(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-04
(45)【発行日】2023-10-13
(54)【発明の名称】将棋用具
(51)【国際特許分類】
A63F 3/02 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
A63F3/02 511A
A63F3/02 511P
A63F3/02 513C
A63F3/02 513A
A63F3/02 502A
(21)【出願番号】P 2021186010
(22)【出願日】2021-10-20
【審査請求日】2021-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】591152805
【氏名又は名称】刈田 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100106954
【氏名又は名称】岩城 全紀
(72)【発明者】
【氏名】刈田 宏
【審査官】佐藤 洋允
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-149521(JP,A)
【文献】実開昭59-174872(JP,U)
【文献】実公昭29-000619(JP,Y1)
【文献】実公昭02-010790(JP,Y1)
【文献】実開昭59-061074(JP,U)
【文献】実公昭29-016835(JP,Y1)
【文献】実開昭47-016581(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 3/00 - 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定数の升目が形成された将棋盤(1)、並びに、複数の将棋の駒(3a,3b)を備えた将棋用具であって、
前記将棋盤(1)に設けられている各々の升目は、左及び右の升目線(6)及び上及び下の升目線(6)によって形成され、
一つの前記升目内における、左及び右の升目線(6)から寸法L1だけ隔てた位置と、上及び下の升目線から各寸法L3だけ隔てた位置と交差する部分を中心とする計4個の窪み(4)が該升目内に設けられているとともに、
前記将棋の駒(3a,3b)のうち、王将及び金将の駒には、指し手から向かって、前記4個の窪み(4)のうち下側の左及び右の一対の窪み(4)にフイットする左及び右の一対の突起(5)が、
該王将及び金将の駒の裏面の下方位置に計2個、設けられている一方、
王将及び金将以外の将棋の駒(3a,3b)には、指し手から向かって、前記4個の窪み(4)のうち下側の左及び右の一対の窪み(4)にフイットする左及び右の一対の突起(5)が、
該王将及び金将以外の将棋の駒(3a,3b)の表面及び裏面のそれぞれの下方位置に計2個ずつ、設けられていることを特徴とする将棋用具。
【請求項2】
所定数の升目が形成された将棋盤(1)、並びに、複数の将棋の駒(3a,3b)を備えた将棋用具であって、
前記将棋盤(1)に設けられている各々の升目は、左及び右の升目線(6)及び上及び下の升目線(6)によって形成され、
一つの前記升目内における、左及び右の升目線(6)から寸法L1だけ隔てた位置と、上及び下の升目線から寸法L3だけ隔てた位置と交差する部分を中心とする計4個の突起(5)が該升目内に設けられているとともに、
前記将棋の駒(3a,3b)のうち、王将及び金将の駒には、指し手から向かって、前記4個の突起(5)のうち下側の左及び右の一対の突起(5)にフイットする左及び右の一対の窪み(4)が、
該王将及び金将の駒の裏面の下方位置に計2個、設けられている一方、
王将及び金将以外の将棋の駒(3a,3b)には、指し手から向かって、前記4個の突起(5)のうち下側の左及び右の一対の突起(5)にフイットする左及び右の一対の窪み(4)が、
該王将及び金将以外の将棋の駒(3a,3b)の表面及び裏面それぞれの下方位置に計2個ずつ、設けられていることを特徴とする将棋用具。
【請求項3】
所定数の升目が形成された将棋盤(1,2)、並びに、複数の将棋の駒(3a,3b)を備えた将棋用具であって、
前記将棋盤(1,2)に設けられている各々の升目は、左及び右の升目線(6)及び上及び下の升目線(6)によって形成され、
一つの前記升目内における、上及び下の升目線(6)から寸法L7だけ隔てた上側及び下側の位置で、左及び右の升目線(6)からも等距離となる位置に、上下対称となる形状に形成された山形部を備える計2個のストッパー(7,7)が該升目内に設けられているとともに、
前記将棋の駒(3a,3b)のうち、王将及び金将の駒には、指し手から向かって、前記2個のストッパー(7,7)のうち下側のストッパー(7)と互いに接する内外形においてオス・メスの一致した形状をなす切り欠き(8)が、
該王将及び金将の駒の裏面の下側中央部に設けられ、該下側のストッパー(7)に対し、該王将及び金将の駒の切り欠き(8)をフイットさせた際、該駒は縦横に整然と並んだ状態となる一方、
王将及び金将以外の将棋の駒(3a,3b)には、指し手から向かって、前記2個のストッパー(7,7)のうち下側のストッパー(7)と互いに接する内外形においてオス・メスの一致した形状をなす切り欠き(8)が、
該王将及び金将以外の将棋の駒(3a,3b)の表面及び裏面それぞれの下側中央部に設けられ、該下側のストッパー(7)に対し、
該王将及び金将以外の将棋の駒(3a,3b)の切り欠き(8)をフイットさせた際、該駒は縦横に整然と並んだ状態となることを特徴とする将棋用具。
【請求項4】
所定数の升目が形成され、立てた状態で使用する大盤の将棋盤(2)、並びに、磁石が埋め込まれた複数の将棋の駒(3a,3b)を備えた将棋用具であって、
前記将棋盤(2)に設けられている各々の升目は、左及び右の升目線(6)及び上及び下の升目線(6)によって形成され、
一つの前記升目内における、上及び下の升目線(6)から寸法L7だけ隔てた上側及び下側の位置で、左及び右の升目線(6)からも等距離となる位置に、上下対称となる形状に形成された山形部を備える計2個のストッパー(7,7)が該升目内に設けられているとともに、該升目の横のスペースには同様のストッパー(7,7)が、指し手側それぞれに設けられ、
前記将棋の駒(3a,3b)のうち、王将及び金将の駒には、指し手から向かって、前記2個のストッパー(7,7)のうち下側のストッパー(7)と互いに接する内外形においてオス・メスの一致した形状をなす切り欠き(8)が、
該王将及び金将の駒の裏面の下側中央部に設けられ、該下側のストッパー(7)に対し、該王将及び金将の駒の切り欠き(8)をフイットさせた際、該駒は縦横に整然と並んだ状態となる一方、
王将及び金将以外の将棋の駒(3a,3b)には、指し手から向かって、前記2個のストッパー(7,7)のうち下側のストッパー(7)と互いに接する内外形においてオス・メスの一致した形状をなす切り欠き(8)が、
該王将及び金将以外の将棋の駒(3a,3b)の表面及び裏面それぞれの下側中央部に設けられ、該下側のストッパー(7)に対し、
該王将及び金将以外の将棋の駒(3a,3b)の切り欠き(8)をフイットさせた際、該駒は縦横に整然と並んだ状態となることを特徴とする将棋用具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、将棋を指すに際して使用する将棋盤及び将棋の駒からなる将棋用具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、将棋を指すに当たって盤上に縦横に引かれた線の升目の中に駒を置いたり、指し進めるに際し、升目の中に駒を置くが、升目の中の駒の位置や向きは、指し手の感覚に頼って並べられていた。
【0003】
本発明は、将棋を指し始めるに際して盤上に各駒を整然と並べ、更に指し継ぐに当たっても常に升目の定められた位置に整然と置かれた状態を保ちながらゲ-ムを指し進めるために使用される将棋用具を提供しようとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許情報プラットフォームの過去の文献に、同様の目的や類似した目的の文献は見当たらない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
将棋を指し始めるに際し、盤面に縦横に引かれた線の9x9の升目の中に所定の各駒を並べてから順次駒を進めて、相手の王将を取って勝敗を決するゲームであるが、指し進めるのに際して升目の中へのセットする駒の位置は、指し手の感覚に頼よっていた。駒は常に曲がった状態にすることなく前後方向は進行方向に対し後端を揃え、左右方向は升目の中央に位置するように置くのが礼儀とされていた。通常指し手同士が将棋を指す場合、この作法が守られ整然と駒を進められているが、指し手に依っては、升目の中の駒が曲がっていたり、前後左右の位置がランダムな状態で指す人を見かける。特に大盤で棋士の戦況を検討したり解説したりする場合などは、解説者が大盤の横に位置して駒を進めながら解説するので、駒の向きや位置の判断が難かしいなどの条件も手伝って、駒を整然と並べ難くランダムな状態で解説する場面を多く見かける。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、将棋盤に対し、将棋の駒を整然と配列させることが可能な将棋用具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、所定数の升目が形成された将棋盤(1)、並びに、複数の将棋の駒(3a,3b)を備えた将棋用具であって、前記将棋盤(1)に設けられている各々の升目は、左及び右の升目線(6)及び上及び下の升目線(6)によって形成され、一つの前記升目内における、左及び右の升目線(6)から寸法L1だけ隔てた位置と、上及び下の升目線から各寸法L3だけ隔てた位置と交差する部分を中心とする計4個の窪み(4)が該升目内に設けられているとともに、前記将棋の駒(3a,3b)のうち、王将及び金将の駒には、指し手から向かって、前記4個の窪み(4)のうち下側の左及び右の一対の窪み(4)にフイットする左及び右の一対の突起(5)が、該王将及び金将の駒の裏面の下方位置に計2個、設けられている一方、王将及び金将以外の将棋の駒(3a,3b)には、指し手から向かって、前記4個の窪み(4)のうち下側の左及び右の一対の窪み(4)にフイットする左及び右の一対の突起(5)が、該王将及び金将以外の将棋の駒(3a,3b)の表面及び裏面のそれぞれの下方位置に計2個ずつ、設けられていることを特徴としている。
請求項2記載の発明では、上記請求項1とは逆に、将棋盤(1)の升目に突起(5)を設ける一方、将棋の駒(3a,3b)に窪み(4)を設けている。
具体的には、所定数の升目が形成された将棋盤(1)、並びに、複数の将棋の駒(3a,3b)を備えた将棋用具であって、前記将棋盤(1)に設けられている各々の升目は、左及び右の升目線(6)及び上及び下の升目線(6)によって形成され、一つの前記升目内における、左及び右の升目線(6)から寸法L1だけ隔てた位置と、上及び下の升目線から寸法L3だけ隔てた位置と交差する部分を中心とする計4個の突起(5)が該升目内に設けられているとともに、前記将棋の駒(3a,3b)のうち、王将及び金将の駒には、指し手から向かって、前記4個の突起(5)のうち下側の左及び右の一対の突起(5)にフイットする左及び右の一対の窪み(4)が、該王将及び金将の駒の裏面の下方位置に計2個、設けられている一方、王将及び金将以外の将棋の駒(3a,3b)には、指し手から向かって、前記4個の突起(5)のうち下側の左及び右の一対の突起(5)にフイットする左及び右の一対の窪み(4)が、該王将及び金将以外の将棋の駒(3a,3b)の表面及び裏面それぞれの下方位置に計2個ずつ、設けられていることを特徴としている。
請求項3記載の発明は、所定数の升目が形成された将棋盤(1,2)、並びに、複数の将棋の駒(3a,3b)を備えた将棋用具であって、前記将棋盤(1,2)に設けられている各々の升目は、左及び右の升目線(6)及び上及び下の升目線(6)によって形成され、一つの前記升目内における、上及び下の升目線(6)から寸法L7だけ隔てた上側及び下側の位置で、左及び右の升目線(6)からも等距離となる位置に、上下対称となる形状に形成された山形部を備える計2個のストッパー(7,7)が該升目内に設けられているとともに、前記将棋の駒(3a,3b)のうち、王将及び金将の駒には、指し手から向かって、前記2個のストッパー(7,7)のうち下側のストッパー(7)と互いに接する内外形においてオス・メスの一致した形状をなす切り欠き(8)が、該王将及び金将の駒の裏面の下側中央部に設けられ、該下側のストッパー(7)に対し、該王将及び金将の駒の切り欠き(8)をフイットさせた際、該駒は縦横に整然と並んだ状態となる一方、王将及び金将以外の将棋の駒(3a,3b)には、指し手から向かって、前記2個のストッパー(7,7)のうち下側のストッパー(7)と互いに接する内外形においてオス・メスの一致した形状をなす切り欠き(8)が、該王将及び金将以外の将棋の駒(3a,3b)の表面及び裏面それぞれの下側中央部に設けられ、該下側のストッパー(7)に対し、該王将及び金将以外の将棋の駒(3a,3b)の切り欠き(8)をフイットさせた際、該駒は縦横に整然と並んだ状態となることを特徴としている。
請求項4記載の発明は、所定数の升目が形成され、立てた状態で使用する大盤の将棋盤(2)、並びに、磁石が埋め込まれた複数の将棋の駒(3a,3b)を備えた将棋用具であって、前記将棋盤(2)に設けられている各々の升目は、左及び右の升目線(6)及び上及び下の升目線(6)によって形成され、一つの前記升目内における、上及び下の升目線(6)から寸法L7だけ隔てた上側及び下側の位置で、左及び右の升目線(6)からも等距離となる位置に、上下対称となる形状に形成された山形部を備える計2個のストッパー(7,7)が該升目内に設けられているとともに、該升目の横のスペースには同様のストッパー(7,7)が、指し手側それぞれに設けられ、前記将棋の駒(3a,3b)のうち、王将及び金将の駒には、指し手から向かって、前記2個のストッパー(7,7)のうち下側のストッパー(7)と互いに接する内外形においてオス・メスの一致した形状をなす切り欠き(8)が、該王将及び金将の駒の裏面の下側中央部に設けられ、該下側のストッパー(7)に対し、該王将及び金将の駒の切り欠き(8)をフイットさせた際、該駒は縦横に整然と並んだ状態となる一方、王将及び金将以外の将棋の駒(3a,3b)には、指し手から向かって、前記2個のストッパー(7,7)のうち下側のストッパー(7)と互いに接する内外形においてオス・メスの一致した形状をなす切り欠き(8)が、該王将及び金将以外の将棋の駒(3a,3b)の表面及び裏面それぞれの下側中央部に設けられ、該下側のストッパー(7)に対し、該王将及び金将以外の将棋の駒(3a,3b)の切り欠き(8)をフイットさせた際、該駒は縦横に整然と並んだ状態となることを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
将棋を指すに当たって、礼節を重んじる将棋の世界にあって、棋士は駒を盤上に整然と並べて指し継ぐことが基本とされている。また、大盤で棋士同士の戦いを解説したり、定石の指導解説などをするに当たっては、解説者は盤の横に立って盤上の駒を横目で見ながら駒を動かさねばならないので、升目内での駒の位置や向きなどの適格な判断が難かしく、従って整然と駒の位置を設定しながら解説するのは難しい。これを見ている側の観客も不揃いな駒の配置に不快感を感じる場合が多い。本発明は常に整然と駒を並べて指し進めようとする方式に関するものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一般に提供されている将棋盤の上面に窪みを設け、駒を並べた状態の平面図である。
【
図2】一般に解説用に提供されている大盤にストッパ-を配置し、駒を並べた状態の平面図である。
【
図3】駒とこれに取り付けられた突起と将棋盤に穿けられた窪みの関係を示す拡大平面図である。
【
図4】
図3の矢印A-Aの方向から見た突起と窪みの関係を示す断面図である。
【
図6】駒とこれに手を加えた切り欠きと将棋盤に取り付けられたストッパ-との組み合わせを示す拡大平面図である
【
図7】
図6の矢印B-Bの方向から見た駒とストッパ-の関係を示す断面図である。
【
図8】
図6を矢印C-Cの方向から見た駒とのストッパ-の下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
盤上の駒をゲームを開始するに当たって升目の中に整然と並べ、指し進めるに当たっても駒の位置や向きを升目の定位置にセットする目的を、将棋盤や駒を加工したり小さな部品を取り付けることにより実現した。
【実施例1】
【0010】
図1は、本発明の第1の実施例を示す将棋盤1に駒3aを配置した状態を示す平面図であって、以下図面を参照して説明する。全ての駒3aは、常に升目の中にあって曲がることなく升目の下線から下端までの距離を一定とし、左右方向は中央に位置なるよう置かれていなければならない。このため将棋盤2の上面に窪み4を設け、その位置は、駒3aに取り付けられた突起5とフイットした状態において、駒3aが縦横に整然とした状態を保つように適宜決定する。
【0011】
図1と
図3に示す升目線6から窪み4の中心位置を示す左右の二つの寸法L1は同一寸法とし、L2の寸法は
図3に示す駒3aのL2の寸法と同一とする。更に窪み4の中心と升目線6までの上下二つの寸法L3は全て同一である。
【0012】
図3に示すL2とL5の寸法は全ての駒3a・3bで同一であり、L4の左右二つの寸法は同一寸法であるが、この値は駒3a・3bの大きさに依って違いがある。
【0013】
図3は、駒3aが自陣に居る場合は表を向き、敵陣に入った場合は裏返しになるので、上下(王将と金将は下面のみ)に前記盤面の窪み4にフイットする突起5を設けた平面図であって、駒の表裏のどちらを使用した場合でも同じ効果があるようになっている。
【0014】
図3は、駒3aと将棋盤1及び2に穿あけられた窪み4との関係を示す拡大平面図で、
図4は、
図3の駒3aを矢印A-Aの方向から見た断面図である。窪み4と突起5とがフイットしている状態を表しており、この状態で、駒3aを曲がって置かれたり前後左右にずれることなく整然とした姿勢になる。
図5はa部を更に拡大した図である。
指し手や解説者が一度盤面に置いた駒3aを前後左右にずらす動作をすることに依って駒3aに取り付けられた突起5と盤面の窪み4がフイットする位置を探すが、フイットした時点に於いて、更に水平にずらそうとしても、それ以上は動かないようにピッタリと篏合した状態を保持するようにしなければならない。
【0015】
このものは、一駒あたり窪み4と突起5の組み合わせは二組以上必要であり、前記の説明と反対に、将棋盤1及び2の上面に突起5を設け、駒3aに窪み4を設けるなどしても同様の効果を齎す。又窪み4と突起5の形状は本図の物に拘らない。
又、二組以上の窪み4と突起5の位置は、
図1や
図3に示す位置に拘らず、本発明と同様な効果を齎せば、上下や斜めに配置しても良い。
【実施例2】
【0016】
図2は、本発明の第2の実施例を示す将棋盤2に駒3aを配置した状態を示す平面図であって、以下図面を参照して説明する。前記、実施例1の場合と同様に全ての駒3aは、常に升目の中にあって曲がることなく升目の下線から下端までの距離を一定とし、左右方向は中央に位置なるように置かれていなければならない。このためストッツパ-7の取り付け位置は、駒3駒3aに切り込まれた切り欠き8とストッパ-7の山形部とがフイットした状態に於いて、駒3aが縦横に整然と並んだ状態になるように適宜決定する。
【0017】
図2及び
図6に示す升目線6からストッパ-7の端部までの左右二つの寸法L6は同一寸法とし、更にストッパ-7の下端から升目線6までの上下二つの寸法L7は全て同一にする。
【0018】
図6は、駒3aが自陣に居る場合は表を向き、敵陣に入った場合は裏返しになるので、上下(王将と金将は下面のみ)に前記ストッツパ-7にフイットする山形の切り欠き7表裏に設けてあり、駒の表裏のどちらを使用した場合でも同じ効果があるようになっている。
【0019】
図6は、駒3aとストッパ-7の関係を示す拡大平面図で、例えば、図に示す山形をなしてある程度の厚みを持ったストッパ-7を将棋盤1・2に取り付けておく。更に駒3a・3bにはある程度の深さを持った切り欠き8を設ける。この切り欠きは、山形をなすストッパ-7と互いに接する内外形においてオスとメスの一致した形状をなしている。将棋盤1,2上に置いた駒3aを指先で前後左右にずらし、双方の山形をフイットした状態にさせれば、駒3aは傾むくことなく左右方向は升目の中央に位置し、下端は同列の駒3aの下端は横一線に揃う。
【0020】
図7は、
図6の矢印B-Bの方向から見た断面図で、駒3aの切り欠き高さはストッパ-7の厚みよりわずかに高くなっているか駒3a・3bの1/2になっている。乃ち切り欠き部は貫通している。
【0021】
大盤2上の駒3aを指し進めるに当たり、通常は相手から取り上げた駒3bは、対戦者が見易いこともあって駒台に乗せたりするが、大盤2で解説する場合は、観客が見易いようにこれを立てた状態で使用する場合が多い。駒3a・3bには磁石が埋め込んであり落ちないように盤にくっつくようになっている。この場合は、
図2に示すように大盤の横2のスペ-スに同様の方法を用いれば駒3bを整然と並べることが出来る。
【符号の説明】
【0022】
1 一般に使用されている将棋盤
2 解説等に使用される大盤
3a 将棋の駒
3b 相手から取り上げた駒
4 盤の上面に穿けられた窪み
5 駒に取り付けられた突起
6 将棋盤の升目線
7 ストッパ-
8 駒の切り欠き