(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-04
(45)【発行日】2023-10-13
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
A63F7/02 320
(21)【出願番号】P 2018111622
(22)【出願日】2018-06-12
【審査請求日】2021-06-09
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】原 一功
【審査官】永田 美佐
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-029995(JP,A)
【文献】特開2015-092972(JP,A)
【文献】特開2016-202243(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた演出量設定範囲の中に、下限値から上限値までの複数の設定演出量が設けられていて、
遊技者の操作に基づいて前記演出量設定範囲の中から設定演出量を決定可能な演出制御手段と、を備える遊技機において、
操作により下限設定値から上限設定値までの操作可能範囲の中で設定値を設定可能な操作手段を備え、
前記演出制御手段は、
前記操作手段により前記下限設定値よりも大きく且つ前記上限設定値よりも小さい特定設定値が設定された場合、遊技者の操作に基づいて前記下限値から当該下限値よりも大きく且つ前記上限値よりも小さい特定設定演出量までに限り設定演出量を決定可能にして、
前記操作手段により前記上限設定値が設定された場合に、遊技者の操作に基づいて前記下限値から前記上限値まで設定演出量を決定可能にして、
前記操作手段により前記下限設定値が設定された場合に、遊技者の操作に基づいて前記下限値に限り設定演出量を決定可能にして、
前記下限設定値から前記上限設定値まで設定される設定値が変わる度に、遊技者の操作に基づいて決定可能な上限の設定演出量を変えることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機や回胴式遊技機(パチスロ遊技機)等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機の一つであるパチンコ遊技機では、スピーカやランプ等の様々な演出手段が設けられている。例えばスピーカである音声出力手段(演出手段)は、予め定められた音量設定範囲(演出量設定範囲)の中から決定された設定音量(設定演出量)に基づいて、音声演出を実行する。ここで下記特許文献1に記載の遊技機では、遊技者の操作によって演出量設定範囲(音量設定範囲)の中から任意の設定演出量(設定音量)を決定可能な操作手段が設けられている。そのため遊技者は、自分の好みの設定演出量に決定して、演出を楽しむことが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の遊技機のように、設定演出量を任意に決定できる場合、以下の問題点がある。例えば、演出量設定範囲の中から最大の設定演出量が決定されている場合がある。この場合、遊技者によっては、その最大の設定演出量に基づく演出が過剰であると感じることがあり、快適な遊技を提供できないおそれがある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものである。すなわちその課題とするところは、快適な遊技を提供することが可能な遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の遊技機は、
予め定められた演出量設定範囲の中に、下限値から上限値までの複数の設定演出量が設けられていて、
遊技者の操作に基づいて前記演出量設定範囲の中から設定演出量を決定可能な演出制御手段と、を備える遊技機において、
操作により下限設定値から上限設定値までの操作可能範囲の中で設定値を設定可能な操作手段を備え、
前記演出制御手段は、
前記操作手段により前記下限設定値よりも大きく且つ前記上限設定値よりも小さい特定設定値が設定された場合、遊技者の操作に基づいて前記下限値から当該下限値よりも大きく且つ前記上限値よりも小さい特定設定演出量までに限り設定演出量を決定可能にして、
前記操作手段により前記上限設定値が設定された場合に、遊技者の操作に基づいて前記下限値から前記上限値まで設定演出量を決定可能にして、
前記操作手段により前記下限設定値が設定された場合に、遊技者の操作に基づいて前記下限値に限り設定演出量を決定可能にして、
前記下限設定値から前記上限設定値まで設定される設定値が変わる度に、遊技者の操作に基づいて決定可能な上限の設定演出量を変えることを特徴とする遊技機である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の遊技機によれば、快適な遊技を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係る遊技機の正面図である。
【
図2】同遊技機が備える遊技機枠の分解斜視図である。
【
図3】同遊技機が備える昇降ユニットが伸長位置にあるときの正面図である。
【
図4】同遊技機が備える左上部ユニット及び右上部ユニットが開放位置に或る時の正面図である。
【
図6】
図5に示すA部分の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。
【
図8】同遊技機の遊技制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図9】同遊技機の演出制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図11】遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。
【
図12】(A)は大当たり判定テーブルであり、(B)はリーチ判定テーブルであり、(C)は普通図柄当たり判定テーブルであり、(D)は普通図柄変動パターン選択テーブルである。
【
図14】電チューの開放パターン決定テーブルである。
【
図15】(A)は音量調整表であり、(B)は光量調整表であり、(C)は、マスター設定値と上限設定音量且つ上限設定光量との関係を示す表である。
【
図16】(A)は上限設定音量変更画像を示す図であり、(B)は上限設定光量変更画像を示す図である。
【
図17】(A)は音量変更画像を示す図であり、(B)は設定音量増加報知画像を示す図であり、(C)は設定音量増加不可画像を示す図である。
【
図18】(A)は光量変更画像を示す図であり、(B)は設定光量増加報知画像を示す図であり、(C)は設定光量増加不可画像を示す図である。
【
図19】メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図20】サブ側1msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図22】サブ側10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図23】受信コマンド解析処理のフローチャートである。
【
図24】変動演出開始処理のフローチャートである。
【
図27】第2形態においてサブ制御メイン処理のフローチャートである。
【
図28】第2形態において受信割り込み処理のフローチャートである。
【
図29】第2形態において10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図30】第2形態において初期機能設定処理のフローチャートである。
【
図31】第2形態において初期機能設定処理のフローチャートである。
【
図32】(A)は電源投入後画像を示す図であり、(B)は初期機能設定画像を示す図であり、(C)は上限設定音量決定画像を示す図であり、(D)は上限設定光量決定画像を示す図である。
【
図33】第3形態において遊技機の裏側を示す背面図である。
【
図34】第3形態において(A)は音量調整表であり、(B)は光量調整表であり、(C)は音量マスター設定値と上限設定音量との関係を示す表であり、(D)は光量マスター設定値と上限設定光量との関係を示す表である。
【
図35】第4形態において(A)は音量調整表であり、(B)は光量調整表であり、(C)はマスター設定値と上限設定音量と上限設定光量との関係を示す表である。
【
図36】第4形態において上限設定音量兼光量変更画像を示す図である。
【
図37】第5において上限設定音量兼光量決定画像を示す図である。
【
図38】第1変形例において上限設定移動量決定画像を示す図である。
【
図39】第2変形例において上限設定振動量決定画像を示す図である。
【
図40】第3変形例において上限設定風量決定画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1.遊技機の構造
本発明の実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として、説明する。
【0010】
図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機PY1は、当該パチンコ遊技機PY1の外郭を構成する遊技機枠2を備えている。遊技機枠2は、
図2に示すように、外枠22と内枠21と前扉(前枠)23とを備えている。外枠22は、パチンコ遊技機PY1の外郭部を形成する縦長方形状の枠体である。内枠21は、外枠22の内側に配置されていて、後述の遊技盤1を取付ける縦長方形状の枠体である。前扉23は、外枠22及び内枠21の前面側に配置されていて、遊技盤1を保護する縦長方形状のものである。前扉23は、遊技者に正対する部分であり、種々の飾り付けがなされている。また前扉23には、装飾用として発光可能な枠ランプ212が多数設けられていると共に、音を出力可能なスピーカ620(
図1では図示省略)が設けられている。
【0011】
遊技機枠2は、左端側にヒンジ部24を備えて構成されている。このヒンジ部24により、前扉23は、外枠22及び内枠21に対してそれぞれ回動自在になっていて、内枠21は、外枠22及び前扉23に対してそれぞれ回動自在になっている。前扉23の中央には開口部23aが形成されていて、遊技者が後述の遊技領域6を視認できるように透明の透明板23tが開口部23aに取付けられている。透明板23tは、本形態ではガラス板であるが、透明な合成樹脂板であってもよい。すなわち、透明板23tは、前方から遊技領域6を視認可能なものであればよい。
【0012】
図1に示すように、前扉23は、上側に上側装飾ユニット200を備え、左側に左側装飾ユニット210を備え、右側に右側装飾ユニット220を備え、下側に操作機構ユニット230を備えている。なおこれらの各ユニットは、前扉23のベース枠23w(
図2参照)の前面側に取付けられている。
【0013】
操作機構ユニット230は、右下部に、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル72k(発射操作部)を備えている。また操作機構ユニット230には、遊技球(貸球や賞球)を貯留する上皿34が設けられているとともに、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン(入力部)40kやセレクトボタン(十字キー)42kが設けられている。演出ボタン40kは、内部に振動装置を備えていて、遊技者に当該演出ボタン40kへの操作を促す場合などに、振動可能である。セレクトボタン42kは、
図1に示すように、上方向への操作を示す上方向ボタン42Uと、下方向への操作を示す下方向ボタン42Dと、左方向への操作を示す左方向ボタン42Lと、右方向への操作を示す右方向ボタン42Rとから構成されている。また操作機構ユニット230の下側には、上皿34に収容しきれない遊技球を貯留する下皿35が設けられている。
【0014】
上側装飾ユニット200は、上下方向に移動(昇降)可能な昇降ユニット300と、昇降ユニット300に昇降するための駆動力を付与可能な昇降モータ310(
図1では図示省略)とを備えている。昇降ユニット300は、通常時には、
図1に示す退避位置にある。そして昇降ユニット300は、後述するSPリーチ等、当選期待度が高い演出の実行中に、
図1に示す退避位置から
図3に示す伸長位置へ移動し得る。なお昇降ユニット300は、実行中の演出が終了するのに伴って、
図3に示す伸長位置から
図1に示す退避位置へ移動(復帰)するようになっている。
【0015】
昇降ユニット300は、左側に開閉可能な左上部ユニット500を備え、右側に開閉可能な右上部ユニット550を備えている。また昇降ユニット300は、左上部ユニット500に開閉するための駆動力を付与可能な左上部モータ531と、右上部ユニット550に開閉するための駆動力を付与可能な右上部モータ581とを備えている。左上部ユニット500と右上部ユニット550は、通常時には
図1又は
図3に示す閉鎖位置にある。そして左上部ユニット500と右上部ユニット550は、後述するSPリーチ等、当選期待度が高い演出の実行中に、
図3に示す閉鎖位置から
図4に示す開放位置へ移動し得る。なお左上部ユニット500と右上部ユニット550は、実行中の演出が終了するのに伴って、
図4に示す開放位置から
図3に示す閉鎖位置へ移動し得る。
【0016】
遊技機枠2には、
図4に示す遊技盤1が取付けられている。
図4に示すように、遊技盤1には、ハンドル72kの操作により発射された遊技球が流下する遊技領域6が、レール部材62で囲まれて形成されている。また遊技盤1には、装飾用の盤ランプ54が多数設けられている。また遊技領域6には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎが突設されている。なお遊技盤1は、前側に配されている板状部材と、後側に配されている裏ユニット(後述する各種制御基板、画像表示装置50、ハーネス等を取付けるユニット)とが一体化されたものである。
【0017】
また遊技領域6の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置50(演出表示手段,画像表示手段)が設けられている。なお画像表示装置は、有機EL表示装置などの他の画像表示装置であってもよい。画像表示装置50の表示画面50a(表示部)には、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄EZ(装飾図柄)の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。演出図柄EZを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。
【0018】
演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの演出図柄表示領域からなる。左演出図柄表示領域には左演出図柄EZ1が表示され、中演出図柄表示領域には中演出図柄EZ2が表示され、右演出図柄表示領域には右演出図柄EZ3が表示される。左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3はそれぞれ、例えば「1」~「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。なお左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3をまとめて演出図柄EZと呼ぶことがある。画像表示装置50は、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3の組み合わせによって、後述の第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bにて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
【0019】
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄EZを停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄EZを停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特図表示器81aや第2特図表示器81bにより把握するのではなく、画像表示装置50にて把握する。なお、演出図柄表示領域の位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄EZの変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
【0020】
画像表示装置50は、上記のような演出図柄EZを用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出(客待ち演出)などを表示画面50aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄EZのほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄EZ以外の演出画像も表示される。
【0021】
また画像表示装置50の表示画面50aには、後述の第1特図保留や第2特図保留の記憶数に応じて保留アイコンHA(演出保留画像)を表示する保留アイコン表示領域がある。保留アイコンHAの表示により、後述の第1特図保留表示器83aにて表示される第1特図保留の記憶数や、後述の第2特図保留表示器83bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
【0022】
遊技領域6の中央付近であって画像表示装置50の前方には、センター枠61(内側壁部)が配されている。センター枠61の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口11へと誘導可能なステージ61sが形成されている。またセンター枠61の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ61sへ遊技球を流出させるワープ61wが設けられている。またセンター枠61の上部には、上下動可能な盤可動体55kが設けられている。盤可動体55kは、表示画面50aの上方の原点位置から表示画面50aの中央と前後方向に重なる演出位置に移動可能なものである。
【0023】
遊技領域6における画像表示装置50の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口11を備える第1始動入賞装置11Dが設けられている。第1始動口11を、第1入球口や、固定入球口、第1始動入賞口、第1始動領域ともいう。また第1始動入賞装置11Dを、第1入球手段や、固定入球手段、第1始動入賞装置ともいう。第1始動口11への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
【0024】
また遊技領域6における第1始動口11の下方には、第2始動口12を備える普通可変入賞装置(普通電動役物いわゆる電チュー)12Dが設けられている。第2始動口12を、第2入球口や、可変入球口、第2始動入賞口、第2始動領域ともいう。電チュー12Dを、第2入球手段や、可変入球手段、第2始動入賞装置ともいう。第2始動口12への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。
【0025】
電チュー12Dは、開状態と閉状態とをとる電チュー開閉部材12k(入球口開閉部材)を備え、電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12を開閉するものである。電チュー開閉部材12kは、後述の電チューソレノイド12sにより駆動される。電チュー開閉部材12kが開状態にあるときには、第2始動口12への遊技球の入球が可能となり、閉状態にあるときには、第2始動口12への遊技球の入球が不可能となる。つまり、第2始動口12は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チューは、電チュー開閉部材が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口への入球を不可能とするものでなくてもよい。
【0026】
また、遊技領域6における第1始動口11の右方には、大入賞口14を備えた大入賞装置(特別電動役物)14Dが設けられている。大入賞口14を、特別入賞口ともいう。また大入賞装置14Dを、アタッカー(AT)や、特別入賞手段、特別可変入賞装置ともいう。大入賞装置14Dは、開状態と閉状態とをとるAT開閉部材14k(特別入賞口開閉部材)を備え、AT開閉部材14kの作動により大入賞口14を開閉するものである。AT開閉部材14kは、後述のATソレノイド14sにより駆動される。大入賞口14は、AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。
【0027】
また、センター枠61の右方には、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。ゲート13を、通過口や通過領域ともいう。ゲート13への遊技球の通過は、電チュー12Dを開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。さらに遊技領域6の下部には、複数の一般入賞口10が設けられている。また遊技領域6の最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6外へ排出するアウト口19が設けられている。
【0028】
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域6には、左右方向の中央より左側の左遊技領域6L(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域6R(第2遊技領域)とがある。左遊技領域6Lを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域6Rを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機PY1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
【0029】
第1流路R1上には、第1始動口11と、一般入賞口10、電チュー12Dと、アウト口19とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1始動口11や一般入賞口10への入賞を狙うことができる。なお、第1流路R1上にゲートは配されていないため、左打ちをしている場合に電チュー12Dが開放されることはない。
【0030】
一方、第2流路R2上には、ゲート13と、一般入賞口10と、大入賞装置14Dと、電チュー12Dと、アウト口19とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート13への通過や、一般入賞口10、第2始動口12、及び大入賞口14への入賞を狙うことができる。
【0031】
また
図5に示すように、遊技盤1の右下部には表示器類8が配置されている。表示器類8には、
図6に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特図表示器81a、第2特別図柄を可変表示する第2特図表示器81b、及び、普通図柄(普図)を可変表示する普図表示器82が含まれている。第1特別図柄を、第1特図又は特
図1ともいい、第2特別図柄を第2特図又は特
図2ともいう。また、普通図柄を普図ともいう。
【0032】
また表示器類8には、第1特図表示器81aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器83a、第2特図表示器81bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器83b、および普図表示器82の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器84が含まれている。
【0033】
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口11への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(特図)ということがある。また、第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bを総称して特図表示器81ということがある。また、第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83bを総称して特図保留表示器83ということがある。また第1特図保留および第2特図保留を総称して特図保留ということがある。
【0034】
特図表示器81では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて大入賞口14を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。なお、特別遊技における大入賞口の開放パターンについては後述する。
【0035】
具体的には特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
【0036】
本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報、判定用情報)は、後述の特図保留記憶部105に一旦記憶される。詳細には、第1始動口11への入賞であれば第1特図保留として、後述の第1特図保留記憶部105aに記憶され、第2始動口12への入賞であれば第2特図保留として、後述の第2特図保留記憶部105bに記憶される。各々の特図保留記憶部105に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ「4」となっている。
【0037】
特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
【0038】
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器83に表示される。具体的には特図保留表示器83はそれぞれ、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
【0039】
普通図柄の可変表示は、ゲート13への遊技球の通過を契機として行われる。普図表示器82では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口12を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口12の開放パターンについては後述する。
【0040】
具体的には普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており(
図6参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
【0041】
本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、後述の普図保留記憶部106に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は「4」となっている。
【0042】
普図保留記憶部106に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
【0043】
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器84に表示される。具体的には普図保留表示器84は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示する。
【0044】
ここで
図7は、本パチンコ遊技機PY1の裏側を示す背面図である。
図7に示すように、パチンコ遊技機PY1の裏側、即ち、内枠21の内部の後方側には、後述する各種制御基板等(遊技制御基板100、演出制御基板120、サブ演出制御基板(画像制御基板)140、サブドライブ基板162、払出制御基板170、発射制御回路(発射制御基板)175、電源基板190)が配置されている。サブ演出制御基板140には、回転操作可能なマスタースイッチ151が基板上に設けられている。
【0045】
マスタースイッチ151は、回転操作により「0」~「9」までの10段階にわたって操作位置が変化するものである。このマスタースイッチ151は、パチンコ遊技機PY1の裏側に設けられているため、遊技機枠2(内枠21)を開放させることが可能な遊技場の従業員のみに操作され得るものであって、遊技機枠2を開放させることが不能な遊技者には操作されないものである。本形態のマスタースイッチ151は、「0」~「9」までの操作位置に応じて、後述する上限設定音量及び上限設定光量を決定可能なものである。マスタースイッチ151の機能については後に詳しく説明する。
【0046】
2.遊技機の電気的構成
次に
図8及び
図9に基づいて、本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。
図8及び
図9に示すように、パチンコ遊技機PY1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う遊技制御基板100(主制御基板)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行う演出制御基板120(サブ制御基板)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板170等を備えている。なお、遊技制御基板100は、メイン制御部を構成し、演出制御基板120は、後述するサブ演出制御基板140及びサブドライブ基板162とともにサブ制御部を構成する。
【0047】
なお、サブ制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50やスピーカ620、盤ランプ54、枠ランプ212、盤可動体55k、昇降ユニット300、左上部ユニット500、右上部ユニット550等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
【0048】
またパチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190(電源供給部)は、外部からAC24Vの電源を入力して、AC24Vの電源に基づいてパチンコ遊技機PY1の動作に必要な各種電圧(DC5V,DC12V,DC18V,DC24V,DC37V)の電源を生成するものである。電源基板190は、生成した電源を遊技制御基板100、演出制御基板120、及び払出制御基板170に対して供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して供給する。
【0049】
電源基板190には、バックアップ電源回路192が設けられている。バックアップ電源回路192は、本パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する遊技制御基板100の遊技用RAM(Random Access Memory)104や演出制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給する。従って、遊技制御基板100の遊技用RAM104や演出制御基板120の演出用RAM124に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。また、電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、遊技制御基板100の遊技用RAM104に対するバックアップ電源回路を遊技制御基板100に設けたり、演出制御基板120の演出用RAM124に対するバックアップ電源回路を演出制御基板120に設けたりしてもよい。
【0050】
図8に示すように、遊技制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン101には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM104、遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート部118が含まれている。遊技用RAM104には、上述した特図保留記憶部105(第1特図保留記憶部105aおよび第2特図保留記憶部105b)と普図保留記憶部106とが設けられている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
【0051】
遊技制御基板100には、中継基板110を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、遊技制御基板100には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには遊技制御基板100から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、大入賞口センサ14a、および一般入賞口センサ10aが接続されている。
【0052】
第1始動口センサ11aは、第1始動口11内に設けられて第1始動口11に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ12aは、第2始動口12内に設けられて第2始動口12に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ13aは、ゲート13内に設けられてゲート13を通過した遊技球を検出するものである。大入賞口センサ14aは、大入賞口14内に設けられて大入賞口14に入賞した遊技球を検出するものである。一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10内に設けられて一般入賞口10に入賞した遊技球を検出するものである。
【0053】
またソレノイド類としては、電チューソレノイド12s、およびATソレノイド14sが接続されている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動するものである。ATソレノイド14sは、大入賞装置14DのAT開閉部材14kを駆動するものである。
【0054】
さらに遊技制御基板100には、特図表示器81(第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81b)、普図表示器82、特図保留表示器83(第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83b)、および普図保留表示器84が接続されている。すなわち、これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
【0055】
また遊技制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドや信号を送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)、および賞球払出装置73が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。発射装置72には、ハンドル72k(
図1参照)が含まれる。
【0056】
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、パチンコ遊技機PY1に接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、賞球払出装置73の賞球モータ73mを駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のため賞球センサ73aにより検知されて、賞球センサ73aによる検知信号が払出制御基板170に出力される。
【0057】
なお遊技者による発射装置72のハンドル72k(
図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ72aがハンドル72kへの接触を検知し、発射ボリューム72bがハンドル72kの回転量を検知する。そして、発射ボリューム72bの検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイド72sが駆動されることとなる。本パチンコ遊技機PY1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
【0058】
また遊技制御基板100は、演出制御基板120に対し各種コマンドを送信する。遊技制御基板100と演出制御基板120との接続は、遊技制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、遊技制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
【0059】
図9に示すように、演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン121には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート部138が含まれている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
【0060】
また
図9に示すように、演出制御基板120には、サブ演出制御基板140が接続されていると共に、サブドライブ基板162(サブドライブ回路)が接続されている。演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブ演出制御基板140のサブ演出用CPU141に画像表示装置50の表示制御を行わせる。なお演出制御用マイコン121は、サブ演出制御基板140のサブ演出用入力回路147を介して制御信号(コマンド)を送信する。そしてサブ演出用CPU141は、サブ演出制御基板140のサブ演出用出力回路148を介して画像表示装置50に制御信号を送信する。
【0061】
サブ演出制御基板140のサブ演出用RAM143は、画像データを展開するためのメモリである。サブ演出制御基板140のサブ演出用ROM142には、画像表示装置50に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(装飾図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。サブ演出制御基板140のサブ演出用CPU141は、演出制御用マイコン121からの指令に基づいてサブ演出用ROM142から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
【0062】
サブ演出制御基板140には、スピーカ620が接続されている。演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブ演出制御基板140の音声用CPU149を介してスピーカ620(演出手段、音出力手段)から音声、楽曲、効果音等を出力する。音声用CPU149は、サブ演出用CPU141からの制御指令に基づいて、音声制御回路150を介してスピーカ620の音声制御を行う。この音声制御により、表示中の演出画像に合わせて、スピーカ620から音声、楽曲、効果音等が出力される音声演出が実行される。音声演出での音量は、予め定められている音量設定範囲の中から決定された設定音量に基づくようになっている。設定音量は、後述するように、「0」~「9」までの10段階の音量設定範囲の中から何れかに決定されるものであり、初期設定では「5」に設定されている。スピーカ620から出力する音声等の音響データは、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。但し、音響データをサブ演出制御基板140のサブ演出用ROM142に格納しても良い。
【0063】
上述したように、マスタースイッチ151は、回転操作により「0」~「9」までの10段階にわたって操作位置が変化するものである。このマスタースイッチ151が操作されると、
図9に示すように、マスタースイッチ151の操作位置の情報を含むマスター設定値信号が、サブ演出制御基板140から演出制御基板120に出力されるようになっている。例えば、遊技場の従業員の操作により、マスタースイッチ151の操作位置が「6」に変更された場合には、「6」の操作位置の情報を含むマスター設定値信号が、演出制御基板120(演出制御用マイコン121)に入力される。またマスタースイッチ151の操作位置の情報を含むマスター設定値信号は、サブ演出用CPU141にも入力される。これにより、サブ演出用CPU141は、現時点でのマスタースイッチ151での操作位置を把握できるようになっている。
【0064】
なおサブ演出制御基板140にスピーカ620の音声制御を行わせたが、サブ演出制御基板140とは別に音声制御基板を設けて、この音声制御基板にスピーカ620の音声制御を行わせても良い。この場合、音声制御基板は演出制御基板120に接続されていても良いし、サブ演出制御基板140を介して演出制御基板120に接続されていても良い。また音声制御基板にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。
【0065】
また
図9に示すように、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブ演出制御基板140とサブドライブ基板162とを介して、枠ランプ212や盤ランプ54等のランプを発光させることが可能である。詳細には演出制御用マイコン121は、各ランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータをサブ演出制御基板140に送信する。そして、サブ演出制御基板140のサブ演出用CPU141は、発光パターンデータ(ランプデータ)に基づいて、サブドライブ基板162を介して各ランプの発光制御を行う。この発光制御により、表示中の演出画像に合わせて、盤ランプ54及び枠ランプ212(演出手段、発光手段)が発光する発光演出が実行される。発光演出での光量は、予め定められている光量設定範囲の中から決定された設定光量に基づくようになっている。設定光量は、後述するように、「0」~「9」までの10段階の光量設定範囲の中から何れかに決定されるものであり、初期設定では「5」に設定されている。なお演出制御用マイコン121が発光パターンデータを作成する際には、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータが用いられる。
【0066】
さらに演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して、盤可動体55k、昇降ユニット300、左上部ユニット500、右上部ユニット550の駆動制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、盤可動体55k、昇降ユニット300、左上部ユニット500、右上部ユニット550の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに基づいて、サブドライブ基板162を介して盤可動体モータ55m、昇降モータ310、左上部モータ531、右上部モータ581の駆動制御を行う。なお盤可動体モータ55mは、盤可動体55kを駆動させるためのモータである。動作パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
【0067】
なお、サブドライブ基板162にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や、盤可動体55kの駆動制御を行わせてもよい。さらにこの場合、サブドライブ基板162にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納しても良い。また発光パターンや動作パターンに関するデータは、サブ演出制御基板140のサブ演出用ROM142に格納しても良い。また盤可動体モータ55m、昇降モータ310、左上部モータ531、右上部モータ581をサブ演出制御基板140に接続して、サブ演出用CPU141がサブドライブ基板162を介さずに盤可動体55k、昇降ユニット300、左上部ユニット500、右上部ユニット550の駆動制御を行うようにしても良い。また盤ランプ54及び枠ランプ212をサブ演出制御基板140に接続して、サブ演出用CPU141がサブドライブ基板162を介さずに盤ランプ54及び枠ランプ212の発光制御を行うようにしても良い。
【0068】
また演出制御基板120には、演出ボタン検知センサ(入力部検知センサ)40aおよびセレクトボタン検知センサ42aが接続されている。演出ボタン検知センサ40aは、演出ボタン40k(
図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン40kが押下操作されると演出ボタン検知センサ40aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。セレクトボタン検知センサ42aは、セレクトボタン42k(
図1参照)が押下操作されたことを検知するものである。セレクトボタン42kが押下操作されるとセレクトボタン検知センサ42aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。
【0069】
なおセレクトボタン検知センサ42aは、上方向ボタン42Uと下方向ボタン42Dと左方向ボタン42Lと右方向ボタン42Rのうちどのボタンが押下操作されたのかを示す検知信号を出力するようになっている。例えば、遊技者によってセレクトボタン42kのうち右方向ボタン42Rが押下操作された場合には、セレクトボタン検知センサ42aから演出制御基板120に対して、右方向ボタン42Rが押下操作されたことを示す検知信号が出力される。その反対に、遊技者によってセレクトボタン42kのうち左方向ボタン42Lが押下操作された場合には、セレクトボタン検知センサ42aから演出制御基板120に対して、左方向ボタン42Lが押下操作されたことを示す検知信号が出力される。
【0070】
図8及び
図9は、あくまで本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、
図8及び
図9に示す基板だけが設けられているわけではない。遊技制御基板100を除いて、
図8及び
図9に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、
図8及び
図9に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
【0071】
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特図表示器81に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特図表示器81に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口14を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技を特別遊技ともいう。
【0072】
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
【0073】
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別は
図10に示す通りである。
図10に示すように、本形態では大きく分けて2つの種別がある。確変大当たりと通常大当たりである。確変大当たりは、大当たり遊技後の遊技状態を後述する高確率状態に制御する大当たりである。通常大当たりは、大当たり遊技後の遊技状態を後述する通常確率状態(低確率状態)に制御する大当たりである。
【0074】
より具体的には、特
図1の抽選(第1特別図柄の抽選)にて当選可能な確変大当たり及び通常大当たりは、1Rから8Rまでは大入賞口14を1R当たり最大29.5秒にわたって開放し、9Rから16Rまでは大入賞口14を1R当たり最大0.1秒にわたって開放する大当たりである。つまり、これらの大当たりの総ラウンド数は16Rであるものの、実質的なラウンド数は8Rである。実質的なラウンド数とは、1ラウンド当たりの入賞上限個数(本形態では8個)まで遊技球が入賞可能なラウンド数のことである。これらの大当たりでは9Rから16Rまでは、大入賞口14の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。なお、特
図1の抽選によって「確変大当たり」に当選した場合には、第1特図表示器81aに「特
図1_確変図柄」が停止表示され、「通常大当たり」に当選した場合には、第1特図表示器81aに「特
図1_通常図柄」が停止表示される。
【0075】
また、特
図2の抽選(第2特別図柄の抽選)にて当選可能な確変大当たり及び通常大当たりは、1Rから16Rまで大入賞口14を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する大当たりである。つまり、これらの大当たりは実質的なラウンド数も16Rである。特
図2の抽選によって「確変大当たり」に当選した場合には、第2特図表示器81bに「特
図2_確変図柄」が停止表示され、「通常大当たり」に当選した場合には、第2特図表示器81bに「特
図2_通常図柄」が停止表示される。
【0076】
いずれの大当たりに当選した場合であっても、大当たり遊技後には後述する電サポ制御状態(高ベース状態)に制御される。電サポ制御状態は、高確率状態に伴って制御される場合には次回の大当たり当選まで継続する。一方、通常確率状態(低確率状態)に伴って制御される場合には、電サポ回数(時短回数)が100回に設定される。電サポ回数とは、電サポ制御状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数のことである。
【0077】
なお
図10に示すように、特
図1の抽選および特
図2の抽選における大当たりの振分率は、共に確変大当たりが65%、通常大当たりが35%となっている。但し、特
図1の抽選に基づいて大当たりに当選した場合には実質的なラウンド数が8ラウンドの大当たり遊技が実行される一方、特
図2の抽選に基づいて大当たりに当選した場合には実質的なラウンド数が16ラウンドの大当たり遊技が実行される点で、特
図1の抽選よりも特
図2の抽選の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
【0078】
ここで本パチンコ遊技機PY1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。
図11(A)に示すように、大当たり乱数は0~65535までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0~99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
【0079】
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄EZのうち変動表示されている演出図柄EZが残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄EZがどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄EZの組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄EZは、表示画面50a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0~255までの範囲で値をとる。
【0080】
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0~99までの範囲で値をとる。また、ゲート13への通過に基づいて取得される乱数には、
図11(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー12Dを開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0~65535までの範囲で値をとる。
【0081】
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機PY1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機PY1の特図表示器81および普図表示器82には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特図表示器81の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(
図12(A)参照)。つまり、特図表示器81の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特図表示器81による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
【0082】
また、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(
図13参照)。つまり、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
【0083】
特図表示器81の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普図表示器82の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特図表示器81の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普図表示器82の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(
図12(C)参照)。つまり、普図表示器82の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普図表示器82による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
【0084】
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では7秒であるが、時短状態では1秒である(
図12(D)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー12Dの開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(
図14参照)。すなわち、電チュー12Dの開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー12Dの開放回数が非時短状態よりも多くなっている(
図14参照)。すなわち、電チュー12Dの開放回数増加機能が作動している。
【0085】
普図表示器82の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー12Dの開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー12Dが頻繁に開放され、第2始動口12へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー12Dにより第2始動口12への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。よって、高ベース状態を電サポ制御状態や入球容易状態ともいう。これに対して、低ベース状態を非電サポ制御状態や非入球容易状態ともいう。
【0086】
高ベース状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普図表示器82の確率変動機能、普図表示器82の変動時間短縮機能、電チュー12Dの開放時間延長機能、および電チュー12Dの開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー12Dが開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
【0087】
本形態のパチンコ遊技機PY1では、確変大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本形態では10000回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。つまり本形態では、高確高ベース状態は実質的に次回の大当たり当選まで継続する。なお、高確高ベース状態の終了条件を、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることだけとしてもよい。
【0088】
また、通常大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
【0089】
なお、パチンコ遊技機PY1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することとする。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特典遊技状態」と称することとする。
【0090】
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域6R(
図5参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー12Dが開放されやすくなっており、第1始動口11への入賞よりも第2始動口12への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート13へ遊技球を通過させつつ、第2始動口12へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
【0091】
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域6L(
図5参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー12Dが開放されにくくなっており、第2始動口12への入賞よりも第1始動口11への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口11へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
【0092】
5.上限設定音量及び上限設定光量
次に本形態の特徴である上限設定音量及び上限設定光量について説明する。本形態のパチンコ遊技機PY1では、近年のパチンコ遊技機と同様、遊技者が予め定められた音量設定範囲の中から設定音量を任意に決定できると共に、予め定められた光量設定範囲の中から設定光量を任意に決定できるようになっている。
【0093】
本パチンコ遊技機PY1では、
図15(A)に示すように、音量設定範囲(演出量設定範囲、第1演出量設定範囲、他の演出量設定範囲)は「0」~「9」までの10段階になっていて、設定音量(設定演出量、第1設定演出量、他の設定演出量)は「0」~「9」までの何れかに決定されることになる。設定音量の値が「0」である場合には、スピーカ620から音が出力されない無音になる。そして設定音量の値が大きくなるほど、スピーカ620から出力される音の音量(dB、デシベル)が大きくなっていき、設定音量の値が「9」である場合には、スピーカ620から出力される音の音量(デシベル)が最も大きくなる。
【0094】
なお
図15(A)では、本形態における設定音量と対応上限音量との関係が示されている。対応上限音量は、設定音量に対してスピーカ620から出力される音(音声演出での音)の最大のデシベルのことである。例えば設定音量が最大の「9」である場合、音声演出での音量は95dB以下であって、その音声演出で瞬間的に最も大きくなるときの音量が95dBという意味である。また例えば設定音量が「5」である場合、音声演出での音量は84dB以下であって、その音声演出で瞬間的に最も大きくなるときの音量が84dB以下という意味である。
【0095】
また本パチンコ遊技機PY1では、
図15(B)に示すように、光量設定範囲(演出量設定範囲、第2演出量設定範囲)は「0」~「9」までの10段階になっていて、設定光量(設定演出量、第2設定演出量)は「0」~「9」までの何れかに決定されることになる。設定光量の値が「0」である場合には、盤ランプ54及び枠ランプ212から光が出力されない無発光(発光しない状態)になる。そして設定光量の値が大きくなるほど、盤ランプ54及び枠ランプ212が発光するときの光量(具体的には輝度(カンデラ、cd/m
2))が大きくなっていき、設定光量の値が「9」である場合には、盤ランプ54及び枠ランプ212が発光するときの光量(輝度)が最も大きくなる。
【0096】
なお
図15(B)では、本形態における設定光量と対応上限光量との関係が示されている。対応上限光量は、設定光量に対して盤ランプ54及び枠ランプ212が発光するときの(発光演出での)最大の輝度(カンデラ)のことである。例えば設定光量が最大の「9」である場合、発光演出での輝度は900(cd/m
2)以下であって、その発光演出で瞬間的に最も大きくなるときの輝度が900(cd/m
2)という意味である。また例えば設定音量が「5」である場合、発光演出での輝度は650(cd/m
2)以下であって、その音声演出で瞬間的に最も大きくなるときの輝度が650(cd/m
2)以下という意味である。
【0097】
本形態では、遊技者は、客待ち演出の実行中に設定音量の値を「0」~「9」までの何れかに決定することが可能である。なお客待ち演出は、表示画面50aにて変動演出が実行されていないことを示す演出である。具体的に、設定音量を変更する場合には、客待ち演出の実行中に、
図17(A)に示すように、表示画面7aにて音量変更画像OHが表示され得る。音量変更画像OHは、上側に「音量を変更できます」の文字が示されると共に、下側にセレクトボタン42kの形状及び音符の形状が示される。この音量変更画像OHの表示により、遊技者には、セレクトボタン42kの右方向ボタン42R(
図1参照)を押下操作すれば、設定音量が増加し得る一方、セレクトボタン42kの左方向ボタン42L(
図1参照)を押下操作すれば、設定音量が減少し得るのを把握させることが可能である。
【0098】
こうして、音量変更画像OHの表示中に、例えば設定音量の値が「6」であって右方向ボタン42Rが1回押下操作されれば、設定音量の値が「7」に変更されて、
図17(B)に示す設定音量増加報知画像OZが表示画面50aに表示される。設定音量増加報知画像OZでは、中央に「VOLUME7」の文字と、この文字に重なる音符の形状とが示されると共に、下側にセレクトボタン42kの形状及び音符の形状が示される。なお「VOLUME7」の文字のうち、数字部分が設定音量の値を示していて、この文字と重なる音符は設定音量の値が大きいほど、大きくなるように示される。こうして、設定音量増加報知画像OZにより、遊技者に増加した設定音量の値を把握させることが可能である。なお上記では、設定音量の値が「1」だけ増加する場合を説明したが、右方向ボタン42Rが押下操作される度に、設定音量の値は1つずつ増加していく。一方、左方向ボタン42Lが押下操作される度に、設定音量の値は1つずつ減少するようになっている。以上により、遊技者は、任意の設定音量を決定することができて、所望の設定音量に基づく音声演出を堪能することが可能である。
【0099】
また本形態では、遊技者は、客待ち演出の実行中に設定光量の値を「0」~「9」までの何れかに決定することが可能である。具体的に、設定光量を変更する場合には、客待ち演出の実行中に、
図18(A)に示すように、表示画面7aにて光量変更画像KHが表示され得る。光量変更画像KHは、上側に「光量を変更できます」の文字が示されると共に、下側にセレクトボタン42kの形状及びランプの形状が示される。この光量変更画像KHの表示により、遊技者には、セレクトボタン42kの右方向ボタン42R(
図1参照)を押下操作すれば、設定光量が増加し得る一方、セレクトボタン42kの左方向ボタン42L(
図1参照)を押下操作すれば、設定光量を減少し得るのを把握させることが可能である。
【0100】
こうして、光量変更画像KHの表示中に、例えば設定光量の値が「6」であって右方向ボタン42Rが1回押下操作されれば、設定光量の値が「7」に変更されて、
図18(B)に示す設定光量増加報知画像KZが表示画面50aに表示される。設定光量増加報知画像KZでは、中央に「LIGHT7」の文字と、この文字に重なるランプの形状とが示されると共に、下側にセレクトボタン42kの形状及びランプの形状が示される。なお「LIGHT7」の文字のうち、数字部分が設定光量の値を示していて、この文字と重なるランプは設定光量の値が大きいほど、大きくなるように示される。こうして、設定光量増加報知画像KZにより、遊技者には増加した設定光量の値を把握させることが可能である。なお上記では、設定光量の値が「1」だけ増加する場合を説明したが、右方向ボタン42Rが押下操作される度に、設定光量の値は1つずつ増加していく。一方、左方向ボタン42Lが押下操作される度に、設定光量の値は1つずつ減少するようになっている。以上により、遊技者は、任意の設定光量を決定することができて、所望の設定光量に基づく発光演出を堪能することが可能である。
【0101】
しかしながら、上述したように、設定音量を任意に決定できると共に、設定光量を任意に決定できる場合に以下の問題点が生じ得る。例えば或る遊技者が本パチンコ遊技機PY1において、設定音量の値を最大の「9」に決定する共に、設定音量の値を最大の「9」に決定している状態で遊技したこととする。その後、別の遊技者が本パチンコ遊技機PY1で遊技を開始する場合、最大である設定音量(「9」)に基づく音声演出が実行されると共に、最大である設定光量(「9」)に基づく発光演出が実行される。そうなると、遊技者が大きな音量や大きな光量(輝度)を好まない場合、音声演出がうるさ過ぎると感じると共に、発光演出が眩し過ぎると感じるおそれがある。特に、年配の遊技者は、設定音量の変更方法及び設定光量の変更方法を把握していないことが多く、設定音量及び設定光量を小さくすることができない場合もあり得る。こうして、遊技者によっては、音声演出や発光演出に不快感を覚えてしまい、遊技を中止するという問題点がある。
【0102】
また遊技場の従業員にとっても、多くのパチンコ遊技機において、音声演出での音量が大きいと共に、発光演出での光量が大きいと、職場環境に不快感を覚えることになる。また、例えば火災警報機等の警告音を発生させる警報装置の近くで、パチンコ遊技機による音声演出での音量が大きいと、万一、警報装置が警告音を発生させた場合に、その警告音が聞こえ難くなるという問題点もある。更に、パチンコ遊技機が発生させるセキュリティ音(例えば不正行為に対する報知音)等も、その周りのパチンコ遊技機による音声演出での音量が大きいと、聞こえ難くなるという問題点もある。加えて、発光演出での光量が大きいことは、消費電力の増加につながるため、遊技場によっては発光演出による消費電力をコントロールしたいという事情もある。
【0103】
以上により、上記した問題点を解決すべく、本形態のパチンコ遊技機PY1では、上限設定音量(上限設定演出量、第1上限設定演出量、他の上限設定演出量)を決定できると共に、上限設定光量(上限設定演出量、第2上限設定演出量)を決定できるように構成されている。上限設定音量は、その上限設定音量よりも大きい設定音量を決定することができない基準になる値である。従って例えば、上限設定音量の値が「6」に決定されれば、設定音量の値は「6」を超えて決定できないようになる。また上限設定光量は、その上限設定光量よりも大きい設定光量を決定することができない基準になる値である。従って例えば、上限設定光量の値が「6」に決定されれば、設定光量の値は「6」を超えて決定できないようになる。
【0104】
ところで、ほとんどのパチンコ遊技機には、音声演出を制御可能な制御基板(本形態ではサブ演出制御基板140、
図7、
図9参照)上に、遊技場の従業員が操作可能なマスタースイッチが設けられている。このマスタースイッチは、従来は主にハードウェアスイッチとして遊技場の従業員だけが設定音量を決定するために設けられたものである。しかしながら、近年では遊技者も設定音量を変更できることから、マスタースイッチは主に初期設定での設定音量を決定するためだけのものになっていて、実際には有効的な活用がなされていないものであった。
【0105】
そこで本形態では、既存のマスタースイッチを利用して、上限設定音量及び上限設定光量を決定できるようにしている。ここで、上限設定音量及び上限設定光量の両方を決定するようにしているのは、以下の理由に基づく。仮に、既存のマスタースイッチを、上限設定音量だけを決定可能な操作手段として用いる場合、上限設定光量を決定可能な別のマスタースイッチ(別の操作手段)を或る制御基板上に設ける必要がある。しかしながら、この場合、マスタースイッチが新たに設けられる制御基板を新規で作成しなければならない。そのため、その制御基板を再設計しなければならず、既存のパチンコ遊技機からの変更が大きくなってしまう。
【0106】
従って本形態では、従来からある1つのマスタースイッチで、上限設定音量及び上限設定光量の両方を同一操作で決定できるようにしている。ここで本形態のマスタースイッチ151は、上述したように、回転操作により「0」~「9」までの10段階にわたって操作位置が変化するものであるため、10種類の操作に基づく設定しかできない。つまり、10段階にわたって操作位置が変化する既存のマスタースイッチ151では、上限設定音量を「0」~「9」までの全ての値に任意で決定すると共に、上限設定光量を「0」~「9」までの全ての値に任意で決定することができない。
【0107】
そこで本形態では、マスタースイッチ151での操作位置(以下「マスター設定値」と呼ぶ)と、上限設定音量及び上限設定光量との関係を、
図15(C)に示すようにしている。即ち、
図15(C)に示すように、マスター設定値を「0」とした場合には、上限設定音量の値を「0」に決定すると共に、上限設定光量の値を「0」に決定するようにする。この場合には、遊技者は設定音量の値を「0」より大きくすることができないと共に、設定光量の値を「0」より大きくすることができない。よって、音声演出が実行されないと共に、発光演出が実行されなくなる(無音且つ無発光になる)。なお設計開発者にとっては、マスター設定値を「0」とすることで、研究開発やテスト時に無音且つ無発光にすることができて、作業環境を良くすることが可能である。
【0108】
また
図15(C)に示すように、マスター設定値を「1」とした場合には、上限設定音量の値を「1」に決定すると共に、上限設定光量の値を「3」に決定するようにする。またマスター設定値を「2」とした場合には、上限設定音量の値を「3」に決定すると共に、上限設定光量の値を「1」に決定するようにする。またマスター設定値を「3」とした場合には、上限設定音量の値を「3」に決定すると共に、上限設定光量の値を「3」に決定するようにする。またマスター設定値を「4」とした場合には、上限設定音量の値を「3」に決定すると共に、上限設定光量の値を「6」に決定するようにする。またマスター設定値を「5」とした場合には、上限設定音量の値を「6」に決定すると共に、上限設定光量の値を「3」に決定するようにする。またマスター設定値を「6」とした場合には、上限設定音量の値を「6」に決定すると共に、上限設定光量の値を「6」に決定するようにする。
【0109】
またマスター設定値を「7」とした場合には、上限設定音量の値を「6」に決定すると共に、上限設定光量の値を「9」に決定するようにする。またマスター設定値を「8」とした場合には、上限設定音量の値を「9」に決定すると共に、上限設定光量の値を「6」に決定するようにする。またマスター設定値を「9」とした場合には、上限設定音量の値を「9」に決定すると共に、上限設定光量の値を「9」に決定するようにする。つまりマスター設定値が「9」である場合には、遊技者は設定音量の値を最大の「9」まで大きくすることができると共に、設定光量の値を最大の「9」まで大きくすることができる。よって、遊技場の従業員がマスター設定値を「9」にすることで、従来のパチンコ遊技機と同様に、設定音量の上限及び設定光量の上限がないパチンコ遊技機にすることが可能である。
【0110】
以上により、本形態では、遊技場の従業員がマスタースイッチ151を回転操作して、例えばマスター設定値を「6」にする。これにより
図15(C)に示すように、上限設定音量の値が「6」になると共に、上限設定光量の値が「6」になる。これにより、遊技者が設定音量の値を「6」よりも大きくすることができないと共に、設定光量の値を「6」よりも大きくすることができない。即ち、「7」以上の値である設定音量に基づいて音量演出が実行されることがなく、「7」以上の値である設定光量に基づいて発光演出が実行されることがなくなる。よって、音声演出がうるさ過ぎると感じ易い遊技者が遊技する場合や、発光演出が眩し過ぎると感じ易い遊技者が遊技する場合に、音声演出や発光演出に不快感を与え難くすることが可能である。
【0111】
また遊技場において例えば、「7」以上の値である設定音量に基づく音量演出や、「7」以上の値である設定光量に基づく発光演出が実行されないパチンコ遊技機PY1を多く設置することで、遊技場の従業員における職場環境を良くすることが可能である。それと共に、遊技場の中での音量(騒音)が小さくなることで、パチンコ遊技機が発生させるセキュリティ音(例えば不正行為に対する報知音)等を聞こえ易くすることが可能である。更に、警報装置の近くにあるパチンコ遊技機PY1において、例えば「7」以上の値である設定音量に基づく音量演出が実行されないようにすることで、万一、警報装置が警告音を発生した場合に、その警告音が聞こえ難くなる事態を防ぐことが可能である。加えて、遊技場において、例えば「7」以上の値である設定光量に基づく発光演出が実行されないパチンコ遊技機PY1を適宜設置することで、発光演出による消費電力をコントロールすることが可能である。その結果、遊技場での消費電力を抑えることが可能である。
【0112】
また本形態のパチンコ遊技機PY1では、
図15(C)に示すように、マスター設定値に応じて、上限設定音量を「0」「1」「3」「6」「9」というように主に3段階ずつ変化させ、上限設定光量を「0」「1」「3」「6」「9」というように主に3段階ずつ変化させるようにしている。その結果、既存のマスタースイッチ151という1つだけの操作手段でも、上限設定音量及び上限設定光量として決定される値のメイン部分をおおよそカバーすることが可能である。
【0113】
即ち、仮に上限設定音量を「9」にした場合と、上限設定音量を「8」にした場合とを想定すると、制限される設定音量の範囲が1つしか変わらず、遊技者にとってはその変化をほとんど感じ難い。また仮に上限設定音量を「9」にした場合と、上限設定音量を「7」にした場合とを想定すると、制限される設定音量の範囲が2つしか変わらず、遊技者にとってはその変化をそれほど大きく感じ難い。要するに本形態のように、上限設定音量を「9」にした場合と、上限設定音量を「6」にした場合とであれば、制限される設定音量の範囲が3つ変わることになり、遊技者にとっては音量制限の効果を感じ易くなる。同様に、上限設定光量を「9」にした場合と、上限設定光量を「6」にした場合とであれば、制限される設定光量の範囲が3つ変わることになり、遊技者にとっては光量制限の効果を感じ易くなる。こうして本形態では、マスター設定値の1段階の変化に対して、上限設定音量又は上限設定光量の変化量が主に3段階となって大きくなるものの、実質的な不利益はほとんどない。
【0114】
本形態では、マスタースイッチ151(
図7参照)は、主に遊技場の従業員が、営業時間(午前9時から午後11時)外で回転操作を行うものになる。しかしながら、遊技場の従業員は、営業時間外でも多くの仕事をこなす必要があり、非常に忙しい。そこで本形態では、マスタースイッチ151への回転操作という特定の同一操作で、マスター設定値に対応する上限設定音量及び上限設定光量が、同時に決定される。言い換えれば、上限設定音量を決定するための操作と、上限設定光量を決定するための操作とを別々に行う必要がない。よって、忙しい遊技場の従業員に対して、上限設定音量及び上限設定光量を決定するための作業負担を小さくすることが可能である。
【0115】
ここで本形態では、マスタースイッチ151を回転操作して、上限設定音量が変更した場合、上限設定音量変更画像ZO(
図16(A)参照)が表示画面50aに表示される。例えばマスタースイッチ151への回転操作によりマスター設定値を「4」から「6」にして、上限設定音量の値が「3」から「6」に変更されると(
図15(C)参照)、
図16(A)に示すように、上限設定音量変更画像ZOが表示される。この上限設定音量変更画像ZOでは、上側に「上限設定音量を「6」にしました」の文字が示されると共に、中央に「VOLUME6」の文字と、この文字に重なる音符の形状とが示される。なお「VOLUME6」の文字のうち、数字部分が上限設定音量の値を示していて、この文字と重なる音符は上限設定音量の値が大きいほど、大きくなるように示される。こうして、上限設定音量変更画像ZOの表示により、変更された現時点での上限設定音量をより分かり易く示すことが可能である。
【0116】
また本形態では、マスタースイッチ151を回転操作して、上限設定光量が変更した場合、上限設定光量変更画像ZK(
図16(B)参照)が表示画面50aに表示される。例えばマスタースイッチ151への回転操作によりマスター設定値を「5」から「6」にして、上限設定音量の値が「3」から「6」に変更されると(
図15(C)参照)、
図16(B)に示すように、上限設定光量変更画像ZKが表示される。この上限設定光量変更画像ZKでは、上側に「上限設定光量を「6」にしました」の文字が示されると共に、中央に「LIGHT6」の文字と、この文字に重なるランプの形状とが示される。なお「LIGHT6」の文字のうち、数字部分が上限設定光量の値を示していて、この文字と重なるランプは上限設定光量の値が大きいほど、大きくなるように示される。こうして、上限設定光量変更画像ZKの表示により、変更された現時点での上限設定音量をより分かり易く示すことが可能である。
【0117】
6.パチンコ遊技機の制御動作
次に、
図19に基づいて遊技制御用マイコン101の動作について説明し、
図19~
図26に基づいて演出制御用マイコン121の動作について説明する。まず、遊技制御用マイコン101の動作について説明する。
【0118】
[メイン側タイマ割り込み処理]遊技制御用マイコン101は、
図19に示すメイン側タイマ割り込み処理を例えば4msecといった短時間毎に繰り返す。まず、遊技制御用マイコン101は、大当たり抽選に用いる大当たり乱数、大当たりの種別を決めるための当たり種別乱数、演出図柄変動演出においてリーチ状態とするか否か決めるためのリーチ乱数、変動パターンを決めるための変動パターン乱数、普通図柄抽選に用いる普通図柄乱数(当たり乱数)等を更新する乱数更新処理を行う(S101)。なお各乱数の少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。全ての乱数をハードウェア乱数とする場合、ソフトウェアによる乱数の更新処理は必要ない。また乱数発生回路は、遊技制御用マイコン101に内蔵されていてもよい。
【0119】
次に、遊技制御用マイコン101は、入力処理を行う(S102)。入力処理(S102)では、パチンコ遊技機PY1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ11a,第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、大入賞口センサ14a、一般入賞口センサ10a(
図8参照))が検知した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払い出しデータを遊技用RAM104の所定の記憶領域にセットする。また入力処理(S102)では、下皿35の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
【0120】
続いて、遊技制御用マイコン101は、始動口センサ検出処理(S103)、特別動作処理(S104)、および普通動作処理(S105)を実行する。始動口センサ検出処理(S103)では、第1始動口センサ11a又は第2始動口センサ12aによる入賞検知があれば、入賞検知のあった始動口に対応する保留記憶が4個未満であることを条件に大当たり乱数等の乱数(大当たり乱数、当たり種別乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数(
図11(A)参照))を取得する。また、ゲートセンサ13aによる通過検知があれば、普図保留が4個未満であることを条件に普通図柄乱数(
図11(B)参照)を取得する。
【0121】
特別動作処理(S104)では、始動口センサ検出処理(S103)にて取得した大当たり乱数等の乱数を所定の判定テーブル(
図10,
図12(A)(B),
図13参照)を用いて判定する。そして、大当たり抽選の結果を示すための特別図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。特別図柄の変動表示の開始時(開始直前)には変動パターンの情報を含む変動開始コマンドを遊技用RAM104の所定の出力バッファにセットし、特別図柄の停止表示の開始時(開始直前)には変動停止コマンドを遊技用RAM104の所定の出力バッファにセットする。なお変動パターンは、大当たり乱数等の各種乱数の判定に基づき、
図13に示す特図変動パターン判定テーブルを用いて決定される。
図13に示すように、変動パターンが決まれば、特別図柄の変動表示が実行される変動時間も決まる。
【0122】
大当たり乱数の判定の結果、大当たりに当選していた場合には、大当たりの種別に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、
図10参照)に従って大入賞口14を開放させる大当たり遊技(特別遊技)を行う。この大当たり遊技の開始に際して、当選した大当たり図柄の種別の情報を含むオープニングコマンドを遊技用RAM104の所定の記憶領域にセットする。なおオープニングコマンドは、オープニングの開始を示すコマンドである。また大当たり遊技が開始された後、ラウンド遊技の開始時にはラウンド指定コマンドを遊技用RAM104の所定の記憶領域にセットし、エンディングの開始時にはエンディングコマンドを遊技用RAM104の所定の記憶領域にセットする。また特別動作処理(S104)において、大当たり乱数等の乱数の記憶がない場合には、演出制御用マイコン121に客待ち演出を実行させるための客待ちコマンドを遊技用RAM104の所定の記憶領域にセットする。
【0123】
普通動作処理(S105)では、始動口センサ検出処理(S103)にて取得した普通図柄乱数を普通図柄当たり判定テーブル(
図12(C)参照)を用いて判定する。そして、その判定結果を報知するための普通図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。普通図柄乱数の判定の結果、普通当たり図柄に当選していた場合には、遊技状態に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、
図14参照)に従って電チュー12Dを開放させる補助遊技を行う。
【0124】
次に、遊技制御用マイコン101は、上述の各処理においてセットしたコマンド等を演出制御基板120等に出力する出力処理(S106)を行う。
【0125】
以上の遊技制御用マイコン101における処理と並行して、演出制御用マイコン121は
図20~
図26に示す処理を行う。以下、演出制御用マイコン121の動作について説明する。
【0126】
[サブ側1msタイマ割り込み処理]演出制御用マイコン121は、
図20に示すサブ側1msタイマ割り込み処理を1msecといった短時間毎に繰り返す。なお演出制御用マイコン121は、サブ側1msタイマ割り込み処理を実行すると共に、後述するようにサブ側10msタイマ割り込み処理(
図22参照)を実行するようになっている。
図20に示すように、サブ側1msタイマ割り込み処理ではまず、後述する入力処理を行う(S201)。
【0127】
続いて、駆動制御処理を行う(S202)。駆動制御処理(S202)では、SPリーチや大当たり演出中等の演出に合うタイミングで盤可動体55k、昇降ユニット300、左上部ユニット500、右上部ユニット550を駆動させるべく、駆動データ(盤可動体駆動データ、昇降ユニット駆動データ、左上部ユニット駆動データ、右上部ユニット駆動データ)を作成したり、出力したりする。つまり、駆動データに従って、盤可動体55k、昇降ユニット300、左上部ユニット500、右上部ユニット550を所定の動作態様で駆動させる。
【0128】
続いて、ランプデータ出力処理を行う(S203)。ランプデータ出力処理(S203)では、演出に合うタイミングで盤ランプ54や枠ランプ212を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理におけるその他の処理(S1005)で作成したランプデータをサブ演出制御基板140に出力する。これにより、サブ演出制御基板140のサブ演出用CPU141は、ランプデータに基づいて、サブドライブ基板162を介して盤ランプ54及び枠ランプ212での発光演出を制御する。
【0129】
但し本形態では、
図9に示すように、マスタースイッチ151の操作位置の情報を含むマスター設定値信号は、サブ演出用CPU141に入力されている。そのため、サブ演出用CPU141は、マスター設定値信号に基づいて、現時点での上限設定光量の値を把握している。また演出制御用マイコン121がサブ演出用CPU141に送信するランプデータには、遊技者の操作に基づく設定光量の情報が含まれている。従って、サブ演出用CPU141は、現時点での上限設定光量と設定光量とを比較して、上限設定光量を超える設定光量に基づいて発光演出が実行されないように、盤ランプ54及び枠ランプ212での発光制御を行うことになる。なお上記した発光制御に変えて、演出制御用マイコン121が、現時点での上限設定光量と設定光量とを比較して、上限設定光量を超える設定光量に基づいて発光演出が実行されないように、盤ランプ54及び枠ランプ212での発光制御を行うようにしても良い。
【0130】
図20に示すサブ側1msタイマ割り込み処理において、ランプデータ出力処理(S203)の後、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行って(S204)、本処理を終える。
【0131】
[入力処理]
図21に示すように、入力処理(S201)ではまず、演出制御用マイコン121は、マスター設定値信号を受信したか否かを判定する(S301)。受信していなければ(S301でNO)、上限設定音量及び上限設定光量を変更する必要がないため、ステップS308に進む。一方、受信していれば(S301でYES)、上限設定音量を変更するか否かを判定する(S302)。即ち、マスター設定値信号から判断される上限設定音量が、それまでに記憶している上限設定音量と異なるか否かを判定する。
【0132】
なお本パチンコ遊技機PY1において、初期設定でのマスタースイッチ151の操作位置は、マスター設定値が「9」となる位置になっている。つまり、予め上限設定音量が「9」に設定されていると共に、上限設定光量が「9」に設定されている。よって、初期設定では、従来のパチンコ遊技機と同様に、音量の上限及び光量の上限がないパチンコ遊技機PY1になっている。
【0133】
ステップS302において、上限設定音量を変更すると判定すれば(S302でYES)、記憶している上限設定音量の情報を再設定する(S303)。つまり、演出用RAM124に記憶されている上限設定音量の情報を、マスター設定値信号から判断される上限設定音量の情報に変更する。続いて、マスター設定値信号から判断される上限設定音量の情報を含む上限設定音量変更コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S304)、ステップS305に進む。
【0134】
これにより、上限設定音量変更コマンドは、サブ演出制御基板140に送信されて、サブ演出用CPU141は、表示画面50aにて上限設定音量変更画像ZO(
図16(A)参照)を表示する。その結果、本形態のようにマスター設定値と上限設定音量との関係が分かり難くなっていても(
図15(C)参照)、表示画面50aに表示される上限設定音量変更画像ZOにより、現時点での上限設定音量を容易に把握することが可能である。一方、ステップS302において、上限設定音量を変更しないと判定すれば(S302でNO)、ステップS303,S304をパスして、ステップS305に進む。
【0135】
ステップS305では、上限設定光量を変更するか否かを判定する(S305)。即ち、マスター設定値信号から判断される上限設定光量が、それまでに記憶している上限設定光量と異なるか否かを判定する。上限設定光量を変更すると判定すれば(S305でYES)、記憶している上限設定光量の情報を再設定する(S306)。つまり、演出用RAM124に記憶されている上限設定光量の情報を、マスター設定値信号から判断される上限設定光量の情報に変更する。続いて、マスター設定値信号から判断される上限設定光量の情報を含む上限設定光量変更コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S307)、ステップS308に進む。
【0136】
これにより、上限設定光量変更コマンドは、サブ演出制御基板140に送信されて、サブ演出用CPU141は、表示画面50aにて上限設定光量変更画像ZK(
図16(B)参照)を表示する。その結果、本形態のようにマスター設定値と上限設定光量との関係が分かり難くなっていても(
図15(C)参照)、表示画面50aに表示される上限設定光量変更画像ZKにより、現時点での上限設定光量を容易に把握することが可能である。一方、ステップS305において、上限設定光量を変更しないと判定すれば(S305でNO)、ステップS306,S307をパスして、ステップS308に進む。
【0137】
ステップS308では、その他の入力設定処理として、演出ボタン検知センサ40a、セレクトボタン検知センサ42a(
図9参照)からの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成して、本処理を終える。
【0138】
[サブ側10msタイマ割り込み処理]サブ側10msタイマ割り込み処理は、演出制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。
図22に示すように、サブ側10msタイマ割り込み処理では、演出制御用マイコン121は、後述する受信コマンド解析処理を行う(S1001)。
【0139】
続いて、サブ側1msタイマ割り込み処理の入力処理(S201)で作成したスイッチデータをサブ側10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとして演出用RAM124に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S1002)。そして、スイッチ状態取得処理(S1002)にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面50aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S1003)。
【0140】
続いて、音声制御処理(S1004)を行う。音声制御処理(S1004)では、演出制御用マイコン121が、音声データ(スピーカ620からの音声の出力を制御するデータ)の作成及びサブ演出制御基板140への出力や、音声演出の時間管理等を行う。こうして音声演出の制御は、主に演出制御用マイコン121によって実行されていて、音声データを受信したサブ演出制御基板140では、音声用CPU149(音声IC)が、音声制御回路150を介して実行する演出に合った音声がスピーカ620から出力される。
【0141】
但し本形態では、
図9に示すように、マスタースイッチ151の操作位置の情報を含むマスター設定値信号は、演出制御用マイコン121に入力されている。そのため、演出制御用マイコン121は、マスター設定値信号に基づいて、現時点での上限設定音量の値を把握している。また演出制御用マイコン121は、遊技者の操作に基づく設定音量も把握している。従って演出制御用マイコン121は、現時点での上限設定音量と設定音量とを比較して、上限設定音量を超える設定音量に基づいて音声演出が実行されないように、スピーカ620での音声制御を行うことになる。なお上記した音声制御に変えて、サブ演出用CPU141が、現時点での上限設定音量と設定音量とを比較して、上限設定音量を超える設定音量に基づいて音声演出が実行されないように、スピーカ620での音声制御を行うようにしても良い。
【0142】
図22に示すサブ側10msタイマ割り込み処理において、音声制御処理(S1004)の後、各種の演出用の乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行して(S1005)、本処理を終える。
【0143】
[受信コマンド解析処理]
図23に示すように、受信コマンド解析処理(1001)ではまず、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から変動開始コマンド(特
図1変動開始コマンド又は特
図2変動開始コマンド)を受信したか否か判定し(S1101)、受信していれば後述する変動演出開始処理を行う(S1102)。
【0144】
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から変動停止コマンド(特
図1変動停止コマンド又は特
図2変動停止コマンド)を受信したか否か判定し(S1103)、受信していれば変動演出終了処理を行う(S1104)。変動演出終了処理(S1104)では、変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
【0145】
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S1105)、受信していればオープニング演出選択処理を行う(S1106)。オープニング演出選択処理(S1106)では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
【0146】
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S1107)、受信していればラウンド演出選択処理を行う(S1108)。ラウンド演出選択処理(S1108)では、ラウンド指定コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のラウンド遊技中に実行するラウンド演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したラウンド演出パターンにてラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
【0147】
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S1109)、受信していればエンディング演出選択処理を行う(S1110)。エンディング演出選択処理(S1110)では、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
【0148】
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から客待ちコマンドを受信したか否かを判定し(S1111)、受信していれば後述する客待ち演出処理を実行する(S1112)。そして、その他の処理(S1113)として上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理(例えば普通図柄変動開始コマンドの受信に基づいて普図変動演出を行うための処理)を行って、受信コマンド解析処理(S1001)を終える。
【0149】
[変動演出開始処理]
図24に示すように、変動演出開始処理(S1102)ではまず、演出制御用マイコン121は、変動開始コマンドを解析する(S1201)。変動開始コマンドには、遊技制御用マイコン101による大当たり判定処理に基づいてセットされた特図停止図柄データの情報や、変動パターン(
図13参照)の情報、現在の遊技状態を指定する情報等が含まれている。
【0150】
次に演出制御用マイコン121は、変動演出において最終的に停止表示する演出図柄8L,8C,8Rの選択を行う(S1202)。具体的には、演出図柄決定用乱数を取得するとともに、リーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択する。そして、選択したテーブルを用いて、取得した演出図柄決定用乱数を判定することにより、演出図柄を選択する。これにより、最終的に停止表示される演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせ(例えば「777」等)が決定される。
【0151】
続いて演出制御用マイコン121は、変動演出パターン選択処理を実行する(S1203)。具体的には、変動演出パターン決定用乱数を取得するとともに、変動パターンの種類に応じて分類されているテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択する。そして、選択したテーブルを用いて、取得した変動演出パターン抽選乱数を判定することにより、変動演出パターンを選択する。こうして変動演出パターンが決まれば、変動演出の時間、演出図柄の変動表示態様、リーチ演出の有無、リーチ演出の内容、演出ボタン演出(SW演出)の有無、演出ボタン演出の内容、演出展開構成、演出図柄の背景の種類等からなる変動演出の内容の詳細が決まることとなる。
【0152】
続いて演出制御用マイコン121は、予告演出選択処理を実行する(S1204)。予告演出選択処理(S1204)では、予告演出決定用乱数を取得するとともに、リーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択する。そして、その選択したテーブルを用いて、取得した予告演出決定用乱数を判定することにより、予告演出を選択する。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出の内容が決定される。
【0153】
続いて演出制御用マイコン121は、選択した変動演出パターンに応じて駆動データを設定するための駆動データ設定処理を実行する(S1205)。この駆動データ設定処理(S1205)により、大当たりへの当選期待度が高い演出(SPリーチ等)を実行する変動演出パターンが選択された場合に、盤可動体駆動データ、昇降ユニット駆動データ、左上部ユニット駆動データ、右上部ユニット駆動データ、その他の駆動データが演出用RAM124にセットされ得るようになっている。
【0154】
その後、選択した演出図柄と変動演出パターンと予告演出とを開始するための変動演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S1206)、本処理を終える。ステップS1206でセットされた変動演出開始コマンドが、サブ演出制御基板140に送信されると、サブ演出制御基板140のサブ演出用CPU141は、表示画面50aにて特別図柄の変動表示に同期した変動演出を実行する。
【0155】
[客待ち演出処理]
図25に示すように、客待ち演出処理(S1112)ではまず、演出制御用マイコン121は、客待ち演出開始から所定時間(本形態では30秒)が経過したか否かを判定する(S1301)。なお客待ち演出は、特図保留が無い状態で特別図柄の停止表示が終了した時点から開始される演出のことである。客待ち演出の開始から所定時間が経過していなければ(S1301でNO)、ステップS1302をパスして、ステップS1303に進む。
【0156】
一方、客待ち演出の開始から所定時間が経過していれば(S1301でYES)、デモ演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S1302)、ステップS1303に進む。ステップS1302でセットされたデモ演出開始コマンドが、サブ演出制御基板140に送信されると、サブ演出制御基板140のサブ演出用CPU141は、表示画面50aにてデモ演出を実行する。デモ演出は、特定の時間(本形態では15秒)毎に表示画面50aにて、設定音量を変更するための音量変更画像OH(
図17(A)参照)の表示、設定光量を変更するための光量変更画像KH(
図17(B)参照)の表示、本パチンコ遊技機PY1のキャラクタ画像の表示等を繰り返し実行する演出である。こうして、客待ち演出の開始から30秒が経過すると、
図17(A)に示す音量変更画像OHや、
図17(B)に示す光量変更画像KHが表示されて、遊技者は設定音量や設定光量を変更することが可能になる。
【0157】
ステップS1303では、
図17(A)に示す音量変更画像OHの表示中であるか否かを判定する。表示中でなければ(S1303でNO)、
図26に示すステップS1313に進む。一方、表示中であれば(S1303でYES)、続いて、右方向ボタン42Rが押下操作されたか否かを判定する(S1304)。押下操作されていなければ(S1304でNO)、設定音量を増加させ得る状況でないため、ステップS1309に進む。
【0158】
これに対して、右方向ボタン42Rが押下操作されていれば(S1304でYES)、続いて、現時点で演出用RAM124に記憶されている設定音量の情報と上限設定音量とに基づいて、設定音量が上限設定音量よりも小さいか否かを判定する(S1305)。小さければ(S1305でYES)、設定音量を大きくすることができる状況であるため、設定音量の値が「1」だけ増加したことを示す情報を、演出用RAM124に記憶する(S1306)。そして、増加した設定音量の情報を含む設定音量増加報知コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S1307)、ステップS1309に進む。ステップS1307でセットされた設定音量増加報知コマンドが、サブ演出制御基板140に送信されると、サブ演出制御基板140のサブ演出用CPU141は、増加した設定音量を示す設定音量増加報知画像OZ(
図17(B)参照)を表示画面50aに表示する。この設定音量増加報知画像OZを見ることにより、遊技者等は設定音量が増加したのを把握することが可能である。
【0159】
一方、ステップS1305において、設定音量が上限設定音量よりも小さくない(S1305でNO)、即ち設定音量が上限設定音量以上であれば、これ以上設定音量を大きくすることができない状況である。そのため、ステップS1308に進み、現時点での設定音量の情報を含む設定音量増加不可コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S1308)、ステップS1309に進む。ステップS1308でセットされた設定音量増加不可コマンドが、サブ演出制御基板140に送信されると、サブ演出制御基板140のサブ演出用CPU141は、設定音量増加不可画像ON(
図17(C)参照)を表示画面50aに表示する。
【0160】
ここで設定音量増加不可画像ONでは、例えば
図17(C)に示すように、上側に「これ以上大きくできません」の文字が示されて、中央に「VOLUME6」の文字と、この文字に重なる音符の形状とが示されると共に、下側にセレクトボタン42kの形状及び音符の形状が示される。設定音量増加不可画像ONでは「VOLUME6」の文字のうち、数字部分がこれ以上大きくすることができない設定音量の値を示していて、言い換えれば、上限設定音量を示していることになる。よって、設定音量増加不可画像ONを見ることにより、遊技者等は現時点の設定音量がこれ以上増加させることできない上限設定音量になっていることを把握することが可能である。
【0161】
ステップS1309では、左方向ボタン42Lが押下操作されたか否かを判定する。押下操作されていなければ(S1309でNO)、設定音量を減少させ得る状況でないため、
図26に示すステップS1313に進む。
【0162】
これに対して、左方向ボタン42Lが押下操作されていれば(S1309でYES)、続いて、現時点で演出用RAM124に記憶されている設定音量が「0」よりも大きいか否かを判定する(S1310)。「0」よりも大きければ(S1310でYES)、設定音量を小さくすることができる状況であるため、設定音量の値が「1」だけ減少したことを示す情報を、演出用RAM124に記憶する(S1311)。そして、減少した設定音量の情報を含む設定音量減少報知コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S1312)、
図26に示すステップS1313に進む。ステップS1312でセットされた設定音量減少報知コマンドが、サブ演出制御基板140に送信されると、サブ演出制御基板140のサブ演出用CPU141は、減少した設定音量を示す設定音量減少報知画像(図示省略)を表示画面50aに表示する。この設定音量減少報知画像を見ることにより、遊技者等は設定音量が減少したのを把握することが可能である。
【0163】
一方、ステップS1310において、設定音量が「0」よりも大きくない(S1310でNO)、即ち設定音量が「0」であれば、これ以上設定音量を小さくすることができない状況である。そのため、設定音量を減少させることなく、
図26に示すステップS1313に進む。
【0164】
ステップS1313では、
図18(A)に示す光量変更画像KHの表示中であるか否かを判定する。表示中でなければ(S1313でNO)、本処理を終える。一方、表示中であれば(S1313でYES)、続いて、右方向ボタン42Rが押下操作されたか否かを判定する(S1314)。押下操作されていなければ(S1314でNO)、設定光量を増加させ得る状況でないため、ステップS1319に進む。
【0165】
これに対して、右方向ボタン42Rが押下操作されていれば(S1314でYES)、続いて、現時点で演出用RAM124に記憶されている設定光量の情報と上限設定光量とに基づいて、設定光量が上限設定光量よりも小さいか否かを判定する(S1315)。小さければ(S1315でYES)、設定光量を大きくすることができる状況であるため、設定光量の値が「1」だけ増加したことを示す情報を、演出用RAM124に記憶する(S1316)。そして、増加した設定光量の情報を含む設定光量増加報知コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S1317)、ステップS1319に進む。ステップS1317でセットされた設定光量増加報知コマンドが、サブ演出制御基板140に送信されると、サブ演出制御基板140のサブ演出用CPU141は、増加した設定光量を示す設定光量増加報知画像KZ(
図18(B)参照)を表示画面50aに表示する。この設定光量増加報知画像KZを見ることにより、遊技者等は設定光量が増加したのを把握することが可能である。
【0166】
一方、ステップS1315において、設定光量が上限設定光量よりも小さくない(S1315でNO)、即ち設定光量が上限設定光量以上であれば、これ以上設定光量を大きくすることができない状況である。そのため、ステップS1318に進み、現時点での設定光量の情報を含む設定光量増加不可コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S1318)、ステップS1319に進む。ステップS1318でセットされた設定光量増加不可コマンドが、サブ演出制御基板140に送信されると、サブ演出制御基板140のサブ演出用CPU141は、設定光量増加不可画像KN(
図18(C)参照)を表示画面50aに表示する。
【0167】
ここで設定光量増加不可画像KNでは、例えば
図18(C)に示すように、上側に「これ以上大きくできません」の文字が示されて、中央に「LIGHT6」の文字と、この文字に重なるランプの形状とが示されると共に、下側にセレクトボタン42kの形状及びランプの形状が示される。設定光量増加不可画像KNでは「LIGHT6」の文字のうち、数字部分がこれ以上大きくすることができない設定光量の値を示していて、言い換えれば、上限設定光量を示していることになる。よって、設定光量増加不可画像KNを見ることにより、遊技者等は現時点の設定光量がこれ以上増加させることできない上限設定光量になっていることを把握することが可能である。
【0168】
ステップS1319では、左方向ボタン42Lが押下操作されたか否かを判定する。押下操作されていなければ(S1319でNO)、設定光量を減少させ得る状況でないため、本処理を終える。
【0169】
これに対して、左方向ボタン42Lが押下操作されていれば(S1319でYES)、続いて、現時点で演出用RAM124に記憶されている設定光量が「0」よりも大きいか否かを判定する(S1320)。「0」よりも大きければ(S1320でYES)、設定光量を小さくすることができる状況であるため、設定光量の値が「1」だけ減少したことを示す情報を、演出用RAM124に記憶する(S1321)。そして、減少した設定光量の情報を含む設定光量減少報知コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S1322)、本処理を終える。ステップS1322でセットされた設定光量減少報知コマンドが、サブ演出制御基板140に送信されると、サブ演出制御基板140のサブ演出用CPU141は、減少した設定光量を示す設定光量減少報知画像(図示省略)を表示画面50aに表示する。この設定光量減少報知画像を見ることにより、遊技者等は設定光量が減少したのを把握することが可能である。
【0170】
一方、ステップS1320において、設定光量が「0」よりも大きくない(S1320でNO)、即ち設定光量が「0」であれば、これ以上設定光量を小さくすることができない状況である。そのため、設定光量を減少させることなく、本処理を終える。
【0171】
7.本形態の効果
以上詳細に説明したように、本パチンコ遊技機PY1によれば、例えば遊技場の従業員が、マスタースイッチ151への回転操作により、「0」~「9」までの音量設定範囲の中から「0」「1」「3」「6」「9」となる上限設定音量を決定することが可能である(
図15(C)参照)。また「0」~「9」までの光量設定範囲の中から「0」「1」「3」「6」「9」となる上限設定光量を決定することが可能である(
図15(C)参照)。これにより、スピーカ620は、上限設定音量を超える設定音量に基づいて音声演出を実行できなくなると共に、盤ランプ54及び枠ランプ212は、上限設定光量を超える設定光量に基づいて発光演出を実行できなくなる。その結果、スピーカ620による音声演出や、盤ランプ54及び枠ランプ212による発光演出が過剰であると感じ易い遊技者に対して、快適な遊技を提供することが可能である。
【0172】
また本パチンコ遊技機PY1によれば、マスタースイッチ151への回転操作という特定の同一操作により、上限設定音量と上限設定光量とを同時に決定することが可能である。言い換えると、
図15(C)に示すように、マスタースイッチ151の回転操作でマスター設定値を「0」~「9」までの何れかに決定するだけで、上限設定音量と上限設定光量とを一度に決定することが可能である。こうして遊技場の従業員にとっては、上限設定音量と上限設定光量とをそれぞれ別個に決定する操作が不要になり、設定操作を簡易にすることが可能である。
【0173】
また本パチンコ遊技機PY1によれば、
図7に示すように、マスタースイッチ151が当該パチンコ遊技機PY1の裏側(遊技機枠2の内部の後方側)に設けられているため、遊技者はマスタースイッチ151を回転操作することができない。従って、遊技者が悪戯によって、上限設定音量と上限設定光量とを決定してしまうのを防ぐことが可能である。
【0174】
また本パチンコ遊技機PY1によれば、ほとんどのパチンコ遊技機の裏側にて設定音量を変更するために設けられているマスタースイッチ151を利用して、上限設定音量と上限設定光量とを同時に決定することが可能である。つまり、既存のパチンコ遊技機の構成に対して、上限設定光量を決定するための操作手段を新たに設けたわけではなく、ハード的な構成を変更したわけではない。よって、既存の構成からの変更を小さくして、過剰になり易い音声演出と、過剰になり易い発光演出とを防止する構成を実現可能である。
【0175】
8.変形例
以下、変形例について説明する。なお、変形例の説明において、上記第1形態のパチンコ遊技機PY1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変形例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記形態および下記変形例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0176】
<第2形態>
上記第1形態では、マスタースイッチ151を回転操作することで、上限設定音量及び上限設定光量を決定するようにした。これに対して第2形態では、パチンコ遊技機PY1に電源投入された後の初期設定時に、上限設定音量及び上限設定光量を決定できるように構成されている。以下、第2形態について、
図27~
図32に基づいて説明する。先ず、第2形態における演出制御用マイコン121の動作について、第1形態と異なる点を中心に説明する。
【0177】
[サブ制御メイン処理]演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PY1の電源がオンされると、演出用ROM123から
図27に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
【0178】
続いて、電源断信号がONで且つ演出用RAM124の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、演出用RAM124の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、つまり、電断により電源断信号がONとなったが演出用RAM124の内容が正常に保たれている場合には、続いて、RAMクリア通知コマンドを受信しているか否かを判定する(S4011)。なおRAMクリア通知コマンドは、電源投入時に遊技制御用マイコン101が、遊技用RAM104の記憶内容をクリアした場合に、RAMクリアが実行されたことを示すコマンドとして演出制御用マイコン121(演出制御基板120)に送信するものである。
【0179】
RAMクリア通知コマンドを受信していれば(S4011でYES)、演出用RAM124の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。なお、演出用RAM124を初期化すれば、各種のフラグ、ステータスおよびカウンタ等の値はリセットされる。また、このステップS4001~S4003,S4011の処理は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。これに対して、RAMクリア通知コマンドを受信していなければ(S4011でNO)、ステップS4003をパスして、ステップS4004に進む。
【0180】
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理(S4006)では、演出制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、サブ演出制御基板140に送信する。コマンドを受信したサブ演出制御基板140は、コマンドに従い画像表示装置50を用いて各種の演出(変動演出や、大当たり遊技に伴うオープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出等)を実行する。演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004~S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。なお1msタイマ割り込み処理(S4009)は、
図20に示す第1形態のサブ側1msタイマ割り込み処理と実質的に同様の処理である。
【0181】
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)は、遊技制御基板100から送られたストローブ信号(STB信号)が演出制御用マイコン121の外部INT入力部に入力されることに基づいて行われる。つまり、ストローブ信号が演出制御用マイコン121の外部INT入力部に入力されなければ、受信割り込み処理(S4008)は行われない。
図28に示すように、受信割り込み処理(S4008)では、遊技制御基板100から送信されてきた各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する(S4101)。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
【0182】
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)では、
図29に示すように、演出制御用マイコン121はまず、後述する初期機能設定処理を実行する(S1000)。その後、第1形態のサブ側10msタイマ割り込み処理(
図22参照)と同様、ステップS1001~S1005の処理を実行するようになっている。
【0183】
[初期機能設定処理]初期機能設定処理(S1000)は、パチンコ遊技機PY1に電源投入された後の初期設定時に、上限設定音量及び上限設定光量を任意に決定するための処理である。初期機能設定処理(S1000)では、
図30に示すように、演出制御用マイコン121はまず、RAMクリア後(演出用RAM124の初期化後)の所定時間(本形態では30秒)が経過したか否かを判定する(S4201)。所定時間が経過していれば(S4201でYES)、ステップS4204に進む。ここでRAMクリア後の所定時間では、
図32(A)に示すように、電源投入後画像S1が表示画面50aに表示され得る。電源投入後画像S1では、中央に「しばらくお待ちください」の文字が示されると共に、下側に「ラムクリア報知中に演出ボタンを5回プッシュすると初期機能設定画像を表示します」の文字が示される。こうして電源投入後画像S1の表示により、後述する初期機能設定画像S2を表示させるための方法が示される。
【0184】
ステップS4201において、RAMクリア後の所定時間が経過していなければ(S4201でNO)、続いて、所定操作(本形態では演出ボタン40kが5回押下操作されること)が行われたか否かを判定する(S4202)。所定操作が行われていなければ(S4202でNO)、ステップS4204に進む。一方、所定操作が行われていれば(S4202でYES)、初期機能設定画像コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S4203)、ステップS4204に進む。ステップS4203でセットされた初期機能設定画像コマンドが、サブ演出制御基板140に送信されると、サブ演出制御基板140のサブ演出用CPU141は、初期機能設定画像S2(
図32(B)参照)を表示画面50aに表示する。
【0185】
ここで初期機能設定画像S2では、
図32(B)に示すように、上側に「機能設定メニュー」の文字が示されて、その文字の下側に「上限設定音量の変更」を実行するための「設定画面へ切替」のメニューが示され、更にその下側に「上限設定光量の変更」を実行するための「設定画面へ切替」のメニューが示されている。また下側に「戻る」のメニューと、セレクトボタン42kの形状と演出ボタン40kの形状とが示されている。この初期機能設定画像S2の表示により、セレクトボタン42kと演出ボタン40kとを操作して、上限設定音量を変更するための設定画面、又は上限設定光量を変更するための設定画面に切替可能であることが示されている。
【0186】
ステップS4204では、初期機能設定画像S2の表示中であるか否かを判定する。表示中でなければ(S4204でNO)、
図31に示すステップS4209に進む。一方、表示中であれば(S4204でYES)、続いて、初期機能設定画像S2(
図32(B)参照)において「上限設定音量の変更」を実行するための「設定画面へ切替」のメニューが選択されたか否かを判定する(S4205)。つまり、セレクトボタン42kにより「上限設定音量の変更」の「設定画面へ切替」にカーソルが合った状態で、演出ボタン40kが押下操作されたか否かを判定する。選択されていなければ(S4205でNO)、
図31に示すステップS4209に進む。一方、選択されていれば(S4205でYES)、上限設定音量決定コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S4206)、ステップS4207に進む。ステップS4206でセットされた上限設定音量決定コマンドが、サブ演出制御基板140に送信されると、サブ演出制御基板140のサブ演出用CPU141は、上限設定音量決定画像S3(
図32(C)参照)を表示画面50aに表示する。
【0187】
ここで上限設定音量決定画像S3では、
図32(C)に示すように、中央上側に「上限設定音量」の文字が示されて、その文字の下側に「0~9」までの各上限設定音量の値が示されている。また下側にセレクトボタン42kの形状と演出ボタン40kの形状とが示されている。なお「0~9」までの各上限設定音量は長方形状の縁にてそれぞれ囲まれていて、9つの長方形状の縁のうち太くなっている縁を見ることで、現時点での上限設定音量が分かるようになっている。この上限設定音量決定画像S3の表示により、セレクトボタン42kと演出ボタン40kとを操作して(カーソルを所望の上限設定音量を囲む縁に合わせて、演出ボタン40kを押下操作することで)上限設定音量を変更可能であることが示されている。
【0188】
ステップS4207では、初期機能設定画像S2(
図32(B)参照)において「上限設定光量の変更」を実行するための「設定画面へ切替」のメニューが選択されたか否かを判定する。つまり、セレクトボタン42kにより「上限設定光量の変更」の「設定画面への切替」にカーソルが合った状態で、演出ボタン40kが押下操作されたか否かを判定する。選択されていなければ(S4207でNO)、
図31に示すステップS4209に進む。一方、選択されていれば(S4207でYES)、上限設定光量決定コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S4208)、
図31に示すステップS4209に進む。ステップS4208でセットされた上限設定光量決定画像コマンドが、サブ演出制御基板140に送信されると、サブ演出制御基板140のサブ演出用CPU141は、上限設定光量決定画像S4(
図32(D)参照)を表示画面50aに表示する。
【0189】
ここで上限設定光量決定画像S4では、
図32(D)に示すように、中央上側に「上限設定光量」の文字が示されて、その文字の下側に「0~9」までの各上限設定光量の値が示されている。また下側にセレクトボタン42kの形状と演出ボタン40kの形状とが示されている。なお「0~9」までの各上限設定光量は長方形状の縁にてそれぞれ囲まれていて、9つの長方形状の縁のうち太くなっている縁を見ることで、現時点での上限設定光量が分かるようになっている。この上限設定光量決定画像S4の表示により、セレクトボタン42kと演出ボタン40kとを操作して(カーソルを所望の上限設定光量を囲む縁に合わせて、演出ボタン40kを押下操作することで)、上限設光量を変更可能であることが示されている。
【0190】
図31に示すステップS4209において、上限設定音量決定画像S3(
図32(C)参照)が表示中であるか否かを判定する。表示中でなければ(S4209でNO)、上限設定音量を変更する状況でないため、ステップS4213に進む。一方、表示中であれば(S4209でYES)、セレクトボタン42kと演出ボタン40kにより、上限設定音量を変更するための操作が実行されたか否かを判定する(S4210)。即ち、セレクトボタン42kにより上限設定音量を示していた縁の位置からカーソルを動かして、演出ボタン40kが押下操作されたか否かを判定する。上限設定音量を変更するための操作が実行されていなければ(S4210でNO)、ステップS4213に進む。
【0191】
これに対して、上限設定音量を変更するための操作が実行されていれば(S4210でYES)、記憶している上限設定音量の情報を再設定する(S4211)。続いて、再設定された上限設定音量の情報を含む上限設定音量決定コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S4212)、ステップS4213に進む。ステップS4212でセットされた上限設定音量決定コマンドが、サブ演出制御基板140に送信されると、サブ演出制御基板140のサブ演出用CPU141は、再設定された上限設定音量の縁を太くしている上限設定音量決定画像(
図32(C)参照)を表示画面50aに表示する。これにより、上限設定音量が変更されたのを把握することが可能である。なお上限設定音量が変更された場合の効果については、上記第1形態と同様であるため、説明を省略する。
【0192】
ステップS4213では、上限設定光量決定画像S4(
図32(D)参照)が表示中であるか否かを判定する。表示中でなければ(S4213でNO)、上限設定光量を変更する状況でないため、本処理を終える。一方、表示中であれば(S4213でYES)、セレクトボタン42kと演出ボタン40kにより、上限設定光量を変更するための操作が実行されたか否かを判定する(S4214)。即ち、セレクトボタン42kにより上限設定光量を示していた縁の位置からカーソルを動かして、演出ボタン40kが押下操作されたか否かを判定する。上限設定光量を変更するための操作が実行されていなければ(S4214でNO)、本処理を終える。
【0193】
これに対して、上限設定光量を変更するための操作が実行されていれば(S4214でYES)、記憶している上限設定光量の情報を再設定する(S4215)。続いて、再設定された上限設定光量の情報を含む上限設定光量決定コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S4216)、本処理を終える。ステップS4216でセットされた上限設定光量決定コマンドが、サブ演出制御基板140に送信されると、サブ演出制御基板140のサブ演出用CPU141は、再設定された上限設定光量の縁を太くしている上限設定光量決定画像(
図32(D)参照)を表示画面50aに表示する。これにより、上限設定光量が変更されたのを把握することが可能である。なお上限設定光量が変更された場合の効果については、上記第1形態と同様であるため、説明を省略する。
【0194】
以上、第2形態のパチンコ遊技機PY1によれば、例えば遊技場の従業員が、当該パチンコ遊技機PY1に電源が投入された後の初期設定時に、
図32(C)に示す上限設定音量決定画像S3を表示させる。そして、上限設定音量決定画像S3の表示中に、セレクトボタン42kでカーソルの位置を合わせて、演出ボタン40kを押下操作することで(特定操作に基づいて)、「0」~「9」までの任意の上限設定音量を決定することが可能である。これにより、スピーカ620は、上限設定音量を超える設定音量に基づいて音声演出を実行できなくなる。その結果、スピーカ620による音声演出が過剰である(うるさ過ぎる)と感じ易い遊技者に対して、快適な遊技を提供することが可能である。
【0195】
また第2形態のパチンコ遊技機PY1によれば、遊技場の従業員が、当該パチンコ遊技機PY1に電源が投入された後の初期設定時に、
図32(D)に示す上限設定光量決定画像S4を表示させる。そして、上限設定光量決定画像S4の表示中に、セレクトボタン42kでカーソルの位置を合わせて、演出ボタン40kを押下操作することで(特定操作に基づいて)、「0」~「9」までの任意の上限設定光量を決定することが可能である。これにより、盤ランプ54及び枠ランプ212は、上限設定光量を超える設定光量に基づいて発光演出を実行できなくなる。その結果、盤ランプ54及び枠ランプ212による発光演出が過剰である(眩し過ぎる)と感じ易い遊技者に対して、快適な遊技を提供することが可能である。
【0196】
また第2形態のパチンコ遊技機PY1によれば、
図32(C)に示す上限設定音量決定画像S3の表示、又は
図32(D)に示す上限設定光量決定画像S4の表示は、初期設定時に遊技場の従業員ができるものであって、遊技者ができるものではない。つまり遊技者は、遊技場の従業員と異なり、初期設定を行うことができないため、上限設定音量又は上限設定光量を決定することができない。従って、遊技者が悪戯によって上限設定音量又は上限設定光量を決定してしまうのを防ぐことが可能である。
【0197】
また第2形態のパチンコ遊技機PY1によれば、
図32(C)(D)に示すように、上限設定音量と上限設定光量とを別個にそれぞれ決定することが可能である。更に「0」~「9」までの音量設定範囲の中からどの上限設定音量でも決定することができると共に、「0」~「9」までの光量設定範囲の中からどの上限設定光量でも決定することができる。要するに第1形態のように、上限設定音量と上限設定光量とを或る一定の関係でしか決定できないわけではない(
図15(C)参照)。よって、遊技場の従業員が、遊技場の状況に合わせて、最適な上限設定音量と、最適な上限設定光量とを決定することが可能である。
【0198】
<第3形態>
上記第1形態では、
図7に示すように、サブ演出制御基板140上に、上限設定音量及び上限設定光量を決定可能なマスタースイッチ151が設けられていた。これに対して第3形態では、
図33に示すように、サブ演出制御基板140上に、上限設定音量を決定可能なマスタースイッチ151Aが設けられていると共に、上限設定光量を決定可能なマスタースイッチ151Bが設けられている。以下、第3形態について、第1形態と異なる点を中心に説明する。
【0199】
マスタースイッチ151Aは、ほとんどのパチンコ遊技機に設けられているマスタースイッチを、上限設定音量を決定可能な操作手段として利用したものである。従って、マスタースイッチ151Aは、回転操作により「0」~「9」までの10段階にわたって操作位置が変化するものであり、
図34(C)に示すように、「0」~「
9」までの操作位置(音量マスター設定値)がそのまま上限設定音量に決定されるものである。
【0200】
一方、マスタースイッチ151Bは、上限設定光量を決定可能な操作手段として、サブ演出制御基板140上に新たに設けたものである。このマスタースイッチ151Bは、回転操作により「0」~「9」までの10段階にわたって操作位置が変化するものであり、
図34(D)に示すように、「0」~「9」までの操作位置(光量マスター設定値)がそのまま上限設定光量に決定されるものである。
【0201】
以上、第3形態のパチンコ遊技機PY1によれば、遊技場の従業員が、マスタースイッチ151Aを回転操作することで、「0」~「9」までの音量設定範囲の中からどの上限設定音量でも決定することが可能である。また、マスタースイッチ151Bを回転操作することで、「0」~「9」までの光量設定範囲の中からどの上限設定光量でも決定することが可能である。こうして、上限設定音量と上限設定光量とを別個にそれぞれ決定することができるため、遊技場の従業員が、遊技場の状況に合わせて、最適な上限設定音量と、最適な上限設定光量とを決定することが可能である。
【0202】
また第3形態のパチンコ遊技機PY1によれば、マスタースイッチ151Aでは、
図34(C)に示すように、操作位置(音量マスター設定値)がそのまま上限設定音量になる。つまり、音量マスター設定値と上限設定音量との関係が1対1の比例関係である。またマスタースイッチ151Bでは、
図34(D)に示すように、操作位置(光量マスター設定値)がそのまま上限設定光量になる。つまり、光量マスター設定値と上限設定光量との関係が、1対1の比例関係である。よって第1形態のように、マスター設定値と上限設定音量と上限設定光量との関係が分かり難いわけではない(
図15(C)参照)。また第2形態のように、初期設定時に限り、上限設定音量と上限設定光量とが決定できるわけではない。従って、既存のマスタースイッチに慣れている遊技場の従業員にとっては、第1形態及び第2形態に比べて、簡易な方法で上限設定音量と上限設定光量とを決定することが可能である。
【0203】
<第4形態>
上記第1形態では、
図15(C)に示すように、マスター設定値(マスタースイッチ151の操作位置)と上限設定音量と上限設定光量との関係が分かり難いものであった。これに対して第4形態では、
図35(C)に示すように、マスター設定値と上限設定音量と上限設定光量との関係が1対1の比例関係になっている。即ち、サブ演出制御基板140上にある1つのマスタースイッチ151(
図7参照)の操作位置が決まれば、マスター設定値がそのまま上限設定音量になると共に、そのまま上限設定光量にもなる。例えば、遊技場の従業員は、マスタースイッチ151を回転操作して、マスター設定値を「6」に設定すれば、上限設定音量と上限設定光量とを同時に「6」に決定することができる。
【0204】
そしてこの第4形態では、マスター設定値が変更された場合、即ち、上限設定音量及び上限設定光量が変更された場合には、上限設定音量兼光量変更画像ZOK(
図36参照)が表示画面50aにて表示されるようになっている。例えばマスター設定値を「6」に変更した場合には、
図36に示すように、上側に「上限設定音量を「6」にしました」の文字が示されると共に、その文字の下側に「上限設定光量を「6」にしました」の文字が示される。更に、左下に「VOLUME6」の文字と、この文字に重なる音符の形状とが示されて、右下に「LIGHT6」の文字と、この文字に重なるランプの形状とが示される。こうして、上限設定音量兼光量変更画像ZOKという一つの画像で、変更された上限設定音量及び上限設定光量を同時に把握することが可能である。
【0205】
以上、第4形態のパチンコ遊技機PY1によれば、第1形態のように、既存のマスタースイッチを利用して、上限設定音量と上限設定光量とを同時に決定することが可能である。その上で、マスター設定値と上限設定音量と上限設定光量との関係が1対1の比例関係になっているため、第3形態のように、既存のマスタースイッチに慣れている遊技場の従業員にとっては、簡易な方法で上限設定音量と上限設定光量とを同時に決定することが可能である。
【0206】
ここで一般的に、音声演出が過剰である(うるさ過ぎる)と感じ易い遊技者は、発光演出も過剰である(眩し過ぎる)と感じ易い傾向がある。言い換えると、音声演出及び発光演出が過剰であると感じ易い遊技者は、一般的に年配の遊技者であり、これら年配の遊技者に対しては、上限設定音量及び上限設定光量を何れも同程度に決定するのが適している。従って第4形態のように、上限設定音量と上限設定光量とを別個で決定することができなくても、マスター設定値と上限設定音量と上限設定光量との関係が1対1の比例関係になっていることで、特段大きな問題があるわけではない。
【0207】
<第5形態>
上記第2形態では、電源投入された後の初期設定時に、
図32(C)及び
図32(D)に示すように、電源投入された後の初期設定時に、上限設定音量と上限設定光量とを別個で決定できるように構成されていた。これに対して第5形態では、電源投入された後の初期設定時に、
図37に示す上限設定音量兼光量決定画像S5を表示させて、上限設定音量と上限設定光量とを同時に決定できるように構成されている。
【0208】
図37に示すように、上限設定音量兼光量決定画像S5では、上側に「上限設定音量」の文字と「上限設定光量」の文字が上下2段で示されていて、それらの下に「0~9」までの値が示されている。この「0~9」までの値は、上限設定音量及び上限設定光量の兼用値になっている。そしてこの兼用値の下側に、セレクトボタン42kの形状と演出ボタン40kの形状とが示されている。よって、第5形態では、上限設定音量兼光量決定画像S5の表示中に、セレクトボタン42kを操作して「0~9」までの値の中から何れかの値にカーソルを合わせて、演出ボタン40kを押下操作すると、その値に上限設定音量及び上限設定光量を同時に決定することが可能である。なお上限設定音量及び上限設定光量を同時に決定した場合には、
図36に示すように、上限設定音量兼光量変更画像ZOKが表示されることになる。
【0209】
<その他の変形例>
上記各形態では、上限設定音量及び上限設定光量を決定するように構成した。しかしながら、上限設定音量及び上限設定光量以外の上限設定演出量を決定できるように構成しても良い。
【0210】
例えば第1変形例として、以下の構成が考えられる。即ち、昇降ユニット300(演出手段)は、
図1に示す退避位置から
図3に示す伸長位置へ移動(上昇)可能に構成されている。そして、昇降ユニット300において
図1に示す退避位置から上昇する際の移動量(設定演出量)が、遊技者等の操作によって、小移動量、中移動量、大移動量の3段階に設定できるように構成されている。なお昇降ユニット300の移動量が大移動量に設定されている場合に、昇降ユニット300は
図3に示す伸長位置まで移動できるようになっている。ここで仮に、昇降ユニット300の移動量が大移動量に設定されている場合、遊技場の状況によっては、伸長位置にある昇降ユニット300がデータカウンタ等の遊技場の設備と干渉するおそれがある。
【0211】
そこで、例えば初期設定時に、
図38に示すように、上限設定移動量決定画像S6を表示できるようにする。この上限設定移動量決定画像S6では、上側に「上限設定移動量」の文字が示されて、この文字の下側に「小」と「中」と「大」の文字が示されている。ここで「小」が選択されると、昇降ユニット300の移動量が小移動量しか設定できないことを意味している。また「中」が選択されると、昇降ユニット300の移動量が小移動量又は中移動量しか設定できないことを意味している。これらに対して、「大」が選択されると、昇降ユニット300の移動量が小移動量、中移動量、大移動量の何れも設定できることを意味している。このようにして、上限設定移動量決定画像S6の表示中に、小移動量、中移動量、大移動量の何れかに、昇降ユニット300の上限設定移動量(上限設定演出量)を決定できるように構成しても良い。
【0212】
その結果、例えば昇降ユニット300の上限設定移動量を中移動量に設定することで、昇降ユニット300が
図3に示す伸長位置まで上昇するのを防ぐことができて、データカウンタ等の遊技場の設備と干渉するのを防ぐことが可能である。なお上記した第1変形例では、初期設定時に上限設定移動量を決定できるようにしたが、パチンコ遊技機PY1の裏側にあるマスタースイッチ等の操作手段を操作することで、上限設定移動量を決定できるように構成しても良い。また上記した上限設定移動量は、昇降ユニット300のような上下移動可能な枠可動体に対するものであったが、その他の可動体(演出手段)に対するものであっても良く、例えば盤可動体55kや、開閉可能な左上部ユニット500及び右上部ユニット550に対するものであっても良い。
【0213】
また例えば第2変形例として、以下の構成が考えられる。即ち、演出ボタン40k(演出手段)は、振動可能に構成されている。そして演出ボタン40kが振動する際の振動量(設定演出量)が、遊技者等の操作によって、小振動量、中振動量、大振動量の3段階に設定できるように構成されている。ここで仮に、演出ボタン40kの振動量が大振動量に設定されている場合、年配の遊技者等にとっては、演出ボタン40kの振動が過剰な振動だと感じるおそれがある。
【0214】
そこで、例えば初期設定時に、
図39に示すように、上限設定振動量決定画像S7を表示できるようにする。この上限設定振動量決定画像S7では、上側に「上限設定振動量」の文字が示されて、この文字の下側に「小」と「中」と「大」の文字が示されている。ここで「小」が選択されると、演出ボタン40kの振動量が小振動量しか設定できないことを意味している。また「中」が選択されると、演出ボタン40kの振動量が小振動量又は中振動量しか設定できないことを意味している。これらに対して、「大」が選択されると、演出ボタン40kの振動量が小振動量、中振動量、大振動量の何れも設定できることを意味している。このようにして、上限設定振動量決定画像S7の表示中に、小振動量、中振動量、大振動量の何れかに、演出ボタン40kの上限設定振動量(上限設定演出量)を決定できるように構成しても良い。
【0215】
その結果、例えば演出ボタン40kの上限設定振動量を中振動量に設定することで、演出ボタン40kが大振動量で振動するのを防ぐことができて、年配の遊技者等に過剰な振動を与えないようにすることが可能である。なお上記した第2変形例では、初期設定時に上限設定振動量を決定できるようにしたが、パチンコ遊技機PY1の裏側にあるマスタースイッチ等の操作手段を操作することで、上限設定振動量を決定できるように構成しても良い。また上記した上限設定振動量は、演出ボタン40kに対するものであったが、その他の振動可能な演出手段に対するものであっても良い。
【0216】
また例えば第3変形例として、以下の構成が考えられる。即ち、パチンコ遊技機には、大当たりへの当選期待度が高い演出を実行する場合や、大当たりへの当選が確定した場合に、風を吹き出す風発生手段(演出手段)が設けられている。そして風発生手段が風を発生させる際の風量(設定演出量)が、遊技者等の操作によって、小風量、中風量、大風量の3段階に設定できるように構成されている。ここで仮に、風発生手段の風量が大風量に設定されている場合、年配の遊技者等にとっては、風発生手段からの風が過剰な演出だと感じるおそれがある。
【0217】
そこで、例えば初期設定時に、
図40に示すように、上限設定風量決定画像S8を表示できるようにする。この上限設定風量決定画像S8では、上側に「上限設定風量」の文字が示されて、この文字の下側に「小」と「中」と「大」の文字が示されている。ここで「小」が選択されると、風発生手段の風量が小風量しか設定できないことを意味している。また「中」が選択されると、風発生手段の風量が小風量又は中風量しか設定できないことを意味している。これらに対して、「大」が選択されると、風発生手段の風量が小風量、中風量、大風量の何れも設定できることを意味している。このようにして、上限設定風量決定画像S8の表示中に、小風量、中風量、大風量の何れかに、風発生手段の上限設定風量(上限設定演出量)を決定できるように構成しても良い。
【0218】
その結果、例えば風発生手段の上限設定風量を中風量に設定することで、風発生手段が大風量にて風を吹くのを防ぐことができて、年配の遊技者等に過剰な風を感じさせないようにすることが可能である。なお上記した第3変形例では、初期設定時に上限設定風量を決定できるようにしたが、パチンコ遊技機PY1の裏側にあるマスタースイッチ等の操作手段を操作することで、上限設定風量を決定できるように構成しても良い。
【0219】
また上記各形態及び変形例では、マスタースイッチ151,151A,151B、演出ボタン40kとセレクトボタン42kへの操作によって、上限設定音量や上限設定光量等を決定できるようにした。しかしながらその他の操作手段への操作によって、上限設定音量や上限設定光量等を決定できるように構成しても良い。例えば、制御基板上に設けられていないが、遊技機枠2の内部にあって遊技者が遊技中に操作不可能な位置に操作手段を設けて、その操作手段への操作により上限設定音量や上限設定光量等を決定できるようにしても良い。また遊技機枠2の内部でなくても、遊技者が遊技中に操作不可能で、遊技場の従業員が操作できる操作手段を設けて、上限設定音量や上限設定光量を決定できるように構成しても良い。またマスタースイッチ151のように回転操作可能な操作手段に限られず、レバー式や、スライド式、タッチパネル式等の操作による操作手段であっても良い。また遊技者が例えばセレクトボタン42kと演出ボタン40kを操作して、上限設定音量や上限設定光量等を決定できるようにしても良い。
【0220】
また上記各形態では、
図15(A)に示すように、音量設定範囲の中に、「0」~「9」までの設定音量が設けられていた。しかしながら、音量設定範囲(演出量設定範囲)の中に設けられる設定音量(設定演出量)は、「0」~「9」までに限られるものではなく、例えば「1」~「5」であっても良く、適宜変更可能である。また
図15(A)に示す設定音量と対応上限音量(dB)との関係は、あくまで一例であって、適宜変更可能である。
【0221】
また上記各形態では、
図15(B)に示すように、光量設定範囲の中に、「0」~「9」までの設定光量が設けられていた。しかしながら、光量設定範囲(演出量設定範囲)の中に設けられる設定光量(設定演出量)は、「0」~「9」までに限られるものではなく、例えば「1」~「5」であっても良く、適宜変更可能である。また
図15(B)に示す設定光量と対応上限光量(cd/m
2)との関係は、あくまで一例であって、適宜変更可能である。そして設定光量及び対応上限光量を、輝度(カンデラ毎平方メートル、cd/m
2)を基準にした値にしたが、全光束(ルーメン、lm)、照度(ルクス、lx)、光度(カンデラ、cd)を基準とした値にしても良く、更に眩惑(グレア)を考慮した値にしても良く、適宜変更可能である。
【0222】
また上記第1形態では、
図7に示すように、サブ演出制御基板140上に、上限設定音量及び上限設定光量を決定可能なマスタースイッチ151が設けられていた。しかしながら、上限設定音量及び上限設定光量を決定可能なマスタースイッチは、サブ演出制御基板140上に設けられておらず、演出制御基板120上、サブドライブ基板162等、その他の制御基板上に設けられていても良い。
【0223】
また上記第2形態では、上限設定音量決定画像S3の表示中に、セレクトボタン42kでカーソルの位置を合わせて、演出ボタン40kを押下操作することで(特定操作(第2の特定の操作)に基づいて)、上限設定音量を決定した。しかしながら、上記した操作方法以外の特定操作に基づいて、初期設定時に上限設定音量を決定できるようにしても良い。なお初期設定時とは、パチンコ遊技機PY1に電源が投入されてから遊技者による遊技が開始される(最初の特別図柄の変動表示が開始される)までの間を意味しても良いものとする。
【0224】
また上記第2形態では、初期設定時に、上限設定音量決定画像S3を表示させることにより、上限設定音量を決定可能であった。しかしながら、遊技者による遊技中(特別図柄の変動表示中や大当たり遊技中)に、上限設定音量決定画像S3のような設定画像を表示できるようにして、上限設定音量を決定可能にしても良い。
【0225】
また上記第2形態では、上限設定光量決定画像S4の表示中に、セレクトボタン42kでカーソルの位置を合わせて、演出ボタン40kを押下操作することで(特定操作(第1の特定の操作)に基づいて)、上限設定光量を決定した。しかしながら、上記した操作方法以外の特定操作に基づいて、初期設定時に上限設定光量を決定できるようにしても良い。
【0226】
また上記第2形態では、初期設定時に、上限設定光量決定画像S4を表示させることにより、上限設定光量を決定可能であった。しかしながら、遊技者による遊技中(特別図柄の変動表示中や大当たり遊技中)に、上限設定光量決定画像S4のような設定画像を表示できるようにして、上限設定光量を決定可能にしても良い。
【0227】
また上記第3形態では、
図33に示すように、サブ演出制御基板140上に、上限設定音量を決定可能なマスタースイッチ151Aと、上限設定光量を決定可能なマスタースイッチ151Bとが設けられていた。しかしながら、上限設定音量を決定可能なマスタースイッチと、上限設定光量を決定可能なマスタースイッチとは、同じ制御基板に設けられている必要はなく、例えば演出制御基板120とサブ演出制御基板140に設けられていても良く、適宜変更可能である。
【0228】
また上記第1、第4、第5形態では、上限設定音量(第1上限設定演出量)と上限設定光量(第2上限設定演出量)とを同時に決定できるように構成されていた。しかしながら、同時に決定可能な第1上限設定演出量と第2上限設定演出量との組合せは、適宜変更可能である。例えば、上限設定音量と上限設定振動量とを同時に決定できるように構成されていても良く、上限設定光量と上限設定風量とを同時に決定できるように構成されていても良い。また3つ以上の上限設定演出量を同時に決定できるように構成されていても良い。
【0229】
また上記第1形態では、マスタースイッチ151への回転操作という特定の同一操作で、上限設定音量及び上限設定光量を同時に決定できるようにした。また上記第5形態では、上限設定音量兼光量決定画像S5の表示中に、セレクトボタン42kでカーソルの位置を合わせて、演出ボタン40kを押下操作するという特定の同一操作で、上限設定音量及び上限設定光量を同時に決定できるようにした。しかしながら、上記した各特定の同一操作は、あくまで一例であって、その他の同一操作により、例えば上限設定音量(第1上限設定演出量)及び上限設定光量(第2上限設定演出量)を同時に決定できるようにしても良い。
【0230】
また上記各形態では、例えば上限設定音量と上限設定光量という2つの上限設定演出量を決定できるように構成されていたが、1つの上限設定演出量だけが決定できるように構成されていても良い。この場合、従来からあるマスタースイッチを利用して、上限設定音量や上限設定光量等の上限設定演出量を決定できるようにすると良い。
【0231】
また上記各形態では、客待ち演出の実行中に限り、遊技者等が設定音量又は設定光量を変更できるように構成されていた。しかしながら、変動演出の実行中や大当たり演出の実行中であっても、遊技者等が設定音量又は設定光量を変更できるように構成されていても良い。
【0232】
また上記各形態では、遊技者による遊技がなされていないときに(遊技機枠2の開放中又は初期設定時に限り)、上限設定音量や上限設定光量等の上限設定演出量が決定可能であった。しかしながら、上限設定演出量が決定できる状況は適宜変更可能であり、変動演出の実行中や大当たり演出の実行中であっても、上限設定演出量を決定できるようにしても良い。
【0233】
また上記形態では、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づいて取得する乱数(判定用情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、当たりの種別、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
【0234】
また上記形態では、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機として構成したが、いわゆるV確機(特定領域の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)として構成しても良い。大入賞装置として大入賞装置14Dのみが設けられていたが、2つの大入賞装置を設けるようにしても良い。
【0235】
また上記形態では、一旦高確率状態に制御されると次の大当たり遊技の開始まで高確率状態への制御が続く遊技機(いわゆる確変ループタイプの遊技機)として構成したが、いわゆるST機(確変の回数切りの遊技機)として構成しても良い。また上記形態では、特
図2の変動を特
図1の変動に優先して実行するように構成した。これに対して、特
図2の変動と特
図1の変動を始動口への入賞順序に従って実行するように構成してもよい。この場合、第1特図保留と第2特図保留とを合算して記憶可能な記憶領域を遊技用RAM104に設け、その記憶領域に入賞順序に従って判定用情報を記憶し、記憶順の古いものから消化するように構成すればよい。また、特
図2の変動中であっても特
図1の変動を実行でき、且つ、特
図1の変動中であっても特
図2の変動を実行できるように構成してもよい。つまり、所謂同時変動を行う遊技機として構成してもよい。また、いわゆる1種2種混合機や、ハネモノタイプの遊技機として構成してもよい。すなわち、本発明は、遊技機のゲーム性を問わず、種々のゲーム性の遊技機に対して好適に採用することが可能である。
【0236】
また上記形態では、大当たりに当選してそのことを示す特別図柄が停止表示されたことを制御条件として、大当たり遊技状態(特別遊技状態)に制御されるパチンコ遊技機として構成した。これに対して、スロットマシン(回胴式遊技機、パチスロ遊技機)として構成してもよい。この場合、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの入賞によって獲得メダルを増やす所謂ノーマル機であれば、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等のボーナスを実行している状態が特別遊技状態に相当する。また、小役に頻繁に入賞可能なART(アシストリプレイタイム)やAT(アシストタイム)等の特別な遊技期間にて獲得メダルを増やす所謂ART機やAT機であれば、ARTやAT中の状態が特別遊技状態に相当する。また、ノーマル機では特別遊技状態への制御条件は、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選した上で、有効化された入賞ライン上に、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの移行契機となる図柄の組み合せが各リールの表示結果として導出表示されることである。また、ART機やAT機では特別遊技状態への制御条件は、例えば、ARTやATの実行抽選に当選した上で、規定ゲーム数を消化するなどしてARTやATの発動タイミングを迎えることである。
【0237】
9.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
【0238】
<手段A>
手段A1に係る発明は、
予め定められた演出量設定範囲(音量設定範囲、光量設定範囲)の中に複数の設定演出量(「0」~「9」までの設定音量、「0」~「9」までの設定光量)が設けられていて、
前記演出量設定範囲の中から決定された設定演出量に基づいて演出(音声演出、発光演出)を実行可能な演出手段(スピーカ620、盤ランプ54及び枠ランプ212)を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
操作(回転操作)により前記演出量設定範囲の中から上限設定演出量(上限設定音量、上限設定光量)を決定可能な操作手段(マスタースイッチ151)を備え、
前記演出手段は、
前記演出量設定範囲のうち前記上限設定演出量以下の設定演出量に基づいて前記演出を実行可能である一方、前記上限設定演出量を超える設定演出量に基づいて前記演出を実行不能である(
図15(C)参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0239】
この構成の遊技機によれば、例えば遊技場の従業員が、操作手段への操作により、演出量設定範囲の中から上限設定演出量を決定することが可能である。これにより、演出手段は、上限設定演出量を超える設定演出量に基づいて演出を実行できなくなる。その結果、演出手段による演出が過剰であると感じ易い遊技者に対して、快適な遊技を提供することが可能である。
【0240】
手段A2に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機において、
前記演出量設定範囲には、複数の第1設定演出量(「0」~「9」までの設定音量)が設けられている第1演出量設定範囲(音量設定範囲)と、複数の第2設定演出量(「0」~「9」までの設定光量)が設けられている第2演出量設定範囲(光量設定範囲)と、があり、
前記演出手段には、前記第1演出量設定範囲の中から決定された第1設定演出量に基づいて第1演出(音声演出)を実行可能な第1演出手段(スピーカ620)と、前記第2演出量設定範囲の中から決定された第2設定演出量に基づいて第2演出(発光演出)を実行可能な第2演出手段(発光演出)と、があり、
前記操作手段は、特定の同一操作(マスタースイッチ151への回転操作、セレクトボタン42kでカーソルの位置を合わせて演出ボタン40kを押下操作すること)により、前記第1演出量設定範囲の中から第1上限設定演出量(上限設定音量)と、前記第2演出量設定範囲の中から第2上限設定演出量(上限設定光量)と、を決定可能なものであり、
前記第1演出手段(スピーカ620)は、
前記第1演出量設定範囲のうち前記第1上限設定演出量以下の第1設定演出量に基づいて前記第1演出を実行可能である一方、前記第1上限設定演出量を超える第1設定演出量に基づいて前記第1演出を実行不能であり、且つ、
前記第2演出手段(盤ランプ54及び枠ランプ212)は、
前記第2演出量設定範囲のうち前記第2上限設定演出量以下の第2設定演出量に基づいて前記第2演出を実行可能である一方、前記第2上限設定演出量を超える第2設定演出量に基づいて前記第2演出を実行不能であることを特徴とする遊技機である。
【0241】
この構成の遊技機によれば、操作手段への特定の同一操作により、第1演出量設定範囲の中から第1上限設定演出量と、第2演出量設定範囲の中から第2上限設定演出量とを同時に決定することが可能である。これにより、第1演出手段は、第1上限設定演出量を超える第1設定演出量に基づいて第1演出を実行できなくなり、第2演出手段は、第2上限設定演出量を超える第2設定演出量に基づいて第2演出を実行できなくなる。こうして、第1上限設定演出量と第2上限設定演出量とをそれぞれ別個に決定する操作が不要になり、設定操作を簡易にすることが可能である。
【0242】
手段A3に係る発明は、
手段A2に記載の遊技機において、
前記操作手段は、当該遊技機の裏側(サブ演出制御基板140上)に設けられている(
図7参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0243】
この構成の遊技機によれば、操作手段が当該遊技機の裏側に設けられているため、遊技者は操作手段を操作することができない。従って、遊技者が悪戯によって、第1上限設定演出量と第2上限設定演出量とを決定してしまうのを防ぐことが可能である。
【0244】
手段A4に係る発明は、
手段A3に記載の遊技機において、
前記第1演出量設定範囲は、音量設定範囲であり、
前記第1設定演出量は、設定音量であり、
前記操作手段は、前記特定の同一操作により、前記音量設定範囲の中から前記第1上限設定演出量としての上限設定音量と、前記第2上限設定演出量と、を決定可能なものであり、
前記第1演出手段は、前記上限設定音量以下の設定音量に基づいて前記第1演出としての音声演出を実行可能である一方、前記上限設定音量を超える設定音量に基づいて前記音声演出を実行不能な音出力手段(スピーカ620)である(
図15(C)参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0245】
ほとんどの遊技機においては、遊技機の裏側に、設定音量を変更可能な操作手段が設けられている。そこでこの構成の遊技機によれば、その操作手段を利用して、上限設定音量と第2上限設定演出量とを同時に決定することが可能である。よって、既存の構成からの変更を小さくして、過剰な音声演出の実行と過剰な第2演出の実行の防止とを実現することが可能である。
【0246】
手段A5に係る発明は、
手段A4に記載の遊技機において、
前記第2演出量設定範囲は、光量設定範囲であり、
前記第2設定演出量は、設定光量であり、
前記操作手段は、前記特定の同一操作により、前記上限設定音量と、前記光量設定範囲の中から前記第2上限設定演出量としての上限設定光量と、を決定可能なものであり、
前記第2演出手段は、前記上限設定光量以下の設定光量に基づいて前記第2演出としての発光演出を実行可能である一方、前記上限設定光量を超える設定光量に基づいて前記発光演出を実行不能な発光手段(盤ランプ54及び枠ランプ212)である(
図15(C)参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0247】
この構成の遊技機によれば、操作手段への特定の同一操作により、上限設定音量と上限設定光量とを同時に決定することが可能である。これにより、遊技場の従業員は、簡易な操作で、音出力手段による過剰な音声演出と、発光手段による過剰な発光演出とを防ぐことが可能である。
【0248】
ところで、特開2009-160262号公報に記載の遊技機では、遊技者の操作によって音量設定範囲の中から任意の設定音量を決定可能な操作手段が設けられている。そのため遊技者は、自分の好みの設定音量に決定して、音声演出を楽しむことが可能である。しかしながら、特開2009-160262号公報に記載の遊技機のように、設定演出量(例えば設定音量)を任意に決定できる場合、以下の問題点がある。例えば、演出量設定範囲の中から最大の設定演出量(例えば最大の設定音量)が決定されている場合がある。この場合、遊技者によっては、その最大の設定演出量に基づく演出が過剰であると感じることがあり、快適な遊技を提供できないおそれがある。そこで上記した手段A1~A5に係る発明は、特開2009-160262号公報に記載の遊技機に対して、操作により演出量設定範囲の中から上限設定演出量を決定可能な操作手段を備え、演出手段は、演出量設定範囲のうち上限設定演出量以下の設定演出量に基づいて演出を実行可能である一方、上限設定演出量を超える設定演出量に基づいて演出を実行不能である点で相違している。これにより、快適な遊技を提供することが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
【0249】
<手段B>
手段B1に係る発明は、
音量設定範囲とは異なる演出量設定範囲(光量設定範囲)の中には、音量とは異なる複数の設定演出量(「0」~「9」までの設定光量)が設けられていて、
前記演出量設定範囲の中から決定された設定演出量に基づいて演出(発光演出)を実行可能な演出手段(盤ランプ54及び枠ランプ212)を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
操作により前記演出量設定範囲の中から上限設定演出量(上限設定光量)を決定可能な操作手段(マスタースイッチ151、151B)を備え、
前記演出手段は、
前記演出量設定範囲のうち前記上限設定演出量以下の設定演出量に基づいて前記演出を実行可能である一方、前記上限設定演出量を超える設定演出量に基づいて前記演出を実行不能である(
図15(C)参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0250】
この構成の遊技機によれば、例えば遊技場の従業員が、操作手段への操作により、音量設定範囲とは異なる演出量設定範囲の中から、上限設定演出量を決定することが可能である。これにより、演出手段は、上限設定演出量を超える設定演出量に基づいて演出を実行できなくなる。その結果、演出手段による演出が過剰であると感じ易い遊技者に対して、快適な遊技を提供することが可能である。
【0251】
手段B2に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機において、
前記演出量設定範囲は、光量設定範囲であり、
前記設定演出量は、設定光量であり、
前記操作手段は、前記光量設定範囲の中から前記上限設定演出量としての上限設定光量を決定可能なものであり、
前記演出手段は、
前記上限設定光量以下の設定光量に基づいて前記演出としての発光演出を実行可能である一方、前記上限設定光量を超える設定光量に基づいて前記発光演出を実行不能な発光手段(盤ランプ54及び枠ランプ212)であることを特徴とする遊技機である。
【0252】
この構成の遊技機によれば、例えば遊技場の従業員が、上限設定光量を決定することが可能である。これにより、発光手段は、上限設定光量を超える設定光量に基づいて発光演出を実行できなくなる。その結果、発光演出が眩し過ぎると感じ易い遊技者に対して、快適な遊技を提供することが可能である。
【0253】
手段B3に係る発明は、
手段B2に記載の遊技機において、
前記操作手段は、当該遊技機の裏側(サブ演出制御基板140)に設けられている(
図7参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0254】
この構成の遊技機によれば、操作手段が当該遊技機の裏側に設けられているため、遊技者は操作手段を操作することができない。従って、遊技者が悪戯によって、上限設定光量を決定してしまうのを防ぐことが可能である。
【0255】
手段B4に係る発明は、
手段B2又は手段3に記載の遊技機において、
他の演出量設定範囲(例えば音量設定範囲)の中に、複数の他の設定演出量(例えば「0」~「9」までの設定音量)が設けられていて、
前記他の演出量設定範囲の中から決定された他の設定演出量に基づいて他の演出(例えば音声演出)を実行可能な他の演出手段(例えばスピーカ620)を備え、
前記操作手段は、特定の同一操作(マスタースイッチ151への回転操作、セレクトボタン42kでカーソルの位置を合わせて演出ボタン40kを押下操作すること)により、前記上限設定光量(上限設定光量)と、前記他の演出量設定範囲の中から他の上限設定演出量(上限設定音量)と、を決定可能なものであり、
前記発光手段は、
前記上限設定光量以下の設定光量に基づいて前記発光演出を実行可能である一方、前記上限設定光量を超える設定光量に基づいて前記発光演出を実行不能であり、且つ、
前記他の演出手段は、
前記他の演出量設定範囲のうち前記他の上限設定演出量以下の他の設定演出量に基づいて前記他の演出を実行可能である一方、前記他の上限設定演出量を超える他の設定演出量に基づいて前記他の演出を実行不能であることを特徴とする遊技機である。
【0256】
この構成の遊技機によれば、操作手段への特定の同一操作により、上限設定光量と、他の上限設定演出量とを同時に決定することが可能である。これにより、発光手段は、上限設定光量を超える設定光量に基づいて発光演出を実行できなくなり、他の演出手段は、他の上限設定演出量を超える他の設定演出量に基づいて、他の演出を実行できなくなる。こうして、上限設定光量と他の上限設定演出量とをそれぞれ別個に決定する操作が不要になり、設定操作を簡易にすることが可能である。
【0257】
ところで、特開2009-160262号公報に記載の遊技機では、遊技者の操作によって演出量設定範囲(音量設定範囲)の中から任意の設定音量(設定演出量)を決定可能な操作手段が設けられている。そのため遊技者は、自分の好みの設定演出量に決定して、演出(例えば音声演出)を楽しむことが可能である。しかしながら、特開2009-160262号公報に記載の遊技機のように、設定演出量を任意に決定できる場合、以下の問題点がある。例えば、演出量設定範囲の中から最大の設定演出量が決定されている場合がある。この場合、遊技者によっては、その最大の設定演出量に基づく演出が過剰であると感じることがあり、快適な遊技を提供できないおそれがある。そこで上記した手段B1~B4に係る発明は、特開2009-160262号公報に記載の遊技機に対して、音量設定範囲とは異なる演出量設定範囲の中には、音量とは異なる複数の設定演出量が設けられていて、操作により演出量設定範囲の中から上限設定演出量を決定可能な操作手段を備え、演出手段は、演出量設定範囲のうち上限設定演出量以下の設定演出量に基づいて演出を実行可能である一方、上限設定演出量を超える設定演出量に基づいて演出を実行不能である点で相違している。これにより、快適な遊技を提供することが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
【0258】
<手段C>
手段C1に係る発明は、
予め定められた演出量設定範囲(音量設定範囲、光量設定範囲)の中に複数の設定演出量(「0」~「9」までの設定音量、「0」~「9」までの設定光量)が設けられていて、
前記演出量設定範囲の中から決定された設定演出量に基づいて演出(音声演出、発光演出)を実行可能な演出手段(スピーカ620、盤ランプ54及び枠ランプ212)と、
操作可能な操作手段(演出ボタン40k及びセレクトボタン42k)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記操作手段は、
当該遊技機に電源投入された後の初期設定時に、特定操作(セレクトボタン42kでカーソルの位置を合わせて演出ボタン40kを押下操作すること)に基づいて前記演出量設定範囲の中から上限設定演出量(上限設定音量、上限設定光量)を決定可能なものであり、
前記演出手段は、
前記演出量設定範囲のうち前記上限設定演出量以下の設定演出量に基づいて前記演出を実行可能である一方、前記上限設定演出量を超える設定演出量に基づいて前記演出を実行不能である(
図32(C)(D)参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0259】
この構成の遊技機によれば、遊技場の従業員が、当該遊技機に電源投入された後の初期設定時に、操作手段への特定操作により、演出量設定範囲の中から上限設定演出量を決定することが可能である。これにより、演出手段は、上限設定演出量を超える設定演出量に基づいて演出を実行できなくなる。その結果、演出手段による演出が過剰であると感じ易い遊技者に対して、快適な遊技を提供することが可能である。また初期設定時に限り上限設定演出量を決定できるため、遊技者が悪戯によって上限設定演出量を決定してしまうのを防ぐことが可能である。
【0260】
手段C2に係る発明は、
手段C1に記載の遊技機において、
前記演出量設定範囲は、光量設定範囲であり、
前記設定演出量は、設定光量であり、
前記操作手段は、前記初期設定時に、前記特定操作に基づいて前記光量設定範囲の中から前記上限設定演出量としての上限設定光量を決定可能なものであり、
前記演出手段は、
前記上限設定光量以下の設定光量に基づいて前記演出としての発光演出を実行可能である一方、前記上限設定光量を超える設定光量に基づいて前記発光演出を実行不能な発光手段(盤ランプ54及び枠ランプ212)であることを特徴とする遊技機である。
【0261】
この構成の遊技機によれば、遊技場の従業員が、初期設定時に、光量設定範囲の中から上限設定光量を決定することが可能である。これにより、発光手段は、上限設定光量を超える設定光量に基づいて発光演出を実行できなくなる。その結果、発光演出が眩し過ぎると感じ易い遊技者に対して、快適な遊技を提供することが可能である。
【0262】
手段C3に係る発明は、
手段C1に記載の遊技機において、
前記演出量設定範囲は、音量設定範囲であり、
前記設定演出量は、設定音量であり、
前記操作手段は、前記初期設定時に、前記特定操作に基づいて前記音量設定範囲の中から前記上限設定演出量としての上限設定音量を決定可能なものであり、
前記演出手段は、
前記上限設定音量以下の設定音量に基づいて前記演出としての音声演出を実行可能である一方、前記上限設定音量を超える設定音量に基づいて前記音声演出を実行不能な音出力手段(スピーカ620)であることを特徴とする遊技機である。
【0263】
この構成の遊技機によれば、遊技場の従業員が、初期設定時に、音量設定範囲の中から上限設定音量を決定することが可能である。これにより、音出力手段は、上限設定音量を超える設定音量に基づいて音声演出を実行できなくなる。その結果、音声演出がうるさ過ぎると感じ易い遊技者に対して、快適な遊技を提供することが可能である。
【0264】
手段C4に係る発明は、
手段C1に記載の遊技機において、
前記演出量設定範囲は、光量設定範囲及び音量設定範囲であり、
前記設定演出量は、設定光量及び設定音量であり、
前記操作手段は、前記初期設定時に、第1の特定操作(上限設定光量決定画像S4の表示中にセレクトボタン42kでカーソルの位置を合わせて演出ボタン40kを押下操作すること、
図32(D)参照)に基づいて前記光量設定範囲の中から前記上限設定演出量としての上限設定光量を決定可能であると共に、第2の特定操作(上限設定音量決定画像S3の表示中にセレクトボタン42kでカーソルの位置を合わせて演出ボタン40kを押下操作すること、
図32(C)参照)に基づいて前記音量設定範囲の中から前記上限設定演出量としての上限設定音量を決定可能なものであり、
前記演出手段は、
前記上限設定光量以下の設定光量に基づいて前記演出としての発光演出を実行可能である一方、前記上限設定光量を超える設定光量に基づいて前記発光演出を実行不能な発光手段(盤ランプ54及び枠ランプ212)と、
前記上限設定音量以下の設定音量に基づいて前記演出としての音声演出を実行可能である一方、前記上限設定音量を超える設定音量に基づいて前記音声演出を実行不能な音出力手段(スピーカ620)であることを特徴とする遊技機である。
【0265】
この構成の遊技機によれば、遊技場の従業員が、初期設定時に、光量設定範囲の中から上限設定光量を決定すると共に、音量設定範囲の中から上限設定音量を決定することが可能である。これにより、発行手段は、上限設定光量を超える設定光量に基づいて発光演出を実行できなくなると共に、音出力手段は、上限設定音量を超える設定音量に基づいて音声演出を実行できなくなる。その結果、発光演出が眩し過ぎると感じ易い遊技者や、音声演出がうるさ過ぎると感じ易い遊技者に対して、快適な遊技を提供することが可能である。
【0266】
ところで、特開2009-160262号公報に記載の遊技機では、遊技者の操作によって音量設定範囲の中から任意の設定音量を決定可能な操作手段が設けられている。そのため遊技者は、自分の好みの設定音量に決定して、音声演出を楽しむことが可能である。しかしながら、特開2009-160262号公報に記載の遊技機のように、設定演出量(例えば設定音量)を任意に決定できる場合、以下の問題点がある。例えば、演出量設定範囲の中から最大の設定演出量(例えば最大の設定音量)が決定されている場合がある。この場合、遊技者によっては、その最大の設定演出量に基づく演出が過剰であると感じることがあり、快適な遊技を提供できないおそれがある。そこで上記した手段C1~C4に係る発明は、特開2009-160262号公報に記載の遊技機に対して、操作手段は、当該遊技機に電源投入された後の初期設定時に、特定操作に基づいて演出量設定範囲の中から上限設定演出量を決定可能なものであり、演出手段は、演出量設定範囲のうち上限設定演出量以下の設定演出量に基づいて前記演出を実行可能である一方、前記上限設定演出量を超える設定演出量に基づいて前記演出を実行不能である点で相違している。これにより、快適な遊技を提供することが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
【符号の説明】
【0267】
PY1…パチンコ遊技機
40k…演出ボタン
42k…セレクトボタン
54…盤ランプ
121…演出制御用マイコン
140…サブ演出制御基板
151,151A,151B…マスタースイッチ
212…枠ランプ
620…スピーカ