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特許7360680重篤なインフルエンザの治療又は予防のための方法及び化合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-04
(45)【発行日】2023-10-13
(54)【発明の名称】重篤なインフルエンザの治療又は予防のための方法及び化合物
(51)【国際特許分類】
   A61K 45/00 20060101AFI20231005BHJP
   A61K 31/444 20060101ALI20231005BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20231005BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20231005BHJP
   A61P 31/16 20060101ALI20231005BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
A61K45/00
A61K31/444
A61P11/00
A61P29/00
A61P31/16
A61P43/00 105
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2018569081
(86)(22)【出願日】2017-06-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-09-05
(86)【国際出願番号】 GB2017051865
(87)【国際公開番号】W WO2018007788
(87)【国際公開日】2018-01-11
【審査請求日】2020-06-08
【審判番号】
【審判請求日】2022-03-09
(31)【優先権主張番号】1611712.9
(32)【優先日】2016-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】521244857
【氏名又は名称】プールベグ ファーマ(ユーケー) リミテッド
【氏名又は名称原語表記】POOLBEG PHARMA(UK) LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(72)【発明者】
【氏名】ウィッタカー, ポール アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】トアベット, ニール エドワード
【合議体】
【審判長】冨永 みどり
【審判官】森井 隆信
【審判官】齋藤 恵
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-530685(JP,A)
【文献】J.Biol.Chem.,2014年,Vol.289,No.1,pp.13-27
【文献】J.Immunol.,2009年,Vol.182,No.2,pp.1088-1098
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K45/00
A61P31/16
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
p38MAPK阻害活性を有する化合物を主成分とするヒト患者における重篤なインフルエンザを治療するのに用いるための剤であって、
前記重篤なインフルエンザは、回復の兆候が無く2日以上持続又は再発する症状により特徴付けられ、
記剤は、内皮細胞からの炎症媒介物質の放出及び免疫細胞からの炎症性サイトカインの放出を阻害することを特徴とする、剤
【請求項2】
前記回復の兆候が無く2日以上持続又は再発する症状は、熱(すなわち100°F/38℃以上の温度)、無気力、疼痛、充血、咳、鼻づまり、鼻漏、又は上気道充血若しくは炎症を含む請求項1に記載の剤
【請求項3】
前記重篤なインフルエンザは、高サイトカイン血症の特徴を示し、
任意に、前記高サイトカイン血症は、TNFα、IL-6、IL-8及びIP10から選択される1つ以上のサイトカインのレベルの上昇に関連する請求項1又は2に記載の剤
【請求項4】
内皮細胞からの炎症性サイトカイン及びIP10のうちの1つ以上の放出を阻害し、
任意に、内皮細胞からのサイトカインの放出の用量依存的阻害を示す請求項1~3のいずれか1項に記載の剤
【請求項5】
前記重篤なインフルエンザは、低酸素血症又は心肺機能不全の症状又は兆候の特徴を示す請求項1~4のいずれか1項に記載の剤
【請求項6】
前記低酸素血症又は心肺機能不全の症状又は兆候は、呼吸困難、頻呼吸、チアノーゼ、低血圧及び低酸素状態の1つ以上を含み、
任意に、前記重篤なインフルエンザは、頻呼吸(12歳以上で30以上の呼吸数、6~12歳で40以上の呼吸数、3~6歳で45以上の呼吸数、1~3歳で50以上の呼吸数)の特徴を示す請求項5に記載の剤
【請求項7】
前記重篤なインフルエンザは、呼吸の不快感又は呼吸困難の特徴を示す請求項6に記載の剤
【請求項8】
前記重篤なインフルエンザは、放射線学的肺浸潤が無い下気道障害との並存疾患、CNS及び/又は末梢神経筋障害を示す症状又は兆候、重篤な脱水症状、疲労及び/又は無気力、放射線学的肺浸潤の存在、持続的ウイルス感染の証拠、侵襲的二次的細菌感染、下気道障害又は炎症、並びに、単一若しくは複数の臓器不全又は敗血症性ショックのうち1つ以上の特徴を有する請求項1~7のいずれか1項の記載の剤
【請求項9】
前記患者は、幼児、高齢者又は妊婦であること、及び、1つ以上の基礎となる併存疾患によって重篤なインフルエンザに罹り易いことのうちの1つ以上の特徴を有する請求項1~8のいずれか1項に記載の剤
【請求項10】
1日~5日の最大期間で前記患者に投与されること、及び、前記患者に1日に1回投与されることのうちの1つ以上の用法で投与される請求項1~9のいずれか1項に記載の剤
【請求項11】
前記剤又は前記p38MAPK阻害活性を有する化合物は、2-(4-クロロフェニル)-4-(フルオロフェニル)-5-ピリジン-4-イル-l,2-ジヒドロピラゾール-3-オン, RWJ-67657 (RW Johnson PharmaceuticalResearch Institute); RDP-58 (Sangstat Medical); Scios-469 (タルマピモド) (Scios, J&J); MKK3/MKK6阻害剤(SignalResearch Division); SB-210313アナログ, SB-220025 (Aventis),SB-238039, HEP-689, SB-203580 (Leo), SB-239063 (R.W. Johnson), SB-239065,SB-242235 (SmithKline Beecham Pharmaceuticals); VX-702及びVX-745 (Vertex Pharmaceuticals); AMG-548 (Amgen); Astex p38キナーゼ阻害剤(Bayer); BIRB-796 (ドラマピモド) (BoehringerIngelheim Pharmaceuticals); RO 4402257 (パマピモド) (Roche,Palo Alto); Celltech p38 MAPキナーゼ阻害剤 (CeltechGroupplc.); FR-167653 (Fujisawa Pharmaceutical); SB-681323 (ディルマピモド) (GlaxoSmithKline)及びSB-281832(GlaxoSmithKline plc, Scios); LEO PharmaceuticalsのMAPキナーゼ阻害剤(LEO Pharma A/S); Merck & Co.のp38 MAPキナーゼ阻害剤(Merck research Laboratories); SC-040及びSC-XX906(Monsanto); NovartisのアデノシンA3アンタゴニスト(Novartis AG); p38 MAPキナーゼ阻害剤(NovartisPharma AG); CP-64131 (Pfizer); CNI-1493 (Picower Institute for MedicalResearch); RPR-200765A (Phone-Poulenc Rorer);及びRocheのp38 MAPキナーゼ阻害剤及びRo-320-1195 (RocheBioscience), AIK-3, AKP-001 (ASKA Pharma), 抗生物質LLZ1640-2, ARRY-614, ARRY-797, AS-1940477, AVE-9940, AZD-7624, BCT-197,BIRB-1017BS, BMS-582949, CAY10571, CBS-3595, CCT-196969, CCT-241161, CDP-146,CGH 2466, CHR-3620, クロメチアゾーエジシレート, CM PD-1, ドラマピモド, EO 1428, FY-101C, FX-005, GSK-610677 (GlaxoSmithKline), HE-3286,HSB-13, JX 401, KC-706 (Kemia), KC-706 (ITX-5061) (iTherX Inc.), LEO-15520,LEO-1606, ロスマピモド(GlaxoSmithKline), LP-590, LY-30007113,LY2228820, ML 3403, OX-27-NO, NP-202, ペクスメチニブ,PF-03715455 (Pfizer), PH-797804 (Pfizer), PS-540446, ラリメチニブ, レゴラフェニブ, RO-3201195, RWJ 67657, RWJ-67657,SB 202190 (Leo), SB 203580 (Pfizer), SB 203580ヒドロクロライド(Pfizer),SB202190, SB202190 ヒドロクロライド(Roche), SB-681323 (TanabeSeiyaku), SB-856553, SC-80036, SCD-282, SCIO-323, SCIO-469, SD-06, セマピモド, SKF 86002, SX 011, SYD-003, TA-5493, TAK 715 (Takeda Pharma), Tie2キナーゼ阻害剤(Tanabe Pharma), TOP-1210, TOP-1630, 並びにVGX-1027から選択される請求項1~10のいずれか1項に記載の剤
【請求項12】
前記剤又は前記p38MAPK阻害活性を有する化合物は、UR-13870である請求項1~10のいずれか1項に記載の剤
【請求項13】
前記剤又は前記p38MAPK阻害活性を有する化合物は、8-(2,6-ジフルオロフェニル)-2-(1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルアミノ)-4-(4-フルオロ-2-メチルフェニル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7-オン(ディルマピモド), GSK-610677及び6-[5-(シクロプロピルカルバモイル)-3-フルオロ-2-メチルフェニル]-N-(2,2-ジメチルプロピル)ピリジン-3-カルボキシアミド(ロスマピモド)から選択される請求項1~10のいずれか1項に記載の剤
【請求項14】
前記剤又は前記p38MAPK阻害活性を有する化合物は、5-[(2-クロロ-6-フルオロフェニル)アセチルアミノ]-3-(4-フルオロフェニル)-4-(4-ピリミジニル)イソオキサゾール(AKP-001)、KC-706、(1-[5-tert-ブチル-2-(3-クロロ-4-ヒドロキシフェニル)ピラゾール-3-イル]-3-[[2-[[3-[2-(2-ヒドロキシエチルスルファニル)フェニル]-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-6-イル]スルファニル]フェニル]メチル]尿素)(PF-03715455)、(3-[3-ブロモ-4-[(2,4-ジフルオロフェニル)メトキシ]-6-メチル-2-オキソピリジン-1-イル]-N,4-ジメチルベンザミド)(PH-797804)、RV-7031、2-メトキシ-1-{4-[(4-{3-[5-(tert-ブチル)-2-(p-トリル)-2H-ピラゾール-3-イル]ウレイド}-1-ナフチルオキシ)メチル]-2-ピリジルアミノ}-1-エタノン(RV-568)、又は2-メトキシ-1-[4-(4-{3-[5-(tert-ブチル)-2-(p-トリル)-2H-ピラゾール-3-イル]ウレイド}-1-ナフチルオキシ)-2-ピリジルアミノ]-1-エタノン、及びUR-13870である請求項1~10のいずれか1項に記載の剤
【請求項15】
ヒト患者の重篤なインフルエンザを治療するのに用いるための医薬組成物であって、
p38MAPK阻害剤を含み、
前記重篤なインフルエンザは、回復の兆候が無く2日以上持続又は再発する症状により特徴付けられ、
前記p38MAPK阻害剤は、内皮細胞からの炎症媒介物質の放出及び免疫細胞からの炎症性サイトカインの放出を阻害する医薬組成物。
【請求項16】
前記回復の兆候が無く2日以上持続又は再発する症状は、熱(すなわち100°F/38℃以上の温度)、無気力、疼痛、充血、咳、鼻づまり、鼻漏、又は上気道充血若しくは炎症を含む請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項17】
前記p38MAPK阻害剤は、UR-13870である請求項15又は16に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重篤なインフルエンザの治療又は予防のための方法及び化合物に関する。また、本発明は、重篤なインフルエンザの治療又は予防のための医薬組成物を提供する。
【背景技術】
【0002】
インフルエンザは、成人の5%~10%及び子供の20%~30%と見積もられた年間発病率で世界的に起こる。病気は、主に高リスク群(若年、高齢又は慢性疾患患者)において入院及び死亡を引き起こし得る。世界中で、これらの毎年の流行は、約3億~5億の重篤な病気の症例及び約25万~50万人の死亡を起こすと見積もられている(WHO報告書番号211を参照:https://web.archive.org/web/20160613040907/http://www.who.int/mediacentre/factsheets/fs211/en/)。
【0003】
北アメリカにおいて、季節性インフルエンザは、65歳を超える10万人毎に230~1670人を超える入院を引き起こし、3万2千人の呼吸/心血管系死亡を引き起こし、4万3千人の原因を問わない死亡を引き起こす。慢性疾患の人(例えば、肺、心血管、肝臓、腎臓及び神経の疾患、糖尿病、又は免疫抑制)は、入院及び死亡のリスクが30倍以上となる。循環する季節性インフルエンザのサブタイプのうち、通常、H3N2は重篤な病気及び入院のより頻出の原因となる(Lee, N. et al., Outcomes of adults hospitalised with severeinfluenza, Thorax, 2010; 65: 510-515を参照。)。
【0004】
その状況は、インフルエンザパンデミックの際により悪くなり得る。2009年の初めに、新規のインフルエンザA/H1N1ウィルス(pH1N1)が現れ、急速にパンデミックを引き起こした。所定の個体群において、20~40%までの個人が影響を受け、過多の入院及び死亡を引き起こしたことが見積もられた。米国において、2010年の4月までに195000~403000人が重篤なpH1N1感染のため入院し、8870~18300人が死亡した。pH1N1ウイルスは、季節性インフルエンザと共に地域社会内を循環している。
【0005】
ほとんどの患者は、上気道における軽度のpH1N1感染を起こしており、例えば肺炎等の重篤な下気道合併症の発生に進行し、又は数日(2日を超える)後に回復又は改善しない症状に移行する。季節性インフルエンザと比較して、若年成人及び健常人においても、例えば肺炎及び急性呼吸窮迫症候群等の重篤な呼吸器系合併症(ARDS)を起こし得る。入院した成人のうち9~34%が進行性呼吸不全のため集中治療を必要とし、それは高い死亡率(14~46%)と関連し、特に、症状のいくつか(例えば肺炎、ARDS、多臓器不全)は、H5N1鳥インフルエンザの症状とかなり似ている(Lee, N. et al., Cytokine response patterns in severe pandemic 2009H1N1 and seasonal influenza among hospitalised adults, PloS One, 2011; 6:e26050を参照。)。
【0006】
WO01/19322A2(SmithKline Beecham Corp)は、インフルエンザ誘導性肺炎を治療する方法を示し、当該方法は人に有効量のCBSP/p38阻害剤を投与することを含む。
【0007】
p38MAPキナーゼは、細胞増殖プロセス、細胞分化、アポトーシス及び炎症に対する細胞応答を含む種々の細胞プロセスを制御する分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼサブファミリーを含む。p38MAPキナーゼは、サイトカイン受容体により制御され、細菌又はウイルス病原体に応答して活性化され得る。
【0008】
WO2004/076450A1は、免疫、自己免疫及び炎症性疾患、循環器疾患、感染症、骨吸収障害、神経変性疾患、増殖性疾患、並びにシクロオキシゲナーゼ-2の誘導に関連するプロセスを含むTNF-α、IL-1、IL-6及び/又はIL-8により介される疾病の治療又は予防のための所定のピラゾロピリジン誘導体の使用を開示する。
【0009】
WO02/059083A2(SmithKline Beecham Corp)は、ARDS、慢性閉塞性肺疾患及びインフルエンザ誘導性肺炎を含む広い範囲のCBSP/p38キナーゼ介在疾患の治療のための置換型2,4,8-三置換-8H-ピリド[2,3-d]ピリミジン-7-オン化合物及び組成物の使用を示す。
【0010】
US2011/003848A1(Butcher)は、あらゆる型、原因又は病因の閉塞性、拘束性又は炎症性気道疾患の治療のためのN-[tert-ブチル-1-(3-クロロ-4-ヒドロキシフェニル)-1H-ピラゾール-5-イル]-N’-{2-[(3-{2-[(2-ヒドロキシエチル)スルファニル]フェニル}[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-6-イル)スルファニル]ベンジル}尿素であるp38MAPキナーゼ阻害剤の多形体の使用を開示する。
【0011】
また、WO2015/173788A1(Westfalische Wilhelms-Universitat Munster)は、細菌感染及びインフルエンザウイルス感染の共感染、又は細菌感染のみの予防及び/又は治療のための方法に使用するためのMEK阻害剤、p38阻害剤及び/又はNF-κB阻害剤を示す。
【0012】
一般に、以下に詳説するように、多くの種々の抗炎症剤は、インフルエンザ感染に関連する炎症を治療するために、本技術分野において提示されている。
【0013】
世界保健機関(WHO)は、下気道疾患、中枢神経系(CNS)障害、臨床的及び/又は放射線医学的兆候を有する、又は重篤な脱水症状、又は腎不全、多臓器不全及び敗血症性ショック等の二次性合併症(他の合併症は横紋筋融解症及び心筋炎を含み得る)を有する患者におけるインフルエンザ;基礎となる慢性疾患を悪化させるインフルエンザ;臨床管理のための入院を必要とする他の状態又は臨床症状があるインフルエンザ;並びに、進行性疾患の以下の兆候及び症状のいずれかがあるインフルエンザを重篤なインフルエンザと定義する。
【0014】
症状及び兆候は、(活動中若しくは休息時の)息切れ、呼吸困難、頻呼吸、チアノーゼの発症、血痰若しくは色のついた痰、胸痛、及び低血圧;子供における呼吸促迫若しくは強制呼吸;並びにパルスオキシメトリ若しくは血液ガス分析により示される低酸素症といった酸素障害又は心肺機能不全を提示する。
【0015】
症状及び兆候は、精神状態の変化、無意識、眠気若しくは目覚めの困難、繰り返し起こる若しくは永続性の痙攣(発作)、混乱、重度の虚弱、又は麻痺といったCNS合併症を提示する。
【0016】
また、実験室内試験又は臨床兆候(例えば永続性又は繰り返し続く高熱、及び回復の兆候が無く2若しくは3日過ぎた他の症状)に基づくウイルスの複製又は侵襲性二次的細菌感染の維持又は拡大の証拠を示す。
【0017】
また、重篤な脱水は、身体的又は精神的活動の低減、眩暈、尿排出量の低減、及び無気力を示す(パンデミックインフルエンザA(H1N1)2009及び他のインフルエンザウイルスの薬理学的管理のためのWHOガイドライン、2010年2月改訂、Part I提案、p.5を参照。)。
【0018】
合併症の無いインフルエンザは、上気道の軽度炎症である。炎症は、ウイルス、毒物又は刺激物等の有害刺激損傷細胞に対する体組織の複合生物反応の一部であり、それは、免疫系、血管及び多くのタンパク質と関連する防御反応である。炎症の目的は、細胞傷害の初期原因を取り除くこと、死細胞を掃除すること、組織修復を開始することである。合併症の無いインフルエンザにおいて、炎症は長続きせず、症状の発症後約2~3日で損傷を受けた上気道の上皮細胞株を修復する。
【0019】
合併症の無いインフルエンザに対して、重篤なインフルエンザの炎症反応は、それぞれ悪化又は延長される。その反応は防御的というよりも破壊的となる。血液中の高レベルの炎症誘発タンパク質(サイトカイン)は、インフルエンザ患者において乏しい臨床成果の初期兆候である(Lee, N. et al. 2011)。これらの患者において、悪化された炎症反応は、肺及び他の組織における血管の損傷を引き起こして、組織内に液体の漏れ(浮腫)を引き起こし得る。肺における流体及び免疫細胞の蓄積は、肺炎、急性肺損傷及びARDS、また重篤な場合は呼吸不全を引き起こし得る。重篤なインフルエンザにおける悪化された炎症反応は、通常の炎症反応が異常又はより破壊的な反応となる場合の相転移又は転換点といった臨界点がある非線形のプロセスとして示され得る。重篤なインフルエンザにおいて、感染後約3日におけるピークの症状後に回復に向かうよりも、患者は他の呼吸器系合併症の発症に進行し、そのプロセスは悪化された炎症反応により引き起こされる。
【0020】
高サイトカイン血症は、IL-1、IL-6及びTNF等の炎症誘発サイトカインの循環レベルの突然の急増として定義される(Croft, M., The role of TNF superfamily members in T-cell functionand diseases, Nat Rev Immunol, 2009; 9: 271-85)。高サイトカイン血症は、1918年~1919年のスペインのパンデミックH1N1インフルエンザ、H5N1鳥インフルエンザ及び2009年のパンデミックH1N1インフルエンザの3つの主要なインフルエンザウイルスにより重篤な感染に見られる。ヒトH1N1と比較した場合、H5N1ウイルスは、初代ヒト呼吸器上皮細胞における炎症誘発サイトカインのより強い誘導因子であり、サイトカインのこの強い誘導は、H5N1の病気の重症度に寄与する可能性がある。インフルエンザにおける高サイトカイン血症の正確なメカニズムは知られていないが、内皮細胞は「サイトカインストーム」の中央制御因子として同定されている(Teijaro JR et al., Endothelial Cells are Central Orchestrators ofCytokine Amplification during Influenza Virus Infection, Cell, 2011; 146:980-991)。
【0021】
ArmstrongSM et al., Endothelial activation and dysfunction in the pathogenesis ofinfluenza A virus infection, Virulence, 2013; 4(6): 537-542では、重篤なインフルエンザの発生を進める中心の特徴としての内皮活性化及び機能障害についてサポートする証拠を批評する。
【0022】
病因が不明の熱がある患者と、重度、中程度及び軽度の症状があるインフルエンザ感染患者との遺伝子発現プロファイルを比較するために遺伝子発現マイクロアレイを用いて、Hoangら(Patient-based transcriptome-wideanalysis identify interferon and ubiquination pathways as potential predictorsof influenza A disease severity, PloS One 2014, 9: e111640e)は、インフルエンザ感染患者が病因不明の患者と比較して、彼らの臨床成果にもかかわらず、抗ウイルス及びサイトカイン反応のより強い誘導及びNK及びT細胞反応のより強い減衰を示すこと、並びにインターフェロン及びユビキチン化シグナリングが、中程度及び軽度の結果を有する患者と比較して最も重篤な結果を有する患者においてより強く減衰したことを報告した。これは、本発明者ら自身のデータと合致し、それは、重篤なインフルエンザではないインフルエンザ感染患者と比較して、重篤なインフルエンザのため入院している患者からの血清中のサイトカインレベルが高いことを示す(下記実施例5を参照。)
【0023】
Hoangらは、2014年に中程度及び重篤な患者においてp38MAPKシグナリングがアップレギュレートされることを発見した。MMP9、SOCS3、IFITMs、TLR10、RIG-I、CD244及びNCR3が更なる研究で候補遺伝子として提示された。しかしながら、標的の個々のサイトカインは、必要とされる広い抗炎症効果を有することはなさそうであり、炎症反応系における余剰は複数のサイトカインの同時のノックアウトが効果的となる治療に必要とされる可能性があることを意味する。
【0024】
US2010/0151042A1(Liang et al.)は、インフルエンザ感染に関連する合併症又は症状の重症度、強度又は期間を低減するための方法を示し、その方法は、インフルエンザ感染を有する対象を診断することと、有効量のシステアミン化合物及び第2のウイルス治療剤を対象に同時に投与することとを含む。インフルエンザウイルスの感染に関連する合併症は、鼻炎、細菌感染、心臓の合併症、神経性合併症、筋炎、腎不全、肺繊維症、喘息増悪、慢性閉塞性肺疾患の増悪、蓄膿又は心不全を含み得る。第2のウイルス治療剤は、アマンタジン、リマンタジン、リバビリン、イドクスウリジン、トリフルリジン、ビダラビン、アシクロビル、ガンシクロビル、ホスカルネット、ジドブジン、ジダノシン、ザルシタビン、スタブジン、ファムシクロビル、オセルタミビルリン酸塩、ザナミビル、バラシクロビル、鎮咳薬、粘液溶解薬、去痰薬、解熱薬、鎮痛薬及び鼻粘膜充血除去薬からなる群から選択され得る。
【0025】
重篤なインフルエンザのための免疫調節療法は、Hui et al., Adjunctive Therapies and Immunomodulatory Agents in the Managementof Severe Influenza, Antiviral Research, 2013; 98: 410-416; Hui & Lee,Adjunctive Therapies and Immunomodulatory Agents for Severe Influenza,Influenza and Other Respiratory Viruses, 2013; 7 (suppl. 3): 52-59; and Liu etal., Cellular & Molecular Immunology, 2015; 1-8, doi:10.1038/cmi.2015.74に論評されている。
【0026】
Darwish et al., Immunomodulatory Therapy for Severe Influenza,Expert Rev Anti Infect Ther., 2011 (Jul); 9(7): 807-22, doi: 10.1586/eri.11.56は、インフルエンザウイルス及び宿主の病原性決定基について説明し、重篤なインフルエンザにおける臨床成果を改善することを意味するような宿主の炎症反応を標的とする免疫調節療法の使用を支持する証拠を示し、抗TNF療法、スタチン、グルココルチコイド、シクロオキシゲナーゼ-2阻害剤、マクロライド、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体アゴニスト、AMP活性化タンパク質キナーゼアゴニスト及び高移動度群ボックス1アンタゴニストを含む重篤なインフルエンザにおける宿主の炎症反応を標的とする治験の免疫調整剤における試験データを論評し、終末器官損傷及び機能不全を媒介する有害なインフルエンザ誘導性宿主反応に対する骨髄間質細胞及びアンジオポエチン-1療法の使用の根拠とともに結論づける。
【0027】
Fedson DS, Confronting an influenza pandemic with inexpensivegeneric agents: can it be done?, Lancet Infect. Dis., 2008; 8: 571-76は、スタチン、フィブラート、クロロキン及び他のジェネリック剤がH5N1鳥インフルエンザAパンデミックの影響を緩和できるか否かを決定するための研究を提示する。また、Fedson DS, Confronting the next influenza pandemic withanti-inflammatory and immunomodulatory agents: why they are needed and how theymight work, Influenza and Other Respiratory Viruses, 2009; 3(4): 129-142、及びFedson DS, Treating influenza with statins and otherimmunomodulatory agents, Antiviral Research, 2013; 99(3): 417-435も参照できる。
【0028】
An SC et al., Triple combinations of neuraminidase inhibitors,statins and fibrates benefit the survival of patients with lethal avianinfluenza pandemic, Medical Hypotheses, 2011; 77(6): 1054-157では、共に抗炎症及び免疫調節効果並びに他の複数の生物活性を有するスタチン及びフィブラートが、初期炎症媒介物質(例えば多くのサイトカイン/ケモカイン)又は後期媒介物質(例えば高移動度群ボックスタンパク質1)のいずれかの生成を阻害することを介してA(H5N1)ウイルス感染を治療するためにノイラミニダーゼ阻害剤と組み合わせられた場合に相乗効果を示し、抗ウイルス耐性の発生の阻害を伴う抗ウイルス活性さえも示し得る仮説を述べている。
【0029】
Bermejo-Martin JF, et al., Macrolides for the treatment of severerespiratory illness caused by novel H1N1 swine influenza viral strains, JInfect Developing Countries, 2009; 3(3): 159-161に記載されているように、マクロライド剤は、抗菌活性を有し、顕著な抗炎症特性も有する分子である。それらは、白血球に刺激性及び阻害性効果の両方を及ぼす。それらの効果は、殺菌及び局所的炎症の回復を促進する白血球の活性化状態に関連すると考えられる。新規のH1N1豚インフルエンザ遺伝子再集合ウイルスにより引き起こされた重篤な疾病の治療におけるマクロライド剤の使用は、肺炎及び致命的結果を引き起こす全身性炎症反応を抑制するために、特に抗ウイルス剤と組み合わせることが提案される。
【0030】
SatoK et al., Therapeutic Effect of Erythromycin on Influenza Virus-induced LungInjury in Mice, Am J Respir Crit Care Med, 1998; 157: 853-857は、マウスにおけるインフルエンザ誘導性肺炎において、慢性下気道感染の治療のために用いられ、抗炎症作用を有する抗生物質であるエリスロマイシン(EM)の使用を評価した。そこでは、3.3mg/kg/dの用量でのEMの投与(腹腔内、感染後1~6日)がインフルエンザに感染したマウスの生存率を顕著に改善し、感染後20日目にウイルス感染マウスの生存率が動物に投与されたEMの用量依存的に改善したことを発見し、具体的にコントロール群では14%であり、1.0mg/kg/dでEMが投与された動物では42%であり、3.3mg/kg/dでEMが投与された動物では57%であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0031】
本発明の時点で、重篤なインフルエンザの治療のための要求は満足されていない。
【課題を解決するための手段】
【0032】
以下に説明するように、特に実施例に示すように、本発明者らは、p38MAPキナーゼが、軽度又は中程度インフルエンザの患者と比較して重篤なインフルエンザの患者において、顕著に活性化する多数の細胞シグナリング経路でアップレギュレートされることを発見した。特に、p38MAPキナーゼが3つ以上のノードを含む多くの種々の非代謝シグナリング経路に関連することを見出し、ノードの100%が軽度インフルエンザの患者に対して重篤なインフルエンザ患者においてアップレギュレートされ、ノードの少なくとも75%がH1N1感染又は中程度インフルエンザの患者に対して重篤なインフルエンザ患者においてアップレギュレートされていることを見出した。
【0033】
p38MAPキナーゼは、重篤なインフルエンザの病理において全て重要である細胞型(上皮、内皮及び免疫)の範囲におけるシグナリングカスケードの上流に位置するノードである。急速で進行的な重篤なインフルエンザの特性のため、シグナリングカスケードの上流のタンパク質を標的とすることは、炎症媒介物質の産生を急速に抑制し、疾病の進行を抑制するために必要とされる。
【0034】
しかしながら、95経路における多くの他の標的可能なノードが重篤なインフルエンザの治療のための潜在的標的として発明者に同定され、他の有望な潜在的標的では同様の効果を示さないが、p38MAPキナーゼ阻害剤は、インフルエンザ感染上皮細胞から産生された炎症媒介物質の作用を刺激するウイルス順化培地において処理された内皮細胞からのサイトカイン、特にIP10の放出において用量依存的ノックダウン効果を示すことを予想外に見出した。特に、下記の実施例4に示すように、p38MAPキナーゼ阻害剤が内皮細胞におけるIP10を用量依存的に阻害すること、及び副腎皮質ホルモン及びマクロライド剤に相当する免疫細胞からの炎症媒介物質の放出を阻害する効果を示し、次の最も有望な標的、すなわち分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ(MEK)が内皮細胞から放出されるIP10の阻害に有効でなく、実際により高い薬物濃度においてIP10のレベルの増大が認められる。
【0035】
従って、本発明の一態様によると、ヒト患者における重篤なインフルエンザの治療又は予防のために用いられるp38MAPK阻害剤が提供される。
【0036】
本発明の他の態様において、p38MAPK阻害剤の医薬的有効量を患者に投与することを含む、それを必要とするヒト患者における重篤なインフルエンザを治療又は予防する方法を提供する。
【0037】
特に、p38MAPK阻害剤は、内皮細胞から炎症促進物質の放出を阻害することによりヒト患者における重篤なインフルエンザを治療又は予防するのに用いられ得る。
【0038】
より具体的に、p38MAPキナーゼ阻害剤は、内皮細胞から炎症性サイトカインの放出を阻害することによりヒト患者における重篤なインフルエンザを治療又は予防するのに用いられ得る。
【0039】
いくつかの実施形態において、p38MAPキナーゼ阻害剤は、本発明に従って、内皮細胞からのIP10の放出を阻害することによりヒト患者における重篤なインフルエンザを治療又は予防するのに用いられ得る。
【0040】
有利には、p38MAPキナーゼ阻害剤は、内皮細胞から放出するサイトカインの濃度依存的阻害を示し得る。
【0041】
内皮細胞からのサイトカイン放出の阻害効果と同様に、p38MAPキナーゼ阻害剤は、通常は下気道の内皮細胞に近接して存在する免疫細胞からの炎症性サイトカインの放出を阻害するように作用し得る。
【0042】
本明細書において「重篤なインフルエンザ」とは、インフルエンザウイルスにより引き起こされる病気であり、下気道の臨床疾患及び/又は下気道の炎症及び/又は高サイトカイン血症(例えば肺又は全身)を引き起こす病気を意味する。上記のように、患者が一般に例えば鼻づまり、くしゃみ、鼻漏、発熱(熱)、咳及び痰の発生等の上気道及び下気道の臨床的に許容できる症状を有し、患者が通常は治療介入の必要なく自然に回復するような合併症の無い(軽度又は中程度の)インフルエンザと、重篤なインフルエンザは区別される。いくつかのインフルエンザにおいて、ウイルス感染に対する患者の炎症反応は、ひどく悪化又は延長し、患者は入院を必要とし、時々死に至る可能性があるより重篤な気道の症状又は臨床的合併症を発症する。そのような場合において、早期の治療介入は臨床的に重要である。重篤なインフルエンザのWHOの定義により示されるように、広い範囲の合併症は、上気道(鼻腔、洞、喉)及び下気道(肺)のインフルエンザウイルスの感染により引き起こされ得る。従って、重篤なインフルエンザの種々の患者は、広い範囲の種々の症状又は病気の兆候を示し得る。重篤なインフルエンザの特徴として以下で論じられる種々の症状又は兆候は、病気の2日後、典型的には病気の2~9日以内に観察又は検出可能となり得る。
【0043】
例えば、重篤なインフルエンザは、高サイトカイン血症により特徴付けられ得る。一般に、高サイトカイン血症は、1つ以上のサイトカインのレベルの上昇に関連する。
【0044】
いくつかの実施形態において、サイトカインは、IL-8、IL-7、IL-6、エオタキシン、IP10、MCP1、MCP4及びVEGFのうちの1つ以上を含み得る。特に、いくつかの実施形態において、サイトカインはIL-8、エオタキシン、IP10及びIL-7のうちの1つ以上を含み得る。
【0045】
いくつかの実施形態において、サイトカインは、IL-6、IL-8及びIP10のうちの1つ以上を含み得る(Lee N. et al., 2011; Lee N. et al., Viral clearance and inflammatoryresponse patterns in adults hospitalised for pandemic 2009 influenza A (H1N1)virus pneumonia, Antiviral Therapy, 2011; 16: 237-47を参照。)。
【0046】
いくつかの実施形態において、高サイトカイン血症は、IL-6のレベルをその血漿における基準範囲(<3.1pg/ml)の約1.5又は2倍以上に上昇し、いくつかの実施形態においては約10、15又は30倍、約54倍以上にまで上昇することに関連し得る。従って、高サイトカイン血症は、約4.7pg/mlよりも大きくIL-6レベルを上昇させることに関連し得る。より具体的には、高サイトカイン血症は、季節性インフルエンザの場合に約4.7pg/ml以上に、またパンデミックインフルエンザの場合に約7.8pg/ml以上にIL-6レベルを上昇することに関連する。
【0047】
いくつかの実施形態において、高サイトカイン血症は、IL-8のレベルをその血漿における基準範囲(<5.0pg/ml)の約1又は2倍以上に上昇し、いくつかの実施形態においては約4倍、約8、10又は12倍以上にまで上昇することに関連し得る。従って、高サイトカイン血症は、約5.0pg/mlよりも大きくIL-8レベルを上昇させることに関連し得る。より具体的には、高サイトカイン血症は、季節性インフルエンザの場合に約5.0pg/ml以上に、またパンデミックインフルエンザの場合に約11.6pg/ml以上にIL-8レベルを上昇することに関連する。
【0048】
いくつかの実施形態において、高サイトカイン血症は、IP-10のレベルをその血漿における基準範囲(202~1480pg/ml)の約1又は2倍以上に上昇し、いくつかの実施形態においては約1.1倍、約1.5倍、又は約2、3、4、5、6、7若しくは8倍、約10、20若しくは30倍以上にまで上昇することに関連し得る。従って、高サイトカイン血症は、約835pg/mlよりも大きくIP-10レベルを上昇させることに関連し得る。より具体的には、高サイトカイン血症は、季節性インフルエンザの場合に約835pg/ml以上に、またパンデミックインフルエンザの場合に約1476pg/ml以上にIL-8レベルを上昇することに関連する。
【0049】
いくつかの実施形態において、高サイトカイン血症は、MCP-1のレベルをその血漿における基準範囲(<10.0~57.0pg/ml)の約1又は2倍以上に上昇し、いくつかの実施形態においては約4倍、約5.5倍以上にまで上昇することに関連し得る。従って、高サイトカイン血症は、約52.9pg/mlよりも大きくMCP-1レベルを上昇させることに関連し得る。より具体的には、高サイトカイン血症は、季節性インフルエンザの場合に約52.9pg/ml以上に、またパンデミックインフルエンザの場合に約64.8pg/ml以上にMCP-1レベルを上昇することに関連する。
【0050】
いくつかの実施形態において、高サイトカイン血症は、sTNFR-1のレベルをその血漿における基準範囲(484~1407pg/ml)の約1又は2倍以上に上昇し、約2.5倍以上にまで上昇することに関連し得る。従って、高サイトカイン血症は、約1099.4pg/mlよりも大きくsTNFR-1レベルを上昇させることに関連し得る。より具体的には、高サイトカイン血症は、季節性インフルエンザの場合に約1099.4pg/ml以上に、またパンデミックインフルエンザの場合に約1250.7pg/ml以上にsTNFR-1レベルを上昇することに関連する。
【0051】
いくつかの実施形態において、高サイトカイン血症は、MIGのレベルをその血漿における基準範囲(48.0~482.0pg/ml)の約1又は2倍以上に上昇し、いくつかの実施形態においては約1.1倍、約1.5倍若しくは2倍又は約15、40若しくは50倍以上にまで上昇することに関連し得る。従って、高サイトカイン血症は、約103.8pg/mlよりも大きくMIGレベルを上昇させることに関連し得る。より具体的には、高サイトカイン血症は、季節性インフルエンザの場合に約103.8pg/ml以上に、またパンデミックインフルエンザの場合に約118.7pg/ml以上にMIGレベルを上昇することに関連する。
【0052】
いくつかの実施形態において、高サイトカイン血症は、IL-17Aのレベルをその血漿における基準範囲(<10.0pg/ml)の約1、1.5又は2倍以上に上昇し、いくつかの実施形態においては約4倍、約5倍、約6倍、約7倍以上にまで上昇することに関連し得る。従って、高サイトカイン血症は、約5.0pg/mlよりも大きくIL-17Aレベルを上昇させることに関連し得る。より具体的には、高サイトカイン血症は、季節性インフルエンザの場合に約5.0pg/ml以上に、またパンデミックインフルエンザの場合に約9.3pg/ml以上にIL-17Aレベルを上昇することに関連する。
【0053】
重篤なインフルエンザは、炎症性サイトカイン(IL-6、IL-8、IP10、MCP-1及び/又はsTNFR-1)の持続的活性化によりいくつかの実施形態において特徴付けられ得る。
【0054】
サイトカインのレベルは、患者の全血、血清、血漿、鼻洗浄液、鼻汁又は気管支肺胞洗浄液で検出され得る。サイトカインのレベルは、当業者に周知の適切な技術を用いて定量され得る。適切には、酵素結合免疫吸着法(ELISA)又は蛍光自動細胞選別(FACs)が用いられ得る。例として、Meso Scale Diagnostics LLCから得られるような化学発光免疫アッセイ系(http://web.archive.org/web/20160522190937/https://www.mesoscale.com/)が、その速さ及び感度のため採用され得る。
【0055】
追加的又は代替的に、重篤なインフルエンザは、顕著に高い総白血球数を伴い得る。重篤なインフルエンザの患者は、軽度又は中程度のインフルエンザの患者よりも顕著に高い好中球絶対数を有し得る。一般に、病気の2~9日後の重篤なインフルエンザ患者は、2.1~24.5×10/μlの範囲内の好中球数を有し得る(比較として、病気の1~9日後の中程度インフルエンザ患者は0.62~10.88×10/μlの範囲内の好中球数を有し、また、病気の3~8日後の軽度インフルエンザ患者は0.5~6.5×10/μlの範囲内の好中球数を有し得る。)。いくつかの実施形態において、血小板絶対数は、病気の2~9日後の重篤なインフルエンザ患者において例えば27~250×10/μlと顕著に低くなり得る(比較として、病気の1~9日後の中程度インフルエンザ患者は55~345×10/μlの範囲内の血小板数を有し、また、病気の3~8日後の軽度インフルエンザ患者は79~370×10/μlの範囲内の血小板数を有し得る。)(Hoang et al., 2014)。
【0056】
追加的又は代替的に、重篤なインフルエンザは、低酸素症又は心配機能不全の症状又は兆候により特徴付けられ得る。いくつかの実施形態において、患者は、経皮的方法により室内気において≦92%の動脈血酸素飽和度を有し得る。一般に、低酸素症又は心配機能不全の症状又は兆候は、呼吸困難、頻呼吸、チアノーゼ、低血圧(年齢及び性別での正常範囲は以下に示される)及び頻脈の1つ以上を含み得る。
【0057】
いくつかの実施形態において、患者は、頻呼吸(12歳以上で呼吸数≧30、6~12歳で呼吸数≧40、3~6歳で呼吸数≧45、1~3歳で呼吸数≧50)を有し得る。
【0058】
いくつかの実施形態において、患者は、呼吸の不快感又は呼吸困難の兆候(全文を話すことができない、息を切らす、呼吸補助筋を用いる)を有する又は示し得る。
【0059】
追加的又は代替的に、重篤なインフルエンザは、放射線学的肺浸潤がある又は無い下気道障害との並存疾患により特徴付けられ得る。
【0060】
追加的又は代替的に、重篤なインフルエンザは、精神状態の変化、無意識、眠気、目覚めの困難、繰り返し起こる痙攣、混乱、筋肉痛、重度の虚弱、麻痺、及び知覚障害(例えば手足の刺痛、正常な痛覚の欠損)を含む例えば脳炎、骨髄炎又は横紋筋融解症等のCNS及び/又は末梢神経筋障害を示す症状又は兆候により特徴付けられ得る。
【0061】
さらに追加的又は代替的に、重篤なインフルエンザは、重篤な脱水症状により特徴付けられ得る。WHOは、成人で体重の9%を超える損失(子供では15%を超える損失)を重篤な脱水症状と定義する(K. Sinha and M. Davenport (eds.), Handbook of Pediatric Surgery,doi: 10.1007/978-1-84882-132-3_2.1, Springer-Verlag London Limited 2010)。本発明によると、重篤なインフルエンザは、体液の9%を超える、例えば10~15%の損失に関連し得る。
【0062】
追加的又は代替的に、重篤なインフルエンザは、異常なレベルの疲労及び/又は無気力により特徴付けられ得る。
【0063】
追加的又は代替的に、重篤なインフルエンザは、放射線学的肺浸潤の存在により特徴付けられ得る。
【0064】
さらに追加的又は代替的に、重篤なインフルエンザは、持続的ウイルス感染又は複製の証拠に関連する。いくつかの実施形態において、患者は、標準的な実験室の方法を用いて試験され得る、又は永続性の若しくは悪化する症状の特定により診断され得る一定の又は増大するウイルス複製を2日以上示し得る。いくつかの実施形態において、患者は、一定の又は増大するウイルス複製を3、4、5又はそれ以上の日数示し得る。従って、いくつかの実施形態において、本発明に係る重篤なインフルエンザは、回復の兆候が無く2、3、4、5日又はそれ以上の間、持続又は繰り返される症状により特徴付けられ得る。持続又は繰り返される症状は、熱(すなわち100°F/38℃以上の温度)、無気力、疼痛、充血、咳、鼻づまり、鼻漏、又は上気道充血若しくは炎症を含み得る。
【0065】
追加的又は代替的に、重篤なインフルエンザは、二次的細菌感染により特徴付けら得る。
【0066】
追加的又は代替的に、重篤なインフルエンザは、下気道障害又は炎症により特徴付けられ得る。
【0067】
追加的又は代替的に、重篤なインフルエンザは、単一若しくは複数の臓器不全(例えば呼吸不全若しくは腎不全)又は敗血症性ショックにより特徴付けられ得る。
【0068】
いくつかの実施形態において、患者は、幼児(すなわち1歳未満)若しくは高齢者(すなわち65歳以上)であってもよく、又は妊婦であってもよい。
【0069】
いくつかの実施形態において、ヒト患者は、その患者が重篤なインフルエンザに罹り易くする1つ以上の基礎となる併存疾患を有し得る。例えば、患者は、免疫不全であるか、又はCOPD、重篤な遺伝性貧血、喘息若しくは糖尿病、慢性の肝若しくは腎不全、肥満若しくは心血管障害に罹患し得る。
【0070】
従って、いくつかに実施形態において、p38MAPキナーゼ阻害剤は、予防的に患者に投与されてもよく、特にその場合、患者は前述のような高リスク群又はリスク群にある。
【図面の簡単な説明】
【0071】
図1図1はシグナリング経路の識別について示す図である。
図2図2はIL-1、TNFα及びIL-6刺激経路における遺伝子活性化のマップを示す図である。これらのサイトカインは、インフルエンザに感染された細胞により産生され、インフルエンザに感染された人、特に重篤なインフルエンザで入院した人の血液中で増大することが発見された。斜線は遺伝子発現レベルを示し、右上がりの斜線はアップレギュレーションを示し(例えばTNF-α)、右下がりの斜線はダウンレギュレーションを示し(例えばLBP)、アップレギュレート及びダウンレギュレートの両方がなされる遺伝子は右上がりの斜線と右下がりの斜線とが交差するクロスハッチングにより示される。線の間隔は、アップ又はダウンレギュレーションの強度を示し、線の間隔がより密であればより強い活性化を示す。マップは、IPAを用いて作製した。経路を通る「ルート」は、細胞膜から核にまで及ぶタンパク質の単一の連続するつながりとして定義される。
図3図3は、図2のIL-6経路のルートのスコアリングの一例を示す。
図4図4は、重篤なインフルエンザの病理学に関連する3つの重要な細胞型を示す。
図5図5は、ヒト上皮細胞におけるインフルエンザ「スープ」の生成、及び電気化学発光分析を示す図である。感染細胞の「スープ」は、臨床サンプルにおいて発見された重要なサイトカインを含む。
図6図6は、ウイルススープの適用に応じたリン酸化p38及びHSP27のウェスタンブロット及び上皮細胞におけるp38阻害剤の効果を示す。ウイルススープの提供に応じた炎症性サイトカインの産生の電気化学発光分析、及び上皮細胞におけるp38阻害剤の効果を示す。
図7図7は、ウイルススープの適用に応じたリン酸化HSP27のウェスタンブロット及び上皮細胞におけるp38阻害剤の効果を示す。ウイルススープの提供に応じた炎症性サイトカインの産生の電気化学発光分析、及び上皮細胞におけるp38阻害剤の効果を示す。
図8図8は、ウイルススープの適用に応じたリン酸化HSP27のウェスタンブロット及び免疫細胞におけるp38阻害剤の効果を示す。ウイルススープの提供に応じた炎症性サイトカインの産生の電気化学発光分析、及び免疫細胞におけるp38阻害剤の効果を示す。p38阻害剤の濃度の増大に応じた免疫細胞の細胞生存率を示す。
図9図9は、LPS、CD-3及びウイルススープの適用に応じた炎症性サイトカインの産生の電気化学発光分析を示す。免疫細胞のウイルススープ誘導性の炎症性サイトカインにおけるp38阻害の効果をしめす。
図10図10は、70%HBECウイルススープにより刺激されたHUVECsによるIP10産生におけるp38及びMEK阻害剤の効果を示す。分泌型サイトカインレベルは電気化学発光により試験した。統計的有意性は、ポストホックテストとしてのダネットの多重比較検定による一元配置分散分析を用いて算出した。
図11図11は、免疫細胞からのIL-1bの産生における化合物の効果を示す。ドットプロットにおける各点は、個別の試験を表す。統計的有意性は、ポストホックテストとしてのダネットの多重比較検定による一元配置分散分析を用いて算出した。
図12図12は、免疫細胞からのTNF-αの産生における化合物の効果を示す。ドットプロットにおける各点は、個別の試験を表す。統計的有意性は、ポストホックテストとしてのダネットの多重比較検定による一元配置分散分析を用いて算出した。
図13図13は、内皮細胞からのIP10の産生における化合物の効果を示す。ドットプロットにおける各点は、個別の試験を表す。統計的有意性は、ポストホックテストとしてのダネットの多重比較検定による一元配置分散分析を用いて算出した。
図14図14は、内皮細胞からのIL-8の産生における化合物の効果を示す。ドットプロットにおける各点は、個別の試験を表す。統計的有意性は、ポストホックテストとしてのダネットの多重比較検定による一元配置分散分析を用いて算出した。
図15図15は、インフルエンザウイルスに感染された28人の健常なボランティア(-1日目から28日目までサンプル回収、白抜きのドット)、及び重篤なインフルエンザにより入院している30人の患者(黒塗りのドット)におけるサイトカインレベルを示す。重篤な患者からの血液サンプルは入院後24~72時間に回収した。感染された健常なボランティア(D2及びD3)と入院患者(インフルエンザA又はB)とのサイトカインレベルの差の統計的有意性は、マン・ホイットニーのU検定を用いて算出した。
【発明を実施するための形態】
【0072】
p38MAPキナーゼ阻害剤は、活性物質の確立されたクラスの一つである(例えばZarubin and Han, Cell Research (2005) 15, 11-18.doi:10.1038/sj.cr.7290257を参照)。広範なp38MAPキナーゼ阻害剤は、当業者が入手可能である(例えばLee, et al., Inhibition of p38 MAP kinase as a therapeutic strategy,Immunopharmacol., 2000; 47(2-3): 185-201. doi:10.1016/S0162-3109(00)00206-X参照)。
【0073】
低分子p38MAPキナーゼ阻害剤の例は、ピリジニルイミダゾール、置換型ピラゾール、ピラゾロピリジン誘導体、置換型ピリジル、キナゾリン誘導体、アリール尿素、ヘテロアリールアナログ、置換型イミダゾール化合物及び置換型トリアゾール化合物を含む(Young P.R. et al., J. Biol. Chem., 1997; 272: 12116-12121 andBender, P.E., J. Med. Chem. 1985, 28; 1169-1177を参照)。
【0074】
p38を阻害できるピリジニルイミダゾールの例は、6-(4'-フルオロフェニル)-5-(4'-ピリジル)-2,3-ジヒドロイミダゾロ(2,1-b)-チアゾール及びその代謝物 (スルフォキシド、スルホン)、そのアナログ、その断片及びその模倣物を含む。さらに、ピリジニルイミダゾールの最小構造である4-(ピリジン-4-イル)-5-フェニルイミダゾールは、p38を阻害するのに十分となり得る(Gallagher, TF et al., Bio-org. Med. Chem., 1997; 5: 49-64を参照)。
【0075】
特定の1,5-ジアリール置換型ピラゾール化合物も、p38MAPキナーゼ阻害剤として提示される。そのような置換型ピラゾール化合物は、US6509361Bに開示される。さらに、p38を阻害するピラゾール誘導体はUS6335336Bに開示される。
【0076】
特定のピラゾロピリジン誘導体も、p38MAPキナーゼ阻害剤として提示される。そのようなピラゾロピリジン誘導体は、WO2004/076450A1に開示されている。いくつかの実施形態において、本発明において用いられるp38MAPキナーゼ阻害剤は、4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;4,6-ジフェニル-5-(4-ピリジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン5-(4-ピリジル)-4,6-ビス[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリジン4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-3-メチル-5-(4-ピリジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン3-メチル-4,6-ジフェニル-5-(4-ピリジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン2-エチル-4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン1-エチル-4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-2-メチル-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-1-メチル-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-2,3-ジメチル-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-1,3-ジメチル-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン2-[2-[1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル]エチル]-4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン1-[2-[1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル]エチル]-4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン2-[1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル]-4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-3-メチル-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン1-[1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル]-4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-3-メチル-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン2-(3-クロロプロピル)-4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4- b]ピリジン1-(3-クロロプロピル)-4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン3-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]プロパン-1-オール3-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-1-イル]プロパン-1-オール2-[1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル]-4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン1-[1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル]-4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン2-メチル-4,6-ジフェニル-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4- b]ピリジン1-メチル-4,6-ジフェニル-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)-2-[2-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)エチル]-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン2-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4- b]ピリジン-1-イル]エタノール; 4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-2-(4-メチルスルファニルベンジル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-1-(4-メチルスルファニルベンジル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-frjピリジン2-[1-(te/t-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-イルメチル]-4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン1-[1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-イルメチル]-4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-2-[2-(モルフォリン-4-イル)エチル]-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-1-[2-(モルフォリン-4-イル)エチル]-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジンエチル2-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]アセテート; エチル 2-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-1-イル]アセテート; エチル 3-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]プロピオネート; エチル3-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-1-イル]プロピオネート; 4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-2-(4-ピペリジル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-1-(4-ピペリジル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-2-(4-ピペリジルメチル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン; 4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-1-(4-ピペリジルメチル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン; 4,6-ビス(6-クロロピリジン-3-イル)-5-(4-ピリジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-3-メチル-2-(4-ピペリジル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-3-メチル-1-(4-ピペリジル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-σ]ピリジン4I6-ビス(4-フルオロフェニル)-2-[2-(4-ピペリジル)エチル]-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン2-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2 -イル]酢酸2-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-1 -イル]酢酸3-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2 -イル]プロピオン酸;3-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-1 -イル]プロピオン酸; 2-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]-1-(モルフォリン-4 イル)エタノン2-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-1-イル]アセトアミド2-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-1-イル]-1-(モルフォリン-4 イル)エタノン3-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]-1-(モルフォリン-4 イル)プロパン-1-オン3-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-1-イル]-N-プロピルプロピオンアミド3-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-1-イル]-1-(モルフォリン-4 イル)プロパン-1-オン4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-2-(4-メチルスルファニルフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-1-(4-メチルスルファニルフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-2-(4-メチルスルフィニルフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-2-(4-メチルスルホニルフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-1-(4-メチルスルフィニルフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-2-(4-メチルスルフィニルベンジル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-2-(4-メチルスルホニルベンジル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-1-(4-メチルスルフィニルベンジル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-1-(4-メチルスルホニルベンジル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン3-クロロ-4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン3-ブロモ-4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニトリル3-ブロモ-4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-1-メチル-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボキシアミド3-アミノメチル-4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4,6-ビス(4-フルオロ-3-ニトロフェニル)-5-(4-ピリジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン3-アミノ-6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン3-アミノ-6-(4-フルオロフェニル)-1-メチル-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4-[6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル]フェノール2-(2,2-ジエトキシエチル)-4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン1-(2,2-ジエトキシエチル)-4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-1-メチル-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニトリル3-ブロモ-6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)-1 H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン6-フルオロフェニル-5-(4-ピリジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジンN-メチル-[3-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]プロピル]アミン[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]メタノール2-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]-N,N-ジメチルアセトアミド2-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-1-イル]-N,N-ジメチルアセトアミド4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-2-[2-(2-メトキシエトキシ)エチル]-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-1-[2-(2-メトキシエトキシ)エチル]-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-2-[3-(モルフォリン-4-イル)プロピル]-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4,6-ビス(6-クロロピリジン-3-イル)-2-メチル-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4,6-ビス(6-クロロピリジン-3-イル)-1-メチル-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4,6-ビス(6-クロロピリジン-3-イル)-3-メチル-5-(4-ピリジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4,6-ビス(6-メチルピリジン-3-イル)-5-(4-ピリジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-2-(2-フタルイミドエチル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン2-(2-アミノエチル)-4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン2-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]エタノール6-(4-フルオロフェニル)-2-メチル-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-2-(3-フタルイミドプロピル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン2-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]アセトアルデヒド2-(3-アミノプロピル)-4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;N-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イルメチル]-1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-カルボキシアミドN-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イルメチル]-1H-ピペリジン-4-カルボキシアミド2-(3-ベンジルオキシプロピル)-4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;1-(3-ベンジルオキシプロピル)-4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジンN,N-ジエチル-[2-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]エチル]アミンN,N-ジエチル-[2-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-1-イル]エチル]アミン4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)-2-(3-ピリジルトリエチル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)-1-ピリジン-3-イルメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジンN,N-ジメチル-[3-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]プロピル]アミンN,N-ジメチル-[3-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-1-イル]プロピル]アミン1-[2-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]エチル]ピペリジン- 4-オール3-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]-2-ヒドロキシプロパン-1-オール3-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)
ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-1-イル]-2-ヒドロキシプロパン-1-オール4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)-2-(4-ピリジルメチル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン; 4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)-1-(4-ピリジルメチル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジンN-(tert-ブトキシカルボニル)-[1-[3-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]プロピル]ピペリジン-4-イル]アミン2-[1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル]-6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン1-[1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル]-6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン3-メチル-4,6-ビス(6-メチルピリジン-3-イル)-5-(4-ピリジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン1-[3-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]-プロピル]ピペリジン-4-オンN-(tert-ブトキシカルボニル)-[1-[2-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]エチル]ピペリジン-4-イル]アミンN-メチル-[1-[2-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]エチル]ピペリジン-4-イル]アミン[1-[3-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]プロピル]ピペリジン-4-イル]アミン2-[1-[2-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]エチル]ピペリジン-4-イル]エタノール[1-[2-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]エチル]ピペリジン-4-イル]アミン6-(4-フルオロフェニル)-2-(4-ピペリジル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン6-(4-フルオロフェニル)-1-(4-ピペリジル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン3-アミノ-5-[2-(メチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]-6-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン2-[3-[1-(4-tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル]プロピル3-4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-2-[3-(1-ピペラジン-1-イル)プロピル]-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン5-[2-(メチルスルファニル)ピリミジン-4-イル]-6-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン5-[2-(メチルスルホニル)ピリミジン-4-イル]-6-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(1S)-N-(1-フェニルエチル)-[4-[6-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-イル]ピリミジン-2-イル]アミン1-[3-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]プロピル]ピペリジン-4-オール2-[1-[3-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]プロピル]ピペリジン-4-イル]エタノール4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-3-(4-ピペリジル)-5-(4-ピリジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-カルボニトリル2-[2-[[1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル]アミノ]エチル]-4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5- (4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-2-[2-[(4-ピペリジル)アミノ]エチル]-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジンN-(2-メトキシエチル)-[2-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン- 2-イル]エチル]アミン1-[4-[2-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]エチル]ピペラジン-1-イル]エタノン3-[4,6-ジフェニル-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]プロパン-1-オール3-[4,6-ジフェニル-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-1-イル]プロパン-1-オール2-エチル-4,6-ジフェニル-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン1-エチル-4,6-ジフェニル-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4,6-ジフェニル-2-(2-フタルイミドエチル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン2-(2-アミノエチル)-4,6-ジフェニル-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン2-アリール-4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン1-アリール-4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン1-[2-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]エチル]ピペリジン- 4-オン3-アミノメチル-6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン3-アミノ-6-(4-フルオロフェニル)-4-メチル-5-(4-ピリジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン; 3-[N-[2-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]エチル]アミノ]プロパン-1-オールN-エチル-[2-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]エチル]アミン2-[N/-[2-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]エチル]アミノ]エタノールN-[(2-ピリジル)メチル]-[2-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン- 2-イル]エチル]アミンN-[(2-チエニル)メチル]-[2-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン- 2-イル]エチル]アミン1-[2-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]エチル]ピペリジン-4-カルボキシアミド4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-2-[2-(ピロリジン-1-イル)エチル]-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(3R)-1-[2-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]エチル]ピロリジン-3-オール2-[N-[2-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]エチル]-N-メチルアミノ]エタノール4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)-2-[2-(1 ,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-2-イル)エチル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-2-[2-(4-フェニルピペラジン-1-イル)エチル]-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-2-[2-[4-(1-ピペリジル)ピペリジン-1-イル]エチル]-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン3-[N-[2-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]エチル]-N-メチルアミノ]プロピオンニトリルN-メチル-[2-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]エチル]アミン2-[2-[4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル]エチル]-4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-2-[2-(ピペラジン-1-イル)エチル]-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)-2-ビニルピラゾロ[3,4-b]ピリジン2-[A/-[2-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]エチル]-N-(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノールN-シクロプロピル-[2-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]エチル]アミンN-[2-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]エチル]アセトアミドN -[2-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]エチル]-n'-イソプロピル尿素N-[2-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]エチル]メタンスルホンアミド6-(4-フルオロフェニル)-4-(4-ピペリジル)-5-(4-ピリジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン6-(4-フルオロフェニル)-4-(2-フリル)-5-(4-ピリジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン6-(4-フルオロフェニル)-4-(1H-イミダゾール-4-イル)-5-(4-ピリジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4-(5-ブロモチエン-2-イル)-6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(2-メチルスルファニルピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン5-(2-クロロピリジン-4-イル)-4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン6-(4-フルオロフェニル)-4-(2-フェニルエチル)-5-(4-ピリジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4-(6-クロロピリジン-3-イル)-6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン; 4-(3,4-ジクロロフェニル)-1-エチル-6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン6-(4-フルオロフェニル)-4-(1-メチルピペリジン-4-イル)-5-(4-ピリジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン3-アミノ-6-(4-フルオロフェニル)-5-(2-メチルスルファニルピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-bjピリジン6-(4-フルオロフェニル)-5-(2-メチルスルファニルピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4,6-ジフェニル-5-(4-ピリジル)-2-[2-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)エチル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン6-(4-フルオロフェニル)-4-(2-フリル)-2-メチル-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン6-(4-フルオロフェニル)-2-メチル-4-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン6-(4-フルオロフェニル)-5-(2-メチルスルファニルピリミジン-4-イル)-2-[2-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)エチル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン6-(4-フルオロフェニル)-5-(2-メチルスルファニルピリミジン-4-イル)-2-[3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)プロピル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(2-メチルスルファニルピリミジン-4-イル)-2-[3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)プロピル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4-(5-ブロモチエン-2-イル)-6-(4-フルオロフェニル)-2-メチル-5-(4-ピリジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン6-(4-フルオロフェニル)-2-メチル-5-(2-メチルスルファニルピリミジン-4-イル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン5-(2-クロロピリジン-4-イル)-4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-2-メチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン; 6-(4-フルオロフェニル)-4-(2-フェニルエチル)-5-(4-ピリジル)-2-[3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)プロピル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4-(6-クロロピリジン-3-イル)-6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)-2-[3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)プロピル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4-(6-クロロピリジン-3-イル)-6-(4-フルオロフェニル)-2-メチル-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン5-(2-メチルスルファニルピリミジン-4-イル)-2-[3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)プロピル]-6-(3-トリフルオロメチルフェニル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン6-(4-フルオロフェニル)-2-メチル-5-(4-ピリジル)-4-[5-(3-ピリジル)チエン-2-イル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン2-[4,6-ジフェニル-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]エタノール3-[5-(2-メチルスルファニルピリミジン-4-イル)-6-(3-トリフルオロメチルフェニル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]プロパン-1-オール2-[6-(4-フルオロフェニル)-5-(2-メチルスルファニルピリミジン-4-イル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]エタノール3-[6-(4-フルオロフェニル)-5-(2-メチルスルファニルピリミジン-4-イル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]プロパン-1-オール3-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(2-メチルスルファニルピリミジン-4-イル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン- 2-イル]プロパン-1-オール3-[6-(4-フルオロフェニル)-4-(2-フェニルエチル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]プロパン-1-オール3-[4-(6-クロロピリジン-3-イル)-6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]プロパン-1-オール6-(4-フルオロフェニル)-2-メチル-5-(2-メチルスルホニルピリミジン-4-イル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン3-[5-(2-メチルスルホニルピリミジン-4-イル)-6-(3-トリフルオロメチルフェニル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]プロパン-1-オール2-[6-(4-フルオロフェニル)-5-(2-メチルスルホニルピリミジン-4-イル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]エタノール3-[6-(4-フルオロフェニル)-5-(2-メチルスルホニルピリミジン-4-イル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]プロパン-1-オール3-[4,6-ビス(4-フルオロフェ
ニル)-5-(2-メチルスルホニルピリミジン-4-イル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン- 2-イル]プロパン-1-オールN -シクロプロピルメチル-[4-[6-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-イル]ピリミジン-2-イル]アミン(1 S)-3-[5-[2-(1-フェニルエチルアミノ)ピリミジン-4-イル]-6-(3-トリフルオロメチルフェニル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]プロパン-1-オールN -シクロプロピルメチル-[4-[6-(4-フルオロフェニル)-2-メチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-イル]ピリミジン-2-イル]アミン2-[5-[2-[(シクロプロピルメチル)アミノ]ピリミジン-4-イル]-6-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]エタノール3-[5-[2-[(シクロプロピルメチル)アミノ]ピリミジン-4-イル]-6-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]プロパン-1-オール3-[5-[2-[(シクロプロピルメチル)アミノ]ピリミジン-4-イル]-4,6-ビス(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]プロパン-1-オール4-[4-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-2-メチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-イル]ピリジン-2-イルアミノ]ベンゼンスルホンアミド4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-オール6-(4-フルオロフェニル)-4-(3H-イミダゾール-4-イル)-5-(4-ピリジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン6-(4-フルオロフェニル)-4-(1H-ピラゾール-3-イル)-5-(4-ピリジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン3-[6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル]フェノール4-シクロプロピル-6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン6-(4-フルオロフェニル)-4-(5-メチルフラン-2-イル)-5-(4-ピリジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4-(5-ブロモフラン-2-イル)-6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4-(4-ベンジルオキシフェニル)-6-(4-フルオロフェニル)-5-ピリミジン-4-イル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4-(4-ベンジルオキシフェニル)-6-(4-フルオロフェニル)-5-(2-メチルスルファニルピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン6-(4-フルオロフェニル)-4-プロピル-5-(4-ピリジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4-(3-ベンジルオキシフェニル)-6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)-1 H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン5-(2-クロロピリジン-4-イル)-6-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4-[6-(4-フルブロフェニル)-5-(4-ピリジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル]ブタン-1-オール4-ベンジル-6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4-(4-ベンジルオキシフェニル)-6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-ピリミジン-4-イル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン[(2S)-2-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]エチル]ピロリドン-2-カルボキシアミド2-[2-(4,6-ジフェニル-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル)エチルアミノ]エタノール6-(4-フルオロフェニル)-2-メチル-4-(3-ピリジル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン6-(4-フルオロフェニル)-3-メチル-5-(2-メチルスルファニルピリミジン-4-イル)-1 H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン3-アミノ-5-(2-メチルスルファニルピリミジン-4-イル)-6-フェニル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン5-(2-メチルスルファニルピリミジン-4-イル)-6-フェニル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン6-(4-フルオロフェニル)-4-メチル-5-(2-メチルスルファニルピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン5-(2-メトキシピリミジン-4-イル)-6-(3-トリフルオロメチルフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;N-[2-[4,6-(ジフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]エチル]アセトアミドN-[3-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]プロピル] アセトアミドN-[2-(4,6-ジフェニル-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル)エチル]-N-(2-ヒドロキシエチル)アセトアミドN-[2-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]エチル]プロイオンアミドN-[3-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]プロピル]メタンスルホンアミド5-(2-アミノピリミジン-4-イル)-6-(3-トリフルオロメチルフェニル)-1ry-ピラゾロ[3,4-b]ピリジンN-[5-(2-メチルスルファニルピリミジン-4-イル)-6-(3-トリフルオロメチルフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]アセトアミドN -シクロプロピルメチル-[4-[3-ベンジルオキシカルボニルアミノ-6-(3-トリフルオロメチルフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-イル]ピリミジン-2-イル]アミンN -[2-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]エチル]-2-ヒドロキシアセトアミドN-[2-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]エチル]ピペリジン-4-カルボニルアミドN-[2-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]エチル]-2- (メチルアミノ)アセトアミドA/-[2-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]エチル]-2-(2-ヒドロキシエチルアミノ)アセトアミドN-[2-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]エチル]ニコチンアミド4-(4-ベンジルオキシフェニル)-6-(4-フルオロフェニル)-2-メチル-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン6-(4-フルオロフェニル)-5-(2-メチルスルファニルピリミジン-4-イル)-2-メチルピラゾロ[3,4-bjピリジン6-(4-フルオロフェニル)-2,4-ジメチル-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4-(4-ベンジルオキシフェニル)-6-(4-フルオロフェニル)-2-メチル-5-(2-メチルスルファニルピリミジン-4-yI)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン2-(1-ベンジルピロリドン-2-イルメチル)-4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4-(4-ベンジルオキシフェニル)-6-(4-フルオロフェニル)-2-メチル-5-ピリミジン-4-イルピラゾロ[3,4-b]ピリジン6-(4-フルオロフェニル)-2-メチル-4-(5-メチルフラン-2-イル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4-(5-ブロモフラン-2-イル)-6-(4-フルオロフェニル)-2-メチル-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン6-(4-フルオロフェニル)-2-メチル-4-プロピル-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4-(3-ベンジルオキシフェニル)-6-(4-フルオロフェニル)-2-メチル-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン6-(4-フルオロフェニル)-2-メチル-4-(2-フェニルエチル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン5-(2-クロロピリジン-4-イル)-6-(4-フルオロフェニル)-2-メチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン4-ベンジル-6-(4-フルオロフェニル)-2-メチル-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4-[6-(4-フルオロフェニル)-2-メチル-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル]ブタン-1-オール; 4-[6-(4-フルオロフェニル)-2-メチル-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル]フェノールN-[6-(4-フルオロフェニル)-5-(2-メチルスルファニルピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン- 3-イル]アセトアミドN-[5-[2-[(シクロプロピルメチル)アミノ]ピリミジン-4-イル]-6-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]アセトアミド3-[6-(4-フルオロフェニル)-4-(2-フニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]プロパン-1-オール2-[4-(4-ベンジルオキシフェニル)-6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]エタノール3-[4-(4-ベンジルオキシフェニル)-6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]プロパン-1-オール3-[6-(4-フルオロフェニル)-4-(5-メチルフラン-2-イル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]プロパン-1-オール3-[4-シクロプロピル-6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]プロパン- 1-オール3-[4-(5-ブロモチエン-2-イル)-6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]プロパン-1-オール3-[6-(4-フルオロフェニル)-4-プロピル-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]プロパン-1-オール3-[4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-ピリミジン-4-イルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]プロパン-1-オール3-[4-(3-ベンジルオキシフェニル)-6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]プロパン-1-オール3-[4-ベンジル-6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]プロパン-1-オール(1 S)-N-(1-フェニルエチル)-[4-[6-(4-フルオロフェニル)-3-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-イル]ピリミジム-2-イル]アミンN-シクロプロピルメチル-[4-[6-(4-フルオロフェニル)-3-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-イル]ピリミジン-2-イル]アミン1-[4-[6-(4-フルオロフェニル)-2-メチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-イル]ピリミジン-2-イルアミノ]プロパン-2-オールN-シクロプロピルメチル-[4-[6-フェニル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-イル]ピリミジン-2-イル]アミン2-[4-[6-(4-フルオロフェニル)-2-メチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-イル]ピリミジン-2-イルアミノ]プロパン-1-オール4-[4-[6-(4-フルオロフェニル)-2-メチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-イル]ピリミジン-2-イルアミノ]ブタン-1-オール(1S)-N-(1-フェニルエチル)-[4-[6-フェニル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-イル]ピリミジン-2-イルjアミンN-(3-メトキシプロピル)-[4-[6-(3-トリフルオロメチルフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-イル]ピリミジン-2-イル]アミン3-[4-[6-(3-トリフルオロメチルフェニル)-1 H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-イル]ピリミジン-2-イルアミノ]プロパン-1-オール3-[4-[6-(4-フルオロフェニル)-2-(3-ヒドロキシプロピル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-イル]ピリミジン-2-イルアミノ]プロパン-1-オールN-エチル-[4-[6-(3-トリフルオロメチルフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-イル]ピリミジン-2-イル]アミンN-ベンジル-[4-[6-(3-トリフルオロメチルフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-イル]ピリミジン-2-イル]アミン4-[5-[2-[(シクロプロピルメチル)アミノ]ピリミジン-4-イル]-6-(4-フルオロフェニル)-2-メチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル]フェノール4-[6-(4-フルオロフェニル)-2-(3-ヒドロキシプロピル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イルjフェノール4-[6-(4-フルオロフェニル)-2-メチル-5-ピリミジン-4-イルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル]フェノール3-[6-(4-フルオロフェニル)-2-(3-ヒドロキシプロピル)-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル]フェノール3-[6-(4-フルオロフェニル)-2-メチル-5-(4-ピリジル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル]フェノール4,6-ビス(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)-2-(ピロリドン-2-イルメチル)ピラゾロ[3,4-b]ピリジン4-[4-[6-(4-フルオロフェニル)-2-メチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-イル]ピリジン-2-イルアミノ]ベンゼンスルホンアミドN-[5-[2-[(シクロプロピルメチル)アミノ]ピリミジン-4-イル]-6-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]アセトアミド 7-オキシド; 及び N-[6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-ピリジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]イソニコチンアミド; 又はそれらの塩、溶媒若しくはプロドラッグから選択され得る。
【0077】
他のp38MAPキナーゼ阻害剤の例は、US2003/0139462Aに開示されるような置換型ピリジルを含む。
【0078】
更なるp38MAPキナーゼ阻害剤は、US6610688Bに開示されている。
【0079】
キナゾリン誘導体は、p38MAPキナーゼ阻害剤としても作用できる。p38MAPキナーゼ阻害剤としてのキナゾリン誘導体の例は、US6541477B、US6184226B、US6509363B及びUS6635644Bに開示されている。
【0080】
アリール尿素及びヘテロアリールアナログは、p38MAPキナーゼ阻害剤としても作用できる。p38MAPキナーゼ阻害剤としてのアリール尿素及びヘテロアリールアナログの例は、US6344476Bに開示されている。WO99/32110Aには、p38MAPキナーゼとしてヘテロ環状尿素が記載されている。WO99/32463Aには、p38キナーゼを阻害する尿素化合物が記載されている。WO98/52558Aには、p38キナーゼの阻害のための尿素化合物が記載されている。WO99/00357Aには、p38キナーゼ阻害剤として尿素化合物を用いる方法が記載されている。WO99/58502Aには、p38キナーゼ阻害剤としての尿素化合物が記載されている。
【0081】
置換型イミダゾール化合物及び置換型トリアゾール化合物は、p38阻害剤としても機能できる。そのような化合物は、US6560871B及びUS6599910Bのそれぞれに開示されている。
【0082】
p38MAPキナーゼ阻害剤の特定の例は、2-(4-クロロフェニル)-4-(フルオロフェニル)-5-ピリジン-4-イル-l,2-ジヒドロピラゾール-3-オン, RWJ-67657 (RW Johnson PharmaceuticalResearch Institute); RDP-58 (Sangstat Medical); Scios-469 (タルマピモド) (Scios, J&J); MKK3/MKK6阻害剤(SignalResearch Division); SB-210313アナログ, SB-220025 (Aventis),SB-238039, HEP-689, SB-203580 (Leo), SB-239063 (R.W. Johnson), SB-239065,SB-242235 (SmithKline Beecham Pharmaceuticals); VX-702及びVX-745 (Vertex Pharmaceuticals); AMG-548 (Amgen); Astex p38キナーゼ阻害剤 (Bayer); BIRB-796 (ドラマピモド) (BoehringerIngelheim Pharmaceuticals); RO 4402257 (パマピモド) (Roche,Palo Alto); Celltech p38 MAPキナーゼ阻害剤 (CeltechGroupplc.); FR-167653 (Fujisawa Pharmaceutical); SB-681323 (ディルマピモド) (GlaxoSmithKline)及びSB-281832(GlaxoSmithKline plc, Scios); LEO PharmaceuticalsのMAPキナーゼ阻害剤(LEO Pharma A/S); Merck & Co.のp38 MAPキナーゼ阻害剤(Merck research Laboratories); SC-040及びSC-XX906(Monsanto); NovartisのアデノシンA3アンタゴニスト(Novartis AG); p38 MAPキナーゼ阻害剤(NovartisPharma AG); CP-64131 (Pfizer); CNI-1493 (Picower Institute for MedicalResearch); RPR-200765A (Phone-Poulenc Rorer);及びRocheのp38 MAPキナーゼ阻害剤及びRo-320-1195 (RocheBioscience), AIK-3, AKP-001 (ASKA Pharma), 抗生物質LLZ1640-2, ARRY-614, ARRY-797, AS-1940477, AVE-9940, AZD-7624, BCT-197,BIRB-1017BS, BMS-582949, CAY10571, CBS-3595, CCT-196969, CCT-241161, CDP-146,CGH 2466, CHR-3620, クロメチアゾーエジシレート, CM PD-1, ドラマピモド, EO 1428, FY-101C, FX-005, GSK-610677 (GlaxoSmithKline), HE-3286,HSB-13, JX 401, KC-706 (Kemia), KC-706 (ITX-5061) (iTherX Inc.), LEO-15520,LEO-1606, ロスマピモド(GlaxoSmithKline), LP-590, LY-30007113,LY2228820, M L 3403, OX-27-NO, NP-202, ペクスメチニブ, PF-03715455(Pfizer), PH-797804 (Pfizer), PS-540446, ラリメチニブ, レゴラフェニブ, RO-3201195, RWJ 67657, RWJ-67657, SB 202190 (Leo), SB 203580(Pfizer), SB 203580ヒドロクロライド(Pfizer), SB202190, SB202190ヒドロクロライド(Roche), SB-681323 (Tanabe Seiyaku), SB-856553,SC-80036, SCD-282, SCIO-323, SCIO-469, SD-06, セマピモド,SKF 86002, SX 011, SYD-003, TA-5493, TAK 715 (Takeda Pharma), Tie2キナーゼ阻害剤(Tanabe Pharma), TOP-1210, TOP-1630, UR-13870 (Bristol-MyersSquibb), UR-13870 (Palau Pharma)並びにVGX-1027を含む。
【0083】
いくつかの実施形態において、p38MAPキナーゼ阻害剤は、8-(2,6-ジフルオロフェニル)-2-(1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルアミノ)-4-(4-フルオロ-2-メチルフェニル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7-オン(ディルマピモド), GSK-610677 及び6-[5-(シクロプロピルカルバモイル)-3-フルオロ-2-メチルフェニル]-N-(2,2-ジメチルプロピル)ピリジン-3-カルボキシアミド(ロスマピモド)から選択され得る。
【0084】
一実施形態において、p38MAPキナーゼ阻害剤は、5-[(2-クロロ-6-フルオロフェニル)アセチルアミノ]-3-(4-フルオロフェニル)-4-(4-ピリミジニル)イソオキサゾール(AKP-001)であってもよい。
【0085】
他の実施形態において、p38MAPキナーゼ阻害剤はKC-706であってもよい。
【0086】
他の実施形態において、p38MAPキナーゼ阻害剤は、(1-[5-tert-ブチル-2-(3-クロロ-4-ヒドロキシフェニル)ピラゾール-3-イル]-3-[[2-[[3-[2-(2-ヒドロキシエチルスルファニル)フェニル]-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-6-イル]スルファニル]フェニル]メチル]尿素)(PF-03715455)であってもよい。
【0087】
他の実施形態において、p38MAPキナーゼ阻害剤は、(3-[3-ブロモ-4-[(2,4-ジフルオロフェニル)メトキシ]-6-メチル-2-オキソピリジン-1-イル]-N,4-ジメチルベンザミド)(PH-797804)であってもよい。
【0088】
他の実施形態において、p38MAPキナーゼ阻害剤は、2-メトキシ-1-{4-[(4-{3-[5-(tert-ブチル)-2-(p-トリル)-2H-ピラゾール-3-イル]ウレイド}-1-ナフチルオキシ)メチル]-2-ピリジルアミノ}-1-エタノン(RV-568)であってもよい。
【0089】
(化1)
【0090】
代替的に、p38MAPキナーゼ阻害剤は、2-メトキシ-1-[4-(4-{3-[5-(tert-ブチル)-2-(p-トリル)-2H-ピラゾール-3-イル]ウレイド}-1-ナフチルオキシ)-2-ピリジルアミノ]-1-エタノンであってもよい。
【0091】
(化2)
【0092】
他の実施形態において、p38MAPキナーゼ阻害剤は、4,6-ビス(p-フルオロフェニル)-2-メチル-5-(4-ピリジル)-1,2,7-トリアザ-2H-インデン(UR-13870)
【0093】
(化3)
【0094】
他の実施形態において、p38MAPキナーゼ阻害剤はRV-7031であってもよい。
【0095】
本発明は、上記の特定のp38MAPK阻害剤に限定されない。候補化合物は、当業者に周知の適切な酵素阻害アッセイを用いてp38MAPKに対する阻害活性を試験され得る。例えば、化合物の酵素阻害活性は、下記実施例で説明するような蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)により測定され得る。他の適切なアッセイはLee, et al., 2000に記載されている。
【0096】
本発明に係るp38MAPキナーゼ阻害剤の使用は、制御不能な炎症による損傷効果を鈍化し、一方ではその防御効果及び病気の回復効果を保つ目的で、重篤なインフルエンザの患者における炎症反応を除去するというよりもむしろ抑制することを目的とする。炎症の完全な除去は、重篤なインフルエンザによる死亡を促進する可能性があり、一方、この爆発的プロセスの抑制は、過剰な炎症反応により引き起こされる損傷効果に対する防御を提供し、宿主の本質的に先天的な防御活性を保つはずである。従って、本発明は、それら全体における要素をノックアウトするよりもシステムのバランスを取り戻すことを目的とする。
【0097】
p38MAPK阻害剤は、経口又は局所、表皮、口腔、鼻腔内若しくは吸入を介して(エアロゾル)、又は鼻腔内及び吸入を介して又は非経口(例えば静脈内、皮下)の両方、又は局所と非経口との組合せ等の全身性又は非全身性の投与がなされ得る。
【0098】
本明細書で用いられる「局所」は、非全身投与を含む。これは、化合物の上皮若しくは口腔への外部的な適用、並びに/又は耳、眼及び鼻の中へのそのような化合物の導入を含む。
【0099】
本明細書で用いられる「全身性投与」は、経口、静脈内、腹腔内及び筋肉内投与、皮下、鼻腔、直腸内又は膣内投与を意味する。
【0100】
p38MAPK阻害剤の個々の用量の最適な量及び間隔は、治療される条件の性質及び範囲、投与の形態、経路及び場所、並びに治療される特定の患者により決定され、そのような最適条件は従来技術により決定可能であることは、当業者に認識されるであろう。また、治療の最適な方針、すなわち所定の日数間における所定の日毎のp38MAPK阻害剤の用量は、治療決定試験の従来の方針を用いて当業者により確かめられることが可能であることは当業者に認められるであろう。しかしながら、その重要なシグナリングの役割の観点において、p38MAPキナーゼを標的とすることは、望まれない副作用を引き起こし得る。そのような副作用を最小化するために、p38MAPキナーゼ阻害剤は、1~5日の最長期間、好ましくは1~3日間、本発明に従って患者に投与され得る。いくつかの実施形態において、p38MAPキナーゼ阻害剤は、ちょうど1日又は2日間投与され得る。また、1日1回の治療が有害な副作用を最小化するのに好ましい。
【0101】
本発明の他の態様において、ヒト患者の重篤なインフルエンザの治療又は予防に用いるための医薬組成物を提供し、当該組成物は、p38MAPK阻害剤を含み、任意に1つ以上の医薬的に許容可能な賦形剤又は担体と組み合わせられる。賦形剤及び担体は、非経口、経口、局所、粘膜及び直腸投与に適するものを含み得る。
【0102】
本発明の医薬組成物は、非経口、皮下、筋肉内、静脈内、関節内若しくは関節周囲の投与用に特に溶液又は懸濁液の形態で調製され、経口投与用に特に錠剤又はカプセル剤の形態で調製され、例えば肺若しくは鼻腔投与といった局所投与用に特に粉末、点鼻剤若しくはエアロゾル及び経皮投与の形態で調製され、例えば口腔、舌下若しくは膣粘膜といった粘膜投与用に調製され、並びに、例えば坐剤の形態で直腸投与用に調製され得る。
【0103】
組成物は、単一投与形態で好都合に投与され、例えばRemington's Pharmaceutical Sciences, 17th ed., Mack PublishingCompany, Easton, Pa., (1985)に記載されるような医薬分野で周知の方法により調製され得る。非経口投与用の製剤は、賦形剤として滅菌水若しくは生理食塩水、プロピレングリコール等のアルキレングリコール、ポリエチレングリコール等のポリアルキレングリコール、植物性の油、水素化されたナフタレン等を含み得る。経鼻投与用製剤は、固体であってもよく、例えばラクトース若しくはデキストランといった賦形剤を含んでもよく、又は点鼻若しくは定量スプレーの形態で用いるための水性若しくは油性溶液であってもよい。口腔投与のための賦形剤は、糖、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム及びアルファ化デンプン等を含む。
【0104】
経口投与に適する組成物は、1つ以上の物理的に適合可能な担体及び/又は賦形剤を含んでもよく、固体又は液体であってもよい。錠剤及びカプセル剤は、例えばシロップ、アカシア、ゼラチン、ソルビトール、トラガント若しくはポリビニルピロリドンといった結着剤、ラクトース、スクロース、コーンスターチ、リン酸カルシウム、ソルビトール若しくはグリシン等のフィラー、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール若しくはシリカ等の潤滑剤、及びラウリル硫酸ナトリウム等の界面活性剤と共に調製され得る。液体組成物は、例えばソルビトールシロップ、メチルセルロース、糖シロップ、ゼラチン、カルボキシメチル-セルロース若しくは食用脂といった沈殿防止剤、レシチン若しくはアカシア等の乳化剤、アーモンド油、ココナッツ油、タラの肝油若しくはピーナッツ油糖の植物性油、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)及びブチルヒドロキシトルエン(BHT)等の防腐剤等の従来の添加材を含み得る。液体組成物は、単一用量形態を提供するために、例えばゼラチンでカプセル化されてもよい。
【0105】
固体の経口剤形は、錠剤、2つの硬い外殻のカプセル及び軟ゼラチンカプセル(SEG)を含み得る。
【0106】
乾燥した外郭剤形は、一般に約40~60%の濃度のゼラチン、約20~30%の濃度の可塑剤(グリセリン、ソルビトール又はプロピレングリコール等)及び約30~40%の濃度の水を含む。防腐剤、色素、乳白剤及び香料等の他の材料が存在してもよい。液体の添加剤は、(ミツロウ、水素化ヒマシ油若しくはポリエチレングリコール4000等の沈殿防止剤と共に)溶解された、可溶化された若しくは分散された固体薬剤、又はビヒクル若しくは鉱物油、植物油、トリグリセリド、グリコール及び界面活性剤等のビヒクルの組合せに含まれる液体薬剤を含んでもよい。
【0107】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、肺に局所的に投与され得る。従って、いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、任意に1つ以上の局所的に許容可能な賦形剤又は担体と組み合わせられたp38MAPK阻害剤を含み得る。肺への局所投与は、エアロゾル製剤の使用により達成され得る。エアロゾル製剤は、一般に、クロロフルオロカーボン(CFC)又はヒドロフルオロカーボン(HFC)等の適切なエアロゾル噴射剤に懸濁又は溶解された活性成分を含む。適切なCFC噴射剤は、トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロメタン及びジクロロジフルオロメタンを含む。適切なHFC噴射剤は、テトラフルオロエタン(HFC-134a)及びヘプタフルオロプロパン(HFC-227)を含む。噴射剤は、一般に、吸入組成物の総重量の40~99.5%、例えば40~90%を含む。製剤は、溶剤(例えばエタノール)及び界面活性剤(例えばレシチン及びソルビタントリオレエート等)を含む賦形剤を含んでもよい。エアロゾル製剤は、小型の缶に収容され、適切な用量が絞り弁(例えばBespak, Valois又は3Mにより提供される)により送られる。
【0108】
肺への局所投与は、水溶液又は懸濁液等の非加圧製剤の使用によっても達成され得る。これは、ネブライザーにより投与され得る。肺への局所投与は、加圧式定量吸入器(pMDI)又は乾燥粉末製剤によっても達成され得る。乾燥粉末製剤は、1~10μmの質量中央径(MMAD)の微細形態でp38MAPK阻害剤を含むであろう。製剤は、一般に、例えば100μm以上の質量中央径(MMAD)の大きい粒子サイズであるラクトース等の局所的に許容可能な賦形剤を含むであろう。乾燥粉末の送達システムの例は、SPINHALER、DISKHALER、TURBOHALER、DISKUS及びCLICKHALERを含む。
【実施例
【0109】
[実施例1:トランスクリプトーム分析によるp38MAPKの同定]
ヒトのボランティア及びインフルエンザに感染した患者から回収した血液サンプルからのトランスクリプトームデータのバイオインフォマティクス分析は、合併症がない(軽度及び中程度)及び重篤なインフルエンザ(PHE Guidance on Use of Anti-Viral Agents for the Treatment andProphylaxis of Seasonal Influenza (2015-16), version 6.0, September 2015を参照)の両方におけるインフルエンザ感染に応答してヒト宿主において活性化されたシグナリング経路のマッピングに用いた。ヒトのウイルス攻撃研究を行い、それらの研究からのトランスクリプトームデータを前者のマッピングに用い、現地のサンプリング研究(Hoang, L.T. et al., 2014) からのトランスクリプトームデータ後者のマッピングに用いた。両方のデータセットを比較することにより識別されるシグナリング経路の比較は、軽度及び中程度インフルエンザに対する重篤なインフルエンザにおける高い活性を示すシグナリング経路の識別を可能とした。個々の経路の要素の更なる分析は、これらの多くの活性経路における重要な「ノード」としてp38MAPKを同定した。
【0110】
健常なヒトボランティアにインフルエンザA/Wisconsin/67/2005(H3N2)(Zaas, A.K. et al., Gene expression signatures diagnose influenzaand other symptomatic respiratory viral infection in humans, Cell Host Microbe,2009; 17: 207-217 and Davenport, E.E. et al., Transcriptomic profilingfacilitates classification of response to influenza challenge, J. Mol. Med.,2015; 93: 105-114)又はインフルエンザA/Perth/16/2009(H3N2)(内部研究であり公開されていない)を鼻腔内に投与した。PAAgene全血サンプルを、トランスクリプトーム分析のために種々の時点でボランティアから回収した。インフルエンザA/Wisconsin/67/2005(H3N2)ウイルスの感染、症例定義、RNA精製及びマイクロアレイ分析の方法は、Zaas et al., 2009及びDavenport et al., 2015に説明されている。インフルエンザA/Perth/16/2009(H3N2)の感染、症例定義及びサンプル回収の方法は、上記Wisconsin株で記載した通りであり、RNA精製及びマイクロアレイ分析はAffymetrix HGU133 Plus 2.0アレイを用い、Almac(https://web.archive.org/web/20160317153848/http://www.almacgroup.com/)により行われた。重篤なインフルエンザの患者の募集、血液サンプル回収、RNA精製及びマイクロアレイ分析の方法は、Hoang et al., 2014に説明されている。
【0111】
Zaas et al., 2009, Davenport et al., 2015 and Hoang et al., 2014の研究のマイクロアレイデータファイルを、それぞれ、受入番号GSE52428、GSE61754及びGSE61821を用いてGene Expression Omnibus(GEO)データベース(https://web.archive.org/web/20160622040853/http://www.ncbi.nlm.nih.gov/geo/)からダウンロードした。未出版の研究のマイクロアレイデータ(.CEL)ファイルを、バイオインフォマティクス分析のためにAlmacからダウンロードし、ローカルに保存した。4つ全てのトランスクリプトームデータセットを、データ操作、計算及び図形表示のソフトウェアファシリティのためのR(version 3.0.2.)統合スイートを用いて処理及び分析した(https://web.archive.org/web/20160623011408/http://www.R-project.org)。生マイクロアレイデータの品質評価を、本技術分野における標準の統計方法を用いて行った(例えばHeber, S. and Sick, B., Quality assessment of affymetrix genechipdata, Omics, 2006; 10: 358-368)。アフィメトリックスデータセットをロバストマルチアレイアベレージ(RMA)法[https://www.bioconductor.org/packages/3.3/bioc/manuals/affy/man/affy.pdf]を用いて正規化し、イルミナデータセットをLumi package[https://www.bioconductor.org/packages/3.3/bioc/manuals/lumi/man/lumi.pdf]を用いて正規化した。両方のパッケージをR環境で実行した。プローブセット及び遺伝子名の注釈を促進するために、アフィメトリックスチップデフィニションファイル(version 17.1.0)をブレインアレイのウェブサイト(https://web.archive.org/web/20160623112758/http://brainarray.mbni.med.umich.edu/Brainarray/Database/CustomCDF/17.1.0/ensg.asp)からダウンロードし、イルミナチップデフィニションファイル(illuminaHumanv4.db)をバイオコンダクターのウェブサイト(https://web.archive.org/web/20151209032754/http://bioconductor.org/packages/release/data/annotation/html/illuminaHumanv4.db.html)からダウンロードした。
【0112】
後者のファイルをDavenport et al., 2015 and Hoang et al., 2014からマイクロアレイデータと共に用いた。
【0113】
Normalised Zaas et al., 2009, Davenport et al., 2015及びPerthのデータセットをそれぞれバイオコンダクターのInSilicoMergingパッケージのCOMBATモジュールを用いて、Hoang et al., 2014データセットと結合した(https://web.archive.org/web/20150905151657/http://www.bioconductor.org/packages/release/bioc/html/inSilicoMerging.html)。結合されたデータセットの差次的遺伝子発現分析を、Rにおけるlimmaパッケージを用いて行った(https://www.bioconductor.org/packages/3.3/bioc/vignettes/limma/inst/doc/usersguide.pdf)。一対比較のために、Zaas et al., 2009,Davenport et al., 2015及びPerthのデータセットにおける感染されたボランティアからのデータのみを、それぞれ11、14及び5の対象と同等にして用いた。Hoang et al., 2014のデータセットから、そのデータセットにおけるH3N2に感染された3人の重篤なインフルエンザ患者のデータのみを用いた。それぞれの結合されたデータセットのために、2つの一対比較を行って、ウイルス感染後に基準レベルと比較してアップレギュレートされた遺伝子を同定し、重篤な患者のサンプルにおいて更なるアップレギュレートがなされたのは以下の通りである。
【0114】
Perth:1日目対3日目、及び3日目対Hoang et al., 2014重篤。
【0115】
Zaas et al., 2009:1日目対60時間、及び60時間対Hoang etal., 2014重篤。
【0116】
Davenport et al., 2015:0日目対48時間、及び48時間対Hoanget al., 2014重篤。
【0117】
経路にマッピングされ得るアップレギュレートされる遺伝子数を最大化するために、0を超える倍率変化を示す全ての遺伝子を同定した。6つの得られた遺伝子リストのそれぞれをキアゲンのIngenuity(登録商標)Pathway Analysis(IPA, QIAGENRedwood City, https://web.archive.org/web/20131021061639/http://www.ingenuity.com/)の使用を介して分析した。これにより、297の代謝経路の除外後に353に減らされた650のシグナリング経路を同定した。図1は、このプロセスを要約する。
【0118】
重篤なインフルエンザの病因とこれらのシグナル経路のそれぞれとの関連を調べるために、手動スコアリングアプローチを考案し、「合併症が無い」インフルエンザのデータセットに対する合併症があるインフルエンザのデータセットにおけるこれらの経路中から非常に活性化した「ルート」を同定した。この文脈において「ルート」は、細胞膜から核にまで及ぶ基準の経路におけるタンパク質の連続するつながりとして定義される。結果として、基準の経路は、それを通る多くの異なるルートを有し得る。このスコアリングアプローチを用いて、IPAの基準経路内のルートを、細胞膜から核まで方向的にマッピングし、IPAの「オーバーレイ」機能を用いて遺伝子活性を示した。このプロセスを説明するために、この方法を用いて同定された3つの経路の例を図2に示す。
【0119】
同定された353の経路のそれぞれのルートを、IL-1の基準経路を通るルートの図3に例示するように遺伝子活性を手動でスコア化した。
【0120】
(表1)
【0121】
全てにおいて、75%以上のアップレギュレートされたノードを示す491のルートを同定した(下記表2に例示する)。これらのうちの3つを超えるノードを含む95のルートを、Hoang et al., 2014の重篤なインフルエンザデータセット対Zaas etal., 2009, Davenport et al., 2015 及びPerthデータセットにおける基準(D-1又はD0)でルート内の全てのノードの100%がアップレギュレートされたルートの中から同定した(表3)。これらの95のルートうちの24は、Hoang et al., 2014 (H3N2及びH1N1-軽度及び中程度) 及び Zaas et al., 2009(H1N1-D-1及び60時間;表4)からの軽度及び中程度H3N2及びH1N1インフルエンザデータセット由来の経路と比較して75%以上のアップレギュレートがなされたことを示した。
【0122】
95のルートの調査は、多数の潜在的に標的可能なノードを強調し、炎症においてそのよく特徴付けられた役割、及びインビトロ及びエクスビボ研究において用いるための高品質で臨床的に試験される小分子阻害剤の利用可能性のため、その中からp38MAPKが選択された。
【0123】
(表2)
ルートスコアリング分析例
【0124】
(表3)
Hoang et al., 2014の重篤なインフルエンザデータセット対Zaas et al., 2009, Davenport et al., 2015及びPerthの基準データセットで100%のアップレギュレートがなされたノードを含む95のルート
【0125】
(表4)
H3N2とH1N1との間のルートスコアの比較
【0126】
[実施例2:重篤なインフルエンザに対する重要な細胞型の炎症媒介物質の放出におけるp38MAPKの阻害の効果]
2つのp38MAPK阻害剤をインビトロ及びエクスビボ試験に用いた:1)PH797804、ATP競合性の強力、選択的且つ代謝的に安定なp38の阻害剤(HopeHR1, et al., Anti-inflammatory properties of a novel N-phenyl pyridinoneinhibitor of p38 mitogen-activated protein kinase: preclinical-to-clinicaltranslation, J. Pharmacol. Exp. Ther., 2009 (Dec); 331(3): 882-95)、並びに2)ディルマピモド(SB-681323 - Betts JC1, et al., Gene expression changes caused bythe p38 MAPK inhibitor dilmapimod in COPD patients: analysis of blood andsputum samples from a randomized, placebo-controlled clinical trial, Pharmacol.Res. Perspect., 2015 (Feb); 3(1): e00094)。これらの化合物の構造は以下の通りである。
【0127】
(化4)
【0128】
p38MAPKの阻害の実験的試験を、重篤なインフルエンザの病因における重要なプレーヤーとなる3つの細胞型:上皮、内皮及び免疫細胞で行った(図4)。
【0129】
(上皮細胞)
A549細胞(腺癌ヒト肺胞基底上皮細胞)又はHBEC(ヒト気管支上皮細胞)をウイルス条件培地(又はウイルススープ)から回収されたA/Perth/16/2009(H3N2)ウイルスに感染させた。本明細書に記載された試験において、インフルエンザ感染上皮細胞から産生される炎症媒介物質の活性を刺激するために、上皮細胞に隣接して又は所望の他の細胞型(内皮及び免疫)のいずれかにウイルススープの適用を行った。
【0130】
感染のために、インフルエンザ(H3N2)ウイルスの高力価ストックを、明らかに正常な成犬の雌のコッカースパニエルの腎臓由来(September, 1958, by S.H. Madin and N.B. Darby)のMDCK-RVL細胞(MDCK (NBL-2) (ATCC CCL-34)としてATCCから入手可能)への感染により生成した。その株は高二倍体であり、2つのモードの染色体数分布がある。一貫した識別可能な標識染色体は無い。1つの正常なX染色体は、ほとんどの範囲において存在する。細胞は免疫ペルオキシダーゼによりケラチンに陽性である。MDCK-RVL細胞をT175フラスコに播種し、85~90%コンフルエントにまで増殖させた。次の日に、細胞を感染培地で2回洗浄した。インフルエンザA/Perth/16/2009 (H3N2)ストックを-80℃から取り出し、氷上で融解した。細胞を、感染培地中において0.01MOIでウイルスストックに1時間感染させた。インキュベーション期間の最後に、非結合ウイルスを細胞から除いた。細胞を感染培地で1回洗浄し、感染培地を加え、37℃、5%CO環境下で48時間インキュベーションした。インキュベーション後、フラスコを-80℃で1日間凍結した。次の日に、フラスコを室温で融解し、ウイルス上清を遠心処理し(2000g、10分)、共にプールした。ウイルスストックを分注し、-80℃で保管した。
【0131】
ウイルス「スープ」をA549細胞株及び初代ヒト気管支上皮細胞(HBECs)を用いて調製した。A549スープの調製のために、細胞をT175フラスコに播種し、85~90%コンフルエントを得るために増殖させた。細胞を感染培地で2回洗浄した。インフルエンザA/Perth/16/2009 (H3N2)-WGCストックを-80℃から取り出し、氷上で融解した。細胞を感染培地中において0.01MOIでウイルスストックに1時間感染させた。インキュベーション期間の最後に、非結合ウイルスを細胞から除き、細胞を感染培地で1回洗浄し、感染培地を加えた。細胞を37℃、5%CO環境下で48時間インキュベーションした。インキュベーション後、培地(「ウイルススープ」)を全てのフラスコから回収し、遠心処理し(2000g、10分)、共にプールした。ウイルススープを分注し、-80℃で保管した。HBECスープの調製のために、細胞をT175フラスコで継代し(P3又はP4)、HBEC感染培地において0.01MOIでインフルエンザA/Perth/16/2009 (H3N2)-WGCストックを1時間感染させた。インキュベーション後、ウイルスを除去し、細胞をHBECS増殖培地で洗浄した。その後、細胞にHBECS感染培地を加え、37℃、5%CO環境下で48時間インキュベーションした。インキュベーション期間の最後に、HBECウイルススープをA549スープと同様の方法で処理した。
【0132】
ウイルススープを生成するためにウイルス増殖動態を最適化した。多段階増殖曲線を決定するために、A549細胞又はHBECを0.01 TCID50/cellのMOIで37℃において1時間感染させた。インキュベーション後、細胞を感染培地で洗浄し、細胞に感染培地を加えた。サンプルを、72時間の種々の時点でウイルス力価及びサイトカインの測定のために回収した。ウイルス力価をMDCK細胞におけるTCID50により得た。
【0133】
実験的試験の前に、A549及びHBECの両方のスープ調製を、販売者により推薦される方法(https://web.archive.org/web/20160522190937/https://www.mesoscale.com/)を用いて、炎症媒介物質の存在のための電気化学発光により評価した。両方のスープの調製が以下のサイトカインの上昇したレベルを含むことを見出した(IL-1β、IL-6、IL-8、IL-10、TNFα及びRANTES;図5)。
【0134】
インビトロデータを、A549細胞から生成して、p38MAPK自体及び下流のシグナリング標的であるHSP27のリン酸化状態のウェスタンブロットにより測定されるp38の活性化におけるA549ウイルススープの適用の効果を試験した。ウェスタンブロットのために、コンフルエントの細胞をPBSで洗浄し、氷上でプロテアーゼ阻害剤カクテル2及び3(Sigma P5726及びP0044)並びにリン酸化阻害剤のNaVO及びNaFを含むRIPAを用いて溶解した。タンパク質濃度を、Pierce BCA Protein Assay Kitを用いて測定し、2-メルカプトエタノールを含む4×Laemmliサンプルバッファー(BIO-RAD 161-0747)で同一濃度の各サンプルを調製した。サンプルを12%ゲルに泳動し、ニトロセルロースに転写した。メンブレンを5%ミルク粉末を用いてブロッキングし、リン酸-HSP27(Ser82) (D1H2F6) XP ウサギ (CST #9709)又はHSP27(G31)マウス(CST #2402)でプロービングした。使用した二次抗体は、ペルオキシダーゼAffiniPureヤギ抗ウサギ又はマウスIgG(H+L) (Jackson Immuno Research Laboratories 111-035-003)である。メンブレンは、再プロービングのために、Restore PLUS Western Blot Stripping Buffer (Life technologies #46430)を用いてストリップした。メンブレンをAmersham ECL Prime ウエスタンブロッティング検出試薬 (GE/Amersham #RPN2232)で処理し、ChemiDocTM TouchImaging System (BIO-RAD)を用いて画像化した。Image Labソフトウェアを用いて分析を行った。
【0135】
これらの酵素の両方におけるリン酸化の誘導を、p38MAPKがA549ウイルススープの適用により活性化されることを指標として検出した(図6)。さらに、p38MAPK阻害剤(ディマピモド及びPH797804)とのインキュベーションは、我々のA549ウイルススープによるp38MAPK及びHSP27の両方のリン酸化の誘導を用量依存的に阻害することを示し、この誘導はこれらの上皮細胞内でp38MAPK依存的なプロセスであることを確認した。
【0136】
電気化学発光により測定されるA549細胞の炎症性サイトカインの産生におけるA549ウイルススープの効果も調べた。図6に示すように、A549スープは、コントロールである非感染A549スープと比較して重要な炎症性サイトカイン(IL-6及びIP-10)の産生の誘導が拡大することを見出した。A549ウイルススープの適用前に、A549細胞に2つのp38MAPK阻害剤を適用することで、IL-6及びIP-10の両方の放出が顕著に低減した(図6)。これらのデータは、A549細胞へのA549ウイルススープの適用に応じた炎症媒介物質の放出がp38MAPK依存性プロセスであることを証明する。
【0137】
(内皮細胞)
ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVECs)へのHBECウイルススープの適用を、内皮細胞上におけるインフルエンザ感染上皮細胞から産生された炎症媒介物質の相互作用を刺激するために行った。
【0138】
インビトロデータをHUVEC細胞から生成して、p38MAPKの下流のシグナリング標的であるHSP27のリン酸化状態のウェスタンブロットにより測定されるHBECウイルススープの適用によるp38MAPKの活性化に対する効果を試験した。HSP27のリン酸化の誘導を、HBECウイルススープの適用によりp38MAPKが活性化したことを指標として検出した(図5)。さらに、p38MAPK阻害剤(ディマピモド及びPH797804)との前インキュベーションは、HBECウイルススープによるHSP27のリン酸化の誘導を用量依存的に阻害することを示し、この誘導はこれらの内皮細胞内でp38MAPK依存性プロセスであることを確認した。
【0139】
電気化学発光(方法を参照)により測定されるHUVEC細胞における炎症性サイトカインの産生におけるHBECウイルススープの効果も調べた。図5に示すように、HBECウイルススープは、コントロールのHBEC非感染スープと比較して重要な炎症性サイトカイン(IL-6及びIP-10)の産生をより強く誘導することを見出した。HBECウイルススープの適用前に2つのp38MAPK阻害剤とのHUVEC細胞のインキュベーションは、HBECウイルススープ誘導性のIL-6及びIP-10両方の放出を顕著に低減することを見出した(図7)。これらのデータは、HUVEC内皮細胞におけるHBECウイルススープの適用に応じた炎症媒介物質の放出がp38MAPK依存性プロセスであることを証明する。
【0140】
(免疫細胞)
免疫細胞上におけるインフルエンザ感染上皮細胞から産生された炎症媒介物質の相互作用を刺激するために、ヒト末梢血単核細胞(PBMCs)におけるA549ウイルススープの適用を行った。PBMCを製造者の推奨(Boyum, A., Separation of leucocytes from blood and bone marrow,Scand. J. Clin. Lab. Invest., 1968, 21, suppl. 97)に従って単離した。
【0141】
エクスビボデータを免疫細胞から生成して、p38MAPKの下流のシグナリング標的であるHSP27のリン酸化状態のウェスタンブロット(上記参照)により測定されるp38MAPKの活性化におけるA549ウイルススープの適用の効果を試験した。HSP27におけるリン酸化の誘導を、p38MAPKがA549ウイルススープの適用により活性化されることを指標として検出した(図8)。さらに、p38MAPK阻害剤(ディマピモド及びPH797804)との前インキュベーションは、A549ウイルススープによるHSP27のリン酸化の誘導を用量依存的に阻害することを示し、この誘導はこれらの免疫細胞内でp38MAPK依存性プロセスであることを確認した(図8)。
【0142】
電気化学発光(上記参照)により測定される免疫細胞の炎症性サイトカインの産生におけるA549ウイルススープの効果を調べた。図8に示すように、A549ウイルススープは、コントロールであるA549非感染スープと比較して、重要な炎症性サイトカイン(TNFα、IL-1β、IL-6及びCXCL8)の産生誘導が増強されることを見出した。A549ウイルススープの適用前の免疫細胞に対するp38MAPK阻害剤(ディマピモド及びPH797804)の前インキュベーションは、A549ウイルススープがTNFα、IL-1β、IL-6及びCXCL8の放出を誘導することを顕著に低減することを見出した(図8)。これらのデータは、免疫細胞へのA549ウイルススープの適用に応じた炎症媒介物質の放出がp38MAPK駆動性プロセスであることを証明する。
【0143】
追加のエクスビボデータを免疫細胞から生成し、A549ウイルススープに応じた炎症媒介物質の誘導が既知の炎症刺激剤(抗CD3及びLPS)に匹敵した。A549ウイルススープによるTNFα、IL-1β、IL-6及びIL-8の誘導は、これらの既知の炎症刺激剤と比較して大きいことを見出した(図9)。
【0144】
[実施例3:p38MAPK阻害活性]
化合物の酵素阻害活性は、ドナー及びアクセプタフルオロフォア(Z-LYTE, Invitrogen)の両方を用いて標識された合成ペプチドを用いた蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)により測定され得る。
【0145】
組換型リン酸化p38MAPKγ(MAPK12:Millipore)をHEPESバッファーで希釈し、所望の最終濃度で候補化合物と混合し、室温で2時間インキュベートした。次に、FRETペプチド(2μM)及びATP(100μM)を酵素/化合物混合液に加え、1時間インキュベートした。発光試薬(プロテアーゼ)を加え1時間後に蛍光マイクロプレートリーダーで検出した。サイト特異的プロテアーゼは、非リン酸化ペプチドのみを切断し、FRETシグナルを除去する。各反応物のリン酸化レベルを、フルオレセイン放出(アクセプタ)に対するクマリン放出(ドナー)の比を用いて算出し、高い比は高いリン酸化を示し、低い比は低いリン酸化レベルを示す。各反応物の阻害割合を非阻害コントロールと比較して算出し、濃度-反応曲線から50%阻害濃度(IC50値)を算出した。
【0146】
p38MAPKα(MAPK14: Invitrogen)では、酵素活性は、下流の分子であるMAPKAP-K2の活性化/リン酸化を測定することにより間接的に評価される。p38MAPKαタンパク質は、その不活性標的MAPKAP-K2(Invitrogen)及び候補化合物と室温で2時間混合される。その後、MAPKAP-K2のリン酸化標的であるFRETペプチド(2μM)とATP(10μM)を酵素/化合物混合液に加え、1時間インキュベートした。その後、発光試薬を加え、混合液を1時間インキュベートした後、蛍光により検出して試験プロトコールを終えた。
【0147】
[実施例4:P38MAPK阻害(p38i)対他の潜在的標的の阻害]
上記実施例1に記載のように、トランスクリプトミクス及びバイオインフォマティクスにより強調された95経路のルートにおける多数の標的可能なノードが同定された。実施例2における化合物プロファイリング試験は、p38iが重篤なインフルエンザの病因に関連する細胞型における炎症媒介物質の放出の産生を低減することに有効であることを示す。これは、試験された9つの他のノード:PI3K, MEK, ERK, JNK, JAK/STAT, PKC, SRC, BtK及びmTorの場合では見られなかった。これらの9つのノードの薬物阻害は、上皮、内皮及び免疫細胞においてp38iと同等の有効性の阻害プロファイルを与えた。
【0148】
例として、p38iと、MEK阻害剤のレファメチニブ(Iverson C et al., RDEA119/BAY 869766: a potent, selective,allosteric inhibitor of MEK1/2 for the treatment of cancer. Cancer Res., 2009;69: 6839-6847)及びセルメチニブ(Huynh H et al., Targetedinhibition of the extracellular signal-regulated kinase pathway with AZD6244(ARRY-142886) in the treatment of hepatocellular carcinoma, Molecular CancerTherapeutics, 2007; 6:138-146)による分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼキナーゼ(MEK)阻害(MEKi)とを比較するデータは、図10に示す。
【0149】
(化5)
【0150】
レファメチニブ及びセルメチニブは共に、HBECウイルススープにより刺激された内皮細胞におけるIP10の産生の用量依存的阻害を示さず、実際には高い薬物濃度でIP10のレベルの増大を示した(図10を参照)。
【0151】
多数の潜在的薬物標的は、重篤なインフルエンザのために提示されている(例えばLiu Q et al., 2015及びFedson DS, 2009)。また、p38iを、これらの提示された標的の選択肢の薬物化合物と比較した。
【0152】
これらの試験のために、内皮細胞(HBECウイルススープで刺激されたHUVECs)又は免疫細胞(上記実施例2に記載されるようなA549ウイルススープで刺激されたPBMCs及び顆粒球)において、PH797804を、4つの薬物濃度(1nM、10nM、100nM及び1000nM)で、副腎皮質ホルモン(メチルプレドニゾロン)、マクロリド(アジスロマイシン)、PPARアゴニスト(ピオグリタゾン)、PDE4阻害剤(ロフルミラスト)、NFκB阻害剤(EVP4593)及びスタチン(プラバスタチン)と比較して評価した。
【0153】
内皮細胞からのIP-10、IL-8及びMCP-1の産生、並びに免疫細胞からのIL-1β、IL-6、IL-8及びTNFαの産生における薬物化合物の投与の効果を、電気化学発光を用いて試験した。免疫細胞において、副腎皮質ホルモン及びマクロライド剤の処理が、4つの試験されたサイトカインの全てを用量依存的に阻害することを示し、一方、p38iでは4つのうち3つのみの用量依存的阻害を示した。試験された他の薬物の阻害プロファイルは不定であり、副腎皮質ホルモン、マクロライド又はp38iのプロファイルとは一致しなかった。その結果を下記表5に要約する。
【0154】
(表5)
重篤なインフルエンザにおける文献で提示された標的に対する薬物化合物の阻害効果のp38iとの比較‐PMBCs及び顆粒球は実施例2に記載のように単離され、A549ウイルススープで刺激された。分泌サイトカインレベルは電気化学発光により試験し、IC50及びiMax値は科学的2Dグラフ化及び統計ソフトウェアパッケージ(GraphPad PRISM(登録商標) version 6.07 software)を用いた非線形回帰適合を用いて用量応答性から算出した。データが用量依存的阻害を示さなかった場合、IC50及びiMax値は算出しなかった(空白ボックス)
【0155】
試験された化合物におけるIL-1β及びTNFαの阻害プロットを図11及び図12に示す。
【0156】
内皮細胞では、免疫細胞とは対照的に、p38及びNFκB阻害剤が、試験された3つのサイトカインの用量依存的阻害を示した。試験された他の薬物は同程度の阻害効果を示さなかった。その結果を下記表6に要約する。
【0157】
(表6)
重篤なインフルエンザにおける文献で提示された標的に対する薬物化合物の阻害効果のp38iとの比較‐HUVEC細胞をHBECウイルススープにより刺激した。分泌サイトカインレベルは電気化学発光により試験し、IC50及びiMax値は科学的2Dグラフ化及び統計ソフトウェアパッケージ(GraphPad PRISM(登録商標) version 6.07 software)を用いた非線形回帰適合を用いて用量応答性から算出した。データが用量依存的阻害を示さなかった場合、IC50及びiMax値は算出しなかった。
【0158】
IP10及びIL-8の阻害プロットを図13及び図14に示す。
【0159】
免疫細胞試験において得られた結果に基づいて、他の薬物に対するp38iの優位性は予想外であり、特にメチルプレゾニドロンは、潜在的な利益又は害の不確実性があるが、炎症疾患(例えば喘息)の範囲を治療するのに、臨床現場で日常的に用いられており、重篤なインフルエンザのために一般に処方されている(Rodrigo C et al., Corticosteroids as adjunctive therapy in thetreatment of influenza, Cochrane Database of Systematic Reviews, 2016, Issue 3.Art. No.: CD010406. DOI: 10.1002/14651858.CD010406.pub2)。NFκBはp38の下流であり、その阻害プロファイルは予想外では無い。
【0160】
[実施例5:重篤なインフルエンザのために入院する患者からの血清中の多数のサイトカインのレベルは、重篤なインフルエンザではなくインフルエンザに感染した人と比較して顕著に上昇した。]
【0161】
2015年のインフルエンザシーズンの際に重篤なインフルエンザに罹って入院した30人の対象からの血清サンプルのレベル、及びインフルエンザA/H3N2 Perth/16/2009ウイルスを鼻腔投与された後に感染された28人の健康な対象からの血清サンプルのレベルを、電気化学発光を用いて試験した。前者の場合、対象の入院後24~72時間に回収された血液サンプルから調製された血清サンプルを分析した。後者の場合、12の所定の間隔(1日目から28日目)で回収された血液サンプルからの血清を分析した。8つのサイトカイン:IL-8、IL-7、IL-16、エオタキシン、IP10、MCP1、MCP4及びVEGFでは、感染された健康な対象と比較して入院患者では顕著な上昇が見られた。これらのうちの4つの結果を図15に示す。
【0162】
結果は、それらの血清サイトカインプロファイルに関して、入院患者を感染された健康な対象と区別できることを示す。
【0163】
(略語)
ATP アデノシン三リン酸
Btk ブルトン型チロシンキナーゼ
ERK 細胞外シグナル制御キナーゼ
GSK グラクソスミスクライン
HBEC ヒト気管支上皮細胞
HSP27 ヒートショックタンパク質27
HUVEC ヒト血管内皮細胞
IC50 最大半減阻害濃度
iMax (%として)最大阻害
IL1-b インターロイキン1β
IL-6 インターロイキン6
IL-8 インターロイキン8
IPA インジェヌイティ経路分析
JAK/STAT ヤーヌスキナーゼ/シグナル伝達及び転写活性因子
JNK c-JunN-末端キナーゼ
MCP-1 単球走化性タンパク質-1
MDCK メイディン・ダービー・イヌ腎臓
MEK 分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼキナーゼ
MEKi (薬物による)MEK阻害
mTOR ラパマイシンの機械論的標的
NFκB 活性型B細胞の核内因子カッパ軽鎖エンハンサー
P38MAPK P38分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ
P38i (薬物による)p38阻害
PBMC 末梢血単核細胞
PDE4 ホスホジエステラーゼ4
PKC タンパク質キナーゼ
PPAR ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体
SRC Srcキナーゼ
TNFa 腫瘍壊死因子アルファ

図1
図2-1】
図2-2】
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15