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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-04
(45)【発行日】2023-10-13
(54)【発明の名称】洗浄システム
(51)【国際特許分類】
   A47L 15/24 20060101AFI20231005BHJP
   A47L 15/42 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
A47L15/24
A47L15/42 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019234885
(22)【出願日】2019-12-25
(65)【公開番号】P2021101912
(43)【公開日】2021-07-15
【審査請求日】2022-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100180851
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼口 誠
(72)【発明者】
【氏名】木全 祐也
(72)【発明者】
【氏名】平野 裕司
(72)【発明者】
【氏名】堀 史幸
【審査官】宮部 愛子
(56)【参考文献】
【文献】実開平03-114163(JP,U)
【文献】特開平03-041922(JP,A)
【文献】米国特許第05329952(US,A)
【文献】実開昭50-055355(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 15/24
A47L 15/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被洗浄物を洗浄する洗浄機と、前記洗浄機に前記被洗浄物を収容したラックを搬入する搬入装置と、前記洗浄機から搬出される前記ラックを収容するワゴンに前記ラックを搬入するリフト装置と、前記洗浄機から前記リフト装置に前記ラックを搬出する搬出装置と、を備えた洗浄システムであって、
前記洗浄機は、前記ラックが載置されるラックレールを備え、
前記搬入装置は、前記ラックを第1方向に沿って前記洗浄機に搬送し、
前記搬出装置は、前記ラックを前記第1方向に直交する第2方向に沿って前記リフト装置に搬送し、
前記ラックレールは、
前記搬入装置から前記洗浄機及び前記洗浄機から前記リフト装置の少なくとも一方に搬送される前記ラックの位置を規定する規定部と、
前記洗浄機に配置されたときに前記搬入装置が接続される方向に配置される第1載置部と、前記洗浄機に配置されたときに前記リフト装置が接続される方向に配置される第2載置部と、前記第2載置部と対向かつ前記第1載置部に交差する第3載置部と、前記第1載置部に対向かつ前記第2載置部及び前記第3載置部に交差する第4載置部と、を含む枠部と、を有し、
前記規定部は、前記ラックレールにおける前記ラックの載置面よりも上方に突出する円柱状又は円筒状を呈しており、前記第1載置部と前記第2載置部とが接続されている角部に配置されており、
前記ラックは、前記規定部の周面に接触しつつ前記周面に沿って送り出される、洗浄システム。
【請求項2】
前記規定部は、前記洗浄機に配置された前記ラックレールにおいて、前記搬入装置から前記ラックが搬入される搬入側に配置されている、請求項1に記載の洗浄システム。
【請求項3】
前記規定部は、前記洗浄機に配置された前記ラックレールにおいて、前記洗浄機から前記ラックが搬出される搬出側に配置されている、請求項1又は2に記載の洗浄システム。
【請求項4】
前記第1載置部には、前記第1載置部の延在する方向に延在しており、前記洗浄機から前記リフト装置に搬送される前記ラックをガイドする案内部が設けられており、
前記案内部は、前記ラックレールの前記第1載置部における前記載置面を露出させる位置に配置され、前記ラックレールの前記載置面に対して、前記載置面よりも上方に突出し且つ前記搬入装置の載置面の高さ位置以下となる段差を構成している、請求項1~3のいずれか一項に記載の洗浄システム。
【請求項5】
前記案内部は、前記搬入装置側から前記載置面に下方に傾斜する傾斜部を有している、請求項に記載の洗浄システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄システムに関する。
【背景技術】
【0002】
食器洗浄機に食器が収容された食器ラックを搬入する食器搬入装置と、食器を洗浄する食器洗浄機と、上下方向に配列されると共に食器ラックを収容可能な棚部を有するワゴンと、食器洗浄機によって洗浄された食器をワゴンにおける棚部に搬入するリフター装置と、食器ラックを食器洗浄機から押し出してリフター装置に搬出させる搬出装置と、を備えた洗浄システムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平3-41922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
洗浄システムでは、食器が収容された食器ラックを、食器搬入装置から押し出して食器洗浄機に搬出させると共に、食器洗浄機から押し出してリフター装置に搬出させる。食器搬入装置から食器洗浄機に食器ラックが搬入されるとき、又は、食器洗浄機からリフター装置に食器ラックが搬入されるときに、食器ラックの位置がずれると、食器ラックが食器洗浄機内の所定位置に収まらなかったり、食器ラックがリフター装置によって取り入れられなかったりするおそれがある。この場合、食器洗浄機のドアと食器ラックとが接触し得る。これにより、洗浄機の動作が停止するため、効率が低下するおそれがある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、作業効率の低下を抑制できる洗浄システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る洗浄システムは、被洗浄物を洗浄する洗浄機と、洗浄機に被洗浄物を収容したラックを搬入する搬入装置と、洗浄機から搬出されるラックを収容するワゴンにラックを搬入するリフト装置と、洗浄機からリフト装置にラックを搬出する搬出装置と、を備えた洗浄システムであって、洗浄機は、ラックが載置されるラックレールを備え、ラックレールは、搬入装置から洗浄機及び洗浄機からリフト装置の少なくとも一方に搬送されるラックの位置を規定する規定部を有し、規定部は、ラックの搬送経路以外の位置に配置され、ラックレールにおけるラックの載置面よりも上方に突出している。
【0007】
本発明の洗浄システムでは、ラックレールは、搬入装置から洗浄機及び洗浄機からリフト装置の少なくとも一方に搬送されるラックの位置を規定する規定部を有している。規定部は、ラックの搬送経路以外の位置に配置され、ラックレールにおけるラックの載置面よりも上方に突出している。これにより、洗浄システムでは、搬入装置から洗浄機にラックが送り出されるとき、及び/又は、洗浄機からリフト装置にラックが送り出されるときに、規定部によってラックの位置が規定されるため、ラックの位置がずれることを抑制できる。そのため、洗浄システムでは、搬入装置から洗浄機に搬送されたラックが洗浄機内の所定位置に配置されるため、ラックが洗浄機内に確実に収容される。また、洗浄システムでは、洗浄機からリフト装置に搬送されたラックがリフト装置に確実に取り入られる。したがって、洗浄システムでは、洗浄機のドアとラックとが接触することを回避できる。その結果、洗浄システムでは、作業効率の低下を抑制できる。
【0008】
本発明の洗浄システムでは、規定部は、洗浄機に配置されたラックレールにおいて、搬入装置からラックが搬入される搬入側に配置されていてもよい。この構成では、搬入装置から洗浄機にラックが送り出されるときに、ラックの位置が規定部によって規定される。そのため、洗浄システムでは、搬入装置から洗浄機に搬送されたラックが洗浄機内の所定位置に配置されるため、ラックが洗浄機内に確実に収容される。
【0009】
本発明の洗浄システムでは、規定部は、洗浄機に配置されたラックレールにおいて、洗浄機からラックが搬出される搬出側に配置されていてもよい。この構成では、洗浄機からリフト装置にラックが送り出されるときに、ラックの位置が規定部によって規定される。そのため、洗浄システムでは、洗浄機からリフト装置に搬送されたラックがリフト装置に確実に取り入られる。
【0010】
本発明の洗浄システムでは、搬入装置は、ラックを第1方向に沿って洗浄機に搬送し、搬出装置は、ラックを第1方向に直交する第2方向に沿ってリフト装置に搬送し、ラックレールは、洗浄機に配置されたときに搬入装置が接続される方向に配置される第1載置部と、洗浄機に配置されたときにリフト装置が接続される方向に配置される第2載置部と、第2載置部と対向かつ第1載置部に交差する第3載置部と、第1載置部に対向かつ第2載置部及び第3載置部に交差する第4載置部と、を含む枠部を有しており、規定部は、第1載置部と第2載置部とが接続されている角部に配置されていてもよい。この構成では、1つの規定部によって、第1方向及び第2方向に沿って搬送されるラックの位置を規定することができる。したがって、洗浄システムでは、ラックレールを簡易な構成にすることができる。
【0011】
本発明の洗浄システムでは、規定部は、円柱状又は円筒状を呈していてもよい。この構成では、ラックが送り出される際、ラックが規定部に接触する位置が、規定部を延在方向から見たときの中心位置を超えなければ、ラックが規定部の周面に接触しつつ当該周面に沿って送り出される。そのため、洗浄システムでは、ラックの位置をより適切に規定することができる。
【0012】
本発明の洗浄システムでは、第1載置部には、第1載置部の延在する方向に延在しており、洗浄機からリフト装置に搬送されるラックをガイドする案内部が設けられており、案内部は、ラックレールの第1載置部における載置面を露出させる位置に配置され、ラックレールの載置面に対して、載置面よりも上方に突出し且つ搬入装置の載置面の高さ位置以下となる段差を構成していてもよい。この構成では、洗浄機からリフト装置にラックが搬送される際、案内部によってラックをスムーズにガイドすることができる。したがって、洗浄システムでは、洗浄機からリフト装置に搬送されたラックがリフト装置に確実に取り入られる。また、案内部は、搬入装置の載置面の高さ位置以下となるように段差を構成しているため、搬送装置から洗浄機にラックが搬送されるときに、ラックの移動を阻害しない。
【0013】
本発明の洗浄システムでは、案内部は、搬入装置側から載置面に下方に傾斜する傾斜部を有していてもよい。この構成では、搬送装置から洗浄機にラックが搬送されるときに、ラックが傾斜部を滑るように移動する。そのため、洗浄システムでは、搬入装置から洗浄機に対して、ラックをよりスムーズに搬送することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、作業効率の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、一実施形態に係る洗浄システムの全体を示した斜視図である。
図2図2(A)は、キャリーテーブルの正面図であり、図2(B)は、キャリーテーブルの平面図である。
図3図3は、食器洗浄機の概略構成を示す断面図である。
図4図4(A)は、リフト装置をワゴン側から見た側面図であり、図4(B)は、リフト装置を食器洗浄機側から見た側面図である。
図5図5は、ワゴンを示す斜視図である。
図6図6(A)は、搬出装置の平面図であり、図6(B)は、搬出装置の斜視図である。
図7図7は、洗浄室の内部を示した断面図である。
図8図8は、ラックレールを食器洗浄機から取り外した状態を示す図である。
図9図9は、ラックレールの一部を拡大して示す図である。
図10図10は、ラックレールの断面構成を示す図である。
図11図11(A)及び図11(B)は、食器ラックの搬送を説明するための図である。
図12図12は、規定部の機能を説明するための図である。
図13図13は、変形例に係るラックレールの断面構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。以下の説明においては、図1で規定する方向(上下方向、前後方向、左右方向)を説明に用いる。
【0017】
図1に示されるように、洗浄システム1は、キャリーテーブル(搬入装置)3と、食器洗浄機(洗浄機)4と、リフト装置5と、ワゴン6と、搬出装置90と、を備えている。洗浄システム1では、キャリーテーブル3及び食器洗浄機4が前後方向に並べて配置され、食器洗浄機4、リフト装置5及びワゴン6が、左右方向に並べて配置されている。すなわち、本実施形態の洗浄システム1では、食器(被洗浄物)が収容される食器ラックRが前側から後側に向かって移動した後、右側から左側に向かって移動するように、平面視においてキャリーテーブル3、食器洗浄機4、リフト装置5及びワゴン6がL字状に配置されている。
【0018】
キャリーテーブル3は、食器ラックRを食器洗浄機4に搬送する。キャリーテーブル3は、食器ラックRをキャリーテーブル3から食器洗浄機4に向けて、前後方向(第1方向)に沿って搬送する。図1及び図2に示されるように、キャリーテーブル3は、基台10と、基台10を支持する四つの脚部19と、搬送機構11と、センサ14と、コントローラ12と、を有している。
【0019】
基台10は、食器ラックRが載置されるテーブルである。基台10は、食器ラックRが載置される載置面10Aを有している。基台10には、載置面10Aから突出すると共に食器ラックRの搬送方向に沿って延在する、食器ラックRを摺動させる摺動部16が設けられている。摺動部16は、載置面10Aにねじ等によって固定された、例えば、ポリアセタール樹脂により形成されたプレート状の部材によって構成されている。摺動部16は、食器ラックRに対する摺動性を良好にする部材であれば材料を問わず、ポリアセタール樹脂以外の材料によっても形成が可能である。
【0020】
搬送機構11は、食器ラックRを基台10上で移動させる。搬送機構11は、アーム部材11Aと、支持部11Bと、チェーン11Cと、スプロケット11D,11Dと、駆動部11Eと、を有している。搬送機構11は、ハウジング17に収容されている。ハウジング17は、キャリーテーブル3を正面から見たとき、基台10の後方に配置されており、基台10の載置面10Aよりも上方に突出して設けられている。
【0021】
アーム部材11Aは、食器ラックRを押し出す部材であって、載置面10A上を回動可能となるように、支持部11Bに支持されている。支持部11Bは、チェーン11Cに平行に配置されたガイドレール(図示せず)に沿って前後方向に移動可能に設けられると共に、チェーン11Cの一部に固定的に連結されている。チェーン11C,11Cは、二つのスプロケット11D,11Dに巻回されている。駆動部11Eは、例えばギアモータである。駆動部11Eの回転軸には、一方のスプロケット11Dが軸支されている。
【0022】
アーム部材11Aは、アーム部材11Aの先端が食器洗浄機4側(後側)に向く状態とキャリーテーブル3の手前側(左側)に向く状態との間で回動可能となるように、ねじりバネ(図示せず)を介して支持部11Bに固定されている。ねじりバネは、平面視において半時計回り(左回り)に回動する方向にアーム部材11Aを付勢している。すなわち、ねじりバネは、ハウジング17から進出する方向にアーム部材11Aを付勢している。アーム部材11Aは、ねじりバネの作用によってシャッタ(図示せず)等の規制部材に接触しない限り、ハウジング17の外側である載置面10A上の進出領域に進出するようになっている。アーム部材11Aは、平面視において載置面10Aに重複する進出領域と、載置面10Aから退避した退避領域との間で移動可能に設けられており、食器ラックRの押し出しをしないときには、退避領域に退避されている。
【0023】
アーム部材11Aは、駆動部11Eによって駆動されるスプロケット11D及びチェーン11Cに連動することによって、キャリーテーブル3を正面から見たときの左右方向に回動する。アーム部材11Aは、食器ラックRを搬送するときに、ハウジング17内から載置面10A上に進出し、待機状態においてはハウジング17内に退避する。より詳細には、アーム部材11Aは、載置面10A上の食器ラックRの食器洗浄機4側への回動がセンサ14によって検知されたタイミング、又は、操作部18においてスタートボタンB1が押下されたタイミングで載置面10A上に進出する。
【0024】
アーム部材11Aは、食器洗浄機4に向けて食器ラックRを押し出す。アーム部材11Aの先端、すなわち、食器ラックRに当接する部分には、ベアリング(図示せず)が設けられもよい。アーム部材11Aは、食器ラックRを食器洗浄機4にまで搬送すると(すなわち、食器ラックRを押し出す押出位置に到達すると)、ハウジング17の内部の退避領域の一部である待機位置に戻る。
【0025】
コントローラ12は、キャリーテーブル3を含む、洗浄システム1の動作全般を制御する。コントローラ12は、外部との信号の入出力等を行う入出力インタフェイス、処理を行うためのプログラム及び情報等が記憶されたROM(Read Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体、CPU(Central Processing Unit)、及び通信回路等を有する。コントローラ12は、CPUが出力する信号に基づいて、入力データをRAMに記憶し、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムを実行することで各種処理を実行する。コントローラ12は、例えば、キャリーテーブル3の動作、食器洗浄機4におけるドア23の開閉動作、搬出装置90の動作、リフト装置5の動作等を制御する。コントローラ12は、例えば、ハウジング17内に収容されている。
【0026】
操作部18は、ハウジング17を形成するパネルの一部に配置されている。操作部18には、搬送機構11の動作を開始させるスタートボタンB1、搬送機構11の動作を停止させる停止ボタンB2、及び作業者に音声で各種状態を報知するスピーカ等の報知部Mが配置されている。
【0027】
図1に示されるように、食器洗浄機4は、キャリーテーブル3の後側に、キャリーテーブル3に隣接して配置されている。食器洗浄機4は、食器ラックRに収容されている食器を洗浄する。図1及び図3に示されるように、食器洗浄機4は、ステンレス製のパネルで覆われた洗浄機本体20を有している。洗浄機本体20は、洗浄室21が形成された上側部分20Aと、機械室22が形成された下側部分20Bとに仕切られている。
【0028】
洗浄機本体20の上側部分20Aには、洗浄室21の開閉を行うための箱型のドア23が設けられている。ドア23は、後段にて詳述する連結部材64に連結されている。連結部材64は、コントローラ12によって制御される駆動モータ60によって駆動される。ドア23は、駆動モータ60による駆動によって、上下方向において最下高さ位置に位置して、洗浄室21を閉じる閉位置(図4に示す位置)と、上下方向において最高高さ位置に位置して、洗浄室21を開く開位置(図1に示す位置)と、の間で移動する。なお、本実施形態のドア23には設けられていないが、手動でドア23を開閉するハンドルが設けられてもよい。
【0029】
洗浄室21内には、食器ラックRが載置されるラックレール70が着脱自在に配置されている。キャリーテーブル3から食器洗浄機4に搬出される食器ラックRは、ラックレール70上に押し出される。なお、ラックレール70については、後段にて詳述する。洗浄室21の上部には、放射状に延びる3本のアームからなる上側洗浄ノズル26Aと、2本のアームからなる上側すすぎノズル27Aとがそれぞれ回転自在に配置されている。同様に、洗浄室21の下部には、放射状に延びる3本のアームからなる下側洗浄ノズル26Bと、2本のアームからなる下側すすぎノズル27Bとがそれぞれ回転自在に配置されている。食器ラックRに並べられた食器は、上側洗浄ノズル26A及び下側洗浄ノズル26Bによって上下から洗浄水が噴射され、上側すすぎノズル27A及び下側すすぎノズル27Bによって上下からすすぎ水が噴射される。
【0030】
洗浄水タンク28には、洗浄水吸込口を介して洗浄ポンプ29が接続されている。洗浄ポンプ29の吐出口には、洗浄水吐出管30が接続されている。洗浄水吐出管30は、第1洗浄水吐出管30Aと第2洗浄水吐出管30Bとに分岐して、第1洗浄水吐出管30Aは上側洗浄ノズル26Aに接続され、第2洗浄水吐出管30Bは下側洗浄ノズル26Bに接続されている。
【0031】
機械室22内には、外部から給水管(図示せず)を介してすすぎ水が供給されるすすぎ水タンク31が配置されている。すすぎ水タンク31には、すすぎ水吸込管32を介してすすぎポンプ33が接続されている。すすぎポンプ33の吐出口には、すすぎ水吐出管34が接続されている。すすぎ水吐出管34は、第1すすぎ水吐出管34Aと第2すすぎ水吐出管34Bとに分岐して、第1すすぎ水吐出管34Aは上側すすぎノズル27Aに接続され、第2すすぎ水吐出管34Bは下側すすぎノズル27Bに接続されている。第1すすぎ水吐出管34Aは、第1洗浄水吐出管30A内に配置されている。すなわち、第1洗浄水吐出管30A及び第1すすぎ水吐出管34Aは、二重管構造を成している。
【0032】
機械室22内には、食器洗浄機4の動作全般を制御するコントローラ35が内蔵された電装ボックス(図示せず)などが収容されている。コントローラ35は、洗浄が終了したことを示す終了信号を、キャリーテーブル3のコントローラ12に出力する。
【0033】
食器洗浄機4は、熱交換ユニット36を備えている。熱交換ユニット36は、洗浄機本体20の洗浄室21から排出された水蒸気を凝縮して、水蒸気の包含量が減少した空気を外部に排出する。食器洗浄機4は、洗浄機本体20を支持する四つの脚部37を備えている。
【0034】
図1に示されるように、リフト装置5は、食器洗浄機4の左隣りに、食器洗浄機4に隣接して配置されている。リフト装置5は、食器洗浄機4から搬出された食器ラックRを、ワゴン6の所定位置に移載する。図4に示されるように、リフト装置5は、本体40と、リフト41と、駆動機構7と、を備えている。本体40は、フレーム40Aと、前後方向において互いに対向して配置されている一対の側部42A,42Bを有している。一対の側部42A,42Bは、パネル状の部材である。本体40は、一対の側部42A,42Bの対向方向に直交する水平方向の両側が開口している。本体40には、食器洗浄機4側の開口の上側の一部を覆う側部42Cが設けられている。リフト装置5は、本体40を支持する四つの脚部47を備えている。
【0035】
リフト41は、図示しない駆動機構によって、上下方向に移動する。駆動機構は、例えば、駆動モータ、スプロケット、チェーン等を含んで構成されている。リフト41は、食器ラックRをワゴン6に搬出するベルト43A,43Bを有している。リフト41は、食器洗浄機4による洗浄が完了した際、食器洗浄機4のラックレール70(図3参照)と同じ高さ位置で待機している。リフト41は、食器洗浄機4から食器ラックRが搬出されて、食器ラックRの一部がリフト41上に位置したことがセンサ44で検知されると、ベルト43A,43Bを作動させて食器ラックRを取り入れる。
【0036】
リフト41は、食器ラックRを取り入れると、ワゴン6において食器ラックRが収容されていない棚部(段)に食器ラックRを移載する。リフト41は、ベルト43A,43Bを作動させて、食器ラックRをワゴン6に送り出す。ワゴン6の各棚部における空き状況は、リフト装置5の、例えば、天板及び底板に設けられたセンサ(図示せず)又はリフト41に設けられたセンサ(図示せず)によって検知される。
【0037】
駆動機構7は、食器洗浄機4のドア23を閉位置及び開位置に駆動させる。駆動機構7は、駆動モータ60と、一対のスプロケット(図示せず)と、チェーン(図示せず)と、スライダ63と、連結部材64と、を有している。駆動機構7は、リフト装置5の背面側に設けられている。
【0038】
駆動モータ60は、例えば、ギアモータである。駆動モータ60は、例えば、リフト装置5の上部に配置されている。駆動モータ60の動作は、キャリーテーブル3のコントローラ12によって制御される。スプロケットには、駆動モータ60の出力軸が接続されている。スプロケットは、スプロケットの回転に応じて、チェーンを介して従動して回転する。チェーンは、一対のスプロケットに掛け渡されている。
【0039】
スライダ63は、チェーンに接続されている。スライダ63は、チェーンの移動に応じて上下方向に移動する。スライダ63は、上下方向に沿って延在しているガイドレール65に接続されており、ガイドレール65に沿って移動する。連結部材64は、スライダ63とドア23とを連結している。連結部材64は、前後方向に沿って延在している。連結部材64の一端部は、スライダ63に固定されており、連結部材64の他端部は、軸ピン(図示せず)を介してドア23に連結されている。連結部材64には、支持部材(図示せず)が設けられている。支持部材は、連結部材64とドア23の下端部とに接続されており、ドア23が上昇するときにドア23を下方から支持する。
【0040】
図1に示されるように、ワゴン6は、リフト装置5の左隣りに、リフト装置5に隣接して配置されている。ワゴン6は、複数(本実施形態では4個)の食器ラックRを収納可能である。ワゴン6は、リフト装置5によって食器ラックRが収容される。ワゴン6は、リフト装置5に着脱可能に設けられている。
【0041】
図5に示されるように、ワゴン6は、互いに対向して配置されている一対の側部50A,50Bと、一対の側部50A,50Bの上端部に設けられている上部51と、一対の側部50A,50Bの下端部に設けられている底部52と、を有している。一対の側部50A,50Bは、パネル状の部材により形成されている。ワゴン6は、一対の側部50A,50B、上部51及び底部52によって、食器ラックRを収容する収容空間が形成されている。ワゴン6は、一対の側部50A,50Bの対向方向に直交する水平方向の両側が開口している。
【0042】
一対の側部50A,50Bのそれぞれの内面には、互いに対向する位置に、一対の支持レール53A,53Bが設けられている。一対の支持レール53A,53Bは、食器ラックRを支持する。一対の支持レール53A,53Bは、ワゴン6において食器ラックRを収容する棚部を構成している。支持レール53A,53Bは、上下方向において所定の間隔をあけて複数配置されている。一方の側部50Aの外面には、作業者によって把持可能な操作ハンドル54A,54Bが設けられている。底部52には、ワゴン6がリフト装置5から取り外されたときにワゴン6を移動自在とする4個のローラ55A,55B,55C,55Dと、ワゴン6がリフト装置5に取り付けられたときにワゴン6を設置(固定)する設置機構56A,56Bと、が設けられている。
【0043】
図6(A)及び図6(B)に示されるように、搬出装置90は、食器洗浄機4からリフト装置5に食器ラックRを搬出する。搬出装置90は、食器ラックRを食器洗浄機4からリフト装置5に向けて、左右方向(第1方向に直交する第2方向)に沿って搬送する。図6(A)に示されるように、搬出装置90は、食器洗浄機4に右側側面の前方に設けられている。図6(B)に示されるように、搬出装置90は、アーム91と、モータ93と、規制部94と、を有している。
【0044】
アーム91は、一方向に延在する回動軸91Aを回動中心に回動することで食器ラックRを押し出し、食器洗浄機4からリフト装置5に食器ラックRを搬出させる。アーム91は、回動軸91Aを中心に回転可能に設けられると共に、食器ラックRに接触可能に設けられた第1ベアリング92A及び第2ベアリング92Bを有している。モータ93は、出力軸である回動軸91Aを中心にアーム91を回動させる。規制部94は、アーム91の回動範囲を規制する。
【0045】
図7に示されるように、ラックレール70は、ステンレス鋼によって形成される枠体であり、食器洗浄機4に着脱自在に取り付けられている。ここで、洗浄水タンク28は、貯留部形成部28Aと、平面部28Bと、を有している。貯留部形成部28Aは、洗浄水を貯留する貯留部を形成する。平面部28Bは、上方から見た平面視において貯留部形成部28Aの周囲に形成され、略水平方向に延出する部分である。ラックレール70は、後段にて詳述する第1支持部76が、平面部28Bに載置される。
【0046】
図8に示されるように、ラックレール70は、食器洗浄機4に配置されたときに、キャリーテーブル3が接続される方向に配置される第1載置部71と、リフト装置5が接続される方向に配置される第2載置部72と、第2載置部72と対向かつ第1載置部71に交差する第3載置部73と、第1載置部71に対向かつ第2載置部72及び第3載置部73に交差する第4載置部74と、を含む枠部70Aを有している。ラックレール70は、第5載置部75と、一対の第1支持部76,76と、一対の第2支持部77,77と、第1案内部78と、第2案内部79と、規定部80と、を更に有している。
【0047】
図10に示されるように、第1載置部71、第2載置部72及び第3載置部73は、略三角形状の閉断面形状を有するパイプによって形成されている。第1載置部71、第2載置部72及び第3載置部73のそれぞれの上面は、ラックレール70の載置面70Sを構成している。第1載置部71、第2載置部72、第3載置部73、第4載置部74、第5載置部75,75、一対の第1支持部76,76、一対の第2支持部77,77は、溶接等によって互いに一体化されている。
【0048】
第4載置部74は、互いに対向する第2載置部72及び第3載置部73間を接続する部材であり、洗浄室21に配置されたとき、食器洗浄機4の後側に配置される部材である。第4載置部74は、中実状又は中空パイプ状の丸棒である。
【0049】
一対の第1支持部76,76は、ラックレール70が洗浄室21に配置されたとき、洗浄室21の前側下部に配置される第1載置部71に固定されている。一対の第1支持部76,76は、第1載置部71の左右方向の左側と右側とに配置されている。一対の第1支持部76,76のそれぞれは、第1載置部71から下方に延びる第1部分76A,76Aと、第1部分76A,76Aから前側に屈曲すると共に、ラックレール70が洗浄室21に配置されたとき、洗浄水タンク28の平面部28Bに載置される第2部分76Bを有する。第1支持部76,76は、中実状又は中空パイプ状の丸棒によって形成されている。
【0050】
第5載置部75,75の一方は、互いに交差する第1載置部71及び第3載置部73同士を接続する部材である。第5載置部75,75の他方は、互いに交差する第2載置部72及び第4載置部74同士を接続する部材である。第5載置部75,75は、中実状又は中空パイプ状の丸棒によって形成されている。
【0051】
一対の第2支持部77,77の一方は第2載置部72に接続され、一対の第2支持部77,77の他方は第3載置部73に接続されている。一対の第2支持部77,77の一方は、第2載置部72から斜め左後方に延びる第1部分77Aと、左右方向に延在する第2部分77Bと、を有している。一対の第2支持部77,77の他方は、第3載置部73から斜め右後方に延びる第1部分77Aと、左右方向に延在する第2部分77Bと、を有している。第2部分77B,77Bの端部のそれぞれは、洗浄室21に設けられる係止部(図示省略)に、双方向に回転可能かつ着脱可能に係止されている。
【0052】
図9及び図10に示されるように、第1案内部78は、第3載置部73に設けられている。第1案内部78は、ラックレール70に載置された食器ラックRが枠部70Aの外側へ飛び出すことを防止する。第1案内部78は、本体部78Aと、前側端部に形成されるテーパ部78Bと、を有している。本体部78Aは、第3載置部73から上方に突出した状態で、第3載置部73が延在する方向に延在している。テーパ部78Bは、手前側に向かって徐々に枠部70Aから離れるように延在している。
【0053】
図8及び図9に示されるように、第2案内部79は、第1載置部71に設けられている。第2案内部79は、ラックレール70に載置された食器ラックRが枠部70Aの外側へ飛び出すことを防止する。第2案内部79は、第1載置部71から上方に突出した状態で、第1載置部71が延在する方向に延在している。第2案内部79は、ラックレール70の第1載置部71における載置面70Sを露出させる位置に配置されている。第2案内部79は、ラックレール70の載置面70Sに対して、段差を構成している。具体的には、第2案内部79は、載置面70Sよりも上方に突出し且つキャリーテーブル3の基台10の載置面10Aの高さ位置以下となる段差を構成している。第2案内部79の上部(上面)は、平坦に形成されている。
【0054】
規定部80は、キャリーテーブル3から食器洗浄機4及び食器洗浄機4からリフト装置5に搬送される食器ラックRの位置を規定する。規定部80は、食器ラックRの搬送経路以外(食器ラックRが移動(通過)する領域以外)の位置に配置されている。具体的には、規定部80は、第1載置部71と第2載置部72とが接続される枠部70Aの角部に配置されている。これにより、規定部80は、食器洗浄機4に配置されたラックレール70において、キャリーテーブル3から食器ラックRが搬入される搬入側であると共に、食器洗浄機4から食器ラックRが搬出される搬出側に配置されている。
【0055】
規定部80は、ラックレール70の載置面70Sから突出している。規定部80は、上下方向に沿って延在している。規定部80は、例えば、載置面70Sからの高さが15mmである。規定部80は、延在方向に直交する断面が円形状(図11参照)を呈している。すなわち、規定部80は、円柱状又は円筒状を呈している。
【0056】
図11(A)に示されるように、食器ラックRは、キャリーテーブル3から食器洗浄機4に搬送されるときに、規定部80によって位置が規定される。これにより、食器ラックRは、枠部70Aの外側へ飛び出すことなく、所定の搬送経路に沿って搬送され、ラックレール70に載置される。図11(B)に示されるように、食器ラックRは、食器洗浄機4からリフト装置5に搬送されるときに、規定部80によって位置が規定される。これにより、食器ラックRは、所定の搬送経路に沿って搬送され、リフト装置5のベルト43A,43Bによってリフト装置5に取り入れられる。
【0057】
上記実施形態の洗浄システム1における作用効果について説明する。上記実施形態の洗浄システム1では、ラックレール70は、キャリーテーブル3から食器洗浄機4及び食器洗浄機4からリフト装置5に搬送される食器ラックRの位置を規定する規定部80を有している。規定部80は、食器ラックRの搬送経路以外の位置に配置され、ラックレール70における食器ラックRの載置面70Sよりも上方に突出している。
【0058】
これにより、洗浄システム1では、キャリーテーブル3から食器洗浄機4に食器ラックRが送り出されるとき、及び、食器洗浄機4からリフト装置5に食器ラックRが送り出されるときに、規定部80によって食器ラックRの位置が規定されるため、食器ラックRの位置がずれることを抑制できる。すなわち、食器ラックRが食器洗浄機4及びリフト装置5のそれぞれに進入するときの角度を一定にすることができる。そのため、洗浄システム1では、キャリーテーブル3から食器洗浄機4に搬送された食器ラックRが食器洗浄機4内の所定位置に配置されるため、食器ラックRが食器洗浄機4内に確実に収容される。また、洗浄システム1では、食器洗浄機4からリフト装置5に搬送された食器ラックRがリフト装置5に確実に取り入れられる。したがって、洗浄システム1では、食器洗浄機4のドア23と食器ラックRとが接触することを回避できる。その結果、洗浄システム1では、作業効率の低下を抑制できる。
【0059】
上記実施形態の洗浄システム1では、キャリーテーブル3は、食器ラックRを前後方向に沿って食器洗浄機4に搬送し、搬出装置90は、食器ラックRを左右方向に沿ってリフト装置5に搬送する。ラックレール70は、食器洗浄機に配置されたときにキャリーテーブル3が接続される方向に配置される第1載置部71と、食器洗浄機4に配置されたときにリフト装置5が接続される方向に配置される第2載置部72と、第2載置部72と対向かつ第1載置部71に交差する第3載置部73と、第1載置部71に対向かつ第2載置部72及び第3載置部73に交差する第4載置部74と、を含む枠部70Aを有している。規定部80は、第1載置部71と第2載置部72とが接続されている角部に配置されている。この構成では、1つの規定部80によって、前後方向及び左右方向に沿って搬送される食器ラックRの位置を規定することができる。したがって、洗浄システム1では、ラックレール70を簡易な構成にすることができる。
【0060】
上記実施形態の洗浄システム1では、規定部80は、円柱状を呈している。この構成では、図12に示されるように、食器ラックRが送り出される際、食器ラックRが規定部80に接触する位置が、規定部80を延在方向から見たときの中心位置Cを超えなければ、食器ラックRが規定部80の周面に接触しつつ当該周面に沿って送り出される。そのため、洗浄システム1では、食器ラックRの位置をより適切に規定することができる。また、規定部80の周面が湾曲しているため、規定部80に食器ラックRが接触したときに、食器ラックRが規定部80の周面に沿って移動する。これにより、規定部80に食器ラックRが接触したときに規定部80に加わる力を分散することができたり、規定部80に食器ラックRが引っ掛かることを回避できたりする。そのため、規定部80の破損を抑制できるため、メンテナンス性の向上が図れる。
【0061】
上記実施形態の洗浄システム1では、ラックレール70の第1載置部71には、第1載置部71の延在する方向に延在しており、食器洗浄機4からリフト装置5に搬送される食器ラックRをガイドする第2案内部79が設けられている。第2案内部79は、ラックレール70の第1載置部71における載置面70Sを露出させる位置に配置され、ラックレール70の載置面70Sに対して、載置面70Sよりも上方に突出し且つキャリーテーブル3の基台10の載置面10Aの高さ位置以下となる段差を構成している。この構成では、食器洗浄機4からリフト装置5に食器ラックRが搬送される際、第2案内部79によって食器ラックRをスムーズにガイドすることができる。そのため、食器ラックRがリフト装置5に進入するときの角度を一定にすることができる。したがって、洗浄システム1では、食器洗浄機4からリフト装置5に搬送された食器ラックRがリフト装置5に確実に取り入られる。また、第2案内部79は、キャリーテーブル3の基台10の載置面10Aの高さ位置以下となるように段差を構成しているため、キャリーテーブル3から食器洗浄機4に食器ラックRが搬送されるときに、食器ラックRの移動を阻害しない。
【0062】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0063】
上記実施形態では、洗浄システム1がワゴン6を1台備えている形態を一例に説明した。しかし、洗浄システム1は、複数台のワゴン6を備えていてもよい。
【0064】
上記実施形態では、食器ラックRに収容されている食器が被洗浄物である形態を一例に説明した。しかし、被洗浄物は、これに限定されない。
【0065】
上記実施形態では、駆動機構7がリフト装置5に設けられている形態を一例に説明した。しかし、駆動機構7は、食器洗浄機4に設けられていてもよい。
【0066】
上記実施形態では、ラックレール70に1つの規定部80が設けられている形態を一例に説明した。しかし、規定部80は、複数設けられていてもよい。ラックレール70は、例えば、キャリーテーブル3から食器洗浄機4に搬送される食器ラックRの位置を規定する規定部と、食器洗浄機4からリフト装置5に搬送される食器ラックRの位置を規定する規定部と、の2つの規定部を備えていてもよい。また、規定部は、第1載置部71と第3載置部73とが接続される角部に更に設けられていてもよい。
【0067】
上記実施形態では、規定部80が円柱状又は円筒状を呈している形態を一例に説明した。しかし、規定部80の形状はこれに限定されない。例えば、規定部は、角柱状等を呈していてもよい。
【0068】
上記実施形態では、第2案内部79の上部が平坦である形態を一例に説明した。しかし、図13に示されるように、第2案内部79Aは、傾斜部79Aaを有していてもよい。傾斜部79Aaは、キャリーテーブル3側から載置面70Sに下方に傾斜している。この構成では、キャリーテーブル3から食器洗浄機4に食器ラックRが搬送されるときに、食器ラックRが傾斜部79Aaを滑るように移動する。そのため、洗浄システムでは、キャリーテーブル3から食器洗浄機4に対して、食器ラックRをよりスムーズに搬送することができる。
【符号の説明】
【0069】
1…洗浄システム、3…キャリーテーブル(搬入装置)、4…食器洗浄機(洗浄機)、5…リフト装置、6…ワゴン、10A…載置面、70…ラックレール、70A…枠部、70S…載置面、71…第1載置部、72…第2載置部、73…第3載置部、79…第2案内部(案内部)、79Aa…傾斜部、80…規定部、90…搬出装置、R…食器ラック(ラック)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13