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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-04
(45)【発行日】2023-10-13
(54)【発明の名称】電動玩具銃
(51)【国際特許分類】
   F41B 11/71 20130101AFI20231005BHJP
   A63H 5/04 20060101ALI20231005BHJP
   A63H 33/18 20060101ALI20231005BHJP
   F41B 11/89 20130101ALI20231005BHJP
【FI】
F41B11/71
A63H5/04 A
A63H33/18 A
F41B11/89
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019173579
(22)【出願日】2019-09-24
(65)【公開番号】P2021050856
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】592153584
【氏名又は名称】株式会社東京マルイ
(74)【代理人】
【識別番号】100134430
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 卓士
(72)【発明者】
【氏名】岩澤 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】岩澤 茂
【審査官】西中村 健一
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3179126(JP,U)
【文献】国際公開第2019/058526(WO,A1)
【文献】特開2004-347221(JP,A)
【文献】特開2002-168594(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03015812(EP,A1)
【文献】特開2013-217546(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F41B 11/00-11/89
F41B 7/08
A63H 5/04
A63H 33/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
後方に向けて移動可能なコッキングハンドルと、
前記コッキングハンドルの後方移動を電気的に検知する検知部と、
弾切れを検知した場合には、発射動作不可状態に状態変化させ、
弾が補充され、前記コッキングハンドルが所定時間内に所定回数後方に移動したことを検知した場合に、発射動作可能状態へと状態変化させ、
弾が補充されずに、前記コッキングハンドルが所定時間内に所定回数後方に移動したことを検知した場合に、空撃ち可能状態へと状態変化させる制御部と、
を備えた電動玩具銃。
【請求項2】
前記コッキングハンドルは、コッキングパーツと連結しており、ハンドルレールに沿ってスライド移動可能であり、
前記検知部は、前記コッキングパーツの後方移動によって押下されるスイッチを含む請求項1に記載の電動玩具銃。
【請求項3】
前記制御部は、バッテリが取り外されたことを検知した場合には、前記発射動作不可状態に変化し、バッテリが取り付けられ、前記コッキングハンドルが後方に移動したことを検知した場合に、前記発射動作可能状態へと状態変化をさせる請求項1または2に記載の電動玩具銃。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動玩具銃に関する。
【背景技術】
【0002】
上記技術分野において、特許文献1の段落0015には、コッキングレバーがボルトに取り付けられ、手動でボルトを後退させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-217546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記文献に記載の技術は、あくまでもタンクの圧縮ガスを利用して弾を飛ばすガスガンやエアコッキングガンに限定されていた。電気で空気を圧縮する電動ガンの場合、コッキングハンドルの操作で機能の切替えを行なうものは存在していなかった。
【0005】
本発明の目的は、上述の課題を解決する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため本発明にかかる電動玩具銃は、
後方に向けて移動可能なコッキングハンドルと、
前記コッキングハンドルの後方移動を電気的に検知する検知部と、
弾切れを検知した場合には、発射動作不可状態に状態変化させ、
弾が補充され、前記コッキングハンドルが所定時間内に所定回数後方に移動したことを検知した場合に、発射動作可能状態へと状態変化させ、
弾が補充されずに、前記コッキングハンドルが所定時間内に所定回数後方に移動したことを検知した場合に、空撃ち可能状態へと状態変化させる制御部と、
を備えた。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電動玩具銃において、コッキングハンドルの操作により所定の機能を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る玩具銃の全体構成を示す正面図である。
図2】本発明の実施形態に係る玩具銃のコッキングハンドル部分の構成を示す部分拡大斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係る玩具銃のコッキングハンドル部分の構成を示す部分拡大斜視図である。
図4】本発明の実施形態に係る玩具銃のコッキングハンドル部分の内部構成を示す部分破断正面図である。
図5】本発明の実施形態に係る玩具銃のコッキングハンドル部分の内部構成を示す部分破断正面図である。
図6】本発明の実施形態に係る玩具銃のコッキングハンドル部分の内部構成を示す部分破断斜視図である。
図7】本発明の実施形態に係る玩具銃のコッキングハンドル部分の内部構成を示す部分破断斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態について例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の技術範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0010】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態としての電動玩具銃100について、図1を用いて説明する。電動玩具銃100は、コッキングハンドル101を備えている。コッキングハンドル101はハンドルレール102の溝にそって後方に移動可能である。ハンドルレール102の後方内部には、スプリング(図1では不図示)が設けられ、コッキングパーツ103を介してコッキングハンドル101を前方に付勢する。コッキングパーツ103は、コッキングハンドル101と連結しており、ハンドルレール102の裏側(内部側)に延設され、不図示のスイッチやスプリングと繋がっている。これにより、ユーザはコッキングハンドル101を手で掴んで後方にスライドでき、手を離すと自然に前端位置に戻る構造となっている。
【0011】
コッキングハンドル101は、右側面のバレル104の後方であって、マガジン105の上方に配置されている。ユーザは、通常、下方から上方に引き込むように、右手でコッキングハンドル101をスライドさせる。
【0012】
電動玩具銃100は、その内部に、コッキングハンドル101の後方移動を電気的に検知する検知部107と、コッキングハンドル101が後方移動したことを検知した場合に、発射動作不可状態から発射動作可能状態へと状態変化をさせる制御部108とを備えている。言い換えれば、制御部108の入力をコッキングハンドル101に一本化している。
【0013】
検知部107は、コッキングパーツ103の後方移動によって押下されるスイッチである。スイッチは、メカスイッチに限定されるものではなく、マグネットスイッチやオプティカルスイッチなどでもよい。制御部108は、制御基板であり、プログラムを記憶した不揮発メモリとプロセッサとを有している。
【0014】
制御部108は、コッキングハンドル101の操作に応じて、オートストップモードと動作確認モードとの間でモード変更を行なう。
【0015】
通常の発射動作をする状態は、オートストップモードである。オートストップモードでは、弾が無いことを検知してオートストップが機能する(自動的にモータへの電源供給が止まる)。
【0016】
オートストップを無効化した状態が動作確認モードである。動作確認モードでは、弾の有無に関わらずトリガーを引いている限り発射動作を続ける。
【0017】
動作確認モードでは、マガジンに弾がある状態ではもちろん発射可能であり、撃ち尽くしてもトリガーを離すまで空撃ちを行う。また、弾が無い状態で再度トリガーを引いても空撃ちを行うことができる。
【0018】
例えば、制御部108は、オートストップモードで発射操作中、マガジン105の弾切れを検知した場合には、オートストップが機能して発射動作不可状態となる。つまり、弾がない状態では、空撃ちできないように制御されている。
【0019】
制御部108は、その後、弾が補充されたマガジン105が装着され、コッキングハンドル101が後方に移動操作されると、発射動作可能状態へと状態変化する。つまり、コッキングハンドル101が後方にスライドされたことを検知した場合に、オートストップが解除された状態となり、発射可能となる。制御部108は、弾が補充され、コッキングハンドル101が所定時間内(例えば2秒間)に所定回数(例えば3回)後方に移動したことを検知した場合に、動作確認モードに遷移させる。弾が無い場合には動作確認モードでの空撃ちが可能になる。
【0020】
ここでは2秒間に3回としたが、本願発明はこれに限定されるものではなく、3秒間に3回でもよいし、2秒間に4回でもよく、設計者が任意にプログラム可能である。制御部108は、スイッチONの回数をカウントして、所定時間内のON回数によってモード切替を行なうべきか判断しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、スイッチON時間を計測して、所定時間以上ON状態が維持されていれば、オートストップが機能しない状態に遷移させてもよい。この場合、ユーザは、コッキングハンドル101を後方に引いた状態で数秒間維持することにより、弾の有無に関わらず発射動作を行うことができるようになる。
【0021】
制御部108は、不図示のバッテリが取り外されたことを検知した場合に、発射動作不可状態に変化させてもよい。そして、バッテリが再度取り付けられ、検知部107において、コッキングハンドル101が後方に移動したことを検知した場合に、発射動作可能状態へと状態変化をさせてもよい。これにより、実銃における初弾の装填時のような感覚を再現することが可能となる。
【0022】
図2図3は、電動玩具銃100のコッキングハンドル101の周囲の構成を示す部分拡大斜視図である。図2は、ユーザがコッキングハンドル101に力を加えていない状態の図であり、コッキングハンドル101が前端位置(正常位置)に静止している。図3は、ユーザがコッキングハンドル101を握って後方にスライドさせた状態の図であり、コッキングハンドル101が後端位置にきている。図3の状態ではスプリングにより前方への付勢力がコッキングハンドル101に加えられているため、ユーザが手を離すと、コッキングハンドル101は、前方にスライドし、図2の状態に戻る。
【0023】
図4図5は、電動玩具銃100のコッキングハンドル101部分の内部構成を示す部分破断正面図である。図4は、コッキングハンドル101が正常位置にある状態、図5は、コッキングハンドル101が後端位置にある状態を示している。
【0024】
コッキングパーツ103には、スプリング軸401を貫挿する穴が設けられている。これによりコッキングパーツ103は、スプリング軸401に沿って移動する。コッキングパーツ103がスプリング軸401に沿って後方に移動すると、スプリング402がコッキングパーツ103に対して前方への付勢力を加えつつ徐々に圧縮される。
【0025】
スプリング軸401の後端下方には検知部107としてのスイッチ403が設けられている。スイッチ403は、ピン押ボタン431とプレート432とを有しており、プレート432を介してピン押ボタン431が押下される。ピン押ボタン431の押下は、配線433を介して制御部108に通知される。つまり、コッキングハンドル101を3回引くと、スイッチ403がその3回のON操作を検知して制御部108に伝える。
【0026】
図5に示すように、コッキングハンドル101が後端までスライド移動されると、スプリング402が圧縮され、コッキングパーツ103に対して前方に付勢力が加えられる。そして、同時に、コッキングパーツ103の後部下面がプレート432を下方に付勢し、ピン押ボタン431がプレート432を介して押下される。
【0027】
図6図7は、電動玩具銃100のコッキングハンドル101部分の内部構成を示す部分破断斜視図である。ケーシングの破断面601、701がハッチングで示されている。図6は、コッキングハンドル101が正常位置にある状態、図7は、コッキングハンドル101が後端位置にある状態を示している。図6図7に示されるように、コッキングパーツ103は、ハンドルレール102に裏側に延設され、スイッチ403をON状態にする。
【0028】
以上、本実施形態によれば、オートストップの解除をコッキングハンドル101の操作によって行なうため、誤動作による発射を効果的に防止できる。また、実銃のギミックをリアルに再現できる。つまり、実銃は弾を入れただけでは撃てず、コッキングして装填することが必要となっているが、本願発明でも、マガジン装着時やバッテリ接続時にそのギミックが再現される。
【0029】
[他の実施形態]
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の技術的範囲で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、それぞれの実施形態に含まれる別々の特徴を如何様に組み合わせたシステムまたは装置も、本発明の技術的範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7