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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-04
(45)【発行日】2023-10-13
(54)【発明の名称】基板処理システムおよび基板搬送方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20231005BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20231005BHJP
   B65G 49/07 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
H01L21/68 A
H01L21/30 564C
H01L21/30 569C
B65G49/07 C
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019158578
(22)【出願日】2019-08-30
(65)【公開番号】P2021039971
(43)【公開日】2021-03-11
【審査請求日】2022-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100093056
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100142930
【弁理士】
【氏名又は名称】戸高 弘幸
(74)【代理人】
【識別番号】100175020
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 知彦
(74)【代理人】
【識別番号】100180596
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 要
(74)【代理人】
【識別番号】100195349
【弁理士】
【氏名又は名称】青野 信喜
(72)【発明者】
【氏名】▲桑▼原 丈二
【審査官】杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-353648(JP,A)
【文献】特開2004-146450(JP,A)
【文献】特開2000-40730(JP,A)
【文献】特開2014-57002(JP,A)
【文献】特開2014-187273(JP,A)
【文献】特開2008-258208(JP,A)
【文献】米国特許第5844662(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
H01L 21/027
B65G 49/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を収納することが可能なキャリアを載置するための載置台が設けられたインデクサブロックと、
上下方向に配置された複数の処理層を有する第1処理装置と、
上下方向に配置された複数の処理層を有する第2処理装置と、を備え、
前記第1処理装置、前記インデクサブロックおよび前記第2処理装置は、この順番で水平方向に連結されており、
前記インデクサブロックは、前記載置台に載置されたキャリアに対して基板を出し入れすることができ、基板を搬送する第1インデクサ機構と、複数の基板を載置する基板バッファとを内部に有し、
前記第1インデクサ機構は、前記第1処理装置および前記第2処理装置の異なる高さ位置にある2つの処理層間で基板を搬送し、
前記第1処理装置および前記第2処理装置の各々の処理層は、基板を搬送する基板搬送機構と、基板に対して所定の処理を行う処理ユニットとを備え、
前記第1処理装置および前記第2処理装置の同じ高さ位置にある2つの処理層間で基板を搬送する場合、各処理層にある基板搬送機構は、前記基板バッファを介して基板を受け渡し、
前記第1処理装置および前記第2処理装置の異なる高さ位置にある2つの処理層間で基板を搬送する場合、前記第1インデクサ機構は、各処理層に対応する高さ位置にある前記基板バッファの2つのバッファ部間で基板を搬送することを特徴とする基板処理システム。
【請求項2】
基板を収納することが可能なキャリアを載置するための載置台が設けられたインデクサブロックと、
上下方向に配置された複数の処理層を有する第1処理装置と、
上下方向に配置された複数の処理層を有する第2処理装置と、を備え、
前記第1処理装置、前記インデクサブロックおよび前記第2処理装置は、この順番で水平方向に連結されており、
前記インデクサブロックは、前記載置台に載置されたキャリアに対して基板を出し入れすることができ、基板を搬送する第1インデクサ機構と、複数の基板を載置する基板バッファとを内部に有し、
前記第1インデクサ機構は、前記第1処理装置および前記第2処理装置の異なる高さ位置にある2つの処理層間で基板を搬送し、
前記第1処理装置および前記第2処理装置の各々の処理層は、基板を搬送する基板搬送機構と、基板に対して所定の処理を行う処理ユニットとを備え、
前記第1処理装置および前記第2処理装置の異なる高さ位置にある2つの処理層間で基板を搬送する場合、前記第1インデクサ機構は、前記基板バッファを介さずに、前記2つの処理層の2つの処理ユニット間で基板を直接搬送し、
前記第1処理装置および前記第2処理装置の同じ高さ位置にある2つの処理層間で基板を搬送する場合、各処理層にある基板搬送機構は、前記基板バッファを介して基板を受け渡しすることを特徴とする基板処理システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の基板処理システムにおいて、
前記第1インデクサ機構は、前記基板バッファを介さずに、前記載置台に載置されたキャリアから、前記第1処理装置および前記第2処理装置の少なくとも一方の処理層の処理ユニットに基板を直接搬送することを特徴とする基板処理システム。
【請求項4】
請求項に記載の基板処理システムにおいて、
前記第1インデクサ機構は、前記載置台に載置されたキャリアから複数枚の基板を同時に取り出し、前記基板バッファを介さずに、前記第1処理装置および前記第2処理装置の少なくとも一方の処理層の処理ユニットに1枚ずつ基板を直接搬送することを特徴とする基板処理システム。
【請求項5】
請求項1からのいずれかに記載の基板処理システムにおいて、
前記第1インデクサ機構は、前記基板バッファを介さずに、前記第1処理装置および前記第2処理装置の少なくとも一方の処理層の前記処理ユニットから前記載置台に載置されたキャリアに基板を直接搬送することを特徴とする基板処理システム。
【請求項6】
基板を収納することが可能なキャリアを載置するための載置台が設けられたインデクサブロックと、
上下方向に配置された複数の処理層を有する第1処理装置と、
上下方向に配置された複数の処理層を有する第2処理装置と、を備え、
前記第1処理装置、前記インデクサブロックおよび前記第2処理装置は、この順番で水平方向に連結されており、
前記インデクサブロックは、前記載置台に載置されたキャリアに対して基板を出し入れすることができ、基板を搬送する第1インデクサ機構と、複数の基板を載置する基板バッファとを内部に有し、
前記第1インデクサ機構は、前記第1処理装置および前記第2処理装置の異なる高さ位置にある2つの処理層間で基板を搬送し、
前記第1処理装置および前記第2処理装置の各々の処理層は、基板を搬送する基板搬送機構と、基板に対して所定の処理を行う処理ユニットとを備え、
前記第1処理装置および前記第2処理装置の異なる高さ位置にある2つの処理層間で基板を搬送する場合、前記第1インデクサ機構は、前記基板バッファと前記2つの処理層の一方の処理ユニットと間で基板を直接搬送することを特徴とする基板処理システム。
【請求項7】
請求項1からのいずれかに記載の基板処理システムにおいて、
前記インデクサブロックは、基板を搬送する第2インデクサ機構を更に備え、
前記第2インデクサ機構は、前記基板バッファを挟んで前記第1インデクサ機構の反対側に配置されており、
前記第1インデクサ機構および前記第2インデクサ機構は、前記第1処理装置および第2処理装置が並んで配置される方向と直交する方向に配置されていることを特徴とする基板処理システム。
【請求項8】
請求項1に記載の基板処理システムにおいて、
前記インデクサブロックに隣接し、前記第1処理装置および前記第2処理装置の少なくとも一方の処理層に配置され、前記第1インデクサ機構により前記基板バッファを介さずに、基板が直接搬送される隣接処理ユニットを更に備えていることを特徴とする基板処理システム。
【請求項9】
基板を収納することが可能なキャリアを載置するための載置台が設けられたインデクサブロックと、
上下方向に配置された複数の処理層を有する第1処理装置と、
上下方向に配置された複数の処理層を有する第2処理装置と、を備え、
前記第1処理装置、前記インデクサブロックおよび前記第2処理装置は、この順番で水平方向に連結されており、
前記インデクサブロックは、前記載置台に載置されたキャリアに対して基板を出し入れすることができ、基板を搬送する第1インデクサ機構と、複数の基板を載置する基板バッファとを内部に有し、
前記インデクサブロックは、基板を搬送する第2インデクサ機構を更に備え、
前記第2インデクサ機構は、前記基板バッファを挟んで前記第1インデクサ機構の反対側に配置されており、
前記第1インデクサ機構および前記第2インデクサ機構は、前記第1処理装置および第2処理装置が並んで配置される方向と直交する方向に配置され、
前記第1インデクサ機構は、前記第1処理装置および前記第2処理装置の異なる高さ位置にある2つの処理層間で基板を搬送することを特徴とする基板処理システム。
【請求項10】
基板を収納することが可能なキャリアを載置するための載置台が設けられたインデクサブロックと、
上下方向に配置された複数の処理層を有する第1処理装置と、
上下方向に配置された複数の処理層を有する第2処理装置と、を備え、
前記第1処理装置、前記インデクサブロックおよび前記第2処理装置が、この順番で水平方向に連結されている基板処理システムの基板搬送方法において、
前記インデクサブロックは、前記載置台に載置されたキャリアに対して基板を出し入れすることができ、基板を搬送する第1インデクサ機構と、複数の基板を載置する基板バッファとを内部に有し、
前記第1処理装置および前記第2処理装置の各々の処理層は、基板を搬送する基板搬送機構と、基板に対して所定の処理を行う処理ユニットとを備え、
前記第1インデクサ機構によって、前記第1処理装置および前記第2処理装置の異なる高さ位置にある2つの処理層間で基板を搬送する工程と、
前記第1処理装置および前記第2処理装置の同じ高さ位置にある2つの処理層間で基板を搬送する場合、各処理層にある基板搬送機構によって、前記基板バッファを介して基板を受け渡す工程と、
前記第1処理装置および前記第2処理装置の異なる高さ位置にある2つの処理層間で基板を搬送する場合、前記第1インデクサ機構によって、各処理層に対応する高さ位置にある前記基板バッファの2つのバッファ部間で基板を搬送する工程と、を備えていることを特徴とする基板処理システムの基板搬送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を処理する基板処理システムおよび、この基板処理システムの基板搬送方法に関する。基板は、例えば、半導体基板、FPD(Flat Panel Display)用の基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板などが挙げられる。FPDは、例えば、液晶表示装置、有機EL(electroluminescence)表示装置などが挙げられる。
【背景技術】
【0002】
従来の基板処理装置(基板処理システム)は、インデクサブロック(以下適宜、「IDブロック」と呼ぶ)と、処理ブロックとを備えている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
処理ブロックは、IDブロックに連結される。処理ブロックとIDブロックの間には、基板を互いに引き渡すための基板載置部が設けられている。IDブロックには、キャリアを載置するキャリア載置台が設けられている。キャリアは基板を収納する。IDブロックは、インデクサ機構を備えている。インデクサ機構は、キャリア載置台に載置されたキャリアから基板を取り出して、取り出した基板を基板載置部に搬送する。また、インデクサ機構は、処理ブロックで処理された基板を基板載置部からキャリアに戻す。
【0004】
特許文献1には、IDブロックと処理ブロックの間に配置された受渡ブロックを備えた基板処理システムが開示されている。受渡ブロックは、上下方向に並べて配置された複数の基板載置部(バッファ部を含む)と、複数の基板載置部を挟んで配置された2つの移し換え装置とを備えている。2つの移し換え装置は、IDブロックと処理ブロックが並んで配置される方向(X方向)と直交する方向(Y方向)に並んで配置されている。2つの移し換え機構は各々、鉛直方向に移動することにより、上下方向に並べて配置された複数の基板載置部に対して基板の搬入出を行う。
【0005】
また、特許文献2には、塗布処理ブロック、カセットステーション(IDブロックに相当する)および現像処理ブロックがこの順番で水平方向に直線状に連結された基板処理装置が開示されている。カセットステーションは、未処理の基板および処理済の基板のいずれかを収容する4個のカセットが配置できるように構成されている。また、塗布処理ブロックとカセットステーションとの境界部分には、基板の位置合わせ用の第1基板載置部が設けられていると共に、カセットステーションと現像処理ブロックとの境界部分には、基板の位置合わせ用の第2基板載置部が設けられている。カセットステーションの1つの搬送機構は、それらの基板載置部を介して、塗布処理ブロックおよび現像処理ブロックに基板を搬送する。なお、各ブロックは、上下方向に複数の処理層でなく単一の処理層で構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2016-201526号公報
【文献】特開平09-045613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来装置は、次の問題を有する。すなわち、従来装置は、特許文献1に記載されるように、上下方向に並んで配置された2つの処理層を備えている。移し換え装置は、2つの処理層間で基板を移動させるために、上下方向に並べて配置された複数の基板載置部で基板を移し換えている。ここで、移し換え装置および複数の基板載置部は、IDブロックと処理ブロックの間に配置された受渡ブロックに設けられている。そのため、受渡ブロックは基板処理システムのフットプリントを大きくさせている。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、フットプリントを抑えることができる基板処理システムおよび基板搬送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。すなわち、本発明に係る基板処理システムは、基板を収納することが可能なキャリアを載置するための載置台が設けられたインデクサブロックと、上下方向に配置された複数の処理層を有する第1処理装置と、上下方向に配置された複数の処理層を有する第2処理装置と、を備え、前記第1処理装置、前記インデクサブロックおよび前記第2処理装置は、この順番で水平方向に連結されており、前記インデクサブロックは、前記載置台に載置されたキャリアに対して基板を出し入れすることができ、基板を搬送する第1インデクサ機構と、複数の基板を載置する基板バッファとを内部に有し、前記第1インデクサ機構は、前記第1処理装置および前記第2処理装置の異なる高さ位置にある2つの処理層間で基板を搬送し、前記第1処理装置および前記第2処理装置の各々の処理層は、基板を搬送する基板搬送機構と、基板に対して所定の処理を行う処理ユニットとを備え、前記第1処理装置および前記第2処理装置の同じ高さ位置にある2つの処理層間で基板を搬送する場合、各処理層にある基板搬送機構は、前記基板バッファを介して基板を受け渡し、前記第1処理装置および前記第2処理装置の異なる高さ位置にある2つの処理層間で基板を搬送する場合、前記第1インデクサ機構は、各処理層に対応する高さ位置にある前記基板バッファの2つのバッファ部間で基板を搬送することを特徴とするものである。
【0010】
本発明に係る基板処理システムによれば、基板処理システムのフットプリントを抑えることができる。すなわち、インデクサブロックの第1インデクサ機構は、載置台に載置されたキャリアに対して基板を出し入れすることができる。更に、第1インデクサ機構は、第1処理装置および第2処理装置の異なる高さ位置にある2つの処理層間で基板を搬送する。そのため、従来技術のように、インデクサブロックと処理ブロックの間に、上下方向の2つの処理層間で基板を移動させるための受渡ブロックを設けなくてもよい。そのため、基板処理システムのフットプリントを抑えることができる。
【0012】
インデクサブロックを横断して、同じ高さ位置にある2つの処理層間で基板を搬送する場合、第1インデクサ機構を用いずに、基板バッファを用いて基板の受け渡しを行うことができる。また、異なる高さ位置にある2つの処理層間で基板を搬送する場合、第1インデクサ機構および基板バッファを用いて基板の受け渡しを行うことができる。なお、第1インデクサ機構を用いずに基板を搬送することができると、第1インデクサ機構の負担を軽減することができる。
【0015】
また、本発明に係る基板処理システムは、基板を収納することが可能なキャリアを載置するための載置台が設けられたインデクサブロックと、上下方向に配置された複数の処理層を有する第1処理装置と、上下方向に配置された複数の処理層を有する第2処理装置と、を備え、前記第1処理装置、前記インデクサブロックおよび前記第2処理装置は、この順番で水平方向に連結されており、前記インデクサブロックは、前記載置台に載置されたキャリアに対して基板を出し入れすることができ、基板を搬送する第1インデクサ機構と、複数の基板を載置する基板バッファとを内部に有し、前記第1インデクサ機構は、前記第1処理装置および前記第2処理装置の異なる高さ位置にある2つの処理層間で基板を搬送し、前記第1処理装置および前記第2処理装置の各々の処理層は、基板を搬送する基板搬送機構と、基板に対して所定の処理を行う処理ユニットとを備え、前記第1処理装置および前記第2処理装置の異なる高さ位置にある2つの処理層間で基板を搬送する場合、前記第1インデクサ機構は、前記基板バッファを介さずに、前記2つの処理層の2つの処理ユニット間で基板を直接搬送し、前記第1処理装置および前記第2処理装置の同じ高さ位置にある2つの処理層間で基板を搬送する場合、各処理層にある基板搬送機構は、前記基板バッファを介して基板を受け渡しすることを特徴とするものである。
本発明に係る基板処理システムによれば、基板処理システムのフットプリントを抑えることができる。すなわち、インデクサブロックの第1インデクサ機構は、載置台に載置されたキャリアに対して基板を出し入れすることができる。更に、第1インデクサ機構は、第1処理装置および第2処理装置の異なる高さ位置にある2つの処理層間で基板を搬送する。そのため、従来技術のように、インデクサブロックと処理ブロックの間に、上下方向の2つの処理層間で基板を移動させるための受渡ブロックを設けなくてもよい。そのため、基板処理システムのフットプリントを抑えることができる。
また、第1処理装置の処理層の基板搬送機構は、第1処理装置内の処理ユニットから基板を取り出して、取り出した基板を基板バッファに搬送する動作を省略することができる。また、第2処理装置の処理層の基板搬送機構は、第2処理装置内の処理ユニットから基板を取り出して、取り出した基板を基板バッファに搬送する動作を省略することができる。そのため、2つの処理層の基板搬送機構の負担を軽減することができる。
また、インデクサブロックを横断して同じ高さ位置にある2つの処理層間で基板を搬送する場合、第1インデクサ機構を用いずに基板を搬送することができる。そのため、第1インデクサ機構の負荷を軽減することができる。
【0016】
また、上述の基板処理システムにおいて、前記第1インデクサ機構は、前記基板バッファを介さずに、前記載置台に載置されたキャリアから、前記第1処理装置および前記第2処理装置の少なくとも一方の処理層の処理ユニットに基板を直接搬送することが好ましい。これにより、処理層の基板搬送機構は、基板バッファから基板を取り出して、取り出した基板を処理層の処理ユニットに搬送する動作を省略することができる。そのため、処理層の基板搬送機構の負担を軽減することができる。
【0017】
また、上述の基板処理システムにおいて、前記第1インデクサ機構は、前記載置台に載置されたキャリアから複数枚の基板を同時に取り出し、前記基板バッファを介さずに、前記第1処理装置および前記第2処理装置の少なくとも一方の処理層の処理ユニットに1枚ずつ基板を直接搬送することが好ましい。第1インデクサ機構がキャリアから同時に2枚の基板を取り出したとする。この2枚の基板を1枚ずつ処理ユニットに搬送することで、キャリアから処理ユニットまでの往復移動回数を少なくすることができる。そのため、基板の搬送効率を向上させることができる。
【0018】
また、上述の基板処理システムにおいて、前記第1インデクサ機構は、前記基板バッファを介さずに、前記第1処理装置および前記第2処理装置の少なくとも一方の処理層の前記処理ユニットから前記載置台に載置されたキャリアに基板を直接搬送することが好ましい。これにより、処理層の基板搬送機構は、処理ユニットから基板を取り出して、取り出した基板を基板バッファに搬送する動作を省略することができる。そのため、処理層の基板搬送機構の負担を軽減することができる。
【0019】
また、本発明に係る基板処理システムは、基板を収納することが可能なキャリアを載置するための載置台が設けられたインデクサブロックと、上下方向に配置された複数の処理層を有する第1処理装置と、上下方向に配置された複数の処理層を有する第2処理装置と、を備え、前記第1処理装置、前記インデクサブロックおよび前記第2処理装置は、この順番で水平方向に連結されており、前記インデクサブロックは、前記載置台に載置されたキャリアに対して基板を出し入れすることができ、基板を搬送する第1インデクサ機構と、複数の基板を載置する基板バッファとを内部に有し、前記第1インデクサ機構は、前記第1処理装置および前記第2処理装置の異なる高さ位置にある2つの処理層間で基板を搬送し、前記第1処理装置および前記第2処理装置の各々の処理層は、基板を搬送する基板搬送機構と、基板に対して所定の処理を行う処理ユニットとを備え、前記第1処理装置および前記第2処理装置の異なる高さ位置にある2つの処理層間で基板を搬送する場合、前記第1インデクサ機構は、前記基板バッファと前記2つの処理層の一方の処理ユニットと間で基板を直接搬送することを特徴とするものである。
本発明に係る基板処理システムによれば、基板処理システムのフットプリントを抑えることができる。すなわち、インデクサブロックの第1インデクサ機構は、載置台に載置されたキャリアに対して基板を出し入れすることができる。更に、第1インデクサ機構は、第1処理装置および第2処理装置の異なる高さ位置にある2つの処理層間で基板を搬送する。そのため、従来技術のように、インデクサブロックと処理ブロックの間に、上下方向の2つの処理層間で基板を移動させるための受渡ブロックを設けなくてもよい。そのため、基板処理システムのフットプリントを抑えることができる。
また、2つの処理層の一方の処理ユニットがある処理層の基板搬送機構は、そのユニットと基板バッファとの間で基板を搬送する動作を省略することができる。
【0020】
また、上述の基板処理システムにおいて、前記インデクサブロックは、基板を搬送する第2インデクサ機構を更に備え、前記第2インデクサ機構は、前記基板バッファを挟んで前記第1インデクサ機構の反対側に配置されており、前記第1インデクサ機構および前記第2インデクサ機構は、前記第1処理装置および第2処理装置が並んで配置される方向と直交する方向に配置されていることが好ましい。これにより、第1インデクサ機構の負担を軽減することができる。また、基板処理システム内に多数の基板を送り込むことができ、基板処理システム内から多数の基板を取り出すことができる。
【0021】
また、上述の基板処理システムにおいて、前記インデクサブロックに隣接し、前記第1処理装置および前記第2処理装置の少なくとも一方の処理層に配置され、前記第1インデクサ機構により前記基板バッファを介さずに、基板が直接搬送される隣接処理ユニットを更に備えていることが好ましい。これにより、処理層の基板搬送機構は、基板バッファから基板を取り出して、取り出した基板を処理層の隣接処理ユニットに搬送する動作を省略することができる。そのため、処理層の基板搬送機構の負担を軽減することができる。
また、本発明に係る基板処理システムは、基板を収納することが可能なキャリアを載置するための載置台が設けられたインデクサブロックと、上下方向に配置された複数の処理層を有する第1処理装置と、上下方向に配置された複数の処理層を有する第2処理装置と、を備え、前記第1処理装置、前記インデクサブロックおよび前記第2処理装置は、この順番で水平方向に連結されており、前記インデクサブロックは、前記載置台に載置されたキャリアに対して基板を出し入れすることができ、基板を搬送する第1インデクサ機構と、複数の基板を載置する基板バッファとを内部に有し、前記インデクサブロックは、基板を搬送する第2インデクサ機構を更に備え、前記第2インデクサ機構は、前記基板バッファを挟んで前記第1インデクサ機構の反対側に配置されており、前記第1インデクサ機構および前記第2インデクサ機構は、前記第1処理装置および第2処理装置が並んで配置される方向と直交する方向に配置され、前記第1インデクサ機構は、前記第1処理装置および前記第2処理装置の異なる高さ位置にある2つの処理層間で基板を搬送することを特徴とするものである。
本発明に係る基板処理システムによれば、基板処理システムのフットプリントを抑えることができる。すなわち、インデクサブロックの第1インデクサ機構は、載置台に載置されたキャリアに対して基板を出し入れすることができる。更に、第1インデクサ機構は、第1処理装置および第2処理装置の異なる高さ位置にある2つの処理層間で基板を搬送する。そのため、従来技術のように、インデクサブロックと処理ブロックの間に、上下方向の2つの処理層間で基板を移動させるための受渡ブロックを設けなくてもよい。そのため、基板処理システムのフットプリントを抑えることができる。
また、第1インデクサ機構の負担を軽減することができる。また、基板処理システム内に多数の基板を送り込むことができ、基板処理システム内から多数の基板を取り出すことができる。
【0022】
また、本発明に係る基板搬送方法は、基板を収納することが可能なキャリアを載置するための載置台が設けられたインデクサブロックと、上下方向に配置された複数の処理層を有する第1処理装置と、上下方向に配置された複数の処理層を有する第2処理装置と、を備え、前記第1処理装置、前記インデクサブロックおよび前記第2処理装置が、この順番で水平方向に連結されている基板処理システムの基板搬送方法において、前記インデクサブロックは、前記載置台に載置されたキャリアに対して基板を出し入れすることができ、基板を搬送する第1インデクサ機構と、複数の基板を載置する基板バッファとを内部に有し、前記第1処理装置および前記第2処理装置の各々の処理層は、基板を搬送する基板搬送機構と、基板に対して所定の処理を行う処理ユニットとを備え、前記第1インデクサ機構によって、前記第1処理装置および前記第2処理装置の異なる高さ位置にある2つの処理層間で基板を搬送する工程と、前記第1処理装置および前記第2処理装置の同じ高さ位置にある2つの処理層間で基板を搬送する場合、各処理層にある基板搬送機構によって、前記基板バッファを介して基板を受け渡す工程と、前記第1処理装置および前記第2処理装置の異なる高さ位置にある2つの処理層間で基板を搬送する場合、前記第1インデクサ機構によって、各処理層に対応する高さ位置にある前記基板バッファの2つのバッファ部間で基板を搬送する工程と、を備えていることを特徴とするものである。
【0023】
本発明に係る基板処理方法によれば、基板処理システムのフットプリントを抑えることができる。すなわち、インデクサブロックの第1インデクサ機構は、載置台に載置されたキャリアに対して基板を出し入れすることができる。更に、第1インデクサ機構は、第1処理装置および第2処理装置の異なる高さ位置にある2つの処理層間で基板を搬送する。そのため、従来技術のように、インデクサブロックと処理ブロックの間に、上下方向の2つの処理層間で基板を移動させるための受渡ブロックを設けなくてもよい。そのため、基板処理システムのフットプリントを抑えることができる。
インデクサブロックを横断して、同じ高さ位置にある2つの処理層間で基板を搬送する場合、第1インデクサ機構を用いずに、基板バッファを用いて基板の受け渡しを行うことができる。また、異なる高さ位置にある2つの処理層間で基板を搬送する場合、第1インデクサ機構および基板バッファを用いて基板の受け渡しを行うことができる。なお、第1インデクサ機構を用いずに基板を搬送することができると、第1インデクサ機構の負担を軽減することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る基板処理システムおよび基板搬送方法によれば、フットプリントを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】実施例1に係る基板処理装置の縦断面図である。
図2】実施例1に係る基板処理装置の横断面図である。
図3】実施例1に係る基板処理装置の平面図である。
図4】インデクサブロックの基板搬送機構を示す図である。
図5】2つのハンドおよび進退駆動部の平面図である。
図6】実施例1に係る基板処理装置の右側面図である。
図7】実施例1に係る基板処理装置の左側面図である。
図8】2方向から基板を搬送できる熱処理部を説明するための図である。
図9】基板処理装置の処理工程の一例を示すフローチャートである。
図10】基板処理装置の動作を説明するためのフローチャートである。
図11】実施例2に係る基板処理装置を示す左側面図である。
図12】実施例2に係る基板処理装置の動作を説明するためのフローチャートである。
図13】実施例3に係る基板処理装置を示す右側面図である。
図14】実施例3に係る基板処理装置を示す左側面図である。
図15】基板処理装置の処理工程の一例を示すフローチャートである。
図16】実施例3に係る基板処理装置の動作を説明するためのフローチャートである。
図17】(a)、(b)は、変形例に係る動作を説明するための図である。
図18】変形例に係る構成を説明するための図である。
図19】変形例に係る基板処理装置を示す左側面図である。
【実施例1】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の実施例1を説明する。図1は、実施例1に係る基板処理装置1の縦断面図である。図2は、実施例1に係る基板処理装置1の横断面図である。図3は、実施例1に係る基板処理装置1の平面図である。
【0027】
<基板処理装置1の構成>
図1を参照する。基板処理装置(基板処理システム)1は、IDブロック(インデクサブロック)2、第1処理ブロック3、第2処理ブロック5、インターフェースブロック(以下適宜、「IFブロック」と呼ぶ)6およびキャリアバッファ装置8を備えている。第1処理ブロック3、IDブロック2、第2処理ブロック5およびIFブロック6は、この順番で水平方向に直線状に連結されている。
【0028】
なお、図1図2において、符号PPは、例えば、処理液を送るための配管および電気配線などを収容するための収容ブロックを示す。また、本実施例において、第1処理ブロック3は、本発明の第1処理装置に相当する。第2処理ブロック5およびIFブロック6は、本発明の第2処理装置に相当する。
【0029】
また、基板処理装置1は、図2に示すように、制御部9と、操作部10とを備えている。制御部9は、例えば中央演算処理装置(CPU)を備えている。制御部9は、基板処理装置1の各構成を制御する。操作部10は、表示部(例えば液晶モニタ)、記憶部および入力部を備えている。記憶部は、例えば、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random-Access Memory)、およびハードディスクの少なくとも1つを備えている。入力部は、キーボード、マウス、タッチパネルおよび各種ボタンの少なくとも1つを備えている。記憶部には、基板処理の各種条件および基板処理装置1の制御に必要な動作プログラム等が記憶されている。
【0030】
(1-1)IDブロック2の構成
IDブロック2は、図2図3に示すように、4つのオープナ(キャリア載置部)11~14と、2つの基板搬送機構(ロボット)MHU1,MHU2と、基板バッファBFとを備えている。2つの基板搬送機構MHU1,MHU2と基板バッファBFは、IDブロック2の内部に配置されている。なお、基板搬送機構MHU1は、本発明の第1インデクサ機構に相当する。基板搬送機構MHU2は、本発明の第2インデクサ機構に相当する。
【0031】
(1-1-1)オープナ11~14等の構成
4つのオープナ11~14は、IDブロック2の外壁に設けられている。2つのオープナ11,12は、第1基板搬送機構MHU1がキャリアCに基板Wを出し入れできるように、第1基板搬送機構MHU1の周囲に配置されている。図2図3において、2つのオープナ11,12は、基板搬送機構MHU1を挟み込むよう前後方向(X方向)に配置されている。2つのオープナ11,12と同様に、2つのオープナ13,14は、第2基板搬送機構MHU2がキャリアCに基板Wを出し入れできるように、第2基板搬送機構MHU2の周囲に配置されている。2つのオープナ13,14は、第2基板搬送機構MHU2を挟み込むように前後方向に配置されている。
【0032】
4つのオープナ11~14は各々、図1に示すように、載置台16、開口部18、シャッタ部材(図示しない)、およびシャッタ部材駆動機構(図示しない)を備えている。載置台16は、キャリアCを載置するために用いられる。
【0033】
キャリアCは、複数(例えば25枚)の基板Wを収納することができる。キャリアCは、例えば、フープ(FOUP:Front Open Unified Pod)、SMIF(Standard Mechanical Inter Face)ポッドが用いられる。すなわち、キャリアCは、例えば、基板Wを出し入れするための開口部が設けられ、基板Wが収納されるキャリア本体と、開口部を塞ぐための蓋部とを備えているものが用いられる。
【0034】
開口部18は、基板Wを通すために用いられる。シャッタ部材は、開口部18の開閉を行うと共に、キャリアCのキャリア本体に対して蓋部の着脱を行う。シャッタ部材駆動部は、電動モータを備えており、シャッタ部材を駆動する。シャッタ部材は、キャリア本体から蓋部を外した後、例えば開口部18に沿って水平方向(Y方向)、あるいは下方向(Z方向)に移動される。
【0035】
載置台16は、第1処理ブロック3および第2処理ブロック5の上方に配置されている。具体的には、2つのオープナ11,13の各載置台16は、第1処理ブロック3よりも上に配置されている。また、2つのオープナ12,14の各載置台16は、第2処理ブロック5よりも上に配置されている。なお、2つのオープナ11,13の各載置台16は、第1処理ブロック3の上面または屋上に設けられていてもよい。また、2つのオープナ12,14の各載置台16は、第2処理ブロック5の上面または屋上に設けられていてもよい。
【0036】
(1-1-2)基板搬送機構MHU1,MHU2の構成
図2に示すように、2つの基板搬送機構MHU1,MHU2は、基板バッファBFを挟み込むように配置されている。すなわち、第2基板搬送機構MHU2は、基板バッファBFを挟んで第1基板搬送機構MHU1の反対側に配置されている。また、2つの基板搬送機構MHU1,MHU2は、第1処理ブロック3および第2処理ブロック5が並んで配置される方向(X方向)と直交する方向(Y方向)に配置されている。
【0037】
第1基板搬送機構MHU1は、2つのオープナ11,12の各載置台16に載置されたキャリアCと、基板バッファBFとの間で基板Wを搬送することができる。また、第1基板搬送機構MHU1は、2つのオープナ11,12の各載置台16に載置されたキャリアCと、後述する熱処理部37との間で基板Wを直接搬送することができる。一方、第2基板搬送機構MHU2は、2つのオープナ13,14の各載置台16に載置されたキャリアCと、基板バッファBFとの間で基板Wを搬送することができる。
【0038】
図4図5を参照する。2つの基板搬送機構MHU1,MHU2は各々、2つのハンド21、進退駆動部23、および昇降回転駆動部25を備えている。2つのハンド21は各々、基板Wを保持する。2つのハンド21は個々に水平方向に進退可能である。そのため、キャリアCから1枚の基板Wを取り出したり、2枚の基板Wを同時に取り出したりすることができる。
【0039】
ハンド21は、図5に示すように、1つの基礎部分21Aと、その基礎部分21Aから分かれた2つの先端部分21B,21Cとを有し、Y字状、U字状または二叉フォーク状のように構成されている。基礎部分21Aおよび、2つの先端部分21B,21Cには、基板Wを吸着することで基板Wを保持するための吸着部27A,27B,27Cが設けられている。3つの吸着部27A~27Cは、例えば、配管を介して接続されるポンプによって吸着力が与えられるように構成されている。なお、2つの基板搬送機構MHU1,MHU2は各々、2つのハンド21を備えているが、3つ以上のハンド21を備えていてもよい。
【0040】
進退駆動部23は、各ハンド21を移動可能に支持すると共に、各ハンド21を進退移動させる。進退駆動部23は、1つのハンド21を駆動するために、例えば、電動モータと、直線状のねじ軸と、ねじ軸と噛み合う孔部を有する可動部材と、可動部材をガイドするガイド部とを備えている。
【0041】
昇降回転駆動部25は、進退駆動部23を昇降および回転させることで、2つのハンド21を昇降および回転させる。昇降回転駆動部25は、図4に示すように、支柱部25Aと回転部25Bを備えている。支柱部25Aは、上下方向に延びるように設けられている。支柱部25Aは、IDブロック2の床部に固定されている。そのため、支柱部25A、すなわち昇降回転駆動部25の水平方向(XY方向)の位置は、移動されずに固定されている。回転部25Bは、進退駆動部23を鉛直軸AX1周りに回転させる。昇降回転駆動部25による昇降および回転は、電動モータによって駆動される。
【0042】
(1-1-3)基板バッファBFの構成
基板バッファBFは、複数の基板Wを載置する。基板バッファBFは、図2に示すように、第1処理ブロック3と第2処理ブロック5の中間(中央)に配置されている。これにより、第1処理ブロック3の基板搬送機構MHU3および第2処理ブロック5の基板搬送機構MHU4は共に、基板バッファBFに対して基板Wを出し入れすることができる。すなわち、IDブロック2の2台の基板搬送機構MHU1,MHU2を加えた4台の基板搬送機構MHU1~MHU4は、基板バッファBFに載置されている基板Wを4方向から取り合うことができる。
【0043】
基板バッファBFは、図1に示すように、3つのバッファ部BU1~BU3を備えている。3つのバッファ部BU1~BU3は、上下方向に1列で配置されている。3つのバッファ部BU1~BU3は各々、基板Wを載置するために、上下方向に配置された複数(例えば15個)の基板載置部(図示しない)を備えている。
【0044】
第1バッファ部BU1は、第1処理ブロック3の処理層B2および第2処理ブロック5の処理層C2と同じ階層(すなわち1階)に設けられている。第2バッファ部BU2は、第1処理ブロック3の処理層B1および第2処理ブロック5の処理層C1と同じ階層(すなわち2階)に設けられている。第3バッファ部BU3は、第1処理ブロック3の処理層A1および第2処理ブロック5の処理層A2と同じ階層(すなわち3階)に設けられている。
【0045】
なお、図1において、第1処理ブロック3の3つの処理層B2,B1,A1のうちの例えば処理層A1は、第2処理ブロック5の3つの処理層C2,C1,A2のうちの処理層A2と同じ階層(同じ高さ位置)に配置されている。同様に、処理層B1は、処理層C1と同じ階層に配置されている。処理層B2は、処理層C2と同じ階層に配置されている。また、2つの処理層A1,A2は、4つの処理層B1,B2,C1,C2と階層が異なる。
【0046】
(1-2)処理ブロック3,5の構成
図1図2を参照する。第1処理ブロック3は、3つの処理層B2,B1,A1を備えている。3つの処理層B2,B1,A1は、積み重ねるように上下方向に配置されている。また、第2処理ブロック5は、3つの処理層C2,C1,A2を備えている。3つの処理層C2,C1,A2は、積み重ねるように上下方向に配置されている。例えば、2つの処理層A1,A2は、基板Wに対して反射防止膜を形成する。2つの処理層B1,B2は、基板Wに対してフォトレジスト膜を形成する。また、2つの処理層C1,C2は、基板Wに対して現像処理を行う。3つの処理層A1,B1,C1は、3つの処理層A2,B2,C2の処理と同じ処理を基板Wに対して行う。
【0047】
本実施例において、第1処理ブロック3は3つの処理層B2,B1,A1を備え、第2処理ブロック5は3つの処理層C2,C1,A2を備えている。しかし、処理層は3つに限定されない。すなわち、第1処理ブロック3は複数の処理層を備え、第2処理ブロック5は、複数の処理層を備えていればよい。
【0048】
3つの処理層B2,B1,A1は各々、基板搬送機構MHU3、複数の液処理ユニット36、複数の熱処理部37、および搬送スペース39を備えている。また、3つの処理層C2,C1,A2は各々、基板搬送機構MHU4、複数の液処理ユニット36、複数の熱処理部37、および搬送スペース39を備えている。搬送スペース39は、平面視でX方向に長手の長方形の空間である。基板搬送機構MHU3,MHU4は各々、搬送スペース39に配置されている。液処理ユニット36と熱処理部37は、搬送スペース39を挟み込むように配置されている。また、液処理ユニット36と熱処理部37は、搬送スペース39の長手方向(X方向)に沿って各々配置されている。
【0049】
(1-2-1)基板搬送機構MHU3,MHU4の構成
基板搬送機構MHU3,MHU4は各々、基板Wを搬送する。基板搬送機構MHU3,MHU4は各々、2つのハンド41、進退駆動部43、回転駆動部45、第1移動機構47および第2移動機構48を備えている。2つのハンド41、進退駆動部43および回転駆動部45はそれぞれ、例えば第1基板搬送機構MHU1の2つのハンド21、進退駆動部23、回転部25Bと同じように構成されている。すなわち、2つのハンド41は各々、基板Wを保持する。2つのハンド41は各々、1つの基礎部分と、その基礎部分から分かれた2つの先端部分とを有している。基礎部分および、2つの先端部分には、それぞれ基板Wを吸着することで基板Wを保持するための吸着部が設けられている。
【0050】
2つのハンド41は各々、進退駆動部43に移動可能に取り付けられている。進退駆動部43は、2つのハンド41を個々に進退させる。回転駆動部45は、進退駆動部43を鉛直軸AX3周りに回転させる。これにより、2つのハンド41の向きを変えることができる。第1移動機構47は、回転駆動部45を図1の前後方向(X方向)に移動させることができる。第2移動機構48は、第1移動機構47を図1の上下方向(Z方向)に移動させることができる。2つの移動機構47,48により、2つのハンド41および進退駆動部43をXZ方向に移動させることができる。
【0051】
進退駆動部43、回転駆動部45、第1移動機構47および第2移動機構48は各々、電動モータを備えている。
【0052】
(1-2-2)液処理ユニット36の構成
図6は、基板処理装置1の右側面図である。6つの処理層A1,A2,B1,B2,C1,C2(以下適宜、「6つの処理層(A1等)」と呼ぶ)は各々、8つの液処理ユニット36を備えている。8つの液処理ユニット36は、上下方向に2段×水平方向に4列で配置することが可能である。図6において、例えば、2つの処理層A1,A2は各々、8つの塗布ユニットBARCを備えている。2つの処理層B1,B2は各々、8つの塗布ユニットPRを備えている。また、2つの処理層C1,C2は各々、8つの現像ユニットDEVを備えている。なお、液処理ユニット36の個数および種類は、必要に応じて変更される。
【0053】
液処理ユニット36(塗布ユニットBARC,PRおよび現像ユニットDEV)は各々、図2に示すように、保持回転部51、ノズル52およびノズル移動機構53を備えている。保持回転部51は、例えば真空吸着によって基板Wの下面を保持して、保持した基板Wを鉛直軸(Z方向)周りに回転させる。ノズル52は、処理液(例えば反射防止膜を形成するための液、フォトレジスト液、または現像液)を基板Wに対して吐出する。ノズル52は、配管を介して処理液供給源に接続されており、配管には、ポンプおよび開閉弁が設けられている。ノズル移動機構53は、ノズル52を任意の位置に移動させる。保持回転部51およびノズル移動機構53は各々、例えば電動モータを備えている。
【0054】
(1-2-3)熱処理部37の構成
図7は、基板処理装置1の左側面図である。6つの処理層(A1等)は各々、24個の熱処理部37を備えることが可能である。24個の熱処理部37は、4段×6列で配置される。熱処理部37は、基板Wに対して熱処理(所定の処理)を行うために、基板Wを載置するプレート57(図2参照)を備えている。熱処理部37は、プレート57を加熱するために例えば電熱器などのヒータを備えている。また、熱処理部37は、プレート57を冷却するために例えば水冷式の循環機構またはペルチェ素子を備えている。
【0055】
熱処理部37は、加熱処理および冷却処理を主に行う本来の熱処理部と、加熱処理および冷却処理を行わない処理ユニットであるエッジ露光部EEWおよび検査部LSCM1,LSCM2とを含んでいる。本実施例において、液処理ユニット36以外の処理ユニットを熱処理部37と呼んでいる。
【0056】
図7において、2つの処理層A1,A2は各々、例えば、4つの冷却部CP、および8つの加熱処理部PABを備えている。冷却部CPは基板Wを冷却する。加熱処理部PABは、塗布後の基板Wに対してベーク処理を行う。図7において、2つの処理層A1,A2の各々の4つの冷却部CPは、IDブロック2に隣接して配置されている。このようにIDブロック2に隣接して配置されているユニットを本実施例では「隣接処理ユニットAD」と呼ぶ。この4つの冷却部CP(隣接処理ユニットAD)には、2方向から基板Wの出し入れを行うために、例えば2つの基板搬入口59A,59Bが設けられている(図8参照)。
【0057】
図7図8に示すように、4つの冷却部CPが配置される処理層A1では、処理層A1の基板搬送機構MHU3が冷却部CPのプレート57Aに基板Wを搬送することできると共に、IDブロック2の基板搬送機構MHU1がそのプレート57Aに基板Wを搬送することができる。また、処理層A2では、処理層A2の基板搬送機構MHU4が冷却部CPのプレート57Bに基板を搬送することができると共に、IDブロック2の基板搬送機構MHU1がそのプレート57Bに基板Wを搬送することができる。なお、熱処理部37が冷却部CPである場合、図8に示すように、プレート57は、1つであってもよい。
【0058】
また、2つの処理層B1,B2は各々、例えば、4つの冷却部CP、および8つの加熱処理部PABを備えている。更に、2つの処理層C1,C2は各々、4つの冷却部CP、4つの露光後ベーク処理部PEB、8つのポストベーク部PB、2つのエッジ露光部EEW、および2つの検査部LSCM1,LSCM2を備えている。
【0059】
露光後ベーク処理部PEBは、露光後の基板Wに対してベーク処理を行う。ポストベーク部PBは、現像処理後の基板Wに対してベーク処理を行う。エッジ露光部EEWは、基板Wの周辺部の露光処理を行う。2つの検査部LSCM1,LSCM2は各々、CCDカメラまたはイメージセンサを備えている。検査部LSCM1は塗布膜(例えばフォトレジスト膜)を検査する。検査部LSCM2は現像後の基板Wを検査する。
【0060】
なお、6つの処理層(A1等)の少なくとも1つは、密着強化処理部AHPを備えていてもよい。密着強化処理部AHPは、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)等の密着強化剤を基板Wに塗布して加熱する。加熱処理部PAB、露光後ベーク処理部PEB、ポストベーク部PB、および密着強化処理部AHPは各々、冷却機能を有する。また、熱処理部37の個数、種類および位置は適宜変更される。
【0061】
(1-3)IFブロック6の構成
IFブロック6は、第2処理ブロック5に連結されている。IFブロック6は、外部装置である露光装置EXPに基板Wの搬出および搬入を行う。図1図2図6図7に示すように、IFブロック6は、3つの基板搬送機構HU5~HU7、露光前洗浄ユニット161、露光後洗浄ユニットSOAK、露光後ベーク処理部PEB、バッファ部PSB4,PSB5、載置兼冷却部P-CPおよび基板載置部PS9を備えている。
【0062】
なお、洗浄ユニット161,SOAKは、基板Wを保持する保持回転部と、例えば洗浄液を基板Wに吐出するノズルとを備えている。また、処理前洗浄ユニット161は、ブラシ等を用いて基板Wの裏面、および端部(ベベル部)のポリッシング処理を行ってもよい。なお、基板Wの裏面は、例えば回路パターンが形成された面の反対側の面を言う。バッファ部PSB4,PSB5は各々、複数の基板Wを載置可能である。
【0063】
図2に示すように、2つの基板搬送機構HU5,HU6は、X方向と直交するY方向に並んで配置されている。また、2つの基板搬送機構HU5,HU6は、複数の基板Wを載置可能なバッファ部PSB4を挟んで配置されている。第7基板搬送機構HU7は、2つの基板搬送機構HU5,HU6を挟んで(横切って)第2処理ブロック5の反対側に配置されている。すなわち、第7基板搬送機構HU7と第2処理ブロック5の間には、2つの基板搬送機構HU5,HU6が配置されている。3つの基板搬送機構HU5~HU7の間には、複数の載置兼冷却部P-CPおよび基板載置部PS9が配置されている。複数の載置兼冷却部P-CPおよび基板載置部PS9は上下方向に配置されている。基板載置部PS9は、複数の基板Wを載置できるように構成されている。
【0064】
第5基板搬送機構HU5は、露光前洗浄ユニット161(図2の矢印RS側、図6参照)、露光後洗浄ユニットSOAK(矢印RS側)、露光後ベーク処理部PEB(矢印RS側)、バッファ部PSB4,PSB5、載置兼冷却部P-CPおよび基板載置部PS9の間で基板Wを搬送する。第6基板搬送機構HU6は、露光前洗浄ユニット161(図2の矢印LS側、図7参照)、露光後洗浄ユニットSOAK(矢印LS側)、露光後ベーク処理部PEB(矢印LS側)、バッファ部PSB4,PSB5、載置兼冷却部P-CPおよび基板載置部PS9の間で基板Wを搬送する。第7基板搬送機構HU7は、露光装置EXP、載置兼冷却部P-CPおよび基板載置部PS9の間で基板Wを搬送する。
【0065】
3つの基板搬送機構HU5~HU7は各々、ハンド21、進退駆動部23および昇降回駆動部58を備えている。ハンド21および進退駆動部23は、例えば基板搬送機構MHU1のハンド21および進退駆動部23と同様に構成されている。昇降回転駆動部58は電動モータを備えており、ハンド21および進退駆動部23を昇降させ、またハンド21および進退駆動部23を鉛直軸周りに回転させる。
【0066】
(1-4)キャリアバッファ装置8の構成
キャリアバッファ装置8は、図1図3のように、キャリア搬送機構61とキャリア保管棚63とを備えている。キャリア搬送機構61およびキャリア保管棚63(すなわちキャリアバッファ装置8)は、IDブロック2および2つの処理ブロック3,5の上に搭載されている。キャリア搬送機構61は、4つのオープナ11~14の各々の載置台16とキャリア保管棚63との間でキャリアCを搬送する。キャリア保管棚63は、キャリアCを保管する。なお、キャリア搬送機構61およびキャリア保管棚63は各々、IDブロック2および2つの処理ブロック3,5の少なくとも1つの上に搭載されていてもよい。また、キャリア搬送機構61およびキャリア保管棚63は各々、IFブロック6の上に搭載されていてもよい。
【0067】
図3を参照する。キャリア搬送機構61は、2つの多関節アーム65,66を備えている。第1多関節アーム65の一端には把持部67が設けられ、第2多関節アーム66の一端には把持部68が設けられている。第1多関節アーム65の他端は、支柱状の昇降駆動部69に上下方向(Z方向)に移動可能に支持され、第2多関節アーム66の他端は、昇降駆動部69に上下方向に移動可能に支持されている。
【0068】
2つの把持部67,68は各々、例えば、キャリアCの上面に設けられた突起部を把持するように構成されている。昇降駆動部69は、2つの多関節アーム65,66を個別に昇降できるように構成されている。2つの把持部67,68、2つの多関節アーム65,66および昇降駆動部69は各々、電動モータを備えている。
【0069】
前後駆動部70は、昇降駆動部69を支持する支持部70Aと、前後方向(X方向)に長手に延びる長手部70Bと、電動モータとを備えている。例えば、長手部70Bがレール(ガイドレール)であり、支持部70Aが台車であってもよい。この場合、電動モータによって台車(支持部70A)がレール(長手部70B)に沿って移動するように構成されていてもよい。
【0070】
また、例えば電動モータ、複数のプーリ、ベルトおよびガイドレールが、長手部70Bに内蔵され、支持部70Aがベルトに固定されていてもよい。この場合、電動モータによってプーリが回転し、複数のプーリに掛けられたベルトが移動することによって、ガイドレールに沿って支持部70Aを移動させるようにしてもよい。また、例えば電動モータ、ねじ軸およびガイドレールが、長手部70Bに内蔵され、ねじ軸と噛み合うナット部が支持部70Aに設けられていてもよい。この場合、電動モータによってねじ軸が回転されることにより、ガイドレールに沿って支持部70Aを移動させるようにしてもよい。
【0071】
また、キャリア保管棚63は、未処理の基板Wが収納されたキャリアCを外部搬送機構OHT(Overhead Hoist Transport)から受け取る。また、キャリア保管棚63は、処理後の基板Wが収納されたキャリアCを外部搬送機構OHTに引き渡す。外部搬送機構OHTは、工場内でキャリアCを搬送するものである。未処理の基板Wは、本実施例における基板処理装置1による基板処理が行われていない基板Wをいい、処理後の基板Wは、本実施例における基板処理装置1による基板処理が行われている基板Wをいう。キャリア保管棚63の一部の上方には、外部搬送機構OHTのレール77が設けられている。外部搬送機構OHTは、キャリア保管棚63に対してキャリアCの受け渡しを行う。キャリア搬送機構61は、載置台16および各棚63の間でキャリアCを自在に移動することができる。
【0072】
(2)基板処理装置1の動作
次に、基板処理装置1の動作について説明する。図9は、基板処理装置1の処理工程の一例を示すフローチャートである。図10は、基板処理装置1の動作を説明するためのフローチャートである。
【0073】
図3に示すキャリア搬送機構61は、外部搬送機構OHTにより搬送された未処理の基板Wが収納されたキャリアCをオープナ11,12の一方に搬送する。この説明では、キャリアCは、オープナ11に搬送されているものとする。シャッタ部材およびシャッタ部材駆動機構(共に図示しない)は、オープナ11の載置台16に載置されたキャリアCの蓋部を外しつつ、開口部18を解放する。
【0074】
〔ステップS11〕キャリアCから処理層A1(A2)に基板Wの直接搬送
IDブロック2の基板搬送機構MHU1は、バッファ部BU3(基板バッファBF)を介さずに、オープナ11の載置台16に載置されたキャリアCから第1処理ブロック3の処理層A1の4つの冷却部CPの少なくとも1つに基板Wを直接搬送する。そのため、キャリアCから取り出された基板Wは、図8に示す基板搬入口59Bを通って、冷却部CPのプレート57Aに搬送される。これにより、処理層A1の基板搬送機構MHU3がバッファ部BU3から基板Wを取り出して、取り出した基板Wを、基板搬入口59Aを通って、冷却部CPのプレート57Aに搬送する動作を省略することができる。そのため、処理層A1の基板搬送機構MHU3の基板搬送の負荷が軽減される。
【0075】
なお、IDブロック2の基板搬送機構MHU1は、2つのハンド21を有している。基板搬送機構MHU1は、2つのハンド21を用いて、キャリアCから2枚の基板Wを同時に取り出し、バッファ部BU3を介さずに、第1処理ブロック3の処理層A1の2つの冷却部CPの各プレート57Aに1枚ずつ基板Wを直接搬送する。これにより、基板搬送機構MHU1の往復移動回数を減らすことができる。また、基板搬送機構MHU1が処理層A1に2枚の基板Wを搬送した後、基板搬送機構MHU1は、処理層A2の4つの冷却部CP(隣接処理ユニットAD)のうちの2つの冷却部CPの各プレート57Bに、キャリアCから同時に取り出した2枚の基板Wを1枚ずつ直接搬送する。すなわち、基板搬送機構MHU1は、キャリアCから取り出した2枚の基板Wを、2つの処理層A1,A2に交互に搬送する。なお、同時に取り出した2枚の基板Wを処理層A1の冷却部CPに1枚、処理層A2の冷却部CPに1枚搬送してもよい。
【0076】
また、キャリアCから全ての基板Wが取り出された後、空になったキャリアCは、2つのオープナ13,14の一方(例えばオープナ13)に搬送される。
【0077】
〔ステップS12〕処理層A1(A2)による反射防止膜の形成
処理層A1は、キャリアCから搬送された基板W上に反射防止膜を形成する。具体的に説明する。基板搬送機構MHU1によって直接搬送された基板Wは、冷却部CPによって、冷却処理される。処理層A1の基板搬送機構MHU3は、冷却部CPから基板Wを取り出し、取り出された基板Wを、塗布ユニットBARC、加熱処理部PAB、バッファ部BU3の順番に搬送する。塗布ユニットBARCは、基板Wに対して反射防止膜を形成する。なお、処理層A2は、処理層A1と同様の処理が行われる。
【0078】
〔ステップS13〕異なる高さ位置にある2つの処理層間の基板搬送
基板搬送機構MHU3は、反射防止膜が形成された基板Wをバッファ部BU3に搬送する。IDブロック2の基板搬送機構MHU2は、バッファ部BU3からバッファ部BU2に基板Wを搬送する。すなわち、異なる高さ位置にある2つの処理層A1,B1間で基板Wを搬送する場合、基板搬送機構MHU2は、各処理層A1,B1に対応する高さ位置にある2つのバッファ部BU3,BU2間で基板Wを搬送する。その後、処理層B1の基板搬送機構MHU3は、バッファ部BU2から基板Wを取り出す。なお、異なる高さ位置にある2つの処理層A2,B2間で基板Wを搬送する場合、基板搬送機構MHU2は、バッファ部BU3からバッファ部BU1に基板Wを搬送する。これらの動作により、処理層A1,A2の階層(3階)と異なる階層(1階、2階)の処理層B1,B2に基板Wを搬送することができる。また、バッファ部BU3からバッファ部BU2(BU1)への基板搬送は、基板搬送機構MHU1が行ってもよい。
【0079】
〔ステップS14〕処理層B1(B2)によるフォトレジスト膜の形成
処理層B1は、異なる高さ位置の処理層A1から搬送された基板W上にフォトレジスト膜を形成する。すなわち、処理層B1の基板搬送機構MHU3は、バッファ部BU2から取り出した基板Wを、冷却部CP、塗布ユニットPR、加熱処理部PABの順番に搬送する。塗布ユニットPRは、基板W上(すなわち反射防止膜上)にフォトレジスト膜を形成する。なお、処理層B2は、処理層B1と同様の処理が行われる。
【0080】
〔ステップS15〕同じ高さ位置にある2つの処理層間の基板搬送
その後、処理層B1の基板搬送機構MHU3は、フォトレジスト膜が形成された基板Wをバッファ部BU2に搬送する。処理層C1は、処理層B1と同じ高さ位置(2階)にある。処理層C1の基板搬送機構MHU4は、処理層B1の基板搬送機構MHU3が搬送した基板Wをバッファ部BU2から受け取る。すなわち、同じ高さ位置にある2つの処理層B1,C1間で基板Wを搬送する場合、各処理層B1,C1にある基板搬送機構MHU3,MHU4は、バッファ部BU2を介して基板Wを受け渡しする。処理層B1から処理層C1への基板搬送は、IDブロック2の2つの基板搬送機構MHU1,MHU2を用いずに行われる。これにより、2つの基板搬送機構MHU1,MHU2の基板搬送の負担を軽減することができる。
【0081】
なお、同様に、処理層B2の基板搬送機構MHU3は、バッファ部BU1に基板Wを搬送する。その後、処理層C2の基板搬送機構MHU4は、処理層B2の基板搬送機構MHU3が搬送した基板Wをバッファ部BU1から受け取る。
【0082】
〔ステップS16〕処理層C1(C2)による基板搬送
処理層C1の基板搬送機構MHU4は、バッファ部BU2から受け取った基板Wを、検査部LSCM1、エッジ露光部EEW、バッファ部PSB4の順番に搬送する。同様に、処理層C2の基板搬送機構MHU4は、バッファ部BU1から受け取った基板Wを、検査部LSCM1、エッジ露光部EEW、バッファ部PSB5の順番に搬送する。検査部LSCM1は、フォトレジスト膜(塗布膜)を検査および測定する。
【0083】
〔ステップS17〕IFブロック6による基板搬送
IFブロック6は、処理層C1(C2)により搬送された基板Wを露光装置EXPに搬出する。また、IFブロック6は、露光装置EXPで露光処理された基板WをIFブロック6に搬入する。
【0084】
2つの基板搬送機構HU5,HU6は各々、バッファ部PSB4(PSB5)から基板Wを受け取る。2つの基板搬送機構HU5,HU6は各々、受け取った基板Wを、露光前洗浄ユニット161(図6図7)、載置兼冷却部P-CP(図1)の順番で搬送する。基板搬送機構HU7は、載置兼冷却部P-CPから基板Wを受け取り、受け取った基板Wを露光装置EXPに搬出する。搬出された基板Wに対して、露光装置EXPは、露光処理を行う。IFブロック6の基板搬送機構HU7は、露光装置EXPで処理された基板WをIFブロック6に搬入し、搬入した基板Wを基板載置部PS9に搬送する。その後、2つの基板搬送機構HU5,HU6は各々、基板載置部PS9から基板Wを受け取る。2つの基板搬送機構HU5,HU6は各々、受け取った基板Wを、露光後洗浄ユニットSOAK、露光後ベーク処理部PEB、バッファ部PSB4(PSB5)の順番で搬送する。
【0085】
なお、処理層C1から搬送された基板Wは、処理層C1に戻される。処理層C2から搬送された基板Wは、処理層C2に戻される。
【0086】
〔ステップS18〕処理層C1(C2)による現像処理
処理層C1の基板搬送機構MHU4は、バッファ部PSB4から基板Wを受け取り、受け取った基板Wを、冷却部CP、現像ユニットDEV、ポストベーク部PB、検査部LSCM2、バッファ部BU2の順番に搬送する。現像ユニットDEVは、露光装置EXPで露光処理された基板Wに対して現像処理を行う。検査部LSCM2は、現像後の基板Wを検査する。
【0087】
なお、処理層C2は、処理層C1と同様の処理を行う。処理層C2は、現像後の基板Wを最終的にバッファ部BU1に搬送する。また、ステップS17において、露光後ベーク処理部PEBによる処理が行われていたが、本ステップで露光後のベーク処理を行ってもよい。
【0088】
〔ステップS19〕処理層C1(C2)からキャリアCへの基板搬送
IDブロック2の基板搬送機構MHU2は、バッファ部BU2(BU1)から基板Wを取り出し、取り出した基板Wを、2つのオープナ13,14の一方(例えばオープナ13)の載置台16に載置されたキャリアCに搬送する。なお、基板搬送機構MHU2は、2つのバッファ部BU1,BU2から交互に基板Wを取り出して、取り出した基板Wを載置台16に載置されたキャリアCに搬送する。キャリアCに全ての基板Wが戻されると、シャッタ部材およびシャッタ駆動機構は、キャリアCに蓋を取り付けつつ、開口部18を塞ぐ。その後、キャリア搬送機構61は、外部搬送機構OHTに引き渡すため、オープナ13から処理後の基板Wが収納されたキャリアCを搬送する。
【0089】
本実施例によれば、基板処理装置1のフットプリントを抑えることができる。具体的に説明する。IDブロック2の基板搬送機構MHU2(MHU1)は、載置台16に載置されたキャリアCに対して基板Wを出し入れすることができる。更に、基板搬送機構MHU2(MHU1)は、第1処理ブロック3および第2処理ブロック5の異なる高さ位置にある例えば2つの処理層A1,B1間で基板Wを搬送する。そのため、従来技術のように、インデクサブロックと処理ブロックの間に、上下方向の2つの処理層間で基板を移動させるための受渡ブロックを設けなくてもよい。そのため、基板処理装置1のフットプリントを抑えることができる。
【0090】
また、IDブロック2を横断して、同じ高さ位置にある例えば2つの処理層B1,C1間で基板Wを搬送する場合、2つの基板搬送機構MHU1,MHU2を用いずに、基板バッファBFを用いて基板Wの受け渡しを行うことができる。また、異なる高さ位置にある例えば2つの処理層A1,B1間で基板Wを搬送する場合、例えば第1基板搬送機構MHU1および基板バッファBFを用いて基板Wの受け渡しを行うことができる。なお、2つの基板搬送機構MHU1,MHU2を用いずに基板Wを搬送することができると、2つの基板搬送機構MHU1,MHU2の負担を軽減することができる。
【0091】
なお、本実施例では、IDブロック2は、2台の基板搬送機構MHU1,MHU2を備えていた。この点、IDブロック2は、図2において、熱処理部37側に配置される第1基板搬送機構MHU1だけを備えていてもよい。図10に示すフローチャートのステップS19では、第2基板搬送機構MHU2は、例えば処理層C1から載置台16に載置されたキャリアCに基板Wを搬送する際に、バッファ部BU2を介して基板Wを搬送していた。次のように構成されていてもよい。例えば処理層C1の検査部LSCM2は、隣接処理ユニットADとして、2方向(図8参照)から基板Wを出し入れできるように構成されていてもよい。そして、IDブロック2の基板搬送機構MHU1は、その処理層C1の検査部LSCM2からキャリアCに基板Wを直接搬送するようにしてもよい。
【0092】
また、IDブロック2は、2台の基板搬送機構MHU1,MHU2を備えるが、通常は、第1基板搬送機構MHU1だけで基板搬送を行ってもよい。そして、非常時に、第2基板搬送機構MHU2だけで、あるいは2つの基板搬送機構MHU1,MHU2の協働で基板搬送するようにしてもよい。
【実施例2】
【0093】
次に、図面を参照して本発明の実施例2を説明する。なお、実施例1と重複する説明は省略する。図11は、実施例2に係る基板処理装置1を示す左側面図である。図12は、実施例2に係る基板処理装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【0094】
実施例2では、実施例1と異なる動作を説明する。なお、図11において、2つの処理層A1,A2は各々、IDブロック2に隣接する隣接処理ユニットADとして、4つの加熱処理部PABを備えている。また、2つの処理層B1,B2は各々、隣接処理ユニットADとして、4つの冷却部CPを備えている。更に2つの処理層C1,C2は、隣接処理ユニットADとして、1つの検査部LSCM2を備えている。なお、図11に示す熱処理部37に対して、液処理ユニット36は、実施例1の図6のように配置されている。
【0095】
実施例1では、基板搬送機構MHU1がキャリアCから基板Wを取り出し、基板搬送機構MHU2がキャリアCに基板Wを収納していた。この点、実施例2では、実施例1とは逆、すなわち、基板搬送機構MHU2がキャリアCから基板Wを取り出し、基板搬送機構MHU1がキャリアCに基板Wを収納する。なお、基板搬送機構MHU1がキャリアCから基板Wを取り出すように構成されていてもよい。
【0096】
〔ステップS21〕キャリアCから処理層A1(A2)に基板搬送
キャリアCは、例えばオープナ13の載置台16に載置されている。IDブロック2の基板搬送機構MHU2は、オープナ13の載置台16に載置されたキャリアCから基板Wを取り出し、取り出した基板Wをバッファ部BU3に搬送する。
【0097】
〔ステップS22〕処理層A1(A2)による反射防止膜の形成
処理層A1は、キャリアCから搬送された基板W上に反射防止膜を形成する。処理層A1の基板搬送機構MHU3は、バッファ部BU3から基板Wを受け取り、受け取った基板Wを、冷却部CP、塗布ユニットBARC、加熱処理部PABの順番に搬送する。塗布ユニットBARCは、基板Wに対して反射防止膜を形成する。なお、処理層A2は、処理層A1と同様の処理が行われる。
【0098】
〔ステップS23〕異なる高さ位置にある2つの処理層間の基板Wの直接搬送
異なる高さ位置にある例えば2つの処理層A1,B1間で基板Wを搬送する場合、第1基板搬送機構MHU1は、バッファ部BU3,BU2を介さずに、処理層A1の加熱処理部PABと処理層B1の冷却部CPとの間(2つの処理ユニット間)で基板Wを直接搬送する。すなわち、第1基板搬送機構MHU1は、処理層A1の加熱処理部PABから処理層B1の冷却部CPに基板Wを直接搬送する。これにより、処理層A1の基板搬送機構MHU3は、加熱処理部PABから基板Wを取り出し、取り出した基板Wをバッファ部BU3に搬送する動作を省略することができる。また、処理層B1の基板搬送機構MHU3は、バッファ部BU2から基板Wを取り出し、取り出した基板Wを冷却部CPに搬送する動作を省略することができる。そのため、2つの処理層A1,B1の2つの基板搬送機構MHU3の基板搬送の負担を軽減することができる。
【0099】
なお、異なる高さ位置にある2つの処理層A2,B2間で基板Wを搬送する場合、基板搬送機構MHU1は、バッファ部BU3,BU1を介さずに、処理層A2の加熱処理部PABから処理層B2の冷却部CPに基板Wを直接搬送する。
【0100】
〔ステップS24〕処理層B1(B2)によるフォトレジスト膜の形成
処理層B1は、異なる高さ位置の処理層A1から搬送された基板W上にフォトレジスト膜を形成する。具体的に説明する。基板搬送機構MHU1によって直接搬送された基板Wは、冷却部CPによって、冷却処理される。処理層B1の基板搬送機構MHU3は、冷却部CPから取り出した基板Wを、塗布ユニットPR、加熱処理部PABの順番に搬送する。塗布ユニットPRは、基板W上(すなわち反射防止膜上)にフォトレジスト膜を形成する。なお、処理層B2は、処理層B1と同様の処理が行われる。
【0101】
〔ステップS25〕同じ高さ位置にある2つの処理層間の基板搬送
その後、処理層B1の基板搬送機構MHU3は、フォトレジスト膜が形成された基板Wをバッファ部BU2に搬送する。処理層C1の基板搬送機構MHU4は、処理層B1の基板搬送機構MHU3が搬送した基板Wをバッファ部BU2から受け取る。この処理層B1から処理層C1への基板搬送は、IDブロック2の2つの基板搬送機構MHU1,MHU2を用いずに行われる。これにより、2つの基板搬送機構MHU1,MHU2の基板搬送の負担を軽減することができる。
【0102】
なお、同様に、処理層B2の基板搬送機構MHU3は、バッファ部BU1に基板Wを搬送する。その後、処理層C2の基板搬送機構MHU4は、処理層B2の基板搬送機構MHU3が搬送した基板Wをバッファ部BU1から受け取る。
【0103】
〔ステップS26〕処理層C1(C2)による基板搬送
処理層C1の基板搬送機構MHU4は、バッファ部BU2から受け取った基板Wを、検査部LSCM1、エッジ露光部EEW、バッファ部PSB4の順番に搬送する。同様に、処理層C2の基板搬送機構MHU4は、バッファ部BU1から受け取った基板Wを、検査部LSCM1、エッジ露光部EEW、バッファ部PSB5の順番に搬送する。検査部LSCM1は、フォトレジスト膜(塗布膜)を検査および測定する。
【0104】
〔ステップS27〕IFブロック6による基板搬送
IFブロック6は、処理層C1(C2)により搬送された基板Wを露光装置EXPに搬出する。また、IFブロック6は、露光装置EXPで露光処理された基板WをIFブロック6に搬入する。
【0105】
露光処理が行われた基板Wは、処理層C1に搬送するためにバッファ部PSB4に搬送される。また、露光処理が行われた基板Wは、処理層C2に搬送するためにバッファ部PSB5に搬送される。なお、処理層C1から搬送された基板Wは、処理層C1に戻される。処理層C2から搬送された基板Wは、処理層C2に戻される。
【0106】
〔ステップS28〕処理層C1(C2)による現像処理
処理層C1の基板搬送機構MHU4は、バッファ部PSB4から基板Wを受け取り、受け取った基板Wを、冷却部CP、現像ユニットDEV、ポストベーク部PB、検査部LSCM2の順番に搬送する。現像ユニットDEVは、露光装置EXPで露光処理された基板Wに対して現像処理を行う。検査部LSCM2は、現像後の基板Wを検査する。なお、処理層C2は、処理層C1と同様の処理を行う。
【0107】
〔ステップS29〕処理層C1(C2)からキャリアCに基板Wの直接搬送
IDブロック2の基板搬送機構MHU1は、バッファ部BU2(BU1)を介さずに、第2処理ブロック5の処理層C1(C2)の検査部LSCM2から2つのオープナ11,12の一方(例えばオープナ11)の載置台16に載置されたキャリアCに基板Wを直接搬送(直接収納)する。これにより、処理層C1(C2)の基板搬送機構MHU4は、検査部LSCM2から基板Wを取り出し、取り出した基板Wを、バッファ部BU2(BU1)に搬送する動作を省略することができる。
【0108】
基板搬送機構MHU1は、第1処理ブロック3および第2処理ブロック5の少なくとも一方(例えば第2処理ブロック5)の2つの処理層C1,C2の2つの検査部LSCM2から1枚ずつ取り出す。そして、基板搬送機構MHU1は、取り出した2枚の基板Wを、バッファ部BU1,BU2を介さずに、載置台16に載置されたキャリアCに同時に直接搬送する。これにより、基板搬送機構MHU1の往復移動回数を減らすことができる。そのため、基板Wの搬送効率を向上させることができる。
【0109】
本実施例によれば、実施例1と同様に、基板処理装置1のフットプリントを抑えることができる。
【実施例3】
【0110】
次に、図面を参照して本発明の実施例3を説明する。なお、実施例1,2と重複する説明は省略する。図13は、実施例3に係る基板処理装置1を示す右側面図である。図14は、実施例3に係る基板処理装置1を示す左側面図である。
【0111】
実施例1,2では、基板処理装置1はIFブロック6を備えていた。この点、実施例3では、基板処理装置1はIFブロック6を備えていない。なお、本実施例において、第1処理ブロック3は、本発明の第1処理装置に相当する。第2処理ブロック5は、本発明の第2処理装置に相当する。
【0112】
図13を参照する。第1処理ブロック3は、3つの処理層C1,A2,A1を備えている。一方、第2処理ブロック5は、3つの処理層C2,B2,B1を備えている。2つの処理層A1,A2は各々、基板Wに対して下層膜(例えばSOC(Spin On Carbon)膜)を形成する。2つの処理層B1,B2は各々、基板Wに対して中間膜(例えばSOG(Spin On Glass)膜)を形成する。そして、2つの処理層C1,C2は、基板Wに対してフォトレジスト膜を形成する。
【0113】
そのため、図13に示すように、2つの処理層A1,A2は各々、8つの塗布ユニットBLを備えている。2つの処理層B1,B2は各々、8つの塗布ユニットMLを備えている。そして、2つの処理層C1,C2は各々、8つの塗布ユニットPRを備えている。
【0114】
次に図14を参照する。2つの処理層A1,A2は各々、4つの密着強化処理部AHP、3つの冷却部CP、および7つの加熱処理部PABを備えている。2つの処理層B1,B2は各々、16個の加熱処理部PABおよび3つの冷却部CPを備えている。そして、2つの処理層C1,C2は、6つの加熱処理部PAB、9つの冷却部CPおよび2つの検査部LSCM1を備えている。なお、密着強化処理部AHPは、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)等の密着強化剤を基板Wに塗布して加熱する。
【0115】
ここで、2つの処理層A1,A2において、4つの密着強化処理部AHPは、隣接処理ユニットADとして配置されている。2つの処理層B1,B2において、4つの加熱処理部PABは、隣接処理ユニットADとして配置されている。そして、2つの処理層C1,C2において、4つの冷却部CPは、隣接処理ユニットADとして配置されている。
【0116】
(2)基板処理装置1の動作
次に、基板処理装置1の動作について説明する。図15は、基板処理装置1の処理工程の一例を示すフローチャートである。図16は、実施例3に係る基板処理装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【0117】
〔ステップS31〕キャリアCから処理層A1(A2)に基板Wの直接搬送
キャリアCは、2つのオープナ11,12の一方(例えばオープナ11)の載置台16に載置されている。IDブロック2の基板搬送機構MHU1は、バッファ部BU3(BU2)を介さずに、オープナ11の載置台16に載置されたキャリアCから第1処理ブロック3の処理層A1(A2)の4つの密着強化処理部AHPの少なくとも1つに基板Wを直接搬送する。2つの処理層A1,A2には、交互に基板が搬送される。
【0118】
〔ステップS32〕処理層A1(A2)による下層膜の形成
2つの処理層A1,A2は各々、キャリアCから搬送された基板W上に下層膜を形成する。具体的に説明する。密着強化処理部AHPは、基板搬送機構MHU1によって直接搬送された基板Wに対して、密着強化処理を行う。処理層A1の基板搬送機構MHU3は、密着強化処理部AHPから基板Wを取り出し、取り出された基板Wを、冷却部CP、塗布ユニットBL、加熱処理部PAB(1段目)の順番に搬送する。ここで、塗布ユニットBLは、基板W上に下層膜を形成する。処理層A2は、処理層A1と同様の処理を行う。
【0119】
〔ステップS33〕同じ高さ位置にある2つの処理層間の基板搬送
その後、処理層A1の基板搬送機構MHU3は、下層膜が形成された基板Wをバッファ部BU3に搬送する。処理層B1は、処理層A1と同じ高さ位置(3階)にある。処理層B1の基板搬送機構MHU4は、処理層A1の基板搬送機構MHU3が搬送した基板Wをバッファ部BU3から受け取る。すなわち、同じ高さ位置にある2つの処理層A1,B1間で基板Wを搬送する場合、各処理層A1,B1にある基板搬送機構MHU3,MHU4は、バッファ部BU3を介して基板Wを受け渡しする。この処理層A1から処理層B1への基板搬送は、IDブロック2の2つの基板搬送機構MHU1,MHU2を用いずに行われる。これにより、2つの基板搬送機構MHU1,MHU2の基板搬送の負担を軽減することができる。
【0120】
なお、同様に、処理層A2の基板搬送機構MHU3は、バッファ部BU2に基板Wを搬送する。その後、処理層B2の基板搬送機構MHU4は、処理層A2の基板搬送機構MHU3が搬送した基板Wをバッファ部BU2から受け取る。
【0121】
〔ステップS34〕処理層B1(B2)による中間膜の形成
2つの処理層B1,B2は各々、2つの基板搬送機構MHU1,MHU2を用いずに搬送された基板W上に中間膜を形成する。具体的に説明する。処理層B1の基板搬送機構MHU4は、バッファ部BU3から基板Wを取り出し、取り出した基板Wを、加熱処理部PAB(2段目)、冷却部CP、塗布ユニットML、加熱処理部PABの順番に搬送される。ここで、塗布ユニットMLは、基板W上(すなわち下層膜上)に中間膜を形成する。また、2段目の加熱処理部PABによる処理は、1段目の加熱処理部PABによる処理よりも高温で行われる。なお、処理層B2は、処理層B1と同様の処理を行う。
【0122】
〔ステップS35〕異なる高さ位置にある2つの処理層間の基板Wの直接搬送
異なる高さ位置にある例えば2つの処理層B1,C1間で基板Wを搬送する場合、第1基板搬送機構MHU1は、バッファ部BU3,BU1を介さずに、処理層B1の加熱処理部PABと処理層C1の冷却部CPとの間(2つの処理ユニット間)で基板Wを直接搬送する。すなわち、第1基板搬送機構MHU1は、処理層B1の加熱処理部PABから処理層C1の冷却部CPに基板Wを直接搬送する。これにより、処理層B1の基板搬送機構MHU4は、加熱処理部PABから基板Wを取り出し、取り出した基板Wをバッファ部BU3に搬送する動作を省略することができる。また、処理層C1の基板搬送機構MHU3は、バッファ部BU1から基板Wを取り出し、取り出した基板Wを冷却部CPに搬送する動作を省略することができる。そのため、2つの処理層B1,C1の2つの基板搬送機構MHU3,MHU4の基板搬送の負担を軽減することができる。
【0123】
なお、異なる高さ位置にある2つの処理層B2,C2間で基板Wを搬送する場合、基板搬送機構MHU1は、バッファ部BU2,BU1を介さずに、処理層B2の加熱処理部PABから処理層C2の冷却部CPに基板Wを直接搬送する。
【0124】
〔ステップS36〕処理層C1(C2)によるフォトレジスト膜の形成
2つの処理層C1,C2は各々、搬送された基板W上にフォトレジスト膜を形成する。具体的に説明する。冷却部CPは、基板搬送機構MHU1によって直接搬送された基板Wを冷却処理する。処理層C1(C2)の基板搬送機構MHU3(MHU4)は、冷却部CPから基板Wを取り出し、取り出した基板Wを、塗布ユニットPR、加熱処理部PAB、冷却部CP、検査部LSCM1、バッファ部BU1の順番に基板Wを搬送する。ここで、塗布ユニットPRは、基板W上(すなわち中間膜上)にフォトレジスト膜を形成する。
【0125】
〔ステップS37〕処理層C1(C2)からキャリアCへの基板搬送
IDブロック2の基板搬送機構MHU2は、バッファ部BU1から基板Wを取り出し、取り出した基板Wを、2つのオープナ13,14の一方(例えばオープナ13)の載置台16に載置されたキャリアCに収納する。基板搬送機構MHU2は、処理層C1からバッファ部BU1に搬送された基板Wと、処理層C2からバッファ部BU1に搬送された基板Wとを交互にキャリアCに収納する。
【0126】
本実施例によれば、実施例1と同様に、基板処理装置1のフットプリントを抑えることができる。
【0127】
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0128】
(1)上述した実施例1のステップS13(図10参照)では、第2基板搬送機構MHU2は、バッファ部BU3から2つのバッファ部BU1,BU2の一方に基板Wを搬送していた。この点、図17(a)に示すように、第1基板搬送機構MHU1は、バッファ部BU3から、隣接処理ユニットADとしての冷却部CPに基板Wを直接搬送してもよい。これにより、例えば、隣接処理ユニットADに冷却部CPが設けられた処理層B1において、基板搬送機構MHU3は、バッファ部BU3から基板Wを取り出して、取り出した基板Wを冷却部CPに搬送する動作を省略することができる。
【0129】
また、図17(b)に示すように構成されていてもよい。図7に示す2つの処理層A1,A2は各々、隣接処理ユニットADとして、4つの冷却部CPを有している。この4つの冷却部CPのうちの2つの冷却部CPを2つの加熱処理部PABに置き換えてもよい。この場合、第1基板搬送機構MHU1は、例えば処理層A1の加熱処理部PABからバッファ部BU3に基板Wを直接搬送してもよい。これにより、2つの処理層A1,A2の各々の基板搬送機構MHU3は、加熱処理部PABから基板Wを取り出して、取り出した基板Wをバッファ部BU3に送る動作を省略することができる。
【0130】
(2)上述した実施例1のステップS19では、第2基板搬送機構MHU2は、例えば処理層C1から載置台16に載置されたキャリアCに、バッファ部BU2を介して、基板Wを搬送していた。この点、IDブロック2の第2基板搬送機構MHU2は、キャリアCに直接搬送できるように構成してもよい。図18を参照する。検査部LSCM2は、1つの現像ユニットDEVに代えて配置されていてもよい。これにより、処理層C1の基板搬送機構MHU4は、検査部LSCM2から基板Wを取り出して、取り出した基板Wをバッファ部BU2に搬送する動作を省略することができる。そのため、処理層C1の基板搬送機構MHU4の基板搬送の負担を軽減させることができる。また、第2基板搬送機構MHU2も基板Wの直接搬送を行うことができ、2つの基板搬送機構MHU1,MHU2の稼働率のバランスを整えることができる。
【0131】
また、第2基板搬送機構MHU2が各処理層の隣接処理ユニットADの少なくとも1つに基板Wを直接搬送するために、次のように構成してもよい。2つの処理ブロック3,5は、図2の紙面上側において、熱処理部37が設けられ、図2の紙面下側において、液処理ユニット36が設けられていた。この点、第1処理ブロック3において、熱処理部37が図2の紙面上側に、液処理ユニット36が紙面下側に配置されている。これに対し、第2処理ブロック5において、液処理ユニット36が図2の紙面上側に、熱処理部37が図2の紙面下側に配置されていてもよい。すなわち、第1処理ブロック3の液処理ユニット36と熱処理部37の配置は、第2処理ブロック5の液処理ユニット36と熱処理部37の配置と搬送スペース39を挟んで逆であってもよい。
【0132】
(3)上述した実施例1では、IFブロック6は、第2処理ブロック5に連結されていた。この点、IFブロック6は、第1処理ブロック3に連結されていてもよい。この場合、IFブロック6の配置に合わせて、6つの処理層(A1等)の液処理ユニット36および熱処理部37の種類、個数および配置が決定される。また、第1処理ブロック3およびIFブロック6は、本発明の第1処理装置に相当する。第2処理ブロック5は、本発明の第2処理装置に相当する。
【0133】
(4)上述した実施例1,2では、処理層A1,B1,C1の順番、および処理層A2,B2,C2の順番で基板処理を行っていた。この点、処理層A2,B1,C1の順番、および処理層A1,B2,C2の順番で基板処理を行ってもよい。また、上述した実施例3では、処理層A1,B1,C1の順番、および処理層A2,B2,C2の順番で基板処理を行っていた。この点、処理層A1,B1,C2の順番、および処理層A2,B2,C1の順番で基板処理を行ってもよい。
【0134】
(5)上述した実施例3では、図14に示す2つの処理層C1,C2は各々、隣接処理ユニットADとして、4つの冷却部CPを有していた。例えば、この4つの冷却部CPのうちの2つの冷却部CPを2つの検査部LSCM1に置き換えてもよい。この場合、第1基板搬送機構MHU1は、例えば処理層C1の検査部LSCM1から載置台16に載置されたキャリアCに基板Wを直接搬送してもよい。
【0135】
(6)上述した各実施例および各変形例では、IDブロック2内の基板搬送において、第1基板搬送機構MHU1および第2基板搬送機構MHU2のいずれかを用いるかは、操作者が任意に設定してもよい。
【0136】
(7)上述した各実施例は、必要に応じて次のように構成されていてもよい。図19を参照する。第1処理ブロック3の3つの処理層A1~A3は各々、フォトレジスト膜を形成する。一方、第2処理ブロック5の3つの処理層B1~B3は各々、現像処理を行う。3つの処理層A1~A3は各々、隣接処理ユニットADとして、4つの密着強化処理部AHPまたは4つの冷却部CPを備えている。また、3つの処理層B1~B3は各々、隣接処理ユニットADとして、1つの検査部LSCM2を備えている。なお、図19に示す基板処理装置1は、異なる高さ位置で、2つの処理層間の基板Wの搬送がないように構成されている。
【0137】
図19に示す構成において、IDブロック2の基板搬送機構MHU1は、例えば、バッファ部BU3を介さずに、載置台16に載置されたキャリアCから例えば処理層A1の4つの密着強化処理部AHPの少なくとも1つに基板Wを直接搬送してもよい。また、基板搬送機構MHU1は、バッファ部BU3を介さずに、例えば処理層B1の検査部LSCM2から、載置台16に載置されたキャリアCに基板Wを直接搬送してもよい。
【符号の説明】
【0138】
1 … 基板処理装置
2 … インデクサブロック(IDブロック)
3 … 第1処理ブロック
5 … 第2処理ブロック
16 … 載置台
C … キャリア
BF … 基板バッファ
MHU1~MHU4 … 基板搬送機構
36 … 液処理ユニット
37 … 熱処理部
A1,A2,B1,B2,C1,C2 … 処理層
LSCM1 … 検査部
LSCM2 … 検査部
CP … 冷却部
PAB … 加熱処理部
図1
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