(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-03
(45)【発行日】2023-10-12
(54)【発明の名称】組み立て式上下燃焼調理窯
(51)【国際特許分類】
A47J 37/06 20060101AFI20231004BHJP
A21B 1/52 20060101ALI20231004BHJP
A47J 33/00 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
A47J37/06 326
A21B1/52
A47J33/00
(21)【出願番号】P 2023119727
(22)【出願日】2023-07-24
【審査請求日】2023-08-07
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトの掲載日令和5年7月8日 ウェブサイトのアドレスhttps://www.instagram.com/p/CudDyPmhD9H/?img_index=1 https://www.instagram/stories/highlights/18007303843728510/ 公開者 ヨシ電子株式会社 公開された発明の内容 ヨシ電子株式会社が、上記アドレスのウェブサイトで公開されているヨシ電子株式会社のウェブサイトに、安藤嘉浩、河崎浩二、高橋悠が発明した組み立て式上下燃焼調理窯について公開した。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】503263366
【氏名又は名称】ヨシ電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100160657
【氏名又は名称】上吉原 宏
(72)【発明者】
【氏名】安藤嘉浩
(72)【発明者】
【氏名】河崎浩二
(72)【発明者】
【氏名】高橋悠
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3177873(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J37/00-37/12
A21B 1/52
A47J33/00
F23B20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分割する複数の筒状本体部(10)で構成され、
前記本体部(10)は、上段燃焼室(30)と、中段調理部(40)と、下段燃焼室(50)を有し、
前記上段燃焼室(30)は、上方が開口する上段上方開口部(31)と、上段空気取り入れ口(33)を備えた上段側壁(32)と、とを備え、
前記中段調理部(40)は、上方が開口する中段上方開口部(41)と、中段底面(42)と、中段側壁(43)に調理プレート(44)を挿入可能にする調理プレート挿入口(45)が備えられ、
前記中段底面(42)と下段上面(54)とが共通する部材の仕切り材(46)で仕切られ、
前記下段燃焼室(50)は、上方に前記仕切り材(46)と、下段空気取り入れ口(52)並びに燃焼物挿入口(56)とを備えた下段側壁(51)と、下段下側端部に閉塞した底板(53)を備え、
前記上段燃焼室(30)を構成する上段領域部分(34)と、前記中段調理部(40)を構成する中段領域部分(47)及び前記下段燃焼室(50)を構成する下段領域部分(57)とが、入れ子状(70)に分解収納できる構造であることを特徴とする組み立て式上下燃焼調理窯(1)。
【請求項2】
前記本体(10)の底板(53)の外面に脚部(20)を備え、該脚部(20)が折り畳み式(60)であることを特徴とする請求項1に記載の組み立て式上下燃焼調理窯(1)。
【請求項3】
前記折り畳み式(60)の前記脚部(20)が、前記底板(53)と重畳的に脱着可能な脚取り付け板(61)に装着されていることを特徴とする請求項2に記載の組み立て式上下燃焼調理窯(1)。
【請求項4】
前記上段上方開口部(31)に蓋体(36)を備え、
前記本体(10)の内部に光源(80)を配置することで、前記上段側壁(32)に施された上段空気取り入れ口(33)によって光の模様の演出を可能にしたことを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の組み立て式上下燃焼調理窯(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピザ窯に関し、詳しくは上火と下火の双方に熱源を備えて、窯全体を高温にし、短時間で本格的なピザ焼き調理を可能にするとともに、燃焼炎やライトなどの光源を利用した光の演出もできるような多機能性を備え、且つ入り子状にたためて持ち運びにも便利なピザ窯の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ピザ又はピッツァ(伊:pizza)(以下、ピザという)は、イタリア発祥であるが、世界中で広く食べられている料理であり、日本国内でも、手軽なファミリーレストランから本格的なイタリア料理店まで広く外食産業のメニューとして定着している。また「宅配ピザ」という言葉が一般名称化しているほど、テイクアウトやデリバリー商品として人気を博しており、係る人気は子供から大人まで幅広いものである。また、コロナウイルス感染症の影響で流行り出したソロキャンプや庭先等で楽しむアウトドア調理においては、本格的な石窯までは用意できないものの、簡易的な釜や電気ヒータを用いたオーブンを利用して調理されている現状にある。
【0003】
ピザを美味しく焼くには、具材の水分は保持して閉じ込めつつ、表面はカリッと香ばしくなるように焼くのが理想であり、そのためには釜内の温度が重要である。この点について、伝統的なナポリピッツァを守るために1984年にナポリで創設された「真のナポリピッツァ協会」では、その規約文書に材料や焼き方などが細かく規定されており、温度については、炉床の温度が約485度、窯の天井の温度が約430度で、焼成時間は60~90秒と謳われている。また「日本ナポリピッツァ職人協会」でも、「1分ちょっとで理想的なコルニチョーネやピザの完璧な焼け方のためには、窯の中の温度が450度で炉床が少なくとも400度は必要。」といっている。
【0004】
即ち、表面が少し焦げるくらいにパリっと、中はふんわり、もっちりとした本格的なピザを焼くためには高温、短時間で調理しなければならず、源を電気ヒーターとするものでは、温度は高いものでも300度程度であるため、調理時間が長くなってしまうという欠点がある。また、炉床の下側のみに熱源を配置する従来のピザ窯では、対流や伝熱により窯全体の温度を上げるために焼き始めるまでの時間が長く、窯の天井部分と床部分において温度差が生じてしまうという問題がある。なお、アウトドアでのムード作りにおいても、ゆらゆらと揺れる燃焼炎を使う窯が望まれているといえる。
【0005】
そのように炎が出る窯の熱源には薪や炭の他にガスもある。しかし、アウトドアにおいては、出来ればガスなどの青白い炎よりも薪などの熱源を利用して赤色の燃焼炎が望ましい。確かに、ガスであればカセットコンロなどに用いられるコンパクト形状なボンベを用いて小型化が可能であるのに対し、薪や炭などの調理具は、大型のものが殆どである。そこで、薪や炭を熱源とするものであっても、小型でコンパクトに収納できる調理具が求められているところである。
【0006】
また、ピザ窯は、ピザを焼かない時にはしまうこととなるが、出し入れもなかなか面倒であり、ピザを焼かないときには、灯籠やたき火台などの別の用途で使用できることも望まれる。
【0007】
このような現状に鑑み、従来からも種々の技術提案がなされている。発明の名称を「組み立てピザ窯」とし、解決しようとする課題を「任意の場所に携帯して使用することができ、保管場所や使用場所での搬入及び搬出を容易に行うことができる小型、軽量の組み立て式ピザ窯を提供する。」とするもので、具体的な解決手段を「組み立て式のピザ窯であって、上蓋は、略円筒環状体の側面部にピザ出し入れ口を設けると共に、天面部が鍋底状に形成されて成り、中蓋は、略円筒環状体の上面がピザ焼成板によって閉塞され、該ピザ焼成板の周縁部における前記ピザ出し入れ口の対向位置に所定長さの円弧状の切り込みを入れ、該切り込みの端部同士を結ぶ線にてピザ焼成板を上方へ折曲することで打ち抜き立設板を鉛直状に立ち上げて通気開口部を形成して成り、底窯は、鍋底状に形成し、側面部所定箇所には燃料投入口を設けると共に、側面部あるいは底面部には複数の通風孔を設けて成り、上蓋と中蓋と底窯とが段重ね構造によって組み立てられ、且つ、連結手段を介して連結固定される。」としたものである。しかしながら、係る技術は、燃焼室が下部のみであり、その下部に発生した熱を通気開口部から上方へと導く所謂熱の対流を利用したものである。従って、底部熱源と上部に上昇した熱源では温度差が大きく理想的な温度管理が難しいものと考えられる。
【0008】
また、発明の名称を発明の名称を「携帯ピザ窯」とし、解決しようとする課題を「大型石窯に匹敵する摂氏450度~600度の高温を可能にし、ピザの両面を90秒~150秒の短時間でムラなく焼成できる性能を持つ携帯ピザ窯を提供するものである。」とするもので、具体的な解決手段を「基台2の上に、上蓋3を要する金属製筒型の本体1を載置する。本体内に炭用ロストル4とピザ用ロストル5を設置することで、炭燃焼室Aを形成する。ピザ用ロストルの上部にピザ焼成用のドーム型熱反射板6を設置することでピザ焼成室Bを形成し、ドーム型熱反射板と上蓋の間を副燃焼室Cとする。」としたものである。係る技術は、石窯に匹敵する摂氏450度~600度の高温を可能にし、ピザの両面を90秒~150秒の短時間でムラなく焼成して、石窯で焼いた食感にするものであり、本発明と課題が共通する。しかしながら、熱反射板による熱源からの反射熱により、ピザの両面をムラなく効率的に焼く事が出来るとしているものの、素材を鋳鉄製としているため、石窯に匹敵する高温にするまでの予熱時間がかかるという問題があると考えられる。
【0009】
また、発明の名称を「ピザ焼き器」とし、解決しようとする課題を「ピザを短時間で焼き上げること。」とするもので、具体的な解決手段を「ピザ焼き器は、内部に焼き室を有するケーシングと、焼き室において上下方向に複数設けられ、ピザが載置される網状の載置棚と、焼き室において複数の載置棚の上方および下方に設けられ、ピザを加熱する上側熱放射部および下側熱放射部と、上側熱放射部と下側熱放射部との間に水平方向に延びる公転軸が設定され、上側熱放射部と下側熱放射部との間において複数の載置棚を一体として公転軸を中心に公転させる駆動部とを備えている。」というものである。係る技術は、ピザを短時間で焼き上げるため、上側熱放射部と、下側熱放射部を備え、上下に載置棚が駆動されることにより上下からの熱を均等に与える事が出来るというものであり、上下に熱源を備えるという点で本発明と共通する部分を有している。しかしながら、係る技術は電気ヒーターであり、また、載置棚が上下移動するため、焼き室が上下方向に長くなり、コンパクトに収容することができないという欠点を有するとともに、構造が複雑でコストがかかるという問題を残しているといえる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】実用新案登録第3234549号
【文献】実用新案登録第3177873号
【文献】特開2019-58377号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上火と下火の双方に熱源を備えることで、窯全体による高温で短時間の本格的なピザ焼き調理を可能にするとともに、燃焼炎やライトなどの光源を利用した光の演出もできるような多機能性を備え、且つ、入り子状にコンパクトにたためて持ち運びにも便利なピザ窯の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、分割する複数の筒状本体部で構成され、本体部は、上段燃焼室と、中段調理部と、下段燃焼室を有し、上段燃焼室は、上方が開口する上段上方開口部と、上段空気取り入れ口を備えた上段側壁とを備え、中段調理部は、上方が開口する中段上方開口部と、中段底面と、中段側壁に調理プレートを挿入可能にする調理プレート挿入口が備えられ、中段底面と下段上面は共通する仕切り材で仕切られ、下段燃焼室は、上方に前記仕切り材と下段空気取り入れ口を備えた下段側壁と、閉塞した底板を備え、上段燃焼室を構成する上段領域部分と、中段調理部を構成する中段領域部分及び下段燃焼室を構成する下段領域部分とが、入れ子状に分解収納できる構成を採用した。
【0013】
また、本発明は、前記本体部の底板の外面に脚部を備え、該脚部が折り畳み式である構成を採用することもできる。
【0014】
また、本発明は、前記折り畳み式の前記脚部が、前記底板と重畳的に脱着可能な脚取り付け板に装着されている構成を採用することもできる。
【0015】
また、本発明は、前記上段上方開口部に蓋体を備え、前記本体の内部に光源を配置することで、前記上段側壁に施された上段空気取り入れ口によって光の模様の演出を可能にする構成を採用することもできる。
【発明の効果】
【0016】
また、本発明に係る組み立て式上下燃焼調理窯によれば、上下に高温の熱源があり、上下二段からの加熱を同時に行うことができることから、本格的な石窯と同様に短時間での高温調理ができ、内部は適度な水分を保持させてふっくらとしつつ、外側表面はぱりっと香ばしい美味しいピザを提供できるという優れた効果を発揮する。
【0017】
また、本発明に係る組み立て式上下燃焼調理窯によれば、上段領域部分と下段領域部分とを分離して分解することができる構造であり、アウトドアなどで利用する時に持ち運びの負担が軽減するといった優れた効果を発揮する。
【0018】
また、本発明に係る組み立て式上下燃焼調理窯によれば、燃焼性能を上げるために設けられた空気穴から漏れる光によって美的効果を演出するといった優れた効果を発揮する。
【0019】
また、本発明に係る組み立て式上下燃焼調理窯によれば、上部を利用して焚き火台とすることもできるという優れた効果を発揮する。
【0020】
また、本発明に係る組み立て式上下燃焼調理窯によれば、上部に上段調理具を利用してバーベキューコンロとしても利用できるといった優れた効果を発揮する。
【0021】
また、本発明に係る組み立て式上下燃焼調理窯によれば、下部を利用してバーベキューコンロとしても利用できるといった優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明に係る組み立て式上下燃焼調理窯の基本構成を説明する基本構成説明斜視図である。
【
図2】本発明に係る組み立て式上下燃焼調理窯の基本構成を説明する基本構成平面図である。
【
図3】本発明に係る組み立て式上下燃焼調理窯の二段式燃焼室構成を説明する構成説明図である。
【
図4】本発明に係る組み立て式上下燃焼調理窯の使用例を説明する使用状態説明図である。
【
図5】本発明に係る組み立て式上下燃焼調理窯の灯篭としての実施例を説明する実施例説明図である。
【
図6】本発明に係る組み立て式上下燃焼調理窯の組立前の分解した状態を説明する組立前分解図である。
【
図7】本発明に係る組み立て式上下燃焼調理窯の入子状に収納可能とすることを説明する収納状態説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、分割する複数の筒状の本体部で構成され、上段燃焼室と下段燃焼室の上下二段に熱源を配置させて高温調理を可能にしたことと、分解組立を容易にしてコンパクトに収容可能としたことを最大の特徴とするものである。以下、図面に基づいて説明する。但し、係る図面に記載された形状や構成に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の創作として発揮する効果の得られる範囲内で変更可能である。
【0024】
図1は、本発明に係る組み立て式上下燃焼調理窯1の基本構成を説明する基本構成説明斜視図である。以下、各構成について説明する。
【0025】
組み立て式上下燃焼調理窯1は、分割する複数の筒状本体部10で構成され、前記本体部10は、上段燃焼室30と、中段調理部40と、下段燃焼室50を有し、前記上段燃焼室30は、上方が開口する上段上方開口部31と、上段空気取り入れ口33を備えた上段側壁32とを備え、前記中段調理部40は、上方が開口する中段上方開口部41と、中段底面42と、中段側壁43に調理プレート44を挿入可能にする調理プレート挿入口45が備えられ、前記中段底面42と下段上面54とが共通する部材の仕切り材46で仕切られ、前記下段燃焼室50は、上方に前記仕切り材46と、下段空気取り入れ口52並びに燃焼物挿入口56とを備えた下段側壁51と、下段下側端部に閉塞した底板53を備え、前記上段燃焼室30を構成する上段領域部分34と、前記中段調理部40を構成する中段領域部分47及び前記下段燃焼室50を構成する下段領域部分54とが、入れ子状70に分解収納できる構造である構成を基本構成とするものである。
【0026】
燃焼物Nは、燃焼のための原料であり、具体的には、例えば薪や木炭などの可燃性物である。薪は木をそのまま切り出したもので、主に焚き火に使われ、一方、炭は木を蒸し焼きにして炭化させたもので、主に調理に使われている。
【0027】
針葉樹は、密度が低く油分が多いため、燃えやすい特徴がある。そのため、焚き火の際は焚き付けとして使うと効率的である。樹種の例として、ヒノキ、マツ、スギなどが挙げられる。広葉樹の薪は、密度が高く油分が少ないため、燃えにくい特徴がある。そのため、火を長持ちさせたいときに役立つ。樹種の例として、カシ、クヌギ、ナラなどが挙げられる。
【0028】
バーベキューなどの調理に使う炭(木炭)は、黒炭・白炭・オガ炭が代表的であり、黒炭は初心者でも扱いやすいという特徴がある。炭質が柔らかい黒炭は、ナラやクヌギなどの木材を材料にしている国内産と、マングローブが使われている外国産があり、国内産の黒炭は、火がつきやすく煙が少ないので調理用に向いており、外国産は燃焼時間が短く煙が多いものの、初心者にも扱いやすくホームセンターなどで手軽に入手できるという特徴がある。
【0029】
白炭は、炭質が硬く着火しにくい反面、着火すれば均一で安定した火力を長時間得られるのが特徴である。表面に灰がついていて、白っぽいことから白炭と呼ばれており、代表的なのは高級料亭でも使用されている「備長炭」である。係る「備長炭」は、黒炭に比べると着火するのに少し手間がかかることがあるため、炭の扱いに慣れている人に向いているといわれている。
【0030】
オガ炭は、おがくずを炭にした後に、粉砕して固めて加工した炭で備長炭に似た性質を持つといわれている。形状は四角形や六角形がほとんどで、「ちくわ」のように中央に穴が空いている。やや着火しにくいが、火が長持ちしやすく、頻繁な炭の継ぎ足しが不要なのが特徴である。備長炭に似た性質でありながら比較的リーズナブルであり、飲食店では焼肉や焼き鳥、うなぎの蒲焼きなどに用いられている。なお、図面では、燃焼物Nを薪を例にして示したが、上記の炭以外の他にもメタノール固形燃料、或いはホワイトガソリン、アルコール又はケロシンなどの液体燃料でもよい。
【0031】
本体部10は、筒体を構成する本体となる。上方に上段燃焼室30、下方に下段燃焼室50、これらの間に中段調理部40の三つの層を形成し、それぞれの側壁となる。
図1及び
図2に示したのは組み立てた使用状態において、上方となる片側端部が開口し、下方となる反対端部が閉塞した円筒形状であるが、係る形状に限定されるものではなく、角筒形状、多角筒形状でもよい。
【0032】
脚部20は、燃焼による熱が地面や床などへ伝熱するのを避けるために設けるものである。焚き火台については各自治体やキャンプ場等において底面から地面までの距離を定めている所もあり、少なくとも15cm以上の高さの空間領域を設けることが望ましい。
【0033】
上段燃焼室30は、ピザやパンの調理の際に、下段燃焼室50と同時に燃焼物Nを燃焼させ上下二段に熱源を配置する場合や、係る上段燃焼室30のみで燃焼物Nを燃焼させて焚き火台としての使用、或いは開口部に上段調理具35を置いてバーベキュー等を楽しむこともできる。
【0034】
上段上方開口部31は、上段燃焼室30の上方が開口した開口部であり、バーベキューの時は網などの上段調理具35を置いて利用することを可能とするものである。また、焚き火台として使用する場合に、薪等燃焼物Nを上部の上段調理具35を外して挿入する時に利用する開口部のことである。
【0035】
上段側壁32は、上段空気取り入れ口33を有した上段燃焼室30の側壁である。
【0036】
上段空気取り入れ口33は、上段燃焼室30の側壁32に設けられる燃焼に必要な空気を取り入れるための穴部である。また、係る空気取り入れ口33は、焚き火の際に内部から放たれる燃焼に基づく光を燈火し、係る光によって演出することができる。図面に示したのは、花火をモチーフにしたものである。但し、係る演出効果は図面に表した例に限定されるものではなく、燃焼に必要な空気を取り入れられる穴であればよい。
【0037】
上段領域部分34は、上段燃焼室30によって構成される空間領域のことである。
【0038】
上段調理具35は、開口部31に載置される網、格子、及び鉄板などのことである。
【0039】
蓋体36は、本発明に係る組み立て式上下燃焼調理窯の本体部10に照明器具としたライト等の発光体を備えた照明器具として用いる場合、上段上方開口部31を塞ぎ、光源の照射をより効果的に演出するためのものである。
【0040】
中段調理部40は、上側に上段燃焼室30、下側に下段燃焼室50を配置し、これらの間に位置するものである。係る中段調理部40の上方には中段上方開口部41、下方に中段底面42が配置され、中段側壁43により囲まれた領域である。なお、かかる中段調理部40には、調理プレート44が出し入れされるための調理プレート挿入口45が設けられている。
【0041】
中段上方開口部41は、中段調理部40の上方が開口した開口部である。
【0042】
中段底面42は、中段調理部40の下方を閉塞する面板である。
【0043】
中段側壁43は、中段調理部40の中段領域部46を構成する周方向に配置される側壁で、調理プレート44を出し入れする調理プレート挿入口45を備えるものである。
【0044】
調理プレート44は、被加熱調理物を乗せて中段調理部40内に挿入し、加熱調理を行うプレートである。素材は衛生面等からステンレス製が望ましい。例えば、ピザピールのように円形の板状部材を取り出しやすく取手を設けたものである。
【0045】
調理プレート挿入口45は、調理プレート44を出し入れし易い大きさの開口部を中段調理部40の中段側壁43に設けた開口穴である。
【0046】
仕切り材46は、中段と下段を仕切るための部材であって、上面が中段調理部40の底面となり、下面が下段燃焼室50の上面となるものである。
【0047】
中段領域部47は、中段調理部40によって構成される空間領域のことであり、部材としては下段領域部分57と一体に構成されるものである。
【0048】
下段燃焼室50は、ピザやパンを調理する際に、上段燃焼室50と同時に薪等の燃焼物Nを燃焼させ、上下二段に熱源を配置する場合に使用する燃焼室である。
【0049】
下段側壁51は、下段空気取り入れ口52を有した下段燃焼室50の側壁である。
【0050】
下段空気取り入れ口52は、下段燃焼室50の下段側壁51に設けられる燃焼に必要な空気を取り入れるための穴部である。また、係る下段空気取り入れ口52は、焚き火の際に内部から放たれる燃焼に基づく光を照射し、係る光によって演出するという効果も発揮するものである。なお、図面に示したのは、円をモチーフにしたものである。但し、係る演出効果は図面に表した例に限定されるものではなく、燃焼に必要な空気を取り入れられる穴であればよい。
【0051】
底板53は、本体部10の底部に設けられる板状部材で閉塞した部分である。
【0052】
下段上面54は、仕切り材46の底面である。
【0053】
下段燃焼物支え部材55は、下段燃焼室50内に入りきれず外側に突き出してしまう燃焼物Nを保持及び支える部材である。また更に、使用後の灰を排出しやすくするという役目を果たすものである。
【0054】
燃焼物挿入口56は、下段燃焼室50内に燃焼物Nを投入するための開口穴であり、長い薪を投入した場合に、下段燃焼室50の側壁51よりも外側に突き出せるように開口させた穴部である。
【0055】
下段領域部分57は、下段燃焼室50によって構成される空間領域のことであり、部材としては中段領域部47と一体に構成されるものである。
【0056】
折り畳み式60は、本体部10の本体底面53の底側に脚を設ける構成を採用した場合、係る脚部を折り畳んでコンパクトに収容可能とするための機構である。
【0057】
脚取付板61は、底板53の外側部分に重畳的に配置され、係る脚取付板61に脚部20が備えられるものである。
【0058】
光源80は、本発明に係る組み立て式上下燃焼調理窯の本体部10に、照明器具としたライト等の発光体を備えて照明器具として用いる場合の発光基である。具体的には、例えば点光源ではなく、周方向に複数のLED光源を備えて広域な面方向に照射するタイプの広域照射光源であるとより望ましい。係る広域照射型の光源を用いた場合には、
図4(d)、
図5に示すように、上段側壁32に設けた上段空気取り入れ口33から照射される光の演出を楽しむことができる。
【0059】
図2は、本発明に係る組み立て式上下燃焼調理窯の基本構成を説明する基本構成平面図であり、
図2(a)は、脚部20の無い構成の場合であってブロックB等を敷設した状態を示し、
図2(b)は、折り畳み式60の脚部20を備えた構成を示している。
【0060】
図3は、本発明に係る組み立て式上下燃焼調理窯1の二段式燃焼室構成を説明する構成説明図であり、
図3(a)は、組み立て式上下燃焼調理窯1における下側の下段燃焼室50に燃焼物Nを載置して燃焼している状態を示し、
図3(b)は、組み立て式上下燃焼調理窯1における上側の上段燃焼室30と、下側の下段燃焼室50双方に燃焼体Nが載置され、両方の燃焼室で燃焼している状態を示し、
図3(c)は、組み立て式上下燃焼調理窯における上側の上段燃焼室30に燃焼物Nを載置して燃焼している状態を示している。
【0061】
図4は、本発明に係る組み立て式上下燃焼調理窯の使用例を説明する使用状態説明図であり、
図4(a)は、本体部10の上部の上段燃焼室30に燃焼物Nを燃焼させ、本体部10の上段上方開口部31に上段調理具35を載置し、その上でバーベキューなどの調理を行っている状態を示し、
図4(b)は、上段燃焼室30に薪等の燃焼物Nを燃焼させた焚き火台としての使用例を示し、
図4(c)は、本体の上部の上段燃焼室30と、本体下側の下段燃焼室50の双方で燃焼物Nを燃焼させ、上下ともに熱源を必要とするピザやパンの調理を行っている様子を示し、
図4(d)は、本体部10の上段上方開口部31に蓋体36を載置し、係る蓋体36に光源80を係支して上段側壁32に設けられる空気取り入れ口33から光を照射させる状態を示している。
【0062】
図5は、本発明に係る組み立て式上下燃焼調理窯の灯篭としての実施例を説明する実施例説明図であり、図面に示すように上段上方開口部31に蓋体36を載置し、係る蓋体に光源80を配置することで上段空気取り入れ口33から光が漏れ出し、周囲に光による造形を演出されている状態を示している。なお、
図5では花火をモチーフとしたもので表しているが、その他の幾何学模様や、或いは文字等による公告機能を発揮させてもよい。
【0063】
図6は、本発明に係る組み立て式上下燃焼調理窯の組立前の分解した状態を説明する組立前分解図である。
図6に示すとおり、本発明の特徴でもある、組み立て式構造の分解前の各部材を示したものであり、上段領域部分34を構成する上段燃焼室30と下段領域部分57並びに中段領域部分47が分離していることを示している。
【0064】
図7は、本発明に係る組み立て式上下燃焼調理窯の入子状に収納可能とすることを説明する収納状態説明図であり、上段燃焼室30の内径が下段燃焼室50及び中段調理部40の外径よりも大きく、上段燃焼室30を下に配置して下段燃焼室50及び中段調理部40をその内部に収納することができることを示している。
【0065】
なお、図面には特に示していないが、上段燃焼室30、中段調理部40、及び下段燃焼室50のそれぞれの温度が分かるように、温度計を備えることも好適である。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明に係る組み立て式上下燃焼調理窯によれば、従来のピザ窯より短時間で美味しくピザを焼くことができ、また分割構造のため、楽に持ち運びもできることから、アウトドアやキャンプなどで多くの人の利用が期待でき、生産を通じて産業上利用可能性は高いと思慮される。
【符号の説明】
【0067】
1 組み立て式上下燃焼調理窯
10 本体部
20 脚部
30 上段燃焼室
31 上段上方開口部
32 上段側壁
33 空気取り入れ口
34 上段領域部分
35 上段調理具
36 蓋体
40 中段調理部
41 中段上方開口部
42 中段底面
43 中段側壁
44 調理プレート
45 調理プレート挿入口
46 仕切り材
47 中段領域部分
50 下段燃焼室
51 下段側壁
52 空気取り入れ口
53 底板
54 下段上面
55 下段薪支え台
56 燃焼物挿入口
57 下段領域部分
60 折り畳み式
61 脚取付板
70 入れ子状
80 光源
N 燃焼物
B ブロック
【要約】
【課題】
本発明は、上火と下火の双方に熱源を備えることで、釜全体による高温で短時間の本格的なピザ焼き調理を可能にするとともに、燃焼炎やライトなどの光源を利用した光の演出もできるような多機能性を備え、且つ、入り子状にコンパクトに収納でき持ち運びにも便利なピザ窯の提供を課題とするものである。
【解決手段】
分割する複数の筒状本体部で構成され、本体部は、上段燃焼室と、中段調理部と、下段燃焼室を有し、上段燃焼室は、上方が開口する上段上方開口部と、上段空気取り入れ口を備えた上段側壁とを備え、中段調理部は、上方が開口する中段上方開口部と、中段底面と、中段側壁に調理プレートを挿入可能にする調理プレート挿入口が備えられ、中段底面と下段上面は共通する仕切り材で仕切られ、下段燃焼室は、上方に仕切り材と下段空気取り入れ口を備えた下段側壁と、閉塞した底板を備え、下段下側端部と、燃焼物挿入口とを備えた構成を採用する。
【選択図】
図1