(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-04
(45)【発行日】2023-10-13
(54)【発明の名称】火災報知システムおよび火災報知端末の状態確認識別子訂正方法
(51)【国際特許分類】
G08B 17/00 20060101AFI20231005BHJP
G08B 29/12 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
G08B17/00 D
G08B29/12
(21)【出願番号】P 2019007688
(22)【出願日】2019-01-21
【審査請求日】2021-12-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000229405
【氏名又は名称】日本ドライケミカル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】緒方 哲広
(72)【発明者】
【氏名】大嶋 宏果
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼嘉
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼海涛
(72)【発明者】
【氏名】侯林峰
【審査官】永田 義仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-122489(JP,A)
【文献】特開2007-317046(JP,A)
【文献】特開平03-276393(JP,A)
【文献】特開2014-016677(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B17/00-17/12
23/00-31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ識別子を持ち火災に関連する感知情報を検知する複数の火災報知端末と、前記火災報知端末よりの感知情報を受信して表示するため前記火災報知端末に接続される受信機と、を有する火災報知システムであって、
前記識別子に対応する前記火災報知端末の状態を検知するために前記火災報知端末に接続される模擬装置と、前記模擬装置と無線で通信して、前記識別子に対応する前記火災報知端末の状態を表示する携帯端末と、を備え、
前記携帯端末は、前記火災報知端末の各々に対応して前記火災報知端末の各々の状態を示す各アイコンを、二次元のマトリックス状に一覧表示
し、
前記携帯端末は、前記火災報知端末の各々の前記識別子を1刻みの0~9の列と10刻みの行の前記二次元のマトリックスとして前記識別子順で前記各アイコンを表示することを特徴とすることを特徴とする火災報知システム。
【請求項2】
前記携帯端末が、前記模擬装置により検知された前記火災報知端末の状態を、識別子順に一覧表示することを特徴とする請求項1に記載の火災報知システム。
【請求項3】
前記火災報知端末の状態が、前記火災報知端末の接続状態であることを特徴とする請求項2に記載の火災報知システム。
【請求項4】
前記火災報知端末の状態が、前記火災報知端末の識別子の重複であることを特徴とする請求項2に記載の火災報知システム。
【請求項5】
前記火災報知端末が、それぞれの作動状態を表示する表示手段を有しており、前記携帯端末が、前記模擬装置と無線で通信して、前記火災報知端末の識別子に従って前記火災報知端末の表示手段を表示させる表示指示を前記模擬装置へ送信し、前記模擬装置が、前記携帯端末よりの表示指示により、前記火災報知端末の識別子に従って前記火災報知端末の表示手段を表示させることを特徴とする請求項1に記載の火災報知システム。
【請求項6】
前記火災報知端末の識別子に従った前記火災報知端末の表示手段による表示に基づいて、前記火災報知端末の識別子が所定の設定と違っていることが検出されることを特徴とする請求項5に記載の火災報知システム。
【請求項7】
前記模擬装置が、前記携帯端末よりの訂正指示に基づいて、前記火災報知端末の所定の設定と違っている識別子の訂正することを特徴とする請求項6に記載の火災報知システム。
【請求項8】
前記模擬装置が、前記携帯端末よりの指示に基づいて、前記火災報知端末の重複識別子の訂正することを特徴とする請求項4に記載の火災報知システム。
【請求項9】
前記受信機が前記火災報知端末に接続されていない状態であることを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の火災報知システム。
【請求項10】
前記火災報知端末の表示手段が、それぞれの作動状態を表示するためのライトからなることを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載の火災報知システム。
【請求項11】
それぞれ識別子を持ち火災に関連する感知情報を検知する複数の火災報知端末と、前記火災報知端末よりの感知情報を受信して表示するため前記火災報知端末に接続される受信機と、を有する火災報知システムであって、
前記火災報知端末の識別子を確認して訂正するために前記火災報知端末に接続される模擬装置と、前記模擬装置と無線で通信して、前記火災報知端末の各々に対応して前記火災報知端末の各々の識別子の状態を示す各アイコンを、二次元のマトリックス状に一覧表示
し、前記火災報知端末の各々の前記識別子を1刻みの0~9の列と10刻みの行の前記二次元のマトリックスとして前記識別子順で前記各アイコンを表示する携帯端末とを備え、
前記火災報知端末が、それぞれの作動状態を表示する表示手段を有しており、前記携帯端末が、前記火災報知端末の識別子に従って前記表示手段を表示させる表示指示を前記模擬装置へ送信し、前記模擬装置が、前記携帯端末よりの表示指示により、前記火災報知端末の識別子に従って前記表示手段を表示させ、前記火災報知端末の識別子に従った前記火災報知端末の表示手段による表示に基づいて、前記火災報知端末の識別子が所定の設定と違っていることが検出され、前記火災報知端末の識別子が所定の設定と違っている場合、前記携帯端末は、その所定の設定と違っている識別子を訂正する訂正指示を前記模擬装置に対して行い、前記模擬装置は、前記携帯端末よりの訂正指示に基づいて、その所定の設定と違っている識別子を訂正することを特徴とする火災報知システム。
【請求項12】
前記受信機が前記火災報知端末に接続されていない状態であることを特徴とする請求項11に記載の火災報知システム。
【請求項13】
前記火災報知端末の表示手段が、それぞれの作動状態を表示するためのライトからなることを特徴とする請求項11、12のいずれかに記載の火災報知システム。
【請求項14】
それぞれ識別子を持ち火災に関連する感知情報を検知する複数の火災報知端末と、前記火災報知端末よりの感知情報を受信して表示するため前記火災報知端末に接続される受信機と、前記火災報知端末に接続される模擬装置と、前記模擬装置と無線で通信する携帯端末を有する火災報知システムにおける火災報知端末の状態確認識別子訂正方法であって、 前記模擬装置により、前記識別子に対応する前記火災報知端末の状態が検知される工程と、
前記模擬装置により、前記火災報知端末の状態の情報が前記携帯端末へ送信される工程と、
前記携帯端末により、前記識別子に対応する前記火災報知端末の各々の状態を示す各アイコンを、前記識別子順に二次元のマトリックス状に一覧表示
し、前記火災報知端末の各々の前記識別子を1刻みの0~9の列と10刻みの行の前記二次元のマトリックスとして前記識別子順で前記各アイコンを表示する工程と、を備えることを特徴とする状態確認識別子訂正方法。
【請求項15】
それぞれ識別子を持ち火災に関連する感知情報を検知する複数の火災報知端末と、前記火災報知端末よりの感知情報を受信して表示するため前記火災報知端末に接続される受信機と、前記火災報知端末に接続される模擬装置と、前記模擬装置と無線で通信する携帯端末を有し、前記火災報知端末が、それぞれの作動状態を表示する表示手段を有する火災報知システムにおける火災報知端末の状態確認識別子訂正方法であって、
前記携帯端末により、前記火災報知端末の各々の識別子に対応して二次元のマトリックス状に一覧表示された前記火災報知端末の各々の状態を示す各アイコンに従って前記火災報知端末の表示手段を表示さ
せ、前記火災報知端末の各々の前記識別子を1刻みの0~9の列と10刻みの行の前記二次元のマトリックスとして前記識別子順で前記各アイコンを表示させる表示指示が前記模擬装置へ送信される工程と、
前記模擬装置により、前記携帯端末よりの表示指示に基づいて、前記火災報知端末の識別子に従って前記火災報知端末の表示手段が表示される工程と、
前記火災報知端末の識別子に従った前記火災報知端末の表示手段による表示に基づいて、前記火災報知端末の識別子が所定の設定と違っていることが検出される工程と、
前記携帯端末により、前記火災報知端末の識別子が所定の設定と違っている場合に、その所定の設定と違っている識別子を訂正する訂正指示が前記模擬装置に対して行われる工程と、
前記模擬装置により、前記携帯端末よりの訂正指示に基づいて、その所定の設定と違っている識別子が訂正される工程と、を備えることを特徴とする状態確認識別子訂正方法。
【請求項16】
前記携帯端末は、前記火災報知端末のスキャン状態、接続状態、前記識別子の重複の状態の少なくともいずれかに応じて前記各アイコンの色を変化させて表示することを特徴とする、請求項
1に記載の火災報知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火災報知システムおよび火災報知端末の状態確認識別子訂正方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、煙感知器や熱感知器や発信機等を火災報知端末として複数設置し、それらの火災報知端末からの感知情報により火災を感知して報知する火災報知システムが知られている。
【0003】
従来の火災報知システムとしては、以下のような構成が知られている。
【0004】
表示部を有する受信機に、煙感知器や熱感知器や発信機等の火災報知端末が接続され、その火災報知端末の感知情報が、受信機へ送られ、その感知情報が集約されて受信機の表示部に表示される構成となっていた。
【0005】
そして、監視者は、その受信機の表示部に表示される感知情報により、火災等の監視を行っていた。
【0006】
従来の火災報知システムには以下のような問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2017-116973号公報
【文献】特開平5-298588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の火災報知システムでは、システムの設置過程において、煙感知器や熱感知器や発信機等の各火災報知端末を識別するために、各火災報知端末に、個別の識別子(アドレス)を設定していた。
【0009】
通常、各火災報知端末のアドレスの設定は、システムの設置過程において、各火災報知端末の配線前に、各火災報知端末に対して専用のアドレス設定器で行っていた。すなわち、施工者が、各火災報知端末の設定図に基づいて専用のアドレス設定器を使って各火災報知端末のアドレス設定を行い、アドレス設定の行われた感知器を、施工者が設置配線して行ようになっていた。
【0010】
しかしながら、その際、火災報知端末の設置位置を間違えることがあり、それにより、配線された火災報知端末のアドレス間違いが起こる。ここで、アドレス間違いとは、各火災報知端末の設定図に基づいて本来設置されるべきアドレス位置に、異なるアドレスの火災報知端末が設置されてしまうことである。
【0011】
伝送線への各火災報知端末の接続確認には、受信機に備えられたアドレス確認機能を用いて行う場合と、火災報知システムの施工現場において受信機の接続前に、伝送線へ模擬装置(シミュレータ)を接続して、伝送線への各火災報知端末の接続確認を行う場合とがあった。
【0012】
しかしながら、受信機あるいは模擬装置による伝送線への各火災報知端末の接続確認では、個別の系統(例えば、各階の火災報知端末系統)の接続確認を表示し、次の表示へと切替えて行き、確認を行う形態となっていた。従って、全ての火災報知端末の接続確認を瞬時に行うことができず、確認に時間がかかり、見落としも発生する問題があった。
【0013】
また、複数の火災報知端末のアドレスを設定した後で、感知器のアドレス間違い等により、特定の火災報知端末のアドレスを訂正しなければならない事態となった場合、受信機あるいは模擬装置では、特定の火災報知端末のアドレスのみを訂正することが出来なかった。従って、特定の火災報知端末のアドレスを訂正しなければならない場合は、その特定の火災報知端末を伝送線から外して、その外した特定の火災報知端末に対してアドレス訂正を行わなければならなかった。
【0014】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、全ての火災報知端末の接続状態およびアドレス重複の確認を容易に行うことができる火災報知システムおよび火災報知端末の状態確認識別子訂正方法を提供することである。
【0015】
本発明の他の目的は、火災報知端末のアドレス間違いを容易に検出できると共に、特定の火災報知端末のアドレスを訂正することができる火災報知システムおよび火災報知端末の状態確認識別子訂正方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
第1の発明は、それぞれ識別子を持ち火災に関連する感知情報を検知する複数の火災報知端末と、前記火災報知端末よりの感知情報を受信して表示するため前記火災報知端末に接続される受信機と、を有する火災報知システムであって、前記識別子に対応する前記火災報知端末の状態を検知するために前記火災報知端末に接続される模擬装置と、前記模擬装置と無線で通信して、前記識別子に対応する前記火災報知端末の状態を表示する携帯端末と、を備えることである。
【0017】
第2の発明は、第1の発明に係る火災報知システムにおいて、前記携帯端末が、前記模擬装置により検知された前記火災報知端末の状態を、識別子順に一覧表示することである。
【0018】
第3の発明は、第2の発明に係る火災報知システムにおいて、前記火災報知端末の状態が、前記火災報知端末の接続状態であることである。
【0019】
第4の発明は、第2の発明に係る火災報知システムにおいて、前記火災報知端末の状態が、前記火災報知端末の識別子の重複であることである。
【0020】
第5の発明は、第1の発明に係る火災報知システムにおいて、前記火災報知端末が、それぞれの作動状態を表示する表示手段を有しており、前記携帯端末が、前記模擬装置と無線で通信して、前記火災報知端末の識別子に従って前記火災報知端末の表示手段を表示させる表示指示を前記模擬装置へ送信し、前記模擬装置が、前記携帯端末よりの表示指示により、前記火災報知端末の識別子に従って前記火災報知端末の表示手段を表示させることである。
【0021】
第6の発明は、第5の発明に係る火災報知システムにおいて、前記火災報知端末の識別子に従った前記火災報知端末の表示手段による表示に基づいて、前記火災報知端末の識別子が所定の設定と違っていることが検出されることである。
【0022】
第7の発明は、第6の発明に係る火災報知システムにおいて、前記模擬装置が、前記携帯端末よりの訂正指示に基づいて、前記火災報知端末の所定の設定と違っている識別子の訂正することである。
【0023】
第8の発明は、第4の発明に係る火災報知システムにおいて、前記模擬装置が、前記携帯端末よりの指示に基づいて、前記火災報知端末の重複識別子の訂正することである。
【0024】
第9の発明は、第1~8の発明のいずれかに係る火災報知システムにおいて、前記受信機が前記火災報知端末に接続されていない状態であることである。
【0025】
第10の発明は、第1~9の発明のいずれかに係る火災報知システムにおいて、前記火災報知端末の表示手段が、それぞれの作動状態を表示するためのライトからなることである。
【0026】
第11の発明は、それぞれ識別子を持ち火災に関連する感知情報を検知する複数の火災報知端末と、前記火災報知端末よりの感知情報を受信して表示するため前記火災報知端末に接続される受信機と、を有する火災報知システムであって、前記火災報知端末の識別子を確認して訂正するために前記火災報知端末に接続される模擬装置と、前記模擬装置と無線で通信して、前記火災報知端末の識別子の状態を表示する携帯端末とを備え、前記火災報知端末が、それぞれの作動状態を表示する表示手段を有しており、前記携帯端末が、前記火災報知端末の識別子に従って前記表示手段を表示させる表示指示を前記模擬装置へ送信し、前記模擬装置が、前記携帯端末よりの表示指示により、前記火災報知端末の識別子に従って前記表示手段を表示させ、前記火災報知端末の識別子に従った前記火災報知端末の表示手段による表示に基づいて、前記火災報知端末の識別子が所定の設定と違っていることが検出され、前記火災報知端末の識別子が所定の設定と違っている場合、前記携帯端末は、その所定の設定と違っている識別子を訂正する訂正指示を前記模擬装置に対して行い、前記模擬装置は、前記携帯端末よりの訂正指示に基づいて、その所定の設定と違っている識別子を訂正することである。
【0027】
第12の発明は、第11の発明に係る火災報知システムにおいて、前記受信機が前記火災報知端末に接続されていない状態であることである。
【0028】
第13の発明は、第11、12の発明のいずれかに係る火災報知システムにおいて、前記火災報知端末の表示手段が、それぞれの作動状態を表示するためのライトからなることである。
【0029】
第14の発明は、それぞれ識別子を持ち火災に関連する感知情報を検知する複数の火災報知端末と、前記火災報知端末よりの感知情報を受信して表示するため前記火災報知端末に接続される受信機と、前記火災報知端末に接続される模擬装置と、前記模擬装置と無線で通信する携帯端末を有する火災報知システムにおける火災報知端末の状態確認識別子訂正方法であって、前記模擬装置により、前記識別子に対応する前記火災報知端末の状態が検知される工程と、前記模擬装置により、前記火災報知端末の状態の情報が前記携帯端末へ送信される工程と、前記携帯端末により、前記識別子に対応する前記火災報知端末の状態が識別子順に一覧表示される工程と、を備えることである。
【0030】
第15の発明は、それぞれ識別子を持ち火災に関連する感知情報を検知する複数の火災報知端末と、前記火災報知端末よりの感知情報を受信して表示するため前記火災報知端末に接続される受信機と、前記火災報知端末に接続される模擬装置と、前記模擬装置と無線で通信する携帯端末を有し、前記火災報知端末が、それぞれの作動状態を表示する表示手段を有する火災報知システムにおける火災報知端末の状態確認識別子訂正方法であって、前記携帯端末により、前記火災報知端末の識別子に従って前記火災報知端末の表示手段を表示させる表示指示が前記模擬装置へ送信される工程と、前記模擬装置により、前記携帯端末よりの表示指示に基づいて、前記火災報知端末の識別子に従って前記火災報知端末の表示手段が表示される工程と、前記火災報知端末の識別子に従った前記火災報知端末の表示手段による表示に基づいて、前記火災報知端末の識別子が所定の設定と違っていることが検出される工程と、前記携帯端末により、前記火災報知端末の識別子が所定の設定と違っている場合に、その所定の設定と違っている識別子を訂正する訂正指示が前記模擬装置に対して行われる工程と前記模擬装置により、前記携帯端末よりの訂正指示に基づいて、その所定の設定と違っている識別子が訂正される工程と、を備えることである。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、全ての火災報知端末の接続状態およびアドレス重複の確認を容易に行うことができると共に、特定の火災報知端末のアドレスを訂正することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明に係る火災報知システムの一実施形態の説明図である。
【
図2】
図1に示した火災報知システム1の設置完了後の説明図である。
【
図3】
図1に示した感知器伝送線に接続された火災報知端末の概略内部回路ブロック図である。
【
図4】
図1に示したシミュレータ35の説明図であり、(a)は、シミュレータ35の内部構成図であり、(b)は、その制御部35bの構成図である。
【
図5】
図1に示した携帯端末9の説明図であり、(a)は、携帯端末9の内部構成図であり、(b)は、その制御部9aの構成図である。
【
図6】
図1に示した火災報知システム1における識別子に対応する火災報知端末の接続状態および識別子重複を検知して表示する第1の動作のフローチャートである。
【
図7】
図1に示した火災報知システム1の第1の動作における携帯端末9とシミュレータ35および火災報知端末との信号通信シーケンスを示す説明図である。
【
図8】第1の動作における携帯端末9の表示部9bの表示画面の説明図である。
【
図9】第1の動作における携帯端末9の表示部9bの表示画面の説明図である。
【
図10】第1の動作における携帯端末9の表示部9bの表示画面の説明図である。
【
図11】
図1に示した火災報知システム1における火災報知端末の識別子を確認し、間違った識別子を訂正する第2の動作のフローチャートである。
【
図12】
図1に示した火災報知システム1の第2の動作における携帯端末9とシミュレータ35および火災報知端末との信号通信シーケンスを示す説明図である。
【
図13】第2の動作における携帯端末9の表示部9bの表示画面の説明図である。
【
図14】第2の動作における携帯端末9の表示部9bの表示画面の説明図である。
【
図15】第2の動作における携帯端末9の表示部9bの表示画面の説明図である。
【
図16】第2の動作における携帯端末9の表示部9bの表示画面の説明図である。
【
図17】第2の動作における携帯端末9の表示部9bの表示画面の説明図である。
【
図18】第2の動作における携帯端末9の表示部9bの表示画面の説明図である。
【
図19】第2の動作における携帯端末9の表示部9bの表示画面の説明図である。
【
図20】第2の動作における携帯端末9の表示部9bの表示画面の説明図である。
【
図21】
図1に示した火災報知システム1の第2の動作における携帯端末9とシミュレータ35および火災報知端末との信号通信シーケンスを示す説明図である。
【
図22】第2の動作における携帯端末9の表示部9bの表示画面の説明図である。
【
図23】第2の動作における携帯端末9の表示部9bの表示画面の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0034】
本願発明の特徴は、火災報知システムにおける煙感知器や熱感知器や発信機等の各火災報知端末の状態確認識別子訂正動作を、携帯端末を使って模擬装置(シミュレータ)により行うことである。
【0035】
そして、特に、火災報知システムの設置途中における受信機の接続前の状態での、各火災報知端末の状態確認識別子訂正動作を、施工者が、携帯端末を使って模擬装置により行うことにある。
【0036】
より詳しく説明すると、上記火災報知端末の状態確認識別子訂正動作とは、施工者が、模擬装置と無線で通信する携帯端末を介して、模擬装置により、各火災報知端末の識別子に対応する火災報知端末の状態を検知し、施工者が、識別子に対応する火災報知端末の状態を識別子順に携帯端末に一覧表示させて確認し、さらに、施工者が、携帯端末により、所定の識別子を訂正する動作となる。
【0037】
ここで、状態確認識別子訂正動作は、大別して、識別子に対応する火災報知端末の接続状態および識別子重複を検知して表示する第1の動作(
図6~
図10)と、火災報知端末の識別子を確認し、間違った識別子を訂正する第2の動作(
図11~
図23)とからなる。
そして、各火災報知端末の識別子とは、各火災報知端末に割り当てられたアドレスからなる。
【0038】
ここでは、まず、設置完了後の火災報知システムについて説明し、その後、各火災報知端末の状態確認識別子訂正動作をシミュレータにより行う本発明に係る火災報知システムの一実施形態について詳しく説明する。
【0039】
図2は、
図1に示した本発明に係る火災報知システムの一実施形態の設置完了後の説明図である。
【0040】
図2に示すように、受信機3には、感知器伝送線13が接続されており、その感知器伝送線13には、アイソレータ15a、15bを介して、煙感知器19、熱電対式検出器21、アドレスアダプタ23、煙感知器25、熱感知器29、アドレス付発信機31-1、アドレスアダプタ接続用発信機31-2等の火災報知端末が接続されている。
【0041】
煙感知器19および熱感知器29および煙感知器25およびアドレス付発信機31-1のそれぞれには、それらの作動状態を知らせるためのLEDライト19a、25a、29a、31aが設けられている。
【0042】
なお、
図2においては、一部の火災報知端末のみを表示しており、アドレスアダプタ接続用発信機31-2の先には、多数の一般型(アドレスのない)火災報知端末が接続されている。更に、アドレス付発信器31-1およびアドレスアダプタ23の先にはアドレス付火災報知端末が接続されている。
【0043】
なお、アドレス付発信機31-1とアドレスアダプタ接続用発信機31-2との間は電話線31-3で接続され、その電話線31-3は、受信機3に接続される。
【0044】
図1は、本発明に係る火災報知システムの一実施形態の説明図である。
【0045】
図1に示すように、この一実施形態による火災報知システム1は、設置途中の状態であり、感知器伝送線13に受信機3がまだ接続されておらず、アイソレータ15a内に、シミュレータ35が模擬装置として設置され、後述するように感知器伝送線13aに接続されている。
【0046】
図1に示すように、アイソレータ15aには、感知器伝送線13aを介して、煙感知器19、熱感知器29、煙感知器25、アドレス付発信機31-1、アドレスアダプタ接続用発信機31-2等の火災報知端末が接続されている。また、アイソレータ15bの感知器伝送線13bを介して、煙感知器19、熱電対式検出器21、アドレスアダプタ23、一般感知器25、の火災報知端末が接続されている。
【0047】
煙感知器19および煙感知器25および熱感知器29およびアドレス付発信機31-1のそれぞれには、それらの作動状態を知らせるためのLEDライト(表示手段)19a、25a、29a、31aが設けられている。
【0048】
このLEDライト19a、25a、29a、31aは、後述するように、煙感知器19および煙感知器25および熱感知器29およびアドレス付発信機31-1のアドレス確認を行う場合にも用いられる。
【0049】
なお、この
図1においても、一部の火災報知端末のみを表示しており、アドレスアダプタ接続用発信機31-2の先には、多数の火災報知端末が接続されている。
【0050】
図3は、感知器伝送線に接続された火災報知端末の概略内部回路ブロック図である。
図3では、感知器伝送線13aを介してシミュレータ35に接続された煙感知器25の内部回路を示している。
【0051】
図3に示すように、煙感知器25は、感知器伝送線13aから通信信号を受信して変復調を行う通信部25bと、感知器伝送線13aから電力を受け取って内部で使用する電力を供給する電源部25cと、通信内容に従って全体の制御を行う制御部25dと、熱や煙等の火災の要素を検出する検出部25eと、通信で扱う自己のアドレス(識別子)を記憶するアドレス保存部25fとを有し、制御部25dには、上述したLEDライト25aが接続されている。
【0052】
そして、制御部25dが、シミュレータ35よりのアドレス確認信号に基づいて、LEDライト25aを点灯させるように制御すると共に、シミュレータ35よりのアドレス訂正信号に基づいて、アドレス保存部25fに記憶されたアドレスを書き換えて訂正するように制御する。
【0053】
なお、煙感知器25以外の煙感知器19、熱感知器29、アドレス付発信機31-1、アドレスアダプタ23、熱電対式検出器21等の内部回路構成も、
図3に示した内部構成とほぼ同様である。
【0054】
この実施形態では、各火災報知端末のアドレスの設定は、各火災報知端末の配線前に、各火災報知端末に対して専用のアドレス設定器で行っている。すなわち、施工者が、各火災報知端末の設定図に基づいて専用のアドレス設定器を使って各火災報知端末のアドレス設定を行い、アドレス設定の行われた感知器を、施工者が感知器伝送線13aへ設置配線している。
【0055】
このシミュレータ35は、感知器伝送線13aに接続された煙感知器19、熱感知器29、アドレス付発信機31-1等の火災報知端末の接続状態および識別子重複を検知して表示する第1の動作と、火災報知端末の識別子を確認し、間違った識別子を訂正する第2の動作とを、後述するように、施工者11の持つ携帯端末9によりコントロールされて行うようになっている。
【0056】
なお、この実施形態では、シミュレータ35をアイソレータ15a内に設置しているが、アイソレータ15a内への設置に限定されず、シミュレータ35が感知器伝送線13aに接続されていればどこでも良い。
【0057】
図4は、シミュレータ35の説明図であり、(a)は、シミュレータ35の内部構成図であり、(b)は、その制御部35bの構成図である。
【0058】
図4(a)に示すように、この実施形態では、シミュレータ35は、アイソレータ15a内に設置され、感知器伝送線13aに接続された感知器通信部35aと、感知器通信部35aに接続された制御部35bと、制御部35bに接続された無線送受信部35cと、感知器通信部35aおよび制御部35bおよび無線送受信部35cに電源を供給するための電源部35dとを有し、電源部35dは、USBより電源供給されるようになっている。
【0059】
なお、電源部35dへの電源供給は、AC電源や電池等の他の方法でも良い。
【0060】
また、
図4(b)に示すように、制御部35bは、CPU35b1、RAM35b3、ROM(不揮発性メモリ)35b5を有しており、RAM35b3内には、後述する火災報知端末の接続状態および識別子重複を検知して表示する第1の動作および火災報知端末の識別子を確認し間違った識別子を訂正する第2の動作を行うための第1のプログラムがダウンロードされて記憶され、施工者等による携帯端末9を介しての指示入力およびその第1のプログラムに基づいて、火災報知端末の接続状態および識別子重複を検知して表示する第1の動作および火災報知端末の識別子を確認し間違った識別子を訂正する第2の動作が、CPU35b1により行われる。
【0061】
なお、上述した第1のプログラムからなるアプリケーションソフトは、予めROM35b5内に記憶させておいても良いし、特定の認証を介してインターネットからRAM35b3に取り込めるようにしても良い。
【0062】
シミュレータ35の詳しい動作については、状態確認識別子訂正方法と共に後で詳しく説明する。
【0063】
次に、施工者11が携帯して使用する携帯端末9について説明する。
【0064】
この実施形態では、携帯端末9は、シミュレータ35の無線送受信部35cとの無線通信機能を有すると共に、通話機能やインターネットを介した通信機能等を有する一般的なスマートフォンやタブレット端末を使用する。
【0065】
なお、携帯端末9は、シミュレータ35の無線送受信部35cを有線送受信部として、USBなどの有線通信機能で接続されても良い。
【0066】
図5は、携帯端末9の説明図であり、(a)は、携帯端末9の内部構成図であり、(b)は、その制御部9aの構成図である。
【0067】
図5(a)に示すように、携帯端末9は、後述する感知情報等の表示動作を含む端末全体の制御を行う制御部9aと、制御部9aよりの表示情報を表示するため制御部9aに接続された液晶画面からなる表示部9bと、シミュレータ35の無線送受信部35cと表示情報等を送受信するための送受信部9cと、制御部9aへ電源を供給するため制御部9aに接続された電源部9dおよび蓄電部9eとを有している。ここで、表示部9bの構成は液晶画面に限られず有機EL画面など表示情報等を表示できるものであればよい。
【0068】
なお、シミュレータ35の無線送受信部35cを有線送受信部としたときは、送受信するための送受信部9cを有線通信機能で接続されても良い。
【0069】
また、
図5(b)に示すように、制御部9aは、CPU9a1、RAM9a3、ROM(不揮発性メモリ)9a5を有しており、RAM9a3内には、後述する火災報知端末の接続状態および識別子重複を検知して表示する第1の動作および火災報知端末の識別子を確認し間違った識別子を訂正する第2の動作を行うための第2のプログラムがダウンロードされて記憶され、その第2のプログラムに基づいて、シミュレータ35と協働して、第1の動作および第2の動作とがCPU9a1により行われる。
【0070】
なお、上述した第2のプログラムからなるアプリケーションソフトは、予めROM9a5内に記憶させておいても良いし、特定の認証を介してインターネットからRAM9a3に取り込めるようにしても良い。
【0071】
次に、
図6~
図10を参照して、
図1に示した火災報知システム1における火災報知端末の状態確認方法(火災報知端末の接続状態およびアドレス重複を検知して表示する第1の動作)について説明する。
【0072】
図6は、
図1に示した火災報知システム1における識別子に対応する火災報知端末の接続状態および識別子重複を検知して表示する第1の動作のフローチャートであり、
図7は、
図1に示した火災報知システム1の第1の動作における携帯端末9とシミュレータ35および火災報知端末との信号通信シーケンスを示す説明図であり、
図8~
図10は、第1の動作における携帯端末9の表示部9bの表示画面の説明図である。
【0073】
なお、この火災報知端末の状態確認は、
図1に示した火災報知システム1において、シミュレータ35に無線で接続された携帯端末9への施工者11が指示入力に従う火災報知端末スキャン動作によって行われる。
【0074】
図6のステップ101において、感知器伝送線13aに接続された火災報知端末の状態確認からなるスキャン動作がアドレス順に行われる。
【0075】
すなわち、まず、施工者11が手にした携帯端末9の送受信部9cがシミュレータ35の無線送受信部35cとの無線通信を行っている状態で、携帯端末9において第2のプログラムが稼働し、
図8(a)に示すように、携帯端末9の表示部9bに、動作モードの選択画面が表示される。
【0076】
すなわち、携帯端末9のCPU9a1は、RAM9a3内に記憶された第2のプログラムに基づいて、表示部9bに
図8(a)に示すような動作モードの選択画面を表示部9bに表示させる。
【0077】
そして、
図8(a)に示すように、施工者11が、動作モードの選択画面における確認ボタン9b1を押すと、
図8(b)に示すようなアドレス順のアドレス確認画面が、携帯端末9の表示部9bに表示される。
【0078】
すなわち、携帯端末9のCPU9a1は、RAM9a3内に記憶された第2のプログラムに基づいて、表示部9bに
図8(b)に示すようなアドレス順のアドレス確認画面を表示部9bに表示させる。
【0079】
ここで、各火災報知端末の状態は、アドレスに対応したマトリックス状(行列状)に表示された丸印のアイコンで示される。この実施形態では、
図8(b)に示すように、0~9の列(1刻み)および0~120の行(10刻み)のマトリックス(行列)でアドレス順に表示される。
【0080】
図9(c)に示すように、施工者11が、アドレス確認画面におけるスキャンボタン9b3を押すと、アドレス順にスキャン動作が開始される。すなわち、アドレスの小さい順に、00から01、02----と、1刻みでスキャンされて行く。
【0081】
すなわち、携帯端末9のCPU9a1は、RAM9a3内に記憶された第2のプログラムに基づいて、シミュレータ35の無線送受信部35cへ無線通信で、スキャン動作の開始指示情報を送受信部9cを介して送信する。
【0082】
図7に示すように、シミュレータ35は、そのスキャン動作の開始指示情報S1を、その無線送受信部35cによって受信すると、RAM35b3内に記憶された第1のプログラムに基づいて、各火災報知端末のアドレス順のスキャン動作を開始する。
【0083】
すなわち、
図7に示すように、シミュレータ35は、煙感知器19および煙感知器25および熱感知器29およびアドレス付発信機31-1等へアドレス確認信号S3をアドレス順に送り、その応答信号S5によりアドレス確認を行う。これにより、シミュレータ35は、未スキャン状態の火災報知端末および未接続状態の火災報知端末および正常接続状態の火災報知端末およびアドレスが重複している火災報知端末を検出する。
【0084】
そして、シミュレータ35は、
図7に示すように、検出した未スキャン状態の火災報知端末および未接続状態の火災報知端末および正常接続状態の火災報知端末およびアドレスが重複している火災報知端末の情報S7を、その無線送受信部35cから携帯端末9の送受信部9cへ順次に無線通信し、携帯端末9は、その検出した情報S7を受信する。
【0085】
そして、携帯端末9は、受信した火災報知端末の情報S7に基づいて、以下のようにスキャン動作の結果情報を順次に表示する。
【0086】
すなわち、携帯端末9は、
図9(d)に示すようなスキャン動作画面が、携帯端末9の表示部9bに表示される。
【0087】
ここで、スキャン動作画面には、
図9(d)に示すように、アドレス確認画面におけるスキャンボタン9b3が、スキャン動作中を示す停止ボタン9b5に変わり、中央部に、スキャン中のメッセージ9b7が表示される。そして、スキャンが済んだ火災報知端末から順次、マトリックス状に表示された丸印のアイコンの色が変化し、未接続状態又はアドレス重複が検出された場合には、その件数を表す数字が更新される。
【0088】
アイコンの色については
図10(d)に示すように、火災報知端末の丸印アイコンが青色の場合、その火災報知端末が未スキャン状態であることを示し、火災報知端末の丸印アイコンが灰色の場合、その火災報知端末が未接続状態であることを示し、火災報知端末の丸印アイコンが緑色の場合、その火災報知端末が正常接続状態であることを示し、火災報知端末の丸印アイコンが黄色の場合、その火災報知端末がアドレス重複状態であることを示す。
【0089】
なお、
図8~
図10に示す携帯端末9のスキャン動作画面では、青色の丸印アイコンは、白丸で示し、灰色の丸印アイコンは、斜線丸で示し、緑色の丸印アイコンは、黒丸で示している。
【0090】
次に、
図6のステップ103において、アドレスを持つ全ての火災報知端末のスキャン動作が終了したか否かが判定され、アドレスを持つ全ての火災報知端末のスキャン動作が終了した場合、ステップ105において、アドレス順のスキャン結果の一覧マトリックス状の表示が行われる。
【0091】
すなわち、
図7に示すように、シミュレータ35により検出された未接続状態の火災報知端末および正常接続状態の火災報知端末およびアドレスが重複している火災報知端末の情報S7が順次に携帯端末9へ送信されてアドレスを持つ全ての火災報知端末のスキャン動作が終了すると、携帯端末9は、
図10(a)に示すようなスキャン動作画面が、
図10(b)に示すようなスキャン結果確認画面に変わって携帯端末9の表示部9bに表示される。
【0092】
ここで、スキャン結果確認画面には、
図10(b)に示すように、アドレス確認画面におけるスキャン動作中を示す停止ボタン9b5が、スキャンボタン9b3に戻り、中央部に表示されていたスキャン中のメッセージ9b7が消去され、画面の下部にスキャン結果が表示される。それにより、施工者11がスキャン結果を確認できる。そして、
図10(c)に示すように、施工者11がアドレス確認画面を指でスクロールして行くことにより、全てのスキャン結果を確認する。
【0093】
この実施形態では、200個の火災報知端末が接続されることが想定され、そのアドレスも200個がスクロールにより表示される。
【0094】
なお、
図10(b)に示すように、この実施形態では、0~9の列(1刻み)および0~120の行(10刻み)のマトリックス(行列)において、0~20の行のアドレスの火災報知端末が、青色(白丸)の未スキャン状態であり、40行の1列のアドレス火災報知端末が、灰色(斜線丸)の未接続状態であり、他の30~120行のアドレス火災報知端末が、緑色(黒丸)の正常接続状態であることが表示される。
【0095】
また、この実施形態では、
図7に示すようにシミュレータ35による火災報知端末のスキャン動作と平行して、火災報知端末の情報S7を順次携帯端末9へ送信して、携帯端末9でのスキャン結果確認を行うようにしていたが、シミュレータ35によりアドレスを持つ全ての火災報知端末のスキャン動作が終了し、全ての検出された未スキャン状態の火災報知端末および未接続状態の火災報知端末および正常接続状態の火災報知端末およびアドレスが重複している火災報知端末の情報S7が携帯端末9へ送信されてから、携帯端末9でスキャン結果確認が行われるようにしても良い。
【0096】
このように、この実施形態による火災報知端末の状態確認方法によれば、各火災報知端末のスキャン結果をアドレス順に一覧マトリックス状で表示するので、伝送線への各火災報知端末の接続確認を容易に行うことができると共に、各火災報知端末のアドレス重複も検出して表示するので、各火災報知端末のアドレス重複をも容易に確認できる。
【0097】
なお、火災報知端末の状態確認方法によって検出され表示された各火災報知端末のアドレス重複は、後述するアドレス訂正方法で訂正することができる。
【0098】
次に、
図11~
図23を参照して、
図1に示した火災報知システム1における火災報知端末のアドレス確認訂正方法(火災報知端末のアドレスを確認し、間違ったアドレスを訂正する第2の動作)について説明する。
【0099】
図11は、
図1に示した火災報知システム1における火災報知端末の識別子を確認し、間違った識別子を訂正する第2の動作のフローチャートであり、
図12は、
図1に示した火災報知システム1の第2の動作における携帯端末9とシミュレータ35および火災報知端末との信号通信シーケンスを示す説明図であり、
図13~
図20、
図22、
図23は、第2の動作における携帯端末9の表示部9bの表示画面の説明図であり、
図21は、
図1に示した火災報知システム1の第2の動作における携帯端末9とシミュレータ35および火災報知端末との信号通信シーケンスを示す説明図である。
【0100】
なお、この火災報知端末のアドレス確認訂正は、
図1に示した火災報知システム1において、シミュレータ35に無線で接続された携帯端末9への施工者11が指示入力に従って行われる。
【0101】
図11のステップ201において、感知器伝送線13に接続された火災報知端末のアドレス確認動作が行われる。
【0102】
すなわち、まず、施工者11が手にした携帯端末9の送受信部9cがシミュレータ35の無線送受信部35cとのWifi等の無線通信を行っている状態で、携帯端末9において第2のプログラムが稼働し、
図8(a)に示すように、携帯端末9の表示部9bに、動作モードの選択画面が表示される。
【0103】
すなわち、携帯端末9のCPU9a1は、RAM9a3内に記憶された第2プログラムに基づいて、表示部9bに
図8(a)に示すような動作モードの選択画面を表示部9bに表示させる。
【0104】
そして、
図8(a)に示すように、施工者11が、動作モードの選択画面における確認ボタン9b1を押すと、
図8(b)に示すようなアドレス確認画面が、携帯端末9の表示部9bに表示される。
【0105】
すなわち、携帯端末9のCPU9a1は、RAM9a3内に記憶された第2のプログラムに基づいて、
図8(b)に示すようなアドレス確認画面を表示部9bに表示させる。
【0106】
ここで、各火災報知端末の状態は、マトリックス状(行列状)に表示された丸印のアイコンで示される。この実施形態では、
図8(b)に示すように、0~9の列(1刻み)および0~120の行(10刻み)のマトリックス(行列)で表示される。
ここまでは、
図6のステップ101において説明した火災報知端末のアドレス確認動作と同様である。
【0107】
次に、施工者11が、
図8(b)に示すようなアドレス確認画面における任意のアドレスの丸印アイコンを選択して、指で押すと、
図13(a)に示すような個別詳細確認画面が、携帯端末9の表示部9bに表示される。
【0108】
図13(a)に示すように、この個別詳細確認画面から、アドレス番号が11の火災報知端末が選択されたことがわかる。
【0109】
施工者11が、
図13(a)に示す個別詳細確認画面における操作ボタン9b8を押すと、
図13(b)に示すような操作画面が、携帯端末9の表示部9bに表示される。
【0110】
施工者11が、
図13(b)に示すような操作画面における点灯ボタン9b9を押すと、以下に説明するように、アドレス番号11の火災報知端末のLEDライトが点灯する。
【0111】
すなわち、
図12に示すように、携帯端末9のCPU9a1は、RAM9a3内に記憶された第2のプログラムに基づいて、シミュレータ35の無線送受信部35cへ無線通信で、アドレス確認動作の開始指示情報S11(表示指示)を送受信部9cを介して送信させる。
【0112】
シミュレータ35は、そのアドレス確認動作の開始指示情報S11を、その無線送受信部35cによって受信すると、RAM35b3内に記憶された第1のプログラムに基づいて、各火災報知端末のアドレス確認動作を開始する。
【0113】
すなわち、
図12に示すように、シミュレータ35は、煙感知器19および煙感知器25および熱感知器29およびアドレス付発信機31-1等の火災報知端末へアドレス確認信号S13を、選択されたアドレス番号が11の火災報知端末に送る。それにより、
図14(c)に示すように、アドレス番号11の火災報知端末(この実施形態では、煙感知器25とする)のLEDライト25aが点灯する。
【0114】
すなわち、煙感知器25が、シミュレータ35よりのアドレス確認信号S13を受信すると、煙感知器25の制御部25dが、シミュレータ35よりのアドレス確認信号に基づいて、LEDライト25aを点灯させるように制御する。
【0115】
なお、
図14(c)では、携帯端末9の表示部9bの下に、LEDライト25aが点灯した煙感知器25を模式的に示している。
【0116】
このように、この実施形態においては、選択されたアドレス番号が11の火災報知端末である煙感知器25のLEDライト25aが点灯することにより、施工者11が、その携帯端末9を持って選択されたアドレス番号11の場所へ行き、その煙感知器25のLEDライト25aの点灯を確認すれば、その煙感知器25が正しく設置されているか否かがわかる。
【0117】
すなわち、施工者が、各火災報知端末の設定図に従って各火災報知端末に対して専用のアドレス設定器で行っているので、その各火災報知端末の設定図を、予め携帯端末9に記憶しておけば、施工者11は、その各火災報知端末の設定図を携帯端末9の表示部9bに表示させ、選択されたアドレス番号11の火災報知端末の設置されるべき場所に行って、その火災報知端末のLEDライト19aの点灯を確認すれば、正しい火災報知端末が設置されているか否かを判断できる。これにより、火災報知端末のアドレス間違いを簡単に確認して検出できる。
【0118】
なお、この実施形態では、各火災報知端末の設定図を予め携帯端末9に記憶しておき、その各火災報知端末の設定図を携帯端末9の表示部9bに表示させて、施工者11が見るようにしていたが、これに限定されず、施工者11が、その設定図を直に見るようにしても良い。
【0119】
また、
図14(d)に示すように、操作画面における消灯ボタン9b11を押すと、アドレス番号11の火災報知端末のLEDライトが消灯する操作動作が行われる。なお、
図14(d)では、携帯端末9の表示部9bの下に、LEDライト25aが消灯した煙感知器25を模式的に示している。
【0120】
なお、この消灯の動作は、上述した点灯の動作とほぼ同様(点灯が消灯に替わるだけ)に行われるので、詳しい説明は省略する。
【0121】
上記
図13および
図14で示したアドレス確認動作では、1つずつアドレス番号を指定してアドレス確認を行っていたが、以下に説明するように、逐次連続してアドレス番号指定を行ってアドレス確認をすることもできる。
【0122】
図15および
図16は、火災報知端末のアドレス確認訂正方法における携帯端末9の表示部9bの表示画面の説明図であり、特に、逐次連続してアドレス番号指定を行ってアドレス確認をする場合の説明図である。
【0123】
なお、この逐次連続してアドレス番号指定を行ってアドレス確認をする場合も途中動作までは、上述した1つずつアドレス番号を指定してアドレス確認を行う場合と同様である。すなわち、まず、施工者11が手にした携帯端末9の送受信部9cがシミュレータ35の無線送受信部35cとの無線通信を行っている状態で、携帯端末9において第2のプログラムが稼働し、
図8(a)に示すように、携帯端末9の表示部9bに、動作モードの選択画面が表示される。
【0124】
すなわち、携帯端末9のCPU9a1は、RAM9a3内に記憶された第2のプログラムに基づいて、表示部9bに
図8(a)に示すような動作モードの選択画面を表示部9bに表示させる。
【0125】
そして、
図8(a)に示すように、施工者11が、動作モードの選択画面における確認ボタン9b1を押すと、
図8(b)に示すようなアドレス確認画面が、携帯端末9の表示部9bに表示される。
【0126】
すなわち、携帯端末9のCPU9a1は、RAM9a3内に記憶された第2のプログラムに基づいて、
図8(b)に示すようなアドレス確認画面を表示部9bに表示させる。
【0127】
次に、施工者11が、
図8(b)に示すようなアドレス確認画面における任意のアドレスの丸印アイコンを選択して、指で押すと、
図13(a)に示すような個別詳細確認画面が、携帯端末9の表示部9bに表示される。
【0128】
図13(a)に示すように、この個別詳細確認画面から、アドレス番号が11の火災報知端末が選択されたことがわかる。
【0129】
ここで、この逐次連続してアドレス番号指定を行ってアドレス確認をする場合には、施工者11が、
図15(e)に示すように、個別詳細確認画面における逐次連続ボタン9b13を押す。
【0130】
そうすると、
図15(f)に示すような個別詳細確認画面が、携帯端末9の表示部9bに表示されるので、個別詳細確認画面における操作ボタン9b8を押すと、
図16(g)に示すような確認画面が、携帯端末9の表示部9bに表示される。
【0131】
すなわち、
図16(g)に示すように、この実施形態の場合、アドレス番号11の表示と共に、そのアドレス番号の表示の下に、アドレス番号11の煙感知器25のLEDライト25aが点灯している絵が図示され、実際に、アドレス番号11の煙感知器25のLEDライト25aが点灯する。
【0132】
すなわち、携帯端末9のCPU9a1は、RAM9a3内に記憶された第2のプログラムに基づいて、シミュレータ35の無線送受信部35cへ無線通信で、アドレス確認動作の開始指示情報を送受信部9cを介して送信する。
【0133】
図12に示すように、シミュレータ35は、そのアドレス確認動作の開始指示情報S11(表示指示)を、その無線送受信部35cによって受信すると、RAM35b3内に記憶された第1のプログラムに基づいて、各火災報知端末のアドレス確認動作を開始する。
【0134】
すなわち、
図12に示すように、シミュレータ35は、煙感知器19および煙感知器25および熱感知器29およびアドレス付発信機31-1等へアドレス確認信号S13を、選択されたアドレス番号が11の火災報知端末に送る。それにより、アドレス番号11の火災報知端末(この実施形態では、煙感知器25とする)のLEDライト25aが点灯する操作動作が行われる。
【0135】
そして、
図16(g)に示すように、携帯端末9の表示部9bにおける煙感知器25の絵の下に、次または前のアドレス確認に移るまたは閉じるための次ボタン9b15および前ボタン9b17および閉じるボタン9b19が表示される。
【0136】
そこで、次ボタン9b15を押すと、
図16(h)に示すように、アドレス番号11の次のアドレス番号12の火災報知端末(この実施形態では、熱感知器29とする)のアドレス確認動作へと移る。
【0137】
すなわち、
図16(h)に示すように、この実施形態の場合、アドレス番号12の表示と共に、そのアドレス番号の表示の下に、アドレス番号12の熱感知器29のLEDライト29aが点灯している絵が図示され、実際に、アドレス番号12の熱感知器29のLEDライト29aが点灯する。
【0138】
ここでも、携帯端末9のCPU9a1は、RAM9a3内に記憶された第2のプログラムに基づいて、シミュレータ35の無線送受信部35cへ無線通信で、アドレス確認動作の開始指示情報を送受信部9cを介して送信する。
【0139】
図12に示すように、シミュレータ35は、そのアドレス確認動作の開始指示情報S11を、その無線送受信部35cによって受信すると、RAM35b3内に記憶された第1のプログラムに基づいて、各火災報知端末のアドレス確認動作を開始し、
図12に示すように、シミュレータ35は、煙感知器19および煙感知器25および熱感知器29およびアドレス付発信機31-1等へアドレス確認信号S13を、選択されたアドレス番号が12の火災報知端末に送る。それにより、アドレス番号12の熱感知器29のLEDライト29aが点灯する操作動作が行われる。
【0140】
このように、この逐次連続のアドレス確認においては、選択されたアドレス番号が12の火災報知端末である熱感知器29のLEDライト29aが点灯することにより、施工者11が、その携帯端末9を持って選択されたアドレス番号12の場所へ行き、その熱感知器29のLEDライト29aの点灯を確認すれば、その熱感知器29が正しく設置されているか否かがわかるようになる。
【0141】
そして、この逐次連続のアドレス確認では、携帯端末9の表示部9bにおける煙感知器19の絵の下に表示される次ボタン9b15および前ボタン9b17および閉じるボタン9b19を押して行くことにより、より簡単に逐次連続したアドレス確認を行うことができる。
【0142】
すなわち、施工者11が、各火災報知端末の設定図に従って各火災報知端末に対して専用のアドレス設定器で行っているので、その各火災報知端末の設定図を、予め携帯端末9に記憶しておけば、施工者11は、その各火災報知端末の設定図を表示させ、選択されたアドレス番号の火災報知端末の設置されるべき場所に行って、その火災報知端末のLEDライトの点灯を逐次確認すれば、正しい火災報知端末が設置されているか否かを判断できる。これにより、火災報知端末のアドレス間違いを簡単に確認して検出できる。
なお、この実施形態では、各火災報知端末の設定図を予め携帯端末9に記憶しておき、その各火災報知端末の設定図を携帯端末9の表示部9bに表示させて、施工者11が見るようにしていたが、これに限定されず、施工者11が、その設定図を直に見るようにしても良い。
【0143】
上述したアドレス確認によって見つけ出されたアドレス間違いには、さらに、マトリックス表示において、設定図に無いアドレスで表示がなされている場合や、マトリックス表示において、設定図にあるはずのアドレスで表示がなされていない場合も含まれる。
【0144】
次に、上述したアドレス確認によって見つけ出されたアドレス間違いの火災報知端末のアドレスを訂正する動作について説明する。
【0145】
図11に戻り、そのステップ203において、上述したアドレス確認によってアドレス間違いが見出され、そのアドレス間違いが見出された特定の火災報知端末のアドレス番号を書き換えるか否かが判定され、特定の火災報知端末のアドレス番号を書き換える場合、ステップ205において、特定火災報知端末のアドレス書き換え動作が行われる。
【0146】
すなわち、まず、アドレス間違いが見出された後に、施工者11が、そのアドレス間違いを訂正しようとした場合、携帯端末9の表示部9bを、前述した
図8(a)に示すような動作モードの選択画面が表示される状態に戻し、
図8(a)に示すように、施工者11が、動作モードの選択画面における確認ボタン9b1を押すと、
図17(a)に示すような火災報知端末をアドレス順に一覧表示したアドレス確認画面が、携帯端末9の表示部9bに表示される。
【0147】
すなわち、携帯端末9のCPU9a1は、RAM9a3内に記憶された第2のプログラムに基づいて、
図17(a)に示すようなアドレス確認画面を表示部9bに表示させる。
【0148】
次に、施工者11が、
図17(a)に示すようなアドレス確認画面において、上述したようにアドレス間違いが見出された特定の火災報知端末のアドレスの丸印アイコンを選択して、指で押すと、
図17(b)に示すような個別詳細確認画面が、携帯端末9の表示部9bに表示される。
【0149】
図17(b)に示すように、この個別詳細確認画面から、アドレス番号が11の火災報知端末が選択されたことがわかる。
【0150】
施工者11が、
図18(c)に示すように、個別詳細確認画面における設定ボタン9b21を押すと、
図18(d)に示すようなアドレス設定画面が、携帯端末9の表示部9bに表示される。このアドレス設定画面では、アドレス番号が11の火災報知端末が選択されたことが表示される。
【0151】
施工者11が、
図18(d)に示すようなアドレス設定画面におけるアドレス表示ボタン9b23を押すと、
図19(e)に示すように、アドレス設定を行うためのアドレス入力画面が、携帯端末9の表示部9bに表示される。このアドレス入力画面では、アドレス入力画面部9b25が表示される。
【0152】
そして、施工者11が、
図19(e)に示すように、アドレス入力画面部9b25に、アドレス番号が11の火災報知端末に設定する新たなアドレス番号を入力する。この実施形態では、新たなアドレス番号として、12が入力されると、
図19(f)に示すようなアドレス設定画面が、携帯端末9の表示部9bに表示される。
【0153】
このアドレス設定画面では、アドレス番号が11の火災報知端末がアドレス番号12に訂正されることが表示される。
【0154】
次に、施工者11が、
図20(g)に示すように、アドレス設定画面におけるOKボタン9b27を押すと、アドレス番号が11の火災報知端末のアドレス番号12への訂正動作が行われる。
【0155】
すなわち、
図21に示すように、携帯端末9のCPU9a1は、RAM9a3内に記憶された第2のプログラムに基づいて、シミュレータ35の無線送受信部35cへ無線通信で、アドレス訂正動作の訂正アドレス情報S15(訂正指示)を送受信部9cを介して送信させる。
【0156】
シミュレータ35は、そのアドレス訂正動作の訂正アドレス情報S15を、その無線送受信部35cによって受信すると、RAM35b3内に記憶された第1のプログラムに基づいて、シミュレータ35は、アドレス番号11の火災報知端末(この実施形態では、煙感知器25)へアドレス書換命令信号S17を送る。
【0157】
そして、煙感知器25では、そのアドレス書換命令信号S17に基づいて、そのアドレス番号書換機能により、アドレス番号11の火災報知端末のアドレス番号12へのアドレス訂正動作を開始し、アドレス番号11の火災報知端末のアドレス番号がアドレス番号12へ替わる訂正動作が行われる。
【0158】
すなわち、煙感知器25が、シミュレータ35よりのアドレス書換命令信号S17を受信すると、煙感知器25の制御部25dが、シミュレータ35よりのアドレス書換命令信号S17に基づいて、アドレス保存部25fに記憶されたアドレスを書き換えて訂正するように制御する。なお、煙感知器25に備えられたアドレス番号書換機能の動作については公知であるので詳しい説明は省略する。
【0159】
このように、このアドレス訂正動作においては、所定の火災報知端末のアドレス番号の間違いが検出された場合、施工者11が、その携帯端末9を介して、その所定の火災報知端末のアドレス間違いを訂正できるので、施工者11が、わざわざその所定の火災報知端末へ行って、その感知器等の火災報知端末を外してアドレス番号の訂正をする必要がなくなり、アドレス番号訂正の作業効率が劇的に向上する。
【0160】
その後、
図21に示すように、アドレス番号12へ替わった煙感知器25よりのアドレス番号訂正完了信号S21がシミュレータ35に送信され、シミュレータ35よりアドレス番号訂正完了信号S23が携帯端末9へ送信されると、携帯端末9の表示部9bには、
図20(h)に示すように、アドレス確認画面が再度表示され、アドレス番号が11の火災報知端末がアドレス番号12に訂正されたことがマトリックス状にアドレス順一覧表示される。すなわち、訂正された火災報知端末が、アドレス番号12であることが一覧表上に表示されて訂正が反映される。
図20(h)では、アドレス番号12が訂正された火災報知端末であることが、斜線丸で表現されている。
【0161】
図20(h)に示すアドレス確認画面では、各火災報知端末の状態は、アドレスに対応したマトリックス状(行列状)に表示された丸印のアイコンで示される。この実施形態では、0~9の列(1刻み)および0~120の行(10刻み)のマトリックス(行列)でアドレス順に表示される。
【0162】
すなわち、
図20(h)に示すアドレス確認画面では、画面の左上から、アドレスの小さい順に、00から01、02----と、1刻みで表示される。
【0163】
また、施工者11が、
図20(g)に示すアドレス設定画面におけるキャンセルボタン9b29を押すと、
図17(b)に示すような個別詳細確認画面に戻る。
【0164】
なお、この実施形態では、
図11のステップ201において端末のアドレス確認を行いステップ203において特定端末のアドレス書き換え動作を行う場合に、特定端末のアドレス書き換え動作を行うようにしていたが、
図6に示すアドレスに対応する火災報知端末の接続状態および識別子重複を検知して表示する第1の動作によって各火災報知端末のアドレス重複が検出された場合にも、
図11のステップ205のアドレス訂正方法で訂正しても良い。
【0165】
この場合、施工者11が、
図10(b)に示すような携帯端末9の表示部9bに表示されたスキャン結果確認画面に示されたアドレスの重複した火災報知端末のアドレスの丸印アイコンを選択して、
図17(b)に示すような個別詳細確認画面を表示させ、
図18(c)に示すように、個別詳細確認画面における設定ボタン9b21を押し、
図18(d)に示すようなアドレス設定画面を表示させ、アドレス設定画面におけるアドレス表示ボタン9b23を押し、
図19(e)に示すようなアドレス設定を行うためのアドレス入力画面を表示させ、
図19(e)に示すように、アドレス入力画面部9b25に、新たなアドレス番号を入力して、アドレスの訂正動作が行われる。
【0166】
次に、施工者11が、
図19(e)に示すアドレス入力画面部9b25に入力したアドレス番号が、既に使用されているアドレス番号である場合について説明する。
【0167】
施工者11が、
図19(e)に示すアドレス入力画面部9b25に入力したアドレス番号が、既に使用されているアドレス番号である場合には、携帯端末9の表示部9bには、
図22(a)に示すように、「指定のアドレスは既に使用されています。別のアドレスを指定してください。」とのエラーメッセージ9b31が表示され、そのエラーメッセージ9b31の下に表示されたOKボタン9b33を、施工者11が押すと、
図22(b)に示すようなアドレス設定画面に戻る。そして、施工者11が、
図22(b)に示すようなアドレス設定画面において、アドレス:11ボタン9b35を押すと、
図19(e)に示すようなアドレス設定画面へ戻り、アドレス番号の再訂正ができる。
【0168】
なお、アドレス番号11の火災報知端末のアドレス訂正動作が終了し、他にアドレス訂正動作を行う必要のある火災報知端末がある場合、そのアドレス訂正が必要な火災報知端末へ携帯端末9の表示部9bの画面を切り替える必要がある。
【0169】
このような場合、施工者11が、
図23(a)および
図23(b)に示すように、携帯端末9の表示部9bの下端部に表示された前ボタン9b37および次ボタン9b39を押すことにより、携帯端末9の表示部9bの画面を切り替え、そのアドレス訂正が必要な火災報知端末の個別詳細確認画面を表示するようにする。
【0170】
このように、所定の火災報知端末のアドレス訂正動作が終了し、他にアドレス訂正動作を行う必要のある火災報知端末がある場合、簡単に他のアドレス訂正動作を行うことができる。
【0171】
本発明は前述の発明の実施の形態に限定されることなく、適宜な訂正を行うことにより、その他の態様で実施し得るものである。
【0172】
上記実施形態では、火災報知システムの設置過程において、受信機が接続されていない状態で、シミュレータを設置して、火災報知端末のアドレス確認および訂正を行うようにしていたが、これに限定されず、受信機の接続後に、シミュレータを設置して、火災報知端末のアドレス確認および訂正を行うようにしても良い。
【0173】
上記実施形態では、携帯端末9は、Wifiに対応した一般的なスマートフォンを使用していたが、これに限定されず、専用の受信表示端末を使用しても良い。
【0174】
上記実施形態では、アイソレータ15aには、感知器伝送線13aを介して、煙感知器19、熱電対式検出器21、アドレスアダプタ23、煙感知器25、熱感知器29、アドレス付発信機31-1、アドレスアダプタ接続用発信機31-2等の火災報知端末が接続されているとしたが、それぞれは複数台の端末であってもよい。
【符号の説明】
【0175】
1…火災報知システム
3…受信機
9…携帯端末
11…施工者
13a、13b…感知器伝送線
15a、15b…アイソレータ
19…煙感知器
21…熱電対式検出器
23…アドレスアダプタ
25…一般感知器
29…熱感知器
31-1、31-2…発信機
35…シミュレータ(模擬装置)