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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-04
(45)【発行日】2023-10-13
(54)【発明の名称】半導体パッケージ
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20231005BHJP
   H01L 23/36 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
H01L23/12 J
H01L23/36 C
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020140634
(22)【出願日】2020-08-24
(65)【公開番号】P2022036428
(43)【公開日】2022-03-08
【審査請求日】2022-06-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000004547
【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100160691
【弁理士】
【氏名又は名称】田邊 淳也
(74)【代理人】
【識別番号】100157277
【弁理士】
【氏名又は名称】板倉 幸恵
(74)【代理人】
【識別番号】100182718
【弁理士】
【氏名又は名称】木崎 誠司
(72)【発明者】
【氏名】西田 智弘
(72)【発明者】
【氏名】加地 豊
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 健司
(72)【発明者】
【氏名】服部 充
【審査官】高橋 優斗
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-266172(JP,A)
【文献】特開平05-335450(JP,A)
【文献】特開2019-176116(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L23/12-23/15
H01L23/29
H01L23/34-23/473
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属で形成され、本体部と、前記本体部の主面から突出した凸部と、を有する放熱体と、
セラミックから成り、前記本体部の前記主面にロウ材を介して接合された基体であって、前記本体部および前記凸部を、前記主面の広がる方向において、間隙を介して囲っている枠状の基体と、
を備える半導体パッケージであって、
前記本体部において、前記主面の反対側に位置する底面には、前記本体部と前記凸部との接続面の外形線を前記底面に投影した場合に、前記底面に投影された前記外形線の少なくとも一部と重複する溝が形成され
前記溝は、前記底面に投影された前記外形線の全てを含むように形成されていることを特徴とする、半導体パッケージ。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体パッケージであって、
前記溝は、前記底面に投影された前記外形線に沿った直線状であることを特徴とする、半導体パッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路チップ等の電子部品の封止に用いられる電子部品用パッケージが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された電子部品用パッケージでは、セラミック製の本体に貫通している貫通孔に、放熱部材が挿入されて、本体と放熱部材とが接合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-321759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された電子部品用パッケージでは、本体と放熱部材とは、本体から内周側に突出した部分の上面と、放熱部材が外周側に突出した部分の下面とが接合されている。接合されていない本体の内周面と、放熱部材の外周面との間には、隙間が設けられている。このように、本体と放熱部材との間に隙間が形成されているため、材質の異なる本体と放熱部材との大きさが熱膨張によって変化しても、本体と放熱部材とが干渉せずに済む。しかしながら、本体と放熱部材とが干渉しない場合であっても、特許文献1に記載の構成では、接合部を介した引張力の発生により、熱膨張によりセラミック製の本体にクラックが発生するおそれがある。そのため、半導体パッケージの本体に発生するクラックを抑制したい要望があった。この要望は半導体パッケージを含む電子部品用パッケージ全般における要望であった。なお、セラミック製の本体は、基体とも呼ばれる。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、半導体パッケージにおけるクラックの発生を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現できる。金属で形成され、本体部と、前記本体部の主面から突出した凸部と、を有する放熱体と、セラミックから成り、前記本体部の前記主面にロウ材を介して接合された基体であって、前記本体部および前記凸部を、前記主面の広がる方向において、間隙を介して囲っている枠状の基体と、を備える半導体パッケージであって、前記本体部において、前記主面の反対側に位置する底面には、前記本体部と前記凸部との接続面の外形線を前記底面に投影した場合に、前記底面に投影された前記外形線の少なくとも一部と重複する溝が形成され、前記溝は、前記底面に投影された前記外形線の全てを含むように形成されていることを特徴とする、半導体パッケージ。そのほか、本発明は、以下の形態としても実現可能である。
【0007】
(1)本発明の一形態によれば、金属で形成され、本体部と、前記本体部の主面から突出した凸部と、を有する放熱体と、セラミックから成り、前記本体部の前記主面にロウ材を介して接合された基体であって、前記本体部および前記凸部を、前記主面の広がる方向において、間隙を介して囲っている枠状の基体と、を備える半導体パッケージが提供される。この半導体パッケージは、前記本体部において、前記主面の反対側に位置する底面には、前記本体部と前記凸部との接続面の外形線を前記底面に投影した場合に、前記底面に投影された前記外形線の少なくとも一部と重複する溝が形成されている。
【0008】
一般に、放熱体と基体とをロウ材により接合した場合、ロウ材が接触する基体の枠の内側(開口部)の角に応力集中が生じる。また、放熱体と基体との間にロウ材溜りが形成された場合、当該ロウ材溜りの形状に依存した残留応力が生じ、基体にクラックが生じる。この点、本構成の半導体パッケージによれば、本体部の底面には、投影された外形線(すなわち、基体の枠内に挿入される凸部と、基体と接合される本体部との接続面の外形線)の一部に重複する位置に、溝が形成されている。この溝によって、ロウ付けの際に、放熱体と基体との間で作用する引張力が弱くなる。この結果、基体の枠の内側(開口部)の角に生じる応力集中を抑制することができ、基体に生じるクラックを抑制できる。また、本体部の底面の溝は、投影された外形線の一部に重複する位置に設けられているため、放熱体の肉厚(投影方向に沿った厚さ)を薄肉化し、ロウ付けの際に、基体に生じるクラックをより効果的に抑制できる。この結果、半導体パッケージにおけるクラックの発生を抑制できる。
【0009】
(2)上記形態の半導体パッケージにおいて、前記溝は、前記底面に投影された前記外形線に沿った直線状であってもよい。
本構成の半導体パッケージによれば、溝が底面に投影された外形線に沿っていない場合や、溝が直線状でない場合と比較して、本体部から溝として除去する肉厚部の体積を抑制した上で、放熱体の剛性をより効率的に小さくできる。
【0010】
(3)上記形態の半導体パッケージにおいて、前記溝は、前記底面に投影された前記外形線の全てを含むように形成されていてもよい。
本構成の半導体パッケージによれば、溝が底面に投影された外形線の全てと重複していない場合と比較して、本体部から溝として除去する肉厚部の体積を抑制した上で、放熱体の剛性をより効率的に小さくできる。
【0011】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、半導体パッケージ、配線基板、半導体装置、半導体パッケージの製造方法、配線基板の製造方法、およびこれらを備えるシステム等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1実施形態の半導体パッケージの概略斜視図である。
図2】半導体パッケージの説明図である。
図3】半導体パッケージの説明図である。
図4】半導体パッケージの概略下面図である。
図5】第2実施形態の半導体パッケージの概略下面図である。
図6】第3実施形態の半導体パッケージの概略下面図である。
図7】第1実施形態ないし第3実施形態と、比較例との半導体パッケージの評価についての説明図である。
図8】第4実施形態の半導体パッケージの概略下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態の半導体パッケージ100の概略斜視図である。図1に示される半導体パッケージ100は、半導体装置に用いられる基板である。半導体パッケージ100には、発光ダイオードなどの半導体が載置される。載置された半導体は、図示されない電気配線によって半導体パッケージ100の外部の制御装置と電気的に接続されており、発光が制御される。なお、半導体は、発光ダイオードに限定されず、例えば、パワーMOSFETやダイオードなどから構成されるパワーデバイスであってもよいし、他の機能を有する半導体を含んでもよい。
【0014】
図1に示されるように、半導体パッケージ100は、略直方体の形状を有する。半導体パッケージ100の長手方向に平行な軸をX軸、短手方向に平行かつX軸に直交する軸をY軸と定義して、X軸,Y軸,Z軸(半導体パッケージ100の厚さ方向に平行な軸)で構成される直交座標系は、図2以降に示される直交座標系と対応している。本実施形態の半導体パッケージ100は、半導体パッケージ100の重心を通り、かつ、Z軸に平行な中心軸OLを定義した場合に、中心軸OLを通るYZ平面およびZX平面を基準として対称的な形状を有する。
【0015】
図2および図3は、半導体パッケージ100の説明図である。図2に示される半導体パッケージ100は、図1に示される半導体パッケージ100の下面から見た斜視図である。図3には、図1におけるA-A断面の半導体パッケージ100についての概略図が示されている。図3に示されるように、半導体パッケージ100は、中心軸OL側に配置された放熱体30と、接合部40を介して放熱体30に接合される基体20と、を備えている。放熱体30は、金属であるCuを主成分として形成されている。基体20は、セラミックとしてのアルミナ(Al23)を主成分として形成されている。接合部40は、Agで形成された銀ろうの接合材である。
【0016】
図3に示されるように、放熱体30は、Z軸負方向側に位置する略直方体状の本体部31と、本体部31の上面(主面)31Pから突出した略直方体状の凸部32と、を備えている。基体20は、放熱体30の本体部31および凸部32を、間隙GPを介して囲っている枠状の形状を有している。間隙GPは、本体部31から、本体部31の主面31Pが広がるXY平面に沿った方向において形成されている。本実施形態では、放熱体30と基体20とにおける間隙GPの間隔は、100μm~140μmである。
【0017】
基体20は、半導体パッケージ100の外形を形成している外周部21と、外周部21から中心軸OL側に突出している平板部22と、を備えている。すなわち、図3に示されるように、外周部21は、略直方体に対して、中心軸OLに沿って、本体部が挿入される空洞が形成された形状である。平板部22は、外周部21の内側に形成されたフランジ状の形状を有する。平板部22の下面22Sと、本体部31の主面31Pとが、接合部40により接合されている。
【0018】
図4は、半導体パッケージ100の概略下面図である。図2および図4に示されるように、本体部31におけるZ軸負方向側の底面31Bは、Z軸方向において外周部21の底面21Bと同じ位置にある接地面31Cと、接地面31CよりもZ軸正方向側に凹んだ溝部(溝)31Gと、を含んでいる。溝部31Gは、底面31Bにおいて、X軸に沿った直線状に形成されている。なお、図4では、溝部31Gを明確にするために、溝部31Gがハッチングで示されている。
【0019】
図4には、底面31Bに投影された、本体部31と凸部32との接続面の外形線32Lが破線で示されている。外形線32Lは、X軸に平行な第1外形線32Lxと、Y軸に平行な第2外形線32Lyと、を含んでいる。図4に示されるように、溝部31Gは、本体部31における主面31Pの反対側に位置する底面31Bにおいて、第1外形線32Lxの全てと、第2外形線32Lyの一部とに重複している。溝部31Gは、底面31Bに投影された第1外形線32Lxに沿った直線状の形状を有している。
【0020】
以上説明したように、本実施形態の半導体パッケージ100は、放熱体30と、間隙GPを介して放熱体30を囲っている基体20とを備えている。本体部31の底面31Bに、本体部31と凸部32との接続面の外形線32Lが投影された場合に、溝部31Gは、投影された外形線32Lの少なくとも一部と重複している。ここで、放熱体30と基体20とが接合部40により接合された場合、接合部40が接触する基体20の枠の内側の角に応力が集中する。また、接合部40としてロウ材溜りが形成されると、接合部40の形状に依存した残留応力が基体20に生じ、基体20にクラックが生じるおそれがある。これに対し、本実施形態の半導体パッケージ100によれば、本体部31の底面31Bには、投影された外形線32Lの一部に重複する位置に、溝部31Gが形成されている。この溝部31Gによって、放熱体30と基体20との接合時に、放熱体30と基体20との間で作用する引張力が弱くなる。この結果、基体20の枠の内側の角(外周部21から平板部22が突出する根元)に生じる応力集中を抑制でき、基体20に生じるクラックを抑制できる。また、本体部31の底面31Bに形成された溝部31Gは、外形線32Lの一部に重複する位置に設けられている。そのため、本体部31から除去する肉厚部の体積の割合に対して、放熱体30の剛性を効率的に減少させる薄肉化を実現でき、接合時に基体20に生じるクラックをより一層抑制できる。この結果、半導体パッケージ100におけるクラックの発生を抑制できる。
【0021】
また、本実施形態の半導体パッケージ100では、溝部31Gは、底面31Bに投影された外形線32Lの一部である第1外形線32Lxに沿う直線状に形成されている。そのため、本実施形態の半導体パッケージ100では、溝部31Gが外形線32Lに沿っていない又は直線状に形成されていない場合と比較して、本体部31から溝部31Gとして除去する肉厚部の体積を抑制した上で、放熱体30の剛性をより効率的に小さくできる。
【0022】
<第2実施形態>
図5は、第2実施形態の半導体パッケージ100aの概略下面図である。第2実施形態の半導体パッケージ100aでは、第1実施形態の半導体パッケージ100と比較して、本体部31aの底面31Bに形成された接地面31Caおよび溝部31Gaの形状が異なり、他の形状等については第1実施形態と同じである。そのため、第2実施形態では、第1実施形態と異なる形状について説明し、第1実施形態と同じ形状等についての説明を省略する。
【0023】
図5のハッチングで示されるように、第2実施形態の溝部31Gaは、本体部31の底面31Bの外周に形成された外周部分31Ga1と、第1外形線32Lxに重複してX軸に沿って延びる2本の直線部分31Ga2とにより構成されている。このように、本体部31の底面31Bに形成される溝部31Gaの形状については、底面31Bに投影された外形線32Lの少なくとも一部に重複する範囲で変形可能である。
【0024】
<第3実施形態>
図6は、第3実施形態の半導体パッケージ100bの概略下面図である。第3実施形態の半導体パッケージ100bでは、第1実施形態の半導体パッケージ100と比較して、本体部31bの底面31Bに形成された接地面31Cbおよび溝部31Gbの形状が異なり、他の形状等については第1実施形態と同じである。そのため、第3実施形態では、第1実施形態と異なる形状について説明し、第1実施形態と同じ形状等についての説明を省略する。
【0025】
図6のハッチングで示されるように、第3実施形態の溝部31Gbは、本体部31の底面31Bの外周に形成された外周部分31Gb1と、第1外形線32Lxに重複してX軸に沿って延びる2つの直線部分31Gb2と、底面31Bの中央部分に形成された矩形部分31Gb3と、によって構成されている。直線部分31Gb2は、第1外形線32Lxに沿って延びる部分と、当該部分とを外周部分31Gb1に接続する部分とによって構成されている。矩形部分31Gb3のうち、Y軸に平行に延びる短辺部分は、底面31Bに投影された第2外形線32Lyの一部と重複している。
【0026】
図7は、第1実施形態ないし第3実施形態の半導体パッケージ100,100a,100bと比較例の半導体パッケージ100zとの評価についての説明図である。比較例の半導体パッケージ100zは、第1実施形態の半導体パッケージ100に対して溝部31Gが形成されていない半導体パッケージである。
【0027】
図7に示される評価結果は、4種類の各半導体パッケージ100,100a,100b,100zにおける各10個のサンプルに対して、加熱冷却サイクル試験を5回行った後のクラックの有無と、当該試験を10回行った後のクラックの有無との評価結果である。加熱冷却サイクル試験は、温度が室温(約25℃)であるサンプルを、300℃に設定された加熱器によって2分間加熱する工程と、その後加熱器から取り出して室温まで自然空冷させる工程とを1サイクルとして繰り返すものである。クラックの発生は、浸透探傷検査により評価されている。
【0028】
図7に示されるように、4種類の第1実施形態ないし第3実施形態と比較例との半導体パッケージの内、第1実施形態ないし第3実施形態の半導体パッケージ100,100a,100bでは、いずれの評価でもクラックが発生していない。一方で、比較例の半導体パッケージ100zでは、加熱・冷却の工程が5回行われた後の評価で、10個のサンプルの内の2個にクラックが発生している。また、加熱・冷却の工程が10回行われた後の評価で、10個のサンプルの内の4個にクラックが発生している。以上の評価結果から、本体部31の底面31Bに形成された溝部31G,31Ga,31Gb,31Gcが、クラックの発生を抑制することが確認された。
【0029】
<第4実施形態>
図8は、第4実施形態の半導体パッケージ100cの概略下面図である。第4実施形態の半導体パッケージ100cでは、第1実施形態の半導体パッケージ100と比較して、本体部31cの底面31Bに形成された接地面31Ccおよび溝部31Gcの形状が異なり、他の形状等については第1実施形態と同じである。そのため、第4実施形態では、第1実施形態と異なる形状について説明し、第1実施形態と同じ形状等についての説明を省略する。
【0030】
図8のハッチングで示されるように、第4実施形態の溝部31Gcは、第1外形線32Lxに重複してX軸に沿って延びる2本の直線部分31Gc2と、第2外形線32Lyに重複してY軸に沿って延びる2つの直線部分31Gc1と、によって構成されている。直線部分31Gc1の一部と、直線部分31Gc2の一部とは、重複している。第4実施形態の溝部31Gcは、底面31Bに投影された外形線32Lの全てを含むように形成されている。
【0031】
以上説明したように、第4実施形態の溝部31Gcは、底面31Bに投影された外形線32Lの全てと重複している。そのため、溝部31Gcが外形線32Lの全てとは重複していない場合と比較して、本体部31cから溝部31Gcとして除去する肉厚部の体積を抑制した上で、放熱体30cの剛性をより効率的に小さくできる。
【0032】
<本実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0033】
上記実施形態の半導体パッケージ100は、一例であって、半導体パッケージ100の構成および形状などについては種々変形可能である。例えば、上記実施形態の放熱体30は、無酸素銅であるCuで形成されていたが、その他の金属によって形成されていてもよい。放熱体30は、80wt%以上のCuを含んでいると好ましい。上記実施形態の基体20は、セラミックのアルミナで形成されていたが、アルミナ以外のセラミックで形成されていてもよい。例えば、基体20は、AlN(窒化アルミニウム)、ガラス-セラミック、ムライト、およびBNなどを主成分として含むセラミックで形成されていてもよい。上記実施形態の接合部40は、銀ろう材であったが、その他の接合材により形成されていてもよい。接合部40は、70wt%以上のAgを含む金属で形成されていると好ましい。
【0034】
半導体パッケージ100は、底面31Bに本体部31と凸部32との接続面の外形線32Lが投影された場合に、投影された外形線32Lの少なくとも一部と重複するように形成された溝部31Gを備えている範囲で変形可能である。例えば、半導体パッケージ100は、中心軸OLを通るYZ平面およびZX平面を中心として対称的な略直方体の形状を有していたが、異なる形状を有していてもよい。上記実施形態における間隙GPの間隔は、一例であり、100μm未満であってもよいし、140μm以上よりも大きくてもよい。溝部31Gは、X軸およびY軸に平行ではなく、底面31Bに投影された外形線32Lの少なくとも一部と交差するように形成されていてもよい。なお、本実施形態における「溝部」とは、本体部31の底面31Bを基準としたときに、底面31Bよりも凸部32側(Z軸正方向側)に凹んだ部分をいう。そのため、溝部は、必ずしも長細い形状である必要はなく、Z軸方向に直交する断面が円状の凹み部であってもよい。
【0035】
上記実施形態における本体部31の底面31B等の呼び方は、図1などに示される直交座標系を基準とした定義の一例に基づく呼び方であるため、設定する座標系に応じて各面などの呼び方は変形可能である。例えば、設定する座標系に応じて、上記実施形態における「底面31B」は、放熱体30の凸部32を下側と設定した場合には「上面」とも表現できる。すなわち、上記実施形態において設定した直交座標系に合わせた呼び方は、一例であり、種々変形可能である。
【0036】
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
【符号の説明】
【0037】
20…基体
21…外周部
21B…外周面の底面
22…平板部
22S…平板部の下面
30,30c…放熱体
31,31a,31b,31c…本体部
31B…本体部の底面
31C,31Ca,31Cb,31Cc…本体部の接地面
31G,31Ga,31Gb,31Gc…溝部(溝)
31Ga1,31Gb1…溝部の外周部分
31Ga2,31Gb2,31Gc1,31Gc2…溝部の直線部分
31Gb3…矩形部分
31P…放熱体の主面
32…凸部
32L…外形線
32Lx…第1外形線
32Ly…第2外形線
40…接合部
100,100a,100b,100c,100z…半導体パッケージ
GP…間隙
OL…中心軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8