(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-03
(45)【発行日】2023-10-12
(54)【発明の名称】配管支持装置
(51)【国際特許分類】
F16L 3/20 20060101AFI20231004BHJP
F16F 15/04 20060101ALI20231004BHJP
F16F 1/06 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
F16L3/20 C
F16F15/04 A
F16F1/06 Z
(21)【出願番号】P 2023029585
(22)【出願日】2023-02-28
【審査請求日】2023-02-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】山口 竜央馬
(72)【発明者】
【氏名】松田 宗広
(72)【発明者】
【氏名】佐々 治
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-240162(JP,A)
【文献】実開昭55-059899(JP,U)
【文献】実開昭52-102582(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 3/20
F16F 15/04
F16F 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのばねと、
前記ばねの上のばね座と、
前記ばね座の上のフランジと、
前記ばね座に対向するベースプレートと、
前記ばねを挟む一対の側面プレートと、
前記ばね座の上のリミットストップと、
前記側面プレートと前記リミットストップとの間に位置し、前記ばねを圧縮した状態にセットするユニバーサルロック装置と、を備
え、
前記ユニバーサルロック装置は、前記側面プレートと前記リミットストップとの間から取り外し可能である、
配管支持装置。
【請求項2】
前記ユニバーサルロック装置は、前記リミットストップと前記側面プレートで囲ま
れ、前記ばね座と前記側面プレートとの間にスペーサを備える
、
請求項1に記載の配管支持装置。
【請求項3】
前記ベースプレートの上にガイドパイプと、をさらに備え、
前記ガイドパイプは、前記ばねの外形もしくは内形に沿って配置される、
請求項1に記載の配管支持装置。
【請求項4】
前記スペーサは、複数のワッシャを含む、
請求項2に記載の配管支持装置。
【請求項5】
前記ばね座と前記側面プレートとの間隔は、前記ばね座と前記側面プレートとの間の前記スペーサにより調整される、
請求項2に記載の配管支持装置。
【請求項6】
前記リミットストップは、前記側面プレートと一体化される、
請求項1に記載の配管支持装置。
【請求項7】
前記リミットストップは、前記ばね軸と並行に延伸し前記側面プレートを貫通し、前記側面プレートに固定される、
請求項1に記載の配管支持装置。
【請求項8】
前記リミットストップは、一対の支持フレームを含み、
前記一対の支持フレームは、前記側面プレートを挟んで固定される、
請求項1に記載の配管支持装置。
【請求項9】
前記リミットストップは、前記ばね座の上にストッパーをさらに備え、
前記ストッパーは、
前記側面プレートと
前記ばね座を挟むように配置される
請求項1に記載の配管支持装置。
【請求項10】
前記側面プレートは、上方に切り欠きを含み、
前記側面プレートは、前記切り欠きを挟むように前記ばね座の上に上端が延伸し、下端が前記ベースプレートと接続し、
前記リミットストップは、前記ばね座の上において、前記側面プレートを貫通し、前記側面プレートに固定される、
請求項1に記載の配管支持装置。
【請求項11】
前記リミットストップは、前記側面プレートと篏合し、
前記リミットストップの上端と前記上端と反対の下端の長さは異なり、
前記下端は前記ベースプレートに向いて配置される、
請求項1に記載の配管支持装置。
【請求項12】
前記リミットストップは、前記ばね座の上に前記側面プレートに固定される一対の固定部材を含み、
前記リミットストップの上端と前記上端と反対の下端の長さは異なり、
前記下端は前記ベースプレートに向いて配置される、
請求項1に記載の配管支持装置。
【請求項13】
少なくとも一つのばねと、
前記ばねの上のばね座と、
前記ばね座の上のフランジと、
前記ばね座に対向するベースプレートと、
前記ばねを挟む一対の側面プレートと、
前記ばね
座の上と前記一対の側面プレー
トに跨るように配置され
、少なくとも一つの開口を有するリミットストップと、
前記少なくとも一つの開口に配置され、前記ばねを圧縮した状態にセットするユニバーサルロック装置と、を備
え、
前記ユニバーサルロック装置は、前記少なくとも一つの開口から取り外し可能である、
配管支持装置。
【請求項14】
前記少なくとも一つの開口にて、前記リミットストップと前記側面プレートは組み合わされる、
請求項13の配管支持装置。
【請求項15】
前記一対の側面プレートは、第1側面プレートと第2側面プレートで構成され、
前記少なくとも一つの開口は、第1開口と第2開口を含み、
前記リミットストップは、前記第1開口にて前記第1側面プレートと組み合わされ、前記第2開口にて前記第2側面プレートと組み合わされる、
請求項1
4に記載の配管支持装置。
【請求項16】
前記リミットストップは、切り欠きをさらに有し、
前記切り欠きの両側に前記少なくとも一つの開口が配置される、
請求項1
4に記載の配管支持装置。
【請求項17】
前記ユニバーサルロック装置は、前記リミットストップと前記側面プレートとの間に、前記側面プレートの上に配置されるスペーサを有する、
請求項16に記載の配管支持装置。
【請求項18】
前記ベースプレートの上にガイドパイプと、をさらに備え、
前記ガイドパイプは、前記ばねの外形または内形に沿って配置される、
請求項1
3に記載の配管支持装置。
【請求項19】
前記スペーサは、複数のワッシャを含む、
請求項1
7に記載の配管支持装置。
【請求項20】
前記ばね座と前記側面プレートとの間隔は、前記ばね座と前記側面プレートとの間の前記スペーサにより調整される、
請求項1
7に記載の配管支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態の一つは、配管支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
流体を輸送するための一つの方法が配管である。配管の内部流体が流れることにより、重量や温度変化が発生し、配管が動く。その動きに一定の反力を発生させつつ追従するのが、配管支持装置である。例えば特許文献1に開示された配管支持装置は、配管の上下に弾性体としてばねが配置された構成を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態の課題の一つは、新規な構造を備える配管支持装置を提供することを課題の一つとする。あるいは、本発明の実施形態の課題の一つは、耐食性が高く、メンテナンスが容易である配管支持装置を提供することを課題の一つとする。または、本発明の実施形態の課題の一つは、コンパクト化され、安価な配管支持装置を提供することを課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態の一つは、配管支持装置である。配管支持装置は、少なくとも一つのばね、ばねの上のばね座、ばね座に対向するベースプレート、ばねを挟む一対の側面プレート、ばね座の上のリミットストップを備える。
【0006】
本発明の実施形態の一つは、配管支持装置である。配管支持装置は、少なくとも一つのばね、ばねの上のばね座、ばね座に対向するベースプレート、ばねを挟む一対の側面プレート、ばね座の上と一対の側面プレートに跨るように配置されるリミットストップ、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】本発明の実施形態に係る配管支持装置の模式的斜視図。
【
図1B】本発明の実施形態に係る配管支持装置の模式的斜視図。
【
図2】本発明の実施形態に係る配管支持装置の模式的上面図。
【
図3】本発明の実施形態に係る配管支持装置の模式的側面図。
【
図4】本発明の実施形態に係る配管支持装置の模式的側面図。
【
図5】本発明の実施形態に係る配管支持装置の模式的斜視図。
【
図6】本発明の実施形態に係る配管支持装置の模式的上面図。
【
図7】本発明の実施形態に係る配管支持装置の模式的側面図。
【
図8】本発明の実施形態に係る配管支持装置の模式的側面図。
【
図9】本発明の実施形態に係る配管支持装置の模式的斜視図。
【
図10】本発明の実施形態に係る配管支持装置の模式的上面図。
【
図11】本発明の実施形態に係る配管支持装置の模式的側面図。
【
図12】本発明の実施形態に係る配管支持装置の模式的側面図。
【
図13】本発明の実施形態に係る配管支持装置の模式的斜視図。
【
図14】本発明の実施形態に係る配管支持装置の模式的上面図。
【
図15】本発明の実施形態に係る配管支持装置の模式的側面図。
【
図16】本発明の実施形態に係る配管支持装置の模式的側面図。
【
図17】本発明の実施形態に係る配管支持装置の模式的斜視図。
【
図18】本発明の実施形態に係る配管支持装置の模式的上面図。
【
図19】本発明の実施形態に係る配管支持装置の模式的側面図。
【
図20】本発明の実施形態に係る配管支持装置の模式的側面図。
【
図21】本発明の実施形態に係る配管支持装置の模式的斜視図。
【
図22】本発明の実施形態に係る配管支持装置の模式的上面図。
【
図23】本発明の実施形態に係る配管支持装置の模式的側面図。
【
図24】本発明の実施形態に係る配管支持装置の模式的側面図。
【
図25】本発明の実施形態に係る配管支持装置の模式的斜視図。
【
図26】本発明の実施形態に係る配管支持装置の模式的上面図。
【
図27】本発明の実施形態に係る配管支持装置の模式的側面図。
【
図28】本発明の実施形態に係る配管支持装置の模式的側面図。
【
図29A】本発明の実施形態に係る配管支持装置の模式的斜視図。
【
図29B】本発明の実施形態に係る配管支持装置の模式的斜視図。
【
図30】本発明の実施形態に係る配管支持装置の模式的上面図。
【
図31】本発明の実施形態に係る配管支持装置の模式的側面図。
【
図32】本発明の実施形態に係る配管支持装置の模式的側面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本出願で開示される発明の各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。ただし、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0009】
図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して説明したものと同様の機能を備えた要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。
【0010】
本明細書および図面において、同一、あるいは類似する複数の構成を総じて表記する際には同一の符号を用い、これらを個別に表記する際には符号の後にハイフンと数字を付す。一つの構成のうちの複数の部分をそれぞれ区別して表記する際には、同一の符号を用い、さらにアルファベットを用いる。
【0011】
本明細書および請求項において、複数の要素が一体化されるとは、複数の要素は互いに異なる機能を有するものの、これらは一つの部材から形成されて連続的な構成を有することを意味する。したがって一体化された複数の要素は、互いに同一の材料を含み、同一の組成を有する。
【0012】
<第1実施形態>
以下、本発明の実施形態の一つである配管支持装置10について説明する。配管支持装置10は、配管を支持するとともに、熱や重量の変化による配管の移動に追従する機能を備える。以下の説明で用いる図面では、便宜上、鉛直方向をz方向とし、z方向に垂直な水平面をxy平面とする。x方向とy方向はz方向に直交する。
【0013】
1.全体構造
配管支持装置10の斜視図を
図1Aに、ユニバーサルロック装置116を拡大した斜視図を
図1Bに、z方向から観察される上面図を
図2に、x方向から観察される側面図を
図3に、y方向から観察される側面図を
図4にそれぞれ模式的に示す。配管支持装置10は、基本的な構成として、ベースプレート102、ばね座104、少なくとも一つのばね106、一対の側面プレート108、およびリミットストップ110を備える。配管支持装置10はさらに、任意の構成として、ロードコラム112、ガイドコラム114、フランジ128、およびユニバーサルロック装置116を有する。これらの構成は、鉄やステンレスなどの金属を用いて形成される。以下、これらの構成について詳述する。
【0014】
1-1.ベースプレート
ベースプレート102は、配管支持装置10を取り付け場所に固定するための複数の穴118を有する。配管支持装置10を設置する場合には、穴118を通してボルトとナットなどの締結部材により、取り付け場所に固定することができる。ベースプレート102は、取り付け場所のスペースに合わせて形状を変更することができ、穴118は、ベースプレート102の形状に合わせて配置される。具体的には、穴118は、
図2に示すように、ばね座104を挟んで対角線上に設けられる。
図2に示される例では、ベースプレート102は矩形の形状であり、複数の穴118は、ベースプレート102の四隅にばね座104を挟んで対角線上に設けられる。ベースプレート102に穴118を有することで、配管支持装置10を取り付け場所に安定して固定することができ、さらに配管支持装置10を取り外すことが容易にできる。ただし、配管支持装置10を溶接等で取り付けてもよい。
【0015】
ベースプレート102は、ばね106、および側面プレート108を支持する。ベースプレート102は、ばね106の伸縮方向に対して垂直となるように配置される。ベースプレート102は、ばね106を固定するためにガイドパイプ120を備えることができる。ばね106はz方向に伸縮するが、xy平面内の移動を移動することがある。このとき、ガイドパイプ120をベースプレート102の上においてばね106の外形もしくは内形に沿って設けることで、ばね106を設置した位置に固定することができ、ばね106がxy平面内を移動することを防止することができる。ばね106のxy平面内の移動を防止することで、ばね106は配管支持装置10からの脱落を防止される。
【0016】
ガイドパイプ120は、
図3に示すように、ばね106の外周を連続的に囲むように設けてもよく、また、ばね106の外周を断続的に囲むように設けてもよい。
【0017】
ガイドパイプ120は、溶接やボルト留め等によってベースプレートに接続・固定され、ベースプレート102から上方(z方向)に延伸する。ガイドパイプ120は、ベースプレート102から上方へばね106の少なくとも座面高さ分の高さであればよく、また、開口部122下端より小さければよい。
【0018】
1-2.ばね座
ばね座104はベースプレート102と対向し、その主面がベースプレート102のxy平面と平行または実質的に平行になるように配置される。
図2に示すばね座104の模式的上面図から理解されるように、破線で示されるばね106と重なる中心部104a、および中心部104aを挟む一対の端部104bを含む。端部104bは中心部104aからxy平面において突き出した部分であり、中心部104aを介して互いに対向する。このため、端部104bは、z方向においてばね106とは重ならない。詳細は後述するが、側面プレート108によってばね106のxy平面における動きが規制される。このため、ばね座104の下面にばね106の移動を防止するための構造(凹凸、リブなど)を設ける必要はなく、下面はばね座104全体に亘って平坦でもよい。以下、端部104bが中心部104aから延伸する方向をx方向とする。
【0019】
端部104bは、側面プレート108の一部であるリミットストップ110の下に配置される。端部104bは、側面プレート108の上に配置される。これより、リミットストップ110と側面プレート108との間に位置し、z方向においてリミットストップ110と側面プレート108に重なり合う。ばね座104は、ばね106の動きに連動する。ばね座104は、ばね106の上方(z方向)および下方(z方向)の動きに合わせ、上方(z方向)および下方(z方向)に動く。
図4に示されるように、ばね座104の上方(z方向)における動きは、リミットストップ110によって規制され、側面プレート108によって下方(z方向)における動きが規制される。この規制により、ばね座104は、たわみ領域124のz方向の高さ分だけz方向に動く。ここで、
図4に示される例では、たわみ領域124にスペーサ126が収納されていることにより、たわみ領域124内におけるばね座104の動きはなく、ばね座104は固定されている。
【0020】
1-3.側面プレート
第1の側面プレート108-1と第2の側面プレート108-2を含む一対の側面プレート108は、ベースプレート102に接続・固定される。
図1Aに示す例では、第1の側面プレート108-1と第2の側面プレート108-2は、ベースプレート102に接続・固定され、ベースプレート102から上方(z方向)に延伸する。第1の側面プレート108-1と第2の側面プレート108-2は、溶接やボルト留め等によってベースプレート102に接続・固定されてもよく、あるいはベースプレート102と一体化されていてもよい。
【0021】
一対の側面プレート108は、ばね座104およびばね106を挟むように配置される。具体的には、
図2に示すように、側面プレート108はxy平面においてばね座104を挟む。
図2に示される例では、第1の側面プレート108-1と第2の側面プレート108-2は、y方向においてばね座104を介して互いに対向する。また、具体的には、
図3に示すように、一対の側面プレート108は、ばね106を挟む。
図3に示される例では、第1の側面プレート108-1と第2の側面プレート108-2は、y方向においてばね106を介して互いに対向する。このような側面プレート108の配置により、ばねのxy平面内での動きは側面プレートによって規制される。
【0022】
側面プレートは、開口部122が設けられている。開口部122は、ばね座104の端部104bが収納される。上述したように、このばね座104の端部104bの動きとともに、ばね106のz方向の動きも許容される。
【0023】
開口部122の幅は、
図2に示すように、x方向において、中心部104aの直径より小さく、端部104bが開口部122内に収納されている。これにより、ばね座104のz軸廻りの回転を規制することができる。
【0024】
開口部122を側面プレート108に設けることにより、側面プレート108はリミットストップ110の機能を兼ね備えることができ、リミットストップ110を構成する部品を追加することなく、配管支持装置10を製造することができる。
【0025】
1-4.ばね、ロードコラム、およびガイドコラム
ばね106は、その中心軸(以下、ばね軸)がz方向となるようにばね座104とベースプレート102の間に配置される。ばね106は、ばね座104とベースプレート102で挟持されるものの、これらと溶接やボルト留めをする必要は無い。
【0026】
図1Aなどに示した例では、配管支持装置10には少なくとも一つのばねが設けられるが、この少なくとも一つのばね106は複数のばね106を含んでもよい。複数のばね106が用いられる場合、図示しないが、互いにz方向で重なる複数のばね106を側面プレート108に挟まれるようにばね座104とベースプレート102との間に設けることができる。
【0027】
ばね106は、上方(z方向)および下方(z方向)に動く。ばね106は、ばね座104がばね106の動きに連動していることから、ばね座104だけでなく、リミットストップ110と側面プレート108によって抑制される。
【0028】
ロードコラム112およびガイドコラム114は、長手方向がz方向を向くように配置される。ロードコラム112の一部およびガイドコラム114は、ばね106に囲まれるように配置される。または、ロードコラム112およびガイドコラム114がばね106を囲むように配置することができる。
【0029】
ロードコラム112は、ばね座104の中心部を貫通し、上端がばね座104の上のフランジ128と接合されてもよい。このとき、フランジ128は、ロードコラム112に接合されず、配置されてもよい。ここでのフランジ128は、配管もしくは配管との接続製品を支持する部品である。ロードコラム112とフランジ128を接続する方式は任意であり、例えば溶接やナット130-1等の接合部材によりロードコラム112とフランジ128を接合することができる。また、ナット130-1に代えて六角ボルトをロードコラム112に配置し、六角ボルトにフランジ128を配置することができる。
【0030】
ロードコラム112のばね座104からフランジ128までの長さは、ナット130-1とナット130-2により調節することができる。ナット130-1は、フランジ128との接合に用いられるナットとして用いることができる。ロードコラム112は、ナット130-2によりばね座104に固定することができる。図示しないが、ロードコラム112の下端は、ガイドコラム114に収納される。ロードコラム112の下端は、ガイドコラム114に固定されず、ガイドコラム114内を移動可能である。
【0031】
ガイドコラム114は、ベースプレート102と接合されている。ガイドコラム114とベースプレート102を接続する方式は任意であり、例えば溶接やボルトとナット等の固定または締結部材によりガイドコラム114とベースプレート102を接合することができる。
【0032】
ロードコラム112は、ガイドコラム114に収納されるように、ガイドコラム114の径より径が小さく、ガイドコラム114は、ロードコラム112を収納するように、ロードコラム112の径より径が大きい。ガイドコラム114は、ロードコラム112を収納できるようにロードコラム112の形状に合わせた形状であるとよい。
図3に示される例では、ロードコラム112は円柱状でも筒状でもよく、ガイドコラム114は筒状である。
【0033】
ロードコラム112およびガイドコラム114は、上記構造により、ばね106のxy平面内での動きを抑制し、ばね106のz方向の動きに連動してロードコラム112およびガイドコラム114の合計の長さをz方向に伸縮する。
【0034】
通常、配管をフランジ128に接続する際、配管支持装置10を建造物の床に設置し、ベースプレート102を建造物の床に固定され、この状態で配管がフランジ128に接続される。このとき、ばね106の長さが自然長であると、配管と建造物の床間の高さまでばねを圧縮する必要があり、施工が容易ではないため、予めばね106が所定の高さまで圧縮された状態にセット(プリセット)することが好ましい。
【0035】
したがって、配管支持装置10は、ばね106をプリセットするための構成として、ユニバーサルロック装置116をさらに含んでもよい。
【0036】
1-5.ユニバーサルロック装置
ユニバーサルロック装置116は、リミットストップ110と側面プレート108に囲まれるように配置される。
図1Aから
図4に示される例では、ユニバーサルロック装置116は、側面プレート108の開口部122に配置され、リミットストップ110は側面プレート108と一体化していることにより、側面プレート108に囲まれている。また、
図1Aから
図4に示される例では、ユニバーサルロック装置116が各側面プレート108に1つ設けられているが、
図29Aに示すように、ばね座104の中心を通る対角線上にユニバーサルロック装置116が配置されていればよく、複数のユニバーサルロック装置116を各側面プレート108に設けることができる。
【0037】
ユニバーサルロック装置116は、基本構成として、ヘッド132、ロッド134、ナット136、スペーサ126、および固定部材138を備える。ロッド134の上端にはヘッド132が接続され、ロッド134の下方にはナット136が配置される。ヘッド132とナット136との間には、ロッド134が貫通する固定部材138とスペーサ126が配置される。固定部材138とスペーサ126は、ばね座104の端部104bを挟むように配置される。固定部材138は、リミットストップ110とばね座104の端部の間に位置し、それらに挟まれることによりユニバーサルロック装置116は配管支持装置10に固定される。スペーサ126は、ばね座104と側面プレート108の間に位置し、側面プレート108とばね座104の間隔を調整する。開口部122においてスペーサ126が占める領域は、側面プレート108とばね座104の間隔であるたわみ領域124に相当する。
【0038】
ヘッド132およびロッド134は、一本のボルトから構成することができる。固定部材138およびスペーサ126は、ワッシャ等の薄い金属板状の部品を用いることができる。スペーサ126にワッシャのような薄い金属板状の部品を複数用いることにより、各板状の部品の厚み単位でたわみ領域124の高さを細かく調整することができる。
図1Aに示される例では、固定部材138およびスペーサ126は、中央の穴からxy平面において突き出した部分を有する変形ワッシャである。変形ワッシャを固定部材138およびスペーサ126に用いることにより、ユニバーサルロック装置116をその突き出した部分を用いて開口部122に固定することができる。変形ワッシャには、例えば四角ワッシャや、後述する
図29Bに示す舌付き座金等を含む。
【0039】
配管支持装置10では、ばね座104の上のリミットストップ110を配置することにより、ばね座104を挟んで配置される側面プレート108にリミットストップ110を備えることができ、配管支持装置10の高さを低くすることができる。このため、本実施形態を適用することで、コンパクト化された配管支持装置を提供することができる。
【0040】
さらに、配管支持装置10では、ばね座104を挟んでリミットストップ110とユニバーサルロック装置116のスペーサ126を配置することにより、側面プレート108にリミットストップ110およびユニバーサルロック装置116を備えることができ、配管支持装置10の高さを低くすることができる。このため、本実施形態を適用することで、コンパクト化された配管支持装置を提供することができる。
【0041】
また、配管支持装置10では、側面プレート108にリミットストップ110あるいはリミットストップ110およびユニバーサルロック装置116を兼ね備えることにより、配管支持装置10を構成する部品点数を削減することができる。このため、本実施形態を適用することで、安価な配管支持装置を提供することができる。
【0042】
さらに、配管支持装置10では、配管支持装置10を構成する部品点数が少なく、配管支持装置10の内部を覆う部品も少ないことにより、配管支持装置10の内部まで目視可能であり、通気性が向上する。このため、本実施形態を適用することで、耐食性が高く、メンテナンスが容易である配管支持装置を提供することができる。
【0043】
2.変形例
2-1.変形例1
配管支持装置10の構造は上述した構造に限られない。例えば、
図8に示すように、リミットストップ110を側面プレート108と一体化せず、側面プレート108の上に別途設けてもよい。配管支持装置10の斜視図を
図5に、z方向から観察される上面図を
図6に、x方向から観察される側面図を
図7に、y方向から観察される側面図を
図8にそれぞれ模式的に示す。
【0044】
リミットストップ110は、ばね座104もしくはその端部104bを囲むように設けられる。リミットストップ110は、ばね座104の上もしくはその端部104bの上から、ばね軸と並行にベースプレート102に向かって延伸し、側面プレート108を貫通する。貫通したリミットストップ110は、側面プレート108を挟むように配置されるナット140によって側面プレート108に固定される。
図8に示される例では、側面プレート108は、第1の側面プレート108-1の上方において第1の側面プレート108-1を挟む一対の切り欠き142が設けられている。図示しないが、側面プレート108には、リミットストップ110の挿入可能な開口が設けられている。リミットストップ110は、切り欠き142に端部が現れるように挿入される。リミットストップ110は、切り欠き142に現れたリミットストップ110の端部にナット140-2を設け、その端部のナット140-2と第1の側面プレート108-1を挟むようにナット140-1をさらに設けることにより、第1の側面プレート108-1に固定される。
【0045】
図5などに示すように、リミットストップ110に円筒状の部品を用い、上述したようにリミットストップ110の固定にナットなどの取り外しが容易な固定部材を用いることで、リミットストップ110およびユニバーサルロック装置116の取り付けが容易となる。また、リミットストップ110の固定にナット140等を用いることで、たわみ領域の調整も可能となる。
【0046】
また、配管支持装置10に後述するユニバーサルロック装置116が取り付けられる際には、リミットストップ110は、ユニバーサルロック装置116を囲むように設けられる。リミットストップ110は、ユニバーサルロック装置116の固定部材の上から、ばね軸と並行にベースプレート102に向かって延伸し、側面プレート108を貫通する。リミットストップ110は、側面プレート108の貫通した箇所にて、側面プレート108に固定される。
【0047】
リミットストップ110を側面プレート108にナット140で固定することにより、たわみ領域124の位置を調整することができる。また、ナット140の位置を調整することにより、リミットストップ110の高さ方向(z方向)の調節が可能となる。さらに、リミットストップ110を側面プレート108にナット140で固定することにより、リミットストップ110を容易に交換することができる。このため、本実施形態を適用することで、配管支持装置10の部品単品で交換が可能となり、ランニングコストが低減することができる。このため、本実施形態を適用することで、安価な配管支持装置を提供することができる。
【0048】
2-2.変形例2
あるいは、
図9から
図12に模式的に示すように、リミットストップ110に一対の支持フレーム144を用い、一対の支持フレーム144が側面プレート108を挟むように配置してもよい。配管支持装置10の斜視図を
図9に、z方向から観察される上面図を
図10に、x方向から観察される側面図を
図11に、y方向から観察される側面図を
図12にそれぞれ模式的に示す。
【0049】
リミットストップ110は、側面プレート108を挟む一対の支持フレーム144を含む。支持フレーム144は、ねじ軸と並行にベースプレートに向かって延伸した柱の部分とそれらをかけ渡す梁の部分を有する門型(コの字形)の形状である。支持フレーム144は、開口部146を有し、開口部146にばね座104の端部104bが配置される。
図9および
図12に示す例では、支持フレーム144は、ばね座104あるいはばね座104の端部104bの上に梁の部分が位置し、ばね座104あるいはばね座104の端部104bの側面を柱の部分で囲むように配置される。
【0050】
支持フレーム144の柱の部分は、側面プレート108と重なる部分を含み、その重なる部分において側面プレート108に固定される。また、一対の支持フレーム144は、側面プレート108を厚さ方向に挟み、互いに固定される。
図11に示される例では、一対の支持フレーム144は、第1の支持フレーム144-1と第2の支持フレーム144-2で構成され、第1の支持フレーム144-1と側面プレート108は、第2の支持フレーム144-2と側面プレート108がy方向に重なる部分において、締結部材により固定される。
図11などに示す例では、一対になる第1の支持フレーム144-1および第2の支持フレーム144-2と側面プレート108は、ボルトのヘッド148が側面プレート108とばね106の間に配置され、ボルトとナット150により固定される。
【0051】
ユニバーサルロック装置116が配管支持装置10に取り付けられる際には、支持フレーム144は、ばね座104の上に配置され、さらにユニバーサルロック装置116の固定部材138およびスペーサ126の側面を囲む。
図12に示される例では、支持フレーム144の梁に相当する上部がばね座104の上に配置され、ユニバーサルロック装置116の固定部材138およびスペーサ126の側面を囲むように配置されている。
【0052】
2-3.変形例3
または、
図13から
図16に模式的に示すように、リミットストップ110は、基本的な構成として、ストッパー152とストッパー152を固定する締結部材を含んでもよい。配管支持装置10の斜視図を
図13に、z方向から観察される上面図を
図14に、x方向から観察される側面図を
図15に、y方向から観察される側面図を
図16にそれぞれ模式的に示す。
【0053】
リミットストップ110は、ばね106の上方向(z方向)の動きおよびばね座104の上方向(z方向)の動きを規制するストッパー152を含む。ストッパー152は、ばね座104を跨ぐように設けられ、ばね座104の上に配置される。ストッパー152は、側面プレート108とばね座104を挟むように配置される。ストッパー152は、ストッパー152の両端をそれぞれ側面プレート108のxy平面において突き出した部分とボルト154とナット156などの締結部材により固定され、側面プレート108に固定される。
【0054】
図13などに示す例では、ストッパー152の上にボルト154のヘッド158が配置され、ロッド160がベースプレート102に向かうように配置され、ロッド160は上述した側面プレート108の突き出した部分を貫通し、ナット156によって側面プレート108に固定される。これにより、ストッパー152が側面プレート108に固定される。このとき、ナット156は、ロッド160が側面プレート108を貫通する方向において側面プレート108を一対で挟む。一対のナット156は、
図13などに示す例では、ナット156-1とナット156-2で構成され、一対のナット156の位置を変えることによりスペーサ126の占有面積に相当するたわみ領域124の大きさを調整することができる。
【0055】
2-4.変形例4
あるいは、
図17から
図19に模式的に示すように、リミットストップ110において、側面プレート108の一部がストッパー152の両端を固定してもよい。配管支持装置10の斜視図を
図17に、z方向から観察される上面図を
図18に、x方向から観察される側面図を
図19に、y方向から観察される側面図を
図20にそれぞれ模式的に示す。
【0056】
側面プレート108は、切り欠き162を上方に含む。側面プレート108の一部は、切り欠き162を挟むように位置する。側面プレート108の上端は、
図19に示すように、ばね座104の上まで延伸する。側面プレート108の上端の高さは、ばね座104とフランジ128の間に位置する。側面プレート108の上端と反対の下端は、ベースプレート102と接続している。側面プレート108には、図示しないが、リミットストップ110が挿入可能な開口が設けられ、リミットストップ110が側面プレート108を貫通し、固定されている。
【0057】
切り欠き162には、ユニバーサルロック装置116を設置することができる。ユニバーサルロック装置116の固定部材138はばね座104とリミットストップ110に挟まれるように配置され、スペーサ126は側面プレート108とばね座104に挟まれるように配置される。
【0058】
図17などに示した例では、リミットストップ110のたわみ領域124の大きさを調整する機能は、側面プレート108が担っている。また、
図17などに示した例のように、リミットストップ110にボルト164とナット166を用いる。このとき、ボルト164はヘッド168とロッド170で構成されてもよい。たわみ領域124の大きさの調整に側面プレート108を用いることにより、リミットストップ110を構成する部品点数が少なくすることができる。さらにこれら固定に溶接の必要がないため、部品の取り付けや取り外しが容易となる。
【0059】
2-5.変形例5
さらに、
図21から
図24に模式的に示すように、リミットストップ110が側面プレート108に囲まれるように設けてもよい。配管支持装置10の斜視図を
図21に、z方向から観察される上面図を
図22に、x方向から観察される側面図を
図23に、y方向から観察される側面図を
図24にそれぞれ模式的に示す。
【0060】
リミットストップ110は、側面プレート108と篏合するように設けられる。側面プレート108には、リミットストップ110が篏合できる切り欠き172が設けられ、リミットストップ110は、その切り欠き172に嵌め込まれるように配置されている。リミットストップ110は、上端174と上端174と反対の下端176を含み、下端176はベースプレート102に向いて配置される。上端174と下端176の長さが異なり、下端176が長い形状である。下端176が長い形状であることにより、ばね座104が上方へ動いた際に、リミットストップ110の上方にずれることを防止することができる。
【0061】
リミットストップ110は、上端174と下端176の長さを幅としたときに幅が大きく変化する位置において、ボルトとナット178などの締結部材により、側面プレート108に固定される。
図21などに示す例では、ボルトのヘッド180が側面プレート108のばね106と向き合う面に位置し、ナット178が側面プレート108のばね106と向き合う面と反対の面に位置し、ボルトとナット178によりリミットストップ110は側面プレート108に固定される。また、上述した側面プレート108の面とリミットストップの側面を跨るようにナット178は配置され、リミットストップ110と側面プレート108は固定される。
【0062】
2-6.変形例6
また、
図25から
図28に模式的に示すように、リミットストップ110は一対の固定部材182をさらに備え、側面プレート108に囲まれるように設けられたリミットストップ110は、一対の固定部材138により側面プレート108に固定されてもよい。配管支持装置10の斜視図を
図25に、z方向から観察される上面図を
図26に、x方向から観察される側面図を
図27に、y方向から観察される側面図を
図28にそれぞれ模式的に示す。
【0063】
リミットストップ110は、側面プレート108に篏合するように設けられ、上方において一対の固定部材182によって側面プレート108に固定される。一対の固定部材182は、ばね座104の上に位置し、リミットストップ110および側面プレート108の上方を挟持する。それらを挟持する一対の固定部材182は、ボルトとナット184などの締結部材により締結され、リミットストップ110および側面プレート108を固定する。
図27などに示される例では、一対の固定部材182は固定部材182-1と固定部材182-2で構成され、ナット184が第1の側面プレート108-1とロードコラム112との間に位置する固定部材182-1に配置され、ボルトのヘッド186が固定部材182-1に第1の側面プレート108-1を挟んだ反対に位置する固定部材182-2に配置され、一対の固定部材182-1と固定部材182-2はリミットストップ110および側面プレート108を固定する。さらに、ナット184と固定部材182-1との間には、ワッシャ188などボルトの陥没防止、緩み止めに効果があるような部材を用いてもよい。
【0064】
一対の固定部材182は、上述したようにリミットストップ110と側面プレートを固定することにより自身も側面プレート108に固定される。一対の固定部材182は、ばね座104の上に位置し側面プレート108に固定されることにより、リミットストップ110に加えて、ばね座104の上方の動きをさらに抑制することもできる。
【0065】
ユニバーサルロック装置116が配管支持装置10に取り付けられる際には、一対の固定部材182は、ユニバーサルロック装置116の固定部材138の上に配置され、固定部材138は、リミットストップ110とばね座104の間に位置する。
【0066】
上述した変形例においても、配管支持装置10では、ばね座104の上のリミットストップ110を配置することにより、ばね座104を挟んで配置される側面プレート108にリミットストップ110を備えることができ、配管支持装置10の高さを低くすることができる。このため、本実施形態を適用することで、コンパクト化された配管支持装置を提供することができる。
【0067】
さらに、上述した変形例においても、配管支持装置10では、ばね座104を挟んでリミットストップ110とユニバーサルロック装置116のスペーサ126を配置することにより、側面プレート108にリミットストップ110およびユニバーサルロック装置116を備えることができ、配管支持装置10の高さを低くすることができる。このため、本実施形態を適用することで、コンパクト化された配管支持装置を提供することができる。
【0068】
また、上述した変形例においても、配管支持装置10では、側面プレート108にリミットストップ110あるいはリミットストップ110およびユニバーサルロック装置116を兼ね備えることにより、配管支持装置10を構成する部品点数を削減することができる。このため、本実施形態を適用することで、安価な配管支持装置を提供することができる。
【0069】
さらに、上述した変形例においても、配管支持装置10では、配管支持装置10を構成する部品点数が少なく、配管支持装置10の内部を覆う部品も少ないことにより、配管支持装置10の内部まで目視可能であり、通気性が向上する。このため、本実施形態を適用することで、耐食性が高く、メンテナンスが容易である配管支持装置を提供することができる。
【0070】
<第2実施形態>
本実施形態では、第1実施形態で述べた配管支持装置10とは異なる構造を有する配管支持装置20について説明する。第1実施形態で述べた構成と同一または類似する構成については、説明を割愛することがある。
【0071】
配管支持装置20の斜視図を
図29Aに、ユニバーサルロック装置116を拡大した斜視図を
図29Bに、z方向から観察される上面図を
図30に、x方向から観察される側面図を
図31に、y方向から観察される側面図を
図32にそれぞれ模式的に示す。これらの図に示すように、配管支持装置20は、基本的な構成として、少なくとも一つのばね106、ばね座104、ベースプレート102、一対の側面プレート108、およびリミットストップ110を備える。配管支持装置20はさらに、任意の構成として、ロードコラム112、ガイドコラム114、フランジ128、およびユニバーサルロック装置116を有してもよい。
【0072】
1.側面プレート
側面プレート108は、ばね106の外形よりxz平面において突き出た部分190を含むT字状である。
図32に示す例では、突き出た部分190は、側面プレート108の上方に位置し、上端192を含む。側面プレート108は、下方に切り欠き194を含むT字状である。
図32に示す例では、T字状の側面プレート108は、下方の切り欠き194により上端192が長く、下端196が短くなっている。
【0073】
突き出た部分190は、後述するリミットストップ110の開口198から露出する。同一の側面プレートにおける突き出た部分190は、それぞれ異なるリミットストップ110の開口198から露出する。
図29Aなどに示す例では、第1の側面プレート108-1の突き出た部分190はリミットストップ110の開口198から露出し、第1の側面プレート108-1の突き出た部分190はリミットストップ110の開口198から露出する。ここで、
図29Bなどに示す例では、リミットストップ110の開口198にユニバーサルロック装置116が設けられ、ユニバーサルロック装置116が突き出た部分190を覆っている。
【0074】
2.リミットストップ
リミットストップ110は、ばね座104の上に配置される。リミットストップ110は、ボルトとナット200などの締結部材でばね座104に固定される。
図32などに示される例では、ボルトのヘッド202をリミットストップ110の上に配置し、リミットストップ110をばね座104に固定している。第1実施形態では、ばね座104とリミットストップ110は互いに固定されておらず、ばね座104の上方の動きを、ばね座104の上に位置するリミットストップ110が抑制していることに対し、第2実施形態では、ばね座104とリミットストップ110が互いに固定されることにより、ばね座104の上方の動きを、側面プレート108の突き出た部分190の下に位置するリミットストップ110が抑制している。
【0075】
リミットストップ110はさらに、一対の側面プレート108に跨るように配置される。
図29Aに示される例では、一対の側面プレート108は、第1の側面プレート108-1および第2の側面プレート108-2で構成され、リミットストップ110は、第1の側面プレート108-1および第2の側面プレート108-2に跨って配置される。
【0076】
リミットストップ110は、少なくとも一つの開口198を有する。少なくとも一つの開口198は、複数の開口198を含む。
図29Aなどに示す例では、少なくとも一つの開口198は、第1の開口198-1と第2の開口198-2を含む。リミットストップ110は、
図31に示されるように、第1の開口198-1にて第1の側面プレート108-1と組み合わされ、第2の開口198-2にて第2の側面プレート108-2と組み合わされる。リミットストップ110は、第1の開口198-1と第2の開口198-2において異なる側面プレートと組み合わされる。
【0077】
リミットストップ110はさらに、幅L1の切り欠きを含み、幅L1はばね106の外形L2より大きい。幅L1の切り欠きの両側には、上述した開口198が配置されている。
図31に示す例では、第1の開口198-1と第2の開口198-2が幅L1の切り欠きの両側にそれぞれ配置されている。
【0078】
開口198には、側面プレート108の突き出た部分190の他に、ユニバーサルロック装置116が設置されている場合がある。
【0079】
3.ユニバーサルロック装置
第1実施形態では、各側面プレート108にユニバーサルロック装置116を一つ設ける例を示したが、配管支持装置20では、各側面プレート108に複数のユニバーサルロック装置116が設けられる。
図30に示される例では、配管支持装置20には、フランジ128の中心を通る対角線上に配置される複数のユニバーサルロック装置116を、第1の側面プレート108-1および第2の側面プレート108-2にそれぞれ2つずつ設けられている。
【0080】
ユニバーサルロック装置116は、リミットストップ110の開口198に配置される。ユニバーサルロック装置116は、側面プレート108の突き出た部分190をスペーサ126と固定部材138とで挟み、開口198に配置される。リミットストップ110は、スペーサ126を上方に、固定部材138を下方に配置する。
図32に示される例では、スペーサ126は、開口198において、第1の側面プレート108-1の上端192とリミットストップ110との間に位置する。固定部材138は、開口198において、突き出た部分190の切り欠き194側とリミットストップ110との間に位置する。
【0081】
配管支持装置20では、リミットストップ110が、ばね座104の上とばね座104の下に配置される一対の側面プレート108に跨るように配置されることにより、配管支持装置20の高さを低くすることができる。このため、本実施形態を適用することで、コンパクト化された配管支持装置を提供することができる。
【0082】
また、配管支持装置20では、リミットストップ110に開口198を設け、開口198にユニバーサルロック装置116のスペーサ126を配置することにより、配管支持装置10の高さを低くすることができる。このため、本実施形態を適用することで、コンパクト化された配管支持装置を提供することができる。
【0083】
さらに、配管支持装置20では、リミットストップ110と側面プレート108は、リミットストップ110の開口にて側面プレート108の突き出た部分190によって組み合わされ、配管支持装置20の部品単品で交換が可能となり、ランニングコストを低減することができる。このため、本実施形態を適用することで、安価な配管支持装置を提供することができる。
【0084】
加えて、配管支持装置20では、リミットストップ110にばね106の外形より幅の大きい切り欠きを設けることにより、内部まで目視可能であり、通気性が向上する。このため、本実施形態を適用することで、耐食性が高く、メンテナンスが容易である配管支持装置を提供することができる。
【0085】
本発明の実施形態として上述した各実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。また、各実施形態を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0086】
また、上述した各実施形態によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと理解される。
【符号の説明】
【0087】
10:配管支持装置、20:配管支持装置、102:ベースプレート、104:ばね座、104a:中心部、104b:端部、106:ばね、108:側面プレート、108-1:第1の側面プレート、108-2:第2の側面プレート、110:リミットストップ、112:ロードコラム、114:ガイドコラム、116:ユニバーサルロック装置、118:穴、120:ガイドパイプ、122:開口部、124:領域、126:スペーサ、128:フランジ、130-1:ナット、130-2:ナット、132:ヘッド、134:ロッド、136:ナット、138:固定部材、140:ナット、140-1:ナット、140-2:ナット、144:支持フレーム、144-1:第1の支持フレーム、144-2:第2の支持フレーム、146:開口部、148:ヘッド、150:ナット、152:ストッパー、154:ボルト、156:ナット、156-1:ナット、156-2:ナット、158:ヘッド、160:ロッド、164:ボルト、166:ナット、168:ヘッド、170:ロッド、174:上端、176:下端、178:ナット、180:ヘッド、182:固定部材、182-1:固定部材、182-2:固定部材、184:ナット、186:ヘッド、188:ワッシャ、190:部分、192:上端、196:下端、198:開口、198-1:第1の開口、198-2:第2の開口、200:ナット、202:ヘッド
【要約】
【課題】耐食性が高く、メンテナンスが容易であり、コンパクト化され、安価な配管支持装置を提供すること。
【解決手段】配管支持装置は、少なくとも一つのばね、ばねの上のばね座、ばね座に対向するベースプレートと、ばねを挟む一対の側面プレートと、ばね座の上のリミットストップと、を備える。リミットストップと側面プレートで囲まれるユニバーサルロック装置とをさらに備え、ユニバーサルロック装置は、ばね座と側面プレートとの間にスペーサを備えてもよい。ベースプレートの上にガイドパイプと、をさらに備え、ガイドパイプは、ばねの外形もしくは内形に沿って配置されてもよい。スペーサは、複数のワッシャを含んでもよい。ばね座と側面プレートとの間隔は、ばね座と側面プレートとの間のスペーサにより調整されてもよい。
【選択図】
図1A