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特許7360715制御システム、情報システム、情報処理方法およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-04
(45)【発行日】2023-10-13
(54)【発明の名称】制御システム、情報システム、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/86 20140101AFI20231005BHJP
   A63F 13/75 20140101ALI20231005BHJP
   A63F 13/812 20140101ALI20231005BHJP
   A63F 13/497 20140101ALI20231005BHJP
【FI】
A63F13/86
A63F13/75
A63F13/812 A
A63F13/497
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020217910
(22)【出願日】2020-12-25
(65)【公開番号】P2022102882
(43)【公開日】2022-07-07
【審査請求日】2022-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金原 俊明
(72)【発明者】
【氏名】千葉 茂
(72)【発明者】
【氏名】進邦 嗣郎
(72)【発明者】
【氏名】井上 快
(72)【発明者】
【氏名】平井 純貴
(72)【発明者】
【氏名】酒井 昭
【審査官】柳 重幸
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-253659(JP,A)
【文献】特開2002-239225(JP,A)
【文献】特開2017-074307(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105468607(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F 13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上のプレイヤがプレイするゲームを進行させるゲームシステムから、前記ゲームの状況を表す状況データを取得する状況データ取得部と、
前記状況データ取得部が取得した前記状況データと、解説情報に関する条件が設定された設定データとを利用して、前記ゲームの状況に関する解説情報であって、前記ゲームの状況を表すゲーム動画の配信先の端末装置が当該ゲーム動画とともに再生する解説情報を生成する情報生成部とを具備し、
前記設定データは、相異なる複数の登録情報の各々について、当該登録情報を含む解説情報の生成の許可/禁止を表す可否データをプレイヤ毎に含み、
前記情報生成部は、前記複数の登録情報のうち一の登録情報に対応する前記可否データが許可を表す場合に、前記一の登録情報を含む前記解説情報を生成し、前記可否データが禁止を表す場合に、前記一の登録情報を含む前記解説情報を生成しない
制御システム。
【請求項2】
第1プレイヤと第2プレイヤとを含む複数のプレイヤがプレイするゲームを進行させるゲームシステムから、前記ゲームの状況を表す状況データを取得する状況データ取得部と、
前記状況データ取得部が取得した前記状況データと、解説情報に関する条件が設定された設定データとを利用して、前記ゲームの状況に関する解説情報であって、前記ゲームの状況を表すゲーム動画の配信先の端末装置が当該ゲーム動画とともに再生する解説情報を生成する情報生成部とを具備し、
前記設定データは、前記第1プレイヤに対応する複数の登録情報が登録された第1参照データと、前記第2プレイヤに対応する複数の登録情報が登録された第2参照データとを含み、
前記情報生成部は、前記第1プレイヤについて、前記第1参照データに登録された前記複数の登録情報の何れかを含む解説情報を生成し、前記第2プレイヤについて、前記第2参照データに登録された前記複数の登録情報の何れかを含む解説情報を生成する
制御システム。
【請求項3】
前記設定データは、前記ゲームシステムにおいて使用されない補助情報を含み、
前記解説情報は、前記補助情報を含む
請求項1または請求項2の制御システム。
【請求項4】
前記状況データは、前記ゲームにおいて順次に発生するイベントを表し、
前記設定データは、相異なるイベントに対応する複数の登録情報を含み、
前記解説情報は、前記複数の登録情報のうち、前記状況データが表すイベントに対応する登録情報を含む
請求項1から請求項3の何れかの制御システム。
【請求項5】
前記設定データは、前記複数の登録情報のうち1以上の登録情報について、当該登録情報を含む解説情報の生成条件を表す条件データを含み、
前記情報生成部は、前記イベントに対応する登録情報を含む解説情報を、当該登録情報に対応する前記条件データが表す生成条件が成立する場合に生成する
請求項の制御システム。
【請求項6】
1以上のプレイヤがプレイするゲームを進行させるゲームシステムと、
前記ゲームシステムと通信する制御システムと
前記ゲームの状況を表すゲーム動画が配信される端末装置と
を具備する情報システムであって、
前記制御システムは、
前記ゲームの状況を表す状況データを前記ゲームシステムから取得する状況データ取得部と、
前記状況データ取得部が取得した前記状況データと、解説情報に関する条件が設定された設定データとを利用して、前記ゲームの状況に関する解説情報であって、前記端末装置が前記ゲーム動画とともに再生する解説情報を生成する情報生成部とを含み、
前記端末装置は、
前記制御システムから前記解説情報を受信する受信処理部と、
前記ゲーム動画を再生する再生処理部と、
解説情報に関する条件を利用者からの指示に応じて設定する第2条件設定部とを含み、
前記再生処理部は、前記受信処理部が順次に受信する複数の解説情報のうち、前記第2条件設定部が設定した条件を充足する解説情報を、前記ゲーム動画とともに再生する
情報システム。
【請求項7】
前記ゲームシステムは、
前記ゲームにおいて発生するイベントに関する条件を設定する第1条件設定部と、
前記第1条件設定部が設定した条件を充足するイベントが前記ゲームにおいて発生した場合に、当該イベントを表す状況データを前記制御システムに送信する送信処理部と
を具備する請求項の情報システム。
【請求項8】
1以上のプレイヤがプレイするゲームを進行させるゲームシステムから、前記ゲームの状況を表す状況データを取得し、
前記状況データと、解説情報に関する条件が設定された設定データとを利用して、前記ゲームの状況に関する解説情報であって、前記ゲームの状況を表すゲーム動画が配信される配信先の端末装置が当該ゲーム動画とともに再生する解説情報を生成する
コンピュータシステムにより実現される情報処理方法であって、
前記設定データは、相異なる複数の登録情報の各々について、当該登録情報を含む解説情報の生成の許可/禁止を表す可否データをプレイヤ毎に含み、
前記解説情報の生成においては、前記複数の登録情報のうち一の登録情報に対応する前記可否データが許可を表す場合に、前記一の登録情報を含む前記解説情報を生成し、前記可否データが禁止を表す場合に、前記一の登録情報を含む前記解説情報を生成しない
情報処理方法。
【請求項9】
第1プレイヤと第2プレイヤとを含む複数のプレイヤがプレイするゲームを進行させるゲームシステムから、前記ゲームの状況を表す状況データを取得し、
前記状況データと、解説情報に関する条件が設定された設定データとを利用して、前記ゲームの状況に関する解説情報であって、前記ゲームの状況を表すゲーム動画が配信される配信先の端末装置が当該ゲーム動画とともに再生する解説情報を生成する
コンピュータシステムにより実現される情報処理方法であって、
前記設定データは、前記第1プレイヤに対応する複数の登録情報が登録された第1参照データと、前記第2プレイヤに対応する複数の登録情報が登録された第2参照データとを含み、
前記解説情報の生成においては、前記第1プレイヤについて、前記第1参照データに登録された前記複数の登録情報の何れかを含む解説情報を生成し、前記第2プレイヤについて、前記第2参照データに登録された前記複数の登録情報の何れかを含む解説情報を生成する
情報処理方法。
【請求項10】
1以上のプレイヤがプレイするゲームを進行させるゲームシステムから、前記ゲームの状況を表す状況データを取得する状況データ取得部、および、
前記状況データ取得部が取得した前記状況データと、解説情報に関する条件が設定された設定データとを利用して、前記ゲームの状況に関する解説情報であって、前記ゲームの状況を表すゲーム動画が配信される配信先の端末装置が当該ゲーム動画とともに再生する解説情報を生成する情報生成部
としてコンピュータシステムを機能させるプログラムであって、
前記設定データは、相異なる複数の登録情報の各々について、当該登録情報を含む解説情報の生成の許可/禁止を表す可否データをプレイヤ毎に含み、
前記情報生成部は、前記複数の登録情報のうち一の登録情報に対応する前記可否データが許可を表す場合に、前記一の登録情報を含む前記解説情報を生成し、前記可否データが禁止を表す場合に、前記一の登録情報を含む前記解説情報を生成しない
プログラム。
【請求項11】
第1プレイヤと第2プレイヤとを含む複数のプレイヤがプレイするゲームを進行させるゲームシステムから、前記ゲームの状況を表す状況データを取得する状況データ取得部、および、
前記状況データ取得部が取得した前記状況データと、解説情報に関する条件が設定された設定データとを利用して、前記ゲームの状況に関する解説情報であって、前記ゲームの状況を表すゲーム動画が配信される配信先の端末装置が当該ゲーム動画とともに再生する解説情報を生成する情報生成部
としてコンピュータシステムを機能させるプログラムであって、
前記設定データは、前記第1プレイヤに対応する複数の登録情報が登録された第1参照データと、前記第2プレイヤに対応する複数の登録情報が登録された第2参照データとを含み、
前記情報生成部は、前記第1プレイヤについて、前記第1参照データに登録された前記複数の登録情報の何れかを含む解説情報を生成し、前記第2プレイヤについて、前記第2参照データに登録された前記複数の登録情報の何れかを含む解説情報を生成する
プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のプレイヤが各種のゲームで競技するイベント(esports)の普及等を背景として、ゲームの状況を表す動画(以下「ゲーム動画」という)を配信する各種の技術が提案されている(例えば特許文献1)。ゲーム動画には、ゲームの状況を解説する文字列が付加される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-189803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、解説用の文字列をゲーム動画に付加するためには、ゲーム動画の提供者が、ゲームの進行に並行して当該文字列を手動で入力する必要があり、作業の負荷が過大であるという問題がある。以上の事情を考慮して、本発明は、ゲームに関する解説を表す情報を入力するための負荷を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本発明のひとつの態様に係る制御システムは、1以上のプレイヤがプレイするゲームを進行させるゲームシステムから、前記ゲームの状況を表す状況データを取得する状況データ取得部と、前記状況データ取得部が取得した前記状況データと、解説情報に関する条件が設定された設定データとを利用して、前記ゲームの状況に関する解説情報であって、前記ゲームの状況を表すゲーム動画の配信先の端末装置が当該ゲーム動画とともに再生する解説情報を生成する情報生成部とを具備する。
【0006】
本発明のひとつの態様に係る情報システムは、1以上のプレイヤがプレイするゲームを進行させるゲームシステムと、前記ゲームシステムと通信する制御システムとを具備する情報システムであって、前記制御システムは、前記ゲームの状況を表す状況データを前記ゲームシステムから取得する状況データ取得部と、前記状況データ取得部が取得した前記状況データと、解説情報に関する条件が設定された設定データとを利用して、前記ゲームの状況に関する解説情報であって、前記ゲームの状況を表すゲーム動画が配信される配信先の端末装置が当該ゲーム動画とともに再生する解説情報を生成する情報生成部とを含む。
【0007】
本発明のひとつの態様に係る情報処理方法は、1以上のプレイヤがプレイするゲームを進行させるゲームシステムから、前記ゲームの状況を表す状況データを取得し、前記状況データと、解説情報に関する条件が設定された設定データとを利用して、前記ゲームの状況に関する解説情報であって、前記ゲームの状況を表すゲーム動画が配信される配信先の端末装置が当該ゲーム動画とともに再生する解説情報を生成する。
【0008】
本発明のひとつの態様に係るプログラムは、1以上のプレイヤがプレイするゲームを進行させるゲームシステムから、前記ゲームの状況を表す状況データを取得する状況データ取得部、および、前記状況データ取得部が取得した前記状況データと、解説情報に関する条件が設定された設定データとを利用して、前記ゲームの状況に関する解説情報であって、前記ゲームの状況を表すゲーム動画が配信される配信先の端末装置が当該ゲーム動画とともに再生する解説情報を生成する情報生成部、としてコンピュータシステムを機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係る情報システムの構成を例示するブロック図である。
図2】配信動画の模式図である。
図3】ゲームシステムの構成を例示するブロック図である。
図4】ゲーム処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。
図5】状況データXの模式図である。
図6】制御システムの構成を例示するブロック図である。
図7】制御システムの機能的な構成を例示するブロック図である。
図8】補助データの模式図である。
図9】参照データの模式図である。
図10】生成処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。
図11】解説処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。
図12】端末装置の構成を例示するブロック図である。
図13】端末装置の構成を例示するブロック図である。
図14】第2実施形態における設定データの模式図である。
図15】第2実施形態における解説処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。
図16】第3実施形態におけるゲームシステムの機能的な構成を例示するブロック図である。
図17】第3実施形態におけるゲーム処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。
図18】第4実施形態における端末装置の機能的な構成を例示するブロック図である。
図19】第4実施形態における再生処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。
図20】第5実施形態における配信動画の模式図である。
図21】第5実施形態において操作画像が操作された場合の配信動画の模式図である。
図22】変形例に係る情報システムの構成を例示するブロック図である。
図23】変形例に係る情報システムの構成を例示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。以下に記載する実施の形態は、技術的に好適な種々の限定を含む。本発明の範囲は、以下に例示する形態には限定されない。
【0011】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る情報システム1の構成を例示するブロック図である。情報システム1は、プレイヤPaとプレイヤPbとがプレイするゲームに関する動画(以下「配信動画」という)Vを端末装置10に配信するためのコンピュータシステムである。例えば、多数の出場者が参加する競技イベント(esports)において、プレイヤPaとプレイヤPbとが野球ゲームにより対戦する。野球ゲームは、複数のキャラクタで構成されるプレイヤPaのチームと、複数のキャラクタで構成されるプレイヤPbのチームとが、野球により対戦するゲームである。配信動画Vは、画像(動画および静止画)と音声とを含むコンテンツであり、野球ゲームの進行に並行して実時間的に端末装置10に配信(すなわちライブ配信)される。なお、以下の説明においては、プレイヤPaとプレイヤPbとを特に区別する必要がない場合には単に「プレイヤP」と表記する。
【0012】
図2は、配信動画Vを例示する模式図である。図2に例示される通り、配信動画Vは、ゲーム動画Gと解説文Cとを含む。ゲーム動画Gは、プレイヤPaとプレイヤPbとが対戦する野球ゲームの状況を表す動画である。配信動画Vのうちゲーム動画Gに隣合う解説領域Vaに1以上の解説文Cが表示される。解説文Cは、野球ゲームにおけるイベントの発生等の各種の状況を解説するための文字列である。解説文Cは、1以上の単語および1以上の文の一方または双方を含む。解説文Cは、ゲーム動画Gから直接的に把握できる情報のほか、ゲーム動画Gからは把握できない多様な情報を含む。
【0013】
図1の端末装置10は、配信動画Vを再生可能な機器である。例えば、携帯電話機,スマートフォン,タブレット端末またはパーソナルコンピュータ等の可搬型または据置型の情報端末が端末装置10として利用される。また、例えばテレビジョン受像機等の表示機器も端末装置10として利用される。端末装置10は、情報システム1から配信された図2の配信動画Vを再生する。すなわち、解説文Cがゲーム動画Gとともに表示される。端末装置10の利用者Uは、野球ゲームの進行に並行して実時間的に、野球ゲームの状況を表す配信動画Vを視聴する。具体的には、利用者Uは、配信動画Vのゲーム動画Gを視聴することでゲームの進行を把握し、かつ、解説文Cを参照することで進行の状況に関する詳細な情報を確認できる。なお、実際には複数の端末装置10の各々に配信動画Vが配信されるが、以下の説明においては便宜的にひとつの端末装置10に着目する。
【0014】
図1に例示される通り、情報システム1は、ゲームシステム20と制御システム30と配信システム40とゲームサーバ50とを具備する。情報システム1を構成する各要素は、例えばインターネット等の通信網2を介して相互に通信可能である。また、配信システム40は、通信網2を介して端末装置10と通信可能である。
【0015】
ゲームシステム20は、野球ゲームを制御する。具体的には、ゲームシステム20は、各プレイヤPからの操作に応じて野球ゲームを進行させるほか、状況データXと動画データD1とを制御システム30に送信する。状況データXは、野球ゲームの現在の状況を表すデータである。動画データD1は、野球ゲームの動画を表すデータである。制御システム30は、状況データXから解説データYを生成し、動画データD1から動画データD2を生成する。解説データYは、前述の解説文Cを表すテキストデータである。動画データD2は、野球ゲームのゲーム動画Gを表すデータである。配信システム40は、制御システム30が生成した解説データYと動画データD2とを端末装置10に送信する。解説データYが表す解説文Cと動画データD2が表すゲーム動画Gとを含む図2の配信動画Vが、端末装置10により表示される。
【0016】
図3は、ゲームシステム20の構成を例示するブロック図である。図3に例示される通り、ゲームシステム20は、制御装置21と記憶装置22と通信装置23と複数のゲームユニット24(24a,24b)とを具備するコンピュータシステムである。なお、ゲームシステム20は、単体の装置として実現されるほか、相互に別体で構成された複数の装置でも実現される。
【0017】
制御装置21は、例えばゲームシステム20の各要素を制御する単数または複数のプロセッサで構成される。具体的には、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の1種類以上のプロセッサにより、制御装置21が構成される。
【0018】
記憶装置22は、制御装置21が実行するプログラムと制御装置21が使用する各種のデータとを記憶する単数または複数のメモリである。例えば半導体記録媒体および磁気記録媒体等の公知の記録媒体、または複数種の記録媒体の組合せが、記憶装置22として利用される。通信装置23は、通信網2を介して制御システム30と通信する。
【0019】
各ゲームユニット24(24a,24b)は、プレイヤPがゲームのプレイに使用するユーザインタフェースである。プレイヤPaはゲームユニット24aを使用し、プレイヤPbはゲームユニット24bを使用する。なお、野球ゲームに専用される機器のほか、例えばスマートフォン,タブレット端末またはパーソナルコンピュータ等の汎用の情報端末も、ゲームユニット24として利用される。
【0020】
各ゲームユニット24は、操作装置241と表示装置242とを具備する。操作装置241は、各プレイヤPによる操作を受付ける入力機器である。表示装置242は、制御装置21による制御のもとで各種の画像を表示する。例えば、表示装置242は、ゲームの状況を表すプレイ画面を表示する。プレイ画面は、各プレイヤPがゲームのプレイ中に視認する動画である。なお、ゲームユニット24aの表示装置242が表示するプレイ画面と、ゲームユニット24bの表示装置242が表示するプレイ画面との異同は不問である。
【0021】
図4は、制御装置21が野球ゲームを制御する処理(以下「ゲーム処理」という)Saの具体的な手順を例示するフローチャートである。例えば、操作装置241に対する野球ゲームの開始の指示を契機として、ゲーム処理Saが開始される。
【0022】
ゲーム処理Saが開始されると、制御装置21は、各操作装置241に対するプレイヤPからの操作に応じて野球ゲームを進行させる(Sa100)。制御装置21は、各表示装置242にプレイ画面を表示させる(Sa102)。また、制御装置21は、野球ゲームの現在の状況を表す動画の動画データD1を生成し、当該動画データD1を通信装置23から制御システム30に送信する(Sa104)。動画データD1が表す動画は、例えば、複数のゲームユニット24の何れかの表示装置242が表示するプレイ画面と同等の動画である。ただし、プレイ動画とは別個に生成された動画の動画データD1が生成されてもよい。
【0023】
制御装置21は、野球ゲームの進行の結果としてイベントが発生したか否かを判定する(Sa106)。イベントは、野球ゲームの進行により随時に発生する各種の事象である。例えば野球ゲームの試合の開始または終了等の事象がイベントとして例示される。また、野球ゲームの打撃側については、例えば「ヒット」「ホームラン」「盗塁」「得点」「打者交代」等の各種の事象がイベントとして例示される。野球ゲームの守備側については、例えば「奪三振」「牽制球」「フライの捕球」「投手交代」等の各種の事象がイベントとして例示される。
【0024】
イベントが発生した場合(Sa106:YES)、制御装置21は、当該イベントに関する状況データXを生成し(Sa108)、当該状況データXを通信装置23から制御システム30に送信する(Sa110)。他方、イベントが発生しない場合(S106:NO)、状況データXの生成(Sa108)および送信(Sa110)は実行されない。
【0025】
制御装置21は、野球ゲームが終了したか否かを判定する(Sa112)。野球ゲームが終了していない場合(Sa112:NO)、制御装置21は、処理をステップSa100に移行する。以上の例示の通り、第1実施形態においては、野球ゲームの進行に並行して動画データD1と状況データXとが制御システム30に送信される。具体的には、動画データD1は所定の周期で順次に送信され、状況データXはイベントの発生毎に送信される。野球ゲームが終了した場合(Sa112:YES)、制御装置21はゲーム処理Saを終了する。
【0026】
図5は、ひとつのイベントに対応する状況データXの模式図である。図5においては、相異なる種類のイベントに対応する複数の状況データX(X[1],X[2],X[3],…)が併記されている。図5に例示される通り、状況データXは、識別情報x1と発生時刻x2とイベント種別x3と対象プレイヤx4と対象キャラクタx5と詳細情報x6と制御情報x7とを含む。
【0027】
識別情報x1は、野球ゲームの1試合内において各イベントを識別するための符号列である。発生時刻x2は、イベントが発生した時刻である。例えば、野球ゲームの試合が開始された時点、または動画データD1の送信を開始した時点からの経過時間が、発生時刻x2として指定される。イベント種別x3は、イベントの内容に関する種別である。例えば「試合開始」「三振」「奪三振」「ヒット」「盗塁」「ホームラン」「得点」等の種別が、イベント種別x3として指定される。
【0028】
対象プレイヤx4は、イベントを発生させたプレイヤPを表す情報である。例えば「三振」「ヒット」「盗塁」「ホームラン」「得点」等の攻撃側に特有のイベントについては、攻撃側のプレイヤP(図5ではプレイヤPa)が対象プレイヤx4として指定される。また、「奪三振」等の守備側に特有のイベントについては、守備側のプレイヤP(図5ではプレイヤPb)が対象プレイヤx4として指定される。
【0029】
対象キャラクタx5は、野球ゲームに登場する複数のキャラクタのうちイベントを発生させたキャラクタを表す情報である。例えば、「三振」「ヒット」「ホームラン」等の攻撃側のイベントについては、攻撃側のチームにおける打者のキャラクタが、対象キャラクタx5として指定される。また、「奪三振」等の守備側のイベントについては、守備側のチームにおける投手のキャラクタが、対象キャラクタx5として指定される。
【0030】
詳細情報x6は、イベントに関する詳細な情報である。例えば、「三振」「奪三振」「ヒット」「ホームラン」等のイベントについて、守備側のプレイヤPが投球時に選択した球種が詳細情報x6として設定される。投球に関係しない「盗塁」等のイベントについては、詳細情報x6は設定されない。
【0031】
制御情報x7は、野球ゲームに関する各種の変数について現在の数値を指定する情報である。例えば、制御情報x7は、「奪三振数」「本塁打数」「得点差」等の変数について現在の数値を指定する。図5における「本塁打数:1」は、「ホームラン」のイベントの発生によりプレイヤPaの「本塁打数」が「1」に変更されたことを意味する。また、図5の「奪三振数:3」は、「奪三振」のイベントの発生によりプレイヤPbの「奪三振数」が「3」に変更されたことを意味する。また、「得点差:-2」は、「得点」のイベントの発生によりプレイヤPaとプレイヤPbとの間の「得点差」が「-2」に変更されたことを意味する。
【0032】
以上の説明から理解される通り、状況データXは、野球ゲームにおいて発生するイベントを表す。前述の通り、状況データXは、野球ゲームの進行中におけるイベントの発生毎に、ゲームシステム20から制御システム30に送信される。なお、状況データXの形式または内容は、図5の例示に限定されない。
【0033】
図6は、制御システム30の構成を例示するブロック図である。図6に例示される通り、制御システム30は、制御装置31と記憶装置32と通信装置33と操作装置34と表示装置35とを具備するコンピュータシステムである。例えば、携帯電話機,スマートフォン,タブレット端末またはパーソナルコンピュータ等の可搬型または据置型の情報端末が制御システム30として利用される。なお、制御システム30は、単体の装置として実現されるほか、相互に別体で構成された複数の装置でも実現される。
【0034】
制御装置31は、例えば制御システム30の各要素を制御する単数または複数のプロセッサで構成される。具体的には、例えばCPU、GPU、DSP、FPGA、またはASIC等の1種類以上のプロセッサにより、制御装置31が構成される。
【0035】
記憶装置32は、制御装置31が実行するプログラムと制御装置31が使用する各種のデータとを記憶する単数または複数のメモリである。例えば半導体記録媒体および磁気記録媒体等の公知の記録媒体、または複数種の記録媒体の組合せが、記憶装置32として利用される。
【0036】
通信装置33は、通信網2を介してゲームシステム20および配信システム40の各々と通信する。具体的には、通信装置33は、動画データD1と状況データXとをゲームシステム20から受信する。また、通信装置33は、動画データD2と解説データYとを配信システム40に送信する。
【0037】
操作装置34は、管理者Op1による操作を受付ける入力機器である。管理者Op1は、制御システム30を管理および運営するオペレータである。例えば、管理者Op1が操作する操作子、または管理者Op1による接触を検知するタッチパネルが、操作装置34として利用される。表示装置35は、制御装置31による制御のもとで各種の画像を表示する。
【0038】
図7は、制御システム30の機能的な構成を例示するブロック図である。図7に例示される通り、制御システム30の制御装置31は、記憶装置32に記憶されたプログラムを実行することで複数の機能(状況データ取得部311,情報生成部312,動画データ編集部313および設定データ処理部314)を実現する。
【0039】
動画データ編集部313は、通信装置33がゲームシステム20から受信した動画データD1を処理することで動画データD2を生成する。具体的には、動画データ編集部313は、例えば編集処理と変換処理とを動画データD1に対して実行することで動画データD2を生成する。編集処理は、動画データD1が表す動画を編集する処理である。具体的には、編集処理は、動画データD1が表す画像に各種の画像を付加する処理を含む。例えば、各プレイヤPを撮像装置により撮像した動画、または演出用/装飾用の画像が編集処理により付加される。変換処理は、データ形式を変換する処理である。例えば、非圧縮データ形式の動画データD1を圧縮データ形式の動画データD2に変換する圧縮処理が、変換処理の一例である。以上の説明から理解される通り、動画データD1と動画データD2とはデータ形式が相違する。ただし、動画データD1と動画データD2とでデータ形式を共通させてもよい。また、動画データD1は圧縮データでもよい。動画データ編集部313がゲームシステム20に搭載された構成も想定される。
【0040】
状況データ取得部311は、野球ゲームの状況を表す状況データXをゲームシステム20から取得する。具体的には、状況データ取得部311は、ゲームシステム20から送信された状況データXを通信装置33により受信する。
【0041】
情報生成部312は、状況データ取得部311が取得した状況データXを利用して解説文Cを生成する。また、情報生成部312は、解説文Cを表す解説データYを通信装置33から配信システム40に送信する。情報生成部312による解説文Cの生成には、状況データXとともに設定データZが利用される。設定データZは、解説文Cに関する条件が設定されたデータである。図7の設定データ処理部314は、設定データZを生成する。すなわち、設定データ処理部314が生成した設定データZが記憶装置32に記憶され、情報生成部312による解説文Cの生成に利用される。図7に例示される通り、第1実施形態の設定データZは、補助データQと参照データRとを含む。
【0042】
補助データQは、解説文Cに使用される情報が登録されたデータテーブルである。具体的には、補助データQは、ゲームシステム20において使用されない情報(以下「補助情報」という)を含む。補助情報は、野球ゲームの制御には使用されない情報であり、記憶装置22に記憶されない情報、またはプレイ画面に表示されない情報とも換言される。
【0043】
図8は、補助データQの具体的な内容を例示する模式図である。図8に例示される通り、補助データQは、プレイヤPaおよびプレイヤPbの各々についてプレイヤ名q1と通算成績q2とが登録されたデータである。
【0044】
プレイヤ名q1は、プレイヤP毎に個別に設定された名称である。ゲームシステム20においては、各プレイヤPが「Player 1」「Player 2」等の一般的な識別情報(すなわち複数のプレイヤPに共用される情報)により識別され、個々のプレイヤP毎に個別に設定された名称は使用されない。したがって、補助データQに登録されたプレイヤ名q1は、ゲームシステム20において使用されない補助情報である。
【0045】
通算成績q2は、各プレイヤPが過去にプレイした複数の試合にわたる成績の通算値である。具体的には、通算成績q2は、通算勝敗数q21と通算本塁打数q22と通算奪三振数q23とを含む。通算勝敗数q21は、過去の複数の試合にわたる各プレイヤPの勝利数と敗北数と引分数とを含む。また、通算本塁打数q22は、過去の複数の試合にわたり各プレイヤPの本塁打の回数を合計した数値である。通算奪三振数q23は、過去の複数の試合にわたり各プレイヤPの奪三振の回数を合計した数値である。なお、ゲームシステム20においては、野球ゲームにおける各プレイヤPの成績は1試合毎に初期化され、複数の試合にわたる成績の通算値は使用されない。したがって、補助データQに登録された通算成績q2(q21-q23)は、ゲームシステム20において使用されない補助情報である。
【0046】
参照データRは、解説文Cに使用される情報と解説文Cの生成の条件とが登録されたデータテーブルである。図9は、参照データRの具体的な内容を例示する模式図である。図9に例示される通り、参照データRは、複数の登録文r1が登録されたデータテーブルである。複数の登録文r1の各々は、複数のイベント種別x3の何れかに対応する。ひとつのイベント種別x3について1以上の登録文r1が登録される。すなわち、ひとつのイベント種別x3についてひとつの登録文r1が登録される場合のほか、ひとつのイベント種別x3について複数の登録文r1が重複して登録される場合もある。
【0047】
各登録文r1は、解説文Cの一部または全部を構成する文字列である。具体的には、登録文r1は、1以上の単語および1以上の文の一方または双方を含む文字列である。情報生成部312は、複数の登録文r1のうち状況データXに応じて選択した1以上の登録文(以下「選択登録文」という)r1を利用して解説文Cを生成する。選択登録文r1は、複数の登録文r1のうち状況データXが表すイベント種別x3に対応する1以上の登録文r1である。すなわち、野球ゲームにおいて直近に発生したイベントのイベント種別x3に対応する登録文r1が、解説文Cの生成のための選択登録文r1として選択される。
【0048】
複数の登録文r1のなかには、1以上の可変部を含む登録文r1が存在する。可変部は、登録文r1のうち野球ゲームの状況に関する可変の情報が挿入される部分である。情報生成部312は、選択登録文r1の可変部に情報を挿入することで解説文Cを生成する。可変部に挿入される情報を変更することで、相異なる複数の解説文Cがひとつの登録文r1から生成される。すなわち、登録文r1は、相異なる複数の解説文Cにおいて共用される定型的な文字列である。なお、参照データRの複数の登録文r1のなかには、可変部を含まない登録文r1も存在する。
【0049】
各登録文r1の可変部については、当該可変部に挿入されるべき情報が指定される。具体的には、状況データXに含まれる情報(x3-x7)と補助データQに含まれる情報(q1,q2)とを含む複数の情報の何れかが、可変部毎に指定される。情報生成部312は、選択登録文r1の可変部に、当該可変部について指定された情報を挿入することで、解説文Cを生成する。なお、補助データQに含まれる情報(q1,q2)は、前述の通り補助情報である。したがって、解説データYが表す解説文Cには、補助情報が含まれる場合がある。
【0050】
図10は、情報生成部312が選択登録文r1を利用して解説文Cを生成する処理(以下「生成処理」という)Sbの具体的な手順を例示するフローチャートである。
【0051】
生成処理Sbが開始されると、情報生成部312は、選択登録文r1が可変部を含むか否かを判定する(Sb100)。選択登録文r1が可変部を含む場合(Sb100:YES)、可変部に挿入されるべき情報を状況データXまたは補助データQから特定する(Sb102)。具体的には、状況データXに含まれる情報(x3-x7)と補助データQに含まれる情報(q1,q2)とを含む複数の情報から、当該可変部について指定された情報が特定される。情報生成部312は、選択登録文r1の可変部に当該情報を挿入することで解説文Cを生成する(Sb104)。他方、選択登録文r1が可変部を含まない場合(Sb100:NO)、情報生成部312は、選択登録文r1を解説文Cとして確定する(Sb106)。情報生成部312は、以上の手順(Sb104,Sb106)により確定した解説文Cを表す解説データYを生成する(Sb108)。
【0052】
例えば、図5における状況データX[3]を状況データ取得部311が取得した場合を想定する。選択登録文r1は、参照データRの複数の登録文r1のうち、状況データX[3]のイベント種別x3「2ベースヒット」に対応する登録文r1「[q1]、2ベースヒットです!」である。選択登録文r1は、補助データQのプレイヤ名q1が指定された可変部を含む。状況データX[3]が表す対象プレイヤx4はプレイヤPaであるから、情報生成部312は、補助データQが当該プレイヤPaについて表すプレイヤ名q1「AAA」を可変部に挿入することで、「AAA、2ベースヒットです!」という解説文Cを生成する。
【0053】
また、図5における状況データX[7]を状況データ取得部311が取得した場合を想定する。選択登録文r1は、参照データRの複数の登録文r1のうち、状況データX[7]のイベント種別x3「奪三振」に対応する登録文r1「[q1]、これで[x7]つ目の奪三振です!」である。選択登録文r1は、プレイヤ名q1が指定された可変部と制御情報x7が指定された可変部とを含む。状況データX[7]が表す対象プレイヤx4はプレイヤPbであるから、情報生成部312は、補助データQが当該プレイヤPbについて表すプレイヤ名q1「BBB」を第1番目の可変部に挿入し、かつ、状況データX[7]の制御情報x7「3」を第2番目の可変部に挿入することで、「BBB、これで3つ目の奪三振です!」という解説文Cを生成する。
【0054】
また、図9においてイベント種別x3「ホームラン」に対応する登録文r1のひとつは、「[q1]、今期通算[q22+x7]本目のホームランです!」である。当該登録文r1における第2番目の可変部には、補助データQが表す通算本塁打数q22と、状況データXの制御情報x7が表す数値との合計値が挿入される。例えば、通算本塁打数q22が「29」であり、制御情報x7が「1」である場合(q22+x7=30)、図2の例示の通り「AAA、今季通算30本目のホームランです!」という解説文Cが生成される。以上の例示の通り、情報生成部312は、状況データXに含まれる情報(x3-x7)と補助データQに含まれる情報(q1,q2)とを含む複数の情報のうち2以上の情報の組合せにより、挿入部に挿入すべき情報(補助情報を含む)を生成する場合がある。
【0055】
図9に例示される通り、参照データRは、複数の登録文r1の各々について可否データr2(r2a,r2b)を含む。各登録文r1に対応する可否データr2は、当該登録文r1を含む解説文Cの生成の許可/禁止を表すデータである。可否データr2はプレイヤP毎に設定される。具体的には、可否データr2aはプレイヤPaに関するデータであり、可否データr2bはプレイヤPbに関するデータである。例えば、各登録文r1に対応する可否データr2aが許可を表す場合、情報生成部312は、プレイヤPaに関する解説文Cを当該登録文r1から生成する。他方、当該可否データr2aが禁止を表す場合、情報生成部312は、当該登録文r1を含む解説文Cを生成しない。可否データr2bについても同様である。なお、可否データr2は参照データRから省略されてもよい。
【0056】
図9に例示される通り、参照データRは、複数の登録文r1のうち1以上の登録文r1について条件データr3を含む。各登録文r1に対応する条件データr3は、当該登録文r1を含む解説文Cを生成する条件(以下「生成条件」という)を表すデータである。具体的には、条件データr3が表す生成条件は、野球ゲームの現在の状況に関する条件である。例えば、「[q1]、これで今季通算[通算本塁打数q22+制御情報x7]本目のホームランです!」という登録文r1については、通算本塁打数q22と制御情報x7の数値との合計が10の倍数である(q22+x7=10n。nは自然数)、という生成条件が登録される。情報生成部312は、条件データr3が表す生成条件が成立する場合に、登録文r1を含む解説文Cを生成し、当該生成条件が成立しない場合には、登録文r1を含む解説文Cを生成しない。なお、複数の登録文r1のなかには、条件データr3が登録された登録文r1と、条件データr3が登録されない登録文r1とが存在する。条件データr3が登録されない登録文r1については、可否データr2が許可を表すことのみを条件として解説文Cが生成される。また、条件データr3は参照データRから省略されてもよい。
【0057】
以上の例示から理解される通り、補助データQにおけるプレイヤ名q1および通算成績q2と、参照データRの登録文r1とは、解説文Cの内容に関する条件を表すデータである。他方、参照データRの可否データr2および条件データr3は、解説文Cの生成に関する条件を表すデータである。したがって、補助データQと参照データRとを含む設定データZは、解説文Cに関する条件(内容または生成に関する条件)を設定するデータと表現される。
【0058】
図11は、制御システム30の制御装置31が解説データYを生成する処理(以下「解説処理」という)Scの具体的な手順を例示するフローチャートである。解説処理Scは、操作装置34に対する管理者Op1からの指示を契機として開始され、野球ゲームの進行に並行して継続される。解説処理Scは、「情報処理方法」の一例である。
【0059】
解説処理Scが開始されると、状況データ取得部311は、状況データXをゲームシステム20から取得するまで待機する(Sc100:NO)。状況データ取得部311が状況データXを取得した場合(Sc100:YES)、情報生成部312は、参照データRに登録された複数の登録文r1から、状況データXが表す状況に対応する選択登録文r1を検索する(Sc102)。具体的には、情報生成部312は、状況データXのイベント種別x3に対応する登録文r1を参照データRから検索する。
【0060】
情報生成部312は、選択登録文r1について条件データr3が登録されているか否かを判定する(Sc104)。すなわち、選択登録文r1を含む解説文Cについて生成条件が設定されているか否かが判定される。条件データr3が登録されている場合(Sc104:YES)、情報生成部312は、条件データr3が表す生成条件が成立したか否かを判定する(Sc106)。生成条件が成立しない場合(Sc106:NO)、情報生成部312は、後述のステップSc122に処理を移行する。他方、条件データr3が登録されていない場合(Sc104:NO)、または、生成条件が成立した場合(Sc106:YES)、情報生成部312は、選択登録文r1を含む解説文Cを生成するための処理(Sc108-Sc120)を実行する。すなわち、情報生成部312は、生成条件が設定された選択登録文r1については、当該生成条件が成立する場合に、当該選択登録文r1を含む解説文Cを生成する。
【0061】
情報生成部312は、状況データXに含まれる対象プレイヤx4がプレイヤPaであるか否かを判定する(Sc108)。対象プレイヤx4がプレイヤPaである場合(Sc108:YES)、情報生成部312は、選択登録文r1に対応する可否データr2aが許可を表すか否かを判定する(Sc110)。プレイヤPaの可否データr2aが許可を表す場合(Sc110:YES)、情報生成部312は、前述の生成処理Sbにより、選択登録文r1を含む解説文Cの解説データYを生成する(Sc112)。すなわち、状況データXが表すイベントに対応する登録文r1を含む解説文Cが生成される。情報生成部312は、解説データYを通信装置33から配信システム40に送信する(Sc114)。他方、可否データr2aが禁止を表す場合(Sc110:NO)、情報生成部312は、解説データYの生成(Sc112)および送信(Sc114)を実行しない。
【0062】
対象プレイヤx4がプレイヤPbである場合(Sc108:NO)、情報生成部312は、選択登録文r1に対応する可否データr2bが許可を表すか否かを判定する(Sc116)。プレイヤPbの可否データr2bが許可を表す場合(Sc116:YES)、情報生成部312は、前述の生成処理Sbにより、選択登録文r1を含む解説文Cの解説データYを生成する(Sc118)。情報生成部312は、解説データYを通信装置33から配信システム40に送信する(Sc120)。他方、可否データr2bが禁止を表す場合(Sc116:NO)、情報生成部312は、解説データYの生成(Sc118)および送信(Sc120)を実行しない。
【0063】
以上の処理を実行すると、制御装置31は、所定の終了条件が成立したか否かを判定する(Sc122)。終了条件は、例えば、操作装置34に対する操作で管理者Op1から終了が指示されること、または、野球ゲームの終了がゲームシステム20から通知されることである。終了条件が成立しない場合(Sc122:NO)、制御装置31は処理をステップSc100に移行する。すなわち、状況データ取得部311が状況データXの取得を待機する状態に遷移する。他方、終了条件が成立した場合(Sc122:YES)、制御装置31は解説処理Scを終了する。以上が解説処理Scの具体例である。
【0064】
図1のゲームサーバ50は、事前に登録された複数のプレイヤPの各々についてゲームデータを管理するサーバシステムである。各プレイヤPのゲームデータは、各プレイヤPに関する野球ゲームのプレイの記録である。具体的には、各プレイヤPのゲームデータには、当該プレイヤPのプレイヤ名と、当該プレイヤPの過去の成績(勝敗数,本塁打数,奪三振数,三振数等)とが登録される。
【0065】
図7の設定データ処理部314は、解説処理Scに利用される設定データZを生成する。図12は、設定データ処理部314が設定データZを生成する処理(以下「登録処理」という)Sdの具体的な手順を例示するフローチャートである。競技イベントの開始前に、操作装置34に対する管理者Op1からの指示を契機として登録処理Sdが実行される。登録処理Sdは、競技イベント毎、または競技イベントにおける野球ゲームの試合毎に実行される。なお、一連のゲーム動画Gの配信毎(例えば番組毎)に登録処理Sdが実行されてもよい
【0066】
登録処理Sdが開始されると、設定データ処理部314は、設定データZの補助データQを生成する(Sd100)。具体的には、設定データ処理部314は、プレイヤPaおよびプレイヤPbの各々についてゲームサーバ50が管理するゲームデータを参照することで、プレイヤPaとプレイヤPbとの対戦に関する補助データQを生成する。例えば、設定データ処理部314は、ゲームデータに登録されたプレイヤ名を補助データQのプレイヤ名q1として取得する。また、設定データ処理部314は、例えばゲームデータに登録された成績(勝敗数,本塁打数,奪三振数)を集計することで、補助データQにおける通算成績q2(通算勝敗数q21,通算本塁打数q22,通算奪三振数q23)を算定する。なお、設定データ処理部314は、操作装置34に対する管理者Op1からの指示に応じて補助データQの各要素(q1,q2)を設定してもよい。
【0067】
設定データ処理部314は、操作装置34に対する管理者Op1からの指示に応じて参照データRを生成する(Sd102-Sd106)。なお、補助データQの生成(Sd100)と参照データRの生成(Sd102-Sd106)との順序を逆転してもよい。
【0068】
管理者Op1は、操作装置34を操作することで、任意の登録文r1を制御システム30に指示する。設定データ処理部314は、管理者Op1から指示された複数の登録文r1を参照データRに登録する(Sd102)。具体的には、設定データ処理部314は、事前に用意された複数の登録文r1のうち管理者Op1が選択した登録文r1、または、操作装置34を利用して管理者Op1が直接的に入力した登録文r1を、参照データRに登録する。また、設定データ処理部314は、既存の登録文r1の内容を管理者Op1からの指示に応じて変更してもよい。
【0069】
管理者Op1は、例えば、野球ゲームについて予想される展開、または配信動画Vを視聴する利用者Uの傾向等の種々の事情に応じて登録文r1を指示する。例えば、双方のチームが投手の好投により接戦する投手戦が予想される場合には、例えば球種等の投球に関する多数の登録文r1が参照データRに登録される。例えば、双方のチームの打者の活躍により大量の得点が発生する乱打戦が予想される場合には、例えば本塁打数または打率等の打撃に関する多数の登録文r1が参照データRに登録される。また、野球ゲームに習熟した多数の利用者Uの観戦が想定される場合には、野球ゲームに登場する各キャラクタの打率または出塁率等、野球ゲームに関する詳細な情報を含む多数の登録文r1が参照データRに登録される。以上の説明から理解される通り、第1実施形態においては、管理者Op1からの指示に応じた登録文r1が登録されるから、管理者Op1の意向に沿った傾向の解説文Cを利用者Uに提供できる。
【0070】
また、管理者Op1は、操作装置34を操作することで、各登録文r1を含む解説文Cの生成の可否をプレイヤP毎に制御システム30に指示する。設定データ処理部314は、管理者Op1からの指示に応じて許可および禁止の何れかに設定された可否データr2(r2a,r2b)を、参照データRに登録する(Sd104)。例えば、登録文r1毎に可否データr2が個別に登録される構成が想定される。ただし、複数の登録文r1について一括的に可否データr2を登録してもよい。例えば、複数の登録文r1が内容に応じて複数の集合に分類された構成では、設定データ処理部314は、集合毎に可否データr2を設定する。すなわち、ひとつの集合内の相異なる登録文r1に対応する複数の可否データr2が、当該集合に関する管理者Op1からの指示に応じて共通の数値に設定される。
【0071】
なお、配信動画Vの配信に関する各種の事情により、プレイヤPaに関する解説をプレイヤPbに関する解説よりも優先すべき状況が想定される。以上の状況では、管理者Op1は、プレイヤPaについては多数の登録文r1について解説文Cの生成を許可し、プレイヤPbについては多数の登録文r1について解説文Cの生成を禁止する。したがって、設定データ処理部314は、許可を表す可否データr2aの割合が、許可を表す可否データr2bの割合を上回るように、管理者Op1からの指示に応じて各可否データr2を設定する。すなわち、プレイヤPaに関する解説文Cが、プレイヤPbに関する解説文Cと比較して高頻度で生成される。また、プレイヤPaとプレイヤPbとについて同等の頻度で解説文Cを生成すべき状況も想定される。以上の状況では、設定データ処理部314は、管理者Op1からの指示に応じて、各登録文r1に対応する可否データr2aと可否データr2bとを共通の数値に設定する。したがって、プレイヤPaに関する解説文CとプレイヤPbに関する解説文Cとが、同等の頻度で生成される。以上の説明から理解される通り、第1実施形態においては、プレイヤPaに関する解説文Cが生成される頻度と、プレイヤPbに関する解説文Cが生成される頻度とを、管理者Op1の意図に応じて調整できる。
【0072】
また、管理者Op1は、操作装置34を操作することで、複数の登録文r1のうち所望の登録文r1に関する生成条件を制御システム30に指示する。設定データ処理部314は、管理者Op1から指示された登録文r1について、管理者Op1から指示された生成条件を表す条件データr3を参照データRに登録する(Sd106)。具体的には、設定データ処理部314は、事前に用意された複数の生成条件のうち管理者Op1が選択した生成条件を表す条件データr3、または、操作装置34を利用して管理者Op1が直接的に入力した生成条件を表す条件データr3を、参照データRに登録する。また、設定データ処理部314は、既存の条件データr3が表す生成条件の内容を、管理者Op1からの指示に応じて変更してもよい。以上に例示した登録処理Sdで生成された参照データRが、記憶装置32に記憶されて前述の解説処理Scに利用される。
【0073】
図1の配信システム40は、例えば動画配信サイトの提供者が運営するコンピュータシステムである。配信システム40は、制御システム30から送信された解説データYと動画データD2とを受信する。そして、配信システム40は、解説データYと動画データD2とを端末装置10に送信する。例えば、配信システム40に対して配信要求を送信した端末装置10、または配信システム40に事前に登録された端末装置10を配信先として、配信システム40は解説データYおよび動画データD2を送信する。
【0074】
図13は、端末装置10の構成を例示するブロック図である。図13に例示される通り、端末装置10は、制御装置11と記憶装置12と通信装置13と操作装置14と再生装置15とを具備する。なお、端末装置10は、単体の装置として実現されるほか、相互に別体で構成された複数の装置でも実現される。
【0075】
制御装置11は、例えば端末装置10の各要素を制御する単数または複数のプロセッサで構成される。具体的には、例えばCPU、GPU、DSP、FPGA、またはASIC等の1種類以上のプロセッサにより、制御装置11が構成される。
【0076】
記憶装置12は、制御装置11が実行するプログラムと制御装置11が使用する各種のデータとを記憶する単数または複数のメモリである。例えば半導体記録媒体および磁気記録媒体等の公知の記録媒体、または複数種の記録媒体の組合せが、記憶装置12として利用される。
【0077】
通信装置13は、通信網2を介して配信システム40と通信する。具体的には、通信装置13は、解説データYと動画データD2とを配信システム40から受信する。操作装置14は、利用者Uによる操作を受付ける入力機器である。例えば、利用者Uが操作する操作子、または利用者Uによる接触を検知するタッチパネルが、操作装置14として利用される。
【0078】
再生装置15は、制御装置11による制御のもとで配信動画Vを再生する。再生装置15は、表示装置151と放音装置152とを具備する。表示装置151は、制御装置11による制御のもとで画像を表示する。具体的には、制御装置11は、動画データD2が表すゲーム動画Gと解説データYが表す解説文Cとを含む図2の配信動画Vを表示装置151に表示させる。具体的には、相異なるイベントに対応する複数の解説文Cが時系列の順番で配信動画Vの解説領域Vaに表示される。すなわち、最新のイベントに対応する解説文Cに加えて過去のイベントに対応する解説文Cも解説領域Vaに表示される。放音装置152は、制御装置11による制御のもとで音声を放音する。具体的には、放音装置152は、動画データD2が表すゲーム動画Gの音声を放音する。なお、制御装置11が配信動画Vを再生装置15に再生させる機能は、汎用のブラウザにより実現されてもよいし、専用のアプリケーションプログラムにより実現されてもよい。端末装置10の利用者Uは、ゲーム動画Gを視聴することでゲームの進行を把握しながら、各解説文Cを参照することで進行の状況に関する詳細な情報を確認できる。
【0079】
以上に説明した通り、第1実施形態においては、野球ゲームの状況を表す状況データXと、解説文Cに関する条件が設定された設定データZとを利用して、野球ゲームの状況に関する解説文Cが自動的に生成され、当該解説文Cがゲーム動画Gとともに再生される。したがって、例えば管理者Op1が、野球ゲームの進行に並行した適切な時点において、操作装置34に対する手動の操作で個々の解説文Cを入力する形態と比較して、解説文Cの生成のための管理者Op1の負荷が軽減される。
【0080】
第1実施形態においては特に、ゲームシステム20において使用されない補助情報を含む解説文Cが生成されるから、状況データXのみから解説文Cを生成する構成と比較して、内容が豊富で情報量が多い解説文Cを端末装置10の利用者Uに提供できる。例えば、各プレイヤPのプレイヤ名q1と複数の試合にわたる通算成績q2とを含む解説文Cが提供される。また、第1実施形態においては、複数の登録文r1のうち、野球ゲームにおいて発生したイベントに対応する登録文r1を含む解説文Cが端末装置10において再生される。したがって、端末装置10の利用者Uは、野球ゲームにおいて発生したイベントを容易に把握できる。
【0081】
また、各登録文r1を含む解説文Cは、当該登録文r1に対応する生成条件が成立する場合に生成される。すなわち、特定の登録文r1については、当該登録文r1に対応するイベントが発生しただけでは解説文Cは生成されず、さらに生成条件が生成された場合に解説文Cが生成される。したがって、特定の登録文r1を含む解説文Cの生成を、特定の状況に限定できる。また、第1実施形態においては、各登録文r1を含む解説文Cの生成の可否/禁止がプレイヤP毎に設定されるから、個々のプレイヤPに好適な内容の解説文Cを端末装置10の利用者Uに提供できる。
【0082】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態を説明する。なお、以下に例示する各形態において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0083】
第2実施形態の設定データZは、第1実施形態の参照データRに代えて、図14の第1参照データRaと第2参照データRbとを含む。第1参照データRaは、プレイヤPaに関する解説文Cの生成に利用されるデータテーブルであり、第2参照データRbは、プレイヤPbに関する解説文Cの生成に利用されるデータテーブルである。なお、参照データRが第1参照データRaと第2参照データRbとを含むと換言してもよい。設定データZのうち補助データQの内容は第1実施形態と同様である。
【0084】
第1参照データRaには複数の登録文r1が登録される。複数の登録文r1の各々は、複数のイベント種別x3の何れかに対応する。第1参照データRaの各登録文r1は、プレイヤPaに関する解説文Cの生成に使用される。同様に、第2参照データRbには複数の登録文r1が登録される。複数の登録文r1の各々は、複数のイベント種別x3の何れかに対応する。第2参照データRbの各登録文r1は、プレイヤPbに関する解説文Cの生成に使用される。第1参照データRaの複数の登録文r1と第2参照データRbの複数の登録文r1とは個別に設定される。したがって、登録文r1の個数および各登録文r1の内容は、第1参照データRaと第2参照データRbとの間で相違する。したがって、プレイヤPaとプレイヤPbとについては相異なる解説文Cが生成される。
【0085】
管理者Op1は、プレイヤPaに関する解説文Cの生成に利用される複数の登録文r1と、プレイヤPbに関する解説文Cの生成に利用される複数の登録文r1とを、操作装置34に対する操作で個別に指示する。設定データ処理部314は、管理者Op1がプレイヤPaについて指示した複数の登録文r1を第1参照データRaに登録し、管理者Op1がプレイヤPbについて指示した複数の登録文r1を第2参照データRbに登録する。すなわち、第1参照データRaの各登録文r1は、プレイヤPaに関する解説文Cの生成に利用することを管理者Op1が許容した情報であり、第2参照データRbの各登録文r1は、プレイヤPbに関する解説文Cの生成に利用することを管理者Op1が許容した情報である。したがって、第2実施形態の参照データRには、第1実施形態において例示した可否データr2(r2a,r2b)は含まれない。
【0086】
図15は、第2実施形態における解説処理Scの具体的な手順を例示するフローチャートである。第1実施形態と同様に、解説処理Scは、操作装置34に対する管理者Op1からの指示を契機として開始され、野球ゲームの進行に並行して継続される。
【0087】
解説処理Scが開始されると、状況データ取得部311は、状況データXをゲームシステム20から取得するまで待機する(Sc200:NO)。状況データ取得部311が状況データXを取得した場合(Sc200:YES)、情報生成部312は、状況データXに含まれる対象プレイヤx4がプレイヤPaであるか否かを判定する(Sc202)。
【0088】
対象プレイヤx4がプレイヤPaである場合(Sc202:YES)、情報生成部312は、第1参照データRaに登録された複数の登録文r1から、状況データXが表す状況に対応する選択登録文r1を検索する(Sc204)。他方、対象プレイヤx4がプレイヤPbである場合(Sc202:NO)、情報生成部312は、第2参照データRbに登録された複数の登録文r1から、状況データXが表す状況に対応する選択登録文r1を検索する(Sc206)。
【0089】
情報生成部312は、選択登録文r1について条件データr3が登録されているか否かを判定する(Sc208)。条件データr3が登録されている場合(Sc208:YES)、情報生成部312は、条件データr3が表す生成条件が成立したか否かを判定する(Sc210)。条件データr3が登録されていない場合(Sc208:NO)、または、生成条件が成立した場合(Sc210:YES)、情報生成部312は、生成処理Sbにより、選択登録文r1を含む解説文Cの解説データYを生成する(Sc212)。情報生成部312は、解説データYを通信装置33から配信システム40に送信する(Sc214)。他方、生成条件が成立しない場合(Sc210:NO)、情報生成部312は、解説データYの生成(Sc212)および送信(Sc214)を実行しない。
【0090】
制御装置31は、所定の終了条件が成立するまで、以上の処理(Sc200-Sc214)を反復する(Sc216:NO)。終了条件が成立した場合(Sc216:YES)、制御装置31は解説処理Scを終了する。
【0091】
第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第2実施形態においては、プレイヤPaに関する解説文Cは第1参照データRaの登録文r1を含み、プレイヤPbに関する解説文Cは第2参照データRbの登録文r1を含む。したがって、個々のプレイヤPに好適な内容の解説文Cを端末装置10の利用者Uに提供できる。
【0092】
[第3実施形態]
第1実施形態においては、野球ゲームにおいて発生した全部のイベントについて、ゲームシステム20が状況データXを制御システム30に送信する構成を例示した。第3実施形態においては、野球ゲームにおいて発生し得る複数のイベントのうち特定の条件(以下「送信条件」という)を充足するイベントが発生した場合に、当該イベントを表す状況データXがゲームシステム20から制御システム30に送信される。
【0093】
図16は、第3実施形態におけるゲームシステム20の機能的な構成を例示するブロック図である。図16に例示される通り、ゲームシステム20の制御装置21は、記憶装置22に記憶されたプログラムを実行することで複数の機能(条件設定部211および送信処理部212)を実現する。なお、条件設定部211は、「第1条件設定部」の一例である。
【0094】
条件設定部211は、送信条件を設定する。送信条件は、状況データXを送信すべきイベントに関する条件である。例えば1以上のイベント種別x3が送信条件として設定される。条件設定部211は、操作装置241に対する管理者Op2からの指示に応じて送信条件を設定する。管理者Op2は、ゲームシステム20を管理および運営するオペレータであり、例えば競技イベントが開催される会場に所在する。管理者Op2が所望の1以上のイベント種別x3を指示すると、条件設定部211は、管理者Op2から指示された1以上のイベント種別x3を含む送信条件を設定する。
【0095】
なお、条件設定部211は、制御システム30の操作装置34に対する管理者Op1からの指示に応じて送信条件を設定してもよい。例えば、管理者Op1からの指示が制御システム30からゲームシステム20に通知され、条件設定部211は、制御システム30から通知された指示に応じて送信条件を設定する。
【0096】
また、複数のイベント種別x3を一括的に送信条件として設定してもよい。例えば、複数のイベント種別x3が複数の集合に分類された構成では、条件設定部211は、管理者Op2が選択した集合に属する1以上のイベント種別x3を一括的に送信条件として設定する。例えば、複数のイベント種別x3は、攻撃側のイベントと守備側のイベントとに分類される。攻撃側のイベントは、例えば「ヒット」「ホームラン」「盗塁」「得点」「打者交代」であり、守備側のイベントは、例えば「奪三振」「牽制球」「フライの捕球」「投手交代」である。管理者Op2が攻撃側のイベントを選択した場合、条件設定部211は、「ヒット」「ホームラン」「盗塁」「得点」「打者交代」等の攻撃側の複数のイベント種別x3を送信条件として一括的に設定する。他方、管理者Op2が守備側のイベントを選択した場合、条件設定部211は、「奪三振」「牽制球」「フライの捕球」「投手交代」等の守備側の複数のイベント種別x3を送信条件として一括的に設定する。
【0097】
図16の送信処理部212は、条件設定部211が設定した送信条件を充足するイベントが野球ゲームにおいて発生した場合に、当該イベントを表す状況データXを通信装置23から制御システム30に送信する。状況データXの内容は第1実施形態と同様である。
【0098】
図17は、第3実施形態におけるゲーム処理Saの具体的な手順を例示するフローチャートである。例えば操作装置241に対する管理者Op2からの指示を契機としてゲーム処理Saが開始される。
【0099】
ゲーム処理Saが開始されると、制御装置21(条件設定部211)は、操作装置241に対する管理者Op2からの指示に応じて送信条件を設定する(Sa200)。送信条件が設定されると、制御装置21は、野球ゲームの開始が管理者Op2または各プレイヤPから指示されるまで待機する(Sa202:NO)。
【0100】
野球ゲームの開始が指示されると(Sa202:YES)、制御装置21は、第1実施形態と同様に、各操作装置241に対するプレイヤPの操作に応じて野球ゲームを進行させ(Sa204)、各表示装置242にプレイ画面を表示させる(Sa206)。制御装置21は、第1実施形態と同様に、野球ゲームの現在の状況に対応する動画を表す動画データD1を通信装置23から制御システム30に送信する(Sa208)。
【0101】
制御装置21は、野球ゲームの進行の結果としてイベントが発生したか否かを判定する(Sa210)。イベントが発生した場合(Sa210:YES)、制御装置21(送信処理部212)は、当該イベントが送信条件を充足するか否かを判定する(Sa212)。具体的には、制御装置21は、今回のイベントのイベント種別x3が送信条件に含まれるか否かを判定する。イベントが送信条件を充足する場合(Sa212:YES)、制御装置21は、当該イベントに関する状況データXを生成し(Sa214)、当該状況データXを通信装置23から制御システム30に送信する(Sa216)。
【0102】
イベントが発生しない場合(Sa210:NO)、状況データXの生成(Sa214)および送信(Sa216)は実行されない。また、イベントが発生した場合(Sa210:YES)でも、当該イベントが送信条件を充足しない場合(Sa212:NO)には、状況データXの生成(Sa214)および送信(Sa216)は実行されない。以上の説明から理解される通り、送信処理部212は、送信条件を充足するイベントが野球ゲームにおいて発生した場合に当該イベントの状況データXを制御システム30に送信する。
【0103】
制御装置21は、野球ゲームが終了したか否かを判定する(Sa218)。野球ゲームが終了していない場合(Sa218:NO)、制御装置21は、処理をステップSa202に移行する。他方、野球ゲームが終了した場合(Sa218:YES)、制御装置21はゲーム処理Saを終了する。以上の例示の通り、第3実施形態においては、動画データD1が所定の周期で順次に送信される一方、送信条件を充足する状況データXがイベントの発生毎に送信される。
【0104】
第3実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第3実施形態においては、野球ゲームにおいて発生したイベントが送信条件を充足する場合に、当該イベントの状況データXが制御システム30に送信される。したがって、送信条件に適合した適切なイベントに限定して解説文Cを生成できる。また、野球ゲームにおいて発生した全部のイベントについて状況データXが送信される構成と比較して、ゲームシステム20と制御システム30との間の通信量を削減できる。なお、第1参照データRaと第2参照データRbとを解説文Cの生成に利用する第2実施形態の構成は、第3実施形態にも同様に適用される。
【0105】
[第4実施形態]
第1実施形態においては、制御システム30の情報生成部312が生成した全部の解説文Cが端末装置10の表示装置151に表示される構成を例示した。第4実施形態においては、情報生成部312が生成した複数の解説文Cのうち特定の条件(以下「再生条件」という)を充足する解説文Cが選択的に表示装置151に表示される。
【0106】
図18は、第4実施形態における端末装置10の機能的な構成を例示するブロック図である。図18に例示される通り、端末装置10の制御装置11は、記憶装置12に記憶されたプログラムを実行することで複数の機能(受信処理部111,条件設定部112および再生処理部113)を実現する。なお、条件設定部112は、「第2条件設定部」の一例である。
【0107】
受信処理部111は、配信システム40から送信された解説データYおよび動画データD2を通信装置13により受信する。すなわち、受信処理部111は、情報生成部312が生成した解説文Cを制御システム30から受信する要素である。図18に例示される通り、第4実施形態の解説データYは、情報生成部312が生成した解説文Cに加えて、当該解説文Cが表すイベントのイベント種別x3を含む。各イベントの解説データYに含まれるイベント種別x3は、当該イベントの状況データXに含まれる情報である。
【0108】
条件設定部112は、再生条件を設定する。再生条件は、解説文Cを再生すべきイベントに関する条件である。例えば1以上のイベント種別x3が再生条件として設定される。条件設定部112は、操作装置14に対する利用者Uからの指示に応じて再生条件を設定する。利用者Uが所望の1以上のイベント種別x3を指示すると、条件設定部112は、利用者Uから指示された1以上のイベント種別x3を含む再生条件を設定する。
【0109】
なお、条件設定部211による送信条件の設定と同様に、複数のイベント種別x3を一括的に再生条件として設定してもよい。例えば、複数のイベント種別x3が複数の集合に分類された構成では、条件設定部211は、利用者Uが選択した集合に属する1以上のイベント種別x3を一括的に送信条件として設定する。
【0110】
再生処理部113は、配信動画Vを再生装置15に再生させる。再生処理部113は、動画データD2が表すゲーム動画Gと解説データYが表す解説文Cとを表示装置151に表示させる。具体的には、再生処理部113は、受信処理部111が順次に受信する複数の解説文Cのうち、条件設定部112が設定した再生条件を充足する解説文Cを、ゲーム動画Gとともに表示装置151に表示させる。
【0111】
図19は、第4実施形態における端末装置10の制御装置11が実行する処理(以下「再生処理」という)Seの具体的な手順を例示するフローチャートである。例えば操作装置14に対する利用者Uからの指示を契機として再生処理Seが開始される。なお、再生処理Seが開始された直後の初期的な状態では、再生条件として全部のイベント種別x3(すなわち無条件)が指定される。
【0112】
再生処理Seが開始されると、受信処理部111は、配信システム40から送信された動画データD2を受信する(Se100)。再生処理部113は、動画データD2が表すゲーム動画Gを表示装置151に表示させる(Se102)。
【0113】
条件設定部112は、再生条件の指示を利用者Uから受付けたか否かを判定する(Se104)。再生条件の指示を受付けた場合(Se104:YES)、条件設定部112は、利用者Uからの指示に応じて再生条件を設定する(Se106)。他方、再生条件の指示を受付けない場合(Se104:NO)、再生条件の設定(Se106)は実行されない。
【0114】
再生処理部113は、受信処理部111が解説データYを受信したか否かを判定する(Se108)。受信処理部111が解説データYを受信した場合(Se108:YES)、再生処理部113は、当該解説データYが表す解説文Cが再生条件を充足するか否かを判定する(Se110)。具体的には、再生処理部113は、解説データYに含まれるイベント種別x3が再生条件に含まれるか否かを判定する。解説文Cが再生条件を充足する場合(Se110:YES)、再生処理部113は、解説データYが表す解説文Cを表示装置151に表示させる(Se112)。具体的には、再生処理部113は、受信処理部111が受信した解説文Cを配信動画Vの解説領域Vaに追加する。
【0115】
受信処理部111が解説データYを受信しない場合(Se108:NO)、再生条件の判定(Se110)および解説文Cの表示(Se112)は実行されない。また、受信処理部111が解説データYを受信した場合(Se108:YES)でも、解説文Cが再生条件を充足しない場合(Se110:NO)には、当該解説文Cの表示(Se112)は実行されない。すなわち、受信処理部111が受信した解説データYは破棄される。
【0116】
制御装置11は、所定の終了条件が成立したか否かを判定する(Se114)。終了条件は、例えば、操作装置14に対する操作で利用者Uから終了が指示されること、または、所定の時間にわたり動画データD2を受信しないこと(すなわち動画配信が終了したこと)である。終了条件が成立しない場合(Se114:NO)、制御装置11は処理をステップSe100に移行する。他方、終了条件が成立した場合(Se114:YES)、制御装置11は再生処理Seを終了する。
【0117】
第4実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第4実施形態においては、情報生成部312が生成する複数の解説文Cのうち再生条件を充足する解説文Cが、端末装置10の表示装置151に表示される。したがって、利用者Uの所望の解説文Cを選択的に再生できる。なお、第1参照データRaと第2参照データRbとを解説文Cの生成に利用する第2実施形態の構成、および、送信条件を充足するイベントの状況データXのみを選択的に制御システム30に送信する第3実施形態の構成は、第4実施形態にも同様に適用される。
【0118】
[第5実施形態]
第5実施形態の解説データYは、第4実施形態と同様に、情報生成部312が生成した解説文Cと、当該解説文Cが表すイベントのイベント種別x3とを含む。
【0119】
図20は、第5実施形態における配信動画Vの模式図である。第5実施形態の制御装置11は、通信装置13が受信した解説データYに含まれるイベント種別x3を、配信動画Vの解説領域Vaに表示する。通信装置13による解説データYの受信毎にイベント種別x3の表示が追加される。すなわち、複数のイベント種別x3が時系列の順番で表示される。また、制御装置11は、操作画像Bをイベント種別x3毎に解説領域Vaに表示する。各操作画像Bは、利用者Uによる操作を受付けるソフトウェアボタンである。
【0120】
利用者Uは、複数の操作画像Bのうち所望のイベント種別x3に対応する操作画像Bを操作可能である。複数の操作画像Bの何れかに対する操作を受付けると、制御装置11は、当該操作画像Bに対応する解説文Cを、当該操作画像Bの近傍に表示する。例えば、図20における「ホームラン」の操作画像Bを利用者Uが操作した場合、図21に例示される通り、「ホームラン」について通信装置13が受信した解説文Cが表示される。すなわち、イベント種別x3による概要の表示が、利用者Uによる操作を契機として、解説文Cによる詳細な表示に展開される。複数の操作画像Bの各々について以上の処理が実行される。
【0121】
第5実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第5実施形態においては、情報生成部312が生成する複数の解説文Cのうち、利用者Uが選択した解説文Cが選択的に表示される。したがって、全部の解説文Cが解説領域Vaに表示される構成と比較して、利用者Uの所望の解説文Cを視認し易いという利点がある。なお、第2実施形態から第4実施形態の構成は、第5実施形態にも同様に適用される。
【0122】
[変形例]
以上に例示した各形態は多様に変形され得る。前述の各形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を、相互に矛盾しない範囲で併合してもよい。
【0123】
(1)前述の各形態においては、動画データD2と解説データYとが端末装置10に送信される形態を例示したが、情報生成部312が生成した解説文Cを端末装置10に表示させるための構成は以上の例示に限定されない。例えば、情報生成部312が生成した解説文Cを動画データ編集部313がゲーム動画Gに合成することで配信動画Vを生成し、当該配信動画Vを表す動画データD2が制御システム30から配信システム40を介して端末装置10に送信されてもよい。すなわち、解説文Cを表す解説データYが動画データD2とは別個のデータとして端末装置10に送信される構成は必須ではない。なお、以上の説明においては、制御システム30において解説文Cをゲーム動画Gに合成したが、解説文Cとゲーム動画Gとの合成(すなわち配信動画Vの生成)を配信システム40が実行してもよい。例えば、制御システム30は、前述の各形態と同様に解説データYと動画データD2とを配信システム40に送信する。配信システム40は解説文Cとゲーム動画Gとの合成により配信動画Vを生成し、当該配信動画Vを表す動画データD2を端末装置10に送信する。端末装置10の制御装置11は、動画データD2が表す配信動画Vを再生装置15に再生させる。
【0124】
(2)前述の各形態において例示した制御システム30の機能の一部または全部は、情報システム1を構成する他の要素に搭載されてもよい。具体的には、制御システム30の機能の一部または全部が配信システム40に搭載されてもよい。例えば、制御システム30が設定データ処理部314を具備し、配信システム40が状況データ取得部311と情報生成部312と動画データ編集部313とを具備する構成が想定される。以上の構成においては、図22に例示される通り、制御システム30の設定データ処理部314が生成した設定データZが配信システム40に転送される。配信システム40は、ゲームシステム20が送信した状況データXおよび動画データD1を受信する。配信システム40の状況データ取得部311は状況データXを取得し、情報生成部312は、状況データXと設定データZとから解説データYを生成する。また、配信システム40の動画データ編集部313は、動画データD1からゲーム動画Gの動画データD2を生成する。配信システム40が生成した解説データYおよび動画データD2が端末装置10に送信される。
【0125】
また、前述の各形態において例示した制御システム30の機能の一部または全部は、端末装置10に搭載されてもよい。例えば、制御システム30が設定データ処理部314を具備し、端末装置10が状況データ取得部311と情報生成部312とを具備する構成が想定される。動画データ編集部313は、例えば制御システム30または配信システム40に搭載される。以上の構成においては、図23に例示される通り、ゲームシステム20から送信された状況データXが、制御システム30と配信システム40とを介して端末装置10に送信される。なお、状況データXは、ゲームシステム20から端末装置10に直接的に送信されてもよい。また、制御システム30の設定データ処理部314が生成した設定データZが、配信システム40を介して端末装置10に転送される。なお、設定データZは、制御システム30から端末装置10に直接的に送信されてもよい。端末装置10の状況データ取得部311は通信装置13により状況データXを取得し、端末装置10の情報生成部312は、状況データXと設定データZとから解説データYを生成する。
【0126】
本発明における「制御システム」は、状況データ取得部311と情報生成部312とを具備するコンピュータシステムである。したがって、第1実施形態から第5実施形態に例示した制御システム30のほか、図22の構成における配信システム40、および図23の構成における端末装置10も、本発明における「制御システム」の概念に包含される。
【0127】
(3)前述の各形態においては、制御システム30から送信された解説データYが配信システム40を経由して端末装置10に送信される構成を例示したが、解説データYの授受の経路は以上の例示に限定されない。例えば、制御システム30から端末装置10に対して解説データYを直接的に送信してもよい。また、制御システム30が生成した解説データYが例えばゲームサーバ50に転送され、ゲームサーバ50から端末装置10に解説データYが送信される形態も想定される。以上の例示の通り、解説データYが配信システム40を経由する構成は省略される。動画データD2は、前述の各形態と同様に、配信システム40から端末装置10に送信される。
【0128】
以上のように解説データYと動画データD2とが別個の経路で端末装置10に送信される構成においては、動画データD2の所在を指定する情報(以下「所在情報」という)が解説データYに付加される形態が好適である。所在情報は、例えば、動画データD2の所在を指定するURL(Uniform Resource Locator)である。以上の構成によれば、端末装置10の制御装置11は、解説データYの取得とともに動画データD2の所在を認識できる。したがって、解説データYが表す解説文Cと、所在情報が表す動画データD2のゲーム動画Gとを、制御装置11が再生装置15に再生させることが可能である。
【0129】
(4)前述の各形態においては、配信システム40が動画データD2を端末装置10に送信する形態を例示したが、動画データD2を端末装置10に送信する機能は、制御システム30に搭載されてもよい。すなわち、制御システム30が生成した動画データD2は、端末装置10に対して直接的に送信されてもよい。以上の構成においては、制御システム30とは別個の配信システム40は省略される。
【0130】
(5)前述の各形態においては、野球ゲームの進行に並行して実時間的に解説データYと動画データD2とを端末装置10に送信したが、解説データYおよび動画データD2は、野球ゲームの終了後に端末装置10に送信されてもよい。
【0131】
例えば、解説データYおよび動画データD2が野球ゲームの終了後に生成される形態が想定される。具体的には、野球ゲームの進行とともに順次に生成される状況データXおよび動画データD1と、管理者Op1からの指示に応じて設定された設定データZとが、制御システム30の記憶装置32に保存される。野球ゲームの終了後に、情報生成部312は、保存済の状況データXと設定データZとを利用して解説データYを生成し、動画データ編集部313は、保存済の動画データD1から動画データD2を生成する。解説データYおよび動画データD2は、前述の各形態と同様に端末装置10に送信される。なお、状況データXと動画データD1と設定データZとは、配信システム40またはゲームサーバ50に保存されてもよい。
【0132】
また、情報生成部312が生成した解説データYと動画データ編集部313が生成した動画データD2とが制御システム30の記憶装置32に保存され、野球ゲームの終了後に解説データYおよび動画データD2が端末装置10に送信されてもよい。以上の構成においては、各イベントに対応する解説データYが、解説文Cに加えて当該イベントの発生時刻x2を含む構成が好適である。発生時刻x2は、図5の例示の通り状況データXに含まれる情報であり、解説文Cが表示される時刻を制御するために利用される。すなわち、端末装置10の制御装置11は、動画データD2が表すゲーム動画Gが再生される期間のうち各解説データYが示す発生時刻x2おいて、当該解説データYの解説文Cを表示装置151に表示させる。以上の構成によれば、解説データYが動画データD2とは別個に提供される構成でも、ゲーム動画Gに対して適切な時点で解説文Cを再生できる。
【0133】
(6)第3実施形態においては、送信条件としてイベント種別x3が指定される形態を例示したが、送信条件の内容は以上の例示に限定されない。例えば、状況データXに含まれる対象プレイヤx4または対象キャラクタx5が送信条件として指定されてもよい。送信条件が対象プレイヤx4を含む形態では、当該対象プレイヤx4が発生させたイベントについてのみ状況データXがゲームシステム20から送信される。また、送信条件が対象キャラクタx5を含む形態では、当該対象キャラクタx5が関与したイベントについてのみ状況データXがゲームシステム20から送信される。
【0134】
同様に、第4実施形態においては、再生条件としてイベント種別x3が指定される形態を例示したが、再生条件の内容は以上の例示に限定されない。例えば、対象プレイヤx4または対象キャラクタx5が再生条件として設定されてもよい。再生条件が対象プレイヤx4を含む形態では、当該対象プレイヤx4が発生させたイベントの解説文Cのみが選択的に表示装置151に表示される。また、再生条件が対象キャラクタx5を含む形態では、当該対象キャラクタx5が関与したイベントの解説文Cのみが選択的に表示装置151に表示される。
【0135】
(7)第3実施形態においては、管理者Op2からの指示に応じて送信条件を設定したが、送信条件の設定に適用される事項は以上の例示に限定されない。例えば、プレイヤPaとプレイヤPbとの対戦の位置付け(決勝戦/準決勝)に応じて送信条件が設定されてもよい。例えば、決勝戦における送信条件が準決勝における送信条件と比較して緩和される形態が想定される。以上の形態においては、決勝戦において準決勝と比較して高い頻度で解説文Cが端末装置10に提供される。また、配信動画Vを視聴する利用者Uの総数に応じて送信条件が設定されてもよい。例えば、利用者Uの総数が多いほど送信条件が緩和される形態が想定される。以上の形態においては、利用者Uの総数が多いほど、解説文Cが高い頻度で端末装置10に提供される。以上の説明から理解される通り、送信条件の設定に管理者Op2からの指示は必須ではない。
【0136】
(8)前述の各形態においては、複数のプレイヤPが野球により対戦する野球ゲームを例示したが、本発明におけるゲームの種類は任意である。前述の各形態において例示したイベント種別x3は、ゲームの種類に応じて多様に設定される。
【0137】
例えば、野球以外のスポーツにより複数のプレイヤPが対戦する対戦ゲームにも前述の各形態が同様に適用される。例えばサッカーゲームにおいては、「シュート」「ゴールキック」「オフサイド」「得点」等のイベント種別x3が想定される。また、格闘ゲームにおいては、「特定の必殺技の発生」「N連続以上のコンボの発生」「ノックアウト」「ダウン」「使用キャラクタの交代」等の各種のイベント種別x3が想定される。また、複数のプレイヤPが対戦するゲームのほか、複数のプレイヤPが協力して目的の達成(例えばボスキャラクタの討伐)を目指すゲームにも本発明は適用される。さらに、複数のプレイヤPがプレイするゲームのほか、単独のプレイヤPがプレイするゲームにも本発明は適用される。例えば、単独のプレイヤPが仮想的な世界を探索する探索ゲームにも本発明は適用される。以上に例示したゲーム以外にも、例えば、物理抽選または電子抽選等の抽選処理が実行される抽選ゲーム、プレイヤPが音楽にあわせて動作する音楽ゲーム、プレイヤPが自身のキャラクタを操作することで種々の目的を達成するアクションゲーム等、プレイヤPの人数やプレイヤP間の関係を問わない任意の種類のゲームに、本発明は適用される。
【0138】
(9)前述の各形態においては、プレイヤ名q1と通算成績q2とを含む補助データQを例示したが、補助データQの具体的な内容は以上の例示に限定されない。例えば、プレイヤPaとプレイヤPbとの対戦に関する位置付け(決勝戦/準決勝)が補助データQとして登録される。以上の構成によれば、プレイヤPaとプレイヤPbとの対戦の結果に応じた解説文Cを生成できる。例えば、補助データQとして「準決勝」が登録された状態で対戦が終了すると、「AAA、決勝進出!」等の解説文Cを生成できる。また、例えば複数のプレイヤPがレースゲームで対戦(例えば、各プレイヤPが走破時間で競争するタイムアタック)する競技イベントを想定すると、補助データQとして各プレイヤPの走破時間を登録する形態が好適である。以上の形態においては、各プレイヤPのゴールの直後に「今大会における第2位のタイムです!」等の解説文Cを生成できる。
【0139】
(10)前述の各形態においては、文字列で構成される解説文Cを例示したが、ゲームの状況に関する解説を表す情報(以下「解説情報」という)は、解説文Cに限定されない。例えば、ゲームの状況に関する解説を表す画像が、解説情報として端末装置10の表示装置151に表示されてもよい。解説情報が画像である形態では、例えば前述の各形態における登録文r1に代えて、解説用の画像を表す画像データが参照データRに登録される。また、ゲームの状況に関する解説を表す音声が、解説情報として端末装置10の放音装置152から放音されてもよい。解説情報が音声である形態では、例えば前述の各形態における登録文r1に代えて、解説用の音声を表す音声データが参照データRに登録される。なお、前述の各形態と同様の方法で生成された解説文Cに対して音声合成を実行することで、解説用の音声を表す音声データを生成してもよい。以上の例示から理解される通り、前述の各形態で例示した登録文r1と、解説用の画像および音声とは、解説情報の生成に利用される「登録情報」として包括的に表現される。また、解説情報の「再生」は、例えば解説文Cまたは解説用の画像の表示と解説用の音声の放音との双方を包含する。
【0140】
(11)前述の各形態に係る制御システム30の機能は、1以上のプロセッサ(制御装置31)とプログラムとの協働により実現される。前述の各形態に係るプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で提供されてコンピュータにインストールされ得る。記録媒体は、例えば非一過性(non-transitory)の記録媒体であり、CD-ROM等の光学式記録媒体(光ディスク)が好例であるが、半導体記録媒体または磁気記録媒体等の公知の任意の形式の記録媒体も包含される。なお、非一過性の記録媒体とは、一過性の伝搬信号(transitory, propagating signal)を除く任意の記録媒体を含み、揮発性の記録媒体も除外されない。また、配信装置が通信網2を介してプログラムを配信する構成では、当該配信装置においてプログラムを記憶する記憶装置が、前述の非一過性の記録媒体に相当する。
【0141】
[付記]
以上の記載から、例えば以下のように本発明の好適な態様が把握される。なお、各態様の理解を容易にするために、以下では、図面の符号を便宜的に括弧書で併記するが、本発明を図示の態様に限定する趣旨ではない。
【0142】
[付記A1]
本発明のひとつの態様(付記1)に係る制御システム(30)は、1以上のプレイヤ(P)がプレイするゲームを進行させるゲームシステム(20)から、前記ゲームの状況を表す状況データ(X)を取得する状況データ取得部(311)と、前記状況データ取得部(311)が取得した前記状況データ(X)と、解説情報(C)に関する条件が設定された設定データ(Z)とを利用して、前記ゲームの状況に関する解説情報(C)であって、前記ゲームの状況を表すゲーム動画(G)の配信先の端末装置(10)が当該ゲーム動画(G)とともに再生する解説情報(C)を生成する情報生成部(312)とを具備する。以上の態様によれば、ゲームシステム(20)におけるゲームの状況を表す状況データ(X)と、解説情報(C)に関する条件が設定された設定データ(Z)とを利用して、ゲームの状況に関する解説情報(C)が自動的に生成される。解説情報(C)はゲームの状況を表すゲーム動画(G)とともに再生される。したがって、例えばゲーム動画(G)の提供者が解説情報(C)をゲームの進行に並行して手動で入力する構成と比較して、解説情報(C)の生成のための負荷を軽減できる。
【0143】
「ゲーム」は、任意の種類のビデオゲームである。例えば、複数のプレイヤがプレイするゲームが例示される。「複数のプレイヤがプレイするゲーム」は、例えば、複数のプレイヤが対戦するゲーム、または、複数のプレイヤが協力して目的の達成を目指すゲームである。例えば、2人のプレイヤがプレイするゲームのほか、3人以上のプレイヤがプレイするゲーム、または2人以上のプレイヤで構成されるチームを単位としてプレイするゲームも、「複数のプレイヤがプレイするゲーム」に含まれる。また、1人のプレイヤがプレイするゲームも本発明の「ゲーム」には包含される。
【0144】
「ゲームシステム」は、ゲームを進行させる任意のコンピュータシステムであり、1以上の装置で構成される。1以上のプレイヤとゲームシステムとの関係は任意である。例えば、ゲームシステムがプレイヤ毎に個別のゲームユニットを含む構成、または、複数のプレイヤがひとつのゲームシステムを使用する構成が想定される。
【0145】
「ゲームの状況」は、ゲームの進行により刻々と変化する当該ゲームの状態を意味する。例えば、ゲーム内における各種のイベントの発生が「ゲームの状況」として例示される。ゲーム内において発生するイベントは、ゲームの進行により発生する各種の事象を意味する。具体的には、ゲームの結果(例えば対戦ゲームにおける勝敗)に直接的または間接的に影響する事象が「イベント」の典型例である。例えば、「イベント」は、キャラクタが特定の動作を実行すること、ゲーム内において特定の条件が成立すること等である。具体的には、例えば野球ゲームにおいては、得点に寄与するヒット等のイベントが例示される。また、レースゲームにおいては、相互に競争する複数のオブジェクト(例えば自動車)の間の順位の変化がイベントとして想定される。
【0146】
「解説情報」は、ゲームの状況に関する解説を表す情報である。例えばゲームの状況を表現する文字列、または、ゲームの状況に付随する事項を表現する文字列(例えば特定のイベントが発生したキャラクタに関連する各種の情報)が、「解説情報」の概念に包含される。解説情報を表す文字列は、例えば1以上の文および/または1以上の単語で構成される。また、解説情報は、ゲームの状況に関する解説を表す画像または音声でもよい。すなわち、例えば解説用の文字列を表すテキストデータのほか、解説用の画像を表す画像データおよび解説用の音声を表す音声データにより、解説情報は表現される。
【0147】
「設定データ」は、解説情報に関する条件が設定された任意の形式のデータである。解説情報に関する条件は、例えば、解説情報の内容に関する条件と、解説情報の生成に関する条件とを含む。解説情報の内容に関する条件は、例えば、解説情報のうち定型的な部分の文字列、または、解説情報のうち可変的な部分の文字列である。また、解説情報の生成に関する条件は、例えば、解説情報の生成の可否、または、解説情報を生成する条件である。
【0148】
「ゲームの状況を表すゲーム動画」は、端末装置の利用者がゲームの進行を視認するための画像である。ゲーム動画の典型例は、1以上のプレイヤに対して表示される動画(ゲームシステムの表示装置に表示されてプレイヤが視認する動画)と同様の動画であるが、プレイヤに表示される動画と内容が共通する動画には限定されない。例えば、ゲームが展開される仮想空間内の仮想的なカメラにより撮像された動画(プレイヤに表示される動画とは異なる動画)も「ゲーム動画」として例示される。例えば、キャラクタの視点に対応する画像がプレイヤに対して表示される形態を想定すると、各プレイヤが操作するキャラクタを俯瞰する画像がゲーム動画として例示される。なお、ゲーム動画には、例えばプレイヤがゲームをプレイする様子を撮像した動画等、ゲームシステムが生成する画像以外の動画が付加されてもよい。また、プレイヤに表示される動画を表す動画データの形式と、端末装置に提供される動画データの形式との異同は不問である。例えば、プレイヤに表示される動画の動画データは無圧縮データであり、端末装置に提供される動画データは圧縮データである。
【0149】
解説情報について「再生」とは、端末装置の利用者が知覚可能な方法で解説情報を出力することを意味する。具体的には、解説情報を表示装置に表示させる処理、または、解説情報を音声として放音装置に放音させる処理が、「再生」として例示される。また、解説情報が「ゲーム動画とともに再生される」とは、ゲーム動画が再生される期間と解説情報が再生される期間とが時間軸上において少なくとも部分的に重複すること(すなわちゲーム動画と解説情報とが並行に再生されること)を意味する。解説情報が表示される形態を想定すると、表示装置において解説情報が表示される位置とゲーム動画が表示される位置との関係は任意である。例えば、解説情報がゲーム動画に重複して表示されてもよいし、相互に離間または隣接した2個の領域に解説情報およびゲーム動画がそれぞれ表示されてもよい。
【0150】
付記1の具体例(付記2)において、前記設定データ(Z)は、前記ゲームシステム(20)において使用されない補助情報(Q)を含み、前記解説情報(C)は、前記補助情報(Q)を含む。以上の態様によれば、ゲームシステム(20)において使用されない補助情報(Q)を含む解説情報(C)が生成されるから、状況データ(X)のみから解説情報(C)を生成する構成と比較して、情報量が多い解説情報(C)を端末装置(10)の利用者(U)に提供できる。
【0151】
「補助情報」は、ゲームシステムにおいて処理(例えば生成)されない任意の情報である。例えば、1回毎のゲームに関する情報のみがゲームシステムにおいて生成される構成(ゲームに関する情報が1回毎に初期化される構成)を想定すると、複数回のゲームにわたり通算された情報が「補助情報」として解説情報に含まれる。例えば、本塁打数または三振数(奪三振数)が1回毎に初期化される野球ゲームをゲームシステムが提供する場合を想定すると、複数回のゲームにわたる通算本塁打数および通算三振数(通算奪三振数)が、「補助情報」として解説情報に含まれる。また、「Player 1」「Player 2」等のゲーム内の名称で各プレイヤが識別される形態を想定すると、各プレイヤの名前が「補助情報」として解説情報に含まれる。
【0152】
付記1または付記2の具体例(付記3)において、前記状況データ(X)は、前記ゲームにおいて順次に発生するイベントを表し、前記設定データ(Z)は、相異なるイベントに対応する複数の登録情報(r1)を含み、前記解説情報(C)は、前記複数の登録情報(r1)のうち、前記状況データ(X)が表すイベントに対応する登録情報(r1)を含む。以上の態様においては、複数の登録情報(r1)のうち、ゲームにおいて発生したイベントに対応する登録情報(r1)を含む解説情報(C)が、端末装置(10)において再生される。したがって、端末装置(10)の利用者(U)は、ゲームにおいて発生したイベントを容易に把握できる。
【0153】
「登録情報」は、解説情報の一部または全部を構成する情報であり、例えば文字列で表現される。「登録情報」は、単独で意味的に成立する文字列(すなわち文または単語)でもよいし、特定の文字列の一部でもよい。単独で成立する登録情報は、当該登録情報のみが解説情報として利用されてもよいし、補助情報等の他の情報が付加されたうえで解説情報を構成してもよい。また、特定の文の一部である登録情報は、例えば相異なる解説情報において共用される定型的な部分である。すなわち、例えば補助情報等の他の情報を登録情報に付加することで、意味的に成立する解説情報が構成される。なお、前述の解説情報と同様に、登録情報は画像または音声でもよい。すなわち、例えば解説用の文字列のほか、解説用の画像または音声も「登録情報」には包含される。
【0154】
付記3の具体例(付記4)において、前記設定データ(Z)は、前記複数の登録情報(r1)のうち1以上の登録情報(r1)について、当該登録情報(r1)を含む解説情報(C)の生成条件を表す条件データ(r3)を含み、前記情報生成部(312)は、前記イベントに対応する登録情報(r1)を含む解説情報(C)を、当該登録情報(r1)に対応する前記条件データ(r3)が表す生成条件が成立する場合に生成する。以上の態様においては、イベントに対応する登録情報(r1)を含む解説情報(C)が、当該登録情報(r1)に対応する生成条件が成立する場合に生成される。すなわち、特定の登録情報(r1)については、当該登録情報(r1)に対応するイベントが発生しただけでは解説情報(C)は生成されず、さらに生成条件が生成された場合に解説情報(C)が生成される。したがって、特定の登録情報(r1)を含む解説情報(C)の生成を、特定の状況に限定できる。
【0155】
「生成条件」は、イベントの発生以外の任意の条件である。例えば、補助情報が表す数値に関する条件が「生成条件」として例示される。例えば、補助情報が表す数値が所定の閾値を上回ること、当該数値が所定の閾値を下回ること、または当該数値が所定値の倍数に該当すること、等の各種の条件が「生成条件」として例示される。
【0156】
付記1から付記4の何れかの具体例(付記5)において、前記設定データ(Z)は、相異なる複数の登録情報(r1)の各々について、当該登録情報(r1)を含む解説情報(C)の生成の許可/禁止を表す可否データ(r2)をプレイヤ(P)毎に含み、前記情報生成部(312)は、前記複数の登録情報(r1)のうち一の登録情報(r1)に対応する前記可否データ(r2)が許可を表す場合に、前記一の登録情報(r1)を含む前記解説情報(C)を生成し、前記可否データ(r2)が禁止を表す場合に、前記一の登録情報(r1)を含む前記解説情報(C)を生成しない。以上の態様においては、各登録情報(r1)を含む解説情報(C)の生成の可否/禁止がプレイヤ(P)毎に設定される。したがって、個々のプレイヤ(P)に好適な内容の解説情報(C)を端末装置(10)の利用者(U)に提供できる。
【0157】
付記1から付記4の何れかの具体例(付記6)において、前記1以上のプレイヤ(P)は、第1プレイヤ(Pa)と第2プレイヤ(Pb)とを含む複数のプレイヤ(P)であり、前記設定データ(Z)は、前記第1プレイヤ(Pa)に対応する複数の登録情報(r1)が登録された第1参照データ(Ra)と、前記第2プレイヤ(Pb)に対応する複数の登録情報(r1)が登録された第2参照データ(Rb)とを含み、前記情報生成部(312)は、前記第1プレイヤ(Pa)について、前記第1参照データ(Ra)に登録された前記複数の登録情報(r1)の何れかを含む解説情報(C)を生成し、前記第2プレイヤ(Pb)について、前記第2参照データ(Rb)に登録された前記複数の登録情報(r1)の何れかを含む解説情報(C)を生成する。以上の態様においては、第1プレイヤ(Pa)に関する解説情報(C)は第1参照データ(Ra)の登録情報(r1)を含み、第2プレイヤ(Pb)に関する解説情報(C)は第2参照データ(Rb)の登録情報(r1)を含む。したがって、個々のプレイヤ(P)に好適な内容の解説情報(C)を端末装置(10)の利用者(U)に提供できる。
【0158】
第1参照データおよび第2参照データの各々について複数の登録情報が個別に登録される。したがって、第1参照データの複数の登録情報と第2参照データの複数の登録情報とは、内容または組合せが相違し得る。なお、第1参照データの複数の登録情報の全部と第2参照データの複数の登録情報の全部とが相違する構成のほか、第1参照データの複数の登録情報と第2参照データの複数の登録情報とが部分的に重複する構成も想定される。
【0159】
本発明のひとつの態様(付記7)に係る情報システム(1)は、1以上のプレイヤ(P)がプレイするゲームを進行させるゲームシステム(20)と、前記ゲームシステム(20)と通信する制御システム(30)とを具備する情報システム(1)であって、前記制御システム(30)は、前記ゲームの状況を表す状況データ(X)を前記ゲームシステム(20)から取得する状況データ取得部(311)と、前記状況データ取得部(311)が取得した前記状況データ(X)と、解説情報(C)に関する条件が設定された設定データ(Z)とを利用して、前記ゲームの状況に関する解説情報(C)であって、前記ゲームの状況を表すゲーム動画(G)が配信される配信先の端末装置(10)が当該ゲーム動画(G)とともに再生する解説情報(C)を生成する情報生成部(312)とを含む。
【0160】
付記7の具体例(付記8)において、前記ゲームシステム(20)は、前記ゲームにおいて発生するイベントに関する条件を設定する第1条件設定部(211)と、前記第1条件設定部(211)が設定した条件を充足するイベントが前記ゲームにおいて発生した場合に、当該イベントを表す状況データ(X)を前記制御システム(30)に送信する送信処理部(212)とを具備する。以上の態様においては、ゲームにおいて発生したイベントが送信条件を充足する場合に、当該イベントの状況データ(X)が制御システム(30)に送信される。したがって、送信条件に適合した適切なイベントに限定して解説情報(C)を生成できる。また、ゲームにおいて発生した全部のイベントについて状況データ(X)が送信される構成と比較して、ゲームシステム(20)と制御システム(30)との間の通信量を削減できる。
【0161】
「イベントに関する条件」は、例えばイベントの種類の条件、またはイベントに関連する情報の条件である。例えば、野球ゲームを想定すると、本塁打の発生または三振の発生等のイベントの種類に関する制限が「イベントの種類の条件」に相当する。また、特定のイベントに関与したキャラクタまたは当該イベントに関する詳細な情報(例えば投手が投球した球種)に関する条件が「イベントに関連する情報の条件」に相当する。
【0162】
付記7または付記8の具体例(付記9)において、前記端末装置(10)は、前記制御システム(30)から前記解説情報(C)を受信する受信処理部(111)と、前記ゲーム動画(G)を再生する再生処理部(113)と、解説情報(C)に関する条件を利用者(U)からの指示に応じて設定する第2条件設定部(112)とを具備し、前記再生処理部(113)は、前記受信処理部(111)が順次に受信する複数の解説情報(C)のうち、前記第2条件設定部(112)が設定した条件を充足する解説情報(C)を、前記ゲーム動画(G)とともに再生する。以上の態様においては、受信処理部(111)が順次に受信する複数の解説情報(C)のうち再生条件を充足する解説情報(C)が再生される。したがって、端末装置(10)の利用者(U)が所望する解説情報(C)を選択的に再生できる。
【0163】
「解説情報に関する条件」は、例えば解説情報が表すイベントの種類の条件、または当該イベントに関連する情報の条件である。例えば、野球ゲームを想定すると、本塁打の発生または三振の発生等のイベントの種類に関する制限が「解説情報が表すイベントの種類の条件」に相当する。また、特定のイベントに関与したキャラクタまたは当該イベントに関する詳細な情報(例えば投手が投球した球種)に関する条件が「解説情報が表すイベントに関連する情報の条件」に相当する。
【0164】
本発明のひとつの態様(付記10)に係る情報処理方法(Sc)は、1以上のプレイヤ(P)がプレイするゲームを進行させるゲームシステム(20)から、前記ゲームの状況を表す状況データ(X)を取得し、前記状況データ(X)と、解説情報(C)に関する条件が設定された設定データ(Z)とを利用して、前記ゲームの状況に関する解説情報(C)であって、前記ゲームの状況を表すゲーム動画(G)が配信される配信先の端末装置(10)が当該ゲーム動画(G)とともに再生する解説情報(C)を生成する。
【0165】
本発明のひとつの態様(付記11)に係るプログラムは、1以上のプレイヤ(P)がプレイするゲームを進行させるゲームシステム(20)から、前記ゲームの状況を表す状況データ(X)を取得する状況データ取得部(311)、および、前記状況データ取得部(311)が取得した前記状況データ(X)と、解説情報(C)に関する条件が設定された設定データ(Z)とを利用して、前記ゲームの状況に関する解説情報(C)であって、前記ゲームの状況を表すゲーム動画(G)が配信される配信先の端末装置(10)が当該ゲーム動画(G)とともに再生する解説情報(C)を生成する情報生成部(312)、としてコンピュータシステムを機能させる。
【符号の説明】
【0166】
1…情報システム、2…通信網、10…端末装置、11…制御装置、111…受信処理部、112…条件設定部、113…再生処理部、12…記憶装置、13…通信装置、14…操作装置、15…再生装置、151…表示装置、152…放音装置、20…ゲームシステム、21…制御装置、211…条件設定部、212…送信処理部、22…記憶装置、23…通信装置、24(24a,24b)…ゲームユニット、241…操作装置、242…表示装置、30…制御システム、31…制御装置、311…状況データ取得部、312…情報生成部、313…動画データ編集部、314…設定データ処理部、32…記憶装置、33…通信装置、34…操作装置、35…表示装置、40…配信システム、50…ゲームサーバ。
図1
図2
図3
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図6
図7
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図9
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