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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-03
(45)【発行日】2023-10-12
(54)【発明の名称】管型正極板ペースト押出装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/16 20060101AFI20231004BHJP
【FI】
H01M4/16 E
H01M4/16 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023528203
(86)(22)【出願日】2020-12-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-07
(86)【国際出願番号】 CN2020139417
(87)【国際公開番号】W WO2022041599
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2023-04-28
(31)【優先権主張番号】202010892876.7
(32)【優先日】2020-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523072429
【氏名又は名称】安徽力普拉斯電源技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】ANHUI UPLUS ENERGY BATTERY TECH CO LTD
【住所又は居所原語表記】No.1,Nuzhen Road,Suixi Economic Development Zone Huaibei,Anhui 235000,China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】石 鵬
(72)【発明者】
【氏名】董 ▲昇▼
(72)【発明者】
【氏名】丁 一
(72)【発明者】
【氏名】肖 占
(72)【発明者】
【氏名】劉 義
【審査官】佐溝 茂良
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第101567443(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管型正極板ペースト押出装置であって、
横梁、リブ及びタブを有する極板本体を備え、前記横梁は、下面には直線的にピン状に分布された複数のリブが設けられ、上面にはタブが設けられ、前記リブは、外部には頂部に開口した中空シェル構造である加工管が覆設され、下端が加工管内の底部に挿着され、前記リブと加工管間の均一な中空領域は充填室であり、前記加工管の外壁の鉛直中心線に、上端が開口して下端が閉鎖する構造であるスライド溝が開設され、
前記加工管の外壁には、加工スライドベースが摺動可能に覆設され、前記加工スライドベースの内部は、頂部がペースト押出室であり、底部が冷却室であり、前記ペースト押出室は、出力端が充填室に連通し、入力端がペースト押出機に連通し、前記冷却室は、冷却水タンクに連通し、充填室内の鉛ペーストを冷却して凝固させるために用いられ、前記加工管の下端には、加工管の上から下への移動を駆動するための昇降部材が接続されることを特徴とする管型正極板ペースト押出装置。
【請求項2】
前記リブ、加工管、加工スライドベースの側断面はいずれも円管構造であり、前記加工管はリブの外部に間隔をおいて覆設され、前記加工管の外壁には、加工スライドベースが密着して摺動可能に覆設されることを特徴とする請求項1に記載の管型正極板ペースト押出装置。
【請求項3】
前記リブの長さは、充填室の長さと同じであり、前記ペースト押出室の分布長さは、前記充填室の長さの1/3であり、前記ペースト押出室の分布長さは、前記冷却室の分布長さと同じであることを特徴とする請求項1または2に記載の管型正極板ペースト押出装置。
【請求項4】
前記充填室の単回の充填面積と前記ペースト押出室で覆われる面積とは同じであることを特徴とする請求項3に記載の管型正極板ペースト押出装置。
【請求項5】
前記加工スライドベースの内壁とスライド溝との対向位置には、閉塞スライダが設けられ、前記閉塞スライダの長さと前記加工スライドベースの長さとは同じであり、前記閉塞スライダは前記スライド溝内に密着して嵌め込まれ、前記閉塞スライダの内壁は前記スライド溝の内壁と面一であり、前記閉塞スライダの内部と前記ペースト押出室との対向位置には、鉛ペーストを充填室に排出するためのペースト排出口が開設されることを特徴とする請求項4に記載の管型正極板ペースト押出装置。
【請求項6】
前記閉塞スライダの上端の内壁には、円環構造である保温仕切板が垂直に設けられ、前記保温仕切板は、前記充填室の内壁に摺動可能に密着し、上方から鉛ペーストを仕切るために用いられることを特徴とする請求項5に記載の管型正極板ペースト押出装置。
【請求項7】
上記請求項6に記載の管型正極板ペースト押出装置が適用される管型正極板のペースト押出方法であって、
極板本体の各リブをそれぞれ対応する加工管内に挿入し、リブの下端を加工管内の底部の固定台に挿着するS1と、
ペースト押出機を導管を介して各ペースト押出室に並列に接続し、冷却水タンクを導管を介して各冷却室とペースト押出機に並列に接続するS2と、
昇降部材は、加工管が一番上まで移動するように駆動し、充填室とペースト押出室との対向領域は第1の充填領域であり、このとき、閉塞スライダはスライド溝の一番下に位置し、保温仕切板は第1の充填領域の上面に閉塞され、固定台は第1の充填領域の底部に位置し、
ペースト押出機は、鉛ペーストを第1の充填領域に徐々に満たさせるように、鉛ペーストを押し出し、第1の充填領域に鉛ペーストで満たされるまで、鉛ペーストが、保温仕切板によって頂部から仕切られ、閉塞スライダによって側部から閉塞され、固定台によって底部から遮断される1回目のペースト押出加工S3と、
昇降部材は、第1の充填領域が冷却室に対向して設けられるように、加工管の下への移動を駆動し、このとき、充填室とペースト押出室との対向領域は第2充填領域であり、上へ移動する過程において、第1の充填領域内の鉛ペーストが冷却室によって急速に凝固され、固体の第1の鉛ペーストコーティングが形成され、
ペースト押出機は、鉛ペーストを第2の充填領域に徐々に満たさせるように、鉛ペーストを押し出し、第2の充填領域に鉛ペーストで満たされるまで、保温仕切板によって頂部から仕切られ、閉塞スライダによって側部から閉塞され、第1の鉛ペーストコーティングによって底部から遮断される2回目のペースト押出加工S3と、
昇降部材は、第2の充填領域が冷却室に対向して設けられるように、加工管の下への移動を駆動し、このとき、充填室とペースト押出室との対向領域は第3充填領域であり、上へ移動する過程において、第2の充填領域内の鉛ペーストが冷却室によって急速に凝固され、固体の第2の鉛ペーストコーティングが形成され、
ペースト押出機は、鉛ペーストを第3の充填領域に徐々に満たさせるように、鉛ペーストを押し出し、第3の充填領域に鉛ペーストで満たされるまで、保温仕切板によって頂部から仕切られ、閉塞スライダによって側部から閉塞され、第2の鉛ペーストコーティングによって底部から遮断され、このとき、充填室全体も完全に満たされる3回目のペースト押出加工S4と、
昇降部材は、第3の充填領域が冷却室に対向して設けられるように、加工管の下への移動を駆動し、このとき、ペースト押出室は対応する充填室を有さず、上へ移動する過程において、第3の充填領域内の鉛ペーストが冷却室によって急速に凝固され、固体の第3の鉛ペーストコーティングが形成される4回目のペースト押出加工S5と、
離型して正極板を取り出すS5と、を含むことを特徴とする管型正極板のペースト押出方法。
【請求項8】
前記離型して正極板を取り出すステップは、具体的には、昇降部材が、加工管を加工スライドベースから分離するように、加工管の下への移動を駆動し、加工管の半分のケースを取り外すと、正極板を上に引き抜くことができ、リブ及びその外壁の鉛ペーストコーティングがともに対応する加工管から離れるステップであることを特徴とする請求項7に記載の管型正極板のペースト押出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉛炭素電池加工の技術分野に属し、特に、管型正極板ペースト押出装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鉛炭素電池は、鉛酸電池及びスーパーキャパシタの両方を一体に組み合わせた新型のスーパー電池であり、スーパーキャパシタの瞬間的な大容量充電の利点を活かすとともに、鉛酸電池の比エネルギーの優位性を活かし、90分間だけで満充電できるという非常に優れた充放電性能を有し、それに、炭素(グラフェン)の添加により、負極のサルフェーション現象が防止され、従来の電池故障の要因の一つが改善され、さらに電池の耐用年数が長くなり、鉛炭素電池の製造時に、押出式の正極板の製造が用いられる必要があり、その過程は、希硫酸溶液、純水、鉛丹及び添加剤等を組み合わせて鉛ペーストを製造してから、ペースト押出機により鉛ペーストを排出管内に押し込むことであり、
従来のペースト押出硬化装置は、1回限りの押出作業であり、ペースト押出完了後に、硬化装置をさらに凝固装置内に移送して硬化を行う必要があり、工程が長く、中間移送により鉛ペーストが流れてしまい、鉛ペーストコーティングの成形効果に影響を与え、また、全ての鉛ペーストを一回で注ぎ込むと、硬化装置の作動範囲が大きくなり、凝固の困難度が高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、従来技術の不足に対して、管型正極板ペースト押出装置を提供し、具体的な技術案は下記の通りである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
管型正極板ペースト押出装置であって、横梁、リブ及びタブを有する極板本体を備え、前記横梁は、下面には直線的にピン状に分布された複数のリブが設けられ、上面にはタブが設けられ、前記リブは、外部には頂部に開口した中空シェル構造である加工管が覆設され、下端が加工管内の底部に挿着され、前記リブと加工管間の均一な中空領域は充填室であり、前記加工管の外壁の鉛直中心線に、上端が開口して下端が閉鎖した構造であるスライド溝が開設され、
前記加工管の外壁には、加工スライドベースが摺動可能に覆設され、前記加工スライドベースの内部では、頂部がペースト押出室であり、底部が冷却室であり、前記ペースト押出室は、出力端が充填室に連通し、入力端がペースト押出機に連通し、前記冷却室は、冷却水タンクに連通し、充填室内の鉛ペーストを冷却して凝固させるために用いられ、前記加工管の下端には、加工管の上から下への移動を駆動するための昇降部材が接続される。
【0005】
さらに、前記リブ、加工管、加工スライドベースの側断面はいずれも円管構造であり、前記加工管はリブの外部に間隔をおいて覆設され、前記加工管の外壁には、加工スライドベースが密着して摺動可能に覆設される。
【0006】
さらに、前記リブの長さは、充填室の長さと同じであり、前記ペースト押出室の分布長さは、前記充填室の長さの1/3であり、前記ペースト押出室の分布長さは、前記冷却室の分布長さと同じである。
【0007】
さらに、前記充填室の単回の充填面積と前記ペースト押出室で覆われる面積とは同じである。
【0008】
さらに、前記加工スライドベースの内壁とスライド溝との対向位置には、閉塞スライダが設けられ、前記閉塞スライダの長さと前記加工スライドベースの長さとは同じであり、前記閉塞スライダは前記スライド溝内に密着して嵌め込まれ、前記閉塞スライダの内壁は前記スライド溝の内壁と面一であり、前記閉塞スライダの内部と前記ペースト押出室との対向位置には、鉛ペーストを充填室に排出するためのペースト排出口が設けられる。
【0009】
さらに、前記閉塞スライダの上端の内壁には、円環構造である保温仕切板が垂直に設けられ、前記保温仕切板は、前記充填室の内壁に摺動可能に密着し、上方から鉛ペーストを仕切るために用いられる。
【0010】
管型正極板のペースト押出方法であって、
極板本体の各リブをそれぞれ対応する加工管内に挿入し、リブの下端を加工管内の底部の固定台に挿着するS1と、
ペースト押出機を導管を介して各ペースト押出室に並列に接続し、冷却水タンクを導管を介して各冷却室とペースト押出機に並列に接続するS2と、
昇降部材は、加工管が一番上まで移動するように駆動し、充填室とペースト押出室との対向領域は第1の充填領域であり、このとき、閉塞スライダはスライド溝の一番下に位置し、保温仕切板は第1の充填領域の上面に閉塞され、固定台は第1の充填領域の底部に位置し、
ペースト押出機は、鉛ペーストを第1の充填領域に徐々に満たさせるように、鉛ペーストを押し出し、第1の充填領域が鉛ペーストで満たされるまで、鉛ペーストが、保温仕切板によって頂部から仕切られ、閉塞スライダによって側部から閉塞され、固定台によって底部から遮断される1回目のペースト押出加工S3と、
昇降部材は、第1の充填領域が冷却室に対向して設けられるように、加工管の下への移動を駆動し、このとき、充填室とペースト押出室との対向領域は第2の充填領域であり、上へ移動する過程において、第1の充填領域内の鉛ペーストが冷却室によって急速に凝固され、固体の第1の鉛ペーストコーティングが形成され、
ペースト押出機は、鉛ペーストを第2の充填領域に徐々に満たさせるように、鉛ペーストを押し出し、第2の充填領域に鉛ペーストで満たされるまで、鉛ペーストが、保温仕切板によって頂部から仕切られ、閉塞スライダによって側部から閉塞され、第1の鉛ペーストコーティングによって底部から遮断される2回目のペースト押出加工S3と、
昇降部材は、第2の充填領域が冷却室に対向して設けられるように、加工管の下への移動を駆動し、このとき、充填室とペースト押出室との対向領域は第3の充填領域であり、上へ移動する過程において、第2の充填領域内の鉛ペーストが冷却室によって急速に凝固され、固体の第2の鉛ペーストコーティングが形成され、
ペースト押出機は、鉛ペーストを第3の充填領域に徐々に満たさせるように、鉛ペーストを押し出し、第3の充填領域に鉛ペーストで満たされるまで、鉛ペーストが、保温仕切板によって頂部から仕切られ、閉塞スライダによって側部から閉塞され、第2の鉛ペーストコーティングによって底部から遮断され、このとき、充填室全体も完全に満たされる3回目のペースト押出加工S4と、
昇降部材は、第3の充填領域が冷却室に対向して設けられるように、加工管の下への移動を駆動し、このとき、ペースト押出室は対応する充填室を有さず、上へ移動する過程において、第3の充填領域内の鉛ペーストが冷却室によって急速に凝固され、固体の第3の鉛ペーストコーティングが形成される4回目のペースト押出加工S5と、
離型して正極板を取り出すS5と、含む。
【0011】
さらに、前記離型して正極板を取り出すステップは、具体的には、昇降部材が、加工管を加工スライドベースから分離するように、加工管の下への移動を駆動し、加工管の半分のケースを取り外すと、正極板を上に引き抜くことができ、リブ及びその外壁の鉛ペーストコーティングがともに対応する加工管から離れるステップである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の有益な効果としては、
1、昇降部材が加工管の下から上への移動を駆動することにより、リブの外壁にペーストを下から上へ段階的に押し出すことを実現でき、かつ、ペースト押出、冷却成形を連続して完了することが可能となり、加工効率を効果に向上させ、上から下へ加工することで、底部に成形したコーティングが支持部材としてその頂部の鉛ペーストを支持するようにでき、コーティングの連続性が確保され、成形効果が向上する。
【0013】
2、保温仕切板、閉塞スライダを用いて、単回の充填領域が優れた保温密閉性を持たせることができ、鉛ペーストの早期冷却が回避されるとともに、鉛ペーストの漏れ出しも回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の正極板及びペースト押出装置の組立構造を示す概略図である。
図2】本発明の1回目のペースト押出加工状態の構造を示す概略図である。
図3】本発明の加工スライドベースと加工管との嵌合の全体構造を示す概略図である。
図4】本発明の保温仕切板、加工管、リブの嵌合の平面視断面構造を示す概略図である。
図5】本発明の加工スライドベース、加工管、充填室の嵌合の平面視断面構造を示す概略図である。
図6】本発明の加工スライドベース、加工管の側断面の構造を示す概略図である。
図7】本発明の2回目のペースト押出加工状態の構造を示す概略図である。
図8】本発明の4回目のペースト押出加工状態の構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の目的、技術案及び利点をより明確に理解させるために、以下、実施例を参照しつつ、本発明をさらに詳細に説明する。理解されるべきこととして、ここで記述される特定の実施例は、本発明を説明するためのものに過ぎず、本発明を限定するためのものではない。
【0016】
管型正極板ペースト押出装置であって、横梁11、リブ12、タブ13を有する極板本体1を備え、
前記横梁11は、下面には直線的にピン状に分布された複数のリブ12が設けられ、上面にはタブ13が設けられ、前記リブ12は、外部には頂部に開口した中空シェル構造である加工管4が覆設され、下端が加工管4内の底部に挿着され、前記リブ12と加工管4間の均一な中空領域は充填室43であり、前記加工管4の外壁の鉛直中心線に、上端が開口して下端が閉鎖する構造であるスライド溝42が開設され、加工管4は、鉛ペーストコーティングの外部成形領域として使用され、充填室43は、鉛ペーストコーティングの成形室であり、
前記加工管4の外壁には、加工スライドベース3が摺動可能に覆設され、前記加工スライドベース3の内部は、頂部がペースト押出室31であり、底部が冷却室32であり、前記ペースト押出室31は、出力端が充填室43に連通し、入力端がペースト押出機5に連通し、
前記冷却室32は、冷却水タンク6に連通し、充填室内の鉛ペーストを冷却して凝固させるために用いられ、
前記加工管4の下端には、加工管4の上から下への移動を駆動するための昇降部材7が接続され、昇降部材7が加工管4の下から上への移動を駆動することにより、リブ12の外壁にペーストを下から上へ段階的に押し出すことを実現でき、かつ、ペースト押出、冷却成形を連続して完了することが可能であり、加工効率を効果的に向上させ、上から下へ加工することで、底部に成形したコーティングが支持部材としてその頂部の鉛ペーストを支持するようにでき、コーティングの連続性が確保され、成形効果が向上する。
【0017】
上記技術案の改良として、前記リブ12、加工管4、加工スライドベース3の側断面はいずれも円管構造であり、前記加工管3はリブ12の外部に間隔をおいて覆設され、前記加工管4の外壁には、加工スライドベース3が密着して摺動可能に覆設され、円管構造は、正極板の厚みを薄くするとともに、リブの接触面積を効果的に増大することができ、また、円管構造は、スライド溝の開設を容易にする。
【0018】
上記技術案の改良として、前記リブ12の長さは、充填室43の長さと同じであり、前記ペースト押出室31の分布長さは、前記充填室43の長さの1/3であり、前記ペースト押出室31の分布長さは、前記冷却室32の分布長さと同じであり、ペースト押出作業が3回行われると、充填室が満たされ、それにより、段階的な作業充填を実現し、鉛ペーストの逸散が回避され、成形効果が確保され、冷却の困難度が低下する。
【0019】
上記技術案の改良として、前記充填室43の単回の充填面積と前記ペースト押出室31で覆われる面積とは同じであり、単回の充填面積がペースト押出室31の被覆面であることで、ペースト押出室31が変位して3回充填すれば、ペースト押出動作を完了することができ、また、鉛ペーストの充填範囲もちょうど冷却室で完全に覆われ、凝固効果が確保される。
【0020】
上記技術案の改良として、前記加工スライドベース3の内壁とスライド溝42との対向位置には、閉塞スライダ33が設けられ、前記閉塞スライダ33の長さと前記加工スライドベース3の長さとは同じであり、前記閉塞スライダ33は前記スライド溝42内に密着して嵌め込まれ、前記閉塞スライダ33の内壁は前記スライド溝42の内壁と面一であり、前記閉塞スライダ33の内部と前記ペースト押出室31との対向位置には、鉛ペーストを充填室43に排出するためのペースト排出口331が開設され、閉塞スライダ33は、加工スライドベース3がよりスムーズに移動するように加工スライドベース3の変位過程を案内できる一方、鉛ペーストに対向するスライド溝の部分を閉塞し、鉛ペーストの漏れ出しを回避することができ、各閉塞スライダ33の内部には、ペースト排出口331が1つ設けられ、ペースト排出口331は、加工効率を向上させるために、製造必要に応じて1~2つ設けられてもよく、各閉塞スライダ33は、いずれも1つのスライド溝42に対応する。
【0021】
上記技術案の改良として、前記閉塞スライダ33の上端の内壁には、円環構造である保温仕切板2が垂直に設けられ、前記保温仕切板2は、前記充填室43の内壁に摺動可能に密着し、上方から鉛ペーストを仕切るために用いられ、保温仕切板2が上から鉛ペーストを遮断することができるため、鉛ペーストが単回の充填領域内に集まり、成形効果が向上するとともに、熱の逃げが防止され、鉛ペーストの早期凝固を回避することができる。
【0022】
管型正極板のペースト押出方法であって、以下のステップを含み、
S1.極板本体1の各リブ12をそれぞれ対応する加工管4内に挿入し、リブ12の下端を加工管4内の底部の固定台41に挿着し、このステップは、各リブを対応する加工管内に固定するように、鉛ペースト塗布対象の正極板をペースト押出装置に組み付けるために用いられ、リブが固定台に挿着された部分には、鉛ペーストが塗布されておらず、後続の電池スロットベースへのリブの挿着を容易にすることができる。
【0023】
S2.ペースト押出機5を導管を介して各ペースト押出室31のペースト注入コネクタ311に並列に接続し、冷却水タンク6を導管を介して各冷却室とペースト押出機5に並列に接続し、冷却水タンク6は冷却水を冷却室とペースト押出機に循環して供給することができ、冷却水は、鉛ペーストを急速に鉛ペーストコーティングに凝固するように、鉛ペーストの熱を吸収でき、また、ペースト押出機を安定的に作動させるように、ペースト押出機の温度を低下させることもできる。
【0024】
S3.1回目のペースト押出加工:
図2に示すように、昇降部材7は、加工管4が一番上まで移動するように駆動し、充填室43とペースト押出室31との対向領域は第1の充填領域であり、このとき、閉塞スライダ33はスライド溝42の一番下に対向して位置し、閉塞スライダ33の頂部の半分部分は第1の充填領域の側部を閉塞し、保温仕切板2は第1の充填領域の上面に閉塞され、固定台41は第1の充填領域の底部に位置し、まず、充填室43の最底部から加工し、閉塞スライダ、保温仕切板及び固定台は、第1の充填領域の外部に仕切り空間を形成することができるため、鉛ペーストが該領域内にしか成形することができず、それにより、成形効果が効果的に向上し、
ペースト押出機5は、鉛ペーストを第1の充填領域に徐々に満たさせるように、鉛ペーストを押し出し、第1の充填領域に鉛ペーストで満たされるまで、鉛ペーストが、保温仕切板2によって頂部から仕切られ、閉塞スライダ33によって側部から閉塞され、固定台41によって底部から遮断され、ペースト押出機5から押し出された鉛ペーストは、直接ペースト押出室31内に進入し、その後に閉塞スライダ33内のペースト排出コネクタ331を通って第1の充填領域に排出される。
【0025】
S3.2回目のペースト押出加工:
図7に示すように、昇降部材7は、第1の充填領域が充填室43に対向して設けられるように、加工管4の下への移動を駆動し、このとき、充填室43とペースト押出室31との対向領域は第2の充填領域であり、昇降部材7は例示的にはエアロッドであり、エアロッドの下端は連結ロッドを介して加工管4の下端に固着され、昇降部材7が加工管4の下への移動を駆動する際に、加工スライドベース3はスライド溝42に沿って全体的に上向きに相対的に変位し、保温仕切板2も充填室43に沿って上向きに相対的に摺動し、このようにして、閉塞スライダ33は、上半部分が第2の充填領域の側部に相対的に閉塞されることができ、下半部分が第1の充填領域の側部に閉塞されることができ、それにより、鉛ペーストが漏れ出さないように確保し、
上へ移動する過程において、第1の充填領域内の鉛ペーストが冷却室32によって急速に凝固され、固体の第1の鉛ペーストコーティングが形成され、冷却水タンク6内の冷却水が冷却室32を循環して流れることで、第1の充填領域内の熱が奪われて、第1の充填領域内の鉛ペーストが凝固して成形され、冷却凝固過程は昇降部材の上向きの移動中に行われ、昇降部材が所定の位置に到達すると、待つ必要がなく、第2の充填室を直接充填することができ、それにより、全過程がより連続的になり、効率がより高くなり、
ペースト押出機5は、鉛ペーストを第2の充填領域に徐々に満たさせるように、鉛ペーストを押し出し、第2の充填領域に鉛ペーストで満たされるまで、鉛ペーストが、保温仕切板2によって頂部から仕切られ、閉塞スライダ33によって側部から閉塞され、第1の鉛ペーストコーティングによって底部から遮断され、第1の充填領域の鉛ペーストが凝固してから、第2の充填領域を充填し、このとき、固体の第1の鉛ペーストコーティングは鉛ペーストを底部から支持することができ、また、両方の構造分子が同じであり、接着効果に優れる。
【0026】
S4.3回目のペースト押出加工:3回目のペースト押出加工の作動過程は、2回目のペースト押出加工の過程とは同じであり、
昇降部材7は、第2の充填領域が冷却室32に対向して設けられるように、加工管4の下への移動を駆動し、このとき、充填室43とペースト押出室31との対向領域は第3の充填領域であり、上へ移動する過程において、第2の充填領域内の鉛ペーストが冷却室によって急速に凝固され、固体の第2の鉛ペーストコーティングが形成され、
ペースト押出機5は、鉛ペーストを第3の充填領域に徐々に満たさせるように、鉛ペーストを押し出し、第3の充填領域に鉛ペーストで満たされるまで、鉛ペーストが、保温仕切板2によって頂部から仕切られ、閉塞スライダ33によって側部から閉塞され、第2の鉛ペーストコーティングによって底部から遮断され、このとき、充填室全体も完全に満たされる。
【0027】
S5.4回目のペースト押出加工:
図8に示すように、昇降部材7は、第3の充填領域が冷却室32に対向して設けられるように、加工管4の下への移動を駆動し、このとき、ペースト押出室31は対応する充填室43を有さず、ペースト押出室31の長さが充填室43の1/3であるため、上記3回のペースト押出動作が完了すると、充填室43全体の充填も完了することができ、4回目のペースト押出動作時に、鉛ペーストを押し出す必要がなく、ペースト押出室が加工管に延出し、第3の充填領域の鉛ペーストだけを冷却して凝固すればよく、
第3の充填領域内の鉛ペーストは冷却室によって急速に凝固され、固体の第3の鉛ペーストコーティングが形成される。
【0028】
S5.正極板を上に引き抜くと、リブ及びその外壁の鉛ペーストコーティングはともに対応する加工管から離れ、4回の動作が完了した後、ペースト押出、硬化が同期して完成することができ、このときに離型して正極板を引き抜くことができ、
昇降部材は、加工管を加工スライドベースから分離するように、加工管の下への移動を駆動し、加工管の半分のケースを取り外すと、正極板を上に引き抜くことができ、リブ及びその外壁の鉛ペーストコーティングはともに対応する加工管から離れ、加工管は、2つのフラットチューブハウジング構造からネジで封止されて組み立てられたものである。
【0029】
以上は、本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明を限定するためのものではなく、本発明の思想及び原則から逸脱しない限り、行われる任意の修正や同等置換、改良などは、すべて本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0030】
1、極板本体
11、横梁
12、リブ
13、タブ
2、保温仕切板
3、加工スライドベース
31、ペースト押出室
311、ペースト注入コネクタ
32、冷却室
33、閉塞スライダ
331、ペースト排出コネクタ
4、加工管
41、固定台
42、スライド溝
43、充填室
5、ペースト押出機
6、冷却水タンク
7、昇降部材
71、連結ロッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8