】
ステップ202:光起電ユニット内のコントローラは、得られた電力キャリア信号に基づいて電力キャリア信号の減衰基準因子を決定し、該減衰基準因子をインバータに送る。
【0066】
前記別の光起電ユニット内のコントローラによって送信された電力キャリア信号を得た後、光起電ユニット内のコントローラは、得られた電力キャリア信号に基づいて電力キャリア信号の減衰基準因子を決定し、電力キャリア信号の減衰基準因子をインバータに送ることができ、それにより、インバータは、電力キャリア信号の減衰基準因子に基づいて、光起電システム内の複数の光起電ユニットをグループ分けする。
【0067】
電力キャリア信号の減衰基準因子は、前記別の光起電ユニット内にあり、電力キャリア信号において担持される識別情報によって示されるコントローラから、前記光起電ユニット内にあり、電力キャリア信号を得るコントローラに送信されるプロセスにおける、電力キャリア信号の信号減衰の減衰度を反映するために使用される。任意的に、減衰基準因子は、信号強度、および電力キャリア信号を伝送するためのライン・インピーダンスのうちの一つまたは複数を含んでいてもよい。以下は、減衰基準因子を得るための実装を説明する。
【0068】
減衰基準因子が信号強度である場合、得られた電力キャリア信号の減衰基準因子は、電力キャリア信号の受信強度であってもよい。
【0069】
受信強度を得る可能な実装では、受信強度は、受信信号強度指標(received signal strength indicator、RSSI)を使用することによって表されてもよい。対応して、RSSIを得るための実装は、次のようなものであってもよい:光起電ユニット内のコントローラが、前記別の光起電ユニット内のコントローラによって送信された電力キャリア信号を得るとき、前記光起電ユニット内のコントローラは、受信された電力キャリア信号の信号電力Pに基づいてRSSIを決定する。信号電力PとRSSIの関係は、RSSI=10 x lg(P)である。
【0070】
受信した強度を得る別の可能な実装では、信号を受信するための信号受信インピーダがコントローラ内に配置される。電力キャリア信号を受信するために信号受信インピーダが使用される場合、電力キャリア信号は、信号受信インピーダに電圧降下および電流を発生させ、電力キャリア信号の受信強度は、電圧降下および電流のうちの少なくとも1つに基づいて決定できる。したがって、電力キャリア信号の受信強度は、電圧降下および電流のうちの少なくとも1つを使用することによって表すことができる。
【0071】
減衰基準因子が電力キャリア信号を送信するためのライン・インピーダンスである場合、電力キャリア信号を送信するコントローラと電力キャリア信号を受信するコントローラとの間のライン・インピーダンスは、電力キャリア信号を送信するコントローラと電力キャリア信号を受信するコントローラとの間の接続線によって決定される。また、光起電システムの展開が完了した後、構成要素間の接続方式は基本的に変わらない。よって、光起電システムの展開が完了した後、コントローラ間のライン・インピーダンスに関する統計が収集され、各コントローラは、該コントローラと他のコントローラとの間のライン・インピーダンスを記憶する。対応して、任意の2つのコントローラの間のライン・インピーダンスを得る必要がある場合、それら2つのコントローラ間のライン・インピーダンスを得るために、それら2つのコントローラのいずれかにおいてライン・インピーダンスを問い合わせることができる。
【0072】
電力キャリア信号が、異なるコントローラ間で、電力線を使用して送信される場合、電力キャリア信号は、コントローラ間の電力線上でエネルギーを消費し、送信プロセスにおいて電力キャリア信号を減衰させる。よって、減衰基準因子は、異なるコントローラ間で電力キャリア信号を伝送するための電力線のライン・インピーダンスであってもよい。
【0073】
異なるコントローラ間のライン・インピーダンスを決定するためのある実装では、電力キャリア信号を受信するためのコントローラの入力電圧、電力キャリア信号を送信するためのコントローラの出力電圧、および両コントローラ間の電力線上の電流が別個に得られてもよく;入力電圧と出力電圧との間の電圧差が得られ;両コントローラ間のライン・インピーダンスが、電圧差と電力線上の電流との間の商に基づいて決定される。電圧差と電力線上の電流との間の商が、2つのコントローラ間のライン・インピーダンスである。
【0074】
ステップ203:インバータが、減衰基準因子に基づいて、各光起電ユニット内のコントローラによって得られる電力キャリア信号の減衰度を決定する。
【0075】
ある可能な実装では、減衰基準因子が信号強度(受信強度)である場合には、電力キャリア信号の受信強度および送信強度が別個に得られてもよく、送信強度と受信強度との差が電力キャリア信号の減衰度として決定される。
【0076】
インバータ、光起電ユニット内のコントローラ、および前記別の光起電ユニット内のコントローラは、電力キャリア信号の送信強度について、あらかじめ合意することができる。このようにして、電力キャリア信号の受信強度を求めた後、インバータは、受信強度と合意された送信強度に基づいて電力キャリア信号の減衰度を決定することができる。
【0077】
あるいはまた、コントローラによって送信された電力キャリア信号は、電力キャリア信号の送信強度を担持していてもよい。光起電ユニット内のコントローラが電力キャリア信号の減衰基準因子をインバータに送信するとき、コントローラは、電力キャリア信号の送信強度を電力キャリア信号から抽出し、電力キャリア信号の送信強度をインバータに送信することができ、それにより、インバータは、受信された強度および送信された強度に基づいて電力キャリア信号の減衰度を決定する。
【0078】
別の可能な実装では、減衰基準因子が電力キャリア信号を伝送するためのライン・インピーダンスであり、電力キャリア信号が、電力線を使用して2つのコントローラ間で伝送される場合、電力キャリア信号は、2つのコントローラ間の電力線上でエネルギーを消費し、伝送プロセスにおいて電力キャリア信号を減衰させる。よって、2つのコントローラ間のライン・インピーダンスが、2つのコントローラ間で伝送される電力キャリア信号の減衰度を表すために使用できる。
【0079】
さらに別の可能な実装では、減衰基準因子が信号強度および電力キャリア信号を伝送するためのライン・インピーダンスを含む場合、2つのコントローラ間で伝送される電力キャリア信号の減衰度は、信号強度およびライン・インピーダンスに基づいて決定されてもよい。たとえば、2つのコントローラ間で送信される電力キャリア信号の送信強度と受信強度との差が得られてもよく、電力キャリア信号を送信するためのライン・インピーダンスが得られる。次いで、前記差とライン・インピーダンスとの加重和が、2つのコントローラ間で伝送される電力キャリア信号の減衰度として決定される。
【0080】
ステップ204:インバータが、複数の光起電ユニット内のコントローラによって得られ、かつ、同じ別の光起電ユニット内のコントローラによって送信された電力キャリア信号の減衰度をソートする、または、同じ光起電ユニット内のコントローラによって得られ、かつ、複数の別の光起電ユニット内のコントローラによって送信された電力キャリア信号の減衰度をソートする。
【0081】
同じ光起電ユニット・グループ内の複数の光起電ユニット内のコントローラは、互いに接続される。よって、2つの光起電ユニットが同じ光起電ユニット・グループに位置する場合、2つの光起電ユニットの一方のコントローラによって送信された電力キャリア信号は、2つの光起電ユニットの間の電力線を通じて、2つの光起電ユニットの他方のコントローラに送信されてもよく、それにより、他方の光起電ユニットのコントローラによって受信された電力キャリア信号の減衰度は比較的小さい。しかしながら、異なる光起電ユニット・グループ内の2つの光起電ユニットについては、一方の光起電ユニット・グループ内のコントローラによって送信される電力キャリア信号が、他方の光起電ユニット・グループ内のコントローラに送信されるためには、電力キャリア信号は、電力線を通じて送信される必要があるだけでなく、インバータの二次結合または分布パラメータ結合(たとえば、相互インダクタンス結合)を受ける必要もある。よって、2つの光起電ユニットが異なる光起電ユニット・グループに位置する場合、2つの光起電ユニット内のコントローラ間で伝送される電力キャリア信号の減衰度は比較的大きい。さらに、同じ光起電ユニット・グループ内の光起電ユニットにおいて、光起電ユニットの異なる対のコントローラの間で伝送される電力キャリア信号の減衰度も異なる。しかしながら、同じ光起電ユニット・グループ内のコントローラ間で伝送される電力キャリア信号の減衰度の差は、異なる光起電ユニット・グループ内のコントローラ間で伝送される電力キャリア信号の減衰度の差よりもはるかに小さい。よって、同じ光起電ユニット・グループ内の異なるコントローラ間で伝送される電力キャリア信号の減衰度は、相対的に集約された分布状態を呈し、異なる光起電ユニット・グループ内のコントローラ間で伝送される電力キャリア信号の減衰度は、相対的に分散された分布状態を呈することがわかる。
【0082】
よって、異なるコントローラ間で伝送される電力キャリア信号の信号減衰の減衰度を得た後、インバータは、異なる光起電力ユニット内のコントローラに対応する減衰度をソートし;ソート後の複数の減衰度によって呈される分布状態に基づいて、前記光起電ユニットと前記別の光起電ユニットとが同じ光起電ユニット・グループ内に位置するかどうかを区別するための基準閾値を決定することができる。複数の減衰度は、減衰度の降順または昇順にソートされてもよい。これは、本願のこの実施側面において特に限定されない。
【0083】
異なる光起電ユニットにおけるコントローラに対応する減衰度がソートされ、基準閾値が、ソートの結果に基づいて決定される。このようにして、基準閾値は、光起電システム内の光起電ユニットの実際の展開モードに基づいて動的に決定でき、それにより、基準閾値はグループ分けにおいてより認識可能になり、基準閾値に基づく光起電ユニットのグループ分けの精度を改善する。
【0084】
ステップ205:インバータが、ソート後の複数の減衰度によって呈される分布状態に基づいて基準閾値を決定する。
【0085】
複数の減衰度がソートされた後、基準閾値は、ソート後の複数の減衰度によって呈される分布状態に基づいて決定されてもよい。それにより、その後のグループ分けプロセスにおいて、光起電ユニットが属する光起電力ユニット・グループが基準閾値に基づいて決定される。任意的に、ソート後の減衰度に対してクラスタリング解析が実行されて、複数のクラスタリングされたグループが得られてもよい。クラスタリングされた各グループは、少なくとも1つの減衰度を含む。次いで、基準閾値は、減衰度の平均値が最小であるクラスタリングされたグループ(これは、最小のクラスタリングされたグループと称される)における減衰度と、2番目の最小のクラスタリングされたグループにおける減衰度とに基づいて決定される。ここで、2番目の最小のクラスタリングされたグループは、減衰度の平均値が、最小のクラスタリングされたグループにおける減衰度の平均値と最小の差をもつクラスタリングされたグループである。たとえば、最小クラスタリングされたグループにおける減衰度の平均値および2番目の最小のクラスタリングされたグループにおける減衰度の平均値は、まず別々に決定されてもよく、2つの平均値の平均値が、2つのクラスタリングされたグループにおける減衰度の間を区別するための基準閾値として決定される。あるいはまた、基準閾値は、あらかじめ指定されたポリシーに基づいて2つの平均値の平均値を調整することによって得られる調整値であってもよい。あらかじめ指定されたポリシーは、用途の要件に基づいて決定されてもよい。たとえば、2つの平均値の平均値の1.3倍である値が、基準閾値として決定されてもよい。これは、本願のこの実施形態において特に限定されない。あるいはまた、基準閾値は、最小のクラスタリングされたグループにおける最大の減衰度と、2番目の最小のクラスタリングされたグループにおける最小の減衰度との加重平均値であってもよい。
【0086】
クラスタリングされたグループにおける減衰度は、次のことを満たす:任意のクラスタリングされたグループにおける任意の減衰度について、そのクラスタリングされたグループは、前記任意の減衰度との差が第1の差閾値より小さい一つまたは複数の他の減衰度を有し、2つの異なるクラスタリングされたグループに位置する2つの減衰度の間の差は第2の差閾値より大きい。第1の差閾値の値および第2の差閾値の値は、用途の要件に基づいて決定されてもよく、第1の事前設定された差閾値の値および第2の差閾値の値は、等しくても等しくなくてもよい。これは、本願のこの実施形態において特に限定されない。
【0087】
光起電システムは、通例、複数の光起電ユニットを有するので、グループ分けプロセスにおいて、複数の光起電ユニットが電力キャリア信号を複数の別の光起電ユニットに別々に送信するプロセスにおける減衰度が、通例、最初に得られることに留意されたい。対応して、複数の光起電ユニットが電力キャリア信号を複数の別の光起電ユニットに送信するプロセスにおける減衰度は、別々にソートされてもよい。次いで、基準閾値は、複数の光起電ユニットに対応するソートの結果と組み合わせて決定される。たとえば、ソートの複数の結果は、異なる光起電ユニット・グループ間を区別するための基準閾値を決定するために、ビッグデータ技術を使用することによって解析されてもよい。
【0088】
さらに、基準閾値は、代替的に、たとえば、経験的値に基づいて事前に規定されてもよいことに留意されたい。これは、本願のこの実施形態において特に限定されない。
【0089】
ステップ206:インバータは、各光起電ユニットおよび基準閾値によって得られた電力キャリア信号の減衰度に基づいて、複数の光起電ユニットをグループ分けする。
【0090】
同じ光起電ユニット・グループ内の複数の光起電ユニット内のコントローラ間で伝送される電力キャリア信号の減衰度は比較的小さい。したがって、光起電ユニット内のコントローラによって得られ、別の光起電ユニット内のコントローラによって送信される電力キャリア信号の減衰度が基準閾値以下である場合、前記光起電ユニットおよび前記別の光起電ユニットは、同じ光起電ユニット・グループに属すると判断できる。
【0091】
光起電ユニット・グループに含まれる光起電ユニットが決定された後、光起電ユニット・グループに含まれる光起電ユニットに関する情報がインバータに記録されることができ、それにより、該情報に基づいてインバータが光起電ユニット・グループを管理する。さらに、各光起電ユニット・グループは、識別子を有してもよく、各光起電ユニット内のコントローラは、識別情報を有する。光起電ユニット・グループに含まれる光起電ユニットに関する情報が記録されると、識別子によって示される光起電ユニット・グループに含まれる複数の光起電ユニットが記録されてもよく、各光起電ユニットは、その光起電ユニット内のコントローラの識別情報によって示される。
【0092】
基準閾値に基づいて光起電ユニット・グループを決定する前述の態様は、光起電ユニット・グループを決定する可能な実装であるが、他のグループ分け実装がさらに存在しうることを除外するものではないことに留意されたい。たとえば、減衰度についてソートおよびクラスタリング解析が実行された後、前記複数の減衰度の分布が少なくとも2つのクラスタリングされたグループを呈する場合、前記少なくとも2つのクラスタリングされたグループのうち、最も小さい減衰度の平均値を有するクラスタリングされたグループについて、外最も小さい平均値を有するクラスタリングされたグループ内の減衰値は、同じ光起電ユニット・グループに属する光起電ユニット内のコントローラ間で送信される電力キャリア信号の減衰度である。対応して、クラスタリングされたグループ内の減衰度に対応する光起電ユニットは、同じ光起電ユニット・グループに属すると判断することができる。
【0093】
さらに、インバータが異なる光起電ユニット間で送信される電力キャリア信号の減衰度に基づいて光起電ユニットをグループ分けする前述の実施形態における実装プロセスは、単に、本願のこの実施形態において提供される光起電ユニット・グループ分け方法の実装プロセスの例であり、本願のこの実施形態において提供される光起電ユニット・グループ分け方法が他の実装を有することを除外するものではない。たとえば、光起電ユニットのグループ分け方法の実行主体は、代わりに、光起電ユニット内のコントローラであってもよい。この場合、コントローラは、当該コントローラと他の光起電ユニット内のコントローラとの間で送信される電力キャリア信号の減衰度を取得し、それら複数の減衰度をソートし、ソートの結果に基づいて、光起電ユニットが属する光起電ユニット・グループを決定することができる。あるいはまた、コントローラは、別の光起電ユニット内のコントローラと、複数の他の光起電ユニットのそれぞれの中のコントローラとの間で送信される電力キャリア信号の減衰度を取得し、次いで、前記別の光起電ユニットに対応する複数の減衰度をソートした結果と組み合わせて、当該光起電ユニットおよび前記別の光起電ユニットが属する光起電ユニット・グループを決定することができる。
【0094】
さらに、光起電システムに複数の光起電ユニットが存在する場合には、前述のステップ201からステップ206は、各光起電ユニットで実行されてもよく、または、前述のステップ201からステップ206は、光起電システムにおける複数の光起電ユニットのグループ分けが実装できる限り、複数の光起電ユニットのうちの一部で実行されてもよい。
【0095】
さらに、図1に示されるように、光起電システムの展開モードに基づいて、各光起電ユニット・グループ内の複数の光起電ユニットが直列に接続される。さらに、同じ光起電ユニット・グループにおいて、より多くの光起電ユニットが2つの光起電ユニット間で直列に接続されると、2つの光起電ユニットの一方が他方の光起電ユニットから受け取る電力キャリア信号の減衰度が増加する。よって、前述のステップ201からステップ206が複数の光起電ユニットのいくつかの光起電ユニットで実行される場合、前記いくつかの光起電ユニットは、各光起電ユニット・グループにおいて、光起電ユニット・グループ内の複数の光起電ユニットの間の真ん中において直列に接続された光起電ユニットに比較的近くに位置する光起電ユニットであってもよい。このように、同じ光起電ユニット・グループにおける異なる光起電ユニット間の電力キャリア信号の得られた減衰度は、より良好な集約を有し、異なる光起電ユニット・グループにおける光起電ユニット間の電力キャリア信号の得られた減衰度は、より良好な分散を有する。減衰度がソートされ、ソートの結果に基づいて光起電ユニットのグループが決定される場合、グループ分け精度はさらに改善できる。たとえば、図1に示されるように、前述のステップ201ないしステップ206を光起電ユニットAで実行するのと比較して、前述のステップ201~ステップ206を光起電ユニットBで実行することにより、グループ分け精度をさらに改善できる。
【0096】
要約すると、本願のこの実施形態は、光起電ユニット・グループ分け方法を提供する。この方法では、光起電システム内の異なる光起電ユニット内のコントローラ間で送信される各電力キャリア信号の減衰基準因子が得られ、各光起電ユニット内のコントローラによって得られる電力キャリア信号の減衰度が減衰基準因子に基づいて決定される。複数の光起電ユニットは、各光起電ユニットによって得られる電力キャリア信号の減衰度に基づいてグループ分けされる。関連技術と比較して、これは、光起電ユニットの自動グループ分けを実現でき、光起電ユニットのグループ分けの効率を効果的に改善し、グループ分け精度を改善することができ、それにより光起電システムの運用・維持効率を改善することができる。
【0097】
本願のこの実施形態における光起電ユニット・グループ分け方法のステップのシーケンスは、適切に調整されてもよく、また、状況に応じて、ステップを相応に追加または削除されてもよいことに留意されたい。本願に開示される技術的範囲内で当業者が容易に割り出すすべての変形方法は、本願の保護範囲にはいり、よって、記載されていない。
【0098】
以下は本願の装置実施形態であり、本願の方法実施形態を実行するために使用されうる。本願の装置実施形態において開示されていない詳細については、本願の方法実施形態を参照されたい。
【0099】
本願のある実施形態は、光起電ユニット・グループ分け装置を提供する。図3に示されるように、光起電ユニット・グループ分け装置30は:
光起電システムにおける異なる光起電ユニット内のコントローラの間で送信される各電力キャリア信号の減衰基準因子を得るように構成された取得モジュール301であって、前記電力キャリア信号は、前記電力キャリア信号を送信するコントローラの識別情報を担持し、減衰基準因子は、電力キャリア信号内の前記識別情報によって示される、別の光起電ユニット内にあるコントローラから光起電ユニット内のコントローラに送信されるプロセスにおける、電力キャリア信号の信号減衰の減衰度を反映するために使用される、取得モジュールと;
各光起電ユニット内のコントローラによって得られる電力キャリア信号の減衰度を、減衰基準因子に基づいて決定するように構成された決定モジュール302と;
各光起電ユニットによって得られる電力キャリア信号の減衰度に基づいて複数の光起電ユニットをグループ分けするように構成されたグループ分けモジュール303とを含んでいてもよい。
【0100】
任意的に、グループ分けモジュール303は、具体的には:光起電ユニット内のコントローラによって得られ、かつ、別の光起電ユニット内のコントローラによって送信される電力キャリア信号の減衰度が基準閾値以下である場合、前記光起電ユニットおよび前記別の光起電ユニットが同じ光起電ユニット・グループに属すると決定するように構成される。
【0101】
任意的に、グループ分けモジュール303は、具体的にはさらに、複数の光起電ユニット内のコントローラによって得られ、かつ同じ別の光起電ユニット内のコントローラによって送られる電力キャリア信号の減衰度をソートし、または同じ光起電ユニット内のコントローラによって得られ、かつ複数の別の光起電ユニット内のコントローラによって送られる電力キャリア信号の減衰度をソートし;ソート後に前記複数の減衰度によって提示される分布状態に基づいて前記基準閾値を決定するように構成される。
【0102】
任意的に、減衰基準因子は、信号強度、および電力キャリア信号を伝送するためのライン・インピーダンスのうちの一つまたは複数を含む。
【0103】
任意的に、前記光起電ユニット内のコントローラによって得られ、かつ前記別の光起電ユニット内のコントローラによって送られる電力キャリア信号は、次のうちの少なくとも1つを含む:前記別の光起電ユニット内のコントローラによってインバータに送られ、前記光起電ユニット内のコントローラによる聴取を通じて得られる電力キャリア信号;前記別の光起電ユニット内のコントローラによってブロードキャストされる電力キャリア信号;および前記別の光起電ユニット内のコントローラによって前記光起電ユニット内のコントローラに送られる電力キャリア信号。
【0104】
要約すると、本願のこの実施形態は、光起電ユニット・グループ分け装置を提供する。取得モジュールが、光起電システム内の異なる光起電ユニット内のコントローラ間で送信される各電力キャリア信号の減衰基準因子を得る。決定モジュールが、各光起電ユニット内のコントローラによって得られる電力キャリア信号の減衰度を、減衰基準因子に基づいて決定する。グループ分けモジュールが、複数の光起電ユニットを、各光起電ユニットによって得られる電力キャリア信号の減衰度に基づいてグループ分けする。関連技術と比較して、これは、光起電ユニットの自動グループ分けを実現でき、光起電ユニットのグループ分けの効率を効果的に改善し、グループ分け精度を改善することができ、それにより光起電システムの運用・維持効率を改善することができる。
【0105】
当業者には、簡便な記述のために、前述の装置およびモジュールの詳細な稼働プロセスについては、前述の方法実施形態における対応するプロセスを参照することが明らかに理解されうる。詳細は、ここでは再度説明しない。
【0106】
本願のある実施形態は、コンピューティング装置をさらに提供する。図4に示されるように、コンピューティング装置400は、プロセッサ410、通信インターフェース420、およびメモリ430を含む。プロセッサ410、通信インターフェース420、およびメモリ430は、バス440を使用して互いに接続される。
【0107】
バス440は、アドレスバス、データバス、制御バスなどに分類されうる。表現の簡単のために、図4におけるバスを表すためには1本だけの太線が使用されているが、これはバスが1本だけ、またはバスのタイプが1つだけであることを意味するものではない。
【0108】
メモリ430は、揮発性メモリ(volatile memory)、たとえばランダムアクセスメモリ(random-access memory、RAM)を含んでいてもよい。メモリ430はまた、不揮発性メモリ(non-volatile memory)、たとえば、フラッシュメモリ(flash memory)、ハードディスクドライブ(hard disk drive、HDD)、またはソリッドステートドライブ(solid-state drive、SSD)を含んでいてもよい。メモリ430は、さらに、前述のタイプのメモリの組み合わせを含んでいてもよい。
【0109】
プロセッサ410は、ハードウェア・チップであってもよく、本願の実施形態において提供される光起電ユニット・グループ分け方法を完了するように構成される。ハードウェア・チップは、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)、プログラマブル・ロジック・デバイス(programmable logic device、PLD)、またはそれらの組み合わせであってもよい。PLDは、複雑なプログラマブル論理デバイス(complex programmable logic device、CPLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate array、FPGA)、汎用アレイ論理(generic array logic、GAL)、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。あるいはまた、プロセッサ410は、汎用プロセッサ、たとえば、中央処理装置(central processing unit、CPU)、ネットワーク・プロセッサ(network processor、NP)、またはCPUとNPの組み合わせであってもよい。
【0110】
対応して、メモリ430は、プログラム命令を記憶するように構成される。プロセッサ410は、メモリ430に記憶されたプログラム命令を呼び出し、本願の実施形態またはそのいくつかの任意的な実装において提供される光起電ユニット・グループ分け方法における一つまたは複数のステップを実行して、コンピューティング装置400が前述の実施形態において提供される光起電ユニット・グループ分け方法を実現できるようにすることができる。たとえば、プロセッサ410は、メモリ420に記憶されたプログラム命令を呼び出し、コンピューティング装置400が、以下のステップ、すなわち:光起電システム内の異なる光起電ユニット内のコントローラ間で送信された各電力キャリア信号の減衰基準因子を取得し、減衰基準因子に基づいて各光起電ユニット内のコントローラによって取得された電力キャリア信号の減衰度を決定するステップと;各光起電ユニットによって取得された電力キャリア信号の減衰度に基づいて複数の光起電ユニットをグループ分けするステップとを実行できるようにする。さらに、コンピューティング装置400がメモリ420内のコンピュータ命令を実行して前記ステップを実行する実装プロセスについては、対応して、前述の方法実施形態の対応する説明を参照されたい。
【0111】
通信インターフェース430は、ネットワーク・アクセス機能を有する以下のコンポーネント、すなわち:ネットワーク・インターフェース(たとえば、イーサネット・インターフェース)または無線ネットワーク・インターフェース・カードの任意の1つまたは任意の組み合わせであってもよい。
【0112】
本願のある実施形態は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、非一時的な読み取り可能な記憶媒体であってもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体内の命令がコンピュータによって実行されると、コンピュータは、本願において提供される光起電ユニット・グループ分け方法を実行するように構成される。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、揮発性メモリ、たとえば、ランダムアクセスメモリ、または不揮発性メモリ、たとえばフラッシュメモリ、ハードディスクドライブ(hard disk drive、HDD)、およびソリッドステートドライブ(solid-state drive、SSD)を含むが、これらに限定されない。
【0113】
本願は、さらに、コンピュータ・プログラム・プロダクトを提供する。コンピュータ・プログラム・プロダクトは、コンピュータ命令を含む。コンピュータ命令がコンピューティング装置によって実行されると、コンピューティング装置は、本願において提供される光起電ユニット・グループ分け方法を実行する。
【0114】
当業者は、実施形態のステップの全部または一部が、関連するハードウェアに命令するハードウェアまたはプログラムによって実装されうることを理解しうる。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されうる。記憶媒体は、読み出し専用メモリ、磁気ディスク、光ディスクなどであってもよい。
【0115】
前述の説明は、単に本願の任意的な実施形態であり、本願を限定することを意図したものではない。本願の原理から逸脱することなくなされる任意の修正、等価な置換、改善等は、本願の保護範囲にはいるべきである。
図1
図2
図3
図4