(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-04
(45)【発行日】2023-10-13
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
A63F7/02 320
(21)【出願番号】P 2019073904
(22)【出願日】2019-04-09
【審査請求日】2022-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】395018239
【氏名又は名称】株式会社高尾
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】海野 達也
(72)【発明者】
【氏名】大野 治隆
(72)【発明者】
【氏名】小澤 祐士
【審査官】中村 祐一
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-226214(JP,A)
【文献】特開2013-223529(JP,A)
【文献】特開2016-171945(JP,A)
【文献】特開2009-178435(JP,A)
【文献】特開2013-236703(JP,A)
【文献】特開2013-226215(JP,A)
【文献】特開2014-226381(JP,A)
【文献】特開2017-158642(JP,A)
【文献】特許第6995316(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
始動口に遊技球が入球したことに起因して数値データを抽出する数値データ抽出手段と、
前記数値データ抽出手段に抽出された前記数値データが予め定められた値か否かに応じて当否判定を行う当否判定手段と、
前記当否判定の結果を報知するための図柄を変動表示する図柄表示手段と、
前記数値データに基づいて前記図柄の変動時間を決定するための変動パターン決定手段と、
前記図柄の変動時間に対応して演出表示を行う演出表示手段と、
前記当否判定手段にて当選と判定されたことに基づいて、大入賞口を開放させるラウンド遊技を複数回実行する大当り遊技実行手段と、
遊技状態として、通常遊技状態と遊技者に有利な特定遊技状態を備え、前記通常遊技状態から前記特定遊技状態に移行可能な特定遊技状態移行手段と、
前記特定遊技状態中の遊技情報を記憶する遊技履歴情報記憶手段と、
を備えた遊技機において、
前記大当り遊技実行手段は、前記ラウンド遊技の
実行回数が異なることにより出玉数の異なる複数の大当り遊技を備える構成で、
前記遊技履歴情報記憶手段が記憶する遊技情報は、少なくとも前記特定遊技状態中の大当り遊技に係わる出玉数と、前記特定遊技状態
が開始してから終了するまでの間に、前記大当り遊技と前記変動表示に要した時間を含むものであり、
前記特定遊技状態が終了したことに基づいて、前記出玉数と前記
変動表示に要した時間の情報に対応した称号を選択して報知を行う称号選択手段を備え、
該称号選択手段は、前記出玉数が同数でも前記
変動表示に要した時間により異なる称号を選択する
ことを特徴とする弾球遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技者の遊技履歴情報に応じた称号表示を備える遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の弾球遊技機には、遊技者に有利な特別遊技状態中に発生した遊技履歴情報に基づいた称号を表示する手段を備えた遊技機がある。特別遊技状態中に入賞した獲得出玉数や特別遊技状態の終了までに発生した大当り回数に基づく称号が設定される。平均を上回った大当り回数により付与された称号などは、付与自体が稀なため、遊技者に達成感を与えたり、獲得出玉以外の遊技目的を与えられる。(例えば、特許文献1、2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-226214号公報
【文献】特開2015-186657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1、2に記載された弾球遊技機では、特別遊技状態中に、獲得した賞球数や発生させた大当り回数等の情報の合計値を遊技者のランクに相当する称号とともに表示されるが、あくまで獲得出玉数や大当り回数に応じての一律の称号のみが付与されるのみであった。
そこで本発明は前記事情に鑑み、単に特定技状態中に得た獲得出玉数や大当り回数だけで決定するのではなく、一例として大当り回数が同数であっても、その回数に到るまでの遊技展開(例えば抽選回数は何回以上なのか、要した時間はどれほどか等)を考慮することにより、遊技展開に応じた称号を付与する遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、
始動口に遊技球が入球したことに起因して数値データを抽出する数値データ抽出手段と、
前記数値データ抽出手段に抽出された前記数値データが予め定められた値か否かに応じて当否判定を行う当否判定手段と、
前記当否判定の結果を報知するための図柄を変動表示する図柄表示手段と、
前記数値データに基づいて前記図柄の変動時間を決定するための変動パターン決定手段と、
前記図柄の変動時間に対応して演出表示を行う演出表示手段と、
前記当否判定手段にて当選と判定されたことに基づいて、大入賞口を開放させるラウンド遊技を複数回実行する大当り遊技実行手段と、
遊技状態として、通常遊技状態と遊技者に有利な特定遊技状態を備え、前記通常遊技状態から前記特定遊技状態に移行可能な特定遊技状態移行手段と、
前記特定遊技状態中の遊技情報を記憶する遊技履歴情報記憶手段と、
を備えた遊技機において、
前記大当り遊技実行手段は、前記ラウンド遊技の実行回数が異なることにより出玉数の異なる複数の大当り遊技を備える構成で、
前記遊技履歴情報記憶手段が記憶する遊技情報は、少なくとも前記特定遊技状態中の大当り遊技に係わる出玉数と、前記特定遊技状態が開始してから終了するまでの間に、前記大当り遊技と前記変動表示に要した時間を含むものであり、
前記特定遊技状態が終了したことに基づいて、前記出玉数と前記変動表示に要した時間の情報に対応した称号を選択して報知を行う称号選択手段を備え、
該称号選択手段は、前記出玉数が同数でも前記変動表示に要した時間により異なる称号を選択する
ことを特徴とする。
【0006】
本発明は、始動口への入球に起因して抽出された数値データを保留記憶手段に記憶する場合に、以下の手順で行うことが望ましい。例えば、始動口への入球に起因して数値データが抽出されると、保留記憶手段に記憶された数値データの数が上限数に達しているか否かを確認する。上限数に達していなければ、抽出された数値データを予め設定された所定の記憶領域に記憶する。その後、所定の記憶領域に記憶された数値データを保留記憶手段に記憶する。先読み判定手段を備えた遊技機ならば、所定の記憶領域に記憶された数値データを読み込んで先読み判定を行う。
また、保留記憶手段に記憶された数値データの数が上限数に達していなければ、抽出された数値データを、先読み判定用の記憶領域と保留記憶手段とにそれぞれ記憶するようにしてもよい。
更に、始動口への入球に起因して数値データが抽出されると、そのまま取得した数値データを用いて先読み判定を行うとともに、保留記憶手段に記憶する構成、または保留記憶手段に記憶された数値データを用いて先読み判定を行うようにしてもよい。いずれも一つの数値データを基に保留記憶と先読み判定を行うことができる。なお、保留記憶手段に記憶された数値データが上限数に達していれば、所定の記憶領域に記憶した数値データを消去する。
【発明の効果】
【0007】
以上のように、本発明の遊技機によると、特定遊技状態中に発生した遊技展開に応じた称号を付与することで、遊技者が遊技展開を注視するようになり、付与された称号に達成感を得られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明を適用した一実施形態の弾球遊技機の正面図である。
【
図5】前記弾球遊技機の主制御装置で実行されるメインルーチンの制御内容を示すフローチャートである。
【
図6】前記主制御装置で実行される特図始動入賞確認処理の制御内容を示すフローチャートである。
【
図7】前記主制御装置で実行される特図当否判定処理の制御内容を示す第1のフローチャートである。
【
図8】前記特図当否判定処理の制御内容を示す第2のフローチャートである。
【
図9】前記特図当否判定処理の制御内容を示す第3のフローチャートである。
【
図10】前記特図当否判定処理の制御内容を示す第4のフローチャートである。
【
図11】前記主制御装置で実行される特別遊技処理の制御内容を示す第1のフローチャートである。
【
図12】前記特別遊技処理の制御内容を示す第2のフローチャートである。
【
図13】前記特別遊技処理の制御内容を示す第3のフローチャートである。
【
図14】前記特別遊技処理の制御内容を示す第4のフローチャートである。
【
図15】特定遊技状態中を表示した液晶画面、および獲得した遊技履歴情報と付与された称号を表示した液晶画面である。
【
図16】前記弾球遊技機のサブ制御装置で実行される称号表示処理1の制御内容を示すフローチャートである。
【
図17】前記弾球遊技機のサブ制御装置で実行される称号表示処理2の制御内容を示すフローチャートである。
【
図18】前記弾球遊技機のサブ制御装置で実行される称号表示処理3の制御内容を示すフローチャートである。
【
図19】前記弾球遊技機のサブ制御装置で実行される称号表示処理4の制御内容を示すフローチャートである。
【
図20】前記弾球遊技機のサブ制御装置で実行される称号表示処理5の制御内容を示すフローチャートである。
【
図21】前記弾球遊技機のサブ制御装置で実行される称号表示処理6の制御内容を示すフローチャートである。
【
図22】前記弾球遊技機のサブ制御装置で実行される称号表示処理7の制御内容を示すフローチャートである。
【
図26】特定の条件に到った場合に付与された称号を示す図である。
【
図27】特定遊技状態終了後の特定期間を表示した液晶画面である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明を適用した弾球遊技機たるパチンコ機1を説明する。
図1に示すように、パチンコ機1は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠10にて構成の各部を保持する構造である。外枠10には、左側の上下の位置に設けたヒンジ101を介して、板ガラス110が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)11及び図略の内枠が開閉可能に設けられている。尚、これら前枠11及び前記内枠は、シリンダ錠18により外枠10に閉鎖ロックされ、シリンダ錠18に鍵を挿入し、鍵を時計回りに操作して前記内枠を開放するようになし、反時計まわりの操作により前枠11を開放する。
前枠11の板ガラス110の奥には前記内枠に保持された遊技盤2(
図2)が設けられている。
【0010】
前枠11の上部の左右両側位置にはそれぞれスピーカ112が配置されており、これらにより遊技音が出力され、遊技の趣向を向上させる。また前枠11には遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ113のほか、遊技の異常を報知するLED類が設けられている。
【0011】
前枠11の下半部には上皿12と下皿13とが一体に形成されている。下皿13の右側には発射ハンドル14が設けられ、発射ハンドル14が時計回りに操作されることで発射装置が作動して、上皿12から供給された遊技球が遊技盤2に向けて発射される。また上皿12には賞球が払い出される。
下皿13は上皿12から溢れた賞球を受ける構成で、球抜きレバーの操作により下皿13に溜まった遊技球を遊技店に備えられた別箱(ドル箱)に移すことができる。
【0012】
パチンコ機1は所謂CR機であって、プリペイドカードの読み書きを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)CRが隣接されている。パチンコ機1には上皿12の右側に貸出ボタン171、精算ボタン172及び精算表示装置173が設けられている。また上皿12の中央位置には遊技者が操作可能な操作手段である演出ボタン15と、その外周を囲むように操作手段であるジョグダイヤル16が設置されている。
【0013】
遊技盤2について説明する。
図2に示すように、遊技盤2には外レール201と内レール202とによって囲まれた略円形の遊技領域20が形成されている。遊技領域20には多数の遊技釘が植設されている。 遊技領域20の中央部にはセンターケース200が装着されている。センターケース200は中央に演出図柄表示装置21(全体の図示は省略)のLCDパネルが配設されている。またセンターケース200には、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋、ステージなどが設けられている。
【0014】
遊技領域20のセンターケース200の左横位置には、遊技球が通過可能であり、通過時に普通図柄(以下、単に普図という)の抽選が実行される普図作動ゲート22が設けられている。
センターケース200の中央直下位置には、常時、遊技球の入球が可能で、入球に起因して第1特別図柄(以下、第1特図という)の当否判定が実行される第1特図始動口23が設けてある。更にその直下位置にはチューリップ式普通電動役物(以下、単に普電役物という)からなり、入球に起因して第2特別図柄(以下、第2特図という)の当否判定が実行される第2特図始動口24が設置されている。尚、第2特図始動口24は普電役物の開放時にのみ入球(入賞)可能である。普電役物は、前記普図の抽選で当りとなると所定の時間、所定の開放態様で開放する構成である。
【0015】
第2特図始動口24の直下位置には、特別電動役物の開閉板にて開閉可能に設けられ、大当り遊技に開放される大入賞口25が設置されている。
【0016】
センターケース200の左側斜め下方位置で、第1特図始動口23乃至大入賞口25の左側位置には複数(4つ)の一般入賞口27が配置されている。また、大入賞口25の直下の盤面最下部にはアウト口203が設けられている。
【0017】
遊技盤2の右下端部には、外レール201の外部に、第1特図表示装置28A、第2特図表示装置28B、第1特図保留数表示装置281、第2特図保留数表示装置282、普通図柄表示装置29及び普図保留数表示装置291が設けられている。
【0018】
図3はパチンコ機1の裏面を示すもので、パチンコ機1の裏面側には、前記遊技盤2を脱着可能に取付ける内枠30が収納されている。内枠30は、前記前枠11と同様に、一方の側縁(
図3の右側)の上下位置が前記外枠10にヒンジ結合され開閉可能に設置されている。内枠30には、遊技球流下通路が形成されており、上方(上流)から球タンク31、タンクレール32、払出ユニット33が設けられ、払出ユニット33の中には払出機構が設けられている。この構成により、遊技盤2の入賞口に遊技球が入賞すれば球タンク31からタンクレール32を介して所定個数の遊技球(賞球)が払出ユニット33により払出球流下通路を通り前記上皿12に払い出される。また、前記賞球を払い出す払出ユニット33により前記貸出ボタン171の操作で払い出される貸球も払い出す構成である。
【0019】
パチンコ機1の裏面側には、主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43、発射制御装置44、電源基板45が設けられている。 主制御装置40、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43は遊技盤2に設けられ、払出制御装置41、発射制御装置44、電源基板45は内枠30に設けられている。
図3では発射制御装置44が描かれていないが、払出制御装置41の下に設けられている。
【0020】
また、球タンク31の右側には、外部接続端子板38が配置され、外部接続端子板38により、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータへ送られる。尚、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子板には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠側(外枠10、前枠11、内枠30から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いられているが、本実施形態では、一つの外部接続端子板38を介して遊技状態や遊技結果を示す信号がホールコンピュータへ送信される。
【0021】
図4はパチンコ機1の電気的構成を示すもので、遊技進行等の制御を司る主制御装置40を中心に、サブ制御装置として払出制御装置41、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43を具備する構成である。主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43においては、いずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備え、これら制御装置はいずれもCPUにより、2ms周期又は4ms周期の割り込み信号に起因してROMに搭載しているメインルーチン及びサブルーチンからなるプログラムが開始され、各種の制御が実行される。また、主制御装置40に
は各種の乱数を抽出する乱数カウンタ等も備わっている。
発射制御装置44にはCPU、ROM、RAM等が設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置44にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
【0022】
主制御装置40は、裏配線中継端子板530及び外部接続端子板38を介して遊技施設のホールコンピュータ500と電気的に接続される。また主制御装置40には、裏配線中継端子板530や遊技盤中継端子板531を介して、前枠(ガラス枠)及び内枠が閉鎖しているか否か検出する前面枠閉鎖SW(スイッチ)501、意匠枠閉鎖SW502の検出信号が入力される。更に主制御装置40には、第1特図始動口23への入球を検出する第1始動口SW503、第2特図始動口24への入球を検出する第2始動口SW504、普図作動ゲート22への入球を検出する普通図柄作動SW505の検出信号が入力される。更にまた主制御装置40には、複数の一般入賞口27への入球を検出する一般賞口SW506、大入賞口25への入球を検出するカウントSW507等の検出信号が入力される。
【0023】
また主制御装置40は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成する。そして主制御装置40は、払出制御装置41や、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43へ向けてのコマンドを出力する。また主制御装置40は、図柄表示装置中継端子板533を介して第1特図表示装置28A、第2特図表示装置28B、第1特図保留数表示装置281、第2特図保留数表示装置282、普通図柄表示装置29及び普図保留数表示装置291等の表示制御を行なう。
【0024】
更に主制御装置40は、遊技盤中継端子板531を介して、大入賞口ソレノイド508、普電役物ソレノイド509が接続されている。そして主制御装置40は、大入賞口ソレノイド508を制御して前記特別電動役物の開閉板を作動させて大入賞口25を開放せしめる。また主制御装置40は普電役物ソレノイド509を制御して前記普電役物を作動させて第2特図始動口24の開閉作動せしめる。
主制御装置40からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や特図の大当り等の管理用の信号が外部接続端子板38を経てホールコンピュータ500に送られる。
【0025】
主制御装置40と払出制御装置41とは双方向通信が可能である。
払出制御装置41には、裏配線中継端子板530や払出中継端子板534を介して球タンクが空状態になったことを検出する球切れSW520の検出信号が入力される。また払出制御装置41には、遊技球が払い出されたことを検出する払出SW522、遊技球貯留皿が満杯状態になったことを検出する満杯SW523等の検出信号が入力される。また主制御装置40から送られてくるコマンドに応じて払出モータ521を稼働させて遊技球の払い出しを行う。また、CRユニット端子板535を介してCRユニットCRと電気的に接続され、貸出要求信号に応じて払出モータ521を稼働させて貸球の払い出しを行う。精算表示装置173を介して球貸SW171及び精算SW172による貸出要求、精算要求の操作信号がCRユニットCRに入力され、プリペイドカードの残高表示はCRユニットCRによって制御される。
【0026】
発射制御装置44は、発射を停止する発射停止SW524、発射ハンドル14に遊技者が接触(操作)していることを検出するタッチSW525等の検出信号が入力される。発射制御装置は、払出制御装置41を経て主制御装置40から送られるコマンド(タッチSW525の信号や遊技状況を反映している)、発射ハンドル14の回動信号及び発射停止SW524の信号に応じて発射モータ526を制御して遊技球の発射及び停止を行う。
【0027】
サブ統合制御装置42は、音量調節SWを備えている。サブ統合制御装置42は、演出ボタン15やジョグダイヤル16の操作信号が入力される。
そしてサブ統合制御装置42は、スピーカ112を駆動して音声を出力することや、各種LEDや各種ランプ113の点灯、消灯等を制御する。更に演出図柄制御装置43へキャラクタなどを表示する演出や特図の擬似演出図柄の表示態様のコマンドを送信する。
【0028】
演出図柄制御装置43は、LCDパネルユニットや付属ユニットと共に演出図柄表示装置21を構成している。演出図柄制御装置43は、サブ統合制御装置42から送られてくるコマンドに応じて演出図柄表示装置21のLCDパネルの表示を制御する。
【0029】
この様に構成されたパチンコ機1は、普図作動ゲート22に遊技球が入球すると、普通図柄表示装置29で普図が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普図の態様に応じて、当選であれば普電役物ソレノイド509を駆動させ、第2特図始動口24への入球が可能となる。尚、パチンコ機1では、普電役物の開放時間は、通常時は0.2秒(1回)、遊技者にとって有利な時短状態(開放延長状態)では1.8秒(2回)である。また、第2特図始動口24は、普電役物が駆動しなければ遊技球が入球不可能な構成である。
【0030】
第1特図始動口23に遊技球が入球すると、第1特図の当否判定に関する複数種類の乱数(数値データ)が抽出され、第1特図の保留記憶として所定数記憶される。そして該保留記憶の乱数に基づいて当否判定が実施され、これに伴い第1特図表示装置28Aにおいて第1特図が変動を開始し、所定時間後に停止する。また、第2特図始動口24に遊技球が入球すると、第2特図の当否判定に関する複数種類の乱数(数値データ)が抽出され、第2特図の保留記憶として所定数記憶される。そして該保留記憶の乱数に基づいて当否判定が実施され、これに伴い第2特図表示装置28Bにおいて第2特図が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。
【0031】
尚、第1特図と第2特図の当否判定は、第1特図始動口23と第2特図始動口24への入球順に関係なく、第2特図の当否判定を優先して実施する。具体的には、第1特図の保留記憶がある場合、第2特図の変動が停止し且つ第2特図の保留記憶が無い状態となってから、第1特図の保留記憶分の当否判定を実施する。
【0032】
第1特図及び第2特図の変動表示、確定表示は、遊技領域20の隅に小さく表示されるだけであるので、遊技領域20の中央に設けられた演出図柄表示装置21にて第1特図又は第2特図に対応する疑似演出図柄を用いた疑似演出表示を行う。そして、疑似演出表示にて当否判定の結果を遊技者に報知することが行われている。例えば、疑似演出表示では、三つの疑似演出図柄を変動させ、三つの図柄が同一図柄で停止すると大当りとなるように構成されている。疑似演出表示としては二つの図柄が同じ図柄で停止するリーチ演出が実施され、残りの変動中の図柄が同じ図柄で停止するか否かで遊技者の期待感を高めることが行われている。
【0033】
パチンコ機1は、第1特図及び第2特図の確定表示した態様に応じ、大当り(当選)であれば、賞球の獲得増加が期待でき遊技者に有利な大当り遊技(特別遊技)が実行される。大当り遊技は、所定の開放態様にて大入賞口25を開放し、大入賞口25への遊技球の入球が可能となる。尚、大当り遊技として、例えば、所定の開放態様で大入賞口25を開放するラウンド遊技を5ラウンド行う5R通常大当り遊技と、8ラウンド行う8R確変大当り遊技と、10ラウンド行う10R確変大当り遊技とからいずれか一つの遊技が選択される。
【0034】
パチンコ機1は確率変動機として構成されている。具体的には、パチンコ機1による遊技は、大入賞口25が閉鎖された状態で行われる遊技状態と、大入賞口25が開閉動作する大当り遊技が行われる遊技状態とに大別される。更に、大入賞口25が閉鎖された遊技状態は、大きく分類して、通常確率状態(通常遊技状態)と、通常遊技状態に比べて遊技者にとって有利(大当りとなる確率が高く、大当りし易い)な高確率遊技状態(以下、確変遊技状態とも記載する)とが存在する。例えば、5R通常大当り遊技が終了した後には通常確率遊技状態へ移行し、8R確変大当り遊技又は10R確変大当り遊技が終了した後には高確率遊技状態に移行する。
【0035】
第1特図及び第2特図は、確率変動図柄及び非確率変動図柄とからなり、確変遊技状態は確率変動図柄での大当り遊技終了後に移行可能に設定され、通常遊技状態、確変遊技状態のうち、いずれの遊技状態でも確率変動図柄で大当りすれば、大当り遊技終了後、確変遊技状態に移行する。同様に通常遊技状態は、非確率変動図柄での大当り遊技終了後に移行可能に設定され、通常遊技状態、確変遊技状態のうち、いずれの遊技状態でも非確率変動図柄で大当りすれば、大当り遊技終了後、通常遊技状態に移行する。
尚、図柄により確率変動状態に移行させる遊技構成以外にも、大入賞口25に特定領域を備え、大当り遊技中に特定領域に入賞させることにより大当り遊技後に確率変動状態を付与する構成でもよい。
【0036】
通常遊技状態に移行後は、規定回数(例えば、100回)だけ第1特図、第2特図及び普図の変動時間が短縮され、かつ普電役物の開放延長機能が作動する時短状態となる。第1特図、第2特図及び普図の変動時間(変動開始から結果が表示されるまでの時間)が短縮されると、一定時間内に変動表示が行なわれる回数が増大される。
【0037】
具体的には、時短状態では、第1及び第2特図の変動時間の短縮とともに、普通図柄表示装置29に表示される普図の時間短縮も行われるが、この普図の変動表示を短縮させることで、一定時間内で多数回、普図の確定表示を行う。従って、一定時間内での普図が当りとなる回数が増大し、これにより第2特図始動口24の開放回数も増大する。また、第2特図始動口24(普電役物)の開放時間が長くなるように設定されている(開放延長機能)ので、多数の遊技球が入賞し易くなる。このように多数の遊技球が入賞し易くなることにより、第2特図の変動表示回数が更に増大されるとともに、第2特図始動口24の入賞で得る賞球により、遊技者の持ち球が減り難くなり、有利な遊技を行うことができる。
【0038】
尚、確変遊技状態では、時短状態と同様に第1特図、第2特図及び普図の変動時間が短縮され、普電役物の開放延長機能が作動する。各種図柄の短縮と普電役物開放延長機能に関わる設定は時短状態と同一であるが、確変遊技状態は時短状態に加えて特図の大当り確率が高くなる(大当りし易い状態)ため、更に遊技者に有利な遊技状態となる。
【0039】
パチンコ機1は、第1特図始動口23への入球に起因して抽出又は第2特図始動口24への入球に起因して抽出された乱数(数値データ)を、この乱数に基づいて行われる当否判定よりも前に、大当りとなる可能性があるか否かを確認する先読み判定を行う。
【0040】
また、パチンコ機1は、当否判定の結果を示す第1特図又は第2特図が確定表示される前に、前記先読み判定の結果に応じて、大当りとなる期待度を示唆する先読み予告演出を実行可能である。例えば、先読み予告演出は、演出図柄表示装置21において、第1特図の保留記憶及び第2特図の保留記憶に応じて表示される保留表示を、通常の保留図柄とは異なる図柄を表示することにより大当りとなる期待度を示す。先読み予告演出は、演出が開始されると(通常の保留図柄とは異なる図柄が表示されると)、特図の複数の変動を跨いで、先読み予告演出が実行された乱数を対象とした当否判定に伴う特図の変動が開始されるまで継続される。
【0041】
以下、パチンコ機1の作動の詳細を、主制御装置40及びサブ統合制御装置42等で実行されるプログラム処理に基づいて説明する。
図5は主制御装置40で実行される「メインルーチン」のフローチャートを示し、「メインルーチン」は本処理(S100~S110,S115)と残余処理(S111)とで構成され、2ms又は4ms周期の割り込み信号に起因して開始され、最初に正常割り込みか否かを判定する(S100)。この判定処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判定することにより行われ、CPUにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行してよいのか否かを判定するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるCPUの暴走等が考えられるが、CPUの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えてよいので、たいていが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
ここで正常割り込みでないとの否定判定(S100:no)ならS115の処理において初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値の書き込み、普図及び特図を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)を実行する。前記正常割り込みか否かを判定するための数値は、この初期設定の一環としてRAMに書き込まれる。
【0042】
前記S100の処理において正常割り込みとの肯定判定がなされると(S100:yes)、S101の初期値乱数更新処理が実行される。この処理は、初期値乱数の値についてこの処理を実行する毎に「1」を加算するインクリメント処理である。この処理実行前の初期値乱数の値に「1」を加算するが、この処理を実行する前の乱数が最大値としての例えば「299」のときには次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」~「299」までの300個の整数を繰り返し昇順に作成する。
【0043】
続く大当り決定用乱数更新処理(S102)では、前記初期値乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に「1」を加算するインクリメント処理である。最大値としての例えば「299」のときは次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」~「299」までの300個の整数を繰り返し昇順に作成する。尚、大当り決定用乱数の最初の値は、前記初期値乱数更新処理(S101)で設定(作成)された値となる。この値が150であったとすると、大当り決定用乱数は「150」「151」「152」・・・「299」「0」「1」・・・と更新されていく。
【0044】
尚、大当り決定用乱数が一巡(300回、更新されること)すると、そのときの前記初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする。大当り決定用乱数は、その初期値から「1」を加算していく。そして、再び大当り決定用乱数が一巡すると、その時の初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする動作を行なう。つまり、この一連の動作を繰り返し続けることになる。前記の例では大当り決定用乱数が「149」になると一巡であるから、「149」の次は前記初期値乱数の値となる。仮に初期値乱数の値が「87」だったとすると、「149」「87」「88」・・・「299」「0」「1」・・・「86」と変化していき、「86」の次は新たな前記初期値乱数の値となる。
【0045】
続く大当り図柄決定用乱数更新処理(S103)は、「0」~「9」の10個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に「1」を加算して最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
続く当り決定用乱数更新処理(S104)は、「0」~「9」の10個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に「1」を加算して最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。尚、当選することとなる値は、常に「7」である。この当り決定用乱数は普図の抽選に使用し、初期値乱数、大当り決定用乱数、リーチ判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数は、特図の抽選に用いられる。
【0046】
リーチ判定用乱数更新処理(S105)は、「0」~「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に「1」を加算して最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。 変動パターン決定用乱数更新処理(S106)は、「0」~「119」の120個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に「1」を加算して最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
【0047】
続く入賞確認処理(S107)では、第1特図始動口23、第2特図始動口24の入球(入賞)確認、普図作動ゲート22の遊技球の通過の確認、大入賞口25の入球(入賞)確認、一般入賞口27の入球(入賞)確認、及び主制御装置40に接続された各スイッチ類の入力処理等が実行される。
【0048】
次の当否判定処理(S108)では、普図及び特図のそれぞれに対応した当否判定や、当否判定に付随する図柄変動や特別遊技処理などの処理を行なう。 続く各出力処理(S109)では、遊技の進行に応じて主制御装置40は、払出制御装置41、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43、発射制御装置44、大入賞口ソレノイド508等に対して各々出力処理を実行する。即ち、前記入賞確認処理(S107)により遊技盤上の各入賞口に遊技球の入球があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御装置41に賞球信号を送信する処理を実行する。また、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合制御装置42に出力する処理を実行する。更に、パチンコ機に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置43にエラー信号を出力する処理等を実行する。
【0049】
続く不正監視処理(S110)は、一般入賞口27に対する不正が行われていないか監視する処理である。所定時間内における入賞口への遊技球の入球が予め決定された規定数よりも多いか否かを判定して、多かった場合には不正と判定され、その旨を報知する処理である。
【0050】
本処理に続く前記残余処理は、S111の初期値乱数更新処理から構成されるが、前記S101と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。前記S100~S111までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特図の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、割り込み処理が1回実行されることにより初期値乱数に更新される値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数が大当り決定用乱数と同期する可能性は極めて小さくなる。大当り決定用乱数が一巡したときの、初期値乱数の値(0~299の300通り)が、同程度に発生するとすれば、同期する確率はわずか300分の1である。また、前記当り決定用乱数更新処理(S104)も残余処理内において実行するよう構成してもよい。
【0051】
次に、本発明に関わりの深い入賞確認処理(S107)、当否判定処理(S108)及び各出力処理(S109)の一部のサブルーチンについて説明する。
図6に示す「特図始動入賞確認処理」は、第1特図始動口23、第2特図始動口24に遊技球が入球したときに抽出される大当り決定用乱数など種々の乱数を、保留記憶として主制御装置40に記憶する。そして第1特図始動口23、第2特図始動口24への入球に起因する各種コマンドをサブ統合制御装置42に送信する処理となる。本実施形態において、第1特図始動口23への入球に起因して記憶可能な保留記憶数及び第2特図始動口24への入球に起因して記憶可能な保留記憶数は各4個である。
【0052】
「特図始動入賞確認処理」は、先ず、第1始動口SW503により第1特図始動口23への入球を検出したか否かを判定する(S200)。入球が無ければ(S200:no)、S205の処理へ移行する。処理を終了して主制御装置40のメインルーチンへリターンする。第1特図始動口23への入球が有れば(S200:yes)、S201の処理において主制御装置40に記憶されている第1特図の保留記憶の数が満杯か否かを確認(上限数に達しているか否かを確認)する。満杯であれば(S201:yes)、S205の処理へ移行する。
【0053】
第1特図の保留記憶が満杯でなければ(S201:no)、S202の処理において、第1特図の大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出する。抽出された各種の乱数を主制御装置40の所定の記憶領域に記憶する。更に所定の記憶領域に記憶された乱数を保留記憶として主制御装置40の保留記憶領域に記憶する。尚、第1特図の保留記憶数が0であっても、第1特図始動口23に遊技球が入球したとき抽出される当否乱数等の種々の乱数は、最大値未満の記憶数がある場合と同様に記憶される。尚、前記S202の処理は特許請求の範囲に記載の「数値データ抽出手段」に相当する。
【0054】
続いて第1特図の先読み判定処理を実行する(S203)。先読み判定処理は、大当りとなるか否かの当否判定が行われる前に、前記所定の記憶領域に記憶された大当り決定用乱数や大当り図柄決定用乱数などが特定の数値であるか確認する。例えば、特定の数値として、大当りと判定される数値、スーパーリーチやリーチと判定される数値等であるか否か、更に大当りの場合は確変大当りであるか否か、ラウンド数の多い大当りであるか否かなどが確認される。また本処理では第1特図の先読み判定の判定結果を示す先読みコマンドがサブ統合制御装置42へ送信される。その後、保留記憶数を示す保留記憶カウンタを加算し、加算した第1特図の保留記憶カウンタの値を示す保留数指示コマンドをサブ統合制御装置42に送信する(S204)。
尚、先読みコマンドは、大当りやリーチ等の可能性がある場合に、サブ統合制御装置42へ送信することが望ましい。無論、判定内容に関わらず、サブ統合制御装置42に毎回先読みコマンドを送信する構成でもよい。
また、本実施例では所定の記憶領域として保留記憶領域を用いる構成で説明したが、先読み判定処理用の専用の記憶領域を備える構成でもよい。また、記憶領域を用いず、始動口への入賞により抽出した乱数をそのまま先読み判定を行う構成でもよい。いずれの構成においても当否判定よりも前に乱数を判定することが可能となる。
【0055】
続くS205の処理において、第2始動口SW504により第2特図始動口24への入球を検出したか否かを判定する。入球が無ければ(S205:no)、本処理を終了して主制御装置40のメインルーチンへリターンする。第2特図始動口24への入球が有れば(S205:yes)、S206の処理において主制御装置40に記憶されている第2特図の保留記憶の数が満杯か否かを確認(上限数に達しているか否かを確認)する。満杯であれば(S206:yes)、リターンする。
【0056】
第2特図の保留記憶が満杯でなければ(S206:no)、S207の処理において、第2特図の大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出する。抽出された各種の乱数を主制御装置40の所定の記憶領域に記憶する。更に所定の記憶領域に記憶された乱数を保留記憶として主制御装置40の保留記憶領域に記憶する。尚、第2特図の保留記憶数が0であっても、第2特図始動口24に遊技球が入球したとき抽出される当否乱数等の種々の乱数は、最大値未満の記憶数がある場合と同様に記憶される。尚、前記S207の処理は特許請求の範囲に記載の「数値データ抽出手段」に相当する。
【0057】
続いて第2特図の先読み判定処理を実行する(S208)。先読み判定処理は、大当りとなるか否かの当否判定が行われる前に、前記所定の記憶領域に記憶された大当り決定用乱数や大当り図柄決定用乱数などが特定の数値であるか確認する。例えば、特定の数値として、大当りと判定される数値、スーパーリーチやリーチと判定される数値等であるか否か、更に大当りの場合は確変大当りであるか否か、ラウンド数の多い大当りであるか否かなどが確認される。また本処理では第2特図の先読み判定の判定結果を示す先読みコマンドがサブ統合制御装置42へ送信される。その後、保留記憶数を示す保留記憶カウンタを加算し、加算した第1特図の保留記憶カウンタの値を示す保留数指示コマンドをサブ統合制御装置42に送信する(S209)。
尚、先読みコマンドは、大当りやリーチ等の可能性がある場合に、サブ統合制御装置42へ送信することが望ましい。
【0058】
「特図始動入賞確認処理」では、保留記憶の数が満杯でなければ、抽出された乱数を予め設定された所定の記憶領域に記憶し、その後、所定の記憶領域に記憶された乱数を保留記憶領域に記憶する構成である。これに限らず、保留記憶の数が満杯でなければ、抽出された乱数を、所定の記憶領域と保留記憶領域とにそれぞれ記憶するようにしてもよい。更に、第1特図始動口23又は第2特図始動口24への入球に起因して乱数が抽出されると、抽出された乱数を所定の記憶領域に記憶する。そして保留記憶の数が満杯であるか否か確認し、満杯でなければ、所定の記憶領域に記憶された乱数を保留記憶領域に記憶するようにしてもよい。この場合、保留記憶の数が満杯であれば、所定の記憶領域に記憶した乱数を消去する。
「特図始動入賞確認処理」では、先読み判定処理は、所定の記憶領域に記憶された乱数を先読み判定するが、これに限らず、保留記憶領域に記憶された乱数を先読み判定するようにしてもよい。
【0059】
図7乃至
図10は「特図当否判定処理」のフローチャートを示す。この処理において第1特図の当否判定と第2特図の当否判定は個別に実行され、且つ第2特図の保留記憶があるときは第2特図の当否判定が優先して実行される。尚、第1特図と第2特図の当否判定はほぼ同じ処理であり、以下の説明では、必要があれば両者を区別するが、それ以外は第1特図及び第2特図を区別せずに単に「特図」とする。
【0060】
図7に示すように「特図当否判定処理」は、先ず、特別電動役物の未作動を確認して大当り遊技中あるか否かを判定する(S300)。特別電動役物が作動中(S300:no)であれば「特別遊技処理」に移行する(
図11参照)。特別電動役物が未作動で大当り遊技中でなければ(S300:yes)、第1特図又は第2特図が変動停止中であるか否かを判定する(S301)。変動停止中であければ(S301:yes)、第1特図又は第2特図の確定図柄が未表示中であるか否かを判定する(S302)。
【0061】
前記S302の処理で第1特図又は第2特図の確定図柄が未表示中であれば(S302:yes)、第2特図の保留記憶があるか否かを判定する(S303)。第2特図の保留記憶があれば(S303:yes)、第2特図の保留記憶数を減算し、保留記憶のシフト処理を行う(S304)。該シフト処理により第2特図の保留記憶のうちで最も古い保留記憶が当否判定の対象となる。
【0062】
前記S303の処理で第2特図の保留記憶がなければ(S303:no)、第1特図の保留記憶があるか否かを判定する(S305)。第1特図の保留記憶があれば(S305:yes)、第1特図の保留記憶数を減算し、保留記憶のシフト処理を行う(S306)。該シフト処理により第1特図の保留記憶のうちで最も古い保留記憶が当否判定の対象となる。
第1特図の保留記憶がなければ(S305:no)、「特別遊技処理」に移行する。
【0063】
前記S304の処理又前記S306の処理に続いて、
図8に示すS310の処理において、確変フラグを確認して現在の遊技状態が特図の確変遊技状態であるか否かを判定する。確変中であれば(S310:yes)、確変時の当否判定用テーブルと当否判定の対象となる大当り決定用乱数とを対比して判定を行う(S311)。
前記S310の処理において確変中でない場合(S310:no)、通常確率の当否判定用テーブルと前記当否判定の対象となる大当り決定用乱数とを対比して判定を行う(S312)。
【0064】
続いてS313の処理において、前記S311又は前記S312の処理の当否判定が大当りか否かの判定を行う。特許請求の範囲に記載の「当否判定手段」に相当する。大当りであれば(S313:yes)、S314の処理において、前記当否判定の対象となる大当り図柄決定用乱数に基づいて大当り図柄を決定する。
続いて前記当否判定の対象となる変動パターン決定用乱数に基づいて、特図の大当り図柄の変動時間等といった変動パターンを決定する(S315)。
【0065】
変動パターンの決定後、大当り設定処理を行う(S316)。この処理では、前記決定された大当り図柄に基づき、例えば、前記10R確変大当り遊技とするか、前記8R確変大当り遊技とするか、前記5R通常大当り遊技とするかといった大当り遊技の内容、大当り遊技終了後の確変遊技への移行や時短への移行、演出図柄表示装置21で実行される大当り遊技の大当り開始演出の時間の設定、大当り終了演出の時間等の設定がなされる。
【0066】
前記S313の処理において、大当りでなくハズレであれば(S313:no)、S317の処理において特図のハズレ図柄の変動時間等といった変動パターンを決定する。次にハズレ設定処理を行う(S318)。なお、ハズレ図柄を複数備える構成の場合は、S317の処理の前にハズレ図柄決定処理を行うことが考えられる。また、ハズレ図柄により変動時間(変動内容)が指定されている構成ならば、S317の変動パターン決定処理の代りにハズレ図柄決定処理を行うことになる。
【0067】
前記S316の処理又は前記S318の処理の後、当否判定後の保留記憶の情報(例えば当否判定実行後の保留記憶の減少を示す情報など)をサブ統合制御装置42に送信する処理を行う(S319)。
続くS320の処理において第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bの図柄変動開始制御を行い、サブ統合制御装置42へ図柄の変動開始コマンド、図柄指定コマンドを送信し、「特別遊技処理」へ移行する。尚、前記変動開始コマンド、図柄指定コマンドには特図の変動パターン、特図の当否判定の判定結果などが含まれる。尚、構成によっては変動時間の終了を指示するための図柄確定コマンドを送ってもよい。但し、変動パターンなどで予め変動時間は指定されているため必須のものではない。
【0068】
前記
図7のS301の処理で特図の変動中のときは(S301:no)、
図9に示すように、図柄の変動時間が経過すると(S330:yes)、S331の確定図柄表示処理において、第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bの特図の変動表示を終了させる制御を行う。その後、「特別遊技処理」へ移行する。
【0069】
前記
図7のS302の処理で特図の確定図柄を表示中であれば(S302:no)、
図10のS340の処理に移行して、確定図柄表示時間が終了したか否かを判定する。確定図柄表示時間が終了していなければ(S340:no)、「特別遊技処理」へ移行する。
一方、確定図柄表示時間が終了していれば(S340:yes)、S341の確定図柄表示終了の処理により第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bの特図の確定図柄表示を終了させる制御を行い、サブ統合制御装置42へ特図に対応する疑似演出図柄の確定表示を終了させるようにコマンドを送信する。なお、本実施例では確定表示を指示する構成だが、疑似演出図柄はあくまで演出用であり、また、S320で送信する特図変動開始コマンドにより変動時間は把握することができるため、確定表示を終了させるコマンドを送信しないS341を省いた構成でもよい。
【0070】
続いて特図の図柄が大当りになる組み合わせであるか否かを判定し(S342)、大当りになる組み合わせであったときは(S342:yes)、確変遊技状態を示す確変フラグが「1」であれば(S343:yes)、確変フラグを「0」にリセットする(S344)。続いて時短状態を示す時短フラグが「1」であれば(S345:yes)、時短フラグを「0」にリセットする(S346)。これらの処理により大当り遊技(特別遊技)中での確変状態及び時短状態に関する遊技状態を通常状態にリセットする。
【0071】
続いて条件装置の作動を開始させる(S347)。尚、条件装置は特図の当否判定が大当りとなり大当り図柄が確定表示されることにより作動して大当り遊技の開始条件を成立させるものであり、且つ、大当り遊技で役物連続作動装置の作動に必要な装置である。更に役物連続作動装置の作動を開始させる(S348)とともに、大当り開始演出処理を行ない(S349)、「特別遊技処理」へ移行する。また、この処理により、サブ統合制御装置42へ向けて大当り遊技開始コマンドが送信される。
【0072】
前記S342の処理で大当りになる組み合わせでなければ(S342:no)、確変フラグが「1」であるか否かを判定し(S350)、確変フラグが「1」であれば(S350:yes)、S351の処理において確率変動状態の継続期間をカウントする確変カウンタを減算し、減算した後の確変カウンタが「0」であるか否かを判定する。確変カウンタが「0」であれば(S351:yes)、確変フラグを「0」にリセットする(S352)。
次に時短フラグが「1」であるか否かを判定し(S353)、時短フラグが「1」であれば(S353:yes)、S354の処理において時短の継続時間をカウントする時短カウンタを減算し、減算した後の時短カウンタが「0」であるか否かを判定する。時短カウンタが「0」であれば(S354:yes)、時短フラグを「0」にリセットする(S355)。
続くS356の状態指定コマンド送信処理では、遊技状態を示す確変フラグや時短フラグの情報等を含む状態指定コマンドを、サブ統合制御装置42へ送信する。その後、「特別遊技処理」に移行する。
【0073】
図11に示す「特別遊技処理」は、先ず、前記役物連続作動装置が作動中か否かを確認し(S400)、作動中であれば(S400:yes)、S401の処理で大入賞口25が開放中か否かを確認する。役物連続作動装置が作動中でなければ(S400:no)リターンする。
前記S401の処理で大入賞口25が開放中でなければ(S401:no)、S402の処理で大当り遊技のインターバル中か否かを確認し、インターバル中でなければ(S402:no)、S403の処理で特図大当り終了演出中か否かを確認し、大当り終了演出中でなければ(S403:no)、S404の処理で大当り開始演出時間が経過したか否かを確認し、大当り開始演出時間の経過を確認すれば(S404:yes)、大入賞口開放処理で第1ラウンドの大入賞口25を開放してリターンする(S405)。
【0074】
前記S401の処理で大入賞口開放中であれば(S401:yes)、
図12に示すように、大入賞口25に10個の入賞があったか否か(規定入賞数)の確認(S410)、又は大入賞口25の開放時間が終了したか否かを確認して(S411)、いずれか確認できれば大入賞口25を閉鎖し(S412)、大当りインターバル処理を実行して(S413)、リターンする。
【0075】
前記S402の処理で大当りのインターバル中であれば(S402:yes)、
図13に示すように、大当りインターバル時間が経過したか否かを確認し(S420)、経過していれば(S420:yes)、S421の処理において最終ラウンド(例えば、2ラウンドの大当り遊技であれば第2ラウンド、5ラウンドの大当り遊技であれば第5ラウンド、8ラウンドの大当り遊技であれば第8ラウンド、10ラウンドの大当り遊技であれば第10ラウンド)であるか否かを確認し、最終ラウンドであれば、(S421:yes)、S422の大当り終了演出の処理を実行し、この処理でサブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43に大当り終了コマンドを送信し、大当り遊技を終了してリターンする。
一方、最終ラウンドでなければ、(S421:no)、S423の大入賞口25の開放処理により次のラウンドの大入賞口25の開放を実行してリターンする。
【0076】
前記S403の処理で大当り終了演出中であれば(S403:yes)、
図14に示すように、大当り終了演出時間が経過したか否かを確認し(S430)、該時間の経過を確認すれば(S430:yes)、S431の役物連続作動装置の作動を停止する処理を実行し、続いて条件装置の作動を停止する処理を実行する(S432)。
【0077】
続く、S433の処理において前記大当り図柄に応じて大当り遊技終了後に確変とする設定があるか否かを確認し、確変の設定があれば(S433:yes)、S434の処理において確変遊技状態の繰り返し回数(100回)を設定し、S435の処理において確変フラグに「1」をセットする。これにより大当り遊技終了後に確変遊技状態が付与される。
次にS436の処理では前記大当り図柄に応じて時短設定があるか否かを確認し、時短設定があれば(S436:yes)、時短状態の繰り返し回数(100回)を設定し(S437)、時短フラグに「1」をセットする(S438)。これにより大当り遊技終了後に時短状態が付与される。その後、特図の大当り終了コマンド送信の処理(S439)を実行し、この処理でサブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43に大当り終了コマンドを送信し、大当り遊技を終了してリターンする。
【0078】
次に、
図15と
図16、
図23を用いて、称号の表示タイミングと、称号が選択されるために必要な遊技履歴情報の「称号表示処理1」を説明する。
例えば、
図15(a)に示すような特定遊技状態中に通常図柄で大当りが行われた時点で、前記特定遊技状態が終了した場合、前記特定遊技状態中に行われた大当り回数と、大当り遊技中に、大入賞口への入賞により発生した賞球数を加算した出玉数の情報に基づいて、
図23(a)に記載の称号が選択され、
図15(b)に示すような演出図柄表示装置21の表示画面に大当り回数表示500と、獲得出玉数表示510と称号表示520が表示される。
図15(b)では大当り回数10回で獲得出玉数5000個であることから、
図23(a)から「イマイチな上級者」の称号が選択されて表示されることになり、それよりも大当り回数が少ない6回であった場合、
図23(a)から「まずまずな上級者」の称号が選択されて表示される。このように称号表示処理1では、前記大当り回数が同数であった場合、前記出玉数により異なる称号が選択され、前記出玉数が同数であった場合も、前記大当り回数により異なる称号が選択される。
これにより、例えば大当り回数の平均回数を上回ったが、獲得出玉数の平均数を下回った場合などには、嬉しいよりも悔しい心理状況を反映した称号を付与すれば、単純に大当り回数や獲得出玉数で付与する称号よりも特定遊技状態での遊技履歴内容に即した称号を付与することができる。
【0079】
図16に示すように、「称号表示処理1」は、先ず、特定遊技状態が終了しているか否か確認し(S600)、否であれば(S600:no)、本処理を終了する。特定遊技状態が終了したのであれば(S600:yes)、連続大当り回数の算出(S601)と、総獲得出玉数の算出をする(S602)。
それらの情報を基にして、称号を選択する処理に移り(S603)、選択された称号の表示を行う(S604)。その後、リターンする。
【0080】
次に、
図15と
図17、
図23を用いて、称号の表示タイミングと、称号が選択されるために必要な遊技履歴情報の「称号表示処理2」を説明する。
例えば、
図15(a)に示すような特定遊技状態中に通常図柄で大当りが行われた時点で、前記特定遊技状態が終了した場合、前記特定遊技状態中に行われた大当り回数と、前記特定遊技状態が開始してから終了するまでに要した経過時間の情報に基づいて、
図23(b)に記載の称号が選択され、
図15(b)に示すような演出図柄表示装置21の表示画面に大当り回数表示500と、獲得出玉数表示510と称号表示520が表示される。このとき、大当り回数10回で経過時間が15分かかった場合、
図23(b)から「音速」の称号が選択されて表示されることになり、それよりも大当り回数が少ない6回であった場合、
図23(b)から「ハイスピード」の称号が選択されて表示される。このように称号表示処理2では、前記大当り回数が同数であった場合、前記経過時間により異なる称号が選択され、前記経過時間が同数であった場合も、前記大当り回数により異なる称号が選択される。
これにより、例えば大当り回数の平均回数を上回ったが、特定遊技状態の終了までに要した時間が平均時間よりも短かった場合などには、早い展開で連チャンしていったことになるため、それを反映した称号を付与すれば、単純に大当り回数や要した時間で付与する称号よりも特定遊技状態での遊技履歴内容に即した称号を付与することができる。
【0081】
図17に示すように、「称号表示処理2」は、先ず、特定遊技状態が終了しているか否か確認し(S610)、否であれば(S610:no)、本処理を終了する。特定遊技状態が終了したのであれば(S610:yes)、連続大当り回数の算出(S611)と、特定遊技に要した時間の算出をする(S612)。
それらの情報を基にして、称号を選択する処理に移り(S613)、選択された称号の表示を行う(S614)。その後、リターンする。
【0082】
次に、
図15と
図18、
図24を用いて、称号の表示タイミングと、称号が選択されるために必要な遊技履歴情報の「称号表示処理3」を説明する。
例えば、
図15(a)に示すような特定遊技状態中に通常図柄で大当りが行われた時点で、前記特定遊技状態が終了した場合、前記特定遊技状態中に行われた大当り回数と、前記特定遊技状態中に大当りか否かを判定する当否判定回数の情報に基づいて、
図24(a)に記載の称号が選択され、
図15(b)に示すような演出図柄表示装置21の表示画面に大当り回数表示500と、獲得出玉数表示510と称号表示520が表示される。このとき、大当り回数10回で当否判定回数150回であった場合、
図24(a)から「大砲級」の称号が選択されて表示されることになり、それよりも大当り回数が少ない6回であった場合、
図24(a)から「ライフル級」の称号が選択されて表示される。このように称号表示処理3では、前記大当り回数が同数であった場合、前記当否判定回数により異なる称号が選択され、前記当否判定回数が同数であった場合も、前記大当り回数により異なる称号が選択される。
これにより、例えば大当り回数の平均回数を上回ったが、特定遊技状態の終了までに要した当否判定回数の平均回数を下回った場合などには、早い展開で連チャンしていったことになるため、それを反映した称号を付与すれば、単純に大当り回数や当否判定回数で付与する称号よりも特定遊技状態での遊技履歴内容に即した称号を付与することができる。
【0083】
図18に示すように、「称号表示処理3」は、先ず、特定遊技状態が終了しているか否か確認し(S620)、否であれば(S620:no)、本処理を終了する。特定遊技状態が終了したのであれば(S620:yes)、連続大当り回数の算出(S621)と、抽選回数を参照する(S622)。
それらの情報を基にして、称号を選択する処理に移り(S623)、選択された称号の表示を行う(S624)。その後、リターンする。
【0084】
次に、
図15と
図19、
図24を用いて、称号の表示タイミングと、称号が選択されるために必要な遊技履歴情報の「称号表示処理4」を説明する。
例えば、
図15(a)に示すような特定遊技状態中に通常図柄で大当りが行われた時点で、前記特定遊技状態が終了した場合、大当り遊技中に、大入賞口への入賞により発生した賞球数を加算した出玉数と、前記特定遊技状態が開始してから終了するまでに要した経過時間の情報に基づいて、
図24(b)に記載の称号が選択され、
図15(b)に示すような演出図柄表示装置21の表示画面に大当り回数表示500と、獲得出玉数表示510と称号表示520が表示される。このとき、経過時間が15分かかり、獲得出玉数5000個であった場合、
図24(b)から「大尉」の称号が選択されて表示されることになり、それよりも経過時間が延びて25分かかった場合、
図24(b)から「中尉」の称号が選択されて表示される。このように称号表示処理4では、前記出玉数が同数であった場合、前記経過時間により異なる称号が選択され、前記経過時間が同数であった場合も、前記出玉数により異なる称号が選択される。
これにより、例えば獲得出玉数の平均数を上回ったが、特定遊技状態の終了までに要した時間が平均時間よりも短かった場合などには、短時間で獲得出玉が増えたことになるため、それを反映した称号を付与すれば、単純に獲得出玉数や要した時間で付与する称号よりも特定遊技状態での遊技履歴内容に即した称号を付与することができる。
【0085】
図19に示すように、「称号表示処理4」は、先ず、特定遊技状態が終了しているか否か確認し(S630)、否であれば(S630:no)、本処理を終了する。特定遊技状態が終了したのであれば(S630:yes)、総獲得出玉数の算出(S631)と、特定遊技に要した時間の算出をする(S632)。
それらの情報を基にして、称号を選択する処理に移り(S633)、選択された称号の表示を行う(S634)。その後、リターンする。
【0086】
次に、
図15と
図20、
図25を用いて、称号の表示タイミングと、称号が選択されるために必要な遊技履歴情報の「称号表示処理5」を説明する。
例えば、
図15(a)に示すような特定遊技状態中に通常図柄で大当りが行われた時点で、前記特定遊技状態が終了した場合、大当り遊技中に、大入賞口への入賞により発生した賞球数を加算した出玉数と、前記特定遊技状態中に大当りか否かを判定する当否判定回数の情報に基づいて、
図25(a)に記載の称号が選択され、
図15(b)に示すような演出図柄表示装置21の表示画面に大当り回数表示500と、獲得出玉数表示510と称号表示520が表示される。このとき、当否判定回数150回で、獲得出玉数5000個であった場合、
図25(a)から「挑戦者」の称号が選択されて表示されることになり、それよりも当否判定回数が少ない80回であった場合、
図25(a)から「国一番の強者」の称号が選択されて表示される。このように称号表示処理5では、前記出玉数が同数であった場合、前記当否判定回数により異なる称号が選択され、前記出玉数が同数であった場合も、前記大当り回数により異なる称号が選択される。
これにより、例えば獲得出玉数の平均数を上回ったが、特定遊技状態の終了までに要した当否判定回数の平均回数を下回った場合などには、少ない当否判定回数で獲得出玉が増えたことになるため、それを反映した称号を付与すれば、単純に獲得出玉数や当否判定回数で付与する称号よりも特定遊技状態での遊技履歴内容に即した称号を付与することができる。
【0087】
図20に示すように、「称号表示処理5」は、先ず、特定遊技状態が終了しているか否か確認し(S640)、否であれば(S640:no)、本処理を終了する。特定遊技状態が終了したのであれば(S640:yes)、総獲得出玉数の算出(S641)と、抽選回数を参照する(S642)。
それらの情報を基にして、称号を選択する処理に移り(S643)、選択された称号の表示を行う(S644)。その後、リターンする。
【0088】
次に、
図15と
図21、
図25を用いて、称号の表示タイミングと、称号が選択されるために必要な遊技履歴情報の「称号表示処理6」を説明する。
例えば、
図15(a)に示すような特定遊技状態中に通常図柄で大当りが行われた時点で、前記特定遊技状態が終了した場合、大当り遊技中に、大入賞口への入賞により発生した賞球数を加算した出玉数と、前記特定遊技状態中に大当りか否かを判定する当否判定回数の情報に基づいて、
図25(b)に記載の称号が選択され、
図15(b)に示すような演出図柄表示装置21の表示画面に大当り回数表示500と、獲得出玉数表示510と称号表示520が表示される。このとき、経過時間が15分かかり、当否判定回数150回であった場合、
図25(b)から「モンブラン達成」の称号が選択されて表示されることになり、それよりも経過時間が延びて25分かかった場合、
図25(b)から「世界進出」の称号が選択されて表示される。このように称号表示処理6では、前記出玉数が同数であった場合、前記当否判定回数により異なる称号が選択され、前記出玉数が同数であった場合も、前記大当り回数により異なる称号が選択される。
これにより、例えば獲得出玉数の平均数を上回ったが、特定遊技状態の終了までに要した当否判定回数の平均回数を下回った場合などには、少ない当否判定回数で獲得出玉が増えたことになるため、それを反映した称号を付与すれば、単純に獲得出玉数や当否判定回数で付与する称号よりも特定遊技状態での遊技履歴内容に即した称号を付与することができる。
【0089】
次に、
図22と
図23、
図27を用いて、「称号表示処理1~6」とは異なる称号の表示タイミングである「称号表示処理7」を説明する。
例えば特定遊技状態(確変状態や時短状態)が終了すると、
図27(b)に示すように通常遊技状態に選択される「達吉モード」に移行するところを、
図27(a)に示すように遊技状態は同じでも特定の期間であることを示す「リベンジモード」に移行させることが考えられる。
「リベンジモード」が選ばれている間は特定期間として、この間に大当りした場合は
図23(a)に記載の特定遊技状態での連続大当り回数、総獲得出玉数に加算される(特定期間が終了するまでは特定遊技状態での連続大当り回数などの情報は記憶を維持しておく)。
例えば大当り回数14回で総獲得出玉数が5000個の時点で特定遊技状態が終了して「イマイチな上級者」という称号が付与されるが、特定期間の「リベンジモード」中に大当りすると、連続大当り回数を15回と計数し、次回特定遊技状態が終了した場合は「引き弱な上級者」以上の称号が付与されることになる。
このように、称号は必ずしも特定遊技状態での大当りだけを対象にする必要は無く、特定遊技状態が終了しても直ぐに大当りした場合も含めるようにすることが考えられる。
なお、本実施例では特定遊技状態後、変動回数が30回に達するまでを特定期間としているが、変動回数は任意である。
また、この場合の称号の表示タイミングは、特定遊技状態が終了した時点で表示することも考えられるし、特定期間が終了した時に表示することも考えられる。
【0090】
図22に示すように、「称号表示処理7」は、先ず、特定遊技状態が終了しているか否か確認し(S660)、否であれば(S660:no)、本処理を終了する。特定遊技状態が終了したのであれば(S660:yes)、特定期間の開始として変動回数のカウントを開始し、その後に変動回数が30回に達したか否か確認し(S661)、否であれば(S661:no)、本処理を終了する。変動回数が30回に達していれば(S661:yes)、特定期間が終了したため、連続大当り回数の算出(S662)と、総獲得出玉数の算出をする(S663)。
それらの情報を基にして、称号を選択する処理に移り(S664)、選択された称号の表示を行う(S665)。その後、リターンする。なお、特定期間を変動回数で規定したが、特定遊技状態が終了してからの所定時間経過で規定しても良いし、遊技球の発射数で規定、賞球の払出し数で規定することも考えられる。このようにすることで、特定遊技状態は途切れてしまったが直ぐに大当りが発生した場合は、特定遊技状態での連続大当り回数、総獲得出玉数の情報に加えて表示することにより、よりよい称号が得られる可能性を高めることができる。
【0091】
なお、称号の表示タイミングと、称号が選択されるために必要な遊技履歴情報の組合せを7つ示したが、これらに限定するものではなく、大当り回数、出玉数、当否判定回数、経過時間、特定遊技状態が終了してから所定期間までを、特定遊技状態用の遊技履歴情報の範囲として扱うことをいずれの組合せでも良いし、全てを用いる構成でも良く、適宜組合せれば良い。
また、複数の特定遊技状態、例えば当否判定の当選とする確率が変動する確率変動機能が作動する遊技状態、普通電動役物の開放延長機能が作動する遊技状態、特別図柄の平均変動時間が短くなる時短機能が作動する遊技状態などかある場合は、いずれの遊技状態が作動するかで上記組合せを変えて称号表示を行う構成でもよい。確率変動機能が作動する場合は当りやすいことから大当り回数と当否判定回数で称号を選択し、時短機能が作動する場合は変動時間が短くなることから大当り回数と経過時間で称号を選択するなど、各々の特定遊技状態の特徴に合わせた称号を選択させることができる。
また、
図26に示すように、特定の条件を達成した時に選ばれる称号もある。例えば大当り回数が10回以上で当否判定回数が1000回を超える場合、「ハマリ名人」の称号が選択されて表示される。大当りするのに当選確率以上の抽選回数を要したことから「ハマリ名人」の称号を付与し、当否判定回数が1回で大当りしたことが2回以上発生させた場合は、遊技を開始して直ぐ大当りを示す「オスイチ(お座り一発)」を冠する「オスイチ名人」の称号を付与するなど、特徴のある稀な遊技展開が発生した場合は、その事例が起きたことを示唆する称号を付与することにより、遊技者の遊技感覚に沿った称号を付与することができる。また、第三者にもどんな遊技展開だったのかを推測させることができる。
また、当否判定の異なる確率を複数備え、いずれかの確率を設定して遊技を行える、いわゆる設定機の構成ならば、設定された設定値に応じて組合せを変更したり、設定値に応じて称号の内容を変更することが考えられる。例えば設定値1の場合に大当り10回、獲得出玉5000個の履歴ならば「吉」が選択されるが、設定値6の場合に大当り回数10回、獲得出玉5000個の履歴ならば「中吉」が選択されるようにすれば、どの称号が表示されるかにより設定値を示唆することができる。
また、大当り遊技終了後の終了画面にて称号を表示する構成で説明したが、先読み演出としても用いることが考えられる。大当り遊技終了時に保留記憶内に大当りがある場合などは、上記遊技履歴情報に基づいて称号を選択するところを、保留記憶内に大当りがあることを示す特別な称号を表示することによって、普段は特定遊技状態の終了を示すものでもある称号が大当りを告知するものとなり、遊技者に望外の喜びを与えることができる。
また、得られた称号により各種特典を与えることも考えられる。例えば、特定の称号を得ることにより、専用の予告が表示可能となったり、専用の演出モード、専用のキャラクタなどを選択できるようにすることも考えられる。このようにすれば、称号を与えられるだけでなく、獲得した称号によって後の遊技の演出に影響を与えることができる。
また、実施例では弾球遊技域にて例示したが、回胴式遊技機にて実施しても良いし、遊技球を封入した封入式遊技機で用いても良い。
【符号の説明】
【0092】
1 パチンコ機(弾球遊技機)
21 演出図柄表示装置
23 第1特図始動口(始動口)
24 第2特図始動口(始動口)
25 大入賞口
28A 第1特図表示装置(特別図柄表示装置)
28B 第2特図表示装置(特別図柄表示装置)
40 主制御装置(数値データ抽出手段、保留記憶手段、当否判定手段)
42 サブ統合制御装置(先読み予告演出制御手段)