(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-04
(45)【発行日】2023-10-13
(54)【発明の名称】リポアミノ酸及びジオールの新規組成物の調製のための方法、並びにそれから得られる化粧用又は医薬組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/44 20060101AFI20231005BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20231005BHJP
A61K 8/36 20060101ALI20231005BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
A61K8/44
A61K8/34
A61K8/36
A61Q19/00
(21)【出願番号】P 2020534837
(86)(22)【出願日】2018-12-12
(86)【国際出願番号】 FR2018053213
(87)【国際公開番号】W WO2019122601
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2021-11-29
(32)【優先日】2017-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】398057293
【氏名又は名称】ソシエテ・デクスプロワタシオン・デ・プロデュイ・プール・レ・アンデュストリー・シミック・セピック
【氏名又は名称原語表記】SOCIETE D’EXPLOITATION DE PRODUITS POUR LES INDUSTRIES CHIMIQUES SEPPIC
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【氏名又は名称】布施 行夫
(72)【発明者】
【氏名】ジェローム・ギルボット
(72)【発明者】
【氏名】ジョージズ・ダコスタ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィルジニー・バルト
【審査官】松元 麻紀子
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-221371(JP,A)
【文献】特開昭60-137299(JP,A)
【文献】特開平11-080191(JP,A)
【文献】特開昭63-002962(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/44
A61K 8/34
A61K 8/36
A61Q 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物(C
1
)を調製するための方法であって、
前記組成物(C
1
)は、質量の100%当たり:
(a)- 50質量%以上且つ95質量%以下の質量比率の式(I)の化合物又は式(I)の化合物の混合物:
X-[CH
2]
p-C(=O)-Y-OH (I)
(式中、pは5以上且つ8以下の整数を表し、Yは式(II
a):
-[N(R
3)-CH(R
2)-C(=O)-]
m- (II
a)
(式中、R
3は水素原子又はメチル基を表し、mは1以上且つ4以下の整数を表し、且つR
2は水素原子若しくはメチル、イソプロピル、イソブチル、1-メチルプロピル、ベンジル及び3-アミノプロピル基から選択される基を表す)の二価の
基を表し;且つXはメチル
基を表
す);
(b)- 0質量%超且つ15質量%以下の質量比率の
、1,2-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール又は2-メチル-2,4-ペンタンジオールから選択されるジオール;
(c)- 0質量%以上且つ5質量%以下の質量比率の式(V)の化合物又は式(V)の化合物の混合物:
X-[CH
2]
p-C(=O)-OH (V)
(式中、Xはメチル
基を表し、pは5以上且つ8以下の整数を表す)、又は前記式(V)の化合物の混合物;及び
(d)- 0質量%超且つ50質量%未満の質量比率の水
を含む組成物(C
1)であって、
前記組成物のpHが、3以下であ
り、
以下の連続的な工程:
- 工程a)この間、前記ジオールを水と混合して、質量の100%当たり、前記ジオールを5質量%~30質量%、及び水を70質量%~95質量%含む混合物(S
1
)を形成し;
- 工程b)この間、式(VI
a
):
【化2】
の化合物、又は式(VI
a
)の少なくとも1つの化合物と式(VI
a
)の少なくとも1つの他の化合物の混合物を、得られる混合物(M
1
)が、質量の100%当たり、式(VI
a
)の前記化合物又は式(VI
a
)の化合物の前記混合物を5質量%~50質量%、並びに前記混合物(S
1
)を50質量%~95質量%含有するような比率で前記混合物(S
1
)に加え;
- 工程c)この間、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを前記混合物(M
1
)に加えて、9以上のpHを有する混合物(M
2
)を形成し;
- 工程d)この間、式(VII):
X-[CH
2
]
p
-C(=O)-Cl (VII)
の酸塩化物(式中、X及びpは、上の式(I)において定義されるとおりである)、又は式(VII)の酸塩化物の混合物を、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムをともに加えることによって9以上の値でpHを維持しながら前記混合物(M
2
)に注ぎ、当該工程d)が混合物(M
3
)の形成をもたらし;
- 工程e)この間、前記混合物(M
3
)を、3以下のpH値に達するまで酸性化し;
- 工程f)母液を除去するためのデカンテーション;
- 任意で、デカンテーション後に所望の前記組成物を得るために塩水で洗浄する少なくとも1回の工程g)
を含むことを特徴とする、前記組成物(C
1
)を調製するための方法。
【請求項2】
式(I)において、前記二価の基Yが、式(II
a1):
-[NH-CH(R
2)-C(=O)-]
m- (II
a1)
(式中、mは1以上且つ4以下の整数を表し、且つR
2は水素原子又はメチル、イソプロピル、イソブチル、1-メチルプロピル、ベンジル若しくは3-アミノプロピル基から選択される基を表す)の二価の基を表すことを特徴とする、請求項
1に記載の
方法。
【請求項3】
式(I)において、二価の基Yが、式(II’
a1):
-NH-CH
2-C(=O)- (II’
a1)
の二価の基を表すことを特徴とする、請求項
2に記載の
方法。
【請求項4】
式(I)及び(V)において、一価の基X-(CH
2)
p-C(=O)-が、オクタノイル基を表すことを特徴とする、請求項
3に記載の
方法。
【請求項5】
式(I)及び(V)において、一価の基X-(CH
2)
p-C(=O)-が10-ウンデシレノイル基を表し、且つYが式(II
a2):
-[NH-CH(ベンジル)-C(=O)-]
m- (II
a2)
の二価の基を表すことを特徴とする、請求項
1に記載の
方法。
【請求項6】
5質量%以上且つ30質量%以下の質量比率の式(I’)の化合物又は式(I’)の化合物の混合物:
X-[CH
2]
p-C(=O)-Y-O
-M
+ (I’)
(式中、Xはメチル
基を表し、pは5以上且つ12以下の整数を表し、M
+はナトリウムカチオンを表し、Yは式(II
a):
-[N(R
3)-CH(R
2)-C(=O)-]
m- (II
a)
(式中、R
3は水素原子又はメチル基を表し、mは1以上且つ4以下の整数を表し、且つR
2は水素原子若しくはメチル、イソプロピル、イソブチル、1-メチルプロピル、ベンジル及び3-アミノプロピル基から選択される基を表す)の二価の
基を表
す;
(b)- 5質量%超且つ30質量%以下の質量比率の
、1,2-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール又は2-メチル-2,4-ペンタンジオールから選択されるジオール;
(d)- 40質量%超且つ90質量%未満の質量比率の水
を含む局所的な使用のための化粧用、皮膚化粧用、皮膚医薬又は医薬組成物(C)を調製するための方法であって、
前記組成物(C)のpHが、9以下且つ5.5以上であ
り、
前記方法が、それが、工程h)この間、上で定義されるとおりの比率及びpH値に達するまで、水酸化ナトリウム水溶液及び水中の必要量
の前記ジオールを、請求項1~
5のいずれか一項に定義されるとおりの
方法に従って調製された組成物(C
1)に同時又は連続的に加えることを含むことを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用される出発材料の高度な変換を有する、(オリゴ)ペプチドの又は部分的な若しくは全タンパク質加水分解物のアミノ酸のN-アシル誘導体を調製するための新規な方法に関する。本発明はまた、局所的な使用又は産業用界面活性組成物のための化粧用又は医薬組成物を調製するために得られたこれらのN-アシル化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
リポアミノ酸(LAA)としても知られるN-アシルアミノ酸誘導体は、少なくとも1つのアミノ酸の残基、又は(オリゴ)ペプチドの残基、又は部分的な又は全タンパク質加水分解物の残基に由来する極性の頭部によって形成されるアニオン性界面活性剤であり、脂肪酸塩化物又は脂肪酸メチルエステルに由来する親油性の炭化水素系鎖によって形成され、それら自体が油脂化学に由来する。
【0003】
(オリゴ)ペプチドの又は部分的な若しくは全タンパク質加水分解物のアミノ酸のこれらのN-アシル誘導体は、まず第一に、例えば、シャワージェル又はシャンプーなどの化粧用組成物の調製のための起泡及び洗浄特性に寄与する成分として、又は見苦しい皮膚効果を予防又は修正することを意図した化粧用組成物の調製のための生物学的特性に寄与する成分として、一般的に使用され;前記生物学的特性は、例えば、抗老化特性、痩身特性、引き締め特性、脱色特性又は脱色促進特性である。
【0004】
(オリゴ)ペプチドの又は部分的な若しくは全タンパク質加水分解物のアミノ酸のN-アシル誘導体は一般に、ショッテン-バウマン条件として知られる実験条件下にて、酸塩化物の存在下で1つ以上アミノ酸のアシル化によって合成される。
【0005】
そのような方法は、例えば、米国特許第2,463,779号明細書及び米国特許第6,703,517号明細書、論文J.Am.Oil Chem.Soc.78(1956)172、並びに国際公開第92/21318号パンフレット及び国際公開第94/26694号パンフレットの下で公開された国際出願において開示される。
【0006】
このアシル化法は、アミノ酸の塩化の先行段階に続く酸塩化物とのアミノ酸塩のアシル化の段階、その後の得られたN-アシル塩の酸性化を含む。
【0007】
第1段階は、水又は水と有機共溶媒の混合物中で予め溶解したアミノ酸を、無機塩基、通常は水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液で中和することからなる。その際カルボキシル基はイオン化されているため、アミノ酸の水への溶解性の向上を可能にする。この水溶液のpHは、9.0と12.0の間であり、これにより、アミノ酸のアミン官能基がプロトン化されないことを確実にする。
【0008】
【0009】
第2段階は、適切なアシル化段階である。この段階で、酸塩化物は、周囲温度で中和されたアミノ酸溶液に徐々に加えられる。求核性アミン官能基は、カルボニル官能基の求電子性炭素を攻撃する。これが、2つの出発物質の間にアミド結合の形成をもたらし、且つ塩酸の形成ももたらす。この酸は、無機塩基の段階的な添加によってその場で直接的に中和される(約10.0におけるpHの調節)。
【0010】
【0011】
この段階で、石鹸をもたらす酸塩化物の加水分解の副反応も起こり得る。しかしながら、それは、石鹸(又は脂肪酸塩)の過剰な含有量が、反応媒体の相分離及び/又は臭気又は毒性の問題(例えば、C8及びC’11アシル鎖に関する)を誘発する可能性があるため、アミノ酸のそのN-アシル誘導体への良好な変換を達成し、且つ効率的にそれらを単離するために最小化されなければならない。
【0012】
石鹸の形成を制御することを可能にする2つの主要な反応パラメータは、最適化することで塩化物の媒体との接触表面積を改善することが可能になる反応段階中の撹拌速度、及びアミノ酸の溶解の段階中の、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、イソプロパノール又はグリコールなどのアシル化共溶媒の任意選択の添加である。
【0013】
このように共溶媒を添加することにより、酸塩化物の反応媒体に対する親和性を向上させることが可能になる。このような場合、アシル化共溶媒は、この同じ共溶媒と酸塩化物との反応に起因する新たな副生成物、例えば、エステル化副反応に由来する副生成物の形成を回避するか又は最小化するように慎重に選択されなければならない。
【0014】
【0015】
最終段階は、形成されたN-アシル誘導体に形を与える仕上げ段階からなり、2つの選択肢が可能である。
【0016】
第一は、得られた反応媒体のpH値を約7に調整することからなる。N-アシル誘導体は、追加の精製を行うことなく溶液のまま単離され、アシル化塩、未反応アミノ酸、及び任意選択の共溶媒を含む。したがって、それは、水溶液中で、一般的に50%未満の純度で、塩化形態、より正確にはカルボン酸塩形態である。
【0017】
【0018】
第二は、反応混合物を2の範囲のpH値に酸性化することによってN-アシル誘導体を沈殿させること、並びにその後、数回の濾過及び洗浄操作を実施し、最終的に得られた媒体を乾燥させることからなる。したがって、この手順により、アシル化反応中に生成した全ての塩、任意選択のアシル化共溶媒及び全ての未反応アミノ酸を除去することが可能になる。この場合、N-アシル誘導体は、カルボン酸官能基を有する非塩化形態であり、及び固体形態、より具体的には粉末形態であり、80%を超える純度を有する。
【0019】
【0020】
上記のショッテン-バウマン工程は、水を主成分として形成された溶媒媒体中で、求核性化合物及び官能基(例えば、アミン官能基)に対する酸塩化物の非常に高い反応性のため、実質的なエネルギー、例えば熱エネルギーなどの供給なしに、高い収率を有して、迅速な動態でN-アシル化反応を実施するという利点を示す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
しかしながら、現在では、化粧用製品の調合者は、最終製品を調製する際に、粉体の使用に関して困難に直面している。さらに、アシル基が12個未満の炭素原子を含有する残留脂肪酸は、それらが過剰量で存在するとき、皮膚刺激反応及び/又は不快な臭気を生成する可能性があり、化粧用組成物の調製における使用に不適合である。そのため、沈殿/濾過/乾燥の段階を伴わずに、塩化されたN-アシルアミノ酸の高純度の液体塩の直接的な合成のための方法を開発することが必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明者らは、最終希釈溶媒としても使用され得るアシル化共溶媒を用いてこの結果を得ることができることを見出したが、このような共溶媒はまた、アシル化段階中の脂肪酸の形成を制御及び/又は最小化することを可能にし、反応条件において酸塩化物との反応性が悪く、高温での簡単な液体/液体デカンテーションによりアシル化中に生成される塩の効果的な除去を可能にし、且つ最後に中性のpHを有する均質なN-アシルアミノ酸の溶液を得ることを可能にしなければならないことが理解されている。
【0023】
公開番号仏国追加特許公開第2765105A2号明細書の下で公開された仏国特許出願は、特に、未定義の量のプロピレングリコール(又は、1,2-プロパンジオール)、塩化ラウロイルを使用してN-アシルアミノ酸誘導体の混合物を調製するための方法を記載し、且つ最終生成物の15質量%の残留ラウリン酸含有量を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
そのため、第1の態様によれば、本発明の主題は、組成物(C1)であって、その質量の100%当たり、
(a)- 50質量%以上且つ95質量%以下、より特定すると60質量%以上且つ80質量%以下の質量比率の式(I)の化合物又は式(I)の化合物の混合物:
X-[CH2]p-C(=O)-Y-OH (I)
(式中、pは5以上且つ8以下の整数を表し、Yは式(IIa):
-[N(R3)-CH(R2)-C(=O)-]m- (IIa)
(式中、R3は水素原子又はメチル基を表し、mは1以上且つ4以下の整数を表し、且つR2は水素原子若しくはメチル、イソプロピル、イソブチル、1-メチルプロピル、ベンジル及び3-アミノプロピル基から選択される基を表す)の二価の基;又は式(IIb):
【0025】
【0026】
(式中、R4は水素原子又はヒドロキシル基を表し、且つnは1以上且つ4以下の整数を表す)の二価の基のいずれかを表し;且つXはメチル基若しくはメチレン基(CH2=)、又は式(III):
HO-Y’-C(=O)- (III)
(式中、Y’は以前に定義されるとおりの式(IIa)の二価の基、又は以前に定義されるとおりの式(IIb)の二価の基のいずれかを表す)の一価の基のいずれかを表し、Xが式(III)の基を表すとき、Y及びY’は同一であることが理解される);
(b)- 0質量%超且つ15質量%以下、より特定すると5質量%以上且つ10質量%以下の質量比率の3~8個の原子を含み、且つ式(IVa):
Ra
1-C(Rb
1)(OH)-C(OH)(Rc
1)(Rd
1) (IVa)
(式中、基Ra
1、Rb
1、Rc
1及びRd
1の各々は、互いに独立して、水素原子又は1~5個の炭素原子を含有する飽和脂肪族基を表す)、又は式(IVb):
Ra
1-C(Rb
1)(OH)-[C(Re
1)(Rf
1)]t-C(OH)(Rc
1)(Rd
1) (IVb)
(式中、tは1、2、又は3に等しく、基Ra
1、Rb
1、Rc
1、Rd
1、Re
1及びRf
1の各々は、互いに独立して、水素原子又は1~5個の炭素原子を含有する飽和脂肪族基を表す)のいずれかによって表されるジオールであって、基Ra
1若しくはRb
1の少なくとも1つ及び/又は基Rc
1若しくはRd
1の少なくとも1つが水素原子を表さないことが理解されるジオール;
(c)- 0質量%以上且つ5質量%以下、より特定すると0.5質量%以上且つ2.5質量%以下の質量比率の式(V)の化合物又は式(V)の化合物の混合物:
X-[CH2]p-C(=O)-OH (V)
(式中、Xはメチル基又はビニル基(CH2=CH-)を表し、pは5以上且つ8以下の整数を表す)、又は前記式(V)の化合物の混合物;及び
(d)- 0質量%超且つ50質量%未満、より特定すると10質量%以上且つ25質量%以下の質量比率の水
を含む組成物(C1)であり、
前記組成物のpHが、3以下、より特定すると2.0以下であることが理解される。
【0027】
1つの特定の態様によれば、本発明の主題は、式(I)及び(V)において、Xがメチル基を表し;この特定の態様によれば、式(I)及び(V)において、一価の基X-(CH2)p-C(=O)が、より具体的には、ヘプタノイル、オクタノイル、デカノイル又は10-ウンデシレノイル基から選択される基を表すことを特徴とする、上で定義されるとおりの組成物(C1)である。このより具体的な態様によれば、上で定義されるとおりの組成物(C1)は、最も具体的には、式(I)において、二価の基Yが、式(IIa1):
-[NH-CH(R2)-C(=O)-]m- (IIa1)
(式中、mは1以上且つ4以下の整数を表し、且つR2は水素原子又はメチル、イソプロピル、イソブチル、1-メチルプロピル、ベンジル若しくは3-アミノプロピル基から選択される基を表す)の二価の基;例えば、式(II’a1):
-NH-CH2-C(=O)- (II’a1)
の二価の基を表すことを特徴とし、
例えば、式(I)及び(V)において、一価の基X-(CH2)p-C(=O)-が、オクタノイル基を表すことを特徴とする、上で定義されるとおりの組成物(C1)である。
【0028】
別の特定の態様によれば、上で定義されるとおりの組成物(C1)は、式(I)及び(V)において、一価の基X-(CH2)p-C(=O)-が10-ウンデシレノイル基を表し、且つYが式(IIa2):
-[NH-CH(ベンジル)-C(=O)-]m- (IIa2)
の二価の基を表すことを特徴とする。
【0029】
表現「3~8個の原子を含み、且つ式(IVa)又は式(IVb)のいずれかによって表されるジオール」は、特に、上で定義されるとおりの組成物(C1)において、1,2-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、2,3-ペンタンジオール、2,3-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール又は2-メチル2,4-ペンタンジオール;及びより具体的には、1,2-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、又は2-メチル2,4-ペンタンジオールを意味する。
【0030】
本発明の主題はまた、以前に定義されるとおりの組成物(C1)を調製するための方法であって、以下の連続的な工程:
- 工程a)この間、3~8個の原子を含み、且つ式(IVa)又は式(IVb)のいずれかによって表される前記ジオールを水と混合して、質量の100%当たり、式(IVa)又は式(IVb)の前記隣接ジオールを5質量%~70質量%、より特定すると5質量%~30質量%、及び水を30質量%~95質量%、より特定すると70質量%~95質量%含む混合物(S1)を形成し;
- 工程b)この間、式(VIa):
【0031】
【0032】
若しくは式(VIb):
【0033】
【0034】
の化合物、又は式(VIa)若しくは式(VIb)の少なくとも1つの化合物と式(VIa)若しくは式(VIb)の少なくとも1つの他の化合物の混合物を、得られる混合物(M1)が、質量の100%当たり、式(IVa)若しくは式(IVb)の前記化合物又は式(VIa)及び/若しくは式(VIb)の化合物の前記混合物を5質量%~50質量%、より特定すると5質量%~30質量%、並びに前記混合物(S1)を50質量%~95質量%、より特定すると50質量%~70質量%含有するような比率で前記混合物(S1)に加え;
- 工程c)この間、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを前記混合物(M1)に加えて、9以上のpH、より特定すると9.5以上のpHを有する混合物(M2)を形成し;
- 工程d)この間、0.7~1.0モル当量、より特定すると0.8~0.9モル当量の式(VII):
X-[CH2]p-C(=O)-Cl (VII)
の酸塩化物(式中、X及びpは、上の式(I)において定義されるとおりである)、又は式(VII)の酸塩化物の混合物を、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムをともに加えることによって9以上の値、より特定すると9.5以上の値でpHを維持しながら前記混合物(M2)に注ぎ、とうがい前記工程e)が混合物(M3)の形成をもたらし;
- 工程e)この間、前記混合物(M3)を、3以下、より特定すると2.5以下のpH値に達するまで酸性化し;
- 工程f)母液を除去するためのデカンテーション;
- 必要である場合又は必要に応じて、デカンテーション後に所望の前記組成物を得るために塩水で洗浄する少なくとも1回の工程g)
を含むことを特徴とする方法である。
【0035】
上で定義されるとおりの方法の工程a)は一般に、周囲温度で実施される。その特定の態様によれば、3~8個の原子を含み、且つ式(IVa)又は式(IVb)のいずれかによって表される前記ジオールを水と混合して、質量の100%当たり、式(IVa)又は式(IVb)の前記隣接ジオールを10質量%~20質量%、及び水を80質量%~90質量%含む混合物(S1)を形成する。
【0036】
上で定義されるとおりの方法の工程b)は一般に、周囲温度で実施される。その特定の態様によれば、式(IVa)若しくは式(IVb)の前記化合物、又は式(IVa)若しくは式(IVb)の少なくとも1つの化合物と式(IVa)若しくは式(IVb)の少なくとも1つの他の化合物の前記混合物を、得られる混合物(M1)が、質量の100%当たり、式(IVa)若しくは式(IVb)の前記化合物又は式(IVa)及び/若しくは式(IVb)の化合物の前記混合物を10質量%~25質量%、並びに前記混合物(S1)を75質量%~90質量%含有するような比率で前記混合物(S1)に加える。
【0037】
上で定義されるとおりの方法の工程d)は一般に、式(VII)の酸塩化物又は式(VII)の酸塩化物の混合物を、10℃~40℃の間の範囲に反応温度を維持しながら前記混合物(M2)に徐々に注ぎ;続いて40℃~60℃の間の温度でおよそ30分間反応を進めたままにすることによって実施される。
【0038】
上で定義されるとおりの方法の工程f)は一般に、40℃~60℃の間の範囲に反応温度を維持することによって実施される。
【0039】
本発明の主題はまた、5質量%以上且つ30質量%以下の質量比率の式(I’)の化合物又は式(I’)の化合物の混合物:
X-[CH2]p-C(=O)-Y-O-M+ (I’)
(式中、pは5以上且つ8以下の整数を表し、M+はナトリウムカチオンを表し、Yは式(IIa):
-[N(R3)-CH(R2)-C(=O)-]m- (IIa)
(式中、R3は水素原子又はメチル基を表し、mは1以上且つ4以下の整数を表し、且つR2は水素原子若しくはメチル、イソプロピル、イソブチル、1-メチルプロピル、ベンジル及び3-アミノプロピル基から選択される基を表す)の二価の基;又は式(IIb):
【0040】
【0041】
(式中、R4は水素原子又はヒドロキシル基を表し、且つnは1以上且つ4以下の整数を表す)の二価の基のいずれかを表し;且つXはメチル基若しくはメチレン基(CH2=)、又は式(III):
HO-Y’-C(=O)- (III)
(式中、Y’は上で定義されるとおりの式(IIa)の二価の基、又は以前に定義されるとおりの式(IIb)の二価の基のいずれかを表す)の一価の基のいずれかを表し、Xが式(III)の基を表すとき、Y及びY’は同一であることが理解される);
(b)- 5質量%超且つ30質量%以下の質量比率の3~8個の原子を含み、且つ式(IVa):
Ra
1-C(Rb
1)(OH)-C(OH)(Rc
1)(Rd
1) (IVa)
(式中、基Ra
1、Rb
1、Rc
1及びRd
1の各々は、互いに独立して、水素原子又は1~5個の炭素原子を含有する飽和脂肪族基を表す)、又は式(IVb):
Ra
1-C(Rb
1)(OH)-[C(Re
1)(Rf
1)]t-C(OH)(Rc
1)(Rd
1) (IVb)
(式中、tは1、2、又は3に等しく、基Ra
1、Rb
1、Rc
1、Rd
1、Re
1及びRf
1の各々は、互いに独立して、水素原子又は1~5個の炭素原子を含有する飽和脂肪族基を表す)のいずれかによって表されるジオールであって、基Ra
1若しくはRb
1の少なくとも1つ及び基Rc
1若しくはRd
1の少なくとも1つが水素原子を表さないことが理解されるジオール;
(d)- 40質量%超且つ90質量%未満の質量比率の水
を含む局所的な使用のための化粧用、皮膚化粧用、皮膚医薬又は医薬組成物(C)を調製するための方法であって、
前記組成物(C)のpHが、9以下且つ5.5以上であることが理解され、
前記方法は、それが、工程h)この間、上で定義されるとおりの比率及びpH値に達するまで、水酸化ナトリウム水溶液及び水中の必要量の式(IVa)又は式(IVb)のジオールを、請求項1~7のいずれか一項に定義されるとおりの組成物(C1)に同時又は連続的に加えることを含むことを特徴とする。
【0042】
上で定義されるとおりの方法によって得られる前記局所的な使用のための化粧用、皮膚化粧用、皮膚医薬又は医薬組成物(C)の定義において使用される表現「局所的な使用のための」は、それが化粧用、皮膚化粧用、皮膚医薬又は医薬組成物の場合の直接的な適用、又は例えば、織物若しくはペーパーワイプの形態の身体衛生用製品、又は皮膚若しくは粘膜と接触することが意図される衛生上の製品の場合の間接的な適用であろうとなかろうと、前記組成物が、皮膚、毛髪、頭皮又は粘膜への適用によって利用されることを意味する。
【0043】
上で定義されるとおりの方法によって得られる局所的な使用のための化粧用、皮膚化粧用、皮膚医薬又は医薬組成物(C)は、エアロゾルデバイス若しくは「ポンプ作用スプレー」型のデバイス内、穿孔された壁、例えば、グリルを備えたデバイス内、又はボールアプリケーター(「ロールオン」として知られる)を備えたデバイス内に加圧された形態で包装され得る。それが小瓶に包装されるとき、前記組成物(C)は、機械式加圧デバイス又は高圧ガスデバイスによって微細な液滴の形態で適用され得る。本発明による組成物(C)と組み合わされ得る噴霧剤は、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジフルオロエタン、イソブタン、ブタン及びプロパンなどのフッ化水素化合物である。
【0044】
上で定義されるとおりの方法によって得られる前記組成物(C)はまた、局所的な使用のための製剤、特に、化粧用、皮膚化粧用、医薬又は皮膚医薬製剤の分野において一般的に使用される賦形剤及び/又は有効成分を含有し得る。
【0045】
そのような賦形剤は、例えば、起泡及び/又は洗浄性界面活性剤、増粘及び/又はゲル化界面活性剤、増粘剤及び/又はゲル化剤、安定剤、皮膜形成化合物、溶媒及び共溶媒、ハイドロトロピー剤、可塑剤、乳白剤、パール光沢剤、捕捉剤、キレート剤、抗酸化剤、芳香剤、精油、保存剤、コンデイショニング剤、視覚効果をもたらすか又はカプセル化活性剤のための粒子、剥離粒子、テクスチャリング剤、光学的増白剤である。
【0046】
そのような有効成分は、日焼け止め剤、無機充填剤又は顔料、防虫剤、脱臭剤又は体毛及び肌を脱色するための脱色剤などの、例えば、皮膚又は毛髪に対する処置及び/又は保護的作用をもたらすことが意図される。
【0047】
前記組成物(C)中に含まれ得る水溶性抗酸化剤としては、例えば、アスコルビン酸、グルタチオン、酒石酸及びシュウ酸、グルタミン酸二酢酸・四ナトリウムが挙げられる。
【0048】
前記組成物(C)中に含まれ得る水溶性補足剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)塩、例えば、EDTAのナトリウム塩、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)塩、例えば、DTPAのナトリウム塩、及びアセチルグルタミン酸(Dissolvineの範囲)が挙げられる。
【0049】
前記組成物(C)中に含まれ得る水溶性色素としては、例えば、カラメル、Yellow 5、Acid Blue 9/Blue 1、Green 5、Green 3/Fast Green FCF 3、Orange 4、Red 4/Food Red 1、Yellow 6、Acid Red 33/Food Red 12、Red 40、コチニールカルミン、(CI 15850、CI 75470)、Ext.Violet 2、Red 6-7、フェロシアン化鉄、ウルトラマリン、Acid Yellow 3/Yellow 10、Acid Blue 3 、Yellow 10が挙げられる。
【0050】
前記組成物(C)中に含まれ得る色安定化水溶性薬剤としては、例えば、トリス(テトラメチルヒドロキシピペリジノール)シトラート、ナトリウムベンゾトリアゾリルブチルフェノールスルホナート又はベンゾトリアゾリルドデシルp-クレゾールが挙げられる。
【0051】
前記組成物(C)中に任意選択的に存在する起泡及び/又は洗浄性界面活性剤の例としては、この活動分野で一般的に使用される局所的に許容されるアニオン性、カチオン性、両性若しくは非イオン性起泡及び/又は洗浄性界面活性剤が挙げられ得る。
【0052】
前記組成物(C)中に含まれ得る起泡及び/又は洗浄性アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルエーテルスルファート、アルキルスルファート、アルキルアミドエーテルスルファート、アルキルアリールポリエーテルスルファート、モノグリセリドスルファート、アルファ-オレフィンスルホナート、パラフィンスルホナート、アルキルホスファート、アルキルエーテルホスファート、アルキルスルホナート、アルキルアミドスルホナート、アルキルアリールスルホナート、アルキルカルボキシラート、アルキルスルホサクシナート、アルキルエーテルスルホサクシナート、アルキルアミドスルホサクシナート、アルキルスルホアセテート、アルキルサルコシナート、アシルイセチオナート、N-アシルタウラート、アシルラクチラート、N-アシルアミノ酸誘導体、N-アシルペプチド誘導体、N-アシルタンパク質誘導体及び脂肪酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、アミノアルコール塩が挙げられる。
【0053】
前記組成物(C)中に任意選択的に存在する起泡及び/又は洗浄性両性界面活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、スルタイン、アルキルアミドアルキルスルホベタイン、イミダゾリン誘導体、ホスホベタイン、両性ポリアセタート及び両性プロピオナートが挙げられ得る。
【0054】
前記組成物(C)中に任意選択的に存在する起泡及び/又は洗浄性カチオン性界面活性剤としては、特に第四級アンモニウム誘導体が挙げられ得る。
【0055】
前記組成物(C)中に任意選択的に存在する起泡及び/又は洗浄性非イオン性界面活性剤としては、より具体的には、直鎖状又は分枝状、飽和又は不飽和脂肪族基を含有し、且つ8~12個の炭素原子を含有するアルキルポリグリコシド;ヒマシ油誘導体、ポリソルベート、ヤシ仁アミド及びN-アルキルアミンが挙げられ得る。
【0056】
前記組成物(C)中に任意選択的に存在するテクスチャリング剤の例としては、N-アシルアミノ酸誘導体、例えば、AMINOHOPE(商標)LLの名称で販売されているラウロイルリジン、DRYFLO(商標)の名称で販売されているオクテニルコハク酸デンプン、MONTANOV 14の名称で販売されているミリスチルポリグルコシド、セルロース繊維、綿繊維、キトサン繊維、タルク、絹雲母、雲母及びパーライトが挙げられ得る。
【0057】
前記組成物(C)中に任意選択的に存在する有効成分の例としては:
- ビタミン及びその誘導体、例えば、レチノール(ビタミンA)及びそのエステル(例えば、パルミチン酸レチニル)、塩形態のアスコルビン酸(ビタミンC)及びそのエステル、アスコルビン酸の糖誘導体(例えば、アスコルビルグルコシド)、トコフェロール(ビタミンE)及びそのエステル(例えば、酢酸トコフェリル)、ビタミンB3又はB10(ナイアシンアミド及びその誘導体);
- 皮膚に対する明白化又は脱色作用を有する化合物、例えば、SEPIWHITE(商標)MSH、アルブチン、コウジ酸、ヒドロキノン、VEGEWHITE(商標)、GATULINE(商標)、SYNERLIGHT(商標)、BIOWHITE(商標)、PHYTOLIGHT(商標)、DERMALIGHT(商標)、CLARISKIN(商標)、MELASLOW(商標)、DERMAWHITE(商標)、ETHIOLINE、MELAREST(商標)、GIGAWHITE(商標)、ALBATINE(商標)及びLUMISKIN(商標);
- SEPICALM(商標)S、アラントイン及びビサボロールなどの鎮静作用を有する化合物;
- 抗炎症剤;
- 加湿作用を有する化合物、例えば、ジグリセロール、トリグリセロール、尿素、ヒドロキシ尿素、グリセリルグルコシド、ジグリセリルグルコシド、ポリグリセリルグルコシド、エリスリチルグルコシド、ソルビチルグルコシド、キシリチルグルコシド、AQUAXYL(商標)の商標で販売されている組成物(キシリチルグルコシド、無水キシリトール及びキシリトールを含む);
- 痩身又は脂肪分解作用を有する化合物、例えば、カフェイン又はその誘導体、ADIPOSLIM(商標)及びADIPOLESS(商標);
- タンニン、ポリフェノール及び/又はイソフラボンに富んだ植物抽出物、例えば、ブドウ抽出物、マツ抽出物、ワイン抽出物、オリーブ抽出物;大豆抽出物、例えば、Raffermine(商標);小麦抽出物、例えば、TENSINE(商標)又はGLIADINE(商標);テルペンに富んだ植物抽出物;淡水若しくは海水藻類抽出物;一般にサンゴなどの海洋抽出物;
- 抗菌作用又は浄化作用を有する化合物、例えば、LIPACIDE(商標)C8G、LIPACIDE(商標)UG、SEPICONTROL(商標)A5;OCTOPIROX(商標)又はSENSIVA(商標)SC50;
- 賦活又は刺激特性を有する化合物、例えば、Physiogenyl(商標)、パンテノール及びSEPICAP(商標)MPなどのその誘導体;
- 抗老化活性剤、例えば、SEPILIFT(商標)DPHP、LIPACIDE(商標)PVB、SEPIVINOL(商標)、SEPIVITAL(商標)、MANOLIVA(商標)、PHYTO-AGE(商標)、TIMECODE(商標);SURVICODE(商標);
- 抗光老化活性剤;
- 細胞外マトリクス成分の合成を増大する活性剤、例えば、コラーゲン、エラスチン及びグリコサミノグリカン;
- サイトカインなどの化学的な細胞性の伝達に対して有利に作用する活性剤、又はインテグリンなどの物理的な細胞性の伝達に対して有利に作用する活性剤;
- 皮膚に対して「温」感をもたらす活性剤、例えば、皮膚毛細血管循環活性剤(例えば、ニコチン酸誘導体)又は皮膚に対して「清涼」感をもたらす製品(例えば、メントール及びその誘導体);
- 皮膚毛細血管循環を改善する活性剤、例えば、静脈治療薬;排出活性剤;充血除去活性剤、例えば、イチョウ(Ginkgo biloba)、アイビー、セイヨウトチノキ、タケ、ナギイカダ属(ruscus)、ナギイカダ、ツボクサ(Centella asiatica)、ヒバマタ属(fucus)、ローズマリー又はヤナギの抽出物;
- 皮膚緊張剤として作用する活性剤、例えば、植物タンパク質加水分解物、海洋起源の加水分解物、例えば、コンブ抽出物の加水分解物、魚類軟骨加水分解物、海洋エラスチン、SESAFLASH(登録商標)の商標でSEPPIC社によって販売されている製品、又はコラーゲン溶液;
- 皮膚日焼け剤又は褐変剤、例えば、ジヒドロキシアセトン、イサチン、アロキサン、ニンヒドリン、グリセルアルデヒド、メソ酒石酸アルデヒド、グルタルアルデヒド又はエリトルロース
が挙げられる。
【0058】
前記組成物(C)中に任意選択的に存在する脱臭剤の例としては、アルカリ金属ケイ酸塩、亜鉛塩、例えば硫酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、塩化亜鉛又は乳酸亜鉛;第四級アンモニウム塩、例えばセチルトリメチルアンモニウム塩又はセチルピリジニウム塩;グリセロール誘導体、例えばカプリン酸グリセリル、カプリル酸グリセリル又はカプリン酸ポリグリセリル;1,2-デカンジオール、1,3-プロパンジオール、サリチル酸、炭酸水素ナトリウム、シクロデキストリン、金属ゼオライト、Triclosan(商標)、アルミニウムホウ素水和物、アルミニウムクロロハイドレート、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、アルミニウムジルコニウムクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムトリクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムペンタクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムオクタクロロハイドレート、硫酸アルミニウム、乳酸アルミニウムナトリウム、アルミニウムクロロハイドレートとグリコールとの錯体、例えばアルミニウムクロロハイドレートとプロピレングリコールとの錯体、アルミニウムジクロロハイドレートとプロピレングリコールとの錯体、アルミニウムセスキクロロハイドレートとプロピレングリコールの錯体、アルミニウムクロロハイドレートとポリエチレングリコールの錯体、アルミニウムジクロロハイドレートとポリエチレングリコールの錯体、又はアルミニウムセスキクロロハイドレートとポリエチレングリコールの錯体が挙げられ得る。
【0059】
前記組成物(C)中に任意選択的に存在する増粘剤及び/又はゲル化剤の例としては、高分子電解質型の直鎖状又は分岐状又は架橋ポリマー、例えば、部分的に又は全体的に塩化されたアクリル酸ホモポリマー、部分的に又は全体的に塩化されたメタクリル酸ホモポリマー、部分的に又は全体的に塩化された2-メチル-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸(AMPS)ホモポリマー、アクリル酸及びAMPSのコポリマー、アクリルアミド及びAMPSのコポリマー、ビニルピロリドン及びAMPSのコポリマー、AMPS及びアクリル酸(2-ヒドロキシエチル)のコポリマー、AMPS及びメタクリル酸(2-ヒドロキシエチル)のコポリマー、AMPS及びヒドロキシエチルアクリルアミドのコポリマー、AMPS及びN,N-ジメチルアクリルアミドのコポリマー、AMPS及びトリス(ヒドロキシメチル)アクリルアミドメタン(THAM)のコポリマー、アクリル酸又はメタクリル酸及びアクリル酸(2-ヒドロキシエチル)のコポリマー、アクリル酸又はメタクリル酸及びメタクリル酸(2-ヒドロキシエチル)のコポリマー、アクリル酸又はメタクリル酸及びヒドロキシエチルアクリルアミドのコポリマー、アクリル酸又はメタクリル酸及びTHAMのコポリマー、アクリル酸又はメタクリル酸及びN,N-ジメチルアクリルアミドのコポリマー、アクリル酸又はメタクリル酸、AMPS及びアクリル酸(2-ヒドロキシエチル)のターポリマー、アクリル酸又はメタクリル酸、AMPS及びメタクリル酸(2-ヒドロキシエチル)のターポリマー、アクリル酸又はメタクリル酸、AMPS及びTHAMのターポリマー、アクリル酸又はメタクリル酸、AMPS及びN,N-ジメチルアクリルアミドのターポリマー、アクリル酸又はメタクリル酸、AMPS及びアクリルアミドのターポリマー、アクリル酸又はメタクリル酸及び炭素系鎖が4~30個の炭素原子を含み、より具体的には10~30個の炭素原子を含むアクリル酸アルキルのコポリマー、AMPS及び炭素系鎖が4~30個の炭素原子を含み、より具体的には10~30個の炭素原子を含むアクリル酸アルキルのコポリマー、遊離の部分的又は全体的に塩化された強酸官能基を有する少なくとも1つのモノマーと、少なくとも1つの中性モノマーと、式(VIII):
CH2=C(R’3)-C(=O)-[CH2-CH2-O]n-R’4 (VIII)
(式中、R’3は水素原子又はメチル基を表し、R’4は8~30個の炭素原子を含有する直鎖状又は分岐状のアルキル基を表し、nは1以上且つ50以下の数字を表す)の少なくとも1つのモノマーとの直鎖状、分岐状又は架橋ターポリマーが挙げられ得る。
【0060】
前記組成物(C)中に含まれ得る高分子電解質型の直鎖状又は分岐状又は架橋ポリマーは、溶液、水性懸濁液、油中水型エマルジョン、水中油型エマルジョン、粉末の形態で存在してもよく、例えば、名称SIMULE(商標)EG、SIMULGEL(商標)EPG、SEPIGEL(商標)305、SIMULGEL(商標)600、SIMULGEL(商標)NS、SIMULGEL(商標)INS 100、SIMULGEL(商標)FL、SIMULGEL(商標)A、SIMULGEL(商標)SMS 88、SEPINOV(商標)EMT 10、SEPIPLUS(商標)400、SEPIPLUS(商標)265、SEPIPLUS(商標)S、SEPIMAX(商標)ZEN、ARISTOFLEX(商標)AVC、ARISTOFLEX(商標)AVS、NOVEMER(商標)EC-1、NOVEMER(商標)EC 2、ARISTOFLEX(商標)HMB、COSMEDIA(商標)SP、FLOCARE(商標)ET 25、FLOCARE(商標)ET 75、FLOCARE(商標)ET 26、FLOCARE(商標)ET 30、FLOCARE(商標)ET 58、FLOCARE(商標)PSD 30、VISCOLAM(商標)AT 64及びVISCOLAM(商標)AT 100で販売されている製品;グルカン又はグルコースホモポリマーなどの、単糖類のみから構成される多糖類、グルコマンノグルカン、キシログリカン、D-マンノースの主鎖上のD-ガラクトース単位の置換度(DS)が0~1の間、より具体的には1~0.25の間にあるガラクトマンナン、例えば、カシアガム(DS=1/5)、イナゴマメガム(DS=1/4)、タラガム(DS=1/3)、グアーガム(DS=1/2)又はコロハガム(DS=1)由来のガラクトマンナン;単糖類誘導体から構成される多糖類、例えば、硫酸ガラクタン及びより具体的にはカラゲナン及び寒天、ウロナン及びより具体的にはアルギン、アルギナート及びペクチン、単糖類のヘテロポリマー及びウロン酸のヘテロポリマー並びにより具体的にはキサンタンガム、ゲランガム、アラビアゴム滲出液及びカラヤガム滲出液、グルコサミノグリカン;セルロース、セルロース誘導体、例えば、メチル-セルロース、エチル-セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ケイ酸塩、デンプン、親水性デンプン誘導体、ポリウレタンである。
【0061】
前記組成物(C)中に存在し得る油の例としては、鉱油、例えば、流動パラフィン、流動ワセリン、イソパラフィン又は白色鉱油;動物由来の油、例えば、スクアレン又はスクアラン;植物油、例えば、植物スクアラン、スイートアーモンド油、ヤシ仁油、ヒマシ油、ホホバ油、オリーブ油、菜種油、ピーナッツ油、ヒマワリ油、コムギ胚芽油、トウモロコシ胚芽油、大豆油、綿実油、アルファルファ油、ケシ油、カボチャ油、月見草油、キビ油、オオムギ油、ライムギ油、紅花油、ククイ油、トケイソウ油、ヘーゼルナッツ油、パーム油、シヤ脂、杏仁油、コリアンダー種子油、ブナ油、美葉油、シシンブリウム油、アボカド油、カレンデュラ油、花由来又は野菜由来の油、植物油のエトキシ化物;合成油、例えば、脂肪酸エステル、例えば、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸プロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ヘキサデシル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸ドデシル、ラウリン酸ヘキシル、ジカプリル酸プロピレングリコール、ラノリン酸由来エステル、例えば、ラノリン酸イソプロピル、ラノリン酸イソセチル、脂肪酸モノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリド、例えば、トリヘプタン酸グリセリル、安息香酸アルキル、硬化油、ポリ(アルファ-オレフィン)、ポリオレフィン、例えば、ポリ(イソブタン)、合成イソアルカン、例えば、イソヘキサデカン、イソドデカン、パーフルオロ化油;シリコーン油、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アミンで修飾されたシリコーン、脂肪酸で修飾されたシリコーン、アルコールで修飾されたシリコーン、アルコール及び脂肪酸で修飾されたシリコーン、ポリエーテル基で修飾されたシリコーン、エポキシ修飾シリコーン、フッ素基で修飾されたシリコーン、環状シリコーン及びアルキル基で修飾されたシリコーンが挙げられ得る。本特許出願において、用語「油」は、水に不溶であり、25℃の温度で液体の外観を有する化合物及び/又は化合物の混合物を指す。
【0062】
前記組成物(C)中に任意選択的に存在する蝋の例としては、蜜蝋、カルナウバ蝋、カンデリラ蝋、オウリカリ蝋、木蝋、コルク繊維蝋、サトウキビ蝋、パラフィン蝋、亜炭蝋、微晶蝋、ラノリン蝋;オゾケライト;ポリエチレン蝋;シリコーン蝋;植物蝋;周囲温度で固体の脂肪アルコール及び脂肪酸;周囲温度で固体のグリセリドが挙げられ得る。本特許出願において、用語「蝋」は、水に不溶であり、45℃以上の温度で固体の外観を有する化合物及び/又は化合物の混合物を指す。
【0063】
前記組成物(C)に含まれ得る乳化非イオン性界面活性剤の例としては、ソルビトールの脂肪酸エステル、例えば、MONTANE(商標)40、MONTANE(商標)60、MONTANE(商標)70、MONTANE(商標)80及びMONTANE(商標)85の名称で販売されている製品;ステアリン酸グリセリル及び5mol~150molのエチレンオキシドでエトキシ化されたステアリン酸を含む組成物、例えば、SIMULSOL(商標)165の名称で販売されている、135molのエチレンオキシドでエトキシ化されたステアリン酸及びステアリン酸グリセリルを含む組成物;マンニタンエステル;エトキシ化マンニタンエステル;ショ糖エステル;メチルグルコシドエステル;14~36個の炭素原子を含有する直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和脂肪族基を含有するアルキルポリグリコシド、例えば、テトラデシルポリグルコシド、ヘキサデシルポリグルコシド、オクタデシルポリグルコシド、ヘキサデシルポリキシロシド、オクタデシルポリキシロシド、エイコシルポリグルコシド、ドデコシルポリグルコシド、(2-オクチルドデシル)ポリキシロシド、(12-ヒドロキシステアリル)ポリグルコシド;14~36個の炭素原子を含有する直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和脂肪アルコール及び上述のアルキルポリグリコシドの組成物、例えば、MONTANOV(商標)68、MONTANOV(商標)14、MONTANOV(商標)82、MONTANOV(商標)202、MONTANOV(商標)S、MONTANOV(商標)WO18、MONTANOV(商標)L、FLUIDANOV(商標)20X及びEASYNOV(商標)の商品名で販売されている組成物が挙げられ得る。
【0064】
前記組成物(C)中に任意選択的に存在する、日光からの紫外線照射に対して保護するための薬剤の例としては、顔料、有機日焼け止め剤及び無機日焼け止め剤が示される。
【0065】
前記組成物(C)中に任意選択的に存在する、日光からの紫外線照射に対して保護するための薬剤として使用される顔料としては、例えば、二酸化チタン、茶酸化鉄、黄酸化鉄、黒酸化鉄若しくは赤酸化鉄、或いはチタンマイカなどの白色若しくは有色パール光沢顔料がある。
【0066】
前記組成物(C)中に任意選択的に存在する、日光からの紫外線照射に対して保護するための薬剤として使用される有機日焼け止め剤としては、例えば:
- パラ-アミノ安息香酸(PABA)、特に、PABAのモノグリセリルエステル、N,N-プロポキシPABAのエチルエステル、N,N-ジエトキシPABAのエチルエステル、N,N-ジメチルPABAのエチルエステル、N,N-ジメチルPABAのメチルエステル、N,N-ジメチルPABAのブチルエステルなどの安息香酸誘導体の一群;
- アントラニル酸ホモメチル-N-アセチルなどのアントラニル酸誘導体の一群;
- サリチル酸アミル、サリチル酸ホモメチル、サリチル酸エチルヘキシル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸p-イソプロパノールフェニルなどのサリチル酸誘導体の一群;
- 桂皮酸エチルヘキシル、桂皮酸エチル-4-イソプロピル、桂皮酸メチル-2,5-ジイソプロピル、桂皮酸p-メトキシプロピル、桂皮酸p-メトキシイソプロピル、桂皮酸p-メトキシイソアミル、桂皮酸p-メトキシオクチル(桂皮酸p-メトキシ2-エチルヘキシル)、桂皮酸p-メトキシ2-エトキシエチル、桂皮酸p-メトキシシクロヘキシル、桂皮酸エチル-α-シアノ-β-フェニル、桂皮酸2-エチルヘキシル-α-シアノ-β-フェニル、桂皮酸グリセリルジ-パラ-メトキシモノ-2-エチルヘキサノイルなどの桂皮酸誘導体の一群;
- 2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4’-メチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸塩、4-フェニルベンゾフェノン、2-エチルヘキシル-4’-フェニルベンゾフェノン-2-カルボン酸塩、2-ヒドロキシ-4-n-オクチルオキシベンゾフェノン、4-ヒドロキシ-3-カルボキシベンゾフェノン;3-(4’-メチルベンジリデン)-d,l-カンファー、3-(ベンジリデン)-d,l-カンファー、ベンザルコニウムメトスルファートカンファー;ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルなどのベンゾフェノン誘導体の一群;
- 2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸及びその塩などのスルホン酸誘導体の一群;ヒドロキシフェニルトリアジン、エチルヘキシルオキシヒドロキシフェニル-4-メトキシフェニルトリアジン、2,4,6-トリアニリノ-(p-カルボ-2’-エチルヘキシル-1’-オキシ)-1,3,5-トリアジン、安息香酸の4,4-((6-(((1,1-ジメチルエチル)アミノ)カルボニル)フェニル)アミノ)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイルジイミノ)ビス(2-エチルヘキシル)エステル、2-フェニル-5-メチルベンゾキサゾール、2,2’-ヒドロキシ-5-メチルフェニルベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール;ジベンザジン;ジアニソイルメタン、4-メトキシ-4’’-t-ブチルベンゾイルメタン;5-(3,3-ジメチル-2-ノルボルニリデン)-3-ペンタン-2-オン;2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸ヘキシルエステル、2,4-ビス{[4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス[4-(2-エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン、2-エチルヘキシルジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸塩などのトリアジン誘導体の一群、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニル-2-プロペン酸塩又はエチル-2-シアノ-3,3-ジフェニル-2-プロペン酸塩などのジフェニルアクリル酸塩誘導体の一群;
- ベンジリデンシロキサンマロン酸塩などのポリシロキサンの一群がある。
【0067】
前記組成物(C)中に任意選択的に存在する、日光からの紫外線照射に対して保護するための薬剤として使用される無機日焼け止め剤としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、黄酸化鉄、赤酸化鉄又は黒酸化鉄、酸化クロムがある。これらの無機日焼け止め剤は、微粒子化されてもよいし、微粒子化されなくてもよいし、表面処理を受けてもよいし、表面処理を受けていなくてもよいし、且つ任意選択的に水性又は油性の前分散液の形態で存在してもよい。
【0068】
以下の実施例は、本発明を説明するが、それを限定するものではない。
【実施例】
【0069】
本発明による組成物(C1)の調製
一般的な手順は以下のとおりである:
・ 20質量%のグリココル(グリシン)の80質量%の水/ジオールの混合物(質量によって85/15)への周囲温度での機械的撹拌を伴う導入、
・ ~10のpHを得るための30%水酸化ナトリウムの添加、
・ 18~36℃の温度で30%の水酸化ナトリウムによりpHを~10に維持しながらの塩化オクタノイル(0.9モル当量)の漸進的な注入、
・ ~2のpHを得るための適量の37%塩酸による中断、
・ 60℃での母液の除去、
・ 5%塩水による洗浄、
・ 65℃でのデカンテーション及び除去。
【0070】
組成物(C1)の特徴は、下の表1において照合される。
【0071】
比較組成物(C21)の調製
・ 20質量%のグリココル(グリシン)の80質量%の水/ジオールの混合物(質量によって85/15)への周囲温度での機械的撹拌を伴う導入、
・ ~10のpHを得るための30%水酸化ナトリウムの添加、
・ 18~36℃の温度で30%の水酸化ナトリウムによりpHを~10に維持しながらの塩化ラウロイル(0.9モル当量)の漸進的な流入、
・ ~2のpHを得るための適量の37%塩酸による中断、
・ 60℃での母液の除去、
・ 5%塩水による洗浄、
・ 65℃でのデカンテーション及び除去。
【0072】
このようにして得られる組成物(C21)の特徴は、下の表2において照合される。
【0073】
比較組成物(C22)の調製
・ 20質量%のグリシン、L-アスパラギン酸、L-グルタミン酸及びL-アラニンの混合物(アミノ酸の前記混合物の100質量%当たり10%/35%/45%/10%のグリシン/L-アスパラギン酸/L-グルタミン酸/L-アラニンの質量比率)の80質量%の水/ジオールの混合物(質量によって85/15)への周囲温度での機械的撹拌を伴う導入、
・ ~10のpHを得るための30%水酸化ナトリウムの添加、
・ 18~36℃の温度で30%の水酸化ナトリウムによりpHを~10に維持しながらの塩化ラウロイル(0.9モル当量)の漸進的な流入、
・ ~2のpHを得るための適量の37%塩酸による中断、
・ 60℃での母液の除去、
・ 5%塩水による洗浄、
・ 65℃でのデカンテーション及び除去。
【0074】
このようにして得られる組成物(C22)の特徴は、下の表2において照合される。
【0075】
【0076】
【0077】
本発明の主題である組成物(C1A)、(C1B)及び(C1D)、(C1E)及び(C1G)の分析は、それらが、組成物(C1C)、(C1F)、(C21)及び(C22)と異なり副生成物を含有せず、それらの脂肪酸濃度が、組成物(C1C)、(C1H)、(C1F)、(C21)及び(C22)のものより低いことを明らかにする。