(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-04
(45)【発行日】2023-10-13
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/16 20120101AFI20231005BHJP
G06F 16/535 20190101ALI20231005BHJP
【FI】
G06Q50/16
G06F16/535
(21)【出願番号】P 2021185974
(22)【出願日】2021-11-15
【審査請求日】2022-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】香取 普施
(72)【発明者】
【氏名】平山 裕梨
(72)【発明者】
【氏名】檀上 周作
【審査官】毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/090678(WO,A1)
【文献】特開2020-039117(JP,A)
【文献】特開2003-256539(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0098618(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06F 16/535
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物件ごとに登録される画像のうち
ユーザが閲覧した対象物の異なる複数の画像の各々の対象物の共通点から、ユーザが閲覧した物件の画像の対象物の傾向を特定する特定部と、
特定された
物件の画像の対象物の傾向
に基づいて、物件を検索するための検索条件を生成する生成部と、
前記検索条件に応じた物件
のうち、前記傾向に応じた対象物の画像の審美性が高い物件をユーザに提示する提供部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記特定部は、ユーザが閲覧
した物件の画像の特徴を示すタグを集計し、
前記生成部は、前記タグの集計結果に基づいて、前記タグに該当する検索条件を生成し、
前記提供部は、前記検索条件に関連する物件を提示する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記特定部は、ユーザが閲覧した
物件の画像の審美スコアを特定し、
前記生成部は、前記審美スコアが所定の条件を満たす画像に基づいて、前記検索条件を生成する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記生成部は、ユーザが閲覧した物件の画像の対象物の傾向に基づいて、ユーザが興味を有する物件の特定の部分を推定し、推定された前記特定の部分が所定の条件を満たす物件を検索するための検索条件を生成する
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記生成部は、ユーザが閲覧した物件の画像の対象物から、ユーザが物件の外観に興味を持っていると推定される場合、外観の視覚的な態様に関する検索条件を生成する
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記生成部は、ユーザが閲覧した物件の画像の対象物から、ユーザが物件の水回りに興味を持っていると推定される場合、水回りに関する検索条件を生成する
ことを特徴とする請求項4又は5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記生成部は、ユーザが閲覧した物件の画像の対象物から、ユーザが物件の収納に興味を持っていると推定される場合、収納に関する検索条件を生成する
ことを特徴とする請求項4~6のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記提供部は、学習モデルを用いて前記検索条件に該当する物件の画像の審美スコアを出力する
ことを特徴とする請求項4~7のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項9】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
物件ごとに登録される画像のうち
ユーザが閲覧した対象物の異なる複数の画像の各々の対象物の共通点から、ユーザが閲覧した物件の画像の対象物の傾向を特定する特定工程と、
特定された
物件の画像の対象物の傾向
に基づいて、物件を検索するための検索条件を生成する生成工程と、
前記検索条件に応じた物件
のうち、前記傾向に応じた対象物の画像の審美性が高い物件をユーザに提示する提供工程と、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
物件ごとに登録される画像のうち
ユーザが閲覧した対象物の異なる複数の画像の各々の対象物の共通点から、ユーザが閲覧した物件の画像の対象物の傾向を特定する特定手順と、
特定された
物件の画像の対象物の傾向
に基づいて、物件を検索するための検索条件を生成する生成手順と、
前記検索条件に応じた物件
のうち、前記傾向に応じた対象物の画像の審美性が高い物件をユーザに提示する提供手順と、
をコンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像の内容に応じて、物件情報を好適に提供することを可能とする技術が開示されている(特許文献1参照)。また、画像の審美スコアを求める技術が開示されている(非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献】
【0004】
【文献】「綺麗」という感情、ついに数値化される。GoogleがAIを使った画像評価技術「NIMA」を発表 ギズモード・ジャパン<URL:https://www.gizmodo.jp/2017/12/google-nima.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の従来技術は、ユーザがより有益な情報を得るための検索を支援する点で改善の余地がある。そのため、よりユーザに有益な情報を提供できるような検索条件を創出したいという需要がある。
【0006】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、ユーザに有益な情報を提供するための検索条件を創出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に係る情報処理装置は、物件ごとに登録される画像のうちユーザが閲覧した対象物の異なる複数の画像の各々の対象物の共通点から、ユーザが閲覧した物件の画像の対象物の傾向を特定する特定部と、特定された物件の画像の対象物の傾向に基づいて、物件を検索するための検索条件を生成する生成部と、前記検索条件に応じた物件のうち、前記傾向に応じた対象物の画像の審美性が高い物件をユーザに提示する提供部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、ユーザに有益な情報を提供するための検索条件を創出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理方法の概要を示す説明図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る端末装置の構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る情報提供装置の構成例を示す図である。
【
図5】
図5は、利用者情報データベースの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、履歴情報データベースの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、物件画像情報データベースの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
〔1.情報処理方法の概要〕
まず、
図1を参照し、実施形態に係る情報処理装置が行う情報処理方法の概要について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理方法の概要を示す説明図である。なお、
図1では、ユーザが見ている画像の特徴を示すタグを集計して、集計結果に基づき該当する検索条件を生成してユーザにこだわり条件として提示する場合を例に挙げて説明する。
【0012】
図1に示すように、情報処理システム1は、端末装置10と情報提供装置100とを含む。端末装置10と情報提供装置100とは、ネットワークN(
図2参照)を介して有線又は無線で互いに通信可能に接続される。本実施形態では、端末装置10は、情報提供装置100と連携する。
【0013】
端末装置10は、利用者U(ユーザ)により使用されるスマートフォンやタブレット等のスマートデバイスであり、4G(Generation)やLTE(Long Term Evolution)等の無線通信網を介して任意のサーバ装置と通信を行うことができる携帯端末装置である。また、端末装置10は、液晶ディスプレイ等の画面であって、タッチパネルの機能を有する画面を有し、利用者Uから指やスタイラス等によりタップ操作、スライド操作、スクロール操作等、コンテンツ等の表示データに対する各種の操作を受付ける。なお、画面のうち、コンテンツが表示されている領域上で行われた操作を、コンテンツに対する操作としてもよい。また、端末装置10は、スマートデバイスのみならず、デスクトップPC(Personal Computer)やノートPC等の情報処理装置であってもよい。
【0014】
情報提供装置100は、各利用者Uの端末装置10と連携し、各利用者Uの端末装置10に対して、各種アプリケーション(以下、アプリ)等に対するAPI(Application Programming Interface)サービス等と、各種データを提供する情報処理装置であり、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。
【0015】
また、情報提供装置100は、各利用者Uの端末装置10に対して、オンラインで何らかのWebサービスを提供する情報処理装置であってもよい。例えば、情報提供装置100は、Webサービスとして、インターネット接続、検索サービス、SNS(Social Networking Service)、電子商取引(EC:Electronic Commerce)、電子決済、オンラインゲーム、オンラインバンキング、オンライントレーディング、宿泊・チケット予約、動画・音楽配信、ニュース、地図、ルート検索、経路案内、路線情報、運行情報、天気予報等のサービスを提供してもよい。実際には、情報提供装置100は、上記のようなWebサービスを提供する各種サーバと連携し、Webサービスを仲介してもよいし、Webサービスの処理を担当してもよい。
【0016】
なお、情報提供装置100は、利用者Uに関する利用者情報を取得可能である。例えば、情報提供装置100は、利用者Uの性別、年代、居住地域といった利用者Uの属性に関する情報を取得する。そして、情報提供装置100は、利用者Uを示す識別情報(利用者ID等)とともに利用者Uの属性に関する情報を記憶して管理する。
【0017】
また、情報提供装置100は、利用者Uの端末装置10から、あるいは利用者ID等に基づいて各種サーバ等から、利用者Uの行動を示す各種の履歴情報(ログデータ)を取得する。例えば、情報提供装置100は、利用者Uの位置や日時の履歴である位置履歴を端末装置10から取得する。また、情報提供装置100は、利用者Uが入力した検索クエリの履歴である検索履歴を検索サーバ(検索エンジン)から取得する。また、情報提供装置100は、利用者Uが閲覧したコンテンツの履歴である閲覧履歴をコンテンツサーバから取得する。また、情報提供装置100は、利用者Uの商品購入や決済処理の履歴である購入履歴(決済履歴)を電子商取引サーバや決済処理サーバから取得する。また、情報提供装置100は、利用者Uのマーケットプレイスへの出品の履歴である出品履歴や販売履歴を電子商取引サーバや決済サーバから取得してもよい。また、情報提供装置100は、利用者Uの投稿の履歴である投稿履歴を口コミの投稿サービスを提供する投稿サーバやSNSサーバから取得する。
【0018】
本実施形態では、情報提供装置100は、利用者Uが閲覧している物件の画像の解析結果から、従来とは異なる観点の検索条件(検索軸)を生成し、利用者Uのこだわり条件として、生成された検索条件に関連する物件をリスティングする物件として決定し、ユーザに提示する。このとき、情報提供装置100は、「外観が綺麗」、「水回りが綺麗」等の物件の画像の審美スコアに基づく物件リストを作成してもよい。
【0019】
例えば、
図1に示すように、情報提供装置100は、ネットワークN(
図2参照)を介して、利用者Uの端末装置10から、物件の画像の閲覧を受け付ける(ステップS1)。
【0020】
続いて、情報提供装置100は、利用者Uの閲覧している物件の画像の審美スコアを算出する(ステップS2)。
【0021】
続いて、情報提供装置100は、利用者Uの閲覧している物件の画像の特徴の共通性を推定する(ステップS3)。
【0022】
続いて、情報提供装置100は、画像の特徴の共通性に基づいて検索条件を生成する(ステップS4)。
【0023】
続いて、情報提供装置100は、検索条件に関連する物件をリスティングする物件として決定する(ステップS5)。
【0024】
続いて、情報提供装置100は、利用者Uの端末装置10に、決定された物件(リスティングされた物件)に関する情報を提示する(ステップS6)。
【0025】
〔1-1.閲覧画像に基づくこだわり条件アシスト〕
本実施形態では、情報提供装置100は、ユーザが見ている画像の特徴を示すタグ(又はラベル)を集計して、集計結果に基づき該当する検索条件を生成してユーザにこだわり条件として提示する。このとき、情報提供装置100は、画像から注目ポイントを抽出してタグ付けし、ユーザが見ている画像のタグを集計して、こだわり条件と判定して、タグに該当する検索条件を生成し、検索条件に関連する物件を提示する。
【0026】
例えば、情報提供装置100は、タワーマンションの画像ばかり閲覧しているユーザには、興味関心を判定するために内部的にもつスコア(興味関心の度合いを示すスコア)を追加して「人気のタワーマンション」という検索条件を生成する。そして、情報提供装置100は、検索条件に応じた物件のうち、画像の審美スコアが高い物件(閾値以上、上位10位以内等)を提示する。
【0027】
また、キッチン、トイレ、風呂場又は洗面所等の水回りの画像ばかり閲覧しているユーザには、興味関心を判定するために内部的にもつスコア(興味関心の度合いを示すスコア)を追加して「水回りが綺麗」という検索条件を生成する。そして、情報提供装置100は、検索条件に応じた物件のうち、水回りの画像の審美スコアが高い物件(閾値以上、上位10位以内等)を提示する。このように、情報提供装置100は、ユーザが閲覧している画像に基づいて、こだわり条件の生成をアシストする。
【0028】
なお、「ユーザが見ている」とは、サムネイルの表示や閲覧のみならず、クリック等の選択により拡大画像を閲覧した行為も含む。また、情報提供装置100は、ユーザが見ているか否かを判断するために、ユーザのクリック等のログのみならず、スクロール操作の内容等により、ユーザが画像を閲覧したか否かを推定し、推定結果に基づいた処理を行ってもよい。
【0029】
また、「ユーザに物件を提示する」とは、情報提供装置100がネットワークN(
図2参照)を介してユーザの端末装置10に物件の画像や詳細情報を提供することを含む。物件は、不動産・住宅等である。物件の画像は、不動産・住宅等の建物の屋内(室内、内装、内壁、間取り等)の画像に限らず、屋外(全体像、外観、外壁、庭、近隣等)の画像も含む。
【0030】
建物は、例えばマンション・アパート等の集合住宅や、戸建住宅等である。賃貸住宅でも分譲住宅でも建売住宅でもよい。また、新築住宅でも中古住宅でもよい。なお、実際には、建物は、企業等のオフィスビル、店舗等の商業施設、ホテル等の宿泊施設、学校等の教育機関、病院等の医療機関、研究所等の研究機関、工場等の産業プラント、配送センター等の物流拠点等であってもよい。また、大型商業施設(ショッピングセンター/アウトレットモール/地下街)、娯楽施設(テーマパーク/遊園地/遊戯場/動物園/水族館/プール/入浴施設)、文化施設(ホール/劇場/図書館/美術館/博物館)、複合施設、スポーツ施設、寺社仏閣、サービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)、又は鉄道駅や道の駅、空港、港湾(乗船場)等であってもよい。
【0031】
また、建物は、例えば壁、間仕切り(パーテーション)、床、天井等で仕切られた空間を有する。これらの空間は、例えば建物内の部屋、玄関、廊下、キッチン、風呂、トイレ、エレベータ、階段、通路、車庫、倉庫、納屋、物置等である。部屋は、個室に限らず、リビングや書斎、ラウンジ等を含む。玄関は、ロビーやエントランスを含む。すなわち、空間は、人が滞在、出入り又は通過する場所である。空間は、人が居住又は勤務する場所であってもよく、人に利用される物品が保管される場所であってもよい。また、建物において、空間は、1つであってもよく、複数であってもよい。また、空間は、例えば建物内の部屋等に限らず、車両や船舶、航空機等の客室(キャビン)等であってもよい。すなわち、空間は、住宅等の屋内で人が生活する空間に限らず、自動車や高速バス、鉄道、大型客船、飛行機等で乗員・乗客が過ごす空間であってもよい。言い換えれば、空間は、建物や移動体の内部の居住空間であってもよい。
【0032】
なお、物件は、建物に限らず、観光スポット、公園、水辺(海、河川、湖沼等)、キャンプ場、山林、トンネルや洞穴等であってもよい。また、屋外にも、壁や建物その他の構造物、自然物等の障害物で仕切られた空間は存在する。また、空間は、仕切られた空間に限らず、ある地点を中心とした所定範囲内の空間であってもよい。
【0033】
〔1-2.画像解析結果から検索条件の生成〕
情報提供装置100は、物件に紐づけられた画像を解析して、画像の対象物と、その画像又は対象物の解析結果として得られた画像又は対象物の特徴とをもとに、検索条件(検索条件)を生成してユーザに提示する。
【0034】
例えば、情報提供装置100は、画像の対象物が「外観の画像」であって、その画像のユーザ閲覧数/閲覧時間が多い場合、「外観が人気の物件」という検索条件を生成する。また、情報提供装置100は、画像の対象物が「眺望の画像」であって、その画像の審美スコアが上位である場合、「眺めが綺麗な(良い)物件」という検索条件を生成する。
【0035】
また、情報提供装置100は、画像の対象物がキッチン、トイレ、風呂場又は洗面所等の「水回りの画像」であって、その画像の審美スコアが上位であり、ユーザの閲覧数が多い場合、「水回りの綺麗な物件」という検索条件を選択する。このとき、情報提供装置100は、ユーザが見ている画像の対象物を具体的に特定して、「キッチンが綺麗な物件」、「トイレが綺麗な物件」、「風呂場が綺麗な物件」又は「洗面所が綺麗な物件」等の検索条件を選択してもよい。すなわち、キッチン、トイレ、風呂場又は洗面所等のカテゴリが存在し、さらに上位のカテゴリとして「水回り」が存在し、それぞれに関する検索条件を選択することが可能である。
【0036】
あるいは、情報提供装置100は、画像の対象物がクローゼットや押し入れ、トランクルーム等の「収納の画像」であって、ユーザの閲覧数が多い場合、「収納が広い物件」という検索条件を選択してもよい。また、情報提供装置100は、その画像の審美スコアが上位であり、ユーザの閲覧数が多い場合、「収納が綺麗な物件」という検索条件を選択してもよい。
【0037】
また、情報提供装置100は、画像の対象物が中古物件の「外観の画像」又は「内装の画像」であって、その画像の審美スコアが上位であり、ユーザの閲覧数が多い場合、「過去3年以内にリフォーム済みの物件」という検索条件を生成してもよい。
【0038】
なお、情報提供装置100は、クラウドソーシング等により画像の「綺麗」、「かっこいい」等の分類を行い、検索条件の名称として反映してもよい。例えば、情報提供装置100は、ユーザ自身の手で画像の「綺麗」、「かっこいい」等の分類を行わせ、検索条件の名称として反映してもよい。また、情報提供装置100は、画像に対して各ユーザが指定した「綺麗」、「かっこいい」等のタグ(又はラベル)を集計し、最も多く指定されたタグのカテゴリに分類してもよい。また、情報提供装置100は、物件のクチコミ情報や業者コメントを組み合わせて、特徴の確かさに重みづけ(「眺めが良い」なら加点等)してもよい。
【0039】
〔1-3.審美スコアに基づく物件リスト作成〕
情報提供装置100は、物件に紐づけられた画像を解析して、画像の対象物と、画像の審美スコアをもとにリスティングする物件を決定する。例えば、情報提供装置100は、モデルを用いて「物件の外観」に該当する画像を選択し、それぞれの審美スコアを取って上位スコア(上位○○位以内、閾値以上等)の画像の物件をリスティングする物件とする。
【0040】
リスティングする物件として、例えば、「外観がかっこいい物件」、「眺望が綺麗な物件」、「水回りが綺麗な物件」、「過去3年以内にリフォーム済みの物件」等が挙げられる。
【0041】
なお、築30年以上の物件は、審美スコアが低いものが相対的に多くなる。また、築30年以上の物件は、審美スコアが高くても敬遠される可能性もある。そこで、情報提供装置100は、審美スコアに関係なく築30年以上の物件は除外するようにしてもよい。この場合、情報提供装置100は、当該物件が築30年以上であるという情報を、当該物件の物件情報から、又は物件情報に含まれる情報を組み合わせて求める。また、物体の審美性について、「綺麗」等の個人の感覚(主観)によるものは、審美スコアによらず人が定義してもよい。
【0042】
(本実施形態に係る審美スコア)
情報提供装置100は、本実施形態に係る審美スコアとして、従来とは異なり、物件の画像の技術面(画質等)と審美面(写っている内容等)との両方を考慮したスコアを算出する。本実施形態に係る審美スコアは、1~10の値を取る。データのドメインにもよるが、審美スコアの目安としては、5.0以下だと低く、5.5以上だと高いと判断する。なお、5.0より大きく5.5未満だと通常(普通)と判断する。本実施形態に係る審美スコアの利用については、不特定多数の画像から高品質な画像のみを選別したい場合に利用することを想定している。
【0043】
このように、情報提供装置100は、物件の画像解析を行って、外観がかっこいい物件等の分類を自動的に生成する。すなわち、情報提供装置100は、画像のカテゴリ分類を行う。例えば、情報提供装置100は、物件の画像を「水回り」、「外観」、「眺望」、「かっこいい」、「綺麗」等のカテゴリに分類する。
【0044】
このとき、情報提供装置100は、分類後の画像について、「綺麗さ」に関する審美スコアに基づいて、「水回りの綺麗さ」、「外観の綺麗さ」等を評価して、評価結果のグルーピングを行い、「〇〇が綺麗な物件」としてユーザに提案する。これにより、情報提供装置100は、中古物件なのにキッチン等の水回りが綺麗な物件のような、コストパフォーマンスがいい物件等を提供できる。情報提供装置100は、物件の画像について、何をどういう物件に分類するかは、ルールベースで判断する。
【0045】
また、情報提供装置100は、例えば物件の外観の画像を提示する場合に、築30年以上の物件の外観の画像については提示の対象から除外する。物件は、一戸建てでもよいし、賃貸マンション/賃貸アパートであってもよい。
【0046】
また、情報提供装置100は、築年数が古く外観の審美スコアは悪いが、室内の審美スコアが高い場合には、リフォームのバリューが高いと判断する。情報提供装置100は、リフォームのバリューが高い物件であって築年数の関係で賃料等が相場よりも安い場合には、おすすめの物件として提案できる。また、情報提供装置100は、内装が綺麗、キッチン等の水回りが綺麗等、各物件の部分(部位)ごとの相対的評価ができるようになる。
【0047】
このとき、情報提供装置100は、審美スコアの相対的な差に応じて、分類対象とするかどうかを判定する。なお、情報提供装置100は、物件の画像はそのままで審美スコアを算出してもよいし、物件の画像にレンズ補正をかけて実際の状態で審美スコアを算出してもよい。
【0048】
なお、情報提供装置100は、物件の画像と、画像の分類後の結果としてのカテゴリ(例えば「外観が綺麗」)との組合せから、物件の画像ごとにカテゴリを推定して分類するモデルを作成/更新してもよい。また、情報提供装置100は、対象となる物件の属性ごと、又はユーザ属性ごとにモデルを作成してもよい。
【0049】
さらに、情報提供装置100は、ユーザが良く(頻繁に)閲覧している物件の特徴(例えば「外観が綺麗」)の共通性から、当該ユーザのこだわり条件を推定して、推定されたこだわり条件に合致する物件を提案する。
【0050】
例えば、情報提供装置100は、ユーザが良く閲覧している物件の特徴の共通性から、物件全体(自体)の特徴として、「所在地」、「タワーマンション」、「賃料/価格」、「5階以下」、「庭がある」、「ベランダの広さ」、「築年数」等に興味があるかを推定する。あるいは、情報提供装置100は、物件の部分ごとの特徴として、「水回り」に興味があるかを推定する。
【0051】
そして、情報提供装置100は、ユーザが物件全体(自体)に興味がある場合には物件の外観等について、あるいは物件の特定の部分(部位)に興味がある場合には当該部分について、画像が綺麗な物件(審美スコアが高い物件)を提示する。
【0052】
また、情報提供装置100は、タグのAND条件(組合せ)で提案してもよい。例えば、情報提供装置100は、ユーザの閲覧している物件の画像から、ユーザが物件の「風呂」と「外観」に興味があると推定した場合、「風呂」と「外観」の両方とも綺麗な物件を提案する。
【0053】
さらに、情報提供装置100は、提案対象となる物件を判定する閾値を高くしてもよい。例えば、情報提供装置100は、ユーザが「綺麗なトイレ」に興味があると推定した場合、「トイレ」の審美スコアの閾値を通常(又は平均)より高く設定し、閾値以上の物件を提案するようにしてもよい。
【0054】
〔2.情報処理システムの構成例〕
次に、
図2を用いて、実施形態に係る情報提供装置100が含まれる情報処理システム1の構成について説明する。
図2は、実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。
図2に示すように、実施形態に係る情報処理システム1は、端末装置10と情報提供装置100とを含む。これらの各種装置は、ネットワークNを介して、有線又は無線により通信可能に接続される。ネットワークNは、例えば、LAN(Local Area Network)や、インターネット等のWAN(Wide Area Network)である。
【0055】
また、
図2に示す情報処理システム1に含まれる各装置の数は図示したものに限られない。例えば、
図2では、図示の簡略化のため、端末装置10を1台のみ示したが、これはあくまでも例示であって限定されるものではなく、2台以上であってもよい。
【0056】
端末装置10は、利用者Uによって使用される情報処理装置である。例えば、端末装置10は、スマートフォンやタブレット端末等のスマートデバイス、フィーチャーフォン、PC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistant)、通信機能を備えたゲーム機やAV機器、カーナビゲーションシステム、スマートウォッチやヘッドマウントディスプレイ等のウェアラブルデバイス(Wearable Device)、スマートグラス等である。
【0057】
また、かかる端末装置10は、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation:第5世代移動通信システム)等の無線通信網や、Bluetooth(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)等の近距離無線通信を介してネットワークNに接続し、情報提供装置100と通信することができる。
【0058】
情報提供装置100は、例えばPCやサーバ装置、あるいはメインフレーム又はワークステーション等である。なお、情報提供装置100は、クラウドコンピューティングにより実現されてもよい。
【0059】
〔3.端末装置の構成例〕
次に、
図3を用いて、端末装置10の構成について説明する。
図3は、端末装置10の構成例を示す図である。
図3に示すように、端末装置10は、通信部11と、表示部12と、入力部13と、測位部14と、センサ部20と、制御部30(コントローラ)と、記憶部40とを備える。
【0060】
(通信部11)
通信部11は、ネットワークN(
図2参照)と有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、情報提供装置100との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部11は、NIC(Network Interface Card)やアンテナ等によって実現される。
【0061】
(表示部12)
表示部12は、位置情報等の各種情報を表示する表示デバイスである。例えば、表示部12は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイ(Organic Electro-Luminescent Display)である。また、表示部12は、タッチパネル式のディスプレイであるが、これに限定されるものではない。
【0062】
(入力部13)
入力部13は、利用者Uから各種操作を受け付ける入力デバイスである。例えば、入力部13は、文字や数字等を入力するためのボタン等を有する。なお、入力部13は、入出力ポート(I/O port)やUSB(Universal Serial Bus)ポート等であってもよい。また、表示部12がタッチパネル式のディスプレイである場合、表示部12の一部が入力部13として機能する。また、入力部13は、利用者Uから音声入力を受け付けるマイク等であってもよい。マイクはワイヤレスであってもよい。
【0063】
(測位部14)
測位部14は、GPS(Global Positioning System)の衛星から送出される信号(電波)を受信し、受信した信号に基づいて、自装置である端末装置10の現在位置を示す位置情報(例えば、緯度及び経度)を取得する。すなわち、測位部14は、端末装置10の位置を測位する。なお、GPSは、GNSS(Global Navigation Satellite System)の一例に過ぎない。
【0064】
また、測位部14は、GPS以外にも、種々の手法により位置を測位することができる。例えば、測位部14は、位置補正等のための補助的な測位手段として、下記のように、端末装置10の様々な通信機能を利用して位置を測位してもよい。
【0065】
(Wi-Fi測位)
例えば、測位部14は、端末装置10のWi-Fi(登録商標)通信機能や、各通信会社が備える通信網を利用して、端末装置10の位置を測位する。具体的には、測位部14は、Wi-Fi通信等を行い、付近の基地局やアクセスポイントとの距離を測位することにより、端末装置10の位置を測位する。
【0066】
(ビーコン測位)
また、測位部14は、端末装置10のBluetooth(登録商標)機能を利用して位置を測位してもよい。例えば、測位部14は、Bluetooth(登録商標)機能によって接続されるビーコン(beacon)発信機と接続することにより、端末装置10の位置を測位する。
【0067】
(地磁気測位)
また、測位部14は、予め測定された構造物の地磁気のパターンと、端末装置10が備える地磁気センサとに基づいて、端末装置10の位置を測位する。
【0068】
(RFID測位)
また、例えば、端末装置10が駅改札や店舗等で使用される非接触型ICカードと同等のRFID(Radio Frequency Identification)タグの機能を備えている場合、もしくはRFIDタグを読み取る機能を備えている場合、端末装置10によって決済等が行われた情報とともに、使用された位置が記録される。測位部14は、かかる情報を取得することで、端末装置10の位置を測位してもよい。また、位置は、端末装置10が備える光学式センサや、赤外線センサ等によって測位されてもよい。
【0069】
測位部14は、必要に応じて、上述した測位手段の一つ又は組合せを用いて、端末装置10の位置を測位してもよい。
【0070】
(センサ部20)
センサ部20は、端末装置10に搭載又は接続される各種のセンサを含む。なお、接続は、有線接続、無線接続を問わない。例えば、センサ類は、ウェアラブルデバイスやワイヤレスデバイス等、端末装置10以外の検知装置であってもよい。
図3に示す例では、センサ部20は、加速度センサ21と、ジャイロセンサ22と、気圧センサ23と、気温センサ24と、音センサ25と、光センサ26と、磁気センサ27と、画像センサ(カメラ)28とを備える。
【0071】
なお、上記した各センサ21~28は、あくまでも例示であって限定されるものではない。すなわち、センサ部20は、各センサ21~28のうちの一部を備える構成であってもよいし、各センサ21~28に加えてあるいは代えて、湿度センサ等その他のセンサを備えてもよい。
【0072】
加速度センサ21は、例えば、3軸加速度センサであり、端末装置10の移動方向、速度、及び、加速度等の端末装置10の物理的な動きを検知する。ジャイロセンサ22は、端末装置10の角速度等に基づいて3軸方向の傾き等の端末装置10の物理的な動きを検知する。気圧センサ23は、例えば端末装置10の周囲の気圧を検知する。
【0073】
端末装置10は、上記した加速度センサ21やジャイロセンサ22、気圧センサ23等を備えることから、これらの各センサ21~23等を利用した歩行者自律航法(PDR:Pedestrian Dead-Reckoning)等の技術を用いて端末装置10の位置を測位することが可能になる。これにより、GPS等の測位システムでは取得することが困難な屋内での位置情報を取得することが可能になる。
【0074】
例えば、加速度センサ21を利用した歩数計により、歩数や歩くスピード、歩いた距離を算出することができる。また、ジャイロセンサ22を利用して、利用者Uの進行方向や視線の方向、体の傾きを知ることができる。また、気圧センサ23で検知した気圧から、利用者Uの端末装置10が存在する高度やフロアの階数を知ることもできる。
【0075】
気温センサ24は、例えば端末装置10の周囲の気温を検知する。音センサ25は、例えば端末装置10の周囲の音を検知する。光センサ26は、端末装置10の周囲の照度を検知する。磁気センサ27は、例えば端末装置10の周囲の地磁気を検知する。画像センサ28は、端末装置10の周囲の画像を撮像する。
【0076】
上記した気圧センサ23、気温センサ24、音センサ25、光センサ26及び画像センサ28は、それぞれ気圧、気温、音、照度を検知したり、周囲の画像を撮像したりすることで、端末装置10の周囲の環境や状況等を検知することができる。また、端末装置10の周囲の環境や状況等から、端末装置10の位置情報の精度を向上させることが可能になる。
【0077】
(制御部30)
制御部30は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM、入出力ポート等を有するマイクロコンピュータや各種の回路を含む。また、制御部30は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路等のハードウェアで構成されてもよい。制御部30は、送信部31と、受信部32と、処理部33とを備える。
【0078】
(送信部31)
送信部31は、例えば入力部13を用いて利用者Uにより入力された各種情報や、端末装置10に搭載又は接続された各センサ21~28によって検知された各種情報、測位部14によって測位された端末装置10の位置情報等を、通信部11を介して情報提供装置100へ送信することができる。
【0079】
(受信部32)
受信部32は、通信部11を介して、情報提供装置100から提供される各種情報や、情報提供装置100からの各種情報の要求を受信することができる。
【0080】
(処理部33)
処理部33は、表示部12等を含め、端末装置10全体を制御する。例えば、処理部33は、送信部31によって送信される各種情報や、受信部32によって受信された情報提供装置100からの各種情報を表示部12へ出力して表示させることができる。
【0081】
(記憶部40)
記憶部40は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、光ディスク等の記憶装置によって実現される。かかる記憶部40には、各種プログラムや各種データ等が記憶される。
【0082】
〔4.情報提供装置の構成例〕
次に、
図4を用いて、実施形態に係る情報提供装置100の構成について説明する。
図4は、実施形態に係る情報提供装置100の構成例を示す図である。
図4に示すように、情報提供装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0083】
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。また、通信部110は、ネットワークN(
図2参照)と有線又は無線で接続される。
【0084】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、HDD、SSD、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
図4に示すように、記憶部120は、利用者情報データベース121と、履歴情報データベース122と、物件画像情報データベース123とを有する。
【0085】
(利用者情報データベース121)
利用者情報データベース121は、利用者Uに関する利用者情報を記憶する。例えば、利用者情報データベース121は、利用者Uの属性等の種々の情報を記憶する。
図5は、利用者情報データベース121の一例を示す図である。
図5に示した例では、利用者情報データベース121は、「利用者ID(Identifier)」、「年齢」、「性別」、「自宅」、「勤務地」、「興味」といった項目を有する。
【0086】
「利用者ID」は、利用者Uを識別するための識別情報を示す。なお、「利用者ID」は、利用者Uの連絡先(電話番号、メールアドレス等)であってもよいし、利用者Uの端末装置10を識別するための識別情報であってもよい。
【0087】
また、「年齢」は、利用者IDにより識別される利用者Uの年齢を示す。なお、「年齢」は、利用者Uの具体的な年齢(例えば35歳など)を示す情報であってもよいし、利用者Uの年代(例えば30代など)を示す情報であってもよい。あるいは、「年齢」は、利用者Uの生年月日を示す情報であってもよいし、利用者Uの世代(例えば80年代生まれなど)を示す情報であってもよい。また、「性別」は、利用者IDにより識別される利用者Uの性別を示す。
【0088】
また、「自宅」は、利用者IDにより識別される利用者Uの自宅の位置情報を示す。なお、
図5に示す例では、「自宅」は、「LC11」といった抽象的な符号を図示するが、緯度経度情報等であってもよい。また、例えば、「自宅」は、地域名や住所であってもよい。
【0089】
また、「勤務地」は、利用者IDにより識別される利用者Uの勤務地(学生の場合は学校)の位置情報を示す。なお、
図5に示す例では、「勤務地」は、「LC12」といった抽象的な符号を図示するが、緯度経度情報等であってもよい。また、例えば、「勤務地」は、地域名や住所であってもよい。
【0090】
また、「興味」は、利用者IDにより識別される利用者Uの興味を示す。すなわち、「興味」は、利用者IDにより識別される利用者Uが関心の高い対象を示す。例えば、「興味」は、利用者Uが検索エンジンに入力して検索した検索クエリ(キーワード)等であってもよい。なお、
図5に示す例では、「興味」は、各利用者Uに1つずつ図示するが、複数であってもよい。
【0091】
例えば、
図5に示す例において、利用者ID「U1」により識別される利用者Uの年齢は、「20代」であり、性別は、「男性」であることを示す。また、例えば、利用者ID「U1」により識別される利用者Uは、自宅が「LC11」であることを示す。また、例えば、利用者ID「U1」により識別される利用者Uは、勤務地が「LC12」であることを示す。また、例えば、利用者ID「U1」により識別される利用者Uは、「スポーツ」に興味があることを示す。
【0092】
ここで、
図5に示す例では、「U1」、「LC11」及び「LC12」といった抽象的な値を用いて図示するが、「U1」、「LC11」及び「LC12」には、具体的な文字列や数値等の情報が記憶されるものとする。以下、他の情報に関する図においても、抽象的な値を図示する場合がある。
【0093】
なお、利用者情報データベース121は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、利用者情報データベース121は、利用者Uの端末装置10に関する各種情報を記憶してもよい。また、利用者情報データベース121は、利用者Uのデモグラフィック(人口統計学的属性)、サイコグラフィック(心理学的属性)、ジオグラフィック(地理学的属性)、ベヘイビオラル(行動学的属性)等の属性に関する情報を記憶してもよい。例えば、利用者情報データベース121は、氏名、家族構成、出身地(地元)、職業、職位、収入、資格、居住形態(戸建、マンション等)、車の有無、通学・通勤時間、通学・通勤経路、定期券区間(駅、路線等)、利用頻度の高い駅(自宅・勤務地の最寄駅以外)、習い事(場所、時間帯等)、趣味、興味、ライフスタイル等の情報を記憶してもよい。
【0094】
(履歴情報データベース122)
履歴情報データベース122は、利用者Uの行動を示す履歴情報(ログデータ)に関する各種情報を記憶する。
図6は、履歴情報データベース122の一例を示す図である。
図6に示した例では、履歴情報データベース122は、「利用者ID」、「位置履歴」、「検索履歴」、「閲覧履歴」、「購入履歴」、「投稿履歴」といった項目を有する。
【0095】
「利用者ID」は、利用者Uを識別するための識別情報を示す。また、「位置履歴」は、利用者Uの位置や移動の履歴である位置履歴を示す。また、「検索履歴」は、利用者Uが入力した検索クエリの履歴である検索履歴を示す。また、「閲覧履歴」は、利用者Uが閲覧したコンテンツの履歴である閲覧履歴を示す。また、「購入履歴」は、利用者Uによる購入の履歴である購入履歴を示す。また、「投稿履歴」は、利用者Uによる投稿の履歴である投稿履歴を示す。なお、「投稿履歴」は、利用者Uの所有物に関する質問を含んでいてもよい。
【0096】
例えば、
図6に示す例において、利用者ID「U1」により識別される利用者Uは、「位置履歴#1」の通りに移動し、「検索履歴#1」の通りに検索し、「閲覧履歴#1」の通りにコンテンツを閲覧し、「購入履歴#1」の通りに所定の店舗等で所定の商品等を購入し、「投稿履歴」の通りに投稿したことを示す。
【0097】
ここで、
図6に示す例では、「U1」、「位置履歴#1」、「検索履歴#1」、「閲覧履歴#1」、「購入履歴#1」及び「投稿履歴#1」といった抽象的な値を用いて図示するが、「U1」、「位置履歴#1」、「検索履歴#1」、「閲覧履歴#1」、「購入履歴#1」及び「投稿履歴#1」には、具体的な文字列や数値等の情報が記憶されるものとする。
【0098】
なお、履歴情報データベース122は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、履歴情報データベース122は、利用者Uの所定のサービスの利用履歴等を記憶してもよい。また、履歴情報データベース122は、利用者Uの実店舗の来店履歴又は施設の訪問履歴等を記憶してもよい。また、履歴情報データベース122は、利用者Uの端末装置10を用いた決済(電子決済)での決済履歴等を記憶してもよい。
【0099】
(物件画像情報データベース123)
物件画像情報データベース123は、物件の画像に関する各種情報を記憶する。
図7は、物件画像情報データベース123の一例を示す図である。
図7に示した例では、物件画像情報データベース123は、「物件」、「対象物」、「カテゴリ」、「特徴」、「審美スコア」といった項目を有する。
【0100】
「物件」は、物件を識別するための識別情報を示す。また、「対象物」は、物件の画像の対象物を識別するための識別情報を示す。すなわち、「対象物」は、当該対象物が含まれた物件の画像を識別するための識別情報を示す。また、「カテゴリ」は、物件の画像の対象物のカテゴリを示す。また、「特徴」は、物件の画像の対象物の特徴を示す。なお、物件の画像の対象物の特徴は、物件の画像の対象物のカテゴリや審美スコア等を含んでいてもよい。また、「審美スコア」は、物件の画像の対象物の審美スコアを示す。
【0101】
例えば、
図7に示す例において、物件「A」の画像の対象物「A1」は、カテゴリ「外観」に属し、特徴「綺麗」であり、審美スコア「55」であることを示す。
【0102】
ここで、
図7に示す例では、「A」、「A1」といった抽象的な値を用いて図示するが、「A」、「A1」には、具体的な文字列や数値等の情報が記憶されるものとする。
【0103】
なお、物件画像情報データベース123は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、物件画像情報データベース123は、「所在地」、「タワーマンション」、「賃料/価格」、「5階以下」、「庭がある」、「ベランダの広さ」、「築年数」等、物件全体の特徴に関する情報等を記憶してもよい。また、物件画像情報データベース123は、対象となる物件の近隣(周囲)に存在する他の物件の外観に関する情報等を記憶してもよい。
【0104】
(制御部130)
図4に戻り、説明を続ける。制御部130は、コントローラ(Controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等によって、情報提供装置100の内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAM等の記憶領域を作業領域として実行されることにより実現される。
図4に示す例では、制御部130は、取得部131と、算出部132と、集計部133と、生成部134と、決定部135と、提供部136とを有する。
【0105】
(取得部131)
取得部131は、利用者Uにより入力された検索クエリを取得する。例えば、取得部131は、利用者Uが検索エンジン等に検索クエリを入力してキーワード検索を行った際に、通信部110を介して、当該検索クエリを取得する。すなわち、取得部131は、通信部110を介して、利用者Uにより検索エンジンやサイト又はアプリの検索窓に入力されたキーワードを取得する。
【0106】
また、取得部131は、通信部110を介して、物件の画像を取得する。例えば、取得部131は、通信部110を介して、不動産の売買、交換、賃貸、管理及びその代理もしくは仲介を行う不動産業者等から、物件の画像の投稿を受け付ける。あるいは、取得部131は、通信部110を介して、利用者Uの端末から、利用者Uが所有する物件の画像の投稿や、利用者Uが興味を持っている物件の画像の指定を受け付け、それらの物件の画像を取得する。なお、物件の画像は、物件の特定の部分(部位)の画像であってもよい。
【0107】
また、取得部131は、通信部110を介して、利用者Uに関する利用者情報を取得する。例えば、取得部131は、利用者Uの端末装置10から、利用者Uを示す識別情報(利用者ID等)や、利用者Uの位置情報、利用者Uの属性情報等を取得する。また、取得部131は、利用者Uのユーザ登録時に、利用者Uを示す識別情報や、利用者Uの属性情報等を取得してもよい。そして、取得部131は、利用者情報を、記憶部120の利用者情報データベース121に登録する。
【0108】
また、取得部131は、通信部110を介して、利用者Uの行動を示す各種の履歴情報(ログデータ)を取得する。例えば、取得部131は、利用者Uの端末装置10から、あるいは利用者ID等に基づいて各種サーバ等から、利用者Uの行動を示す各種の履歴情報を取得する。そして、取得部131は、各種の履歴情報を、記憶部120の履歴情報データベース122に登録する。
【0109】
(算出部132)
算出部132は、物件に紐づけられた画像の審美スコアを算出する。なお、算出部132は、事前に、ユーザが閲覧可能な全ての物件の画像の審美スコアを算出して画像に付与していてもよい。また、算出部132は、ユーザが閲覧した物件のみ、その物件の画像の審美スコアを算出するようにしてもよい。
【0110】
(集計部133)
集計部133は、ユーザが見ている物件の特徴を集計する。例えば、集計部133は、ユーザが見ている物件の画像から注目ポイントを抽出して画像の特徴としてタグ付けし、ユーザが見ている画像の特徴を示すタグを集計する。そして、集計部133は、ユーザが閲覧している画像の特徴の共通性を推定する。
【0111】
なお、集計部133は、物件ごとに登録される画像のうち閲覧態様が所定の条件を満たす画像の傾向(又は画像の特徴の傾向)を特定する特定部としても機能する。また、特定部(集計部133)は、ユーザが閲覧した画像の審美スコアを特定する。画像の審美スコアは、予め画像に付与されている審美スコア(例えば、他のシステム等により設定された既存の審美スコア等)であってもよい。例えば、特定部(集計部133)は、よく閲覧されている画像の傾向として「水回り」が多い、「ベランダ」が多い等の「傾向」を特定する。あるいは、特定部(集計部133)は、画像に付随する「水回り」、「ベランダ」、「審美スコア」等の情報の傾向を特定する。なお、特定部(集計部133)は、画像認識技術で画像に含まれる撮影対象を特定してもよい。また、集計部133は、ユーザが閲覧したか否かに関係なく、不特定多数の物件の画像から各物件の画像の特徴を抽出する抽出部としても機能する。
【0112】
また、集計部133は、物件の画像ごとにカテゴリを推定して分類するモデルを作成/更新してもよい。例えば、集計部133は、物件の画像と、画像のカテゴリとを入力データとして機械学習を行い、物件の画像のカテゴリを推定して分類するモデルを作成/更新する。
【0113】
(生成部134)
生成部134は、画像の特徴の集計結果に基づいて画像の特徴に該当する検索条件を生成する。例えば、生成部134は、ユーザが閲覧した物件の画像の対象物の特徴の集計結果に基づいて特徴に該当する検索条件を生成する。また、生成部は、特定された傾向(閲覧態様が所定の条件を満たす画像の傾向)に応じた物件を検索するための検索条件を生成する。また、生成部134は、審美スコアが所定の条件を満たす画像に基づいて、検索条件を生成する。例えば、生成部134は、よく閲覧されている画像の傾向として「水回り」が多い、「ベランダ」が多い等の「傾向」に応じた検索条件を生成する。あるいは、生成部134は、画像に付随する「水回り」、「ベランダ」、「審美スコア」等の情報の傾向に関して、画像に付与されている数が多いタグや、スコアが高いといった傾向に応じた検索条件を生成する。また、生成部134は、ユーザの興味関心を判定するために内部的にもつスコア(興味関心の度合いを示すスコア)の傾向に応じた検索条件を生成してもよい。
【0114】
また、生成部134は、ユーザが閲覧した物件の画像の対象物の傾向に基づいて、ユーザが興味を有する物件の特定の部分を推定し、当該特定の部分が所定の条件を満たす物件を検索するための検索条件を生成する。
【0115】
例えば、生成部134は、ユーザが閲覧した物件の画像の対象物から、ユーザが物件の外観に興味を持っていると推定される場合、外観の視覚的な態様に関する検索条件を生成する。また、生成部134は、ユーザが閲覧した物件の画像の対象物から、ユーザが物件の水回りに興味を持っていると推定される場合、水回りに関する検索条件を生成する。また、生成部134は、ユーザが閲覧した物件の画像の対象物から、ユーザが物件の収納に興味を持っていると推定される場合、収納に関する検索条件を生成する。
【0116】
(決定部135)
決定部135は、画像の特徴の集計結果に基づいて画像の特徴に該当する検索条件を選択し、検索条件に応じた物件の画像の審美スコアをもとにリスティングする物件を決定する。また、決定部135は、画像の特徴に応じたタグを画像に付し、ユーザによりタグが検索された場合に、検索されたタグに応じた画像の審美スコアが所定の条件を満たす物件をリスティングする物件として決定する。このとき、決定部135は、画像の審美スコアが高い順に物件をリスティングしてもよい。これにより、決定部135は、審美スコアに基づく物件リストを作成する。
【0117】
例えば、決定部135は、よく閲覧されている画像の傾向として「水回り」が多い、「ベランダ」が多い等の「傾向」に応じた検索条件を選択する。あるいは、決定部135は、画像に付随する「水回り」、「ベランダ」、「審美スコア」等の情報の傾向に関して、画像に付与されている数が多いタグや、スコアが高いといった傾向に応じた検索条件を選択する。また、決定部135は、ユーザの興味関心を判定するために内部的にもつスコア(興味関心の度合いを示すスコア)の傾向に応じた検索条件を選択してもよい。
【0118】
決定部135は、物件に紐づけられた画像を解析して、画像の対象物と、画像の審美スコアとをもとにリスティングする物件を決定する。
【0119】
決定部135は、モデルを用いて検索条件に該当する画像を選択し、選択された画像の審美スコアをもとに上位スコアの画像の物件をリスティングする物件として決定する。すなわち、決定部135は、モデルを用いてタグに応じた画像を選択し、選択された画像の審美スコアが所定の条件を満たす物件をリスティングする物件として決定する。また、決定部135は、学習モデルを用いて検索条件に該当する物件の画像の審美スコアを出力する。
【0120】
また、決定部135は、ユーザが閲覧した物件の画像の対象物から、ユーザが物件の特定の部分に興味を持っていると推定される場合、特定の部分に関する検索条件に応じた物件をリスティングする物件として決定する。例えば、決定部135は、ユーザが閲覧した物件の画像の対象物から、ユーザが物件の外観に興味を持っていると推定される場合、外観の視覚的な態様に関する検索条件に応じた物件をリスティングする物件として決定する。また、決定部135は、外観の視覚的な態様に関する検索条件に応じた物件をリスティングする場合、築年数が所定の閾値以上の物件(例えば、築30年以上の物件)の物件を対象から除外する。また、決定部135は、ユーザが閲覧した物件の画像の対象物から、ユーザが物件の水回りに興味を持っていると推定される場合、水回りに関する検索条件に応じた物件をリスティングする物件として決定する。また、決定部135は、ユーザが閲覧した物件の画像の対象物から、ユーザが物件の収納に興味を持っていると推定される場合、収納に関する検索条件に応じた物件をリスティングする物件として決定する。
【0121】
このとき、決定部135は、モデルを用いて物件の特定の部分に該当する画像を選択し、選択された特定の部分の画像の審美スコアをもとに上位スコアの画像の物件をリスティングする物件として決定してもよい。
【0122】
例えば、決定部135は、モデルを用いて物件の外観に該当する画像を選択し、選択された外観の画像の審美スコアをもとに上位スコアの画像の物件をリスティングする物件として決定する。このとき、決定部135は、物件の外観の画像の審美スコアをもとにリスティングする物件を決定する場合、築年数が所定の閾値以上の物件(例えば、築30年以上の物件)を対象から除外する。
【0123】
また、決定部135は、モデルを用いて物件の水回りに該当する画像を選択し、選択された水回りの画像の審美スコアをもとに上位スコアの画像の物件をリスティングする物件として決定する。
【0124】
また、決定部135は、モデルを用いて物件の収納に該当する画像を選択し、選択された収納の画像の審美スコアをもとに上位スコアの画像の物件をリスティングする物件として決定する。
【0125】
(提供部136)
提供部136は、リスティングされた物件をユーザに提示する。すなわち、提供部136は、検索条件に応じた物件をユーザに提示する。例えば、提供部136は、タグの集計結果に基づいて、タグに該当する検索条件を生成し、検索条件に関連する物件を提示する。このとき、提供部136は、モデルを用いて検索条件に該当する物件を選択し、検索条件に関連する物件を提示する。また、提供部は、学習モデルを用いて検索条件に該当する物件の画像の審美スコアを出力する。
【0126】
提供部136は、ユーザが閲覧した物件の画像の対象物から、ユーザが物件の特定の部分に興味を持っていると推定される場合、特定の部分に関する検索条件に応じた物件をユーザに提示する。
【0127】
例えば、提供部136は、ユーザが閲覧した物件の画像の対象物から、ユーザが物件の外観に興味を持っていると推定される場合、外観の視覚的な態様(外観が綺麗等)に関する検索条件に応じた物件をユーザに提示する。このとき、提供部136は、外観の視覚的な態様に関する検索条件に応じた物件をユーザに提示する場合、築年数が所定の閾値以上の物件(例えば、築30年以上の物件)の物件を対象から除外する。
【0128】
また、提供部136は、ユーザが閲覧した物件の画像の対象物から、ユーザが物件の水回りに興味を持っていると推定される場合、水回りに関する検索条件に応じた物件をユーザに提示する。
【0129】
また、提供部136は、ユーザが閲覧した物件の画像の対象物から、ユーザが物件の収納に興味を持っていると推定される場合、収納に関する検索条件に応じた物件をユーザに提示する。
【0130】
〔5.処理手順〕
次に、
図8を用いて実施形態に係る情報提供装置100による処理手順について説明する。
図8は、実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。なお、以下に示す処理手順は、情報提供装置100の制御部130によって繰り返し実行される。
【0131】
図8に示すように、情報提供装置100の取得部131は、通信部110を介して、物件の画像を収集する(ステップS101)。物件の画像は、物件の特定の部分(部位)の画像であってもよい。
【0132】
続いて、情報提供装置100の算出部132は、物件の画像の審美スコアを算出する(ステップS102)。例えば、算出部132は、物件の画像の対象物の審美スコアを算出する。
【0133】
続いて、情報提供装置100の集計部133は、ユーザが閲覧している画像の特徴の共通性を推定する(ステップS103)。例えば、集計部133は、ユーザが閲覧した物件の画像から注目ポイントを抽出して画像の特徴としてタグ付けし、ユーザが閲覧する画像の特徴を示すタグを集計する。画像の特徴は、画像の対象物の特徴であってもよい。
【0134】
続いて、情報提供装置100の生成部134は、画像の特徴の共通性に基づいて検索条件を生成する(ステップS104)。
【0135】
続いて、情報提供装置100の決定部135は、検索条件に関連する物件をリスティングする物件として決定する(ステップS104)。例えば、決定部135は、モデルを用いて検索条件に該当する物件を選択し、検索条件に関連する物件のリスト(物件リスト)を作成する。
【0136】
続いて、情報提供装置100の提供部136は、通信部110を介して、決定された物件(リスティングされた物件)に関する情報をユーザに提示する(ステップS6)。例えば、提供部136は、検索条件に関連する物件のリスト(物件リスト)をユーザに提示する。
【0137】
〔6.変形例〕
上述した端末装置10及び情報提供装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、実施形態の変形例について説明する。
【0138】
上記の実施形態において、情報提供装置100が実行している処理の一部又は全部は、実際には、端末装置10が実行してもよい。例えば、スタンドアローン(Stand-alone)で(端末装置10単体で)処理が完結してもよい。この場合、端末装置10に、上記の実施形態における情報提供装置100の機能が備わっているものとする。また、上記の実施形態では、端末装置10は情報提供装置100と連携しているため、利用者Uから見れば、情報提供装置100の処理も端末装置10が実行しているように見える。すなわち、他の観点では、端末装置10は、情報提供装置100を備えているともいえる。
【0139】
また、上記の実施形態において、情報提供装置100は、画像(又はその特徴)とカテゴリとの組をデータセットとし、ニューラルネットワークによる機械学習の手法等を用いて、画像ごとにカテゴリを推定して分類する分類モデルを作成してもよい。すなわち、情報提供装置100は、例えばRNN(Recurrent Neural Network)やLSTM(Long short-term memory)等を用いた機械学習を経て生成される分類モデルに画像(又はその特徴)を入力し、画像のカテゴリを推定して分類してもよい。なお、RNNやLSTMは、アテンション(Attention)の仕組みに基づくニューラルネットワークであってもよい。
【0140】
また、上記の実施形態において、情報提供装置100は、所定の変換規則(ルール)に従って(ルールベースで)、画像ごとにカテゴリを推定して分類してもよい。
【0141】
また、上記の実施形態において、情報提供装置100は、物件の画像のカテゴリ(外観、キッチン、トイレ、リビング、エントランス等)と、物件の画像の審美スコアとを組み合わせて物件の画像の特徴としてもよい。
【0142】
また、上記の実施形態において、情報提供装置100は、ユーザが閲覧している物件の画像の特徴から、ユーザが物件の特定の部分(部位)の色や設備に興味があると推定される場合、ユーザが興味を持っている物件の特定の部分の色や設備に関する検索条件に応じた物件をユーザに提示する。例えば、情報提供装置100は、ユーザが「外観が赤い物件」や「キッチンや洗面台等におしゃれな蛇口(デザイン性のある蛇口)がある物件」を中心に閲覧している場合、「外観が赤い」、「おしゃれな蛇口」等の検索条件に応じた物件をユーザに提示する。このとき、情報提供装置100は、審美スコアのように、外観の赤さを示すスコアや、蛇口のおしゃれさを示すスコア等を算出するようにしてもよい。
【0143】
また、上記の実施形態において、情報提供装置100は、ユーザが物件の外観に興味を持っていると推定される場合、対象となる物件の外観の画像のみならず、その物件の近隣(周囲)に存在する他の物件の外観を含む画像も提示するようにしてもよい。対象となる物件自体の外観が良くても、近隣(周囲)に存在する他の物件の外観との調和がとれていなかったり、他の物件の外観との関係で印象が異なったりする可能性があるためである。
【0144】
〔7.効果〕
上述してきたように、本願に係る情報処理装置(端末装置10及び情報提供装置100)は、物件ごとに登録される画像のうち閲覧態様が所定の条件を満たす画像の傾向を特定する特定部(集計部133)と、特定された傾向に応じた物件を検索するための検索条件を生成する生成部134と、検索条件に応じた物件をユーザに提示する提供部136とを備える。
【0145】
特定部(集計部133)は、ユーザが見ている物件の画像から注目ポイントを抽出して画像の特徴としてタグ付けし、ユーザが見ている画像の特徴を示すタグを集計する。生成部134は、タグの集計結果に基づいて、タグに該当する検索軸を生成する。提供部136は、検索条件に関連する物件を提示する。
【0146】
特定部(集計部133)は、ユーザが閲覧した画像の審美スコアを特定する。生成部134は、審美スコアが所定の条件を満たす画像に基づいて、検索条件を生成する。
【0147】
生成部134は、ユーザが閲覧した物件の画像の対象物の傾向に基づいて、ユーザが興味を有する物件の特定の部分を推定し、当該特定の部分が所定の条件を満たす物件を検索するための検索条件を生成する。
【0148】
生成部134は、ユーザが閲覧した物件の画像の対象物から、ユーザが物件の外観に興味を持っていると推定される場合、外観の視覚的な態様に関する検索条件を生成する。
【0149】
生成部134は、ユーザが閲覧した物件の画像の対象物から、ユーザが物件の水回りに興味を持っていると推定される場合、水回りに関する検索条件を生成する。
【0150】
生成部134は、ユーザが閲覧した物件の画像の対象物から、ユーザが物件の収納に興味を持っていると推定される場合、収納に関する検索条件を生成する。
【0151】
上述した各処理のいずれかもしくは組合せにより、本願に係る情報処理装置は、ユーザに有益な情報を提供するための検索条件を創出することができる。本願に係る情報処理装置は、ユーザが閲覧した画像の特徴(タグ等)を特定し、特定した特徴の共通性に基づいて、検索条件を生成し、検索条件に基づく検索結果を提供する。
【0152】
〔8.ハードウェア構成〕
また、上述した実施形態に係る端末装置10や情報提供装置100は、例えば
図9に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、情報提供装置100を例に挙げて説明する。
図9は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力I/F(Interface)1060、入力I/F1070、ネットワークI/F1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0153】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。演算装置1030は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等により実現される。
【0154】
一次記憶装置1040は、RAM(Random Access Memory)等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。二次記憶装置1050は、内蔵ストレージであってもよいし、外付けストレージであってもよい。また、二次記憶装置1050は、USB(Universal Serial Bus)メモリやSD(Secure Digital)メモリカード等の取り外し可能な記憶媒体であってもよい。また、二次記憶装置1050は、クラウドストレージ(オンラインストレージ)やNAS(Network Attached Storage)、ファイルサーバ等であってもよい。
【0155】
出力I/F1060は、ディスプレイ、プロジェクタ、及びプリンタ等といった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインターフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力I/F1070は、マウス、キーボード、キーパッド、ボタン、及びスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインターフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0156】
また、出力I/F1060及び入力I/F1070はそれぞれ出力装置1010及び入力装置1020と無線で接続してもよい。すなわち、出力装置1010及び入力装置1020は、ワイヤレス機器であってもよい。
【0157】
また、出力装置1010及び入力装置1020は、タッチパネルのように一体化していてもよい。この場合、出力I/F1060及び入力I/F1070も、入出力I/Fとして一体化していてもよい。
【0158】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、又は半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。
【0159】
ネットワークI/F1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0160】
演算装置1030は、出力I/F1060や入力I/F1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0161】
例えば、コンピュータ1000が情報提供装置100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、コンピュータ1000の演算装置1030は、ネットワークI/F1080を介して他の機器から取得したプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行してもよい。また、コンピュータ1000の演算装置1030は、ネットワークI/F1080を介して他の機器と連携し、プログラムの機能やデータ等を他の機器の他のプログラムから呼び出して利用してもよい。
【0162】
〔9.その他〕
以上、本願の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0163】
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0164】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【0165】
例えば、上述した情報提供装置100は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティング等で呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0166】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0167】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0168】
1 情報処理システム
10 端末装置
100 情報提供装置
110 通信部
120 記憶部
121 利用者情報データベース
122 履歴情報データベース
123 物件画像情報データベース
130 制御部
131 取得部
132 算出部
133 集計部
134 生成部
135 決定部
136 提供部